JP3522238B2 - カートリッジ嵌合機構 - Google Patents

カートリッジ嵌合機構

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JP3522238B2
JP3522238B2 JP2001198937A JP2001198937A JP3522238B2 JP 3522238 B2 JP3522238 B2 JP 3522238B2 JP 2001198937 A JP2001198937 A JP 2001198937A JP 2001198937 A JP2001198937 A JP 2001198937A JP 3522238 B2 JP3522238 B2 JP 3522238B2
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    • G11B23/00Record carriers not specific to the method of recording or reproducing; Accessories, e.g. containers, specially adapted for co-operation with the recording or reproducing apparatus ; Intermediate mediums; Apparatus or processes specially adapted for their manufacture
    • G11B23/02Containers; Storing means both adapted to cooperate with the recording or reproducing means
    • G11B23/04Magazines; Cassettes for webs or filaments
    • G11B23/08Magazines; Cassettes for webs or filaments for housing webs or filaments having two distinct ends
    • G11B23/107Magazines; Cassettes for webs or filaments for housing webs or filaments having two distinct ends using one reel or core, one end of the record carrier coming out of the magazine or cassette

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テープドライブ装
置へテープカートリッジを装着する際の該カートリッジ
とドライブ装置との嵌合のためのカートリッジ嵌合機構
に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】電子計
算機の記憶媒体の1つとして、シングルリールカートリ
ッジ磁気テープが使用されている。この磁気テープは、
カートリッジのケース内において該ケースに対し回転可
能に支持されたリールの芯に一端が固定されて巻回され
ており、リールの回転を伴って他端がカートリッジケー
スから繰り出される。
【0003】カートリッジは磁気テープドライブ装置に
装着され、その際に、カートリッジ嵌合機構によりドラ
イブ装置の駆動モータ(リールモータ)からカートリッ
ジのリールへの回転駆動力の伝達が可能とされる。カー
トリッジ嵌合機構を構成するために、カートリッジ側で
はリールにケース外面へと露出した面状のカートリッジ
ギヤが付設されており、ドライブ装置側ではリールモー
タから回転力の伝達を受ける面状のドライブギヤが配置
されており、これらカートリッジギヤとドライブギヤと
が離接可能とされている。
【0004】ところで、カートリッジには、ドライブ装
置への装着時以外においてカートリッジケースに対しリ
ールが回転して磁気テープの巻き戻りやたるみが発生す
るのを防止するために、該カートリッジがドライブ装置
から取り外された時(即ちカートリッジ嵌合機構による
嵌合が解除された時)にケースに対するリールの回転を
阻止するリールロック機構が付されている。このリール
ロック機構は、カートリッジギヤがドライブギヤと噛み
合った時にのみブレーキ解除するようになっており、そ
の動作のために、カートリッジギヤのいくつかの歯が除
去された部分にドライブギヤの歯先に当接するロックパ
ッドと呼ばれる可動部材が取り付けられている。該ロッ
クパッドは、ギヤ面から突出せしめられた進出位置とギ
ヤ面から後退した後退位置との間で往復移動可能なよう
に取り付けられている。そして、該ロックパッドは、バ
ネにより進出位置の方へと付勢されており、進出位置で
はブレーキが作用し、バネの付勢力に抗して後退位置へ
と移動せしめられることでブレーキを解除する。このた
め、ロックパッドには適正な往復移動ストロークが要求
される。
【0005】図12に、以上のような従来のカートリッ
ジ嵌合機構のドライブギヤ及びカートリッジギヤの模式
的部分断面図を示す。カートリッジギヤ101aは、上
下方向の回転中心CL1の周りに環状に形成されてお
り、周方向に等間隔で3つのロックパッド101bが配
置されている。該ロックパッド101bは図示される位
置を下限として所要のストロークにわたって上下方向に
移動可能である。尚、ロックパッド101bが設けられ
ている位置の近傍では、カートリッジギヤ101aの歯
が3枚除去された歯無し部101eが形成されている。
ドライブギヤ122はカートリッジギヤ101aと適合
する形状を有しており、上下方向の回転中心CL2の周
りに環状に形成されている。
【0006】カートリッジギヤ101aの歯先には、ロ
ックパッド101bより内側の領域において次第に低く
なる角度θaのテーパーが付されている。また、ドライ
ブギヤ122の歯先は、やはりロックパッド101bの
中央より内側の領域において次第に低くなる角度θbの
テーパーが付されている。これにより、カートリッジギ
ヤ101aとドライブギヤ122とが回転中心CL1,
CL2を共通にして適正に噛み合った状態では、ドライ
ブギヤ122が歯先の最も高い位置でロックパッド10
1bに当接して押上げるので、ブレーキ解除に十分な距
離だけロックパッド101bを移動させることができ
る。
【0007】しかしながら、カートリッジをドライブ装
置に装着する際の該ドライブ装置に対するカートリッジ
ケースの位置決め及び該カートリッジのケースに対する
カートリッジギヤの位置の精度が十分に高くない場合に
は、図13に示されているように、ドライブギヤ122
に対するカートリッジギヤ101aの位置ずれが発生す
る。この位置ずれは、図示されているように、ドライブ
ギヤ122に対するカートリッジギヤ101aの位置ず
れの方向と該カートリッジギヤ101aの回転中心CL
1から見たロックパッド101bの方向とがほぼ合致す
るようにして起こる場合がある。その場合の当該ロック
パッド101bに対応する位置の近傍のドライブギヤ1
22の歯先が最も高い最外周の位置での周方向断面図を
図14に示す。図14からわかるように、ドライブギヤ
122の軸方向に対するカートリッジギヤ101aの軸
方向のわずかな倒れが発生すると、ドライブギヤ122
の最外周部近傍の最も歯先ピッチの大きな部分にカート
リッジギヤ101aの歯無し部101eの両側の歯先が
入り込む。この原因は、第1には、図14に示される断
面では、カートリッジギヤ101aの歯先ピッチがドラ
イブギヤ122の歯先ピッチより小さくなることであ
り、第2には、図14に示される断面では、ドライブギ
ヤ122の歯先の高さが所要のロックパッド移動ストロ
ークを得るために最も高く形成されているので歯先の平
面部の幅W’は小さく、この歯先平面部によりカートリ
ッジギヤ101aの歯先を受け止める余裕が小さくなる
ことである。このような事態に至ると、双方のギヤどう
しの相対回転が不可能になり、適正な嵌合ができなくな
ることがある。
【0008】このため、従来のカートリッジ嵌合機構で
は、適正な両ギヤの噛み合わせを可能とするギヤ回転中
心CL1,CL2間のずれS’の許容可能な寸法が小さ
くなり、ドライブ装置に対するカートリッジケースの位
置決め精度を高め、更にカートリッジケースに対するカ
ートリッジリールの位置精度を高いものとすることが必
要であった。これが、カートリッジ嵌合機構並びにカー
トリッジ及びドライブ装置の低コスト化の妨げとなって
いた。
【0009】本発明の目的は、カートリッジ嵌合機構に
おける噛み合わすべきカートリッジギヤとドライブギヤ
との位置ずれの許容度を高めることにある。
【0010】本発明の更なる目的は、リールロック機構
のロックパッドの所要の移動ストロークを確保しつつ、
カートリッジ嵌合機構における噛み合わすべきカートリ
ッジギヤとドライブギヤとの位置ずれの許容度を高める
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、以上の
如き目的を達成するものとして、テープドライブ装置に
装着されるテープカートリッジのリールに取り付けられ
た面状カートリッジギヤを、前記テープドライブ装置の
リールモータに接続せしめられた面状ドライブギヤに嵌
合させるためのカートリッジ嵌合機構において、前記カ
ートリッジギヤは歯先が内周側ほど低くなる第1の傾斜
角を持ったテーパー形状を有しており、前記ドライブギ
ヤは歯先が外周側ほど低くなる第2の傾斜角を持ったテ
ーパー形状を有しており、前記第2の傾斜角は前記第1
の傾斜角より小さいことを特徴とするカートリッジ嵌合
機構、が提供される。
【0012】本発明の一態様においては、前記カートリ
ッジギヤの面及び前記ドライブギヤの面は、それぞれ回
転中心の周りの周方向に環状をなして形成されている。
【0013】本発明の一態様においては、前記カートリ
ッジにはそのケースに対する前記リールの回転を阻止す
るためのリールロック機構が設けられており、該リール
ロック機構は前記カートリッジギヤの面の一部において
進出位置と後退位置との間で往復移動可能で且つ前記進
出位置の方へと付勢されたロックパッドを備えている。
【0014】本発明の一態様においては、前記ドライブ
ギヤのテーパー形状は、前記ドライブギヤと前記カート
リッジギヤとの適正な噛み合い状態において前記ロック
パッドが当接する前記ドライブギヤの径方向最内方の位
置及びそれより外方において形成されている。本発明の
一態様においては、前記ドライブギヤは、前記ドライブ
ギヤと前記カートリッジギヤとの適正な噛み合い状態に
おいて前記ロックパッドが当接する前記ドライブギヤの
径方向最内方の位置から外方へと向かって歯のそれぞれ
の歯先平坦部の幅が次第に大きくなっている。
【0015】本発明の一態様においては、前記カートリ
ッジギヤのテーパー形状は、その径方向に関して前記ロ
ックパッドの最内方の位置及びそれより内方において形
成されている。本発明の一態様においては、前記カート
リッジギヤは、前記ロックパッドの近傍の領域に歯の欠
如した歯無し部を備えている。
【0016】本発明の一態様においては、前記カートリ
ッジギヤを前記ドライブギヤの方へと付勢する付勢手段
を備えている。本発明の一態様においては、前記付勢手
段は前記ドライブギヤに付設されたマグネットと前記カ
ートリッジギヤに付設された磁性体とを含んでなる。
【0017】本発明の一態様においては、前記カートリ
ッジのケースには位置決め穴が形成されており、前記テ
ープドライブ装置には前記カートリッジギヤを前記ドラ
イブギヤに嵌合させる際に前記位置決め穴に挿入されて
前記ケースを前記テープドライブ装置に対して位置決め
するサポートピンが設けられている。本発明の一態様に
おいては、前記サポートピンは、前記カートリッジギヤ
を前記ドライブギヤに嵌合させる際に前記カートリッジ
ギヤと前記ドライブギヤとの接触の開始前に前記位置決
め穴内への挿入が開始されるのに十分な長さを有する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態を説明する。
【0019】図1は、本発明によるカートリッジ嵌合機
構の一つの実施形態を説明するための平面図である。図
1においては、磁気テープドライブ装置30のデッキベ
ース3、及び磁気テープドライブ装置30の不図示のロ
ーディング機構により所定の位置に装着されたカートリ
ッジ1が示されている。ドライブ装置30には、装着さ
れたカートリッジ1から巻き戻されて繰り出される磁気
テープを巻き取るマシンリール31が配置されている。
【0020】図2はドライブ装置30とカートリッジ1
との関係を示す部分断面分解正面図であり、図3はその
部分拡大図である。ドライブ装置30のデッキベース3
には、リールモータ24が取り付けられている。リール
モータ24の回転軸にはドライブギヤ22が接続されて
おり、該ドライブギヤの回転中心CL2は上下方向を向
いている。ドライブギヤ22には、カートリッジ1のカ
ートリッジギヤ1aをドライブギヤ22の方へと付勢す
る付勢手段を構成するマグネット22a及びヨーク22
bが付設されている。また、デッキベース3には、カー
トリッジ1のケース1dを位置決めするための複数のサ
ポートピン23が上方に向けて突設されている。サポー
トピン23は、上端部が略円錐形状をなしている。
【0021】図4はカートリッジ1の底面図であり、図
5及び図6はそれぞれその部分断面正面図及び部分断面
図である。図2〜図6に示されているように、カートリ
ッジ1は、ケース1dと、該ケースの内部に上下方向の
周りに回転可能に配置されたリール1fと、該リールに
巻回された磁気テープ1gとを有する。ケース1dは下
板部の中央に円形の開口が形成されており、該開口から
カートリッジギヤ1aが露出している。カートリッジケ
ース1dの下板部には、上記サポートピン23に対応す
る位置に、該サポートピン23と係合される位置決め穴
1cが形成されている。
【0022】カートリッジギヤ1aは、リール1fの中
央部下側に付設されており、その回転中心CL1は上下
方向を向いている。カートリッジギヤ1aの面は、図4
に示されているように、回転中心CL1の周りの周方向
に環状をなして形成されている。尚、上記ドライブギヤ
22の面も、カートリッジギヤ1aの面と同様に回転中
心CL2の周りの周方向に環状をなして形成されてい
る。カートリッジギヤ1aは、ドライブギヤ22と噛み
合い可能な形状をなしている。
【0023】カートリッジギヤ1aには、回転中心CL
1の周りに周方向に等間隔に配置され3つのロックパッ
ド1bが備えられている。該3つのロックパッド1b
は、図6に示すように、それぞれカートリッジギヤ1a
を貫通して上方に延びており、ケース1d内で互いに共
通の基板部1b’に連なっている。該基板部1b’の平
面形状は、3つのロックパッド1bをほぼ頂点とする略
三角形である。一方、ケース1dの上板部の中央の下側
には、ロック部材1hが上下方向に摺動可能で且つ上下
方向の周りの回転を阻止された状態で取り付けられてい
る。該ロック部材1hは、コイルバネ1iにより下方へ
と押圧されており、その下部中央部が上記ロックパッド
基板部1b’に当接している。従って、ロックパッド1
bは下方へと付勢されている。また、カートリッジギヤ
1aの上面側には、回転中心CL1の周りに環状に配列
された第1のラッチギヤ1jが形成されている。そし
て、上記ロック部材1hの下面外周部には、ロックパッ
ド基板部1b’の三角形状に対応する領域以外の領域に
おいて、第1のラッチギヤ1jに対応して、回転中心C
L1の周りに円弧状に配列された第2のラッチギヤが形
成されている。更に、カートリッジギヤ1aには、ドラ
イブギヤ22のマグネット22a及びヨーク22bに対
応する位置に、これらとともに上記付勢手段を構成する
磁性体である鉄板1kが付設されている。
【0024】上記図2及び図5には、ロックパッド1b
がコイルバネ1iにより下方へと押圧されてギヤ面から
突出せしめられた進出位置にある状態が示されている。
一方、上記図6には、ドライブギヤ22との嵌合によ
り、コイルバネ1iの付勢力に抗してロックパッド1b
が上方へと押し上げられた後退位置にある状態が示され
ている。この後退位置では、ロック部材1hが上方へと
押し上げられているので、第1及び第2のラッチギヤの
係合が解除され(即ち、ブレーキが解除され)、リール
1fの回転が可能である。このリール回転の際には、ロ
ックパッド1b及びカートリッジギヤ1aも一体的に回
転し、ロックパッド基板部1b’の上面中心部がロック
部材1hの下部中央部と点接触しながら相対回転する。
尚、ドライブギヤ22との嵌合が解除された場合には、
コイルバネ1iの付勢力によりロック部材1h及びロッ
クパッド1bが下方へと移動し、やがて第1及び第2の
ラッチギヤが係合して、ブレーキが作用する。尚、この
ブレーキは、リール1fから磁気テープ1gが繰り出さ
れる向きの一方向の回転に対してのみ作用し、反対向き
の回転に対しては作用しない。
【0025】カートリッジギヤ1aには、ロックパッド
1bが設けられている位置の近傍の領域にて、カートリ
ッジギヤ1aの歯が3枚欠如して平坦な面とされた歯無
し部1eが形成されている。
【0026】本実施形態では、図3に示されているよう
に、カートリッジギヤ1aは歯先が内周側ほど低くなる
第1の傾斜角θ1を持ったテーパー形状を有している。
一方、ドライブギヤ22は歯先が外周側ほど低くなる第
2の傾斜角θ2を持ったテーパー形状を有している。こ
こで、第2の傾斜角θ2は第1の傾斜角θ1より小さ
い。
【0027】ドライブギヤ22のテーパー形状は、ドラ
イブギヤ22とカートリッジギヤ1aとが適正に噛み合
った状態において、ロックパッド1bが当接するドライ
ブギヤ22の径方向最内方の位置及びそれより外方(矢
印22’で示す)において形成されている。従って、ド
ライブギヤ22は、矢印22’で示される領域におい
て、径方向最内方の位置から外方へと向かって各歯の歯
先平坦部の幅(回転中心CL2の周りの周方向の寸法)
が次第に大きくなっている。一方、カートリッジギヤ1
aのテーパー形状は、その径方向に関してロックパッド
1bの最内方の位置及びそれより内方(矢印1a’で示
す)において形成されている。
【0028】次に、上記の図1〜6に加えて、図7及び
図8をも参照しながら、本実施形態のカートリッジ嵌合
機構の動作及び作用について説明する。
【0029】図7は、カートリッジ1をドライブ装置3
0に装着する際に生ずることがあるドライブギヤ22に
対するカートリッジギヤ1aの位置ずれ状態を示す模式
的平面図である。この位置ずれ状態では、ギヤ回転中心
CL1,CL2間のずれはSであり、ドライブギヤ22
に対するカートリッジギヤ1aの位置ずれの方向と該カ
ートリッジギヤ1aの回転中心CL1から見た1つのロ
ックパッド1bの方向とが合致している。その場合の当
該ロックパッド1bに対応する位置の近傍のドライブギ
ヤ22の最外周の位置での周方向断面図を図8に示す。
図8に示されているように、ドライブギヤ22の軸方向
に対するカートリッジギヤ1aの軸方向の倒れが発生し
ても、ドライブギヤ22の最外周部近傍の最も歯先ピッ
チの大きな部分にカートリッジギヤ1aの歯無し部1e
の両側の歯先が入り込むことがない。その理由は、第1
に、ドライブギヤ22は、歯先が外周側ほど低くなる傾
斜角θ2を持ったテーパー形状を有しているので、歯先
平坦部の幅Wが最外周部において最も大きく、このため
ギヤ回転中心CL1,CL2間のずれSがかなり大きく
ても(例えば図12〜14を参照して説明したカートリ
ッジ嵌合機構の1.7倍大きくても)カートリッジギヤ
1aの歯先がドライブギヤ22の歯先平坦部に当接する
からである。また、第2に、θ2<θ1であるので、カ
ートリッジギヤ1aの歯先がドライブギヤ22の最外周
部に最初に当接するからである。
【0030】かくして、ドライブ装置30に対するカー
トリッジケース1dの位置決め及び該カートリッジケー
ス1dに対するカートリッジギヤ1aの位置の精度がそ
れほど高くなくても、ドライブギヤ22の歯先平坦部に
よりカートリッジギヤ1aの歯先を受け止める余裕が大
きいので、双方のギヤどうしの相対回転が可能であり、
わずかな角度(例えば数度)の相対回転の後には、適正
な嵌合がなされる。尚、この嵌合の際には、カートリッ
ジギヤ1aに付設された鉄板1kがドライブギヤ22に
付設されたマグネット22a及びヨーク22bにより吸
引される。
【0031】この適正な嵌合により、ロックパッド1b
がドライブギヤ22の歯先により上方へと押し上げられ
る。この状態では、上記のように、ロックパッド1bの
最も回転中心CL1に近い内側のエッジがドライブギヤ
22の歯の最も高い位置(矢印22’の起点である径方
向最内方の位置)の部分に当接するので、ドライブギヤ
22の最外周位置において歯の高さが低くても、ロック
パッド1bの移動ストロークを確保することができる。
この嵌合により、上記のようにしてカートリッジ1のリ
ールロック機構のブレーキが解除される。
【0032】以上のようなドライブギヤ22に対するカ
ートリッジギヤ1a及びカートリッジリール1fの位置
決め動作に際して、同時にカートリッジケース1dの位
置決め穴1cにサポートピン23が係合され、これによ
りドライブ装置30に対するカートリッジケース1dの
位置決めが完了する。従って、カートリッジの嵌合の際
の上下移動量を少なくすることができ、ドライブ装置3
0を小型化することができる。
【0033】次に、本実施形態のドライブ装置30を構
成するカートリッジローディング機構部について、図9
及び図10を参照して、説明する。ローディング機構部
は、図9及び図10において矢印Xの向きに挿入される
カートリッジ1を矢印Xの向きに搬送して該カートリッ
ジ1内の磁気テープの繰り出し及び巻き戻しの可能な所
定位置へと移動させ、且つ、この所定位置から磁気テー
プの巻き戻されたカートリッジ1を矢印Yの向きに搬送
して該カートリッジ1を矢印Yの向きに排出することが
可能な位置へと移動させるものである。
【0034】ローディング機構部では、デッキベース3
に対する位置が固定されたローダーガイドプレート4が
配置されており、その内側にローダードライブプレート
5が配置されており、その内側にカートリッジトレイ2
が配置されている。図10は、ローダーガイドプレート
4、ローダードライブプレート5及びカートリッジトレ
イ2の関係を示す部分分解斜視図である。
【0035】図10に示されているように、カートリッ
ジ1はX方向にカートリッジトレイ2へと挿入される。
カートリッジトレイ2の一方の側面には、ピン2−1が
外向きに突設されている。ローダードライブプレート5
の側面にはローダードライブ溝5−1が形成されてお
り、該ローダードライブ溝5−1はX方向に関して前方
が高く後方が低くなっている傾斜部5−1aと該傾斜部
5−1aのY方向端と接続された水平部5−1bとから
なる。ローダーガイドプレート4の側面にはローダーガ
イド溝4−1,4−2が形成されている。ピン2−1は
ローダードライブ溝5−1及びローダーガイド溝4−1
を通って延びており、該ピン2−1には、ローダードラ
イブ溝5−1内を該溝に沿って移動するローラ2−2と
ローダーガイド溝4−1内を該溝に沿って移動するロー
ラ2−3とが回動自在に取り付けられている。これらの
ローラ2−2,2−3は、それぞれカートリッジトレイ
2の側面とローダードライブプレート5の側面との間の
スペーシング及びローダードライブプレート5の側面と
ローダーガイドプレート4の側面との間のスペーシング
のためのフランジが形成されている。また、ローダード
ライブプレート5の側面には、ピン5−2が外向きに突
設されており、該ピン5−2にはローダーガイド溝4−
2内を該溝に沿って移動するローラ5−3が回動自在に
取り付けられている。
【0036】以上、図10では、一方の側面側に関して
ローダーガイドプレート4、ローダードライブプレート
5及びカートリッジトレイ2の関係が示されているが、
他方の側面側も同様な構成を有する。但し、図9に示さ
れているように、カートリッジトレイ2の他方の側面に
は、ピン2−1に加えて同様なピン2−1’が外向きに
突設されている。これに対応して、ローダードライブプ
レート5の他方の側面には、ローダードライブ溝5−1
に加えて同様なローダードライブ溝5−1’が形成され
ている。そして、ピン2−1’はローダードライブ溝5
−1’及びローダーガイド溝4−2を通って延びてお
り、該ピン2−1’にはピン2−1と同様にローダード
ライブ溝5−1’内を該溝に沿って移動するローラ2−
2’とローダーガイド溝4−2内を該溝に沿って移動す
るローラ2−3’とが回動自在に取り付けられている。
更に、図9に示されているように、ローダードライブプ
レート5の他方の側面には、ピン5−2に加えてピン5
−2’が外向きに突設されており、該ピン5−2’には
ローダーガイド溝4−2内を該溝に沿って移動するロー
ラ5−3’が回動自在に取り付けられている。
【0037】図9に示されているように、ローダーガイ
ド溝4−1,4−2は、いずれもX方向に延びている水
平部と、該水平部のX方向端からほぼ垂直に下向きに延
びている垂直部とからなる。上記ローラ2−3,2−
3’が同時にローダーガイド溝4−1,4−2の垂直部
に到達するように、該ローダーガイド溝の形状及び上記
ピン2−1,2−1’の位置が設定されている。
【0038】このようにすることで、ローダーガイドプ
レート4に対してローダードライブプレート5及びカー
トリッジトレイ2をXY方向及びこれと直交する上下方
向に平行移動可能なように支持することができる。
【0039】ローダードライブプレート5の上面にはロ
ーダードライブローラー5−4が取り付けられており、
該ローダードライブローラー5−4は、ローダーガイド
プレート4の上面にXY方向に沿って形成された溝を通
ってローダーガイドプレート4の上方にまで延びてい
る。
【0040】また、図10に示されているように、カー
トリッジトレイ2には、カートリッジ1のドア1−3に
設けられた係止突起1−4と係合する位置に係止部材2
−4が形成されており、カートリッジ1をトレイ2の所
定位置に挿入する時に、係止突起1−4と係止部材2−
4とが係合することで、カートリッジドア1−3が開か
れる。
【0041】手動または適宜のハンドリング装置を用い
てカートリッジ1をXの向きにカートリッジトレイ2内
へと挿入し、不図示の駆動手段によりローダードライブ
ギヤ6を上下方向の周りで回転させることにより、該ロ
ーダードライブギヤに形成されたカム溝と係合している
上記ローダードライブローラー5−4をX方向へと移動
させ、これに伴いカートリッジトレイ2をカートリッジ
1と共に、先ずX方向に移動させ次いで下向きに移動さ
せ所定の位置に降下させる。この下向き移動により、上
記カートリッジ嵌合機構による嵌合動作が開始される。
【0042】図9において、30’はマシンリール31
を駆動回転させるマシンリールモータであり、11は上
記ローダードライブギヤ6と噛み合う外歯を有するスレ
ッダードライブギヤであり、10はスレッディングカム
である。該スレッディングカム10は、スレッダードラ
イブギヤ11に形成されたカム溝と係合せる不図示のス
レッディングアームに付されたピンと係合するスレッデ
ィングカム溝を有しており、該スレッディングカム溝に
沿ってスレッディングアームのピンを移動させること
で、装着済のカートリッジ1内の磁気テープの先端を引
き出して所定の経路でマシンリール31へと導くことが
できる。
【0043】図11は、本発明によるカートリッジ嵌合
機構の更に別の実施形態を説明するためのドライブ装置
とカートリッジとの関係を示す部分断面分解正面図であ
る。本図において図2におけると同等の機能を有する部
材には同一の符号が付されている。
【0044】本実施形態は、ドライブ装置30に設けら
れたサポートピン23の長さが上記図1〜10に関して
説明した実施形態のものと異なる。即ち、サポートピン
23は、カートリッジギヤ1aをドライブギヤ22に嵌
合させる際に、カートリッジギヤ1aとドライブギヤ2
2との接触の開始前に位置決め穴1c内への挿入が開始
されるのに十分な長さを有する。位置決め穴1cの深さ
を図1〜10に関して説明した実施形態のものより深く
してもよい。
【0045】本実施形態では、カートリッジ1の装着に
際して、先ずカートリッジケース1dがドライブ装置3
0に位置決めされるので、ドライブギヤ22に対するカ
ートリッジギヤ1aの嵌合の際には、カートリッジケー
ス1dに対するカートリッジギヤの位置ずれ分のみを補
正すればよい。このため、カートリッジケース1dに対
するカートリッジギヤ1aの位置ずれの許容度を一層大
きくすることができ、一層の低コスト化が可能となる。
【0046】以上の実施形態ではテープカートリッジと
して磁気テープカートリッジを用いているが、本発明は
磁気テープカートリッジ以外のテープカートリッジ例え
ば光テープカートリッジその他を用いた場合にも同様な
作用効果を発揮するものである。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
カートリッジ嵌合機構における噛み合わすべきカートリ
ッジギヤとドライブギヤとの位置ずれの許容度をドライ
ブギヤの歯の特定の形状により高めることができ、特に
リールロック機構のロックパッドの所要の移動ストロー
クを確保しつつ、カートリッジギヤとドライブギヤとの
位置ずれの許容度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカートリッジ嵌合機構を説明する
ための平面図である。
【図2】本発明によるカートリッジ嵌合機構におけるド
ライブ装置とカートリッジとの関係を示す部分断面分解
正面図である。
【図3】本発明によるカートリッジ嵌合機構におけるド
ライブ装置とカートリッジとの関係を示す部分拡大図で
ある。
【図4】本発明によるカートリッジ嵌合機構におけるカ
ートリッジの底面図である。
【図5】本発明によるカートリッジ嵌合機構におけるカ
ートリッジの部分断面正面図である。
【図6】本発明によるカートリッジ嵌合機構におけるカ
ートリッジの部分断面図である。
【図7】本発明によるカートリッジ嵌合機構におけるド
ライブギヤに対するカートリッジギヤの位置ずれ状態を
示す模式的平面図である。
【図8】本発明によるカートリッジ嵌合機構におけるロ
ックパッドに対応する位置の近傍のドライブギヤの最外
周の位置での周方向断面図である。
【図9】本発明によるカートリッジ嵌合機構におけるド
ライブ装置のローディング機構部の概略側面図である。
【図10】本発明によるカートリッジ嵌合機構における
ドライブ装置のローディング機構部の部分分解斜視図で
ある。
【図11】本発明によるカートリッジ嵌合機構を説明す
るためのドライブ装置とカートリッジとの関係を示す部
分断面分解正面図である。
【図12】従来のカートリッジ嵌合機構のドライブギヤ
及びカートリッジギヤの模式的部分断面図である。
【図13】従来のカートリッジ嵌合機構におけるドライ
ブギヤに対するカートリッジギヤの位置ずれ状態を示す
模式的平面図である。
【図14】従来のカートリッジ嵌合機構におけるロック
パッドに対応する位置の近傍のドライブギヤの最外周の
位置での周方向断面図である。
【符号の説明】
1 磁気テープカートリッジ 1a カートリッジギヤ 1b ロックパッド 1b’ ロックパッド基板部 1c 位置決め穴 1d ケース 1e 歯無し部 1f リール 1g 磁気テープ 1h ロック部材 1i コイルバネ 1j ラッチギヤ 1k 鉄板 3 デッキベース 22 ドライブギヤ 22a マグネット 22b ヨーク 23 サポートピン 24 リールモータ 30 磁気テープドライブ装置 31 マシンリール θ1 第1の傾斜角 θ2 第2の傾斜角 CL1 カートリッジギヤの回転中心 CL2 ドライブギヤの回転中心
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 15/30 G11B 15/67

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テープドライブ装置に装着されるテープ
    カートリッジのリールに取り付けられた面状カートリッ
    ジギヤを、前記テープドライブ装置のリールモータに接
    続せしめられた面状ドライブギヤに嵌合させるためのカ
    ートリッジ嵌合機構において、 前記カートリッジギヤは歯先が内周側ほど低くなる第1
    の傾斜角を持ったテーパー形状を有しており、前記ドラ
    イブギヤは歯先が外周側ほど低くなる第2の傾斜角を持
    ったテーパー形状を有しており、前記第2の傾斜角は前
    記第1の傾斜角より小さいことを特徴とするカートリッ
    ジ嵌合機構。
  2. 【請求項2】 前記カートリッジギヤの面及び前記ドラ
    イブギヤの面は、それぞれ回転中心の周りの周方向に環
    状をなして形成されていることを特徴とする、請求項1
    に記載のカートリッジ嵌合機構。
  3. 【請求項3】 前記カートリッジにはそのケースに対す
    る前記リールの回転を阻止するためのリールロック機構
    が設けられており、該リールロック機構は前記カートリ
    ッジギヤの面の一部において進出位置と後退位置との間
    で往復移動可能で且つ前記進出位置の方へと付勢された
    ロックパッドを備えていることを特徴とする、請求項1
    〜2のいずれかに記載のカートリッジ嵌合機構。
  4. 【請求項4】 前記ドライブギヤのテーパー形状は、前
    記ドライブギヤと前記カートリッジギヤとの適正な噛み
    合い状態において前記ロックパッドが当接する前記ドラ
    イブギヤの径方向最内方の位置及びそれより外方におい
    て形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の
    カートリッジ嵌合機構。
  5. 【請求項5】 前記ドライブギヤは、前記ドライブギヤ
    と前記カートリッジギヤとの適正な噛み合い状態におい
    て前記ロックパッドが当接する前記ドライブギヤの径方
    向最内方の位置から外方へと向かって歯のそれぞれの歯
    先平坦部の幅が次第に大きくなっていることを特徴とす
    る、請求項4に記載のカートリッジ嵌合機構。
  6. 【請求項6】 前記カートリッジギヤのテーパー形状
    は、その径方向に関して前記ロックパッドの最内方の位
    置及びそれより内方において形成されていることを特徴
    とする、請求項3〜5のいずれかに記載のカートリッジ
    嵌合機構。
  7. 【請求項7】 前記カートリッジギヤは、前記ロックパ
    ッドの近傍の領域に歯の欠如した歯無し部を備えている
    ことを特徴とする、請求項3〜6のいずれかに記載のカ
    ートリッジ嵌合機構。
  8. 【請求項8】 前記カートリッジギヤを前記ドライブギ
    ヤの方へと付勢する付勢手段を備えていることを特徴と
    する、請求項1〜7のいずれかに記載のカートリッジ嵌
    合機構。
  9. 【請求項9】 前記付勢手段は前記ドライブギヤに付設
    されたマグネットと前記カートリッジギヤに付設された
    磁性体とを含んでなることを特徴とする、請求項8に記
    載のカートリッジ嵌合機構。
  10. 【請求項10】 前記カートリッジのケースには位置決
    め穴が形成されており、前記テープドライブ装置には前
    記カートリッジギヤを前記ドライブギヤに嵌合させる際
    に前記位置決め穴に挿入されて前記ケースを前記テープ
    ドライブ装置に対して位置決めするサポートピンが設け
    られていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか
    に記載のカートリッジ嵌合機構。
  11. 【請求項11】 前記サポートピンは、前記カートリッ
    ジギヤを前記ドライブギヤに嵌合させる際に前記カート
    リッジギヤと前記ドライブギヤとの接触の開始前に前記
    位置決め穴内への挿入が開始されるのに十分な長さを有
    することを特徴とする、請求項10に記載のカートリッ
    ジ嵌合機構。
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