JP4359470B2 - 記録テープカートリッジ - Google Patents

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Description

本発明は、磁気テープ等の記録テープが巻装されたリールを回転可能に収容した記録テープカートリッジに関する。
コンピュータ等の外部記録媒体として磁気テープ等の記録テープが用いられている。この記録テープとして、保存時の収容スペースが小さく、大容量の情報が記録できる、記録テープが巻装された単一のリールをケース内に回転可能に収容した所謂1リールの記録テープカートリッジが採用されている。
このような記録テープカートリッジは、不使用時にはリールがケース内で回転しないようにブレーキ手段を備えている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、リールの軸心部を構成する有底円筒状のリールハブの底面に係合ギヤを環状に設けると共に、該係合ギヤに噛合い可能な制動ギヤが設けられた円板状のロック部材をリールハブ内に挿設した構成が記載されている。ロック部材は、ケースに対し回転不能かつリール軸線方向にスライド可能に支持されており、ケースとの間に設けられた圧縮コイルスプリングの付勢力によって制動ギヤをリールの係合ギヤに噛み合わせるようになっている。この状態で、リールは、圧縮コイルスプリングの付勢力によってケースの底板に押し付けらると共に、該付勢力によってロック部材の制動ギヤが係合ギヤ噛み合うことでケースに対する回転がロックされる。
そして、この構成では、リールハブの底部には貫通孔が形成されており、上記貫通孔からドライブ装置の解除部が進入してロック部材を圧縮コイルスプリングの付勢力に抗して押し上げると、制動ギヤと係合ギヤとの噛み合い状態が解除され、リールのケースに対する回転が許容されるようになっている。ドライブ装置の解除部は、リールハブの端面に形成されたリールギヤに噛み合う駆動ギヤと共に回転シャフトに設けられており、駆動ギヤをリールギヤに噛み合わせる動作に伴って、ロック部材を押し上げるようになっている。したがって、この構成では、回転シャフトがリールを回転駆動するときに、ケースに対し回転不能であるロック部材と回転シャフトと一体に回転する解除部とが、圧縮コイルスプリングの付勢力によって互いに押し付けられつつ摺接することとなる。そして、この摺接に伴い生じる回転抵抗を低減するために、ロック部材及び解除部が共に樹脂材にて構成されている。
また、上記特許文献1の構成と似たものとして、ロック部材とリールハブの底部との間にリールと一体に回転する解除部材を設けた構成が考えられている(例えば、特許文献2参照)。具体的には、解除部材は、リールにおけるリールギヤ形成部位に設けられた透孔から外部に露出しており、ドライブ装置の駆動ギヤの歯先に押圧されることでロック部材と共に圧縮コイルスプリングの付勢力に抗して押し上げられるようになっている。これによって、ロック部材は解除部材を介して押し上げられ、リールのロック状態を解除する。そして、この構成では、リールの回転駆動時には解除部材がリールと一体に回転することによって、駆動ギヤの歯先と解除部材とが摺接することがなく、解除部材とロック部材とが互いに摺接するようになっている。
さらに、リールの回転駆動時にロック部材が他の部分と摺接することがない構成が知られている(例えば、特許文献3参照)。この構成では、リールのフランジの外周部に係合ギヤが形成されており、それぞれケース内で回動可能に支持されると共に係合ギヤとの噛み合い方向に付勢された2つのロック部材が係合ギヤに噛み合うことでリールの回転をロックするようになっている。また、この記録テープカートリッジをドライブ装置に装填すると、各ロック部材がそれぞれドライブ装置の解除部に押圧されて上記付勢力に抗して回動することで、係合ギヤとの噛み合いが解除されてリールの回転が許容されるようになっている。これらの解除部は、それぞれ回転シャフトとは独立して設けられており、記録テープカートリッジ(ケース)のドライブ装置への装填または下降動作によってロック部材を押圧するようになっている。また、この構成では、リールをケースまたは回転シャフトに押し付けるための圧縮コイルスプリングが、ベアリングを介してリールに連結されており、圧縮コイルスプリングとリールとの相対回転がベアリングによって吸収されるようになっている。
特開昭63−251983号公報 特許第3187022号明細書 特開平11−25648号公報
しかしながら、特許文献1または特許文献2記載の構成では、ロック部材と解除部材またはドライブ装置の解除部との摺接部位に圧縮コイルスプリングの付勢力が抗力として作用するため、高記録容量化に対応して記録テープを長尺化しリールの回転速度が高速回転化したり連続運転時間が延長されたりすると、これらの摺接部位に摩耗が生じることが懸念される。一方、特許文献3記載の構成では、ロック部材を係合ギヤとの噛み合い方向に付勢する付勢手段とリールをケース底板側に付勢する圧縮コイルスプリングとが別部材であるため、リールと相対回転するロック部材によってリールと圧縮コイルスプリングとの相対回転を吸収することができず、該相対回転を高価なベアリングによって吸収しなければならなかった。
また、上記各構成に係る記録テープカートリッジでは、記録テープの不使用時に、圧縮コイルスプリングの付勢力によってリールがケースの底板に押し付けられる構造であるため、圧縮コイルスプリングの付勢力に抗する力が作用したときにリールのケース内での上下動を阻止(ロック)することができなかった。このため、例えば、リールにおけるケースから露出したリールギヤ形成部位(リールハブの底部外面)が押圧されたり落下衝撃が作用したりすると、リールがケース内で大きくガタつき、一端部がリーダ部材を介してケースに保持されている記録テープに損傷を与える原因となる。
このように、従来の記録テープカートリッジでは、リールを直接的にまたはロック部材を介してケースに対し付勢する圧縮コイルスプリングを備えていたために、さまざまな問題を生じていた。
本発明は、上記事実を考慮して、リールまたはロック部材をケースに対し付勢する付勢手段を設ける必要がない記録テープカートリッジを得ることが目的である。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る記録テープカートリッジは、円筒状に形成されたハブの外周部に記録テープを巻き回し、ケース内に回転可能収容されたリールと、前記ハブの内側に同軸的に設けられ、前記リールと常に一体に回転する内歯ギヤと、前記ケースに対する回転不能に支持され、該ハブの径方向に移動して前記内歯ギヤに噛み合う回転ロック位置と該噛み合いを解除する解除位置とを取り得るロック部材と、前記ケースに対し回動可能に支持され、一方側に回動して前記ロック部材を前記回転ロック位置から解除位置へ移動し他方側に回動して前記ロック部材を前記解除位置から回転ロック位置へ移動する確動カムを、該ロック部材との間に構成する回動カム部材と、前記ケース外に露出して配置され、ドライブ装置による操作方向に応じて前記回動カム部材を前記一方側または他方側に回動させる被操作部材と、を備えている。
請求項1記載の記録テープカートリッジでは、例えば不使用時には、ケースに対し回転不能なロック部材をリールの内歯ギヤに噛み合う回転ロック位置に位置させて、リールのケースに対する回転を阻止している。一方、記録テープカートリッジがドライブ装置に装填され、被操作部材が所定の方向に操作されると回動カム部材が一方側に回動し、該回動に伴って回動カム部材とロック部材とで構成する確動カムが、該ロック部材をリールの径方向内側へ移動する。これにより、ロック部材が内歯ギヤとの噛み合いを解除する解除位置に移動し、リールのケースに対する回転が可能となる。さらに、この回転可能状態から被操作部材が上記所定の方向とは反対方向に操作されると、回動カム部材が他方側に回動し、上記確動カムがロック部材をリールの径方向外側へ移動する。これにより、ロック部材が回転ロック位置に移動し、リールのケースに対する回転が再度阻止される。
ここで、ドライブ装置による被操作部材の操作方向に応じて回動カム部材が往復回動し、該回動カム部材の往復回動によってロック部材が回転ロック位置と解除位置との間を移動するため、ロック部材を回転ロック位置側に付勢する付勢手段を設けることなく、不使用時にリールの回転を阻止する機能を果たすことができる。
このように、請求項1記載の記録テープカートリッジでは、ロック部材をケースに対し付勢する付勢手段を設ける必要がない。このため、仮に被操作部材がリールの回転駆動時にドライブ装置の回転シャフトと摺接する構成であっても、該摺接部位には付勢力が作用しないため、回転シャフトまたは被操作部材の摩耗を防止または著しく抑制することができる。なお、被操作部材は、例えば、回動カム部材と別体とされて該回動カム部材との間に操作方向の運動を回動カム部材の回動に変換する変換手段を有しても良く、回動カム部材と一体に回動するように設けられてドライブ装置によって上記一方側または他方側に回動方向に操作されても良い。
請求項2記載の発明に係る記録テープカートリッジは、請求項1記載の記録テープカートリッジにおいて、前記被操作部材は、前記ドライブ装置による操作方向に応じて前記ハブの軸線に沿って往復動するように設けられ、かつ、前記回動カム部材及び前記被操作部材前の何れか一方に前記軸線廻りに螺旋溝を設けると共に、該回動カム部材及び被操作部材の他方に前記螺旋溝に摺動可能に入り込む凸部を設けた、ことを特徴としている。
請求項2記載の記録テープカートリッジでは、被操作部材がドライブ装置に操作されてハブ軸線方向の一方側に移動すると、該移動は螺旋溝の溝壁と凸部とが摺動しつつ回動カム部材の一方側の回動に変換される。また、被操作部材がドライブ装置に操作されてハブ軸線方向の他方側に移動すると、該移動は螺旋溝の溝壁と凸部とが摺動しつつ回動カム部材の他方側の回動に変換される。このように、単に被操作部材をハブ軸線方向に往復動させることで、ロック部材を回転ロック位置と解除位置との間で移動させることができ、構造が簡単である。また、ドライブ装置側の構造を簡素化することができる。
さらに、例えば、螺旋溝のハブ軸線に対する傾斜角(螺旋角)を大きくして、被操作部材に入力される上記軸線に沿う移動力によっては回動カム部材を容易に回動することができるが、回動カム部材に回動力が入力された場合には該螺旋溝と凸部との静摩擦によって回動カム部材が回動しない(し難い)設定とすることも可能である。この構成(設定)では、被操作部材を操作することなくロック部材が移動することが防止され、ロック部材を静摩擦によって回転ロック位置に保持することができる。
請求項3記載の発明に係る記録テープカートリッジは、請求項1または請求項2記載の記録テープカートリッジにおいて、前記ロック部材は、前記ハブの軸線方向の移動が規制されており、かつ、前記回転ロック位置に位置するときに前記リールにおける前記軸線と交差する面に当接し、前記解除位置に位置するときに該当接状態を解除する、ことを特徴としている。
請求項3記載の記録テープカートリッジでは、回転ロック位置に位置しているロック部材は、リールにおける軸線(ハブ軸線)と交差する面に当接しており、自らのハブ軸線方向の移動が規制されていることにより、リールが軸線方向に移動することを規制する。このロック部材は、解除位置に移動すると、上記リールにおける軸線と交差する面との当接状態を解除し、リールのケースに対する浮上(軸線方向の移動)を許容する。これにより、リールは、ケースに対し被接触で回転可能とされる。
したがって、本記録テープカートリッジでは、リールをケースに押し付けるための付勢手段を設けることなく、不使用時にリールがケース内でガタつくことを防止または抑止することができる。このため、リールと付勢部材との相対回転を吸収するために高価なベアリング等を設ける必要がなくなる。
請求項4記載の発明に係る記録テープカートリッジは、請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の記録テープカートリッジにおいて、前記ロック部材を複数備え、該複数のロック部材と前記回動カム部材との間にそれぞれ前記確動カムを構成した、ことを特徴としている。
請求項4記載の記録テープカートリッジでは、リールのハブの内側に同軸的に設けられた内歯ギヤに該ハブの径方向に移動して噛み合いするロック部材が複数設けられているため、それぞれ回転ロック位置に位置する複数のロック部材によってリールの径方向の移動が規制される。このため、リールの径方向のガタつきによって不用意にリールのロック状態が解除されることも防止される。
そして、これら複数のロック部材は、それぞれ1つの回動カム部材との間に確動カムを構成するため、1つの被操作部材がドライブ装置によって操作されることで、それぞれ回転ロック位置と回転許容位置との間を移動する。このため、部品点数が少なくドライブ装置の構造を複雑化することもない。
以上説明したように本発明に係る記録テープカートリッジは、リールまたはロック部材をケースに対し付勢する付勢手段を設ける必要がないという優れた効果を有する。
本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジ10について、図1乃至図7に基づいて説明する。
(記録テープカートリッジの全体構成)
図1(A)には記録テープカートリッジ10を斜め上方から見た斜視図が示されており、図1(B)には記録テープカートリッジ10を斜め下方から見た斜視図が示されている。また、図2には、記録テープカートリッジ10の断面図が示されている。なお、各図に適宜示す矢印Aは、記録テープカートリッジ10のドライブ装置への装填方向を示しており、説明の便宜上、矢印Aにて示す側を前側とする。また、矢印Bにて示す方向を上側とする。
これらの図に示される如く、記録テープカートリッジ10は、ケース12を備えている。ケース12は、上ケース14と下ケース16とを接合して構成されている。具体的には、上ケース14は、平面視略矩形状の天板14Aの外縁に沿って略枠状の周壁14Bが立設されて構成されており、下ケース16は、天板14Aに略対応した形状の底板16Aの外縁に沿って周壁16Bが立設されて構成されている。そして、ケース12は、周壁14Bの開口端と周壁16Bの開口端とを突き当てた状態で、超音波溶着やビス止め等によって上ケース14と下ケース16とが接合されて、略箱状に形成されている。
このケース12には、そのドライブ装置への装填方向先頭側の角隅部において、天板14A、周壁14B、底板16A、周壁16Bがそれぞれ切り欠かれて、該装填方向に対し傾斜した開口18が形成されている。また、底板16Aの略中央部には、該底板16Aを貫通する円形状のギヤ開口20が設けられており、後述するリールギヤ42の露出用とされている。底板16Aにおけるギヤ開口20の縁部には、テーパ形状の環状リブ22がケース12の内方へ向けて突設されており、後述するリール28の位置決め用とされている。
さらに、ケース12の底板16Aの外面における前端近傍には、一対の位置決め孔24、26が開口している。一対の位置決め孔24、26は、底板16Aからケース12内方に立設された突部(図示省略)内に袋状に設けられ、上記装填方向に直交する仮想線上で互いに離間して配置されている。そして、開口18に近い側の位置決め孔24は、ドライブ装置の位置決めピンに外接する底面視略正方形状とされ、位置決め孔26は、上記仮想線に沿って長手でかつ幅が位置決めピンの直径に対応する長孔とされている。
これにより、記録テープカートリッジ10がドライブ装置に装填されて位置決め孔24、26にそれぞれ位置決めピンが挿入されると、該記録テープカートリッジ10がドライブ装置内で水平方向(左右及び前後)に正確に位置決めされるようになっている。
さらに、底板16Aにおける位置決め孔24、26廻りの部分は、他の部分(意匠面)よりも平滑に仕上げられた位置決め面24A、26Aとされている。位置決め面24A、26Aは、位置決め孔24、26に位置決めピンが挿入されたときに該位置決めピン廻りに設けられたドライブ装置の位置決め面に当接するようになっている。これにより、記録テープカートリッジ10のドライブ装置内における鉛直方向の位置決めも為される構成である。
以上説明したケース12内には、図2に示される如く、後に詳述するリール28が回転可能に収容されている。リール28は、1つだけ設けられている。このリール28には、記録テープとしての磁気テープTが巻装されており、磁気テープTの先端には引出部材としてのリーダブロック30が取り付けられている。
リーダブロック30は、記録テープカートリッジ10の不使用時には、ケース12の開口18の内側に収容保持されるようになっている。この状態で、リーダブロック30は、開口18を閉塞し、ケース12内への塵芥等の侵入を阻止している。また、リーダブロック30は、その先端に係合凹部30Aが形成されており、ドライブ装置内で磁気テープTを引き出す際には、係合凹部30Aに係合する引出手段によってケース12から抜き出されてドライブ装置の巻取リールに誘導されるようになっている。さらに、リーダブロック30は、その係合凹部30Aとは反対側の端面が円弧面30Bとされており、上記巻取リールに嵌入されて磁気テープTを巻き取る巻取面の一部を構成するようになっている。
(リール等の構成)
次いでリール28について説明する。図2及び図3に示される如く、リール28は、その軸心部を構成するハブとしてのリールハブ32を備えている。リールハブ32は、外周面に磁気テープTが巻装される円筒部34と、該円筒部34の下部を閉塞する底部36とを有し上方に開口する略有底円筒状に形成されている。リールハブ32の底部36側端部(下端部)の近傍からは、下フランジ38がその径方向外側に同軸的かつ一体に延設されている。一方、リールハブ32の上端部には、上フランジ40が接合されている。これにより、リール28は、下フランジ38と上フランジ40との対向面間において、リールハブ32の円筒部34の外周面に磁気テープTが巻き回されるようになっており、円筒部34は上方に開口している。
また、リールハブ32の底部36の下端面(下フランジ38よりも下方に位置する外面)には、全体としてリール28と同軸的な環状に形成されたリールギヤ42が設けられている。リールギヤ42は、ドライブ装置の回転シャフト120の先端外周部に環状に設けられた駆動ギヤ122(図2参照)と噛み合い可能とされている。リールギヤ42は、歯先が下向きとされると共にリール28の径方向における内端がリブ44によって連結されて外歯ギヤ状に形成されている。
このリールギヤ42と底部36の外周部(下フランジ38の内縁近傍部分)との間には、内歯ギヤ状に形成された駆動ギヤ122の噛み合いを可能とするために、環状溝46が形成されている。環状溝46の外側開口端部は、ケース12の環状リブ22に対応してテーパ形状とされたテーパ面46Aとされている。また、底部36の軸心部には透孔48が設けられている。底部36の下面側には、透孔48の縁部を規定するリブ48Aが突設されている。
上フランジ40は、その外径が下フランジ38の外径と同径とされると共に、軸心部にリールハブ32の円筒部34の内径に対応する外径の短筒部40Aが設けられており、短筒部40Aが円筒部34の上端近傍に内嵌した状態で超音波溶着等によってリールハブ32に同軸的に固着されている。
そして、図4に示される如く、この上フランジ40の短筒部40Aの内周部には、係合部または内歯ギヤとしての係合ギヤ50が一体に形成されている。係合ギヤ50は、各歯の歯先がリール28の軸心を向く内歯ギヤであり、かつ各歯の上部(歯幅方向の端部)が歯先から歯底にかけてリール28の軸線に対し傾斜した傾斜部50Aとされている。
以上説明したリール28は、リールギヤ42等を有するリールハブ32と下フランジ38とが樹脂成形によって一体に形成されており、また係合ギヤ50が形成された短筒部40Aを有する上フランジ40が樹脂成形によって形成されている。そして、リールハブ32の底部36の下面におけるリブ44とリブ48Aとの間には、磁性材料より成り環状に形成されたリールプレート52がインサート成形により同軸的かつ一体に設けられている。リールプレート52は、回転シャフト120における駆動ギヤ122の径方向内側に設けられたマグネット128による吸着保持(チャッキング)用とされている。
このリール28は、ケース12に収容されて不使用時には底板16A上に載置されるようになっている。具体的には、図2に示される如く、リール28は、主に下フランジ38が底板16Aの内面に当接するようになっており、この状態で環状リブ22を環状溝46に入り込ませてテーパ面46Aに当接させる(嵌合する)ことで、径方向の移動が規制されている。
この状態で、リール28は、全体としてケース12内に位置してリールギヤ42、リールプレート52をギヤ開口20から露出させている(図1(B)参照)。すなわち、リールギヤ42は、底板16Aの外面(下面)から突出することなく、ギヤ開口20からケース12外に臨んでいる。これにより、ケース12の外部からのリール28の操作、すなわちチャッキング(保持)及び回転駆動が可能とされている。
(ロック機構の構成)
また、図2及び図3に示される如く、記録テープカートリッジ10は、磁気テープTの不使用時にリール28の軸線方向の移動を規制すると共にケース12に対する回転を阻止し、ドライブ装置に装填された状態でリール28のケース12に対する浮上及び回転を許容するロック機構60を備えている。以下、ロック機構60の構成を詳細に説明する。
図5に示される如く、ロック機構60は、リール28の係合ギヤ50に噛み合う回転ロック位置(図2参照)と該噛み合いを解除する解除位置(図3参照)とを取り得るロック部材としてのリールロック部材62と、回動してリールロック部材62を回転ロック位置と解除位置との間で移動させる回動カム部材64と、リールロック部材62及び回動カム部材64をケース対し所要の相対運動可能に支持する支持部材66と、ドライブ装置に操作されて回動カム部材64を回動する被操作部材としてのクラッチ部材68とを主要構成要素として構成されている。
リールロック部材62は、複数(本実施の形態では2つ)設けられいる。各リールロック部材62は、それぞれリール28の軸心対し対称に配置されており、該リール28の径方向に移動して係合ギヤ50に噛み合い可能とされている。具体的には、図6にも示される如く、リールロック部材62は、略矩形ブロック状に形成された本体部70を備えており、該本体部70の一側部には、係合ギヤ50に噛み合い可能な外歯形状の制動ギヤ72が形成されている。
リールロック部材62は、制動ギヤ72が係合ギヤ50に噛み合うリール28径方向における位置が回転ロック位置とされ、該噛み合いが解除されるリール28径方向における位置が解除位置(回転許容位置)とされている。制動ギヤ72の各歯及び係合ギヤ50の各歯は、リールロック部材62がリール28の径方向に移動することで確実に噛み合うように、それぞれ平面視で歯先を頂部とする略鋭角三角形状(両テーパ形状)に形成されている。
また、本体部70における制動ギヤ72の上側部分は、該制動ギヤ72を構成する各歯の上部を連結する連結部74とされており、連結部74の下面(制動ギヤ72側の面)は、リール28の傾斜部50Aに対応して傾斜した傾斜面74Aとされている。この連結部74の先端は制動ギヤ72の歯先よりも突出しており、円弧状に形成されている。さらに、本体部70の下面からは、接触子としてのカム突起76が突設されている。カム突起76は、略小円柱状に形成されており、本体部70における制動ギヤ72とは反対側の側部近傍に配置されている。
このリールロック部材62は、制動ギヤ72の形成部位を除く本体部70の幅が一定とされると共に、制動ギヤ72及びカム突起76が本体部70の幅方向外側に突出しないように設けられている。そして、リールロック部材62は、全体として幅方向中心線に対し略対称に形成されており、詳細は後述するが、該幅方向中心線をリール28の径方向に一致させた状態で、回転ロック位置と解除位置との間を該径方向に沿って往復移動するようになっている。また、リールロック部材62は、制動ギヤ72及び連結部74(制動ギヤ72よりも突出した先端及び下面68Aを除く)を含む本体部70の高さ(厚み)が一定とされている。
回動カム部材64は、略円板状に形成された円板部78を備えており、該円板部78には、カムであるカム溝80が上方に開口して設けられている。カム溝80は、リールロック部材62の数に対応して複数(本実施の形態では2つ)設けられており、それぞれ異なるリールロック部材62のカム突起76を摺動可能に入り込ませるようになっている。
そして、各カム溝80は、それぞれ入り込ませたカム突起76と共に、本体部78の軸心廻りの往復回動に伴ってリールロック部材62を回転ロック位置と解除位置との間で往復動させる確動カムを構成するようになっている。具体的には、各カム溝80は、それぞれリール28と同軸的に配置される本体部78の径方向に対し傾斜している(本実施の形態では、傾斜角が連続的に変化するように平面視で緩やかなS字状に形成されている)。
これらの各カム溝80は、幅方向一方の溝壁が本体部78の矢印C方向(図5参照)の回動によってカム突起76を摺動しつつ上記径方向外側に押し出すロック壁80Aとされると共に、他方の溝壁が本体部78の矢印D方向(図5参照)の回動によってカム突起76を摺動しつつ上記径方向内側に押し戻す解除壁80Bとされている。したがって、回動カム部材64は、矢印C方向に回動するとリールロック部材62を解除位置から回転ロック位置側に移動させ、矢印D方向に回動するとリールロック部材62を回転ロック位置から解除位置側に移動させるようになっている。
そして、本実施の形態では、各カム溝80は、本体部78の外周部で径方向外側を向いて開口する開口端80Cの近傍にカム突起76が位置するときに、リールロック部材62を回転ロック位置に位置させ、開口端80Cとは長手方向の反対側で閉塞された閉塞端80D近傍にカム突起76が位置するときに、リールロック部材62を解除位置に位置させる構成とされている。各閉塞端80Dは、リールロック部材62の解除位置を超えるリール軸心側への移動を阻止するストッパとしても機能する構成である。なお、各カム溝80における閉塞端80Dとは長手方向反対側の端部は、開口端80Cに代えて閉塞端としても良い。
各カム溝80の深さは、カム突起76の高さよりも若干大とされ(または本体部78を板厚方向に貫通し)ており、各リールロック部材62は、その本体部70の下面において回動カム部材64の本体部78の上面と摺動しつつ回転ロック位置と解除位置との間を移動するようになっている。
また、本体部78の下面軸心部からは、被駆動筒部82が突設されている。被駆動筒部82は、略円筒状に形成されており、その内部が本体部78の軸心部をも板厚方向に貫通する貫通孔84とされている。貫通孔84の内周部には、螺旋溝85が形成されている。
支持部材66は、略円板状に形成された円板部86を備えており、この円板部86は上面が天板14Aの内面に当接した状態で該天板14Aに溶着または接着されるようになっている。これにより、支持部材66がケース12にリール28と略同軸となるように固着される構成である。
図7にも示される如く、円板部86の下面における該円板部86の軸心に対し対称となる2箇所からは、それぞれ脚部88が突設されており、各脚部88の下端からは円板部86の軸線側に向けて係合凸部90が突設されている。各係合凸部90の上面から円板部86の下面までの高さは、リールロック部材62の本体部70の高さと回動カム部材64の本体部78の高さとの和に対し同等または若干大とされている。
そして、支持部材66は、各係合突部90の上面に本体部78の下面を摺動可能に当接させて回動カム部材64をケース12に対し回動可能に支持するようになっている。この状態で、カム突起76をカム溝80に入り込ませたリールロック部材62は、本体部70の上面が支持部材66の円板部86の下面に摺動可能に保持されており、ケース12に対する上下動(リール28の軸線方向の移動)及び脱落を防止されつつ回転ロック位置と解除位置との間の移動が可能とされている。
また、円板部86の下面からは、該円板部86の軸心に対し互いに対称となる二対のガイドリブ92が立設されている。各一対のガイドリブ92は、各脚部88の幅方向中央部を結ぶ円板部86の中心線に直交する中心線を挟んで互いに対向して設けられており、該対向間隔はリールロック部材62(本体部70)の幅に対応している。各一対のガイドリブ92は、それぞれ異なるリールロック部材62の移動方向を円板部86すなわちリール28の径方向に案内するようになっている。
これにより、各リールロック部材62は、回動カム部材64の回動に伴って姿勢を変えることなく、その幅方向中心線を一致させたリール28の径方向に沿って係合ギヤ50に対し接離し、回転ロック位置と解除位置との間を移動することができる構成である。なお、各ガイドリブ92の高さは、リールロック部材62の本体部70の高さに対し同等または小とされている(本実施の形態では、本体部70の高さよりも小としている)。
さらに、円板部86の軸心部にはガイド孔94が形成されており、該円板部86の下面からはガイド孔94の縁部に沿ってガイド筒部96が突設されている。ガイド孔94及びガイド筒部96の外縁は、平面視矩形状に形成されており、本実施の形態では、平面視略正方形状とされている。以下、ガイド筒部96の内部を含めガイド孔94ということとする。ガイド孔94及びガイド筒部96は、天板14Aに一体に設けられても良い。
ガイド筒部96は、その高さがリールロック部材62の本体部70の高さに対し同等または若干大とされており、その下端面が回動カム部材64の本体部78上面と摺動可能に接するようになっている。これにより、各係合突部90によって下方への移動が規制されている回動カム部材64は、リールロック部材62を介することなく上方への移動が規制されるようになっている。すなわち、クラッチ部材68の後述するリール28軸線方向への操作によってリールロック部材62が円板部86に押し付けられて不要な摩擦力が生じることが防止されている。なお、この機能は各ガイドリブ92の高さを本体部70の高さに対し同等または若干大とすることで果たしても良く、この場合、ガイド筒部96をなくしたり高さを低くしたりすることが可能である。
クラッチ部材68は、回動カム部材64の貫通孔84に挿入可能な円柱状の軸部98を備えており、軸部98の外周には、回動カム部材64の螺旋溝85に対応した凸部としての螺旋凸部100が設けらている。螺旋凸部100は、軸部98が貫通孔84に挿入(挿通)された状態で螺旋溝85に摺動可能に入り込み(螺合し)、該螺旋溝85と協働して軸部98の軸線方向の往復移動を回動カム部材64の往復回動に変換するようになっている。本実施の形態では、軸部98が上方に移動する動作によって回動カム部材64を矢印D方向に移動し、軸部98が下方に移動するときに回動カム部材64を矢印C方向に回動するように、螺旋溝85及び螺旋凸部100の螺旋方向が決められている。
すなわち、回動カム部材64とクラッチ部材68とは、リール28の軸線に対し傾斜したカム溝としての螺旋溝85と、接触子としての螺旋突起とを備えた確動カムを構成していると見ることもできるし、送りねじ機構を構成していると見ることもできる。また、本実施の形態では、螺旋凸部100の条間部分を螺旋溝、螺旋溝85の条間部分を螺旋凸部として把握することも可能である。なお、例えば、螺旋凸部100(または螺旋溝85の条間部分)に代えて、単に螺旋溝85(または螺旋凸部100の条間部分)に摺動可能に入り込むピン状の凸部を1つ、または螺旋溝85の螺旋軌道に沿って複数設けることも可能である。
また、螺旋溝85と螺旋凸部100とは、クラッチ部材68側から軸線方向の移動力が入力した場合には容易に摺動するが、回動カム部材64側から軸線廻りの所定値以下の回動力が入力した場合には摩擦によって該摺動が阻止または抑制されるように、軸線に対する傾斜角(螺旋角)や静摩擦係数(材質や仕上げ状態)等が設定されている。すなわち、クラッチ部材68の軸線方向の比較的小さな移動力によって回動カム部材64を回動することができる一方、回動カム部材64に直接的に作用する所定値以下の回動力では、クラッチ部材68を軸線方向に移動させることができず、後述する如くクラッチ部材68の軸線廻りの回動が阻止されることにより、結局、回動カム部材64自体の軸心廻りの回動が阻止されるようになっている。これにより、回転ロック位置に位置するリールロック部材62を解除位置側へ移動させようとする力、すなわち回動カム部材64を矢印D方向に回動しようとする力が作用しても、該力に上記摩擦力が抗することで各リールロック部材62がそれぞれ回転ロック位置に保持される構成とされている。
さらに、軸部98の下端部は、ドライブ装置によって下方から押圧される解除操作部102とされている。本実施の形態では、解除操作部102は、軸部98よりも若干大径の単円柱状(厚肉円板状)に形成されて、該軸部98と同軸的に設けられている。一方、軸部98の上端部には、ガイド軸部104が同軸的に設けられている。ガイド軸部104は、平面視で支持部材66のガイド孔94に対応した略正方形状に形成されており、該ガイド孔94内に軸方向の摺動可能に挿通されるようになっている。
さらに、ガイド軸部104は、ケース12の天板14Aを貫通して設けられた平面視矩形状の透孔106を貫通しており、該ケース12がに突出した上端面が、ドライブ装置によって上方から押圧されるロック操作部108とされている。なお、ロック操作部108は、天板14Aの外面に凹設されまたは枠壁に囲まれたラベルエリア54(図1乃至図3参照)内に位置しない場合には、リールロック部材62が回転ロック位置に位置するときに天板14Aの外面と略面一となることが好ましい。
クラッチ部材68は、ガイド軸部104がガイド孔94に挿通されることでケース12に対する軸心廻りの回転が不能とされ、軸線方向の往復動のみが可能とされている。また、ガイド軸部104がガイド孔94に挿通されることで、クラッチ部材68のケース12に対する軸心位置が定まり、該クラッチ部材68に螺合する回動カム部材64のケース12に対する軸心も定まるようになっている。そして、支ガイド孔94が設けられた持部材66が上記の通りリール28と同軸的にケース12に固着されていることから、回動カム部材64及びクラッチ部材68がリール28と同軸的に配置されるようになっている。
以上説明したロック機構60は、記録テープカートリッジ10の不使用時には、各リールロック部材62のカム突起76を回動カム部材64のカム溝80の開口端80C近傍に位置させて、各リールロック部材62を回転ロックに位置させるようになっている。この状態でクラッチ部材68の解除操作部102は、リール28の透孔48に突出しないように入り込んでケース12外(ギヤ開口20)に露出すると共に、ロック操作部108がケース12の透孔106を貫通してケース12外に僅かに突出する構成である。
また、この回転ロック状態では、回動カム部材64と支持部材66との間で上下動を規制された各リールロック部材62の傾斜面74Aが、リール28の傾斜部50Aに当接するようになっている。すなわち、それぞれ回転ロック位置に位置する各リールロック部材62が、リール28とケース12との隙間に入り込んで該隙間を埋めるようになっている。これにより、回転ロック状態のリール28は、底板16Aとリールロック部材62との間に挟み込まれて保持される構成である。そして、この状態からリール28を上方に移動させようとすると、傾斜部50Aと傾斜面74Aとによってリールロック部材62に解除位置向きの力から作用するが、上記の通り螺旋溝85と螺旋凸部100との摩擦によって該力に効しリールロック部材62が回転ロック位置に保持されるため、リール28の上方へに移動が規制される構成となっている。
さらに、ロック機構60では、この回転ロック状態から解除操作部102を上方に押圧すると、クラッチ部材68が上方に移動することで回動カム部材64が矢印D方向に回動し、各リールロック部材62が解除位置に移動する構成である。この状態では、係合ギヤ50と制動ギヤ72との噛み合いが解除されるだけでなく、傾斜部50Aと傾斜面74Aとの当接状態も解除され、リール28はケース12に対し浮上して非接触で回転することが可能となる。なお、解除位置に位置する各リールロック部材62は、連結部74の先端が傾斜部50Aの内縁(係合ギヤ50の歯先)よりもリール28の径方向内側に位置し、リール28のケース12に対する浮上を阻害しないようになっている。
さらにまた、ロック機構60では、この回転許容状態からロック操作部108を下方に押圧してクラッチ部材68をリール28の軸線方向に押し下げると、回動カム部材64が矢印C方向に回動し、各リールロック部材62が回転ロック位置に移動する構成である。
そして、ギヤ開口20から露出する解除操作部102は、リール28のリールギヤ42にドライブ装置の構成部品である回転シャフト120の駆動ギヤ122を噛み合わせる動作に伴って、該回転シャフト120の軸心部から突設された解除突起124によって上方に押圧されるようになっている。また、天板14Aの透孔106から突出したガイド軸部104のロック操作部108は、例えば、ドライブ装置における記録テープカートリッジ装填スペースに対し回転シャフト120とは反対側に設けられ、リールギヤ42と駆動ギヤ122との噛み合いを解除する動作に同期してケース12に相対的に近接するロック突起126によって下方に押圧されるようになっている。
以上説明したロック機構60における回動カム部材64とクラッチ部材68とが本発明における切替手段を構成している。
なお、本実施の形態に係る記録テープカートリッジ10では、従来の如くリール28を下方に付勢する圧縮コイルスプリングを備えないため、換言すれば、圧縮コイルスプリングの付勢力がリールギヤと駆動ギヤとの噛み合い部に作用しないため、回転シャフト120にリール28を確実にチャッキングした状態でリールギヤ42と該回転シャフト120の駆動ギヤ122とを噛み合わせるために、該回転シャフト120に設けたマグネット128によるリールプレート52の吸着力を大きく設定することが望ましい。また、リールギヤ42と駆動ギヤ122との互いの噛み合い面をリール28の回転軸線と略平行とすることで、リール28の回転駆動に伴って該リール28と回転シャフト120とを互いに離間させる方向のスラスト力が作用しないようにすることが望ましい。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
上記構成の記録テープカートリッジ10では、磁気テープTの不使用時には、各リールロック部材62は、螺旋溝85と螺旋凸部100との摩擦によってリール28の軸心側への移動が阻止されて回転ロック位置に保持されている。それぞれ回転ロック位置に位置する各リールロック部材62は、その制動ギヤ72を係合ギヤ50に噛み合わせると共に、底板16A上に載置されたリール28の傾斜部50Aに傾斜面74Aを当接させている。このため、リール28は、ケース12に対する回転が阻止されると共に、軸線方向の移動が規制されてケース12内で殆どガタつくことがない。
このとき、リール28のリールギヤ42がギヤ開口20から露出すると共に、クラッチ部材68の解除操作部102がリール28の透孔48から露出している。また、クラッチ部材68のロック操作部108は天板14A上に僅かに突出している。さらに、開口18はリーダブロック30によって閉塞されている。
一方、磁気テープTを使用する際には、記録テープカートリッジ10を矢印A方向に沿ってドライブ装置のバケット(図示省略)へ装填する。そして、記録テープカートリッジ10がバケットに所定深さまで装填されると、天板14Aから突出したロック操作部108上にはドライブ装置のロック突起126が接触する。この状態からバケットは下降し、ドライブ装置の回転シャフト120がケース12のギヤ開口20に向って相対的に接近(上方へ移動)してリール28を保持する。具体的には、回転シャフト120は、マグネット128によって非接触でリールプレート52を吸着保持しつつ、その駆動ギヤ122をリールギヤ42と噛み合わせる。
このリールギヤ42と駆動ギヤ122との噛合い、すなわちケース12に対する回転シャフト120の軸方向近接側の相対移動に伴って、回転シャフト120の解除突起124がクラッチ部材68の解除操作部102に当接し、クラッチ部材68を上方に押し上げる。これにより、クラッチ部材68に螺合している回動カム部材64が矢印D方向に回動し、該回動に伴い各カム突起76がカム溝80の解除壁80Bに押圧されつつ摺動することで、各リールロック部材62が解除位置側(リール28の軸心側)に移動する。
そして、駆動ギヤ122をリールギヤ42に噛み合わせた回転シャフト120がリール28を底板16Aから所定量だけ浮上させる位置でバケットが停止すると、各リールロック部材62が制動ギヤ72の係合ギヤ50との噛み合い及び傾斜面74Aの傾斜部50Aとの当接を確実に解除する解除位置に至る。これにより、リール28は、ケース12に対し非接触で回転可能となる。
この状態でクラッチ部材68の解除操作部102と解除突起124との当接状態が維持されており、各リールロック部材62は解除位置に保持されている。またこの状態では、クラッチ部材68の押上量に応じて、ロック操作部108の天板14Aからの突出量が大きくなっている。
また、上記バケットすなわち記録テープカートリッジ10のドライブ装置内での下降によって、ケース12の各位置決め孔24、26にそれぞれドライブ装置の位置決めピンが入り込むと共に、ケース12の各位置決め面24A、26Aにドライブ装置の位置決め面が当接する。これにより、記録テープカートリッジ10は、ドライブ装置に対し、水平方向及び鉛直方向に位置決めされる。
すると、ドライブ装置の引出手段が、その引出ピン(図示省略)をリーダブロック30の係合凹部30Aに係合させつつ、該リーダブロック30をケース12から抜き出してドライブ装置の巻取リールに誘導する。さらに、リーダブロック30は、巻取リールに嵌入されて円弧面30Bが磁気テープTを巻き取る巻取面の一部を構成する。
この状態で、リーダブロック30が巻取リールと一体に回転すると、磁気テープTが巻取リールのリールハブに巻き取られつつ開口18を通じてケース12から引き出される。このとき、記録テープカートリッジ10のリール28は、リールギヤ42に噛み合う駆動ギヤ122によって伝達される回転シャフト120の回転力によって、巻取リールと同期して回転する。そして、ドライブ装置の所定のテープ経路に沿って配設された記録再生ヘッドによって、磁気テープTへの情報の記録、または磁気テープTに記録された情報の再生が為される。このとき、ケース12に対し回転不能であるクラッチ部材68の解除操作部102は、リール28を回転駆動する回転シャフト120の解除突起124と摺接している。
一方、磁気テープTがリール28に巻き戻されてリーダブロック30がケース12の開口18近傍に保持されると、記録テープカートリッジ10が装填されたバケットを上昇させる。すると、リールギヤ42と駆動ギヤ122との噛合が解除される。これにより、リール28は、リールギヤ42の駆動ギヤ122との噛み合いが解除され、底板16A上に載置される初期位置に復帰する。さらにバケットが上昇すると、クラッチ部材68のロック操作部108にロック突起126が当接し、該上昇に伴ってクラッチ部材68が押し下げられる。
すると、クラッチ部材68に螺合している回動カム部材64が矢印C方向に回動し、該回動に伴い各カム突起76がカム溝80のロック壁80Aに押圧されつつ摺動することで、各リールロック部材62が回転ロック位置側(リール28の径方向外側)に移動する。そして、バケットの所定量(下降量と同じ量)だけ上昇すると、各リールロック部材62が制動ギヤ72を係合ギヤ50に噛み合わせると共に傾斜面74Aを傾斜部50Aに当接させて回転ロック位置に復帰する。バケットが停止すると、記録テープカートリッジ10は該バケットから矢印Aとは反対向きに排出される。
ここで、リールロック部材62のカム突起76と回動カム部材64のカム溝80とで、クラッチ部材68の操作方向に応じてリールロック部材62を回転ロック位置と解除位置との間で移動させる確動カムを構成しているため、リールロック部材62を回転ロック位置側に付勢する圧縮コイルスプリング等の付勢手段を設けることなく、不使用時にリール28の回転を阻止する機能を果たすことができる。
そして、リールロック部材を回転ロック位置側に付勢する付勢手段を備えないため、クラッチ部材68の解除操作部102と回転シャフト120の解除突起124との当接部位には軸圧縮方向の付勢力が作用しない。このため、解除操作部102と解除突起124とは、リール28の回転駆動に伴って互いに摺接するが、摩耗を生じることが防止または著しく抑制される。
また、リールロック部材62に、回転ロック位置に位置するときにリール28の傾斜部50Aに当接する傾斜面74Aを設けため、換言すれば、回転ロック位置に位置するリールロック部材62が底板16Aとの間にリール28を挟み込むため、記録テープカートリッジ10では、リール28をケース12(底板16A)に押し付けるために圧縮コイルスプリング等の付勢手段を設けることなく、不使用時にリール28がケース12内でガタつくことを防止または抑止することができる。このため、リール28と付勢部材との相対回転を吸収するために高価なベアリング等を設ける必要がなくなる。
さらに、クラッチ部材68が軸線方向に直線的に往復動することで回動カム部材64を往復回動させるため、換言すれば、回動カム部材64とクラッチ部材68との間に直線運動を回動に変換する運動変換手段が設けられているため、単にクラッチ部材68を直線的に往復動する簡単な構成で、上記コイルスプリング等の付勢手段を設けることなく不使用時にリール28の回転を阻止する機能が実現されている。また、回動カム部材64を直接的に回動させる構成と比較すると、ドライブ装置側の構造も簡素化される。
特に、螺旋溝85に凸部としての螺旋凸部100を入り込ませることでクラッチ部材68の直線運動が回動カム部材64の回動に変換されるため、運動変換手段自体も簡単な構造で実現されている。しかも、螺旋溝85と螺旋凸部100との摩擦によってリールロック部材62を回転ロック位置に保持することができるため、不使用時におけるリール28の回転ロック状態及びガタつき防止状態を確実に維持することができる。
このように、本実施の形態に係る記録テープカートリッジ10では、リールロック部材62をケース12に対し付勢する付勢手段を設ける必要がない。
さらにまた、記録テープカートリッジ10では、リールハブ32の内側に同軸的に設けられた内歯ギヤである係合ギヤ50にリール28の径方向に移動して噛み合いするリールロック部材62が複数(2つ)設けられているため、リール28が径方向に移動しようとしても該移動が規制される。このため、リール28の径方向のガタつきによって不用意にリール28の回転ロック状態が解除されることも防止される。
そして、これら複数のリールロック部材62が1つの回動カム部材64に設けられた複数のカム溝80によって同期しつつ回転ロック位置と解除位置との間を移動するため、換言すれば、1つのクラッチ部材68の操作によってそれぞれ回転ロック位置と解除位置との間を移動するため、部品点数が少なくドライブ装置の構造を複雑化することもない。特に、本実施の形態では、リールロック部材62の数を2つとしているため、回動カム部材64の構造(形状)が徒に複雑化することが防止されている。
次に、本実施の形態の変形例を説明する。なお、上記の実施の形態と基本的に同一の部品・部分については、上記の実施の形態と同一の符号を付してその説明を省略する。図8には、変形例に係る回動カム部材110が平面図にて示されている。回動カム部材110は、一対のカム溝80に代えて、それぞれカム突起76と共に確動カムを構成する一対のカム溝112を備えている。各カム溝112は、本体部78の上方に開口している。
各カム溝112は、幅方向一方の溝壁が本体部78の矢印C方向の回動によってカム突起76を摺動しつつ該本体部78の径方向外側に押し出すロック壁112Aとされると共に、他方の溝壁が本体部78の矢印D方向の回動によってカム突起76を摺動しつつ上記径方向内側に押し戻す解除壁112Bとされている。したがって、回動カム部材110は、回動カム部材64と同様に、矢印C方向に回動するとリールロック部材62を解除位置から回転ロック位置側に移動させ、矢印D方向に回動するとリールロック部材62を回転ロック位置から解除位置側に移動させるようになっている。
そして、本変形例では、各カム溝112は、本体部78の外周近傍で閉塞された閉塞端112Cの近傍部分が、本体部78と同軸的な円弧形状に形成されたロック保持部114とされている。具体的には、カム突起76が入り込めるように、丸められた閉塞端112Cまでの中心角θが設定された円弧形状の領域がロック保持部114とされている。各ロック保持部114には、回転ロック位置に位置するリールロック部材62のカム突起76が位置するようになっている。
これにより、回転ロック位置に位置するリールロック部材62をリール28(本体部78)の軸心側、すなわち解除位置側に移動しようとする力が作用した場合に、ロック保持部114の溝壁がカム突起76に押圧されるが、該押圧力が回動カム部材110を回動する力に変換されることがなく、結局リールロック部材62が回転ロック位置に保持されることとなる構成である。すなわち、本変形例では、カム溝112のロック保持部が、リールロック部材62を回転ロック位置に保持する保持手段を構成している。このため、螺旋溝85と螺旋突起100との間の摩擦による保持手段を不要とすることも可能である。
一方、回動カム部材110を矢印D方向に回動すれば、リールロック部材62は、カム突起76がロック保持部114を抜け出すまでは回転ロック位置に保持され、その後、各突起76が解除壁112と摺動しつつリール28の軸心側に移動し解除位置へ移動するようになっている。
また、各カム溝112は、ロック保持部114とは長手方向の反対側の端部が、該ロック保持部114よりも本体部78の径方向内側に位置する解除保持部116とされている。解除保持部116は、ロック保持部114と同様に、カム突起76が入り込める本体部78と同軸的な円弧状領域として設定されており、解除位置に位置するリールロック部材62のカム突起76が位置するようになっている。これにより、解除位置に位置するリールロック部材62が不用意に動いてしまうことが防止されている。なお、解除保持部116を設けなくても良いことは言うまでもない。
なお、上記の実施の形態及び変形例では、クラッチ部材68の解除操作部102がリール28の回転駆動に伴って回転シャフト120の解除突起124と摺接するようにしたが、本発明に係る記録テープカートリッジ10の運転方法はこれに限定されず、例えば、回転シャフト120が軸線方向に移動して駆動ギヤ122をリールギヤ42に噛み合わせるドライブ装置では、回転シャフト120を上昇してリールロック部材62を解除位置に移動させた後、該回転シャフト120を若干下降させて解除突起124を解除操作部102から離間させた状態でリール28を回転駆動しても良い。このような運転方法も、リールロック部材62を回転ロック位置側に付勢する付勢手段を設けないことにより可能とされている。この場合、例えば、各リールロック部材62が解除位置に位置するときにロック操作部108の一部を透孔106に嵌合させて各リールロック部材62を確実に解除位置に保持するように構成することが望ましい。
また、上記の実施の形態及び変形例では、ドライブ装置による操作方向に応じた方向の移動によって回動カム部材64、110を矢印Cまたは矢印D方向に回動するクラッチ部材68を備えた好ましい構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、回動カム部材64がドライブ装置によって直接的に回動されても良い。また例えば、クラッチ部材68は、ロック操作部108がドライブ装置に固定されたロック突起126によって押圧操作されるに限られず、ロック操作部108がドライブ装置の可動部材によって押圧操作されても良く、ロック操作部108を設けず(ガイド軸部104を天板14から突出させず、または透孔106を設けず)解除操作部102が下側から引張操作されても良い。
さらに、上記の実施の形態及び変形例では、回動カム部材64、110のカム溝80、112とリールロック部材62のカム突起76とで確動カムを構成した例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、回動カム部材64及びリールロック部材62の何れか一方にカム溝80等に代えて突状のカムレールを設けると共に、他方の部材にカムレールの幅方向両面と摺動可能なコ字状の受動カム部をカム突起76に代えて設けることもできる。また、リールロック部材62は、支持部材66の円板部86と回動カム部材64の本体部78との間で上下方向の移動規制される構成に限られず、例えば、カム突起76とカム溝80等とを上下方向の抜け止め構造とすることで上下方向の移動規制されても良い。この構成では、リールロック部材62と円板部86とが摺動しないようにして摺動抵抗を低減することが可能となり、またケース12とリール28との隙間を埋めることなくリールロック部材62とケース12との間にリール28を挟み込むことも可能なり、設計の自由度も向上する。
また、本発明に係る切替手段(確動カム)は、リール28の径方向に対し傾斜したカム溝80、112を有するものには限定されず、例えば、リール28の軸線方向に傾斜して設けられリールロック部材62の接触子と共に確動カムを構成するカム部(カム溝やカムレール等)を有し、ドライブ装置の操作によるリール28の軸線方向に沿う往復動を、リールロック部材62のリール28径方向の往復移動に変換する部材であっても良い。さらに例えば、リールロック部材62が底部36に上向きに設けた係合ギヤ50に噛み合う構成では、回動カム部材64の往復回動に伴ってリールロック部材62がリール軸線方向に往復移動するように、該軸線に対し傾斜したカム部を回動カム部材64、110における該軸線廻りの周面に沿って設けても良い。また、回動カム部材64を往復回動させるための被操作部材は、ギヤ開口20から露出する構成に限られず、例えば、ケース12の周壁14B等に設けた窓部から露出させても良い。
さらに、上記の実施の形態及び変形例では、上フランジ40の短筒部40Aに係合ギヤ50を設けた構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、リールハブ32の円筒部34内周面に係合ギヤ50を設けても良い。また、下フランジ38に代えて、上フランジ40をリールハブ32と一体に設けても良いことは言うまでもない。また、上記の実施の形態では、係合ギヤ50に設けた傾斜部50Aにリールロック部材62の傾斜面68Aが当接することでリール28の軸線方向の移動が規制される構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、上フランジ40の上面に、リールロック部材62の一部(制動ギヤ72よりも突出した連結部74等)が当接するか所定値以下の間隔で対向させて、該リールロック部材62とケース12との間にリール28を挟み込み、リール28の軸線方向の移動を規制する構成としても良い。
さらにまた、上記の実施の形態及び変形例では、螺旋溝85と螺旋凸部100との摩擦またはカム溝112に連設したロック保持部114によって、リールロック部材62が回転ロック位置に保持される構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、回動カム部材64の矢印C方向の回動に伴ってリールロック部材62の背面(リール28軸心を向く面)に当接し、該回動カム部材64の矢印D方向への回動に伴って上記当接状態を解除する保持突起を、本体部78の上面(ロック壁80Aの外側でかつ開口端80Cの近傍)に設けることで、不使用時にリールロック部材62を回転ロック位置に保持する機能(保持手段)を実現しても良い。また、クラッチ部材68とは独立して他の保持手段を設けても良い。
また、上記の実施の形態及び変形例では、リールロック部材62を2つ備えた好ましい構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、リールロック部材62を1つまたは3つ以上設けてロック機構60を構成しても良い。リールロック部材62を3つ以上設ける場合には、これらを等間隔に配置することが好ましい。また、リールロック部材62を1つだけ設ける場合には、リール28の径方向のガタつきを抑えるために、周方向における係合ギヤ50との噛み合い範囲を大きく設定することが好ましい。
さらに、上記の実施の形態及び変形例では、記録テープカートリッジ10がケース12内に単一のリール28を収容する所謂1リールの記録テープカートリッジである構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、巻き出し用及び巻取り用の2つのリール28を収容する2リールの記録テープカートリッジを構成するリールの一方または双方に対してロック機構60を設けて構成しても良い。
さらにまた、上記の実施の形態及び変形例では、記録テープとして磁気テープTを用いた構成としたが、本発明はこれに限定されず、記録テープは情報の記録及び記録した情報の再生が可能な長尺テープ状の情報記録再生媒体として把握されるものであれば足り、本発明に係る記録テープカートリッジが如何なる記録再生方式の記録テープにも適用可能であることは言うまでもない。
本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジの外観を示す図であって、(A)は上方から見た斜視図、(B)は下方から見た斜視図である。 本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジにおけるリールの回転ロック状態の断面図である。 本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジにおけるリールの回転ロック解除状態の断面図である。 本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジを構成するリールをカットして見た斜視図である。 本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジを構成するロック機構の分解斜視図である。 本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジを構成するリールロック部材の斜視図である。 本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジを構成する支持部材の斜視図である。 本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジを構成する回動カム部材の変形例を示す平面図である。
符号の説明
10 記録テープカートリッジ
12 ケース
28 リール
32 リールハブ(ハブ)
50 係合ギヤ(係合部、内歯ギヤ)
62 リールロック部材(ロック部材)
64 回動カム部材(切替手段)
68 クラッチ部材(被操作部材、切替手段)
76 カム突起(確動カム)
80 カム溝(確動カム)
85 螺旋溝
100 螺旋突起(凸部)
110 回動カム部材(切替手段)
112 カム溝(確動カム)
T 磁気テープ(記録テープ)

Claims (4)

  1. 円筒状に形成されたハブの外周部に記録テープを巻き回し、ケース内に回転可能収容されたリールと、
    前記ハブの内側に同軸的に設けられ、前記リールと常に一体に回転する内歯ギヤと、
    前記ケースに対する回転不能に支持され、該ハブの径方向に移動して前記内歯ギヤに噛み合う回転ロック位置と該噛み合いを解除する解除位置とを取り得るロック部材と、
    前記ケースに対し回動可能に支持され、一方側に回動して前記ロック部材を前記回転ロック位置から解除位置へ移動し他方側に回動して前記ロック部材を前記解除位置から回転ロック位置へ移動する確動カムを、該ロック部材との間に構成する回動カム部材と、
    前記ケース外に露出して配置され、ドライブ装置による操作方向に応じて前記回動カム部材を前記一方側または他方側に回動させる被操作部材と、
    を備えた記録テープカートリッジ。
  2. 前記被操作部材は、前記ドライブ装置による操作方向に応じて前記ハブの軸線に沿って往復動するように設けられ、
    かつ、前記回動カム部材及び前記被操作部材前の何れか一方に前記軸線廻りに螺旋溝を設けると共に、該回動カム部材及び被操作部材の他方に前記螺旋溝に摺動可能に入り込む凸部を設けた、
    ことを特徴とする請求項1記載の記録テープカートリッジ。
  3. 前記ロック部材は、前記ハブの軸線方向の移動が規制されており、かつ、前記回転ロック位置に位置するときに前記リールにおける前記軸線と交差する面に当接し、前記解除位置に位置するときに該当接状態を解除する、ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の記録テープカートリッジ。
  4. 前記ロック部材を複数備え、該複数のロック部材と前記回動カム部材との間にそれぞれ前記確動カムを構成した、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の記録テープカートリッジ。
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