JP2010061762A - 記録テープカートリッジ及び回転ロック構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】落下に伴いケースに対しリールが記録テープを巻き取る方向に回転されることを防止することができる記録テープカートリッジ、及びベース部に対する回転体の回転を効果的にロックすることができる回転ロック構造を得る。
【解決手段】記録テープカートリッジ10は、リール40と、リール40が収容されたケース12と、リール40に設けられた係合ギヤ54と、ケース12側のブレーキ部材80に設けられ該ブレーキ部材80のリール40に対する軸線方向の相対変位によって係合ギヤ54と噛み合い・噛み合い解除が切り替えられる制動ギヤ82とを備える。係合ギヤ54の片テーパ歯112は、巻き取り回転方向を向く噛み合い面112Aがリール軸線方向に略平行とされると共に反対向きの噛み合い面112Bがリール軸線に対し傾斜されており、制動ギヤ82の片テーパ歯114は、片テーパ歯112とは反対向きの方テーパ歯である。
【選択図】図2

Description

本発明は、磁気テープ等の記録テープが巻装されたリールをケース内に回転可能に収容した記録テープカートリッジに関する。
リールハブ内周に形成された係合ギヤに、ケースに対し回転不能なブレーキ部材の外周に形成された制動ギヤを噛み合わせることで、ケースに対するリールの回転をロックする記録テープカートリッジが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、リールとケース天板との間にロック部材を進入させることで、ケースに対するリールの軸線方向への変位を規制するようにした記録テープカートリッジが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−196938号公報 特開2005−276415号公報
ところで、記録テープカートリッジを床等に落下させた場合、その衝撃でリールがケースに対し傾くように変位することがある。この場合でも、ケースに対し上下方向(通常のリール軸線方向)にのみ変位方向が規制されたブレーキ部材は、ケースに対し殆ど傾くことがなく、リールに対して相対的に傾くこととなる。
しかしながら、上記の如き従来の技術では、落下の際のリールに対するブレーキ部材の相対的な姿勢変化(傾き)に起因して、ブレーキ部材によるリールの回転ロック状態が解除されてしまうことが懸念され、この点に改善の余地がある。また、特許文献1の如く係合ギヤと制動ギヤとの噛み合い面をリール軸線と平行に設定する場合、噛み合い時の誘い込み用のテーパを歯幅方向端部にしか形成することができないので、係合ギヤと制動ギヤとをリール軸線方向の相対変位によってスムースに噛み合わせるために部品、組付共に高精度が要求される。具体的には、係合ギヤと制動ギヤとを限られた噛み合いストローク内でスムースに噛み合わせるために十分な誘いテーパを設けた場合、リール軸線と略平行な噛み合い面積が減少してしまい落下の際にブレーキ部材による回転ロック状態が解除されてしまうことが懸念される。逆に、十分な噛み合い面を確保するために誘いテーパ量を減少させた場合、係合ギヤと制動ギヤとをスムースに噛み合わせることが難しい。以上より、限られたストローク内で係合ギヤと制動ギヤとのスムースな噛み合い及び落下時のブレーキ部材の姿勢変化に対してのロック状態維持を両立させるためには、上記の通り部品、組付共に高精度が要求される。
本発明は、上記事実を考慮して、リール側ギヤとケース側ギヤとのスムースな噛み合わせを可能としつつ、落下に伴いケースに対しリールが記録テープを巻き取る方向に回転されることを防止することができる記録テープカートリッジ、及び回転体側ギヤとベース側ギヤとのスムースな噛み合わせを可能としつつ、ベース部に対する回転体の回転を効果的にロックすることができる回転ロック構造を得ることが目的である。
請求項1記載の発明に係る記録テープカートリッジは、記録テープを巻き回したリールと、前記リールが軸線廻りに回転可能に収容されたケースと、前記リールに設けられ、該リールの前記記録テープを巻き取る場合の回転方向を向く噛み合い面がリール軸線方向に略平行とされると共に前記記録テープを引き出す際の前記リールの回転方向を向く噛み合い面が前記リール軸線方向に対し傾斜された複数の片テーパ歯が、前記リールと同軸的な円周に沿って該リールに配置されて構成されたリール側ギヤと、前記リール側ギヤの片テーパ歯に噛み合い可能に形成された複数の片テーパ歯が前記ケース又は前記ケースに対し回転不能に支持された制動部材に前記リールと同軸的な円周に沿って配置されて構成され、該ケース又は制動部材と前記リールとがリール軸線方向に相対変位することで、前記リール側ギヤとの噛み合い状態と噛み合い解除状態とを取り得るケース側ギヤと、前記記録テープの不使用時に、前記ケース側ギヤを前記リール側ギヤとの噛み合い状態に維持する噛み合い保持手段と、を備えている。
請求項1記載の記録テープカートリッジでは、例えば保管時や運搬時等の記録テープの不使用時には、噛み合い保持手段によってリール側ギヤとケース側ギヤとの噛み合いが維持されるので、ケースに対するリールの相対回転がロックされている。
ここで、本記録テープカートリッジでは、リール側ギヤを構成する片テーパ歯におけるリールが記録テープを巻き取る際の回転方向(以下、「巻取方向」という)を向く噛み合い面(以下、「巻取噛合面」という)は、リール軸線方向に対し略平行であり、噛み合い状態でリールが巻取方向に回転しようとすると、巻取噛合面がケース側ギヤの片テーパ歯におけるリール軸線方向に略平行な噛み合い面に係合する。このため、リールの巻取方向への回転力がリール軸線(スラスト)方向すなわち噛み合い解除方向の移動力に変換されることがない(解除方向の力が著しく小さい)。このため、例えば記録テープカートリッジの落下に伴いリールが巻取方向に回転しようとしても、この回転によってリール側ギヤとケース側ギヤとの噛み合いが解除されることが防止又は効果的に抑制される。すなわち、リールの巻取方向の回転が防止される。
このように、請求項1記載の記録テープカートリッジでは、落下に伴いケースに対しリールが記録テープを巻き取る方向に回転されることを防止することができる。また、本記録テープカートリッジでは、リール側及びケース側の各ギヤにおける片テーパ歯における一方の噛み合い面がリール軸線に対し傾斜されたテーパ面であるため、これらリール側ギヤ及びケース側ギヤは、互いにテーパ面で周方向に誘い込み合うことで、スムースに噛み合わされる。
請求項2記載の発明に係る記録テープカートリッジは、請求項1記載の記録テープカートリッジにおいて、前記リール側ギヤは、前記記録テープを引き出す場合の前記リールの回転方向を向く噛み合い面がリール軸線方向に略平行とされると共に前記記録テープを巻き取る際の前記リールの回転方向を向く噛み合い面が前記リール軸線方向に対し傾斜され、前記リールと同軸的な円周に沿って該リールに設けられた複数の逆片テーパ歯をさらに有し、前記ケース側ギヤは、前記リール側ギヤの逆片テーパ歯に噛み合い可能に形成され、前記ケース又は前記制動部材に前記リールと同軸的な円周に沿って配置された複数の逆片テーパ歯をさらに有し、前記噛み合い状態では前記片テーパ歯及び逆片テーパ歯と前記リール側ギヤの前記片テーパ歯及び逆片テーパ歯とが噛み合わされ、前記噛み合い解除状態では前記片テーパ歯及び逆片テーパ歯と前記リール側ギヤの前記片テーパ歯及び逆片テーパ歯との噛み合いが解除されるように構成されている。
請求項2記載の記録テープカートリッジでは、記録テープの不使用時には、リール側ギヤ、ケース側ギヤの片テーパ歯同士、逆片テーパ歯同士が噛み合う。このため、リールが巻取方向及び該巻取方向とは逆向きの引き出し方向の何れの方向に回転しようとしても、この回転力がリール軸線(スラスト)方向すなわち噛み合い解除方向の移動力に変換されることがない(解除方向の力が著しく小さい)。すなわち、本記録テープカートリッジでは、落下の際にリールがケースに対し回転することを一層効果的に防止することができる。一方、ケース側ギヤとリール側ギヤとの噛み合いの際には、それぞれのテーパ面同士が周方向に誘い込み合うことで、ケース側ギヤとリール側ギヤとは容易に噛み合わされる。
請求項3記載の発明に係る記録テープカートリッジは、請求項1又は請求項2記載の記録テープカートリッジにおいて、前記リール、及び前記ケース又は前記制動部材の少なくとも一方には、該リールと制動部材との前記リール側ギヤとケース側ギヤとを噛み合わせる方向の相対変位に伴って前記リール側ギヤを前記ケース側ギヤに対しセンタリングするためのテーパ部が設けられている。
請求項3記載の記録テープカートリッジでは、リール側ギヤとケース側ギヤとの噛み合い解除状態から噛み合い状態に切り換わる際には、リール側ギヤがケース側ギヤに相対的にセンタリングされるので、ケース側ギヤがリール側にギヤに良好に噛み合わされる。
請求項4記載の発明に係る記録テープカートリッジは、請求項1〜請求項3の何れか1項記載の記録テープカートリッジにおいて、前記記録テープの不使用時に前記ケースと前記リールとの間に入り込んで該リールのケースに対する軸線方向の移動を規制するロック部材をさらに備えた。
請求項4記載の記録テープカートリッジでは、記録テープの不使用時にロック部材によってケースに対するリールの軸線方向の移動が規制されるので、仮に落下された場合でもケースに対するリールの傾きが抑制される。このため、本記録テープカートリッジでは、落下に伴いケースに対しリールが記録テープを巻き取る方向に回転されることを防止することができる。
請求項5記載の発明に係る記録テープカートリッジは、請求項1〜請求項4の何れか1項記載の記録テープカートリッジにおいて、一端部が前記記録テープの先端に接続されると共に、他端部における前記記録テープの幅の範囲内に該記録テープを前記ケースの開口から引き出す際にドライブ装置に引き出し操作される被操作部が設けられたリーダテープと、前記リーダテープの他端部から該リーダテープの幅方向外側に延設された凸片と、前記開口に臨んで前記ケースに設けられ前記凸片が前記ケースに対する前記記録テープの引き出し方向にスライド可能に入り込む溝部と、前記溝部における前記ケースの奥側端部を閉止するストッパ部とを有するスロット部と、をさらに備えた。
請求項5記載の記録テープカートリッジでは、記録テープの不使用時には、一端が記録テープに接続されたリーダテープの他端である自由端における幅方向両側から突出した一対の凸片が、ケースのスロット部の溝部に開口端側(テープ引出用の開口側)からの出入可能に入り込んでいる。リーダテープは、凸片の端部がスロット部のストッパ部に係合又は近接して、それ以上のケース奥側への進入が規制されることで、ケースに対し所定の位置で位置決めされている。
ここで、本記録テープカートリッジでは、上記の如く落下に伴いケースに対しリールが巻取方向に回転することが防止されるため、凸片の端部がスロット部のストッパ部に過大な力で係合することが防止又は効果的に抑制される。これにより、例えば落下衝撃等によるリーダテープの変形に伴い凸片がスロット部のストッパ部を乗り越えることが防止され、リーダテープのケースに対する位置決め状態が維持される。すなわち、ケースに対するリーダテープの所定位置からの脱落が防止又は効果的に抑制される。
請求項6記載の発明に係る回転ロック構造は、ベース部と、前記ベース部に対し軸線廻りに回転可能に支持された回転体と、前記回転体の軸線周りの回転方向一方側を向く噛み合い面が該軸線方向に略平行とされると共に前記回転体の軸線周りの回転方向他方側を向く噛み合い面が前記軸線方向に対し傾斜された複数の片テーパ歯と、前記回転体の軸線周りの回転方向他方側を向く噛み合い面が該軸線方向に略平行とされると共に前記回転体の軸線周りの回転方向一方側を向く噛み合い面が前記軸線方向に対し傾斜された複数の逆片テーパ歯とが、該回転体と同軸的かつ径の異なる円周に沿って配置されて構成された回転体側ギヤと、前記回転体側ギヤの片テーパ歯及び逆片テーパ歯に噛み合い可能に形成された複数の片テーパ歯及び逆片テーパ歯を有し、前記ベース部又は該ベース部に回転不能に支持された制動部材に設けられ、前記ベース又は制動部材と前記回転体とが軸線方向に相対変位することで、前記回転体側ギヤとの噛み合い状態と噛み合い解除状態とを取り得るベース側ギヤと、を備えている。
請求項6記載の回転ロック構造では、回転体がベース部又は制動部材に軸線方向に沿って接離することで、回転体側ギヤとベース側ギヤとの噛み合い状態、噛み合い解除状態が切り替えられる。ここで、回転体側ギヤとベース側ギヤとは、それぞれの片テーパ歯同士、逆方テーパ歯同士が噛み合うので、噛み合い状態において回転体がベース部に対軸線廻りの何れの方向に回転しようとしても、軸線に略平行な噛み合い面が係合し、該回転が阻止される。すなわち、このような回転力が軸線(スラスト)方向すなわち噛み合い解除の移動力に変換されることがないので、回転体側ギヤとベース側ギヤとの噛み合いが維持されて、ベース部に対する回転体の回転が効果的に防止される。
以上説明したように、本発明に係る記録テープカートリッジは、リール軸線に略平行な噛み合い面と、相手方を誘い込む機能を有する傾斜した噛み合い面(テーパ面)との2面が設けられた片テーパ歯を用いてリール側ギヤとケース側ギヤとを構成することで、リール側ギヤとケース側ギヤとのスムースな噛み合わせに必要なテーパ量を十分確保できると同時にリール軸線に略平行な噛み合い面も十分確保されるので、リール側ギヤとケース側ギヤとのスムースな噛み合わせを可能としつつ、落下に伴いケースに対しリールが記録テープを巻き取る方向に回転されることを防止することができるという優れた効果を有する。
また、本発明に係る回転ロック構造では、リール軸線に略平行な噛み合い面と、相手方を誘い込む機能を有する傾斜した噛み合い面(テーパ面)との2面が設けられた片テーパ歯を用いて回転体側ギヤとベース側ギヤとを構成することで、回転体側ギヤとベース側ギヤとのスムースな噛み合わせに必要なテーパ量を十分確保できると同時に軸線に略平行な噛み合い面も十分確保されるので、回転体側ギヤとベース側ギヤとのスムースな噛み合わせを可能としつつ、ベース部に対する回転体の回転を効果的にロックすることができる回転ロック構造という優れた効果を有する。
本発明の第1の実施形態に係る記録テープカートリッジ10について、図1〜図10に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、記録テープカートリッジ10のドライブ装置への装填方向(図1等に適宜示される矢印A方向)を前方向とし、矢印Aにそれぞれ直交する矢印B、矢印C方向をそれぞれ左方向、上方向とする。
(記録テープカートリッジの概略全体構成)
図1には記録テープカートリッジ10の外観が斜視図にて示されている。また、図2及び図3には、それぞれ記録テープカートリッジ10の不使用時、使用時の断面図が示されている。これらの図に示される如く、記録テープカートリッジ10は、ケース12を備えている。ケース12は、上ケース14と下ケース16とを接合して構成されている。
具体的には、上ケース14は、平面視略矩形状の天板14Aの外縁に沿って略枠状の周壁14Bが立設されて構成されており、下ケース16は、天板14Aに略対応した形状の底板16Aの外縁に沿って周壁16Bが立設されて構成されている。そして、ケース12は、周壁14Bの開口端と周壁16Bの開口端とを突き当てた状態で、超音波溶着やビス止め等によって上ケース14と下ケース16とが接合されて、略箱状に形成されている。
ケース12内には、図2に示される如く、後に詳述するリール40が回転可能に収容されている。リール40は、1つだけ設けられている。このリール40には、記録テープとしての磁気テープTが巻装されており、磁気テープTの先端にはリーダ部材としてリーダテープ22が設けられている。このケース12の底板16Aには、リール40を外部から回転駆動するためのギヤ開口18が設けられている。ギヤ開口18周りの構成は、リール40と共に後述する。
また、ケース12の前壁12A(周壁14Bと周壁16Bとで構成されるケース12の前向き壁)と左側壁12B(周壁14Bと周壁16Bとで構成されるケース12の左向き壁)との境界部である左前方側のコーナー部12C付近には、リール40に巻装された磁気テープTを外部に引き出すための開口20が形成されている。開口20は、コーナー部12Cに隣接する前壁12Aと左側壁12Bとに跨って形成されている。記録テープカートリッジ10では、開口20から、磁気テープTの端部に固着され左側壁12Bに沿って配置されたリーダテープ22が引き出されるようになっている。
リーダテープ22は、ドライブ装置の引出部材(図示省略)が磁気テープTを引き出すために係合する被引出部材であり、磁気テープTと略同幅でかつ磁気テープTよりも高強度のテープ状部材とされている。リーダテープ22の先端近傍には、引出部材が係合する孔部22Aが穿設されている。そして、その孔部22Aの先端よりも若干後方寄りの上下両サイドには、それぞれ幅(上下)方向両側にそれぞれ張り出す張出部22Bが形成されている。
この張出部22Bが、上ケース14の内面及び下ケース16の内面にそれぞれ形成された収納部としてのスロット部24に収納(挿入)されることにより、リーダテープ22がケース12内に保持される構成である。図9に示される如く、スロット部24は、前後方向に長手とされると共に前向きに開口する溝部24Aと、溝部24Aに収容された張出部22Bのそれ以上のケース内方(後方)への移動を規制するためのストッパ部としてのストッパ壁24Bを有している。
また、開口20は、記録テープカートリッジ10の不使用時にはドア30によって閉塞されるようになっている。ドア30は、開口20と略同じ形状及び大きさの平面視略「L」字状に形成されている。なお、このドア30は、POM(ポリアセタール)等のオレフィン系樹脂で成形されるのが好ましいが、PC(ポリカーボネイト)等の樹脂やSUS(ステンレス鋼)等の金属で成形しても良い。このドア30は、上ケース14及び下ケース16の前壁12A側にそれぞれ突設された支軸26を回動支点として回動することで、開口20を開閉するようになっている。
ドア30における内面側の右端部近傍(右端部より所定距離左方へずれた位置)からは、平板状の回転摺動部32が3本平行に突設されている。この回転摺動部32は、ドア30の内面の上下両端部と、中央より若干下方へずれた中途部とからそれぞれ突設され、各回転摺動部32には、支軸26に遊嵌される貫通孔が穿設されている。したがって、各貫通孔に支軸26が挿通されることにより、ドア30が回動可能に支持される。
また、上端部の回転摺動部32の上面と、下端部の回転摺動部32の下面には、それぞれ貫通孔周りに環状凸部34が形成されている。そして、この環状凸部34が、それぞれ天板14A及び底板16Aにそれぞれ接触することにより、ドア30の上端面30Aと天板14Aとの間、及びドア30の下端面30Bと底板16Aとの間に、それぞれ0.3mm〜0.5mm程度の隙間が形成されるようにしている。これにより、ケース12とドア30との摺動抵抗が低減されている。このドア30は、支軸26よりも右側部分がドライブ装置の開閉部材に押圧されることによって、開口20を開放する方向に回動する構成とされている。
そして、支軸26には、ドア30を常時開口20の閉塞方向へ付勢するトーションばね28の巻回部が挿嵌されている。すなわち、このトーションばね28の巻回部は、下端部の回転摺動部32と中途部の回転摺動部32の間で、支軸26に挿嵌されて取り付けられている。また、トーションばね28の一方の端部側は、ケース12のビスボス38(下ケース16に突設されたビスボス)に係止され、他方の端部側は、ドア30における回転摺動部32に対する右側部分に係止されている。
以上により、ドア30は、記録テープカートリッジ10の不使用時にはトーションばね28の付勢力によって開口20を閉塞し、記録テープカートリッジ10がドライブ装置に装填される動作に伴って支軸26よりも右側部分が開閉部材に押圧されると、トーションばね28の付勢力に抗して回動して開口20を開放するようになっている。
(リール等の構成)
次いでリール40について説明する。図8に示される如く、リール40は、その軸心部を構成するリールハブ42を備えている。リールハブ42は、外周に磁気テープTが巻き回される本発明における「ハブ」としての円筒部42Aを備えている。また、リールハブ42は、略円板状の底板部42Bと、底板部42Bの外周部と円筒部42Aの下部内周を連結する略短円筒状の内円筒部42Cとを備えている。内円筒部42Cと円筒部42Aの下端部近傍との間には隙間が形成されている。また、底板部42Bは、円筒部42Aの下端よりも下方に突出して位置している。
このリールハブ42における円筒部42Aの開口端(上端)からは、上フランジ44が径方向外側に同軸的かつ一体に延設されている。リールハブ42は、開口端側に上フランジ44が一体に形成されることにより、磁気テープTの巻き締り等に対する強度(剛性)が高い構成とされている。本実施形態では、円筒部42Aの上端面と上フランジ44の上面とは面一とされている。
一方、円筒部42Aの下端部には、下フランジ部材46が超音波溶着等によって接合されている。下フランジ部材46は、上フランジ44に対応する下フランジ46Aと、下フランジ46Aの径方向内側に位置しリールハブ42の円筒部42Aの下端に溶着される溶着部46Bと、溶着部46Bの下側から下フランジ46Aの下面よりも下方に突出する環状リブ46Cとが、互いに同軸的に形成されて構成されている。
環状リブ46Cは、図8に示される如く、その内径diが円筒部42Aの内径Diよりも大とされると共に、その外径doが円筒部42Aの外径Doよりも小とされている。すなわち、環状リブ46Cは、下フランジ部材46が溶着部46Bにおいて円筒部42Aの下端面に溶着された状態で、円筒部42Aの径方向に沿う厚みtr(=(Do−Di)/2)の範囲内に位置している。この環状リブ46Cの下端外周部は、テーパ面46Dとされており、その外径がdoよりもさらに小とされている。
また、リールハブ42の底板部42Bの下面(外面)には、これと同軸的な環状に形成されたリールギヤ50が形成されている。リールギヤ50は、ドライブ装置の回転シャフト100に設けられた駆動ギヤ102と、軸線方向の相対移動によって噛み合い可能とされている。さらに、底板部42Bの下面におけるリールギヤ50の内側からは、基準凸部48が突設されている。基準凸部48は、リール40と同軸的な環状に形成されており、リールギヤ50の径方向内端に一体的に連続して形成されている。この基準凸部48の可端面は、回転シャフト100の位置決め面108に当接することで、リール40のドライブ装置に対する軸線方向の位置決めを行う基準面とされている。
一方、リールハブ42の内部には、後述するようにブレーキ部材80とでリールロック機構110を構成するリール側ギヤ54が設けられている。また、底板部42Bの軸心部には、貫通孔55が設けられている。貫通孔55は、ブレーキ部材80の外部からの操作用とされており、本実施形態では、回転シャフト100の解除突起104が嵌合することでリール40の回転駆動時のセンタリング機能をも果たす構成とされている。このため、底板部42Bにおける貫通孔55の縁部からはボス部55Aが下方に突設されており、解除突起104との嵌合長さを確保する構成とされている。ボス部55Aの下端面は、基準凸部48の下端面と略同位とされている。
以上説明したリール40における下フランジ部材46を除く部分は、樹脂成形によって一体に形成されている。そして、底板部42Bの下面における基準凸部48とボス部55Aとの間には、磁性材料より成る孔開き円板状のリールプレート52が同軸的に取り付けられている。リールプレート52は、インサート成形又はかしめによって底板部42Bに固着されている。リールプレート52の下面は、基準凸部48の下端面よりも上方に位置している。このリールプレート52は、回転シャフト100のマグネット106の磁力によって非接触で吸着保持されるようになっている。
以上説明したリール40は、図2に示される如く、ケース12に内に収容されて不使用時にはギヤ開口18からリールギヤ50、基準凸部48の下端面、リールプレート52等を外部に露出させている。以下、具体的に説明する。
ケース12のギヤ開口18の内径は、環状リブ46Cの内径と略一致しており、リール40の底板部42Bの外径よりも大とされている。そして、リール40は、不使用時には、環状リブ46Cの下端面を底板16Aにおけるギヤ開口18周りの内面(上面)に当接させて、底板部42Bをギヤ開口18に入り込ませている。すなわち、リール40は、不使用時にはケース12の底板16A側に偏倚される構成とされている。このときのリール40の位置を最下位置ということとする。なお、記録テープカートリッジ10では、最下位置に位置するリール40の各部が底板16Aの外面(下面)よりも下方に突出しないように、各部の寸法が決められている。
また、リール40が最下位置に位置する状態では、天板14Aとリール40の上端を構成する円筒部42Aの上端面(上フランジ44の上面)との間には、リール40の軸線方向に沿う距離がWである隙間G(図8参照)が形成されるようになっている。このリール40は、回転シャフト100によって回転駆動されるときには、図3に示される如くケース12内で上方に浮上し、ケース12の各部と非接触で回転するようになっている。このときのリール40の位置を浮上位置と言うこととする。
また、底板16Aにおけるギヤ開口18の径方向外側の内面からは、該ギヤ開口18と同軸的に環状リブ19が突設されている。環状リブ19は、内径が環状リブ46Cの外径よりも若干大とされると共に、底板16Aからの突出高が環状リブ46Cの下フランジ46Aからの突出高よりも若干小とされている。また、環状リブ19の内面側の根元部分は、環状リブ46Cのテーパ面46Dに略対応するテーパ面19Aとされている。以下、底板16Aの内面における環状リブ19(のテーパ面19A)よりも径方向内側部分、すなわち、不使用時に環状リブ46Cの下端面が当接する環状の部位を当接面16Cと言うこととする。
環状リブ19は、リール40が最下位置に位置する(環状リブ46Cの下端面が当接面16Cに当接する)と共にリール40がセンタリングされた状態では、そのテーパ面19Aを含む内面及び上端面の何れもリール40の各部に接触しないように構成されており、リール40が心ずれしようとすると環状リブ46Cに干渉して該心ずれを防止する構成とされている。また、リール40のテーパ面46Dは、リール40が浮上位置から最下位置に復帰する際に、該リール40を環状リブ19の内側に誘い込む機能を果たすようになっている。
(リールロック機構の構成)
以上説明したリール40は、不使用時には、リールロック機構110によってケース12に対する回転がロックされるようになっている。具体的には、リールロック機構110は、リールハブ42に形成されたリール側ギヤとしてのリール側ギヤ54に、ブレーキ部材80に形成されたケース側ギヤとしてのケース側ギヤ82が噛み合わされることで、ケース12に対する回転をロックするようになっている。まず、ブレーキ部材80によるケース12に対するリール40の回転ロック、ロック解除のための構成について説明し、その後、リール側ギヤ54、ケース側ギヤ82の形状について説明することとする。
図2〜図4に示される如く、記録テープカートリッジ10は、リール40のケース12に対する回転を阻止するためのブレーキ部材80を備えている。ブレーキ部材80は、略円板状に形成されており、その外周部にはリール40のリール側ギヤ54に噛み合い可能な制動ギヤとしてのケース側ギヤ82が形成されている。このブレーキ部材80は、リールハブ42の円筒部42A内に略同軸的かつ上下(軸線)方向に移動可能に挿設されている。
このブレーキ部材80の上面からは、平面視で放射状に複数(本実施形態では3つ)のガイド片84が突設されている。各ガイド片84は、それぞれケース12の後述するガイド壁部68間に挿入されることで、ブレーキ部材80がケース12に対し回転不能に支持されるようになっている。また、各ガイド片84は、ガイド壁部68によって上下方向にガイドされるようになっている。すなわち、ブレーキ部材80は、それぞれ複数のガイド片84及びガイド壁部68によって、ケース12に対し上下方向(リール40の軸線方向)にのみ相対変位が許容される構成である。これら複数のガイド片84及びガイド壁部68が本発明におけるガイド手段に相当する。
そして、このブレーキ部材80は、ケース側ギヤ82をリール側ギヤ54に噛み合わせてリール40のケース12に対する回転を阻止する回転ロック位置(図2参照)と、回転ロック位置から上方(リール軸線方向の一方側)に移動してケース側ギヤ82とリール側ギヤ54との噛み合いを解除しリール40のケース12に対する回転を許容する回転許容位置(図3参照)とを取り得るようになっている。すなわち、リールロック機構110では、ブレーキ部材80とリール40とのリール軸線方向に沿った相対変位によって、ケース12に対するリール40の回転ロック、ロック解除が切り替えられる構成である。
また、ケース12の天板14A(後述するリング状止め具76)と、ブレーキ部材80における各ガイド片84の外側の上面であるばね受け面80Aとの間には、第1付勢手段としての圧縮コイルスプリング78が圧縮状態で配設されており、ブレーキ部材80は圧縮コイルスプリング78の付勢力によって常に回転ロック位置側に付勢されている。リール40は、このブレーキ部材80を介して底板部42Bに伝達される圧縮コイルスプリング78の付勢力によって、最下位置に偏倚されるようになっている。したがって、この実施形態では、ブレーキ部材80の回転ロック位置は、最下位置に偏倚されたリール40のリール側ギヤ54にケース側ギヤ82を噛み合わせる軸線方向位置とされている。
一方、ブレーキ部材80の下面軸心部からは、操作突起88が突設されており、操作突起88は、ブレーキ部材80が回転ロック位置に位置する状態でリール40の貫通孔55内に入り込んでいる。この操作突起88が回転シャフト100の解除突起104によって上向きに押圧されることで、ブレーキ部材80が回転ロック位置から回転許容位置へ移動する構成とされている。
より具体的には、回転シャフト100が駆動ギヤ102をリールギヤ50に噛み合わせるべく軸線方向に沿ってリール40に近接する動作に伴って、回転シャフト100の軸心部から駆動ギヤ102よりも上方に突出した解除突起104が操作突起88を押圧し、圧縮コイルスプリング78の付勢力に抗してブレーキ部材80を回転許容位置に移動するようになっている。また、回転シャフト100は、位置決め面108をリール40の基準凸部48の下端面に当接させた状態で、圧縮コイルスプリング78の付勢力に抗してリール40を浮上位置に移動させるようになっている。
また、ブレーキ部材80は、この回転ロック位置から回転許容位置への移動によって、後述する各ロック部材90を規制位置から規制解除位置へ移動させるために、上面から突設された係合突起86を備えている。この係合突起86の構成については、ロック部材90と共に後述する。
次に、リール側ギヤ54及びケース側ギヤ82の形状について説明する。図4に示される如く、リール側ギヤ54は、リール40と同軸的な仮想円周に沿って配置されたギヤ列111を有し、ギヤ列111は複数の片テーパ歯112を有する。図5にも示される如く、各片テーパ歯112は、リール40における磁気テープTを巻き取る際の回転方向(図4の矢印R1参照)を向く第1噛み合い面112Aと、リール40における磁気テープTを引き出す際の回転方向(図4の矢印R2参照)を向く第2噛み合い面112Bとを有する。そして、各片テーパ歯112は、それぞれの第1噛み合い面112Aがリール40の軸線方向に対し略平行とされると共に、それぞれの第2噛み合い面112Bがリール40の軸線方向に対し傾斜された片テーパ形状とされている。この実施形態では、ギヤ列111は、全周に亘り連続的に(密に)片テーパ歯112が配置されることで、略環状に形成されている。
一方、図4及び図5に示される如く、ケース側ギヤ82は、ブレーキ部材80と同軸的な仮想円周に沿って配置され複数の片テーパ歯112に噛み合い可能な複数の片テーパ歯114から成るギヤ列115を有する。すなわち、ギヤ列115を構成する各片テーパ歯114は、矢印R2方向を向く第1噛み合い面114Aがリール40(ブレーキ部材80)の軸線方向に対し略平行とされると共に、矢印R1方向を向く第2噛み合い面114Bがリール40の軸線方向に対し傾斜された片テーパ形状とされている。この実施形態では、ギヤ列115は、全周に亘り連続的に片テーパ歯114が配置されることで、略環状に形成されている。
以上により、リール側ギヤ54とケース側ギヤ82とは、リールハブ42の円筒部42Aに対しブレーキ部材80が軸線方向に沿って近接するのに伴って、互いの第2噛み合い面112B、114Bによって周方向に誘い込み(周方向に案内し)合い、互いに噛み合わされる構成とされている。そして、この噛み合い状態でリール40がケース12に対し矢印R1方向に回転しようとすると、第1噛み合い面112Aと第1噛み合い面114Aとが噛み合う(係合する)構成とされている。
また、図4及び図5に示される如く、この実施形態では、リール側ギヤ54は、複数の片テーパ歯112とは逆向きの片テーパ歯である複数の逆片テーパ歯116から成るギヤ列118を有し、ケース側ギヤ82は、逆片テーパ歯116に噛み合い可能な複数の逆片テーパ歯120から成るギヤ列122を有する。すなわち、ギヤ列118を構成する各逆片テーパ歯116は、矢印R2方向を向く第1噛み合い面116Aがリール40(ブレーキ部材80)の軸線方向に対し略平行とされると共に、矢印R1方向を向く第2噛み合い面116Bがリール40の軸線方向に対し傾斜された片テーパ形状とされている。また、ギヤ列122を構成する各逆片テーパ歯120は、矢印R1方向を向く第1噛み合い面120Aがリール40(ブレーキ部材80)の軸線方向に対し略平行とされると共に、矢印R2方向を向く第2噛み合い面120Bがリール40の軸線方向に対し傾斜された片テーパ形状とされている。
この実施形態では、ギヤ列118は、全周に亘り連続的に逆片テーパ歯116が配置されることで略環状に形成されており、ギヤ列122は、全周に亘り連続的に逆片テーパ歯120が配置されることで略環状に形成されている。
以上により、リール側ギヤ54とケース側ギヤ82とは、リールハブ42の円筒部42Aに対しブレーキ部材80が軸線方向に沿って近接するのに伴って、互いの第2噛み合い面112B、114Bの組み合わせ、及び第2噛み合い面116B、120Bの組み合わせによって周方向に誘い込み(周方向に案内し)合い、互いに噛み合わされる構成とされている。そして、この噛み合い状態でリール40がケース12に対し矢印R1方向に回転しようとすると、第1噛み合い面112A、114A同士、第2噛み合い面116B、120B同士が噛み合い(係合し)、リール40がケース12に対し矢印R2方向に回転しようとすると、第1噛み合い面116A、120A同士、第2噛み合い面112B、114B同士が噛み合う構成とされている。
また、この実施形態では、リール側ギヤ54は、ギヤ列111がギヤ列118に対し外周側に同軸的に配置されている。より具体的には、ギヤ列111は、リールハブ42の内円筒部42Cの上部内面側に一体に形成され、ギヤ列118は、内円筒部42Cと底板部42Bとの角隅部に一体に形成されている。すなわち、この実施形態におけるリール側ギヤ54(ギヤ列111、118)は、樹脂の射出成形によってリールハブ42と一体に形成されている。図4に示される如く、ギヤ列111とギヤ列118との間には、上向きに開口する溝状の隙間124が形成されている。
同様に、ケース側ギヤ82においてはギヤ列115がギヤ列122に対し外周側に同軸的に配置されている。ギヤ列115は、ブレーキ部材80における下部の最外周部に形成されている。ギヤ列122は、ギヤ列115の内側に配置され、該ギヤ列122とギヤ列115との間には、下向きに開口する溝状の隙間126が形成されている。そして、この実施形態に係るケース側ギヤ82(ギヤ列115、122)は、樹脂の射出成形によってブレーキ部材80と一体に形成されている。
また、リールロック機構110は、ブレーキ部材80がリールハブ42の底板部42Bに近接する際に、該ブレーキ部材80(ケース側ギヤ82)をリールハブ42(リール側ギヤ54)に対しセンタリングするためのガイド構造128を備える。ガイド構造128は、図4に示される如く、内円筒部42Cの上端内縁部に形成された上側ほど大径となるすり鉢状のテーパ部130と、ブレーキ部材80の外周部に形成された下側ほど小径となるテーパ部132とで構成されている。
このガイド構造128によって、ブレーキ部材80は、リール40に対し芯ずれした状態で底板部42Bに近接する場合でも、テーパ部130とテーパ部132とによってリール40に対しセンタリングされる(リール40がブレーキ部材80すなわちケース12に対しセンタリングされる場合を含む)構成である。
(リールガタ制限機構の構成)
また、リール40は、不使用時には、最下位置に偏倚された状態で天板14Aとの隙間Gにロック部材90のロック部93が入り込むことで、ケース12に対する軸線方向の変位が規制(制限)されるとされるようになっている。以下、具体的に説明する。
また、図2〜図6に示される如く、記録テープカートリッジ10は、リール40のケース12に対する上下動、すなわち環状リブ46Cが当接面16Cに対し接離することを防止するためのロック部材90を備えている。ロック部材90は、複数(本実施形態では3つ)設けられている。以下、各ロック部材90について説明するときは、組付状態における各方向を用いることとする。また、以下の説明において「径方向」と言うときは、ケースに収容されたリール40径方向又は該方向に平行な方向を指す場合がある。
図6〜6にも示される如く、各ロック部材90は、径方向に長手の略角柱状に形成され天板14Aと摺動可能に接触する本体部92を備えている。各本体部92の径方向外端には、ロック部93が設けられている。図8に示される如く、ロック部93は、その上面が本体部92の上面と面一とされると共に、その上下方向の厚みDが、最下位置に位置するリール40の円筒部42Aの上端面と天板14A内面との隙間Gの距離Wよりも若干小(D<W)とされている。
これらのロック部材90は、天板14Aと摺動しつつ径方向に移動することで、ロック部93を隙間Gに入り込ませてリール40の最下位置からの上昇を規制する規制位置(図2参照)と、ロック部93を隙間Gから退避させてリール40の最下位置から浮上位置への移動を許容する規制解除位置(図3参照)とを取り得る構成とされている。なお、記録テープカートリッジ10では、上記の通りロック部93の厚みDが隙間Gの距離Wよりも若干小(D<W)に設定すると共に、図8に示される如く、規制位置に位置するロック部93下面と上フランジ44の上面との間、及び規制位置に位置するロック部93上面と天板14Aの下面との間にはそれぞれわずかなクリアランスC1、C2が形成されている。これにより、ロック部93が隙間Gに対しスムースに進退できる構成とされている。
また、各ロック部材90は、本体部92におけるロック部93の径方向内端部分から下方に突設された係合部96を備えている。各係合部96の径方向外面は、円筒部42Aの内周面に対応する円弧状に形成されており、各ロック部材90が規制位置に位置するときに円筒部42Aの内周面に面接触する構成とされている。これにより、各ロック部材90の規制位置を超えて径方向外側へ移動することが防止される構成である。なお、係合部96及び円筒部42A(の少なくとも上端近傍)のリール軸線方向に対する抜き勾配はほぼ0°とされており、これらの間に隙間が生じないように構成されている。また、各係合部96の下端部には、下方及び径方向外側を向く底面視円弧状のテーパ面96Aが形成されており、後述するロック部材90の組み付け用とされている。
さらに、各ロック部材90は、本体部92の径方向内端から下方に突設された被押圧部としてのカム部94を備えている。カム部94は、ブレーキ部材80を構成する押圧部としての係合突起86と協働して、該ブレーキ部材80の回転ロック位置から回転許容位置への移動力の一部を、ロック部材90の規制位置から規制解除位置への移動力に変換するようになっているが、これらの構成については後述する。また、各ロック部材90は、それぞれのカム部94から径方向内向きに突出された嵌入部95を備えている。各嵌入部95は、図6に示される如く軸線方向視で略十字条を成しており、後述する圧縮コイルスプリング56の一端が嵌入保持されるようになっている。
以上説明した各ロック部材90は、それぞれケース12の天板14Aに設けられた保持部60によって径方向の移動可能に保持されている。図6及び図7に示される如く、保持部60は、それぞれ天板14Aの内面から立設され組付状態でリール40と略同軸となる環状壁62、64を備えている。外側に位置する環状壁62は、内側の環状壁64よりも天板14Aからの立設高が大とされている(下端が下側に位置する)。また、環状壁62の外径はリール40の円筒部42Aの内径よりも小とされており、保持部60が浮上位置に位置するリール40に干渉しない構成とされている。
各環状壁62、64は、互いに対応すると共に周方向に等間隔となる3箇所が全高に亘り切り欠かれて切欠部62A、64Aが形成されている。各切欠部62A、64Aの開口幅は、それぞれロック部材90の幅に対応している。また、各環状壁62、64は、天板14Aから突設された複数の支持リブ66によって連結されている。本実施形態では、支持リブ66は、各切欠部62A、64A間に3つずつ、計9つ設けられている。
さらに、保持部60は、天板14Aから立設され環状壁64の内側に位置する3対のガイド壁65を備えている。各対のガイド壁65は、底面視で、それぞれの対向面が切欠部62A、64Aの縁部を結ぶ仮想線に一致するように配置されており、切欠部62A、64Aと共にロック部材90を径方向の移動可能に収容する収容部63を形成している。すなわち、各ロック部材90は、それぞれ異なる収容部63に収容された状態で、ガイド壁65及び切欠部62A、64Aの縁部にガイドされつつ径方向に移動するようになっている。
さらにまた、各環状壁62、64間でかつ切欠部62A、64Aの縁部間には、それぞれ保持突起70が突設されている。各保持突起70は、それぞれ対応するガイド壁65の延長線上に位置しており、それぞれの下端には、収容部63の下側に張り出す係合凸部70Aが設けられている。各係合凸部70Aの相手方と対向する側の下端はそれぞれテーパ面とされており、ロック部材90を下側から組み付ける際に本体部92の角部に係合するようになっている。これにより、ロック部材90の組付時には、一対の保持突起70が変形してロック部材90の収容部63への装着を許容し、該装着には各係合凸部70Aがロック部材90の脱落を阻止するようになっている。すなわち、天板14Aが下(鉛直方向)を向くようにしても各ロック部材90が保持部60から脱落しない仮保持状態とされる構成である。
また、保持部60の軸心部には、ばね受け凸部72が突設されている。ばね受け凸部72は、3つのロック部材90に対応して3つのばね受け面72Aを有する略三角柱状を成しており、各ばね受け面72Aの幅方向両側には係止爪72Bが形成されている。このばね受け凸部72は、後述する圧縮コイルスプリング56の支持用とされている。
さらに、天板14Aにおける環状壁62の外側からは、該環状壁62と同軸的な円周に沿ってストッパリブ74が突設されている。各ストッパリブ74は、それぞれ収容部63の径方向外側に配置されており、ロック部材90の仮止め用とされている。各ストッパリブ74は、規制位置に位置するロック部材90のロック部93の径方向外端によりもわずかに径方向外側に配置されている。この状態のロック部93の径方向外端とストッパリブ74との離間距離は、テーパ面96Aを水平面(リール軸線との直交面)に投影した長さよりも若干小とされている。また、ストッパリブ74は、浮上位置に位置するリール40に干渉しないように天板14Aからの突出高が低く抑えられている。
さらに、天板14Aの環状壁64の内側における各対のガイド壁65間からは、それぞれ2枚1組のガイド壁部68が立設されている。すなわち、ガイド壁部68は、計3組6枚設けられており、それぞれの組間にブレーキ部材80のガイド片84を入り込ませる構成とされている。各組のガイド壁部68の対向間隔はガイド片84の厚みと同等かわずかに大とされており、ブレーキ部材80の回転を阻止すると共にガタつきを抑えるようになっている。各ガイド壁部68は、回転ロック位置と回転許容位置との間を移動するブレーキ部材80のガイド片が常時挿入された状態を維持する高さとされている。また、各ガイド壁部68は、それぞれ径方向内端がガイド壁65に連設されると共に、径方向外端が環状壁64に連設されている。
なお、以上説明した保持部60は、天板14Aとは別体でかつ天板14Aに取り付けられる板状部材に構成しても良い。このように構成すれば、ロック部材90と保持部60とをモジュール化することができ、例えばロック部材90を備えない記録テープカートリッジとケース12(上ケース14)の金型を共通化する等のメリットがある。また、上記構成では保持突起70の係合凸部70Aがアンダカット構造を形成するために係合凸部70Aの大型化が困難であるが、上記板状部材における保持突起70間に貫通孔を設けアンダカット構造を回避することが可能となる。この構成では、係合凸部70Aを大型化して後述するリング状止め具76を不要とすることができる。また、保持突起70のみを上ケース14と別部材として後付けすることによっても、リング状止め具76を不要とすることができる。
そして、各ロック部材90は、上記保持部60の異なる収容部63に収容されている。これにより、各ロック部材90は、リール40の周方向に等間隔で配置され、それぞれ天板14Aと摺動しつつ径方向の移動のみ可能にガイドされるようになっている。この状態で、各ロック部材90は、各支持リブ66に固定されたリング状止め具76によって本押えされ、保持部60からの脱落が確実に阻止されるようになっている。リング状止め具76は、例えば、超音波溶着にて各支持リブ66の下面に固着されている。本実施形態では、リング状止め具76は、圧縮コイルスプリング78の上端を受けるばね受けとしても用いられている。なお、圧縮コイルスプリング78の上端は、各支持リブ66で受けるようにしても良い。
また、保持部60の軸心部には、各ロック部材90を規制位置側に付勢する第2付勢手段としての圧縮コイルスプリング56が配設されている。圧縮コイルスプリング56は、ロック部材90ごとに設けられ、それぞれの一端が対応するロック部材90の嵌入部95に嵌入保持されると共に、それぞれの他端がばね受け凸部72のばね受け面72Aに当接されている。各圧縮コイルスプリング56の他端は、ばね受け凸部72の係止爪72Bによって、ばね受け面72Aに対する位置ずれが防止されるようになっている。
各圧縮コイルスプリング56は、対応するロック部材90のロック部93がストッパリブ74に当接した状態、及び係合部96がリール40の円筒部42A内面に当接した状態で、圧縮状態となる構成とされている。すなわち、各圧縮コイルスプリング56は、ロック部材90を径方向外側に付勢し、その付勢力で係合部96をリール40の円筒部42Aに押し付け又はロック部93をストッパリブ74に押し付ける構成とされている。
そして、記録テープカートリッジ10では、上ケース14と下ケース16との接合前においては、図7に示される如く、圧縮コイルスプリング56の付勢力によって、ロック部材90のロック部93がストッパリブ74に押し付けられる構成とされている。この状態の上ケース14を、圧縮コイルスプリング78を載置したブレーキ部材80のケース側ギヤ82がリール側ギヤ54に噛み合わされたリール40を最下位置に偏倚させた下ケース16に組み付けると、円筒部42Aの上端内縁部が各ロック部材90のテーパ面96Aに係合しつつリール軸線方向の組付力の一部を各ロック部材90の径方向内側への移動力に変換し、各ロック部材90が圧縮コイルスプリング56の付勢力に抗して上記仮保持位置から規制位置に移動する。なお、この動作によって、ブレーキ部材80の各ガイド片84が対応するガイド壁部68間に入り込むように、組付前にブレーキ部材80を位置決めしておく。また、この動作によって、支軸26にドア30を軸支させる。そして、この状態で上ケース14と下ケース16とを固定的に接合することで、記録テープカートリッジ10が組み付けられる。
この組付状態すなわち不使用状態である出荷状態では、図2に示される如く、リール40は圧縮コイルスプリング78の付勢力によって最下位置に位置し、ブレーキ部材80は圧縮コイルスプリング78の付勢力によって回転ロック位置に位置し、各ロック部材90は圧縮コイルスプリング56の付勢力によって規制位置に位置している。したがって、最下位置に位置するリール40は、ブレーキ部材80によってケース12に対する回転が阻止されると共に、各ロック部材90によってケース12に対する軸線方向の移動、すなわち浮上位置側への移動が規制されている。この記録テープカートリッジ10の状態を不使用状態と言うこととする。
そして、記録テープカートリッジ10では、上記の通り、回転シャフト100によるブレーキ部材80の回転ロック位置から回転許容位置への移動によって、各ロック部材90が規制位置から規制解除位置へ移動するようになっている。具体的には、図7に示される如く、ブレーキ部材80の上面から突設された各係合突起86の上端には、径方向内側及び上側を向くテーパ面86Aが形成されると共に、各ロック部材90の径方向内端から下方に突設されたカム部94の下端には、径方向外側及び下側を向くテーパ面94Aが形成されており、テーパ面86Aとテーパ面94Aとは面接触可能に互いに対応する傾斜角とされている。この傾斜角は、30°から60°の範囲内で設定されるが、本実施形態では45°とされている。
これにより、ブレーキ部材80がケース12に対し上方に移動すると、各テーパ面86Aとテーパ面94Aとは、互いに接触しつつ、ブレーキ部材80の上方(リール軸線方向上側)への移動力を、各ロック部材90を径方向内側に移動させる移動力に変換する構成である。これにより、図3に示される如く、各ロック部材90が規制解除位置へ移動し、ブレーキ部材80が回転許容位置へ移動し、かつリール40が浮上位置へ移動した状態へと至るようになっている。このときの記録テープカートリッジ10の状態を使用状態と言うこととする。
この使用状態では、各ロック部材90は、それぞれのカム部94をブレーキ部材80の対応する係合突起86の内側に入り込ませ、各カム部94の径方向外向き面を対応する係合突起86の径方向内向き面に当接させるようになっている。そして、各ロック部材90の各カム部94の径方向外向き面、及びブレーキ部材80の各係合突起86の径方向内向き面は、それぞれ抜き勾配が略0°とされ、使用状態で圧縮コイルスプリング78、圧縮コイルスプリング56の付勢力によるリール40の軸線方向の分力を生じさせない構成とされている。
一方、図2に示される如く、不使用状態では、各係合突起86のテーパ面86Aと各カム部94のテーパ面94Aとの間に所定のクリアランスが設定されるようになっている。これにより、不使用状態で圧縮コイルスプリング56の付勢力の分力がブレーキ部材80に作用することが防止されている。また、このクリアランス(リール軸線方向に沿う離間距離)は、ケース側ギヤ82とリール側ギヤ54とのリール軸線方向に沿う噛み合い量(噛み合い解除ストロークS)よりも小とされている。すなわち、ケース側ギヤ82とリール側ギヤ54との噛み合いが解除される前に、テーパ面86A、94Aが互いに干渉するようになっている。
次に、各ロック部材90によるリール40の軸線方向の移動規制状態について詳細に説明する。図8に示される如く、ロック部93は、その径方向に沿う長さLが、リール40の円筒部42Aの径方向に沿う厚みtrと同等以下とされている。したがって、それぞれ規制位置に位置する各ロック部材90のロック部93の径方向外端93Aは、円筒部42Aの厚みtrの範囲内に位置している。そして、各ロック部材90が規制位置に位置する状態では、各ロック部93の径方向外端93Aは、リール40の環状リブ46Cの内面(内径di)よりも径方向外側に位置している。なお、ケース12のギヤ開口18の内径すなわち当接面16Cの内縁の径が環状リブ46Cの内径diよりも大である場合には、規制位置に位置する各ロック部材90のロック部93の径方向外端93Aが、当接面16Cの内縁よりも径方向外側に位置するように長さLを設定する。
したがって、ケース12の当接面16Cと規制位置に位置するロック部材90のロック部93とは、円筒部42Aの厚みtrの範囲内において、リール40の径方向に互いにオーバーラップして(リール軸線方向に投影すると重なり合うようにして)位置している。当接面16Cは環状(無端状)であるため、該当接面16Cとロック部93とは、厚みTrの範囲内において円筒部42Aの周方向にもオーバーラップしている。換言すれば、リール40における天板14A側に移動しようとしてロック部93に当接する部位と、リール40における底板16A側に移動しようとして当接面16Cに当接する部位とは、リール40の軸線方向から見て、円筒部42Aの内外周面間(厚みTrの範囲内)で円筒部の径方向及び周方向にオーバーラップしている。
以上により、記録テープカートリッジ10の不使用状態で、リール40は、その上又は下を向く各面のうち、円筒部42Aの厚みtrの範囲内(内外周面間)に位置する該円筒部42Aの上端面、及び環状リブ46Cの下端面のみを、それぞれロック部材90のロック部93、ケース12の当接面16Cに当接又は極近接させる構成とされている。すなわち、リール40における円筒部42Aの厚みtrの範囲内にある部分にのみ、リール40が上下動しようとしたときに該上下動を規制する上下方向の移動規制力が作用する構成とされている。さらに、上記の通り規制位置に位置するロック部材90のロック部93が上記厚みtrの範囲内でケース12の当接面16Cとオーバーラップすることから、上記移動規制力がリール40をケース12に対し傾斜させる偶力を生じない(複数のロック部93を設けることで偶力を打ち消すまでもない)構成とされている。
以上説明した記録テープカートリッジ10では、ロック部材90のケース12(保持部60)に対する摺動性確保のため、ロック部93の厚みDは、上記の通りケース12の当接面16Cに環状リブ46Cを当接させたリール40と天板14Aとの隙間Gの上下方向距離Wよりも小さく設定されている。このため、記録テープカートリッジ10では、不使用状態において、各ロック部材90のロック部93の厚みDと、上記隙間Gの上下方向距離Wとの差分(W−D)が、リール40のケース12に対し変位し得る。この規制位置に位置するロック部93の上下のわずかなクリアランスC1、C2の和がリール40の変位代(W−D)とされ、リール40はケース12に対し図10に模式的に示す如く傾斜し得る。この図10に示される如くケース12の当接面16Cと環状リブ46Cとの当接部位を回転中心にしてリール40がケース12に対し傾く場合、平面視で該回転中心から180°の位置にロック部材90が位置する場合、図10に破線にて示す如く、リール40の円筒部42Aにおける最大変位は、変位代(W−D)に略一致する。一方、上記回転中心から180°の位置が周方向に隣り合うロック部材90の中央部である場合、図10に実線にて示す如く、リール40の円筒部42Aにおけるリール軸線方向の変位は、変位代(W−D)よりも大きくなる。なお、図10の想像線は、最下位置に位置するリール40、回転ロック位置に位置するブレーキ部材80を示している。
このようにリール40の円筒部42Aが上下方向の変位代(W−D)に対し最も大きく変位する状態における、リール側ギヤ54を構成するギヤ列111の形成部位(径方向の位置)での変位量を最大変位Zmax1ということとする。そして、記録テープカートリッジ10では、図10に示される如く、最大変位Zmax1よりも、ブレーキ部材80のケース側ギヤ82とリール40のリール側ギヤ54との噛み合いを解除するリール軸線方向に沿った上記した噛み合い解除ストロークSが大きくなるように、上記した変位代(W−D)、噛み合い解除ストロークSが設定されている。
なお、噛み合い解除ストロークSは、回転ロック位置から、片テーパ歯112が片テーパ歯114間から抜け出るまでリール軸線方向に沿ったストロークとされている。すなわち、噛み合い解除ストロークSは、ケース側ギヤ82とリール側ギヤ54とのリール軸線方向に沿ったオーバーラップ量として把握され、回転ロック位置から回転許容位置までのブレーキ部材80の変位範囲の一部としても捉えることができる。また、この実施形態では、ギヤ列118とギヤ列122との噛み合い解除ストロークは、上記したギヤ列111とギヤ列115との噛み合い解除ストロークSと略同じである設定とされている。このため、ギヤ列118とギヤ列122との噛み合い解除ストロークは、図10に示される如くリール40がケース12に対し傾斜された場合のギヤ列118形成部位での最大変位Zmax2(<Zmax1)よりも大とされる。
以上により、この実施形態に係る記録テープカートリッジ10では、圧縮コイルスプリング78及びロック部材90が本発明における噛み合い保持手段に相当するものと捉えることができ、また、圧縮コイルスプリング78及びロック部材90の何れか1っポウが単独で本発明におけるか見合い保持手段に相当するものと捉えることも可能である。
次に、第1の実施形態の作用を説明する。
上記構成の記録テープカートリッジ10では、保管時や運搬時等の不使用時(ドライブ装置に装填しないとき)には、ドア30がトーションばね28の付勢力により開口20を閉塞している。また、リーダテープ22は、その張出部22Bがスロット部24内に収納(挿入)されて保持されることにより、左側壁12Bに沿って配置されている。
また、圧縮コイルスプリング78の付勢力によって、リール40が環状リブ46Cの下端面をケース12の当接面16Cに当接させる最下位置に位置すると共に、ブレーキ部材80がケース側ギヤ82をリール40のリール側ギヤ54に噛み合わせる回転ロック位置に位置している。さらに、圧縮コイルスプリング56の付勢力によって、各ロック部材90がそれぞれのロック部93を天板14Aと円筒部42Aの上端面との間の隙間Gに入り込ませる規制位置に位置している。すなわち、図2に示す如く、記録テープカートリッジ10が不使用状態とされている。
これらにより、リール40は、ケース12に対する回転が阻止されると共に、ケース12に対する上下動が許容量(最下位置から浮上位置までの移動量、上記隙間Gの上下方向距離Wに対し十分に小さい量)以下に規制されている。したがって、ユーザが不注意によりリール40の底部(リールプレート52等)を押圧したり、記録テープカートリッジ10を落下させても、リール40がケース内でガタついたり傾斜したりする(姿勢変化する)ことが抑制される。
一方、磁気テープTを使用する際には、記録テープカートリッジ10をドライブ装置のバケット(図示省略)へ前壁12A側から装填する。この装填動作に伴って、ドライブ装置の開閉部材(図示省略)がドア30の支軸26よりも右側部分を押圧する。すると、ドア30がトーションばね28の付勢力に抗して支軸26を中心に回動し、開口20が開放される。
次いで開口20の開放状態を維持したまま、バケットが下降し、ドライブ装置の回転シャフト100がケース12に下側から相対的に接近する(ケース12に対し上方に移動する)。すると、回転シャフト100の解除突起104がブレーキ部材80の操作突起88を押圧しつつリール40の貫通孔55に進入してこれに嵌合する。これにより、ブレーキ部材80は、圧縮コイルスプリング78の付勢力に抗して上方に押し上げられ(リール40に対する相対的な回転許容位置に移動し)、該ブレーキ部材80によるリール40の回転ロック状態が解除される。
このブレーキ部材80の上方への移動に伴って、該ブレーキ部材80の各係合突起86のテーパ面86Aと各ロック部材90のカム部94のテーパ面94Aとが、互いに摺動しつつブレーキ部材80の上方への移動力を各ロック部材90の径方向内側への移動力に変換する。これにより、各ロック部材90が規制位置から規制解除位置側に移動する。
回転シャフト100がさらに上方に移動すると、この回転シャフト100はさらにブレーキ部材80を上方に押し上げつつ駆動ギヤ102をリールギヤ50に噛み合わせる。これにより、各ロック部材90のロック部93は、リール40の基準凸部48の下端面が回転シャフト100の位置決め面108に当接する前に、隙間Gから完全に抜け出る。リール40の基準凸部48の下端面に回転シャフト100の位置決め面108が当接すると、回転シャフト100はリール40及びブレーキ部材80と共にさらに上方へ移動する。
そして、バケットが設定ストロークだけ下降して停止すると、回転シャフト100のケース12に対する移動が停止し、リール40は、図3に示される如く、その軸線方向において、その基準凸部48の下端面が位置決め面108に当接すると共にケース12内で浮上した回転可能位置に位置決めされる。この状態で、リール40は、マグネット106がリールプレート52を吸着する吸着力によって回転シャフト100に保持されている。
またこの状態で、操作突起88が解除突起104に当接しているブレーキ部材80は、回転許容位置(ケース12に対する絶対的な回転許容位置)に保持される。また、上記の通り解除突起104が貫通孔55に嵌合することで、リール40は、回転シャフト100に対しセンタリングされている。さらに、各ロック部材90は、それぞれのカム部94を上記回転許容位置に保持されているブレーキ部材80の対応する係合突起86の内側に位置させ(ケース12に対する絶対的な規制解除位置に位置し)、径方向外側すなわち規制位置側への移動が確実に阻止されている。
そして、ドライブ装置の図示しない引出部材が左側壁12B側から開口20に接近し、リーダテープ22の孔部22Aと係合する。このとき、リーダテープ22は、左側壁12Bに近接した状態で待機しているので、その引出部材は確実に孔部22Aに係合できる。孔部22Aに係合した引出部材は、開口20から離間してリーダテープ22をケース12から引き出し、このリーダテープ22をドライブ装置の図示しない巻取リールに巻取可能に係合する。
この状態からドライブ装置は、上記巻取リールと、回転シャフト100すなわちリール40とを同期して回転駆動する。これにより、磁気テープTがドライブ装置側へ順次送り出される。そして、そのドライブ装置の所定のテープ経路に沿って配設された記録再生ヘッド(図示省略)によって、磁気テープTにデータの記録、又は磁気テープTに記録されたデータの再生が行われる。
記録テープカートリッジ10をドライブ装置から取り出すときには、まず駆動ギヤ102及び回転シャフト100すなわちリール40を逆回転させて、磁気テープTをリール40に巻き戻す。そして、リーダテープ22が巻取リールから外され、開口20からケース12内に戻される。つまり、リーダテープ22の張出部22Bがスロット部24内に収納(挿入)されて、ケース12内の所定位置に保持される。
次いで、ドライブ装置は、バケットすなわち記録テープカートリッジ10を上昇させる。すると、リールギヤ50と駆動ギヤ102との噛み合い状態が解除されると共に解除突起104が貫通孔55から退出して操作突起88と解除突起104との当接が解除され、ブレーキ部材80が圧縮コイルスプリング78の付勢力によってケース側ギヤ82をリール側ギヤ54に噛み合わせる回転ロック位置に復帰する。このとき、圧縮コイルスプリング78の付勢力によってリール40も下方へ移動して最下位置に復帰する。また、ブレーキ部材80が回転ロック位置に復帰することにより、各ロック部材90は径方向外側への移動が可能となり、それぞれ圧縮コイルスプリング56の付勢力によってロック部93を隙間Gに入り込ませる規制位置に復帰する。
この状態で、記録テープカートリッジ10は、バケットから排出される。この排出動作によってドライブ装置の開閉部材とドア30との係合状態が解除され、ドア30はトーションばね28の付勢力によって開口20を閉塞する位置に復帰する。したがって、ドライブ装置のバケットから排出された記録テープカートリッジ10は、開口20が閉塞されると共にリールの回転及び上下動が阻止された初期状態に復帰している。
ところで、記録テープカートリッジ10を床等に落下させた場合、リール40は、落下衝撃等によって圧縮コイルスプリング78の付勢力に抗してケース12内で該ケース12に対し傾斜する場合がある。この場合、ブレーキ部材80は、ガイド壁部68と各係合突起86との係合によってケース12に対する姿勢がほぼ維持されながら、上記の如くケース12に対し傾くリール40によって、圧縮コイルスプリング78の付勢力に抗して天板14A側に押し上げられる。
ここで、記録テープカートリッジ10では、不使用状態で、ケース12内で底板16A側に偏倚されたリール40と天板14Aとの間に、ロック部材90のロック部93が、ケース12の天板14Aとリール40との間に該リール40とケース12との軸線方向の相対変位を制限するように入り込むため、仮に落下された場合でもケース12に対するリール40の傾きが抑制される。このため、ガイド壁部68とガイド片84との係合によってケース12に対する姿勢変化(傾き)が制限されたブレーキ部材80とリール40との相対的な傾き量も制限される。
また、記録テープカートリッジ10では、ケース12に対しリール40が最も大きく傾く場合のリール側ギヤ54(ギヤ列111)の最大変位Zmax1よりも、該リール側ギヤ54に対するケース側ギヤ82の噛み合いを解除する噛み合い解除ストロークSの方が大であるため、例えば落下により図10に示される如くリール40とブレーキ部材80との間に相対的な傾きが生じた場合において、リール側ギヤ54とケース側ギヤ82との噛み合いが周方向の全ての片テーパ歯112と片テーパ歯114、逆片テーパ歯116と逆片テーパ歯120とについて維持される。このため、仮にリール40の動きに対するブレーキ部材80の追従遅れが生じた場合でも、リール側ギヤ54とケース側ギヤ82との噛み合いが略全周で維持され、ケース12に対するリール40の回転ロック状態が維持される。
なお、ブレーキ部材80は、磁気テープTが巻き回されたリール40と比較して十分に軽量であり、単独でリール軸線方向に変位して又はリール40に対し傾斜して、想定される落下衝撃では、圧縮コイルスプリング78の付勢力に抗して噛み合い解除ストロークSを超えて(周方向の一部において超える場合を含む)変位されることはない。したがって、上記の通りロック部材90によってリール40のケース12に対する傾きを制限することで、ケース側ギヤ82のリール側ギヤ54に噛み合いを維持することができる。
このように、本発明の第1の実施形態に係る記録テープカートリッジ10では、落下に伴いケース12に対するリール40の回転ロックが解除されることを防止することができる。
ところで、張出部22Bをスロット部24に挿入してケース12に対し保持されるリーダテープ22は、この保持状態からケース内方に引張られると、張出部22Bがスロット部24のストッパ壁に干渉しつつ変形され、該ストッパ部を乗り越えてしまう場合がある。この場合、リーダテープ22のケース12に対する適正な保持が解消されるので、その後のドライブ装置による磁気テープTの引き出しが困難となる。
ここで、記録テープカートリッジ10では、上記の通り落下に伴うケース12に対するリール40の回転が防止されるので、リーダテープ22がケース内方に引張られることによる該リーダテープ22のケース12に対する保持状態の解消が防止又は効果的に抑制される。
そして、記録テープカートリッジ10では、リール側ギヤ54のギヤ列111を構成する片テーパ歯112の第1噛み合い面112Aがリール軸線方向に略平行とされ、ブレーキ部材80(ケース12)側におけるリール軸線方向に略平行な第1噛み合い面114Aと噛み合う構成であるため、リール40の矢印R1方向への回転力が片テーパ歯112(リール側ギヤ54)と片テーパ歯114(リール側ギヤ54)の噛み合い解除方向のスラスト力に変換されることが防止又は著しく抑制される(生じるスラスト力が著しく小さい)。このため、例えば落下衝撃によりリール40に矢印R1方向の回転力が作用した場合に、片テーパ歯112と片テーパ歯114との噛み合いによりこの回転が阻止されるだけでなく、リール40のケース12に対する軸線方向の相対変位が防止される。
またさらに、記録テープカートリッジ10では、片テーパ歯112の第2噛み合い面112B、片テーパ歯114の第2噛み合い面114Bがリール軸線に対し傾斜されたテーパ面であるため、リール40に対するブレーキ部材80のリール軸線方向の相対変位に伴って、片テーパ歯112、片テーパ歯114は、互いの第2噛み合い面112B、114Bにて周方向に誘い込み合い、スムースに噛み合う。
ここで、記録テープカートリッジ10では、片テーパ歯112、片テーパ歯114が上記の如き片テーパ形状であるため、矢印R1方向への回転に対し噛み合い解除方向のスラスト力を生じさせない機能と、第2噛み合い面112B、114Bにおけるリール軸線方向の広い範囲(この実施形態では略全高)を上記した如き誘い込み用のテーパ面することで、噛み合い性を確保する機能とを両立することができる。
またここで、記録テープカートリッジ10では、ギヤ列111、115とは逆向きの逆片テーパ歯116、120から成るギヤ列118、122を有するため、リール40の矢印R2方向に回転力が作用した場合においても該回転力によってリール側ギヤ54とケース側ギヤ82との噛み合いを解除する方向のスラスト力が生じることが防止又は著しく防止される。一方、ケース側ギヤ82とリール側ギヤ54との噛み合い性は、上記した第2噛み合い面112Bと第2噛み合い面114Bとによる誘い込み、及び第2噛み合い面116Bと第2噛み合い面120Bとによる誘い込みによって確保される。
(第2の実施形態)
図11及び図12には、第2の実施形態に係る記録テープカートリッジ150の一部拡大した断面図が示されている。これらの図に示される如く、記録テープカートリッジ150は、ブレーキ部材80にケース側ギヤ82が設けられた構成に代えて、ケース12にケース側ギヤ82が設けられている点で、第1の実施形態に係る記録テープカートリッジ10とは異なる。
具体的には、ケース側ギヤ82は、ケース12を構成する下ケース16の底板16Aにおける環状リブ19の径方向内外周部にギヤ列115、122が同軸的に配置されて構成されている。このケース側ギヤ82に噛み合う54は、リール40を構成する下フランジ部材46の下フランジ46Aにおける環状リブ46Cとの境界部又は境界近傍に設けられている。記録テープカートリッジ150では、リール40が圧縮コイルスプリング78の付勢力にて最下位置に位置する場合にリール側ギヤ54とケース側ギヤ82とが噛み合うことで、リール40のケース12に対する回転がロックされ、リール40が回転シャフト100にて浮上位置に変位されることでリール40のケース12に対する回転ロックが解除されるようになっている。この構成では、リール40のテーパ面46Dと環状リブ19のテーパ面19Aとが本発明におけるテーパ部に相当する。
この記録テープカートリッジ150は、ブレーキ部材80に代えて、ケース側ギヤ82が設けられていない点以外はブレーキ部材80と同様に構成されたロック解除部材152を有する。このロック解除部材152によって、ロック部材90が規制位置から規制解除位置に移動するようになっている。記録テープカートリッジ150の他の構成は、記録テープカートリッジ10の対応する構成と同じである。
したがって、第2の実施形態に係る記録テープカートリッジ150によっても、基本的に第1の実施形態に係る記録テープカートリッジ10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。
なお、上記した各実施形態では、リール40を構成するリール側ギヤ54がギヤ列111、118を共に有すると共に、ブレーキ部材80(ケース12)がギヤ列115、122を共に有する例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、図13に示される如く、リール40を構成するリール側ギヤ54がギヤ列111(第1噛み合い面112A及び112Bを有する歯群)のみを有すると共にケース12側のケース側ギヤ82がギヤ列115(第1噛み合い面114A及び114Bを有する歯群)のみを有する構成としても良い。この構成では、リールの矢印R1方向(磁気テープTの巻取方向)の回転は、リール軸線に略平行な第1噛み合い面112A、114Aの噛み合いによって、噛み合い解除方向のスラスト力を生じさせることなく禁止される。
また、上記した実施形態では、ギヤ列111、118、ギヤ列115、122が環状に形成された例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、ギヤ列111が環状に形成された構成では、ギヤ列115が周方向に部分的に片テーパ歯114を有する構成とすることができ、ギヤ列115が環状に形成された構成では、ギヤ列111が周方向に部分的に片テーパ歯112を有する構成とすることができる。また、同様に、ギヤ列118が環状に形成された構成では、ギヤ列122が周方向に部分的に逆片テーパ歯120を有する構成とすることができ、ギヤ列122が環状に形成された構成では、ギヤ列118が周方向に部分的に逆片テーパ歯116を有する構成とすることができる。
さらに、上記した実施形態では、ギヤ列111、115がギヤ列118、122に対し外周側に配置された例を示したが、本発明はこれに限定されず、これらの内外周の配置を入れ替えた構成としても良い。またさらに、上記した実施形態では、ギヤ列111とギヤ列115、ギヤ列118とギヤ列122とで噛み合い解除ストロークSが同等である例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、これらの噛み合い解除ストロークSが異なる構成としても良い。
また、上記した実施形態では、記録テープカートリッジ10、150がロック部材90を備えた例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、ロック部材90を有しない記録テープカートリッジにリールロック機構110を適用しても良い。この場合、記録テープカートリッジの落下の際にリール40に矢印R1方向の回転力が作用しても、この回転力はリール軸線に略平行な第1噛み合い面112A、114Aの噛み合いによってケース12に支持され、噛み合い解除方向にスラスト力発生が防止又は著しく抑制されるので、リール側ギヤ54とケース側ギヤ82との噛み合いが維持される。したがって、リール40に作用する巻取回転方向の回転力に起因して、リール側ギヤ54とケース側ギヤ82との噛み合いが解除され、リーダテープ22がケース内方に引張られることによる該リーダテープ22のケース12に対する保持状態の解消が防止又は効果的に抑制される。
さらにまた、上記した実施形態では、ガイド構造128がリール40の環状リブ46Cとブレーキ部材80の外周部との間に形成された例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、片テーパ歯112、114の歯の形状によってギヤ列111とギヤ列115との間にガイド構造128を構成しても良く、逆片テーパ歯116、120の歯の形状によってギヤ列118とギヤ列122との間にガイド構造128を構成しても良い。
また、上記した各実施形態では、リール側ギヤ54、152がリールハブ42に一体に形成された例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、リールハブ42とは別部材であるリング状部材にリール側ギヤ54を形成し、これをリール40の円筒部42Aに装着する構成としても良い。この場合、上記リング状部材として、リール40の円筒部42Aを径方向に補強する高剛性(金属や繊維強化樹脂等)の補強リングとすることも可能である。同様に、ブレーキ部材80やケース12とは別部材として構成された制動ギヤ82を該ブレーキ部材80やケース12に装着する構成とすることも可能である。
さらに、上記した各実施形態では、上フランジ44がリールハブ42に一体に設けられた構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、下フランジ46Aをリールハブ42に一体に形成すると共に上フランジ44を超音波溶着等にて円筒部42Aの上端面に固着する構成としても良い。この場合、規制位置に位置するロック部材90のロック部93は、上フランジにおける円筒部42Aの外周面よりも径方向内側部分に当接するように配置される。したがって、リールハブ42と別体の上フランジには、円筒部42Aに内嵌する筒状部を設けても良い。
またさらに、上記した各実施形態では、ロック部材90がリール40の径方向に移動することで規制位置と規制解除位置とを取り得る構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、ロック部材90がリール40の径方向に交差する方向に移動して規制位置と規制解除位置とを取り得る構成としても良く、ロック部材90が所定の支持点廻りに回動して規制位置と規制解除位置とを取り得る構成としても良い。
また、上記のした各実施形態では、ケース12のコーナー部12Cに設けられた開口20がヒンジ式のドア30にて開閉されると共に、磁気テープTの先端にリーダ部材としてのリーダテープ22が接続された例を示したが、本発明はケース12における磁気テープT引出用の開口、開口を開閉する遮蔽部材、リーダ部材の構成によって限定されないことは言うまでない。
さらに、上記した各実施形態では、記録テープとして磁気テープTを用いた構成としたが、本発明はこれに限定されず、記録テープは情報の記録及び記録した情報の再生が可能な長尺テープ状の情報記録再生媒体として把握されるものであれば足り、本発明に係る記録テープカートリッジが如何なる記録再生方式の記録テープにも適用可能であることは言うまでもない。
またさらに、上記した実施形態では、本発明に係る回転ロック構造が記録テープカートリッジ10、150に適用された例を示したが、本発明はこれに限定されず、各種の回転ロック構造に本発明を適用し得る。したがって例えば、円板状の記録メディアを収容した記録メディアカートリッジに本発明を適用しても良い。
本発明の第1の実施形態に係る記録テープカートリッジの概略斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る記録テープカートリッジの不使用状態の側断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る記録テープカートリッジのリール回転状態の側断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る記録テープカートリッジを構成するリールロック機構を示す一部切り欠いた斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る記録テープカートリッジを構成するリールロック機構を示す図であって、(A)は係合ギヤを拡大して示す斜視図、(B)は制動ギヤを拡大して示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る記録テープカートリッジを構成するリールロック機構の分解斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る記録テープカートリッジを構成するリールロック機構の仮組状態を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る記録テープカートリッジを構成するリールの軸線方向の移動規制状態を拡大して示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る記録テープカートリッジを構成するリーダテープのケースに対する保持状態を示す側断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る記録テープカートリッジにおけるケース内でのリールの傾き状態を示す模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る記録テープカートリッジ不使用状態を拡大して示す側断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る記録テープカートリッジのリール回転状態を拡大して示す側断面図である。 本発明の実施形態に係る記録テープカートリッジを構成するリールロック機構の変形例を示す一部切り欠いた斜視図である。
符号の説明
10 記録テープカートリッジ
12 ケース(ベース部)
20 開口
22 リーダテープ
24 スロット部
24B ストッパ壁(ストッパ部)
24A 溝部
40 リール
42 リールハブ(ハブ)
78 圧縮コイルスプリング(噛み合い保持手段)
80 ブレーキ部材(制動部材)
82 ケース側ギヤ
90 ロック部材
112 片テーパ歯(リール側ギヤの片テーパ歯)
114 片テーパ歯(ケース側ギヤの片テーパ歯)
116 逆片テーパ歯(リール側ギヤの逆片テーパ歯)
120 逆片テーパ歯(ケース側ギヤの逆片テーパ歯)
130・132 テーパ部
150 記録テープカートリッジ

Claims (6)

  1. 記録テープを巻き回したリールと、
    前記リールが軸線廻りに回転可能に収容されたケースと、
    前記リールに設けられ、該リールの前記記録テープを巻き取る場合の回転方向を向く噛み合い面がリール軸線方向に略平行とされると共に前記記録テープを引き出す際の前記リールの回転方向を向く噛み合い面が前記リール軸線方向に対し傾斜された複数の片テーパ歯が、前記リールと同軸的な円周に沿って該リールに配置されて構成されたリール側ギヤと、
    前記リール側ギヤの片テーパ歯に噛み合い可能に形成された複数の片テーパ歯が前記ケース又は前記ケースに対し回転不能に支持された制動部材に前記リールと同軸的な円周に沿って配置されて構成され、該ケース又は制動部材と前記リールとがリール軸線方向に相対変位することで、前記リール側ギヤとの噛み合い状態と噛み合い解除状態とを取り得るケース側ギヤと、
    前記記録テープの不使用時に、前記ケース側ギヤを前記リール側ギヤとの噛み合い状態に維持する噛み合い保持手段と、
    を備えた記録テープカートリッジ。
  2. 前記リール側ギヤは、
    前記記録テープを引き出す場合の前記リールの回転方向を向く噛み合い面がリール軸線方向に略平行とされると共に前記記録テープを巻き取る際の前記リールの回転方向を向く噛み合い面が前記リール軸線方向に対し傾斜され、前記リールと同軸的な円周に沿って該リールに設けられた複数の逆片テーパ歯をさらに有し、
    前記ケース側ギヤは、
    前記リール側ギヤの逆片テーパ歯に噛み合い可能に形成され、前記ケース又は前記制動部材に前記リールと同軸的な円周に沿って配置された複数の逆片テーパ歯をさらに有し、
    前記噛み合い状態では前記片テーパ歯及び逆片テーパ歯と前記リール側ギヤの前記片テーパ歯及び逆片テーパ歯とが噛み合わされ、前記噛み合い解除状態では前記片テーパ歯及び逆片テーパ歯と前記リール側ギヤの前記片テーパ歯及び逆片テーパ歯との噛み合いが解除されるように構成されている請求項1記載の記録テープカートリッジ。
  3. 前記リール、及び前記ケース又は前記制動部材の少なくとも一方には、該リールと制動部材との前記リール側ギヤとケース側ギヤとを噛み合わせる方向の相対変位に伴って前記リール側ギヤを前記ケース側ギヤに対しセンタリングするためのテーパ部が設けられている請求項1又は請求項2記載の記録テープカートリッジ。
  4. 前記記録テープの不使用時に前記ケースと前記リールとの間に入り込んで該リールのケースに対する軸線方向の移動を規制するロック部材をさらに備えた請求項1〜請求項3の何れか1項記載の記録テープカートリッジ。
  5. 一端部が前記記録テープの先端に接続されると共に、他端部における前記記録テープの幅の範囲内に該記録テープを前記ケースの開口から引き出す際にドライブ装置に引き出し操作される被操作部が設けられたリーダテープと、
    前記リーダテープの他端部から該リーダテープの幅方向外側に延設された凸片と、
    前記開口に臨んで前記ケースに設けられ前記凸片が前記ケースに対する前記記録テープの引き出し方向にスライド可能に入り込む溝部と、前記溝部における前記ケースの奥側端部を閉止するストッパ部とを有するスロット部と、
    をさらに備えた請求項1〜請求項4の何れか1項記載の記録テープカートリッジ。
  6. ベース部と、
    前記ベース部に対し軸線廻りに回転可能に支持された回転体と、
    前記回転体の軸線周りの回転方向一方側を向く噛み合い面が該軸線方向に略平行とされると共に前記回転体の軸線周りの回転方向他方側を向く噛み合い面が前記軸線方向に対し傾斜された複数の片テーパ歯と、前記回転体の軸線周りの回転方向他方側を向く噛み合い面が該軸線方向に略平行とされると共に前記回転体の軸線周りの回転方向一方側を向く噛み合い面が前記軸線方向に対し傾斜された複数の逆片テーパ歯とが、該回転体と同軸的かつ径の異なる円周に沿って配置されて構成された回転体側ギヤと、
    前記回転体側ギヤの片テーパ歯及び逆片テーパ歯に噛み合い可能に形成された複数の片テーパ歯及び逆片テーパ歯を有し、前記ベース部又は該ベース部に回転不能に支持された制動部材に設けられ、前記ベース又は制動部材と前記回転体とが軸線方向に相対変位することで、前記回転体側ギヤとの噛み合い状態と噛み合い解除状態とを取り得るベース側ギヤと、
    を備えた回転ロック構造。
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