JP4068991B2 - 記録テープカートリッジ - Google Patents

記録テープカートリッジ Download PDF

Info

Publication number
JP4068991B2
JP4068991B2 JP2003046131A JP2003046131A JP4068991B2 JP 4068991 B2 JP4068991 B2 JP 4068991B2 JP 2003046131 A JP2003046131 A JP 2003046131A JP 2003046131 A JP2003046131 A JP 2003046131A JP 4068991 B2 JP4068991 B2 JP 4068991B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reel
gear
recording tape
tape cartridge
engagement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003046131A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004259319A (ja
Inventor
祐輔 石原
和男 平口
亘 飯野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2003046131A priority Critical patent/JP4068991B2/ja
Priority to US10/784,716 priority patent/US7284723B2/en
Publication of JP2004259319A publication Critical patent/JP2004259319A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4068991B2 publication Critical patent/JP4068991B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B23/00Record carriers not specific to the method of recording or reproducing; Accessories, e.g. containers, specially adapted for co-operation with the recording or reproducing apparatus ; Intermediate mediums; Apparatus or processes specially adapted for their manufacture
    • G11B23/02Containers; Storing means both adapted to cooperate with the recording or reproducing means
    • G11B23/04Magazines; Cassettes for webs or filaments
    • G11B23/041Details
    • G11B23/043Brakes for tapes or tape reels
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B23/00Record carriers not specific to the method of recording or reproducing; Accessories, e.g. containers, specially adapted for co-operation with the recording or reproducing apparatus ; Intermediate mediums; Apparatus or processes specially adapted for their manufacture
    • G11B23/02Containers; Storing means both adapted to cooperate with the recording or reproducing means
    • G11B23/04Magazines; Cassettes for webs or filaments
    • G11B23/041Details
    • G11B23/044Reels or cores; positioning of the reels in the cassette
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B23/00Record carriers not specific to the method of recording or reproducing; Accessories, e.g. containers, specially adapted for co-operation with the recording or reproducing apparatus ; Intermediate mediums; Apparatus or processes specially adapted for their manufacture
    • G11B23/02Containers; Storing means both adapted to cooperate with the recording or reproducing means
    • G11B23/04Magazines; Cassettes for webs or filaments
    • G11B23/08Magazines; Cassettes for webs or filaments for housing webs or filaments having two distinct ends
    • G11B23/107Magazines; Cassettes for webs or filaments for housing webs or filaments having two distinct ends using one reel or core, one end of the record carrier coming out of the magazine or cassette

Landscapes

  • Registering, Tensioning, Guiding Webs, And Rollers Therefor (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気テープ等の記録テープが巻装されたリールを回転可能に収容した記録テープカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータ等の外部記録媒体として磁気テープ等の記録テープが用いられている。この記録テープとして、保存時の収容スペースが小さく、大容量の情報が記録できる、記録テープが巻装された単一のリールをケース内に回転可能に収容した所謂1リールの記録テープカートリッジが採用されている。
【0003】
このような記録テープカートリッジは、不使用時にはリールがケース内で回転しないようにブレーキ手段を備えている(例えば、特許文献1参照)。このようなブレーキ手段を備えた記録テープカートリッジについて、図11に基づいて説明する。
【0004】
図11に示す記録テープカートリッジ200では、ケース202内に単一のリール204が収容されている。ケース202は、その底板202Aの中央部に設けられたギヤ開口206と、その天板202Bから下方へ突設された回転規制リブ208とを備えている。
【0005】
リール204は、有底円筒状に形成され外周部に記録テープが巻装されるリールハブ210を備えており、リールハブ210の底部210Aの下面(外側)には、ドライブ装置の回転シャフト212に形成された駆動ギヤ212Aと噛合可能なリールギヤ214が環状に形成されている。一方、底部210Aの上面(内側)には、係合ギヤ216が環状に形成されている。また、底部210Aの軸心部には貫通孔218が設けられている。さらに、底部210Aの下面におけるリールギヤ214の径方向内側には、磁性材より成り、軸心部に貫通孔218に略対応した透孔を有する環状のリールプレート219が固着されている。
【0006】
そして、リールハブ210内には、係合ギヤ216と噛合い可能な環状の制動ギヤ220Aが下面に設けられた円板状の制動部材220が挿設されている。この制動部材220は、その上面から立設された係合突起222内にケース202の回転規制リブ208が挿入されて、ケース202に対し回転不能でかつ上下方向に移動可能とされている。さらに、制動部材220の下面軸心部から突設された解除突起223は、リールハブ210の貫通孔218に入り込んでギヤ開口206に臨んでいる。
【0007】
また、ケース202の天板202Bと制動部材220との間には圧縮コイルスプリング224が配設されており、通常は、制動部材220が圧縮コイルスプリング224の付勢力によって下方に付勢されて制動ギヤ220Aが係合ギヤ216と噛み合うようになっている。これにより、記録テープカートリッジ200は、その不使用時には、リール204のケース202に対する回転が阻止された回転ロック状態とされている。また、リール204は、この付勢力によってリール204がケース202の底板202A側に押し付けられつつ、リールギヤ214をギヤ開口206から露出させている。
【0008】
一方、記録テープカートリッジ200をドライブ装置に装填すると、駆動ギヤ212Aがリールギヤ214と噛み合う動作に伴って、回転シャフト212の軸心部から突設された解除部212Bが制動部材220の解除突起223に当接してこれを押圧する。これにより、制動部材220が圧縮コイルスプリング224の付勢力に抗して上方に押し上げられて制動ギヤ220Aと係合ギヤ216との噛み合いが解除される。駆動ギヤ212Aとリールギヤ214とが完全に噛み合った状態で、リール204のリールプレート219が回転シャフト212の駆動ギヤ212Aと解除部212Bとの間に設けられた環状のマグネット212Cの磁力にて吸着され、リール204は、上記噛み合いが維持されつつケース202内で回転可能となる。
【0009】
そして、回転シャフト212がその軸心廻りに回転すると、リール204がこれと一体に回転する。このとき、制動部材220がケース202に対し回転不能であることにより、解除突起223と解除部212Bとは互いに摺接している。この摺接抵抗を低減するために、樹脂材より成る制動部材220の解除突起223に対し、ドライブ装置側の解除部212Bも樹脂材にて構成している。
【0010】
しかしながら、上記構成の記録テープカートリッジ200では、以下のような問題点があった。第1に、リール204の回転に伴って解除突起223と解除部212Bとが互いに摺接するため、リール204の回転速度を高速化したり連続回転時間を長くしたりすると、これらの一方または双方が摩耗してしまう。この場合、解除突起223が摩耗するのであれば、部品交換で対応することも可能であるが、ドライブ装置側の解除部212Bが摩耗すると、補修が困難であり補修コストが高くなる。
【0011】
第2に、制動部材220の下面から比較的大きな解除突起223が突設しているため、制動部材220は全体として重心が高く(コマの如き状態であり)、リール204の回転時に、わずかな心ずれによって大きく揺動してしまう場合がある。この揺動は、係合突起222と回転規制リブ208との異常接触による摩耗粉の発生や、上記解除突起223または解除部212Bの摩耗を助長することの原因となる。これを防止するために解除突起223の先端は、解除部212Bと面接触する平坦面223Aとされているが、上記摺接抵抗を低減するために平坦面223Aの面積は微小であり、上記揺動を防止するには十分ではない。また、解除突起223の突出高を低くすると、ドライブ装置側の解除部212Bを長くしなければならず、リールギヤ214と駆動ギヤ212Aとの噛み合わせ時の軸方向の相対ストロークが大きくなり、ドライブ装置を大型化する原因となる。
【0012】
第3に、回転シャフト212は、強度や耐久性等の要求から金属材にて構成され、上記の通り制動部材220に対応して樹脂材にて構成された解除部212Bを取り付けているが、解除部212Bの廻りにマグネット212Cを配置するために、該解除部212Bを上側(記録テープカートリッジ200側)から固定することができない。このため、回転シャフト212では、図示の通りモータ等の駆動側からビス止めによって解除部212Bを固定しており、ドライブ装置内におけるモータ等のレイアウトに制約があった。すなわち、記録テープカートリッジ200は、これを装填するドライブ装置の設計自由度を制約していた。
【0013】
そこで、制動部材220と回転シャフト212との間に解除部材を介在させた構成が知られている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。特許文献2の構成は、防塵を目的として解除部材を備えており、該解除部材は、樹脂材より成りかつ制動部材及びリールの何れに対しても相対回転可能であるため、上記各問題を解決するものではなかった。一方、特許文献3の構成は、上記各問題の対策として解除部材を備えているため、この構成について記録テープカートリッジ200と異なる部分を図12及び図13に基づいて説明する。
【0014】
図12に示す記録テープカートリッジ250は、リールハブ210の底部210Aと制動部材220との間に配置され樹脂材より成る解除部材252を備えている。解除部材252は、図13に示される如く、平面視で略正三角形状に形成され、各頂部から下方へ向けて突設された脚部254を備えている。各脚部254は、貫通孔218に代えて底部210Aに設けられた挿通孔256に入り込んでギヤ開口206に臨んでいる。
【0015】
各挿通孔256は、底部210Aにおけるリールギヤ214の形成部位を貫通しており、その径がリールギヤ214のギヤピッチよりも大とされている。また、各挿通孔256廻りにはリールギヤ214の歯が設けられていない。さらに、底部210Aの上面には、係合ギヤ216に代えて、複数の係止突起258が設けられている。係止突起258は、解除部材252の各頂部を避けるように、リールハブ210と同軸的な所定の円周に沿って等間隔で配置されており、その上端には制動ギヤ220Aと噛み合い可能なギヤ歯258Aが形成されている。
【0016】
また、解除部材252の上面軸心部からは、摺接突部260が突設されており、摺接突部260は、制動部材220に解除突起223に代えて設けられた摺接突部262と常に当接するようになっている。
【0017】
この記録テープカートリッジ250では、不使用時には、圧縮コイルスプリング224の付勢力によって制動部材220の制動ギヤ220Aがリール204のギヤ歯258Aと噛み合うことで、ケース202に対するリール204の回転を阻止している。この状態で解除部材252は、摺接突部260において制動部材220と当接すると共にその下面が底部210Aに押し付けられており、またそれぞれ挿通孔256内に位置する各脚部254の端面がリールギヤ214の歯先と略面一となっている。
【0018】
一方、記録テープカートリッジ250がドライブ装置に装填されると、解除部212Bを備えない回転シャフト212の駆動ギヤ212Aにリールギヤ214が噛み合う動作に伴って、脚部254が駆動ギヤ212Aに押圧され、解除部材252は圧縮コイルスプリング224の付勢力に抗して上方に押し上げられる。すると、解除部材252は、底部210Aから離間しつつ制動部材220を上方に押し上げ、制動ギヤ220Aとギヤ歯258Aとの噛み合いが解除される。この解除部材252は、駆動ギヤ212Aとリールギヤ214との噛み合いが維持されている状態では、その脚部254が駆動ギヤ212Aと接していることにより、制動部材220を上記解除位置に保持する構成である。
【0019】
そして、回転シャフト212が回転すると、リール204がケース202内で回転する構成である。このとき、脚部254をリール204の挿通孔256に入り込ませている解除部材252は、リール204と一体に回転し、その摺接突部260が制動部材220の摺接突部262と摺接する。
【0020】
以上説明したように、記録テープカートリッジ250では、各脚部254おいて回転シャフト212の駆動ギヤ212Aの歯先に当接する解除部材252が、リール204と一体に回転するため、リール204の回転に伴ってドライブ装置側と記録テープカートリッジ250側とで摺接する部分がなく、ドライブ装置側部材を摩耗させる恐れがない。また、解除部材252を回転シャフト212との間に介在させることで、制動部材220の重心位置が低くなり、リール204回転時における制動部材220の揺動が抑制される。特に、解除部材252は、リール204の軸心から離間して配置された各脚部254において回転シャフト212に押圧されるため、リール204回転時の姿勢が安定し、制動部材220を揺動させる原因となり難い。さらに、回転シャフト212は、駆動ギヤ212Aによって解除部材252を押圧するため、樹脂製の解除部212Bを設ける必要がなく、記録テープカートリッジ250の構成がドライブ装置におけるモータ等のレイアウトの制約を与えることもない。なお、図12では、マグネット212Cの図示を省略している。
【0021】
【特許文献1】
特開昭63−251983号公報
【特許文献2】
特開平11−185437号公報
【特許文献3】
特許第3187022号明細書
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の如き従来の記録テープカートリッジ250によっても、なお以下の如き問題があった。
【0023】
第1に、樹脂製の解除部材252は、その脚部254が金属製の駆動ギヤ212Aの歯先に押圧されて制動部材220を回転許容位置へ移動させ該位置で保持するため、これらの間に回転に伴う摺接がなくても、長期間の使用(上記押圧の繰り返し)によって各脚部254に摩耗が生じる。
【0024】
第2に、リールギヤ214と噛み合う駆動ギヤ212Aによって解除部材252を上方へ移動させるため、解除部材252の移動ストロークがリールギヤ214(駆動ギヤ212A)の歯高によって制限され、余裕のある解除ストロークを確保し難い。特に、上記の如く脚部254が摩耗すると、解除部材のストロークが減少してリール204のロック解除が果たされない恐れがある。この対策として、脚部254をリールギヤ214の歯先よりも突出させると、不使用時にリール204のロックが解除されてしまう恐れがある。
【0025】
第3に、リールギヤ214は、通常、回転シャフト212による駆動力を小さくするために全体として大径の環状に形成される。すなわち、底部210Aにおいて、できるだけ軸心から離間して配置される。一方、ギヤ歯258Aを有する係止突起258は、制動部材220による制動力を確保するために、できるだけ大径の円周上に配置される。すなわち、リールギヤ214と係止突起258とは、垂直方向で略同じ位置に配置され、若しくは、外面側に形成されるリールギヤ214の方が係止突起258よりも若干径方向外側に配置されることとなる。このため、係止突起258を解除部材252の各頂部(リールギヤ214形成部位に対応する部分)に干渉させないようするために、該係止突起258を環状に連続して設けることができない。したがって、係止突起258は、部分的に設けざるを得ず、環状に設けられた上記係合ギヤ216と比較すると、噛み合いによる制動部材220のセンタリング機能(求心力)が弱い。記録テープカートリッジ250では、上記センタリング機能が弱いことにより、特に制動部材220の組付時において該制動部材220がギヤ歯258Aに乗り上げやすく、慎重な作業(自動組み付け装置においては、高度の監視)が必要であった。また、同様に、リールギヤ214においても、挿通孔256によって周方向に連続しないため、センタリング機能が弱く、かつ回転シャフト212から伝達可能なトルクが小さくなってしまう。
【0026】
第4に、リールハブ210内に解除部材252を配設するため、該解除部材252の厚みに相当する分だけ底部210Aから離間して配置される制動部材220の回転ロック位置が高くなり、制動部材220によるリール204の制動が安定しないことがあり得る。また、回転ロック位置が高いことにより、係止突起258は、係合ギヤ216と比較して底部210Aからの突出高が高く、リールハブ210に厚肉部を形成する。これにより、通常樹脂成形より成るリールハブ210の成形時における樹脂の流動性が悪く、成形性を低下させる原因となる。
【0027】
以上説明したように、制動部材によるリールのロック状態を解除するための解除部材について、未だ改善の余地がある。
【0028】
本発明は、上記事実を考慮して、制動部材によるリールのロック及び解除部材による該ロックの解除を確実に行なうことができ、かつ解除部材を設けることによる構造上の制約を抑制することができる記録テープカートリッジを得ることが目的である。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る記録テープカートリッジは、ケース内に回転可能に収容され、有底円筒状に形成されたリールハブの外周部に記録テープを巻装したリールと、前記リールハブの底部の内面に設けられた係合部と、前記リールハブ底部の外面に同軸的に設けられ、ドライブ装置の駆動ギヤに噛み合い可能な環状のリールギヤと、前記ケース内に回転不能に設けられ、前記リールハブの底部に対し接離して、前記係合部に係合する回転ロック位置と、該係合部との係合状態を解除する回転許容位置とを取り得る制動部材と、前記リールハブ内に位置し、該リールハブの底部における前記リールギヤの径方向内側である軸心部に設けられた貫通孔を通過可能な基部と、該基部に設けられ前記貫通孔から外部に露出された操作部と、前記基部から径方向に沿って該径方向の外側に張り出された複数の係合片と、前記係合片とは別個に前記基部から径方向に沿って該径方向の外側に張り出され前記リールハブの底部に係合可能な複数のストッパ部とを有し、前記操作部がドライブ装置の解除部によって押圧されて前記制動部材を前記回転許容位置へ移動させる解除部材と、前記リールハブの底部における前記リールギヤよりも径方向内側に設けられ、前記解除部材を前記リールの軸線方向に沿う移動方向に案内すると共に該解除部材の該リールに対する回転を阻止するように、かつ前記ストッパ部が前記リールハブの底部に係合している状態で前記係合片における前記移動方向の端部と非接触であるように、前記複数の係合片を独立して入り込ませた複数のガイド溝と、を備えている。
【0030】
請求項1記載の記録テープカートリッジでは、ケースに対し回転不能とされた制動部材が、リールハブの底部に設けられた係合部に係合する回転ロック位置に位置するときには、リールのケースに対する回転が阻止される回転ロック状態となる。また、解除部材の操作部は、ドライブ装置の解除部によって押圧可能に外部に露出している。なお、解除部材は、例えば、全体としてリールハブ内に位置し該リールハブに設けた貫通孔から操作部がギヤ開口に臨んでも良く、その操作部を含む一部が上記貫通孔に入り込んだり該貫通孔を貫通したりしても良い。
【0031】
一方、リールを回転させる際(記録テープカートリッジの使用時)には、ドライブ装置の解除部が解除部材の操作部を押圧する。この押圧力によって解除部材は、リールのガイド部に係合するガイド手段によってリールの軸線方向に沿う移動方向に案内されつつ制動部材側に移動し、本体部において制動部材に当接しつつ該制動部材を回転許容位置へ移動させる(底部から離間させる)。これにより、リールの制動部材による回転ロック状態が解除される。そして、解除部材が上記当接状態を維持して制動部材を回転許容位置に保持しつつリールギヤに噛み合った駆動ギヤが回転すると、リールは、ガイド手段によって該リールに対する回転が阻止されている解除部材と共に回転し、操作部と解除部とが摺接することはない。
【0032】
ここで、解除部材には、ガイド部に係合するガイド手段が設けられているため、ドライブ装置の解除部に押圧されると確実に作動してリールの回転ロック状態を解除する。そして、このガイド手段に係合するガイド部がリールハブの底部におけるリールギヤよりも径方向内側に設けられ、かつ解除部材の操作部がリールギヤよりも径方向内側で外部に露出しているため、リールギヤには解除部材を操作、案内するための不連続部分を設ける必要がなく、該リールギヤを連続して環状に形成することが可能となる。これにより、例えば駆動ギヤから伝達されるトルクの向上またはトルクに対する強度の確保が図られる。
【0033】
さらに、ドライブ装置の解除部がリールギヤと噛み合う駆動ギヤではないため、解除部材の移動ストロークがリールギヤ(駆動ギヤ)の歯高によって制限されることがなく、制動部材によるリールのロックを解除するための十分な解除ストロークを確保することが可能となる。また、ドライブ装置の解除部の形状に制約がなくなり、該解除部を上記押圧による摩耗を生じない形状とすることができる。特に、解除部材の操作部とドライブ装置の解除部とは摺接しないため、ドライブ装置では、解除部を従来の如く樹脂材で構成する等の特別な対策に伴う構造上の制約がない。
【0034】
このように、請求項1記載の記録テープカートリッジでは、制動部材によるリールのロック及び解除部材による該ロックの解除を確実に行なうことができ、かつ解除部材を設けることによる構造上の制約を抑制することができる。
【0035】
なお、請求項1記載のガイド手段は、操作部と一体に形成されも(操作部がガイド手段の機能を果たす構成でも)良く、操作部とは別個に(独立して機能するように)設けられても良い。
【0037】
また、請求項記載の記録テープカートリッジでは、解除部材の本体部から径方向外側に張り出した係合片(被ガイド部)が、解除部材の移動方向に長手とされてリールハブに設けられたガイド溝(ガイド部)に入り込んでいる。これにより、解除部材は、簡単な構造で、上記移動方向の往復動以外の運動が確実に規制される。また、リールハブの底部を貫通する貫通孔をガイド部とした構成と比較して、ガイドストロークに対する制約が少なく、設計の自由度が向上する。このため、例えば、解除部材によるリールロック状態の解除ストロークを大きくしたり、ガイド手段を操作部とは別個に設けてガイド部と共にリールハブ内に収容したりすることが可能となる。
さらに、請求項1記載の記録テープカートリッジでは、リールハブの底部における軸心部に貫通孔が設けられており、解除部材の本体部を構成し該貫通孔を通過可能とされた基部に設けられた操作部が該貫通孔から外部に露出している。すなわち、本構成では、操作部が1つであり貫通孔を通過可能な基部と一体化されている。この基部からは、ガイド手段を構成する係合片と、該係合片とは別個の(独立した)ストッパ部とがそれぞれ径方向外側に張り出している。そして、解除部材は、本体部のストッパ部がリールハブの底部に係合することで、リールハブからの脱落阻止、すなわち制動部材が回転ロック位置に位置するとき(ドライブ装置の解除部に押圧されていないとき)の位置決めが為される。
このように、解除部材は、そのガイド手段を構成する案内機能(回転規制機能)と、その位置決め機能(許容されている移動方向の移動規制機能)とを分けて構成されているため、各機能を両立させるための制約がなくなる。このため、係合片及びストッパ部を各機能に適した形状に形成して該各機能性を向上させることが容易となる。また、操作部がリールハブの軸心部に配置されているため、例えば、底部外面にドライブ装置のマグネットにて吸着される磁性板等を配設する場合に、吸着による保持力を低下させない構成することも可能である。
【0038】
請求項記載の発明に係る記録テープカートリッジは、請求項記載の記録テープカートリッジにおいて、前記係合片及び前記ガイド溝をそれぞれ周方向の異なる位置に3つ以上設けた、ことを特徴としている。
【0039】
請求項記載の記録テープカートリッジでは、リールの周方向に等間隔で3つ設けられたガイド溝に、それぞれ異なる係合片が入り込んでガイド手段が構成されている。そして、各係合片とガイド溝との間には、これらの上記移動方向の相対移動を許容するためのクリアランスが設定されるが、係合片及びガイド溝がそれぞれ周方向の異なる位置に3つ以上設けられていることにより、リールの軸線と直交する各方向における最小クリアランス(解除部材の移動可能量)の差が小さい。換言すれば、解除部材が1つの係合片の張り出し方向(クリアランスとの直交方向)に移動しようとしても、他の係合片がガイド溝の溝壁に係合して該解除部材の移動量が小さく抑えられる。このため、解除部材は、上記各方向への変位が抑制され、例えば、リール回転時に当接しつつ相対回転する制動部材を揺動させることが抑制され、該解除部材と制動部材との間の摩耗が抑制される。
【0040】
また、リールの回転時には、リールから伝達される回転力を各係合片が受けるので、係合片1枚あたりに作用する応力が緩和される。特に、各係合片を周方向に等間隔に配置した構成とすれば、各係合片が受ける回転力が均等になり解除部材の姿勢が安定する。
【0044】
請求項記載の発明に係る記録テープカートリッジは、請求項1または請求項記載の記録テープカートリッジにおいて、前記ストッパ部を周方向に等間隔で3つ以上設けた、ことを特徴としている。
【0045】
請求項3記載の記録テープカートリッジでは、ストッパ部を周方向に等間隔で3つ以上設けているため、上記位置決め状態における解除部材の姿勢が安定する。このため、解除部材によって制動部材を確実かつ安定して移動させてリールのロック状態を解除することができる。
請求項4記載の発明に係る記録テープカートリッジは、請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の記録テープカートリッジにおいて、前記リールハブの底部における前記リールギヤよりも径方向内側には、前記ストッパ部が前記移動方向に移動可能に入り込まされると共に、前記ストッパ部が係合することで前記移動方向における前記制動部材を前記回転ロック位置から回転許容位置に移動させる側とは反対側への前記解除部材の移動が規制されるストッパ面を内部に有するストッパ溝が設けられており、前記係合片と前記ガイド溝との周方向におけるクリアランスは、前記ストッパ部と前記ストッパ溝との周方向におけるクリアランスよりも小さく設定されている、ことを特徴としている。
【0046】
請求項記載の発明に係る記録テープカートリッジは、請求項4記載の記録テープカートリッジにおいて、前記解除部材は、樹脂成形によって前記基部、操作部、係合片、及びストッパ部が一体に形成されており、かつ前記係合片を前記ストッパ部よりも薄肉として構成されている、ことを特徴としている。
【0047】
請求項記載の記録テープカートリッジでは、上記案内機能を果たすために厚み方向の寸法精度(ガイド溝との摺動面の精度)が要求される係合片を、厚み方向の精度を要求されないストッパ部よりも薄肉としている。このため、該係合片を有する解除部材を樹脂成形にて構成する場合に、該係合片の寸法精度を確保すると共に、ストッパ部を厚肉として該ストッパ部の剛性を確保することが容易となる。
【0048】
また、係合片の厚みとストッパ部の厚みとが異なるため、係合片とストッパ部とが互いに同数、同間隔で設けられていても、ストッパ部のガイド溝への誤挿入が防止される。
【0049】
請求項記載の発明に係る記録テープカートリッジは、請求項記載の記録テープカートリッジにおいて、前記係合片の前記移動方向における長さを、前記ストッパ部の前記移動方向における長さよりも長くし、かつ、前記ガイド溝は、前記ストッパ部が前記ストッパ面に係合した状態で、前記係合片を前記移動方向の全長に亘り入り込ませる長さを有する、ことを特徴としている。
【0050】
請求項記載の記録テープカートリッジでは、上記の通り薄肉とされた係合片の移動位方向における長さを、ストッパ部の対応する長さよりも長くしている。このため、係合片のガイド溝との係合量を大きくして、解除部材の案内性を向上させると共に、リールの回転時に薄肉の係合片に作用する応力を緩和することが可能となる。一方、厚肉のストッパ部を短くして、上記樹脂成形にて形成される場合の樹脂流動性の悪化を防止することが可能となる。
【0051】
請求項記載の発明に係る記録テープカートリッジは、請求項1乃至請求項6の何れか1項記載の記録テープカートリッジにおいて、前記係合部を前記リールと同軸的な円周に沿って設け、前記解除部材及び前記ガイド部を前記係合部の径方向内側に配置した、ことを特徴としている。
【0052】
請求項記載の記録テープカートリッジでは、解除部材及びリールのガイド部を、リールハブと同軸的な円周に沿って設けられた係合部の径方向内側に配置したため、該係合部を連続して環状に形成することが可能となり、例えば制動部材によるリールの制動性の向上が図られる。
【0053】
請求項記載の発明に係る記録テープカートリッジは、請求項記載の記録テープカートリッジにおいて、前記制動部材の軸心部に、前記係合部の径方向内側で前記解除部材及び前記ガイド部を入り込ませる筒状部を設けた、ことを特徴としている。
【0054】
請求項記載の記録テープカートリッジでは、解除部材及びガイド部(の移動方向における少なくとも一部)が、制動部材の軸心部に設けられた筒状部に入り込むため、解除部材を設けることによる制動部材と係合部との係合高さに対する制約がなくなる。このため、制動部材と係合部との係合位置を低く抑えつつ解除部材を配置することが可能となる。
【0055】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジ10について、図1乃至図10に基づいて説明する。
【0056】
図1(A)には記録テープカートリッジ10を斜め上方から見た斜視図が示されており、図1(B)には記録テープカートリッジ10を斜め下方から見た斜視図が示されている。また、図2には、記録テープカートリッジ10の断面図が示されている。なお、図1に示す矢印Aは、記録テープカートリッジ10のドライブ装置への装填方向を示しており、説明の便宜上、矢印Aにて示す側を前側とする。
【0057】
これらの図に示される如く、記録テープカートリッジ10は、ケース12を備えている。ケース12は、上ケース14と下ケース16とを接合して構成されている。具体的には、上ケース14は、平面視略矩形状の天板14Aの外縁に沿って略枠状の周壁14Bが立設されて構成されており、下ケース16は、天板14Aに略対応した形状の底板16Aの外縁に沿って周壁16Bが立設されて構成されている。そして、ケース12は、周壁14Bの開口端と周壁16Bの開口端とを突き当てた状態で、超音波溶着やビス止め等によって上ケース14と下ケース16とが接合されて、略箱状に形成されている。
【0058】
このケース12には、そのドライブ装置への装填方向先頭側の角隅部において、天板14A、周壁14B、底板16A、周壁16Bがそれぞれ切り欠かれて、該装填方向に対し傾斜した開口18が形成されている。また、底板16Aの略中央部には、該底板16Aを貫通する円形状のギヤ開口20が設けられており、後述するリールギヤ42の露出用とされている。底板16Aにおけるギヤ開口20の縁部には、環状リブ22がケース12の内方へ向けて突設されており、後述するリール28の位置決め用とされている。
【0059】
さらに、ケース12の底板16Aの外面における前端近傍には、一対の位置決め孔24、26が開口している。一対の位置決め孔24、26は、底板16Aからケース12内方に立設された突部(図示省略)内に袋状に設けられ、上記装填方向に直交する仮想線上で互いに離間して配置されている。そして、開口18に近い側の位置決め孔24は、ドライブ装置の位置決めピンに外接する底面視略正方形状とされ、位置決め孔26は、上記仮想線に沿って長手でかつ幅が位置決めピンの直径に対応する長孔とされている。
【0060】
これにより、記録テープカートリッジ10がドライブ装置に装填されて位置決め孔24、26にそれぞれ位置決めピンが挿入されると、該記録テープカートリッジ10がドライブ装置内で水平方向(左右及び前後)に正確に位置決めされるようになっている。
【0061】
さらに、底板16Aにおける位置決め孔24、26廻りの部分は、他の部分(意匠面)よりも平滑に仕上げられた位置決め面24A、26Aとされている。位置決め面24A、26Aは、位置決め孔24、26に位置決めピンが挿入されたときに該位置決めピン廻りに設けられたドライブ装置の位置決め面に当接するようになっている。これにより、記録テープカートリッジ10のドライブ装置内における鉛直方向の位置決めも為される構成である。
【0062】
以上説明したケース12内には、図2に示される如く、後に詳述するリール28が回転可能に収容されている。リール28は、1つだけ設けられている。このリール28には、記録テープとしての磁気テープTが巻装されており、磁気テープTの先端には引出部材としてのリーダブロック30が取り付けられている。
【0063】
リーダブロック30は、記録テープカートリッジ10の不使用時には、ケース12の開口18の内側に収容保持されるようになっている。この状態で、リーダブロック30は、開口18を閉塞し、ケース12内への塵芥等の侵入を阻止している。また、リーダブロック30は、その先端に係合凹部30Aが形成されており、ドライブ装置内で磁気テープTを引き出す際には、係合凹部30Aに係合する引出手段によってケース12から抜き出されてドライブ装置の巻取リールに誘導されるようになっている。さらに、リーダブロック30は、その係合凹部30Aとは反対側の端面が円弧面30Bとされており、上記巻取リールに嵌入されて磁気テープTを巻き取る巻取面の一部を構成するようになっている。
【0064】
以下、本発明の要部であるリール28及び不使用時にリール28の回転を阻止する制動手段について詳細に説明する。
【0065】
図3乃至図5にも示される如く、リール28は、その軸心部を構成するリールハブ32を備えている。リールハブ32は、外周面に磁気テープTが巻装される円筒部34と、該円筒部34の下部を閉塞する底部36とを有する略有底円筒状に形成されている。図6にも示される如く、リールハブ32の底部36側端部(下端部)の近傍には、下フランジ38がその径方向外側に同軸的かつ一体に延設されている。
【0066】
一方、リールハブ32の上端部には、上フランジ40が接合されている(図6乃至図8では図示省略)。上フランジ40は、その外径が下フランジ38の外径と同径とされると共に、軸心部に円筒部34の内径に対応する外径の短筒部40Aが設けられており、短筒部40Aが円筒部34の上端近傍に内嵌した状態で超音波溶着によってリールハブ32に同軸的に固着されている。
【0067】
これにより、リール28は、下フランジ38と上フランジ40との対向面間において、リールハブ32の円筒部34の外周面に磁気テープTが巻き回されるようになっており、円筒部34は上方に開口している。
【0068】
また、図7及び図8にも示される如く、リールハブ32の底部36の下面(外面)における外周近傍には、全体としてリール28と同軸的な環状に形成されたリールギヤ42が設けられている。リールギヤ42は、ドライブ装置の回転シャフト100(後述)の先端に設けられた駆動ギヤ108と噛み合い可能とされている。このリールギヤ42は、その歯先が下フランジ38の下面よりも下方へ突出すると共に歯底が下フランジ38の下面よりも上側に位置しており、かつ各歯の径方向外端部分が歯高方向中央部から歯底にかけて下フランジ38に連続するテーパ部43によって連結されている。
【0069】
一方、図6及び図8に示される如く、リールハブ32の底部36の上面(内面)における外周近傍には、全体としてリール28と同軸的な環状に形成された係合部としての係合ギヤ44が設けられている。係合ギヤ44は、底部36の内面より若干隆起した環状の台座部46上に形成されており、後述するブレーキ部材60の制動ギヤ66と噛合可能とされている。
【0070】
また、係合ギヤ44(台座部46)の径方向外側には、それぞれリール28の軸線方向に沿い円筒部34の内面及び底部36の上面に連続する立リブ48が、周方向に等間隔で複数設けられている。この立リブ48の存在により、係合ギヤ44は、リールギヤ42よりも径方向内側に位置している(小径の円周に沿って設けられており、本実施の形態では一部オーバーラップしている)。なお、立リブ48の機能については、ブレーキ部材60と共に後述する。
【0071】
さらに、リールハブ32の底部36における軸心部には、該底部36を貫通する貫通孔50が設けられている。また、底部36の上面からは、貫通孔50の縁部に沿って短円筒状のクラッチ用ボス部52が立設されている。このクラッチ用ボス部52については、後述するクラッチ部材84と共に説明する。
【0072】
以上説明したリール28における上フランジ40を除く部分は、樹脂成形によって一体に形成されている。そして、リールハブ32の底部36の下面におけるリールギヤ42の内側には、磁性材料より成る環状板であるリールプレート54がインサート成形により同軸的かつ一体に設けられている。リールプレート54の軸心部は透孔54Aとされており、透孔54Aの内径は貫通孔50の内径よりも若干小とされている。
【0073】
このリール28は、ケース12に収容されて不使用時には環状リブ22上に載置されるようになっている。具体的には、図4に示される如く、リール28は、底部36におけるテーパ部43の外側部分(下フランジ38の内縁近傍)が環状リブ22の上端面に当接するようになっており、環状リブ22の上端内縁部がテーパ部43に対応したテーパ面22Aとされることで、径方向の移動が規制されている。
【0074】
この状態で、リール28は、全体としてケース12内に位置してリールギヤ42、リールプレート54をギヤ開口20から露出させている(図1(B)参照)。すなわち、リールギヤ42は、底板16Aの外面(下面)から突出することなく、ギヤ開口20からケース12外に臨んでいる。また、リールプレート54の透孔54Aを通じて貫通孔50がギヤ開口20に臨んでいる。
【0075】
これにより、ケース12の外部よりリール28の操作、すなわちチャッキング(保持)及び回転駆動が可能とされている。またこの状態で、リール28の円筒部34の上部には、天板14Aから立設された環状の規制リブ56が入り込んでいる。規制リブ56は、その外周面を上フランジ40の短筒部40Aの内周面に近接させており、ケース12内におけるリール28のガタつきを防止する構成である。
【0076】
また、記録テープカートリッジ10は、不使用時にリール28の回転を阻止するための制動手段を備えており、この制動手段は「制動部材」としてのブレーキ部材60を備えている。図4及び図5に示される如く、ブレーキ部材60は本体部62を有しており、本体部62は、短円筒状に形成された筒部62Aと、該筒部62Aの上端を閉塞する円板部62Bとで、下方に開口した略有底円筒状に形成されている。筒部62Aは、その外径が係合ギヤ44(台座部46)の内径よりも小で、かつその内径がクラッチ用ボス部52の外径よりも大とされている。この有底円筒状の本体部62の存在により、ブレーキ部材60は、従来の如き円板状に形成された場合と比較して高剛性とされている。
【0077】
本体部62(筒部62A)の外周部における軸線方向中間部からは、環状に形成されたリング部64が全周に亘り径方向外側に延設されている。リング部64の下面には、全周に亘り制動ギヤ66が設けられている。すなわち、制動ギヤ66は、全体として環状に形成されている。この制動ギヤ66は、リール28の係合ギヤ44と噛み合い可能に構成されている。また、制動ギヤ66を構成する各歯は、その内端部が筒部62Aによって連結されており、その自由状態とされた外端部がリング部64の外縁よりも若干径方向内側に位置している。換言すれば、リング部64が制動ギヤ66よりも径方向外側に張り出している。より具体的には、リング部64の外径は、係合ギヤ44の外径よりも若干大であり、制動ギヤ66の外径は係合ギヤ44の外径よりも若干小である。さらに、リング部64の上面には、その外縁部に沿って環状の補強リブ68が立設されており、該リング部64(制動ギヤ66)の剛性が確保されている。
【0078】
また、本体部62の円板部62Bの下面(筒部62A内側)における軸芯部からは、摺接突部70が突設されている。摺接突部70は、その先端部が略球面状に形成されており、後述するクラッチ部材84と略点接触するようになっている。摺接突部70の先端は、筒部62Aの下端面よりもわずかに上方(筒部62A内側)に位置している。
【0079】
一方、円板部62Bの上面からは、内部に平面視略十字状に形成された挿入溝72Aが形成された十字突起72が立設されている。また、円板部62Bには、これを板厚方向に貫通する貫通孔74が設けられている。貫通孔74は、平面視で十字状に形成された挿入溝72Aにおける軸心部(である交差部)を除く径方向外側部分と連通するように、4分割されてそれぞれ矩形状に形成されている(図7参照)。これにより、各貫通孔74は、それぞれ摺接突部70の径方向外側に隣接して位置し、筒部62A内部に開口している。
【0080】
また、本体部62の上端外周部には環状のリブ76が立設されており、該リブ76と十字突起72との間の円板部62B上面が後述する圧縮コイルスプリング82の一端部が当接するばね受け面78とされている。
【0081】
以上説明したブレーキ部材60は、リールハブ32の円筒部34内に、上下方向(リール28の軸線方向)の移動可能かつ略同軸的に挿設されている。すなわち、ブレーキ部材60は、上下方向に移動することで、その制動ギヤ66をリールハブ32の係合ギヤ44と噛み合う位置(回転ロック位置)と、該噛み合いを解除する位置(回転許容位置)とを取り得るようになっている。なお、筒部62Aは、ブレーキ部材60が回転ロック位置に位置するときに、その下端面が底部36に当接しないように長さが決められている(図4参照)。
【0082】
そして、このブレーキ部材60の十字突起72の挿入溝72Aには、ケース12の天板14Aから下方へ突設された十字リブ80(図6及び図7参照)が入り込むようになっている。十字リブ80は、2つの薄板片を互いに直交するように交差させた如き形状とされた回り止め形状とされ、該十字突起72(挿入溝72Aの溝壁)と係合することでブレーキ部材60のケース12に対する回転を阻止する構成である。
【0083】
これにより、ブレーキ部材60は、その制動ギヤ66をリールハブ32の係合ギヤ44と噛み合わせた状態では、リール28の回転を阻止するようになっている。なお、十字リブ80は、ブレーキ部材60の上下方向の全移動ストロークに亘り挿入溝72Aに入り込んだ状態が維持されるようになっており、該ブレーキ部材60の移動方向を上下方向にガイドする機能をも果たす構成である。さらに、十字リブ80は、その下端部におけるブレーキ部材60の各貫通孔74に対応する位置からそれぞれ延設された突片80Aを有している。各突片80Aは、それぞれ貫通孔74の長手寸法に対応して幅(ブレーキ部材60の径方向における長さ)が狭められおり、それぞれ異なる貫通孔74に入り込むことができる構成である。
【0084】
これらの突片80Aは、ブレーキ部材60が回転ロック位置に位置するときには挿入溝72A内に位置し、ブレーキ部材60が解除位置に位置するときには、それぞれ貫通孔74に入り込んで円板部62Bの下面から突出する(貫通孔74を貫通する)ようになっている。これにより、十字リブ80は、各突片80Aが延設されることによって、ブレーキ部材60のケース12に対する回転を阻止するのみならず、ブレーキ部材60との係合量(挿入深さ)を大幅に増加し該ブレーキ部材60のケース12に対する傾きを抑制するようになっている。また、この構成の十字リブ80は、ブレーキ部材60の上下方向へのガイド性を向上させる。そして、本実施の形態では、各突片80Aを含む十字リブ80の回転ロック位置に位置するブレーキ部材60との軸線方向における係合量は、ブレーキ部材60の全移動ストロークよりも十分大きく設定されている(図4参照)。
【0085】
また、ブレーキ部材60は、回転ロック位置に位置するときには、リール28の立リブ48によって径方向の移動が規制され、回転許容位置に位置するときには、リール28と共に回転する立リブ48との干渉の恐れがないように構成されている。このため、立リブ48は、回転ロック位置に位置するブレーキ部材60のリング部64の補強リブ68に近接して位置する(図4参照)ようになっており、かつ回転許容位置に位置するブレーキ部材60の補強リブ68との間隔が所定値以上となるように、その上部が切り欠かれている(図5参照)。これにより、リール28は、ケース12(テーパ面22Aを有する環状リブ22、規制リブ56)に直接的に移動規制されるのみならず、その重心位置近傍においてブレーキ部材60を介してケース12に対する径方向の移動が規制されるようになっており、立型(リール28の軸線を水平方向とする)ドライブ装置にも安定して装填可能とされている。
【0086】
また、ブレーキ部材60のばね受け面78と天板14Aとの間には、広義には付勢手段として把握される圧縮コイルスプリング82が配設されている。圧縮コイルスプリング82は、その一端部がばね受け面78に当接すると共に他端部が天板14Aに当接しており、この他端部は天板14Aにおける十字リブ80の外側から突設された環状壁部83の内側に位置して径方向に位置ずれしないようになっている。
【0087】
この圧縮コイルスプリング82の付勢力によって、ブレーキ部材60が下方に付勢されて、通常は制動ギヤ66を係合ギヤ44に噛み合わせてリール28の不用意な回転を確実に防止する(ブレーキ部材60を回転ロック位置に位置させる)構成である。また、この付勢力によって、係合ギヤ44においてブレーキ部材60と噛み合っているリール28も下方に付勢され、環状リブ22に当接されてケース12内でガタつかないようになっている。
【0088】
また、図4乃至図7に示される如く、記録テープカートリッジ10は、ブレーキ部材60によるリール28のロック状態を解除するときに外部から操作される「解除部材」としてのクラッチ部材84を備えている。クラッチ部材84は、リール28の底部36とブレーキ部材60との間に配設されている。以下、具体的に説明する。
【0089】
クラッチ部材84は、略円柱状に形成された「基部」としてのクラッチ本体86を有している。クラッチ本体86は、その外径がリールプレート54の透孔54A、すなわちクラッチ用ボス部52の内径と一致する貫通孔50の内径よりも若干小とされて該貫通孔50を通過可能とされている。クラッチ本体86は、その平坦な軸心部上端面がブレーキ部材60の摺接突部70と常に当接する摺接面86Aとされている。また、クラッチ本体86における下方に開口して設けられた肉抜き孔86B廻りの平坦な下端面が操作押圧面86Cとされている。そして、クラッチ部材84は、詳細については後述するが、その操作押圧面86Cが押圧されると、圧縮コイルスプリング82の付勢力に抗して上方へ移動し、ブレーキ部材60を回転許容位置へ移動させる構成とされている。
【0090】
このクラッチ部材84は、クラッチ本体86の外周面よりも径方向外側に張り出した「ガイド手段」または「係合片」としての回転規制リブ88を備えている。回転規制リブ88は、クラッチ本体86の周方向に等間隔で複数(本実施の形態では、3つ)設けられ、各回転規制リブ88は平面視で放射状に配置されている。また、各回転規制リブ88は、クラッチ本体86の摺接面86A周りの上端面と該上端面近傍の外周面とに跨る(それぞれに連続する)ように、摺接面86Aよりも上方に突出している。
【0091】
各回転規制リブ88は、それぞれクラッチ用ボス部52の内縁部から凹設された「ガイド部」または「ガイド溝」としての回転規制溝90に入り込むようになっている。すなわち、各回転規制溝90は、クラッチ用ボス部52の周方向に等間隔で3つ設けられている。各回転規制溝90は、クラッチ用ボス部52の上端で上方に開口している。これにより、クラッチ部材84は、その回転規制リブ88においてクラッチ用ボス部52の回転規制溝90にガイドされつつ上下方向の移動が可能とされている。
【0092】
また、各回転規制リブ88は、クラッチ部材84が上方に移動してブレーキ部材60を回転許容位置に位置させるときにも、クラッチ用ボス部52の回転規制溝90に入り込んだ状態を維持するようになっている。これにより、クラッチ部材84は、リール28に対する相対回転不能、すなわち常にリール28と一体に回転する構成とされている。
【0093】
さらに、各回転規制溝90がクラッチ用ボス部52の下端部において閉塞されていることから、回転規制リブ88と回転規制溝90とによってクラッチ部材84のリールハブ32からの脱落を阻止することもできるが、本実施の形態では、クラッチ部材84は、回転規制リブ88とは別個に、そのリールハブ32からの脱落を阻止し、かつ回転ロック位置に位置するブレーキ部材60に対し摺接面86Aを当接させるための「ストッパ部」としての着座リブ92を備えている。
【0094】
着座リブ92は、クラッチ本体86の周方向に等間隔で複数、本実施の形態では、各回転規制リブ88間の周方向中間部に計3つ設けられている。各着座リブ92は、回転規制リブ88と同様に、クラッチ本体86の摺接面86A周りの上端面と該上端面近傍の外周面とに跨るように、上方及び径方向外方に突出しており、平面視で放射状に配置されている。
【0095】
各着座リブ92は、それぞれクラッチ用ボス部52の内縁部から凹設されたストッパ溝94に入り込むようになっている。すなわち、各ストッパ溝94は、クラッチ用ボス部52の周方向に等間隔で、各回転規制溝90の周方向中間部に設けられている。各ストッパ溝94は、クラッチ用ボス部52の上端で上方に開口しており、その下端部を閉塞する底部上面がストッパ面94Aとされている。各着座リブ92は、摺接突部70において摺接面86Aに常に当接するブレーキ部材60が回転ロック位置に位置するときに、その下端面がストッパ面94Aに当接(着座)するようになっている。これにより、リール28の回転ロック状態におけるクラッチ部材84の位置決めがされる構成である。
【0096】
このように、クラッチ部材84は、回転規制リブ88と着座リブ92とが互いに独立して設けらることにより、そのガイド機能及び回転規制機能と、その軸線方向の移動規制機能とを分けた構成とされている。このクラッチ部材84は、クラッチ本体86と回転規制リブ88と着座リブ92とが樹脂成形によって一体に形成されている。
【0097】
そして、図9(B)に示される如く、各回転規制リブ88と各着座リブ92とは、互いの上端面の高さが一致しているが、下端面については回転規制リブ88の方が着座リブ92よりも下に位置するようになっている。また、これに対応して、それぞれクラッチ用ボス部52の上端で開口する回転規制溝90とストッパ溝94とは、該上端が一致するが、ストッパ溝94のストッパ面94Aよりも回転規制溝90の底面の方が下に位置している。換言すれば、回転規制リブ88は着座リブ92よりも上下方向に長く、回転規制溝90はストッパ溝94よりも上下方向に深い。
【0098】
これは、回転規制リブ88とクラッチ用ボス部52との係合可能量(回転規制溝90への挿入量)を大きくすることで、リール28の回転時に該リール28から受ける応力を緩和すると共に、クラッチ部材84が上下動するときのガイド性を向上し、かつブレーキ部材60を回転許容位置に位置させているときにもクラッチ部材84のガタつきを抑えるためである。
【0099】
また、図9(A)に示される如く、このガタつきを一層抑制するために、回転規制リブ88と回転規制溝90との間の周方向片側におけるクリアランスC1は、クラッチ部材84が上下する際の摺動抵抗が過大とならない程度に小とされている。さらに、回転規制リブ88は、その厚み(クラッチ部材84周方向における板厚)が強度上問題とならない範囲で薄肉化されており、樹脂成形による寸法精度が高い構成とされている。このため、上記クリアランスC1を一層小さくすることができる構成となっている。本実施の形態では、回転規制リブ88の厚さt1を1.5mm、クリアランスC1を0.05mmとしている。
【0100】
一方、着座リブ92は、その厚みが回転規制リブ88の厚みよりも大とされている。これにより、着座リブ92は、ストッパ面94Aに当接しているときにブレーキ部材60を介して作用する圧縮コイルスプリング82の付勢力に対し、十分な剛性が確保される構成である。一方、底部36における着座リブ92が当接するストッパ面94A形成部位についても、ストッパ溝94が浅いことにより肉厚が大であり、圧縮コイルスプリング82の付勢力に対する十分な剛性が確保されている。
【0101】
また、着座リブ92は、厚肉であることにより成形時の樹脂流動性が比較的悪いが、上記の通り回転規制リブ88よりも短いことで、該流動性が悪いことの影響を受け難い(他の部分に流動性の影響を及ぼし難い)構成とされている。さらに、厚肉に形成され回転規制リブ88よりも寸法精度の劣る着座リブ92は、クラッチ部材84のガイド機能、ガタつき抑制機能を要求されないと構成とされ、ストッパ溝94との周方向におけるクリアランスC2が上記クリアランスC1よりも十分に大とされている。これにより、着座リブ92は、クラッチ部材84が上下する際のクラッチ用ボス部52との摺動抵抗を生じさせないか或いは著しく抑制する構成となっている。本実施の形態では、着座リブ92の厚さt2を2mm、クリアランスC2を0.1mmとしている。
【0102】
なお、各回転規制リブ88、着座リブ92は、クラッチ部材84が上方へ移動してブレーキ部材60を回転許容位置に位置させているときに、ブレーキ部材60の円板部62Bを貫通するケース12の突片80Aに干渉しないように、その高さ(上端の位置)が決められている(図5参照)。
【0103】
以上説明したクラッチ部材84は、各回転規制リブ88をそれぞれ異なる回転規制溝90に挿入すると共に、各着座リブ92をそれぞれ異なるストッパ溝94に挿入させた状態で、クラッチ本体86が貫通孔50、透孔54Aの挿通されている。そして通常は、ブレーキ部材60を介して作用する圧縮コイルスプリング82の付勢力によって各着座リブ92がストッパ面94Aに当接した状態で保持されている。この状態で、各回転規制リブ88の下端面は回転規制溝90の底面から若干離間しており(図9(B)参照)、また、操作押圧面86Cの上下方向の位置は、リールギヤ42の歯先よりもわずかに(本実施の形態では、0.1mm)上方に位置している。この状態では、クラッチ部材84の上部とクラッチ用ボス部52とは、ブレーキ部材60の筒部62A内に入り込んでいる。この筒部62Aは、クラッチ用ボス部52とで迷路構造を形成しており、貫通孔50を経由したケース12(リールハブ32)内への塵芥の侵入を抑制するようになっている。また、着座リブ92は、その機能上はストッパ溝94に入り込む必要はないが、該ストッパ溝94に入り込むことでリールハブ32内への塵芥の侵入を阻止している。
【0104】
そして、このクラッチ部材84は、リールギヤ42がドライブ装置の駆動ギヤ108に噛み合う動作に伴って、該ドライブ装置の解除面114Aに押圧されて上方へ移動するようになっている。この機能を説明する前に、ドライブ装置の回転シャフト100について説明する。
【0105】
図10に分解斜視図にて示される如く、回転シャフト100は回転軸102を備えており、回転軸102の上端には、その径方向外側に延出したフランジ部102Aが一体に形成されている。また、回転軸102の軸心部には、上方に開口したねじ孔102Bが設けられている。この回転軸102の上端には、円板状の回転テーブル104が固定されるようになっている。
【0106】
回転テーブル104の上面からは、その外周部に沿って環状凸部106が突設されており、環状凸部106の上面には記録テープカートリッジ10のリールギヤ42と噛み合い可能な駆動ギヤ108が形成されている。また、図4等に断面図にて示される如く、回転テーブル104の軸心部は、上面側が若干隆起したマグネット受け部104Aとされると共に、下面側がフランジ部102Aに対応して凹んだ嵌合凹部104Bとされており、透孔104Cが貫通している。
【0107】
この回転テーブル104における環状凸部106(駆動ギヤ108)の径方向内側には、略円板状に形成されたマグネット110が同軸的に配設されるようになっている。マグネット110の軸心部には、貫通孔110Aが設けられている。貫通孔110Aは、軸線方向の略中央部に上側を向く段部110Bが形成されており、段部110Bよりも上側が大径、段部110Bよりも下側が小径とされている。
【0108】
回転シャフト100は、回転軸102のフランジ部102Aを回転テーブル104の嵌合凹部104Bに嵌合させると共に、マグネット110をマグネット受け部104A上に載置した状態で、押えボルト112をねじ孔102Bにねじ込んで該押えボルト112の頭部114を段部110Bに係合させることで構成されている。すなわち、回転テーブル104とマグネット110とは、回転軸102と頭部114との間に挟み込まれて回転軸102に固定される。これにより、回転シャフト100は、全体として一体に回転する構成である。
【0109】
押えボルト112は、金属製の六角孔付ボルトとされて本発明における「解除部」を構成しており、その頭部114の平坦とされた上端面(六角孔廻り)がクラッチ部材84の操作押圧面86Cに当接する解除面114Aとされている。解除面114Aは、マグネット110の上面と同等以上の平坦度に仕上げられている。これにより、解除面114Aにおいて当接するクラッチ部材84の姿勢が安定し、該解除面114Aのうねりによるクラッチ部材84のリール軸線方向に対する傾斜を抑制することが可能である。
【0110】
そして、記録テープカートリッジ10は、ドライブ装置に装填されると、下方へ移動して回転シャフト100に相対的に近接するようになっている。これにより、ギヤ開口20から露出しているリールギヤ42に回転シャフト100の駆動ギヤ108が噛み合うと共に、リールプレート54が回転シャフト100のマグネット110に若干離間した状態で吸着されてリール28が回転シャフト100に保持される構成である。
【0111】
この噛み合い動作に伴って回転シャフト100がケース12に対し上方向に相対移動することで、クラッチ部材84は、その操作押圧面86Cが押えボルト112の解除面114A(回転シャフト100におけるリールギヤ42よりも径方向内側に侵入する部分)によって押圧されて上方へ移動し、ブレーキ部材60を回転許容位置へ移動するようになっている。これにより、リール28は、そのリールギヤ42に駆動ギヤ108を噛み合わせる動作に伴って、圧縮コイルスプリング82の付勢力に抗してケース12内で浮上する(下フランジ38を環状リブ22から離間させる)と共に、ブレーキ部材60による回転阻止状態が解除されてケース12内で回転可能となるように構成されている。
【0112】
また、クラッチ部材84は、リールギヤ42が駆動ギヤ108と噛み合っている状態では、その操作押圧面86Cにおける解除面114Aとの当接状態が維持されて、ブレーキ部材60を回転許容位置に保持する構成である。そして、リール28の回転時には、該リール28と一体に回転するクラッチ部材84と該リール28を駆動する回転シャフト100との間には相対回転がなく、操作押圧面86Cと解除面114Aとは摺接することがない構成であり、クラッチ部材84の摺接面86Aと、ケース12に対し回転不能なブレーキ部材60の摺接突部70とが互いに摺接するようになっている。
【0113】
なお、以上説明したクラッチ部材84において、ブレーキ部材60に当接する摺接面86Aを有しリールハブ32(底部36の板厚部分を含む円筒部34内)内に位置するクラッチ本体86の上側部分(基部)と、該クラッチ本体から延出した着座リブ92(ストッパ部)とが本発明における「本体部」に相当し、回転シャフト100に操作可能に露出された操作押圧面86Cを有するクラッチ本体86の下側部分(基部に連続して設けられた部分)が本発明における「操作部」に相当する。
【0114】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0115】
上記構成の記録テープカートリッジ10では、不使用時には、圧縮コイルスプリング82の付勢力によって、ブレーキ部材60が回転ロック位置に位置して制動ギヤ66を係合ギヤ44に噛み合わせている。このため、リール28は、ケース12に対する回転が阻止されている。このとき、リール28のリールギヤ42がギヤ開口20から露出すると共に、クラッチ部材84のクラッチ本体86が貫通孔50、透孔54Aに挿通されてギヤ開口20に臨んでいる。
【0116】
一方、磁気テープTを使用する際には、記録テープカートリッジ10を矢印A方向に沿ってドライブ装置のバケット(図示省略)へ装填する。そして、記録テープカートリッジ10がバケットに所定深さまで装填されると、該バケットは下降し、ドライブ装置の回転シャフト100がケース12のギヤ開口20に向って相対的に接近(上方へ移動)してリール28を保持する。具体的には、回転シャフト100は、マグネット110によって非接触でリールプレート54を吸着保持しつつ、その駆動ギヤ108をリールギヤ42と噛合わせる。
【0117】
このリールギヤ42と駆動ギヤ108との噛合い、すなわちケース12に対する回転シャフト100の軸方向近接側の相対移動に伴って、回転シャフト100の解除面114A(押えボルト112)がクラッチ部材84の操作押圧面86Cに当接してこれを押圧する。すると、この押圧力によって、クラッチ部材84は、その回転規制リブ88が回転規制溝90にガイドされつつ、圧縮コイルスプリング82の付勢力に抗してリール28の軸線方向上側に移動する。これにより、摺接突部70においてクラッチ部材84に当接しているブレーキ部材60も上方に移動し、該ブレーキ部材60の制動ギヤ66と係合ギヤ44との噛み合いが解除される。すなわち、ブレーキ部材60は、リール28に対する相対的な回転許容位置に達する。
【0118】
回転シャフト100がさらに上方へ相対移動すると、圧縮コイルスプリング82の付勢力に抗して、リール28がクラッチ部材84、ブレーキ部材60と共に(相対位置を変化させないまま)上方に持ち上げられ、ブレーキ部材60が絶対的な(ケース12に対する)回転許容位置へ達すると共に、下フランジ38が環状リブ22(テーパ面22A)から離間する。以上により、リール28は、ケース12内で浮上し該ケース12内面と非接触状態で回転可能となる。
【0119】
また、上記バケットすなわち記録テープカートリッジ10のドライブ装置内での下降によって、ケース12の各位置決め孔24、26にそれぞれドライブ装置の位置決めピンが入り込むと共に、ケース12の各位置決め面24A、26Aにドライブ装置の位置決め面が当接する。これにより、記録テープカートリッジ10は、ドライブ装置に対し、水平方向及び鉛直方向に位置決めされる。
【0120】
すると、ドライブ装置の引出手段が、その引出ピン(図示省略)をリーダブロック30の係合凹部30Aに係合させつつ、該リーダブロック30をケース12から抜き出してドライブ装置の巻取リールに誘導する。さらに、リーダブロック30は、巻取リールに嵌入されて円弧面30Bが磁気テープTを巻き取る巻取面の一部を構成する。
【0121】
この状態で、リーダブロック30が巻取リールと一体に回転すると、磁気テープTが巻取リールのリールハブに巻き取られつつ開口18を通じてケース12から引き出される。このとき、記録テープカートリッジ10のリール28は、リールギヤ42に噛み合う駆動ギヤ108によって伝達される回転シャフト100の回転力によって、巻取リールと同期して回転する。
【0122】
そして、ドライブ装置の所定のテープ経路に沿って配設された記録再生ヘッドによって、磁気テープTへの情報の記録、または磁気テープTに記録された情報の再生が為される。このとき、ケース12に対し回転不能であるブレーキ部材60の摺接突部70は、リール28と共にケース12に対し回転するクラッチ部材84の摺接面86Aと摺接している。
【0123】
一方、磁気テープTがリール28に巻き戻されてリーダブロック30がケース12の開口18近傍に保持されると、記録テープカートリッジ10が装填されたバケットを上昇させる。すると、リールギヤ42と駆動ギヤ108との噛合が解除されると共に解除面114Aとクラッチ部材84の操作押圧面86Cとの当接が解除され、該クラッチ部材84が圧縮コイルスプリング82の付勢力によってブレーキ部材60と共に(当接状態を維持しつつ)下方へ移動する。
【0124】
これにより、クラッチ部材84の各着座リブ92がストッパ面94Aに当接すると共に、ブレーキ部材60の制動ギヤ66が係合ギヤ44と噛み合う。すなわち、ブレーキ部材60がケース12に対するリール28の回転を阻止する回転ロック位置へ復帰する。また、ブレーキ部材60とクラッチ部材84とが圧縮コイルスプリング82の付勢力によって移動する動作に伴って、リール28も下方へ移動してその下フランジ38を環状リブ22に当接させつつリールギヤ42をギヤ開口20から露出させる初期状態に復帰する。この状態で、記録テープカートリッジ10は、バケットから排出される。
【0125】
ここで、記録テープカートリッジ10は、クラッチ部材84の回転規制リブ88とリール28の回転規制溝90とから成るガイド機構を備えているため、クラッチ部材84は、ドライブ装置の回転シャフト100(解除面114A)に押圧されると確実に作動してリール28の回転ロック状態を解除する。そして、このガイド機構を構成する回転規制リブ88が底部36におけるリールギヤ42よりも径方向内側に設けられ、かつクラッチ部材84の操作押圧面86Cがリールギヤ42よりも径方向内側に位置する貫通孔50を貫通して外部に露出しているため、リールギヤ42には解除部材を操作、案内するための不連続部分(従来の記録テープカートリッジ250における挿通孔256に相当する部分)を設ける必要がなく、該リールギヤ42を連続して環状に形成する構成が実現されている。これにより、駆動ギヤ108からリール28伝達されるトルクの向上、または該トルクに対するリールギヤ42の強度の確保が図られている。
【0126】
また、リール28の回転ロック状態を解除する際に操作押圧面86Cに当接する部分が駆動ギヤ108ではないため、クラッチ部材84の移動ストロークがリールギヤ42(駆動ギヤ108)の歯高によって制限されることがなく、十分な解除ストロークを確保することが可能となる。そして、リールギヤ42と噛み合う機能を備えない解除面114Aが平坦面とされて上記ロック解除の際に平坦な操作押圧面86Cを面接触状態で押圧するため、該押圧(の繰り返し)によって樹脂側の操作押圧面86Cに摩耗が生じることがない。また、リール28の回転時にクラッチ部材84が回転シャフト100と共の回転するため、該回転に伴って操作押圧面86Cに摩耗が生じることもない。このため、クラッチ部材84の摩耗による解除ストロークの減少がなく、本実施の形態では、解除ストロークをリールギヤ42の歯高と略同等としている。なお、金属側の解除面114Aに摩耗が生じないことは言うまでもない。
【0127】
さらに、記録テープカートリッジ10では、クラッチ本体86から径方向外側に張り出した回転規制リブ88が、リール28の軸線方向に長手とされた回転規制溝90に入り込んでガイド機構が構成されているため、該ガイド機構の構造が簡単である。また、この構成によって、クラッチ部材84では、回転規制リブ88を操作部としての操作押圧面86C(クラッチ本体86の下部)とは独立して設ける構成が実現されており、クラッチ本体86を廻り止め形状としたり、複数の操作部(従来の記録テープカートリッジ250における脚部254に相当する部分)を設けたりする等の構造(設計)上の制約が抑制されている。さらに、従来の如く底部210Aを貫通する挿通孔256をガイド部とした構成では該底部210Aの板厚に依存していたガイドストロークに対する制約が少なくなる。このため、本実施の形態では、クラッチ用ボス部52を底部36から立設してガイドストローク及び回転規制リブ88と回転規制溝90との係合量を大きくし、かつ該ガイド機構を全体としてリールハブ32内に収容する構成を実現している。このように、回転規制リブ88と回転規制溝90とを備えることにより、設計の自由度が向上し、各種好ましい構成が実現される。
【0128】
そして、記録テープカートリッジ10では、回転規制リブ88がクラッチ本体86の周方向の異なる位置に3つ設けられており、それぞれ異なる回転規制リブ88が係合可能に入り込む回転規制溝90がクラッチ用ボス部52(リール28)の周方向の回転規制リブ88に対応する位置に設けられているため、クラッチ部材84は軸線と直交する各方向への移動が好適に規制される。具体的には、クラッチ部材84は、クリアランスC1によってその軸線と直交する各方向に移動可能であるが、複数の回転規制リブ88が軸方向視で互いに交差する方向に沿って設けられているため、各回転規制リブ88の回転規制溝90とのクリアランスが互いに交差する方向に沿って配置され、上記各方向への移動可能量の差が小さい。このため、例えば、1つの回転規制リブ88の張り出し方向(クリアランスC1との直交方向)へ移動しようとしても、他の回転規制リブ88が回転規制溝90の溝壁に当接して該移動量が小さく抑えられる。このように、クラッチ部材84は、上記各方向への変位が抑制され、リール28の回転時に摺接するブレーキ部材60を揺動させることが抑制され、該クラッチ部材84とブレーキ部材60との間の摩耗が抑制される。
【0129】
また、リール28の回転時には、該リール28から伝達される回転力を各回転規制リブ88が分担して受けるので、各回転規制リブ88にそれぞれ作用する応力が緩和される。特に、各回転規制リブ88が周方向に等間隔に配置されているため、該各回転規制リブ88が受ける回転力が均等になりクラッチ部材84の姿勢が安定する。さらに、回転規制リブ88及び回転規制溝90をそれぞれ4つ以上設ける構成と比較して、構造(形状)が簡単であり、例えば、それぞれ樹脂成形にて構成されるリールハブ32、クラッチ部材84の金型構造が簡素化される。この構成は、特にリールハブ32の軸心部に配置される比較的小型のクラッチ部材84に好適である。
【0130】
またここで、クラッチ部材84には回転規制リブ88とは別個に着座リブ92が設けられ、該クラッチ部材84における案内・回転規制機能と、位置決め機能(許容されている移動方向の移動規制機能)とを分けて構成されているため、クラッチ部材84、クラッチ用ボス部52には、上記各機能を両立させるための制約がなくなる。そして、記録テープカートリッジ10では、圧縮コイルスプリング82の付勢力に対する剛性を要求されない回転規制リブ88を薄肉化して樹脂成形による厚み方向の寸法精度を向上し、上記案内機能性を向上させている。また、この薄肉化した回転規制リブ88を移動(上下)方向に長くして回転規制溝90の係合量を増加している。これにより、上記案内機能性が一層向上すると共に、リール28の回転時に各回転規制リブ88に作用する応力が緩和される。一方、案内機能すなわち厚み方向の高い寸法精度を要求されない着座リブ92は、厚肉化して圧縮コイルスプリング82の付勢力に対する十分な剛性を確保すると共に、上下方向に短くされて厚肉化に伴う成形時の樹脂流動性悪化の影響が抑制されている。
【0131】
さらに、着座リブ92を周方向に等間隔で3つ設けたため、クラッチ部材84は、その位置決め時(リール28の回転ロック時)における姿勢が安定する。すなわち、クラッチ部材84は、その位置決め時におけるリール28の軸線方向に対する傾きが抑制され、安定した姿勢で回転シャフト100に押圧されてリール28のロック状態を確実に解除することができる。また、着座リブ92を4つ以上設ける構成と比較して、構造(形状)が簡単であり、例えば、解除部材をダイカストにて構成する場合の金型構造が簡素化される。この構成は、特にリールハブ32の軸心部に配置される比較的小型のクラッチ部材84に好適である。
【0132】
さらにここで、クラッチ部材84をリールハブ32の軸心部に配置し、貫通孔50を貫通させて操作押圧面86Cを露出させているため、マグネット110によって吸着保持されるリールプレート54における保持効果の大きい外周近傍に透孔54Aに相当する孔を設ける必要がない。このため、クラッチ部材84を設けることによる保持力の低下、または、該保持力低下への対策の必要がない。また、ドライブ装置においては、リールプレート54の透孔54Aに対応し上記保持力に寄与しない軸心部をマグネット110以外で構成することが可能となり、平坦な操作押圧面86Cに面接触する解除面114Aをマグネット110と同等以上の平坦度に仕上げている。これにより、回転シャフト100は、その解除面114Aによって、クラッチ部材84の軸線方向に対する傾斜を抑制しつつ安定してリール28のロック状態を解除することができる。さらに、この解除面114Aが樹脂の操作押圧面86Cと摺接しないことにより、金属製の押えボルト112の頭部114にて構成し、回転シャフト100の簡素化が図られると共に、従来の如く樹脂製の解除部212Bをモータ側からねじ止めする場合のようなドライブ装置側への制約(モータレイアウト等)をなくすることができる。
【0133】
また、リールハブ32の軸心部に配置されたクラッチ部材84と、クラッチ用ボス部52とが、係合ギヤ44よりも径方向内側に配置されているため、該クラッチ部材84を備えた構成において係合ギヤ44を連続して環状に形成する構成が実現されている。このため、係合ギヤ44によるブレーキ部材60のセンタリング機能が向上し、該ブレーキ部材60の組み付け時における係合ギヤ44の歯先への乗り上げが防止される。また、制動ギヤ66と係合ギヤ44との噛み合い量が増し、ブレーキ部材60によるリール28の制動性が向上する。これにより、制動ギヤ66と係合ギヤ44との歯1枚あたりの係合量を減少して解除ストロークを短くしたり、圧縮コイルスプリング82の付勢力を低減して各部に要求される強度を小さくしたりする(強度に余裕を持たせる)ことも可能である。
【0134】
さらに、ブレーキ部材60には、係合ギヤ44の径方向内側において、クラッチ部材84の上部、及び主に回転ロック位置に位置するときにクラッチ用ボス部52をそれぞれ入り込ませる筒部62Aを設けたため、クラッチ部材84を設けることによるブレーキ部材60と係合ギヤ44との係合高さに対する制約がなくなる。すなわち、筒部62Aの径方向外側に延設したリング部64に設けられた制動ギヤ66を所望の高さで係合ギヤ44と噛み合わせる構成が実現され、本実施の形態では、ブレーキ部材60の制動ギヤ66とリール28の係合ギヤ44との噛み合い位置が、該リール28における高さ方向の重心位置付近とされている。これにより、ブレーキ部材60が安定してリール28の回転を阻止し、該ブレーキ部材60によるリール28の制動性が一層向上する。さらに、係合ギヤ44が形成される台座部46の肉厚が低減され、樹脂成形より成るリールハブ32成形時の成形性が向上する。
【0135】
このように、本実施の形態に係る記録テープカートリッジ10では、ブレーキ部材60によるリール28のロック及びクラッチ部材84による該ロックの解除を確実に行なうことができ、かつクラッチ部材84を設けることによる構造上の制約を抑制することができる。
【0136】
なお、上記の実施の形態では、クラッチ部材84が操作部としての操作押圧面86Cをリールハブ32の軸心部に配置した好ましい構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、クラッチ部材84は、1つまたは複数の操作部をリールハブ32の軸心部以外の部位からギヤ開口20に臨ませて外部から操作可能とされても良い。また、上記の実施の形態では、クラッチ部材84における操作部であるクラッチ本体86の下部と、ガイド手段である回転規制リブ88とが別個に構成されたが、本発明はこれに限定されず、操作部とがイド手段とが一体に形成されても良い。さらに、本発明は、ストッパ部としての着座リブ92がクラッチ本体86から径方向外側に張り出される好ましい構成に限定されることはない。したがって、例えば、クラッチ部材84は、従来の解除部材252の如き形状に形成されると共に、操作部とガイド手段とが一体化された3つの脚部254を底部36及びリールプレート54を貫通するガイド部としての貫通孔内に配置し、その平面視略三角形状の本体部自体をストッパ部としても良い。すなわち、本発明は、ガイド部及びガイド手段が係合片及びガイド溝である構成には限定されず、また操作部がリールハブの軸心部から露出する構成にも限定されない。
【0137】
また、上記の実施の形態では、回転規制リブ88と着座リブ92とが別個に設けられた好ましい構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、回転規制リブ88がクラッチ部材84の位置決め機能をも果たすように構成されても良い。したがって、本発明は、回転規制リブ88の厚みや長さ、着座リブ92の厚みや長さによって限定されることはない。さらに、本発明は、回転規制リブ88、回転規制溝90、着座リブ92の数に限定されないことは言うまでもない。また、着座リブ92がストッパ溝94に入り込む構成に限定されないことは言うまでもない。
【0138】
さらに、上記の実施の形態では、クラッチ部材84が貫通孔50を貫通して配置される好ましい構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、クラッチ部材84が全体としてリールハブ32内に配置され、貫通孔50に侵入するドライブ装置の解除部によって押圧操作される構成としても良い。また、本発明は、クラッチ部材84が回転シャフト100を構成する頭部114の解除面114Aによって押圧される構成に限定されず、例えば、クラッチ部材84がマグネット110等によって押圧されても良い。
【0139】
さらにまた、上記の実施の形態では、クラッチ部材84が全体として係合ギヤ44よりも径方向内側に配置される好ましい構成としたが、本発明はこれに限定されず、係合ギヤ44を周方向の一部で切り欠いて該切欠き部分にクラッチ部材84の一部が配置される構成としても良い。したがって、本発明は、ブレーキ部材60が筒部62A(本体部62)を有する好ましい構成には限定されず、例えば、円板状部材に制動ギヤ66、十字突起72、摺接突部70を設けてブレーキ部材を構成しても良い。
【0140】
さらに、上記の実施の形態では、記録テープカートリッジ10がリーダブロック30を有する構成を例示したが、本発明は、ケース12の形状、磁気テープTの引出構造(リーダ部材の構成)、開口18の開閉構造等によって限定されることはない。したがって、例えば、記録テープカートリッジ10は、磁気テープTの先端にリーダ部材として小円柱状のリーダピンが取り付けられた構成としても良く、開口18を開閉する遮蔽部材(所定の直線または円弧に沿って移動するスライドドア等)を有する構成としても良い。
【0141】
さらにまた、上記の実施の形態では、記録テープとして磁気テープTを用いた構成としたが、本発明はこれに限定されず、記録テープは情報の記録及び記録した情報の再生が可能な長尺テープ状の情報記録再生媒体として把握されるものであれば足り、本発明に係る記録テープカートリッジが如何なる記録再生方式の記録テープにも適用可能であることは言うまでもない。
【0142】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る記録テープカートリッジは、制動部材によるリールのロック及び解除部材による該ロックの解除を確実に行なうことができ、かつ解除部材を設けることによる構造上の制約を抑制することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジの外観を示す図であって、(A)は上方から見た斜視図、(B)は下方から見た斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジにおけるリールの回転ロック時の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジにおけるリールの回転ロック解除時の断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジにおけるリールの回転ロック時の要部拡大断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジにおけるリールの回転ロック解除時の要部拡大断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジを構成する制動手段及びドライブ装置の回転シャフトを示す上方から見た分解斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジを構成する制動手段を示す下方から見た分解斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジを構成するリールのカット図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジを構成するクラッチ部材のリールへの組付状態を詳細に示す図であって、(A)は平面図、(B)は断面図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジが装填されるドライブ装置の回転シャフトの分解斜視図である。
【図11】従来の記録テープカートリッジを示す断面図である。
【図12】従来の第2の記録テープカートリッジを示す断面図である。
【図13】従来の第2の記録テープカートリッジを構成する制動手段を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
10 記録テープカートリッジ
12 ケース
20 ギヤ開口
28 リール
32 リールハブ
34 円筒部
36 底部
42 リールギヤ
44 係合ギヤ(係合部)
50 貫通孔
60 ブレーキ部材(制動部材)
62A 筒部(筒状部)
84 クラッチ部材(解除部材)
86 クラッチ本体(本体部、基部、操作部)
86C 操作押圧面(操作部)
88 回転規制リブ(ガイド手段、係合片)
90 回転規制溝(ガイド部、ガイド溝)
92 着座リブ(本体部、ストッパ部)
100 回転シャフト(ドライブ装置)
114A 解除面(解除部)

Claims (8)

  1. ケース内に回転可能に収容され、有底円筒状に形成されたリールハブの外周部に記録テープを巻装したリールと、
    前記リールハブの底部の内面に設けられた係合部と、
    前記リールハブ底部の外面に同軸的に設けられ、ドライブ装置の駆動ギヤに噛み合い可能な環状のリールギヤと、
    前記ケース内に回転不能に設けられ、前記リールハブの底部に対し接離して、前記係合部に係合する回転ロック位置と、該係合部との係合状態を解除する回転許容位置とを取り得る制動部材と、
    前記リールハブ内に位置し、該リールハブの底部における前記リールギヤの径方向内側である軸心部に設けられた貫通孔を通過可能な基部と、該基部に設けられ前記貫通孔から外部に露出された操作部と、前記基部から径方向に沿って該径方向の外側に張り出された複数の係合片と、前記係合片とは別個に前記基部から径方向に沿って該径方向の外側に張り出され前記リールハブの底部に係合可能な複数のストッパ部とを有し、前記操作部がドライブ装置の解除部によって押圧されて前記制動部材を前記回転許容位置へ移動させる解除部材と、
    前記リールハブの底部における前記リールギヤよりも径方向内側に設けられ、前記解除部材を前記リールの軸線方向に沿う移動方向に案内すると共に該解除部材の該リールに対する回転を阻止するように、かつ前記ストッパ部が前記リールハブの底部に係合している状態で前記係合片における前記移動方向の端部と非接触であるように、前記複数の係合片を独立して入り込ませた複数のガイド溝と、
    を備えた記録テープカートリッジ。
  2. 前記係合片及び前記ガイド溝をそれぞれ周方向の異なる位置に3つ以上設けた、ことを特徴とする請求項1記載の記録テープカートリッジ。
  3. 前記ストッパ部を周方向に等間隔で3つ以上設けた、ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の記録テープカートリッジ。
  4. 前記リールハブの底部における前記リールギヤよりも径方向内側には、前記ストッパ部が前記移動方向に移動可能に入り込まされると共に、前記ストッパ部が係合することで前記移動方向における前記制動部材を前記回転ロック位置から回転許容位置に移動させる側とは反対側への前記解除部材の移動が規制されるストッパ面を内部に有するストッパ溝が設けられており、
    前記係合片と前記ガイド溝との周方向におけるクリアランスは、前記ストッパ部と前記ストッパ溝との周方向におけるクリアランスよりも小さく設定されている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の記録テープカートリッジ。
  5. 前記解除部材は、樹脂成形によって前記基部、操作部、係合片、及びストッパ部が一体に形成されており、かつ前記係合片を前記ストッパ部よりも薄肉として構成されている、ことを特徴とする請求項4記載の記録テープカートリッジ。
  6. 前記係合片の前記移動方向における長さを、前記ストッパ部の前記移動方向における長さよりも長くし、
    かつ、前記ガイド溝は、前記ストッパ部が前記ストッパ面に係合した状態で、前記係合片を前記移動方向の全長に亘り入り込ませる長さを有する、ことを特徴とする請求項5記載の記録テープカートリッジ。
  7. 前記係合部を前記リールと同軸的な円周に沿って設け、前記解除部材及び前記ガイド部を前記係合部の径方向内側に配置した、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項記載の記録テープカートリッジ。
  8. 前記制動部材の軸心部に、前記係合部の径方向内側で前記解除部材及び前記ガイド部を入り込ませる筒状部を設けた、ことを特徴とする請求項7記載の記録テープカートリッジ。
JP2003046131A 2003-02-24 2003-02-24 記録テープカートリッジ Expired - Fee Related JP4068991B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003046131A JP4068991B2 (ja) 2003-02-24 2003-02-24 記録テープカートリッジ
US10/784,716 US7284723B2 (en) 2003-02-24 2004-02-24 Recording tape cartridge

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003046131A JP4068991B2 (ja) 2003-02-24 2003-02-24 記録テープカートリッジ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004259319A JP2004259319A (ja) 2004-09-16
JP4068991B2 true JP4068991B2 (ja) 2008-03-26

Family

ID=32866524

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003046131A Expired - Fee Related JP4068991B2 (ja) 2003-02-24 2003-02-24 記録テープカートリッジ

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7284723B2 (ja)
JP (1) JP4068991B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005205500A (ja) * 2004-01-20 2005-08-04 Fuji Photo Film Co Ltd 部材の把持構造
WO2020100629A1 (ja) * 2018-11-15 2020-05-22 ソニー株式会社 テープカートリッジ

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0284687A3 (en) 1987-03-31 1990-02-07 Shape Inc. Tape cartridge
US6113020A (en) * 1997-07-02 2000-09-05 Seagate Technology, Inc. Reel lock and coupling engagement mechanisms for a cartridge
JP3614634B2 (ja) 1997-12-25 2005-01-26 富士写真フイルム株式会社 磁気テープカートリッジ
US5901916A (en) 1998-03-02 1999-05-11 Hewlett-Packard Company Tape cartridge reel lock
JPH11273305A (ja) 1998-03-18 1999-10-08 Fuji Photo Film Co Ltd 磁気テープカートリッジ
EP1903571A1 (en) * 1998-06-08 2008-03-26 FUJIFILM Corporation Magnetic tape cartridge
JP2000067560A (ja) 1998-08-24 2000-03-03 Fuji Photo Film Co Ltd 磁気テープカートリッジ
JP2002190177A (ja) 2000-12-19 2002-07-05 Hitachi Maxell Ltd 単リール型テープカートリッジ
JP2002343058A (ja) * 2001-05-18 2002-11-29 Fuji Photo Film Co Ltd 磁気テープカートリッジ
JP3917536B2 (ja) * 2003-02-21 2007-05-23 富士フイルム株式会社 記録テープカートリッジ
JP4119799B2 (ja) * 2003-06-30 2008-07-16 富士フイルム株式会社 記録テープカートリッジ

Also Published As

Publication number Publication date
US7284723B2 (en) 2007-10-23
JP2004259319A (ja) 2004-09-16
US20040164199A1 (en) 2004-08-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4133986B2 (ja) 記録テープカートリッジ
JP4805232B2 (ja) リール
JP4119799B2 (ja) 記録テープカートリッジ
JP2005056485A (ja) 記録テープカートリッジ
JP3917536B2 (ja) 記録テープカートリッジ
JP4712606B2 (ja) リール及びリールの製造方法
JP6057963B2 (ja) 解除部材の成形方法及び記録テープカートリッジ
JP4068991B2 (ja) 記録テープカートリッジ
JP5496646B2 (ja) リール及び記録テープカートリッジ
JP4119786B2 (ja) 記録テープカートリッジ
JP4133590B2 (ja) ドライブ装置
JP4800103B2 (ja) リール
JP4315762B2 (ja) 記録テープカートリッジ
JP4362077B2 (ja) 記録テープカートリッジ
JP4813319B2 (ja) リール及びリールの製造方法
JP4133666B2 (ja) 記録テープカートリッジ
JP2007293985A (ja) リール
JP4767926B2 (ja) リール
JP4795192B2 (ja) リール
JP2005056492A (ja) 記録テープカートリッジ
JP2008102979A (ja) リール
JP2007293984A (ja) リール及びこのリールを成形する金型
JP2005085382A (ja) 記録テープカートリッジ
JP2007323693A (ja) リール
JP2008108322A (ja) リール及び記録テープカートリッジ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050302

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061026

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061227

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070918

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071011

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110118

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4068991

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110118

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120118

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120118

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130118

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130118

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140118

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees