JP4139708B2 - テープカートリッジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気テープが巻回された単一のテープリールをケース本体内に回転可能に収容した1リールタイプのテープカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のテープカートリッジとして、特開2002−319266号公報に開示されたテープカートリッジが知られている。このテープカートリッジ(1)は、縦置き状態で記録再生装置(ドライブ装置)にセットされた際に、テープリール(リール2)の下方への移動を規制して、記録再生装置の駆動用シャフト(回転駆動部材11)に対するハブ(リールドラム21)の芯ズレ量を僅かな値に抑えられるように構成されている。その具体的な一の構成(前者とする)としては、図面(図1,2)に示されるように、ハブ(リールドラム21)の内周面に補強リブ(28)が設けられ、ロック部材(4)の外周面と補強リブ(28)の先端との間の間隔が、テープリール(リール2)とケース本体(カートリッジケース3)との間のクリアランス(C2)よりも小さい値に設定されている。この場合、補強リブ(28)は、ロック部材(4)がロック位置とロック解除位置との間で移動したとしても、その先端とロック部材(4)の外周面とが当接可能な長さに規定されている。この構成では、テープリール(リール2)が磁気テープの重みで下方に移動しようとする場合、補強リブ(28)の先端とロック部材(4)の外周面とが当接してテープリール(リール2)の移動が規制されるため、駆動用シャフト(回転駆動部材11)に対するハブ(リールドラム21)の芯ズレ量が僅かな値に抑えられる。
【0003】
また、他の構成(後者とする)としては、図面(図11,12)に示されるように、非使用時にはスプリング(付勢部材5)によってテープリール(リール2)をハブ(リールドラム21)の軸線方向から圧接せしめるケース本体(カートリッジケース3)の受け面(32b)と、受け面(32b)に圧接せしめられるテープリール(リール2)の下面(22a)との間に、非使用時に凹凸嵌合してテープリール(リール2)の半径方向への移動を規制する規制手段(M)が設けられている。この場合、規制手段(M)は、下面(22a)に形成された凸条(22b)と受け面(32b)に形成された凹溝(32c)とで構成されている。この構成においても、テープリール(リール2)が磁気テープの重みで下方に移動しようとする場合、凸条(22b)と凹溝(32c)とが凹凸嵌合することによってテープリール(リール2)の半径方向への移動が規制されるため、駆動用シャフト(回転駆動部材11)に対するハブ(リールドラム21)の芯ズレ量が僅かな値に抑えられる。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−319266号公報(第5−7頁、第1,2,11,12図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のテープカートリッジには、以下の問題点がある。すなわち、このテープカートリッジ(1)では、ドライブ装置の駆動用シャフト(回転駆動部材11)によって駆動されたテープリール(リール2)は、全く芯ブレしない状態で回転するのではなく、ある程度芯ブレした状態で回転する。このため、ロック部材(4)がロック解除位置に位置する際において、テープリール(リール2)がある程度自由に半径方向に移動したとしても、ロック部材(4)と干渉しないように構成する必要がある。しかしながら、従来のテープカートリッジにおける前者の構成では、補強リブ(28)は、ロック部材(4)がロック位置とロック解除位置との間で移動したとしても、その先端とロック部材(4)の外周面との間の間隔がほぼ一定となるように構成されている。したがって、回転駆動部材(11)に対するハブ(リールドラム21)の芯ズレ量を僅かな値に抑えようとして、補強リブ(28)の先端とロック部材(4)の外周面との間の間隔を小さくした場合には、回転するテープリール(リール2)とロック解除位置にあるロック部材(4)との間の間隔が不足して両者が干渉するという問題が生じる。一方、回転するテープリール(リール2)とロック解除位置にあるロック部材(4)との間の間隔を両者が干渉しない程度に大きくした場合には、逆に、ロック部材(4)によるテープリール(リール2)の移動規制が甘くなる結果、回転駆動部材(11)に対するハブ(リールドラム21)の芯ズレ量が増大するという問題が生じる。
【0006】
一方、従来のテープカートリッジにおける後者の構成では、非使用時にのみ凸条(22b)と凹溝(32c)とが凹凸嵌合してテープリール(リール2)の半径方向への移動を規制するため、上記した各問題の発生が避けられている。しかしながら、この構成では、ケース本体(カートリッジケース3)の受け面(32b)に凹溝(32c)を形成したり、テープリール(リール2)の下面(22a)に凸条(22b)を形成したりしなければならない。このために、ケース本体(カートリッジケース3)の受け面(32b)やテープリール(リール2)の下面(22a)の一部を肉薄に形成しなければならない結果、ケース本体(カートリッジケース3)やテープリール(リール2)の強度が低下するという問題が生じる。
【0007】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、ケース本体やテープリールの強度を確保しつつ、回転駆動部材に対するテープリールの芯ズレ量を僅かな値に抑え、しかも回転するテープリールとロック解除位置にあるロック部材との間の干渉を回避し得るテープカートリッジを提供することを主目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明に係るテープカートリッジは、上ケースおよび下ケースから構成されるケース本体と、有底円筒状のハブに一対のフランジが配設されると共に当該ハブにテープが巻回された状態で前記ケース本体の内部に収納される単一のテープリールと、前記ハブ内に収納されて前記テープリールの回転を制止するロック位置と当該テープリールの回転を許容するロック解除位置との間を当該ハブの軸線方向に沿って移動可能なロック部材と、前記ハブの内面に配設されて、前記ロック位置に位置する際における当該ロック部材に対する当該ハブのその半径方向への相対的な移動を規制すると共に、前記ロック解除位置に位置する際における当該ロック部材に対する当該ハブの前記半径方向への相対的な移動を許容する規制手段とを備え、前記規制手段は、前記ハブの内周面から離間した状態で前記内面としての底板の内底面に立設されると共に前記ロック位置に位置する際の前記ロック部材の外周面に接触して前記半径方向への前記相対的な移動を規制する規制壁で構成され、前記規制壁は、前記ロック部材側の端面が前記ハブの前記軸線に近づくに従って当該ハブの内底面に向けて傾斜する斜面に形成されると共に、前記ロック位置に位置する際における前記ロック部材の外周面に対向する基端部側の面が当該外周面に対して略平行となるように形成されている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るテープカートリッジの好適な実施の形態について説明する。
【0010】
まず、本発明に係るテープカートリッジの第1の実施の形態について説明する。
【0011】
最初に、テープカートリッジ1の構成について、図面を参照して説明する。
【0012】
テープカートリッジ1は、例えば電子計算機の主記録媒体に記録された記録データのバックアップメディアとして使用される1リールタイプのカートリッジ式記録媒体であって、図1に示すように、ケース本体2、テープリール3、ロック部材4、スプリング5、ブレーキ解除板6およびピン部材7を備えている。なお、テープリール3には、磁気テープが巻回されているが、本発明の実施の形態では、各部の構成についての理解を容易とするために、その図示を省略する。また、磁気テープの先端はピン部材7に巻き付けられて留め具7aで固定されている。また、ピン部材7は、記録再生装置内のテープの走行路に沿ってテープ巻取りリールまでその記録再生装置によって移動させられる際に、磁気テープをその巻取りリールに案内する。
【0013】
ケース本体2は、図1に示すように、それぞれ浅皿状に形成され互いに嵌合可能な上ケース11および下ケース12と、嵌合状態の上ケース11および下ケース12によって形成されるテープ引出し口2aを閉塞可能なシャッタ部材2bとを備えている。また、上ケース11には、図3に示すように、回転不能で上下動が許容される状態でロック部材4を取り付けるための4本のガイド突起11a,11a・・が、その内面に立設されている。また、下ケース12には、図1に示すように、記録再生装置の駆動用シャフトを挿通可能とする挿通用孔12aが形成されている。
【0014】
テープリール3は、図1,2に示すように、ハブ15、上フランジ16、下フランジ17および金属板18を備えている。
【0015】
ハブ15は、周囲に磁気テープを巻回可能な有底円筒状に形成されている。また、ハブ15における底板15aの内面(内底面)には、図1,4に示すように、ロック部材4と噛合する円弧状の歯部15b,15b・・が、ハブ15の軸線Sを中心とした同一円周上に位置するように複数(一例として3個)配設されている。また、各歯部15bの外周側には、図2,4に示すように、規制手段としての円弧状の規制壁15cがそれぞれ上ケース11方向に向けて立設されている。この場合、各規制壁15cは、図4に示すように、ハブ15の軸線Sを中心としてロック部材4の外径よりも大径の同一円周上に位置するように配設されると共に、図2に示すように、その先端(同図中の上端)が各歯部15bの先端(同図中の上端)よりも上方に突出して形成されている。また、ハブ15の底板15aには、図1,4,5に示すように、ブレーキ解除板6を上下動可能に取り付けるための挿通用孔15d,15d・・が、ハブ15の軸線Sを中心とした同一円周上に位置して複数(一例として3個)形成されている。また、ハブ15における底板15aの外面(外底面)には、図2,5に示すように、記録再生装置における駆動用シャフトの駆動用歯部と噛合する円弧状の駆動用歯部15e,15e・・が、ハブ15の軸線Sを中心とした同一円周上に位置するように複数(一例として3個)形成されている。また、底板15aの外面における駆動用歯部15e,15e・・の内側には、同各図に示すように円形の凹部15fが形成されている。この凹部15f内には、図2に示すように、テープリール3を磁力によって駆動用シャフトSに吸引するための金属板18が取り付けられる。
【0016】
上フランジ16は、図1に示すように、ロック部材4およびブレーキ解除板6の挿通を可能とする挿通孔16aが中央に形成された円板状に形成されると共に、図2に示すように、ハブ15における開口側端部(図1中の上端部)に取り付けられて配設されている。下フランジ17は、円板状に形成されると共に、図1,2に示すように、ハブ15における底面側端部(図1における下端部)の外周面に一体成形によって配設されている。
【0017】
ロック部材4は、図1に示すように、各規制壁15c間への嵌め込みが可能な外径の円板体に形成されると共に、図6に示すように、その底面(ハブ15の底板15a側の端面)における外縁側に、ハブ15の歯部15bに噛合可能な歯部4aが円環状に形成されている。また、ロック部材4は、同図に示すように、ブレーキ解除板6の中央部に当接可能な突起4bが底面における中央部に形成されて、ブレーキ解除板6とロック部材4との間の摺動抵抗を軽減するように構成されている。一方、ロック部材4の上面には、図1に示すように、十字形の位置決め用突起4cが立設されている。この位置決め用突起4cには、上ケース11における4本のガイド突起11a,11a・・(図1参照)を挿入可能な十字形のガイド溝4dが形成されている。また、ロック部材4は、ガイド溝4dに突起11a,11a・・が挿入されることにより、上ケース11に対して回転不能で、かつハブ15の軸線Sに沿って上下動が可能に取り付けられている。また、ロック部材4は、図2に示すように、スプリング5によってハブ15の底板15aに向けて常時付勢されている。この場合、スプリング5は、位置決め用突起4cに外嵌された状態でロック部材4と上ケース11の内面との間に装着されている。
【0018】
ブレーキ解除板6は、図1に示すように、樹脂製の解除板本体21と、解除板本体21の上面中央に取り付けられたステンレス製の円板22とを備えている。また、解除板本体21は、その裏面に、3本の脚部21b,21b,21bが立設されて構成されている。このように構成されたブレーキ解除板6は、図2,4に示すように、各脚部21b,21b,21bがハブ15の底板15aに形成された挿通用孔15d,15d,15dに挿通された状態でハブ15の内側に配設されている。このため、ブレーキ解除板6は、ハブ15に対してハブ15の軸線Sに沿って上下動は可能であるが、相対回転が不能な状態に配設されている。つまり、ブレーキ解除板6は、テープリール3の回転時にはハブ15と共に回転させられる。なお、図1に示すように、ロック部材4、スプリング5およびブレーキ解除板6によってブレーキ機構BMが構成される。
【0019】
次に、テープカートリッジ1の各構成要素の動作について、図面を参照して説明する。
【0020】
このテープカートリッジ1が記録再生装置から取り出された状態(非使用時)では、図2に示すように、ロック部材4は、スプリング5で付勢されることによってブレーキ解除板6を押動しつつハブ15の底板15a方向に移動して、その歯部4aがハブ15の歯部15bと噛合する位置(ロック位置)に位置している。このため、テープリール3は、ロック部材4によってその回転が制止される。したがって、テープリール3に巻回された磁気テープのケース本体2内における弛みや巻き崩れが防止される。また、ロック部材4がハブ15の底板15aに形成された各規制壁15c内に入り込んで、ロック部材4の外周面Aと各規制壁15cとが嵌り合った状態にある。したがって、ロック部材4に対するハブ15の半径方向へのハブ15の相対的な移動が規制されている。このため、テープカートリッジ1を誤って落としたことなどに起因してテープカートリッジ1に外力が加わった場合であっても、ハブ15がロック部材4に対してハブ15の半径方向に相対的に移動しない(位置ずれしない)結果、テープリール3は、ガイド突起11a,11a・・およびロック部材4によって規定されるケース本体2内の所定位置に位置決めされたままの状態に維持される。また、ロック部材4がロック位置に位置している状態では、ブレーキ解除板6の各脚部21bは、ハブ15の各挿通用孔15dから底板15aの外底面側(下フランジ17の裏面側)に突出している。
【0021】
一方、テープカートリッジ1が記録再生装置に装填された際(使用時)には、記録再生装置によってシャッタ部材2bがスライドされてテープ引出し口2aが開口される。次に、駆動用シャフト(図示せず)が磁力によってテープリール3の金属板18を吸引する際に、ブレーキ解除板6の脚部21b,21b,21bが、駆動用シャフトによって上ケース11側に押し上げられる。このため、ロック部材4は、ブレーキ解除板6によって押動されてガイド突起11a,11a・・のガイドに従って上ケース11の内面側に向けて押し上げられて、図7に示すように、位置決め用突起4cの上端が上ケース11の内面に近接する位置(ロック解除位置)に移動する。この状態では、ロック部材4の外周面Aと各規制壁15cとがハブ15の軸線Sの方向で離間することにより、ロック部材4と各規制壁15cとの嵌り合い状態が解除されると共に、ロック部材4の歯部4aとハブ15の歯部15bとの噛合が解除される。また、駆動用シャフトの駆動用歯部(図示せず)とテープリール3の駆動用歯部15eとが噛合して、駆動用シャフトがテープリール3をチャッキングする。この際に、同図に示すように、ガイド突起11a,11a・・およびロック部材4によって規定されるケース本体2内の所定位置にテープリール3が常に位置決めされた状態にあるため、駆動用シャフトに対するテープリール3の芯ズレ量は極めて僅かな値に抑えられる。したがって、テープリール3は、駆動用シャフトによってチャッキング不良の生じない良好な状態でチャッキングされて回転可能な状態となる。
【0022】
この後、駆動用シャフトの回転に応じてテープリール3が回転する。この際には、テープリール3に巻回された磁気テープが記録再生装置によってテープ引出し口2aからケース本体2の外部に引き出され、これにより、その磁気テープに対する各種記録データの記録または読み出しが実行される。
【0023】
また、ケース本体2の外部への磁気テープの引き出しや、ケース本体2の内部への巻き戻しによってテープリール3が回転した場合、ロック部材4の外周面Aと各規制壁15cとがハブ15の軸線Sの方向で離間してロック部材4に対するハブ15の半径方向へのハブ15の相対的な移動が許容されている。したがって、この際に、たとえテープリール3が多少芯ブレしたとしても、テープリール3とロック部材4との干渉が確実に回避される。このため、テープリール3のスムーズな回転が担保される。
【0024】
このように、このテープカートリッジ1によれば、非使用状態では、各規制壁15cとロック部材4とが嵌り合うことにより、ロック部材4およびガイド突起11a,11a・・によって規定されるケース本体2内の所定位置にテープリール3を常に位置決めすることができる。したがって、駆動用シャフトに対するテープリール3の芯ズレ量を極めて僅かな値に常に抑えることができる結果、例えば縦置きにした記録再生装置にテープカートリッジ1を装着した場合であっても、テープリール3および駆動用シャフト間の芯ズレに起因したテープリール3に対する駆動用シャフトのチャッキング不良を確実に防止することができる。また、各規制壁15cをハブ15の底板15aに形成したことにより、下フランジ17や下ケース12の一部に凹凸を形成する従来のテープカートリッジとは異なり、下フランジ17や下ケース12の一部を肉薄に形成する構成を避けることができる。したがって、ケース本体2およびテープリール3の強度を十分に確保することができる。一方、使用状態では、ロック部材4の外周面Aと各規制壁15cとがハブ15の軸線Sの方向で離間してロック部材4に対するハブ15の半径方向へのハブ15の相対的な移動を許容することにより、テープリール3が多少芯ブレして回転したとしても、テープリール3とロック解除位置にあるロック部材4との干渉を確実に回避することができる。したがって、テープリール3のスムーズな回転を常に担保することができると共に、テープリール3やロック部材4の摩耗も回避することができる。また、ハブ15における各歯部15bの外周面側に規制壁15cを設けてロック部材4の外周面Aに接触させるように構成したことにより、従来のテープカートリッジに対して簡単な変更を加えるだけで、規制手段を容易に形成することができる。
【0025】
また、上記したテープカートリッジ1において、図8に示すように、各規制壁15cにおける端面Bの形状を、ハブ15の軸線Sに近づくに従って底板15aの内底面に向けて傾斜する斜面(例えば、底板15aの内底面に向けて傾斜するテーパ面)に形成する構成を採用することもできる。この構成によれば、ロック部材4がロック解除位置からロック位置に移動する際に、その軸線がハブ15の軸線Sと多少ずれていたとしても、斜面に形成された各規制壁15cの端面(ロック部材4側の端面)Bに案内されて、ロック部材4を各規制壁15c内にスムーズに入り込ませる(嵌め込む)ことができる。したがって、テープリール3をケース本体2内の所定位置に確実に位置決めすることができる。また、規制壁15cをハブ15の底板15aに設ける構成に代えて、規制壁15cをハブ15の他の内面(例えば内周壁)に配設することもできる。また、規制手段としての規制壁15cをハブ15側に設ける構成に代えて、規制手段としての規制壁をロック部材4側に設ける構成を採用することもできる。
【0026】
次いで、テープカートリッジの第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態のテープカートリッジ1と同一の構成要素については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0027】
最初に、テープカートリッジ31の構成について、図面を参照して説明する。
【0028】
テープカートリッジ31は、図9に示すように、ケース本体2、テープリール32、ロック部材33、スプリング5、ブレーキ解除板6およびピン部材7(同図では図示せず)を備えており、テープリール32およびロック部材33以外の他の構成要素はテープカートリッジ1と同一に構成されている。
【0029】
ロック部材33は、同図および図10に示すように、円板体(円柱状)に形成されると共に、その外周面全体に歯部33a(第2の歯部)が全周に亘って形成されている。言い換えれば、ロック部材33は、平歯車状に形成されている。なお、ロック部材33は、その外周面におけるハブ15の底板15a側の領域にのみ歯部33aを形成する構成を採用することもできるし、ハブ15の底板15a側に円柱体を別体に形成すると共に、この円柱体の外周面に歯部33aを全周に亘って形成する構成を採用することもできる。
【0030】
テープリール32は、図9に示すように、ハブ34、上フランジ16、下フランジ17および金属板18を備えている。この場合、ハブ34の底板15aにおける内面(内底面)には、同図および図10に示すように、円弧状の規制壁34a,34a・・がハブ15の軸線Sを中心とした同一円周上に位置するように複数(一例として3個)配設されている。また、各規制壁34aは、ロック部材33がロック位置に位置する際に、その内周面がロック部材33の歯部33aに対向するようにその高さが規定されると共に、この内周面にロック部材33の歯部33aと噛合する歯部(第1の歯部)34bが形成されている。言い換えれば、各規制壁34aは、内歯車状に形成されている。
【0031】
次に、テープカートリッジ31の各構成要素の動作について、図面を参照して説明する。
【0032】
このテープカートリッジ31では、非使用時において、図9に示すように、ロック部材33は、スプリング5によって付勢されてブレーキ解除板6を押動しつつハブ34の底板15a方向に移動して、その歯部33aがハブ34の歯部34bと噛合する位置(ロック位置)に位置している。このため、テープリール32は、ロック部材33によってその回転が制止される。したがって、テープリール32に巻回された磁気テープのケース本体2内における弛みや巻き崩れが防止される。また、ロック部材33は、ハブ34の底板15aに形成された各規制壁34a内に嵌り込んだ状態にある。したがって、テープカートリッジ31を誤って落としたことなどに起因してテープカートリッジ31に外力が加わったときであっても、テープリール32がロック部材33に対してハブ34の半径方向に相対的に移動しない(位置ずれしない)結果、テープリール32は、ガイド突起11a,11a・・およびロック部材4によって規定されるケース本体2内の所定位置に位置決めされた状態に維持される。
【0033】
一方、テープカートリッジ31では、使用時において、記録再生装置の駆動用シャフトによってテープリール32がチャッキングされる。この際には、上記したようにテープリール32がガイド突起11a,11a・・およびロック部材33によって規定されるケース本体2内の所定位置に常に位置決めされているため、駆動用シャフトに対するテープリール32の芯ズレ量は僅かな値に抑えられる。したがって、テープリール32は駆動用シャフトによってチャッキング不良の生じない良好な状態でチャッキングされる。また、図11に示すように、ロック部材33がロック解除位置に位置している際には、ロック部材33の外周面Aと各規制壁34aとがハブ15の軸線Sの方向で離間することにより、ロック部材33と各規制壁34aとの嵌り合い状態が解除されると同時に、ロック部材33の歯部33aとハブ34の歯部34bとの噛合が解除される。この両歯部33a,歯部34bの噛合状態の解除により、テープリール32が回転可能な状態となる。この後、駆動用シャフトの回転に応じてテープリール32が回転する。この際には、テープリール32に巻回された磁気テープが記録再生装置によってテープ引出し口2aからケース本体2の外部に引き出され、これにより、その磁気テープに対する各種記録データの記録または読み出しが実行される。
【0034】
また、ケース本体2の外部への磁気テープの引き出しや、ケース本体2の内部への巻き戻しによってテープリール32が回転した場合、ロック部材33の外周面Aと各規制壁34aとがハブ34の軸線Sの方向で離間してロック部材33に対するハブ34の半径方向へのハブ34の相対的な移動が許容されている。したがって、この際に、たとえテープリール32が多少芯ブレしたとしても、テープリール32とロック部材33との干渉が確実に回避される。このため、テープリール32のスムーズな回転が担保される。
【0035】
このように、このテープカートリッジ31によれば、非使用状態では、各規制壁34aとロック部材33とが嵌り合うことにより、ロック部材33およびガイド突起11a,11a・・によって規定されるケース本体2内の所定位置にテープリール32を常に位置決めすることができる。したがって、テープカートリッジ1と同様にして、テープリール32および駆動用シャフト間の芯ズレに起因したテープリール32に対する駆動用シャフトのチャッキング不良を確実に防止することができる。また、各規制壁34aをハブ34の底板15aに形成したことにより、テープカートリッジ1と同様にして、ケース本体2およびテープリール32の強度を十分に確保することができる。一方、使用状態では、ロック部材33の外周面Aと各規制壁34aとが離間しているために、テープカートリッジ1と同様にして、テープリール32とロック部材33との干渉を確実に防止することができる結果、テープリール32のスムーズな回転を常に担保することができると共に、テープリール32やロック部材33の摩耗も回避することができる。
【0036】
また、上記したテープカートリッジ31において、図12に示すように、ロック部材33におけるハブ34の底板15a(の内底面)側の部位を円筒状(円筒体)に形成すると共にこの円筒状の部位の内周面Cに歯部33a(第2の歯部)を形成し、かつハブ34の規制壁34aの外径をロック部材33における円筒状の部位内に進入可能に形成すると共に歯部33aに対向する外周面Dに歯部34b(第1の歯部)を形成して構成してもよい。つまり、同図中のロック部材33の下端側部位を内歯車状に形成し、ハブ34の上端側部位を平歯車状に形成する構成を採用することもできる。この構成では、ロック部材33をロック位置に位置させる際に、ハブ34がロック部材33の円筒状の部位における内周面側の内部に進入して、その外周面Dの歯部34bと歯部33aとが互いに噛合する。したがって、この構成によっても、上記したテープカートリッジ1,31と同様の効果を奏することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るテープカートリッジによれば、ハブの内面およびロック部材の少なくとも一方に配設されて、ロック位置に位置する際におけるロック部材に対するハブのその半径方向への相対的な移動を規制すると共に、ロック解除位置に位置する際におけるロック部材に対するハブの半径方向への相対的な移動を許容する規制手段とを備えたことにより、非使用状態においては、規制手段がケース本体内の所定位置にテープリールを常に位置決めすることができる。したがって、記録再生装置の駆動用シャフトに対するテープリールの芯ズレ量を極めて僅かな値に常に抑えることができる結果、例えば縦置きにした記録再生装置に装着した場合であっても、テープリールおよび駆動用シャフト間の芯ズレに起因したテープリールに対する駆動用シャフトのチャッキング不良を確実に防止することができる。また、規制手段をハブの内面に配設したことにより、フランジやケースの一部に凹凸を形成する従来のテープカートリッジとは異なり、フランジやケースの一部を肉薄に形成する構成を避けることができる。したがって、ケース本体およびテープリールの強度を十分に確保することができる。一方、使用状態においては、ロック部材と規制手段とがハブの軸線の方向で離間してロック部材に対するハブの半径方向へのハブの相対的な移動を許容することにより、テープリールが多少芯ブレして回転したとしても、テープリールとロック部材との干渉を確実に回避することができる。したがって、テープリールのスムーズな回転を常に担保することができると共に、テープリールやロック部材の摩耗も回避することができる。
【0038】
また、本発明に係るテープカートリッジによれば、ハブの内面に立設させてロック位置に位置する際のロック部材の外周面に接触して半径方向への相対的な移動を規制する規制壁で規制手段を構成したことにより、従来のテープカートリッジに対して簡単な変更を加えるだけで、規制手段を容易に形成することができる。
【0039】
また、本発明に係るテープカートリッジによれば、規制壁におけるロック部材側の端面をハブの軸線に近づくに従ってハブの内底面に向けて傾斜する斜面に形成したことにより、ロック部材がロック解除位置からロック位置に移動する際に、その軸線がハブの軸線と多少ずれていたとしても、斜面に形成された各規制壁の端面に案内されて、ロック部材と規制壁とをスムーズに嵌り合わせることができる。したがって、テープリールをケース本体内の所定位置に確実に位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係るテープカートリッジ1の分解斜視図である。
【図2】 記録再生装置から取り出された状態(ロック部材4によってテープリール3の回転が制止された状態)のテープカートリッジ1の断面図である。
【図3】 上ケース11の内面を示す斜視図である。
【図4】 上ケース11側からハブ15近傍を見た要部平面図である。
【図5】 ハブ15および下フランジ17を裏面側(下ケース12側)から見た斜視図である。
【図6】 ロック部材4を下方側(下ケース12側)から見た斜視図である。
【図7】 記録再生装置に装填された状態(ロック部材4によるテープリール3の回転制止が解除された状態)のテープカートリッジ1の断面図である。
【図8】 規制壁15cの端面Bを斜面(一例としてテーパ面)に形成したときのロック部材4およびハブ15の要部断面図である。
【図9】 記録再生装置から取り出した状態(ロック部材33によってテープリール32の回転が制止された状態)の本発明の第2の実施の形態に係るテープカートリッジ31の断面図である。
【図10】 上ケース11側からハブ34近傍を見た要部平面図である。
【図11】 記録再生装置に装填された状態(ロック部材33によるテープリール32の回転制止が解除された状態)のテープカートリッジ31の断面図である。
【図12】 テープカートリッジ31において、ロック部材33の下端側部位を内歯車状に形成し、ハブ34の上端側部位を平歯車状に形成した構成を説明するためのロック部材33およびハブ34の要部断面図である。
【符号の説明】
1,31 テープカートリッジ
2 ケース本体
3 テープリール
4,33 ロック部材
4a,15a,33a,34b 歯部
6 ブレーキ解除板
11 上ケース
12 下ケース
15,34 ハブ
16 上フランジ
17 下フランジ
15c,34a 規制壁
Claims (1)
- 上ケースおよび下ケースから構成されるケース本体と、有底円筒状のハブに一対のフランジが配設されると共に当該ハブにテープが巻回された状態で前記ケース本体の内部に収納される単一のテープリールと、
前記ハブ内に収納されて前記テープリールの回転を制止するロック位置と当該テープリールの回転を許容するロック解除位置との間を当該ハブの軸線方向に沿って移動可能なロック部材と、
前記ハブの内面に配設されて、前記ロック位置に位置する際における当該ロック部材に対する当該ハブのその半径方向への相対的な移動を規制すると共に、前記ロック解除位置に位置する際における当該ロック部材に対する当該ハブの前記半径方向への相対的な移動を許容する規制手段とを備え、
前記規制手段は、前記ハブの内周面から離間した状態で前記内面としての底板の内底面に立設されると共に前記ロック位置に位置する際の前記ロック部材の外周面に接触して前記半径方向への前記相対的な移動を規制する規制壁で構成され、
前記規制壁は、前記ロック部材側の端面が前記ハブの前記軸線に近づくに従って当該ハブの内底面に向けて傾斜する斜面に形成されると共に、前記ロック位置に位置する際における前記ロック部材の外周面に対向する基端部側の面が当該外周面に対して略平行となるように形成されているテープカートリッジ。
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