WO1999043452A1 - Procede de laminage de toles et laminoir - Google Patents

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WO1999043452A1
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Atsushi Ishii
Kenji Yamada
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Description

明 細 書 板圧延方法および板圧延機 技術分野
本発明は、 鋼等の金属板材を圧延する際の圧延方法と、 その圧延 機設備に関する。 背景技術
金属板材の圧延操業における重要な課題の一つに、 圧延材の伸び 率を作業側と駆動側とで等し く するこ とがある。 伸び率が作業側と 駆動側で不均等になった場合、 キャ ンバーや扳厚ゥエ ッ ジという圧 延材の平面形状および寸法精度不良を生ずるばかりではなく、 蛇行 や尻絞り という通板 トラブルを生じることがある。
圧延材の作業側と駆動側の伸び率を均等にするために、 圧延機の 圧下位置の作業側と駆動側での差、 すなわち、 レべリ ングが調節さ れる。 通常、 レペリ ングの調節は、 圧延前に圧下装置を設定する際 および圧延中に、 オペレータが圧延操業を注意深く観察しながら行 つている力く、 上述したキャ ンバーや板厚ゥエ ッ ジの品質不良や通板 ト ラブルの問題を十分に解決できていない。
特公昭 58 - 5 1 77 1号公報には、 圧延機の口一 ドセル荷重の作業側と 駆動側の差の和に対する比に基づいてレベリ ングを調節する技術が 開示されているが、 圧延機のロー ドセル荷重の作業側と駆動側の差 には、 圧延材の蛇行量の影響以外に種々の外乱が含まれており、 上 記作業側と駆動側の差の比に基づいた制御では、 蛇行を助長するよ うな制御になる場合もある。
また、 特開昭 59 - 1 915 1 0 号公報には、 圧延機の入側の圧延材のず れ、 すなわち蛇行量を直接検出することにより、 レべリ ングを調節 する技術が開示されている。 然しながら、 例えば、 長尺材の圧延や タ ンデム圧延の場合には、 レペリ ングの調節が不適当であっても、 当該圧延機より も上流側の圧延材の自重や、 上流側の圧延機による 拘束条件により、 実際に入側の圧延材に蛇行を生じない場合が多い 。 従って、 上記公報に開示された方法では、 長尺材の圧延やタ ンデ ム圧延の場合には、 レペリ ングの調節が不良であるにもかかわらず 蛇行量が検出できないので、 レべリ ングの調節を最適に制御する方 法と しては使用できない。
更に、 例えば、 圧延機の出側において蛇行量を検出する方法は、 その検出値には、 当該圧延機の出側材料速度の作業側と駆動側の差 と既に圧延機の出側に存在する圧延材キャ ンバーの移動による幅方 向変位が重畳されているので、 蛇行量を測定した時点で当該圧延機 のロールバイ ト中にある圧延材の伸び率を作業側と駆動側で均等化 する レべリ ング制御を最適化するために利用できない。
上述したように蛇行量を直接検出する方法は、 それ単体でレべリ ングを最適化することが不可能であり、 かつ、 ロールバイ ト中で生 じている現象を直接測定している訳ではないので、 外乱が入りやす く 、 またレベリ ング制御にも時間おく れを生じるという本質的な欠 点力くある。
一方、 圧延荷重の作業側と駆動側の差は、 ロールバイ 卜に生じて いる現象の作業側と駆動側での非対称性に関する情報を時間遅れな く伝えるので、 レベリ ングの最適制御のために最も重要な情報とな り得る。 然しながら、 既述したように、 ロー ドセルから検出される 圧延荷重の作業側と駆動側の差には圧延材の蛇行量以外に種々の外 乱が含まれているので、 こう した外乱を特定し、 圧延材と作業ロー ル間で生じている圧延現象の作業側と駆動側の差を正確に推定する ことが必要となる。
本願発明者らは、 綿密な調査および解析検討の結果、 圧延機の口 一ドセルで測定される圧延荷重の作業側と駆動側の差には、 圧延材 と作業ロール間の圧延荷重分布の ミ ルセンターに関する作業側と駆 動側での非対称性の他に、 例えば 4段圧延機の場合、 作業ロールと 捕強ロールとの間、 6段圧延機の場合、 作業ロールと中間ロール、 中間ロールと補強ロールとの間にロール軸方向に作用するスラス ト 力が最も大きな要因と して含まれていることを発見した。
これらのロール間に作用するスラス トカは、 ロールに余分なモ一 メ ン トを与え、 このモ一メ ン 卜に釣り合うように作業側と駆動側の 圧延荷重差が変化するので、 圧延機のロー ドセルで測定された荷重 の作業側と駆動側の差から圧延材と作業ロールの間で生じている圧 延荷重分布の作業側と駆動側での非対称性を把握するという 目的に 対しては重大な外乱となる。 更に、 このロール間スラス ト力は、 圧 延操業中にその大きさばかりではなく 、 場合によっては方向までも 反転することがあるので、 予め正確に推測することが非常に困難で ある。
また、 圧延機の圧下零点調整は、 ほとんどの場合にキスロール締 め込みによって所定の零調荷重まで締め込むこ とによって実施され るが、 このときには上述のロール間スラス ト力に加えて、 上下作業 ロール間のスラス ト力が更に、 外乱と して追加される。
圧下零点調整では、 作業側および駆動側のロー ドセルで測定され る荷重が所定の荷重に等し く なるように圧下位置がリ セッ 卜され、 レべリ ングの零点も同時にリ セッ トされる。 このとき、 上述したよ うな口一ル間スラ ス ト力が作用 して口一 ドセル荷重の作業側と駆動 側の差に外乱が含まれていると、 正確なレべリ ングの零点調整がで きなく なり、 以後のレべリ ング設定には、 常時この零点の誤差が含 まれるこ とになる。 更に、 特開平 6 - 1 824 1 8号公報に開示されている ように圧延機の剛性すなわち圧延機の変形特性の ミ ルセ ンターに関 する作業側と駆動側での非対称性を把握する際にもキスロール締め 込みテス トを実施する力く、 この場合にも上記したロール間スラス ト 力は深刻な誤差要因となる。 発明の開示
本発明は、 上述した種々の問題点を解決するこ とを目的と してい 。
請求項 1 に記載の本発明は、 少なく と も上下補強ロールと上下作 業ロールとを含む 4段以上の多段扳圧延機を用いた圧延方法におい て、 圧下装置により前記上下補強ロールおよび上下作業ロールを接 触状態で締め込み、 少なく と も前記補強ロール以外のすべての口一 ルに作用するロール軸方向スラス ト反力を測定し、 上下補強ロール の各々の圧下支点位置での圧下方向に作用する補強ロール反力を測 定し、 前記スラ ス ト反力および前記補強ロール反力の測定値に基づ き、 圧下装置の零点と板圧延機の変形特性の何れか一方または双方 を求め、 これに基づいて、 圧延実行時の圧下位置設定および Zまた は圧下位置制御を行う板圧延方法を要旨とする。
この請求項 1 に記載の本発明は、 特に、 口一ル間スラス トカによ る外乱を分離して、 キスロール締め込みによる圧下零点調整および 圧延機の変形特性の作業側と駆動側での非対称性を求める方法に関 し、 キスロール締め込み時に、 補強ロール以外のロールに作用する スラ ス ト反力と、 上下補強ロールの各圧下支点位置に作用する補強 ロール反力を測定する。
ここでスラス ト反力とは、 各口一ル胴部の接触面において主と し てロール間の微小なク ロス角の存在によって発生するスラス 卜力の 各ロールに関する合力に杭して、 当該ロールを定位置に保持するた めの反力であり、 通常はロールチヨ ッ クを介してキ一パプレー 卜に 負荷されるが、 ロールの軸方向シフ ト装置を有する圧延機の場合は 、 該シフ ト装置に負荷される。 また、 上下補強ロールの各圧下支点 位置に作用する補強ロール反力は、 通常ロー ドセルによって測定す るが、 油圧圧下装置を有する場合、 圧下シ リ ンダー内の圧力の測定 値から計算する方法でもよい。
これらのスラス ト反力および補強ロール反力を測定するこ とによ つて、 例えば、 4段圧延機の場合、 各ロ ールに作用する力およびモ ーメ ン 卜の平衡条件に関与する力のう ちの未知数は、 以下の 8個と なる。
T B t : 上補強ロールチヨ ッ クに作用するスラス ト反力
T W B T : 上作業ロールと上捕強ロールの間に作用するスラス ト力
T w w : 上下作業ロール間に作用するスラ ス トカ
T W B B : 下作業ロールと下補強ロールの間に作用するスラ ス ト力
T B B : 下補強ロールチヨ ッ クに作用するスラス ト反力
P d : 上作業ロールと上補強ロールの間の線荷重分布の作業側 と駆動側の差
P d : 下作業ロールと下補強ロールの間の線荷重分布の作業側 と駆動側の差
P d ' w w : 上下作業ロール間の線荷重分布の作業側と駆動側の差 こ こで、 線荷重分布とは、 各ロール胴部に作用する締め込み荷重 のロール軸方向分布のことであり、 単位胴長あたりの荷重を線荷重 と称している。
補強ロールのロールチ ヨ ッ クに作用するスラ ス ト反カも測定する ことができれば、 より精度の高い計算が可能であり好ま しいことは 言うまでもないが、 補強ロールのロールチヨ ッ クはスラス ト反力よ り もはるかに大きな補強ロール反力を同時に受けるのでスラス ト反 力の測定は一般には容易ではなく 、 こ こでは補強ロールのスラス ト 反力の測定値は利用できないものと して説明する。 仮に、 補強ロー ルのスラス ト反力が測定できた場合は、 以下の説明において未知数 の数より も方程式の数の方が多く なるので、 すべての方程式の最小 自乗解と して未知数を求めれば、 計算精度がより向上することにな る。
上記 8個の未知数を求めるために適用可能な方程式は、 各ロール のロール軸方向の力の平衡条件式 4個と、 各ロールのモーメ ン 卜の 平衡条件式 4個の合計 8個となる。 なお、 こ こでは、 各ロールの鉛 直方向の力の平衡条件式は既に考慮ずみと仮定しており、 未知数か らも鉛直方向の力の平衡条件式に関与する ものを除いている。 以上 の 8個の未知数に対して、 各ロールの力およびモーメ ン 卜の平衡条 件式を解く こ とにより、 上記のすべての未知数を求めることが可能 となる。
以上のよう にしてミ ルセンタ一に関する作業側と駆動側での非対 称性に関係する力をすベて求めることによって、 ロール変形につい ては作業側と駆動側での非対称性を含めて正確に演算するこ とが可 能となり、 キスロール締め込み時の締め込み荷重と圧下位置の関係 より求められる ミ ルス ト レツチ量からロール変形の寄与を作業側と 駆動側で独立に差し引 く ことにより、 作業側と駆動側のハウジング および圧下系の変形特性を正確に求めることが可能となる。
一方、 圧下装置の零点については、 上記の各ロール間に作用する 線荷重分布の作業側と駆動側の差によって生じているロール偏平の 作業側と駆動側の差分だけ、 口一ル間スラス ト力が発生しない場合 の真の作業側と駆動側で均等に圧下した位置からずれていることに なるので、 その誤差量を圧下設定時に常に補正するようにするか、 あるいは、 より実用的には、 その誤差量を考慮して零点そのものを 補正しておけばよい。 何れにしても補強ロールの各圧下支点位置の 補強ロール反力と補強ロール以外のスラ ス ト反力を測定して、 各口 一ル間線荷重分布の作業側と駆動側の差を推定するこ とが必要であ る。 上記の何れの測定値が欠けても、 未知数は 8個以上となり、 口 一ル間線荷重分布の作業側と駆動側の差を推定することが不可能と なる。
ところで圧延機が 4段圧延機ではなく 、 更に、 中間ロールが増え た場合には、 中間ロールが一本増える毎に、 ロール間接触領域が一 箇所増えるこ とになる。 こ う した場合でも、 当該中間ロールのスラ ス ト反カを測定すれば、 増える未知数は追加された接触領域に作用 するスラ ス ト力と線荷重分布の作業側と駆動側の差の 2個であり、 一方、 利用可能な方程式も当該中間ロールのロール軸方向の力の平 衡条件式とモーメ ン ト平衡条件式の 2個が増えることになり、 他の ロールに関する方程式と連立するこ とにより、 すべての解を求める こ とが可能となる。 このよう にして、 4段以上の圧延機の場合でも 、 少なく と も補強ロール以外のすべてのロールに作用するスラス ト 反力を測定するこ とで、 キスロール状態におけるすべてのロール間 に作用する線荷重分布の作業側と駆動側の差を正確に求めるこ とが 可能となり、 圧下装置の零点調整および圧延機の変形特性を、 特に 作業側と駆動側での非対称性を含めて正確に実施するこ とが可能と なる。
請求項 2 に記載の本発明は、 少なく と も上下補強口ールと上下作 業ロールとを含む 4段以上の多段板圧延機を用いた圧延方法におい て、 少なく と も上下ロールアセンブリ の何れか一方、 好ま し く は、 上下双方のロールアセンブリ における、 補強ロール以外のすべての ロールに作用するロール軸方向スラ ス ト反力を測定し、 前記上下補 W 9/43 52 T JP 強ロールのう ち少なく と も上記スラス トカを測定する側の補強ロー ルの各々の圧下支点位置での圧下方向に作用する補強ロール反力を 測定し、 前記スラス ト反力および前記補強ロール反力の測定値に基 づき、 板圧延機の圧下位置操作量の目標値を演算し、 前記圧下位置 操作量の目標値に基づいて、 圧下位置制御を行う板圧延方法を要旨 とする。
請求項 3 に記載の本発明は、 少なく と も上下補強ロールと上下作 業ロールとを含む 4段以上の多段板圧延機を用いた圧延方法におい て、 少なく と も上下ロールアセ ンブリ の何れか一方、 好ま しく は、 上下双方のロールアセンブリ における、 補強ロール以外のすべての ロールに作用するロール軸方向スラ ス ト反力を測定し、 前記上下補 強ロールのうち少なく と も上記スラ ス トカを測定する側の補強口一 ルの各々の圧下支点位置での圧下方向に作用する補強ロール反力を 測定し、 少なく と も該補強口一ルとこれに接する口一ルとの間に作 用するスラ ス トカを考慮した上で圧延材と作業ロール間に作用する 荷重のロール軸方向分布の ミ ルセ ンタ一に関する非対称性を演算し
、 前記演算結果に基づいて、 板圧延機の圧下位置操作量の目標値を 演算し、 前記圧下位置操作量の目標値に基づいて、 圧下位置制御を 行う板圧延方法を要旨とする。
請求項 2 および請求項 3 に記載の本発明は、 圧延中における レべ リ ング制御を、 圧延反力の測定値に基づいて正確に実施する板圧延 方法に関する。 例えば、 通常の 4段圧延機において、 上作業ロール に作用するロール軸方向スラス ト反力と、 上補強ロールの各圧下支 点位置において圧下方向に作用する補強ロール反力を測定するこ と によって、 上作業ロールおよび上補強ロールに作用するロール軸方 向の力およびモーメ ン 卜の平衡条件式に関与する力のう ちの未知数 は、 以下の 4個となる。 5 T/JP
T B T 上補強ロールチヨ ッ ク に作用するスラ ス ト反カ
T 上作業ロールと補強ロールの間に作用するスラス ト力 T 上作業ロールと補強ロールの間の線荷重分布の作業側 と駆動側の差
P D F : 圧延材と作業ロールの間の線荷重分布の作業側と駆動側 の差
上記の未知数の中に圧延材〜作業ロール間に作用するスラス トカ が含まれていないが、 これは次のような理由による。
ロール間のスラス ト反カは、 弾性体同士の接触による ものであり 、 接触面におけるロール周速は大きさがほぼ同じであるから、 微小 なロール間ク ロ ス角の発生によ って互いに接触するロールの周速べ ク トルのロール軸方向成分に不一致を生じたとき、 摩擦力べク トル はロール軸方向に沿った方向となり、 例えば 0. 2 ° 程度の微少なク ロス角でもロール軸方向スラ ス ト力と圧延荷重の比はほぼ摩擦係数 に等しい 3 0 %前後となる。
これに対して圧延材と作業ロールの間に作用するスラス ト力の場 合、 ロールバイ ト内の中立点以外の場所では、 圧延材の速度と作業 ロール周速とは大きさ自体が一致していないので、 ロールク ロス ミ ルのように 1 ° 前後のク ロス角を与えた場合でも摩擦力べク トルの 方向はロール軸方向とは一致しない。 このため、 ロールバイ ト内の 摩擦力べク トルのロール軸方向成分を積分して得られるスラス トカ は摩擦係数より も大幅に小さ く 5 %前後となる。 従って、 作業ロー ルを積極的にク ロスさせない通常の圧延機の場合、 ロールチヨ ッ ク とハウ ジングウ イ ン ドウの間の間隙によって生じ得るク ロス角は通 常は 0 . 1 ° 以下であるので、 圧延材と作業ロールの間のスラ ス ト 力は無視するこ とができる。
上記の 4個の未知数を求めるために利用できる方程式は、 作業口 ールおよび補強ロールのロール軸方向の力の平衡条件式 2個と、 作 業ロールおよび補強ロールのモーメ ン 卜の平衡条件式 2個の合計 4 個であり、 これらを連立して解く ことによりすべての未知数を求め ることが可能である。 以上の未知数が求められれば上ロール系の変 形は作業側と駆動側での非対称変形を含め正確に計算することが可 能となる。
次に下ロール系については、 既に圧延材と作業ロールの間の線荷 重分布の作業側と駆動側の差が求められており、 これは圧延材に作 用する力の平衡条件より上下等しいので、 下作業ロールと下補強口 ール間の線荷重分布の作業側と駆動側の差が求められれば下ロール 系の変形を作業側と駆動側での非対称変形を含めて計算するこ とが 可能となる。
この問題を解く 際に適用可能な方程式系と しては、 下作業ロール および下補強口一ルの口一ル軸方向の力の平衡条件式 2個と、 下作 業ロールおよび下補強ロールのモーメ ン 卜の平衡条件式 2個の合計 4個であり、 例えば、 下ロール系のスラ ス ト反力も補強ロール反力 も測定できない場合の上記方程式系に関係する未知数は次の 5個と なる。
T : 下補強ロールチ ヨ ッ ク に作用するスラ ス ト反力
T W B B : 下作業ロールと下補強ロールの間に作用するスラ ス ト力
T w B : 下作業ロ ールチ ヨ ッ ク に作用するスラス ト反力
P : 下作業ロールと下補強ロールの間の線荷重分布の作業側 と駆動側の差
P d i B : 下補強ロール圧下支点位置における補強ロール反力の作業 側と駆動側の差
上記未知数のうち、 十分に管理された圧延機では、 下作業ロール と下補強ロール間に作用するスラ ス ト力 T W B B は無視できる程小さ い場合があり、 この場合には、 T W B B = 0 とするこ とで、 残りの未 知数をすベて求めることが可能となる。 このような条件が成立しな い場合でも、 上記の未知数のう ち少なく とも一つを既知とする力、、 または実測することで残りの未知数をすベて求めるこ とが可能とな る。 更に、 好ま しく は、 下ロール系についても作業ロールのスラス ト反力と捕強ロール反力の作業側と駆動側の差が測定できれば、 未 知数の数が方程式の数を下回るので、 最小自乗解を求めることによ り、 更に精度の高い計算が可能となる。
以上の未知数が求められれば下口一ル系の変形についても作業側 と駆動側での非対称変形を含め正確に計算するこ とが可能となり、 上下ロール系のロール変形を合計し、 これに補強ロール反力の関数 と して計算されるハウ ジング · 圧下系の変形を重畳し、 現時点の圧 下位置を考慮することにより上下作業ロール間ギャ ップの作業側と 駆動側での非対称性を正確に計算することが可能となり、 圧延機変 形の結果と して生ずる板厚ゥ エ ッ ジが計算できる。 以上の準備を行 つた上で、 蛇行あるいはキヤ ンバー制御の観点から要求される板厚 ゥ エ ッ ジの目標値を達成するための圧下位置操作量、 特にレベリ ン グ操作量の目標値が演算できるこ とになり、 この目標値に従って圧 下位置制御を実施すればよい。 なお、 以上の説明における上下口一 ル系は、 これを入れ換えても本発明が全く 同様に適用できるこ とは 言うまでもない。
ところで上記説明においては、 圧延材と作業口一ルの間の線荷重 分布の非対称性と しては、 線荷重の作業側と駆動側の差のみを考慮 する場合を考えたが、 線荷重の口ール軸方向分布の非対称性と して は、 上記線荷重の非対称性だけではなく 、 圧延材中心がミ ルセンタ 一とは異なる位置で通板される現象も考えられる。 圧延材中心と ミ ルセンタ一との距離を本発明ではオフセンタ一量と称するが、 オフ センター量については、 圧延機の入側のサイ ドガイ ドによって一定 の許容量内に抑えるこ とが基本である。 それでも発生し得るオフセ ンター量が無視できない場合は、 例えば、 圧延機の入側または出側 の蛇行センサ一による測定値から推定するこ とが好ま しい。 このよ うなセンサ一が設置できず、 しかも無視できないオフセ ンタ一量が 発生し得る場合には、 例えば、 次のような方法を採用する。
作業ロールのモーメ ン 卜の平衡条件式からオフセ ンタ一量と上記 圧延材と作業ロール間の線荷重分布の作業側と駆動側の差の二つの 未知数を分離抽出することは不可能である。 そこで、 上記のように オフセンタ ー量を零と して線荷重の作業側と駆動側の差のみを未知 数とする場合と、 線荷重の作業側と駆動側の差は零と しオフセ ンタ 一量を未知数とする場合の 2つ場合についてレペリ ング操作量の目 標値を算出し、 例えば、 両者の演算結果の重み平均で実際のレペリ ング操作量の目標値を決定する。 この重みの付け方については、 圧 延状況を観察しながら適宜調整することになるが、 一般論と しては 、 レべリ ング操作量の小さい側に大きな重みを配したり、 操作量の 小さい方の値を採用 し、 これに更に、 通常 1 . 0以下の値のチュー ニングフ ァ ク タ一を乗じて制御出力とする方法が現実的である。
また、 圧延機が 4段圧延機ではなく 、 更に、 中間ロールが増えた 場合には、 中間ロールが一本増える毎に、 ロール間接触領域が一箇 所増える こ とになる。 こ う した場合でも、 当該中間ロールのスラス 卜反力を測定すれば、 増える未知数は追加された接触領域に作用す るスラス ト力と線荷重分布の作業側と駆動側の差の 2個であり、 一 方、 利用可能な方程式も当該ロールのロール軸方向の力の平衡条件 式とモ一メ ン ト平衡条件式の 2個が増えるこ とになり、 他のロール に関する方程式と連立することにより、 すべての解を求めることが 可能となる。 このようにして、 4段以上の圧延機の場合でも、 少な く と も補強ロール以外のすべてのロールに作用するスラ ス ト反カを 測定する こ とで、 圧延中のロール間に作用する線荷重分布の作業側 と駆動側の差を含めてすべての未知数を求めるこ とが可能となり、
4段圧延機の場合と同様に最適なレペリ ング操作量を演算すること が可能となる。
請求項 4 に記載の本発明は、 少なく と も上下作業ロールと、 前記 上下作業ロ ールに接触可能に配設された上下補強ロールとを含む 4 段以上の多段板圧延機において、 前記補強ロール以外のすべての口 —ルに作用するロール軸方向スラ ス ト反力を測定するための測定装 置と、 前記上下補強ロールの各圧下支点位置において圧下方向に作 用する補強ロール反力を測定する測定装置とを具備する板圧延機を 要旨とする。
請求項 4 に記載の板圧延機によれば、 以上の請求項 1 、 2、 3 の 圧延方法を実施することが可能である。 既に説明してきたよう に請 求項 1 、 2、 3 の圧延方法を実施するためには、 当該圧延機に、 捕 強ロール以外のすべてのロールに作用するロール軸方向スラス ト反 力の測定装置と、 上下補強ロールの各圧下支点位置において圧下方 向に作用する補強ロール反力の測定装置とが配設されていなければ ならない。
こ こでロール軸方向スラス ト反力の測定装置とは、 例えば、 ロー ルチヨ ッ クを介してロールの軸方向の動きを拘束するキ一パプレー ト、 キーパプレー トを拘束しているスタ ツ ドボル トに作用する荷重 を検出する装置、 ロールの軸方向シフ ト機能を有する圧延機の場合 は該シフ ト装置に負荷される荷重を検出する装置であり、 更には口 ールチ ヨ ッ ク 内に装着してスラ ス トベア リ ングのアウ ター レースに 作用するスラ ス 卜力を直接検出する装置であってもよい。
また、 上下補強ロールの各圧下支点位置において圧下方向に作用 する補強ロール反力の測定装置は、 圧下支点位置に配設されたロー ドセルが一般的であるが、 例えば、 油圧圧下装置を有する圧延機の 場合、 圧下シ リ ンダ一内または圧下シリ ンダ一に直結する配管内の 油圧の測定値から計算する方法でもよい。 ただし、 この場合、 油圧 圧下が急速に圧下位置を変更している状態では、 測定値に大きな誤 差を生ずるので、 圧力データを採取する時は一時的に圧下位置を保 定する等の措置を講ずるべきである。
請求項 5 に記載の本発明は、 少なく と も上下作業ロールと、 前記 上下作業ロールに接触可能に配設された上下補強ロールとを含む 4 段以上の多段板圧延機において、 前記補強ロール以外のすべての口 ールに作用するロール軸方向スラ ス ト反カを測定するための測定装 置と、 前記上下補強ロールの各圧下支点位置において圧下方向に作 用する補強ロー ル反力を測定する測定装置と、 前記スラ ス ト反力測 定装置および前記捕強ロール反力測定装置に接続され、 前記スラ ス ト反カ測定装置および前記補強ロール反力測定装置による測定値を 入力データと して、 少なく と も補強ロールとこれに接するロールと の間に作用するスラス トカを考慮した上で圧延材と作業ロール間に 作用する荷重の口一ル軸方向分布の ミ ルセ ンターに関する非対称性 、 または、 前記上下作業ロール間に作用する荷重のロール軸方向分 布の ミ ルセンターに関する非対称性を演算する演算装置とを具備す る板圧延機を要旨とする。
請求項 5 に記載の板圧延機は、 請求項 1、 2、 3 の圧延方法を実 施するための更に具体的な圧延機である。 既に説明したよう に請求 項 1、 2、 3 の圧延方法を実施するためには、 請求項 4 に記載した 補強ロール以外のロールに作用するロール軸方向スラス ト反力の測 定装置と、 上下補強ロールの各圧下支点位置において圧下方向に作 用する補強ロール反力の測定装置の他に、 少な く と もこれらの測定 値を入力して、 ロール間に作用する線荷重分布およびスラ ス ト力の 非対称性あるいは圧延材と作業ロール間に作用する線荷重分布ゃス ラス ト力の非対称性を計算する演算装置が必要である。
ここで、 最終的にレベリ ングの設定 · 制御のために実施しなけれ ばならないロール系の作業側と駆動側での非対称変形解析に不可欠 なのが、 圧延材と作業ロール間に作用する荷重のロール軸方向分布 の ミ ルセンタ一に関する非対称性、 あるいはキスロ ール状態の場合 は、 上下作業ロール間に作用する荷重のロール軸方向分布の ミ ルセ ンターに関する非対称性である。 請求項 5 に記載の板圧延機では、 これらの値を、 少なく と も補強ロール以外のロールに作用するロー ル軸方向スラ ス 卜反力の測定値と上下補強ロールの各圧下支点位置 において圧下方向に作用する補強ロール反力の測定値とを入力デー タと して演算する演算装置を具備している。
ところで、 補強ロール以外のロールに作用するスラス ト反カを測 定する場合、 上記した測定装置の例の中で、 ロールチ ヨ ッ ク内のス ラス トベア リ ングのアウターレースに負荷される荷重を測定する方 式の測定装置を除いては、 ロールチヨ ッ クをロール軸方向に保持す る外力を測定するこ とになる。 このような形式のスラス ト反カ測定 装置を用いる場合、 各ロールに作用するロールバラ ンスカあるいは 口一ルペンディ ング力に起因するロール軸方向摩擦力が、 スラス ト 反力測定値の大きな外乱となる。 すなわち各ロールの胴部に作用す るスラス ト力の合力によって当該ロールが僅かにスラス ト力の方向 に移動し、 この僅かな変位がロールチヨ ッ クをロール軸方向に固定 しているキーパプレー トゃロールシフ ト装置の弹性変形を誘起する ことによってスラス ト反力が測定されるのである力く、 ロールチ ヨ ッ クが僅かに変位する場合、 ロールチヨ ッ クに当接しているロールべ ンディ ング装置やロールバラ ンス装置の荷重負荷部からロールチ ヨ ッ クの変位を妨げる方向の摩擦力が作用する。 この摩擦力そのもの は測定するこ とが一般に困難であるので、 測定されたスラス 卜反力 の外乱になる。
そこで、 請求項 6〜請求項 1 0 に記載の圧延機はこの問題を解決 する。
なお、 以下の本願発明の説明と請求項においては表現を簡単にす るため、 ロールバラ ンス装置、 ロールバラ ンス力も含めてロールべ ンディ ング装置、 ロールベンディ ング力と総称するこ とにする。 本発明による請求項 6 に記載の本発明は、 請求項 4 に記載の板圧 延機において、 捕強口一ル以外の少なく と も 1 組のロールにロール ベンディ ング装置が配設されており、 前記ロールベンディ ング装置 を有するロールのうち少なく と も 1 本のロールの口一ノレチヨ ッ ク力く 、 ラ ジアル荷重を支持するロールチヨ ッ ク と、 ロール軸方向のスラ ス ト反カを支持するロールチヨ ッ ク とを含み、
前記板圧延機が、 更に、 前記スラ ス ト反力支持用ロールチヨ ッ ク に作用するスラス ト反力を測定する装置を具備する請求項 4 に記載 の板圧延機を要旨とする。
この場合、 ラ ジアル荷重支持用ロールチヨ ッ クは、 例えば軸受の ィ ンナー レースとロール軸を隙間ばめにしたり、 ィ ンナ一レースを 採用 しない円筒コ ロ軸受とするこ とにより スラス トカを受けない構 造にする こ とができる。 このような構造にするこ とによって、 口一 ルベンディ ング力が作用 している状態でも、 上作業ロールの軸方向 の僅かな変位はスラス ト反力支持用チヨ ッ クのみに伝えられるので 、 上記のようなスラ ス ト反カ測定値への外乱は無視できる程小さ く なる。
一方、 下作業ロールが上作業ロールのようにチヨ ッ クが分離され ていない構造で、 下作業ロールにスラ ス ト力が作用 した場合、 上作 業ロールチ ヨ ッ ク との間で口一ルペンディ ング力に対応する摩擦力 が作用するが、 上作業口一ルチョ ッ ク側がスラ ス トカを支持しない ので上作業ロールチ ョ ッ クが下作業ロールチ ョ ッ ク と共にスラ ス ト 力の作用する方向に僅かに変位し、 結局下作業ロールに作用するス ラ ス 卜力の反力も下作業ロールチ ヨ ッ クを介して正確に検出するこ とができる。
更に、 請求項 7 に記載の本発明は、 請求項 4 に記載の板圧延機に おいて、 補強ロール以外の少なく と も 1 組のロールにロールべンデ ィ ング装置が配設されており、 前記ロールベンディ ング装置が、 設 定されたロールベンディ ング力に、 5 H z以上の周波数の振動成分 を付加できる機構を有する板圧延機を要旨とする。
このよう にロールベンディ ング力に所定の力に加えて振動成分を 重畳するこ とで、 ロールベンディ ング力の荷重負荷部とロールチ ヨ ッ ク との間の摩擦力が大幅に緩和され、 スラ ス ト力測定値の測定精 度が大幅に向上する。 これは、 上述したよう にスラス ト力が作業口 ールに作用 した場合、 作業ロールがロール軸方向に僅かに変位する こ とでスラス ト力が測定されるのであるが、 ロールベンディ ングカ が振動している場合、 最も口一ルべンディ ング力が小さ く なつた瞬 間に作業ロールがロール軸方向に変位してスラス ト力を伝達するた めである。 付加する振動成分の周波数が 5 H z未満の場合は、 作業 ロールたわみそのものがロールベンディ ング力の振動に対応して大 き く 変化し、 板ク ラウ ン · 形状に悪影響を与えるとと もに、 ロール 軸方向の摩擦力低減効果も小さ く なるので、 付加する振動成分は 5 H z以上、 好ま し く は 1 0 H z以上が適当である。
更に、 請求項 8 に記載の本発明は、 請求項 4 に記載の板圧延機に おいて、 補強ロール以外の少なく と も 1 組のロールにロールべンデ ィ ング装置が配設されており、 前記ロールベンディ ング装置の荷重 負荷部と、 前記荷重負荷部に当接するロールチ ヨ ッ ク との間に口一 ル軸方向に自由度を有するスライ ドベア リ ングが設けられている請 求項 4 に記載の板圧延機を要旨とする。
このようなスライ ドベア リ ングの存在によって、 ロールベンディ ング力の荷重負荷部とロールチ ヨ ッ ク との間の摩擦力が大幅に緩和 され、 スラス ト反力測定値の測定精度が大幅に向上する。
更に、 請求項 9 に記載の本発明は、 請求項 4 に記載の板圧延機に おいて、 補強ロール以外の少なく と も 1 組のロールに配設された口 一ルべンディ ング装置を具備しており、 前記口一ルべンディ ング装 置は、 ロールチヨ ッ クに当接して該ロールチヨ ッ クに荷重を負荷す る荷重負荷部を有し、 前記ロールベンディ ング装置の荷重負荷部と 前記口一ルチョ ッ ク との間に、 面外変形に対する弾性変形抵抗が口 —ルペンディ ング力の最大値の 5 %以下の薄肉外皮により少なく と も一部が覆われている閉空間に液体を封入した構成の荷重伝達部材 が設けられている板圧延機を要旨とする。
この荷重伝達部材は、 ロールベンディ ング装置の荷重負荷部と口 —ルチヨ ッ ク間に狭圧されるが、 薄肉外皮は内部の液体膜が切れる ことはないように十分な強度を有している。 薄肉外皮の面外変形に 対する抵抗はロールベンディ ング力の最大値の 5 %以下であるので 、 ロールチヨ ッ クのロール軸方向への微小変位に対して、 ロールべ ンディ ング装置の荷重負荷部から作用する見かけ上の摩擦力を十分 に小さ く するこ とが可能となる。 このような荷重伝達部材を配設し ない場合は、 ロールベンディ ング装置の荷重負荷部と ロールチ ヨ ッ クは固体接触となるので、 その摩擦係数は通常 3 0 %前後となる。 これに対して、 本荷重伝達部材を揷入した場合、 内部の液体膜のせ ん断変形抵抗はほとんど無視できるので、 見かけ上の摩擦力はロー ルベンディ ング力の最大値の 5 %以下となる。 その結果、 スラス ト 反力測定値の測定精度が大幅に向上する。
更に、 請求項 1 0 に記載の本発明は、 前記板圧延機は、 補強ロー ル以外の少なく と も 1 組のロールに該ロールを軸方向にシフ 卜する ロールシフ ト装置を具備しており、 前記ロールシフ ト装置は、 前記 ロールに対して振幅 l mm 以上、 周期 3 0秒以下の微小シフ 卜揺動を 与える機能を備えている板圧延機を要旨とする。
このよ う にロールシフ ト装置に揺動機能を与え、 実際に揺動させ ることによって、 ロールベンディ ング装置の荷重負荷部とロールチ ョ ッ クの間に作用する摩擦力の方向が反転するので、 測定されたシ フ ト力すなわちスラ ス ト反力の平均値をとるこ とにより、 正確なス ラ ス ト反力が測定できることになる。 こ こで、 振幅 1 mm以上と して いるのは、 1 mm未満の振幅の場合、 ロールチヨ ッ ク とベア リ ングの ロール軸方向の遊びやロールベンディ ング装置の荷重負荷部の口一 ル軸方向の変形によって揺動が吸収されてしまい、 摩擦力の方向が 逆転するまでに至らないためである。 また、 揺動の周期については 、 この周期で平均値をとつて初めてスラ ス 卜反力のデータが 1 点得 られ、 これに対応した圧下位置制御が可能になるので、 圧延操業に とって意味のある圧下位置制御を実施するためのサイ クルタイムを 3 0秒以下と して決定している。
以上の請求項 6〜 1 0記載の圧延機は、 スラ ス ト反力測定時の外 乱の問題を設備技術上解決したものであるが、 請求項 1 1 〜 1 4記 載の板圧延方法は圧延方法によってこの問題を解決する。
請求項 1 1 に記載の本発明は、 少なく と も上下補強ロールと上下 作業ロールとを含む 4段以上の多段扳圧延機を用いた板圧延方法に おいて、 圧下装置により前記上下補強ロールおよび上下作業ロール を接触状態で締め込み、 少な く と も補強ロール以外のすべてのロー ルに作用する ロール軸方向スラ ス ト反カを測定し、 上下補強ロール の各々の圧下支点位置での圧下方向に作用する補強ロール反力を測 定し、 測定対象となるロールのチヨ ッ クに負荷を与えるロールバラ ンス装置またはロールベンディ ング装置の力の絶対値をロールバラ ンス状態の力の 1 Z 2以下、 好ま しく は零に設定し、 前記スラ ス ト 反力および前記補強ロール反力の測定値に基づき、 前記圧下装置の 零点と板圧延機の変形特性の何れか一方または双方を求め、 これに 基づいて、 圧延実行時の圧下位置設定および/または圧下位置制御 を行う板圧延方法を要旨とする。
上記口一ル軸方向スラス ト反力を測定するときに、 スラス ト反力 の測定対象となるロールのチヨ ッ クに負荷を与えるロールバラ ンス 装置またはロールべンディ ング装置の力の絶対値を口一ルバラ ンス 力の 1 Z 2以下、 好ま し く は零とするこ とにより、 スラ ス ト反力が 正確に測定可能となり、 また、 ロールに作用するモーメ ン トの平衡 条件式に対する外乱因子を最小限に抑えるこ とが可能となり、 より 精度の高い圧下位置設定および圧下位置制御が可能となる。
なお、 こ こで、 ロールバラ ンス状態とは、 圧延を実施していない 無負荷時の上下作業ロール間ギヤ ップが開いた状態において、 上側 のロールを上補強ロール側に引き揚げ、 その上、 各ロール間がス リ ップしないよう に、 更に、 下側のロールについても各ロール間がス リ ップしないように、 各々の補強ロール側に他のロールを押しつけ る方向へ所定の力を各ロールのチ ヨ ッ クに負荷している状態を称す る o
請求項 1 2 に記載の本発明は、 少なく と も上下補強ロールと上下 作業ロールとを含む 4段以上の多段板圧延機を用いた圧延方法にお いて、 少な く と も上下ロールアセ ンブ リ の何れか一方、 好ま し く は 、 上下双方のロールアセンブリ における、 捕強ロール以外のすべて のロールに作用する ロール軸方向スラス ト反力を測定し、 前記上下 補強ロールの各々の圧下支点位置での圧下方向に作用する補強口一 ル反カを測定し、 前記スラ ス ト反力および前記補強ロール反力の測 定値に基づき、 板圧延機の圧下位置操作量の目標値を演算し、 前記 スラ ス ト反カを測定する間、 スラ ス ト反力の測定対象となるロール のチヨ ッ クに負荷を与えるロールバラ ンス装置またはロールべンデ ィ ング装置の力の絶対値をロールバラ ンス状態の力の 1 / 2以下、 好ま しく は零に設定し、 前記圧下位置操作量の目標値に基づいて、 圧下位置制御を行う板圧延方法を要旨とする。
請求項 1 3 に記載の本発明は、 少な く と も上下補強ロールと上下 作業ロールとを含む 4段以上の多段板圧延機を用いた圧延方法にお いて、 少な く と も上下口ールァセ ンブリの何れか一方、 好ま し く は 、 上下双方のロールアセンブリ における、 補強ロール以外のすべて のロールに作用するロール軸方向スラ ス ト反力を測定し、 前記上下 補強ロールの各々の圧下支点位置での圧下方向に作用する補強ロー ル反カを測定し、 圧延中の少なく と も前記スラス ト反力を測定する 時間帯については、 前記スラス ト反力の測定対象となるロールのチ ョ ッ クに負荷を与えるロールバラ ンス装置またはロールベンディ ン グ装置の力の絶対値をロールバラ ンス状態の力の 1 Z 2以下、 好ま し く は零に設定し、 少なく と も圧延材と作業ロール間に作用する荷 重のロール軸方向分布の ミ ルセンタ一に関する非対称性を演算し、 前記演算結果に基づいて、 板圧延機の圧下位置操作量の目標値を演 算し、 前記圧下位置操作量の目標値に基づいて、 圧下位置制御を行 う板圧延方法を要旨とする。
請求項 1 2 、 1 3 に記載の板圧延方法においても、 補強ロール以 外のすべてのロールに作用するロール軸方向スラ ス ト反力を正確に 測定することが必要であり、 前記したように、 このスラ ス ト反力を 正確に測定し、 最適を圧下位置操作量を正確に演算するためには、 スラス 卜反力の測定対象となるロールのチヨ ッ クに負荷を与える口 ―ルバラ ンス装置またはロールべンディ ング装置からの摩擦カを最 小限に抑えるこ とが必要である。 本発明では、 これらの装置から作 用する力を圧延中のみ、 ロールバラ ンス状態の 1 Z 2以下、 好ま し く は零にするこ とでこの問題を解決している。 ただし、 このような ロールバラ ンスカあるいはロールベンディ ング力では圧延中の板ク ラウ ン形状が所望の値とならない場合もあるので、 そのような場合 には、 圧延中のスラス ト力を測定する時間帯に限定して、 上記のよ う に口一ルバラ ンス力または口一ルべンディ ング力の絶対値を小さ く すればよい。
また、 請求項 1 2、 1 3 に記載の板圧延方法では、 スラス ト反力 の正確な測定のために、 ロールバラ ンス力またはロールベンディ ン グ力の絶対値を小さ く することがボイ ン ト となる力く、 ロールべンテ ィ ング装置以外に板クラゥ ン形状制御手段を持たない圧延機では、 このような圧延方法を採用するこ とによって所定の板クラウ ン形状 が得られなく なる可能性がある。 これに対して、 例えば、 ロールシ フ ト機構やロールク ロス機構のよう にロールベンディ ング装置とは 異なる板クラウ ン形状制御手段を有する板圧延機の場合は、 ロール ベンティ ング力の絶対値を通常のロールバラ ンス力の i Z 2以下、 好ま し く は零に設定しながらも、 口一ルシフ ト機構あるいはロール ク ロス機構を活用することによって所定の板クラウ ン形状を達成す るこ とが可能となる。
請求項 1 4 の発明は、 このような圧延機を用いて、 常に所定の板 ク ラ ウ ン形状を達成しながら、 補強ロール以外のスラ ス ト反力を正 確に測定し、 最適な作業側と駆動側の圧下位置制御を実施する板圧 延方法に関する。
すなわち、 請求項 1 4 に記載の本発明は、 ロールベンディ ング装 置以外に板ク ラ ウ ン形状制御手段と、 少なく と も上下補強ロールと 上下作業ロールとを含む 4段以上の多段板圧延機を用いた圧延方法 において、 少なく と も上下ロールアセ ンブリ の何れか一方、 好ま し く は、 上下双方のロールアセンブリ における、 補強ロール以外のす ベての口ールに作用する口ール軸方向スラス ト反力を測定し、 前記 上下補強ロールの各々の圧下支点位置での圧下方向に作用する補強 ロール反力を測定し、 所定の板ク ラ ウ ン形状を得るための設定計算 時に、 前記ロールベンディ ング装置以外の板ク ラ ウ ン形状制御手段 によ り、 ロールベンディ ング力の絶対値をロールバラ ンス状態の 1 Z 2以下、 好ま しく は零になる板圧延機設定条件を演算し、 前記演 算結果に基づいて、 圧延開始直後にロールベンディ ングカをロール バラ ンス状態から前記設定計算値に変更して圧延を実行する板圧延 方法を要旨とする。
また、 上記したロール間スラス ト力は、 一般に上下ロール系で異 なる方向および大きさになるので、 上下の補強ロールで異なるモー メ ン 卜が負荷されるこ とになり、 圧延機の圧下系およびハウジング に負荷される荷重が上下で異なることになる。 このような上下非対 称な負荷は、 作業側または駆動側の圧延機ハウ ジングの内力のみで 平衡する こ とは不可能で、 圧延機ハウ ジングの基礎部分や、 作業側 と駆動側のハウ ジングを結合している部材等を通じて余分な力が加 わることによって平衡する。 従ってこのような負荷形態になった場 合、 圧延機は、 ハウ ジ ングの内力のみで平衡する上下対称な負荷時 とは一般に異なる変形特性を示すことになる。 このよ う な現象が作 業側と駆動側の圧延機ハウ ジングにおいて個別に生ずるため、 上下 非対称な負荷によつて圧延機は作業側と駆動側での非対称な変形を 示すことになる。 このような変形は、 圧延材の板幅方向板厚分布、 そ して伸び率の作業側と駆動側の差に重大な影響をおよぼすこ とに なる。
そこで、 本発明では、 圧延材の伸び率を作業側と駆動側で均等に する圧延操業を実現するための基本要件と して、 ロール間に発生す るスラス ト力に起因して生ずる上下非対称負荷に対する圧延機の変 形特性を正確に同定する板圧延機較正方法および板圧延機較正装置 を提供するこ とをも目的と している。
請求項 1 5 に記載の本発明は、 少なく と も上下補強ロールと上下 作業ロールとを含む 4段以上の多段板圧延機のロール間に作用する スラ ス 卜力に対する板圧延機の変形特性を求める板圧延機較正方法 において、 板圧延機のハウ ジングに圧延荷重に相当する鉛直方向の 荷重を加え、 圧延荷重測定用ロー ドセルを介して、 板圧延機ハウ ジ ングの上方部と下方部に負荷される鉛直方向荷重のう ち少なく と も 何れか一方の荷重を測定し、 前記鉛直方向荷重を加えた状態で、 前 記板圧延機の外部から鉛直方向の外力を加えることで、 板圧延機ハ ゥジングに上下非対称な負荷を与え、 前記口一 ドセル荷重を測定す る板圧延機較正方法を要旨とする。
こ こで、 圧延機の外部からの鉛直方向外力とは、 ロールベンディ ングカやロールバラ ンス力のような、 反力を圧延機ハウ ジングで支 持する力ではないという ことを意味している。
図 2 7 を参照すると、 4段圧延機において、 ロール間の微小ク ロ ス角の存在により、 ミ ル回転に伴って、 上補強ロールには作業側 W Sへの方向、 下補強ロールには駆動側 D Sへの方向のスラス ト力が 作用 している状態が模式的に示されている。 この場合、 作業側 W S の圧延機ハウ ジ ングに負荷される荷重は、 上部荷重が大き く なり下 部荷重が小さ く なる。 その結果、 作業側ハウ ジ ングに負荷される荷 重は作業側ハゥジ ング単体で平衡するこ とはできず、 ハウジ ングの 基礎部分や、 作業側と駆動側のハウ ジ ングを結合している部材から 3 外力を受ける こ とで平衡するこ とになる。
これに対して、 例えば、 ロールベンディ ングカは、 圧延機ハウ ジ ングに固定されたプロジヱ ク 卜プロ ッ クカヽらロールチヨ ッ クにカを 加える形式が多く の場合採用されているが、 このようなプロジヱ ク 卜プロ ッ クに配備されたァクチユエ一夕を用いて上下非対称な負荷 をロールチ ヨ ッ クに与えたと しても、 その反カは該プロ ジヱ ク トブ 口 ッ クを通じて圧延機ハウ ジングに伝えられるため、 その力は圧延 機ハケジ ングの内部で平衡してしまい、 ハウ ジングの基礎部分等か らの外力が作用することにはならず、 上記したようなロール間スラ ス ト力起因の上下非対称負荷とは全く異なる負荷となる。 従って、 スラ ス 卜力起因で生ずる上下非対称負荷に対する圧延機の変形特性 を同定する場合、 上下非対称な負荷を与えるにしても、 その反力を 圧延機ハウ ジング以外の外部構造体で受けるような外力である必要 がある。
以上説明 したような圧延機外部からの鉛直方向外力を圧延機に加 えることで、 前記したようなロール間スラス 卜力起因で発生する上 下非対称負荷をシ ミ ュ レー トすることができ、 更に、 これに対する 圧延機の変形特性の同定も可能となる。 すなわち圧延機外部からの 鉛直方向外力を負荷する前後の圧延荷重測定用ロ ー ドセルの測定値 を得るこ とによって、 該ロー ドセル荷重の変化による圧延機ハウ ジ ング · 圧下系以外の変形量を演算することができ、 この変形量と圧 延機ハウ ジングおよび圧下系の変形量との適合条件式より、 上下非 対称負荷による圧延機ハウ ジ ングおよび圧下系の変形特性を求める こ とが可能となる。
なお、 ロール系の変形特性については、 例えば、 特公平 4- 74084 号公報および特開平 6- 182418号公報に開示されているよう に、 口一 ルの詳細な外形寸法と弾性定数が把握できていれば、 上下非対称負 荷が発生した場合においても正確に計算することは可能であるので 、 ハウジングおよび圧下系の変形特性が正確に同定できれば、 圧延 機全体の変形特性が把握できたこ とになる。 なお請求項 1 5では、 圧延機ハウ ジングに上下非対称荷重を与えるこ とができればよいの で、 例えば、 すべてのロールを圧延機から抜き去った状態で、 ロー ルに代わる較正装置を圧延機内に挿入して所定の鉛直方向荷重を負 荷するという方法も一つの実施形態になり、 逆に、 すべてのロール を組み込んだまま圧延機の圧下装置によってキスロール締め込みを 行い、 更に、 外部から鉛直方向外力を加えるという方法も本願発明 の範囲に含まれる。
請求項 1 6 に記載の本発明は、 少なく と も上下捕強ロールと上下 作業ロールとを含む 4段以上の多段板圧延機のロール間に作用する スラス トカに対する板圧延機の変形特性を求める板圧延機較正方法 において、 少なく と も上下補強ロールを組み込んだ状態で、 補強口 —ルの胴部に圧延荷重に相当する鉛直方向の荷重を加え、 圧延荷重 測定用ロー ドセルを介して、 板圧延機ハウジングの上方部と下方部 に負荷される鉛直方向荷重のう ち少なく と も何れか一方の荷重を測 定し、 前記鉛直方向荷重を加えた状態で、 前記板圧延機の外部から 鉛直方向の外力を加えるこ とで、 上下補強ロールチヨ ッ クを介して 板圧延機ハウジングに上下非対称な負荷を与え、 前記口一 ドセル荷 重を測定する板圧延機較正方法を要旨とする。
この較正方法では、 少なく と も圧延中に使用する補強ロールを組 み込んだまま圧延荷重に相当する鉛直方向荷重を加え、 更に、 上下 非対称負荷も与えるので、 補強ロールチ ヨ ッ ク と圧延機の圧下系あ るいはハゥ ジングとの弾性接触面の変形特性も含めて圧延機ハゥジ ングおよび圧下系の変形特性を把握できるこ とになり、 より高精度 な変形特性の同定が可能となる。 請求項 1 7 に記載の本発明は、 少な く と も上下補強口一ルと上下 作業ロールとを含む 4段以上の多段板圧延機のロール間に作用する スラス 卜力に対する板圧延機の変形特性を求める板圧延機較正方法 において、 補強ロール以外のロールのうち少なく と も一本を抜き取 り、 ロールを抜き取った状態の板圧延機の前記ロールの位置に該ロ —ルに代わる較正装置を組み込み、 補強ロールの胴部に圧延荷重に 相当する鉛直方向荷重を加え、 圧延荷重測定用ロー ドセルを介して 、 板圧延機ハウ ジ ングの上部と下部に負荷される鉛直方向荷重のう ち少なく と もどちらか一方の荷重を測定し、 前記鉛直方向荷重を加 えた状態で、 前記板圧延機の外部から前記較正装置に鉛直方向の外 力を加える こ とで、 上下補強ロールチヨ ッ クを介して板圧延機ハウ ジングに上下非対称な負荷を与え、 前記口一 ドセル荷重を測定する 板圧延機較正方法を要旨とする。
この較正方法では、 補強ロールは組み込んだままで較正を実施す るので、 請求項 1 6 の場合と同様に高精度な圧延機の変形特性の同 定が可能となる上、 例えば、 作業ロールを圧延機から抜き取り、 こ れに代わる較正装置を組み込み、 該較正装置を介して天井ク レーン から上方向の負荷を与えることにより上下非対称な負荷を容易に与 えるこ とが可能となる。
請求項 1 8 に記載の本発明は、 少なく と も上下補強ロールと上下 作業ロールとを含む 4段以上の多段扳圧延機のロール間に作用する スラス トカに対する板圧延機の変形特性を求めるための較正装置に おいて、 作業ロールを抜き取った状態の板圧延機内に、 前記抜き取 つたロールの代わり に組み込むことができる形状を有し、 板圧延機 の作業側および駆動側のどちらか一方あるいは双方のハゥ ジ ングの 外側に出る前記較正装置端部に、 板圧延機外部からの鉛直方向外力 を受ける部材を有する板圧延機較正装置を要旨とする。 この較正装置は、 上記請求項 1 7 の板圧延機較正方法を実施する ための装置であり、 較正装置端部の鉛直方向外力を受ける部材に、 例えば天井ク レーンから上方向の力を加えるこ とによって容易に上 下非対称な負荷を与えるこ とができる。
請求項 1 9 に記載の本発明は、 請求項 1 8 に記載の板圧延機構成 装置において、 較正装置の鉛直方向の寸法が、 板圧延機の上下作業 ロールを合わせた寸法に大略等しく 、 上下作業ロールを抜き取った 状態の板圧延機内に組み込むことができ、 板圧延機の圧下装置を用 いて圧延荷重に相当する鉛直方向荷重を負荷することができるよう に構成されている板圧延機較正装置を要旨とする。
ここで鉛直方向の寸法が上下作業ロールを合わせた寸法に大略等 しいというのは、 圧延機の圧下装置を用いて上記のように圧延荷重 に相当する鉛直方向荷重を負荷するこ とができる寸法範囲であるこ とを意味している。 上下作業ロールを 2本同時に組み替えることは 、 圧延製品の品質の観点から圧延操業において定常的に行われてい る作業であり、 この組み替え作業を効率良く 実施するため組み替え 台車等の特別な装置が用意されていることが多い。 請求項 1 9 の板 圧延機較正装置では、 請求項 1 8 の板圧延機較正装置の利点に加え て、 較正装置の鉛直方向の寸法が圧延機の上下作業ロールを合わせ た寸法に大略等しいため、 上記組み替え台車を利用 して、 通常の作 業ロール組み替えと同様にして、 作業ロールの抜き取り と較正装置 の組み込みを実施できるようにするこ とが容易となり、 作業効率を 極めて高く することが可能となる。
請求項 2 0 に記載の本発明は、 請求項 1 8 に記載の板圧延機構成 装置において、 較正装置の作業側および駆動側のどち らか一方ある いは双方の端部に作用する鉛直方向外力の大きさを測定する測定装 置を具備する板圧延機較正装置を要旨とする。 このよ う な較正装置を用いることにより、 上下非対称負荷を与え るため圧延機外部から負荷する鉛直方向外力の大きさを該較正装置 自身で測定することができるので、 例えば、 負荷する外力の正確な 測定が困難な天井ク レー ン等の装置をそのまま利用することが可能 となる。
請求項 2 1 に記載の本発明は、 請求項 1 8 に記載の板圧延機構成 装置において、 較正装置の上部または下部のどちらか一方の板圧延 機ロールと接触する部材が、 前記板圧延機ロールから受けるスラ ス トカを実質的に開放できるスライ ド機構を具備する板圧延機較正装 置を要旨とする。
請求項 1 8 に記載の板圧延機較正装置を用い、 請求項 1 7記載の 板圧延機較正方法を実施する場合、 圧延機の外部から較正装置に鉛 直方向の外力を負荷した際に、 較正装置と しては一般にモーメ ン ト を受けるので、 較正装置と圧延機のロールとの接触面において摩擦 によるスラ ス ト力が作用する可能性がある。 このよ う なスラ ス トカ は、 圧延機の圧延荷重測定用口一 ドセルに外乱を与えることになる ので、 該板圧延機較正方法の目的である上下非対称負荷による圧延 機の変形特性の把握にと っても外乱となってしま う。
これに対して請求項 2 1記載の板圧延機較正装置では、 上記した ようにロールとの間にスラス ト方向の摩擦力が作用 しても、 これを 開放し、 実質的に零にするこ とができるので、 圧延機の変形特性の 同定を、 より高い精度で実施するこ とが可能となる。
請求項 2 2 に記載の本発明は、 少なく と も上下補強ロールと上下 作業ロールとを含む 4段以上の多段板圧延機のロール間に作用する スラス 卜力に対する板圧延機の変形特性を求めるための較正装置に おいて、 板圧延機のロールチヨ ッ クまたはチヨ ッ クの外側に突出し たロールの端部に装着可能で、 かつ、 板圧延機外部からの鉛直方向 外力を受けることができる板圧延機較正装置を要旨とする。
このような板圧延機較正装置を用いることによって通常の圧延口 ールを組み込んだ状態で、 請求項 1 5 または 1 6 に記載の板圧延機 較正方法を実施することが可能となる。
請求項 2 3 に記載の本発明は、 請求項 2 2 に記載の板圧延機較正 装置において、 該較正装置に作用する鉛直方向の外力の大きさを測 定する測定装置を設けた板圧延機較正装置を要旨とする。
このような較正装置を用いるこ とにより、 上下非対称負荷を与え るため圧延機外部から負荷する鉛直方向外力の大きさを該較正装置 自身で測定することができるので、 例えば、 負荷する外力の正確な 測定が困難な天井ク レー ン等の装置をそのまま利用することが可能 となる。
既述したロール間スラ ス ト力は、 また、 例えば、 ロールチヨ ッ ク 内のスラス ト軸受に作用する荷重を直接検出する装置や、 ロールシ フ ト装置やキーパプレー ト等のロールチヨ ッ クをロール軸方向に固 定している構造体に作用する力を検出する装置によつて測定するこ とは可能である。 然しながら、 このようにしてスラス ト力が測定で き、 補強ロールに作用するスラス ト力が測定できても、 これがどの よう にロー ドセル荷重に影響をおよぼすかは自明ではない。 すなわ ち口一 ドセル荷重は補強ロールのチヨ ッ クに作用する鉛直方向荷重 を測定するのであるが、 このロー ドセル荷重の作業側と駆動側の差 によ って発生するモーメ ン ト は、 作業ロールとの接触面を介して補 強ロールに作用するスラ ス ト力と、 このスラ ス ト力に杭して、 補強 ロールをロール軸方向に固定するために発生するスラ ス ト反力とに よって発生するモーメ ン ト と釣り合う ように決まる。 ところが、 補 強ロールは、 キーパプレー ト以外にも、 圧下装置やロールバラ ンス 装置から大きな荷重を受けており、 これらの鉛直方向荷重に起因す る摩擦カもスラ ス ト反力の一部となり得るため、 合力と してのスラ ス ト反力の作用点の位置は一般に不明であり、 これを求めることが 大きな課題となる。
そこで、 請求項 2 4 に記載の本発明は、 少なく と も上下補強ロー ルと上下作業ロールとを含む 4段以上の多段板圧延機のロール間に 作用するスラ ス トカに対する板圧延機の力学的特性を求める板圧延 機較正方法において、 補強ロール以外のロールを抜き取り、 補強口 ール以外のロールを抜き取った状態で、 補強ロールの胴部に圧延荷 重に相当する鉛直方向荷重を加え、 圧延荷重測定用ロー ドセルを介 して、 少な く と も上下どちらか一方の補強ロールの両端に作用する 鉛直方向荷重を測定し、 前記鉛直方向荷重を加えた状態で、 更に前 記補強ロールの胴部に既知のスラ ス ト力を作用させ、 前記口一 ドセ ル荷重を測定する板圧延機較正方法を要旨とする。
この方法によれば、 既知のスラ ス トカを負荷する前後の前記ロー ドセル荷重の作業側と駆動側の差から、 前記スラス ト力の負荷によ つて補強ロールに生じたモ一メ ン 卜が計算され、 この付加的モーメ ン ト はスラ ス ト反カ作用点位置と前記スラ ス 卜力作用点位置との鉛 直方向距離と前記スラス ト力とによって与えられるから、 これらを 等値した方程式を解く こ とによって直ちにスラ ス ト反カ作用点位置 が求められる。
請求項 2 5 に記載の本発明は、 少なく と も上下補強ロールと上下 作業ロールとを含む 4段以上の多段板圧延機のロール間に作用する スラス トカに対する板圧延機の力学的特性を求めるための較正装置 において、 前記補強ロール以外のロールを抜き取った状態の板圧延 機内に、 これら抜き取ったロールの代わりに組み込むこ とができる 形状を有し、 補強ロールとの間に圧延荷重に相当する鉛直方向の荷 重を負荷した状態で、 補強口ールに既知のロール軸方向スラ ス ト力 を負荷する手段を具備する板圧延機較正装置を要旨とする。
このよ う な機能を有する較正装置を用いるこ とで、 請求項 2 4 に 記載した板圧延機較正方法を実施することが可能となり、 上記した よう に本較正装置から与える既知のスラ ス 卜力と圧延機の口一 ドセ ル荷重の測定値とから補強ロールに作用するスラス ト反カ作用点位 置を求めるこ とが可能となる。
請求項 2 6 に記載の本発明は、 請求項 2 5 に記載の板圧延機較正 装置において、 前記板圧延機較正装置が、 補強ロールとの間に作用 する鉛直方向の荷重のロール軸方向分布を測定可能となっている板 圧延機較正装置を要旨とする。
請求項 2 5 の板圧延機較正装置に、 このような機能を付加するこ とによって、 請求項 2 4 に記載した板圧延機較正方法に従って既知 のスラ ス トカを付与した際、 圧延機の変形が変化するので、 補強口 ールと較正装置との間に作用する鉛直方向の荷重のロール軸方向分 布が変化しても、 その変化量を直接測定でき、 該鉛直方向荷重分布 の変化量が圧延機の口一ドセル荷重の作業側と駆動側の差におよぼ す影響を分離するこ とができ、 既述した補強ロールに作用するスラ ス ト反カ作用点位置を正確に求めることが可能となる。
請求項 2 7 に記載の本発明は、 請求項 2 5記載の板圧延機較正装 置において、 前記較正装置に作用するスラ ス ト反力の合力を支持す る部材が、 較正装置の上下補強ロールと接触する面の鉛直方向位置 の中点に位置するようにした板圧延機較正装置を要旨とする。
請求項 2 5 の板圧延機較正装置は、 補強ロールに既知のロール軸 方向スラ ス トカを負荷するので、 この力に対応するスラ ス ト反力が 該較正装置本体に作用する。 このスラ ス ト反カは、 例えば、 上下補 強ロールに負荷するスラ ス ト力が常に逆向きで同じ大きさであれば 、 そのスラ ス ト反力が互いに平衡状態を保ち、 較正装置全体と して のスラス ト反力の合力は零となる。 然しながら、 本較正装置は、 後 記するよう に常にそのような上下スラス トカバラ ンスで使用すると は限らないため、 一般には本較正装置に作用する スラ ス ト反力の合 力は零にならず、 これを支持する部材が必要となる。 請求項 2 7 で は、 この部材の位置を特定している。 すなわち、 請求項 2 7 に記載 されているように、 スラ ス ト反力の合力を支持する部材が較正装置 の上下補強ロールと接触する面、 すなわち、 スラス ト力の上下作用 点の中点に位置する場合には、 スラス ト反力の合力によって該較正 装置に新たなモ一メ ン 卜が発生しないため、 これによつて捕強ロー ルと該較正装置間に負荷している鉛直方向荷重のロール軸方向分布 が変化するこ とがな く 、 請求項 2 4 の板圧延機較正方法による補強 ロールのスラ ス ト反力作用点位置の同定が高精度に実施できるこ と に よる。
請求項 2 8 に記載の本発明は、 請求項 2 7記載の板圧延機較正装 置において、 較正装置に作用するスラ ス ト反力の合力を支持する部 材が扳圧延機のハウジングに接触する箇所がローラーを備えている 板圧延機較正装置を要旨とする。
板圧延機較正装置全体と してのスラ ス ト反力の合力は圧延機ハウ ジングゃキーパプレー トのような固定部材によつて最終的に支持さ れることになるが、 これらの固定部材と較正装置のスラ ス ト反力支 持部材との間には、 スラス ト反力の合力の他、 一般に、 この力に付 随する鉛直方向の摩擦力が作用する。 この摩擦カは該較正装置に余 分なモーメ ン トを発生するこ とになるので、 請求項 2 4 に記載した 板圧延機較正方法による捕強ロールのスラス ト反カ作用点位置の同 定にとって外乱となる。 これに対して、 請求項 2 8 に記載するよう に、 較正装置のスラ ス ト反力支持部材と圧延機ハウ ジ ング、 または 、 これに類する固定部材との接触箇所をローラー形式にするこ とに よって、 スラス ト反力に起因する摩擦力を実質的に開放するこ とが 可能となり、 上記したような補強ロールのスラ ス ト反カ作用点位置 の同定を高精度に実施するこ とが可能となる。
請求項 2 9 に記載の本発明は、 請求項 2 7記載の板圧延機較正装 置において、 較正装置に作用するスラ ス 卜反力の合力を支持する部 材が較正装置の作業側に存在し、 かつ、 前記補強ロールにロール軸 方向スラス ト力を負荷するァクチユエ一夕 も作業側に配設されてい る板圧延機較正装置を要旨とする。
このような構成とすることによって、 駆動側にも同様の支持部材 が存在する場合に比べて、 該較正装置の組み込みが容易になるとと もに、 補強ロールに負荷したスラ ス ト力の反力が該較正装置の作業 側のみでバラ ンスすることになり、 較正装置の中央部や駆動側には 余分な力が作用することがなく なり、 較正装置自体にスラ ス ト反力 起因の余分な変形を生じることがなく なり、 請求項 2 4 に記載した 板圧延機較正方法を高い精度で実施することが可能となる。
請求項 3 0 に記載の本発明は、 請求項 2 5 に記載の板圧延機較正 装置において、 較正装置を板圧延機に組み込んだ状態で板圧延機の 作業側および駆動側の何れか一方あるいは双方のハゥ ジ ングの外側 に出る前記較正装置端部に、 外部からの鉛直方向の力を受ける部材 を設けた板圧延機較正装置を要旨とする。
この装置を用いると、 前記した補強ロールのスラ ス ト反力作用点 位置の同定以外に、 例えば、 天井ク レーンから該部材に鉛直方向の 力を加えることによつて、 圧延機に上下非対称な荷重を加えること になり、 外力を加える前後の圧延機のロー ドセル荷重の変化より、 上下非対称な負荷に対する圧延機の変形特性を同定するこ とが可能 となる。
請求項 3 1 に記載の本発明は、 請求項 3 0記載の板圧延機較正装 置において、 較正装置の作業側および駆動側の何れか一方あるいは 双方の端部に作用する鉛直方向の外力の大きさを測定する測定装置 を設けた板圧延機較正装置を要旨とする。
このよ う な構成とするこ とによ って、 例えば、 天井ク レー ンのよ うに負荷する鉛直方向力を正確に測定できない外力負荷装置を用い る場合でも、 該較正装置に負荷される外力を正確に把握するこ とが でき、 上下非対称荷重による圧延機の変形特性を正確に求めるこ と が可能となる。 図面の簡単な説明
図 1 は、 本発明を適用する 4段圧延機の正面図である。
図 2 は、 本発明の実施形態による 4段圧延機の略示図である。 図 3 は、 本発明実施形態による圧延機の圧下零点調整方法のフロ
—チヤ一トである。
図 4 は、 4段圧延機の各ロールに作用するロール軸方向のスラス 卜力と、 鉛直方向の力の作業側と駆動側間の非対称成分を示す模式 図である。
図 5 は.、 4段圧延機のハウ ジング · 圧下系の変形特性の演算方法 のフ ローチ ヤ一トである。
図 6 は、 本発明実施形態による補強ロールの反力および作業ロー ルのスラ ス ト力の測定方法のフ ローチ ヤ一トである。
図 7 は、 本発明実施形態による圧下位置制御方法のフ ローチヤ一 トである。
図 8 は、 本発明の他の実施形態によるロールべンディ ング装置を 有する 4段圧延機の該略図である。
図 9 は、 本発明の更に他の実施形態によるロールシフ ト装置を有 する 4段圧延機の該略図である。 図 1 0 は、 本発明の更に他の実施形態によるロールベンディ ング 装置を有する 4段圧延機の概略図である。
図 1 1 は、 本発明の更に他の実施形態によるロールベンディ ング 装置を有する 4段圧延機の場合の概略図である。
図 1 2 は、 荷重伝達部材の拡大図である。
図 1 3 は、 他の実施形態による荷重伝達部材の拡大図である。 図 1 4 は、 本発明実施形態による作業ロールベンディ ング装置、 作業ロールシフ ト装置、 および、 スラ ス ト反力測定装置機構を有す る 4段圧延機の場合の概略図である。
図 1 5 は、 4段圧延機の場合の圧下零点調整方法の更に他の実施 形態を示すフ ローチ ヤ一卜である。
図 1 6 は、 本発明実施形態による補強ロールの反力および作業口 一ルのスラス ト力の測定方法のフローチヤ一卜である。
図 1 7 は、 4段圧延機における本発明の更に他の実施形態による 圧下位置の制御方法のフローチヤ一 トである。
図 1 8 は、 ロールク ロス方式 4段圧延機における本発明の更に他 の実施形態による圧下位置の制御方法のフ ローチ ヤ 一 トである。 図 1 9 は、 本発明実施形態による板圧延機較正装置の略示正面図 ¾ o
図 2 0 は、 図 1 における板圧延機較正装置の平面図。
図 2 1 は、 本発明の更に他の実施形態による板圧延機較正装置の 略示正面図である。
図 2 2 は、 図 2 1 の板圧延機較正装置の平面図。
図 2 3 は、 本発明の更に他の実施形態による板圧延機較正装置の 略示正面図である。
図 2 4 は、 本発明の更に他の実施形態による板圧延機較正装置の 略示正面図である。 図 2 5 は、 図 2 1、 2 2 に示す板圧延機較正装置を用いた板圧延 機較正方法のフローチヤ一 トである。
図 2 6 は、 図 2 4 に示す板圧延機較正装置を用いた板圧延機較正 方法のフ ローチ ャ ー トである。
図 2 7 は、 4段圧延機のロール間に作用するスラ ス ト力と圧延機 ハウ ジ ングに作用する力を示す模式図である。
図 2 8 は、 更に他の実施形態による板圧延機較正装置の正面図で め
図 2 9 は 図 2 8 の板圧延機較正装置の平面図である。
図 3 0 は 更に他の実施形態による板圧延機較正装置の正面図で ある。
図 3 1 は 図 3 0 の板圧延機較正装置の平面図である。
図 3 2 は 更に他の実施形態による板圧延機較正装置の正面図で める。
図 3 3 は 図 3 2 の板圧延機較正装置の平面図である。
図 3 4 は 本発明請求項 2 4 の板圧延機較正方法で、 補強ロール に作用するスラス ト反力作用点の位置を求める方法の好ま しい実施 形態のアルゴ リ ズムを示す図である。
図 3 5 は、 本発明の他の実施形態による板圧延機較正方法であつ て、 圧延機に上下差荷重が生じたときの圧延機変形特性を求める方 法のフ ローチヤ一トである。 発明を実施する最良の態様
以下に添付の図面を参照して本発明の実施の形態について説明す る。 以下では、 簡単にするためすベて 4段圧延機を例と して説明す るが、 既に説明したように本発明は、 更に中間ロールが加えられた 形式の 5段あるいは 6段以上の圧延機にも同様に適用できる。 先ず、 図 1 、 2 を参照すると、 本発明を適用する圧下装置を備え た 4段圧延機の一例が示されている。 この圧延機は門形のハウ ジ ン グ 2 0 に上下捕強ロール 2 4、 3 6 と上下作業ロール 2 8、 3 2力 、 上下補強口ールチ ヨ ッ ク 2 2 a、 2 2 b、 3 4 a、 3 4 bおよび 上下作業ロールチヨ ッ ク 2 6 a、 2 6 b , 3 0 a . 3 O bを介して 回転自在に支持されている。 上下補強ロールチヨ ッ ク 2 2 a、 2 2 b、 3 4 a、 3 4 bおよび上下作業ロールチヨ ッ ク 2 6 a、 2 6 b , 3 0 a , 3 0 bは、 ハウ ジング 2 0 に沿って鉛直方向に移動可能 に支持されており、 上下作業ロール 2 8、 3 2 に所望の圧延荷重を 与えるために、 ハウ ジング 2 0 の上部に圧下装置 1 が配設されてい る。 以下、 電動モータにてスク リ ユーを駆動する圧下装置について 説明するが、 本発明は、 油圧圧下装置にも適用するこ とができる。 圧下装置 1 は、 押圧ブロ ッ ク 3 8 a、 3 8 bを介して上補強ロー ノレチヨ ッ ク 2 2 a、 2 2 bに当接するスク リ ュー 4 0 a、 4 O b と 、 減速装置 4 4 a、 4 4 bを介してスク リ ュー 4 0 a、 4 0 bに連 結された一対の駆動モータ 4 6 a、 4 6 b とを具備している。 駆動 モー夕 4 6 a、 4 6 bはシ ャ フ ト 4 0 a、 4 O bを介して互いに連 結されている。 ハウジング 2 2 a、 2 2 bの上部には、 スク リ ユー 4 0 a、 4 O b と係合するナッ ト 4 2 a、 4 2 bが固定されており 、 駆動モータ 4 6 a、 4 6 bによりスク リ ユー 4 0 a、 4 0 bを回 転することにより、 スク リ ュー 4 0 a、 4 0 bは鉛直方向に上下動 し、 上補強ロールチヨ ッ ク 2 2 a、 2 2 bの鉛直位置決めが行われ る。 これにより、 上下作業ロール 2 8、 3 2間に所望の圧延荷重が 与えられる。 より詳細には、 スク リ ュー 4 0 a、 4 0 b と上作業口 —ルチヨ ッ ク 2 2 a、 2 2 bの当接部を側面から見た拡大断面図で ある図 1 を参照すると、 スク リ ユー 4 0 a、 4 0 b と上補強ロール チヨ ッ ク 2 2 a、 2 2 bの間には、 先端部 4 0 a、 4 0 b aを支承 するスラ ス ト軸受 3 8 a、 3 8 b aを有する押圧ブロ ッ ク 3 8 a、 3 8 bが配設されており、 スク リ ュー 4 0 a、 4 0 bの押圧ブ口 ッ ク 3 8 a、 3 8 bを介して上補強ロールチヨ ッ ク 2 2 a、 2 2 bに 当接している。 また、 本実施形態における圧延機は、 上下作業口一 ル 2 8、 3 2 を各々の長手方向にシフ 卜させるための作業ロールシ フ ト装置 7 0 を具備している。 作業ロールシフ ト装置 7 0 は、 連接 棒 7 2 を介して上下作業ロールチヨ ッ ク 2 6 a、 2 6 b、 3 0 a , 3 0 bに連結されている。
押圧ブロ ッ ク 3 8 a、 3 8 b と上補強ロールチヨ ッ ク 2 2 a、 2 2 bの間、 および、 下補強ロールチヨ ッ ク 3 4 a、 3 4 b と該圧延 機のベース 2 0 aの間には補強ロール反力測定用ロー ドセル 1 0 a 〜 1 0 dが配設されている。 更に、 作業ロールシフ 卜装置 7 0 の連 接棒 7 2 と上下作業ロールチヨ ッ ク 2 6 a、 2 6 b、 3 0 a、 3 0 bの間には、 上下作業ロール 2 8、 3 2 のスラス ト反力測定用口一 ドセル 1 0 e、 1 0 f が配設されている。
ロー ドセル 1 0 a〜 l 0 f は演算装置 1 0 に接続されている。 演 算装置 1 0 は、 ロー ドセル 1 0 a〜 1 0 f の出力信号に基づいて、 少なく と も作業ロール 2 8、 3 2 間に作用する荷重のロール軸方向 分布の ミ ルセ ンターに関する非対称性、 または上下作業ロール 2 8 、 3 2間に作用する荷重のロール軸方向分布の ミ ルセンタ一に関す る非対称性を演算する。
演算装置 1 0 による演算結果は圧下装置駆動機構制御装置 1 4 に 送られ、 この演算結果に基づいて圧下装置駆動機構と してのスク リ ユー 4 0 a、 4 O bの駆動モータ 4 6 a、 4 6 bが制御される。 な お、 演算装置 1 0 と しては、 通常はプロセスコ ンピュータが用いら れるが、 この演算装置が独立したコ ン ピュータになつている必要は なく、 より包括的な機能を有するコ ン ピュータの中で、 上記した機 能を果たすプロ グラ ムの一部が存在すれば、 そのプロ グラ ムの一部 とコ ンピュータを合わせて上記演算装置 1 0 と見なすことができる 油圧圧下装置の場合には、 圧下装置駆動機構が油圧ポンプ等を含 んでいるこ とは言うまでもない。
なお、 作業口一ルシフ ト装置 7 0 a、 7 0 bのァクチユエ一タカく 油圧シ リ ンダー (図示せず) の場合は、 ロー ドセル 1 0 e、 1 0 f の代わり に油圧シ リ ンダー内あるいは油圧シ リ ンダ一に連結された 油圧配管 (図示せず) の圧力を測定する圧力測定装置 (図示せず) で作業口一ル 2 8、 3 2 のスラス ト反力を測定してもよい。 また、 作業口一ルシフ ト装置 7 0 a、 7 0 bを有しない場合は、 既に説明 したように、 作業口一ノレ 2 8、 3 2 のロールチ ヨ ッ ク 2 6 a、 2 6 b、 3 0 a、 3 O b内に配設されたスラス ト反力測定装置 (図示せ ず) や、 作業ロールチヨ ッ ク 2 6 a、 2 6 b、 3 0 a、 3 0 bを口 —ル軸方向に拘束するキーパプレー ト (図示せず) に作用する荷重 を測定する装置等を用いることができる。
次に、 図 3 を参照して図 1 、 2 に示した圧延機における圧下装置 の零点調整の好ま しい実施形態を声明する。
圧下零点調整は、 ロール組み替えの後に実施され、 通常は、 補強 口一ル反力が所定の零調荷重、 例えば 1 0 0 0 t 、 になるまで圧下 装置 1 によりキスロール締め込みを実施する (ステップ S 1 0 ) 。 このとき作業側と駆動側の補強ロール反力が等し く なるように作業 側と駆動側のスク リ ユー 4 0 a、 4 0 bのレペリ ングも調整した上 で圧下位置を仮に零に リ セッ 卜する (ステップ S 1 2 ) 。 前記補強 ロール反力と しては、 上作業ロール反力、 つま り、 押圧ブロ ッ ク 3 8 a、 3 8 b と上補強ロールチヨ ッ ク 2 2 a、 2 2 bの間のロー ド セル 1 0 a、 1 0 bにより測定される反力、 または、 下作業ロール 5 反力、 つま り、 下ロールチ ヨ ッ ク 3 4 a、 3 4 b とベース 2 0 aの 間の口一 ドセル 1 0 c、 1 0 d によ り測定される反力の何れかを単 独で用いることができる。 上下補強ロール反力の平均値、 つま り、 ロー ドセル 1 0 a〜 1 0 dにより測定される反力の平均値を用いて もよい。
次に、 ステップ S 1 4 において、 キスロールを締め込んだ状態で ロー ドセル 1 0 a〜 1 0 dにより補強ロール 2 4 、 3 6 の反力が測 定され、 ステップ S 1 6 においてロー ドセル 1 0 e、 1 0 f により 上下作業ロール 2 8、 3 2 のスラ ス ト反力が測定される。 これらの 測定値は、 後述するように補強口ール 2 4、 3 6 と作業口一ル 2 8 、 3 2 に作用するロール軸方向の力の平衡条件式およびモーメ ン ト の平衡条件式から、 演算装置 1 2 によ り補強ロール 2 4 、 3 6 のス ラス ト反力、 各ロール 2 4、 2 8 、 3 2、 3 6 間に作用するスラ ス トカおよび線荷重分布の作業側と駆動側間の差が演算される (ステ ップ S 1 8 ) 。 この演算方法の具体例を次に示す。
図 4 を参照すると、 各ロール 2 4 、 2 8、 3 2、 3 6 に作用する 口一ル軸方向の力と各口一ノレ 2 4 、 2 8 、 3 2 、 3 6 のモーメ ン ト に関係する力を模式的に示されている。 こ こでは、 鉛直方向の力に ついては、 口ールのモーメ ン トに関係する作業側と駆動側での非対 称成分のみを考慮しており、 更に説明を簡単にするため、 ロール間 に作用する線荷重分布の作業側と駆動側での非対称成分のうち幅方 向、 つま り、 ロ ールの長手方向座標の 1 次式成分のみを考慮の対象 と している。 実際に適用する場合には、 圧延機の変形特性に応じて 、 幅方向座標の 3 次以上の成分を重ね合わせた非対称成分を採用す るこ と も可能である。
図 4 に示した力の成分のうち測定値が利用できるのは次の 4個で ある。 P d , T : 上捕強ロール圧下支点位置における捕強ロール反力作業側 と駆動側間の差
P d f B : 下補強ロール圧下支点位置における補強ロール反力作業側 と駆動側間の差
Tw T : 上作業ロールに作用するスラ ス ト反力
T w B : 下作業ロールに作用するスラ ス ト反力
また、 未知数となるのは次の 8個の変数である。
T B 7 : 上補強ロールチ ヨ ッ ク 2 2 a、 2 2 bに作用するスラ ス ト反カ
T WBt : 上補強ロール 2 4 と上作業ロール 2 8 の間に作用するス ラ ス ト力
Tww : 上下作業ロール 2 8 、 3 2 の間に作用するスラス ト力 T WBb : 下作業口ール 3 2 と下補強口一ル 3 6 の間に作用するス ラ ス ト力
T B B : 下補強ロールチヨ ッ ク 3 4 a、 3 4 bに作用するスラス ト反カ
P d 'WBt : 上補強ロール 2 4 と上作業ロール 2 8 の間の線荷重分布 の作業側と駆動側間の差
P d f w B B : 下作業ロール 3 2 と下捕強ロール 3 6 の間の線荷重分布 の作業側と駆動側間の差
P d fww : 上下作業ロール 2 8、 3 2の間の線荷重分布の作業側と 駆動側間の差
なお、 図 4 中の捕強ロールに作用するスラス ト反力の作用点位置 と補強ロール軸心位置との距離 h B τ および h B B は、 例えば、 既 知のスラス トカを与えて補強ロール反力変化を観察するこ とで予め 決定しておく ものとする。
また作業ロールのスラ ス ト反力の作用点位置は、 図 4 では作業口 ール 2 8 、 3 の軸心位置に作用する ものと しているが、 作業口一 ルチヨ ッ ク 2 6 a、 2 6 b、 3 0 a、 3 0 bの形式や支持機構によ つてはロール軸心位置よりずれる可能性もある。 このような場合に は、 やはり作業ロール 2 8 、 3 2 に既知のスラス ト力を与える等の 方法によってスラス ト反カ位置を予め決定しておく ものとする。
図 4から、 上補強ロール 2 4、 上作業ロール 2 8 、 下作業ロール 3 2、 下補強ロール 3 6のロール軸方向の力の平衡条件式はそれぞ れ次のようになる。
- T WBT = T B T … 1 )
ί W B ― Γ W W— T W
1 W W― T B ~ T W ··· ( ! ソ
T WB B = T B B … 4 )
また、 上補強ロール 2 4、 上作業ロール 1 8、 下作業口ール 3 2 および下補強ロール 3 6のモーメ ン トの平衡条件式は次式で与えら れる。
T W B ( D B τ / 2 + h τ ·\
B T ) + P D FWBT ( 1 W B ノ 2 / 1 2
P d , τ · a Β τ / 2 ( 5 ) τ . / 2 2
T W B D w τ + T ww • D w τ / 2 - p d ( w B , ( 1 W Β )
/ 1 2 + ρ d f ww ( 1 Λ 2
W Wノ / 1 = 0 ( 6 )
T W B * D w / 2 Β Λ 2
+ T ww • D w B / 2 + p d 'WB Β ( 1 W Β ノ
/ 1 - P d f ww ( 1 Λ 2
WWノ / 1 2 = 0 ( 7 )
T W B * (D a B / 2 + h B 8 ) - " 'WB8 ( 1 W Β ) 2 / 1 2 一 P d f α B / 2 ( 8 ) こで、 D B U B D w τ D w B は、 それぞれ上下捕強
Π ―ル 2 4 3 6 の直径および上下作業ロール 2 8 3 2 の直径で あり T
1 W B 1 W W 1 W B はそれぞれ上捕強ロール 2 4 と上作業 ロール 2 8 の間の接触領域、 上下作業ロール 2 8 3 2 の間の接触 W 9 52 領域、 および、 下作業ロール 3 2 と下補強ロール 3 6 の間の接触領 域のロール軸方向の長さである。
なお、 式 ( 5 ) および ( 8 ) では、 式 ( 1 ) および ( 4 ) を用い て T B t および T b b を消去している。 以上の 8個の方程式を連立 して解く こ とにより、 上記 8個の未知数をすベて求めることができ る
次に、 上記演算結果を用いて、 圧下装置の零点を調節した状態に おける各ロール 2 4、 2 8、 3 2、 3 6 の変形量の作業側と駆動側 間の差を計算し、 この作業側と駆動側間の差をスク リ ュー 4 0 a、 4 0 bの支点位置、 つま り、 スク リ ユー 4 0 a、 4 0 bの中心軸線 に換算して圧下装置の零点位置の補正量を演算する (ステップ S 2
0 )
ロール変形量の作業側と駆動側間の差は、 主と して各ロール 2 4 、 2 8、 3 2、 3 6 間に作用する線荷重分布の作業側と駆動側での 非対称成分によって発生する。 こ こでロールの変形は、 ロールの偏 平変形と、 ロールの撓み変形と、 ロールのネ ッ ク部における橈み変 形を含んでいるが、 ロール変形の作業側と駆動側間の差の主因は口 —ル偏平変形量の作業側と駆動側間の差である。 このロール偏平変 形量の作業側と駆動側間の差は、 既に求められた p d f W B T 、 p d B 、 P d f w wより直ちに計算することができる。 この計算結果より求 められるロール胴端位置における偏平変形量の合計の作業側と駆動 側間の差を補強ロールの圧下支点位置にまで外揷することで、 圧下 装置の零点位置の補正量が演算され、 圧下零点位置を上記ロール変 形量の作業側と駆動側間の差が存在しない場合の位置に修正される (ステップ S 2 2 ) 。 なお、 この偏平変形量の外挿に際してはロー ルたわみの非対称性および口一ルネ ッ ク部の変形の非対称性を考慮 してもよい。 零調時に発生したロール間スラス トカは、 圧延中も全く 同様に発 生する可能性は小さいので、 圧下位置の基準となる圧下零点と して は、 口一ル間スラス ト力が零の状態を基準とするこ とが好ま しい。 このため上記したロール間スラス ト力に起因する作業側と駆動側で の非対称負荷が発生しない理想状態を真の圧下零点とすることが望 まれる。 すなわち、 上記で計算したロール変形量の作業側と駆動側 での非対称量分を解消する方向に圧下位置を移動した位置を真の零 点とするこ とになる。 圧下位置零点をこのように設定することによ つて、 実際の圧延時に発生する作業側と駆動側での非対称負荷およ び変形を考慮して正確な圧下設定を実施することが可能となる。 なお同様の効果を得るこ とを目的とする場合、 図 3 のように圧下 零点を修正してしま うのではなくて、 零調時のこのようなロール非 対称変形量そのものを記憶しておき、 実際の圧下設定時に常にその 分を補正する方法でも対処することは可能である。 このような方法 でも、 実質的に圧下設定計算時に零点を補正している こ とになり、 本発明の別の実施形態となることは明らかである。
また、 こ こでは作業側と駆動側での非対称変形のみに注目 して説 明したが、 実際の零調時の補強ロール反力の作業側と駆動側の合計 値すなわち零調荷重の作業側と駆動側の合計値とその目標値との間 に差異がある場合は、 この作業側と駆動側の対称成分も含めて圧下 装置の零点位置を修正することも板厚精度の観点で重要である。 た だし、 この場合も実際の零調荷重を記憶しておき、 圧下設定計算時 に常に実際の零調荷重を基準と して用いることでも対処可能である ところで、 零調荷重は、 基本的には荷重の作業側と駆動側間の差 が零を目標とするのが一般的である。 然しながら、 実際の零調荷重 に有意な作業側と駆動側間の差を生じた場合、 上述したように、 こ の作業側と駆動側間の差も含めて記憶しておいて、 圧下設定計算時 に、 常に、 この作業側と駆動側間の差を含めた実績零調荷重を基準 と して用いることで対応可能である。 もっ と も、 圧下設定計算時に 零調荷重の実績荷重を用いるこ とができない場合は、 図 3で示した ようなロール変形量の作業側と駆動側間の差だけではなく 、 補強口 ール反力の作業側と駆動側間の差に起因するハウ ジングおよび圧下 系の変形量の作業側と駆動側間の差も補正する必要がある。
次に、 図 5 を参照して 4段圧延機の変形特性、 いわゆる ミ ルス ト レ ツチを求める方法を説明する。 ミ ルス ト レ ッ チは、 圧延機に圧延 荷重が負荷された際、 圧延機の弾性変形の結果と して生ずる上下作 業ロール間のギヤ ップの変化を意味する。 この ミ ルス ト レツチの把 握の際、 ロール系の変形については高精度に求めるこ とができるが 、 ロール系以外のハウ ジング · 圧下系の変形特性は多く の弾性接触 面を含むため理論的に正確に把握するこ とは一般に困難である。 特公平 4- 74084 号公報には、 圧延作業前に予めキス口一ル締め込 みテス トを実施して、 そのときの各締め込み荷重に対する変形量か らロール系の変形量を計算して分離し、 ハウ ジ ング · 圧下系の変形 特性を分離する方法が開示されている。 また、 特開平 6 - 182418号公 報には、 作業側と駆動側のハウジング · 圧下系の変形特性を独立し て分離する方法が開示されている。
ところが、 特開平 6 - 182418号公報の方法では、 ロール間に作用す るスラス 卜力の影響が一切考慮されていないので、 口一ル間スラス ト力がある程度以上の値になつた場合には十分な精度が得られない 問題がある。 本発明によれば、 図 4 を参照して説明したように、 キ スロール締め込みテス トを実施する際に、 上下 · 作業側と駆動側の 補強ロール反力と上下作業ロールのスラス ト反カを測定することに より、 この問題も解決するこ とができる。 まず、 各圧下位置条件に対するロー ドセル 1 0 a〜 1 0 dにより 上下捕強ロール 2 4、 3 6 の反力と、 上下作業ロール 2 8、 3 2 の スラス ト反カを測定値する (ステップ S 2 4 ) 。 次に、 上記した圧 下零点調整の場合と全く 同様にして、 補強ロール 2 4、 3 6 および 作業ロール 2 8、 3 2 に作用するロール軸方向の力の平衡条件式と モーメ ン 卜の平衡条件式より、 上下補強ロール 2 4、 3 6 のスラ ス ト反力、 口一ノレ 2 4、 2 8、 3 2、 3 6 間に作用するスラス 卜力お よび線荷重分布の作業側と駆動側間の差を演算する (ステ ッ プ S 2 6 ) o
これらロール間の荷重分布が求められれば、 特公平 4 - 74084 号公 報に開示されている方法等によって、 補強ロール 2 4、 3 6 および 作業ロール 2 8、 3 2 のたわみ変形および偏平変形を作業側と駆動 側間の差を含めて計算することができ、 これらの変形の結果と して 捕強ロール 2 4、 3 6 の圧下支点位置に生じる変位を計算すること ができる (ステップ S 2 8 ) 。 最後に ミ ル全体の変形量は圧下位置 変化で評価されているので、 これより上記圧下支点位置における口 —ル系の変形量を差し引き、 ハウ ジング · 圧下系の変形特性を作業 側と駆動側で独立に演算する (ステップ S 3 0 ) 。
こ う して、 正確に得られた口ール間スラス ト力に基づく 口一ル変 形計算を実施することで、 ハウジング · 圧下系の変形特性を、 その 作業側と駆動側間の差を含めて正確に求めるこ とが可能になる。
なお、 ロール間スラス ト力がかなり大き く なるような圧延機に本 方法を適用する場合、 上下補強ロール反力に大きな差異を生じ、 上 下補強ロール反力差がハウ ジ ング · 圧下系の変形特性におよぼす影 響が無視できない場合もある。 このような場合には、 例えば、 口一 ル間に微小なク ロス角を与える等の手段で種々の上下ロール反力差 を生じせしめて、 上記手続きに従ってハウ ジ ング · 圧下系の変形特 性を求め、 これを上下反力差の関数と しても整理するこ とで正確な 圧延機の変形特性を得ることが可能となる。
また、 一般に、 ハウジング · 圧下系の変形特性は、 圧延荷重によ つて変化するので、 複数の圧下位置および締め込み荷重水準に対し てデータ採取を行う ことが必要である。 図 6 に複数の圧下位置およ び荷重水準に対してデータを採取するアルゴリ ズムを示す。
先ず、 ステップ S 3 2 において、 全てのロール 2 4、 2 8、 3 2 、 3 6が接触したキスロール状態で、 圧下装置 1 により所定の圧下 位置まで締め込み、 その状態で圧下位置の実績値を測定する (ステ ップ S 3 4 ) 。 次いで、 ロー ドセル 1 O a ~ l O dにより圧下荷重 を測定し (ステップ S 3 6 ) 、 ロー ドセル 1 0 e、 1 0 f により上 下作業ロール 2 8、 3 2のスラス ト反力を測定する。 次いで、 ステ ップ S 4 0 において、 所定の圧下位置水準に関するデータ採取が完 了したか否かを判断する。 データ採取が完了していなければ、 つま り、 ステップ S 4 0 において N oの場合、 ステップ S 4 2 において 圧下位置を変更してステップ S 3 4 に戻り、 上記の手順を繰り返す 。 所定の圧下位置水準に関するデータの採取が完了すると、 つま り ステップ S 4 0 において Y e s の場合、 ステップ S 4 4 においてデ 一夕の採取が完了する。
データを採取する圧下位置水準の数は多い方がよいが、 通常の圧 延機では 1 0〜 2 0点程度のデータを採取できれば実用的な精度は 得られる。 ただし、 この時、 圧下装置を締め込む方向と開放する方 向とで締め込み荷重に差異を生じる、 いわゆる ミ ルヒステリ シスを 生ずるこ とが多いので、 このような場合には、 締め込み方向と開放 方向の少なく と も 1 往復動作に対するデータを採取し、 例えば、 両 者の測定データを平均化する等の操作を行う こ とが好ま しい。
図 7 を参照して、 作業ロール〜圧延材間に作用するスラス ト力が 無視できないようなロールク ロス方式 4段圧延機の圧下位置制御の 好ま しい実施形態を説明する。
まず、 ロー ドセル 1 0 a〜 l 0 dにより圧延中の上下捕強ロール
2 4、 3 6 の圧下支点位置に作用する補強ロール反力を測定し、 口 ー ドセル 1 0 e、 1 O f により上下作業ロール 2 8、 3 2 のスラス ト反カを測定する (ステップ S 4 6 ) 。 次に、 既述した補強ロール
2 4、 3 6 および作業ロール 2 8、 3 2 に作用するロール軸方向の 力の平衡条件式とモーメ ン トの平衡条件式より、 補強ロール 2 4、
3 6 のスラス ト反力、 補強ロール 2 4 と作業ロール 2 8 の間および 作業ロール 3 2 と補強ロール 3 6 の間に作用するスラス ト力と線荷 重分布の作業側と駆動側間の差、 および、 作業ロール 2 8、 3 2 と 圧延材 (図示せず) の間に作用するスラス ト力と線荷重分布の作業 側と駆動側間の差を演算する (ステップ S 4 8 ) 。
この例では、 圧延材のオフセンター量はセンサーによって測定さ れた値等で既知であると しているので、 上記演算手続きは、 図 3 の 圧下零点調整の場合と同様の手法で実行できる。 この演算により得 られたロール間および圧延材と作業ロールの間の荷重分布を用いて 、 捕強ロール 2 4、 3 6 および作業口—ル 2 8、 3 2 のたわみ変形 および偏平変形を作業側と駆動側間の差を含めて計算すると共に、 ロー ドセル 1 0 a〜 1 0 dにより測定された補強ロール 2 4、 3 6 の反力の関数と してハウジング · 圧下系の変形を計算し、 現時点で の板厚分布を演算する (ステップ S 5 0 ) 。 この時、 ハウ ジング ' 圧下系の変形特性については、 上記図 6 に示した方法で得られた特 性を用いるこ とが好ま しい。
そして圧延操業上の目標と して予め決められている板厚分布と、 上記演算された現時点の板厚分布実績の推定値とから、 上記目標値 を達成するための圧下位置操作量の目標値を演算し (ステップ S 5 2 ) 、 この目標値に基づいて圧下位置制御を実施する (ステ ッ プ S 5 4 ) o
この方法によるこ とで、 ロールバイ 卜直下で発生している扳厚分 布の非対称性を正確かつ時間遅れなく把握するこ とが可能となり、 特に迅速かつ適切な圧下位置制御が求められるホ ッ ト ス 卜 リ ップ仕 上圧延における先端通板および尾端通板時の通板安定に大きな効果 が得られる。
なお、 以上説明したような圧延機単体から得られる情報を、 蛇行 センサーやルーパロ一 ドセル等の圧延機入側および出側の検出装置
、 更にはタ ンデム圧延の場合、 上流側および下流側の他の圧延機か らの情報等を組み合わせて総合的な制御を実施するこ と も有効であ る。
図 7では、 ロールク ロス方式圧延機を対象と して、 作業ロール 2 8 、 3 2 と圧延材の間に作用するスラス 卜力も考慮した制御方法を 示したが、 ロールク ロス方式圧延機ではない通常の 4段圧延機の場 合、 既に説明 したよ う に作業ロールと圧延材間のスラ ス ト力は無視 できる程小さいので、 上下どちらか一方のロール系の情報だけでも 、 図 7 と同様の制御が実施可能である し、 上下すベての測定値を用 いることができる場合は、 未知数が 1 個少なく なるので、 ロール軸 方向の力の平衡条件式とモーメ ン 卜の平衡条件式をすベて用いて最 小自乗解を求めるこ とにより、 より精度の高い解を求めることが可 能となる。
図 8 には、 本発明の他の実施形態による 4段圧延機を示す。 本実 施形態による圧延機は、 上下作業ロール 2 6 a、 2 6 b、 3 0 a . 3 0 bの間に設けられた一対のロールベンディ ング装置 6 0 a、 6 O b と、 作業ロール 2 8、 3 2 の軸方向のスラス ト力を支持するた めのスラ ス ト反カ支持用チヨ ッ ク 5 0 a、 5 0 b とを具備している 点を除いて、 図 2 の圧延機と概ね同様に構成されている。 ロールべ ンデイ ング装置 6 0 a、 6 O bは、 ロールベンディ ング装置駆動制 御装置 9 0 により ロールベンディ ング力が制御されるよう になって いる。 図 8 の板圧延機では、 作業ロール 2 8 、 3 2 の軸方向のスラ ス ト力は、 スラ ス ト反力支持用チ ヨ ッ ク 5 0 a、 5 O bにより支持 され、 上下作業ロールチ ヨ ッ ク 2 6 a、 2 6 b、 3 2 は、 上下方向 および圧延方向に作用するラ ジアル荷重のみを支持する構造となつ ている。
作業ロールチヨ ッ ク 2 6 a、 2 6 b、 3 0 a、 3 0 bには、 口一 ルベンディ ング力が負荷されているので、 ロールベンディ ング装置 6 0 a、 6 0 b、 特にその荷重負荷部分と作業ロールチ ヨ ッ ク 2 6 a、 2 6 b , 3 0 a、 3 0 b との間で、 作業ロール 2 8 、 2 1 の軸 方向に摩擦力が作用する。 これはスラ ス 卜反力の測定誤差の原因と なり得る。 そこで、 図 8 の実施形態では、 スラ ス ト反力支持用チヨ ッ ク 5 0 a、 5 O bを設けるこ とにより、 ロールベンディ ング力を 支持する作業ロールチヨ ッ ク 2 6 a、 2 6 b、 3 0 a , 3 O b力くス ラ ス ト力を受けない構造とするこ とで、 上記のロール軸方向に作用 する摩擦力を最小限に抑える構成となっている。 これにより、 スラ ス ト反力の測定精度が飛躍的に向上する。
ところで、 図 8のように作業ロールシフ ト装置 7 0 を有する場合 、 通常は作業ロール 2 8、 3 2 のシフ 卜方向が逆であるので、 ラ ジ アル荷重支持用チヨ ッ ク 2 6 a、 2 6 b、 3 0 a、 3 0 b は図示し ないキ一パプレ一 ト等で軸方向に移動しないように拘束しておく こ とが好ま しい。
また、 図 8 の実施形態ではスラ ス ト反力測定用ロ ー ドセル 1 0 e 、 1 0 f は作業口一ルシフ ト装置 7 0 に設けられているが、 作業口 ールシフ ト装置を備えていない圧延機の場合は、 スラ ス ト反力支持 用チヨ ッ ク 5 0 a、 5 0 b をスラ ス ト反力測定用ロー ドセル 1 0 e 、 1 0 f を介してキーパプレー ト (図示せず) 等でロール軸方向に 拘束する。
更に、 作業ロールシフ ト装置を備えない圧延機の場合は、 ロール 軸方向移動量が極めて小さいので、 既に述べたように、 上下どち ら か一方の作業ロールチヨ ッ ク 2 6 a、 2 6 b , 3 0 a , 3 O bのみ をラ ジアル荷重支持用チ ヨ ッ ク とスラス ト反力支持用チ ヨ ッ クに分 離するだけでも同様の効果が得られる。
次に、 図 9 を参照して本発明の更に他の実施形態による圧延機を 説明する。 図 9 の実施形態による圧延機は、 油圧サーボ方式の作業 ロールベンディ ング装置 6 2 a、 6 2 bを有している点を除いて、 図 2 の実施形態による圧延機と概ね同様に構成されている。 図 9 に おいて、 図 2 の実施形態と同様の構成要素には同じ参照番号がふさ れている。
図 9 の実施形態において、 ロールベンディ ング装置駆動制御装置 9 2 は、 口一ルべンディ ング装置 6 2 a、 6 2 bに、 所定の作業口 —ルペンディ ング力に加えて 1 0 H zの周波数の振動成分を重畳す るこ とができる。 既に述べたようにこのような板圧延機を用い、 ス ラ ス ト反カを測定時に、 所定のロールベンディ ング力に振動成分を 重畳するこ とでスラ ス ト反力の測定精度を高めるこ とができる。
また、 ロールシフ ト装置駆動制御装置 9 4 は、 上下作業ロール 2 8、 3 2 を所定位置へ移動させる とに加えて、 矢印 2 3 a、 2 3 b で示すよう に、 上下作業ロール 2 8、 3 2 を軸方向に振幅 1 m m以 上、 周期 3 0秒以下の微小シフ ト揺動を与えるよう に、 作業ロール シフ ト装置 7 0 a、 7 0 bを駆動、 制御するこ とができる。 このよ うな機能は、 例えば、 油圧サーボ方式の作業ロールシフ ト装置であ れば、 ロールシフ ト装置駆動制御装置 9 4 において目標ロールシフ ト位置を与える出力信号に、 例えば、 関数発生器により所定の揺動 に相当する信号を重畳するこ とによって実現できる。
このような作業口一ルシフ 卜装置 7 0 a、 7 O bを用いて、 作業 ロールスラス ト反力のデータ採取時に微小シフ ト揺動、 好ま し く は 、 ± 3 m m、 周期 5 秒程度の正弦波微小シフ ト揺動を与え、 少なく と も 1 周期分のスラス ト反カ測定値を平均化して上述したスラス 卜 反力値とする。 このよ う にするこ とで、 作業ロールベンディ ング装 置 6 2 a、 6 2 b と作業ロールチ ヨ ッ ク 2 6 a、 2 6 b との間に作 用する摩擦力の方向を反転させてスラス ト反力を測定し、 これを平 均化するこ とで上記摩擦力の影響を解消するこ とが可能となる。
なお、 この振幅については、 作業ロールシフ ト装置 7 0 a、 7 0 bの機械精度に応じて最適な値を選択するこ とが必要である。 例え ば、 作業ロールシフ ト装置 7 0 a、 7 0 b の機械的な遊びが 6 m m より も大きい場合は、 作業ロール 2 8 、 3 2 に有効な揺動を与え、 ロールベンディ ング装置 6 2 a、 6 2 b と作業ロールチ ヨ ッ ク 2 6 a、 2 6 b との間の摩擦力を反転させるためには、 少なく と も ± 4 m m程度の揺動を与えなければならない。
また、 この振幅があま りに大きいと圧延操業その ものに影響をお よぼすこ と になるので、 上記摩擦力が反転する程度の最小の振幅を 採用する こ とが好ま しい。 また揺動の周波数については、 スラ ス ト 反力の測定周期の観点からは短い方が好ま しいが、 短すぎる場合に は、 スラ ス ト反力のピーク値が過大になり圧延操業に影響をおよぼ したり作業ロールシフ ト装置の負荷限界を越えるこ と もあるので、 そのよ う な場合には必要とされるスラ ス ト反力の測定周期を上限と して揺動周期を長く することが好ま しい。
図 1 0 を参照して本発明の更に他の実施形態による圧延機を説明 する。 図 9 の実施形態による圧延機は、 ロールベンディ ング装置 6 4 a、 6 4 b と上作業ロールチヨ ッ ク 2 6 a、 2 6 b との間にロー ル軸方向に変位自在のスライ ドベア リ ング 8 0 a、 8 0 bが配設さ れている。 このような構成とすることで、 ロールベンディ ング力が 作用 している場合でも、 口一ルべンディ ング装置 6 4 a、 6 4 b と 作業ロールチ ヨ ッ ク 2 6 a、 2 6 b、 3 0 a、 3 0 b との間に作用 するロール軸方向の摩擦力は無視できるほど小さ く なり、 作業口一 ル 2 8、 3 2 に作用するスラ ス ト反力を正確に測定することが可能 となる。
なおスライ ドベア リ ングは、 その動作範囲に限界があり、 その動 作限界位置では動作限界を越える方向の摩擦力低減効果が失われる ので、 例えば、 パネ機構等で無負荷時には動作範囲の中央位置に戻 るような機構を設け、 定期的にキスロール締め込みを実施しロール ベンディ ングカを開放してスライ ドベア リ ング 8 0 a、 8 0 bを動 作範囲の中央位置に戻す操作を実施することが好ま しい。 ただし、 このバネ機構の復元力は、 上下作業口一ル 2 8 、 3 2 に作用するス ラス ト力に比べ十分に弱く 、 かつ、 該スライ ドベア リ ング 8 0 a、 8 0 bの無負荷時の動作抵抗よりは強いものでなければならない。 また図 1 0 では、 上作業ロールチヨ ッ ク 2 6 a、 2 6 bにスライ ドベア リ ング 8 0 a、 8 O bを、 そして、 下作業ロールチヨ ッ ク 3 0 a、 3 O bに口一ルベンディ ング装置 6 4 a、 6 4 bを設けてい る力 、 スライ ドベア リ ング 8 0 a、 8 0 b とロールベンディ ング装 置 6 4 a、 6 4 bの位置関係を上下入れ換えてもよい。 更には、 ス ライ ドベア リ ングをロールベンディ ング装置の荷重負荷部分に配設 してもよい。
更に、 図 1 0 の板圧延機では作業ロールの軸方向シフ ト装置を備 えていないが、 作業ロールシフ ト装置を備えている場合でもスライ ドベア リ ングを設けることができる。 ただし、 作業ロールシフ ト装 置を使用 して作業ロール位置を変更した時、 スライ ドベア リ ングが 動作限界位置に達する場合もあり得る。 そのような場合には上記し たように作業ロールベンディ ングカを開放する等の操作をしてスラ ィ ドベア リ ングを動作範囲の中央位置に戻すこ とが好ま しい。
図 1 1 を参照して本発明の更に他の実施形態による圧延機を説明 する。 図 1 1 の実施形態では、 作業口一ルペンディ ング装置 6 6 a 、 6 6 b と、 該作業ロールベンディ ング装置 6 6 a、 6 6 bに当接 する作業ロールチ ヨ ッ ク 2 6 a、 2 6 b との間に、 荷重伝達部材 8
2 a、 8 2 bが配設されている。 荷重伝達部材 8 2 a、 8 2 bは、 面外変形に対する弾性変形抵抗が、 ロールベンディ ング力の最大値 の 5 %以下の薄肉外皮で、 少な く と も一部は覆われている閉空間に 液体が封入され、 ロールベンディ ング力の最大値に対しても該液体 膜が切れることがないよう に構成されている。
図 1 2 に、 荷重伝達部材 8 2 a、 8 2 bの一例を示す。 図 1 2 の 例では、 荷重伝達部材 8 2 aは、 下作業ロールチ ヨ ッ ク 3 0 a、 3 0 bの上方部において、 下作業ロールチヨ ッ ク 3 0 a、 3 0 bに対 して間隔をおいて配設された金属板 8 3 と、 該金属板 8 3 の下面と 下作業ロールチ ヨ ッ ク 3 0 a、 3 0 bの上面の間の空間を包囲する ように設けられた薄肉の外皮 8 3 a とを含んでいる。 外皮 8 4 によ り包囲された金属板 8 3 の下面と下作業ロールチ ヨ ッ ク 3 0 a、 3 0 bの上面の間の空間には液体 8 5 が封入されている。 外皮 8 4 の 材料と しては、 例えば、 高強度の高分子材料、 あるいは炭素繊維の 織物に液体流出防止のラィニングが施された複合材料等を用いるこ とができる。
このよう に薄肉で十分な強度を有する外皮 8 4 を用いる こ とによ り、 ロールベンディ ング装置 6 6 a、 6 6 b と作業ロールチ ヨ ッ ク
3 0 a . 3 O b と力く、 ロール軸方向、 つま り図 1 2 において左右方 向に僅かに相対変位しても、 荷重負荷部 8 2 a、 8 2 b、 から発生 する剪断変形抵抗、 すなわち見かけの摩擦係数はほとんど無視でき る程小さ く できる。 また内部の液体と しては防靖効果を有する液体 が好ま し く 、 例えば油脂やグリ ース等を用いてもよい。
図 1 3 に、 荷重伝達部材 8 2 a、 8 2 bの別の実施形態を示す。 図 1 3 の実施形態による荷重伝達部材 8 2 a、 8 2 bは、 薄肉の外 皮 8 6で形成された袋状の閉空間に液体 8 5 を封入した構成となつ ている。 このような構成にするこ とで、 図 1 2 の荷重伝達部材と比 較して、 荷重伝達部材 8 2 a、 8 2 bが経時的に劣化したときにも 、 これを容易に交換可能となる。
と ころで、 図 1 1 の板圧延機は、 作業ロール 2 8 、 3 2 のための 軸方向シフ ト装置を備えていないが、 作業ロールシフ ト装置を有す る場合でも図 1 2 に示した形式の荷重伝達部材であれば対応可能で ある。 ただし、 この場合、 図 1 0 で説明したスライ ドベア リ ングと 同様に動作限界位置を中央に戻すための機構および操作を実施する こ とが好ま しい。
なお、 図 1 1 では、 上作業ロールチ ヨ ッ ク 2 6 a、 2 6 bに口一 ルペンディ ング装置 6 6 a、 6 6 bを設け、 下作業ロールチヨ ッ ク 3 0 a、 3 0 bに荷重伝達部材 8 2 a、 8 2 bを配設しているが、 ロールベンディ ング装置 6 6 a、 6 6 b と荷重伝達部材 8 2 a、 8 2 bを上下入れ換えてもよいし、 荷重伝達部材 8 2 a、 8 2 bを口 —ルべンディ ング装置 6 6 a、 6 6 bに配設してもよい。
図 1 4 を参照すると、 作業ロールシフ ト機構を有する 4段圧延機 の一例が示されている。 図 4 の圧延機では、 作業ロールシフ ト装置 7 0 a、 7 0 b に作業ロール 2 8 、 3 2 がスラ ス ト反力測定用 口一 ドセル 1 0 e、 1 0 f を介して連結されており、 ロー ドセル 1 0 e 、 1 0 f によ って作業ロール 2 8、 3 2 のスラ ス ト反力が測定され る。 既述の実施形態と同様に、 ロー ドセル 1 0 a〜 1 0 f は演算装 置 1 2 に接続されている。 作業ロールチ ヨ ッ ク 2 6 a、 2 6 b、 3 0 a、 3 0 b にはイ ンク リ ース作業ロールベンディ ング装置 i 0 2 a、 1 0 2 b またはディ ク リ ース作業ロールベンディ ング装置 1 0 0 a、 1 0 0 b . 1 0 4 a . 1 0 4 bから鉛直方向の力が加えられ ている。 イ ンク リ ース作業ロールベンディ ング装置 1 0 2 a、 1 0
2 b、 および、 ディ ク リ ース作業ロールベンディ ング装置 1 0 0 a 、 1 0 0 b , 1 0 4 a , 1 0 4 b は、 口 一ルベンディ ング装置駆動 制御装置 1 1 0 により駆動、 制御される。
従来技術では、 ロールベンディ ング装置 1 0 2 a、 1 0 2 b , 1 0 0 a、 1 0 0 b、 1 0 4 a 1 0 4 b と作業口一ルチ ヨ ッ ク 2 6 a 、 2 6 b 3 0 a、 3 0 b との間に作用する摩擦力が、 ロー ドセ ル 1 0 e、 1 0 f によるスラス 卜反力測定の外乱因子となる。
この問題を解決するために、 本実施形態では、 作業ロール 2 8 、
3 2 の軸方向スラ ス ト反力を測定する際には、 ロールベンディ ング 装置駆動制御装置 1 1 0力《、 スラス ト反力の測定対象となるロール のチ ヨ ッ ク荷負荷を与えるロールバラ ンス装置またはロールべンデ ィ ング装置の力の絶対値をロールバラ ンス状態の力の 172以下、 好ま し く は零にする。 このよ う にするこ とによって、 スラ ス ト反力 を正確に測定するこ とが可能となり、 またロールに作用するモーメ ン 卜の平衡条件式に対する外乱因子を最小限に抑えるこ とが可能と なり、 より精度の高い圧下位置設定 · 制御が可能となる。
なお、 こ こでロールバラ ンス状態とは、 圧延を実施していない無 負荷時の上下作業ロール 2 8、 3 2 間のギャ ップが開いた状態にお いて、 上作業ロール 2 8 を上補強ロール 2 4側に吊り上げると共に 、 各ロール 2 8 、 2 4 がス リ ップしないように、 かつ、 下作業ロー ル 3 2 および下補強ロール 3 6 についても各ロール 3 2 、 3 6 がス リ ップしないよう に、 それぞれの補強ロール 2 4 、 3 6側に各作業 ロール 2 8 、 3 2 を押しつける方向へ予め決められた力を各ロール のチヨ ッ クに負荷を与えている状態を言う。
図 1 5 を参照すると、 図 1 4 の圧延機における圧下零点調整方法 が示されている。 既述したように、 圧下零点調整は、 ロール組み替 えの後に実施される ものであり、 通常は、 補強ロール反力が所定の 零調荷重になるまでキスロール締め込みが実施される (ステップ S 6 0 ) 。 このとき作業側と駆動側の補強ロール反力が等し く なるよ う に圧下レべリ ングも調整した上で圧下位置を仮に零に リ セッ 卜す る (ステップ S 6 2 ) 。 この補強ロール反力と しては、 ロー ドセル 1 0 a、 1 0 bにより測定される上補強ロール 2 4 の反力または口 ― ドセル 1 0 c、 1 0 dにより測定される下補強ロール 3 6 の反力 の何れかを単独で用いてもよいし、 或いは、 口一 ドセノレ 1 0 a、 1 0 b、 1 0 c , 1 0 dにより測定される上下補強ロール 2 4、 3 6 の反力の平均値を用いてもよい。
次に、 キスロール締め込み状態のまま作業ロールのロールバラ ン ス力またはロールベンディ ングカを開放し零にする (ステップ S 6 4 ) 。 既に述べたようにここでロールベンディ ングカを零にするの は、 次に実施する作業ロールのスラス ト反カ測定を正確にするため である。 従って、 ロールベンディ ング力は、 必ずし も零にする必要 はなく 、 通常のロールバラ ンス状態における力の 1 / 2以下の適切 な値を経験的に見い出 し、 その値に設定するこ とができる。 要は、 ロールベンディ ングカは、 スラス ト反力測定にと って実質的に外乱 にならない程度に小さい値にすればよい。
このとき ロールベンディ ングカを変化させるこ とによって口一 ド セル荷重も変化することになるが、 この状態で再度、 圧下位置の零 リ セッ トを実施するかどうかは、 特に問題にはならない。 すなわち 、 特公平 4 一 7 4 0 8 4号公報に開示されているよう に、 圧下零調 時のロール変形については別途計算して圧下位置設定計算時に利用 するので、 この計算時に使用するロールベンディ ング力が変化する のみであるからである。
次いで、 その状態でロー ドセル 1 0 aから 1 0 dにより上下補強 ロール 2 4、 3 6 の反力を測定し (ステップ S 6 6 ) 、 ロー ドセル 1 0 e、 1 0 f により上下作業ロール 2 4、 3 6 のスラス ト反力を 測定する (ステップ S 6 8 ) 。 このとき、 上記したよう に作業口一 ルに作用するロールバラ ンス力またはロールベンディ ングカは実質 的に零に設定されているので、 作業ロールに作用するスラス ト反カ を正確に測定することができる。
次に以上の測定値に基づき、 既述の式 ( 1 ) 〜 ( 8 ) を解く こ と により、 図 3、 4 を参照して説明 したように、 補強ロール 2 4、 3 6 および作業ロール 2 8、 3 2 に作用するロール軸方向の力の平衡 条件式とモーメ ン トの平衡条件式より、 補強ロール 2 4、 3 6 のス ラス ト反力、 ロール 2 4、 2 8、 3 2、 3 6 の各々の間に作用する スラ ス ト力および線荷重分布の作業側と駆動側間の差を演算する ( ステ ッ プ S 7 0 ) 。
次に、 上記演算結果を用いて、 圧下装置の零点を調節した状態に おける各ロール 2 4、 2 8、 3 2、 3 6 の変形量の作業側と駆動側 間の差を計算し、 この作業側と駆動側間の差をス ク リ ュ ー 4 0 a、 4 O bの支点位置、 つま り、 ス ク リ ユー 4 0 a、 4 O bの中心軸線 に換算して圧下装置の零点位置の補正量を演算する (ステ ップ S 7 2 ) o
ロール変形量の作業側と駆動側間の差は、 主と して各ロール 2 4 、 2 8、 3 2、 3 6 間に作用する線荷重分布の作業側と駆動側での 非対称成分によって発生する。 こ こでロールの変形は、 ロールの偏 /43 5 平変形と、 ロールの撓み変形と、 ロールのネ ッ ク部における橈み変 形を含んでいるが、 ロール変形の作業側と駆動側間の差の主因は口 ール偏平変形量の作業側と駆動側間の差である。 このロール偏平変 形量の作業側と駆動側間の差は、 既に求められた P d '、、 、 P d B 、 P d f W Wより直ちに計算するこ とができる。 この計算結果より求 められるロール胴端位置における偏平変形量の合計の作業側と駆動 側間の差を捕強ロールの圧下支点位置にまで外揷する こ とで、 圧下 装置の零点位置の補正量が演算され、 圧下零点位置を上記ロール変 形量の作業側と駆動側間の差が存在しない場合の位置に修正される
(ステ ッ プ S 7 4 ) 。 なお、 この偏平変形量の外揷に際しては口一 ルたわみの非対称性およびロールネ ッ ク部の変形の非対称性を考慮 してもよい。
既述したよ う に、 零調時に発生したロール間スラス トカは、 圧延 中も全く 同様に発生する可能性は小さいので、 圧下位置の基準とな る圧下零点と しては、 口一ル間スラ ス ト力が零の状態を基準とする こ とが好ま しい。 このため上記したロール間スラス 卜力に起因する 作業側と駆動側での非対称負荷が発生しない理想状態を真の圧下零 点とするこ とが望まれる。 すなわち、 上記で計算したロール変形量 の作業側と駆動側での非対称量分を解消する方向に圧下位置を移動 した位置を真の零点とすることになる。 圧下位置零点をこのように 設定するこ とによって、 実際の圧延時に発生する作業側と駆動側で の非対称負荷および変形を考慮して正確な圧下設定を実施すること が可能となる。
次に、 また、 図 5 を参照して既に説明したように、 ハウ ジング、 圧下系の変形特性を作業側と駆動側で独立に求める。
更に、 図 6 を参照して既述したよう に、 一般に、 ハウ ジング · 圧 下系の変形特性は、 圧延荷重によって変化するので、 複数の圧下位 置および締め込み荷重水準に対してデータ採取を行う こ とが必要で ある。
図 1 6 を参照すると、 先ず、 ステップ S 7 6 において、 キスロー ル状態で所定の圧下位置まで締め込みキスロール締め込みテス トを 開始する。 次いで、 ロールバラ ンス力またはロールベンディ ング力 を開放し零にする (ステップ S 7 8 ) 。 既に述べたようにここで口 一ルペンディ ングカを零にするのは、 次に実施する作業ロールのス ラ ス ト反力測定を正確にするためであり、 従って、 必ずし も零にす る必要はな く 、 スラ ス ト反力測定にと って実質的に外乱にならない 程度の小さい値にすればよ く 、 通常の口一ルバラ ンス状態における 力の 1 Z 2以下の適切な値を経験的に見い出し、 その値に設定する ことでも目的を達することができる。
次に、 その状態で圧下位置の実績値を測定し (ステップ S 8 0 ) 、 ロー ドセル 1 0 a〜 l O dにより上下補強ロール 2 4、 3 6 の反 力を測定し (ステップ S 8 2 ) 、 ロー ドセル 1 0 e、 1 0 f により 上下作業ロール 2 8 、 3 2 のスラ ス 卜反力を測定する (ステ ッ プ S 8 4 ) o
既述したよ う に、 一般に、 ハウ ジング · 圧下系の変形特性は、 圧 延荷重によって変化するので、 図 1 6 に示すキスロール締め込みテ ス トでは、 複数の圧下位置および締め込み荷重水準に対してデータ 採取を行う。 すなわち、 ステップ S 8 6 において、 所定の圧下位置 水準に関するデータ採取が完了したか否かを判断する。 データ採取 が完了していなければ、 つま り、 ステップ S 8 6 において N 0の場 合、 ステップ S 8 8 において圧下位置を変更してステップ S 3 4 に 戻り、 上記の手順を繰り返す。 所定の圧下位置水準に関するデータ の採取が完了すると、 つまり ステップ S 8 6 において Y e sの場合 、 ステップ S 9 0 においてデータの採取が完了する。 上述の圧下位置水準の数は多い方がよいが、 通常の圧延機では 1 0〜 2 0点程度のデータを採取できれば実用的な精度は得られる。 ただし、 この時、 圧下装置を締め込む方向と開放する方向とで締め 込み荷重に差異を生じる、 いわゆる ミ ルヒステリ シスを生ずること が多いので、 このような場合には、 締め込み方向と開放方向の少な く と も 1 往復動作に対するデータを採取し、 例えば、 両者の測定デ 一夕を平均化する等の操作を行う こ とが好ま しい。 図 1 7 を参照して、 作業ロール〜圧延材間に作用するスラ ス ト力 が無視できない場合の 4段圧延機の圧下位置制御の好ま しい実施形 態を説明する。
まず、 作業口一ルべンディ ング力の絶対値を口一ルバラ ンス状態 の 1 Z 2以下、 より好ま し く は零にした状態において、 ロー ドセル 1 0 a - 1 0 dにより圧延中の上下補強ロール 2 4、 3 6 の圧下支 点位置に作用する補強ロール反力を測定し、 ロー ドセル 1 0 e、 1 0 f によ り上下作業ロール 2 8、 3 2 のスラ ス ト反力を測定する ( ステ ッ プ S 9 2 )
次に、 既述した補強ロール 2 4、 3 6 および作業ロール 2 8、 3 2 に作用する ロール軸方向の力の平衡条件式とモーメ ン 卜の平衡条 件式より、 補強ロール 2 4、 3 6 のスラ ス ト反力、 補強ロール 2 4 と作業ロール 2 8 の間および作業ロール 3 2 と補強ロール 3 6 の間 に作用するスラ ス ト力と線荷重分布の作業側と駆動側間の差、 およ び、 作業ロール 2 8、 3 2 と圧延材 (図示せず) の間に作用するス ラ ス ト力と線荷重分布の作業側と駆動側間の差を演算する (ステツ プ S 9 4 ) 。
この例では、 圧延材のオフセ ンタ 一量はセ ンサ一によ って測定さ れた値等で既知であると しているので、 上記演算手続きは、 図 3 の 圧下零点調整の場合と同様の手法で実行できる。 この演算により得 られたロール間および圧延材と作業ロールの間の荷重分布を用いて 、 補強ロール 2 4、 3 6 および作業ロール 2 8 、 3 2 のたわみ変形 および偏平変形を作業側と駆動側間の差を含めて計算すると共に、 ロー ドセル 1 0 a ~ 1 0 d により測定された補強ロール 2 4 、 3 6 の反力の関数と してハウ ジング · 圧下系の変形を計算し、 現時点で の板厚分布を演算する (ステ ッ プ S 9 6 ) 。 この時、 ハウ ジ ング ' 圧下系の変形特性については、 上記図 6 に示した方法で同定したも のを用いるこ とが好ま しい。
そ して圧延操業上の目標と して予め決められている板厚分布と、 上記演算された現時点の板厚分布実績の推定値とから、 上記目標値 を達成するための圧下位置操作量の目標値を演算し (ステップ S 9
8 ) 、 この目標値に基づいて圧下位置制御を実施する (ステ ッ プ S
1 0 0 ) 0
この方法によれば、 ロールバイ ト直下で発生している板厚分布の 非対称性を正確かつ時間遅れなく 把握することが可能となり、 特に 迅速かつ適切な圧下位置制御が求められるホッ トス ト リ ップ仕上圧 延における先端通板および尾端通板時の通板安定に大きな効果が得 られる。 なお、 以上説明 したような圧延機単体から得られる情報を 、 蛇行セ ンサーやルーパロ一 ドセル等の圧延機人 ' 出側の検出装置 、 更にはタ ンデム圧延の場合、 上流側および下流側の他の圧延機か らの情報等を組み合わせて総合的な制御を実施するこ と も有効であ る。
図 1 7 では、 作業ロール 2 8 、 3 2 と圧延材の間に作用するスラ ス ト力も考慮した制御方法を示したが、 ロールク ロス方式圧延機で はない通常の 4段圧延機の場合、 既に説明したように作業ロールと 圧延材の間のスラス トカは無視できる程小さいので、 上下どちらか 一方のロール系の情報だけでも、 図 1 7 と同様の制御が実施可能で ある し、 上下すベての測定値を用いるこ とができる場合は、 未知数 力く 1 個少な く なるので、 ロール軸方向の力の平衡条件式とモーメ ン 卜の平衡条件式をすベて用いて最小自乗解を求めるこ と によ り、 よ り精度の高い解を求めるこ とが可能となる。
図 1 8 を参照して、 ロールク ロス方式 4段圧延機の圧下位置制御 の他の実施形態を説明する。
まず、 圧延前の設定計算において作業口一ルペンディ ング力が零 という条件下で所望の板ク ラウ ン形状を達成するためのロールク ロ ス角度を演算し、 該演算結果に基づいてロールク ロ ス角度を設定し 、 圧下位置、 ロール周速等のその他の圧延機設定も実施し、 ロール ベンディ ング装置は口一ルバラ ンス状態で待機しておく (ステップ S 1 0 2 ) 。 この状態で圧延を開始し、 ロー ドセル荷重が十分な荷 重に達した時点で作業ロールベンディ ングカを零に変更する。 この 状態で、 ロー ドセル 1 0 a〜 1 0 dにより圧延中の上下補強ロール 2 4、 3 6 の圧下支点位置に作用する補強ロール反力を測定し、 口 — ドセル 1 0 e、 1 O f により上下作業ロール 2 8、 3 2 のスラ ス ト反カを測定する (ステ ッ プ S 1 0 4 ) 。
次に、 補強ロール 2 4、 3 6 および作業ロール 2 8、 3 2 に作用 するロール軸方向の力の平衡条件式とモ一メ ン 卜の平衡条件式より 、 補強ロ ーノレ 2 4、 3 6 のスラ ス ト反力、 補強ロール 2 4、 3 6 と 作業ロール 2 8、 3 2 の間に作用するスラ ス 卜力と線荷重分布の作 業側と駆動側間の差、 および、 作業ロール 2 8、 3 2 と圧延材の間 に作用するスラ ス 卜力と線荷重分布の作業側と駆動側間の差を演算 する (ステップ S 1 0 6 ) 。 この例では、 圧延材のオフセンター量 はセンサ一によって測定された値等で既知であると しているので、 上記演算手続きは、 図 3 の圧下零点調整の場合と同様の手法で実行 でき る。 次に、 この演算により得られたロール間および圧延材と作業ロー ルの間の荷重分布を用いて、 補強ロール 2 4 、 3 6 および作業口一 ル 2 8、 3 2 のたわみ変形および偏平変形を作業側と駆動側間の差 を含めて計算し、 更に補強ロール反力の関数と してハウ ジング ' 圧 下系の変形を計算し、 現時点での板厚分布を演算する (ステップ S
1 0 8 ) 。 この時、 ハウ ジ ング · 圧下系の変形特性については、 上 記図 1 6 に示した方法で同定したものを用いるこ とが好ま しい。
そ して圧延操業上の目標と して予め決められている板厚分布と、 上記演算された現時点の板厚分布実績の推定値とから、 上記目標値 を達成するための圧下位置操作量の目標値を演算し (ステップ S 1
1 0 ) 、 この目標値に基づいて圧下位置制御を実施する (ステ ッ プ
S 1 1 2 ) 。
この方法によるこ とで、 口一ルバィ ト直下で発生している扳厚分 布の非対称性を正確かつ時間遅れなく把握するこ とが可能となり、 特に迅速かつ適切な圧下位置制御が求められるホッ トス ト リ ップ仕 上圧延における先端通板および尾端通扳時の通板安定に大きな効果 が得られる。 なお、 以上説明したような圧延機単体から得られる情 報を、 蛇行セ ンサーゃル一パロー ドセル等の圧延機の入側および出 側の検出装置、 更にはタ ンデム圧延の場合、 上流側および下流側の 他の圧延機からの情報等を組み合わせて総合的な制御を実施するこ と も有効である。
図 1 8 では、 ペアク ロス圧延機を対象と して、 作業ロール 2 8 、 3 2 と圧延材の間に作用するスラス トカも考慮した制御方法を示し たが、 ペアク ロス圧延機ではない通常の 4段圧延機の場合、 既に説 明したよう に作業ロールと圧延材の間のスラス トカは無視できる程 小さいので、 上下どちらか一方のロール系の情報だけでも、 図 1 8 と同様の制御が実施可能である し、 上下すベての測定値を用いるこ とができる場合は、 未知数が 1 個少な く なるので、 ロール軸方向の 力の平衡条件式とモーメ ン 卜の平衡条件式をすベて用いて最小自乗 解を求めるこ とにより、 より精度の高い解を求めるこ とが可能とな る。
図 1 9 、 2 0 を参照して、 本発明の好ま しい実施形態による板圧 延機較正装置を説明する。 板圧延機較正装置は、 主と して、 較正装 置本体 2 0 1 と、 外部からの鉛直方向の力を受ける鉛直方向外力伝 達部材 2 0 2 a、 2 0 2 b と、 その鉛直方向外力の大きさを測定す るための口一 ドセル 2 0 3 a、 2 0 3 b とから構成されている。 較 正装置本体 2 0 1 は、 圧延機の上下作業ロール (図 1 9 、 2 0 には 図示されていない) を合わせた寸法に大略等しい鉛直方向寸法を有 しており、 図 1 9、 2 0 に示すように上下作業ロールを抜き取った 後の圧延機内に組み込むことができる。
図 1 9 、 2 0 の例では、 鉛直方向外力伝達部材 2 0 2 a、 2 0 2 bは、 本較正装置の組み込み作業の支障とならないよう に、 組み込 み時にはピボッ ト 2 0 4 a、 2 0 4 bを中心と して回動して、 較正 装置全体の高さを小さ く できるようになつている。 このピボッ 卜 2
0 4 a、 2 0 4 bを設けるこ とにより、 鉛直方向外力伝達部材 2 0 2 a、 2 0 2 b 自身が較正装置本体 1 にモ一メ ン トを伝達するこ と 避けるこ とができるという点でも好ま しいものである。
較正装置本体 2 0 1 の作業側 W S には、 突出する較正装置位置決 め部材 2 0 8 a、 2 0 8 bが設けられており、 較正装置本体 2 0 1 を作業側 W Sから組み込む際に圧延機のハウ ジ ングボス 卜に接触さ せることで較正装置本体 2 0 1 のロール軸方向位置を決めるこ とが 可能となっている。 ただし、 一旦、 較正装置を位置決めした後は、 較正装置位置決め部材 2 0 8 a、 2 0 8 bには負荷がかからないよ うに配慮すべきである。 例えば、 組み込み後に、 較正装置位置決め 部材 2 0 8 a、 2 0 8 bを作業側 W Sや較正装置本体 2 0 1 内部に 移動退避できるような構成とするこ とが好ま しい。
こ こで、 較正装置本体 2 0 1 の断面形状は図示していないが、 本 較正装置は ミ ル停止状態で使用するこ とを原則と しているため、 必 ずしも作業ロールのような円形断面とする必要はなく 、 むしろ補強 ロール 2 1 2 a、 2 1 2 b との間に作用するへルツ応力を緩和する ため、 補強ロールと当接する部分は凹曲面形状とするこ とが実用的 である。
鉛直方向外力伝達部材 2 0 2 a、 2 0 2 bを介して、 図 1 9、 2 0 の破線で示すように、 例えば天井ク レーン 2 1 6 a、 2 1 6 b力、 ら上方向の力を加え、 その力の大きさを鉛直方向外力測定用ロー ド セル 2 0 3 a、 2 0 3 bにより測定するこ とで、 既知の鉛直方向外 力を圧延機に与えるこ とが可能となる。
図 2 1 、 2 2 を参照して本発明の板圧延機較正装置の更に他の実 施形態を説明する。
図 2 1 、 2 2 の板圧延機は、 図 1 9 、 2 0 の例に加えて上補強口 —ル 2 1 2 aに接触する部分にスライ ド部材 2 0 5 を有している。 スライ ド部材 2 0 5 はスライ ドベア リ ング 2 0 7 を介して較正装置 本体 2 0 1 に軸方向に移動自在に取り付けられており、 その軸方向 の位置は、 スライ ド部材位置制御装置 2 0 6 により制御される。
スライ ド部材位置制御装置 2 0 6 は、 この較正装置を圧延機に組 み込む間、 或いは、 圧延機の圧下装置または圧延機の外部装置から 鉛直方向に荷重を負荷する間は、 スライ ド部材の位置を較正装置本 体 2 0 1 に対して相対的に固定し、 鉛直方向の荷重を負荷した後に スラ ス ト力を開放できるようになつている。 これは、 例えば、 油圧 駆動方式で簡単に実現するこ とができ る。 較正装置をこのよ う に構 成するこ とにより、 較正装置を圧延機に組み込んだ状態において、 補強ロールとの間で作用する摩擦力のためのスラ ス ト力を開放する ことができ、 圧延機の負荷を正確に把握するこ とが可能となる。 なお図 2 1 、 2 2 の例では、 スライ ド部材は上側のみと したが下 側にスライ ド部材を設けてもよい。 ただし、 本実施形態による較正 装置は、 組み込み後に較正装置位置決め部材 2 0 8 a、 2 0 8 bを 移動、 退避するこ とが好ま しい。 そのような場合には、 本較正装置 に作用するスラ ス 卜力は上下補強ロールとの接触面に作用する摩擦 力のみとなるので、 上下どちらか一方にスライ ド部材を設けスラス トカを開放すれば、 その反力となる他方のスラ ス トカも同時に零と なるので、 上下双方にスライ ド部材を設けるこ とは必須要件ではな い。 そ してどち らか一方にスライ ド部材を設ける場合、 較正装置本 体 2 0 1 の位置の安定性の観点から、 図 2 1 、 2 2 の例のよう に上 側にスライ ド部材を設ける方が好ま しい。
図 2 3 を参照して、 本発明の更に他の実施形態による板圧延機較 正装置を説明する。
較正装置 2 0 9 a、 2 0 9 bは、 上補強ロール 2 1 1 a のロール チヨ ッ クの外側に突出 したネ ッ ク部 2 1 2 a、 2 1 2 bに取り付け られており、 鉛直方向外力伝達部材 2 0 2 a、 2 0 2 bにより圧延 機の外部からの外力を補強ロールネ ッ ク 2 1 2 a、 2 1 2 bに伝達 する。 この例においても、 ロール端部に取り付ける較正装置本体 2
0 9 a、 2 0 9 b と、 鉛直方向外力伝達部材 2 0 2 a、 2 0 2 b と の間にはピボッ ト 2 0 4 a、 2 0 4 bが設けられており、 両者の間 に直接的なモ一メ ン 卜の伝達がないよ う にな つている。
このよ う に構成され補強ロールネ ッ ク 2 1 2 a、 2 1 2 b に装着 された較正装置 2 0 9 a、 2 0 9 に、 例えば、 天井ク レー ン (図 示せず) から上方向の力を加え、 その力の大きさを鉛直方向外力測 定用ロー ドセル 2 0 3 a、 2 0 3 bにより測定する こ とで、 既知の 鉛直方向外力を圧延機に与えるこ とが可能となる。
なお、 図 2 3 では作業側 W S と駆動側 D Sに較正装置が一対配備 されている例を示しているが、 上下非対称な負荷を与えるという観 点からは、 どちらか一方のみであってもよい。 また、 較正装置 2 0 9 a、 2 0 9 bは、 補強ロールネ ッ クではなく 補強ロールチヨ ッ ク に装着するこ と もできる。
この較正装置を用いた較正作業は ミ ル停止状態で実施する方が簡 単であるが、 圧延中のロール軸受部の変形特性も合わせて把握する こ とを目的と して、 較正装置 2 0 9 a、 2 0 9 bにべァ リ ングを配 設してもよい。 この較正装置は、 一般に較正作業を実施する時のみ 装着すればよいが、 補強ロールチ ヨ ッ クに装着する場合や、 補強口 ールネッ クに装着する場合でも内部にベア リ ングを有する場合には 、 作業形態によつては較正装置 2 0 9 a、 2 0 9 bを、 常時装着し ておく こ と も可能である。
図 2 1 では、 圧延機の外部からの外力を上補強ロールに与える例 を示したが、 これは下補強ロールであってもよい し、 上下何れかの 作業ロールであってもよい。
以上では鉛直方向外力を与える装置を天井ク レーンと して説明し てきたが、 例えば、 ロール組み替え台車の動力を利用 したり、 工場 の床面基礎をベースと して特別に配備した油圧装置等を利用 しても よい。
図 2 4 を参照して、 本発明の板圧延機較正装置の更に他の実施形 態を説明する。
図 2 4 の例では、 較正装置 2 0 9 a、 2 0 9 bが下補強ロールネ ッ ク部に装着されている。 ピボッ ト 2 0 4 a、 2 0 4 bを介して連 結されている鉛直方向外力伝達部材 2 0 2 a、 2 0 2 b力 鉛直方 向外力負荷用ァクチユエ一夕 2 1 0 a、 2 1 0 bから鉛直方向外力 を受ける。 鉛直方向外力負荷用ァクチユエ一タ 2 1 0 a、 2 1 0 b は、 その下部の上下方向位置が床面基礎に固定されており、 ロー ド セル 2 0 3 a、 2 0 3 bを介して上下方向の外力を鉛直方向外力伝 達部材 2 0 2 a、 2 0 2 bに負荷できる構成となっている。
鉛直方向外力負荷用ァクチユエ一夕 2 1 0 a、 2 1 0 bは油圧駆 動方式とする方がコ ンパク トな設備とすることができるが、 もちろ ん電動方式でもよい。 この方式の場合、 少なく と も補強ロール組み 替え時には較正装置 2 0 9 a、 2 0 9 bを取り外さなければならな いが、 図 2 4 の例では、 較正装置 2 0 9 a、 2 0 9 bが鉛直方向外 力負荷用ァクチユエ一タ 2 1 0 a、 2 1 O bを含めて、 ロール軸方 向そして圧延方向にスライ ドして、 補強ロールネ ッ ク 2 1 2 c、 2 1 2 dから脱着するこ とができるよう になつている。
以上のような構成の板圧延機較正装置を用いるこ とにより、 既知 の鉛直方向外力を圧延機に与えることが可能となる。 なお、 図 2 4 のような床面基礎から外力を与える例においても、 外力を与える対 象ロールと しては下補強ロールに限定する必要はな く 、 上補強口一 ルあるいは上下何れかの作業ロールであってもよい。
次に、 図 2 5 を参照して、 図 2 1 、 2 2 の板圧延機較正装置を用 いた本発明の板圧延機較正方法の好ま しい実施形態について説明す る。
まず、 図 2 1 、 2 2 に示す板圧延機較正装置を、 4段圧延機の上 下作業口ールを抜いた状態の圧延機内に組み込む (ステップ S 2 0 0 ) 。 このときスライ ド部材 2 0 5 のロール軸方向位置は固定状態 と し、 組み込み後に圧延機の圧下装置を使用 して上下補強ロール 2 1 1 a、 2 1 1 bにより較正装置 1 を締め込み所定の鉛直方向荷重 を与える。 なお鉛直方向荷重の大きさは圧延荷重測定用ロー ドセル 2 1 4 a , 2 1 4 bにより測定しながら所定値になるよう に圧下装 置を制御する。
次に、 これまで位置固定モー ドと してきた較正装置のスラ イ ド部 材位置制御装置 2 0 6 の負荷を開放し、 スライ ド部材 2 0 5 に作用 するスラ ス ト力を実質的に零にした状態で、 圧延機の圧延荷重測定 用ロー ドセル 2 1 4 a、 2 1 4 b の出力を測定する (ステ ッ プ S 2
0 2 ) 。 次に較正装置の鉛直方向外力伝達部材 2 0 2 aに天井ク レ ー ンのフ ッ ク 2 1 6 aをセッ 卜 し、 鉛直方向外力測定用ロー ドセル
2 0 3 a により負荷をモニタ― しながら天井ク レ一ンを操作して上 方向に所定の外力を負荷する (ステ ッ プ S 2 0 4 ) 。 この状態で、 圧延機の圧延荷重測定用ロー ドセル 2 1 4 a、 2 1 4 b と較正装置 の鉛直方向外力測定用ロー ドセル 2 0 3 a の出力を測定する (ステ ップ S 2 0 6 ) 。
以上のよう にして天井ク レーンから既知の外力を負荷する前後の 圧延機ロー ドセル荷重 2 1 4 a、 2 1 4 bの出力の変化から、 上下 非対称負荷に対する圧延機の変形特性を求める (ステ ッ プ S 2 0 8 ) 。 この計算方法の具体例について、 更に説明する。
まず較正装置に鉛直方向外力を負荷しない状態では、 較正装置全 体の鉛直方向の力の平衡条件とモーメ ン 卜の平衡条件から、 較正装 置と補強ロールに作用する荷重分布は上下対称となる。 実際には、 下側の荷重は較正装置の自重分だけ大き く なるが、 こ こでは較正装 置に外部から鉛直方向の外力を負荷した場合との圧延機変形の差異 を問題とするので、 その両者に関して較正装置の重量が変化するこ とはないので、 較正装置の重量を無視して計算してもよい。 同様の 理由で下補強ロールチ ヨ ッ ク と圧延機ハウ ジングとの間で作用する 荷重を考える場合においても下補強ロールの重量を考慮する必要は ない。
従って、 図 2 1 、 2 2 の例のよう に下側にロー ドセルのない圧延 機においても、 下側の補強ロール 2 1 1 bの作業側 W Sおよび駆動 側 D Sのチ ヨ ッ クに負荷される鉛直方向荷重が、 上補強ロール 2 1 1 a、 較正装置 1 、 下補強ロール 2 1 1 b全部を合わせた物体の鉛 直方向の力およびモーメ ン 卜の平衡条件式から計算され、 この状態 が基準状態となる。 この基準状態における較正装置と上下補強口一 ルとの接触部に作用する鉛直方向荷重のロール軸方向分布は、 それ ぞれ上下の補強ロールの力およびモーメ ン 卜の平衡条件式により、 その作業側 W S と駆動側 D Sの間の非対称成分を含めて正確に計算 される。
次に、 較正装置の鉛直方向外力伝達部材に既知の外力を作用させ た場合、 圧延機の負荷の上下左右のバラ ンスが上記した基準状態と は異なる状態となる。 この場合においても、 まず上補強口 一ル 2 1 1 a、 較正装置 2 0 1 、 下補強ロール 2 1 1 b全体の鉛直方向の力 とモ一メ ン 卜の平衡条件式から、 下補強ロールチ ヨ ッ ク と圧延機ハ ウ ジングとの間で作用する力を計算する。 このとき上下捕強ロール チヨ ッ クからの力と同時に、 鉛直方向外力伝達部材 2 0 2 a に加え られている上方向の外力を考慮する点が上記基準状態の場合とは異 なる。
これらの力のう ち未知数は、 この実施形態では、 下補強ロールチ ョ ッ クに作用する力の 2個であるから、 上記した力とモ一メ ン 卜の 平衡条件式の二つの方程式を解く こ とで直ちに上記未知数が求めら れる。 次に上補強ロール 2 1 1 a と較正装置 2 0 1 、 下補強ロール 2 1 1 b と較正装置 2 0 1 との間に作用する鉛直方向荷重分布を、 それぞれ上下捕強ロールに作用する力とモ一メ ン 卜の平衡条件式を 解く ことにより求める。 これらの荷重分布と補強ロールチヨ ッ クに 作用する力とから、 上下補強ロールのたわみと、 上下補強ロールと 較正装置の接触部における偏平変形を計算し、 この変形量と圧延機 のハウ ジングおよび圧下系の変形量とが適合する条件より、 ハウ ジ ングおよび圧下系の変形量の変化を求めるこ とができる。
ただし、 このとき補強ロールと較正装置の接触部における偏平変 形特性が必要になるが、 これは予め較正装置を圧延機に組み込み、 外力を作用させない状態で圧下装置を使用 して作業側 W S と駆動側 D Sの間の非対称負荷も含めて種々の負荷で締め込み、 圧下位置と 圧延荷重測定用口一 ドセルの出力により求めておく 。 以上のよう に して種々の外力に対する圧延機ハウ ジ ングおよび圧下系の変形量を 計算する こ とにより、 上下非対称荷重に対する圧延機の変形特性を 求めるこ とが可能となる (ステップ S 2 1 0 ) 。
なお、 既述の実施形態では、 圧延機の作業側 W S にのみ天井ク レ — ンから上方向の外力を加えて、 圧延機の上下非対称負荷に対する 変形特性を求めたが、 逆方向の非対称性を与えるため、 駆動側 D S にも鉛直方向外力伝達部材 2 0 2 bを介して上方向の外力を負荷し て同様の手続きを実施するこ とが好ま し く 、 鉛直方向外力伝達部材 2 0 2 a、 2 0 2 bに同時に外力を加えるこ と も好ま しい。
図 2 6 を参照して、 図 2 4 に示す板圧延機較正装置による板圧延 機較正方法の好ま しい実施形態を説明する。
まず、 図 2 4 に示す板圧延機較正装置 2 0 9 aを 4段圧延機の下 補強ロール 2 1 1 bの作業側のネ ッ ク部 2 1 2 c にセ ッ 卜 し、 作業 ロール 1 3 a、 1 3 bおよび補強ロール 1 1 a、 1 1 bを組み込ん だ状態で圧延機の圧下装置を用いて所定の荷重までキスロール状態 で締め込む (ステップ S 2 3 0 ) 。 通常、 上記締め込み作業は較正 装置から鉛直方向荷重が作用 しないようにして実施されるが、 も し 所定の締め込み荷重が負荷された状態で較正装置から鉛直方向荷重 が作用 している場合は、 これを開放し、 鉛直方向外力測定用ロー ド セル 2 0 3 aで確認した後、 圧延機の圧延荷重測定用ロー ドセル 2 1 4 a、 2 1 4 bの出力を測定する (ステ ッ プ S 2 3 2 ) 。
次に、 較正装置の鉛直方向外力負荷用ァクチユエ一夕 2 1 0 aを 操作して、 鉛直方向に所定の外力を負荷する (ステ ッ プ S 2 3 4 ) 。 この状態で、 圧延機の圧延荷重測定用ロー ドセル 2 1 4 a、 2 1 4 b と較正装置の鉛直方向外力測定用口— ドセル 2 0 3 aの出力を 測定する (ステ ッ プ S 2 3 6 ) 。
以上のようにして較正装置から既知の鉛直方向外力を負荷する前 後の圧延機ロー ドセル 2 1 4 a、 2 1 4 bの出力の変化から、 上下 非対称負荷に対する圧延機の変形特性を求める (ステップ S 2 3 8 ) 。 その具体的計算方法は前記図 7 の実施形態と基本的に同じであ るので、 上記実施形態と異なる部分のみ説明を追加しておく 。
まず基準状態における下補強ロールチヨ ッ ク と圧延機ハウ ジ ング との間に作用する荷重は、 上下補強ロールおよび上下作業ロール全 体を合わせた物体の鉛直方向の力とモーメ ン 卜の平衡条件式から計 算する。 次に各ロール胴部に作用する荷重分布については、 捕強口 ールから順番に個別のロールに作用する鉛直方向の力およびモ一メ ン 卜の平衡条件式から計算する。 基準状態とは異なる鉛直方向外力 を負荷した状態の計算も、 基本的には同じこ とであり、 下補強ロー ルに較正装置から作用する鉛直方向外力を考慮する点が異なるのみ である。
なお、 こ こでは下補強ロールの作業側 W Sにのみに鉛直方向の外 力を加えて、 圧延機の上下非対称負荷に対する変形特性を求めた、 下補強口一ルの駆動側 D Sにも較正装置 2 0 9 bを介して鉛直方向 の外力を負荷して同様の手続きを実施することが好ま し く 、 鉛直方 向外力伝達部材 2 0 9 a、 2 0 9 bに同時に外力を加えるこ と も好 ま しい。
ところで、 以上説明してきたように本願発明の板圧延機較正方法 は、 上下非対称荷重による圧延機の変形特性を求める こ とが目的で あるが、 ロール系の変形は上下非対称荷重に対しても正確に計算す る ことが可能であるので、 これは圧延機のハウ ジングおよび圧下系 の変形特性を求めることに帰着する。 この観点から、 上記したよう な較正装置以外でも、 例えば補強ロールを含めすベてのロールを圧 延機から引き抜いた状態で、 これらすベてのロールに代わる外形形 状を有する較正装置を組み込み、 既知の鉛直方向外力を負荷して、 圧延荷重測定用ロー ドセルの出力を測定する方法でも同様の目的を 達成するこ とができる。
また以上の実施形態では、 圧延機の圧延荷重測定用口一 ドセルは 圧延機の上部に存在する場合のみについて説明したが、 下部にロー ドセルを有する場合、 あるいは上下と もに口一 ドセルを有する圧延 機に対しても、 本発明は、 ま ったく 同様に実施できる こ とは言う ま でもない。 特に、 上下口— ドセルを有する圧延機の場合には、 圧延 機ハウ ジングに負荷される上下の荷重を直接測定するこ とができる ため、 より高精度に圧延機の上下非対称負荷に対する変形特性を求 めることが可能となる上、 これを圧延中の制御や圧延前の設定計算 に利用する こと も容易となる。
図 2 8 、 2 9 を参照して本発明の他の実施形態による板圧延機較 正装置を説明する。
図 2 8、 2 9 の板圧延機較正装置は、 主と して、 較正装置本体 3 0 1 と、 較正装置本体 3 0 1 にスラ イ ドベア リ ング 3 0 3 a、 3 0 3 bを介してロール軸方向移動可能に取り付けられた上下のスライ ド部材 3 0 2 a、 3 0 2 b , スラ イ ド部材にロ ー ドセノレ 3 0 4 a、 3 0 4 bを介して結合され較正装置本体 3 0 1 に固定されたスラ ス ト力負荷用ァクチユエ一夕 3 0 5 a、 3 0 5 b、 較正装置に負荷さ れる鉛直方向荷重分布測定装置 3 0 6 、 作業側 W Sにのみ存在する スラ ス ト反力の合力支持用ローラー 3 0 7 a、 3 0 7 b とから構成 されている。
この板圧延機較正装置の外形形状は、 較正対象となる圧延機が 4 段圧延機の場合、 その鉛直方向の寸法が作業ロールの直径の 2倍に 略等し く なつており、 図 2 8、 2 9 の破線で示すよう に較正対象と なる圧延機の上下補強ロール 3 1 2 a . 3 1 2 bを介して、 該圧延 機の圧下装置により任意の締め込み荷重を受けることができる。
このよ う に上下補強ロール 3 1 2 a、 3 1 2 b と本較正装置との 間で鉛直方向荷重が負荷されている状態で、 ァクチユエ一タ 3 0 5 a、 3 0 5 b力く、 上下補強ロール 3 1 2 a、 3 1 2 bの各々 に任意 のスラ ス ト力を負荷し、 口一 ドセノレ 3 0 4 a、 3 0 4 b力く、 そのス ラ ス 卜力の大きさを測定する。
上下のスライ ド部材 3 0 2 a、 3 0 2 bの断面形状は図示してい ないが、 本較正装置は ミ ル停止状態で使用するこ とを原則と してい るため、 必ずしも作業ロールのような円形断面とする必要はなく 、 むしろ補強ロール 3 1 2 a、 3 1 2 b との間に作用するへルツ応力 を緩和するため、 補強ロールと当接する部分は凹曲面形状と し、 ス ライ ドべア リ ング側はべァリ ングの配設が容易な平坦形状とするこ とが実用的である。
スラ ス ト力負荷用ァクチユエ一タ 3 0 5 a、 3 0 5 bは、 電動モ 一夕駆動方式でもよいが、 油圧駆動方式と して油圧を較正装置の外 部から供給する方式の方が、 較正装置の構造が簡単となり大きなス ラス トカを容易に得る ことができるので好ま しい。 スラ ス トカ負荷 用ァクチユエ一タ 3 0 5 a、 3 0 5 bは、 較正装置の圧延機への組 み込み作業や抜き取り作業時には、 スライ ド部材 3 0 2 a , 3 0 2 bの位置を固定するようにし、 組み込みが終了し上記したよう に補 強ロールにより鉛直方向荷重が加えられた後に、 スラ ス ト力負荷モ - ドと して使用する こ とが好ま しい。
図 2 8 、 2 9 の例では、 較正装置本体の上下にスラ ス ト力負荷用 のスライ ド部材 3 0 2 a、 3 0 2 bを有する力く、 スライ ド部材 3 0 2 a、 3 0 2 bを上下どちらか一方に限定しても基本的な機能を果 たすことはできる。 ただし、 そのような場合は、 スライ ド部材に負 荷したスラス 卜力の反力は、 他方の補強ロールとの間に作用するス ラス ト力にほとんど等し く なるので、 むしろ両者を厳密に等し く す るため、 スラス ト反力支持部材 3 0 7 a、 3 0 7 bを省略してもよ い。
更に異なる形式と しては、 スライ ド部材 3 0 2 a、 3 0 2 bに類 似するスラ イ ド部材を上下どちらか一方のみ配設し し、 例えば、 ス ラ ス ト反カ支持部材 3 0 7 a、 3 0 7 b に類似するスラ ス 卜反力支 持部材と圧延機ハウ ジ ングまたはキ一パプレー トのような固定部材 との間に既知のスラ ス ト力を作用させ得る構造と しても、 図 2 8 、 2 9 の較正装置と実質的に同じ機能を得るこ とができる。
図 2 8 、 2 9 に示した実施形態では、 較正装置本体 3 0 1 の中央 部に鉛直方向荷重分布測定装置 3 0 6が配設されている。 鉛直方向 荷重分布測定装置 3 0 6 は、 通常のロー ドセルをロール軸方向に並 ベたものでもよいが、 機械構造的には次のような形式が好ま しい。 すなわち較正装置本体 3 0 1 の中央部に、 図 2 8 、 2 9 に示すよ うに、 ロール軸方向に並んだ複数の穴を形成し、 鉛直方向荷重が負 荷されたときの各穴の上下寸法の変化を、 例えば作動 ト ラ ンスのよ うな分解能が高く コ ンパク 卜な変位検出器で測定する構造が好ま し い。 このよ う な構造を採用する場合、 各穴の変形量から直接的に鉛 直方向の荷重分布を測定するこ とは不可能である。 そ こで、 予め補 強ロール 3 1 2 a、 3 1 2 bまたは上下スラ イ ド部材 3 0 2 a、 3 0 2 bのロール軸方向プロフ ィ ルを種々変更すると共に、 圧延機の 圧下位置に作業側 W S と駆動側 D S間で差を付けて締め込みを行う 等の予備実験をして、 圧延機の作業側 W S と駆動側 D Sの口一 ドセ ル 3 1 4 a ~ 3 1 4 dの荷重測定値から、 補強ロール 3 1 2 a、 3 1 2 b との間の荷重分布を演算し、 これとロール軸方向に並んだ穴 の上下寸法の変化量の測定値とを対応させて鉛直方向荷重分布測定 のための較正を実施しておく こ とが必要である。
なお、. 図 2 8 、 2 9 の例では、 このような個別の測定装置 3 0 6 をロール軸方向に 5個並べているが、 鉛直方向荷重の作業側 W S と 駆動側 D S間の差を求めるという点では、 ロール軸方向に最低 2個 は必要であり、 好ま し く は 5個以上の測定装置を並べる。
図 2 8 、 2 9 に示した実施形態では、 この鉛直方向荷重分布測定 装置 3 0 6 は、 較正装置本体 3 0 1 の中央部に配置されており、 捕 強ロール 3 1 2 a、 3 1 2 b と本較正装置との間に作用する鉛直方 向荷重分布が上下で異なる場合は、 その平均的な荷重分布を測定す ることになる。 後述するよう に実際に計測したいのは、 上下補強口 —ル 3 1 2 a、 3 1 2 b と本較正装置との間に作用する鉛直方向荷 重のロール軸方向への分布であり、 これをより直接的に測定する目 的で、 鉛直方向荷重分布測定装置 3 0 6 を上下スライ ド部材 3 0 2 a、 3 0 2 b中に配設するこ とができる。 更に、 上下スライ ド部材 3 0 2 a、 3 0 2 bをできるだけ薄く形成し作、 上下スライ ド部材 3 0 2 a、 3 0 2 bのスライ ドベア リ ングにできるだけ近い較正装 置本体 3 0 1 側の上下 2箇所に鉛直方向荷重分布測定装置 3 0 6 を 配設してもよい。
更に図 2 8 、 2 9 に示した実施形態では、 較正装置本体 3 0 1 に 作用するスラ ス ト反力の合力を、 較正装置の上下補強ロール 3 1 2 a、 3 1 2 b と接触する面の鉛直方向位置の実質的な中点に位置す る合力支持用ローラー 3 0 7 a、 3 0 7 bを介して、 圧延機のハウ ジ ングポス ト 3 1 5 あるいは較正装置用キーパープレー ト 3 1 6 a 、 3 1 6 bにより支持している。 このような位置でスラス ト反力の 合力を支持するこ とにより、 合力支持用ローラ一 3 0 7 a、 3 0 7 bに作用する力により較正装置本体 3 0 1 に新たなモーメ ン トが作 用するこ とを最小限に抑えるこ とが可能となり、 後述する較正方法 が簡明かつ高精度に実施できるこ とになる。
その上、 図 2 8 、 2 9 の実施形態ではスラ ス ト反力の合力を口一 ラー形式の支持部材 3 0 7 a、 3 0 7 bで支持する構造と している ので、 支持部材と圧延機のハウ ジングボス 卜またはキーパープレー 卜 との間に作用する鉛直方向の摩擦力を最小限に抑え、 較正装置に 発生する余分なモーメ ン 卜を最小限に抑えるこ とが可能であり、 後 述する圧延機較正方法を、 更に高精度に実施することが可能である 。 なお、 図 2 8、 2 9 の実施形態では口一ラーをハウ ジングポス ト 毎に各 1 個と しているが、 これを複数のローラを設けてもよい。 た だし、 その場合、 複数のローラにより較正装置本体 3 0 1 へモ一メ ン トを負荷するこ とがないよう にピボッ ト機構を挿入する等の配慮 が必要である。
また、 図 2 8 、 2 9 の実施形態では、 スラ ス ト反力の合力の支持 部材である ローラーが作業側 W Sのみに存在するため、 較正装置の 組み込み作業が容易である上、 スラ ス ト力負荷用ァクチユエ一夕 も 作業側 W S のみに存在するため、 スラ ス ト力が本較正装置の作業側 W Sのみで平衡することになり、 本較正装置の中央部や駆動側 D S の本体部分にはスラ ス 卜力およびスラ ス ト反力に起因する内部応力 が伝達されるこ とがなく なり、 これによる較正装置自身の余分な変 形もなく なる。 このことは、 特に、 前記した鉛直方向荷重分布測定 装置の測定精度上も有利な構成となる。
図 3 0 、 3 1 を参照して、 本発明による較正装置の更に他の実施 形態を説明する。 図 3 0 、 3 1 の例では、 スラ ス ト反力の合力支持 用ロ ーラーが作業側 W S と と もに駆動側 D S に も存在する。 このよ うな構成とする こ とにより、 図 2 8 、 2 9 の実施形態の場合に比べ て、 圧延機側のキーパプレー ト 3 1 6 a、 3 1 6 bゃキ一パプレー ト固定金具 3 1 7 a、 3 1 7 b等に対する配慮が不必要になる利点 がある。 一方、 図 3 0 、 3 1 の例では、 駆動側 D Sの合力支持用口 —ラ一 3 0 8 a、 3 0 8 bが較正装置の組み込みの支障となる可能 性が高く 、 例えば、 図 3 0 、 3 1 の 3 0 9 a、 3 0 9 bで示したよ う に駆動側 D Sの合力支持用ローラー 3 0 8 a、 3 0 8 bを格納す る機能等の配慮が必要となる。 更に、 駆動側 D Sの合力支持用ロー ラ一 3 0 8 a、 3 0 8 b とハウ ジングポス ト 3 1 5 との間に力が作 用する場合、 較正装置内のスラス ト力は、 作業側 W Sに存在するス ラ ス ト力負荷用ァクチユエ一夕から較正装置本体 3 0 i の中央部を 通って駆動側 D Sの合力支持用ローラ一 3 0 8 a、 3 0 8 bに伝達 されるこ とになり、 作業側 W Sの合力支持用ローラ一 3 0 7 a、 3 0 7 b とハウ ジングボス 卜 との間に力が作用 している場合と比べて 、 較正装置本体 3 0 1 内の負荷および変形が異なることになり、 こ のこ とが測定精度を低下させる原因にもなり得る こ とに注意を払う べきである。
図 3 2 、 3 3 を参照して、 本発明による較正装置の更に他の実施 形態を説明する。 図 3 2、 3 3 の例では、 図 2 8 、 2 9 の実施形態 に加えて、 較正装置本体 3 0 1 の両端部に外部からの鉛直方向の力 を受ける鉛直方向外力伝達部材 3 1 0 a、 3 1 0 b と、 その鉛直方 向外力の大きさを測定するためのロー ドセル 3 1 1 a、 3 1 1 b力く 配設されている。
図 3 2 、 3 3 の例では、 鉛直方向外力伝達部材 3 1 0 a、 3 1 0 bは、 本較正装置組み込み作業の支障とならないように、 組み込み / 3452 時には回動して較正装置全体の高さを小さ く できるようにしている 。 この回動機能のためのピボッ 卜の存在は、 鉛直方向外力伝達部材
3 1 0 a、 3 1 0 b 自身が較正装置本体 3 0 1 にモーメ ン トを伝達 すること避けるこ とができるという点でも好ま しいものである。 こ のよ うな鉛直方向外力伝達部材 3 1 0 a、 3 1 0 bを介して、 図 3 2 、 3 3 の破線で示すように天井ク レー ン 1 8 a または 1 8 bによ り鉛直方向荷重を較正装置に負荷するこ とができ、 その外力の大き さはロー ドセル 3 1 1 aまたは 3 1 1 bにより正確に測定するこ と ができる。
このよ う に圧延機とは完全に独立した鉛直方向外力を較正装置に 負荷するこ とにより、 圧延機に上下非対称な既知の負荷を与えるこ とが可能となり、 後述するように圧延機のロー ドセル荷重を測定し 分析するこ とにより、 圧延中のロールに発生するスラス ト力に起因 して発生する上下非対称荷重に対する圧延機の変形特性を把握する こ とが可能となる。 図 3 2、 3 3 の較正装置では作業側 W S と駆動 側 D Sの双方に鉛直方向外力伝達部材 3 1 0 a、 3 1 0 bが配設さ れているが、 作業側 W Sのみ、 あるいは駆動側 D Sのみに鉛直方向 外力伝達部材を配設してもよい。
また図 3 2 、 3 3 の例では、 外力と しては上部からの引張荷重の みを想定しているが、 例えば、 較正装置の下部の床面上に滑車 (図 示せず) を設けるこ とにより、 天井ク レー ンやロール組替台車の駆 動装置を利用 して下部から引張荷重を加えるこ とが可能となり、 こ のような外力を受けられるような構造とするこ と もできる。 更に、 較正装置に上下方向の鉛直力を負荷できるような特別な外力負荷装 置 (図示せず) を配設し、 この外力を受けられるような構造と して もよい。
図 3 4 を参照して、 図 2 8 、 2 9 に示した板圧延機較正装置を用 いた板圧延機較正方法の好ま しい実施形態を説明する、 まず、 図 2 8 、 2 9 に示すように、 4段圧延機の作業ロールを抜 いた状態の圧延機内に本較正装置を組み込む (ステ ッ プ S 3 0 0参 照) 。 その際、 較正装置の上下スライ ド部材 3 0 2 a、 3 0 2 bの 口一ル軸方向の位置は固定状態と し、 図 2 8、 2 9 の破線で示す圧 延機の作業側 W Sのキーパプレー ト 3 1 6 a、 3 1 6 bおよびキ一 パプレー ト固定金具 3 1 7 a、 3 1 7 b等は開放した状態で組み込 み、 組み込み終了後に図 2 8 、 2 9 のような位置に戻して較正装置 のロール軸方向位置を固定する。
このとき、 較正装置のスラ ス ト反力の合力支持用ローラ一 3 0 7 a、 3 0 7 bの回転をスムーズにするため、 圧延機のハウ ジングポ ス ト とキ一パプレ一 卜間の間隙は、 ローラ一 3 0 7 a、 3 0 7 bの 直径より も僅かに大き く しておく こ とが好ま しい。 また較正装置か ら与えるスラ ス ト力の大きさを正確に測定するためには以下のよう に して上下のスライ ドベア リ ング 3 0 3 a、 3 0 3 bの特性を把握 しておく こ とが好ま しい。
較正装置組み込み直後にキーパプレー ト 3 1 6 a、 3 1 6 bを開 放した状態で、 圧延機の圧下装置を使用 して補強ロール 3 1 2 a、 3 1 2 bにより較正装置を締め込み、 その状態で較正装置の上下ス ラス ト力負荷用ァクチユエ一夕 3 0 5 a、 3 0 5 bを操作してスラ ィ ド部材 3 0 2 a、 3 0 2 bをその可動範囲でロール軸方向に揺動 する力を与える。 この場合、 上記操作により、 スライ ド部材 3 0 2 a、 3 0 2 bは上下補強ロール 3 1 2 a、 3 1 2 bにより締め込み 荷重が与えられ、 その接触面において摩擦力が作用するので、 口一 ル軸方向に固定されていない較正装置本体 3 0 1 がロール軸方向に 揺動するこ とになる。 このときスラス ト力測定用ロー ドセル 3 0 4 a、 3 0 4 bにより測定される荷重よ り スライ ドベア リ ング 3 0 3 a、 3 0 3 bにより発生する摩擦係数を求めるこ とができ る。 補強 ロールによる締め込み荷重を少なく と も数水準変更してこの実験を 実施しておく こ とが好ま しい。
次に圧延機に較正装置を組み込んだ状態で、 圧延機の圧下装置を 使用 して上下補強ロール 3 1 2 a、 3 1 2 bにより較正装置を所定 の締め込み荷重まで締め込む (ステップ S 3 0 0参照) c 更に、 こ れまで位置固定モー ドと してきた較正装置のスラス トカ負荷用ァク チユエ一夕 3 0 5 a、 3 0 5 bをスラ ス ト力制御モー ドと して圧下 装置による締め込み過程で発生したスラス ト力を開放し、 これをス ラ ス ト力測定用ロー ドセルで確認する。 この状態で、 圧延機の圧延 荷重測定用ロー ドセル 3 1 4 a、 3 1 4 b , 3 1 4 c . 3 1 4 dお よび較正装置の鉛直方向荷重分布測定装置 3 0 6 の出力を測定する (ステ ッ プ S 3 0 2 ) 。
次に較正装置のスラス ト力負荷用ァクチユエ一タ 3 0 5 a、 3 0 5 bを操作し、 上下補強ロールに同方向のスラ ス トカを作用させ、 圧延機の上下ロー ドセル荷重がほぼ等し く 、 かつ左右ロ ー ドセル荷 重差を生じるよう にする (ステップ S 3 0 4 ) 。 この状態で圧延機 の圧延荷重測定用ロー ドセル 3 1 4 a、 3 1 4 b、 3 1 4 c、 3 1 4 d、 較正装置のスラ ス 卜力測定用ロー ドセル 3 0 4 a、 3 0 4 b および較正装置の鉛直方向荷重分布測定装置 3 0 6 の出力を再び測 定する (ステップ S 3 0 6 ) 。
この状態では、 上下のスラ ス 卜力負荷用ァクチユエ一夕から発生 するスラ ス ト反カは上下同方向でほぼ同 じ大きさであるので、 上下 スラス ト力の反力が、 スラス ト反力の合力支持用ローラ一 3 0 7 a 、 3 0 7 bを介して圧延機のハウ ジングポス ト 3 1 5 またはキ一パ —プレー ト 3 1 6 a、 3 1 6 b により支持されるが、 前記した図 2 8 、 2 9 の較正装置の構造のため、 このスラス ト反力により較正装 置に新たに加わるモーメ ン 卜は一般に非常に小さい。 従って、 上下 スラ イ ド部材に負荷するスラ ス ト反力に大きな差を生じない限り、 較正装置の鉛直方向荷重分布測定装置 3 0 6 により測定される荷重 分布は、 上下補強ロールと較正装置との間に作用する鉛直方向荷重 分布に等し く なる。 然しながら、 こ こでは圧延機の上下ロー ドセル 荷重がほぼ等し く なるように較正装置からスラス トカを付与するの で、 圧延機の特性によ っては上下のスラス ト力に比較的大きな差異 を生ずる可能性がある。 このよ う な場合、 上下スラス ト反力の差異 のために較正装置に生ずるモーメ ン トは、 上下補強ロールと較正装 置との接触部に作用する鉛直方向荷重分布の変化に起因するモ一メ ン ト変化により平衡する。 従って、 このような場合でも、 上記較正 装置のモーメ ン トの平衡条件より、 較正装置中央部で測定された鉛 直方向荷重分布とスラ ス ト力の上下差から、 補強ロールと較正装置 との間に作用 して鉛直方向荷重分布を、 少なく と もモーメ ン ト に関 与するロール軸方向座標の一次式成分までは正確に求めるこ とがで きる。
このよう にして測定ないしは推定できる ものは、 例えば、 上口一 ル系については次のようなものである。
T B Τ : 較正装置から補強ロール間に加えたスラ ス ト力
P d ' Β Τ : 較正装置〜補強ロール間の鉛直方向線荷重分布の作業側 と駆動側間の差
P d [ T : 圧延機口一 ドセル測定値の作業側と駆動側間の差
こ こで、 線荷重分布とは、 ロール胴部に作用する締め込み荷重の ロール軸方向分布のこ とであり、 単位胴長あたりの荷重を線荷重と 称している。 p d τ は、 モーメ ン ト に関与する成分を簡明に表現 するため、 鉛直方向線荷重のロール軸方向分布を線形近似して、 そ の作業側と駆動側間の差と して表現している。 もちろん、 3次式や 5 次式成分等の更に高次の成分を考慮しても同様の演算処理は可能 である。
以上の既知量から、 補強ロールのスラ ス ト反力作用点位置 h B ' を次のよう に して求める (ステップ S 3 0 8 ) 。 こ こで、 h τ は 、 上補強ロール胴部下面の較正装置との接触面位置と補強ロールの スラ ス ト反カ作用点位置との鉛直方向距離である。
上補強ロールのモーメ ン 卜の平衡条件は次式で与えられる。
Τ Β · h B T + P d ' Β 1 ( 1 Β 1 ) V 1 2 - P d ' '' · a B 'r /2 こ こで、 1 B T は上補強ロールと較正装置との接触領域長であり
、 通常は上補強ロ ールの胴の長さに等しい。 また、 a 1 は、 上補 強ロールの圧下支点間距離である。 上式から直ちに h 1( ' を求める こ とができる。 下補強ロールのスラス ト反力作用点位置についても 、 これと同様の手続きを行う こ とにより簡単に求めるこ とが可能で める o
図 3 5 を参照して、 図 2 8、 2 9 に示した板圧延機較正装置を用 いた板圧延機較正方法の他の実施形態を説明する。
先ず、 図 3 4 の実施形態と同様の手続きで較正装置を圧延機に組 み込んだ後、 キーパープレー ト 3 1 6 a、 3 1 6 bおよびキーパプ レー ト固定金具 3 1 7 a、 3 1 7 b等をセッ 卜 し、 較正装置本体 3 0 1 をロール軸方向に実質的に固定する。 その状態で圧延機の圧下 装置を使用 して上下補強ロールにより較正装置を所定の締め込み荷 重まで締め込む (ステ ップ S 3 1 0 ) 。 次に、 それまで位置固定モ 一 ドと してきた較正装置のスラス トカ負荷用ァクチユエ一タ 3 0 5 a、 3 0 5 b をスラ ス トカ制御モー ドと して圧下装置による締め込 み過程で発生したスラス ト力を開放し、 これをスラス ト力測定用口 一 ドセル 3 0 4 a、 3 0 4 bで確認する。 この状態で、 圧延機の圧 延荷重測定用ロー ドセル 3 1 4 a、 3 1 4 b . 3 1 4 c , 3 1 4 d および較正装置の鉛直方向荷重分布測定装置 3 0 6 の出力を測定す る (ステ ッ プ S 3 1 2 ) 。
次に、 較正装置のスラス ト力負荷用ァクチユエ一タ 3 0 5 a、 3 0 5 bにより、 上下補強ロール 3 1 2 a、 3 1 2 bに逆方向にほぼ 同じ大きさのスラス トカを作用させ、 圧延機に上下口 一 ドセル荷重 差を生じるような負荷を与える (ステップ S 3 1 4 ) 。 この状態で 、 圧延機の圧延荷重測定用ロー ドセル 3 1 4 a、 3 1 4 b , 3 1 4 c、 3 1 4 d、 較正装置のスラ ス ト力測定用ロー ドセル 3 0 4 a、 3 0 4 bおよび較正装置の鉛直方向荷重分布測定装置 3 0 6 の出力 を再び測定する (ステ ッ プ S 3 1 6 ) 。
この状態では、 上下のスラ ス ト力負荷用ァクチユエ一夕 3 0 5 a 、 3 0 5 bから発生するスラ ス ト反カは上下逆方向でほぼ同じ大き さであるので、 上下スラス 卜力の反力は較正装置内部で平衡するこ とになり、 スラ ス ト反力の合力支持用ローラ一 3 0 7 a、 3 0 7 b にはほとんど負荷がかからない。 例えば、 上補強ロール 3 1 2 a、 3 1 2 b には作業側 W Sへの方向、 下補強ロールには駆動側 D Wへ の方向のスラ ス ト力を作用させたものとすると、 圧延機の作業側 W Sの負荷は、 上部の負荷が大き く 、 下部の負荷が小さ く なり、 駆動 側 D Wはこの逆になる。 このよ うな上下非対称かつ作業側と駆動側 で非対称な負荷を受けるこ とにより、 圧延機の圧下系およびハウ ジ ングの変形は一般に作業側 W S と駆動側 D S とで非対称となり、 そ の結果、 当初、 ほぼ作業側 W S と駆動側 D S とで対称に生じていた 鉛直方向荷重分布が作業側 W S と駆動側 D Sで非対称になる。 その ような鉛直方向荷重分布の変化を鉛直方向荷重分布測定装置 3 0 6 により測定することにより、 上下非対称荷重負荷に対する圧延機の 圧下系およびハウ ジングの変形特性を求めるこ とが可能となる (ス テ ツ プ S 3 1 8 ) 。 なお、 この方法を実施するためには、 予め図 2 8 の板圧延機較正 装置を、 スラ ス ト力が零の状態で、 種々の荷重と作業側 W S と駆動 側 D Sの荷重バラ ンスで締め込み、 そのときの圧下位置と圧延機の 圧延荷重測定用ロー ドセルの出力とから、 較正装置自身の変形特性 を求めておく ことが必要であるこ とは言うまでもない。
次に図 3 2 、 3 3 に示す板圧延機較正装置を用いた板圧延機較正 方法の実施形態について説明しておく 。 図 3 2、 3 3 に示す板圧延 機較正装置を、 これまでの実施形態と同様に作業ロールを取り去つ た圧延機内に組み込み、 圧延機の圧下装置を使用 して上下補強口一 ルにより較正装置を所定の荷重まで締め込む。 次に例えば天井ク レ ーン 1 8 a により作業側 W Sの較正装置端部に上方向の所定の荷重 を負荷する。 このよ うにして負荷された鉛直方向外力は、 較正装置 端部の鉛直方向外力測定用ロー ドセルの出力により正確に測定でき る。 従って、 この場合、 圧延機の上下双方に圧延荷重測定用ロー ド セルがなく ても、 上下どちらか一方の口一 ドセル荷重が測定できれ ば、 較正装置全体の力とモ一メ ン 卜の平衡条件式より、 他の口一 ド セルのない側の補強ロールチ ヨ ッ クに負荷される鉛直方向荷重を演 算算出するこ とができ、 天井ク レーンから鉛直方向外力を負荷する 前後の圧延機のロー ドセル荷重の変化の測定値から、 上下非対称負 荷に対する圧延機の圧下系およびハウ ジングの変形特性を求めるこ とが可能となる。
本発明によ り、 従来オペレータに頼つていた圧延機のレベリ ング 設定、 制御が自動化される。 更に、 従来以上に正確かつ適切なレべ リ ング設定、 制御が可能になるので、 圧延操業における蛇行や通板 ト ラ ブルの発生頻度を大幅に低減し、 更に圧延材のキ ャ ンバーや板 厚ゥエ ッ ジも大幅に低減され、 圧延に要するコ ス ト削減と品質向上 を同時に達成するこ とが可能になる。 本発明の板圧延機較正装置を用い、 本発明の板圧延機較正方法を 実施するこ とにより、 ロール間スラ ス 卜力に起因して発生する上下 非対称負荷による圧延機変形特性を求めることができるので、 この ような上下非対称負荷が発生した場合でも、 その負荷に対する圧延 機の変形状態を正確に推算できるこ とになる。 その結果、 圧延機の 圧延荷重測定用口一 ドセルを検出端とする圧下レペリ ングの設定 - 制御が、 従来技術に比べて著し く正確に実施できるこ とになり、 圧 延操業の自動化が大き く進展するとと もに、 圧延操業における蛇行 ゃ通扳 トラブルの発生頻度を大幅に低減し、 更に圧延材のキャ ンバ 一や板厚ゥ ヱ ッ ジも大幅に低減することができるので、 圧延に要す るコス ト削減と品質向上を同時に達成するこ とが可能になる。
また、 本発明の板圧延機較正装置を用い、 本発明の板圧延機較正 方法を実施するこ とにより、 圧延機の補強ロールのスラス ト反力作 用点の位置を求めることができ、 更に上下非対称負荷による圧延機 変形特性も求めるこ とができるので、 ロール間にスラス ト力が作用 した場合でも、 そのスラス ト力を測定することで、 圧延機のロー ド セル荷重におよぼす影響を分離するこ とができ、 更にスラ ス ト力起 因で発生する上下非対称負荷に対する圧延機の変形特性も推算でき ることになる。 その結果、 圧延機の圧延荷重測定用ロー ドセルを検 出端とする圧下レペリ ングの設定 · 制御が、 迅速かつ正確に実施で きることになり、 圧延操業の自動化が大き く進展するとと もに、 圧 延操業における蛇行や通板 ト ラ ブルの発生頻度を大幅に低減し、 更 に圧延材のキ ャ ンバーや板厚ゥ ヱ ッ ジも大幅に低減する こ とができ るので、 圧延に要するコス ト削減と品質向上を同時に達成するこ と が可能になる。

Claims

請 求 の 範 囲
1 . 少な く と も上下補強ロールと上下作業ロールとを含む 4段以 上の多段板圧延機を用いた圧延方法において、
圧下装置により前記上下補強ロールおよび上下作業ロールを接触 状態で締め込み、
少なく と も前記補強ロール以外のすべてのロールに作用する口一 ル軸方向スラ ス ト反力を測定し、
上下補強ロ ールの各々の圧下支点位置での圧下方向に作用する補 強ロール反力を測定し、
前記スラ ス ト反力および前記補強ロール反力の測定値に基づき、 圧下装置の零点と板圧延機の変形特性の何れか一方または双方を求 め、
これに基づいて、 圧延実行時の圧下位置設定および Zまたは圧下 位置制御を行う板圧延方法。
2 . 少な く と も上下補強ロールと上下作業ロールとを含む 4段以 上の多段扳圧延機を用いた圧延方法において、
少なく と も上下ロールアセ ンブ リ の何れか一方、 好ま し く は、 上 下双方のロールアセンブリ における、 補強ロール以外のすべての口 ールに作用するロール軸方向スラ ス ト反力を測定し、
前記上下補強ロールのう ち少なく と も上記スラ ス ト反カを測定す る側の補強ロールの各々の圧下支点位置での圧下方向に作用する補 強ロール反力を測定し、
前記スラス 卜反力および前記補強ロール反力の測定値に基づき、 板圧延機の圧下位置操作量の目標値を演算し、
前記圧下位置操作量の目標値に基づいて、 圧下位置制御を行う板 圧延方法。
3 . 少な く と も上下補強ロールと上下作業ロールとを含む 4段以 上の多段板圧延機を用いた圧延方法において、
少なく と も上下ロールアセ ンブリ の何れか一方、 好ま し く は、 上 下双方のロールアセンブリ における、 補強ロール以外のすべての口 ールに作用するロール軸方向スラ ス ト反力を測定し、
前記上下補強ロールのう ち少なく と も上記スラ ス トカを測定する 側の補強ロールの各々の圧下支点位置での圧下方向に作用する補強 ロール反力を測定し、
少なく と も該補強ロールとこれに接するロールとの間に作用する スラス 卜力を考慮した上で圧延材と作業ロール間に作用する荷重の ロール軸方向分布の ミ ルセ ンターに関する非対称性を演算し、 前記演算結果に基づいて、 板圧延機の圧下位置操作量の目標値を 演算し、
前記圧下位置操作量の目標値に基づいて、 圧下位置制御を行う板 圧延方法。
4 . 少な く と も上下作業ロールと、 前記上下作業ロールに接触可 能に配設された上下補強ロールとを含む 4段以上の多段板圧延機に おいて、
前記補強ロール以外のすべてのロールに作用するロール軸方向ス ラ ス ト反カを測定するための測定装置と、
前記上下捕強ロールの各圧下支点位置において圧下方向に作用す る補強ロール反力を測定する測定装置とを具備する板圧延機。
5 . 少な く と も上下作業ロールと、 前記上下作業ロールに接触可 能に配設された上下補強ロールとを含む 4段以上の多段板圧延機に おいて、
前記補強ロール以外のすべてのロールに作用するロール軸方向ス ラ ス ト反カを測定するための測定装置と、 前記上下補強ロールの各圧下支点位置において圧下方向に作用す る補強ロール反力を測定する測定装置と、
前記スラ ス ト反カ測定装置および前記補強ロール反力測定装置に 接続され、 前記スラ ス ト反力測定装置および前記補強ロール反力測 定装置による測定値を入力データと して、 少なく と も捕強ロールと これに接するロールとの間に作用するスラス ト力を考慮した上で圧 延材と作業ロール間に作用する荷重のロール軸方向分布の ミ ルセ ン 夕一に関する非対称性、 または、 前記上下作業ロール間に作用する 荷重のロール軸方向分布の ミ ルセ ンタ一に関する非対称性を演算す る演算装置とを具備する板圧延機。
6 . 前記板圧延機は、 補強ロール以外の少なく と も 1 組のロール に口一ルペンディ ング装置が配設されており、
前記ロールベンディ ング装置を有するロールのう ち少なく と も 1 本のロールのロールチヨ ッ ク力く、 ラ ジアル荷重を支持する口一ルチ ョ ッ ク と、 ロール軸方向のスラ ス ト反カを支持するロールチヨ ッ ク とを含み、
前記板圧延機が、 更に、 前記スラス ト反力支持用ロールチヨ ッ ク に作用するスラ ス ト反力を測定する装置を具備する請求項 4 に記載 の板圧延機。
7 . 前記板圧延機は、 補強ロール以外の少な く と も 1 組のロール にロールベンディ ング装置が配設されており、
前記ロールベンディ ング装置が、 設定されたロールベンディ ング 力に、 5 H z以上の周波数の振動成分を付加できる機構を有する請 求項 4 に記載の板圧延機。
8 . 前記板圧延機は、 補強ロール以外の少なく と も 1 組のロール に口一ルペンディ ング装置が配設されており、
前記ロールベンディ ング装置の荷重負荷部と、 前記荷重負荷部に 当接するロールチ ヨ ッ ク との間にロール軸方向に自由度を有するス ライ ドベア リ ングが設けられている請求項 4 に記載の板圧延機。
9 . 前記板圧延機は、 補強ロール以外の少な く と も 1 組のロール に配設されたロールベンディ ング装置を具備しており、
前記ロールベンディ ング装置は、 ロールチヨ ッ クに当接して該ロ ールチヨ ッ クに荷重を負荷する荷重負荷部を有しており、
前記ロールベンディ ング装置の荷重負荷と前記口一ルチョ ッ ク と の間に、 面外変形に対する弾性変形抵抗がロールベンディ ング力の 最大値の 5 %以下の薄肉外皮により少なく と も一部が覆われている 閉空間に液体を封入した構成の荷重伝達部材が設けられている請求 項 4 に記載の板圧延機。
1 0 . 前記板圧延機は、 補強口一ル以外の少なく と も 1 組の口一 ルに該ロールを軸方向にシフ 卜するロールシフ 卜装置を具備してお ヽ
前記ロールシフ ト装置は、 前記ロールに対して振幅 l mm 以上、 周 期 3 0秒以下の微小シフ ト揺動を与える機能を備えている請求項 4 に記載の板圧延機。
1 1 . 少な く と も上下補強ロールと上下作業ロールとを含む 4段 以上の多段板圧延機を用いた板圧延方法において、
圧下装置により前記上下補強ロールおよび上下作業ロールを接触 状態で締め込み、
少なく と も補強ロール以外のすべてのロールに作用するロール軸 方向スラ ス ト反力を測定し、
上下補強ロールの各々の圧下支点位置での圧下方向に作用する補 強ロール反力を測定し、
測定対象となるロールのチヨ ッ クに負荷を与えるロールバラ ンス 装置または口一ルペンディ ング装置の力の絶対値をロールバラ ンス 状態の力の 1 / 2以下、 好ま し く は零に設定し、
前記スラ ス ト反力および前記補強ロール反力の測定値に基づき、 前記圧下装置の零点と板圧延機の変形特性の何れか一方または双方 を求め、
これに基づいて、 圧延実行時の圧下位置設定および/または圧下 位置制御を行う板圧延方法。
1 2 . 少なく と も上下補強ロールと上下作業ロールとを含む 4段 以上の多段板圧延機を用いた圧延方法において、
少な く と も上下口一ルァセンブリの何れか一方、 好ま しく は、 上 下双方のロールアセンブリ における、 補強ロール以外のすべての口
—ルに作用するロール軸方向スラ ス ト反力を測定し、
前記上下補強ロールの各々の圧下支点位置での圧下方向に作用す る補強口一ル反力を測定し、
前記スラス ト反力および前記補強ロール反力の測定値に基づき、 板圧延機の圧下位置操作量の目標値を演算し、
前記スラス ト反力を測定する間、 スラス ト反力の測定対象となる ロールのチ ヨ ッ クに負荷を与えるロールバラ ンス装置またはロール ベンディ ング装置の力の絶対値をロールバラ ンス状態の力の 1 / 2 以下、 好ま し く は零に設定し、
前記圧下位置操作量の目標値に基づいて、 圧下位置制御を行う板 圧延方法。
1 3 . 少なく と も上下補強ロールと上下作業ロールとを含む 4段 以上の多段板圧延機を用いた圧延方法において、
少なく と も上下ロールアセンブリの何れか一方、 好ま し く は、 上 下双方のロールアセンブリ における、 補強ロール以外のすべての口 ールに作用するロール軸方向スラ ス ト反カを測定し、
前記上下捕強ロールの各々の圧下支点位置での圧下方向に作用す る補強口一ル反カを測定し、
圧延中の少なく と も前記スラ ス ト反カを測定する時間帯について は、 前記スラ ス ト反力の測定対象となるロールのチヨ ッ クに負荷を 与えるロールバラ ンス装置またはロールベンディ ング装置の力の絶 対値をロールバラ ンス状態の力の 1 Z 2以下、 好ま し く は零に設定 し、
少なく と も圧延材と作業ロール間に作用する荷重のロール軸方向 分布の ミ ルセ ンターに関する非対称性を演算し、
前記演算結果に基づいて、 板圧延機の圧下位置操作量の目標値を 演算し、
前記圧下位置操作量の目標値に基づいて、 圧下位置制御を行う板 圧延方法。
1 4 . ロールベンディ ング装置以外に板ク ラ ウ ン形状制御手段と 、 少なく と も上下補強ロールと上下作業ロールとを含む 4段以上の 多段板圧延機を用いた圧延方法において、
少なく と も上下ロールアセンブリ の何れか一方、 好ま し く は、 上 下双方のロールアセンブリ における、 補強ロール以外のすべての口 —ルに作用するロール軸方向スラス ト反力を測定し、
前記上下補強ロールの各々の圧下支点位置での圧下方向に作用す る補強口一ル反カを測定し、
所定の板ク ラ ウ ン形状を得るための設定計算時に、 前記ロールべ ンデイ ング装置以外の板ク ラウ ン形状制御手段により、 ロールベン ディ ング力の絶対値をロールバラ ンス状態の 1 Z 2以下、 好ま し く は零になる板圧延機設定条件を演算し、
前記演算結果に基づいて、 圧延開始直後にロールベンディ ングカ をロールバラ ンス状態から前記設定計算値に変更して圧延を実行す る板圧延方法。
1 5 . 少な く と も上下補強ロールと上下作業ロールとを含む 4段 以上の多段板圧延機のロール間に作用するスラス トカに対する板圧 延機の変形特性を求める板圧延機較正方法において、
板圧延機のハウ ジ ングに圧延荷重に相当する鉛直方向の荷重を加 え、
圧延荷重測定用口一 ドセルを介して、 板圧延機ハウ ジングの上方 部と下方部に負荷される鉛直方向荷重のうち少なく と も何れか一方 の荷重を測定し、
前記鉛直方向荷重を加えた状態で、 前記板圧延機の外部から鉛直 方向の外力を加えるこ とで、 板圧延機ハウ ジングに上下非対称な負 荷を与え、
前記ロー ドセル荷重を測定する板圧延機較正方法。
1 6 . 少なく と も上下補強ロールと上下作業ロールとを含む 4段 以上の多段板圧延機のロール間に作用するスラ ス 卜力に対する板圧 延機の変形特性を求める板圧延機較正方法において、
少なく と も上下補強ロールを組み込んだ状態で、 補強ロールの胴 部に圧延荷重に相当する鉛直方向の荷重を加え、
圧延荷重測定用ロー ドセルを介して、 板圧延機ハウ ジングの上方 部と下方部に負荷される鉛直方向荷重のうち少なく と も何れか一方 の荷重を測定し、
前記鉛直方向荷重を加えた状態で、 前記板圧延機の外部から鉛直 方向の外力を加えるこ とで、 上下補強ロールチヨ ッ クを介して板圧 延機ハウ ジ ングに上下非対称な負荷を与え、
前記ロー ドセル荷重を測定する板圧延機較正方法。
1 7 . 少なく と も上下補強ロールと上下作業ロールとを含む 4段 以上の多段板圧延機のロール間に作用するスラス トカに対する板圧 延機の変形特性を求める板圧延機較正方法において、 補強ロール以外のロールのう ち少なく と も一本を抜き取り、 ロールを抜き取った状態の板圧延機の前記ロールの位置に該ロー ルに代わる較正装置を組み込み、
補強ロールの胴部に圧延荷重に相当する鉛直方向荷重を加え、 圧延荷重測定用ロー ドセルを介して、 板圧延機ハウ ジングの上部 と下部に負荷される鉛直方向荷重のう ち少なく と もどちらか一方の 荷重を測定し、
前記鉛直方向荷重を加えた状態で、 前記板圧延機の外部から前記 較正装置に鉛直方向の外力を加えるこ とで、 上下補強ロールチ ヨ ッ クを介して板圧延機ハウ ジ ングに上下非対称な負荷を与え、
前記ロ ー ドセル荷重を測定する板圧延機較正方法。
1 8 . 少な く と も上下補強ロールと上下作業ロールとを含む 4段 以上の多段板圧延機のロール間に作用するスラ ス トカに対する板圧 延機の変形特性を求めるための較正装置において、
前記作業ロールを抜き取った状態の板圧延機内に、 前記抜き取つ たロールの代わりに組み込むことができる形状を有し、
板圧延機の作業側および駆動側のどちらか一方あるいは双方のハ ゥ ジングの外側に出る前記較正装置端部に、 板圧延機外部からの鉛 直方向外力を受ける部材を有する板圧延機較正装置。
1 9 . 較正装置の鉛直方向の寸法が、 板圧延機の上下作業ロール を合わせた寸法に大略等し く 、 上下作業ロールを抜き取った状態の 板圧延機内に組み込むこ とができ、 板圧延機の圧下装置を用いて圧 延荷重に相当する鉛直方向荷重を負荷するこ とができるように構成 された請求項 1 8 に記載の板圧延機較正装置。
2 0 . 較正装置の作業側および駆動側のどちらか一方あるいは双 方の端部に作用する鉛直方向外力の大きさを測定する測定装置を有 する請求項 1 8 に記載の板圧延機較正装置。
2 1 . 較正装置の上部または下部のどちらか一方の板圧延機ロー ルと接触する部材が、 前記板圧延機ロールから受けるスラ ス トカを 実質的に開放できるスライ ド機構を有する請求項 1 8 に記載の板圧 延機較正装置。
2 2 . 少な く と も上下補強ロールと上下作業ロールとを含む 4段 以上の多段板圧延機のロール間に作用するスラス 卜力に対する板圧 延機の変形特性を求めるための較正装置において、
板圧延機のロールチヨ ッ クまたはチ ヨ ッ クの外側に突出したロー ルの端部に装着可能で、 かつ、 板圧延機外部からの鉛直方向外力を 受けるこ とができる板圧延機較正装置。
2 3 . 前記較正装置が、 該較正装置に作用する鉛直方向の外力の 大きさを測定する測定装置を有する請求項 2 2 に記載の板圧延機較 正装置。
2 4 . 少なく と も上下補強ロールと上下作業ロールとを含む 4段 以上の多段板圧延機のロール間に作用するスラ ス トカに対する板圧 延機の力学的特性を求める板圧延機較正方法において、
補強ロール以外のロールを抜き取り、
補強ロール以外のロールを抜き取った状態で、 補強ロールの胴部 に圧延荷重に相当する鉛直方向荷重を加え、
圧延荷重測定用ロー ドセルを介して、 少なく と も上下どちらか一 方の補強ロールの両端に作用する鉛直方向荷重を測定し、
前記鉛直方向荷重を加えた状態で、 更に前記補強ロールの胴部に 既知のスラ ス トカを作用させ、
前記ロー ドセル荷重を測定する板圧延機較正方法。
2 5 . 少な く と も上下補強ロールと上下作業ロールとを含む 4段 以上の多段板圧延機のロール間に作用するスラス 卜力に対する板圧 延機の力学的特性を求めるための較正装置において、 前記補強ロ ール以外のロールを抜き取った状態の板圧延機内に、 これら抜き取ったロールの代わりに組み込むことができる形状を有 し、 補強ロールとの間に圧延荷重に相当する鉛直方向の荷重を負荷 した状態で、 補強ロールに既知のロール軸方向スラ ス 卜力を負荷す る手段を具備する板圧延機較正装置。
2 6 . 板圧延機較正装置が、 補強ロールとの間に作用する鉛直方 向の荷重のロール軸方向分布を測定可能となっている請求項 2 5 に 記載の板圧延機較正装置。
2 7 . 較正装置に作用するスラ ス ト反力の合力を支持する部材が 、 較正装置の上下補強ロールと接触する面の鉛直方向位置の中点に 位置する請求項 2 5 に記載の板圧延機較正装置。
2 8 . 較正装置に作用するスラ ス ト反力の合力を支持する部材が 板圧延機のハウ ジングに接触する箇所がローラ一を備えている請求 項 2 7 に記載の板圧延機較正装置。
2 9 . 較正装置に作用するスラス ト反力の合力を支持する部材が 較正装置の作業側に設けられ、 かつ、 前記補強ロールにロール軸方 向スラス トカを負荷するァクチユエ一タも作業側に配設されている 請求項 2 7 に記載の板圧延機較正装置。
3 0 . 較正装置を板圧延機に組み込んだ状態で板圧延機の作業側 および駆動側のどちらか一方あるいは双方のハゥ ジ ングの外側に出 る前記較正装置端部に、 外部からの鉛直方向の力を受ける部材が設 けられている請求項 2 5 に記載の板圧延機較正装置。
3 1 . 較正装置の作業側および駆動側の何れか一方あるいは双方 の端部に作用する鉛直方向の外力の大きさを測定する測定装置が設 けられている請求項 3 0 に記載の板圧延機較正装置。
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