JP3249480B2 - 圧延機及び圧延方法 - Google Patents

圧延機及び圧延方法

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JP3249480B2 JP31626098A JP31626098A JP3249480B2 JP 3249480 B2 JP3249480 B2 JP 3249480B2 JP 31626098 A JP31626098 A JP 31626098A JP 31626098 A JP31626098 A JP 31626098A JP 3249480 B2 JP3249480 B2 JP 3249480B2
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    • B21B13/14Metal-rolling stands, i.e. an assembly composed of a stand frame, rolls, and accessories having counter-pressure devices acting on rolls to inhibit deflection of same under load; Back-up rolls
    • B21B13/145Lateral support devices for rolls acting mainly in a direction parallel to the movement of the product
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B21B13/02Metal-rolling stands, i.e. an assembly composed of a stand frame, rolls, and accessories with axes of rolls arranged horizontally
    • B21B2013/028Sixto, six-high stands
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B31/00Rolling stand structures; Mounting, adjusting, or interchanging rolls, roll mountings, or stand frames
    • B21B31/16Adjusting or positioning rolls
    • B21B31/20Adjusting or positioning rolls by moving rolls perpendicularly to roll axis
    • B21B2031/206Horizontal offset of work rolls

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧延機及び圧延方法
に係り、特に、硬質・極薄材の圧延に好適な小径作業ロ
ールを用いた圧延機及びその圧延機による圧延方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の圧延機において、作業ロ
ールの径が小さいほど圧延限界を大きくとれる(より薄
肉にできる)ことから、ステンレス鋼などの硬質材や極
薄材の圧延に対し小径の作業ロールが用いられてきた。
しかしながら、作業ロールの径が小さくなると作業ロー
ル自体のねじり強度が低下するため、圧延に必要なトル
クを作業ロールに付加できない場合がある。そこで、こ
のような小径作業ロールを用いる場合には、作業ロール
を上下方向から直接又は間接的に支持するロール(中間
ロール、補強ロール等)を駆動ロールとするのが一般的
である。ここで、このような構造では、作業ロールは、
圧延中においてそれに接したロールからの駆動接線力、
及び圧延材からの前方張力・後方張力を受けることとな
る。これらはいずれも作業ロールに対し水平方向に作用
する力(以下、水平力という)であるが、作業ロールが
小径化するほどロール自体の曲げ剛性が小さくなるた
め、これら水平力によって水平面内で作業ロールのたわ
みが生じることととなる。
【0003】この水平たわみの発生を低減するための方
策の1つとして、まず、いわゆるセンジマーミル等のク
ラスタータイプの多段圧延機や、例えば特開昭59-1
85509号公報及び特開昭60-18206号公報等
に開示されているような作業ロール胴部を水平方向から
支持ロールにより補強して支持して水平撓みを防止する
圧延機等が提唱されている。しかしながら、これらの圧
延機においてはいずれも、作業ロールの胴長方向に分割
された支持ロールを用いているため、その分割された支
持ロールによるマークが作業ロールに転写され、さらに
作業ロールから圧延材に転写され、圧延材の表面性状が
悪化するという課題があった。また、水平たわみを低減
する他の方策としては、例えば特開昭63-60006
号公報に記載のように作業ロールをオフセットさせる方
法が知られている。すなわち図17に示すように、作業
ロールの軸心位置をそれに接するロール(図では中間ロ
ール)の軸心位置から水平方向(作業ロールパス方向)
に(例えば圧延材の出側に)δだけオフセットさせるこ
とにより、このオフセットで生じる圧延荷重Pの水平方
向分力Fpで前述した中間ロールからの駆動接線力Ft、
圧延材からの前方張力Tf、及び後方張力Tbに対抗しバ
ランスさせ、水平力を抑制して水平たわみを低減するも
のである。しかしながら実際の圧延機においては、これ
ら3つの水平力Ft,Tf,Tbが常に変動し、作業ロー
ルのオフセットによるFpのみによってこれらをバラン
スさせることは困難である。そのため、水平たわみを十
分に低減することは困難であり、この方法による作業ロ
ールの小径化には限界があった。
【0004】そこで、上記を解決するために、圧延材の
表面性状を悪化させることなく水平たわみを十分に低減
できる圧延機として、特開平5−50109号公報記載
の圧延機が提唱されている。この圧延機においては、ま
ず、入側・出側のうち一方の側に設けられた作業ロール
位置決め用支持ロールと他方の側に設けられた作業ロー
ル押圧用サポートロールとで最大板幅より外側にて作業
ロール胴部を支持し、これら2つの支持ロールを水平方
向に可動とすることにより、圧延中において小径作業ロ
ールのオフセット位置を可変とする。さらに、作業ロー
ルの端部にも逆曲げ力付与用の支持ロールを設け、油圧
ジャッキで作業ロールに押し付けられるようになってい
る。これにより、圧延中の変動によってオフセットでバ
ランスしきれない水平力が発生したとしても、油圧ジャ
ッキに押圧された逆曲げ力付与用の支持ロールで逆曲げ
力を作業ロールに与え、これによって作業ロールの剛性
を大きくする。これにより、その水平力によるその水平
たわみの発生を低減するようになっている。したがっ
て、この圧延機によって、極小径の作業ロールで、表面
性状の良好な硬質・薄肉材の圧延を行えるようになっ
た。しかしながら、上記圧延機においては、オフセット
量δを、両側の支持ロールが作業ロールに押圧される力
が互いに等しくなるように決定していたため、その応答
性及び精度の向上の点で改善の余地があった。
【0005】そこでさらに、上記を解決し、オフセット
量決定における応答性及び精度の向上を図れる圧延機の
制御方法として、特開平9−285804号公報記載の
圧延機の制御方法が提唱されている。この制御方法は、
作業ロールの入側・出側それぞれに作用させる逆曲げ力
が互いに等しくなるようにオフセット量を決定すること
より、オフセット量決定における応答性及び精度をさら
に向上することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】オフセット位置を可変
とするオフセット制御機構は、駆動モータからの駆動力
をウォームジャッキ機構を介して軸方向の運動に変換
し、これによって入側・出側のうち一方側の作業ロール
位置決め用支持ロールをパス方向に進退させる。このよ
うな構成のため、オフセット量を変更するときの追従速
度が比較的遅く、このオフセット制御が追従してくるま
での間に生じる水平力により水平たわみが生じる。上記
特開平9−285804号公報記載の圧延機では、セン
サで検出される水平たわみを抑制する向きに逆曲げ力を
加え、この逆曲げ力を作用させなくてもよくなるような
方向にオフセットさせるようにしたものである。このよ
うな制御により、作業ロールのオフセット量δは、結果
的に、作業ロールオフセットによる荷重分力Fp、前方
張力Tf、後方張力Tb、及び駆動接線力Ftという4つ
の水平力が釣り合った位置に制御される。
【0007】しかしながら、この圧延機における逆曲げ
力の付与は、発生した水平力による水平たわみを抑制す
るものであり、水平力そのものをなくすものではない。
すなわち、逆曲げ力の付与によってたわみがなくなった
としても、オフセット制御が追従してくるまでの間、水
平力そのものは作業ロールに生じている。そのため、非
連続的な圧延状態等となる場合等において、その水平力
の大きさが何らかの原因で過渡的に大きくなった場合、
いくつかの不都合が生じる可能性がある。以下、それら
を詳細に説明する。
【0008】(1)非連続的な圧延状態の例 (1−1)圧延開始のための準備時 上記特開平9−285804号公報の圧延機で圧延を開
始する場合、通常、作業ロールをパスラインから離し
た状態で圧延材を通板(但し圧延材は停止状態)→予
めオフセットさせた作業ロールを近づけて圧延材を所定
荷重Pで圧下(これにより圧延荷重の水平方向分力Fp
が生じる)→圧延材に前方張力Tf及び後方張力Tb付
与→中間ロールの回転で作業ロールを駆動して圧延開
始、という順番になる。ここで、上記特開平9−285
804号公報記載の圧延機においては、オフセット量δ
の決定の際には、特開平5−50109号公報と同様、
荷重分力Fp、駆動接線力Ft、前方張力Tf、及び後方
張力Tbの4つが作用していることを前提としている。
しかしながら、上記〜の手順で明らかなように、圧
延開始(手順)の直前には駆動接線力Ftがまだ作用
していない状態であるため、オフセット量δを予め設定
して圧延を開始する場合、例えば上記又はの段階で
比較的大きな水平力が前方あるいは後方に作用すること
となる。
【0009】(1−2)圧延開始時 また、上記したように、上記特開平9−285804号
公報記載の圧延機においては、中間ロールと作業ロール
とのオフセット量δの決定の際には、荷重分力Fp、駆
動接線力Ft、前方張力Tf、及び後方張力Tbの4つが
作用している定常圧延状態において、 Ft=Fp+(Tf−Tb)/2 となるように、理論式に基づいて、 δ=Fp(rw+ri)/P に設定する。しかしながら、実現象と理論計算の間に差
が生じることは避けられず、実際には、 Ft≠Fp+(Tf−Tb)/2 となる。したがって、実際には、作業ロールには、圧延
開始と同時に、 H=Ft−{Fp+(Tf−Tb)/2} … (式A) の水平力が急激に加わることとなる。
【0010】(1−3)圧延開始直後及び圧延終了直前 圧延の開始直後・圧延終了直前は、例えば可逆式圧延
機として用いる場合には圧延材の始めと終わりの部分が
正規の板厚に対しやや厚くなっていること、圧延開始
直後は加速によって圧延速度が徐々に増加し、圧延終了
直前は減速によって圧延速度が徐々に低下すること、等
によって圧延状態の変化が大きい。上記式Aで示した水
平力Hは、この間ずっと存在し、定常圧延時より大きく
且つ急激に変化する。
【0011】(2)水平力が過渡的に大きくなった場合
の不都合 (2−1)軸受の寿命低下 図18は、特開平9−285804号公報記載の圧延機
の要部構造を示しており、上下一対の作業ロール1,2
と、これら作業ロール1,2にそれぞれ接して駆動力を
与える上下一対の駆動用ロールとしての中間ロール3,
4と、これら中間ロール3,4をそれぞれ回転させる回
転機構としてのモータ5,6と、作業ロール1,2の軸
心位置を中間ロール3,4の軸心位置から略水平方向に
オフセットさせるオフセット機構としての位置決め装置
9,10とを備えている。作業ロール1,2は、最大板
巾の圧延材11が通過する外側において、その胴部を支
持ロール12b,13b,14b,15b等により入側
・出側から水平方向にそれぞれ支持されている。これら
支持ロール12〜15は、2つ1組で支持フレーム1
7,18,19,20の先端にそれぞれ設置されてい
る。入側の支持フレーム18,20は、モータ(後述)
の駆動で進退する上記位置決め装置9,10によって圧
延中に略水平方向に移動可能となっている。また、出側
の支持フレーム17,19は、図示しない油圧源から圧
油が供給される押圧用の油圧シリンダ23b,24b等
によって支持フレーム18,20の移動に追従するよう
に入側に向かってそれぞれ一定圧力(例えば、油圧源の
最大圧力の1/3)で押圧されている。これらにより、
位置決め装置9,10の進退によって作業ロール1,2
のオフセット位置を変化させることができる構造となっ
ている。なお、中間ロール3,4の反作業ロール1,2
側には、補強ロール25,26がそれぞれ設けられてい
る。
【0012】上記構成において、上記(1−1)(1−
2)(1−3)のうちいずれかの状態において、何らか
の原因で、図18中右方向への水平力が作業ロール1,
2に作用したとする。すなわち、これは図18中左方向
への作業ロール1,2のオフセットが過渡的に不足し、
作業ロール1,2が右方向への水平力によって右方向へ
とたわもうとする場合であるが、これは前述した逆曲げ
力によって防止される。しかしこの水平力自体は残るた
め、右側の支持ロール13b,15b等には水平力が加
わる。この水平力の大きさが瞬間的に著しく大きくなっ
た場合には、それら支持ロール13b,15b等の軸受
に大きな負担が加わり、その寿命を大きく低減させ、甚
だしい場合には破損する可能性も考えられなくはない。 (2−2)作業ロールと支持ロールとの離反 上記構成において、上記(1−1)(1−2)(1−
3)のうちいずれかの状態において、何らかの原因で、
上記とは逆に図18中左方向への水平力が作業ロール
1,2に作用したとする。すなわち、これは図18左方
向への作業ロール1,2のオフセットが過渡的に過剰と
なり、作業ロール1,2が左方向への水平力によって左
方向へとたわもうとする場合である。このたわみは上記
同様逆曲げ力によって防止されるが、この左方向への水
平力自体は残る。そしてこのとき、前述したように油圧
シリンダ23b,24b等は一定圧力で押圧しているた
め、左方向への水平力の大きさが瞬間的に著しく大きく
なった場合には、それら油圧シリンダ23b,24b等
の押圧力に打ち勝って作業ロール1,2が図中左方向へ
移動して支持ロール13b,15bから離反し、安定し
た圧延ができなくなり、形状不良なども発生することが
ある。
【0013】以上説明したように、上記特開平9−28
5804号公報の圧延機では、連続的かつ定常的な圧延
状態では、良好な応答性及び精度で表面性状の良好な硬
質・薄肉材の圧延を行えるが、非連続的な圧延状態で
は、上記したオフセット制御及び曲げ制御等による本来
のたわみ低減効果を十分に確保するのが困難となってい
た。
【0014】本発明の目的は、非連続的な圧延状態であ
っても、オフセット制御等によるたわみ低減効果を十分
に確保することができる圧延機及び圧延方法を提供する
ことにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明は、上下一対の作業ロールと、これら
作業ロールにそれぞれ接して駆動力を与える上下一対の
駆動用ロールと、前記作業ロールの入側及び出側のうち
一の側に設けられ、前記作業ロールの軸心位置を前記駆
動用ロールの軸心位置から略水平方向にオフセットさせ
た状態で該作業ロールを前記一の側から支持するオフセ
ット支持手段と、前記作業ロールの入側及び出側のうち
他の側に設けられ、油圧シリンダの押圧力によって前記
作業ロールを前記他の側から押圧しつつ支持する押圧支
持手段と、前記オフセット支持手段に作用する水平力を
検出する水平力検出手段とを有し、前記作業ロールによ
って圧延材を減厚する圧延機において、前記水平力検出
手段での検出値が所定の目標値に保たれるように、前記
検出値が前記目標値より大きい場合は前記油圧シリンダ
の押圧力を減少させかつ前記検出値が前記目標値より小
さい場合は前記油圧シリンダの押圧力を増大させる押圧
制御手段を設ける。作業ロールがオフセットした状態で
は、定常圧延時には、オフセットで生じる圧延荷重の水
平方向分力を、駆動用ロールから作業ロールへの駆動接
線力と圧延材からの前方張力及び後方張力とにバランス
させキャンセルすることにより、作業ロールに作用する
水平力を抑制し、作業ロールの水平たわみを低減するこ
とができる。一方、非連続的な圧延状態となる場合等に
おいて、何らかの原因で水平力が過渡的に大きくなった
場合には、オフセットによる圧延荷重分力でそれをキャ
ンセルするのは困難であり、作業ロールに水平力が残存
する。
【0016】例えば、一の側から他の側への水平力が残
存する場合、押圧支持手段は、作業ロールからその水平
力を受けることとなる。そのため、油圧シリンダの押圧
力がその水平力よりも小さくなると、水平力が押圧力に
打ち勝ち、作業ロールが他の側へと移動することとな
る。そのため、作業ロールを一の側から支持しているオ
フセット支持手段と作業ロールとが離反し、安定した圧
延ができなくなる。本発明においては、押圧制御手段で
押圧支持手段への油圧シリンダの押圧力を制御し、オフ
セット支持手段に作用する力が所定の目標値に保たれる
ようにする。すなわち、上記のような場合には、他の側
からの油圧シリンダの押圧力を増大させることにより、
逆方向である作業ロールからの水平力に打ち勝って一の
側のオフセット支持手段に目標値の力が作用するように
する。これにより、上記のようなオフセット支持手段と
作業ロールとの離反を未然に防止でき、オフセットによ
る本来の水平たわみ低減効果を十分確保することができ
る。
【0017】逆に、他の側から一の側への水平力が残存
する場合、オフセット支持手段は、作業ロールからのそ
の水平力と、これと同じ方向である押圧支持手段からの
押圧力との合力を受けることとなる。そのため、オフセ
ット支持手段に備えられた部材、例えば、圧延材最大板
幅より外側において作業ロールの胴部の両端部を一の側
から支持する支持ロールの軸受に大きな負担が加わり、
その寿命が著しく低下したり破損したりして、安定した
圧延が困難となる。本発明においては、このような場
合、油圧シリンダの押圧力を減少させることにより、一
の側のオフセット支持手段に作用する力を目標値にまで
低減する。これにより、上記のようなオフセット支持手
段の軸受等に対する負担を軽減して、寿命低下や破損を
未然に防止できるので、オフセットによる本来の水平た
わみ低減効果を十分確保することができる。
【0018】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記オフセット支持手段は、前記圧延材の最大板幅より
外側において前記作業ロールの胴部の両端部を前記一の
側から支持する支持ロールを備えている。
【0019】(3)上記(1)において、また好ましく
は、前記オフセット支持手段による支持位置を位置決め
するオフセット位置決め手段を設ける。
【0020】(4)上記(3)において、さらに好まし
くは、前記オフセット位置決め手段は、駆動モータと、
この駆動モータの駆動力に基づき前記オフセット支持手
段を略水平方向に進退させるウォームジャッキ機構とを
備えている。
【0021】(5)また上記目的を達成するために、本
発明は、上下一対の作業ロールと、これら作業ロールに
それぞれ接して駆動力を与える上下一対の駆動用ロール
と、前記作業ロールの入側及び出側のうち一の側に設け
られ、前記作業ロールの軸心位置を前記駆動用ロールの
軸心位置から略水平方向にオフセットさせた状態で該作
業ロールを前記一の側から支持するオフセット支持手段
と、このオフセット支持手段による支持位置を位置決め
するオフセット位置決め手段と、前記作業ロールの入側
及び出側のうち他の側に設けられ、油圧シリンダの押圧
力によって前記作業ロールを前記他の側から押圧しつつ
支持する押圧支持手段と、前記オフセット支持手段に作
用する水平力を検出する水平力検出手段と、前記作業ロ
ールに水平方向曲げ力を付与する水平曲げ手段とを有
し、前記作業ロールによって圧延材を減厚する圧延機に
おいて、前記水平力検出手段での検出値が所定の目標値
に保たれるように、前記検出値が前記目標値より大きい
場合は前記油圧シリンダの押圧力を減少させかつ前記検
出値が前記目標値より小さい場合は前記油圧シリンダの
押圧力を増大させる押圧制御手段を設ける。
【0022】(6)さらに上記目的を達成するために、
本発明は、上下一対の作業ロールと、これら作業ロール
にそれぞれ接して駆動力を与える上下一対の駆動用ロー
ルと、前記作業ロールの入側及び出側のうち一の側に設
けられ、前記作業ロールの軸心位置を前記駆動用ロール
の軸心位置から略水平方向にオフセットさせた状態で該
作業ロールを前記一の側から支持するオフセット支持手
段と、前記作業ロールの入側及び出側のうち他の側に設
けられ、油圧シリンダの押圧力によって前記作業ロール
を前記他の側から押圧しつつ支持する押圧支持手段と、
前記オフセット支持手段に作用する水平力を検出する水
平力検出手段とを有し、前記作業ロールによって圧延材
を減厚する圧延機を用いた圧延方法において、前記水平
力検出手段での検出値が所定の目標値に保たれるよう
に、前記検出値が前記目標値より大きい場合は前記油圧
シリンダの押圧力を減少させかつ前記検出値が前記目標
値より小さい場合は前記油圧シリンダの押圧力を増大さ
せる押圧制御を行う。
【0023】(7)上記(6)において、好ましくは、
圧延を開始する際、前記駆動用ロールを回転させること
なく所定の定常圧延荷重まで圧下荷重を増加させている
ときに、第1の圧下荷重を境に前記押圧制御を開始す
る。
【0024】(8)上記(6)において、また好ましく
は、圧延を終了する際、前記駆動用ロールの回転を停止
させた後に所定の定常圧延荷重から圧下荷重を低下させ
ているときに、第2の圧下荷重を境に前記押圧制御を終
了する。
【0025】(9)上記(6)において、また好ましく
は、前記圧延機が可逆式圧延機であって前記作業ロール
が駆動されていない場合、該圧延機のパス方向に応じ前
記目標値を変えて前記押圧制御を行う。可逆式圧延機で
は、一の側から他の側へのパス方向である場合と、他の
側から一の側へのパス方向である場合との両方がある。
これらの場合、通常、作業ロールのオフセット方向はそ
れぞれ、他の側及び一の側となる。作業ロールが一の側
へオフセットしている場合(パス方向が他の側→一の側
の場合にほぼ相当)、作業ロールが駆動されていないと
きに過渡的かつ大きな水平力が他の側から一の側へとい
う向きに発生することが多いが、この場合、押圧制御に
おいて、油圧シリンダは、(目標値)−(一の側への水
平力)の力で他の側から一の側に向かって押圧すれば足
りる。一方、作業ロールが他の側へオフセットしている
場合(パス方向が一の側→他の側の場合にほぼ相当)、
作業ロールが駆動されていないときに過渡的かつ大きな
水平力が一の側から他の側へという向きに発生すること
が多いが、この場合、押圧制御において、油圧シリンダ
は、これに対抗するために(目標値)+(他の側への水
平力)の力で他の側から一の側に向かって押圧する必要
がある。したがって、上記2つのオフセットパターンに
おける目標値を同一にすると、上記2つのうち後者では
油圧シリンダにおいて必要な押圧力が非常に大きくな
り、押圧支持手段に備えられた部材、例えば、圧延材最
大板幅より外側において作業ロールの胴部の両端部を他
の側から支持する支持ロールの軸受に大きな負担が加わ
る。
【0026】そこで本発明においては、これに応じて、
作業ロールの非駆動時に、圧延機のパス方向に応じ目標
値を変えて押圧制御を行い、例えば上記の例では、パス
方向が一の側から他の側となる場合には、目標値自体を
低く設定して押圧制御を行う。これにより、上記した油
圧シリンダに必要な押圧力を低減することができるの
で、支持ロールの軸受等の負担を軽減することができ
る。
【0027】(10)上記(6)において、また好まし
くは、前記圧延機が作業ロールのたわみ検出手段を備
え、圧延を開始する前に所定の軽荷重を前記圧延材に付
与し、そのときの前記たわみ検出手段の検出値をその検
出基準値としている場合、前記押圧制御における前記目
標値を、前記軽荷重付与時における前記水平力検出手段
の検出値と等しい値とする。例えば、たわみ検出手段と
してオフセット支持手段又は押圧支持手段に距離センサ
ーを取り付け、センサーから作業ロールまでの距離の変
化によって作業ロールのたわみの有無を検出する場合が
ある。この場合、圧延開始前に所定の軽荷重を付与した
ときの検出距離を基準値とし、この基準値と圧延開始後
の検出距離との差によって圧延時の作業ロールのたわみ
の有無を検出するのが一般的である。しかしながら、厳
密には、オフセット支持手段又は押圧支持手段自体にわ
ずかな弾性変形があるため、仮に作業ロールがたわんで
いなくても、オフセット支持手段又は押圧支持手段に上
記軽荷重付与時よりも大きな水平力が作用していれば、
その力の差だけオフセット支持手段又は押圧支持手段の
弾性変形が増大する。すると、この分だけセンサーの検
出距離が変化するため、たわみ検出手段は、作業ロール
がたわんだとして誤検出してしまう可能性がある。そこ
で、本発明は、軽荷重付与時の水平力検出手段の検出値
を目標値として押圧制御を行うことにより、検出値が目
標値となっている間は上記オフセット支持手段又は押圧
支持手段の弾性変形の増大はない。これにより、前述し
た押圧制御時におけるたわみ検出誤差の発生を防止する
ことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を参照しつつ説明する。本実施形態による圧延機の要部
構造を表す側面図を図2に、図2の構造のうち上作業ロ
ール1に関する部分を中間ロール及び補強ロール(後
述)を除いた状態で見た上面図を図3にそれぞれ示す。
これら図2及び図3において、圧延機は、上下一対の作
業ロール1,2と、これら作業ロール1,2にそれぞれ
接して駆動力を与える上下一対の駆動用ロールとしての
中間ロール3,4と、これら中間ロール3,4をそれぞ
れ回転させるモータ5,6と、圧延荷重を付与するサー
ボ弁及びシリンダ(図示せず、後述する図1参照)と、
上下作業ロール1,2に水平方向曲げ力を付与する水平
曲げ手段としての上部曲げシリンダ7a,7b,8a,
8b、下部曲げシリンダ(図示せず)、及びそれらに対
応するサーボ弁(図示せず、後述する図1参照)と、作
業ロール1,2の軸心位置を中間ロール3,4の軸心位
置から略水平方向にオフセットさせる位置決め装置9,
10とを備えている。
【0029】作業ロール1,2は、最大板巾の圧延材1
1が通過する外側において、その胴部の両端部を支持ロ
ール12a,12b,13a,13b及び14a(図示
せず),14b,15a(図示せず),15bにより入
側・出側から水平方向にそれぞれ支持されている。これ
ら支持ロール12〜15は、2つ1組で支持フレーム1
7,18,19,20の先端にそれぞれ設置されてい
る。すなわち、上作業ロール1を出側から支持する支持
ロール12a,12bは対応する軸受21a,21bを
介して支持フレーム17に支持されており、上作業ロー
ル1を入側から支持する支持ロール13a,13bは対
応する軸受22a,22bを介して支持フレーム18に
支持されており、同様に、下作業ロール2を入側・出側
からそれぞれ支持する支持ロール15,14は対応する
軸受(図示せず)を介して支持フレーム19,20にそ
れぞれ支持されている。このとき、入側の支持フレーム
18,20は、モータ(後述)の駆動で進退する上記位
置決め装置9,10によって圧延中に略水平方向に移動
可能となっている。また、出側の支持フレーム17,1
9は、図示しない油圧源から圧油が供給される押圧用の
油圧シリンダ23a,23b,24a(図示せず),2
4bによって支持フレーム18,20の移動に追従する
ように入側に向かってそれぞれ押圧されている。さら
に、上下作業ロール1,2を回転自在にそれぞれ支持す
る上チョック16a,16b及び下チョック25a,2
5b(図示せず、後述する図1参照)は、設置面に固定
されたハウジングに対して水平方向にスライド可能に支
持されている。これらにより、位置決め装置9,10の
進退によって作業ロール1,2のオフセット位置を変化
させることができる構造となっている。
【0030】中間ロール3,4は、図示しない移動機構
によって軸方向に移動可能となっている。またこれら中
間ロール3,4の反作業ロール1,2側には、補強ロー
ル25,26がそれぞれ設けられている。
【0031】上部曲げシリンダ7a,7b及び8a,8
bは、上チョック16a,16bに接するように設けら
れており、図示しない油圧源から上記したサーボ弁を介
して圧油が供給され伸び動作又は縮み動作を行うことに
より、上作業ロール1に支持ロール12a,13a又は
12b,13bを支点とする水平方向曲げ力を付与する
ようになっている。図示しない下部曲げシリンダも同様
に下チョック25a,25bに設けられ、下作業ロール
2に支持ロール14a,15a又は14b,15bを支
点とする水平曲げ力を付与するようになっている。
【0032】以上のような基本構成の圧延機において、
本実施形態の要部は、オフセット制御(詳細は後述)、
荷重制御(同)、曲げ制御(同)、回転制御(同)、及
び押圧制御(同)の各制御にある。以下の説明は、圧延
機のうち主として上作業ロール1側に係わる構成に関す
る制御のみを例にとって説明するが、下作業ロール2側
についても同様の制御を行う。本実施形態の要部である
上記制御を行う圧延機の制御装置の構成を圧延機の概略
構成とともに示した図を図1に、図1に示したコントロ
ーラの機能を表すブロック図を図4に示す。これら図1
及び図4において、圧延機の制御装置100は、コント
ローラ101と、作業員が手動で指示入力を行うととも
にそれに対応する信号をコントローラ101に出力する
入力手段102とを備えている。
【0033】コントローラ101は、圧延中において作
業ロール1に生じる水平方向たわみを低減可能な作業ロ
ール1の所定のオフセット位置を算出するとともに、位
置決め装置9の動作を制御し任意のオフセット位置に作
業ロール1の軸心位置をオフセットさせる機能を果たす
オフセット制御部101aと、前述した荷重付与機能を
果たすサーボ弁28及び油圧シリンダ29の動作を制御
し任意の圧下荷重を補強ロール26に付与する荷重制御
部101bと、前述した曲げシリンダ7,8及び対応す
るサーボ弁30,31の動作を制御し作業ロール1に任
意の水平方向曲げ力を付与する曲げ制御部101cと、
モータ5の動作を制御し減速機(ピニオンスタンド)2
7を介して中間ロール3を回転させる回転制御手段とし
ての回転制御部101dと、前述した押圧用シリンダ2
3a,23b及び対応する比例電磁減圧弁39の動作を
制御し出側の支持フレーム17を入側に向かって押圧す
る力を付与する押圧制御部101dとを備えている。
【0034】オフセット制御部101aは、入力手段1
02からの圧延条件(後述)を表す信号と、上部曲げシ
リンダ7a,7bへ供給される圧油の圧力を検出する圧
力センサ32a,32bからの検出信号と、支持フレー
ム18の移動位置を検出する移動検出手段例えば位置決
め装置9の駆動源である駆動モータ9aの回転を検出す
るパルスジェネレータ33からの検出信号とが入力され
るとともに、駆動モータ9aの回転動作を制御する制御
信号を出力するようになっている。駆動モータ9aは、
この制御信号に応じて回転し、この回転がギヤ機構9b
を介してウォームジャッキ機構9cに伝達され、これに
よって支持フレーム18の位置が略水平方向に進退移動
するようになっている。
【0035】荷重制御部101bは、入力手段102か
らの圧延条件(後述)を表す信号と、油圧シリンダ29
に供給する圧油の圧力を検出する圧力センサ35からの
フィードバック信号とが入力され、これら2つの信号を
基に、圧下用のサーボ弁28に油圧シリンダ29内の圧
力を所望の値に調整する制御信号(駆動電流)を出力す
るようになっている。なおこのとき、上補強ロール25
の上部に圧力センサ(例えばロードセル)を設け、この
ロードセルから検出される圧力が所望の値になるように
制御してもよい。
【0036】曲げ制御部101cは、入力手段102か
らのたわみ目標値(後述)を表す信号と、圧延機の入側
の支持フレーム18に設けられたたわみ検出器36から
の作業ロール1のたわみを検出する検出信号とが入力さ
れるとともに、サーボ弁30,31に駆動電流を出力す
る曲げ用サーボアンプ37,38に制御信号をそれぞれ
出力するようになっている。そして、サーボアンプ3
7,38は、これら制御信号とたわみ検出器36からの
たわみ検出信号とに基づき、油圧シリンダ内7a,7b
及び8a,8b内に供給する圧油の圧力を所望の値に調
整する駆動電流をサーボ弁30,31に出力するように
なっている。なお、たわみ検出器36は、例えば作業ロ
ール1との距離を計測する公知の距離センサである。
【0037】回転制御部101dは、入力手段102か
らの圧延条件(後述)を表す信号が入力されるととも
に、中間ロール3,4を回転させるモータ5に制御信号
を出力するようになっている。モータ5は、この制御信
号に応じた所定の速度で回転するようになっている。
【0038】押圧制御部101eは、入力手段102か
らの目標値(後述)を表す信号が入力され、比例電磁減
圧弁39に駆動電流を出力する押圧用アンプ41に制御
信号を出力するようになっている。そして、アンプ41
は、この制御信号と、圧延機の入側の支持フレーム18
に設けられた水平力検出器(ロードセル)40a,40
bからの入側への水平力を検出する検出信号とに基づ
き、油圧シリンダ内23a,23b内に供給する圧油の
圧力を所望の値に調整する駆動電流を比例電磁減圧弁3
9に出力し、これによって水平力検出器40a,40b
で検出される水平力が常に目標値に保たれるように、検
出値が目標値より大きい場合は油圧シリンダ23a,2
3bの押圧力を減少させかつ検出値が目標値より小さい
場合は油圧シリンダ23a,23bの押圧力を増大させ
る。
【0039】なお、コントローラ101には、上記した
オフセット制御部101a、荷重制御部101b、曲げ
制御部101c、回転制御部101d、及び押圧制御部
101e以外に、この種の圧延機システムの制御系とし
て公知である圧延材送り出し・巻き取り用のリールの回
転制御や、圧延機システム内の他の機器の制御を行う機
能を併設してもよい。
【0040】以上において、入側(図1〜図3中の右
側)が作業ロールの入側及び出側のうち一の側を構成
し、出側(図1〜図3中の左側)が作業ロールの入側及
び出側のうち他の側を構成する。また、入側支持フレー
ム18,20及び支持ロール13a,13b,15a,
15bが、一の側に設けられ、作業ロールの軸心位置を
駆動用ロールの軸心位置から略水平方向にオフセットさ
せた状態で作業ロールを一の側から支持するオフセット
支持手段を構成し、位置決め装置9,10が、オフセッ
ト支持手段による支持位置を位置決めするオフセット位
置決め手段を構成する。また、出側支持フレーム17,
19及び支持ロール12a,12b,14a,14b
が、作業ロールの入側及び出側のうち他の側に設けら
れ、油圧シリンダ23a,23b,24a,24bの押
圧力によって作業ロールを他の側から押圧しつつ支持す
る押圧支持手段を構成する。
【0041】次に、本実施形態の動作を、圧延開始から
圧延終了までの運転フローである図5を参照しつつ、順
を追って以下に説明する。
【0042】(A)圧延開始 圧延開始の際のコントローラ101の制御手順を、その
フローチャートである図6に沿って説明する。 (A−1)圧延開始準備時 図6において、圧延開始に際し、まず、手順S200
で、入力手段102を介し作業員が指示入力した各種条
件、すなわち、作業ロール1の変形前の半径rwo、中間
ロール3の半径ri、圧延材11に対する圧下量Δh、
圧延材11の板幅B、圧延材に与える前方・後方張力T
f,Tb、所定の圧延荷重P(例えばP=300トン〜5
00トン)、作業ロール1のポアソン比ν及びヤング率
E、作業ロール1の水平たわみを低減するときのたわみ
目標値(例えばゼロ)、曲げシリンダ7aと7bとの圧
力差の目標値(後述)、及び水平力検出器40a,40
bの検出水平力の目標値(本実施形態においては図5
(e)に示すように、ロール非駆動時ではEトン、駆動時
では水平たわみゼロクリアと同じDトン、詳細は後述)
といった圧延条件を入力する。
【0043】その後、手順S201に移り、オフセット
制御部101aで、圧延中において作業ロール1に生じ
る水平方向たわみがたわみ目標値(手順S200で入力
したもの)になると予測される作業ロール1の所定の初
期オフセット量δを計算する。この計算は、以下のよう
な考え方及び演算手順により行う。すなわち、初期オフ
セット量δは、図7に示すように、圧延中において、作
業ロール1のオフセットによる圧延荷重Pの水平方向分
力Fpと、中間ロール3から作業ロール1に作用する駆
動接線力Ftと、圧延材11から作業ロール1の前方・
後方にそれぞれ作用する前方張力Tf及び後方張力Tbと
がバランスすると予測される量に設定する。すなわち、
下記の式1が満足するようなオフセット位置に設定すれ
ばよい。
【0044】 Ft=Fp+Fs …(式1) 但しFsは、前方・後方張力Tf,Tbを作業ロール1本
当たりに作用する水平力としてみたものであり下記の式
2で表される。 Fs=(Tf−Tb)/2 …(式2) なおこのとき厳密には、圧延荷重Pは、油圧シリンダ2
9→下補強ロール26のチョック→下補強ロール26→
下中間ロール4→下作業ロール2→圧延材11→上作業
ロール1→上中間ロール3→上補強ロール25→ハウジ
ングと伝達されるが、上作業ロール1と上中間ロール3
との間の関係で見る場合には、概念的に、図7に示すよ
うに、上中間ロール3の軸心から上作業ロール1の軸心
へ向かって作用していると考えることができる。
【0045】ここで、荷重分力Fpは、圧延荷重P、作
業ロール半径rwo、中間ロール半径riを用いて下記の
式3で表される。 Fp=P・δ/(rwo+ri) …(式3) 従って、これら式2及び式3を式1に代入することによ
り、初期オフセット量δは下記の式4で表される。
【0046】 δ=(rwo+ri){Ft−(Tf−Tb)/2}/P …(式4) ここにおいて、式4における駆動接線力Ftは、操業に
必要な諸条件より予測する必要がある。ここにおいて、
よく知られている圧延理論の簡易式(例えば「板圧延の
理論と実際」日本鉄鋼協会編、P21)によれば、圧延
トルクTは、圧下量Δh、板幅B、ポアソン比ν、及び
ヤング率Eを用いて、下記の式5で表される。 T=aG・P−rwo・(Tf−Tb)/2 …(式5) 但し、aG(=「トルクアーム」)=λG・L・(rwo/
rw) L(=「投影接触弧長」)=(Δh・rw)1/2 rw=rwo{1+(Co・P)/(Δh・B)} Co=16(1−ν2)/πE したがって、これに基づき駆動接線力Ftは下記の式6
で計算される。 Ft=T/rwo =aG・P/rwo−(Tf−Tb)/2 …(式6) そこで、この式6を上記した式4に代入すると、初期オ
フセット量δは下記の式7で求めることができる。 δ=(rwo+ri){λG(Δh・rw)1/2/rw−(Tf−Tb)/P} …(式7) この式7のうち、λG(=「トルクアーム係数」)以外
の数値はすべて圧延条件によって定まるため、λGを適
当に決めれば式7は代数的に簡単に解けることになる。
このλGは冷間圧延では一般に0.5程度であることが知
られており、本願発明者等の実圧延データの分析におい
ても、λG=0.4〜0.5であることを確認することが
できた。さらに本願発明者等は、圧延時に測定した実ト
ルクから駆動接線力を算出しこれを式4に代入すること
によって求まるオフセット量と、λG=0.4〜0.5と
した式7で求まるオフセット量とを比較し、式7が実用
上十分な精度を持つことを確認した。
【0047】以上説明した考え方に基づき、手順S20
1では、上記式7を用いて初期オフセット量δを算出す
る。
【0048】なお、上記のような方法で初期オフセット
量δを算出することは、以下のようなメリットがある。
すなわち、従来、圧延トルクを予測する方法として、古
くから知られているBland&Fordの式(例えば
「圧延理論とその応用」日本鉄鋼協会編、P44〜4
5)を用いる方法があるが、この式は摩擦係数μを初期
条件として用いる必要があり、この摩擦係数μの予測が
一般に困難である。さらに、このBland&Ford
の式は、通常、ロールの弾性偏平の式と連立して解かれ
ることから収束計算を行う必要があり、解が収束しない
場合があり、また計算が複雑になることから、実際に圧
延機の制御のために用いるのは適当ではない。これに対
し、本実施形態の圧延機で行う上記方法においては、代
数的に簡単に解ける式7を用いることにより、Blan
d&Fordの式のような収束計算が不必要でありかつ
解が必ず求まる。すなわち実用的な計算で迅速且つ確実
に初期オフセット量δを求めることができる。
【0049】以上のような手順S201が終了したら手
順S202に移り、オフセット制御部101aで、作業
ロール1を初期オフセット量δの位置に移動させるため
の駆動信号を駆動モータ9aに出力する。これにより、
駆動モータ9aの回転がギヤ機構9bを介してウォーム
ジャッキ機構9cに伝達され、作業ロール1はオフセッ
ト量δの位置に移動する。このように圧延開始前に精度
よく初期オフセット量δの位置まで移動させることによ
り、例えば圧延開始後にオフセット位置を大きく移動さ
せた場合のように水平曲げシリンダ7,8で長時間曲げ
力を付与する必要がなくなるので疲労強度低下の問題が
生じない。また、水平曲げシリンダ7,8の能力に余裕
を持たせることができるので、圧延中の急激な板厚変動
や張力変動といった外乱に対する制御の安定性を確保す
ることができる。なお、この時点で既に作業ロール1の
下方に圧延材11が通板されているため、この移動にお
いて作業ロール1が圧延材11及び支持ロール21a,
21b(又は22a,22b)に接触しながら移動する
場合がある。そのため、好ましくは、荷重制御部101
bによってこのとき上下作業ロール1,2が圧延材11
に接しないように制御し、作業ロール1に傷がつくのを
確実に防止することが望ましい。
【0050】その後、手順S203に移り、荷重制御部
101bで、作業ロール1に水平たわみがほとんど発生
しないような軽荷重を付与するための電流信号を、圧下
用のサーボ弁38に出力する。これにより、サーボ弁2
8が油圧シリンダ29内の圧力を昇圧し、下補強ロール
26を回転自在に支持するチョックを持ち上げ、軽荷重
Aトン(例えばA≒数十トン、図5(a)参照)を圧延材
11に付与する。なお、このときに水平力検出器40
a,40bではDトン(後述、図5(d)参照)の水平力
が検出され、この値が前述したように押圧制御における
非駆動時の目標値となる。そして、手順S204に移
り、曲げ制御部101cで、この軽荷重付与状態におけ
るたわみ検出器36からの検出信号を入力し、さらに手
順S205で、そのときのたわみ量の値(ある微小値)
を制御目標値とする。このような制御目標値設定を行う
理由は、作業ロール1が、上中間ロール3、支持ロール
12a,12b,13a,13b、及び圧延材11より
上下左右4方向よりガタつきの無いしっかりした密着状
態で支持されている(図2参照)ことを確実にし、これ
によって、支持ロール13a,13bと作業ロール1と
の間に隙間がある場合に生じ得るたわみ検出器36の検
出誤差をなくすためである。
【0051】上記手順S205が終了したら、手順S2
06に移り、曲げ制御部101cで、作業ロール1に対
する水平曲げ制御を開始する。すなわち、曲げ制御部1
01cは、手順S200で入力された制御目標値に基づ
き、たわみがこの目標値に近づくように制御する水平曲
げ制御を開始する制御開始信号を曲げ用サーボアンプ3
7,38に出力する。これにより、サーボアンプ37,
38が、図8に示すような制御を開始する。すなわち図
8において、まず手順S300で、たわみ検出器36か
らの検出信号を入力し、手順S301で、その検出され
たたわみ量と制御目標値との偏差を求める。そして手順
S302に移って偏差に比例した電流信号をサーボ弁3
0,31に出力し、これによって、対応する曲げシリン
ダ7a,7b又は8a,8bに圧油が供給され、チョッ
ク16a,16bを介し、たわみを低減するような水平
方向曲げ力を作業ロール1に与える。手順302が終了
したら、手順300に戻り、同じ手順を繰り返す。なお
この制御は、図1に示すように、水平たわみ検出器36
のアナログ信号をサーボアンプ37,38内のハード回
路でサーボ弁30,31にフィードバックする閉ループ
で構成されているので、高速制御が可能となっている。
なお、手順S205で制御目標値におけるたわみ値を強
制的にゼロとして(すなわちゼロクリア)たわみ検出器
36がこれを基準に作業ロール1の水平たわみの値を検
出するようにし、手順S206でたわみがゼロに近づく
ように制御してもよい。
【0052】上記手順S206が終了したら、直ちに
(手順S206の実行とほぼ同時となるように)手順S
207に移り、荷重制御部101bで、所定の圧延荷重
Pを付与する電流信号を圧下用サーボ弁28に出力す
る。これにより、手順S203同様、サーボ弁28が油
圧シリンダ29内の圧力を昇圧し下補強ロール26のチ
ョックを持ち上げ、所定の圧延荷重(300トン〜50
0トン)Pを圧延材11に付与する。これによって圧延
荷重Pの水平方向分力Fpが作業ロール1に作用する
が、ここで上中間ロール3が回転しておらず駆動接線力
Ftが作業ロール1に作用しないため、オフセット量δ
の設定バランス上、作業ロール1にはパスライン出側へ
の水平力が残存して作用し、出側への水平たわみが生じ
ようとする。しかしこのとき既に手順S206で作業ロ
ール1に水平方向曲げ力が付与されていることにより、
曲げ力によってその水平たわみを強制的に矯正し、水平
たわみを十分に低減することができる。この状態を図9
に示す。
【0053】しかしながら、上記手順S206における
逆曲げ力の付与は、荷重分力Fpの付加により発生する
図7中左方向(入側から出側方向)への水平力による水
平たわみを抑制するものであり、水平力そのものをなく
すものではない。そのため、上記逆曲げ力の付与によっ
てたわみがなくなったとしても、水平力そのものは作業
ロール1に生じており、図5(d)に示すように、圧下荷
重の増加とともに水平力検出器40a,40bにおける
検出値は減少する。そのため従来のように油圧シリンダ
23a,23bが一定圧力で押圧していると、その水平
力の大きさが著しく大きい場合には、それら油圧シリン
ダ23a,23bの押圧力に打ち勝って作業ロール1が
出側方向へ移動して支持ロール13a,13bから離反
し、安定した圧延ができなくなり、形状不良なども発生
することがある。
【0054】そこで、本実施形態では、手順S207の
後の手順S208において、押圧制御部101eで、油
圧シリンダ23a,23bの押圧制御を開始する。すな
わち、押圧制御部101eは、手順S200で入力され
た目標値に基づき、水平力検出器40a,40bでの検
出水平力がこの目標値となるように制御する押圧制御を
開始する制御開始信号を押圧用アンプ41に出力する。
これに基づき、アンプ41が、図10に示すような制御
を開始する。すなわち図10において、まず手順S50
0で、水平力検出器40a,40bからの検出信号を入
力し、手順S501で、それら水平力検出器40a,4
0bの検出信号の和を求める。そして手順S502で、
それら検出水平力の和と目標値との偏差を求める。そし
て手順S503に移って偏差に比例した電流信号を比例
電磁減圧弁39に出力し、これによって、対応する押圧
シリンダ23a,23bに圧油が供給され、支持フレー
ム17、支持ロール12a,12b、作業ロール1、及
び支持ロール13a,13bを介し、出側から入側への
水平力を支持フレーム18に与える。手順503が終了
したら、手順500に戻り、同じ手順を繰り返す。な
お、この制御は、図1に示すように、水平力検出器40
a,40bのアナログ信号をアンプ41内のハード回路
で比例電磁減圧弁39にフィードバックする閉ループで
構成されているので、高速制御が可能となっている。
【0055】このように、押圧制御部101eで油圧シ
リンダ23a,23bの押圧力を制御し、支持フレーム
18に作用する力が所定の目標値に保たれるようにする
ことにより、上記のように圧下荷重の増大による作業ロ
ール1から出側への水平力の増大に対応して、図5(c)
に示すように、油圧シリンダ23a,23bの押圧力を
増大させる。これにより、逆方向である作業ロール1か
らの出側への水平力に打ち勝って支持フレーム18に目
標値の力が作用するようにし、図5(d)に示すように、
水平力検出器40での検出値の低下を非駆動時目標値の
Eトン(後述)でとどめ、このEトンで維持することが
できる。これにより、上記のような支持ロール13a,
13bと作業ロール1との離反を未然に防止でき、前述
の曲げ制御及び後述するオフセット制御による本来の水
平たわみ低減効果を十分確保することができる。
【0056】但し、この手順S208は、図5(a)に示
すように、手順S207において軽荷重から所定の定常
圧延荷重まで圧下荷重を増加させているときに、所定の
第1の圧下荷重(この実施形態ではBトン、例えばB≒
A+10)を境に実行開始するようにする。
【0057】(A−2)圧延開始時 手順S207及び手順S208での圧下が進み、所定の
圧延荷重P(P=300トン〜500トン)に達した
ら、手順S209に移り、回転制御部101dで、中間
ロール3を駆動開始して圧延を開始する駆動信号をモー
タ5に出力する。これにより、モータ5が回転を開始し
て中間ロール3が回転を開始し、作業ロール1の駆動を
開始して圧延材11の圧延が開始される。これにより、
図7で説明した駆動接線力Ftが作用する。ここで、手
順S201における中間ロールと作業ロールとのオフセ
ット量δの決定の際には、荷重分力Fp、駆動接線力F
t、前方張力Tf、及び後方張力Tbの4つが作用してい
る定常圧延状態において、 Ft=Fp+(Tf−Tb)/2 となるように、理論式に基づいて設定したものであった
(式1及び式2参照)。したがって、理論上は、この作
業ロール駆動開始時には上記4つの力がバランスし、作
業ロール1には水平力は作用しないはずである。しかし
ながら、実現象と理論計算の間に差が生じることは避け
られず、実際には、 Ft≠Fp+(Tf−Tb)/2 となる。したがって、実際には、作業ロールには、圧延
開始と同時に、 H=Ft−{Fp+(Tf−Tb)/2} の水平力が急激に加わることとなる。
【0058】そこで、この水平力を打ち消すべく、手順
S209の終了後に手順S210に移り、オフセット制
御部101aで、作業ロール1のオフセット量を制御す
るオフセット制御を開始する。その詳細を図11に示
す。すなわちこの図11において、オフセット制御部1
01aは、まず手順S400で、曲げシリンダ7aへの
圧油の圧力を検出する圧力センサ32aからの検出信号
を入力し、手順S401で、曲げシリンダ7bへの圧油
の圧力を検出する圧力センサ32bからの検出信号を入
力する。その後手順S402で、それら検出された2つ
の圧力の差が、手順S200で入力した圧力差の目標値
以下であるかどうかを判定する。目標値以下である場合
には曲げを付与して矯正すべき水平たわみが作業ロール
1にあまり生じていないと判断して手順S400に戻
り、同じ手順を繰り返す。目標値を超えている場合には
比較的大きな水平たわみが生じていると判断して手順S
403に移り、水平たわみを目標値以下に低減するため
の駆動信号を駆動モータ9aに出力し、これによって、
駆動モータ9aの回転がギヤ機構9bを介してウォーム
ジャッキ機構9cに伝達され、作業ロール1は水平たわ
みを低減する(すなわち荷重分力Fp、駆動接線力Ft、
前方・後方張力Tf,Tbがバランスする)ようなオフセ
ット量となる位置に向かって移動する。手順403が終
了したら、手順400に戻り、同じ手順を繰り返す。こ
のような制御により、手順S201で算出した初期オフ
セット量δの計算値と実際にFp,Ft,Tf,Tbが完全
にバランスするオフセット量との間に誤差があったとし
ても、作業ロール1は、図12に示すような上記4つの
水平力のバランス位置に比較的短時間のうちに移動す
る。
【0059】しかしながら、比較的短時間とはいえ、位
置決め装置9は、駆動モータ9aの回転がギヤ機構9b
を介してウォームジャッキ機構9cに伝達されて作業ロ
ール1を移動させるものであるため、過渡的な水平力に
対してはその応答性は必ずしも十分であるとはいえず、
上記水平力 H=Ft−{Fp+(Tf−Tb)/2} が残存する場合がある。この水平力による作業ロール1
のたわみは、上記手順S206で開始した水平曲げ制御
によって抑制されるが、前述したようにこの水平曲げ制
御は水平力そのものを打ち消すものではない。
【0060】本実施形態においては、上記した手順S2
08以降、押圧制御部101eで油圧シリンダ23a,
23bの押圧制御を行い、水平力検出器40a,40b
での検出水平力が目標値(駆動開始後はDトン、例えば
D≒数トン、図5(e)参照)となるように制御する。す
なわち、図5(c)に示すように駆動開始による駆動接線
力Ftの発生に応じて押圧用シリンダ23の押圧力を急
減させるが、このときの上記水平力Hの残存に応じて押
圧用シリンダ23の押圧力を応答性良く変化させ、図5
(d)に示すように水平力検出器40での検出水平力を目
標値(Dトン)に維持する。これにより、図7中左方向
の水平力Hが生じる場合に発生し得る前述した作業ロー
ル1の支持ロール13a,13bからの離反を確実に防
止できる。さらにこのとき、図7中右方向の水平力Hが
生じる場合に発生し得る以下の不都合も併せて防止でき
る。
【0061】すなわち、何らかの不測の要因で図7中右
方向の水平力Hが瞬間的に著しく大きくなった場合に
は、支持ロール13a,13bの軸受に大きな負担が加
わり、その寿命を大きく低減させ、甚だしい場合には破
損する可能性も考えられなくはない。本実施形態におい
ては、水平力検出器40a,40bでの検出水平力を略
一定とする上記押圧制御によってこのような軸受への弊
害をも防止できる。
【0062】(B)圧延開始直後及び圧延終了直前 図5(b)に示すように、圧延開始直後は、作業ロール1
の駆動開始後、駆動速度を加速して圧延速度を徐々に設
定圧延速度まで増加させる。また、所定の圧延工程を行
って圧延が終了する直前は、駆動速度を減速して圧延速
度を徐々に低下させる。したがって、これらの場合に
は、定常圧延状態に比べて、圧延状態の変化が大きく不
安定な状態となる。また、可逆式圧延機として用いる場
合には、通常、圧延材の始めと終わりの部分が正規の板
厚に対しやや厚くなっており、これによっても、圧延開
始直後と圧延終了直前は定常圧延状態に比べて不安定と
なりやすい。これらのため、圧延開始直後と圧延終了直
前は、上記水平力H=Ft−{Fp+(Tf−Tb)/2}
が残存するとともに、その値が定常圧延時より大きく且
つ急激に変化しやすい。そして、その水平力の大きさが
瞬間的に著しく大きくなった場合は、図7中左方向の場
合は前述した作業ロール1の支持ロール13a,13b
からの離反、図7中右方向の場合は支持ロール13a,
13b,15a,15bの軸受の負担増大が発生し得
る。
【0063】本実施形態においては、前述したように、
これら圧延開始直後と圧延終了直前においても、水平力
検出器40a,40bでの検出水平力を略一定(目標値
=Dトン)とする押圧制御によって図5(d)に示すよう
に水平力Hを略一定に維持するので、このような弊害を
防止することができる。
【0064】(C)圧延終了 圧延終了時は、基本的には上記(A)で説明した圧延開
始時と逆手順であり、水平力が発生し得るメカニズム及
びこれによる弊害を防止する原理も同様である。
【0065】(C−1)圧延終了時 前述した手順S210及び手順S209の逆手順であ
り、まずオフセット制御部101aが作業ロール1のオ
フセット量を制御するオフセット制御を終了する。その
後、回転制御部101dが中間ロール3の駆動を停止す
る信号をモータ5に出力し、モータ5が停止して中間ロ
ール3及び作業ロール1が停止し、圧延材11の圧延が
停止する。これにより、図7で説明した駆動接線力Ft
が消失するため、従来のように油圧シリンダ23a,2
3bが一定圧力で押圧していると、上記(A−1)同
様、作業ロール1の支持ロール13a,13bからの離
反が発生する可能性がある。本実施形態においては、押
圧制御部101eが、水平力検出器40a,40bでの
検出水平力が目標値(Eトン、例えばE≒D−5、図5
(e)参照)となるように(図5(c)参照)、油圧シリンダ
23a,23bの押圧力を増大させる。これにより、上
記の可能性を未然に防止できる。
【0066】(C−2)圧延終了後の後処理 上記の駆動停止の後、荷重制御部101bによって、所
定の圧延荷重P(P=300トン〜500トン)から圧
下荷重を徐々に低下させていく。これによって荷重分力
Fpに基づく水平力も低下する。これに応じて、図5(c)
に示すように、押圧制御部101eが、油圧シリンダ2
3a,23bの押圧力を減少させ、水平力検出器40
a,40bでの検出水平力を目標値に維持する(図5
(d)参照)。そして、十分に小さい所定の第2の圧下荷
重(この実施形態ではCトン、例えばC≒A−10、図
5(a)参照)を境に、押圧制御部101eによる押圧制
御を終了する。その後、水平曲げ制御を終了し、圧下荷
重をゼロにし、作業ロール1の交換等の所定の処理・作
業を行う。
【0067】以上説明したように、本実施形態の圧延機
によれば、圧延開始準備時、圧延開始時、圧延開始直
後、圧延終了直前、圧延終了時といった非連続的かつ不
安定な圧延状態であっても、作業ロール1の過渡的で大
きな水平力の発生を防止し、オフセット制御及び水平曲
げ制御によるたわみ低減効果を十分に確保することがで
きる。また、圧延開始時に、水平力が十分に低減された
状態で圧延開始されるので、開始の瞬間にも圧延材11
の形状不良等の不安定現象が発生することはなく、安定
的に圧延を開始することができる。また、所定の圧延荷
重Pを圧延材11に付与した状態から圧延を開始するの
で、その開始直後から所定の圧延材11の板厚を得るこ
とができ、歩留まりを低下させることがない。そして、
このように、極小径作業ロールで高荷重圧延可能な圧延
機の実際的な使用が可能となるので、実際の操業におい
て一回の圧延における圧下率を大きくとることができ、
生産性を著しく向上させることができる。
【0068】さらに、本実施形態では、図6に示した手
順S200で、水平力検出器40a,40bの検出水平
力の駆動時目標値を水平たわみゼロクリアと同じとして
いることにより、以下の効果を奏する。すなわち、本実
施形態の圧延機では、距離センサーであるたわみ検出器
36を取り付け、このセンサーから作業ロールまでの距
離の変化によって作業ロールのたわみの有無を検出して
いる。そして、手順S203〜S205で示したよう
に、圧延開始前に所定の軽荷重を付与したときの検出距
離を基準値とし、この基準値と圧延開始後の検出距離と
の差によって圧延時の作業ロール1のたわみの有無を検
出する。しかしながら、厳密には、入側支持フレーム1
8及び支持ロール13a,13bにわずかな弾性変形が
あるため、仮に作業ロール1がたわんでいなくても、そ
れら入側支持フレーム18及び支持ロール13a,13
bに上記軽荷重付与時よりも大きな水平力が作用してい
れば、その力の差だけの弾性変形がそれら入側支持フレ
ーム18及び支持ロール13a,13bに増大する。す
ると、この分だけたわみ検出器36の検出距離が変化す
るため、たわみ検出器36は、作業ロール1がたわんだ
として誤検出してしまう可能性がある。本実施形態で
は、軽荷重付与時の水平力検出器40a,40bの検出
値であるDトンを目標値として押圧制御を行うことによ
り、そのような入側支持フレーム18及び支持ロール1
3a,13bの弾性変形の増大を防止し、押圧制御時に
おけるたわみ検出誤差の発生を防止することができる。
【0069】なお、圧延機のうち下作業ロール1側に係
わる構成に関する制御においても、上記同様の効果が得
られることは言うまでもない。
【0070】また、上記実施形態においては、図6に示
す制御フローにおいて、入力手段102から作業員が圧
延条件等を入力したら、手順S200以降の手順はすべ
て自動的に実行されたが、これに限られず、一部を手動
化してもよい。すなわち例えば、作業員が圧延条件等を
入力したら、手順S200以降S208までは自動的に
実行された後に待機状態となり、ここで作業員が再び圧
延開始指示を入力することにより手順S209以降が再
び開始されるようにしてもよい。これらの場合も、同様
の効果を得る。
【0071】さらに、上記実施形態の圧延機において
は、位置決め装置9,10によって、圧延中における作
業ロール1,2のオフセット位置を可変とすることがで
きたが、本発明の適用対象はこのような圧延機に必ずし
も限られるものではない。すなわち、オフセット位置が
固定の圧延機に対して適用することもできる。この場
合、その固定のオフセットによるたわみ低減効果を、本
発明による押圧制御によって非連続的な圧延状態におい
ても十分に確保することができる。
【0072】また、上記実施形態においては、圧延機の
パス方向を固定(図5中に「左パス」として示す)とし
て説明したが、可逆圧延機であってかつ例えば特開平8
−309407号公報のような手法でオフセット位置を
反対側に位置決めできる場合には、逆方向のパス(図5
中に「右パス」として示す)においても適用できる。こ
の場合の運転フローは、図5中破線で示すようにする。
すなわち、水平力検出器40a,40bでの検出水平力
の目標値は、作業ロール起動前・起動後双方ともに同じ
Dトンとすれば足りる。このように、パス方向によって
目標値の設定方法を変える意義は以下のようである。
【0073】「右パス」として示すように、作業ロール
1が図5中右側へオフセットしている場合、水平力が過
渡的に大きくなるのは右側方向となることが多いため、
この場合、上述した押圧制御において、油圧シリンダ2
3a,23bは、(目標値)−(右側への水平力)の力
で右側に向かって押圧すれば足りる。一方、「左パス」
として示す上記実施形態のように、作業ロール1が図5
中左側へオフセットしている場合、水平力が過渡的に大
きくなるのは左側方向となることが多いが、この場合、
押圧制御において、油圧シリンダ23a,23bは、こ
れに対抗するために(目標値)+(他の側への水平力)
の力で左側に向かって押圧する必要がある。
【0074】したがって、上記2つのオフセットパター
ンにおける目標値を同一にすると、上記2つのうち後者
(左パス)では押圧用シリンダ23a,23bにおいて
必要な押圧力が非常に大きくなり、支持ロール12a,
12bの軸受に大きな負担が加わる。そこで本実施形態
においては、これに応じて可逆式圧延機として用いる場
合は、作業ロール1の非駆動時には圧延機のパス方向に
応じ目標値を変え、左パスの場合には、非駆動時の目標
値自体を右パスよりも低いEトンに設定して押圧制御を
行う。これにより、上記した押圧用シリンダ23a,2
3bに必要な押圧力を低減することができるので、支持
ロール12a,12bの軸受の負担を軽減することがで
きる。
【0075】さらに、上記実施形態においては、押圧用
油圧シリンダ23a,23bに対し1つの比例電磁減圧
弁39及びアンプ41で圧油供給制御を行ったが、これ
に限られず、図13に示すように、各押圧用油圧シリン
ダ23a,23bにそれぞれ比例電磁減圧弁39,42
を設け、これらをそれぞれアンプ41,43で制御して
も良い。この場合の、各アンプ39,41で行う制御フ
ローは、図14に示すようになる。この場合も、上記実
施形態と同様の効果を得る。
【0076】また、上記実施形態においては、オフセッ
ト制御に係わるオフセット支持手段及びオフセット位置
決め手段として、駆動モータ9a、ギヤ機構9b、及び
ウォームジャッキ機構9cからなる位置決め装置9を用
いたが、これの代わりに、例えば図15に示すようにシ
リンダ位置検出器48a,48bを備えた油圧シリンダ
44a,44bを用いても良い。この構造においては、
作業ロール1のオフセット位置は以下のようにして制御
される。すなわち、オフセット制御部101aが、入力
手段102からの圧延条件を表す信号(すなわちオフセ
ット制御における曲げシリンダ7a,7bの圧力差の目
標値)と、上部曲げシリンダ7a,7bへ供給される圧
油の圧力を検出する圧力センサ32a,32bからの検
出信号とを入力するとともに、それら目標値と圧力セン
サ32a,32bの検出信号の差とに応じた目標オフセ
ット量信号をサーボアンプ46へ出力する。
【0077】サーボアンプ46は、これに応じて、図1
6に示すような制御を開始する。すなわち図16におい
て、まず手順S600で、シリンダ位置検出器48a,
48bからの検出信号を入力し、手順S601及びS6
02で、その検出されたシリンダ位置(すなわちオフセ
ット量)の和を求めた後に(1/2)を乗じ、手順S6
03で、これとオフセット制御部101aから入力した
上記目標オフセット量との偏差を求める。そして手順S
604に移って偏差に比例した電流信号をサーボ弁45
に出力する。これによって、対応する油圧シリンダ44
a,44bに圧油が供給され、結果として、作業ロール
1のたわみを低減するようなオフセット位置に支持フレ
ーム18を移動させる。手順604が終了したら、手順
600に戻り、同じ手順を繰り返す。
【0078】なお、この制御は、図15に示すように、
シリンダ位置検出器48a,48bのアナログ信号をサ
ーボアンプ46内のハード回路でサーボ弁45にフィー
ドバックする閉ループで構成されているので、比較的高
速な制御が可能となっている。また、押圧制御に用いる
水平力の検出は、ロードセルである水平力検出器40
a,40bに代わり、上記油圧シリンダ44a,44b
に設けた圧力センサ47a,47bで行い、その検出信
号がアンプ41へ入力されている。このような変形例に
よっても、上記実施形態と同様の効果を得る。
【0079】またさらに、上記変形例をさらに変形し、
図13及び図14で上述したように比例電磁減圧弁及び
アンプを2つずつ設けて押圧用シリンダ23a,23b
を個別に制御しても良い。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、非連続的な圧延状態で
あっても、オフセット制御等によるたわみ低減効果を十
分に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態による圧延機の概略構成を示した図
である。
【図2】図1に示した圧延機の要部構造を表す側面図で
ある。
【図3】図2の構造のうち上作業ロールに関する部分を
中間ロール及び補強ロール(後述)を除いた状態で見た
上面図である。
【図4】図1に示したコントローラの機能を表すブロッ
ク図である。
【図5】圧延開始から圧延終了までの運転フローであ
る。
【図6】圧延開始の際のコントローラの制御手順を示す
フローチャートである。
【図7】初期オフセット量δ決定の際に想定する、圧延
荷重分力Fp、駆動接線力Ft、前方張力Tf、及び後方
張力Tbのバランス状態を示す図である。
【図8】水平曲げ制御用サーボアンプの制御手順を示す
フローチャートである。
【図9】圧延開始前に水平曲げ力付与によって水平たわ
みが矯正された状態を示す図である。
【図10】押圧制御用アンプの制御手順を示すフローチ
ャートである。
【図11】コントローラのオフセット制御部が実行する
オフセット制御の手順を示すフローチャートである。
【図12】圧延荷重分力Fp、駆動接線力Ft、前方張力
Tf、及び後方張力Tbが完全にバランスし、水平力がゼ
ロとなった状態を示す図である。
【図13】比例電磁減圧弁及びアンプを2つずつ設けた
変形例を示す図である。
【図14】図13に示す変形例において押圧制御用アン
プが実行する制御手順を示すフローチャートである。
【図15】位置決め装置に代わり油圧シリンダを設けた
変形例を示す図である。
【図16】図16に示す変形例において位置決め用サー
ボアンプが実行する制御手順を示すフローチャートであ
る。
【図17】従来のオフセット制御の原理を示す図であ
る。
【図18】特開平9−285804号公報記載の圧延機
の要部構造を示す図である。
【符号の説明】
1,2 作業ロール 3,4 中間ロール(駆動用ロール) 7a,b 曲げシリンダ(水平曲げ手段) 8a,b 曲げシリンダ(水平曲げ手段) 9,10 位置決め装置(オフセット位置決め手
段) 9a 駆動モータ 9c ウォームジャッキ機構 12a,b 支持ロール(押圧支持手段) 13a,b 支持ロール(オフセット支持手段) 14a,b 支持ロール(押圧支持手段) 15a,b 支持ロール(オフセット支持手段) 17,19 入側支持フレーム(押圧支持手段) 18,20 出側支持フレーム(オフセット支持手
段) 23a,b 押圧用油圧シリンダ 24a,b 押圧用油圧シリンダ 40a,b 水平力検出器(水平力検出手段) 101 コントローラ 101e 押圧制御部(押圧制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−309407(JP,A) 特開 平3−174905(JP,A) 特開 平10−314808(JP,A) 特開 平10−314807(JP,A) 特開 昭61−182807(JP,A) 特開 平11−347607(JP,A) 特開 平10−230308(JP,A) 特開 平9−285804(JP,A) 特開 平6−304632(JP,A) 特開 平5−50109(JP,A) 特開 昭59−185509(JP,A) 特開 昭60−18206(JP,A) 特開 昭63−60006(JP,A) 実開 昭56−60503(JP,U) 実開 平5−84402(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 13/14 B21B 37/00 B21B 37/62 B21B 31/20

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上下一対の作業ロールと、これら作業ロー
    ルにそれぞれ接して駆動力を与える上下一対の駆動用ロ
    ールと、前記作業ロールの入側及び出側のうち一の側に
    設けられ、前記作業ロールの軸心位置を前記駆動用ロー
    ルの軸心位置から略水平方向にオフセットさせた状態で
    該作業ロールを前記一の側から支持するオフセット支持
    手段と、前記作業ロールの入側及び出側のうち他の側に
    設けられ、油圧シリンダの押圧力によって前記作業ロー
    ルを前記他の側から押圧しつつ支持する押圧支持手段
    と、前記オフセット支持手段に作用する水平力を検出す
    る水平力検出手段とを有し、前記作業ロールによって圧
    延材を減厚する圧延機において、 前記水平力検出手段での検出値が所定の目標値に保たれ
    るように、前記検出値が前記目標値より大きい場合は前
    記油圧シリンダの押圧力を減少させかつ前記検出値が前
    記目標値より小さい場合は前記油圧シリンダの押圧力を
    増大させる押圧制御手段を設けたことを特徴とする圧延
    機。
  2. 【請求項2】請求項1記載の圧延機において、前記オフ
    セット支持手段は、前記圧延材の最大板幅より外側にお
    いて前記作業ロールの胴部の両端部を前記一の側から支
    持する支持ロールを備えていることを特徴とする圧延
    機。
  3. 【請求項3】請求項1記載の圧延機において、前記オフ
    セット支持手段による支持位置を位置決めするオフセッ
    ト位置決め手段を設けたことを特徴とする圧延機。
  4. 【請求項4】請求項3記載の圧延機において、前記オフ
    セット位置決め手段は、駆動モータと、この駆動モータ
    の駆動力に基づき前記オフセット支持手段を略水平方向
    に進退させるウォームジャッキ機構とを備えていること
    を特徴とする圧延機。
  5. 【請求項5】上下一対の作業ロールと、これら作業ロー
    ルにそれぞれ接して駆動力を与える上下一対の駆動用ロ
    ールと、前記作業ロールの入側及び出側のうち一の側に
    設けられ、前記作業ロールの軸心位置を前記駆動用ロー
    ルの軸心位置から略水平方向にオフセットさせた状態で
    該作業ロールを前記一の側から支持するオフセット支持
    手段と、このオフセット支持手段による支持位置を位置
    決めするオフセット位置決め手段と、前記作業ロールの
    入側及び出側のうち他の側に設けられ、油圧シリンダの
    押圧力によって前記作業ロールを前記他の側から押圧し
    つつ支持する押圧支持手段と、前記オフセット支持手段
    に作用する水平力を検出する水平力検出手段と、前記作
    業ロールに水平方向曲げ力を付与する水平曲げ手段とを
    有し、前記作業ロールによって圧延材を減厚する圧延機
    において、前記水平力検出手段での検出値が所定の目標
    値に保たれるように、前記検出値が前記目標値より大き
    い場合は前記油圧シリンダの押圧力を減少させかつ前記
    検出値が前記目標値より小さい場合は前記油圧シリンダ
    の押圧力を増大させる押圧制御手段を設けたことを特徴
    とする圧延機。
  6. 【請求項6】上下一対の作業ロールと、これら作業ロー
    ルにそれぞれ接して駆動力を与える上下一対の駆動用ロ
    ールと、前記作業ロールの入側及び出側のうち一の側に
    設けられ、前記作業ロールの軸心位置を前記駆動用ロー
    ルの軸心位置から略水平方向にオフセットさせた状態で
    該作業ロールを前記一の側から支持するオフセット支持
    手段と、前記作業ロールの入側及び出側のうち他の側に
    設けられ、油圧シリンダの押圧力によって前記作業ロー
    ルを前記他の側から押圧しつつ支持する押圧支持手段
    と、前記オフセット支持手段に作用する水平力を検出す
    る水平力検出手段とを有し、前記作業ロールによって圧
    延材を減厚する圧延機を用いた圧延方法において、 前記水平力検出手段での検出値が所定の目標値に保たれ
    るように、前記検出値が前記目標値より大きい場合は前
    記油圧シリンダの押圧力を減少させかつ前記検出値が前
    記目標値より小さい場合は前記油圧シリンダの押圧力を
    増大させる押圧制御を行うことを特徴とする圧延方法。
  7. 【請求項7】請求項6記載の圧延方法において、圧延を
    開始する際、前記駆動用ロールを回転させることなく所
    定の定常圧延荷重まで圧下荷重を増加させているとき
    に、第1の圧下荷重を境に前記押圧制御を開始すること
    を特徴とする圧延方法。
  8. 【請求項8】請求項6記載の圧延方法において、圧延を
    終了する際、前記駆動用ロールの回転を停止させた後に
    所定の定常圧延荷重から圧下荷重を低下させているとき
    に、第2の圧下荷重を境に前記押圧制御を終了すること
    を特徴とする圧延方法。
  9. 【請求項9】請求項6記載の圧延方法において、前記圧
    延機が可逆式圧延機であって前記作業ロールが駆動され
    ていない場合、該圧延機のパス方向に応じ前記目標値を
    変えて前記押圧制御を行うことを特徴とする圧延方法。
  10. 【請求項10】請求項6記載の圧延方法において、前記
    圧延機が作業ロールのたわみ検出手段を備え、圧延を開
    始する前に所定の軽荷重を前記圧延材に付与し、そのと
    きの前記たわみ検出手段の検出値をその検出基準値とし
    ている場合、前記押圧制御における前記目標値を、前記
    軽荷重付与時における前記水平力検出手段の検出値と等
    しい値とすることを特徴とする圧延方法。
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