JP7092260B2 - 被圧延材の蛇行制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、被圧延材の蛇行制御方法に関する。
被圧延材を圧延機により圧延する際、被圧延材の尾端部が圧延機を通過するときに被圧延材の幅方向中心がミルセンターからずれる、いわゆる蛇行が生じる場合がある。被圧延材が蛇行すると、通過した圧延機の下流側に設置されたサイドガイドに尾端部が接触することもあり、この場合には被圧延材は折れ込んだ状態で次の圧延機によって圧延される絞り込みが発生してしまう。被圧延材の絞り込みが発生すると、圧延機に過大な圧延荷重が加わるためロールが損傷したり、さらには補修のため操業を停止しなければならなかったりする。
そこで、従来から、尾端部が圧延機を通過する際に被圧延材に蛇行が生じないようにするための手法が提案されている。例えば特許文献1には、補強ロール以外のロールのうち上下の少なくとも一方のすべてのロールのロール軸方向スラスト反力を測定し、ロール間スラスト力の差荷重への影響を考慮した差荷重方式蛇行制御方法が開示されている。また、特許文献2には、作業ロールスラスト反力と作業ロールの表面プロフィルとを測定し、ロール間スラスト力及び材料-ロール間スラスト力の差荷重への影響を考慮した差荷重方式蛇行制御方法が開示されている。さらに特許文献3には、ロールスキュー角を測定し、ロール間スラスト力の差荷重への影響を考慮した差荷重方式蛇行制御方法が開示されている。また、特許文献4には、圧延前に、ロールギャップを開放し、かつ、ロール駆動状態でベンディング力を負荷させることでロール間スラスト力の差荷重への影響を同定し、ロール間スラスト力の差荷重への影響を考慮して、圧下レベリング制御を実施する圧延機の制御方法が開示されている。
特開2000-312911号公報 特開2005-976号公報 特開2014-4599号公報 特開2009-178754号公報
Y.Liu、他2名、「Investigation of Hot Strip Mill 4 Hi Reversing Roughing Mill Main Drive Motor Thrust Bearing Damage」、AISTech2009 Proceedings-VolumeII、2009年、p.1091―1101
ここで、従来の差荷重方式蛇行制御では、上下少なくともいずれか一方のロール系の作業側及び駆動側の圧延荷重を測定して圧延荷重差又は圧延荷重差率を求め、この値に基づいて圧延機の圧下レベリング制御を行っている。しかし、ロール間クロス(水平面内での回転傾斜状態)が生じている場合、ロール間には軸方向力(ロール間スラスト力)が発生することが知られている。また、材料-ロール間クロスが生じている場合、材料-ロール間にも同様に軸方向力(材料-ロール間スラスト力)が発生する。材料-ロール間スラスト力はロール間スラスト力と比較して小さいが、特に低圧下率の場合には影響が大きい。このロール間スラスト力及び材料-ロール間スラスト力はロールチョックからの反力で支持されるが、支持点と力の作用線との垂直距離(モーメントアーム)があるため、ロールには転倒モーメントが作用する。なお、ロールの転倒モーメントとは、圧延長手方向に対して垂直な面内でのモーメントをいう。このとき、転倒モーメントにバランスするように、圧下方向ロードセル測定値の作業側と駆動側との差(差荷重)が変化すると考えられている。このスラスト力に起因して生じる差荷重が意図せず発生した場合、圧下レベリング制御の外乱となり、レベリング修正の精度を低下させる要因となる。
上記特許文献1、3、4に記載の技術では、材料-ロール間スラスト力の差荷重への影響を考慮していないため、スラスト力起因差荷重を正確に推定できず、上述のように正確なレベリング修正を行うことができない。また、上記特許文献2に記載の技術では、ロール間スラスト力及び材料-ロール間スラスト力の差荷重への影響係数を算出し、それらの和を測定したスラスト反力にかけることでスラスト力起因差荷重を推定し圧下レベリング制御を実施している。しかし、この技術では、影響係数を求めるためのパラメータが不十分であり、推定の精度は十分でなかった。このため、上記特許文献1、3、4と同様、正確なレベリング修正を行うことはできなかった。
また、上記特許文献4に記載の技術では、圧延前に、ロールギャップを開放し、かつ、ロール駆動状態でベンディング力を負荷させることで、ロール間スラスト力の差荷重への影響を同定する必要があり、定常作業に追加してかかる作業を実施しなければならない。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、より正確にスラスト力の差荷重への影響を考慮したレベリング修正を実施することの可能な、新規かつ改良された被圧延材の蛇行制御方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、4段以上の圧延機における被圧延材の蛇行制御方法であって、圧延機は、少なくとも一対の作業ロールと作業ロールを支持する一対の補強ロールとを含む、複数のロールを有し、上ロール系は上作業ロール及び上補強ロールを含み、下ロール系は下作業ロール及び下補強ロールを含み、被圧延材の尾端部圧延前に実施され、測定または推定により取得されたロール間クロス角及びロール間摩擦係数に基づき推定されるロール間スラスト力、または、測定または推定により取得された材料-ロール間クロス角及び材料-ロール間摩擦係数に基づき推定される材料-ロール間スラスト力のうち少なくともいずれか一方を取得する推定ステップと、被圧延材の尾端部圧延時に実施され、上下少なくともいずれか一方のロール系について、作業側及び駆動側の圧延荷重を測定し、補強ロール以外のロールに作用する、圧延荷重の測定時のロール軸方向スラスト反力、ロール間スラスト力、または、材料-ロール間スラスト力とのうち、取得されたいずれか2つのパラメータに基づいて、測定された作業側及び駆動側の圧延荷重に基づき算出される圧延荷重差情報を補正し、補正された圧延荷重差情報に基づいて、圧延機の圧下レベリング制御を実施する、尾端制御ステップと、を含む、被圧延材の蛇行制御方法が提供される。
尾端制御ステップでは、圧延荷重の測定時に測定されたロール軸方向スラスト反力と、推定ステップにて取得されたロール間スラスト力または材料-ロール間スラスト力とに基づいて、圧延荷重差情報を補正してもよい。
推定ステップでは、上下少なくともいずれか一方のロール系について取得された4水準以上の圧延荷重、圧下率及び補強ロール以外のロールに作用するスラスト反力に基づいて、ロール間クロス角、材料-ロール間クロス角、ロール間摩擦係数、及び、材料-ロール間摩擦係数を推定により取得し、取得されたロール間クロス角、材料-ロール間クロス角、ロール間摩擦係数、及び、材料-ロール間摩擦係数に基づいて、ロール間スラスト力または材料-ロール間スラスト力のうち少なくともいずれか一方を推定により取得するようにしてもよい。
あるいは、推定ステップでは、ロール間摩擦係数及び材料-ロール間摩擦係数を測定により取得するとともに、上下少なくともいずれか一方のロール系について取得された2水準以上の圧延荷重、圧下率、補強ロール以外のロールに作用するスラスト反力に基づいて、ロール間クロス角及び材料-ロール間クロス角を推定により取得し、取得されたロール間クロス角、材料-ロール間クロス角、ロール間摩擦係数、及び、材料-ロール間摩擦係数に基づいて、ロール間スラスト力または材料-ロール間スラスト力のうち少なくともいずれか一方を推定により取得するようにしてもよい。
また、推定ステップでは、ロール間クロス角及び材料-ロール間クロス角を測定により取得するともに、上下少なくともいずれか一方のロール系について取得された2水準以上の圧延荷重、圧下率、補強ロール以外のロールに作用するスラスト反力に基づいて、ロール間摩擦係数及び材料-ロール間摩擦係数を推定により取得し、取得されたロール間クロス角、材料-ロール間クロス角、ロール間摩擦係数、及び、材料-ロール間摩擦係数に基づいて、ロール間スラスト力または材料-ロール間スラスト力のうち少なくともいずれか一方を推定により取得するようにしてもよい。
上記の推定ステップでは、ロール間クロス角、材料-ロール間クロス角、ロール間摩擦係数及び材料-ロール間摩擦係数のうち、推定により取得される推定値は、それぞれ、過去の学習結果を基に推定された推定値の被圧延材毎の変動量予測値と、前回圧延における推定値の推定結果とに基づいて取得してもよい。
推定ステップでは、ロール間クロス角、材料-ロール間クロス角、ロール間摩擦係数及び材料-ロール間摩擦係数のうち、推定により取得される推定値を、それぞれ、過去に圧延された被圧延材における、定常部のデータに基づく推定値と尾端部のデータに基づく推定値との差分に基づき補正してもよい。
推定ステップでは、直近圧延された被圧延材の圧延荷重、圧下率及び補強ロール以外のロールに作用するスラスト反力を用いてもよい。
また、推定ステップでは、ロール間摩擦係数、材料-ロール間摩擦係数、ロール間クロス角、及び、材料-ロール間クロス角を測定により取得し、取得されたロール間クロス角、材料-ロール間クロス角、ロール間摩擦係数、及び、材料-ロール間摩擦係数に基づいて、ロール間スラスト力または材料-ロール間スラスト力のうち少なくともいずれか一方を推定により取得するようにしてもよい。
以上説明したように本発明によれば、より正確にスラスト力の差荷重への影響を考慮したレベリング修正を実施することが可能となる。
4段圧延機と、本発明の一実施形態に係る被圧延材の蛇行制御を実施するための処理装置との一構成例を示す説明図である。 図1に示す圧延機に作用する力を表す模式図である。 本発明の一実施形態に係る被圧延材の蛇行制御方法の概要を示すフローチャートである。 同実施形態に係る被圧延材の蛇行制御方法の一例を示すフローチャートである。 μWM、μWB、φWM及びφWBすべてを推定により取得する場合(ケース1)の被圧延材の蛇行制御方法を示すフローチャートである。 μWM及びμWBを測定により取得し、φWM及びφWBを推定により取得する場合(ケース6)の被圧延材の蛇行制御方法を示すフローチャートである。 摩擦係数の測定方法の一例を示す説明図である。 摩擦係数の測定方法の他の一例を示す説明図である。 μWM及びμWBを推定により取得し、φWM及びφWBを測定により取得する場合(ケース11)の被圧延材の蛇行制御方法を示すフローチャートである。 クロス角の測定方法の一例を示す説明図である。 μWM、μWB、φWM及びφWBすべてを測定により取得する場合(ケース16)の被圧延材の蛇行制御方法を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[1.圧延機の構成]
まず、図1に基づいて、本発明の一実施形態に係る被圧延材の蛇行制御方法を適用する圧延機の概略構成について説明する。図1は、4段圧延機と、本実施形態に係る被圧延材Sの蛇行制御を実施するための処理装置との一構成例を示す説明図である。なお、図1には4段圧延機を示しているが、本発明は、少なくとも一対の作業ロールと作業ロールを支持する一対の補強ロールとを含む、複数のロールを備える4段以上の圧延機に対して適用することができる。また、図1では、ロール軸方向において、作業側をWS(Work Side)、駆動側をDS(Drive Side)と表す。作業側はオペレーション側であり、圧延機に対して駆動側と反対側にある。
図1に示す圧延機10は、一対の作業ロール1、2と、これを支持する一対の補強ロール3、4とを有する4段の圧延機である。上作業ロール1は上作業ロールチョック5a、5bにより支持されており、下作業ロール2は下作業ロールチョック6a、6bにより支持されている。また、上補強ロール3は上補強ロールチョック7a、7bにより支持されており、下補強ロール4は下補強ロールチョック8a、8bにより支持されている。上作業ロール1及び上補強ロール3は上ロール系を構成し、下作業ロール2及び下補強ロール4は下ロール系を構成する。上補強ロールチョック7a、7b、及び下補強ロールチョック8a、8bは、ハウジング15により保持されている。
図1に示す圧延機10は、下ロール系に係る圧下方向荷重を検出する下荷重検出装置11a、11bを備えている。なお、圧延機10は、下荷重検出装置11a、11bの代わりに上ロール系に係る圧下方向荷重を検出する上荷重検出装置を備えてもよく、下荷重検出装置11a、11bとともに上荷重検出装置を備えていてもよい。下荷重検出装置11aは駆動側における圧下方向荷重(圧延荷重)を検出し、下荷重検出装置11bは作業側における圧下方向荷重(圧延荷重)を検出する。
下荷重検出装置11a、11bの下方には、下補強ロールチョック8a、8bに対して鉛直上向きの荷重を加えるレベリング装置13a、13bが設けられている。レベリング装置13a、13bは、例えば油圧シリンダを用いて構成され、油圧シリンダを鉛直方向に移動させることでレベリングを調整できる。
また、圧延機10の作業ロール1、2には、ロール軸方向スラスト反力を測定するスラスト反力測定装置12a、12bが設置されている。図1に示す圧延機10では、スラスト反力測定装置12a、12bは、作業側の上作業ロールチョック5a、下作業ロールチョック6aと、作業ロールシフト装置14a、14bとの間に設けられている。作業ロールシフト装置14a、14bは、作業ロール1、2をロール軸方向に移動させる駆動装置であり、上作業ロールチョック5a、下作業ロールチョック6aを支持し、ロール間スラスト力及び材料‐ロール間スラスト力を支持する反力(ロール軸方向スラスト反力)を生じさせる。スラスト反力測定装置12a、12bにより測定されたロール軸方向スラスト反力は、差荷重・スラスト反力取得部120へ出力される。
本実施形態に係る圧延機10は、レベリング装置13a、13bによる圧下レベリング制御を行うための情報処理を行う装置として、図1に示すように、推定部110と、差荷重・スラスト反力取得部120と、補正部130と、レベリング制御部140とを備える。なお、これらの機能部を有する演算処理装置は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、演算処理装置の各構成要素の機能を、CPU等がすべて行ってもよい。演算処理装置は、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。さらに、演算処理装置の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータ等に実装することも可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
推定部110は、被圧延材Sの尾端部圧延前に、当該圧延機にて生じるロール間スラスト力または材料-ロール間スラスト力のうち少なくともいずれか一方を推定する。推定部110は、上下少なくともいずれか一方のロール系について取得された4水準以上の圧延荷重、圧下率及び補強ロール以外のロールに作用するスラスト反力に基づいて、ロール間クロス角、材料-ロール間クロス角、ロール間摩擦係数及び材料-ロール間摩擦係数を算出するとともに、ロール間スラスト力または材料-ロール間スラスト力のうち少なくともいずれか一方を算出する。推定部110で用いる4水準以上の圧延荷重、圧下率及び補強ロール以外のロールに作用するスラスト反力は、圧延実績データベース200に格納されている圧延実績データを用いればよい。
差荷重・スラスト反力取得部120は、下荷重検出装置11aにより検出された駆動側の圧延荷重と、下荷重検出装置11bにより検出された作業側の圧延荷重とを取得し、圧延荷重差情報として、圧延荷重差または圧延荷重差率を算出する。圧延荷重差は、駆動側の圧延荷重と作業側の圧延荷重との差であり、圧延荷重差率は、全荷重(すなわち、駆動側の圧延荷重と作業側の圧延荷重との和)に対する荷重差の割合(荷重差/全荷重)である。圧延荷重差率は、左右の荷重検出装置の特性の相違に起因する検出誤差を除くことができる。また、温度、板幅、板厚等の変化により圧延荷重が変動しても、蛇行量が同じであれば検出される圧延荷重差率は変動しない。したがって、圧延荷重差率を用いることで、圧延荷重差を用いる場合と比較して、より正確な蛇行量の修正が可能となる。
補正部130は、測定されるロール軸方向スラスト反力と、推定部110にて算出されたロール間スラスト力または材料-ロール間スラスト力とに基づいて、差荷重・スラスト反力取得部120により算出された圧延荷重差または圧延荷重差率を補正する。これにより、圧下レベリング制御で用いる圧延荷重差または圧延荷重差率から、スラスト力に起因して生じる圧延荷重差または圧延荷重差率が除かれる。
レベリング制御部140は、レベリング装置13a、13bを制御する。レベリング制御部140は、補正部130により補正された圧延荷重差または圧延荷重差率を用いて、圧下レベリング制御を実施する。圧下レベリング制御は、例えば上記特許文献1に記載の圧下レベリング制御等、公知の手法を用いて実施可能である。
[2.スラスト力に起因する圧延荷重差の算出]
本実施形態に係る被圧延材の蛇行制御方法では、外乱となるスラスト力に起因する成分が除去された圧延荷重差または圧延荷重差率を用いて、圧下レベリング制御を実施する。このためには、スラスト力に起因する荷重差を考慮するには、ロール間スラスト力、材料-ロール間スラスト力及び作業ロールに作用するロール軸方向スラスト反力のうち、2つ以上の値を測定または推定して取得する必要がある。このうち、ロール軸方向スラスト反力は測定可能である。一方、ロール間スラスト力及び材料-ロール間スラスト力は測定できないため、少なくともいずれか一方を推定して取得する必要がある。そのためには、ロール間クロス角、材料-ロール間クロス角、ロール間摩擦係数及び材料-ロール間摩擦係数を測定または推定により取得する必要がある。
以下、材料-ロール間クロス角、ロール間クロス角、材料-ロール間摩擦係数及びロール間摩擦係数の取得パターンに応じたスラスト力に起因する圧延荷重差の算出方法について、図2に基づき詳細に説明する。図2は、図1に示す圧延機10に作用する力を表す模式図である。なお、図2では、下ロール系に作用する力のみ示しているが、上ロール系についても同様である。
なお、材料-ロール間摩擦係数μWM、ロール間摩擦係数μWB、材料-ロール間クロス角φWM及びロール間クロス角φWBは、推定または測定により取得される。具体的には、下記表1に示す16のケースが考えられる。表1には、各ケースにおいて、材料-ロール間スラスト力TWM 、ロール間スラスト力TWB 、及び下作業ロールチョック6a、6bに作用するスラスト反力T を求める式も示している。
Figure 0007092260000001
以下、下記4つのケースについて説明する。
(ケース1) μWM、μWB、φWM及びφWBすべてを推定により取得
(ケース6) μWM及びμWBを測定により取得し、φWM及びφWBを推定により取得
(ケース11)μWM及びμWBを推定により取得し、φWM及びφWBを測定により取得
(ケース16)μWM、μWB、φWM及びφWBすべてを測定により取得
他のケースについては、これらの4つのケースを説明した後、説明する。
[2-1.μWM、μWB、φWM及びφWBすべてを推定により取得する場合(ケース1)]
まず、μWM、μWB、φWM及びφWBすべてを推定により取得する場合(ケース1)のスラスト力に起因する圧延荷重差の算出方法について説明する。図2において、下作業ロール2に作用するロール軸方向の力のつり合い、下補強ロール4に作用するロール軸方向の力のつり合い、及び、下ロール系のモーメントのつり合いは、下記式(1)~(3)にて表される。
Figure 0007092260000002
各記号は以下の成分を表している。
WB :下作業ロール2と下補強ロール4との間に作用するスラスト力(ロール間スラスト力)
WM :下作業ロール2と被圧延材Sとの間に作用するスラスト力(材料-ロール間スラスト力)
:下作業ロールチョック6a、6bに作用するスラスト反力
:下補強ロールチョック8a、8bに作用するスラスト反力
df :スラスト力に起因する荷重差
a:圧下支点間距離
:下補強ロールチョック8a、8bに作用するスラスト反力の作用点位置
:下補強ロール4の直径
:下作業ロール2の直径
上記式(1)~(3)からT を消去すると、P df は下記式(4-1)~(4-3)のいずれかの形で表すことができる。
Figure 0007092260000003
これより、上述したように、スラスト力に起因する圧延荷重差P df を求めるためには、材料-ロール間スラスト力TWM 及びロール間スラスト力TWB のうち少なくともいずれか一方の推定が必要であることがわかる。
ここで、材料-ロール間スラスト力TWM 及びロール間スラスト力TWB は、例えば、非特許文献1より、下記式(5a)、(6a)で表される。
Figure 0007092260000004
各記号は以下の成分を表している。
μWM:下作業ロール2と被圧延材Sとの間の摩擦係数
μWB:下作業ロール2と下補強ロール4との間の摩擦係数
φWM:下作業ロール2と被圧延材Sとの間のクロス角
φWB:下作業ロール2と下補強ロール4とのロール間クロス角
γ=(1-r)/r (r:圧下率)
:作業ロールの横弾性係数
:補強ロールの横弾性係数
:ロール間最大接触圧力
P:圧延荷重
すなわち、材料-ロール間スラスト力TWM の算出には、下作業ロール2と被圧延材Sとの間の摩擦係数μWM、下作業ロール2と被圧延材Sとの間のクロス角φWM、圧延荷重P及び圧下率rが必要であることがわかる。また、ロール間スラスト力TWB の算出には、下作業ロール2と下補強ロール4との間の摩擦係数μWB、下作業ロール2と下補強ロール4とのロール間クロス角φWB及び圧延荷重Pが必要であることがわかる。
したがって、式(1)より、下作業ロールチョック6a、6bに作用するスラスト反力T は、下記式(7a)により表すことができる。
Figure 0007092260000005
式(7a)のうち、圧延荷重P及び圧下率rは実績値または設定値を取得可能である。一方、下作業ロール2と被圧延材Sとの間の摩擦係数μWM、下作業ロール2と下補強ロール4との間の摩擦係数μWB、下作業ロール2と被圧延材Sとの間のクロス角φWM、及び、下作業ロール2と下補強ロール4とのロール間クロス角φWBは未知数である。4つの未知数を求めるためには、4水準以上の圧延荷重P及び圧下率rの組み合わせについて下作業ロールチョック6a、6bに作用するスラスト反力T を測定すればよい。なお、5水準目以降は、上記式(5a)、(6a)より、4水準で求めた未知数の値と、5水準目以降の圧延荷重P及び圧下率rとを用いて、材料-ロール間スラスト力TWM 及びロール間スラスト力TWB を取得することができる。
こうして取得された材料-ロール間スラスト力TWM 及びロール間スラスト力TWB と、測定されたロール軸方向スラスト反力とを用いて、上記式(4-1)~(4-3)のいずれかからスラスト力に起因する荷重差P df を算出することができる。
[2-2.μWM及びμWBを測定により取得し、φWM及びφWBを推定により取得する場合(ケース6)]
次に、μWM及びμWBを測定により取得し、φWM及びφWBを推定により取得する場合(ケース6)のスラスト力に起因する圧延荷重差の算出方法について説明する。この場合、ケース1では式(5a)、(6a)で表された材料-ロール間スラスト力TWM 及びロール間スラスト力TWB は、下記式(5b)、(6b)で表されることになる。
Figure 0007092260000006
すなわち、材料-ロール間スラスト力TWM の算出には、下作業ロール2と被圧延材Sとの間のクロス角φWM、圧延荷重P及び圧下率rが必要であることがわかる。また、ロール間スラスト力TWB の算出には、下作業ロール2と下補強ロール4とのロール間クロス角φWB及び圧延荷重Pが必要であることがわかる。
したがって、式(1)より、下作業ロールチョック6a、6bに作用するスラスト反力T は、下記式(7b)により表すことができる。
Figure 0007092260000007
式(7b)のうち、圧延荷重P及び圧下率rは実績値または設定値を取得可能である。一方、下作業ロール2と被圧延材Sとの間のクロス角φWM、及び、下作業ロール2と下補強ロール4とのロール間クロス角φWBは未知数である。2つの未知数を求めるためには、2水準以上の圧延荷重P及び圧下率rの組み合わせについて下作業ロールチョック6a、6bに作用するスラスト反力T を測定すればよい。なお、3水準目以降は、上記式(5b)、(6b)より、2水準で求めた未知数の値と、3水準目以降の圧延荷重P及び圧下率rとを用いて、材料-ロール間スラスト力TWM 及びロール間スラスト力TWB を取得することができる。
こうして取得された材料-ロール間スラスト力TWM 及びロール間スラスト力TWB と、測定されたロール軸方向スラスト反力とを用いて、上記式(4-1)~(4-3)のいずれかからスラスト力に起因する荷重差P df を算出することができる。
[2-3.μWM及びμWBを推定により取得し、φWM及びφWBを測定により取得する場合(ケース11)]
次に、μWM及びμWBを推定により取得し、φWM及びφWBを測定により取得する場合(ケース11)のスラスト力に起因する圧延荷重差の算出方法について説明する。この場合、ケース1では式(5a)、(6a)で表された材料-ロール間スラスト力TWM 及びロール間スラスト力TWB は、下記式(5c)、(6c)で表されることになる。
Figure 0007092260000008
すなわち、材料-ロール間スラスト力TWM の算出には、下作業ロール2と被圧延材Sとの間の摩擦係数μWM、圧延荷重P及び圧下率rが必要であることがわかる。また、ロール間スラスト力TWB の算出には、下作業ロール2と下補強ロール4との間の摩擦係数μWB及び圧延荷重Pが必要であることがわかる。
したがって、式(1)より、下作業ロールチョック6a、6bに作用するスラスト反力T は、下記式(7c)により表すことができる。
Figure 0007092260000009
式(7c)のうち、圧延荷重P及び圧下率rは実績値または設定値を取得可能である。一方、下作業ロール2と被圧延材Sとの間の摩擦係数μWM及び下作業ロール2と下補強ロール4との間の摩擦係数μWBは未知数である。2つの未知数を求めるためには、2水準以上の圧延荷重P及び圧下率rの組み合わせについて下作業ロールチョック6a、6bに作用するスラスト反力T を測定すればよい。なお、3水準目以降は、上記式(5c)、(6c)より、2水準で求めた未知数の値と、3水準目以降の圧延荷重P及び圧下率rとを用いて、材料-ロール間スラスト力TWM 及びロール間スラスト力TWB を取得することができる。
こうして取得された材料-ロール間スラスト力TWM 及びロール間スラスト力TWB と、測定されたロール軸方向スラスト反力とを用いて、上記式(4-1)~(4-3)のいずれかからスラスト力に起因する荷重差P df を算出することができる。
[2-4.μWM、μWB、φWM及びφWBすべてを測定により取得する場合(ケース16)]
次に、μWM、μWB、φWM及びφWBすべてを測定により取得する場合(ケース16)のスラスト力に起因する圧延荷重差の算出方法について説明する。この場合、ケース1では式(5a)、(6a)で表された材料-ロール間スラスト力TWM 及びロール間スラスト力TWB は、下記式(5d)、(6d)で表されることになる。
Figure 0007092260000010
すなわち、材料-ロール間スラスト力TWM の算出には、圧延荷重P及び圧下率rが必要であることがわかる。また、ロール間スラスト力TWB の算出には、圧延荷重Pが必要であることがわかる。
したがって、式(1)より、下作業ロールチョック6a、6bに作用するスラスト反力T は、下記式(7d)により表すことができる。
Figure 0007092260000011
式(7d)のうち、圧延荷重P及び圧下率rは実績値または設定値を取得可能である。未知数がないため、1水準目から式(5d)、(6d)より、圧延荷重P及び圧下率rを用いて、材料-ロール間スラスト力TWM 及びロール間スラスト力TWB を取得することができる。
こうして取得された材料-ロール間スラスト力TWM 及びロール間スラスト力TWB と、測定されたロール軸方向スラスト反力とを用いて、上記式(4-1)~(4-3)のいずれかからスラスト力に起因する荷重差P df を算出することができる。
以上、材料-ロール間クロス角、ロール間クロス角、材料-ロール間摩擦係数及びロール間摩擦係数の4つの取得パターンに応じたスラスト力に起因する圧延荷重差の算出方法について説明した。上記以外のケースについては、上記表1に示すように、材料-ロール間スラスト力TWM は上記式(5a)~(5d)のいずれかにより求めることができ、ロール間スラスト力TWB は上記式(6a)~(6d)のいずれかにより求めることができる。なお、作業ロールチョック6a、6bに作用するスラスト反力T を表す式は各ケースで異なる。具体的な式は、以下の通りである。
Figure 0007092260000012
[3.蛇行制御方法]
[3-1.概要]
以下、図3及び図4に基づいて、本実施形態に係る被圧延材の蛇行制御方法を説明する。図3は、本実施形態に係る被圧延材の蛇行制御方法の概要を示すフローチャートである。図4は、本実施形態に係る被圧延材の蛇行制御方法の一例を示すフローチャートである。本実施形態に係る被圧延材の蛇行制御方法は、被圧延材の尾端部圧延前に実施される推定ステップ(図3のS1、図4のS10)と、被圧延材の尾端部圧延時に実施される尾端制御ステップ(図3のS2、図4のS20~S40)とを含んでなる。
図3に示すように、推定ステップでは、ロール間スラスト力または材料-ロール間スラスト力のうち少なくともいずれか一方が推定により取得される(図3のS1)。ロール間スラスト力は、ロール間クロス角及びロール間摩擦係数に基づき推定することができる。材料-ロール間スラスト力は、材料-ロール間クロス角及び材料-ロール間摩擦係数に基づき推定することができる。ロール間クロス角、材料-ロール間クロス角、ロール間摩擦係数及び材料-ロール間摩擦係数は、上記表1に示したように、測定または推定により取得される。
尾端制御ステップでは、作業側及び駆動側の圧延荷重に基づき算出される圧延荷重差情報を、ロール軸方向スラスト反力、ロール間スラスト力、または、材料-ロール間スラスト力のうち、いずれか2つのパラメータに基づいて補正し、圧下レベリング制御を実施する(図3のS2)。
まず、上下少なくともいずれか一方のロール系について、作業側及び駆動側の圧延荷重が測定される。次いで、ロール軸方向スラスト反力、ロール間スラスト力、または、材料-ロール間スラスト力のうち、いずれか2つのパラメータに基づいて圧延荷重差情報が補正される。ロール軸方向スラスト反力は、作業側及び駆動側の圧延荷重が測定された上下少なくともいずれか一方のロール系について測定される、補強ロール以外のロールに作用するスラスト反力である。ロール軸方向スラスト反力は、圧延荷重の測定時に合わせて測定可能である。ロール間スラスト力及び材料-ロール間スラスト力は、ステップS1にて取得可能である。そして、取得されたいずれか2つのパラメータに基づいて、圧延荷重差情報を補正し、補正された圧延荷重差情報に基づいて、圧延機の圧下レベリング制御が実施される。
ロール軸方向スラスト反力、ロール間スラスト力、または、材料-ロール間スラスト力のうち、いずれか2つのパラメータが取得されれば、正確にロール間スラスト力に起因する差荷重を求めることができる。2つのパラメータの選択は、任意に行うことができる。例えば、より高精度に取得可能なパラメータを選択して、ロール間スラスト力に起因する差荷重を求めるようにしてもよい。
図4は、2つのパラメータとして、ロール軸方向スラスト反力と、ロール間スラスト力または材料-ロール間スラスト力のいずれかとが選択された場合の処理を示している。
図4に示す処理では、まず、上下少なくともいずれか一方のロール系について、補強ロール以外のロールに作用するロール軸方向スラスト反力と、作業側及び駆動側の圧延荷重とが同時に測定される(S20)。ロール軸方向スラスト反力は、作業側及び駆動側の圧延荷重の測定時に測定される。ここで、ロール軸方向スラスト反力と作業側及び駆動側の圧延荷重とは、尾端制御が有効に機能する範囲内で取得されればよく、必ずしも厳密に同時に測定されなくともよい。次いで、測定されたロール軸方向スラスト反力と、ステップS10にて取得されたロール間スラスト力または材料-ロール間スラスト力とに基づいて、測定された作業側及び駆動側の圧延荷重に基づき算出される圧延荷重差情報が補正される(S30)。圧延荷重差情報としては、作業側及び駆動側の圧延荷重の差である圧延荷重差や圧延荷重差率等がある。そして、補正された圧延荷重差情報に基づいて、圧延機の圧下レベリング制御が実施される(S40)。
本実施形態に係る被圧延材の蛇行制御方法によれば、材料‐ロール間スラスト力またはロール間スラスト力を考慮するとともに、クロス角の影響(例えば、ライナー摩耗による経時的変化)及び摩擦係数の影響(例えばロール摩耗、肌荒れによる経時的変化)を考慮して被圧延材の蛇行制御が行われる。これにより、より正確にスラスト力の影響を考慮したレベリング修正を実施することができ、蛇行量を低減することができる。また、本実施形態に係る被圧延材の蛇行制御方法では、ライン上に測定設備を設置する必要がないため、簡便に実現することができる。
以下、下記4つのケースについて、被圧延材の蛇行制御方法を具体的に説明する。
(ケース1) μWM、μWB、φWM及びφWBすべてを推定により取得
(ケース6) μWM及びμWBを測定により取得し、φWM及びφWBを推定により取得
(ケース11)μWM及びμWBを推定により取得し、φWM及びφWBを測定により取得
(ケース16)μWM、μWB、φWM及びφWBすべてを測定により取得
[3-2.μWM、μWB、φWM及びφWBすべてを推定により取得する場合(ケース1)]
まず、図5に基づいて、μWM、μWB、φWM及びφWBすべてを推定により取得する場合(ケース1)の被圧延材の蛇行制御方法について説明する。図5は、μWM、μWB、φWM及びφWBすべてを推定により取得する場合(ケース1)の被圧延材の蛇行制御方法を示すフローチャートである。
図5に示すように、まず、被圧延材の尾端部の圧延開始前に、推定部110により、4水準以上の圧延荷重、圧下率及び補強ロール以外のロールに作用するスラスト反力を含む圧延実績に基づいて、ロール間クロス角、材料-ロール間クロス角、ロール間摩擦係数及び材料-ロール間摩擦係数を取得するための推定処理が行われる(S100)。ステップS100で用いる圧延荷重及び圧下率は、実績値または設定値のいずれを用いてもよい。スラスト反力は、各水準にて測定された測定値である。ステップS100で用いる4水準以上の圧延実績は、圧延実績データベース200に格納されている。推定部110は、圧延実績データベース200から、上下少なくともいずれか一方のロール系について取得された圧延実績を、4つ以上取得する。
ここで、推定に用いる4水準以上の圧延実績は、時系列的に連続して取得されたデータでなくともよく、これから尾端部が通過しようとしている被圧延材よりも前に圧延された被圧延材の圧延実績であればよい。なお、時系列的に連続する被圧延材の間では定常圧延状態における摩擦係数及びクロス角はほとんど変化しないことを前提とすれば、直近圧延された4つの被圧延材について得られた圧延実績を推定に用いることで、経時的変化を考慮した摩擦係数及びクロス角を得ることができる。なお、直近圧延された被圧延材とは、当該材からロール交換あるいはロールの摩耗等による摩擦係数またはクロス角の変化がないとみなすことができる期間内に圧延された被圧延材をいう。また、4水準以上の圧延実績は、それぞれ異なる被圧延材から取得された値であってもよく、同一の被圧延材にて得られた複数水準の圧延実績を用いてもよい。水準数が多いほど、取得される摩擦係数及びクロス角の精度は高くなる。
推定部110は、ステップS100の推定結果として取得されたロール間クロス角、材料-ロール間クロス角、ロール間摩擦係数及び材料-ロール間摩擦係数に基づいて、材料-ロール間スラスト力TWM またはロール間スラスト力TWB のうち少なくともいずれか一方を算出する(S110)。材料-ロール間スラスト力TWM は、例えば上記式(5a)より求めることができ、ロール間スラスト力TWB は、例えば上記式(6a)より求めることができる。ステップS110までの処理は、被圧延材の尾端部の圧延開始前に実施される。なお、ステップS100及びS110は、図3に示した処理のステップS1に対応する。
次いで、被圧延材の尾端部圧延時には、以下のステップS120~S140に示す尾端制御が行われる。ステップS120~S140は、図3に示した処理のステップS2に対応する。
まず、上下少なくともいずれか一方のロール系について、補強ロール以外のロールに作用するロール軸方向スラスト反力と、作業側及び駆動側の圧延荷重とが同時で測定される(S120)。なお、ロール軸方向スラスト反力と作業側及び駆動側の圧延荷重とは、尾端制御が有効に機能する範囲内で取得されればよく、必ずしも厳密に同時に測定されなくともよい。ロール軸方向スラスト反力は、スラスト反力測定装置12a、12bにより測定される。駆動側の圧延荷重は下荷重検出装置11aにより測定され、作業側の圧延荷重は下荷重検出装置11bにより測定される。取得されたロール軸方向スラスト反力及び作業側及び駆動側の圧延荷重は、差荷重・スラスト反力取得部120へ出力される。差荷重・スラスト反力取得部120は、作業側及び駆動側の圧延荷重より、荷重差または荷重差率を算出する。
次いで、補正部130により、測定されたロール軸方向スラスト反力と、推定部110により算出されたロール間スラスト力または材料-ロール間スラスト力とに基づいて、測定された作業側及び駆動側の圧延荷重に基づき算出される圧延荷重差または圧延荷重差率が補正される(S130)。補正部130は、上記式(4-1)~(4-3)のいずれかに基づき、スラスト力に起因する圧延荷重差を算出する。そして、ステップS120にて測定された作業側及び駆動側の圧延荷重に基づき算出された圧延荷重差から、算出したスラスト力に起因する圧延荷重差を除去することにより、圧延荷重差を補正する。圧延荷重差率の場合も同様に補正すればよい。
その後、レベリング制御部140は、補正部130により補正された圧延荷重差または圧延荷重差率に基づき、圧下レベリング制御を実施する(S140)。レベリング制御部140は、レベリング装置13a、13bの制御量を算出し、当該制御量に基づきレベリング装置13a、13bを駆動する。
以上、μWM、μWB、φWM及びφWBすべてを推定により取得する場合(ケース1)の被圧延材の蛇行制御方法について説明した。
[3-3.μWM及びμWBを測定により取得し、φWM及びφWBを推定により取得する場合(ケース6)]
次に、図6~図8に基づいて、μWM及びμWBを測定により取得し、φWM及びφWBを推定により取得する場合(ケース6)の被圧延材の蛇行制御方法について説明する。図6は、μWM及びμWBを測定により取得し、φWM及びφWBを推定により取得する場合(ケース6)の被圧延材の蛇行制御方法を示すフローチャートである。図7は、摩擦係数の測定方法の一例を示す説明図である。図8は、摩擦係数の測定方法の他の一例を示す説明図である。なお、以下の説明において、図5に示したケース1の場合と同様の処理についての詳細な説明は省略する。
本ケースでは、図6に示すように、まず、被圧延材の尾端部の圧延開始前に、推定部110により、2水準以上の圧延荷重、圧下率及び補強ロール以外のロールに作用するスラスト反力を含む圧延実績に基づいて、ロール間クロス角及び材料-ロール間クロス角を取得するための処理が行われる(S200)。圧延荷重及び圧下率は、実績値または設定値のいずれを用いてもよい。スラスト反力は、各水準にて測定された測定値である。ステップS200で用いる2水準以上の圧延実績は、圧延実績データベース200に格納されている。推定部110は、圧延実績データベース200から、上下少なくともいずれか一方のロール系について取得された圧延実績を、2つ以上取得する。
ここで、推定に用いる2水準以上の圧延実績は、上述したケース1の場合と同様、時系列的に連続して取得されたデータでなくともよく、これから尾端部が通過しようとしている被圧延材よりも前に圧延された被圧延材の圧延実績であればよい。なお、時系列的に連続する被圧延材の間では定常圧延状態における摩擦係数及びクロス角はほとんど変化しないことを前提とすれば、直近圧延された2つの被圧延材について得られた圧延実績を推定に用いることで、経時的変化を考慮したクロス角を得ることができる。また、2水準以上の圧延実績は、それぞれ異なる被圧延材から取得された値であってもよく、同一の被圧延材にて得られた複数水準の圧延実績を用いてもよい。水準数が多いほど、取得されるクロス角の精度は高くなる。
一方、ロール間摩擦係数及び材料-ロール間摩擦係数は、測定により取得される。材料-ロール間摩擦係数μWMは、例えば特開平4-284909号公報に記載されている手法に基づき取得し得る。かかる手法では、図7に示すように、熱間仕上圧延機の上流側圧延スタンドにおいて、圧延スタンドのロードセルオン信号を受けて出側速度V及びロール周速Vを測定し、出側速度V及びロール周速Vの比から先進率が取得される。出側速度Vは、圧延スタンド出側に配置された出側速度計16bにより測定可能である。そして、測定値に基づく先進率と圧延荷重pの実績値とから、被圧延材Sの変形抵抗及び圧延ロールと被圧延材との間の摩擦係数μWMが算出される。
また、ロール間摩擦係数μWBは、対象物の表面粗さに依存することが一般に知られている。そこで、例えばロール組込前に予め作業ロール1、2及び補強ロール3、4の表面粗さとロール間摩擦係数μWBとの関係を求め、これらの関係をテーブルとして取得しておく。作業ロール1、2及び補強ロール3、4の表面粗さとロール間摩擦係数μWBとの関係を表すテーブルは、例えば、作業ロール1、2及び補強ロール3、4の表面と同素材で表面粗度の異なる試験片を作成し、摩擦摩耗試験機等により摩擦係数を測定することで取得可能である。
そして、ロール組込み後、圧延開始前等に作業ロール1、2及び補強ロール3、4の表面粗さを測定し、予め取得されたテーブルを参照すれば、ロール間摩擦係数μWBを推定することができる。作業ロール1、2及び補強ロール3、4の表面粗さR、Rは、例えば図8の作業ロール粗さ計17bのように、各ロールに対してそれぞれ設けられた粗度計を用いて測定可能である。なお、被圧延材Sの表面粗さRを測定可能な板粗さ計17aが設けられていれば、材料-ロール間摩擦係数μWMについても同様に取得可能である。
図6の説明に戻り、推定部110は、ステップS200の推定結果として取得されたロール間クロス角及び材料-ロール間クロス角と、測定されたロール間摩擦係数及び材料-ロール間摩擦係数とに基づいて、材料-ロール間スラスト力TWM またはロール間スラスト力TWB のうち少なくともいずれか一方を算出する(S210)。材料-ロール間スラスト力TWM は、例えば上記式(5b)より求めることができ、ロール間スラスト力TWB は、例えば上記式(6b)より求めることができる。ステップS210までの処理は、被圧延材の尾端部の圧延開始前に実施される。
次いで、被圧延材の尾端部圧延時には、以下のステップS220~S240に示す尾端制御が行われる。ステップS220~S240の処理は、図5のステップS120~S140と同様に行われる。
すなわち、まず、上下少なくともいずれか一方のロール系について、補強ロール以外のロールに作用するロール軸方向スラスト反力と、作業側及び駆動側の圧延荷重とが同時で測定される(S220)。なお、ロール軸方向スラスト反力と作業側及び駆動側の圧延荷重とは、尾端制御が有効に機能する範囲内で取得されればよく、必ずしも厳密に同時に測定されなくともよい。差荷重・スラスト反力取得部120は、作業側及び駆動側の圧延荷重より、荷重差または荷重差率を算出する。
次いで、補正部130により、測定されたロール軸方向スラスト反力と、推定部110により算出されたロール間スラスト力または材料-ロール間スラスト力とに基づいて、測定された作業側及び駆動側の圧延荷重に基づき算出される圧延荷重差または圧延荷重差率が補正される(S230)。そして、ステップS220にて測定された作業側及び駆動側の圧延荷重に基づき算出された圧延荷重差から、算出したスラスト力に起因する圧延荷重差を除去することにより、圧延荷重差を補正する。圧延荷重差率の場合も同様に補正すればよい。
その後、レベリング制御部140は、補正部130により補正された圧延荷重差または圧延荷重差率に基づき、圧下レベリング制御を実施する(S240)。レベリング制御部140は、レベリング装置13a、13bの制御量を算出し、当該制御量に基づきレベリング装置13a、13bを駆動する。
以上、μWM及びμWBを測定により取得し、φWM及びφWBを推定により取得する場合(ケース6)の被圧延材の蛇行制御方法について説明した。
[3-4.μWM及びμWBを推定により取得し、φWM及びφWBを測定により取得する場合(ケース11)]
次に、図9及び図10に基づいて、μWM及びμWBを推定により取得し、φWM及びφWBを測定により取得する場合(ケース11)の被圧延材の蛇行制御方法について説明する。図9は、μWM及びμWBを推定により取得し、φWM及びφWBを測定により取得する場合(ケース11)の被圧延材の蛇行制御方法を示すフローチャートである。図10は、クロス角の測定方法の一例を示す説明図である。なお、以下の説明においても、図5に示したケース1の場合と同様の処理についての詳細な説明は省略する。
本ケースでは、図9に示すように、まず、被圧延材の尾端部の圧延開始前に、推定部110により、2水準以上の圧延荷重、圧下率及び補強ロール以外のロールに作用するスラスト反力を含む圧延実績に基づいて、ロール間摩擦係数及び材料-ロール間摩擦係数を取得するための処理が行われる(S300)。圧延荷重及び圧下率は、実績値または設定値のいずれを用いてもよい。スラスト反力は、各水準にて測定された測定値である。ステップS300で用いる2水準以上の圧延実績は、圧延実績データベース200に格納されている。推定部110は、圧延実績データベース200から、上下少なくともいずれか一方のロール系について取得された圧延実績を、2つ以上取得する。
ここで、推定に用いる2水準以上の圧延実績は、上述したケース1の場合と同様、時系列的に連続して取得されたデータでなくともよく、これから尾端部が通過しようとしている被圧延材よりも前に圧延された被圧延材の圧延実績であればよい。なお、時系列的に連続する被圧延材の間では定常圧延状態における摩擦係数及びクロス角はほとんど変化しないことを前提とすれば、直近圧延された2つの被圧延材について得られた圧延実績を推定に用いることで、経時的変化を考慮した摩擦係数を得ることができる。また、2水準以上の圧延実績は、それぞれ異なる被圧延材から取得された値であってもよく、同一の被圧延材にて得られた複数水準の圧延実績を用いてもよい。水準数が多いほど、取得される摩擦係数の精度は高くなる。
一方、ロール間クロス角φWB及び材料-ロール間クロス角φWMは、測定により取得される。例えば、チョック-ハウジング間に圧延方向外力が付与できる装置が備わっている場合、そのシリンダ位置の作業側(WS)と駆動側(DS)の差からクロス角を求めることができる。ここで、図10に基づき、下ロール系の下作業ロール2及び下補強ロール4のクロス角θ、θを考える。下作業ロール2は、駆動側及び作業側において下作業ロールチョック6a、6bに支持されている。下作業ロールチョック6a、6bは、圧延方向外力付与装置18a、18bによりハウジング15に押し付けられている。下補強ロールチョック8a、8bは、圧延方向外力付与装置19a、19bによりハウジング15に押し付けられている。なお、上ロール系についても同様に考えればよい。
図10に示すように、作業ロール(WR)の作業側(WS)のシリンダ位置をC 、作業ロール(WR)の駆動側(DS)のシリンダ位置をC とする。また、補強ロール(BUR)の作業側(WS)のシリンダ位置をC 、補強ロール(BUR)の駆動側(DS)のシリンダ位置をC とする。そして、チョック間距離をaとする。このとき、下作業ロール2のクロス角θ、及び、下補強ロール4のクロス角θは、下記式(8)、(9)にて表される。
Figure 0007092260000013
上記式(8)、(9)より、材料-ロール間クロス角φWM及びロール間クロス角φWBは、下記式(10)、(11)で表される。
Figure 0007092260000014
図9の説明に戻り、推定部110は、ステップS300の推定結果として取得されたロール間摩擦係数及び材料-ロール間摩擦係数と、測定されたロール間クロス角及び材料-ロール間クロス角とに基づいて、材料-ロール間スラスト力TWM またはロール間スラスト力TWB のうち少なくともいずれか一方を算出する(S310)。材料-ロール間スラスト力TWM は、例えば上記式(5c)より求めることができ、ロール間スラスト力TWB は、例えば上記式(6c)より求めることができる。ステップS310までの処理は、被圧延材の尾端部の圧延開始前に実施される。
次いで、被圧延材の尾端部圧延時には、以下のステップS320~S340に示す尾端制御が行われる。ステップS320~S340の処理は、図5のステップS120~S140と同様に行われる。
すなわち、まず、上下少なくともいずれか一方のロール系について、補強ロール以外のロールに作用するロール軸方向スラスト反力と、作業側及び駆動側の圧延荷重とが同時で測定される(S320)。なお、ロール軸方向スラスト反力と作業側及び駆動側の圧延荷重とは、尾端制御が有効に機能する範囲内で取得されればよく、必ずしも厳密に同時に測定されなくともよい。差荷重・スラスト反力取得部120は、作業側及び駆動側の圧延荷重より、荷重差または荷重差率を算出する。
次いで、補正部130により、測定されたロール軸方向スラスト反力と、推定部110により算出されたロール間スラスト力または材料-ロール間スラスト力とに基づいて、測定された作業側及び駆動側の圧延荷重に基づき算出される圧延荷重差または圧延荷重差率が補正される(S330)。そして、ステップS320にて測定された作業側及び駆動側の圧延荷重に基づき算出された圧延荷重差から、算出したスラスト力に起因する圧延荷重差を除去することにより、圧延荷重差を補正する。圧延荷重差率の場合も同様に補正すればよい。
その後、レベリング制御部140は、補正部130により補正された圧延荷重差または圧延荷重差率に基づき、圧下レベリング制御を実施する(S340)。レベリング制御部140は、レベリング装置13a、13bの制御量を算出し、当該制御量に基づきレベリング装置13a、13bを駆動する。
以上、μWM及びμWB推定により取得し、φWM及びφWB測定により取得する場合(ケース11)の被圧延材の蛇行制御方法について説明した。
[3-5.μWM、μWB、φWM及びφWBすべてを測定により取得する場合(ケース16)]
次に、図11に基づいて、μWM、μWB、φWM及びφWBすべてを測定により取得する場合(ケース16)の被圧延材の蛇行制御方法について説明する。図11は、μWM、μWB、φWM及びφWBすべてを測定により取得する場合(ケース16)の被圧延材の蛇行制御方法を示すフローチャートである。なお、以下の説明においても、図5に示したケース1の場合と同様の処理についての詳細な説明は省略する。
本ケースでは、ロール間摩擦係数、材料-ロール間摩擦係数、ロール間クロス角及び材料-ロール間クロス角は、測定により取得される。ロール間摩擦係数、材料-ロール間摩擦係数は、図7、図8に示した手法により測定により取得すればよい。ロール間クロス角及び材料-ロール間クロス角は、図10に示した手法により測定により取得すればよい。
推定部110は、測定により取得されたロール間摩擦係数、材料-ロール間摩擦係数と、ロール間クロス角及び材料-ロール間クロス角に基づいて、材料-ロール間スラスト力TWM またはロール間スラスト力TWB のうち少なくともいずれか一方を算出する(S410)。材料-ロール間スラスト力TWM は、例えば上記式(5d)より求めることができ、ロール間スラスト力TWB は、例えば上記式(6d)より求めることができる。ステップS410の処理は、被圧延材の尾端部の圧延開始前に実施される。
次いで、被圧延材の尾端部圧延時には、以下のステップS420~S440に示す尾端制御が行われる。ステップS420~S440の処理は、図5のステップS120~S140と同様に行われる。
すなわち、まず、上下少なくともいずれか一方のロール系について、補強ロール以外のロールに作用するロール軸方向スラスト反力と、作業側及び駆動側の圧延荷重とが同時で測定される(S420)。なお、ロール軸方向スラスト反力と作業側及び駆動側の圧延荷重とは、尾端制御が有効に機能する範囲内で取得されればよく、必ずしも厳密に同時に測定されなくともよい。差荷重・スラスト反力取得部120は、作業側及び駆動側の圧延荷重より、荷重差または荷重差率を算出する。
次いで、補正部130により、測定されたロール軸方向スラスト反力と、推定部110により算出されたロール間スラスト力または材料-ロール間スラスト力とに基づいて、測定された作業側及び駆動側の圧延荷重に基づき算出される圧延荷重差または圧延荷重差率が補正される(S430)。そして、ステップS420にて測定された作業側及び駆動側の圧延荷重に基づき算出された圧延荷重差から、算出したスラスト力に起因する圧延荷重差を除去することにより、圧延荷重差を補正する。圧延荷重差率の場合も同様に補正すればよい。
その後、レベリング制御部140は、補正部130により補正された圧延荷重差または圧延荷重差率に基づき、圧下レベリング制御を実施する(S440)。レベリング制御部140は、レベリング装置13a、13bの制御量を算出し、当該制御量に基づきレベリング装置13a、13bを駆動する。
以上、μWM、μWB、φWM及びφWBすべてを測定により取得する場合(ケース16)の被圧延材の蛇行制御方法について説明した。なお、表1に示したケース1、6、11、16以外のケースについても、上記と同様に、被圧延材の蛇行制御は実施することができる。
本実施形態によれば、材料‐ロール間スラスト力またはロール間スラスト力を考慮するとともに、クロス角の影響(例えば、ライナー摩耗による経時的変化)及び摩擦係数の影響(例えばロール摩耗、肌荒れによる経時的変化)を考慮して被圧延材の蛇行制御を行う。これにより、より正確にスラスト力の影響を考慮したレベリング修正を実施することができ、蛇行量を低減することができる。また、本実施形態に係る被圧延材の蛇行制御方法では、ライン上に測定設備を設置する必要がないため、簡便に実現することができる。
[4.クロス角及び摩擦係数の更新]
上述の被圧延材の蛇行制御方法では、表1のケース16を除き、被圧延材の尾端部圧延前にクロス角または摩擦係数を推定により取得する。ここで、ロール組み替え後から交換までのクロス角及び摩擦係数の学習値の変化挙動を学習することで、より高精度なクロス角及び摩擦係数の学習モデルを作成することができる。
例えば、表1のケース1のようにμWM、μWB、φWM及びφWBすべてを推定により取得する場合、図5に示したステップS100において、推定部110により、過去の学習結果を基に算出したロール間クロス角、材料-ロール間クロス角、ロール間摩擦係数及び材料-ロール間摩擦係数の被圧延材毎の変動量予測値と、前回圧延におけるロール間クロス角、材料-ロール間クロス角、ロール間摩擦係数及び材料-ロール間摩擦係数の学習結果とに基づいて、今回圧延におけるロール間クロス角、材料-ロール間クロス角、ロール間摩擦係数及び材料-ロール間摩擦係数が算出される。
例えば、下記表2のように、1~i本目までの被圧延材におけるクロス角及び摩擦係数の学習結果が取得されており、i+1本目の被圧延材(当該被圧延材)におけるクロス角及び摩擦係数を推定する場合を考える。
Figure 0007092260000015
この際、例えば、下記式(12-1)~(12-4)より、被圧延材毎の変動量予測値を用いてi+1本目の被圧延材におけるクロス角(φWM i+1、φWB i+1)及び摩擦係数(μWM i+1、μWB i+1)を予測することが可能である。なお、変動量予測値は、i本目の被圧延材とi-1本目の被圧延材とにおけるクロス角または摩擦係数の差で表される。例えば、式(12-1)では、(μWM -μWM i-1)が変動量予測値を表している。
Figure 0007092260000016
なお、表1に示したケース1以外のケースについては、測定により取得される値を更新対象から除外すればよい。例えば、μWM及びμWBを測定により取得し、φWM及びφWBを推定により取得するケース6の場合には、ロール間クロス角φWB及び材料-ロール間クロス角φWMが更新対象となる。μWM及びμWBを推定により取得し、φWM及びφWBを測定により取得するケース11の場合には、ロール間摩擦係数μWB及び材料-ロール間摩擦係数μWMが更新対象となる。なお、ケース16ではロール間摩擦係数、材料-ロール間摩擦係数、ロール間クロス角及び材料-ロール間クロス角がすべて測定により取得されるため、かかる処理は行われない。
このようにクロス角及び摩擦係数を学習することで、当該被圧延材のクロス角及び摩擦係数をリアルタイムで学習する必要がなくなり、オンラインでの計算負荷を低減することができる。なお、学習する項目は、推定により取得される値に限定されない。すなわち、クロス角及び摩擦係数の学習処理は、オンラインでの計算負荷の低減を目的とした場合、更新対象は上述のようになるが、例えば、突発的な測定装置の異常対策等を考慮した場合には、測定により取得される項目についても変化挙動の学習を実施してもよい。
また、ロール間クロス角、材料-ロール間クロス角、ロール間摩擦係数及び材料-ロール間摩擦係数のうち、推定により取得される推定値は、それぞれ、過去に圧延された被圧延材における、定常部のデータに基づく推定値と尾端部のデータに基づく推定値との差分に基づき補正してもよい。例えば、材料―ロール間摩擦係数は、圧延時に発生するスケールの影響等により、被圧延材の定常部と尾端部とで異なる可能性がある。このため、被圧延材の定常部のデータに基づき推定値を求めると、実際に蛇行制御が行われる被圧延材の尾端部に対しては不適切な値であることもある。そこで、過去に圧延された被圧延材における、定常部のデータに基づく推定値と尾端部のデータに基づく推定値との差分に基づきを学習し、当該材ではこの差分を考慮して推定値を算出してもよい。
なお、被圧延材の尾端部は、例えば熱間仕上圧延機のように複数の圧延スタンドから構成される圧延機の場合には、尾端が前スタンドを通過してから当該スタンドを通過するまでの部分をいう。また、被圧延材の定常部は、先端部及び尾端部を除いた形状の安定した部分をいう。例えば、最終スタンド以外における被圧延材の定常部は、先端が次スタンドに噛み込んでから尾端部が前スタンドを通過するまでの部分としてもよい。最終スタンドについては、その1つ前のスタンドにおける定常部と同等の部分を、被圧延材の定常部としてもよい。
本発明に係る被圧延材の蛇行制御方法の効果を検証すべく、被圧延材の圧下レベリング制御シミュレーションを実施した。シミュレーション条件は以下の通りとした。シミュレーションは、小型の試験圧延機を想定して以下の条件を設定し、スラスト力以外の外乱としてウェッジ(30μm)及び左右変形抵抗差(35kg/mm)を考慮して実施した。
(シミュレーション条件)
作業ロール直径:295.2mm
補強ロール直径:714.0mm
圧延荷重:400tonf
圧下率 :30%
入側板厚:5mm
板幅 :400mm
圧延速度:50mpm
材料-ロール間摩擦係数μWM:0.25
ロール間摩擦係数μWB :0.1
材料-ロール間クロス角φWM:0.03°
ロール間クロス角φWB :0.03°
実施例1~4として、上述の本発明に係る蛇行制御方法により被圧延材を圧延した場合のシミュレーションを実施した。実施例1は表1のケース1の場合であり、クロス角及び摩擦係数を推定してスラスト力を求め、測定値から得られた圧延荷重差をスラスト力起因の圧延荷重差にて補正し、圧下レベリング制御を行った。実施例2は表1のケース6の場合であり、クロス角を推定により取得するとともに摩擦係数を測定により取得してスラスト力を求め、測定値から得られた圧延荷重差をスラスト力起因の圧延荷重差にて補正し、圧下レベリング制御を行った。実施例3は表1のケース11の場合であり、摩擦係数を推定により取得するとともにクロス角を測定により取得してスラスト力を求め、測定値から得られた圧延荷重差をスラスト力起因の圧延荷重差にて補正し、圧下レベリング制御を行った。実施例4は表1のケース16の場合であり、クロス角及び摩擦係数を測定してスラスト力を求め、測定値から得られた圧延荷重差をスラスト力起因の圧延荷重差にて補正し、圧下レベリング制御を行った。
なお、実施例2~4では、測定誤差を考慮し、1%の測定誤差があると仮定した。実施例2では、材料-ロール間摩擦係数μWMを0.2525、ロール間摩擦係数μWBを0.101と仮定した。実施例3では、材料-ロール間クロス角φWMを0.0303°、ロール間クロス角φWBを0.0303°と仮定した。実施例4では、材料-ロール間摩擦係数μWMを0.2525、ロール間摩擦係数μWBを0.101、材料-ロール間クロス角φWMを0.0303°、ロール間クロス角φWBを0.0303°と仮定した。
一方、比較例1では、クロス角のみを取得してスラスト力を求め、測定値から得られた圧延荷重差をスラスト力起因の圧延荷重差にて補正し、圧下レベリング制御を行った。比較例2では、摩擦係数のみを取得してスラスト力を求め、測定値から得られた圧延荷重差をスラスト力起因の圧延荷重差にて補正し、圧下レベリング制御を行った。比較例3では、スラスト力は考慮するもののクロス角及び摩擦係数は取得せずに、測定値から得られた圧延荷重差をスラスト力起因の圧延荷重差にて補正し、圧下レベリング制御を行った。比較例4では、スラスト力を一切考慮せずに圧下レベリング制御を行った。
なお、比較例1では、材料-ロール間摩擦係数μWMを0.3、ロール間摩擦係数μWBを0.15と仮定した。比較例2では、材料-ロール間クロス角φWMを0.031°、ロール間クロス角φWBを0.031°と仮定した。比較例3では、材料-ロール間摩擦係数μWMを0.3、ロール間摩擦係数μWBを0.15、材料-ロール間クロス角φWMを0.031°、ロール間クロス角φWBを0.031°と仮定した。
実施例1及び比較例1~4の各手法の評価は、蛇行量により行った。蛇行量は、スラスト力発生から3秒後の蛇行量とした。シミュレーション結果を表3に示す。
Figure 0007092260000017
表3より、実施例1~4では、比較例1~4に比べ、スラスト力起因差荷重補正誤差を小さくすることができ、蛇行量を最も低減することができた。これより、本発明の被圧延材の蛇行制御方法を用いることで、より正確にスラスト力の影響を考慮したレベリング修正を行うことができ、被圧延材の蛇行量を低減することが示された。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、4段圧延機での被圧延材の蛇行制御方法について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば6段圧延機にも適用可能である。
1 上作業ロール
2 下作業ロール
3 上補強ロール
4 下補強ロール
5a 上作業ロールチョック(駆動側)
5b 上作業ロールチョック(作業側)
6a 下作業ロールチョック(駆動側)
6b 下作業ロールチョック(作業側)
7a 上補強ロールチョック(駆動側)
7b 上補強ロールチョック(作業側)
8a 下補強ロールチョック(駆動側)
8b 下補強ロールチョック(作業側)
10 圧延機
11a 下荷重検出装置(駆動側)
11b 下荷重検出装置(作業側)
12a スラスト反力測定装置(駆動側)
12b スラスト反力測定装置(作業側)
13a レベリング装置(駆動側)
13b レベリング装置(作業側)
14a 作業ロールシフト装置(駆動側)
14b 作業ロールシフト装置(作業側)
15 ハウジング
16b 出側速度計
17a 板粗さ計
17b 作業ロール粗さ計
18a 圧延方向外力付与装置(作業ロール駆動側)
18b 圧延方向外力付与装置(作業ロール作業側)
19a 圧延方向外力付与装置(補強ロール駆動側)
19b 圧延方向外力付与装置(補強ロール作業側)
110 推定部
120 差荷重・スラスト反力取得部
130 補正部
140 レベリング制御部
200 圧延実績データベース

Claims (9)

  1. 4段以上の圧延機における被圧延材の蛇行制御方法であって、
    前記圧延機は、
    少なくとも一対の作業ロールと前記作業ロールを支持する一対の補強ロールとを含む、複数のロールを有し、
    上ロール系は上作業ロール及び上補強ロールを含み、
    下ロール系は下作業ロール及び下補強ロールを含み、
    前記被圧延材の尾端部圧延前に実施され、
    測定または推定により取得されたロール間クロス角及びロール間摩擦係数に基づき推定されるロール間スラスト力、または、測定または推定により取得された材料-ロール間クロス角及び材料-ロール間摩擦係数に基づき推定される材料-ロール間スラスト力のうち、少なくともいずれか一方を取得する推定ステップと、
    前記被圧延材の尾端部圧延時に実施され、
    上下少なくともいずれか一方のロール系について、作業側及び駆動側の圧延荷重を測定し、
    前記補強ロール以外のロールに作用する、前記圧延荷重の測定時のロール軸方向スラスト反力、前記ロール間スラスト力、または、前記材料-ロール間スラスト力のうち、取得されたいずれか2つのパラメータに基づいて、測定された前記作業側及び駆動側の圧延荷重に基づき算出される圧延荷重差情報を補正し、
    補正された前記圧延荷重差情報に基づいて、前記圧延機の圧下レベリング制御を実施する、尾端制御ステップと、
    を含む、被圧延材の蛇行制御方法。
  2. 前記尾端制御ステップでは、
    前記圧延荷重の測定時に測定された前記ロール軸方向スラスト反力と、前記推定ステップにて取得された前記ロール間スラスト力または前記材料-ロール間スラスト力とに基づいて、前記圧延荷重差情報を補正する、請求項1に記載の被圧延材の蛇行制御方法。
  3. 前記推定ステップでは、
    上下少なくともいずれか一方のロール系について取得された4水準以上の圧延荷重、圧下率及び前記補強ロール以外のロールに作用するスラスト反力に基づいて、前記ロール間クロス角、前記材料-ロール間クロス角、前記ロール間摩擦係数、及び、前記材料-ロール間摩擦係数を推定により取得し、
    取得された前記ロール間クロス角、前記材料-ロール間クロス角、前記ロール間摩擦係数、及び、前記材料-ロール間摩擦係数に基づいて、ロール間スラスト力または材料-ロール間スラスト力のうち少なくともいずれか一方を推定により取得する、請求項1または2に記載の被圧延材の蛇行制御方法。
  4. 前記推定ステップでは、
    ロール間摩擦係数及び材料-ロール間摩擦係数を測定により取得するとともに、上下少なくともいずれか一方のロール系について取得された2水準以上の圧延荷重、圧下率、前記補強ロール以外のロールに作用するスラスト反力に基づいて、ロール間クロス角及び材料-ロール間クロス角を推定により取得し、
    取得された前記ロール間クロス角、前記材料-ロール間クロス角、前記ロール間摩擦係数、及び、前記材料-ロール間摩擦係数に基づいて、ロール間スラスト力または材料-ロール間スラスト力のうち少なくともいずれか一方を推定により取得する、請求項1または2に記載の被圧延材の蛇行制御方法。
  5. 前記推定ステップでは、
    ロール間クロス角及び材料-ロール間クロス角を測定により取得するともに、上下少なくともいずれか一方のロール系について取得された2水準以上の圧延荷重、圧下率、前記補強ロール以外のロールに作用するスラスト反力に基づいて、ロール間摩擦係数及び材料-ロール間摩擦係数を推定により取得し、
    取得された前記ロール間クロス角、前記材料-ロール間クロス角、前記ロール間摩擦係数、及び、前記材料-ロール間摩擦係数に基づいて、ロール間スラスト力または材料-ロール間スラスト力のうち少なくともいずれか一方を推定により取得する、請求項1または2に記載の被圧延材の蛇行制御方法。
  6. 前記推定ステップでは、
    前記ロール間クロス角、前記材料-ロール間クロス角、前記ロール間摩擦係数及び前記材料-ロール間摩擦係数のうち、推定により取得される推定値は、それぞれ、
    過去の学習結果を基に推定された推定値の被圧延材毎の変動量予測値と、前回圧延における推定値の推定結果とに基づいて取得される、請求項1~5のいずれか1項に記載の被圧延材の蛇行制御方法。
  7. 前記推定ステップでは、
    前記ロール間クロス角、前記材料-ロール間クロス角、前記ロール間摩擦係数及び前記材料-ロール間摩擦係数のうち、推定により取得される推定値は、それぞれ、
    過去に圧延された被圧延材における、定常部のデータに基づく推定値と尾端部のデータに基づく推定値との差分に基づき補正される、請求項1~6のいずれか1項に記載の被圧延材の蛇行制御方法。
  8. 前記推定ステップでは、直近圧延された被圧延材の圧延荷重、圧下率及び前記補強ロール以外のロールに作用するスラスト反力を用いる、請求項1~7のいずれか1項に記載の被圧延材の蛇行制御方法。
  9. 前記推定ステップでは、
    前記ロール間摩擦係数、前記材料-ロール間摩擦係数、前記ロール間クロス角、及び、前記材料-ロール間クロス角を測定により取得し、
    取得された前記ロール間クロス角、前記材料-ロール間クロス角、前記ロール間摩擦係数、及び、前記材料-ロール間摩擦係数に基づいて、ロール間スラスト力または材料-ロール間スラスト力のうち少なくともいずれか一方を推定により取得する、請求項1または2に記載の被圧延材の蛇行制御方法。
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