JP3863751B2 - 板圧延における圧下位置設定方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、板圧延中の特に被圧延板先端の板厚変化および板厚ウェッジ変化を抑制し、被圧延材の寸法精度、通板性を向上させるための圧下位置設定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、板圧延機内のロールチョックとハウジングとの間には有意な間隙、いわゆるガタが存在するため、例えば4段圧延機の場合、互いに接する作業ロールと補強ロール間に微小クロス(水平面上に投影した作業ロール回転軸と補強ロール回転軸の微小な交差)が発生し、当該ロール間にロール回転軸方向の力、すなわちスラスト力が生じることがある。また、いわゆるロールクロス圧延機のように、上下作業ロール間にクロス角(水平面上に投影した上下作業ロール回転軸間の交差角)を意図的に与えて圧延する場合には、被圧延板と(上下)作業ロール間にもスラスト力が発生する。このようにスラスト力が生じた場合、各ロールに対し余分なモーメントが加わり、ロール間の接触圧の幅方向分布や圧延機の作業側および駆動側(以下、左右と称する)の圧延荷重の差(以下、圧延荷重差と称する)が変化し、圧延機の変形量、いわゆるストレッチ量が変化するため、圧延後の板厚や板厚ウェッジ量(左右の板厚差)の変化が生じ、寸法精度不良のみならず、蛇行、キャンバーの発生などに起因した通板トラブルの一因となっている。
【0003】
このスラスト力を考慮した圧下位置の調整方法としては、上述のスラスト力を支持する機構、例えば作業ロールチョックのキーパプレートに生じるスラスト反力の検出値(およびその変化)や、圧延荷重等、他の反力検出手段により得られた検出値に基づき推定されたスラスト力の推定値(およびその変化)に応じて圧下位置を調整する方法(以下、実測スラスト力を考慮した圧下位置制御技術と称する)と、圧延開始前に予測したスラスト力に基づき、予め圧下位置を設定する方法(以下、予測スラスト力を考慮した圧下位置設定技術と称する)に大別される。
【0004】
上述の実測スラスト力を考慮した圧下位置制御技術に分類される従来技術としては、作業ロールの回転軸方向変位の支持機構にスラスト反力検出器を設置し、圧延中の当該検出器からの検出値と左右の圧延荷重検出値に応じて圧下位置を調整する方法(例えば、特開昭59−144511号公報に開示されている従来技術)や、圧延中のハウジングの上部、下部および左右の4箇所の圧延荷重検出値に基づき作業ロールと被圧延板間のスラスト力を推定し、当該スラスト力の推定値に応じて圧下位置を調整する方法(例えば、特開昭58−218302号公報に開示されている従来技術)がある。また、予測スラスト力を考慮した圧下位置設定技術に分類される従来技術としては、例えば、特開平6−154832号公報に開示されている従来技術のように、前パスの圧延実績等に基づき次パス圧延中に生じるスラスト力を予測し、これを考慮して圧下位置の設定を行う方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来技術の内、圧延中の各種検出値(およびその変化)を用いる、実測スラスト力を考慮した圧下位置制御技術では、検出→演算(圧下位置修正量の計算)→圧下位置修正を行うための時間的余裕(いわゆる制御周期)が必要であり、例えば、熱間仕上げ圧延ミルの後段スタンド間を被圧延板先端が圧延機を通過する、極めて短い時間内で生じる変化に対しては本質的に対応できず、適用範囲が限られ、また、一般には、被圧延板先端が圧延機に噛み込む際には衝撃力に起因した圧延荷重の顕著な振動などが発生し、検出値に無視し得ない外乱が混入するため、被圧延板先端の板厚、板厚ウェッジ変化、およびこれに起因した通板中の蛇行、キャンバーの発生を抑制、制御することは極めて困難である。
【0006】
圧延開始前に予測スラスト力を考慮して圧下位置を設定する圧下位置設定技術では上述の困難さは本質的に生じないが、前述した特開平6−154832号公報に開示されている従来技術では、たとえ予測値と同値のスラスト力が実際に生じた場合でも、後述する理由により発生する被圧延板先端の板厚、板厚ウェッジの変化には対応できず、実用上十分な効果を得ることはできない。
【0007】
本発明は、上記した従来技術に見られる種々の問題を解消し、スラスト力による被圧延板先端噛み込み後のストレッチ量の変化、すなわち板厚、板厚ウェッジの変化を正確に考慮し、圧下設定位置に反映することで、製品の寸法精度を向上し、かつ蛇行、キャンバーの発生に起因した通板トラブルを解消させ得る、圧下位置設定方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、綿密な調査分析および検討の結果、先ず、一定のスラスト力(被圧延板と作業ロール間および/もしくは作業ロールと補強ロール間のスラスト力)となるよう調整(例えば、上下作業ロール間のクロス角および/もしくは作業ロールと補強ロール間の微小クロス角を厳密に調整)した場合でも、一例を図2に示すように、被圧延板先端噛み込み直後のスラスト反力(同図では作業ロールのスラスト軸受けに取り付けた荷重検出器で測定)および左右の圧延荷重差の実測値(同図では噛み込み時の衝撃力に伴う振動などを平滑化して表示)は顕著に変化し、ある時間を経過した後に安定することを知見した。また、ほぼ当該実測値の変化に倣い、圧延後の被圧延板先端部分の板厚および板厚ウェッジが変化していることも確認した。
【0009】
この現象は、一般に、例えば作業ロールチョックとキーパプレート(作業ロールの回転軸方向シフト装置を有する圧延機の場合は該シフト装置のチョック支持部位)の間にはロール回転軸方向の有意な間隙、いわゆるガタ(以下、スラスト方向ガタと称す)や当該部位の弾性(接触)変形が存在するため、ロールチョックは圧延前の空転時(スラスト力は零もしくは微小)の位置から、圧延開始後にスラスト力(もしくは、例えば4段圧延機の場合、被圧延板と作業ロール間スラスト力および作業ロールと補強ロール間スラスト力の合力)の作用する方向に移動を始め、キーパプレートとの接触時点からスラスト反力が増加を開始し、該スラスト力(もしくはその合力)によるロールチョックの回転軸方向移動を支持するに十分なスラスト反力に到達した時点でロールの回転軸方向移動が停止し、スラスト反力が安定するものと理解される。また、該スラスト力が一定の場合でも、該スラスト反力の変化により各ロールへ作用するモーメントが変化するため、左右の圧延荷重差も変動したものと理解される。即ち、圧延開始後のスラスト反力や左右の圧延荷重差の変化、およびこれらに起因する被圧延板先端の板厚、板厚ウェッジの変動は、上記のスラスト方向ガタやロールチョックの回転軸方向支持部の弾性変形が存在する限り、本質的に生じるものであり、当該圧延開始後の変化を予め考慮した圧下位置の設定、即ち、圧延開始時点およびスラスト反力が安定した時点の、各々の時点での最適な圧下位置とするべく、両時点での圧下位置を個別に設定することが不可欠であることを結論した。
【0010】
本発明は上記の知見に基づき為されたもので、前記の目的を達成するため、本発明の請求項1では、圧延開始前に圧延中に生じる被圧延板と作業ロール間のスラスト力を予測し、当該スラスト力の予想値に基づいて圧延実行時の圧下位置設定を行うに際して、圧延開始時点および当該スラスト力の支持点に生じるスラスト反力が安定した時点の、両時点での圧下位置を個別に設定することを特徴とする、板圧延における圧下位置設定方法を開示している。
【0011】
本発明の請求項2では、4段以上の多段圧延機を用いた板圧延方法で、圧延開始前に圧延中に生じる被圧延板と作業ロール間のスラスト力および/または少なくとも1箇所以上のロール間接触界面でのスラスト力を予測し、当該スラスト力の予想値に基づいて圧延実行時の圧下位置設定を行うに際して、圧延開始時点および当該スラスト力の支持点に生じるスラスト反力が安定した時点の、両時点での圧下位置を個別に設定することを特徴とする、板圧延における圧下位置設定方法を開示している。
【0012】
本発明の請求項3では、前記の圧延開始時点およびスラスト反力が安定した時点の、両時点での圧下位置を個別に設定するに際して、圧延開始時点での圧下位置の設定においては被圧延板と作業ロール間のスラスト力の予測値に基づき設定値を定め、スラスト反力が安定した時点での圧下位置の設定においては被圧延板と作業ロール間のスラスト力および少なくとも1箇所以上のロール間接触界面でのスラスト力の予想値に基づき設定値を定めることを特徴とする、請求項2に記載の板圧延における圧下位置設定方法を開示している。
【0013】
本発明の請求項4では、前記のスラスト反力が安定した時点を、圧延開始時点から予め定めた所定の時間を経過した時点とし、圧延開始前には前記圧延開始時点での圧下位置に調整し、圧延開始から当該所定の時間を経過した時点で前記スラスト反力が安定した時点での圧下位置に再調整することを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の板圧延における圧下位置設定方法を開示している。
【0014】
本発明の請求項5では、圧延開始前に圧延中に生じる被圧延板と作業ロール間のスラスト力および/または少なくとも1箇所以上のロール間接触界面でのスラスト力を予測し、圧延開始時点では当該スラスト力の予想値に基づいて圧下位置の設定を行い、圧延開始後に当該スラスト力の支持点に生じるスラスト反力が安定した時点以降は、当該スラスト力の予想値、および/もしくは、圧延中の当該スラスト反力および/もしくは左右の圧延荷重の測定値に基づき圧下位置を調整することを特徴とする、板圧延における圧下位置設定方法を開示している。
【0015】
本発明の請求項6では、前記の圧延開始時点から予め定めた所定の時間を経過した時点を、圧延開始から少なくとも0.2秒以上経過した時点とすることを特徴とする、請求項4もしくは請求項5に記載の板圧延における圧下位置設定方法を開示している。
【0016】
本発明の請求項7では、前記の圧延開始時点から予め定めた所定の時間を、上下作業ロール間のクロス角度および被圧延板噛み込み後の作業ロール表面の回転距離に基づき定めることを特徴とする、請求項4〜6の何れか1項に記載の板圧延における圧下位置設定方法を開示している。
【0017】
本発明の請求項8では、前記の圧延開始時点から予め定めた所定の時間を前材もしくは前パスまでの圧延実績に基づき定めることを特徴とする、請求項4〜7の何れか1項に記載の板圧延における圧下位置設定方法を開示している。
【0018】
本発明の請求項9では、前記スラスト反力の検出手段を有する圧延機において、圧延開始後に当該スラスト反力の検出手段を用いて検出されるスラスト反力の安定度を監視し、スラスト反力が安定したと判定された時点を前記スラスト反力が安定した時点とすることを特徴とする、請求項1〜3もしくは請求項5の何れか1項に記載の板圧延における圧下位置設定方法を開示している。
【0019】
本発明の請求項10では、左右独立の圧延荷重検出手段を上側および/もしくは下側に有する圧延機において、圧延開始後に当該圧延荷重検出手段の検出値から演算される上側および/もしくは下側の左右の圧延荷重差の安定度を監視し、当該圧延荷重差が安定したと判定された時点を前記スラスト反力が安定した時点とすることを特徴とする、請求項1〜3もしくは請求項5の何れか1項に記載の板圧延における圧下位置設定方法を開示している。
【0020】
本発明の請求項11では、前記スラスト反力の検出手段および左右独立の圧延荷重検出手段を有する圧延機において、圧延開始後に当該スラスト反力の検出手段を用いて検出されるスラスト反力の安定度および当該圧延荷重検出手段の検出値から演算される左右の圧延荷重差の安定度を監視し、当該スラスト反力および当該圧延荷重差の双方が安定したと判定された時点を前記スラスト反力が安定した時点とすることを特徴とする、請求項1〜3もしくは請求項5の何れか1項に記載の板圧延における圧下位置設定方法を開示している。
【0021】
本発明の請求項12では、前記スラスト反力の安定度を、当該スラスト反力の時間変化率もしくは当該時間変化率を作業ロールの回転速度で除した値で評価し、当該時間変化率もしくは当該時間変化率を作業ロールの回転速度で除した値が予め定めた数値以下となった時点を前記スラスト反力が安定したと判定された時点とすることを特徴とする、請求項9もしくは請求項11の何れかに記載の板圧延における圧下位置設定方法を開示している。
【0022】
本発明の請求項13では、前記左右の圧延荷重差の安定度を、当該圧延荷重差の時間変化率もしくは当該時間変化率を作業ロールの回転速度で除した値で評価し、当該時間変化率もしくは当該時間変化率を作業ロールの回転速度で除した値が予め定めた数値以下となった時点を前記圧延荷重差が安定したと判定された時点とすることを特徴とする、請求項10もしくは請求項11の何れかに記載の板圧延における圧下位置設定方法を開示している。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図3は、本発明の方法の実施対象となる板圧延機の一形態を、4段圧延機を例として示した模式図であり、被圧延板3は補強ロール5a,5bで支持された作業ロール4a,4bの間で圧延される。補強ロール5a,5bは補強ロールチョック7a,7b,7c,7dでその両端を支持されており、作業ロール4a,4bは作業ロールチョック6a,6b,6c,6dでその両端を支持され、かつロールシフト機構10a,10bでロール回転軸方向の位置調整が為される。圧下位置設定計算機1で計算された圧下位置設定値は圧下装置2a,2bに送られ、当該設定値に圧下位置が調整される。スラスト反力検出器8a,8bおよび圧延荷重検出器9a,9b,9c,9dは、本発明の方法においては後述する圧延開始後のスラスト反力の変化率(安定度)の判定に用いられる。また、図4は、以下の説明で用いる力(反力、荷重を含む。図中の矢印方向の力を正とする)および寸法を示した模式図であり、各々の記号の意味する物理量は下記の通りである。
WM :被圧延板と作業ロール間に作用するスラスト力
WB T,TWB B :作業ロールと補強ロール間に作用するスラスト力。ここで、上付添え字は、T:上側、B:下側を表す。以下も同様。
W T,TW B :作業ロールに作用するスラスト反力
B T,TB B :補強ロールに作用するスラスト反力
W T,PD T,PW B,PD B :補強ロール支持点に作用する圧延反力(圧延荷重)。
ここで、下付添え字は、W:作業側、D:駆動側を表す。
df T,Pdf B :左右の圧延反力(荷重)差(例えば、Pdf T=PW T−PD T,)
B T,hB B :補強ロールに作用するスラスト反力の作用点位置と、作業ロールと補強ロール間に作用するスラスト力の作用点位置との距離
また、以下では、物理量の左右差を[作業側の物理量]−[駆動側の物理量]として定義する。
【0024】
図1は、本発明の請求項1もしくは請求項2に示した方法の一実施形態を示す模式図である。圧延開始前に、先ず、圧延中に生じる被圧延板と作業ロール間のスラスト力および/もしくは作業ロールと補強ロール間のスラスト力を予測する。被圧延板と作業ロール間のスラスト力の予測については、例えば、特開平6−154832号公報に開示されている従来技術を用いればよい。また、作業ロールと補強ロール間のスラスト力の予測については、例えば、特開平10−263656号公報に開示されている従来技術を用いて前パス(リバース圧延の場合)もしくは前材(タンデム圧延の場合)を圧延中の当該スラスト力を同定し、当該同定値に基づき、例えば、下記の(1)式を用いて予測すればよい。
WB pred=F1(TWB idnt,Pt meas,Pt pred,Rold,Rnew,D,K,)
(1)
ここで、TWB predは作業ロールと補強ロール間のスラスト力の予測値、TWB idntは前パスもしくは前材を圧延中の作業ロールと補強ロール間のスラスト力の同定値、Pt measは前パスもしくは前材を圧延中の圧延荷重(左右合力)の実績値、Pt predは本発明の方法を適用する圧延パスでの圧延荷重(左右合力)の予測値、Roldは前パスもしくは前材での圧延条件(例えば、板厚、板幅、圧下率など)、Rnewは本発明の方法を適用する圧延パスでの圧延条件、Dは圧延機の寸法パラメータ、Kは圧延機の剛性パラメータである。
【0025】
次に、被圧延板と作業ロール間のスラスト力の予測値TWM predおよび/もしくは作業ロールと補強ロール間のスラスト力の予測値TWB pred、および本発明の方法を適用する圧延パスでの圧延条件Rnewなどに基づいて、圧延開始時点の圧下設定位置S1(圧下設定位置,即ち圧下位置の設定値の左右平均値成分)、Sdf 1(圧下設定位置,即ち圧下位置の設定値の左右差成分)および作業ロールに作用するスラスト反力TW(以下、特に断らない限り、スラスト反力と略する)が安定した時点の圧下設定位置S2,Sdf 2を計算する。両時点の圧下設定位置の計算は、例えば、下記の(2)式から(5)式を用いて行えばよい。
1=F2(TWM pred,TWB pred,Pt pred,haim,Rnew,D,K,) (2)
df 1=F3(TWM pred,TWB pred,Pt pred,pdf pred,hdf aim,Rnew,D,K,)
(3)
2=F4(TWM pred,TWB pred,Pt pred,haim,Rnew,D,K,) (4)
df 2=F5(TWM pred,TWB pred,Pt pred,pdf pred,hdf aim,Rnew,D,K,)
(5)
ここで、pdf predは本発明の方法を適用する圧延パスで予測される被圧延板と作業ロール間の面圧の左右差、haimは圧延後の板厚(幅中央板厚もしくは幅方向平均板厚の何れでもよい。但し、以下の説明では幅中央板厚として定義する)の目標値、hdf aimは圧延後の板厚の左右差(板厚ウェッジ)の目標値である。被圧延板と作業ロール間の面圧の左右差の予測値pdf predは、例えば、被圧延板の左右温度差、圧延前の板厚ウェッジなどに基づいて計算すればよい。
【0026】
圧下位置設定計算機1を用いて上記(2)式および(3)式に従って計算、記憶された圧延開始時点の圧下設定位置S1,Sdf 1は、圧下装置2a,2bに送られ、当該設定位置となるように圧延開始に先立ち圧下位置が調整され、圧延が開始される。前述したように、圧延開始後にスラスト反力が変化を呈し始め、安定状態まで遷移する。圧下位置設定計算機1は、例えば、後述の方法によりスラスト反力が安定したと判定された時点で、上記(4)式および(5)式に従って計算、記憶されたスラスト反力が安定した時点の圧下設定位置S2,Sdf 2を圧下装置2a,2bに送り、当該設定位置に圧下位置が修正される。
【0027】
上下作業ロール間に有意なクロス角を生じない場合のように、被圧延板と作業ロール間のスラスト力が実質零と想定される場合には、上記の(2)式〜(5)式の右辺中の当該スラスト力予測値TWM predの影響項を省略してもよい。
【0028】
被圧延板と作業ロール間のスラスト力TWMおよび作業ロールと補強ロール間のスラスト力TWBが、圧延開始時点とスラスト反力が安定した時点の両時点について個別に予測可能な場合には、(2)式および(3)式の計算においては圧延開始時点での被圧延板と作業ロール間のスラスト力の予測値TWM pred-1および作業ロールと補強ロール間のスラスト力の予測値TWB pred-1を用い、(4)式および(5)式の計算においてはスラスト反力が安定した時点での被圧延板と作業ロール間のスラスト力の予測値TWM pred-2および作業ロールと補強ロール間のスラスト力の予測値TWB pred-2を用いて両時点での圧下設定位置を計算してもよい。
【0029】
図3に示した4段圧延機のように、作業ロールと補強ロール間接触界面が上下に存在する場合には、上記(2)から(5)式に代えて、上下個々の作業ロールと補強ロール間のスラスト力の予測値を用いる、例えば、下記の(2')から(5')式を用いてもよい。
Figure 0003863751
ここで、TWB T:predは上作業ロール4aと上補強ロール5a間のスラスト力TWB Tの予測値、TWB B:predは下作業ロール4bと下補強ロール5b間のスラスト力TWB Bの予測値である。
【0030】
また同様に、4段以上の圧延機でロール間接触界面を複数有する形式の圧延機において、各ロール間接触界面毎に定義されるロール間スラスト力の予測値が得られる場合には、例えば、下記の(2'')から(5'')式を用いてもよい。
Figure 0003863751
ここで、TWB i:predはi番目(iは1〜N間の整数)のロール間接触界面のスラスト力の予測値である。
【0031】
勿論、種々の制約条件(例えば、特定のロール間接触界面のスラスト力の予測が不可能)や前提条件(例えば、特定のロール間接触界面が十分に潤滑されており、スラスト力が実質生じない)により、一部のロール間接触界面のスラスト力を考慮しない場合には、当該ロール間接触界面のスラスト力を除いた式を用いればよい。2段圧延機のようにロール間接触界面が存在しない場合や、ロールチョック〜ハウジング間ガタの十分な管理もしくはロール間接触界面の十分な潤滑により全てのロール間接触界面でのスラスト力が実質生じない場合、もしくは設備制約により全てのロール間接触界面のスラスト力の予測が不可能な場合など、全てのロール間接触界面のスラスト力を考慮しない場合には本発明の請求項1を適用し、例えば、前記(2)式〜(5)式に代えて下記の(2''')式〜(5''')式を用いればよい。
1=F2'''(TWM pred,Pt pred,haim,Rnew,D,K,) (2''')
df 1=F3'''(TWM pred,Pt pred,pdf pred,hdf aim,Rnew,D,K,) (3''')
2=F4'''(TWM pred,Pt pred,haim,Rnew,D,K,) (4''')
df 2=F5'''(TWM pred,Pt pred,pdf pred,hdf aim,Rnew,D,K,) (5''')
【0032】
圧延開始時点のスラスト反力が、前述の図2に模式的に示したようにほぼ零と想定される場合には、下記の(6)式に示す作業ロールに作用するロール回転軸方向の力の釣合条件から、当該時点での作業ロールと補強ロール間のスラスト力TWBが被圧延板と作業ロール間のスラスト力TWMの予測値から一意に求められるため、圧延開始時点での圧下位置の設定においては作業ロールと補強ロール間のスラスト力の予測値は不要となり、請求項3の方法が適用できる。
WB T−TWM=TW T=0 (上作業ロール),
WM−TWB B=TW B=0 (下作業ロール) (6)
【0033】
但し、スラスト反力が安定した時点での反力値は一般に零でないため、当該時点での圧下設定位置の計算には被圧延板と作業ロール間のスラスト力TWMと作業ロールと補強ロール間のスラスト力TWBの両スラスト力の予測値が必要となる。また、モーメントの釣合条件を考慮すれば、各スラスト力の予測値に基づき左右の圧延荷重差Pdfが求められるため、上述の(2)式から(5)式に代えて、下記の比較的単純な(2'''')式から(5'''')式を用いてもよい。
Figure 0003863751
ここで、ΔS(P)は圧延荷重がPのときのミルストレッチ量(板幅中央で定義)、ΔSW(P)は作業側補強ロール支持点に作用する圧延荷重がPのときの作業側ロール開度(被圧延板の作業側の幅方向エッジ位置で定義)の変化量、ΔSD(P)は駆動側補強ロール支持点に作用する圧延荷重がPのときの駆動側ロール開度(被圧延板の駆動側の幅方向エッジ位置で定義)の変化量、CW(P)は作業側補強ロール支持点に作用する圧延荷重がPのときのΔSW(P)の接線勾配(コンプライアンス)、CD(P)は駆動側補強ロール支持点に作用する圧延荷重がPのときのΔSD(P)の接線勾配、bは板幅、aBは補強ロールの左右支持点間の距離である。
【0034】
上式中のΔS(P)、ΔSW(P)およびΔSD(P)は、例えば、キスロール締め込み荷重測定結果、圧延条件、および圧延機の寸法パラメータなどから決定することができる。また、Pdf pred-1は圧延開始時点での左右の圧延荷重差の予測値、Pdf pred-2はスラスト反力が安定した時点での左右の圧延荷重差の予測値であり、上述したように、モーメントの釣合条件から下記の(7)式、(8)式を用いて計算される。
Figure 0003863751
ここで、DWは作業ロール直径である。
【0035】
スラスト反力の安定度は、圧延開始から予め定めた所定の時間を経過した時点をもって安定したと判定してもよい。その際、被圧延板先端の噛み込みに伴う衝撃力の影響や圧下装置2a,2bの応答時間の影響を避けるため、圧延開始から少なくとも0.2秒以上経過した時点とする。通常の板圧延機の場合0.2秒未満では当該衝撃力や圧下装置の応答時間の影響で圧延荷重やスラスト反力が顕著に変動している可能性が高く、例えば本発明の請求項5の方法を適用した場合に圧下位置設定が極端に変動し、通板トラブルを生じる危険性が増すため、0.2秒以上とすることが要件となる。スラスト反力が安定するまでの時間は、圧延開始後の被圧延板と作業ロール間の、ロール回転軸方向の相対滑り距離に略比例するものと予想され、上下作業ロール間のクロス角度(すなわち、被圧延板と作業ロール間の相対滑り角度θslip×2)および被圧延板噛み込み後の作業ロール表面の回転距離(L:圧延開始時点からの作業ロール周速度の時間積分値)に基づき、例えば、当該相対滑り距離(=L×(sinθslip))が予め定めた距離Lstableとなる時点をもって、スラスト反力が安定する時点と定めてもよい。また、いわゆる学習技術を適用し、前材もしくは前パスまでの圧延実績に基づいて、判定に用いる経過時間を設定もしくは逐次修正してもよい。
【0036】
また、用いる圧延機がスラスト反力の検出手段を有する場合、例えば、前述の図3に模式的に示した圧延機のように作業ロール4a,4bとロールシフト機構10a,10bの間にスラスト反力検出器8a,8bを有する場合には、請求項9の方法を適用し(図5参照)、例えば、安定度の指標として圧延開始後のスラスト反力検出器8a,8bの測定値の時間変化率(変化速度)を監視し、当該変化率の絶対値が予め定めた小さい数値以下となった時点でスラスト反力が安定したと判定してもよい。スラスト反力検出手段を有しない圧延機を用いる場合でも、例えば、上側の圧延荷重検出器9a,9bを用いて左右の圧延荷重差Pdf Tを時々刻々求めれば、当該変化量の時間変化率の絶対値が予め定めた小さい数値以下となった時点でスラスト反力が安定したと判定することが可能である。これは、作業ロールに作用するスラスト反力TW以外の外力が実質不変の場合、当該変化量ΔPdfと圧延開始からのスラスト反力TWの変化量ΔTW(=[現時刻のTW T]−[圧延開始時点のTW T])の関係がモーメントの釣合条件から導かれる下記(9)式で表されることから理解される。尚、同式は上側、下側の何れにおいても成立する。
df(現時刻)=Pdf(圧延開始時点)+ΔTW(DW+2hB)/aB (9)
【0037】
但し、圧延荷重の検出値には被圧延板先端が噛み込む際の衝撃力の影響を少なからず受けるため、前述したスラスト反力検出器8a,8bを用いることが好ましい。上記スラスト反力測定値や圧延開始時点からの左右の圧延荷重差の時間変化率は、前述した被圧延板と作業ロール間のロール回転軸方向の相対滑り距離の時間変化率、即ち相対滑り速度に依存すると思われ、圧延開始後にロール回転速度が変化する場合には、スラスト反力測定値や圧延荷重差の時間変化率をロール回転速度で除した値を用いてもよい。また、例えば、作業ロールに作用するスラスト反力が安定する時点が上下間で異なる場合に対応するなど、スラスト反力検出器および/もしくは圧延荷重検出器は、上側、下側の双方に配置し、双方の検出値に基づいてスラスト反力TWの安定を判定する(例えば、上側、下側の検出値の何れもが上記条件を満たした時点でスラスト反力TWが安定したと判定する)ことが好ましいが、上下の何れか片側のみの配置、検出であってもよい。勿論、上側および/もしくは下側にスラスト反力検出器と圧延荷重検出器の双方を配置してもよく、上下で異なる検出器(例えば、下側は圧延荷重検出器、上側はスラスト反力検出器)を配置してもよい。5段以上の圧延機の場合には、作業ロールおよび補強ロール間に位置する中間ロール群の一部または全てに対してスラスト反力検出器を配置してもよい。スラスト反力の検出手段は、上述した検出値の変化率の判定に十分であればよく、いわゆるロードセルのように絶対値精度、分解能に優れる検出装置を用いる必要はない。
【0038】
また、スラスト反力検出器および/もしくは左右独立の圧延荷重検出器を有する圧延機の場合、前記スラスト反力が安定した時点以降は、前記のスラスト力の予測値のみならず当該検出器による測定値にも基づいて圧下位置を調整してもよい。例えばこの場合、スラスト反力が安定した時点以降は上記(8)式に記したモーメントの釣合条件式が成立すると考えられ、左右の圧延荷重差の測定値を同式の左辺に代入すれば、同式右辺中の被圧延板と作業ロール間のスラスト力の予測値TWM predもしくは作業ロール〜補強ロール間接触界面でのスラスト力の予測値TWB predの何れか一方を推定値として得ることができる(被圧延板と作業ロール間の面圧の左右差は予測値pdf predを使用)。この実測値に基づくスラスト力の推定値を、上記(4)式から(4''')式および/もしくは(5)式から(5''')式の右辺中の対応するスラスト力の予測値と置換し、圧下設定位置を算出することで、予測値のみに基づく場合よりも高い精度の圧下位置調整が可能となることは容易に想到できる。勿論,圧延前の予測値との乖離が大きい場合には、調整時点の圧下位置変化が過大となる可能性が生じるため,予測値と推定値の双方を用いて圧下位置調整を行ってもよい。
【0039】
圧延開始時点からスラスト反力が安定する時点までの間、予め定めた経過時間を独立変数とする関数を用いて両時点間の圧下位置を滑らかに変化させる、いわゆるパターン制御法や、スラスト反力が安定した時点では圧延前の予測値に基づく圧下設定位置とし、その後上記した時々刻々の測定値(もしくは当該測定値から算出したスラスト力の推定値)から算出される圧下設定位置に徐々に移行させるための、いわゆる操作量の加減速処理など、周知の制御方法を本発明での圧下位置の調整に際して用い得ることは言うまでもない。
【0040】
左右のハウジング剛性が均等であり、かつ被圧延板と作業ロール間およびロール間接触界面における線荷重とロール変形量(偏平量、撓み量など)の関係が左右で均等の場合など、上述した各スラスト力、スラスト反力が圧延後の板厚に実質影響しない場合には、本発明の適用を圧下設定位置の左右差Sdf 1,Sdf 2の計算(上記(3)式から(3'''')式および(5)式から(5'''')式を用いた計算)、圧下位置調整についてのみ行ってもよい。この場合、圧下設定位置の左右平均値S1,S2の計算は、従来から一般に用いられる、例えば下記の(10)式により計算すればよい。
1=S2=F8(Pt pred,Rnew,D,K,) (10)
【0041】
本発明の方法にいわゆる学習技術を適用し、前パスもしくは前材までの圧延実績に基づき、例えば、圧下設定位置の学習項Slrn-1,Slrn-2,Sdf lrn-1,Sdf lrn-2を算出し、これをも加味して(例えば、前述の(2)式から(5)式,…,(2'''')式から(5'''')式の右辺に対応する各学習項を加算して)圧下設定位置を計算してもよい。
【0042】
【実施例】
前段に3台のペアクロス圧延機を有するタンデムミルに本発明の請求項3および請求項9の方法を適用した。その際、被圧延板と作業ロール間のスラスト力TWMの予測は、ペアクロス圧延機については下記の(11)式を用い、他の圧延機については零とした。また、作業ロールと補強ロール間のスラスト力TWBについては、前材までの圧延実績から下記の(12)式中の係数項βを同定し、同式を用いて予測した。
WM pred=α(θ)Pt pred (11)
WB pred=βPt pred (12)
ここで、α(θ)はクロス角θ毎に定まる係数項であり、予め種々のクロス角についての圧延実績データから同定した。また、圧延開始後のスラスト反力の安定の判定には請求項12の方法を用い、上側に設置した左右の圧延荷重検出器による測定値を前記(9)式から導出される下記(9’)式に代入してスラスト反力の推定値を算出し、当該推定値の時間変化率を作業ロール回転速度で除した値(の絶対値)が、種々の圧延実績データがか予め定めた判定値以下となった時点をもって安定と判定した。
Figure 0003863751
その結果、圧延後の被圧延板先端の板厚、板厚ウェッジ精度の向上のみならず先端のキャンバー量も著しく軽減するとともに、いわゆる被圧延板先端の蛇行に起因した通板事故も略半減した。
【0043】
【発明の効果】
以上詳述した様に、本発明の方法によれば、板圧延中の特に被圧延板先端の板厚変化および板厚ウェッジ変化を抑制することで、被圧延材の寸法精度を飛躍的に向上させ、かつ通板性を可能な限り向上させ得る等、産業上裨益するところ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1もしくは請求項2の方法の一実施形態を示す模式図である。
【図2】本発明の方法を考案するに際して採取された、被圧延板先端噛み込み後のスラスト反力および左右の圧延荷重差の実測値の時間変化の一例を示した図である。
【図3】本発明の方法を適用する板圧延機の構造の一例を示す模式図である。
【図4】本発明の方法の作用を説明する際に用いられる種々の物理量の定義を示す模式図である。
【図5】本発明の請求項9の方法の一実施形態を示す模式図である。
【符号の説明】
1 圧下位置設定計算機
2a,2b 圧下装置
3 被圧延板
4a,4b 作業ロール
5a,5b 補強ロール
6a,6b,6c,6d 作業ロールチョック
7a,7b,7c,7d 補強ロールチョック
8a,8b スラスト反力検出器
9a,9b,9c,9d 圧延荷重検出器
10a,10b ロールシフト機構

Claims (13)

  1. 圧延開始前に圧延中に生じる被圧延板と作業ロール間のスラスト力を予測し、当該スラスト力の予想値に基づいて圧延実行時の圧下位置設定を行うに際して、圧延開始時点および当該スラスト力の支持点に生じるスラスト反力が安定した時点の、両時点での圧下位置を個別に設定することを特徴とする、板圧延における圧下位置設定方法。
  2. 4段以上の多段圧延機を用いた板圧延方法で、圧延開始前に圧延中に生じる被圧延板と作業ロール間のスラスト力および/または少なくとも1箇所以上のロール間接触界面でのスラスト力を予測し、当該スラスト力の予想値に基づいて圧延実行時の圧下位置設定を行うに際して、圧延開始時点および当該スラスト力の支持点に生じるスラスト反力が安定した時点の、両時点での圧下位置を個別に設定することを特徴とする、板圧延における圧下位置設定方法。
  3. 前記の圧延開始時点およびスラスト反力が安定した時点の、両時点での圧下位置を個別に設定するに際して、圧延開始時点での圧下位置の設定においては被圧延板と作業ロール間のスラスト力の予測値に基づき設定値を定め、スラスト反力が安定した時点での圧下位置の設定においては被圧延板と作業ロール間のスラスト力および少なくとも1箇所以上のロール間接触界面でのスラスト力の予想値に基づき設定値を定めることを特徴とする、請求項2に記載の板圧延における圧下位置設定方法。
  4. 前記のスラスト反力が安定した時点を、圧延開始時点から予め定めた所定の時間を経過した時点とし、圧延開始前には前記圧延開始時点での圧下位置に調整し、圧延開始から当該所定の時間を経過した時点で前記スラスト反力が安定した時点での圧下位置に再調整することを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の板圧延における圧下位置設定方法。
  5. 圧延開始前に圧延中に生じる被圧延板と作業ロール間のスラスト力および/または少なくとも1箇所以上のロール間接触界面でのスラスト力を予測し、圧延開始時点では当該スラスト力の予想値に基づいて圧下位置の設定を行い、圧延開始後に当該スラスト力の支持点に生じるスラスト反力が安定した時点以降は、当該スラスト力の予想値、および/もしくは、圧延中の当該スラスト反力および/もしくは左右の圧延荷重の測定値に基づき圧下位置を調整することを特徴とする、板圧延における圧下位置設定方法。
  6. 前記の圧延開始時点から予め定めた所定の時間を経過した時点を、圧延開始から少なくとも0.2秒以上経過した時点とすることを特徴とする、請求項4もしくは請求項5に記載の板圧延における圧下位置設定方法。
  7. 前記の圧延開始時点から予め定めた所定の時間を、上下作業ロール間のクロス角度および被圧延板噛み込み後の作業ロール表面の回転距離に基づき定めることを特徴とする、請求項4〜6の何れか1項に記載の板圧延における圧下位置設定方法。
  8. 前記の圧延開始時点から予め定めた所定の時間を前材もしくは前パスまでの圧延実績に基づき定めることを特徴とする、請求項4〜7の何れか1項に記載の板圧延における圧下位置設定方法。
  9. 前記スラスト反力の検出手段を有する圧延機において、圧延開始後に当該スラスト反力の検出手段を用いて検出されるスラスト反力の安定度を監視し、スラスト反力が安定したと判定された時点を前記スラスト反力が安定した時点とすることを特徴とする、請求項1〜3もしくは請求項5の何れか1項に記載の板圧延における圧下位置設定方法。
  10. 左右独立の圧延荷重検出手段を上側および/もしくは下側に有する圧延機において、圧延開始後に当該圧延荷重検出手段の検出値から演算される上側および/もしくは下側の左右の圧延荷重差の安定度を監視し、当該圧延荷重差が安定したと判定された時点を前記スラスト反力が安定した時点とすることを特徴とする、請求項1〜3もしくは請求項5の何れか1項に記載の板圧延における圧下位置設定方法。
  11. 前記スラスト反力の検出手段および左右独立の圧延荷重検出手段を有する圧延機において、圧延開始後に当該スラスト反力の検出手段を用いて検出されるスラスト反力の安定度および当該圧延荷重検出手段の検出値から演算される左右の圧延荷重差の安定度を監視し、当該スラスト反力および当該圧延荷重差の双方が安定したと判定された時点を前記スラスト反力が安定した時点とすることを特徴とする、請求項1〜3もしくは請求項5の何れか1項に記載の板圧延における圧下位置設定方法。
  12. 前記スラスト反力の安定度を、当該スラスト反力の時間変化率もしくは当該時間変化率を作業ロールの回転速度で除した値で評価し、当該時間変化率もしくは当該時間変化率を作業ロールの回転速度で除した値が予め定めた数値以下となった時点を前記スラスト反力が安定したと判定された時点とすることを特徴とする、請求項9もしくは請求項11の何れかに記載の板圧延における圧下位置設定方法。
  13. 前記左右の圧延荷重差の安定度を、当該圧延荷重差の時間変化率もしくは当該時間変化率を作業ロールの回転速度で除した値で評価し、当該時間変化率もしくは当該時間変化率を作業ロールの回転速度で除した値が予め定めた数値以下となった時点を前記圧延荷重差が安定したと判定された時点とすることを特徴とする、請求項10もしくは請求項11の何れかに記載の板圧延における圧下位置設定方法。
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