JP4903676B2 - 金属板材の圧延方法および圧延装置 - Google Patents

金属板材の圧延方法および圧延装置 Download PDF

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本発明は、金属板材の圧延方法および圧延装置に関し、特に、キャンバーのない、あるいは極めてキャンバーの軽微な金属板材を従来と比較し、安定して製造することのできる、金属板材の圧延方法および圧延装置に関する。
金属板材の圧延工程において、圧延板材をキャンバーすなわち左右曲がりのない状態で圧延することは、圧延材の平面形状不良や寸法精度不良を回避するだけでなく、蛇行や尻絞りといった通板トラブルを回避するためにも重要である。なお、本発明では、表記を簡単にするために、圧延方向を正面とした場合の左右である圧延機の作業側および駆動側のことを左右と称することにする。
このような問題に対し、下記特許文献1では、圧延機の入側および出側において圧延材の幅方向位置を測定する装置を配備し、この測定値から圧延材のキャンバーを演算し、これを修正するように圧延機入側に配備したエッジャーロールの位置を調整するキャンバー制御技術が開示されている。
また、下記特許文献2には、圧延機入側および出側に配備されたエッジャーロールの荷重の左右差に基づいて、該圧延機のロール開度の左右差すなわち圧下レベリングを制御するキャンバー制御技術が開示されている。
また、下記特許文献3には、圧延荷重の左右差の実測値を分析して、ロール開度の左右差すなわち圧下レベリングを制御するか、またはサイドガイドの位置を制御するキャンバー制御技術が開示されている。
また、下記特許文献4には、入側のエッジャーロールとサイドガイド、そして出側サイドガイドで圧延材を拘束してキャンバー制御する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載された、圧延材の幅方向位置測定によるキャンバー制御技術に関する発明では、既に発生したキャンバーを修正することが基本となっており、キャンバーの発生を未然に防止することは実質的に不可能である。
また、特許文献2に記載された、圧延機入出側のエッジャーロール荷重左右差に基づくキャンバー制御技術に関する発明では、入側の圧延材に既にキャンバーが存在する場合、これが入側のエッジャーロール荷重差の外乱になって高い制御精度を得ることが困難になる。また、出側のエッジャーロールは圧延材先端がエッジャーロールに衝突することを避けるため圧延材先端通板時は退避しておく必要があり、圧延材先端からキャンバー制御を実施することも困難であった。
また、特許文献3に記載された、圧延荷重左右差によるキャンバー制御に関する発明では、圧延材の入側板厚が板幅方向に不均一であったり、圧延材の温度分布が板幅方向に不均一な場合は、圧延荷重の左右差からキャンバーを推定する方法は極めて精度が悪くなったりして実用的ではなかった。
特許文献4に記載された、入側エッジャーロール、入側サイドガイドおよび出側サイドガイドによるキャンバー制御に関する発明では、出側サイドガイドが出側圧延材を完全に拘束することができれば出側キャンバーを零とすることが可能となるが、圧延操業を円滑に実施するには出側サイドガイドを圧延材板幅より広げておく必要があり、この余裕代の分だけ圧延材にキャンバーを生じるという問題点があった。
上記のような従来技術の問題点は、結局、種々の原因によって発生するキャンバーを高精度かつ時間遅れなく測定、制御する方法がなかったことに起因していると言える。
上記のような従来技術の問題点を解決できる可能性のある技術として、下記特許文献5に記載された、作業ロールチョックに作用する圧延方向力の作業側と駆動側との差異(以下、圧延方向力左右差ともいう)に基づくキャンバー制御の技術が開示されている。この技術は、キャンバーの原因となる伸び率の左右差に起因して材料に作用するモーメントを作業ロールチョックに作用する圧延方向力の左右差として直接検出し、圧下レベリング制御するもので、外乱の影響を受けずかつ時間遅れなく測定、制御が実現できる。
一般に、圧延によってキャンバーを生ずる原因としては、ロールギャップ設定不良、圧延材の入側板厚左右差あるいは変形抵抗左右差等があげられるが、何れの原因の場合でも、最終的には、圧延によって生じる圧延方向の伸び歪に左右差を生じることで先進率および後進率が板幅方向に変化し、圧延材の出側速度および入側速度に左右差を生じキャンバーを生じることになる。このとき、例えば、圧延材先端部圧延時は、既に圧延が終了した出側の圧延材長さは短いので出側速度に左右差を生じることは比較的自由であるが、入側速度に左右差を生じるためには入側に存在する圧延材全体を水平面内で剛体回転させる必要がある。しかしながら先端部圧延時は一般に入側に長い未圧延材が残っているので、圧延材自身の重量とテーブルローラーとの摩擦によって、上記剛体回転に抗するモーメントが発生する。このモーメントは、圧延機の作業ロールに反力として伝わることになるので、作業ロールチョック部に作用する圧延方向力に左右差を生じることで最終的には支持されることになる。
上記のような先端部圧延時の主として入側圧延材から作用するモーメントは、作業ロールの作業側と駆動側のロールチョックに作用する圧延方向の力を測定して、作業側の圧延方向力と駆動側の圧延方向力との差異すなわち圧延方向力左右差を演算することで検知できる。このモーメントは、上記のようにキャンバー発生の原因となる伸び歪の左右差が生じたときにのみ発生し、しかも伸び歪差の発生とほぼ同時に該モーメントも発生するので、上記圧延方向力左右差を小さくする方向に、当該圧延機のロール開度の左右非対称成分すなわち圧下レベリングを操作することで、キャンバーの発生を未然に防止することが可能となる。
上記の原理は、圧延材尾端部圧延時も同様であり、尾端部圧延時は、既に圧延が終了した出側の圧延材長さが長いので、伸び歪そして先進率の左右差を生じようとしたときに主として出側圧延材からこれに抗するモーメントが発生し、これが作業ロールに反力として伝達されるので、この場合も作業ロールチョックに作用する圧延方向力の左右差を測定・演算することで伸び歪の左右差の発生を検知することができ、該圧延方向力左右差を小さくする方向に該圧延機のロール開度の左右非対称成分すなわち圧下レベリングを操作することで、尾端部におけるキャンバーの発生も未然に防止することが可能となる。
以上のような原理に基づき、作業ロールの作業側と駆動側のロールチョックに作用する圧延方向の力を測定して、作業側の圧延方向力と駆動側の圧延方向力との差異すなわち圧延方向力左右差を演算し、この圧延方向力左右差を小さくする方向に、当該圧延機の圧下レベリングを操作する圧延方法が下記特許文献5に記載の発明として開示されている。
特開平4−305304号公報 特開平7−214131号公報 特開2001−105013号公報 特開平8−323411号公報 国際公開WO2004−082860号公報
しかしながら、特許文献5において開示された発明の方法では、経時変化するロールの摩耗等の起因で生じる圧延方向力左右差のずれを、圧延後のキャンバーの実績値に基づく制御目標値の学習で補正することが可能なものの、以下のような原因によって補正できない圧延方向力左右差の外乱が生じるため、正確なキャンバー制御ができないといった懸念があった。すなわち、作業ロールチョックの作業側と駆動側の圧延方向の入側と出側に作用する圧延方向力を測定するために作業ロールチョックの作業側と駆動側の入側と出側の双方に荷重検出装置が設置されている。この荷重検出装置は、圧延機のハウジングと作業ロールチョックの間隙、補強ロールチョックと作業ロールチョックの間隙等の狭いスペースに設置しなければならないため、偏荷重防止のために備える球面座等を設置することができない場合が多い。したがって、作業ロールチョックが僅かでも傾いた場合、荷重検出装置とその受け面の弾性接触面において受圧面積や変形に左右差を生じる可能性があり、これが圧延方向力左右差への外乱となる。この外乱の影響が圧延荷重や圧延方向力の大きさに依存して変化しさらにこの特性が経時変化する場合もあるため、特許文献5において開示された圧延方法では正確なキャンバー制御ができないことが懸念され、これの偏差を学習する特許文献5において開示された方法を加えても正確なキャンバー制御ができないことが懸念された。
そこで、本発明は、以上のキャンバー制御に関する従来技術の問題点を有利に解決して、キャンバーのない、あるいは極めてキャンバーの軽微な金属板材を安定して製造することのできる、金属板材の圧延方法および圧延装置を提供することを課題とするものである。
発明者らは、鋭意研究の末に、上記懸念を解決する手段として以下のような知見を得た。
上記キャンバー制御における圧延方向力の差異すなわち圧延方向力左右差への外乱の影響を徹底的に調査、分析した結果、キャンバー起因以外で生じると考えられる圧延方向力左右差は、圧延方向力の左右の大きさの総和すなわち圧延方向力左右の和に応じて変化して、これら圧延方向力左右差と圧延方向力左右の和には、組み込んだ作業ロールチョック、補強ロールチョック等に依存し一定の相関関係があることが明らかになった。このような外乱が生じる原因は、組み込んだロールチョックの傾きによって、荷重検出装置とその受け面の弾性接触面における受圧面積や変形の左右差が生じ、または、補強ロールを基準として作業ロールをオフセットしている場合は、オフセット量の左右の僅かな違いでも生じ、この左右差は、圧延方向力の大きさに応じて変化するものと考えられる。
圧延方向力の大きさは、作業ロールをオフセットしている場合には、圧延荷重の増加に伴ってオフセットしている方向の圧延方向力が増加し、あるいは、オフセットしていない場合でも、上下非対称な圧延によって上下のトルク差が生じた場合に圧延方向に力を生じることが考えられる。
そして、このようなキャンバー起因以外で生じる圧延方向力の左右差と、圧延方向力の大きさを圧延方向力左右の和についての相関関係を予め圧延前また圧延中に求めておき、この相関関係を用いて圧延方向力左右の和の値から、圧延方向力左右差を補正することによって、上記外乱の影響を排除し、キャンバーの発生に対応した正確な圧延方向力左右差の値を用いて制御することによって従来に比べて高精度なキャンバー制御を実施できることを知見した。
また、このようなロールチョックの傾き等が原因で生じる圧延方向力の左右差の影響に、被圧延材のキャンバーまたは板厚ウェッジの測定値を加え、圧延荷重または圧延方向力左右の和に基づく制御目標値の学習として考慮し、当該パス、次パスまたは次材の圧延にこの学習した制御目標値を設定することによって上記外乱の影響を排除し、キャンバーの発生に対応した正確な圧延方向力左右差の値を用いて制御することによって従来に比べて高精度なキャンバー制御を実施できることを知見した。
ところで、前記圧延方向力は圧延荷重、オフセット量および上下作業ロールの周速度差に依存して変化する。これは、圧延荷重、オフセット量および上下作業ロールの周速度差の値のうち、2つの変数を固定すれば、残った1つの変数によって圧延方向力が決定されるので、圧延方向力左右の和に代わって、その1つの変数に基づいて相関関係を求めること、および、その1つの変数に基づいて制御目標値を学習することが可能であることを意味する。たとえば、オフセット値と上下作業ロールの周速度差を一定とした場合、圧延荷重によって圧延方向力左右差から外乱の影響を排除する補正が可能となることが言える。また、これらの2つ以上を組み合わせて圧延方向力の和を予測または換算することができれば、これらによっても圧延方向力の左右差から外乱の影響を除くことが可能であることが言える。
すなわち、圧延方向力の和に代わって、圧延荷重(以下、垂直荷重ともいう)の測定値もしくは演算値、オフセット量の設定値もしくは測定値、および、上下作業ロールの周速度差の設定値もしくは測定値のいずれかまたは2つ以上から換算される値を用いて、圧延方向力の差異の補正値を演算することが可能であることを知見した。
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その要旨は特許請求の範囲に記載したとおりの下記内容である。
(1)少なくとも作業ロールと補強ロールとを有する金属板材の圧延機を用いて行う金属板材の圧延方法において、前記作業ロールの作業側と駆動側のロールチョックに作用する圧延方向の力を測定し、該圧延方向力の作業側と駆動側との差異(以下、圧延方向力の差異ともいう)および該圧延方向力の作業側と駆動側との和(以下、圧延方向力の和ともいう)を演算し、該圧延方向力の和と、圧延方向力の差異と圧延方向力の和との関係に基づき該圧延方向力の差異を補正し、この補正した圧延方向力の差異が制御目標値になるように前記圧延機のロール開度の左右非対称成分を制御することを特徴とする、金属板材の圧延方法。
(2)前記圧延方向力の差異と前記圧延方向力の和との関係を、予め求めておくことを特徴とする前記(1)に記載の金属板材の圧延方法。
(3)前記圧延方向力の差異と圧延方向力の和との関係を、圧延前のキスロール締め込み時に採取した少なくとも2水準以上の圧延方向力の作業側と駆動側の測定値より求めた該圧延方向力の差異および該圧延方向力の和に基づき、求めることを特徴とする、前記(2)に記載の金属板材の圧延方法。
(4)前記圧延方向力の差異と圧延方向力の和との関係を、圧延中に採取した少なくとも2水準以上の圧延方向力の作業側と駆動側の測定値より求めた該圧延方向力の差異および該圧延方向力の和と、被圧延材の入側と出側の双方または出側のキャンバーの測定値に基づき、求めることを特徴とする、前記(2)に記載の金属板材の圧延方法。
(5)前記圧延方向力の差異と圧延方向力の和との関係を、圧延中に採取した少なくとも2水準以上の圧延方向力の作業側と駆動側の測定値より求めた該圧延方向力の差異および該圧延方向力の和と、被圧延材の入側と出側の双方または出側の板厚ウェッジの測定値に基づき、求めることを特徴とする、前記(2)に記載の金属板材の圧延方法。
(6)前記補強ロールを基準として作業ロールを圧延入側または圧延出側にオフセットさせることを特徴とする、前記(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の金属板材の圧延方法。
(7)前記圧延方向力の和の演算値に基づいて前記圧延方向力の差異の制御目標値を学習することを特徴とする前記(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の金属板材の圧延方法。
(8)前記圧延方向力の差異と圧延方向力の和との関係を、圧延中に採取した少なくとも2水準以上の圧延方向力の作業側と駆動側の測定値より求めた該圧延方向力の差異および該圧延方向力の和と、被圧延材の入側と出側の双方または出側のキャンバーの測定値に基づき、学習することを特徴とする、前記(7)に記載の金属板材の圧延方法。
(9)前記圧延方向力の差異と圧延方向力の和との関係を、圧延中に採取した少なくとも2水準以上の圧延方向力の作業側と駆動側の測定値より求めた該圧延方向力の差異および該圧延方向力の和と、被圧延材の入側と出側の双方または出側の板厚ウェッジの測定値に基づき、学習することを特徴とする、請求項7に記載の金属板材の圧延方法。
(10)前記制御目標値は、該圧延方向力の和の一次以上の関数とすることを特徴する、前記(7)乃至(9)のいずれか一項に記載の金属板材の圧延方法。
(11)前記圧延方向力の和に代わって、圧延荷重(以下、垂直方向力ともいう)の測定値もしくは演算値、オフセット量の設定値もしくは測定値、および、上下作業ロールの周速度差の設定値もしくは測定値のいずれかまたは2つ以上から換算される値を用いて、圧延方向力の差異の補正値を演算することを特徴とする前記(1)乃至(10)のいずれか一項に記載の金属板材の圧延方法。
(12)少なくとも作業ロールと補強ロールとを有する金属板材の圧延機を含む圧延装置において、該作業ロールの作業側と駆動側のロールチョックに作用する圧延方向の力を測定する該作業ロールチョックの圧延方向入側と出側の双方またはどちらか一方に設けられた荷重検出装置と、
該荷重検出装置による測定値に基づいて該作業ロールチョックに作用する圧延方向力の作業側と駆動側の差異を演算する演算装置と、
該圧延方向力の作業側と駆動側の和を演算する演算装置と、
該圧延方向力の差異および圧延方向力の和との関係を演算および記憶する演算記憶装置と、
該圧延方向力の差異および圧延方向力の和との関係と該圧延方向力の和の演算値に基づき該圧延方向力の差異の演算値を補正する演算装置と、
この補正した圧延方向力の差異の演算値が制御目標値になるように前記圧延機のロール開度の左右非対称成分制御量を演算する演算装置と、
該ロール開度の左右非対称成分制御量の演算値に基づいて前記圧延機のロール開度を制御する制御装置、
を有することを特徴とする金属板材の圧延装置。
(13)被圧延材の入側と出側の双方または出側のキャンバーを測定するキャンバー測定装置を備えたことを特徴とする、前記(12)に記載の金属板材の圧延装置。
(14)被圧延材の入側と出側の双方または出側の板厚ウェッジを測定する板厚ウェッジ測定装置を備えたことを特徴とする、前記(12)に記載の金属板材の圧延装置。
(15)前記補強ロールを基準として作業ロールが圧延入側または圧延出側にオフセットしていることを特徴とする、前記(12)乃至(14)のいずれか一項に記載の金属板材の圧延装置。
(16)前記圧延方向力の和の演算値に基づいて前記圧延方向力の差異の制御目標値を学習する演算装置を有することを特徴とする、前記(12)乃至(15)のいずれか一項に記載の金属板材の圧延装置。
(17)前記圧延方向力の和に代わって、圧延荷重(以下、垂直方向力ともいう)の測定値もしくは演算値、オフセット量の設定値もしくは測定値、および、上下作業ロールの周速度差の設定値もしくは測定値のいずれかまたは2つ以上を検出し、これらのいずれかまたは2つ以上から換算される値を用いて、圧延方向力の差異の補正値を演算する演算装置を有することを特徴とする前記(12)乃至(16)のいずれか一項に記載の金属板材の圧延装置。
(1)に記載の本発明の金属板材の圧延方法では、上記のような問題を解消するために、作業側と駆動側のロールチョックに作用する圧延方向の力を測定し、作業側と駆動側の圧延方向力の差異および圧延方向力の和を演算し、該圧延方向力の和と、作業側と駆動側の圧延方向力の差異および圧延方向力の和との関係に基づき該圧延方向力の差異を補正し、この補正した圧延方向力の差異を小さくする方向に圧下レベリング制御を実施することでキャンバーを制御する方法を提案している。圧延前または圧延中に圧延方向力の差異と和の相関関係を用いて圧延方向力の和の値から、圧延方向力の差異を補正することによって、荷重検出装置とその受け面の弾性接触面における受圧面積や変形の左右差、オフセット量の左右の僅かな違い等によって生じる実測の圧延方向力の差異に与える外乱の影響を排除し、キャンバーの発生に対応した正確な圧延方向力の差異すなわち圧延方向力左右差の値を用いて制御することによって従来に比べて高精度なキャンバー制御を実施することができる。
(2)に記載の圧延方法では、請求項1に記載の圧延方法において、圧延方向力の差異と和との相関関係を予め求めておくものである。この相関関係は、圧延実績に基づいて求められ、学習しながら精度を上げていくことも可能であるが、予め求めてあれば、最初の圧延パスのものから高精度なキャンバー制御を実施することができる。
(3)に記載の本発明の金属板材の圧延方法では、(2)に記載の金属板材の圧延方法において、キャンバー起因以外で発生する圧延方向力の差異と圧延方向力の和との相関関係を、圧延前のキスロール締め込み時に採取した少なくとも2水準以上の圧延方向力の作業側と駆動側の測定値より求めた圧延方向力の差異および圧延方向力の和に基づき求める方法を提案している。非圧延時のキスロール締め込み時に上記相関関係を求めることで、上記で説明したキャンバー起因以外の原因で発生する圧延方向力の差異のみを抽出することができる。そして、圧延前にキスロール締め込みを実施し予め求めておいた圧延方向力の差異と圧延方向力の和との関係に基づき圧延方向力の差異を補正することで外乱の影響を排除し、キャンバーの発生に対応した正確な圧延方向力の差異の値を用いて制御することによって従来に比べて高精度なキャンバー制御を実施することができる。
(4)に記載の本発明の金属板材の圧延方法では、(2)に記載の金属板材の圧延方法において、キャンバー起因以外で発生する圧延方向力の差異と圧延方向力の和との相関関係を、圧延中に採取した少なくとも2水準以上の圧延方向力の作業側と駆動側の測定値より求めた圧延方向力の差異および圧延方向力の和と、被圧延材の入側と出側の双方または出側のキャンバーの測定値に基づき求める方法を提案している。この方法では、圧延中に圧延方向力を採取するため、キャンバー起因とそれ以外で発生する圧延方向力の差異を分離することができない。そこで、被圧延材の入側と出側の双方または出側のキャンバーの実績値を測定し、キャンバー起因以外で発生する圧延方向力の差異と圧延方向力の和との相関関係を求める。そして、圧延中に予め求めておいた圧延方向力の差異と圧延方向力の和との相関関係に基づき圧延方向力の差異を補正することで外乱の影響を排除し、キャンバーの発生に対応した正確な圧延方向力の差異の値を用いて制御することによって従来に比べて高精度なキャンバー制御を実施することができる。
(5)に記載の本発明の金属板材の圧延方法では、(2)に記載の金属板材の圧延方法において、キャンバー起因以外で発生する圧延方向力の差異と圧延方向力の和との相関関係を、圧延中に採取した少なくとも2水準以上の圧延方向力の作業側と駆動側の測定値より求めた圧延方向力の差異および圧延方向力の和と、被圧延材の入側と出側の双方または出側の板厚ウェッジの測定値に基づき求める方法を提案している。この方法は、(4)で説明した圧延方法において、キャンバーの測定値を、キャンバーと相関のある板厚ウェッジの測定値に置き換えている。この方法では、キャンバー測定装置が圧延装置の近傍にない場合に有効である。(4)で説明した圧延方法と同様に、被圧延材の入側と出側の双方または出側の板厚ウェッジの実績値に基づいて、キャンバー起因以外で発生する圧延方向力の差異と圧延方向力の和との相関関係を求めることできる。そして、圧延中に予め求めておいた圧延方向力の差異と圧延方向力の和との相関関係に基づき圧延方向力の差異を補正することで外乱の影響を排除し、キャンバーの発生に対応した正確な圧延方向力の差異の値を用いて制御することによって従来に比べて高精度なキャンバー制御を実施することができる。
(6)に記載の本発明の金属板材の圧延方法では、(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の金属板材の圧延方法において、補強ロールを基準として作業ロールをオフセットさせる方法を提案している。この方法の場合、オフセットした側の作業ロールチョックに常に圧延方向の力が作用し圧延荷重の増加に伴って圧延方向力の和が安定して増加するので、キャンバー起因以外で発生する圧延方向力の差異と圧延方向力の和との相関関係を安定して求めることができるので、(1)から(5)のいずれか一項に記載の金属板材の圧延方法をより高精度に実施することができる。
(7)に記載の本発明の金属板材の圧延方法では、(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の金属板材の圧延方法において、圧延方向力の和に基づいて学習することによって、ロールの摩耗起因で生じる圧延方向力左右差のずれの影響と、ロールチョックの傾き等が原因と考えられる荷重検出装置とその受け面の弾性接触面における受圧面積や変形の左右差、オフセット量の左右の僅かな違い等によって生じる実測の圧延方向力左右差に与える外乱の影響を排除し、キャンバーの発生に対応した正確な圧延方向力左右差の値を抽出することができる。そして、このように学習した制御目標値を当該パス、次パスまたは次材の圧延に設定することによって従来に比べて高精度なキャンバー制御を実施することができる。また、圧延方向力左右差の制御目標値が適正な値に保たれているので、圧延本数が多くなっても高精度なキャンバー制御を実施し続けることができる。
(8)に記載の本発明の金属板材の圧延方法では、(7)に記載の金属板材の圧延方法において、前記圧延方向力の差異と圧延方向力の和との関係を、圧延中に採取した少なくとも2水準以上の圧延方向力の作業側と駆動側の測定値より求めた該圧延方向力の差異および該圧延方向力の和と、被圧延材の入側と出側の双方または出側のキャンバーの測定値に基づき、学習することにより、上記(7)に比べてさらに高精度なキャンバー制御を実施することができる。
(9)に記載の本発明の金属板材の圧延方法では、(7)に記載の金属板材の圧延方法において、圧延方向力の差異と圧延方向力の和との関係を、圧延中に採取した少なくとも2水準以上の圧延方向力の作業側と駆動側の測定値より求めた該圧延方向力の差異および該圧延方向力の和と、被圧延材の入側と出側の双方または出側の板厚ウェッジの測定値に基づき、学習することによって上記(7)に比べてさらに高精度なキャンバー制御を実施することができる。
(10)に記載の本発明の金属板材の圧延方法では、(7)乃至(9)のいずれかに記載の金属板材の圧延方法において、制御目標値を圧延方向力の和の一次以上の関数とする方法を提案している。上述したロールチョックの傾き等が原因の外乱の影響は、圧延荷重や圧延方向力の和に依存して変化するため、制御目標値をこれらの値の関数としてその係数を学習することによって、経時変化にも対応することが可能となり、(7)乃至(9)のいずれかに記載の金属板材の圧延方法をより高精度に実施することができる。
(11)に記載の本発明の金属板材の圧延方法では、(1)乃至(10)のいずれかに記載の金属板材の圧延方法において、前記圧延方向力の和に代わって、圧延荷重(以下、垂直荷重ともいう)の測定値もしくは演算値、オフセット量の設定値もしくは測定値、および、上下作業ロールの周速度差の設定値もしくは測定値のいずれかまたは2つ以上から換算される値を用いて圧延方向力の差異の補正値を演算するので、圧延荷重等の、圧延方向力の和以外の計測値を用いて圧延方向力の差異の補正を実施することができる。ここで、例えば圧延荷重(垂直方向力)を用いる場合、普通の圧延機については圧延荷重検出装置がついているので、特に新たな設備を設置せずに、(11)に記載された本発明を実施することができる。
以上のように、(1)乃至(11)に記載の本発明の金属板材の圧延方法では、キャンバー起因以外で発生する圧延方向力の差異と圧延方向力の和との相関関係と圧延中の圧延方向力の和に基づいて、圧延方向力の差異を補正し、この補正した圧延方向力の差異を小さくする方向に圧下レベリング制御を実施することで、外乱の影響を排除した従来に比べて高精度なキャンバー制御を実施することができ、実質的にキャンバー発生のない、あるいは極めてキャンバーの軽微な圧延が実現可能となる。
次に、(1)乃至(3)のいずれかに記載の本発明の金属板材の圧延方法を実施するための圧延装置に関する本発明の効果について説明する。(12)に記載の本発明の金属板材の圧延装置では、以下の機能を有する。
1)作業ロールの作業側と駆動側のロールチョックの圧延方向入側と出側の双方に荷重検出装置を備えられている場合は、入・出側双方の荷重測定値の方向性を考慮して合力を演算することで、入・出側何れの方向に力が作用していても作業側および駆動側それぞれのロールチョックに作用する圧延方向力を求めることができる。
2)また、作業ロールの作業側と駆動側のロールチョックの圧延方向入側と出側のどちらか一方に荷重検出装置を備えられている場合は、該荷重検出装置を備えている側に補強ロールを基準として作業ロールをオフセットすることによって、オフセットした側の作業ロールチョックに常に圧延方向の力が作用するので、作業側および駆動側それぞれのロールチョックに作用する圧延方向の力を求めることができる。
3)作業ロールチョックに作用する圧延方向力の作業側と駆動側の差異を演算する演算装置を備えられているので、作業側ロールチョックに作用する圧延方向力と駆動側ロールチョックに作用する圧延方向力の差異すなわち圧延方向力左右差を演算することができる。
4)作業ロールチョックに作用する圧延方向力の作業側と駆動側の和を演算する演算装置を備えられているので、作業側ロールチョックに作用する圧延方向力と駆動側ロールチョックに作用する圧延方向力の加算値すなわち圧延方向力左右の和を演算することができる。
5)圧延方向力の差異と圧延方向力の和との関係を演算および記憶する演算記憶装置を備えられているので、圧延方向力の差異および圧延方向力の和との関係を、圧延前のキスロール締め込み時に採取した少なくとも2水準以上の圧延方向力の作業側と駆動側の測定値より求めた該圧延方向力の差異および該圧延方向力の和に基づき演算することができ、その関係を圧延前に予め記憶しておくことができる。
6)上記の補正によって外乱の影響を排除し圧延方向力の差異を求めることによって、キャンバーの原因となる圧延方向の伸び歪の左右差に起因して圧延材より作業ロールに作用するモーメントを従来より高精度に検出することができる。
7)補正した圧延方向力の差異に基づいて伸び歪を左右均等化するための圧延機のロール開度の左右非対称成分制御量を演算する演算装置と、該ロール開度の左右非対称成分制御量の演算値に基づいて該圧延機のロール開度を制御する制御装置が配備されているので、キャンバーの発生に対応した正確な圧延方向力の差異に基づく従来より高精度にキャンバー制御を実施することができる。
結局、以上の機能によって、(1)、(2)、及び(3)に記載の金属板材の圧延方法を実施することが可能となり、従来に比べて高精度なキャンバー制御を実施することができる。
さらに、(4)、及び(5)に記載の本発明の金属板材の圧延方法を実施するための圧延装置に関する本発明の効果について説明する。
(13)に記載の本発明の金属板材の圧延装置では、(12)に記載の圧延装置に加え、被圧延材の入側と出側の双方または出側のキャンバーを測定するキャンバー測定装置を備えているので、キャンバー起因以外で発生する圧延方向力の差異および圧延方向力の和との関係を、圧延中に採取した少なくとも2水準以上の圧延方向力の作業側と駆動側の測定値より求めた該圧延方向力の差異および該圧延方向力の和と、被圧延材の入側と出側の双方または出側のキャンバーの測定値に基づき、求めることができるので、(4)に記載の金属板材の圧延方法を実施することができる。
(14)に記載の本発明の金属板材の圧延装置では、(12)に記載の圧延装置に加え、被圧延材の入側と出側の双方または出側の板厚ウェッジを測定する板厚ウェッジ測定装置を備えているので、キャンバー起因以外で発生する圧延方向力の差異および圧延方向力の和との関係を、圧延中に採取した少なくとも2水準以上の圧延方向力の作業側と駆動側の測定値より求めた該圧延方向力の差異および該圧延方向力の和と、被圧延材の入側と出側の双方または出側の板厚ウェッジの測定値に基づき、求めることができるので、(5)に記載の金属板材の圧延方法を実施することができる。
続いて、(6)に記載の本発明の金属板材の圧延方法を実施するための圧延装置に関する本発明の効果について説明する。
(15)に記載の本発明の金属板材の圧延装置では、(12)乃至(14)のいずれか一項に記載の圧延装置に加え、補強ロールを基準として作業ロールを入側または出側にオフセットさせる装置を備えているので,オフセットした側に常に圧延方向の力が作用し圧延荷重の増加に伴って圧延方向力の和が安定して増加するので、キャンバー起因以外で発生する圧延方向力の差異と圧延方向力の和との相関関係を安定して求めることができ,荷重検出装置とその受け面の弾性接触面における受圧面積や変形の左右差、オフセット量の左右の僅かな違い等によって生じる実測の圧延方向力の差異に与える外乱の影響をより安定して確実に排除することができる。
なお、このように作業ロールをオフセットさせた場合、オフセットしていない側には圧延方向力が作用しないので、荷重検出装置の設置を省略することもできる。
また、(7)乃至(10)に記載の本発明の金属板材の圧延方法を実施するための圧延装置に関する本発明の効果について説明する。
(16)に記載の本発明の金属板材の圧延装置では、(12)乃至(15)のいずれか一項に記載の圧延装置に加え、前記圧延方向力の和の演算値に基づいて該制御目標値を学習する演算装置を備えているので、圧延方向力の差異の制御目標値を学習で修正することができる、適切な制御目標値を演算することができる。また、被圧延材の入側と出側の双方または出側のキャンバーを測定するキャンバー測定装置を備えている場合、または、被圧延材の入側と出側の双方または出側の板厚ウェッジを測定する板厚ウェッジ測定装置を備えている場合は、キャンバー測定値または板厚ウェッジ測定値と、圧延方向力の和の演算値とに基づいて圧延方向力の差異の制御目標値を学習で修正されるので、さらに適切な制御目標値を演算することができる。
さらに、(11)に記載の本発明における金属板材の圧延方法を実施するための圧延装置に関する本発明の効果について説明する。
(17)に記載の本発明の金属板材の圧延装置では、(12)乃至(16)のいずれか一項に記載の圧延装置に加え、前記圧延方向力の和に代わって、圧延荷重(以下、垂直荷重ともいう)の測定値もしくは演算値、オフセット量の設定値もしくは測定値、および、上下作業ロールの周速度差の設定値もしくは測定値のいずれかまたは2つ以上を検出し、これらのいずれかまたは2つ以上から換算される値を用いて、圧延方向力の差異の補正値を演算する演算を備えているので、圧延荷重等の、圧延方向力の和以外の計測値や演算値を用いて圧延方向力の差異の補正を実施することができる。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。
図1には、(1)乃至(3)に記載の本発明の圧延方法を実現する圧延装置、すなわち(12)に記載の本発明の圧延装置の好ましい実施の形態として第1の実施形態を示す。なお、図1は基本的に作業側の装置構成のみを図示しているが、駆動側にも同様の装置が存在する。これは第2の実施形態以降に係る図でも同様である。圧延機の上作業ロール1に作用する圧延方向力は基本的には上作業ロールチョック5によって支持されるが、上作業ロールチョックには上作業ロールチョック出側荷重検出装置9と上作業ロール入側荷重検出装置10が配備されており、上作業ロールチョックを圧延方向に固定しているプロジェクトブロック(図示せず)等の部材と上作業ロールチョックの間に作用する力を測定することができる。これらの荷重検出装置は通常は圧縮力を測定する構造とするのが装置構成を簡単にするため好ましい。上作業ロール圧延方向力演算装置14では、上作業ロール出側荷重検出装置9と上作業ロール入側荷重検出装置10による測定結果の差異を演算し上作業ロールチョック5に作用する圧延方向力を演算する。さらに下作業ロール2に作用する圧延方向力についても、下作業ロールチョック6の出側および入側に配備された下作業ロール出側荷重検出装置11および下作業ロール入側荷重検出装置12の測定値に基づき下作業ロール圧延方向力演算装置15によって、下作業ロールチョック6に作用する圧延方向力を演算する。次に作業ロール圧延方向合力演算装置16において、上作業ロール圧延方向力演算装置14の演算結果と下作業ロール圧延方向力演算装置15の演算結果の和をとり、上下作業ロールに作用する圧延方向合力を演算する。上記のような手続きは作業側のみならず駆動側も全く同じ装置構成で演算を実施し、その結果が駆動側の作業ロール圧延方向合力17として得られる。そして作業側−駆動側圧延方向力差演算装置18によって作業側の演算結果と駆動側の演算結果との差異が計算され、作業側−駆動側圧延方向力和演算装置19によって作業側の演算結果と駆動側の演算結果との和が計算され、これによって作業ロールチョックに作用する圧延方向力の作業側と駆動側の差異および和が計算されることになる。
次に、該圧延方向力の作業側と駆動側の差異と和の演算結果とに基づいて、圧延方向力差補正値演算装置21において、圧延方向力差−圧延方向力和の関係演算記憶装置20によって予め求められ記憶されていた圧延方向力の差異および圧延方向力の和との相関関係を用いて該圧延方向力の差異が補正される。この際、予め求められた圧延方向力の差異と和との相関関係を用いて補正が行われるが、以下では、圧延方向力差−圧延方向力和の関係演算記憶装置20において実施される、本発明の金属板材の圧延方法の(3)に記載のキスロール締め込みテストによる上記相関関係の同定方法について詳細に説明する。
図5には、キスロール締め込みテストを行った時の圧延方向力の差異ΔFと圧延方向力の和Fの関係を異なる作業ロールチョック毎に示す。非圧延時のキスロール締め込み時に上記相関関係を調べることで、キャンバー起因以外で発生する圧延方向力の差異のみを抽出することができる。圧延方向力の大きさは、作業ロールをオフセットしている場合には、キスロール締め込み荷重の増加に伴ってオフセットしている方向の圧延方向力が増加し、あるいは、オフセットしていない場合でも、異周速等によって上下のトルク差が生じた場合に圧延方向に力を生じることが考えられる。この図から、キャンバー起因以外で生じると考えられる圧延方向力の差異は、圧延方向力の和に応じて変化して、これらの相関関係は組み込んだ作業ロールチョックに依存し変化することがわかる。このような作業ロールチョック毎の違いは、組み込んだ作業ロールチョックの傾きが僅かに異なることによって、荷重検出装置とその受け面の弾性接触面における受圧面積や変形の左右差、オフセット量の僅かな左右差等に違いが生じ、この左右差は、圧延方向力の大きさに応じて変化するものと考えられる。したがって、作業ロールや補強ロールの組替毎にキスロール締め込みテストを行い、このようなキャンバー起因以外で生じる圧延方向力の差異と、圧延方向力の大きさを圧延方向力左右の和としてこれらの相関関係を同定しておき、この相関関係と圧延方向力の和に基づいて、圧延方向力の差異を補正すなわちキャンバー起因以外の影響を差し引くことによって、上記外乱の影響を排除し、キャンバーの発生に対応した正確な圧延方向力の差異を求めることができる。なお、上記のような圧延方向力の差異と和の相関関係のデータは、例えば、圧延方向力の差異と和を示す近似曲線の係数あるいはテーブル値として圧延方向力差−圧延方向力和の関係演算記憶装置20に記憶しておけば良い。
次に、圧延方向力差補正値演算装置21において補正された圧延方向力の差異の演算結果に基づいて圧下レベリング制御量演算装置22において、圧延方向力の差異を適正な目標値(通常は零)にしキャンバーを防止するための圧延機のロール開度の左右非対称成分制御量を演算する。ここでは、前記圧延方向力の差異に基づいて、例えば、比例(P)ゲイン、積分(I)ゲイン、微分(D)ゲインを考慮したPID演算によって制御量を演算する。そしてこの制御量演算結果に基づいて、圧下レベリング制御装置23によって圧延機のロール開度の左右非対称成分を制御することでキャンバー発生のない、あるいは極めてキャンバーの軽微な圧延が実現できる。なお、ここでは、キャンバー起因以外で発生する圧延方向力の差異と和との相関関係に基づく圧延方向力の差異の補正方法を示したが、上記相関関係に基づき圧延方向力の差異の制御目標値を補正しても同様の効果が得られることは言うまでもない。
図2には、(1)乃至(3)または(6)に記載の本発明の圧延方法に関する圧延装置、すなわち(12)または(15)に記載の本発明の圧延装置の好ましい実施の形態として第2の実施形態を示す。第2の実施形態(図2)では、第1の実施形態(図1)に比べて、下作業ロールチョックに作用する圧延方向力の検出装置および演算装置を省略している。一般に伸び歪の左右差に起因して圧延材から作業ロールに作用するモーメントは、必ずしも上下作業ロールに均等に作用するとは限らないが、その時系列変化挙動については、上下作業ロールで傾向が逆転することはない。したがって上下どちらか一方の作業ロールに作用する圧延方向力の測定値に基づいてキャンバー起因以外で発生する圧延方向力の差異と圧延方向力の和との相関関係を同定し、これにより上下どちらか一方の圧延方向力の差異を補正し、さらに圧下レベリング制御量演算装置22において適正な制御ゲインを設定することによって、上下どちらか一方の圧延方向力の差異に基づく良好なキャンバー制御を実現することができる。また、第2の実施形態(図2)では、補強ロールを基準として出側に作業ロールがオフセットしている。オフセットした側の作業ロールチョックに常に圧延方向の力が作用するので、圧延機入側に設置してある上作業ロール入側荷重検出装置10がない場合でも、作業側および駆動側それぞれのロールチョックに作用する圧延方向の力を求めることができる。また、この場合、オフセットした側に常に圧延方向の力が作用し圧延荷重の増加に伴って圧延方向力の和が安定して増加するので、キャンバー起因以外で発生する圧延方向力の差異と圧延方向力の和との相関関係を安定して求めることができる。なお、作業ロールのオフセットは入側であっても構わない。
図3には、(4)に記載の本発明の圧延方法に関する圧延装置または(13)に記載の本発明の圧延装置の好ましい実施の形態として第3の実施形態を示す。第3の実施形態(図3)では、第1の実施形態(図1)に比べて、被圧延材の出側のキャンバーを測定するための出側キャンバー測定装置26が備えられていて、このキャンバー実測値の情報を圧延方向力差−圧延方向力和の関係演算記憶装置20に取り込むことができるので、(4)に記載の本発明の金属板材の圧延方法を実施できる。
(4)に記載の本発明の金属板材の圧延方法では、(2)に記載の金属板材の圧延方法において、キャンバー起因以外で発生する圧延方向力の差異と和との相関関係を、圧延中に採取した少なくとも2水準以上の圧延方向力の作業側と駆動側の測定値より求めた圧延方向力の差異および圧延方向力の和と、被圧延材の入側と出側の双方または出側のキャンバーの測定値に基づき求める方法を提案している。この方法では、圧延中に圧延方向力を採取するため、キャンバー起因とそれ以外で発生する圧延方向力の差異を分離することができない。そこで、出側キャンバー測定装置26により被圧延材の出側のキャンバーの実績値を測定し、次の二通りの方法で、キャンバー起因以外で発生する圧延方向力の差異と圧延方向力の和との相関関係を求める。
以下、第一の方法について、図6を参照しながら詳細に説明する。
図6には、キャンバー制御を実施していない時に採取した圧延方向力の差異と圧延方向力の和の関係を示す。図中のデータは、採取した圧延方向力の差異、圧延方向力の和およびキャンバーの実績値のデータ群から、キャンバーが発生しているデータからはキャンバー起因とそれ以外で発生する圧延方向力の差異を分離することができないのでここでは、キャンバーがある基準値より小さいもの抽出している。このようにキャンバーがある基準値より小さいにもかかわらず圧延方向力の差異が生じている原因は、キャンバー起因以外の外乱による影響であることが推察される。したがって、キャンバー制御を実施していないデータで、かつキャンバーがある基準値より小さい圧延方向力の差異と圧延方向力の和のデータを抽出することによって、キャンバー起因以外で発生する圧延方向力の差異と和との相関関係を求めることができる。なお、上記の例では、キャンバーがある基準値より小さいもの抽出し圧延方向力の差異と和との相関関係を求めているが、キャンバーの実績値と圧延方向力の差異の関係が明らかな場合は、この関係を用いてキャンバーの実績値から圧延方向力の差異に換算し、キャンバー起因の圧延方向力の差異を圧延方向力の差異の実測値から差し引いて上記圧延方向力の差異と和との相関関係を求めても良い。
次に、第二の方法について図7及び8を参照しながら詳細に説明する。
図7には、キャンバー制御を実施している時に採取したキャンバーの実績値と圧延方向力の差異の関係を示す。図中のデータは、圧延方向力の差異を適正な目標値(通常は零)になるようにキャンバー制御を実施したにもかかわらず、実績のキャンバーがある基準値より大きくなった時のキャンバーの実績値κ1(F1)、κ2(F2)を示している。ここで、F1、F2はκ1、κ2に対応する圧延方向力の和の値を示している。このようにキャンバー制御を実施したにもかかわらずキャンバーが生じた原因は、キャンバー起因以外の外乱の影響が圧延方向力の差異に含まれていたため、誤った制御を行った結果によるものであると推察される。そこで、予め実験的に求めておいたキャンバーの実績値と圧延方向の差異との関係を示す下記式(A)から、キャンバー起因以外の外乱による圧延方向力の差異の値を求めることができる。
Figure 0004903676
ここで、γは、実験等によって求めた係数、ΔFは圧延方向力の差異である。
すなわち、式(A)を用いて換算したキャンバー起因以外の圧延方向力の差異ΔF01、ΔF02は、下記式(B)のようになる。
Figure 0004903676
図8には、上記のように換算したキャンバー起因以外の圧延方向力の差異ΔF01、ΔF02と圧延方向力の和F1、F2との関係を示す。このように、キャンバーの実績値に基づき上記のような方法で求めたデータから、キャンバー起因以外で発生する圧延方向力の差異と和との相関関係を求めることができる。
なお、上記の例では、出側キャンバーの実績値に基づいて圧延方向力の差異と和との相関関係を同定する方法の例を示したが、入側と出側の双方のキャンバーの実績値により、例えばキャンバー曲率変化(出側のキャンバー曲率を入側のキャンバー曲率で引いた値)を算出し、用いることで、入側の情報が反映されより高精度な同定が実現できることは言うまでもない。
図4には、(5)に記載の本発明の圧延方法に関する圧延装置または(14)に記載の本発明の圧延装置の好ましい実施の形態として第4の実施形態を示す。第4の実施形態(図4)では、第2の実施形態(図2)に比べて、被圧延材の出側の板厚ウェッジを測定するための出側板厚ウェッジ測定装置27が備えられていて、この板厚ウェッジの実測値の情報を圧延方向力差−圧延方向力和の関係演算記憶装置20に取り込むことができるので、(5)に記載の本発明の金属板材の圧延方法を実施できる。
(5)に記載の本発明の金属板材の圧延方法では、(2)に記載の金属板材の圧延方法において、キャンバー起因以外で発生する圧延方向力の差異と圧延方向力の和との相関関係を、圧延中に採取した少なくとも2水準以上の圧延方向力の作業側と駆動側の測定値より求めた圧延方向力の差異および圧延方向力の和と、被圧延材の入側と出側の双方または出側の板厚ウェッジの測定値に基づき求める方法を提案している。この方法は、第3の実施形態(図3)で示した圧延方法において、キャンバーの測定値を、キャンバーと相関のある板厚ウェッジの測定値に置き換えたに過ぎない。したがって、第3の実施形態(図3)の圧延方法と同様に、被圧延材の入側と出側の双方または出側の板厚ウェッジの実績値に基づいて、キャンバー起因以外で発生する圧延方向力の差異と圧延方向力の和との相関関係を求めることできる。
続いて、図面を参照して、(11)に記載の本発明の圧延方法を実現する圧延装置または(17)に記載の本発明の圧延装置の好ましい実施の形態として4つの実施形態をさらに具体的に説明する。
図9には、(11)に記載の本発明の圧延方法を実現する圧延装置または(17)に記載の本発明の圧延装置のうち好ましい実施の形態の1つめとして第5の実施形態を示す。圧延機の上作業ロール1に作用する圧延方向力は基本的には上作業ロールチョック5によって支持されるが、上作業ロールチョックには上作業ロールチョック出側荷重検出装置9と上作業ロール入側荷重検出装置10が配備されており、上作業ロールチョックを圧延方向に固定しているプロジェクトブロック(図示せず)等の部材と上作業ロールチョックの間に作用する力を測定することができる。これらの荷重検出装置は通常は圧縮力を測定する構造とするのが装置構成を簡単にするため好ましい。上作業ロール圧延方向力演算装置14では、上作業ロール出側荷重検出装置9と上作業ロール入側荷重検出装置10による測定結果の差異を演算し上作業ロールチョック5に作用する圧延方向力を演算する。さらに下作業ロール2に作用する圧延方向力についても、下作業ロールチョック6の出側および入側に配備された下作業ロール出側荷重検出装置11および下作業ロール入側荷重検出装置12の測定値に基づき下作業ロール圧延方向力演算装置15によって、下作業ロールチョック6に作用する圧延方向力を演算する。次に作業ロール圧延方向合力演算装置16において、上作業ロール圧延方向力演算装置14の演算結果と下作業ロール圧延方向力演算装置15の演算結果の和をとり、上下作業ロールに作用する圧延方向合力を演算する。上記のような手続きは作業側のみならず駆動側も全く同じ装置構成で演算を実施し、その結果が駆動側の作業ロール圧延方向合力17として得られる。そして作業側−駆動側圧延方向力差演算装置18によって作業側の演算結果と駆動側の演算結果との差異、すなわち圧延方向力左右差が計算される。また、圧延荷重検出装置29によって圧延中もしくはキスロール時の圧延荷重、すなわち垂直方向力が測定される。ここで、図9に作業側の垂直方向力のみしか図示していないが、駆動側も同様に測定し、作業側と駆動側の和としても良い。
次に、該圧延方向力左右差および垂直方向力に基づいて、圧延方向力左右差補正値演算装置21において、圧延方向力左右差−垂直方向力相関演算記憶装置20によって予め求められ記憶されていた圧延方向力左右差と垂直方向力との相関を用いて該圧延方向力左右差が補正される。この際、予め求められた圧延方向力左右差と垂直方向力との相関を用いて補正が行われるが、以下では、圧延方向力左右差−垂直方向力相関演算記憶装置20において実施される、本発明の金属板材の圧延方法の(3)に記載のキスロール締め込みテストによる上記相関の同定方法について詳細に説明する。
図13には、キスロール締め込みテストを行った時の圧延方向力左右差ΔFと垂直方向力Fの関係を異なる作業ロールチョック毎に示す。このように非圧延時のキスロール締め込み時に上記相関を調べることで、キャンバー起因以外で発生する圧延方向力左右差のみを抽出することができる。
ところで、圧延方向力の和は、上下ロール周速差、オフセット量および圧延荷重から幾何学的に算出することができる。上下ロール周速差は特に与えることが少なく、オフセット量も設定時から固定されていることが多い。これにより、圧延方向力の和を圧延荷重に置き換えることが可能となり、図5と図13とでは横軸が異なるだけでほとんどグラフの形が同形となる。
この図13から、キャンバー起因以外で生じると考えられる圧延方向力左右差は、垂直方向力に応じて変化して、これらの相関は組み込んだ作業ロールチョックに依存し変化することがわかる。このような作業ロールチョック毎の違いは、組み込んだ作業ロールチョックの傾きが僅かに異なることによって、荷重検出装置とその受け面の弾性接触面における受圧面積や変形の左右差、オフセット量の僅かな左右差等に違いが生じるためであると考えられる。したがって、作業ロールや補強ロールの組替毎にキスロール締め込みテストを行い、このようなキャンバー起因以外で生じる圧延方向力左右差と垂直方向力の相関を同定しておき、この相関と圧延中の垂直方向力に基づいて、圧延方向力左右差を補正すなわちキャンバー起因以外の影響を差し引くことによって、上記外乱の影響を排除し、キャンバーの発生に対応した正確な圧延方向力左右差を求めることができる。なお、上記のような圧延方向力左右差と垂直方向力の相関のデータは、例えば、圧延方向力左右差と垂直方向力を示す近似曲線の係数あるいはテーブル値として圧延方向力左右差−垂直方向力相関演算記憶装置20に記憶しておけば良い。
次に、圧延方向力差補正値演算装置21において補正された圧延方向力左右差の演算結果に基づいて圧下レベリング制御量演算装置22において、圧延方向力左右差を適正な目標値(通常は零)にしキャンバーを防止するための圧延機のロール開度の左右非対称成分制御量を演算する。ここでは、前記圧延方向力左右差に基づいて、例えば、比例(P)ゲイン、積分(I)ゲイン、微分(D)ゲインを考慮したPID演算によって制御量を演算する。そしてこの制御量演算結果に基づいて、圧下レベリング制御装置23によって圧延機のロール開度の左右非対称成分を制御することでキャンバー発生のない、あるいは極めてキャンバーの軽微な圧延が実現できる。なお、ここでは、キャンバー起因以外で発生する圧延方向力左右差と垂直方向力との相関に基づく圧延方向力左右差の補正方法を示したが、上記相関に基づき圧延方向力左右差の制御目標値を補正しても同様の効果が得られることは言うまでもない。
図10には、(6)に従属する(11)に記載の本発明の圧延方法に関する圧延装置または(15)に従属する(17)に記載の本発明の圧延装置のうち好ましい実施の形態の2つめとして第6の実施形態を示す。第6の実施形態(図10)では、第5の実施形態(図9)に比べて、下作業ロールチョックに作用する圧延方向力の検出装置および演算装置を省略している。一般に伸び歪の左右差に起因して圧延材から作業ロールに作用するモーメントは、必ずしも上下作業ロールに均等に作用するとは限らないが、その時系列変化挙動については、上下作業ロールで傾向が逆転することはない。したがって上下どちらか一方の作業ロールに作用する圧延方向力の測定値に基づいてキャンバー起因以外で発生する圧延方向力左右差と垂直方向力との相関を同定し、これにより上下どちらか一方の圧延方向力左右差を補正し、さらに圧下レベリング制御量演算装置22において適正な制御ゲインを設定することによって、上下どちらか一方の圧延方向力左右差に基づく良好なキャンバー制御を実現することができる。
また、第6の実施形態(図10)では、補強ロールを基準として出側に作業ロールがオフセットしている。この場合、オフセットした側の作業ロールチョックに常に圧延方向の力が作用するので、圧延機入側に設置してある上作業ロール入側荷重検出装置10がない場合でも、作業側および駆動側それぞれのロールチョックに作用する圧延方向の力を求めることができる。
図11には、(4)に従属する(11)に記載の本発明の圧延方法に関する圧延装置または(13)に従属する(17)に記載の本発明の圧延装置のうち好ましい実施の形態の3つ目として第7の実施形態を示す。第7の実施形態(図11)では、第5の実施形態(図9)に比べて、被圧延材の出側のキャンバーを測定するための出側キャンバー測定装置26が備えられていて、このキャンバー実測値の情報を圧延方向力左右差−垂直方向力相関演算記憶装置20に取り込むことができるので、(4)に従属する(11)に記載の本発明の金属板材の圧延方法を実施できる。
(4)に従属する(11)に記載の本発明の金属板材の圧延方法では、(2)に従属する(11)に記載の金属板材の圧延方法において、キャンバー起因以外で発生する圧延方向力左右差と垂直方向力との相関を、圧延中に採取した少なくとも2水準以上の圧延方向力の作業側と駆動側の測定値より求めた圧延方向力左右差および垂直方向力と、被圧延材の入側と出側の双方または出側のキャンバーの測定値に基づき求める方法を提案している。この方法では、圧延中に圧延方向力を採取するため、キャンバー起因とそれ以外で発生する圧延方向力左右差を分離することができない。そこで、出側キャンバー測定装置26により被圧延材の出側のキャンバーの実績値を測定し、次の二通りの方法で、キャンバー起因以外で発生する圧延方向力左右差と垂直方向力との相関を求める。
以下、第一の方法について、図14を参照しながら詳細に説明する。
図14には、キャンバー制御を実施していない時に採取した圧延方向力左右差と垂直方向力の関係を示す。図中のデータは、採取した圧延方向力左右差、垂直方向力およびキャンバーの実績値のデータ群から、キャンバーがある基準値より小さいもの抽出している。このようにキャンバーがある基準値より小さいにもかかわらず圧延方向力左右差が生じている原因は、キャンバー起因以外の外乱による影響であることが推察される。したがって、キャンバー制御を実施していないデータで、かつキャンバーがある基準値より小さい圧延方向力左右差と垂直方向力のデータを抽出することによって、キャンバー起因以外で発生する圧延方向力左右差と垂直方向力との相関を求めることができる。
次に、第二の方法について図15及び16を参照しながら詳細に説明する。
図15には、キャンバー制御を実施している時に採取したキャンバーの実績値と圧延方向力左右差の関係を示す。図中のデータは、圧延方向力左右差を適正な目標値(通常は零)になるようにキャンバー制御を実施したにもかかわらず実績のキャンバーがある基準値より大きくなった時のキャンバーの実績値κ1(F1)、κ2(F2)を示している。ここで、F1、F2はκ1、κ2に対応する垂直方向力の値を示している。このようにキャンバー制御を実施したにもかかわらずキャンバーが生じた原因は、キャンバー起因以外の外乱の影響が圧延方向力左右差に含まれていたため、誤った制御を行った結果によるものであると推察される。そこで、予め実験的に求めておいたキャンバーの実績値と圧延方向力左右差との相関を示す下記式(A)から、キャンバー起因以外の外乱による圧延方向力左右差の値を求めることができる。
Figure 0004903676
ここで、γは、実験等によって求めた係数、ΔFは圧延方向力左右差である。
すなわち、式(B)を用いて換算したキャンバー起因以外の圧延方向力左右差ΔF01、ΔF02は、下記式(B)のようになる。
Figure 0004903676
図16には、上記のように換算したキャンバー起因以外の圧延方向力左右差ΔF01、ΔF02と垂直方向力F1、F2との相関を示す。このように、キャンバーの実績値に基づき上記のような方法で求めたデータから、キャンバー起因以外で発生する圧延方向力左右差と垂直方向力との相関を求めることができる。
なお、上記の例では、出側キャンバーの実績値に基づいて圧延方向力左右差と垂直方向力との相関を同定する方法の例を示したが、入側と出側の双方のキャンバーの実績値により、例えばキャンバー曲率変化(出側のキャンバー曲率を入側のキャンバー曲率で引いた値)を算出し用いることで、入側の情報が反映され、より高精度な同定が実現できることは言うまでもない。
図12には、(5)に従属する(11)に記載の本発明の圧延方法に関する圧延装置または(14)に従属する(17)に記載の本発明の圧延装置の好ましい実施の形態として第8の実施形態を示す。第8の実施形態(図12)では、第5の実施形態(図9)に比べて、被圧延材の出側の板厚ウェッジを測定するための出側板厚ウェッジ測定装置27が備えられていて、この板厚ウェッジの実測値の情報を圧延方向力左右差−垂直方向力相関演算記憶装置20に取り込むことができるので、(5)に従属する(11)に記載の本発明の金属板材の圧延方法を実施できる。
(5)に従属する(11)に記載の本発明の金属板材の圧延方法では、(1)または(2)のみに従属する(11)に記載の金属板材の圧延方法において、キャンバー起因以外で発生する圧延方向力左右差と垂直方向力との相関を、圧延中に採取した少なくとも2水準以上の圧延方向力の作業側と駆動側の測定値より求めた圧延方向力左右差および垂直方向力と、被圧延材の入側と出側の双方または出側の板厚ウェッジの測定値に基づき求める方法を提案している。この方法は、第7の実施形態(図11)で示した圧延方法において、キャンバーの測定値を、キャンバーと相関のある板厚ウェッジの測定値に置き換えたに過ぎない。したがって、第7の実施形態(図11)の圧延方法と同様に、被圧延材の入側と出側の双方または出側の板厚ウェッジの実績値に基づいて、キャンバー起因以外で発生する圧延方向力左右差と垂直方向力との相関を求めることできる。
さらに続いて、図面を参照して、(7)乃至(10)に記載の本発明の圧延方法を実現する圧延装置または(16)に記載の本発明の圧延装置の好ましい実施の形態として3つの実施形態をさらに具体的に説明する。
図17には、(7)に従属する(8)に記載の本発明の圧延方法を実現する圧延装置、すなわち(13)に従属する(16)に記載の本発明の圧延装置の好ましい実施の形態として第9の実施形態を示す。
圧延機の上作業ロール1に作用する圧延方向力は基本的には上作業ロールチョック5によって支持されるが、上作業ロールチョックには上作業ロールチョック出側荷重検出装置9と上作業ロール入側荷重検出装置10が配備されており、上作業ロールチョックを圧延方向に固定しているプロジェクトブロック(図示せず)等の部材と上作業ロールチョックの間に作用する力を測定することができる。これらの荷重検出装置は通常は圧縮力を測定する構造とするのが装置構成を簡単にするため好ましい。上作業ロール圧延方向力演算装置14では、上作業ロール出側荷重検出装置9と上作業ロール入側荷重検出装置10による測定結果の差異を演算し上作業ロールチョック5に作用する圧延方向力を演算する。さらに下作業ロール2に作用する圧延方向力についても、下作業ロールチョック6の出側および入側に配備された下作業ロール出側荷重検出装置11および下作業ロール入側荷重検出装置12の測定値に基づき下作業ロール圧延方向力演算装置15によって、下作業ロールチョック6に作用する圧延方向力を演算する。次に作業ロール圧延方向合力演算装置16において、上作業ロール圧延方向力演算装置14の演算結果と下作業ロール圧延方向力演算装置15の演算結果の和をとり、上下作業ロールに作用する圧延方向合力を演算する。上記のような手続きは作業側のみならず駆動側も全く同じ装置構成で演算を実施し、その結果が駆動側の作業ロール圧延方向合力17として得られる。そして作業側−駆動側圧延方向力差演算装置18によって作業側の演算結果と駆動側の演算結果との差異が計算され、作業側−駆動側圧延方向力和演算装置19によって作業側の演算結果と駆動側の演算結果との和が計算され、これによって作業ロールチョックに作用する圧延方向力の作業側と駆動側の差異および和が計算されることになる。
圧延機の後面には、キャンバー測定装置26が備えられていて、圧延中または圧延後に被圧延材のキャンバーが測定される。制御目標値演算装置21においては、被圧延材のキャンバーの測定値に基づく制御目標値が演算されるが、この演算方法について以下に説明する。 通常、圧延方向力左右差の制御目標値は零であり、圧延方向力左右差がこの制御目標値になるように圧延機のロール開度の左右非対称成分を制御することで、キャンバー発生を防止することができる。しかしながら、ロールの摩耗等が起因でロール径の左右差あるいは摩擦係数の左右差が生じた場合や、ロールチョックの傾き等が原因と考えられる荷重検出装置とその受け面の弾性接触面における受圧面積や変形の左右差、オフセット量の左右の僅かな違い等が生じた場合、これらによって圧延方向力左右差が変化する可能性があり、この場合は、制御目標値は零でなく、適切な値に変更する必要がある。そこで、(7)に記載の本発明の方法では、圧延方向力左右の和に基づき、圧延方向力左右差の制御目標値を学習する方法およびそれを実現する装置を提案している。また、本発明の方法における学習では、必要に応じて、被圧延材のキャンバーまたは板厚ウェッジの測定値にも基づく場合もあり、圧延方向力左右和の代用として圧延荷重(垂直方向力ともいう)等を用いる場合もあることも提案している。ここでは、キャンバーの測定値および圧延方向力左右の和に基づく制御目標値の学習する方法から説明する。
図20には、キャンバー制御を実施した後のキャンバーの実績値と圧延方向力左右差の関係を示す。図中のデータは、圧延方向力左右差を制御目標値(ここでは零)になるようにキャンバー制御を実施したにもかかわらず、実績のキャンバーがある基準値より大きくなった時のキャンバーの実績値 κ1(F1)、κ(F2)を示している。ここで、F1、F2はκ1、κに対応する圧延方向力の和の値を示している。このようにキャンバー制御を実施したにもかかわらずキャンバーが生じた原因は、キャンバー起因以外の外乱の影響が圧延方向力左右差に含まれていたため、誤った制御を行った結果によるものであると推察される。そして、この圧延方向力左右差の変化は、圧延荷重の変化に伴う圧延方向力左右の和に応じて変化することから、組み込んだロールチョックの傾きによって、荷重検出装置とその受け面の弾性接触面における受圧面積や変形の左右差、あるいは、僅かなオフセット量の左右差によって生じたものと考えられる。したがって、圧延荷重または圧延方向力の和の影響を考慮せず、キャンバーの測定値のみから制御目標値の学習を行っている従来の方法では、このようなロールチョックの傾き等起因の変化に対応できないことがわかる。そこで、本発明の方法では、キャンバーの測定値および圧延方向力左右の和に基づき以下の方法で制御目標値の学習を行う。
図20に示す通り、キャンバーの実績値κと圧延方向力左右差ΔFとの関係は、下記式(A)で表すことができる。
Figure 0004903676
ここで、γは係数であり、実験等によって予め求めておく必要がある。
式(A)を用いることによって、キャンバーが零となる圧延方向力左右差の値、すなわち、キャンバー起因以外の外乱による圧延方向力左右差の値を求めることができる。したがって、圧延方向力の和F1、F2に対応するキャンバー起因以外の圧延方向力左右差ΔF01、ΔF02は、下記式(B)のようになる。
Figure 0004903676
図21には、上記のようにキャンバー測定値に基づき換算したキャンバー起因以外の圧延方向力左右差ΔF01、ΔF02と圧延方向力の和F1、F2との関係を示す。このように、キャンバーの実績値に基づき上記のような方法で求めたデータから、キャンバー起因以外で発生する圧延方向力左右差と圧延方向力の和との関係を求めることができる。このような関係は、作業ロールチョックの傾き等が原因で生じていると考えられるので、圧延中にこの傾きが変化した場合は、経時変化する可能性がある。そこで、(10)に記載の本発明の方法では、制御目標値を圧延方向力の和もしくは圧延荷重の一次以上の関数と定義して、これらの係数を常に学習していくことによって、経時変化にも対応可能な方法を提案している。ここでは、圧延方向力の和の一次の関数とした場合を例として、本発明の制御目標値の学習方法を説明する。制御目標値Cを、圧延方向力の和Fの一次の関数として、下記式(C)のように定義する。
Figure 0004903676
ここで、a、bは係数であり、例えば、下記式(D)より求められる。
Figure 0004903676
このようにキャンバー測定値に基づき換算したキャンバー起因以外の圧延方向力左右差とそれに対応する圧延方向力の和のデータが2水準あれば、式(C)、式(D)により制御目標値を算出することが可能である。なお、上記データが2水準以上の場合、最小自乗法等を使用することで適切な係数を求めることができる。また、上記の例は、制御目標値を圧延方向力の和の一次の関数として定義した場合であるが、図21に示したキャンバー起因以外の圧延方向力左右差と圧延方向力の和との関係が非線形である場合は、圧延方向力の和の2次以上の関数として定義することでより高精度に制御目標値を求めることができる。
次に、以上のように定義した制御目標値の具体的な学習方法を説明する。圧延本数が増加するに従って変化するキャンバー起因以外の特性に対応するために、学習ゲインを式(C)で定義した係数毎に定義し、圧延パス毎または圧延材毎にこれらの係数を更新していくこと考えると、制御目標値および学習ゲインは、下記式(E)のように表される。
Figure 0004903676
ただし、C(n)はnパス目または圧延材n本目の制御目標値、F(n)は、nパス目または圧延材n本目の圧延方向力の和で、a(n)、b(n) はnパス目または圧延材n本目の係数a、bであり、γa、γbは係数a、bの学習ゲイン(0〜1.0)である。
また、a (n)、b (n) は、nパス目または圧延材n本目の圧延方向力の和およびキャンバーの測定値に基づいて求められた係数a、bである。a (n)、b (n)を、nパス目およびn-1パス目、または、圧延材n本目およびn-1本目の2水準のデータから求める場合は、下記式(F)のようになる。
Figure 0004903676
ここで、ΔF0 (n) は、式(B)より求められるnパス目または圧延材n本目のキャンバー起因以外の圧延方向力左右差であり、F(n) は、ΔF0 (n)に対応するnパス目または圧延材n本目の圧延方向力の和である。
なお、式(F)の例は、当該パスと前パス、または、当該圧延材と前圧延材の2水準のデータに基づき制御目標値の係数a、bを求める方法であるが、当該パスまたは当該圧延材において2水準以上の上記データの測定可能であれば、同様に求めても良い。
制御目標値演算装置21では、以上のような方法で求めた制御目標値の係数a、bに基づき、当該パス、次パスまたは次材の圧延での制御目標値が演算される。なお、この制御目標値の演算は、圧延前のセットアップの段階で予測圧延荷重に基づき圧延方向力の和を予測し算出しても良いし、圧延中に測定される圧延方向力の和の実測値に基づきリアルタイムに算出しても良い。
以上のように演算した制御目標値と圧延方向力左右差に基づいて、圧下レベリング制御量演算装置22においては、圧延方向力左右差が制御目標値なるような圧延機のロール開度の左右非対称成分制御量を演算する。なお、圧延初回の学習を実施していない段階では、制御目標値は、例えばキスロール締め込み時に発生している圧延方向力左右差から求めた学習係数または零を設定すれば良い。また、ここでは前記圧延方向力の左右差および制御目標値に対して、例えば、比例(P)ゲイン、積分(I)ゲイン、微分(D)ゲインを考慮したPID演算によって制御量を演算する。そして、この制御量演算結果に基づいて、圧下レベリング制御装置23によって圧延機のロール開度の左右非対称成分を制御することでキャンバー発生のない、あるいは極めてキャンバーの軽微な圧延が実現できる。
なお、上記の例では、出側キャンバーの実績値と圧延方向力の和に基づいて制御目標値を学習する方法の例を示したが、入側と出側の双方のキャンバーの実績値により、例えばキャンバー曲率変化(出側のキャンバー曲率を入側のキャンバー曲率で引いた値)を算出し用いることで、入側の情報が反映されより高精度な学習が実現できることは言うまでもない。
図18には、(6)、(7)及び(9)に従属する(11)に記載の本発明の圧延方法を実現する圧延装置、すなわち(14)、(15)及び(16)に従属する(17)に記載の本発明の圧延装置の好ましい実施の形態として第10の実施形態(図18)を示す。第10の実施形態(図18)では、第9の実施形態(図17)で示した圧延方法において、圧延方向力の和を、圧延方向力の和から作業ロール径、補強ロールおよびオフセット量に基づいて逆算可能な圧延荷重に置き換え、キャンバーの測定値を、キャンバーと相関のある板厚ウェッジの測定値に置き換えている。この第10の実施形態(図18)では圧延荷重を、作業側の圧延荷重検出装置29の作業側圧延荷重測定値と、駆動側圧延荷重測定値31とを作業側−駆動側圧延荷重和演算装置28で加算して求めている。また、補強ロールを基準として出側に作業ロールがオフセットしている。この場合、オフセットした側の作業ロールチョックに常に圧延方向の力が作用するので、圧延機入側に設置してある上作業ロール入側荷重検出装置10および下作業ロール入側荷重検出装置12がない場合でも、作業側および駆動側それぞれのロールチョックに作用する圧延方向の力を求めることができる。さらにこの場合、オフセットした側に作業ロールチョックが押さえられ、圧延荷重に伴う圧延方向力左右差の変化のバラツキが低減すると考えられるので、板厚ウェッジの測定値および圧延荷重に基づく制御目標値の学習をより安定的に高精度に実施することができる。そして、この学習した制御目標値を当該パス、次パスまたは次材の圧延に設定することで、圧延方向力左右差の実測値に含まれるキャンバー起因以外の影響を排除できるので、キャンバーの発生に対応した正確な圧延方向力左右差に基づく良好なキャンバー制御を実現することができる。
図19には、(6)、(7)及び(8)に従属する(11)に記載の本発明の圧延方法に関する圧延装置、すなわち(13)、(15)及び(16)に従属する(17)に記載の本発明の圧延装置の他の好ましい実施の形態として第11の実施形態を示す。第11の実施形態(図19)では、第10の実施形態(図18)に比べて、下作業ロールチョックに作用する圧延方向力の検出装置および演算装置を省略している。一般に伸び歪の左右差に起因して圧延材から作業ロールに作用するモーメントは、必ずしも上下作業ロールに均等に作用するとは限らないが、その時系列変化挙動については、上下作業ロールで傾向が逆転することはない。したがって、この場合も被圧延材のキャンバーの測定値および圧延荷重に基づき制御目標値を学習し、この学習した制御目標値を当該パス、次パスまたは次材の圧延に設定することで、圧延方向力左右差の実測値に含まれるキャンバー起因以外の影響を排除できるので、キャンバーの発生に対応した正確な圧延方向力左右差に基づく良好なキャンバー制御を実現することができる。
図1に示した圧延機を用いて本発明の(2)に記載の板圧延方法を適用した場合の実施例(ここでは“本発明1”と呼ぶことにする)、図3に示した厚鋼板製造用熱間圧延機を用いて本発明の(4)に記載の板圧延方法を適用した場合の実施例(ここでは“本発明2”と呼ぶことにする)、図9に示した圧延機を用いて本発明の(2)に従属する(11)に記載の板圧延方法を適用した場合の実施例(ここでは“本発明3”と呼ぶことにする)と、図11に示した圧延機を用いて本発明の(4)に従属する(11)に記載の板圧延方法を適用した場合の実施例(ここでは“本発明4”と呼ぶことにする)について説明する。被圧延材は幅2000mm、厚さ15mm、で同一の寸法の厚鋼板であり、圧下率は10%である。および圧延条件の圧延材について、
表1には、“本発明1” 及び“本発明2”として、補正した圧延方向力の差異に基づくキャンバー制御を、先端部および定常部に適用した場合のキャンバーの実測値を示す。なお、"本発明1"及び"本発明2"における圧延方向力の差異の補正は、圧延前に予めキスロール締め込みテストにより圧延方向力の差異と和との相関関係を求めておき、この相関関係と圧延中に求めた圧延方向力の和に基づいて行っている。
また、表1には、“本発明3”及び “本発明4”として、補正した圧延方向力の差異に基づくキャンバー制御を、先端部および定常部に適用した場合のキャンバーの実測値を示す。"本発明3"における圧延方向力の差異の補正は、圧延前に予めキスロール締め込みテストにより圧延方向力の差異と圧延荷重(垂直方向力)との相関関係を求めておき、この相関関係と圧延中に求めた圧延荷重(垂直方向力)に基づいて行っている。
"本発明2"及び"本発明4"は"本発明1"及び"本発明3"に対し、さらに、出側のキャンバーの測定値により、その相関関係の補正が加えられている。
さらに、表1には、従来法として、同一の寸法および圧延条件の圧延材について、上記のような補正をしていない圧延方向力の差異に基づきキャンバー制御を行った場合の先端部および定常部のキャンバーの実測値を合わせて示す。
表1に示す通り、“本発明1”、 “本発明2”、“本発明3”及び“本発明4”の1mあたりのキャンバー実測値は、いずれもほぼ同じレベルで、従来法に比べ先端部、定常部共に小さな値になっていることがわかる。
以上のように、本発明の圧延方法および圧延装置を用いることによって、従来に比べて高精度なキャンバー制御を実施することができるので、キャンバーのない、あるいは極めてキャンバーの軽微な圧延が実現できることが確認できた。なお、被圧延材を実施例では鋼板としたが、他の金属としても構わない。
Figure 0004903676
図17に示した圧延機を用いて、本発明の(10)に記載の板圧延方法を適用した場合の実施例について説明する。圧延機後面の出側キャンバー測定装置26の出力および圧延方向力の和に基づき学習した圧延方向力左右差の制御目標値を使用しキャンバー制御を実施した。制御目標値は、式(E)で示したように圧延方向力の和の一次の関数として定義し、学習ゲインγa、γbを0.1、0.3とした。学習の実施は圧延材毎とし、式(F)で示した式を用いて当該圧延材と前圧延材の2水準のデータに基づき制御目標値の係数a、bを圧延材毎に学習し、次圧延圧延材の予測圧延方向力の和と係数a、bに基づき次圧延材の制御目標値を算出し、圧延方向力左右差がこの学習した制御目標値になるようにレベリング制御を実施した。
表2には、本実施例における代表の圧延本数に対する圧延方向力左右差の制御目標値、係数a、bおよびキャンバーの実測値を示す。また、表2には比較例として、出側キャンバー測定装置26の出力のみに基づく従来の学習を行った場合の圧延方向力左右差の制御目標値およびキャンバーの実測値も一緒に示す。表2に示す通り、1mあたりのキャンバー実測値は、本実施例の場合、いずれの代表圧延本数においても、0.15mm/m以下と比較的小さな値に抑えられていることがわかる。従来法の場合、圧延材600本目でキャンバー実績値が大きくなっていることがわかる。本発明の場合、圧延方向力の和の係数であるaの値が変化していることから、作業ロールチョックの傾きが組み込み時から変化していることが考えられる。この影響は圧延方向力の和の大きさによって変化するので、従来法のように圧延方向力の和の影響を考慮していない偏差のみを学習している方法で、これらの誤差要因を排除できないので、本発明の方法に比べキャンバー実績は大きくなったと考えられる。
以上のように、本発明の板圧延方法のように圧延後のキャンバーの実績値および圧延方向力の和に基づき圧延方向力左右差の制御目標値を学習し、この学習した圧延方向力左右差の制御目標値を次パスの圧延に設定することで、圧延方向力左右差のずれを修正し、キャンバー発生の直接原因となる圧延による伸び歪の左右差の正確な検出ができ、これを均一化するための圧下レベリング操作を実施することにより、圧延本数に依存せず定常的に極めてキャンバーの軽微な圧延が実現可能となることが確認できた。
Figure 0004903676
(1)乃至(3)に記載の本発明の圧延方法を実現する圧延装置(12)に記載の本発明の圧延装置の好ましい実施の形態(第1の実施形態)を模式的に示す図である。 (1)乃至(3)または(6)に記載の本発明の圧延方法を実現する圧延装置(12)または(15)に記載の本発明の圧延装置の好ましい実施の形態(第2の実施形態)を模式的に示す図である。 (4)に記載の本発明の圧延方法を実現する圧延装置(13)に記載の本発明の圧延装置の好ましい実施の形態(第3の実施形態)を模式的に示す図である。 (5)に記載の本発明の圧延方法を実現する圧延装置(14)に記載の本発明の圧延装置の好ましい実施の形態(第4の実施形態)を模式的に示す図である。 キスロール締め込みテストを行った時の圧延方向力の差異と圧延方向力の和の関係を異なる作業ロールチョック毎に示した図である。 キャンバー制御を実施していない時に採取した圧延方向力の差異と圧延方向力の関係をキャンバー実績がある基準値より小さいものを抽出して示した図である。 キャンバー制御を実施している時に採取したキャンバーの実績値と圧延方向力の差異の関係をキャンバー実績がある基準値より大きいものを抽出して示した図である。 キャンバー実績値より換算したキャンバー起因以外の圧延方向力の差異と圧延方向力の和との関係を示した図である。 (11)に記載の本発明の圧延方法を実現する圧延装置(17)に記載の本発明の圧延装置の好ましい実施(第5の実施形態)の形態を模式的に示す図である。 (6)に従属する(11)に記載の本発明の圧延方法を実現する圧延装置(15)に従属する(17)に記載の本発明の圧延装置の好ましい実施の形態(第6の実施形態)を模式的に示す図である。 (4)に従属する(11)に記載の本発明の圧延方法を実現する圧延装置(13)に従属する(17)に記載の本発明の圧延装置の好ましい実施の形態(第7の実施形態)を模式的に示す図である。 (5)に従属する(17)に記載の本発明の圧延方法を実現する圧延装置(14)に従属する(17)に記載の本発明の圧延装置の好ましい実施の形態(第8の実施形態)を模式的に示す図である。 キスロール締め込みテストを行った時の圧延方向力左右差と垂直方向力(圧延荷重)の関係を異なる作業ロールチョック毎に示した図である。 キャンバー制御を実施していない時に採取した圧延方向力左右差と垂直方向力(圧延荷重)の関係をキャンバー実績がある基準値より小さいものを抽出して示した図である。 キャンバー制御を実施している時に採取したキャンバーの実績値と圧延方向力左右差の関係をキャンバー実績がある基準値より大きいものを抽出して示した図である。 キャンバー実績値より換算したキャンバー起因以外の圧延方向力左右差と垂直方向力(圧延荷重)との相関を示した図である。 (7)に従属する(8)に記載の本発明の圧延方法を実現する圧延装置(13)に従属する(16)に記載の本発明の圧延装置の好ましい実施の形態(第9の実施形態)を模式的に示す図である。 (6)、(7)及び(9)に従属する(11)に記載の本発明の圧延方法を実現する圧延装置(14)、(15)及び(16)に従属する(17)に記載の本発明の圧延装置の好ましい実施の形態(第10の実施形態)を模式的に示す図である。 (6)、(7)及び(8)に従属する(11)に記載の本発明の圧延方法を実現する圧延装置(13)、(15)及び(16)に従属する(17)に記載の本発明の圧延装置の好ましい実施の形態(第11の実施形態)を模式的に示す図である。 キャンバー制御を実施した後のキャンバーの実績値と圧延方向力左右差の関係を示す図である。 キャンバー実績値より換算したキャンバー起因以外の圧延方向力左右差と圧延方向力の和との関係を示した図である。
符号の説明
1 上作業ロール
2 下作業ロール
3 上補強ロール
4 下補強ロール
5 上作業ロールチョック(作業側)
6 下作業ロールチョック(作業側)
7 上補強ロールチョック(作業側)
8 下補強ロールチョック(作業側)
9 上作業ロール出側荷重検出装置(作業側)
10 上作業ロール入側荷重検出装置(作業側)
11 下作業ロール出側荷重検出装置(作業側)
12 下作業ロール入側荷重検出装置(作業側)
13 圧下装置
14 上作業ロール圧延方向力演算装置(作業側)
15 下作業ロール圧延方向力演算装置(作業側)
16 作業ロール圧延方向合力演算装置[加算器](作業側)
17 作業ロール圧延方向合力(駆動側)
18 作業側−駆動側圧延方向力差演算装置[減算器](作業側)
19 作業側−駆動側圧延方向力和演算装置[加算器](作業側)
20 圧延方向力差−圧延方向力和の関係演算記憶装置
21 圧延方向力差補正値演算装置(制御目標値演算装置)
22 圧下レベリング制御量演算装置
23 圧下レベリング制御装置
24 金属板材
25 圧延方向
26 出側キャンバー測定装置
27 出側板厚ウェッジ測定装置
28 作業側−駆動側圧延荷重和演算装置[加算器]
29 圧延荷重(垂直方向力)検出装置(作業側)
30 上作業ロール圧延方向力(駆動側)
31 圧延荷重(駆動側)

Claims (17)

  1. 少なくとも作業ロールと補強ロールとを有する金属板材の圧延機を用いて行う金属板材の圧延方法において、前記作業ロールの作業側と駆動側のロールチョックに作用する圧延方向の力を測定し、該圧延方向力の作業側と駆動側との差異(以下、圧延方向力の差異ともいう)および該圧延方向力の作業側と駆動側との和(以下、圧延方向力の和ともいう)を演算し、該圧延方向力の和と、圧延方向力の差異と圧延方向力の和との関係に基づき該圧延方向力の差異を補正し、この補正した圧延方向力の差異が制御目標値になるように前記圧延機のロール開度の左右非対称成分を制御することを特徴とする、金属板材の圧延方法。
  2. 前記圧延方向力の差異と前記圧延方向力の和との関係を、予め求めておくことを特徴とする請求項1に記載の金属板材の圧延方法。
  3. 前記圧延方向力の差異と圧延方向力の和との関係を、圧延前のキスロール締め込み時に採取した少なくとも2水準以上の圧延方向力の作業側と駆動側の測定値より求めた該圧延方向力の差異および該圧延方向力の和に基づき、求めることを特徴とする、請求項2に記載の金属板材の圧延方法。
  4. 前記圧延方向力の差異と圧延方向力の和との関係を、圧延中に採取した少なくとも2水準以上の圧延方向力の作業側と駆動側の測定値より求めた該圧延方向力の差異および該圧延方向力の和と、被圧延材の入側と出側の双方または出側のキャンバーの測定値に基づき、求めることを特徴とする、請求項2に記載の金属板材の圧延方法。
  5. 前記圧延方向力の差異と圧延方向力の和との関係を、圧延中に採取した少なくとも2水準以上の圧延方向力の作業側と駆動側の測定値より求めた該圧延方向力の差異および該圧延方向力の和と、被圧延材の入側と出側の双方または出側の板厚ウェッジの測定値に基づき、求めることを特徴とする、請求項2に記載の金属板材の圧延方法。
  6. 前記補強ロールを基準として作業ロールを圧延入側または圧延出側にオフセットさせることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の金属板材の圧延方法。
  7. 前記圧延方向力の和の演算値に基づいて前記圧延方向力の差異の制御目標値を学習することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の金属板材の圧延方法。
  8. 前記圧延方向力の差異と圧延方向力の和との関係を、圧延中に採取した少なくとも2水準以上の圧延方向力の作業側と駆動側の測定値より求めた該圧延方向力の差異および該圧延方向力の和と、被圧延材の入側と出側の双方または出側のキャンバーの測定値に基づき、学習することを特徴とする、請求項7に記載の金属板材の圧延方法。
  9. 前記圧延方向力の差異と圧延方向力の和との関係を、圧延中に採取した少なくとも2水準以上の圧延方向力の作業側と駆動側の測定値より求めた該圧延方向力の差異および該圧延方向力の和と、被圧延材の入側と出側の双方または出側の板厚ウェッジの測定値に基づき、学習することを特徴とする、請求項7に記載の金属板材の圧延方法。
  10. 前記制御目標値は、該圧延方向力の和の一次以上の関数とすることを特徴する、請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載の金属板材の圧延方法。
  11. 前記圧延方向力の和に代わって、圧延荷重(以下、垂直方向力ともいう)の測定値もしくは演算値、オフセット量の設定値もしくは測定値、および、上下作業ロールの周速度差の設定値もしくは測定値のいずれかまたは2つ以上から換算される値を用いて、圧延方向力の差異の補正値を演算することを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の金属板材の圧延方法。
  12. 少なくとも作業ロールと補強ロールとを有する金属板材の圧延機を含む圧延装置において、該作業ロールの作業側と駆動側のロールチョックに作用する圧延方向の力を測定する該作業ロールチョックの圧延方向入側と出側の双方またはどちらか一方に設けられた荷重検出装置と、
    該荷重検出装置による測定値に基づいて該作業ロールチョックに作用する圧延方向力の作業側と駆動側の差異を演算する演算装置と、
    該圧延方向力の作業側と駆動側の和を演算する演算装置と、
    該圧延方向力の差異および圧延方向力の和との関係を演算および記憶する演算記憶装置と、
    該圧延方向力の差異および圧延方向力の和との関係と該圧延方向力の和の演算値に基づき該圧延方向力の差異の演算値を補正する演算装置と、
    この補正した圧延方向力の差異の演算値が制御目標値になるように前記圧延機のロール開度の左右非対称成分制御量を演算する演算装置と、
    該ロール開度の左右非対称成分制御量の演算値に基づいて前記圧延機のロール開度を制御する制御装置、
    を有することを特徴とする金属板材の圧延装置。
  13. 被圧延材の入側と出側の双方または出側のキャンバーを測定するキャンバー測定装置を備えたことを特徴とする、請求項12に記載の金属板材の圧延装置。
  14. 被圧延材の入側と出側の双方または出側の板厚ウェッジを測定する板厚ウェッジ測定装置を備えたことを特徴とする、請求項12に記載の金属板材の圧延装置。
  15. 前記補強ロールを基準として作業ロールが圧延入側または圧延出側にオフセットしていることを特徴とする、請求項12乃至請求項14のいずれか一項に記載の金属板材の圧延装置。
  16. 前記圧延方向力の和の演算値に基づいて前記圧延方向力の差異の制御目標値を学習する演算装置を有することを特徴とする、請求項12乃至請求項15のいずれか一項に記載の金属板材の圧延装置。
  17. 前記圧延方向力の和に代わって、圧延荷重(以下、垂直方向力ともいう)の測定値もしくは演算値、オフセット量の設定値もしくは測定値、および、上下作業ロールの周速度差の設定値もしくは測定値のいずれかまたは2つ以上を検出し、これらのいずれかまたは2つ以上から換算される値を用いて、圧延方向力の差異の補正値を演算する演算装置を有することを特徴とする請求項12乃至請求項16のいずれか一項に記載の金属板材の圧延装置。
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