JP4267609B2 - 金属板材の圧延方法および圧延装置 - Google Patents

金属板材の圧延方法および圧延装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4267609B2
JP4267609B2 JP2005266226A JP2005266226A JP4267609B2 JP 4267609 B2 JP4267609 B2 JP 4267609B2 JP 2005266226 A JP2005266226 A JP 2005266226A JP 2005266226 A JP2005266226 A JP 2005266226A JP 4267609 B2 JP4267609 B2 JP 4267609B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rolling
difference
plate thickness
rolling direction
work
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005266226A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006110627A (ja
Inventor
篤 石井
茂 小川
康宏 東田
貴史 久恒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2005266226A priority Critical patent/JP4267609B2/ja
Publication of JP2006110627A publication Critical patent/JP2006110627A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4267609B2 publication Critical patent/JP4267609B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Metal Rolling (AREA)

Description

本発明は、金属板材の圧延方法および圧延装置に関し、特に、キャンバーのない、あるいは極めてキャンバーの軽微な金属板材を安定して製造することのできる、金属板材の圧延方法および圧延装置に関する。
金属板材の圧延工程において、圧延板材をキャンバーすなわち左右曲がりのない状態で圧延することは、圧延材の平面形状不良や寸法精度不良を回避するだけでなく、蛇行や尻絞りといった通板トラブルを回避するためにも重要である。尚、本発明では、表記を簡単にするために、圧延方向を正面とした場合の左右である圧延機の作業側および駆動側のことを左右と称することにする。
このような問題に対し、特許文献1では、圧延機の入側および出側において圧延材の幅方向位置を測定する装置を配備し、この測定値から圧延材のキャンバーを演算し、これを修正するように圧延機入側に配備したエッジャーロールの位置を調整するキャンバー制御技術が開示されている。
また、特許文献2には、圧延機入側および出側に配備されたエッジャーロールの荷重の左右差に基づいて、該圧延機のロール開度の左右差すなわち圧下レベリングを制御するキャンバー制御技術が開示されている。
また、特許文献3には、圧延荷重の左右差の実測値を分析して、ロール開度の左右差すなわち圧下レベリングを制御するか、またはサイドガイドの位置を制御するキャンバー制御技術が開示されている。
また、特許文献4には、入側のエッジャーロールとサイドガイド、そして出側サイドガイドで圧延材を拘束してキャンバー制御する方法が開示されている。
特開平4−305304号公報 特開平7−214131号公報 特開2001−105013号公報 特開平8−323411号公報
しかしながら、上記の特許文献1に記載された、圧延材の幅方向位置測定によるキャンバー制御技術に関する発明では、既に発生したキャンバーを修正することが基本となっており、キャンバーの発生を未然に防止することは実質的に不可能である。
特許文献2記載の、圧延機入出側のエッジャーロール荷重左右差に基づくキャンバー制御技術に関する発明では、入側の圧延材に既にキャンバーが存在する場合、これが入側のエッジャーロール荷重差の外乱になって高い制御精度を得ることが困難になる。また、出側のエッジャーロールは圧延材先端がエッジャーロールに衝突することを避けるため圧延材先端通板時は退避しておく必要があり、圧延材先端からキャンバー制御を実施することも困難である。
また、特許文献3に記載の、圧延荷重左右差によるキャンバー制御に関する発明では、圧延材の入側板厚が板幅方向に不均一であったり、圧延材の温度分布が板幅方向に不均一な場合は、圧延荷重の左右差からキャンバーを推定する方法は極めて精度が悪くなり実用的ではない。
特許文献4に記載の、入側エッジャーロール、入側サイドガイドおよび出側サイドガイドによるキャンバー制御に関する発明では、出側サイドガイドが出側圧延材を完全に拘束することができれば出側キャンバーを零とすることが可能となるが、圧延操業を円滑に実施するには出側サイドガイドを圧延材板幅より広げておく必要があり、この余裕代の分だけ圧延材にキャンバーを生じることになる。
上記したような従来技術の問題は、結局、種々の原因によって発生するキャンバーを高精度かつ時間遅れなく測定、制御する方法がないことに起因していると言える。
上記技術の問題点を解決できる可能性のある技術として、作業ロールの作業側と駆動側のロールチョックに作用する圧延方向の力を測定して、作業側の圧延方向力と駆動側の圧延方向力との差異すなわち圧延方向力左右差を演算し、この圧延方向力左右差を小さくする方向に、当該圧延機のロール開度の左右非対称成分すなわち圧下レベリングを操作することで、キャンバーの発生を未然に防止する圧延方法が考えられる。
しかしながら、上記方法では、ロールの摩耗等が起因でロール径の左右差あるいは摩擦係数の左右差等が生じた場合、これによって圧延方向力左右差がシフトする可能性があるため、圧延方向力左右差を小さくする方向に圧下レベリングを操作してもキャンバーの発生を防止することができなくなるといった懸念があった。
そこで、本発明は、以上のキャンバー制御に関する従来技術の問題点を有利に解決して、圧延本数に依存せず定常的にキャンバーのない、あるいは極めてキャンバーの軽微な金属板材を安定して製造することのできる、金属板材の圧延方法および圧延装置を提供することを目的とするものである。
発明者らは、鋭意研究の末に、以下のような知見を得た。
一般に、圧延によってキャンバーを生ずる原因としては、ロールギャップ設定不良、圧延材の入側板厚左右差あるいは変形抵抗左右差等があげられるが、何れの原因の場合でも、最終的には、圧延によって生じる圧延方向の伸び歪に左右差を生じることで先進率および後進率が板幅方向に変化し、圧延材の出側速度および入側速度に左右差を生じキャンバーを生じることになる。このとき、例えば、圧延材先端部圧延時は、既に圧延が終了した出側の圧延材長さは短いので出側速度に左右差を生じることは比較的自由であるが、入側速度に左右差を生じるためには入側に存在する圧延材全体を水平面内で剛体回転させる必要がある。しかしながら先端部圧延時は一般に入側に長い未圧延材が残っているので、圧延材自身の重量とテーブルローラーとの摩擦によって、上記剛体回転に抗するモーメントが発生する。このモーメントは、圧延機の作業ロールに反力として伝わることになるので、作業ロールチョック部に作用する圧延方向力に左右差を生じることで最終的には支持されることになる。
上記のような先端部圧延時の主として入側圧延材から作用するモーメントは、作業ロールの作業側と駆動側のロールチョックに作用する圧延方向の力を測定して、作業側の圧延方向力と駆動側の圧延方向力との差異すなわち圧延方向力左右差を演算することで検知できる。このモーメントは、上記したようにキャンバー発生の原因となる伸び歪の左右差が生じたときにのみ発生し、しかも伸び歪差の発生とほぼ同時に該モーメントも発生するので、上記圧延方向力左右差を小さくする方向に、当該圧延機のロール開度の左右非対称成分すなわち圧下レベリングを操作することで、キャンバーの発生を未然に防止することが可能となる。
上記の原理は、圧延材尾端部圧延時も同様であり、尾端部圧延時は、既に圧延が終了した出側の圧延材長さが長いので、伸び歪そして先進率の左右差を生じようとしたときに主として出側圧延材からこれに抗するモーメントが発生し、これが作業ロールに反力として伝達されるので、この場合も作業ロールチョックに作用する圧延方向力の左右差を測定・演算することで伸び歪の左右差の発生を検知することができ、該圧延方向力左右差を小さくする方向に当該圧延機のロール開度の左右非対称成分すなわち圧下レベリングを操作することで、尾端部におけるキャンバーの発生も未然に防止することが可能となる。
以上のような原理に基づき、作業ロールの作業側と駆動側のロールチョックに作用する圧延方向の力を測定して、作業側の圧延方向力と駆動側の圧延方向力との差異すなわち圧延方向力左右差を演算し、この圧延方向力左右差を小さくする方向に、当該圧延機の圧下レベリングを操作する圧延方法が考えられる。
また、さらに研究を進めると、上記方法では、ロールの摩耗等が起因でロール径の左右差あるいは摩擦係数の左右差等が生じた場合、これによって圧延方向力左右差がシフトする可能性があるため、圧延方向力左右差を小さくする方向に圧下レベリングを操作してもキャンバーの発生を防止することができなくなるといった懸念があることがわかった。
上記ような従来技術の問題点を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)少なくとも作業ロールと補強ロールとを有する金属板材の圧延機を用いて行う金属板材の圧延方法において、該作業ロールの作業側と駆動側のロールチョックに作用する圧延方向の力を測定し、該圧延方向力の作業側と駆動側との差分(以下、差異という。)を演算し、この圧延方向力の差異が制御目標値になるように前記圧延機のロール開度の左右非対称成分を制御し、さらに被圧延材の作業側および駆動側の出側板厚を測定し、該出側板厚の作業側と駆動側との差異(以下、「出側板厚の作業側と駆動側との差異」は「出側板厚ウェッジともいう。)を演算し、この出側板厚ウェッジに基づいて、前記圧延方向力の差異の制御目標値を学習することを特徴とする、金属板材の圧延方法。
(2)さらに、被圧延材の作業側と駆動側の入側板厚を測定し、前記出側板厚ウェッジの演算に代えて、被圧延材の作業側および駆動側の入側板厚および出側板厚の測定値より板厚ウェッジ比率変化を演算し、前記出側板厚ウェッジに代えて、前記板厚ウェッジ比率変化を用い、この板厚ウェッジ比率変化に基づいて前記圧延方向力の差異の制御目標値を学習することを特徴とする、前記(1)に記載の金属板材の圧延方法。
(3)少なくとも作業ロールと補強ロールとを有する金属板材の圧延機を含む圧延装置において、前記作業ロールの作業側および駆動側のロールチョックに作用する圧延方向の力を測定する前記作業ロールチョックの圧延方向入側と出側の双方に備えた荷重検出装置と、該荷重検出装置による測定値に基づいて前記作業ロールチョックに作用する圧延方向力の差異を演算する演算装置と、前記圧延方向力の差異の演算値に基づいて前記圧延機のロール開度の左右非対称成分制御量を演算する演算装置と、前記ロール開度の左右非対称成分制御量の演算値に基づいて前記圧延機の前記ロール開度を制御する制御装置と、被圧延材の作業側と駆動側の出側板厚を測定する板厚測定装置と、該板厚測定装置による測定値に基づいて出側板厚ウェッジを演算する演算装置と、前記出側板厚ウェッジに基づいて前記圧延方向力の差異の制御目標値を学習する演算装置を有することを特徴とする、金属板材の圧延装置。
(4)被圧延材の作業側と駆動側の入側板厚を測定する板厚測定装置を有し、被圧延材の作業側および駆動側の入側板厚および出側板厚の測定値に基づいて板厚ウェッジ比率変化を演算する演算装置を有し、前記出側板厚ウェッジに代えて、前記板厚ウェッジ比率変化を用い、この板厚ウェッジ比率変化の演算値に基づいて前記圧延方向力の差異の制御目標値を学習する演算装置を有することを特徴とする、前記(3)に記載の金属板材の圧延装置。
ここで、作業側と駆動側との板厚の差異、すなわち板厚ウェッジ、および板厚ウェッジ比率変化の定義について説明する。
作業側と駆動側との板厚の差異すなわち板厚ウェッジhdf defは、次式で表せる。
Figure 0004267609
ここで、hWS defが作業側の板厚、hDS defが駆動側の板厚である。
また、板厚ウェッジ比率変化ΔΨは、次式で表せる。
Figure 0004267609
ここで、Hdfが入側の板厚ウェッジ、hdf が出側の板厚ウェッジ、Hが入側の板厚、hが出側の板厚である。尚、入出側の板厚H、hは、作業側および駆動側の板厚の平均値として算出しても良い。
圧延方向力の差異は特に断らないかぎり、作業側と駆動側との差異とする。
(1)に記載の本発明の金属板材の圧延方法では、上記のような問題を解消するために、作業ロールの作業側と駆動側のロールチョックに作用する圧延方向の力を測定し、該圧延方向力の作業側と駆動側との差異を演算し、この差異すなわち圧延方向力左右差に基づいて、圧下レベリング制御を実施する際に、圧延方向力左右差の制御目標値を設定し、この制御目標値になるように圧下レベリング制御を実施する。そして、この制御目標値は、通常零とするが、圧延後または圧延中の被圧延材の作業側と駆動側の出側板厚を測定し、該板厚の作業側と駆動側との差異を演算し、この差異すなわち板厚ウェッジに基づいて、該制御目標値を学習する圧延方法を提案している。
このように圧延後の板厚の差異に基づき、制御目標値を修正すなわち学習し、この学習した制御目標値を当該パス、次パスまたは次材の圧延に設定することで、ロールの摩耗等が起因で生じる圧延方向力左右差のずれを修正し、キャンバー発生の直接原因となる圧延による伸び歪の左右差の正確な検出・測定ができ、これを均一化するための圧下レベリング操作を実施することにより、実質的にキャンバー発生のない、あるいは極めてキャンバーの軽微な圧延が実現可能となる。
(2)に記載の本発明の金属板材の圧延方法では、(1)記載の金属板材の圧延方法において、被圧延材の作業側および駆動側の入側板厚を測定し、被圧延材の出側板厚の作業側と駆動側との差異の演算に代えて、被圧延材の作業側および駆動側の入側板厚および出側板厚の測定値より板厚ウェッジ比率変化を演算し、出側板厚の作業側と駆動側との差異に代えて、この板厚ウェッジ比率変化に基づいて圧延方向力の作業側と駆動側との差異の制御目標値を学習する圧延方法を提案している。
この圧延方法では、(1)記載の方法に比べ、制御目標値の学習に圧延前後の作業側および駆動側の板厚の測定が必要となるが、入出側の板厚ウェッジの情報と入出側の板厚の情報が得られるので、当該圧延で発生する圧延方向力左右差と板厚ウェッジの板厚に対する比率の圧延前後の変化、すなわち、板厚ウェッジ比率変化との関係がわかるので、より高精度な制御目標値の学習を行うことができる。
次に、(1)に記載の本発明の金属板材の圧延方法を実施するための圧延装置に関する本発明について説明する。
(3)に記載の本発明の金属板材の圧延装置では、以下の機能を有する。
1)作業ロールの作業側と駆動側のロールチョックの圧延方向入側と出側の双 方に荷重検出装置が備えられているので、入・出側双方の荷重測定値の方向性 を考慮して合力を演算することで、入・出側何れの方向に力が作用していても 作業側および駆動側それぞれのロールチョックに作用する圧延方向力を求める ことができる。
2)作業ロールチョックに作用する圧延方向力の作業側と駆動側の差異を演算 する演算装置を備えられているので、作業側ロールチョックに作用する圧延方 向力と駆動側ロールチョックに作用する圧延方向力の差異すなわち圧延方向力 左右差を演算することができる。
3)圧延方向力左右差を求めることによって、キャンバーの原因となる圧延方 向の伸び歪の左右差に起因して圧延材より作業ロールに作用するモーメントを 検出することができる。
4)被圧延材の作業側および駆動側の板厚測定装置が備えられているので 、被圧延材の作業側および駆動側の出側板厚板厚を測定することができ、 これらの測定値の差異を演算する演算装置を備えられているので、被圧延材の 板厚の作業側と駆動側との差異すなわち板厚ウェッジを求めることが できる。
5)圧延方向力左右差の制御目標値を学習する演算装置を備えられているので 、ロール摩耗等が起因で該作業ロールチョックに作用する圧延方向力の差異が シフトした場合においても、このシフトした量を被圧延材の板厚の作業側と駆 動側との差異すなわち板厚ウェッジに基づく学習で修正することできるの で、適切な制御目標値を演算することができる。
6)圧延方向力左右差および該制御目標値に基づいて伸び歪を左右均等化するための圧延機のロール開度の左右非対称成分制御量を演算する演算装置と、該ロール開度の左右非対称成分制御量の演算値に基づいて該圧延機のロール開度を制御する制御装置が配備されているので、圧延方向力左右差に基づくキャンバー制御が実施できる。
結局、以上の機能によって、(1)に記載の金属板材の圧延方法を実施することが可能となり、伸び歪の左右差の発生を未然に防ぎ、キャンバーのない、あるいは極めてキャンバーの軽微な金属板材を圧延することが可能となる。
また、(4)に記載の本発明の金属板材の圧延装置では、(3)に記載の本発明の金属板材の圧延装置において、被圧延材の作業側と駆動側の出側板厚を測定する板厚測定装置に代えて、被圧延材の作業側とおよび駆動側の入側板厚および出側板厚を測定する板厚測定装置と、被圧延材の出側板厚の板厚ウェッジを演算する演算装置に代えて、被圧延材の作業側と駆動側の入側板厚および出側板厚の測定値に基づいて板厚ウェッジ比率変化を演算する演算装置を備えているので板厚ウェッジ比率変化を求めることができ、被圧延材の板厚ウェッジの演算値に基づいて圧延方向力左右差の制御目標値を学習する演算装置に代えて、板厚ウェッジ比率変化の演算値に基づいて制御目標値を学習する演算装置が備えられているので、圧延方向力左右差の制御目標値を板厚ウェッジ比率変化に基づく学習で修正することできる。したがって、以上の機能によって、(2)に記載の金属板材の圧延方法を実施することが可能となり、より高精度な制御目標値の学習の実施、さらにより高精度なキャンバー制御の実施が可能となる。
以上のように、本発明の圧延方法および圧延装置を用いることによって、圧延本数に依存せず定常的にキャンバーのない、あるいは極めてキャンバーの軽微な金属板材を安定して製造することが可能となり、金属板材の圧延工程の生産性および歩留の大幅な向上が実現できる。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。
図1には、(1)に記載の本発明の圧延方法を実現する圧延装置または(3)に記載の本発明の圧延装置の好ましい実施の形態を示す。尚、図1は基本的に作業側の装置構成のみを図示しているが、駆動側にも同様の装置が存在する。圧延機の上作業ロール1に作用する圧延方向力は基本的には上作業ロールチョック5によって支持されるが、上作業ロールチョックには上作業ロールチョック出側荷重検出装置9と上作業ロール入側荷重検出装置10が配備されており、上作業ロールチョックを圧延方向に固定しているプロジェクトブロック(図示せず)等の部材と上作業ロールチョックの間に作用する力を測定することができる。これらの荷重検出装置は通常は圧縮力を測定する構造とするのが装置構成を簡単にするため好ましい。上作業ロール圧延方向力演算装置14では、上作業ロール出側荷重検出装置9と上作業ロール入側荷重検出装置10による測定結果の差異を計算することによって、上作業ロールチョック5に作用する圧延方向力を算出する。さらに下作業ロール2に作用する圧延方向力についても、下作業ロールチョック6の出側および入側に配備された下作業ロール出側荷重検出装置11および下作業ロール入側荷重検出装置12の測定値に基づき下作業ロール圧延方向力演算装置15によって、下作業ロールチョック6に作用する圧延方向力を演算する。次に下作業ロール圧延方向合力演算装置16において、上作業ロール圧延方向力演算装置14の演算結果と下作業ロール圧延方向力演算装置15の演算結果の和をとることによって、上下作業ロールに作用する圧延方向合力を算出する。上記のような手続きは作業側のみならず駆動側も全く同じ装置構成で演算を実施し、その結果が駆動側の作業ロール圧延方向合力17として得られる。そして作業側−駆動側圧延方向力差演算装置18によって作業側の演算結果と駆動側の演算結果との差異が計算され、これによって作業ロールチョックに作用する圧延方向力の作業側と駆動側の差異すなわち圧延方向力左右差が計算されることになる。
次に、制御目標値演算装置24においては、圧延方向力左右差の制御目標値が演算されるが、この演算方法について説明する。 通常、圧延方向力左右差の制御目標値は零であり、圧延方向力左右差がこの制御目標値になるように圧延機のロール開度の左右非対称成分を制御することで、キャンバー発生を防止することができる。しかしながら、ロールの摩耗等が起因でロール径の左右差あるいは摩擦係数の左右差等が生じた場合、これによって圧延方向力左右差がシフトする可能性があり、この場合、制御目標値は零でなく、適切な値に変更する必要がある。
一般に、板厚ウェッジ比率変化ΔΨとキャンバー曲率変化Δκは、一対一に対応する量であり、例えば、昭和55年度塑性加工春季講演大会(1980) に発表されている論文pp。61〜64「ホットストリップ圧延における蛇行制御方法の研究(第1報)」(中島、菊間、松本、梶尾、木村、田川著)に記載されているように次式で表せる。
Figure 0004267609
ここで、λは延伸、bは板幅、αは圧延材の入出側の拘束条件によって決まる定数である。
以上のように、板厚ウェッジ比率変化は、キャンバー曲率変化Δκと一対一に対応する量であるので、入側の材料の板厚ウェッジおよびキャンバーの影響が無視できる場合、当該圧延時に発生するキャンバーを制御することは、板厚ウェッジを制御することとほぼ等価であると考えて良い。つまり、キャンバー計を有していない設備でも、板厚の作業側と駆動側の差異、すなわち板厚ウェッジが測定できれば、キャンバーを測定したのと等価であるので、圧延方向力左右差の制御目標値の学習をすることができる。
図4は、圧延方向力左右差と板厚ウェッジの関係を示した図である。
図4に示すように圧延方向力左右差と板厚ウェッジの関係直線Aは、ロールの摩耗等が起因で関係直線Bのようにシフトした場合、板厚ウェッジすなわちキャンバー曲率を零にするためには、制御目標値A'(最初は0)を制御目標値B'に変更する必要がある。また、このような圧延方向力左右差と板厚ウェッジの関係直線のシフトおよび制御目標値の変更は、圧延中または圧延後の板厚ウェッジを測定することで容易に判断することができる。
したがって、図4に示すように制御目標値A'になるように制御を実施した結果、板厚ウェッジが零ではなく、板厚ウェッジの実績値Cであったとするならば、圧延方向力左右差と板厚ウェッジの関係は、直線Bのようにシフトしていると考えられるので、当該パス、次パスまたは次材の圧延で制御目標値をB'に変更すれば良い。また、このロール摩耗起因の圧延方向力左右差のずれは、圧延本数が増加するに従って変化していく可能性があるので、制御目標値も常に学習し変更していく必要がある。尚、図中のδA、δBは、圧延方向力左右差と板厚ウェッジの関係直線A、Bの傾きであり、圧延機の寸法、圧延条件および圧延材の変形抵抗等によって決まる定数である。ロール摩耗起因等でこれらの傾きが変化するような場合は、予備実験等によって予め同定しておく必要がある。ただし、圧延条件および圧延材質によって変化することはあるものの条件を揃えば、一次近似的にδA、δB はほぼ等しくδA=δB(=δ)としても良い。しかし、圧延条件によって経時的に変化することがあるので、定期的にδA、δBの値を測定しても良い。
そこで本発明では、次のような方法によって、圧延方向力左右差の制御目標値の学習を行う。図1に示すように、圧延機の後面には板厚測定装置23が備えられていて、圧延中または圧延後の被圧延材の作業側および駆動側の出側板厚が測定され、これらの測定値に基づいて該板厚の作業側と駆動側の差異すなわち板厚ウェッジを作業側−駆動側板厚差演算装置25によって演算し、この板厚ウェッジは、制御目標値演算装置24に送られる。この時、出側板厚を作業側および駆動側で測定された板厚の平均値を求め、板厚ウェッジを板厚で割った板厚ウェッジ比率の値で、制御目標値演算装置24に送っても良い。制御目標値演算装置24では、該板厚の作業側と駆動側の差異すなわち板厚ウェッジまたは板厚ウェッジ比率に基づき、当該パス、次パスまたは次材の圧延での制御目標値が演算される。この制御目標値は、圧延本数が増加するに従って学習し変更していく必要があるので、例えば、下記式(4)を用いてパス毎または圧延材本数毎に学習すれば良い。
Figure 0004267609
ただし、C(n)はnパス目または圧延材n本目の制御目標値、 Cr (n)はnパス目または圧延材n本目の板厚ウェッジの実績値に基づき修正された制御目標値、γは学習ゲイン(0〜1.0)である。
以上のように演算した該制御目標値と該圧延方向力の作業側と駆動側の差異の演算結果に基づいて、圧下レベリング制御量演算装置19において、キャンバーを防止するための圧延機のロール開度の左右非対称成分制御量を演算する。尚、圧延初回の板厚ウェッジが実測されていない段階では、制御目標値は、例えばキスロール締め込み時に発生している圧延方向力左右差の値または零を設定すれば良い。また、ここでは前記圧延方向力の左右差および式(4)より求めた制御目標値に対して、例えば、比例(P)ゲイン、積分(I)ゲイン、微分(D)ゲインを考慮したPID演算によってロール開度の左右非対称成分制御量を演算する。そしてこの制御量演算結果に基づいて、圧下レベリング制御装置20によって圧延機のロール開度の左右非対称成分を制御することでキャンバー発生のない、あるいは極めてキャンバーの軽微な圧延が実現できる。尚、当該パスにおいて、制御目標値を変更する場合は、作業側と駆動側の板厚の差異すなわち板厚ウェッジが実測された段階で圧延中にダイナミックに制御目標値を変更すれば良い。
図2には、(2)に記載の本発明の圧延方法に関する圧延装置または(4)に記載の本発明の圧延装置の好ましい実施の形態を示す。図2の実施形態では、図1の実施形態に比べて、圧延機の前面に板厚測定装置26が備えられ、作業側−駆動側板厚差演算装置25に代えて板厚ウェッジ比率変化演算装置27が備えられていて、(2)に記載の本発明の圧延方法が実施できる。
(2)に記載の本発明の圧延方法では、以下のようにして、圧延方向力左右差の制御目標値の学習を行う。図2に示す後面の板厚測定装置23、前面の板厚測定装置26より、圧延中または圧延後の被圧延材の作業側および駆動側の入側板厚および出側板厚が測定される。これらの測定値に基づいて、板厚ウェッジ比率変化を板厚ウェッジ比率変化演算装置27によって演算し、この板厚ウェッジ比率変化は、制御目標値演算装置24に送られる。この時、板厚ウェッジ比率変化の演算は、入出側それぞれの板厚を作業側および駆動側で測定された板厚の平均値を求め、板厚ウェッジを板厚で割った板厚ウェッジ比率を求め、出側板厚ウェッジ比率から入側板厚ウェッジ比率を引くことで板厚ウェッジ比率変化を演算することができる。また、板厚ウェッジ比率変化の代わりに、出側板厚ウェッジから入側板厚ウェッジを引いた板厚ウェッジ変化を用いても良い。制御目標値演算装置24では、板厚ウェッジ比率変化に基づき、当該パス、次パスまたは次材の圧延での制御目標値が演算される。この制御目標値は、圧延本数が増加するに従って学習し変更していく必要があるので、上述した(1)に記載の本発明の圧延方法と同様に、式(4)を用いてパス毎または圧延材本数毎に学習すれば良い。尚、この方法の場合、図4に示した圧延方向力左右差と板厚ウェッジとの関係は、図5に示すような圧延方向力左右差と板厚ウェッジ比率変化との関係に置き換えて、圧延方向力左右差と板厚ウェッジ比率変化との関係直線D、Eの傾きを表す定数ζD、ζEの値を、上述した(1)に記載の本発明の圧延方法と同様に、定期的に測定し学習に用いれば良い。
以上のように、(2)に記載の本発明の圧延方法では、圧延前後の作業側と駆動側の板厚の測定することで、(1)に記載の本発明の圧延方法に比べ入側の板厚ウェッジの情報と入出側の板厚の情報が得られ、当該圧延で発生する圧延方向力左右差と板厚ウェッジ比率変化との関係がわかるので、より高精度な制御目標値の学習が実施可能となり、学習した制御目標値を当該パス、次パスまたは次材の圧延に設定することで、圧延方向力左右差のずれを修正できるので、圧延方向力の左右差に基づくより精度の高いキャンバー制御を実現することができる。
図3には、(2)に記載の本発明の圧延方法に関する圧延装置または(4)に記載の本発明の圧延装置の他の好ましい実施の形態を示す。図3の実施形態では、図2の実施形態に比べて、前面(逆転パス時は後面)の板厚測定装置、下作業ロールチョックに作用する圧延方向力の検出装置および演算装置を省略している。一般に伸び歪の左右差に起因して圧延材から作業ロールに作用するモーメントは、必ずしも上下作業ロールに均等に作用するとは限らないが、その時系列変化挙動については、上下作業ロールで傾向が逆転することはないが、圧延方向力左右差の零点がシフトする可能性がある。
このように圧延機に前後面のどちらか一方の板厚測定装置がない設備に、(2)に記載の本発明の圧延方法を適用する場合、入出側双方の板厚が測定できないので、図6に示すように正転パス時を圧延を実施しないダミーパスとし、逆転パス時に圧延を行えば、前後面のどちらか一方にしか板厚測定装置を備えていない図3に示す圧延装置においても、入出側の板厚の測定が可能となるため、(2)に記載の本発明の圧延方法を適用することができる。この場合も圧延中または圧延後の被圧延材の作業側と駆動側の板厚を測定し、板厚ウェッジ比率変化を求め、これに基づき、学習した制御目標値を当該パス、次パスまたは次材の圧延に設定することで、圧延方向力左右差のずれを修正できるので、上下どちらか一方の作業ロールに作用する圧延方向力の左右差に基づく良好なキャンバー制御を実現することができる。
また、作業ロールおよび補強ロールをペアで上下にクロスさせる圧延、いわゆるペアクロス圧延の場合、上下ワークロールのオフセットによって作業側および駆動側でそれぞれ逆方向に上下ワークロールを引き裂く力(ここでは“股裂き力”と呼ぶことにする)が作用しキャンバーの発生起因以外の圧延方向力左右差が発生する。このようなペアクロス圧延に本発明の圧延方法を適用する場合で、上下どちらか一方の圧延方向力左右差が検出できない場合は、ペアクロス圧延時の股裂き力による圧延方向力左右差を演算し、これに基づき制御目標値を設定する必要がある。尚、この股裂き力は、ペアクロス圧延時の上下作業ロールの幾何学的関係から算出可能であるので、圧延荷重、クロス角、上下の作業ロール径、板厚、幅、圧延方向力測定装置の間隔等から関係式を求め演算すれば良い。また、上下双方の圧延方向力左右差が測定できる場合は、上下の圧延方向力左右差を加算することで、ペアクロス圧延時の股裂き力の影響を上下でキャンセルできるので、前述の股裂き力の演算は必要ない。
ただし、上述のペアクロス圧延の影響において、圧延方向力の測定が上下どちらか一方の場合、股裂き力の演算における誤差が原因で、また、上下双方の測定の場合、股裂き力の大きさの上下不均等が原因で、圧延方向力左右差のずれが生じる可能性も考えられるが、本発明の圧延方法では、圧延中または圧延後の被圧延材の作業側と駆動側の板厚を測定し、板厚ウェッジまたは板厚ウェッジ比率変化を求め、これに基づき、学習した制御目標値を当該パス、次パスまたは次材の圧延に設定することで、圧延方向力左右差のずれを修正できるので、ペアクロス圧延時においても圧延方向力の左右差に基づく良好なキャンバー制御を実現することができる、
図1に示した圧延機を用いて、本発明の(1)に記載の板圧延方法を適用した場合の実施例について説明する。圧延機後面の板厚測定装置23の出力から板厚ウェッジを演算し、これに基づく圧延方向力左右差の制御目標値の学習を、学習ゲインγを0.3、初期の制御目標値を零として実施した。尚、圧延方向力左右差と板厚ウェッジの関係直線の傾きを示す定数δは、圧延条件および圧延材材質毎に−20〜−200tonf/mmの範囲の値を設定した。
表1には、本実施例における代表の圧延本数に対する圧延方向力左右差の制御目標値およびキャンバーの実測値を示す。また、表1には比較例として、圧延方向力左右差の学習を行わない場合の制御目標値およびキャンバーの実測値も一緒に示す。表1に示す通り、1mあたりのキャンバー実測値は、本実施例の場合、いずれの代表圧延本数においても、0.25mm/m以下と比較的小さな値に抑えられていることがわかる。また、圧延本数が増えるに従って、圧延方向力左右差の制御目標値は、作業側と駆動側の板厚測定値に基づく学習によって変化していくことがわかる。このような制御目標値の変化は、補強ロール、作業ロールの摩耗等によるものと考えられ、本発明の板圧延方法のように制御目標値の学習を行っていない表1の比較例の方法では、これらの誤差要因を含め制御を実施してしまうため、本発明の方法に比べキャンバーは大きくなることがわかる。
以上のように、本発明の板圧延方法のように圧延後の板厚ウェッジの実績値に基づき、制御目標値を学習し、この学習した制御目標値を次パスの圧延に設定することで、圧延方向力左右差のずれを修正し、キャンバー発生の直接原因となる圧延による伸び歪の左右差の正確な検出・測定ができ、これを均一化するための圧下レベリング操作を実施することにより、圧延本数に依存せず定常的に極めてキャンバーの軽微な圧延が実現可能となることが確認できた。
Figure 0004267609
図2に示した圧延機を用いて、本発明の(2)に記載の板圧延方法を適用した場合の実施例について説明する。圧延機の後面の板厚測定装置23および前面の板厚測定装置26の出力から板厚ウェッジ比率変化を演算し、これに基づく圧延方向力左右差の制御目標値の学習を、学習ゲインγを0.3、初期の制御目標値を零として実施した。尚、圧延方向力左右差と板厚ウェッジ比率変化の関係直線の傾きを示す定数ζは、圧延条件および圧延材材質毎に−500〜−5000tonfの範囲の値を設定した。
表2には、本実施例における代表の圧延本数に対する圧延方向力左右差の制御目標値およびキャンバーの実測値を示す。また、表2には比較例として、圧延方向力左右差の学習を行わない場合の制御目標値およびキャンバーの実測値も一緒に示す。表2に示す通り、1mあたりのキャンバー実測値は、いずれの代表圧延本数においても比較例より小さく、さらに0.15mm/m以下と実施例1に比べ小さな値に抑えられていることがわかる。
以上のように実施例2では、入出側双方の板厚ウェッジの情報が得られるので、圧延方向力左右差と板厚ウェッジ比率変化との正確な関係がわかり、より高精度な制御目標値の学習が実施可能となり、学習した制御目標値を当該パス、次パスまたは次材の圧延に設定することで、圧延方向力左右差のずれを修正できるので、圧延方向力の左右差に基づくより高精度なキャンバー制御を実現できることが確認された。
Figure 0004267609
(1)に記載の本発明の圧延方法を実現する圧延装置または(3)に記載の本発明の圧延装置の好ましい実施の形態を模式的に示す図である。 (2)に記載の本発明の圧延方法を実現する圧延装置または(4)に記載の本発明の圧延装置の好ましい実施の形態を模式的に示す図である。 (2)に記載の本発明の圧延方法を実現する圧延装置または(4)に記載の本発明の圧延装置の好ましい実施の形態を模式的に示す図である。 圧延方向力左右差と板厚ウェッジの関係を示した図である。 圧延方向力左右差と板厚ウェッジ比率変化の関係を示した図である。 板厚測定装置が前後片側にしかない場合に(2)に記載の本発明の圧延方法を実現するための圧延スケジュールを示す図である。
符号の説明
1 上作業ロール
2 下作業ロール
3 上補強ロール
4 下補強ロール
5 上作業ロールチョック(作業側)
6 下作業ロールチョック(作業側)
7 上補強ロールチョック(作業側)
8 下補強ロールチョック(作業側)
9 上作業ロール出側荷重検出装置(作業側)
10 上作業ロール入側荷重検出装置(作業側)
11 下作業ロール出側荷重検出装置(作業側)
12 下作業ロール入側荷重検出装置(作業側)
13 圧下装置
14 上作業ロール圧延方向力演算装置(作業側)
15 下作業ロール圧延方向力演算装置(作業側)
16 作業ロール圧延方向合力演算装置[加算器](作業側)
17 作業ロール圧延方向合力(駆動側)
18 作業側−駆動側圧延方向力差演算装置
19 圧下レベリング制御量演算装置
20 圧下レベリング制御装置
21 金属板材
22 圧延方向
23 板厚測定装置(後面)
24 制御目標値演算装置
25 作業側−駆動側板厚差演算装置
26 板厚測定装置(前面)
27 板厚ウェッジ比率変化演算装置

Claims (4)

  1. 少なくとも作業ロールと補強ロールとを有する金属板材の圧延機を用いて行う金属板材の圧延方法において、該作業ロールの作業側と駆動側のロールチョックに作用する圧延方向の力を測定し、該圧延方向力の作業側と駆動側との差分(以下、差異という。)を演算し、この圧延方向力の差異が制御目標値になるように前記圧延機のロール開度の左右非対称成分を制御し、さらに被圧延材の作業側および駆動側の出側板厚を測定し、該出側板厚の作業側と駆動側との差異(以下、「出側板厚の作業側と駆動側との差異」は「出側板厚ウェッジともいう。)を演算し、この出側板厚ウェッジに基づいて、前記圧延方向力の差異の制御目標値を学習することを特徴とする、金属板材の圧延方法。
  2. さらに、被圧延材の作業側と駆動側の入側板厚を測定し、前記出側板厚ウェッジの演算に代えて、被圧延材の作業側および駆動側の入側板厚および出側板厚の測定値より板厚ウェッジ比率変化を演算し、前記出側板厚ウェッジに代えて、前記板厚ウェッジ比率変化を用い、この板厚ウェッジ比率変化に基づいて前記圧延方向力の差異の制御目標値を学習することを特徴とする、請求項1に記載の金属板材の圧延方法。
  3. 少なくとも作業ロールと補強ロールとを有する金属板材の圧延機を含む圧延装置において、前記作業ロールの作業側および駆動側のロールチョックに作用する圧延方向の力を測定する前記作業ロールチョックの圧延方向入側と出側の双方に備えた荷重検出装置と、該荷重検出装置による測定値に基づいて前記作業ロールチョックに作用する圧延方向力の差異を演算する演算装置と、前記圧延方向力の差異の演算値に基づいて前記圧延機のロール開度の左右非対称成分制御量を演算する演算装置と、前記ロール開度の左右非対称成分制御量の演算値に基づいて前記圧延機の前記ロール開度を制御する制御装置と、被圧延材の作業側と駆動側の出側板厚を測定する板厚測定装置と、該板厚測定装置による測定値に基づいて出側板厚ウェッジを演算する演算装置と、前記出側板厚ウェッジに基づいて前記圧延方向力の差異の制御目標値を学習する演算装置を有することを特徴とする、金属板材の圧延装置。
  4. 被圧延材の作業側と駆動側の入側板厚を測定する板厚測定装置を有し、被圧延材の作業側および駆動側の入側板厚および出側板厚の測定値に基づいて板厚ウェッジ比率変化を演算する演算装置を有し、前記出側板厚ウェッジに代えて、前記板厚ウェッジ比率変化を用い、この板厚ウェッジ比率変化の演算値に基づいて前記圧延方向力の差異の制御目標値を学習する演算装置を有することを特徴とする、請求項3に記載の金属板材の圧延装置。
JP2005266226A 2004-09-17 2005-09-14 金属板材の圧延方法および圧延装置 Active JP4267609B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005266226A JP4267609B2 (ja) 2004-09-17 2005-09-14 金属板材の圧延方法および圧延装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004270599 2004-09-17
JP2005266226A JP4267609B2 (ja) 2004-09-17 2005-09-14 金属板材の圧延方法および圧延装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006110627A JP2006110627A (ja) 2006-04-27
JP4267609B2 true JP4267609B2 (ja) 2009-05-27

Family

ID=36379570

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005266226A Active JP4267609B2 (ja) 2004-09-17 2005-09-14 金属板材の圧延方法および圧延装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4267609B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4903676B2 (ja) * 2006-12-05 2012-03-28 新日本製鐵株式会社 金属板材の圧延方法および圧延装置
JP5239728B2 (ja) * 2008-02-06 2013-07-17 新日鐵住金株式会社 金属板材の圧延方法及び圧延装置
KR101639145B1 (ko) * 2012-06-26 2016-07-12 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 금속 판재의 압연 장치
KR102364190B1 (ko) 2018-05-29 2022-02-17 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 압연기 및 압연기의 설정 방법
WO2020152868A1 (en) * 2019-01-25 2020-07-30 Primetals Technologies Japan, Ltd. Rolling equipment and rolling method

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006110627A (ja) 2006-04-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4214150B2 (ja) 金属板材の圧延方法および圧延装置
JP4685777B2 (ja) 板材圧延におけるウェッジの設定・制御方法
EP2058058B1 (en) Rolling method and rolling apparatus for flat-rolled metal materials
JP4267609B2 (ja) 金属板材の圧延方法および圧延装置
JP5239728B2 (ja) 金属板材の圧延方法及び圧延装置
JP4903676B2 (ja) 金属板材の圧延方法および圧延装置
JP3844280B2 (ja) 板圧延における圧下レベリング設定方法
JP4214099B2 (ja) 金属板材の圧延方法および圧延装置
JP2007190579A (ja) 金属板材の圧延方法および圧延装置
JP4227243B2 (ja) 圧延機の尾端部蛇行制御方法
JP4214069B2 (ja) 金属板材の圧延方法および圧延装置
JP4306273B2 (ja) タンデム圧延機におけるストリップの蛇行制御装置及び蛇行制御方法
JP4288888B2 (ja) タンデム圧延機におけるストリップの蛇行制御装置及び蛇行制御方法
JP2002210512A (ja) 板圧延における圧下位置設定方法
JP2000094023A (ja) 熱間仕上圧延機のレベリング制御方法及び装置
JPS5916528B2 (ja) 圧延機の蛇行修正装置
JP2003245708A (ja) 被圧延材の蛇行制御方法
JP2550267B2 (ja) 厚板圧延におけるキャンバー制御方法
JP2006116569A (ja) 金属板材の圧延方法および圧延装置
JP4256827B2 (ja) 金属板材の圧延方法および圧延装置
JP2020040096A (ja) 圧延機及び圧延機の設定方法
WO2024042936A1 (ja) 冷間圧延方法及び冷間圧延設備
JPH04305304A (ja) 熱間圧延機におけるキャンバー制御方法
JP7347688B2 (ja) 連続式圧延機の蛇行制御装置
JP2019107675A (ja) 圧延機の制御装置および制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080307

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080715

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080916

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081028

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090203

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090218

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4267609

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130227

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130227

Year of fee payment: 4

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130227

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130227

Year of fee payment: 4

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130227

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140227

Year of fee payment: 5

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350