WO1999010385A1 - Gel d'acide hyaluronique, son procede de production et substance therapeutique le contenant - Google Patents

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Kazuhiro Oshima
Masamichi Hashimoto
Kazuhiko Arai
Tomio Sawada
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Description

明細書
ヒアルロン酸ゲルとその製造方法及びそれを含有する医用材料
技術分野
本発明は、 新規なヒアルロン酸ゲル及びその製造方法に関し、 更に特にそれら の生体適合性の良好な医用材料に関する。
背景技術
ヒアルロン酸は、 β—D— N—ァセチノレグノレコサミンと β一 D—グノレクロン酸 が交互に結合した直鎖状の高分子多糖である。 ヒアルロン酸は哺乳動物の結合組 織に分布するほか、 ニヮ トリのとさ力、、 連鎖球菌の夾膜などにも存在が知られて いる。 ニヮ トリのとさ力、、 臍帯等が抽出材料として用いられているほか、 連鎖球 菌の培養物からも精製物が調整されている。
天然産のヒアルロン酸は、 分子量について多分散性であるが、 種及び臓器特異 性をもたず、 生体に移植または注入した場合であっても優れた生体適合性を示す ことが知られている。 さらに、 生体に適用する場合のヒアルロン酸自体の易水溶 性に由来する短所、 例えば、 生体内滞留時間が比較的短いことな ら、 多種多 様なヒアルロン酸の化学修飾物も提案されている。
これらの代表的なものとしては、 ジビニルスルホン、 ビスエポキシド類、 ホル ムアルデヒ ド等の二官能性試薬を架橋剤に使用して、 得られた高膨潤性の架橋ヒ アルロン酸ゲルを挙げることができる (米国特許第 4, 5 8 2 , 8 6 5号明細書、 特公平 6— 3 7 5 7 5号公報、 特開平 7— 9 7 4 0 1号公報、 特閧昭 6 0— 1 3 0 6 0 1号公報参照) 。
また、 ヒアルロン酸のテトラブチルアンモニゥム塩がジメチルスルフォキシド 等の有機溶媒に溶解する特徵を利用したヒアルロン酸の化学的修飾方法が開示さ れている (特開平 3— 1 0 5 0 0 3号) 。 また、 ヒアルロン酸のテトラブチルァ ンモニゥム塩をジメチルスルフォキシド中で、 トリエチルアミンとョゥ化 2—ク ロロ一 1—メチルピリジニゥムを加え反応させ、 ヒアルロン酸のカルボキシル基 と水酸基間でエステル結合を形成させる方法も開示されている (欧州特許 0 3 4 1 7 4 5 A 1 ) 。
また、 共有結合を形成する化学的試薬を使用することなく、 ヒアルロン酸を水 に不溶化する方法として、 ヒアルロン酸とアミノ基あるいはィミノ基を有する高 分子化合物とを、 ヒアルロン酸のカルボキシル基と高分子化合物のアミノ基ある いはィミノ基をイオン複合体として結合させてヒアルロン酸高分子複合体を調製 する方法が開示されている (特開平 6— 7 3 1 0 3号公報参照) 。
ヒアルロン酸水溶液を酸性、 例えば p H 2 . 0〜2 . 7の範囲に調整するとパ ティーゲルと呼ばれるジェリ一状に固化した状態のゲルを形成することは知られ ているが、 p H 2 . 0未満では、 パティ一ゲルは形成されない。
そして、 このパティ一ゲルを中性水溶液中に投入すると速やかに溶解するので、 本発明でいうヒアルロン酸ゲルとは異なる。
また、 ヒアルロン酸水溶液を、 p H 2 . 0〜3 . 8、 2 0〜8 0重量%水溶性 有機溶剤存在下におくことを特徴とするヒアルロン酸ゲルの製造方法も開示され ている (特開平 5— 5 8 8 8 1公報参照) 。 しかしながら、 この製造方法で得ら れたヒアルロン酸ゲルは、 コーティング等を施さない場合には、 水中に投入する と溶解することが該公報に記載されている。
また、 一般的には、 高分子水溶液から、 凍結、 解凍させる操作を繰り返すこと により高分子ゲルを製造する方法も提案されている. これらの代表的なものとし ては、 ポリビニルアルコール、 ダルコマンナンを挙げることができる (特開昭 5 7 - 1 9 0 0 7 2号公報、 特開平 5— 1 6 1 4 5 9号公報参照) 。
しかし、 ヒアルロン酸及びヒアルロン酸を含む生体試料を精製又は保存する際 に、 凍結、 解凍させる操作や凍結乾燥は、 一般的手法として多用されているが、 通常は中性で管理されているため、 このような方法でヒアルロン酸ゲルが形成さ れるという報告は未だない。
ヒアルロン酸は、 極めて高い粘ちよう性と保湿性を有し、 本質的に抗原性が無 く生体適合性が高いため、 変形性膝関節症の治療薬や眼科手術補助剤等に用いら れている。
また、 ヒアルロン酸溶液そのものを手術後の癒着防止剤として用いることも検 討されているが、 生体内での貯留性が比較的短いので効果が弱く、 水溶性のため 短時間で創面から拡散 ·流動してしまう (Journal of Gynecologic Surgery vol. 7 No. 2 97 - 101 (1991)。 また、 特表平 5— 5 0 8 1 6 1号、 特表平 6 - 5 0 8 1 6 9号を基にカルボジ イミ ド類でカルボキシメチルセルロースとヒアルロン酸ナトリウムを架橋、 修飾 したフィルム状の癒着防止剤 rSeprafilm 」 (Genzyme社製) が開発されている。 ヒアルロン酸自体が本来持っている優れた生体適合性の特徴を最大限生かすた めに、 なんら化学的架橘剤や化学的修飾剤を使用することなく、 またカチオン性 の高分子と複合体化することなく、 生体適合性医用材料として使用可能な、 生体 内滞留時間が長いヒアル口ン酸ゲルは未だ開発されていない。
本発明者らは、 上記目的を達成するために、 ヒアルロン酸自体の物理化学的性 質を鋭意検討してきた。 その結果、 ヒアルロン酸の水溶液を特定の p Hに調整し、 該水溶液を凍結し、 次いで解凍することを少なくとも 1回行うことによって、 ヒ アルロン酸ゲルが得られることを見出した。 さらに、 こうして得られたヒアルロ ン酸ゲルの水中での溶解速度が極めて遅いことも見出した。
また、 従来法による改質ヒアルロン酸は、 幾多の努力にもかかわらず化学的反 応性物質を用いるため、 新たな改質による毒性 ·生体不適合性等の危険性を本質 的に抱え込まざるをえないという課題があった。
例えば、 化学的修飾 ·架橋、 及び金属塩などを用いるイオン的方法による、 ヒ アルロン酸癒着防止剤は、 たとえ生体内の貯留性などを改善できても、 改質され たヒアルロン酸は架橋物質や金属などを共有結合やイオン結合でヒアルロン酸の 分子中に内包するため、 もはや天然ヒアルロン酸と構造が異なり、 その生理作用 や生体適合性、 毒性を含む安全性が本質的にヒアルロン酸と同等であるとは言い 難く、 さらにこれら架橋剤等の残留毒性や、 生体内に於ける分解産物に含まれる 架橋剤の安全性の問題を完全に回避することは難しかった。
発明の開示
本発明者らは、 本発明で得られたヒアルロン酸ゲルが医用材料として理想的な 生体適合性、 貯留性を有することを見出し、 特に癒着防止剤として理想的な生体 適合性、 貯留性を有し、 術後癒着を顕著に抑制することを見出し、 本発明を完成 させるに至った。
即ち、 本発明は、 (1 ) 中性水溶液に難溶性であることを特徴とするヒアルロ ン酸単独で形成されたゲル、 (2 ) 中性の 2 5 °Cの水溶液中で 1 日以上形態を保 持することを特徴とする (1) 記載のヒアルロン酸ゲル、 (3) 中性の 25°Cの 水溶液中で 1 日での溶解率が 50%以下であることを特徴とする (1) 記載のヒ アルロン酸ゲル、 (4) 中性の 3 7 の水溶液中で 1 2時間での溶解率が 50% 以下であることを特徴とする (1) 記載のヒアルロン酸ゲル、 (5) ヒアルロン 酸の促進酸加水分解条件下でヒアルロン酸ゲルを処理することで可溶化されたヒ アルロン酸が分岐構造を有し、 該可溶化されたヒアルロン酸中に、 分岐度が 0. 5以上の分子量フラクションを部分的に含むことを特徴とする ( 1) 記載のヒア ルロン酸ゲル、 (6) ヒアルロン酸の pH3. 5以下の水溶液を凍結し、 次いで 解凍して形成されることを特徴とする ( 1 ) 記載のヒアルロン酸ゲル、 (7) ヒ アルロン酸の水溶液を、 pH3. 5以下に調整し、 該水溶液を凍結し、 次いで解 凍することを少なくとも 1回行うことを特徴とする (6) 記載のヒアルロン酸ゲ ルの製造方法、 (8) 次の (a) 、 (b ) の要件を満たすヒアルロン酸単独で形 成されたゲルを含有することを特徴とする医用材料、
(a) 中性の 25 °Cの水溶液中で 1 日での溶解率が 50%以下である、 (b) ヒ アルロン酸の促進酸加水分解条件下でヒアルロン酸ゲルを処理することで可溶化 されたヒアルロン酸が分岐構造を有し、 該可溶化されたヒアルロン酸中に、 分岐 度が 0. 5以上の分子量フラクションを部分的に含む、 (9) ヒアルロン酸単独 で形成されたゲルが、 シート状、 フィルム状、 破碎状、 スポンジ状、 塊状、 繊維 状、 又はチューブ状からなる群より選択した 1種であることを特徴とする (8) 記載の医用材料、 (1 0) 中性の 2 5°Cの水溶液中で 1 日での溶解率が 50%以 下であり、 ヒアルロン酸の促進酸加水分解条件下でヒアルロン酸ゲルを処理する ことで可溶化されたヒアル口ン酸が分岐構造を有し、 該可溶化されたヒアルロン 酸中に、 分岐度が 0. 5以上の分子量フラクションを部分的に含むヒアルロン酸 ゲルと、 ゲル化されていないヒアルロン酸を含む医用材料、 (1 1) シート状、 フィルム状、 破砕状、 スポンジ状、 塊状、 繊維状、 又はチューブ状であるヒアル 口ン酸単独で形成されたヒアルロン酸ゲルと、 ゲル化されていないヒアルロン酸 を含む医用材料、 (1 2) 医用材料が癒着防止剤であることを特徴とする (8) 〜 (1 1) のいずれか 1項に記載の医用材料である。
図面の簡単な説明 図 1は、 実施例 8と比較例 6の G P Cクロマトグラムと各フラクションの分子 量を対比したグラフである。
図 2は、 比較例 6を直鎖状ヒアルロン酸として計算した実施例 8の分岐度と分 子量の関係を示すグラフである。
発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるヒアルロン酸は、 動物組織から抽出したものでも、 また発 酵法で製造したものでもその起源を問うことなく使用できる。
発酵法で使用する菌株は自然界から分離されるストレプトコッカス属等のヒア ルロン酸生産能を有する微生物、 又は特開昭 6 3 - 1 2 3 3 9 2号公報に記載し たストレプトコッカス 'ェクイ F M— 1 0 0 (微ェ研菌寄第 9027号) 、 特開平 2 - 2 3 4 6 8 9号公報に記載したス トレプトコッカス ·ェクイ F M— 3 0 0 (微 ェ研菌寄第 2319号) のような高収率で安定にヒアルロン酸を生産する変異株が望 ましい。 上記の変異株を用いて培養、 精製されたものが用いられる。
ゲルとは、 新版高分子辞典 (朝倉書店 昭和 6 3年) によれば、 「あらゆる溶 媒に不溶の三次元網目構造をもつ高分子及びその膨潤体」 と定義されている。 理 化学辞典 (岩波書店 第 4版 昭和 6 2年) によれば、 「ゾル (コロイ ド溶液) がジェリー状に固化したもの」 と定義されている。
本発明でいうヒアルロン酸ゲルとは、 中性水溶液に難溶性であることを特徴と し、 このヒアルロン酸ゲルを中性水溶液中に投入すると、 ゲル化していないヒア ルロン酸と比較して有意の難溶性を示す。 難溶性は、 中性の 2 5 °Cの水溶液中で のゲルの形態の保持とゲルの溶解率、 及ぴ中性の 3 7 °Cの水溶液中でのゲルの溶 解率で規定する。 ここで、 中性水溶液とは、 p H 7に調整された緩衝能を有する 生理的食塩水である。
本発明でいうヒアルロン酸ゲルは、 アルカリ性水溶液中、 例えば p H l lのァ ルカリ性緩衝水溶液中に投入すると速やかに溶解する特徴も有する。
本発明でいうヒアルロン酸ゲルとは、 三次元網目構造をもつ高分子及びその膨 潤体である。 三次元網目構造はヒアルロン酸の架橋構造によって形成されている c 本発明でいう ヒアルロン酸ゲルは、 ヒアルロン酸の促進酸加水分解反応条件下 でヒアルロン酸ゲルを処理することで分解、 可溶化することができる。 可溶化さ れたヒアルロン酸が架橋構造を保持している場合、 分岐点を有するヒアルロン酸 として高分子溶液論的に直鎖状のヒアルロン酸と区別することができる。 ヒアル ロン酸自体は直鎖状の高分子であり、 分岐構造を有さないことが知られている (多糖生化学 1 化学編 共立出版 昭和 4 4年) 。
本発明でいうヒアルロン酸の促進酸加水分解反応条件としては、 水溶液の p H 1 . 5、 温度 6 0 °Cが適当である。 ヒアルロン酸のグリコシド結合の加水分解に よる主鎖切断反応が、 中性の水溶液中と比較して、 酸性やアルカ リ性の水溶液中 で著しく促進されることはよく知られている (Eur. Polym. J. Vol32, No8, pl011-l 014, 1996) 。 更に酸加水分解反応は、 反応温度が高い方が促進される。
本発明でいうヒアルロン酸ゲルの促進酸加水分解の反応時間は、 ヒアルロン酸 ゲルの構造、 例えば原料ヒアルロン酸の分子量と分子量分布、 架橋度によって大 きく左右される。
可溶化されたヒアルロン酸の割合が大きく 、 分岐度が大きくなる反応条件を選 択できる。 反応条件が弱い場合は、 可溶化されたヒアルロン酸の割合が小さく、 逆に反応条件が強い場合は、 可溶化されたヒアルロン酸の分子量が著しく小さく なるので、 分岐度測定が困難になる。 また、 分岐点自体が分解する可能性も増大 する。
反応条件は、 目視で確認できるヒアルロン酸ゲルがほとんど消失する反応時間、 または可溶化されたヒアルロン酸の割合が 5 0 %以上になる反応時間が好ましい。 可溶化されたヒアルロン酸の分子量と分岐度を測定する方法には、 ゲルパーミ ェシヨンクロマトグラム (G P C ) に検出器として示差屈折率計と多角度レーザ 一光散乱検出器 (MA L L S ) を使う G P C— M A L L S法、 G P Cに検出器と して示差屈折率計と低角度レーザー光散乱検出器を使う G P C— L A L L S法、 あるいは、 G P Cに検出器として示差屈折率計と粘度計を使う G P C—粘度法が ある。
本発明では G P C - MA L L S法を用い、 G P Cで分離された分子量フラクシ ョンの分子量と分岐度をオンラインで連続的に測定した。 0 じー\ 1^ 1^ 3法 では、 G P Cで分離された各フラクションの分子量と慣性半径を連続的に測定す ることができる。 G P C—MAL L S法では可溶化されたヒアルロン酸の各フラ クシヨンの分子量と慣性半径の関係を対照となる直鎖状ヒアルロン酸の各フラク シヨンの分子量と慣性半径の関係と比較して分岐度を計算する慣性半径法と、 同 一溶出体積のフラクションの可溶化されたヒアルロン酸の分子量と対照となる直 鎖状ヒアルロン酸の分子量を比較して分岐度を計算する溶出体積法がある。
本発明では、 溶出体積法を使って分岐度の測定を行った。 分岐度は可溶化され たヒアル口ン酸の高分子鎖 1コ当たりに存在する分岐点の数であり、 可溶化され たヒアルロン酸の分子量に対してプロットされる。
各フラクションの分子量と慣性半径は、 有限濃度におけるジムプロット (1 ) 式を用いて、 分子量は散乱角度 0° への外揷値、 慣性半径は角度依存の初期勾配 から、 それぞれ以下の式に従って計算した。
K c 1
= h 2 A3 c +…… ( 1 )
R ( Θ ) MP ( θ )
Ρ ( θ ) '1= 1 + 1 3 - k 2< S > +……
4 π
k = — s i n ( 0 /2 )
λ
ここで、 Μは分子量、 < S 2 >は平均 2乗慣性半径、 Kは光学定数、 R ( 0 ) は散乱角度 Θにおける過剰還元散乱強度、 cは高分子濃度、 P ( 0 ) は粒子散乱 関数、 λは溶液中でのレーザー光の波長、 Α2 は第 2ビリアル係数でありヒアル ロン酸では 0. 0 0 2 m 1 · m o 1 /g 2 である。 cは示差屈折率計の出力から、 ヒアルロン酸水溶液の屈折率の濃度勾配 (d nZd c - O . 1 5 3 m l /g) を 使って計算した。
G P C— MA L L S法では、 過剰還元散乱強度から分子量と平均 2乗慣性半径 を計算しており、 測定精度は過剰還元散乱強度の大きさに依存する。 (1 ) 式か ら、 過剰還元散乱強度は濃度と分子量両者の関数になる。 試料の分子量に依存し て、 試料濃度と注入量を決定する必要がある。 分子量フラクションに分別する G PCカラムの選択とともに、 G PCカラムへの濃度負荷が現れない範囲内で、 最 大の試料濃度と注入量を選択する。
溶出体積法による各フラクションの分岐度は、 以下の (2) 式に従って計算し た。 同一溶出体積のフラクションで、 分岐高分子の分子量を Mb 、 直鎖高分子の 分子量を とすると、 収縮因子 gが求まる。
Figure imgf000010_0001
ここで、 aは Mark- Houwink定数でヒアルロン酸では 0. 78である。 eは素抜 け因子で 1. 0とした。
4官能性の長鎖無秩序分岐を仮定して、 1本の高分子鎖上の分岐点の数 B (分 岐度) は以下の (3) 式から計算される。 g (3)
Figure imgf000010_0002
溶出体積法による分岐度の計算方法は G PC— LAL L S法による分岐度測定 と同じであり、 その詳細は、 サイズ排除クロマトグラフィー (共立出版 平成 3 年) に記載されている。
可溶化されたヒアルロン酸は、 G PC溶媒で希釈して濃度を調製し、 0. 2 μ mのメンブランフィルターでろ過した後測定に供した。
本発明でいうヒアルロン酸ゲル中に、 ヒアルロン酸の促進酸加水分解条件下で も安定に存在する架橋構造がある場合、 可溶化されたヒアルロン酸に分岐構造が 高分子溶液論的に確認される。
本発明でいうヒアルロン酸単独とは、 ヒアルロン酸以外に化学的架橘剤や化学 的修飾剤等は使用しないことまた、 カチオン性の高分子と複合体化しないことを 意味するものである。
ヒアルロン酸の化学的架橋剤は、 ヒアルロン酸のカルボキシル基、 水酸基、 ァ セトアミ ド基と反応して共有結合を形成する多価化合物であり、 ポリグリシジル エーテノレ等の多価エポキシ化合物、 ジビニルスルホン、 ホルムァノレデヒ ド、 ォキ シ塩化リン、 カルポジイミ ド化合物とアミノ酸エステルの併用、 カルボジイミ ド 化合物とジヒ ドラジド化合物の併用を例として挙げることができる。 ヒアルロン 酸と化学的架橋剤との反応により三次元網目構造が形成される。
ヒアルロン酸の化学的修飾剤は、 ヒアルロン酸のカルボキシル基、 水酸基、 ァ セトアミ ド基と反応して共有結合を形成する化合物であり、 無水酢酸と濃硫酸の 併用、 無水トリフルォロ酢酸と有機酸の併用、 ヨウ化アルキル化合物を例として 挙げることができる。 ヒアルロン酸の親水性基を疎水化し、 ヒアルロン酸の水溶 性が減少する。
ヒアルロン酸と複合体化するカチオン性の高分子は、 ヒアルロン酸のカルボキ シル基と高分子化合物のアミノ基あるいはィミノ基の間でイオン複合体を形成す る高分子であり、 キトサン、 ポリ リジン、 ボリ ビニルピリジン、 ポリエチレンィ ミン、 ポリジメチルアミノエチルメタクリ レートを例として挙げることができる。 ヒアルロン酸とカチオン性の高分子は複合体化することにより、 水に不溶化する。 一方、 ヒアルロン酸への架橋構造の導入やヒアルロン酸の不溶化、 難溶化に直 接関係しない物質を、 本発明でいう ヒアルロン酸ゲルを形成させる際に添加する ことはできる。 ヒアルロン酸と同様に生体適合性に優れる材料、 例えば、 コンド ロイチン硫酸、 カルボキシメチルセルロース等を混合、 複合化してヒアルロン酸 ゲルを形成させることができるものであり、 何ら制限されないものである。
また、 ヒアルロン酸ゲルを形成させる際に、 薬学的又は生理学的に活性な物質 を添加して、 これらを含有するヒアルロン酸ゲルを形成させることもできるもの であり、 何ら制限されないものである。
本発明に用いられるヒアルロン酸の分子量は、 約 1 X 1 0 5 〜約 1 X 1 0 7 ダ ノレトンの範囲内のものが好ましい。 また、 上記範囲內の分子量をもつものであれ ば、 より高分子量のものから、 加水分解処理等をして得た低分子量のものでも同 様に好ましく使用できる。
なお、 本発明にいうヒアルロン酸は、 そのアルカリ金属塩、 例えば、 ナトリウ ム、 カリウム、 リチウムの塩をも包含する概念で使用される。
本発明に用いられるヒアルロン酸の水溶液は、 ヒアルロン酸の粉末と水を混合 し、 撹拌して得られる。 このヒアルロン酸の濃度は 5. 0重量%以下が水溶液の 処理上好都合である。
分子量が 2 X 1 06 ダルトン以上のヒアルロン酸を使用する場合は、 濃度は 2. 5重量%以下が好ましい。
ヒアルロン酸の水溶液の p Hを調整するために使用する酸は、 p H 3. 5以下 に調整できる酸であれば、 いずれの酸も使用することができる。 酸の使用量を低 減するために、 好ましくは強酸、 例えば、 塩酸、 硝酸、 硫酸等を使用することが 望ましい。
ヒアルロン酸の水溶液の p Hは、 ヒアルロン酸のカルボキシル基が充分な割合 でプロ トン化する p Hに調整する。 酸型のヒアルロン酸の解離の平衡定数は、 ヒ アルロン酸濃度の無限希釈のとき 1 o g Ku = 4. 2 5である (Acta Chiraica H ungarica - Models in Chemistry 129(5) 671-683 1992) 0 調整される p Hはヒ アルロン酸塩の対イオンの種類、 ヒアルロン酸の分子量、 水溶液濃度、 凍結及び 解凍の条件、 並びに生成するゲルの強さ等の諸特性により適宜決められるが、 本 発明では、 p H 3. 5以下に調整することが必要である。 好ましくは、 P H 2. 5以下である。
凍結、 解凍はヒアルロン酸の調整された酸性水溶液を、 任意の容器に入れた後、 所定の温度で凍結させ、 凍結が終わった後、 所定の温度で解凍させる操作を少な くとも 1回行う。 凍結、 解凍の温度と時間は、 容器の大きさ、 水溶液量により ヒ アルロン酸の酸性水溶液が凍結、 解凍する温度と時間の範囲内で適宜決められる 力 一般には、 氷点以下の凍結温度、 氷点以上の解凍温度が好ましい。
凍結、 解凍時間を短くできることから、 更に好ましくは— 5 °C以下の凍結温度、 5 °C以上の解凍温度が選ばれる。 また、 時間は、 その温度で凍結、 解凍が終了す る時間以上であれば特に制限されない。
ヒアルロン酸の調整された酸性水溶液を凍結し、 次いで解凍する操作の繰り返 し回数は、 使用するヒアルロン酸の分子量、 水溶液濃度、 水溶液の p H、 凍結及 び解凍の温度と時間、 並びに生成するゲルの強さ等の諸特性により適宜決められ る。 通常は 1回以上繰り返すことが好ましい。
また、 凍結、 解凍の操作を繰り返すごとに、 その凍結、 解凍の温度及び時間を 変えても構わない。
ヒアルロン酸の調整された酸性溶液の凍結解凍により得られたヒアル ン酸ゲ ゾレは、 〔 ゾ ノレ ノ ソ ノ JUノ 醉 ¾T JSEり O /こ 、 1土 响蜜 ·9 O /こ 川い/こ 酸等の成分を除く必要がある。 酸等の成分を除くためには、 通常は水性溶媒によ つて洗浄する。 ヒアル口ン酸ゲルの機能を損なわないものであれば特に制限はな レ、が、 例えば、 水、 生理食塩水、 リン酸緩衝液等が用いられるが、 好ましくは、 生理食塩水、 リン酸緩衝液等が用いられる。
また、 洗浄方法は、 特に制限はないが、 通常は、 バッチ法、 濾過法、 カラム等 に充填して通液する方法等が用いられる。 これらの洗浄条件は、 洗浄液量、 回数 等を含めて、 除きたい成分を目標の濃度以下にできる条件であればよく、 ヒアル 口ン酸ゲルの形態や用途により適宜選択することが可能である。
この洗浄されたヒアルロン酸ゲルは、 その使用目的に応じて、 溶媒中に浸漬し た状態、 溶媒を含ませた湿潤状態、 風乾、 減圧乾燥あるいは凍結乾燥等の^理を 経た乾燥状態で医用材料として供される。
ヒアルロン酸ゲルの成形加工等の処理は、 作製時には、 ヒアルロン酸の調整さ れた酸性溶液の凍結時の容器や手法の選択によりシート状、 フィルム状、 破砕状、 スポンジ状、 塊状、 繊維状、 及びチューブ状の所望の形態のヒアルロン酸ゲルの 作製が可能である。 例えば、 板上にキャスティングして凍結することによりフィ ルム状及びシート状の形態が得られるし、 水と混和しない有機溶剤と激しく混合 撹拌しながら凍結解凍することにより破砕状の形態が得られる。
ヒアルロン酸ゲルの作製後の加工としては、 機械的粉砕による微細な破砕状や、 圧延によるフィルム化、 紡糸等が例示される。 一方、 特に成形加工のための処理 を行わなくても、 適切な作製条件を選ぶことにより目的の形状のヒアルロン酸ゲ ルが得られる場合もある。 例えば、 ヒアルロン酸濃度が 0 . 1 %以下、 好ましく は 0 . 0 5 %以下の調整された酸性溶液の凍結解凍により、 微細繊維片状のヒア ルロン酸ゲルが得られる。
本発明で得られたヒアルロン酸ゲルは、 一般の生体内分解性医用材料及びヒア ルロン酸が用いられる分野であれば特に制限なく使用することができる。 例えば、 癒着防止剤、 薬理活性物質の担体、 創傷被覆剤、 人工皮膚、 組織置換型生体組織 修復剤、 関節注入剤、 外科手術用縫合糸、 止血剤、 人工臓器、 人工細胞外マトリ ックス又は人工基底膜、 診断 ·治療に用いる医療器具 ·医療用具等の生物医学的 製品又は医薬組成物への使用が挙げられる。
ヒアルロン酸ゲルの各種成形加工品は、 単一形態での使用は当然ながら、 異な るヒアルロン酸ゲル形態との混合又は併用、 更にゲル化されていないヒアルロン 酸との混合又は併用による組合せ処方により効果の増強が期待できる。
例えば、 腹腔内術後癒着防止剤としてシート状ヒアルロン酸ゲルとヒアルロン 酸溶液の併用による効果は、 局所効果と腹腔内全体効果が期待できる。
また、 関節注入剤として破碎状ヒアルロン酸ゲルとヒアルロン酸溶液の混合に よる効果は、 即時効果と遅延効果が期待できる。
以下に、 本発明で得られたヒアルロン酸ゲルの医用材料としての有用性を、 薬 理活性物質の徐放用担体としての使用を例に挙げて説明する。
本発明で得られたヒアルロン酸ゲルは、 その構造中に薬理活性物質を包含させ てその薬理活性物質を徐放化させる担体として用いることが可能である。 この場 合、 薬理活性物質の種類、 使用形態、 使用部位、 必要持続時間に応じてヒアルロ ン酸ゲルの分解性に代表される性質や形状をコントロールすることにより、 種々 の薬理活性物質に、 また、 種々の使用形態に適用可能となる。
適当な製剤化と併せて、 目的に応じた薬理活性物質の放出が可能な医薬品製剤 が得られる。 徐放化製剤の投与方法としては、 経口、 経皮、 経粘膜、 注射、 及び 体内埋込等が挙げられる。
次に、 本発明の癒着防止剤について説明する。
本発明で得られたヒアルロン酸ゲルの癒着防止剤は、 シート状、 フィルム状、 破砕状、 スポンジ状、 塊状、 繊維状、 及びチューブ状等の形態で外科手術に用い られる。 用いられる形態としては、 フィルム状又はシート状として外科手術部位 に直接貼付するのが好ましい。 または、 微細破砕状として注射器で外科手術部位 に塗布するのが好ましい。 または、 ゲル又はフィルム状として腹腔鏡で手術部位 に塗布するのが好ましい。
さらに、 ヒアルロン酸の調整された酸性溶液に生理活性物質を混合した後に凍 結解凍を行うことにより、 生理活性物質を包含したヒアルロン酸ゲルの癒着防止 剤を得ることも可能である。
ヒアルロン酸ゲルの癒着防止剤は、 癒着が生じるいかなる動物にも適用でき、 哺乳動物、 特に人間に於いて好適に手術後の癒着を防止することができる。
生体内の投与場所は腹腔、 胸腔内の各種臓器、 腱鞘、 頭蓋、 神経、 及び眼球、 等に係わる、 腹部手術、 婦人科手術、 胸部手術、 腱や靭帯に係わる整形外科手術、 硬膜に係わる神経外科手術、 等どこでも有用である。
本発明で得られたヒアルロン酸ゲルの癒着防止剤の投与時期は、 術後の癒着を 防止できるどの時期でも良く、 手術中又は手術終了時に投与できるが、 特に手術 終了の直前に投与するのが好ましい。
以下、 実施例により本発明を更に詳しく説明する。 なお、 本発明はこれにより 限定されるものではない。
実施例 1
分子量が 2 X 1 0 6 ダルトンのヒアルロン酸ナトリ ゥムを蒸留水に溶解し、 1 重量%のヒアルロン酸の水溶液を調整した。 調整されたヒアルロン酸の水溶液の p Hは、 6 . 0であった。 この水溶液の p Hを、 l N塩酸でp H l . 5に調整し た。 ヒアルロン酸の酸性水溶液 1 5 m 1 を 3 0 m 1 のガラスビンに入れ、 一 2 0 に設定した冷凍庫に入れた。 1 6時間放置した後、 2 5 °Cで解凍した。 その結 果、 スポンジ状のヒアルロン酸ゲルが得られた。
実施例 2
実施例 1に於いて、 ヒアルロン酸濃度を 0 . 1重量0 /oにしてヒアルロン酸の水 溶液を調整した。 そして、 実施例 1 と同様の操作を行った。 その結果、 スポンジ 状のヒアルロン酸ゲルが得られた。
実施例 3
実施例 1に於いて、 分子量が 6 X 1 0 5 ダルトンのヒアルロン酸ナトリ ウムを 溶解してヒアルロン酸の水溶液を調整した。 実施例 1 と同様に調整し、 一 2 0 °C に設定した冷凍庫に入れた。 6時間以上の凍結と 25 °Cで 2時間以上の解凍を 5 回繰り返した。 その結果、 スポンジ状のヒアルロン酸ゲルが得られた。
実施例 4
実施例 1に於いて、 凍結温度を一 1 0 Cに設定した。 77時間その雰囲気で放 置した後、 25°Cで解凍した。 その結果、 スポンジ状のヒアルロン酸ゲルが得ら れた。
実施例 5
実施例 1に於いて、 0. 4重量%のヒアルロン酸の水溶液から、 p H2. 5の ヒアルロン酸の酸性水溶液を調整した。 ヒアルロン酸の酸性水溶液 1 5m 1 を 3 0 m 1のガラスビンに入れ、 一 20°Cに設定した冷凍庫に入れた。 6時間以上の 凍結と 25°Cで 2時間以上の解凍を 8回繰り返した。 その結果、 部分的にスポン ジ状のヒアルロン酸ゲルが得られた。
比較例 1
実施例 1に於いて、 ヒアルロン酸の水溶液の p Hを調整せずに、 凍結し、 解凍 することを 8回繰り返した。 その結果、 ヒアルロン酸の水溶液の変化は起こらな かった。 すなわち、 ゲル化しなかった。
比較例 2
実施例 1で調整したヒアルロン酸の水溶液を使って、 60 Cで風乾し、 厚さ約 1 O O / mのキャス トフイノレムを得た。 該キャス トフイルムをヒアノレロン酸ゲル の溶解性試験に用いた。
比較例 3
実施例 1で調整したヒアルロン酸の水溶液を— 20°Cで凍結し、 凍結乾燥して スポンジ状のヒアル口ン酸を得た。 該スポンジ状のヒアルロン酸をヒアルロン酸 ゲルの溶解性試験に用いた。
実施例 6
ヒアルロン酸ゲルの溶解性試験
生理的食塩水に 50 mM濃度でリン酸緩衝成分を加え、 p H 7のリン酸緩衝生理 的食塩水を調整した。 上記の実施例で得られたスポンジ状のヒアルロン酸ゲルを 蒸留水で水洗し、 ろ紙上で脱水した。 乾燥重量で 1 5 Omgのヒアルロン酸を含 むヒアルロン酸ゲルに対して、 5 Om 1のリン酸緩衝生理的食塩水の割合で、 ヒ アルロン酸ゲルをリン酸緩衝生理的食塩水中に浸漬した。
また、 比較例のヒアルロン酸固形物は、 乾燥重量で 1 5 Omgを 5 Om 1のリ ン酸緩衝生理的食塩水中に浸漬した。
そして、 25°Cでリン酸緩衝生理的食塩水中に溶出するヒアルロン酸の割合を、 リン酸緩衝生理的食塩水中のヒアルロン酸濃度から求めた。
従って、 中性の 25 °Cの水溶液中でのヒアルロン酸ゲルの溶解性は、 上記試験 により規定されるものである。
ヒアルロン酸濃度の測定
リン酸緩衝生理的食塩水中のヒアルロン酸の濃度は、 G PCを使って、 示差屈折 率検出器のピーク面積から求めた。
上記に従い、 具体的に実施例 1〜4のヒアルロン酸ゲル及び比較例 2、 3のヒ アル口ン酸固形物の溶解性試験を行った。 その結果をヒアルロン酸ゲルの形態の 目視による観察結果とともに表 1に示す。
例えば、 実験 N o. 1の実施例 1で得られたヒアルロン酸ゲルの溶解率を調べ ると、 1 日経過後では、 3%の溶解率であり、 4日経過後では 5%の溶解率であ り、 更に 7日経過後では 6%の溶解率であった。
即ち、 7日経過しても 94%のヒアルロン酸ゲルが残存していた。 スポンジ状の 形態も保持されていた。 それに対して、 実験 N o. 5の比較例 2で得られた厚さ 約 1 00 /X mのキャス トフィルムの溶解率を調べると、 1 日経過後では、 1 00 %の溶解率であり、 完全に溶解した。
4日経過後、 及び 7日経過後も 1 00%溶解している状態を維持していた。
よって、 比較例 (実験 No. 5〜6) で得られたヒアルロン酸固形物の水中で の溶解速度が極めて速いのに対して、 本願発明で得られたヒアルロン酸ゲル (例 えば、 実験 No. :!〜 4) の水中での溶解速度が極めて遅いことが見出される。 これより、 本願発明で得られたヒアルロン酸ゲルは、 生体内滞留時間が長いこ とが示唆される。 ヒアルロン酸ゲルの溶解率 (上段 %) と形態 (下段) 実験 備考
N o 1日後 日後 7日後 1 日後
1 3 5 6 1 0 実施例 1 スポンジ状 スポンジ状 スポンジ状 スポンジ状
2 2 4 6 1 5 実施例 2 スポンジ状 スポンジ状 スポンジ状 スポンジ状
3 9 1 4 2 8 3 8 実施例 3 スホンジ状 スポンジ状 スポンジ状 スポンジ状
4 3 5 7 1 1 実施例 4 スポンジ状 スポンジ状 スポンジ状 スポンジ状
5 1 0 0 (完全溶解) 1 3後の 1 日後の 1 日後の 比較例 2 状態維持 状態維持 状態維持
6 1 0 0 (完全溶解) ,1 II ,1 比較例 3 比較例 4
分子量が 2 X 1 0 6 ダルトンのヒアルロン酸ナトリ ゥムの粉末を、 ヒアルロン 酸ゲルの溶解性試験に用いた。
比較例 5
分子量が 2 X 1 0 6 ダルトンのヒアルロン酸ナ卜リゥムの粉末を、 加圧成形し 円盤状のペレツ トを得た。 該ペレツ トをヒアルロン酸ゲルの溶解性試験に用いた。 実施例 7
ヒアルロン酸ゲルの溶解性試験
生理的食塩水に 5 0 mM濃度でリン酸緩衝成分を加え、 p H 7のリン酸緩衝生理 的食塩水を調整した。 上記の実施例で得られたスポンジ状のヒアルロン酸ゲルを 蒸留水で水洗し、 ろ紙上で脱水した。 乾燥重量で 2 O m gのヒアルロン酸を含む ヒアルロン酸ゲルに対して、 5 0 m I のリン酸緩衝生理的食塩水の割合で、 ヒア ルロン酸ゲルをリン酸緩衝生理的食塩水中に浸漬した。
また、 比較例のヒアルロン酸固形物は、 乾燥重量で 2 O m gを 5 O m 1のリン 酸緩衝生理的食塩水中に浸漬した。
そして、 3 7 °Cで撹拌下のリン酸緩衝生理的食塩水中に溶出するヒアルロン酸 の割合を、 リン酸緩衝生理的食塩水中のヒアルロン酸濃度から求めた。
従って、 中性の 3 7 °Cの水溶液中でのヒアルロン酸ゲルの溶解性は、上記試験によ り規定されるものである。
上記に従い、 具体的に実施例 1〜4のヒアルロン酸ゲル及び比較例 2〜 5のヒ アルロン酸固形物の溶解性試験を行った。 その結果を表 2に示す。
表 2 ヒアル口ン酸ゲルの溶解率 (%)
実験 備考
N o . 6時間後 1 2時間後 2 4時間後
7 1 2 1 4 1 6 実施例 1 8 1 2 1 6 1 9 実施例 2 9 1 3 2 2 2 3 実施例 3
1 0 1 2 1 5 1 8 実施例 4
1 1 1 0 0 (完全溶解) 6時間後の 6時間後の 比較例 2 状態維持 状態維持
1 2 1 0 0 (完全溶解) 比較例 3
1 3 1 0 0 (完全溶解) If 比較例 4
1 4 1 0 0 (完全溶解) n 比較例 5
例えば、 実験 No. 7の実施例 1で得られたヒアルロン酸ゲルの溶解率を調べ ると、 1 2時間経過後では、 14%の溶解率であり、 24時間経過後では、 1 6 %の溶解率であった。 即ち、 24時間経過しても、 84%のヒアルロン酸ゲルが 残存していた。 それに対して、 実験 No. 1 1の比較例 2で得られた厚さ約 1 0 0 // mのキャス トフィルムの溶解率を調べると、 6時間経過後では、 1 00%の 溶解率であり、 完全に溶解した。
よって、 比較例 (実験 No. 1 1〜1 4) で得られたヒアルロン酸固形物の水 中での溶解速度が極めて速いのに対して、 本願発明で得られたヒアルロン酸ゲル (例えば、 実験 N o. 7〜1 0) の水中での溶解速度が極めて遅いことが見いだ される。 これより、 本願発明で得られたヒアルロン酸ゲルは、 生体内滞留時間が 長いことが示唆される。
実施例 8
ヒアルロン酸ゲルの可溶化試験
蒸留水を塩酸で p H l . 5に調整した。 実施例 1で得られたスポンジ状のヒアル ロン酸ゲルを蒸留水で水洗し、 続いて実施例 6記載のリン酸緩衝生理的食塩水に 浸漬、 洗浄し、 続いて蒸留水で洗浄した。 洗浄したヒアルロン酸ゲルを凍結乾燥 した。 乾燥重量で 1 5 mgのヒアルロン酸を含むヒアルロン酸ゲルを pH 1. 5 の水溶液 1 5m lに浸漬した。 この溶液を 60°Cに設定したオーブン中に放置し た。 2時間後、 6時間後、 1 2時間後に 0. 5m 1ずつ溶液をサンプリングした。 6時間後に目視で確認できるヒアルロン酸ゲルはほとんど消失していた。
比較例 6
分子量が 2 X 1 06 ダルトンのヒアルロン酸ナトリウムを蒸留水に溶解し、 0. 1重量%のヒアルロン酸の水溶液を調整した。 この水溶液の pHを、 1 N塩酸で p H 1. 5に調整した。 このヒアルロン酸の酸性水溶液 1 5m 1 を、 60。Cォー ブン中に 4時間放置し、 直鎖状ヒアルロン酸の酸加水分解を行った。
実施例 9
可溶化ヒアルロン酸の分子量と分岐度の測定
実施例 8で可溶化されたヒアルロン酸と比較例 6で得られた直鎖状ヒアルロン酸 の酸加水分解物は、 G PC溶媒で 2倍に希釈して濃度を 0. 05重量%に調製し、 0. 2 μ mのメンブランフィルターでろ過した後、 0. 1 m l注入して GPC— MA L L Sの測定を行った。
GP Cカラムとして昭和電工社製 S B 806 HQを 1本、 示差屈折率検出器と して日本分光社製 8 30— R I、 MA L L Sは W y a t t社製 DAWNDS P— Fを使用して、 溶媒硝酸ナトリ ウムの 0. 2M水溶液、 測定温度 40 、 流速 0. 3m l Z分、 データ取得間隔 1回 Z 2秒で測定した。 散乱強度の測定は散乱角度 2 1. 7° 〜90° の 8検出器を使った。 データ処理ソフトウエアは Wy a t t 社製 ASTRA V e r s i o n 4. 1 0を使用した。
上記に従い、 実施例 8で可溶化されたヒアルロン酸と比較例 6で得られた直鎖 状ヒアル口ン酸の酸加水分解物の測定を行った。 測定結果を表 3に示す。
表 3
Figure imgf000022_0001
例えば、 実験 N o. 1 5の実施例 8で反応時間 2時間でサンプリングした場合、 ヒアルロン酸ゲルの可溶化率が小さい。 実験 N o. 1 7の反応時間 1 2時間でサ ンプリングした場合、 分子量が大きく低下し分岐度測定が困難になる。 実験 N o. 1 6の反応時間 6時間でサンプリングした場合、 ヒアルロン酸ゲルの可溶化率も 大きく、 分岐点を有するヒアルロン酸の存在を反映して分子量分布も 2. 4と大 きくなつている。
実験 No. 1 6の実施例 8で反応時間 6時間でサンプリングした可溶化された ヒアルロン酸と実験 No. 1 8の比較例 6で得られた直鎖状ヒアルロン酸の酸加 水分解物の G P Cクロマトグラムと分岐度の計算結果を図 1及び図 2に示す。 図 1から、 実施例 8の G P Cクロマトグラム 1は比較例 6の G P Cクロマトグ ラム 2と比較して、 高分子量側にショルダーがあることがわかる。 同一溶出体積 のフラクションの分子量を比較すると、 実施例 8では溶出体積 8 . 6 m l以下、 分子量で約 2 0万以上の領域で比較例 6よりも明確に大きな分子量を有すること わかる。
実施例 8では、 分岐点が存在するため、 比較例 6と比べて、 同一溶出体積のフ ラタションの分子量が大きくなっている。
図 2に比較例 6を直鎖状ヒアルロン酸として計算した実施例 8の分岐度と分子 量の関係を示した。 すなわち、 分岐度は図 1の同一溶出体積のフラクションの両 者の分子量から (2 ) 式と (3 ) 式を使って計算した。
図 2から、 実施例 8の分岐度は分子量約 2 0万以上の領域で、 分岐度 0 . 5以 上から急速に増大していくことがわかる。 本発明で得られたヒアルロン酸ゲル中 に、 ヒアルロン酸の促進酸加水分解条件下でも安定に存在する架橋構造が含まれ ていることがわかる。
実施例 1 0
ヒアルロン酸ゲルのアル力リ性緩衝水溶液中での浸漬試験
'実施例 1で得られたスポンジ状のヒアルロン酸ゲルを蒸留水で水洗し、 続いて 実施例 6記載のリン酸緩衝生理的食塩水に浸漬、 洗浄し、 次いで蒸留水で洗浄し た。 乾燥重量で 1 5 O m gのヒアルロン酸を含む洗浄ヒアルロン酸ゲルに対して、 5 0 m lの p H l 1のリン酸水素ニナトリゥム一水酸化ナトリウム 2 5 mM緩衝 液に浸漬し 2 5 °Cで放置したところ、 速やかに溶解し、 1時間後には完全に溶解 した。 また同様に、 p H 1 0の炭酸水素ナトリ ウム一水酸化ナトリウム 2 5 mM 緩衝液に浸漬したところ、 7時問後には形態が崩れて 1 8時間後には完全に溶解 した。
本発明で得られたヒアルロン酸ゲルは、 中性の水溶液中では難溶性であるが、 アル力リ性水溶液中では速やかに溶解する特徴を有することがわかった。
実施例 1 1
ヒアルロン酸ゲルの膨潤度測定 実施例 1で得られたスポンジ状のヒアルロン酸ゲルを蒸留水で水洗し、 続いて 実施例 6記載のリン酸緩衝生理的食塩水に浸漬、 洗浄し、 次いで蒸留水で洗浄し た。 その後、 洗浄したヒアルロン酸ゲルを凍結乾燥した。
乾燥重量で 1 0 Omgのヒアルロン酸ゲルを蒸留水 2 O Om l に浸漬し、 室温 で 24時間放置した。 取りだした膨潤したヒアルロン酸ゲルをろ紙上で脱水し、 膨潤したヒアルロン酸ゲルの重量を測定した。 膨潤倍率は 1 1 7倍だった。
本発明で得られたヒアルロン酸ゲルは、 膨潤倍率が測定可能な安定性を有して いることがわかった。
実施例 1 2
ヒアルロン酸ゲルの細胞毒性試験
正常ヒ ト皮虜由来線維芽細胞培養において本発明で得られたヒアルロン酸ゲルを 非接触下で共存させ、 細胞增殖挙動の観察によりその細胞毒性を評価した。 実施 例 1の方法で作製したスポンジ状のヒアルロン酸ゲルを実施例 8と同じ処理によ り凍結乾燥体とした。 その凍結乾燥体を機械的に粉砕したもの 2 Omgをフアル コン社製のセルカルチャーインサート (ボアサイズ: 3 / m) 中に入れ、 細胞を 播種した培地に浸した。 また、 ヒアルロン酸ゲル非共存下での培養をコントロー ノレとした。
培養条件 プレート :細胞培養用 1 2ゥ ルプレート
培地: DMEM培地 + 1 0%ゥシ胎児血清, 2 m 1ノウエル 温度: 37°C ( 5 % C O 2 下)
播種細胞数: 1 X 1 04 個 Zゥエル
培養開始後 2日、 5日、 8日後に、 細胞密度を倒立顕微鏡を用いて観察したと ころ、 ヒアルロン酸ゲルが共存していてもコントロールと同様に良好な增殖を示 し、 本発明で得られたヒアルロン酸ゲルには細胞毒性作用がないことが確認され た。
実施例 1 3
分子量が 2 X 1 06 ダルトンのヒアルロン酸ナトリウムを蒸留水に溶解し、 1 重量%のヒアルロン酸水溶液を調整した。 この水溶液の pHを、 1 N塩酸で pH 1. 5に調整し、 ヒアルロン酸酸性水溶液を得た。 このヒアルロン酸酸性水溶液 25 m lを、 プラスチック製シャーレに入れ、 一 20°Cに設定した冷凍庫に入れ た。 2 2時間の凍結と 25°Cで 2時間の解凍を 2回繰り返し、 スポンジ状のヒア ルロン酸ゲルが得られた。 次にこれを生理的食塩水に 5 OmM濃度でリン酸緩衝 成分を加えて調整した p H 7のリン酸緩衝生理的食塩水 1 00 m 1に 5 °Cで 24 時間浸漬し中和した後、 蒸留水で十分に洗浄した。 そしてこれを 2枚の板に挟ん で圧延し、 凍結乾燥した。 その結果、 シート状のヒアルロン酸ゲルの癒着防止剤 を得た。
実施例 14
分子量が 6 X 1 05 ダルトンのヒアルロン酸ナトリウムを用いた以外は、 実施 例 1 3と同様な操作を行った。 その結果、 シート状のヒアルロン酸ゲルの癒着防 止剤を得た。
実施例 1 5
実施例 1 3で調整した分子量 2 X 1 06 ダルトン、 pH l . 5のヒアルロン酸 酸性水溶液 25m lを、 プラスチック製シャーレに入れ、 一 20°Cに設定した冷 凍庫に入れた。 22時間の凍結と 2 5°Cで 2時間の解凍を 2回繰り返し、 スポン ジ状のヒアルロン酸ゲルが得られた。 次にこれを実施例 1 3と同様にリン酸緩衝 生理的食塩水の浸漬、 洗浄した後、 2枚の板に挟み圧延し、 これをオーブンによ り 40°Cで 3時間風乾した。 その結果、 フィルム状のヒアルロン酸ゲルの癒着防 止剤を得た。
実施例 1 6
実施例 1 3で得られたシート状のヒアルロン酸ゲル 501118を無菌的に1 Om 1の生理的食塩水に入れ、 マイクロホモジナイザ一 (P0LYT0R0N 、 KINEMATICA A G製) にて粉砕し、 破砕状のヒアルロン酸ゲルの癒着防止剤を得た。
実施例 1 7
実施例 1 3で調整した分子量 2 X 1 06 ダルトン、 pH l . 5のヒアルロン酸 酸性水溶液 1 5m 1を 3 Om 1の容器に入れ、 一 20 "Cに設定した冷凍庫に入れ た。 2 2時間の凍結と 25 °Cで 2時間の解凍を 2回繰り返し、 スポンジ状のヒア ルロン酸ゲルが得られた。 次にこれを生理的食塩水に 5 OmM濃度でリン酸緩衝 成分を加えて調整した p H 7のリン酸緩衝生理的食塩水 1 00m lに 5°Cで 24 時間浸漬し中和した後、 蒸留水で十分に洗浄した。 そしてこれをそのまま凍結乾 燥した。 その結果、 スポンジ状のヒアルロン酸ゲルの癒着防止剤を得た。
実施例 1 8
実施例 1 3で調整した分子量 2 X 1 06 ダルトン、 pH l . 5のヒアルロン酸 酸性水溶液 1 5m 1 を 3 Om 1の容器に入れ、 —20 °Cに設定した冷凍庫に入れ た。 2 2時間の凍結と 25°Cで 2時間の解凍を 2回繰り返し、 スポンジ状のヒア ルロン酸ゲルが得られた。 次にこれを実施例 1 3と同様にリン酸緩衝生理的食塩 水の浸漬、 洗浄し、 遠心脱水で押し固めたまま凍結乾燥した。 その結果、 塊状の ヒアルロン酸ゲルの医用材料を得た。
実施例 1 9
分子量 2 X 1 06 ダルトンのヒアルロン酸ナトリウムを蒸留水に溶解し、 0. 05%にし、 さらに 1 N塩酸で pH l . 5に調整したヒアルロン酸酸性水溶液 1 00m lを 200m lの容器に入れ、 一 20 °Cに設定した冷凍庫に入れた。
22時間の凍結と 2 5 で 2時間の解凍を 2回繰り返し、 繊維状のヒアルロン 酸ゲルが得られた。 次にこれをろ過により回収し、 実施例 1 3と同様にリン酸緩 衝生理的食塩水の浸漬、 洗浄、 凍結乾燥した。 その結果、 繊維状のヒアルロン酸 ゲルの医用材料を得た。
実施例 20
実施例 1 3で調整した分子量 2 X 1 06 ダルトン、 pH l . 5のヒアルロン酸 酸性水溶液 5 m l を、 チューブ状の型に流し込み、 — 20°Cに設定した冷凍庫に 入れた。 22時間の凍結と 25 °Cで 2時間の解凍を 2回繰り返し、 チューブ状の ヒアルロン酸ゲルが得られた。 次にこれを実施例 1 3と同様にリン酸緩衝生理的 食塩水の浸漬、 洗浄、 凍結乾燥した。 その結果、 チューブ状のヒアルロン酸ゲル の医用材料を得た。
実施例 2 1
実施例 1 3で調整した分子量 2 X 1 06 ダルトン、 pH l . 5のヒアルロン酸 酸性水溶液 25m l を、 プラスチック製シャーレに入れ、 一 20°Cに設定した冷 凍庫に入れた。 2 2時間の凍結と 2 5°Cで 2時間の解凍を 2回繰り返し、 スポン ジ状のヒアルロン酸ゲルが得られた。 次にこれを実施例 1 3と同様にリン酸緩衝 生理的食塩水の浸漬、 洗浄し、 軽く脱水後、 1重量%のヒアルロン酸水溶液 5 m 1 を加えこれを含ませたまま 2枚の板に挟んで圧延し、 凍結乾燥した。 その結果、 ヒアルロン酸を併用するシート状のヒアルロン酸ゲルの癒着防止剤を得た。
比較例 7
実施例 1 3で調整したヒアルロン酸水溶液を使って、 p Hを 1 N水酸化ナトリ ゥムで 7. 0に調整し、 その 25 m 1 をプラスチック製シャーレに入れて一 20 °Cで凍結し、 凍結乾燥してシート状のヒアルロン酸を得た。
比較例 8
実施例 1 3で調整したヒアルロン酸水溶液を使って、 pHを 1 N水酸化ナトリ ゥムで 7. 0に調整し、 その 2 5m 1 をプラスチック製シャーレに入れて 60°C で風乾し、 シート状のヒアルロン酸を得た。
比較例 9
実施例 1 3で調整したヒアルロン酸水溶液を使って、 1 を 1 N水酸化ナトリ ゥムで 7. 0に調整し、 その 25 m 1 をビーカーに入れて一 20°Cで凍結し、 凍 結乾燥してスポンジ状のヒアルロン酸を得た。
比較例 1 0
1. 1 gのリン酸水素ニナトリウム水和物を 30 gの水に溶解し、 2%の水酸 化ナトリ ゥムで P H 1 0に調整した溶液に分子量 6 X 1 05 ダルトンのヒアルロ ン酸ナトリ ウム 0. 6 gを溶解した。 次に、 塩化シァヌール 0. 058を 1. 5 m 1のジォキサンに溶解し、 上記ヒアルロン酸溶液に添加し、 3時問室温で反応 させた。 その後、 透析膜に入れ、 1 日間水に対して透析し、 型枠のついたガラス 板上に流し込み乾燥して、 フィルムを得た。
実施例 22
ヒアルロン酸ゲルの癒着防止剤及び医用材料の溶解性試験
生理的食塩水に 50 mM濃度でリン酸緩衝成分を加え、 p H 7のリン酸緩衝生 理的食塩水を調整した。 乾燥重量で 1 5 Omgのヒアルロン酸を含むヒアルロン 酸ゲルの癒着防止剤及び医用材料を、 5 Om 1 のリン酸緩衝生理的食塩水に浸漬 し緩やかに浸盪した。 25°Cでリン酸緩衝生理的食塩水中に溶出するヒアルロン 酸ゲルの癒着防止剤及び医用材料の溶解性をその形態から求めた。 上記に従い、 具体的に実施例 1 3〜2 1及び比較例 7〜 9のヒアルロン酸ゲル の癒着防止剤及び医用材料の溶解性試験を行った。 その結果を表 4に示す。
表 4
Figure imgf000028_0001
表 4より、 実施例 (実験 No. 1 9〜2 7) のヒアルロン酸ゲルの癒着防止剤 及び医用材料は、 比較例 (実験 No. 2 8〜30) の単なるヒアルロン酸をシー ト状、 スポンジ状に成形したものが 1日で中性の 2 5 °Cの水溶液中で完全溶解し てしまうのに比較して、 7日後でも一部溶解または不変であることから、 1 日以 上形態を保持することが示唆された。
実施例 23
ヒアルロン酸ゲルの癒着防止剤及び医用材料の溶解性試験
生理的食塩水に 50 mM濃度でリン酸緩衝成分を加え、 p H 7のリン酸緩衝生 理的食塩水を調整した。 乾燥重量で 1 5 Omgのヒアルロン酸を含むヒアルロン 酸ゲルの癒着防止剤及び医用材料を、 50 m 1のリン酸緩衝生理的食塩水に浸漬 し緩やかに撹拌した。 3 7°Cでリン酸緩衝生理的食塩水中に溶出するヒアルロン 酸の割合を、 リン酸緩衝生理的食塩水中のヒアルロン酸濃度から求めた。
ヒアルロン酸濃度の測定
リン酸緩衝生理的食塩水中のヒアルロン酸の濃度は、 G PCを使って、 示差屈 折率検出器のピーク面積から求めた。
上記に従い、 具体的に実施例 1 3〜2 1及び比較例 7〜 9のヒアルロン酸ゲル の癒着防止剤及び医用材料の溶解性試験を行った。 その結果を表 5に示す。
表 5
Figure imgf000029_0001
表 5より、 実施例 (実験 No. 3 1〜39) のヒアルロン酸ゲルの癒着防止剤 及び医用材料は、 比較例 (実験 No. 40〜42) の単にヒアルロン酸をシート 状、 スポンジ状に成形したものが 1 2時間で 3 7°Cのリン酸緩衝生理的食塩水に 96〜 1 00%の溶解率であるのに比較して、 7日後でも 26〜55%の溶解率 であり、 難水溶性であることが示唆された。
実施例 24
ヒアルロン酸ゲルの癒着防止剤の生体適合性試験及び生体内滞留性試験 実施例 1 3及び実施例 14で得られたシート状のヒアルロン酸ゲルの癒着防止 剤を、 1 c mX 1 c mの正方形に裁断したもの、 コントロールとして、 比較例 7 で得られたシート状ヒアル口ン酸を 1 c mX 1 c mの正方形に裁断したもの、 及 び比較例 1 0で得られた塩化シァヌール架橋ヒアルロン酸を 1 c mX 1 c mの正 方形に裁断したものを以下の試験に供した。
1 2週令の雌性 DDYマウス (平均体重 33 g) 20匹のうち、 5匹をヒアル ロン酸ゲル (分子量 2 X 1 06 ダルトン) 、 5匹をヒアルロン酸ゲル (分子量 6 X 1 05 ダノレトン) 、 比較例として 5匹を凍結乾燥ヒアルロン酸、 残り 5匹を塩 化シァヌ一ル架橘ヒアルロン酸の埋め込みに用いた。
埋め込みは、 マウスをネンブタール麻酔後、 腹部正中線に沿って約 1. 5 c m 切開し、 各種ヒアル口ン酸を盲腸に乗せて縫合することにより行った。
埋め込みから 3、 5、 7、 9、 1 4日目に、 ヒアルロン酸ゲル埋め込みマウス と、 凍結乾燥ヒアルロン酸埋め込みマゥスをそれぞれ 1匹ずつ頸椎脱臼致死後、 腹部を切開し、 埋め込み部の状態の観察を行った。 その後、 腹腔内を生理食塩水 により洗浄し、 残存ヒアルロン酸をシート部分も含めて回収した。
この回収液に等量の 0. 02 Nの水酸化ナトリウムを加えて 1時間静置後、 塩 酸を加えて中和した。 次いで、 遠心分離し、 フィルター (ポアサイズ 0. 45 μ m) 濾過により調製した。 そして、 得られた試料の G PC分析により、 回収液中 のヒアルロン酸を定量した。 ヒアルロン酸回収率を埋め込んだシート中のヒアル ロン酸量を基準として算出した結果を、 埋め込み部の状態の観察結果と併せて表 6に示す。 表 6
Figure imgf000031_0001
(註) 〇:異常なし △:軽微な炎症 どのマゥスも正常に生育したが、 組織の状態はヒアル口ン酸ゲル及び凍結乾燥 ヒアルロン酸が埋め込み局所の組織の状態に異常は見られなかったのに対し、 比 較例 1 0で得られた塩化シァヌール架橋ヒアルロン酸では組織の軽微な炎症が認 められた。
実施例 2 5
ヒアルロン酸ゲルの癒着防止剤のマウス子宮モデルによる癒着防止効果試験 実施例 1 3で得られたヒアルロン酸ゲルの癒着防止剤を、 1 c m X 2 c mの長 方形に裁断したもの、 同様に実施例 1 3で得られたヒアルロン酸ゲルの癒着防止 剤に実施例 1 3で調整したヒアル口ン酸溶液を添加したもの、 コントロールとし て、 比較例 7で得られたシート状ヒアルロン酸、 実施例 1 3で調整したヒアルロ ン酸溶液及び比較例 1 0で得られた塩化シァヌール架橋ヒアルロン酸を 1 c m X 2 c mの長方形に裁断したものを以下の試験に供した。
7週令雌 I C Rマウス (体重 2 5〜3 0 g ) を腹腔内ペントバルビタ一ル注射 で麻酔後正中切開にて開腹し、 子宮角に約 1 0 m mの長さでヨードチンキ擦過塗 布により損傷を加えた。 各群 1 0匹のマウスにコン トロールと して無処置及び、 それぞれ上記のヒアルロン酸ゲル、 シー ト状のヒアルロン酸、 及び塩化シァヌ一 ル架橋ヒアルロン酸の 1 c m X 2 c mの長方形のシ一トを損傷部位に巻き付け、 また、 ヒアルロン酸溶液の場合は、 実施例 1 3で調整したヒアルロン酸溶液 l m
1 を損傷部位に添加し、 さらにヒアルロン酸ゲルとヒアルロン酸溶液を併用する 場合は、 先ずヒアルロン酸ゲルを損傷部位に巻き付け、 腹腔内にヒアルロン酸溶 液 1 m 1 を添加した。 そしていづれの場合も 5 — 0デキソンにて閉腹した。
術後 1 0日目に、 無処置、 ヒアルロン酸ゲル、 ヒアルロン酸ゲルとヒアルロン 酸溶液の併用、 シー ト状ヒアルロン酸、 ヒアルロン酸溶液及び塩化シァヌール架 橋ヒアルロン酸を投与したマウスを各 1 0匹を類推脱臼致死後、 腹部を再開腹し、 癒着形成の有無を判定した。 癒着形成は、 膜状のごく軽度の癒着は癒着と判定せ ず、 繊維状で厚く、 ピンセッ トで引っぱても容易に引き剥がれない強い癒着を生 じた場合を癒着と判定した。 その結果を表 7に示す。 7 実験 群 癒着の形成割合 備考
N o
47 無処置 9/10 比較例 実施例 13の 実施例
48 ヒアルロン酸ゲル 1/10 実施例 13のヒアル口
49 ン酸ゲルに実施例 13 0/10 実施例 で調整したヒアルロン
酸溶液を添加 比較例 7のシート状
50 ヒァノレ口ン酸 5/10 比較例 実施例 13で調整した
51 ヒアルロン酸溶液 6/10 比較例 比較例 10の
52 塩化シァヌ—ル 3/10 比較例 架橘ヒアルロン酸
表 7より、 無処置で癒着の形成割合が 1 0匹中 9匹の時、 単にヒアルロン酸を シート状に成形したものが、 1 0匹中 5匹、 ヒアルロン酸溶液が 1 0匹中 6匹、 及び塩化シァヌ一ル架撟ヒアルロン酸が 1 0匹中 3匹なのに比較して、 実施例 1 3のヒアルロン酸ゲルの癒着防止剤は 1 0匹中 1匹、 及び実施例 1 3で得られた ヒアルロン酸ゲルの癒着防止剤に実施例 1 3で調整したヒアル口ン酸溶液を添加 したものは 1 0匹中 0匹と優れた癒着防止作用があることが示唆された。
実施例 2 6
ヒアルロン酸ゲルの癒着防止剤のラット盲腸モデルによる癒着防止効果試験 実施例 1 3で得られたヒアルロン酸ゲルの癒着防止剤を、 2 c m X 2 c mの正 方形に裁断したもの、 コントロールとして、 比較例 7で得られたシート状のヒア ルロン酸、 及び比較例 1 0で得られた塩化シァヌール架橋ヒアルロン酸を 2 c m X 2 c mの正方形に裁断したものを以下の試験に供した。
1 0週令雄 Wistarラット (体重約 2 5 0 g ) を腹腔内にケタミン ( 6 0 m g 体重 l k g ) とキシラジン (1 O m g /体重 1 k g ) 注射で麻酔後正中切開にて 開腹し、 盲腸に約 1 0 X 1 O m mの領域をゲージで擦り (約 2 0回) 点状の出血 が生じるまでの擦過傷をつくつた。 各群 5匹のラッ トにコントロールとして無処 置及び、 それぞれ上記のヒアルロン酸ゲル、 シート状ヒアルロン酸、 塩化シァヌ 一ル架橘ヒアルロン酸の 2 c m X 2 c mの長方形のシートを損傷部位に添付し、 そして 3— 0デキソンにて閉腹した。
術後 1 4日目に、 無処置及びヒアルロン酸ゲル、 シート状ヒアルロン酸、 塩化 シァヌール架橋ヒアルロン酸を投与したラッ トを各 5匹屠殺後、 腹部を再開腹し、 癒着形成の有無を判定した。 癒着形成は、 膜状のごく軽度の癒着は癒着と判定せ ず、 繊維状で厚く、 ピンセッ トで引っぱても容易に引き剥がれない強い癒着を生 じた場合を癒着と判定した。 その結果を表 8に示す。 表 8
Figure imgf000035_0001
表 8より、 無処置で癒着の形成割合が 5匹中 4匹の時、 単にヒアルロン酸をシ ート状に成形したものが、 5匹中 3匹、 及び塩化シァヌール架橋ヒアルロン酸が 5匹中 2匹なのに比較して、 実施例 1 3のヒアルロン酸ゲルの癒着防止剤は 5匹 中 1匹と優れた癒着防止作用があることが示唆された。
産業上の利用の可能性
以上、 本発明によれば、 なんら化学的架橋剤や化学的修飾剤を使用することな く、 難水溶性のヒアルロン酸のゲルが得られる。 化学的架橘剤や化学的修飾剤を 使用することに起因する生体適合性への悪影響が避けられ、 生体內滞留時間が長 いので生体適合性材料分野に有用である。 特に本発明の難水溶性のヒアルロン酸 ゲルにより、 (1 ) 癒着防止剤として理想的な生体内貯留性が得られる、 (2 ) 創面での滞留時間を大幅に改善することで術後癒着を顕著に抑制できる、 ( 3 ) 更に、 従来の化学的な改質ヒアルロン酸の問題点であった毒性や生体適合性へ問 題を完全に解決することができる極めて安全性が高い、 等の優れた癒着防止剤を 提供することができる。

Claims

請求の範囲
1. 中性水溶液に難溶性であることを特徴とするヒアル口ン酸単独で形成された ゲル。
2. 中性の 2 5 Cの水溶液中で 1 日以上形態を保持することを特徴とする請求項 1記載のヒアルロン酸ゲル。
3. 中性の 25 °Cの水溶液中で 1 日での溶解率が 5 0 %以下であることを特徴と する請求項 1記載のヒアル口ン酸ゲル。
4. 中性の 3 7°Cの水溶液中で 1 2時間での溶解率が 50 %以下であることを特 徴とする請求項 1記載のヒアルロン酸ゲル。
5. ヒアルロン酸の促進酸加水分解条件下でヒアルロン酸ゲルを処理することで 可溶化されたヒアルロン酸が分岐構造を有し、 該可溶化されたヒアル口ン酸中に、 分岐度が 0. 5以上の分子量フラクションを部分的に含むことを特徴とする請求 項 1記載のヒアル口ン酸ゲル。
6. ヒアルロン酸の pH 3. 5以下の水溶液を凍結し、 次いで解凍して形成され ることを特徴とする請求項 1記載のヒアルロン酸ゲル。
7. ヒアルロン酸の水溶液を、 pH 3. 5以下に調整し、 該水溶液を凍結し、 次 いで解凍することを少なく とも 1回行うことを特徴とする請求項 6記載のヒアル 口ン酸ゲルの製造方法。
8. 次の (a) 、 (b) の要件を満たすヒアルロン酸単独で形成されたゲルを含 有することを特徴とする医用材料。
(a) 中性の 25 °Cの水溶液中で 1 日での溶解率が 50%以下である、 (b) ヒ アル口ン酸の促進酸加水分解条件下でヒアルロン酸ゲルを処理することで可溶化 されたヒアルロン酸が分岐構造を有し、 該可溶化されたヒアルロン酸中に、 分岐 度が 0. 5以上の分子量フラクションを部分的に含む。
9. ヒアルロン酸単独で形成されたゲルが、 シート状、 フィルム状、 破砕状、 ス ポンジ状、 塊状、 繊維状、 又はチューブ状からなる群より選択した 1種であるこ とを特徴とする請求項 8記載の医用材料。
1 0. 中性の 25 °Cの水溶液中で 1 日での溶解率が 50%以下であり、 ヒアルロ ン酸の促進酸加水分解条件下でヒアルロン酸ゲルを処理することで可溶化された ヒアルロン酸が分岐構造を有し、 該可溶化されたヒアルロン酸中に、 分岐度が 0 . 5以上の分子量フラクションを部分的に含むヒアルロン酸ゲルと、 ゲル化されて いないヒアル口ン酸を含む医用材料。
1 1 . シート状、 フィルム状、 破砕状、 スポンジ状、 塊状、 繊維状、 又はチュー ブ状であるヒアルロン酸単独で形成されたヒアルロン酸ゲルと、 ゲル化されてい ないヒアルロン酸を含む医用材料。
1 2 . 医用材料が癒着防止剤であることを特徴とする請求項 8〜 1 1のいずれか 1項に記載の医用材料。
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