JP4460663B2 - ヒアルロン酸ゲルスラリー及びその用途 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒアルロン酸単独で形成されたゲルを含有するヒアルロン酸ゲルスラリーに関し、特にそれらの医用材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒアルロン酸は、β−D−N−アセチルグルコサミンとβ−D−グルクロン酸が交互に結合した直鎖状の高分子多糖である。ヒアルロン酸は哺乳動物の結合組織に分布するほか、ニワトリのとさか、連鎖球菌の夾膜などにも存在が知られている。ニワトリのとさか、臍帯等が抽出材料として用いられているほか、連鎖球菌の培養物からも精製物が調整されている。
ヒアルロン酸は、種及び臓器特異性をもたず、生体に移植または注入した場合であっても優れた生体適合性を示すことが知られている。
【0003】
さらに、生体に適用する場合のヒアルロン酸自体の易水溶性に由来する短所、例えば、生体内滞留時間が比較的短いことなどから、多種多様なヒアルロン酸の化学修飾物も提案されている(米国特許第4,582,865号明細書、特公平6−37575号公報、特開平7−97401号公報、特開昭60−130601号公報、特開平3−105003号、欧州特許0341745A1、特開平6−73103号公報参照)。
【0004】
ヒアルロン酸は、極めて高い粘ちょう性と保湿性を有し、本質的に抗原性が無く生体適合性が高いため、変形性膝関節症の治療薬や眼科手術補助剤等に用いられている。
また、ヒアルロン酸溶液そのものを手術後の癒着防止材として用いることも検討されているが、生体内での貯留性が比較的短いので効果が弱く、水溶性のため短時間で創面から拡散・流動してしまう(Journal of Gynecologic Surgery vol.7 No.2 97-101(1991)。
【0005】
ヒアルロン酸自体が本来持っている優れた生体適合性の特徴を最大限生かすために、なんら化学的架橋剤や化学的修飾剤を使用することなく、またカチオン性の高分子と複合体化することなく、生体適合性医用材料として使用可能な、生体内滞留時間が長いヒアルロン酸ゲルを見出した(PCT/JP98/03536号)。
【0006】
癒着防止材、創傷治療材として用いられるヒアルロン酸単独で形成された医用材料はシート状に成形され、外科手術部位に直接貼付することにより効果を発現する。しかし、シートは内視鏡等を用いた局所の外科手術の場合は、操作性がよくない。また、微小部位、形状の複雑な部位への適用も難しい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、ゲル化したヒアルロン酸を破砕処理して得られた粒子、または低濃度ヒアルロン酸性水溶液を凍結して得られたヒアルロン酸ゲル粒子は、大きな平均粒径では微小部位、形状の複雑な部位に均一な投与が難しい。
そこで、平均粒径を10mm以下にすることにより微小部位、形状の複雑な部位への均一な施用を可能とした。また、スラリー濃度を0.1〜5重量%に調製する事により好適な流動性を保持し、注入材としても有効であり、更にこのヒアルロン酸ゲルスラリーが医用材料、化粧料としても有用であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、(1)ヒアルロン酸単独で形成されたゲルを含有することを特徴とするヒアルロン酸ゲルスラリー、(2)ヒアルロン酸単独で形成されたゲルの平均粒径が10mm以下である(1)記載のヒアルロン酸ゲルスラリー、(3)ヒアルロン酸単独で形成されたゲルのスラリー濃度が0.1〜5重量%である(1)又は(2)記載のヒアルロン酸ゲルスラリー、(4)(1)〜(3)のいずれか1項に記載のヒアルロン酸ゲルスラリーを含有することを特徴とする医用材料、(5)(1)〜(3)のいずれか1項に記載のヒアルロン酸ゲルスラリーを含有することを特徴とする化粧料である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるヒアルロン酸は、動物組織から抽出したものでも、また発酵法で製造したものでもその起源を問うことなく使用できる。
発酵法で使用する菌株は自然界から分離されるストレプトコッカス属等のヒアルロン酸生産能を有する微生物、又は特開昭63−123392号公報に記載したストレプトコッカス・エクイFM−100(微工研菌寄第9027号) 、特開平2−234689号公報に記載したストレプトコッカス・エクイFM−300(微工研菌寄第2319号) のような高収率で安定にヒアルロン酸を生産する変異株が望ましい。上記の変異株を用いて培養、精製されたものが用いられる。
【0010】
本発明でいうヒアルロン酸単独で形成されたゲルとは、ヒアルロン酸の架橋構造によって三次元網目構造が形成されている。中性水溶液に難溶性であることを特徴とし、このヒアルロン酸ゲルを中性水溶液中に投入すると、ゲル化していないヒアルロン酸と比較して有意の難溶性を示す。難溶性は、中性の37℃の水溶液中でのゲルの形態の保持とゲルの溶解率で規定する。
本発明でいうヒアルロン酸ゲルは、アルカリ性水溶液中、例えばpH11のアルカリ性緩衝水溶液中に投入すると速やかに溶解する特徴も有する。
【0011】
本発明でいうヒアルロン酸単独で形成されたゲルとは、ヒアルロン酸以外に化学的架橋剤や化学的修飾剤等は使用しないことまた、カチオン性の高分子と複合体化しないことでゲルを形成させることであり、自己架橋したゲルを意味するものである。
【0012】
本発明に用いられるヒアルロン酸の分子量は、約1×105 〜約1×107 ダルトンの範囲内のものが好ましい。また、上記範囲内の分子量をもつものであれば、より高分子量のものから、加水分解処理等をして得たものでも同様に好ましく使用できる。
なお、本発明にいうヒアルロン酸は、そのアルカリ金属塩、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウムの塩をも包含する概念で使用される。
【0013】
本発明でいうヒアルロン酸ゲルは、ヒアルロン酸の促進酸加水分解反応条件下でヒアルロン酸ゲルを処理することで分解、可溶化することができる。可溶化されたヒアルロン酸が架橋構造を保持している場合、分岐点を有するヒアルロン酸として高分子溶液論的に直鎖状のヒアルロン酸と区別することができる。
【0014】
本発明でいうヒアルロン酸の促進酸加水分解反応条件としては、水溶液のpH1.5、温度60℃が適当である。ヒアルロン酸のグリコシド結合の加水分解による主鎖切断反応が、中性の水溶液中と比較して、酸性やアルカリ性の水溶液中で著しく促進される。更に酸加水分解反応は、反応温度が高い方が促進される。
【0015】
本発明ではGPC−MALLS法を用い、GPCで分離された分子量フラクションの分子量と分岐度をオンラインで連続的に測定した。本発明では、同一溶出体積のフラクションの可溶化されたヒアルロン酸の分子量と対照となる直鎖状ヒアルロン酸の分子量を比較して分岐度を計算する溶出体積法を使って分岐度の測定を行った。分岐度は可溶化されたヒアルロン酸の高分子鎖1コ当たりに存在する分岐点の数であり、可溶化されたヒアルロン酸の分子量に対してプロットされる。
【0016】
可溶化されたヒアルロン酸は、GPC溶媒で希釈して濃度を調製し、0.2μmのメンブランフィルターでろ過した後測定に供した。
本発明でいうヒアルロン酸ゲル中に、ヒアルロン酸の促進酸加水分解条件下でも安定に存在する架橋構造がある場合、可溶化されたヒアルロン酸に分岐構造が高分子溶液論的に確認される。本発明でいうヒアルロン酸ゲルの分岐度は、0.5以上である。
【0017】
ヒアルロン酸の水溶液は、ヒアルロン酸の粉末と水を混合し、撹拌して得られる。また、酸で酸性に調製した水にヒアルロン酸を投入する方法によっても得られる。このヒアルロン酸の濃度は5.0重量%以下が水溶液の処理上好都合である。また、ヒアルロン酸の水溶液のpHを調整するために使用する酸は、pH2.0以下に調整できる酸であれば、いずれの酸も使用することができる。酸の使用量を低減するために、好ましくは強酸、例えば、硝酸、塩酸、硫酸等を使用することが望ましい。
【0018】
ヒアルロン酸酸性水溶液の凍結は任意の容器に注入した後、−30℃〜−10℃の温度で行う。凍結は底面から冷凍する方法、空冷方式による凍結いずれの方法によってもよい。4時間以上凍結した後解凍することによりヒアルロン酸ゲルが得られるが、短時間の凍結だとゲル化率の低いヒアルロン酸ゲルが、長時間の凍結だとゲル化率の高いヒアルロン酸ゲルが得られ、いずれも破砕、懸濁処理することにより好適なスラリーが製造できた。
【0019】
ヒアルロン酸ゲルの破砕は、目的とする破砕粒度によって下記の粉砕機が選択される。圧縮粉砕方式の粗砕型(ブレーキ、ドッジ、シングル、トッグルジョークラッシャー)、旋動型(ジャイレトリ、コーン、ハイドロコーンクラッシャー)、回転型(ロールクラッシャー、シングルロールクラッシャー、ディスククラッシャー)。衝撃圧縮粉砕方式のひき臼型(スタンプミル)、ハンマー型(ハンマーミル、インパクトクラッシャー、インペラーブレーカー、レイモンド垂直ミル、チタンミル、ノボロータ、ミクロンミル、ディスインテグレーター、ディスメンブレーター)、流体エネルギー型(ジェットミル、ジェットパルペライザ、ミクロナイザー、リダクショナイザ噴射式粉砕機、エヤーミル)、回転円筒型(ボール、チューブ、コンパートメント、ロッド、コニカル、トリコン、ヒルデブランドミル)。せん断粉砕方式の回転型(カッティングミル、せん断ロールミル、ユーヒーミル)。摩擦粉砕方式の回転型(ひき臼、パンミル、アトリションミル、エージランナー)、旋動型(スクリュークラッシャー、塔式摩砕機、サイドグライダー)、遠心力型(遠心ローラーミル、遠心ボールミル)、回転円筒型(リングローラーミル、高速ボールミル、低速ボールミル、ハイスイングボールミル、振動ボールミル)、湿式コロイドミル型(プレミヤミル、シャロッテミル)および超音波破砕方式等を用いるが、破砕可能なものであればこれらに限定されない。
【0020】
ヒアルロン酸ゲルの破砕平均粒径は10mm以下であり、好ましくは10〜5000μmである。
【0021】
ヒアルロン酸ゲルを破砕することで得られた粒状ヒアルロン酸ゲルを、生理的食塩水に50mM濃度でリン酸緩衝成分を加えて調製したpH7のリン酸緩衝生理的食塩水で中和した後、注射用水で洗浄する。得られた粒状ヒアルロン酸ゲルを任意の溶液にスラリー濃度0.1〜5重量%で懸濁することによりヒアルロン酸ゲルスラリーが得られる。
【0022】
次に、本発明に用いられる低濃度ヒアルロン酸酸性水溶液を凍結して得られる粒状ヒアルロン酸ゲルを用いたスラリーの製造方法について説明する。
ヒアルロン酸の水溶液の調製は、破砕により粒状化する方法の時と同様である。
【0023】
ヒアルロン酸濃度は0.005〜0.5重量%であり、0.01〜0.2重量%が好ましい。0.005重量%以下ではゲルが成形されず、0.5重量%以上では粒状のヒアルロン酸ゲルが得られず、容器形状に依存した一塊のヒアルロン酸ゲルが得られるためである。
【0024】
次にヒアルロン酸の水溶液のpHを0.5〜2.0に調製する。pH2.0以下に調整できる酸であれば、いずれの酸も使用することができる。酸の使用量を低減するために、好ましくは強酸、例えば、硝酸、塩酸、硫酸等を使用することが好ましい。
【0025】
この低濃度ヒアルロン酸酸性水溶液の凍結は、任意の容器に注入した後、−30℃〜−10℃の温度で行う。−30℃より低い凍結温度ではゲル化の進行が遅く、長時間が必要になってしまうため好ましくない。また、−5℃より高い温度では溶液が凍結しない場合があり好ましくない。
【0026】
また、凍結は底面から冷凍する方法、空冷方式の凍結いずれの方法によってもよい。2日以上凍結した後、解凍することにより粒状ヒアルロン酸ゲルが得られる。
【0027】
低濃度ヒアルロン酸酸性溶液を凍結することで得られた粒状ヒアルロン酸ゲルを含む当該酸性水溶液をメンブレンフィルターで粒状ヒアルロン酸ゲルを回収した後、生理的食塩水に50mM濃度でリン酸緩衝成分を加えて調製したpH7のリン酸緩衝生理的食塩水で中和した後、注射用水で洗浄する。得られた粒状ヒアルロン酸ゲルを任意の溶液にスラリー濃度0.1〜5重量%で懸濁することによりヒアルロン酸ゲルスラリーが得られる。
なお、注射用水で洗浄した後、凍結乾燥したものを再び任意の溶液に懸濁させることでもスラリーの製造は可能である。
【0028】
本発明で得られたヒアルロン酸ゲルスラリーは、一般の生体内分解性医用材料及びヒアルロン酸が用いられる分野であれば特に制限なく使用することができる。例えば、癒着防止材、薬理活性物質の担体、創傷被覆材、人工皮膚、組織置換型生体組織修復材、関節注入剤、皮膚注入剤、外科手術用縫合糸、止血剤、人工臓器、人工細胞外マトリックス又は人工基底膜、診断・治療に用いる医療器具・医療用具等の生物医学的製品又は医薬組成物、およびワンポイント化粧料、各種化粧用クリーム、乳液、化粧水、美容液、パック剤、アンダーメイクアップ、ファンデーション、ゼリー剤、軟膏等の化粧料への使用が挙げられる。
【0029】
ヒアルロン酸ゲルスラリーは、単一形態での使用は当然ながら、異なるヒアルロン酸ゲル形態との混合又は併用、更にゲル化されていないヒアルロン酸との混合又は併用による組合せ処方により効果の増強が期待できる。
例えば、術後癒着防止材としてヒアルロン酸ゲルからなるスラリーをヒアルロン酸ゲルシート状成形物、ヒアルロン酸溶液の組み合わせを腹部に併用した場合、局所効果と腹腔内全体効果が期待できる。
【0030】
次に、本発明の医用材料のうち癒着防止材について説明する。
本発明で得られた粒状ヒアルロン酸ゲルスラリーの癒着防止材は、外科手術に用いられ、外科手術部位に直接投与するのが好ましい。ヒアルロン酸ゲルスラリーの癒着防止材は、癒着が生じるいかなる動物にも適用でき、哺乳動物、特に人間に於いて好適に手術後の癒着を防止することができる。
【0031】
生体内の投与場所は腹腔、胸腔内の各種臓器、腱鞘、頭蓋、神経、及び眼球、等に係わる、腹部手術、婦人科手術、胸部手術、腱や靭帯に係わる整形外科手術、硬膜に係わる神経外科手術、等どこでも有用である。
【0032】
本発明で得られた粒状ヒアルロン酸ゲルスラリーの癒着防止材の投与時期は、術後の癒着を防止できるどの時期でも良く、手術中又は手術終了時に投与できるが、特に手術終了の直前に投与するのが好ましい。
【0033】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明する。なお、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0034】
実施例1
分子量が2×106 ダルトンのヒアルロン酸ナトリウムを注射用水に溶解し、1重量%のヒアルロン酸水溶液を調整した。この水溶液のpHを、1N塩酸でpH1.5に調整し、ヒアルロン酸酸性水溶液を得た。このヒアルロン酸酸性水溶液80mlを、100mlサンプル瓶に入れ、−20℃に設定した冷凍庫に入れた。120時間の凍結でヒアルロン酸ゲルが得られた。次にこれを注射用水10mlを加え10分間放置後デカンテーションする洗浄を3回繰り返した後、生理的食塩水に50mM濃度でリン酸緩衝成分を加えて調整したpH7のリン酸緩衝生理的食塩水100mlを加えデカンテーションする中和を2回繰り返した後、注射用水で十分に洗浄しヒアルロン酸ゲルを得た。更にヒアルロン酸ゲルを下記表1の実験に従い任意の溶液中にスラリー濃度を調整するように添加し、マイクロホモジナイザー(NISSEI EXCEL AUTO HOMOGENIZER)を用い破砕処理をすると平均粒径が300〜1,000μmの粒状ヒアルロン酸ゲルを含むスラリーを得た。
なお、これら一連の操作は無菌・無埃環境下で行い、使用する薬液等も予め滅菌処理を行ったものを用いた。
【0035】
実施例2
分子量が2×106 ダルトンのヒアルロン酸ナトリウムを注射用水に溶解し、0.01重量%のヒアルロン酸水溶液を調整した。この水溶液のpHを、1N塩酸でpH1.5に調整し、低濃度ヒアルロン酸酸性水溶液を得た。この低濃度ヒアルロン酸酸性水溶液8リットルを、10リットルの容器に入れ、−20℃に設定した冷凍庫に入れた。120時間の凍結で平均粒径100〜500μmの粒状のヒアルロン酸ゲルが得られた。粒状ヒアルロン酸ゲルを含む当該酸性水溶液をメンブレンフィルターで粒状ヒアルロン酸ゲルを回収した後、注射用水10mlを加え10分間放置後デカンテーションする洗浄を3回繰り返した後、生理的食塩水に50mM濃度でリン酸緩衝成分を加えて調整したpH7のリン酸緩衝生理的食塩水100mlを加えデカンテーションする中和を2回繰り返し、注射用水で十分に洗浄した。
更に、ヒアルロン酸ゲルを下記実験に従い任意の溶液中にスラリー濃度を調整するように添加しするとヒアルロン酸ゲルスラリーを得た。
なお、これら一連の操作は無菌・無埃環境下で行い、使用する薬液等も予め滅菌処理を行ったものを用いた。
【0036】
【表1】
【0037】
実施例3
ヒアルロン酸ゲルの分岐度測定
実施例1及び2で得られた粒状ヒアルロン酸ゲルを以下の試験に供した。
【0038】
ヒアルロン酸ゲルをpH1.5の塩酸水溶液15mlに浸漬し、60℃で6時間加水分解し、ゲルを完全に可溶化させた。これをGPC溶媒で2倍に希釈して濃度を0.05重量%に調整し、0.2μmのメンブレンフィルターでろ過した後、0.1ml注入してGPC−MALLSで測定した結果、分岐度はいずれも0.5以上であった。
【0039】
実施例4
ヒアルロン酸ゲルスラリーの溶解性試験
表1の各実験で得られたヒアルロン酸ゲルスラリーを以下の試験に供した。
【0040】
生理食塩水に50mM濃度でリン酸緩衝成分を加え、pH7のリン酸緩衝生理食塩水を調製した。実験No.1で得られた生理食塩水に懸濁した1.0重量%、平均粒径1,000μmのヒアルロン酸ゲルスラリー、実験No.2で得られた生理食塩水に懸濁した1.0重量%、平均粒径300μmのヒアルロン酸ゲルスラリー、実験No.4で得られたPBSに懸濁した1.0重量%、平均粒径300μmのヒアルロン酸ゲルスラリー、実験No.6で得られた0.5重量%ヒアルロン酸溶液に懸濁した1.0重量%、平均粒径300μmのヒアルロン酸ゲルスラリー、実験No.8で得られた生理食塩水に懸濁した1.0重量%、平均粒径500μmのヒアルロン酸ゲルスラリー、実験No.9で得られた生理食塩水に懸濁した1.0重量%、平均粒径100μmのヒアルロン酸ゲルスラリー、実験No.11で得られたPBSに懸濁した1.0重量%、平均粒径100μmのヒアルロン酸ゲルスラリー、実験No.13で得られた0.5重量%ヒアルロン酸溶液に懸濁した1.0重量%、平均粒径100μmのヒアルロン酸ゲルスラリー、それぞれ1mlを50mlのリン酸緩生理食塩水に浸漬し緩やかに攪拌した。37℃でリン酸緩衝生理食塩水中に溶出するヒアルロン酸の割合を、リン酸緩衝生理食塩水中ヒアルロン酸濃度から求めた。その結果を表2に示す。
【0041】
ヒアルロン酸濃度の測定
リン酸緩衝生理食塩水中のヒアルロン酸濃度は、GPCを用いて、示差屈折率検出器のピーク面積から求めた。
【0042】
【表2】
【0043】
表2より、ヒアルロン酸ゲルスラリーは有効な貯留性を示すことが確認された。
【0044】
実施例5
ヒアルロン酸ゲルスラリー癒着防止材のマウス子宮モデルによる癒着防止効果試験
ヒアルロン酸水溶液を比較として、実験No.2〜5及び実験No.9〜12で得られたヒアルロン酸ゲルスラリーを以下の試験に供した。
【0045】
7週令雌ICRマウス(体重25〜30g)を腹腔内ペントバルビタール注射で麻酔後正中切開にて開腹し、子宮角に約10mmの長さでヨードチンキ擦過塗布により損傷を加えた。各群10匹のマウスにコントロールとして無処置及び、実験No.2で得られた生理食塩水に懸濁した1.0重量%、平均粒径300μmのヒアルロン酸ゲルスラリー、実験No.3で得られた生理食塩水に懸濁した3.0重量%、平均粒径300μmのヒアルロン酸ゲルスラリー、実験No.4で得られたPBSに懸濁した1.0重量%、平均粒径300μmのヒアルロン酸ゲルスラリー、実験No.5で得られたPBSに懸濁した3.0重量%、平均粒径300μmのヒアルロン酸ゲルスラリー、実験No.9で得られた生理食塩水に懸濁した1.0重量%、平均粒径100μmのヒアルロン酸ゲルスラリー、実験No.10で得られた生理食塩水に懸濁した3.0重量%、平均粒径100μmのヒアルロン酸ゲルスラリー、実験No.11で得られたPBSに懸濁した1.0重量%、平均粒径100μmのヒアルロン酸ゲルスラリー、実験No.12で得られたPBSに懸濁した3.0重量%、平均粒径100μmのヒアルロン酸ゲルスラリー、また比較として1.0重量%ヒアルロン酸水溶液を用いた。
【0046】
ヒアルロン酸水溶液及びヒアルロン酸ゲルスラリー1mlを損傷部位に添加し、5−0デキソンにて閉腹した。
【0047】
術後10日目に、無処置、ヒアルロン酸ゲルスラリー、ヒアルロン酸水溶液を投与したマウス各10匹を頚椎脱臼致死後、腹部を再開腹し、癒着形成の有無を判定した。癒着形成は、膜状のごく軽度の癒着は癒着と判定せず、繊維状で厚く、ピンセットで引ぱっても容易に引き剥がれない強い癒着を生じた場合を癒着と判定した。その結果を表3に示す。
【0048】
【表3】
【0049】
表3より、無処置で癒着の形成割合が10匹中9匹の時、1.0重量%ヒアルロン酸水溶液が10匹中6匹、実験No.2で得られた生理食塩水に懸濁した1.0重量%、平均粒径300μmのヒアルロン酸ゲルスラリーが10匹中0匹、実験No.3で得られた生理食塩水に懸濁した3.0重量%、平均粒径300μmのヒアルロン酸ゲルスラリーが10匹中0匹、実験No.4で得られたPBSに懸濁した1.0重量%、平均粒径300μmのヒアルロン酸ゲルスラリーが10匹中1匹、実験No.5で得られたPBSに懸濁した3.0重量%、平均粒径300μmのヒアルロン酸ゲルスラリーが10匹中0匹、実験No.9で得られた生理食塩水に懸濁した1.0重量%、平均粒径100μmのヒアルロン酸ゲルスラリーが10匹中1匹、実験No.10で得られた生理食塩水に懸濁した3.0重量%、平均粒径100μmのヒアルロン酸ゲルスラリーが10匹中1匹、実験No.11で得られたPBSに懸濁した1.0重量%、平均粒径100μmのヒアルロン酸ゲルスラリーが10匹中1匹、実験No.12で得られたPBSに懸濁した3.0重量%、平均粒径100μmのヒアルロン酸ゲルスラリーが10匹中1匹と、ヒアルロン酸ゲルスラリーが優れた癒着防止作用があることが示唆された。
【0050】
実施例6
ヒアルロン酸ゲルスラリーの癒着防止剤のラット盲腸モデルによる癒着防止効果試験
実験No.2で得られた生理食塩水に懸濁した1.0重量%、平均粒径300μmのヒアルロン酸ゲルスラリー、実験No.3で得られた生理食塩水に懸濁した3.0重量%、平均粒径300μmのヒアルロン酸ゲルスラリー、実験No.4で得られたPBSに懸濁した1.0重量%、平均粒径300μmのヒアルロン酸ゲルスラリー、実験No.5で得られたPBSに懸濁した3.0重量%、平均粒径300μmのヒアルロン酸ゲルスラリー、実験No.9で得られた生理食塩水に懸濁した1.0重量%、平均粒径100μmのヒアルロン酸ゲルスラリー、実験No.10で得られた生理食塩水に懸濁した3.0重量%、平均粒径100μmのヒアルロン酸ゲルスラリー、実験No.11で得られたPBSに懸濁した1.0重量%、平均粒径100μmのヒアルロン酸ゲルスラリー、実験No.12で得られたPBSに懸濁した3.0重量%、平均粒径100μmのヒアルロン酸ゲルスラリー、また比較として1.0重量%ヒアルロン酸水溶液を試験に供した。
【0051】
10週令雄Wistarラット(体重約250g)を腹腔内にケタミン(60mg/体重1kg)とキシラジン(10mg/体重1kg)注射で麻酔後正中切開にて開腹し、盲腸に約10×10mmの領域をゲージで擦り(約20回)点状の出血が生じるまでの擦過傷をつくった。各群5匹のラットに、ヒアルロン酸水溶液及びヒアルロン酸ゲルスラリー2mlを損傷部位に添加し、3−0デキソンにて閉腹した。
【0052】
術後14日目に、無処置、ヒアルロン酸ゲルのスラリー、ヒアルロン酸水溶液を投与したラットを各5匹屠殺後、腹部を再開腹し、癒着形成の有無を判定した。癒着形成は、膜状のごく軽度の癒着は癒着と判定せず、繊維状で厚く、ピンセットで引ぱっても容易に引き剥がれない強い癒着を生じた場合を癒着と判定した。その結果を表4に示す。
【0053】
【表4】
【0054】
表4より、無処置で癒着の形成割合が5匹中5匹の時、1.0重量%ヒアルロン酸水溶液が5匹中3匹、実験No.2で得られた生理食塩水に懸濁した1.0重量%、平均粒径300μmのヒアルロン酸ゲルスラリーが5匹中1匹、実験No.3で得られた生理食塩水に懸濁した3.0重量%、平均粒径300μmのヒアルロン酸ゲルスラリーが5匹中0匹、実験No.4で得られたPBSに懸濁した1.0重量%、平均粒径300μmのヒアルロン酸ゲルスラリーが5匹中0匹、実験No.5で得られたPBSに懸濁した3.0重量%、平均粒径300μmのヒアルロン酸ゲルスラリーが5匹中1匹、実験No.9で得られた生理食塩水に懸濁した1.0重量%、平均粒径100μmのヒアルロン酸ゲルスラリーが5匹中0匹、実験No.10で得られた生理食塩水に懸濁した3.0重量%、平均粒径100μmのヒアルロン酸ゲルスラリーが5匹中0匹、実験No.11で得られたPBSに懸濁した1.0重量%、平均粒径100μmのヒアルロン酸ゲルスラリーが5匹中0匹、実験No.12で得られたPBSに懸濁した3.0重量%、平均粒径100μmのヒアルロン酸ゲルスラリーが5匹中1匹と、ヒアルロン酸ゲルスラリーが優れた癒着防止作用があることが示唆された。
【0055】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、ヒアルロン酸単独で形成された難溶性のヒアルロン酸ゲルをスラリーとすることにより、特に生体適合性の高い医用材料が得られる。
Claims (14)
- ヒアルロン酸単独で形成され、且つ平均粒径が1,000μm以下のゲルを含有する、スラリー濃度が0.1〜5重量%のヒアルロン酸ゲルスラリー。
- 請求項1に記載のヒアルロン酸ゲルスラリーであって、
a)ヒアルロン酸水溶液を冷凍し、ヒアルロン酸ゲルを調整する工程と、
b)前記ヒアルロン酸ゲルと水溶液とを混合し、前記ヒアルロン酸ゲルを含む水溶液を調整する工程と、
を含む生産方法で得られる、ヒアルロン酸ゲルスラリー。 - 請求項2に記載のヒアルロン酸ゲルスラリーであって、
c) 前記ヒアルロン酸ゲルを含む水溶液に対して破砕処理する工程、
をさらに含む生産方法で得られる、ヒアルロン酸ゲルスラリー。 - 請求項2または3に記載のヒアルロン酸ゲルスラリーであって、
前記ヒアルロン酸水溶液中のヒアルロン酸濃度が5重量%以下である、
ヒアルロン酸ゲルスラリー。 - 請求項1に記載のヒアルロン酸ゲルスラリーであって、
d)ヒアルロン酸水溶液を冷凍し、粒状ヒアルロン酸ゲルを含む水溶液を調整する工程と、
e)前記粒状ヒアルロン酸ゲルを含む水溶液をフィルターに供し、粒状ヒアルロン酸ゲルを分離する工程と、
f)工程e)で分離した粒状ヒアルロン酸ゲルと水溶液を混合する工程と、
を含む生産方法で得られる、ヒアルロン酸ゲルスラリー。 - 請求項5に記載のヒアルロン酸ゲルスラリーであって、
前記ヒアルロン酸水溶液中のヒアルロン酸濃度が0.005〜0.5重量%である、
ヒアルロン酸ゲルスラリー。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載のヒアルロン酸ゲルスラリーを含有することを特徴とする医用材料。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のヒアルロン酸ゲルスラリーを含有することを特徴とする化粧料。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のヒアルロン酸ゲルスラリーを含有することを特徴とする、癒着防止剤。
- 請求項1に記載のヒアルロン酸ゲルスラリーの生産方法であって、
g)ヒアルロン酸水溶液を冷凍し、ヒアルロン酸ゲルを調整する工程と、
h)前記ヒアルロン酸ゲルと水溶液とを混合し、前記ヒアルロン酸ゲルを含む水溶液を調整する工程と、
を含む生産方法。 - 請求項10に記載のヒアルロン酸ゲルスラリーの生産方法であって、
i) 前記ヒアルロン酸ゲルを含む水溶液に対して破砕処理する工程、
をさらに含む生産方法。 - 請求項10または11に記載のヒアルロン酸ゲルスラリーの生産方法であって、
前記ヒアルロン酸水溶液中のヒアルロン酸濃度が5重量%以下である、
生産方法。 - 請求項1に記載のヒアルロン酸ゲルスラリーの生産方法であって、
j)ヒアルロン酸水溶液を冷凍し、粒状ヒアルロン酸ゲルを含む水溶液を調整する工程と、
k)前記粒状ヒアルロン酸ゲルを含む水溶液をフィルターに供し、粒状ヒアルロン酸ゲルを分離する工程と、
l)工程k)で分離した粒状ヒアルロン酸ゲルと水溶液を混合する工程と、
を含む生産方法。 - 請求項13に記載のヒアルロン酸ゲルスラリーの生産方法であって、
前記ヒアルロン酸水溶液中のヒアルロン酸濃度が0.005〜0.5重量%である、
生産方法。
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