JPH0558881A - ヒアルロン酸ゲル及びその製造方法 - Google Patents

ヒアルロン酸ゲル及びその製造方法

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JPH0558881A JP24049291A JP24049291A JPH0558881A JP H0558881 A JPH0558881 A JP H0558881A JP 24049291 A JP24049291 A JP 24049291A JP 24049291 A JP24049291 A JP 24049291A JP H0558881 A JPH0558881 A JP H0558881A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 水性液を含む硬化ヒアルロン酸よりなること
を特徴とするヒアルロン酸ゲル。 【効果】 生体により容易に分解可能でしかも安全なゲ
ルを提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はゲル、特に人体中にも含
まれるヒアルロン酸を用いて形成したヒアルロン酸ゲル
に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子有機物質を用い、各種ゲル組成物
が形成され、食品、医薬、医薬部外品等各種分野に用い
られている。これらのゲル組成物は、特に生体内投与さ
れる場合には、一般に天然物ないし天然物の加工品が用
いられているが、生体に負担を与えずに分解可能なゲル
組成物が望まれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のゲル
は天然物由来の場合にも、その起源が植物である場合が
多く、特に人体に適用される場合には、より人体内成分
に近い成分によるゲルの形成が要望されている。一方、
人体を代表とする生体には、高分子物質としてコンドロ
イチン硫酸或いはヒアルロン酸等が知られており、特に
ヒアルロン酸は微生物による大量生産も可能であり、各
種薬効も有することから、近年注目を集めている。
【0004】しかしながら、ヒアルロン酸は曳糸性、粘
弾性を有することは知られている(特開昭60−233
101号等)ものの、未だゲル形成に用いることはでき
ないものであった。本発明は前記従来技術の課題に鑑み
なされたものであり、その目的は本来、生体内であるヒ
アルロン酸を用いたゲル及びその製造方法を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明者らが鋭意検討した結果、生体内成分であるヒ
アルロン酸を特定条件下におくと、ゲルを形成すること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本出願の請求項1記載のヒアル
ロン酸ゲルは、水性液を含む硬化ヒアルロン酸よりなる
ことを特徴とする。
【0007】また、請求項2記載のヒアルロン酸ゲルの
製造方法は、ヒアルロン酸溶液を、pH2.0〜3.
8、20〜80重量%水溶性有機溶剤存在下におくこと
を特徴とする。
【0008】請求項3記載のヒアルロン酸ゲルは、20
重量%以上の水溶性有機溶剤中に保持されることを特徴
とする。
【0009】請求項4記載のヒアルロン酸ゲルは、ヒア
ルロン酸ゲルを油性基剤でコーティングしたことを特徴
とする。
【0010】請求項5記載のコーティングヒアルロン酸
ゲルの製造方法は、ヒアルロン酸溶液を油性基剤中に分
散させ、攪拌した後、pH2.0〜3.8、20〜80
重量%の水溶性有機溶剤を添加し、ヒアルロン酸をゲル
化することを特徴とする。
【0011】請求項6記載の微細ヒアルロン酸ゲルの製
造方法は、界面活性剤を添加したヒアルロン酸溶液を、
非水溶性有機溶剤中に分散させることを特徴とする。
【0012】以下、本発明の構成を更に詳細に説明す
る。本発明者らがヒアルロン酸の特性について検討した
ところ、ヒアルロン酸水溶液を低pH下で水溶性有機溶
剤に接触させることによりゲル化することを見出した。
前記水溶性有機溶剤には脱水性もあるが、ゲル形成前の
ヒアルロン酸水溶液よりヒアルロン酸ゲルの方が重量が
減少するとは限らない。このため、単に脱水によるゲル
化とは考えられず、本発明者らは低pH下で水溶性有機
溶剤に接触させた場合に形成されるゲル状ヒアルロン酸
を硬化ヒアルロン酸と呼ぶこととした。
【0013】なお、前記水溶性有機溶剤としては、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン等が
挙げられ、この内人体に対する影響が少ない点等からエ
タノールが好ましい。この水溶性有機溶剤の濃度は20
〜80重量%であることが好適である。20重量%以下
であると、ゲル化が起こらず、80重量%以上であると
ヒアルロン酸が沈殿してしまうことが多い。
【0014】また、ゲル化させる際のpHは2.0〜
3.8が好適である。この範囲を越えるとゲル化が生じ
ず、溶解ないし沈殿を生じてしまうことが多い。
【0015】なお、ヒアルロン酸を溶解する溶媒として
は、水はもちろん、エチレングリコール、グリセリン等
を用いることも可能である。そして、ヒアルロン酸ゲル
には、ヘパリン、コラーゲン等の他の高分子を共存させ
ることによりゲル構造が強化される。また、抗ヒスタミ
ン剤等の薬剤を添加することも可能である。
【0016】また、ヒアルロン酸ゲルにコーティング等
を施さない場合には、該ヒアルロン酸ゲルを水中に投入
すると徐々に溶解する。しかし、油性物質等でヒアルロ
ン酸ゲルをコーティングすることにより、耐水性が大幅
に向上する。この際に用いられる油性物質には特に制限
がなく、流動パラフィン、油脂、脂肪酸、脂肪酸エステ
ル、シリコン油等各種の成分を用いることができる。ま
た、コーティングを施さないヒアルロン酸ゲルは、20
重量%以上、好ましくは45%以上の水溶性有機溶剤中
に保持することが好適である。この状態では極めて長時
間にわたり安定なゲルが維持される。
【0017】
【実施例】以下、図面に基づき本発明の好適な実施例を
説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものでは
ない。また配合量は特に指定がない限り、重量%で示
す。
【0018】[ヒアルロン酸硬化ゲルの製造方法]pHと粘度 まず、pHとヒアルロン酸の粘度の関係について検討し
た。すなわち、0.1〜1重量%のヒアルロン酸溶液
を、塩酸添加ないし0.1Mリン酸緩衝液でpHを調製
し粘度を測定した。なお、粘度はE型粘度計を用い、2
5℃で測定した。
【0019】結果を図1(塩酸調製)及び図2(リン酸
緩衝液)に示す。同図より明らかなように、pH0から
急激に粘度が上昇し、pH2.3〜2.5附近で極大値
を示し、pH4附近で極小値を示した後、更に粘度は上
昇する。そこで、本発明者らはpH2.3付近の粘度極
大値に注目し、このpH域でヒアルロン酸が何等かの構
造変化を起こすものと考えて更に検討を進めた。
【0020】ヒアルロン酸濃度とゲル形成能 一般にゲルを形成するには加熱−冷却等のトリガーが要
求される。そこで、本発明者らはゲル形成の一手段とし
て水溶性有機溶剤の添加を試みた。この結果、前述した
特異的pH域を中心として良好なゲルを形成することを
見出した。
【0021】図3には水溶性有機溶剤として50%エタ
ノールを用い、ヒアルロン酸(平均分子量120万)の
濃度を変化させてゲルを形成した場合の、該ゲルのヤン
グ率が示されている。同図より明らかなように、ヒアル
ロン酸濃度1.0%の場合にはpH2.0〜3.3程度
でゲルが形成され、pH2.0より低い場合にはヒアル
ロン酸が沈殿してしまい、pH3.3を越える場合には
溶解してしまう。
【0022】また、ヒアルロン酸濃度0.6%の場合に
はpH2.0〜2.8でゲルが形成され、ヒアルロン酸
濃度0.3%の場合にはpH2.1〜2.6でゲルが形
成されるが、ヒアルロン酸濃度0.1%の場合にはゲル
が形成されない。なお、ゲルのヤング率はいずれのヒア
ルロン酸濃度でも、ゲル形成領域ではpHが低いほど高
くなる傾向にある。
【0023】一方、ゲルの収縮率は図4に示すようにな
る。すなわち、ヒアルロン酸溶液をエタノール溶液に投
入する前の重量をW0、投入して形成されたゲルの重量
をWとする。従って、W/W0は有機溶剤投入前後での
保水比を示す。
【0024】同図より明らかなように、前記ヤング率と
は逆の結果を示し、いずれの濃度領域でもpHが上昇す
るほどW/W0が大きくなる傾向にある。すなわち、p
H2.0〜2.5付近ではW/W0<1であり、ゲル化
により脱水が起きていることが示唆されるが、pH2.
5以上ではW/W0>1であり、50%アルコール水溶
液ではむしろ吸液が行なわれていることが示唆される。
このようにW/W0>1であってもゲル形成が行なわれ
ることから、有機溶剤の添加によるゲル化は単に脱水に
よるものではなく、ヒアルロン酸自体の構造変化が要因
であることが理解させる。
【0025】また、図5にはゲル1cm-3当りのヒアルロ
ン酸重量%(ゲル化後:Cf)が示されている。同図よ
り、ヒアルロン酸の濃度が高いほど、またpHが低いほ
ど単位体積当りのヒアルロン酸量は減少しており、含液
率の高いゲルを得ることができる。以上の結果、エタノ
ール50%区ではゲル形成領域はヒアルロン酸濃度が高
いほど広くなるが、ゲル形成が行なわれるpH域は2.
0〜3.3程度である。またヒアルロン酸0.1%では
ゲル化せず、0.3%以上が必要である。
【0026】次にエタノール濃度を80%にして同様の
試験を行った。結果を図6〜8に示す。各ゲルの物性の
傾向自体は前記エタノール濃度50%の場合とほぼ同様
であるが、ゲル形成pH領域はむしろヒアルロン酸濃度
が高くなるに従って狭くなる傾向にあり、ヒアルロン酸
濃度1.0%の場合にはpH2.0〜2.8、ヒアルロ
ン酸濃度0.6%の場合にはpH2.0〜3.0、ヒア
ルロン酸濃度0.3%の場合にはpH2.0〜3.8程
度でゲル形成が可能で、更にヒアルロン酸0.1%の場
合にもpH2.3でゲル形成が可能であることが確認さ
れた。なお、エタノール濃度が80%の場合にはゲル形
成領域以上ないし以下のpH濃度ではいずれも沈殿を生
じてしまう。
【0027】また、エタノール50%の場合と比較して
W/W0は小さくなり、一方脱水が進行することから単
位ゲル容積当りのヒアルロン酸濃度及びヤング率は増加
する。 以上の結果から、ゲル形成に必要なヒアルロン
酸濃度は0.1%が下限であり、ヒアルロン酸濃度0.
3%未満では有機溶剤濃度を80%程度とすることが必
要である。また、ゲル形成の際のpHは2.0〜3.8
程度が好適である。
【0028】有機溶剤濃度とゲル形成能 次に水溶性有機溶剤濃度とゲル特性について検討を進め
た。すなわち、20〜100%のエタノール濃度の水溶
液に3N−HClを滴下し、pHを2.35±0.03
に調製した液100mlを、あらかじめビーカーの中にと
った1%ヒアルロン酸(平均分子量120,000)水
溶液5gの上に上層させ、ゲル化させた。
【0029】図9にはエタノール濃度と、ヤング率、保
水比及びゲル中ヒアルロン酸濃度の関係が示されてい
る。同図よりエタノール濃度が40%〜80%でゲル形
成が可能であることが理解される。
【0030】なお、ヒアルロン酸濃度を低下させれば、
エタノール濃度が90%程度でもゲル形成が可能である
が、脱水作用によりゲル中ヒアルロン酸濃度は殆ど変化
がなくなってしまう。このため、ヒアルロン酸ゲルを形
成する際の現実的な有機溶剤濃度は40〜80%であ
る。
【0031】ヒアルロン酸の分子量とゲル形成能 次に、ヒアルロン酸の濃度とゲル形成能について検討し
た。図10にはヒアルロン酸の平均分子量を180万〜
58万とした場合に、pH2.35、エタノール濃度8
0%の条件下に形成されたゲルの特性を示す。同図より
明らかなように、ヤング率はヒアルロン酸の濃度が高い
ほど、また分子量が大きいほど高くなる傾向が強い。
【0032】一方、図11に示すように保水比(W/W
0)は分子量が大きいほど小さくなる傾向にあるが、ヒ
アルロン酸の初期濃度(Ci)への依存は小さいことが
理解される。なお、図12より明らかなように、ゲル単
位容積当り同一のヒアルロン酸濃度であると、ヤング率
はヒアルロン酸の分子量にあまり依存しない。
【0033】以上のように本発明にかかるヒアルロン酸
ゲルの形成方法によれば、生体内に普遍的に存在するヒ
アルロン酸を原料として良好なゲルを形成することがで
き、生体への影響が極めて少ないゲルを提供することが
できる。なお、本発明にかかるヒアルロン酸ゲルは、次
に示すような各種処理が可能である。
【0034】コーティングゲル 本発明にかかるヒアルロン酸ゲルは、例えば油性基剤中
でヒアルロン酸水溶液を分散させ、pH調製した有機溶
剤を添加することにより、油性基剤によりコーティング
されたゲルを形成することができ、気中安定性を向上さ
せることも可能である。すなわち、流動パラフィン中に
1%ヒアルロン酸溶液を添加し、ホモミキサーで攪拌す
る。この結果、流動パラフィン中に微細なヒアルロン酸
が分散した状態が得られる。この後、pH2.4の50
%エタノール水溶液を添加して攪拌・放置する。そし
て、余剰の流動パラフィンを除去し、ヒアルロン酸ゲル
を得る。
【0035】このヒアルロン酸ゲルは流動パラフィンに
コーティングされており、空気中に長時間放置してもゲ
ル状態に変化を生じることが少なく、しかもゲルの微細
化(粒子径100μm程度)を得ることができ、更に水
中でも安定であるという利点を有する。
【0036】微細ゲル 非水溶性有機溶剤中に、界面活性剤を添加したヒアルロ
ン酸溶液を分散させ、pH調製した有機溶剤を添加する
ことにより、極めて微細なヒアルロン酸ゲルを形成する
ことができる。すなわち、N−ヘキサン中に、SPAN
20TM(界面活性剤) %を添加した1%ヒアルロン酸
水溶液を投入し、500rpmでスターラ攪拌する。この
結果、N−ヘキサン中に微細なヒアルロン酸溶液が分散
した状態が得られる。そしてpH2.4の50%エタノ
ール水溶液を添加して攪拌・放置する。この後、余剰の
N−ヘキサンを除去し、ヒアルロン酸ゲルを得る。この
場合には、粒子径10μm以下の微細ヒアルロン酸ゲル
を得ることができる。
【0037】以上のようにして製造されたヒアルロン酸
ゲルは、例えば次のような用途に用いることができる。 (1)新剤型化粧料(マイクロスフィア、球状、紐状、膜
状等) (2)安定なマルチプルエマルジョン(O/W/O型エマ
ルジョン等)への配合 (3)薬剤、保湿剤、コラーゲン等を内包したヒアルロン
酸マイクロスフィア(プレシェーブローション、ネイル
エナメル、ファンデーション等) (4)ヒアルロン酸/抗ヒスタミン剤の非アレルギー粉末
点鼻薬等 (5)ソフトカプセル(2層にして内相に油性薬剤を包合
させる) 次に、これらのヒアルロン酸ゲルを応用したより具体的
な実施例について説明する。
【0038】実施例1 ヒアルロン酸スクラブ入りクレ
ンジングオイル 蒸留水10g、HCO−60(日本ケミカルズ株式会社
製)1g、流動パラフィン15gより製造したO/W型
エマルジョンに、等量の1%ヒアルロン酸水溶液(分子
量130万)を加えた。次いで、その全量をシリコンオ
イル中に攪拌しながら加え、エマルジョン液滴としたと
ころで、pH2.3の80%エタノールを滴下し、硬化
エマルジョンを得た。これを10%NaOHで中和後、
濾過回収し、真空乾燥して平均粒径500μmの流動パ
ラフィン内包ヒアルロン酸スクラブを得た。別にビーガ
ム(バンダービルト社製)4g、エマルエックス600
−D10(日本エマルジョン株式会社製)8g、流動パ
ラフィン88gより製造したオイルゲルを用意してお
き、これに先の流動パラフィン内包ヒアルロン酸スクラ
ブを分散させ、ヒアルロン酸スクラブ入りクレンジング
オイルを得た。本実施例品は、ヒアルロン酸スクラブを
配合しない場合より洗浄力が向上し、更に水を加えると
ヒアルロン酸が溶け出すため、洗浄後、肌に潤いを与え
ることができる。
【0039】実施例2 ビタミンA−パルミテート内包
ヒアルロン酸マイクロカプセル 1,3−ブチレングリコール25g、純水5g、HCO
−60 2.5gの混合溶液に、ビタミンA−パルミテ
ート5gを溶解した流動パラフィン50gをO/W乳化
した。このエマルジョン20gに等量の1.5%ヒアル
ロン酸を溶解し、更にそれをシリコンオイル中へ攪拌下
に分散した。これにpH2.0の90%エタノールを加
え、エマルジョン液滴を硬化後、20%KOHで中和
し、濾過、エタノール洗浄して、平均粒径200μmの
ビタミンA−パルミテート内包ヒアルロン酸マイクロカ
プセルを調製した。こうして得たマイクロカプセルを流
動パラフィン中に分散させ、50℃保存におけるビタミ
ンA−パルミテートの安定性を調べた。カプセル化せ
ず、流動パラフィンに直接ビタミンA−パルミテートを
溶解した系を対照として、液体クロマトにより残存率を
分析した。その結果、対照の場合、一カ月後には40%
程度しか残存していないのに対し、カプセル化した場
合、80%以上残っていることが確認された。すなわ
ち、カプセル化することでビタミンA−パルミテートの
酸化が抑制された。
【0040】実施例3 リノール酸エチル内包ヒアルロ
ン酸マイクロカプセル ビタミンA−パルミテートの代りにリノール酸エチルを
用いることを除いて、実施例2と同様の操作で、リノー
ル酸エチル内包ヒアルロン酸マイクロカプセルを調製し
た。本カプセルを流動パラフィン中に分散して、50℃
における安定性試験を実施した結果、一カ月後でもリノ
ール酸エチルが95%以上残存することを確認した。す
なわち、実施例2と同様、カプセル化することで酸化が
抑制された。
【0041】実施例4 薬物内包ヒアルロン酸微粉末 抗アレルギー剤であるフマル酸ケトチフェン微粉末(2
50メッシュ篩下)1gを1.0%ヒアルロン酸水溶液
10g中に均一に分散し、それを流動パラフィン中に滴
下し、高速で攪拌した。これにpH2.4の60%メタ
ノール水溶液を加え、液滴を固化した後中和し、濾過後
真空乾燥した。こうして得たフマル酸ケトチフェン内包
ヒアルロン酸粉末の平均粒径は約300μmであった。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかるヒア
ルロン酸ゲルによれば、生体により容易に分解可能でし
かも安全なゲルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】,
【図2】ヒアルロン酸溶液を低pHにおいた場合の、p
Hと粘度の関係を示す説明図である。
【図3】50%エタノール、低pHで形成したヒアルロ
ン酸ゲルのヤング率を示す説明図である。
【図4】50%エタノール、低pHで形成したヒアルロ
ン酸ゲルの保水比を示す説明図である。
【図5】50%エタノール、低pHで形成したヒアルロ
ン酸ゲルの、単位ゲル容積中のヒアルロン酸量を示す説
明図である。
【図6】80%エタノール、低pHで形成したヒアルロ
ン酸ゲルのヤング率を示す説明図である。
【図7】80%エタノール、低pHで形成したヒアルロ
ン酸ゲルの保水比を示す説明図である。
【図8】80%エタノール、低pHで形成したヒアルロ
ン酸ゲルの、単位ゲル容積中のヒアルロン酸量を示す説
明図である。
【図9】エタノール濃度と、ヒアルロン酸ゲルのヤング
率、保水比、単位ゲル容積中のヒアルロン酸量を示す説
明図である。
【図10】各種分子量のヒアルロン酸のゲル形成前濃度
とヤング率の関係を示す説明図である。
【図11】各種分子量のヒアルロン酸のゲル形成前濃度
と保水比の関係を示す説明図である。
【図12】各種分子量のヒアルロン酸ゲルの、単位ゲル
容積中のヒアルロン酸量を示す説明図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性液を含む硬化ヒアルロン酸よりなる
    ことを特徴とするヒアルロン酸ゲル。
  2. 【請求項2】 ヒアルロン酸溶液を、pH2.0〜3.
    8、20〜80重量%水溶性有機溶剤存在下におくこと
    を特徴とするヒアルロン酸ゲルの製造方法。
  3. 【請求項3】 20重量%以上の水溶性有機溶剤中に保
    持されることを特徴とするヒアルロン酸ゲル。
  4. 【請求項4】 ヒアルロン酸ゲルを油性基剤でコーティ
    ングしたことを特徴とするヒアルロン酸ゲル。
  5. 【請求項5】 ヒアルロン酸溶液を油性基剤中に分散さ
    せ、攪拌した後、pH2.0〜3.8、20〜80重量
    %の水溶性有機溶剤を添加し、ヒアルロン酸をゲル化す
    ることを特徴とするコーティングヒアルロン酸ゲルの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の方法において、界面活性
    剤を添加したヒアルロン酸溶液を、非水溶性有機溶剤中
    に分散させることを特徴とする微細ヒアルロン酸ゲルの
    製造方法。
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