JPH045489B2 - - Google Patents

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JPH045489B2
JPH045489B2 JP1508083A JP1508083A JPH045489B2 JP H045489 B2 JPH045489 B2 JP H045489B2 JP 1508083 A JP1508083 A JP 1508083A JP 1508083 A JP1508083 A JP 1508083A JP H045489 B2 JPH045489 B2 JP H045489B2
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、安全性が高い天然水溶性高分子物質
として知られるキトサンまたはキトサングリコー
ル誘導体を乳化剤として、化粧品および医薬品な
どに有効に活用することを目的とするものであ
る。 近年、乳化に関する数多くの研究がなされ、多
数の乳化剤が開発され、また乳化技術の進歩もめ
ざましく、非常に安定なエマルシヨンがあらゆる
工業で広く利用されてきている。しかし、その多
くは、ポリオキシエチレン鎖を含有する非イオン
界面活性剤、脂肪酸石けんで代表されるアニオン
界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性
剤を乳化剤として使用しており、とくに一般消費
者の間で安全性に不安を抱くものが多い。 このような事情から、生体由来の界面活性能を
有するう物質の利用が考えられているが、キトサ
ンおよびキトサングリコール誘導体は、高分子物
質であるため、一般に、乳化剤とした場合、乳化
粒子を1μ程度に微細にすることはできなかつた。 かかる事情に鑑み、本発明者等らは人体安全性
の高い天然高分子物質であるキトサンまたはキト
サングリコール誘導体を乳化剤として有効に活用
するために鋭意研究した結果、本発明を完成する
に至つた。 すなわち、本発明はキトサンおよびその塩、お
よびキトサングリコール誘導体およびその塩から
なる群より選ばれた1種または2種以上と、分子
内に2個以上の水酸基を有する水溶性多価アルコ
ールと、油分とを含有してなる乳化組成物、およ
びこの乳化組成物にさらに水を加えて得られる均
一で微細な乳化粒子を有する安定な水中油型乳化
組成物を提供するものである。 本発明により得られた前記乳化組成物は透明も
しくは半透明の粘稠液体またはゲルであり、さら
に水を加えた水中油型乳化組成物は乳白色の微細
粒子のエマルシヨンである。 この微細粒子化の原因は、キトサンまたはその
塩、またはキトサングリコール誘導体、またはそ
の塩が、多価アルコール〜油界面に効果的に配向
し、相互作用をするためと考えられる。 次に本発明の構成について詳述する。 本発明において用いられる水溶性多価アルコー
ルは、分子内に水酸基を二個以上含有する水溶性
多価アルコールで、例えば、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,3−ブチレング
リコール、1,4−ブチレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、グリセリン、及びジグリセリ
ン、トリグリセリン、テトラグリセリンなどのポ
リグリセリン、グルコース、マルトース、マルチ
トール、蔗糖、フラクトース、キシリトール、ソ
ルビトール、マルトトリオース、スレイトール、
エリスリトール、澱粉分解糖環元アルコールなど
でありこれらのうち1種または2種以上が用いら
れる。 配合量はキトサンおよびその塩、およびキトサ
ングリコール誘導体およびその塩から選ばれる1
種または2種以上と多価アルコールと油相からな
る乳化組成物の2〜95重量%(以下、単に%と称
す。)である。 本発明において用いられるキトサンは、エビ、
カニ、菌類、藻類などの動植物から抽出されるも
のである。抽出方法は種々あり、いずれの方法で
抽出されたキトサンでも本発明に好適に利用でき
る。 次に、抽出方法の一般例を示す。 エビ、カニの甲殻を水洗いした後、希塩酸で炭
酸カルシウムを除き、次いで水酸化ナトリウム水
溶液中で加熱し、蛋白質を分解除去する。 このアルカリ処理を細粉化したサンプルで数回
繰り返すことにより、純白のキチン粉末が得られ
る。このキチンを濃アルカリ中で加熱すると、脱
アセチル化反応により、キトサンが得られる。 次に、本発明によつて用いられるキトサングリ
コール誘導体は、キトサンのアルカリ水溶液とエ
チレンオキシドから得られるグリコールキトサ
ン、およびこれをさらにメチル化して得られるメ
チルグリコールキトサンである。 キトサンまたはキトサングリコール誘導体は分
子量1000ダルトン以上のものが好適に使用でき
る。 前記キトサンまたはキトサングリコール誘導体
の塩を形成する物質としては、塩酸、硫酸、硝酸
などの無機酸、酢酸、クエン酸、マレイン酸、フ
マール酸などの有機酸、グルタミン酸、アスパラ
ギン酸などの酸性アミノ酸、及びこれらを含むオ
リゴペプチド等が用いられ、さらに、以上の酸イ
オンを含む有機および無機塩も使用される。 キトサンまたはキトサングリコール誘導体の塩
は、あらかじめ反応させて塩にしてから添加して
も良いし、別々に添加して、乳化組成物の製造工
程中で反応させて塩にしても良い。キトサンまた
はキトサングリコール誘導体の塩水溶液のPHは9
以下が好ましい。 キトサンおよびその塩、およびキトサングリコ
ール誘導体およびその塩から選ばれる1種または
2種以上と多価アルコールの配合量は、重量比で
1:1〜1000の範囲である。多価アルコールの配
合量が1:1より少ないとキトサン、キトサング
リコール誘導体等の溶解性が悪くなり、1000を超
えると、乳化安定性が悪くなる。 本発明で用いられる油分は、牛脂、スクワラ
ン、オリーブ油、コメヌカ油などの動植物油脂お
よび炭化水素、流動パラフイン、ワセリンなどの
鉱物油、イソプロピルミリステート、ペンタエリ
スリトールーテトラー2−エチルヘキサノエー
ト、ビタミンAパルミテート、ビタミンEアセテ
ートなどのエステル油、メチルフエニルシリコ
ン、ジメチルシリコンなどのシリコン油等の、化
粧品、医薬品、食品等の業界で一般に利用される
油分である。 油分に対し、多価アルコールと、キトサンおよ
びその塩、およびキトサングリコール誘導体およ
びその塩の1種または2種以上との合計量が20%
以上となるように調整することが望ましい。 本発明に係る前記乳化組成物には前記の必須成
分の他に使用目的に合わせて、非イオン界面活性
剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、
両性界面活性剤、薬剤、紫外線吸収剤、防腐剤、
酸化防止剤を混合添加しても良い。また、均質安
定化、粘度調整の目的で、アルコール、脂肪酸、
他の水溶性高分子などを添加しても良い。 本発明の乳化組成物を得るには、多価アルコー
ルまたはその水溶液中にキトサンおよびその塩、
およびキトサングリコール誘導体およびその塩の
1種または2種以上を溶解し、撹拌しながら油分
を添加することにより得られる。この場合、ホモ
ミキサー処理を行うことが好ましいが、手撹拌等
の弱い撹拌力でも良好な乳化組成物を得ることが
できる。 ここに得られた乳化組成物は、均一で透明また
は半透明のゲルまたは粘稠な液体であるのでこの
ままでは、例えば、サンケアゼリー、美容液、食
用ゼリー、薬用ゼリー、マツサージゼリー、潤滑
油など化粧品、薬品、飼料などあらゆる分野にお
いて使用することができる。 本発明に係る水中油型乳化組成物を得るには、
前述した乳化組成物と水とを混合すれば得られ
る。この場合、ホモミキサー処理を行なうことが
望ましい。ここに得られる水中油型乳化組成物は
極めて安定性に優れたものである。 水には、目的に応じて湿潤剤、水溶性ビタミ
ン、水溶性防腐剤、水溶性薬剤、水溶性高分子な
ど、化粧品、医薬品、食品などの業界で一般に汎
用される水相成分を添加することもできる。 上記乳化組成物と水との量的関係については、
極めて広範囲に選択できるが、通常乳化組成物
0.5〜80部に対して水99.5〜20部である。 ここに得られた水中油型乳化組成物は、均一な
微細粒子を分散した乳白色の粘稠あるいは低粘度
の液体であるため、このままの形態でも乳液、ク
リーム、フアウンデイシヨンなどの化粧品、シヤ
ンプー、リンスなどのトイレタリー製品、尿素ク
リーム、アクネクリームなどの医薬品、マヨネー
ズなどの食品等あらゆる分野で好適に使用するこ
とができる。また、均質安定化、粘性調整あるい
は薬効を持たせるために、他の水溶性高分子、薬
剤、界面活性剤、粉末、などを添加することも一
向に差支えない。 以下、本発明を実施例及び比較例によつてさら
に詳細に説明する。本発明はこれにより限定され
るものではない。 実施例1〜9、比較例1〜3 キトサン及びキトサングリコール誘導体の塩、
多価アルコール、精製水および油分を表−1に示
す配合組成及び量で配合し、70℃ホモミキサー処
理して、乳化組成物を作つた。さらに、この乳化
組成物に、それに対して10倍量の水を常温で撹拌
しながら加えて、水中油型乳化組成物を作つた。
乳化組成物と水中油型組成物の状態を観察し、特
性値を測定しそれらの結果を表−1に示した。な
お、各成分の数字は重量%である。
【表】
【表】 表−1に示したように、キトサン及びキトサン
グリコール誘導体の塩を含まない組成(比較例
1)、および多価アルコールを含まず、水を外相
とした組成(比較例2)では、安定な乳化組成物
は得られなかつた。さらに、キトサン及びキトサ
ングリコール誘導体の塩、多価アルコールおよび
油を含んでも、多価アルコールが相対的に少ない
(比較例3)と、安定な乳化組成物は得られなか
つた。これに対して、本発明に係る実施例1〜9
については、いずれの水準においても非常に良好
な透明あるいは半透明の粘稠な液体またはゲルが
得られ、さらに、水を加えて得られた水中油型乳
化組成物は、非常に微細な粒子の分散した安定な
エマルジヨンであつた。 実施例 10 水性化粧用油 (重量%) (A) メチルグリコールキトサンアスパラギン酸塩
2.0 マルチトール(70%水溶液) 30.0 1、3−ブチレングリコール 10.0 アスコルビン酸 0.5 (B) 流動パラフイン 30.0 オリーブ油 20.8 グリセリルトリステアレート 5.0 ビタミンEアセテート 0.5 ビタミンAパルミテート 0.5 防腐剤 0.5 香 料 0.2 (A)相を70℃で充分撹拌し、(B)相を70℃で溶解し
たものを(A)相に撹拌しながら添加した。このもの
をホモミキサー処理し、撹拌冷却して水性化粧用
油を得た。この化粧用油は、粘稠でやや流動感の
ある透明ゲル状を呈し、皮膚安全性が高く、かつ
経時安定性の優れた乳化物で、皮膚に塗布したと
き、非常にのびが良く、少量にて広範囲に拡がる
使用特性を有していた。 実施例 11 乳液 (重量%) (A) 局方グリセリン 20.0 1、3−ブチレングリコール 5.0 キトサン塩酸塩 2.0 グリコールキトサン 1.0 アラントイン 0.2 クエン酸 0.1 (B) 流動パラフイン 10.0 オリーブ油 5.0 ペンタエリスリトールーテトラー2−エチルヘ
キサノエート 5.0 ワセリン 5.0 エチニルエストラジオール 0.1 防腐剤 0.4 香 料 0.3 (C) 精製水 45.6 キサンテンガム 0.1 キズナ抽出液 0.1 センブリ抽出液 0.1 実施例10の製造法に準じて、(A)相、(B)相より乳
化組成物を得、70℃とし、別に調整し70℃に保つ
ておいた増粘剤水溶液(C)相で希釈分散した後、冷
却し水中油型エマルジヨンの栄養乳液を得た。こ
の乳液の粘度は30℃で、7900CPSであり、乳化粒
子径1〜3μ程度の安定でかつなじみの良い感触
を有していた。 実施例 12 サンケアクリーム (重量%) (A) ジグリセリン 20.0 ソルビトール(70%水溶液) 8.0 ブドウ糖(50%水溶液) 4.0 グリコールキトサン塩酸塩 2.0 グルコサミン塩酸塩 0.5 (B) 流動パラフイン 20.0 イソプロピルミリステート 10.0 ワセリン 5.0 ステアリルアルコール 5.0 PABA 2.0 防腐剤 0.5 香 料 0.3 (C) 精製水 19.5 ヒドロキシエチルセルロース 0.2 (D) 調合粉末 1.0 二酸化チタン 2.0 実施例11の製造法に準じて、サンケアクリーム
を得た。このとき、(C)相は(D)相を70℃にて分散ホ
モミキサー処理した後、希釈相として使用した。
このサンケアクリームは、25℃で硬度が23であ
り、やや透明感があり、また乳化粒子径が1〜
3μ程度で安定性の良い水中油型乳化組成物で、
太陽光の下で好適に使用できるものであつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 キトサンおよびその塩、およびキトサングリ
    コール誘導体およびその塩からなる群より選ばれ
    た1種または2種以上と、分子内に2個以上の水
    酸基を有する水溶性多価アルコールと、油分とを
    含有することを特徴とする乳化組成物。 2 キトサンおよびその塩、およびキトサングリ
    コール誘導体およびその塩からなる群より選ばれ
    た1種または2種以上と、分子内に2個以上の水
    酸基を有する水溶性多価アルコールと、油分とを
    含む乳化組成物と、水とを含有することを特徴と
    する水中油型乳化組成物。
JP1508083A 1983-01-31 1983-01-31 乳化組成物 Granted JPS59139310A (ja)

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JP1508083A JPS59139310A (ja) 1983-01-31 1983-01-31 乳化組成物

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