明 細 害
二トリル基含有高飽和共重合体ゴム、 その製造方法、 それを含む耐熱性ゴム組成 物およびゴムと繊維との複合体 技 術 分 野
本発明は二トリル基含有高飽和共重合体ゴムに高剪断力を付与することによつ てそのムーニー粘度を低下せしめた加工性のよい二トリル基含有髙飽和共重合体 ゴム、 その製造方法、 該低ム一二一二トリル基含有高飽和共重合体ゴムと耐熱性 ゴムとの混合物、 および該ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムと繊維との複合体 に関する。 背 景 技 術
二トリル基含有高飽和共重合体ゴム、 すなわち、 不飽和二トリル一共役ジェン 共重合体の水素化物は耐熱性、 耐油性および耐候性に優れたゴムとして知られて いる。 このゴムの加硫物に高い強度特性を付与するために補強繊維と一体化せし めた加硫物も知られている。 この繊維補強加硫物が十分高い強度を示すためには 、 ゴムが繊維中の間隙に十分ゆき亘り充満するようにゴムが良好な流動性ないし 加工性をもたねばならない。
二トリル基含有高飽和共重合体ゴムに良好な加工性を付与するために、 高剪断 力によってそのムーニー粘度を低下させる方法が提案されている (特開平 3— 1 2 2 1 0 3号) 。 この提案された方法は、 酸素または過酸化物のような酸素供与 体とラジカル転移剤の存在下に、 ムーニー粘度 5 5〜 1 0 0の水素化二トリルゴ ムを高剪断強度で剪断することによって熱酸化分解して、 ム一ニー粘度を 3 0〜 5 0に低下することからなる。
この提案された方法は、 熱酸化分解時に発生する遊離ラジカルを酸素供与体で 安定化するものであるが、 高剪断処理後に存在する過酸化物、 カルボキシル基、 カルボニル基などがゲル化の原因となるため、 高剪断処理後に通常の老化防止剤 を配合しても、 ゴムの保存中にム一ニー粘度が上昇することが判明した。
発 明 の 開 示
本発明の目的は、 二卜リル基含有高飽和共重合体ゴムに高剪断力を付与してム 一二一粘度を低下せしめた加工性のよいゴムであって、 剪断処理後の保存中にお ける粘度上昇が抑制された安定性のよいゴム、 そのような加工性のよいゴムの製 造方法、 加工性が改良された耐熱性ゴム混合物、 およびそのような加工性のよい ゴムと繊維との複合体を提供することにある。
本発明によれば、 老化防止剤の存在下に高剪断力を付与することによってその ム一二一粘度を 1 5ボイント以上低下させた二トリル基含有高飽和共重合体ゴム であって、 ムーニー粘度が 5〜 1 3 5であり、 重量平均分子量 Mwノ数平均分子 量 M n比が 3〜5であり、 かつ、 ムーニー粘度を低下させた後、 室温の空気中に 3 0日間放置せる間のムーニー粘度の上昇が 1 0ポイント以下である二トリル基 含有高飽和共重合体ゴムが提供される。
本発明によれば、 さらに、 二トリル基含有高飽和ゴム共重合体ゴムに高剪断力 を付与することによってそのムーニー粘度を低下させる方法において、 老化防止 剤の存在下に高剪断力を付与することを特徴とする低ム一二一 ·二トリル基含有 高飽和共重合体ゴムの製造方法が提供される。
本発明によれば、 さらに、 上記の低ム一二一 ·二トリル基含有高飽和ゴム共重 合体ゴムと耐熱性ゴムとの混合物であって、 該低ム一ニー ·二トリル基含有高飽 和共重合ゴムを少なくとも 5重量%以上含有することを特徴とする耐熱性ゴム組 成物が提供される。
本発明によれば、 さらに、 上記の低ム一二一 ·二トリル基含有高飽和共重合ゴ ムと繊維とからなるゴムと繊維との複合体が提供される。 発明を実施するための最良の形餱
以下、 本発明について詳述する。
(二卜リル基含有高飽和共重合体ゴム)
本発明で高剪断処理される二トリル基含有高飽和共重合体ゴムは、 ァクリロ二 トリル、 メタクリロニトリル、 α—クロ口アクリロニトリルなどのエチレン性不
飽和二トリルと、 1 , 3—ブタジエン、 イソプレン、 1 , 3—ペンタジェン、 2 , 3—ジメチルー 1, 3—ブタジエンなどの共役ジェンとの共重合体、 または、 上記の二種の単量体およびこれと共重合可能な単量体、 例えば、 スチレンなどの ビニル芳香族化合物、 (メタ) アクリル酸、 アルキル (メタ) ァクリレート、 ァ ルコキシアルキル (メタ) ァクリレート、 シァノアルキル (メタ) ァクリレート などの少なくとも 1種との多元共重合体である二トリル基含有不飽和共重合体ゴ ムの炭素一炭素二重結合を水素化したゴムである。
この二トリル基含有高飽和共重合体ゴムは、 エヂレン性不飽和二卜リル単量体 単位を通常 1 0〜6 0重量%、 好ましくは 3 0〜 5 0重量%、 共役ジェンを通常 4 0〜9 0重量%、 任意成分である共重合可能な単量体を 0 ~ 5 0重量%の割合 で含む二トリル基含有不飽和共重合体ゴムの炭素一炭素二重結合の含有量を 7 0 %以上、 好ましくは 9 0 %以上を水素化したものである。 共重合体ゴム中のェチ レン性不飽和二トリル単量体単位の含有量が 1 0重量%未滴では耐油性が十分で はなく、 逆に、 6 0重遞%を越えると弾性が低下するので好ましくない。 水素化 されていない炭素一炭素二重結合の含有量が 3 0重量%を越えると、 強度特性が 低下する。 この二トリル基含有高飽和共重合体ゴムは一般に良好な耐油性、 耐熱 性および耐候性を有する。
この二トリル基含有高飽和共重合体ゴムの具体例としては、 水素化ァクリロ二 トリル一ブタジエン共重合体ゴム、 水素化アクリロニトリル一イソプレン共重合 体ゴム、 水素化アクリロニトリル一ブタジエン一ァクリレート共重合体ゴム、 水 素化ァクリロニトリル一ブタジエン—ァクリレートーメタクリル酸共重合体ゴム などが挙げられる。
この ¾剪断処理前の二トリル基含有高飽和共重合体ゴム (以下、 「高ム一二一 '二トリル基含有高飽和共重合体ゴム」 ということがある) のム一二一粘度 [ M L i-4 ( 1 0 0で) j は通常 6 0〜: I 5 0の範囲、 好ましくは 8 0〜: L 0 0の範 囲である。 また、 そのヨウ素価は 1 2 0以下、 好ましくは 6 0以下、 より好まし くは 3 0以下である。
(老化防止剤)
本発明の加工性のよい低ム一二一 ·二トリル基含有高飽和共重合体ゴムは、 上 記の高ム一二一 ·二卜リル基含有高飽和共重合体ゴムに老化防止剤の存在下に高 剪断力を付与してそのムーニー粘度 M L4を低下させて得られる。
本発明で使用する老化防止剤は、 ゴム技術の分野において、 ゴムの酸化反応な どにより生成するゴムラジカルやゴムヒドロペルォキシラジカルを酸化連鎖反応 機構に関与しない型にしたり、 ヒドロペルォキシドを安定なアルコール型に変化 させてしまうような機能を有するものであり、 ゴムの老化を防ぎ、 その寿命を長 くする目的で使用される有機化合物である。
本発明で使用する老化防止剤は、 通常、 芳香族二級アミン系、 アミン *ケトン 系、 メルカブトペンゾイミダゾール系、 ビスフエノール系、 モノフエノール系、 チォビスフエノール系、 ヒドロキノン系、 ニッケル塩系、 チォゥレア系、 チォェ 一テル系およびリン系の各老化防止剤の中から選ばれる。 これらの中でも、 芳香 族二級アミン塩系、 アミン *ケトン系、 メルカプトべンゾイミダゾール系および ビスフエノール系の老化防止剤が好ましい。
芳香族二級アミン系老化防止剤は窆素原子に芳香族環が結合した二級アミンで あり、 その具体例としては、 ォクチル化ジフエニルァミン、 アルキル化ジフエ二 ルァミン、 4 , 4 ' 一ビス (ジメチルペンジル) ジフエニルァミン、 フエ二ルー α—ナフチルァミンなどのジァリールアミン系老化防止剤、 ジフエ二ルー ρ—フ ェニレンジァミン、 ジナフチルー ρ—フエ二レンジァミンなどのジァリール一 ρ 一フエ二レンジアミン系老化防止剤、 および Ν—イソプロピル一 N ' —フエニル 一 ρ—フエ二レンジァミン、 Ν— 1 , 3—ジメチルブチル— N ' —フエ二ルー ρ 一フエ二レンジァミン、 Ν— (3—メタクリロイルォキシ一 2—ヒドロキシプロ ピル) 一 N ' —フエ二ルー!)一フエ二レンジァミン、 Ν - (メタァクリロイル〉 一 N ' —フエ二ルー ρ—フエ二レンジァミンなどのアルキル ·ァリール一 ρ—フ ェニレンジアミン系老化防止剤が挙げられる。
ミン · ケトン系老化防止剤は芳香族ァミンとケトンとの縮合生成物であって 、 その具体例としては、 ァニリン 'アセトン縮合生成物、 ρ—フエネジン 'ァセ トン縮合物、 ジフエニルァミン ·アセトン縮合物などが挙げられる。
メルカブトべンゾイミダゾール系老化防止剤の具体例としては、 メルカプトべ ンゾイミダゾ一ルおよびその亜鉛塩、 メルカブトメチルペンゾイミダゾールおよ びその亜鉛塩などが挙げられる。
ビスフエノール系老化防止剤の具体例としては、 2, 2 ' ーメチレンビス (4 ーメチルー 6— t一ブチルフエノール) 、 4 , 4 ' ーブチリデンビス (3—メチ ルー 6— t—ブチルフエノール) などのビスフエノール ·アルカン;および 4 , 4 ' ーチォビス ( 3ニメチルー 6— t一ブチルフエノール) などのビスフエノー ル ·スルフィ ドが挙げられる。
モノフエノール系老化防止剤の具体例としては、 スチレン化フエノール、 2 , 6—ジー tーブチルー 4一メチルフエノール、 2 , 6—ジー tーブチルー 4—ェ チルフエノール、 n—ォクタデシルー 3— (3 , 5—ジ— t一プチルー 4ーヒド ロキシフエニル) ブロピオネート、 2 , 4—ジメチルー 6— ( 1ーメチルシクロ へキシル) フエノール、 2— tーブチルー 6— (3— tーブチルー 2—ヒドロキ シー 5—メチルベンジル) 一 4一メチルフエニルァクリレート、 2— 〔1一 ( 2 ーヒドロー 3 , 5—ジー t一ペンチルフエ二ル) ェチル〕 一 4, 6—ジー tーぺ ンチルフエ二ルァクリレートなどが挙げられる。
チォビスフエノール系老化防止剤の具体例としては、 4 , 4 ' ーチォビス (3 ーメチルー 6— t一ブチルフエノール) 、 4 , 4 ' 一ビス (3, 5—ジー tーブ チルー 4ーヒドロキシベンジル) フルフイ ド、 4, 4 ' ーチォビス (6— tーブ チルー o—クレゾール) などが挙げられる,
ヒドロキノン系老化防止剤の具体例としては、 2 , 5—ジー t一プチルヒドロ キノン、 2 , 5—ジー t一アミルヒドロキノンなどが挙げられる。
ニッケル塩系老化防止剤の具体例としては、 ニッケルジメチルジチォカーバメ 一卜、 ニッケルジェチルジチォカーバメート、 ニッケルジブチルジチォカーバメ 一卜、 ニッケルィソブロピルキサントゲン酸塩などが挙げられる。
チォゥレア系老化防止剤の具体例としては、 1 , 3—ビス (ジメチルアミノブ 口ピル) チォゥレア、 トリプチルチオゥレアなどが挙げられる。
チォエーテル系老化防止剤の具体例としては、 ジラウリル一 3, 3—チォジブ
口ピオネート、 ジステアリル一 3 , 3—チォジプロピオネート、 ペン夕エリスリ トールテトラキス (3—ラウリルチオプロピオネート) などが举げられる。
リン系老化防止剤の具体例としては、 トリス (ノニル化フエニル) フォスファ ィ 卜などが挙げられる。
老化防止剤の使用量は、 高ム一二一 ·二トリル基含有高飽和共重合体ゴム 1 0 0重量部に対し、 通常 1〜 1 0重量部、 好ましくは 2〜5重量部である。
老化防止剤は単独で用いても、 または二以上を組合せ用いてもよい。 また、 高 剪断力を付与する二卜リル基含有高飽和共重合体ゴムに一度に添加しても、 また は分割添加してもよい。 二種以上の老化防止剤を用いる場合、 例えば、 最初にァ ミン ·ケトン系老化防止剤を添加し、 押出機から押出し、 後にメルカプトペンゾ ィミダゾ一ル系老化防止剤を添加することもできる。
(高剪断力付与処理)
本発明の髙剪断力付与処理によって、 高ム一二一 ·二トリル基含有高飽和共重 合体ゴムのムーニー粘度 M L4 は 6 0〜1 5 0の範囲から 1 5ポイント以上、 好 ましくは 3 0ポイント以上低下し、 ムーニー粘度が 5〜1 3 5、 好ましくは 2 0 〜 9 0の範囲となる。 この処理は、 通常、 酸素、 過酸化物、 硝酸塩などのような 酸素供与体の実質的不存在下に剪断速度 5 0 0〜5 , 0 0 0 S -i , 好ましくは 8 0 0〜5 , 0 0 0 S -iおよび温度 1 8 0〜 3 8 0で、 好ましくは 2 5 0〜3 5 0 において行われる, 高い生産性をもって処理を行うには剪断速度は 2 , 0 0 0 〜 5 , 0 0 0 S-1であることが望ましい。 ここで、 酸素供与体の実質的不存在下 とは、 特開平 3— 1 2 2 1 0 3号に記載されているように、 上記酸素供与体を共 存させる熊搽を含まないことを意味し、 必ずしも窆素などの不活性ガス雰囲気下 での処理に限定されるものではない。
高剪断力付与処理によってムーニー粘度が上記の所定の範囲まで低滅された二 トリル基含有高飽和共重合体ゴムは、 そのようにム一二一粘度を低下させた後、 室温の空気中に 3 0日間放置せる間のムーニー粘度の上昇が最大でも 1 0ポイン ト以下、 好ましくは 5ポイント以下であり、 その分子量分布が重量平均分子量 ( Mw) と数平均分子量 (M n ) との比 (MwZM n ) として通常 3以上、 5以下
の範囲であり、 好ましくは 3 . 5以上、 4 . 5以下の範囲であり、 実質的にゲル を含有しないゴムである。 ここで、 平均分子量は G P C (ゲルパーミエーシヨン クロマトグラフィー) 測定により標準ポリスチレンに換算したものである。 また 、 ゲル量は 8 0メッシュ金網を用いてメチルェチルケトン中に 4 8時間浸漬後に 測定される値を指す。
剪断力を付与するのに適当な装置としては、 単軸または多軸スクリューを具え た押出機が挙げられ、' 特に二軸スクリュー押出機が好ましく用いられる。 ニ軸ス クリユー押出機の中でも、 特に好ましくは完全かみ合い型でスクリユーが同方向 に回転する二軸押出機を挙げることができる。 スクリューの形状は、 ニ条以上の スクリユーを用いることが剪断力を与えるうえで好ましく、 特にニ条スクリユー または三条スクリユーがさらに好ましい。 具体的な態様は以下のとおりである。 押出機の L ZD (長さ 直径) 比は好ましくは少なくとも 3 0であり、 より好 ましくは 3 0〜 5 0である。 3 0より小さいと、 冷却ゾーンが充分に確保できず 、 そのため押出機の出口でゴムが充分に冷却されず、 ゴムがうまく引取れなかつ たり、 高温で押出されるため、 ゴムの劣化あるいはゲル化が起こり易い。 つまり 、 ゴムは粘度が高いため高剪断下では発熱が非常に大きくゴムが簡単に高温に達 する。 そのためゴムを押出機から押出される前に充分冷却されることが必要であ り、 押出機の冷却ゾーンを必要なだけ設けることが望ましい。 押出機の出口のゴ 厶温度は好ましくは 3 6 0 以下、 より好ましくは 3 3 0で以下である。
一般に、 直列に連なる複数のバレルから構成される押出機であって、 原料投入 用ホッパーに統く押出機の最初の 1 3の蒂域では原料を溶醚させるとともに、 老化防止剤をゴムに均一分散させた、 本質的な均一なブレンドが形成される。 こ の帯域におけるスクリュー構成は、 基本的に送りの搬送セクションで構成され、 材料を徐々に圧縮する構成が用いられる。 また、 設定温度も溶皸混練が適当に行 われる様な設定が好ましく、 実際には、 2 5 0でまで数段階に上昇させることが 好ましい。
続く 1 3の帯域では、 混練セクションで構成されるスクリューが用いられ、 スクリューの剪断力を利用して、 所定の高温度でゴムに剪断力を付与される。 こ
の時の温度設定は、 好ましくは 2 4 0〜3 2 O :であり、 より好ましくは 2 6 0 から 3 0 0でである。 高温であればあるほど、 ムーニー粘度の低下率は大きくな るが、 ゴム温度の上昇をきたし、 ゴムが充分冷却されないうちに押出され、 その 結果、 上記のごとくゴムの劣化、 ゲル化を惹き起こし好ましくない。 また、 2 4 0でより低いと、 ゴムのムーニー粘度の低下量が小さい。 しかし、 剪断発熱でゴ ム温度を上昇させるという手段も考えられるが、 押出機での安定生産性にかける ため、 上記のような温度の設定が好ましい。
統く最後の 1 / 3の蒂城では高温に加熱したゴムを冷却する箝域であり、 さら に脱気用ベントが股けられ減圧下に水分や揮発性の副生成物が除去され、 最後に 押出しへッドを具えた押出し帯域からム一二一粘度が低下されたゴムが押出され る。 この帯域におけるスクリュー構成は基本的に剪断力の小さい送りの搬送セク シヨンを用いて構成されることが好ましい。 つまり、 ゴムがこの帯域を通過する 間に充分冷却される必要があり、 その通過に要する時間は、 スクリューのピッチ で制御することができる。 この時の温度設定は 1 8 0〜2 5 0でである。 脱気帑 域は 1 0〜7 5 O mmH g , 好ましくは 7 0 0〜 7 5 0 mmH gの滅圧状態に保 持されるが、 常圧に保持しても差し支えない。
所望により、 剪断力付与処理を行うに際し、 例えば、 2—ペンゾアミドチオフ ェノールの亜鉛塩のような素練り促進剤を添加してもよい。
ムーニー粘度の低下度合いは、 主に剪断速度を変えて制御することができる。 ムーニー粘度の低下に必要な剪断速度は通常 5 0 0〜 5 , 0 0 O S-iの範囲であ る。 ム一二一粘度の低下度合いは、 剪断速度のほか温度および時間などの要因に 依存しても変わるので、 適切な剪断速度は、 これらの要因を考慮して所望する低 ムーニー粘度が得られるように選定されるべきであり、 最適の剪断速度は実联に よって容易に求めることができる。
本発明方法により製造される低滅されたムーニー粘度を有する二トリル基含有 高飽和共重合体ゴムには、 その用途に応じて、 種々の成分が添加される。 一般に 、 加硫剤、 他のゴム成分や樹脂成分を添加することができる。 その他、 ゴム分野 において使用される通常の配合剤、 例えば、 補強剤 (カーボンブラック、 シリカ
、 タルクなど) 、 充填剤 (炭酸カルシウム、 クレーなど) 、 加工助剤、 プロセス 油、 他の酸化防止剤、 オゾン劣化防止剤、 シランカップリング剤、 着色剤などを 配合することができる。 とくに加硫剤として、 硫黄系加硫剤または有機過酸化物 系加硫剤を配合することにより、 良好な加硫性組成物を得ることができる。
使用する硫黄系加硫剤としては、 粉末硫黄、 硫黄華、 沈降硫黄、 コロイド硫黄 、 表面処理硫黄、 不溶性硫黄などの硫黄;塩化硫黄、 二塩化硫黄、 モルホリン . ジスルフイ ド、 アル年ルフエノール 'ジスルフイド、 N, N ' ージチオービス ( へキサヒドロー 2 H—ァゼビノン一 2 ) 、 含りんポリスルフィ ド、 高分子多硫化 物などの硫黄化合物; さらに、 テトラメチルチウラムジスルフイ ド、 ジメチルジ チォカルバミン酸セレン、 2— ( 4 ' 一モルホリノジチォ) ベンゾチアゾ一ルな どの硫黄を含む加硫促進剤を挙げることができる。
さらに、 これらの硫黄系加硫剤に加えて、 亜鉛華、 ステアリン酸などの加硫促 進剤; グァニジン系、 アルデヒドーァミン系、 アルデヒド一アンモニア系、 チア ゾール系、 スルフェンアミド系、 チォ尿素系、 ザンテート系などの他の加硫促進 剤を使用することができる。 硫黄系加硫促進剤の使用量は特に限定されないが、 通常、 二トリル基含有高飽和共重合体ゴム 1 0 0重量部当り、 0 . 1〜1 0重重 部、 好ましくは 0 . 1〜5重量部である。
また、 有機過酸化物系加硫剤としては、 例えば、 t一プチルヒドロペルォキシ ド、 クメンヒドロペルォキシド、 ジー t一ブチルペルォキシド、 t一ブチルクミ ルペルォキシド、 2 , 5—ジメチルー t一ブチルペルォキシへキサン、 2, 5— ジメチルー t一ブチルペルォキシへキシン、 1 , 3—ビス ( t一ブチルペルォキ シイソプロピル) ベンゼン、 p—クロ口ペンゾィルペルォキシド、 t一プチルぺ ルォキシベンゾエート、 t一ブチルペルォキシイソブロピルカルボナート、 t一 ブチルベンゾエートなどが挙げられる。 有機過酸化物系加硫剤の使用量は、 通常 ゴム 1 0 0重逢部当り、 0 . 0 1〜3 0重量部、 好ましくは、 0 . 1〜1 0重量 部である。
また、 他の併用可能な加硫剤としてはトルメチロールプロパントリメタクリレ —ト、 ジビニルベンゼン、 エチレンジメタクリレート、 トリアリルイソシァヌレ
ートなどの多官能性化合物が挙げられる。 さらに、 金属せつけんノ硫黄系、 トリ ァジン Zジチォ力ルバミン酸塩系、 ポリカルボン酸/ォニゥム塩系、 ポリアミン 系 (へキサメチレンジァミン、 トリエチレンテトラミン、 へキサメチレンジアミ ンカルバメート、 エチレンジァミン力ルバメート、 トリエチレンァミンなど) 、 安息香酸アンモニゥム塩系などの加硫剤も必要に応じて併用できる。
本発明により高剪断処理された低ム一二一 ·二トリル基含有 ffi飽和共重合体ゴ 厶は、 良好な加工性 示し、 しかも、 ム一ニー粘度を低下させた後室温の空気中 に 3 0日間放置せる間のムーニー粘度の上昇は最大でも 1 0ポイント以下、 好ま しくは 5ポイント以下であり、 実質的にムーニー粘度の大きな変化はなく、 保存 安定性に優れたものである。
(耐熱性ゴム組成物)
本発明の低ム一二一 ·二トリル基含有高飽和共重合体ゴムは単独で加硫剤、 充 填剤などを配合した加硫性ゴム組成物として使用することができるが、 これと他 の耐熱性ゴムと組み合わせることにより、 加工性が改良された耐熱性ゴム組成物 を得ることができる。 本発明により高剪断処理された低ム一ニー ·二トリル基含 有高飽和共重合体ゴムの耐熱性ゴム組成物中の割合は特に限定されないが、 通常 少なくとも胲ゴム組成物全体の 5重量%以上、 好ましくは 3 0重量%以上、 さら に好ましくは 5 0重量%以上であり、 最大 9 5重量 以下である。
ここで、 耐熱性ゴムとは、 ゴム業界において通常耐熱性を有するゴムとして知 られるゴムであって、 天然ゴムなどが汎用ゴムと呼ばれるのに対して、 特殊ゴム と呼ばれているゴムである。 具体的には、 二トリル基含有不飽和共重合体ゴムま たはその水素化ゴム、 エチレン系飽和型共重合体ゴム、 ポリアクリル酸エステル 系重合体ゴム、 ポリエーテルゴム、 フッ素ゴムなどである。 耐熱性ゴムは 2種以 上の異なるゴムを併用して用いることもできる。 使用される耐熱性ゴムのム一二 一粘度 [M L i-4 ( 1 0 o r) ] は、 ゴムの種類に依存して変わるが、 通常 1 0 〜1 8 0、 好ましくは 4 0〜 9 0である。
耐熱性ゴムとしての二トリル基含有不飽和共重合体ゴムまたはその水素化ゴム の具体例としては、 本発明の低ム一二一 ·二トリル基含有不飽和共重合体ゴムの
製造に用いる前述したものと同じものが挙げられる。
エチレン系飽和型共重合体ゴムは、 エチレンと α—才レフィンと非共役ジェン との共重合体であって実質的に飽和型の共重合体ゴムである。 その代表例は、 ェ チレン一プロピレン一非共役ジェン三元または多元重合体ゴム、 エチレン一プロ ピレン一 1ーブテン一非共役ジェン共重合体ゴム、 エチレン一 1ーブテン一非共 役ジェン多元重合体ゴムなどのエチレンと炭素数 3〜 1 4の α—ォレフィンを主 成分とする結晶化度 12 0 %以下、 好ましくは 1 0 %以下の低結晶性または非晶質 のエラストマ一またはそれらの混合物である。 中でも好ましいものはエチレン一 プロピレン一非共役ジェン三元共重合体ゴムである。 ここで、 非共役ジェンとし ては、 ジシクロペンタジェン、 1 , 4一へキサジェン、 シクロォクタジェン、 メ チレンノルポルネン、 5—ェチリデンー 2—ノルボルネンなどが用いられ、 これ らのうち、 ジシクロペン夕ジェンおよび 5—ェチリデンー 2—ノルボルネンを第 三成分とする共重合体が好ましい。 これらのエチレン · α—才レフィン系共重合 ゴムのヨウ素価は好ましくは 2 0以下である。 これらのエチレン系飽和型共重合 体ゴムでは、 エチレン単位 —才レフイン単位は 5 0 Ζ 5 0〜9 0 / 1 0、 好 ましくは 6 0ノ4 0 ~ 8 4 Ζ 1 6 (モル比) の割合であり、 (エチレン + α—才 レフイン) 単位 Ζ非共役ジェン単位 (三元あるいは多元共重合体の場合) は通常 9 8 Ζ 2〜9 0 Ζ 1 0、 好ましくは 9 7 Ζ 3〜 9 4 Ζ 6 (モル比) である。 使用されるポリアクリル酸エステル系重合体は、 メチルァクリレー卜, ェチル ァクリレート、 プロピルァクリレートなどの炭素数 8以下のアルキル基を有する アルキルァクリレート単位および Ζまたはメトキシメチルァクリレートなどの炭 素数 8以下のアルコキシアルキル基を有するアルコキシアルキルァクリレート単 位を少くとも 8 0モル%以上含む共重合体ゴムである。
共重合される単量体としては、 スチレン、 α—メチルスチレン、 ピニルピリジ ンなどの芳香族ビニル系単量体;フルォロェチルビニルエーテル、 フルォロブ口 ピルビニルエーテル、 トリフルォロメチルビニルエーテル、 トリフルォロェチル ビニルエーテル、 パーフルォロブ口ピルビニルエーテル、 パーフルォ口へキシル ビニルエーテルなどのフルォロアルキルビニルエーテル、 ο—または ρ—トリフ
ルォロメチルスチレン、 ペンタフルォロ安息香酸ビニル、 ジフルォロエチレン、 テ卜ラフルォロエチレンなどのフッ素含有ビニル系単 i体; アクリル酸、 メタク リル酸などの不飽和モノカルボン酸;ィタコン酸、 フマル酸、 マレイン酸などの 不飽和ジカルボン酸およびそれらの無水物;ならびにポリエチレングリコール ( メタ) ァクリレート、 ポリプロピレングリコール (メタ) ァクリレートエポキシ (メタ) ァクリレート、 ウレタン (メタ) ァクリレートなどが挙げられる。
さらに、 通常ポリアクリル酸エステル系重合体ゴムの架橘性単量体として使用 される単量体を共重合することもできる。 使用できる単量体としては、 2—クロ ロェチルビニルエーテル、 ビニルクロ口アセテート、 ァリルクロ口アセテート、 ビニルベンジルクロライド、 2—クロロェチルビニルエーテル、 クロロメチルビ 二ルケトン、 5—クロロメチルー 2—ノルポルネンなどの活性塩素含有不飽和単 量体、 2—クロロェチルビニルエーテルなどの非活性塩素含有不飽和単量体、 グ リシジルァクリレート、 グリシジルメタクリレート、 ァリルグリシジルエーテル 、 ビニルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有不飽和単量体などが挙げられ る。 その他、 カルボキシル基含有不飽和単量体も使用することができる。 これら の単量体のなかでも活性塩基含有不飽和単量体が好ましい。
上記のポリアクリル酸エステル系重合体ゴムの中でも、 特に、 ェチルァクリレ 一卜 9 0モル%以上、 好ましくは 9 5モル%以上と、 これと共重合可能な単量体 1 0モル%以下、 好ましくは 5モル%以下とを構成単位とし、 実 K的に炭索—炭 素不飽和結合を含有しない共重合体が望ましい。 このようなェチルァクリレート 共重合体を用いると、 ffiい耐熱性を有し、 かつ長期間保持しても硬化劣化をほと んど生じないゴム組成物を得ることができる。 そのようなェチルァクリレート共 重合体を得るために, ェチルァクリレートと共重合される単量体としてはェチル ァクリレートとの共重合に関与する炭素一炭素二重結合の他には実質的に炭素一 炭素二重結合 (ただしベンゼン缳を除く) をもたない単置体が用いられる。
一般に、 アクリルゴムの架橋用成分としてァクリレートとの共重合に関与する 炭素一炭素二重結合の他に炭素一炭素二重結合を有する不飽和化合物 (例えば、 ブタジエン、 2—ブテニルァクリレート、 テトラヒドロべンジルァクリレート、
ァリルァクリレート、 トリアリルイソシァヌレート、 ジビニルベンゼンなど) も 用いられているが、 このような炭素一炭素不飽和結合を有する不飽和化合物は硬 化型劣化を促進するので高い耐熱性が要求される用途においてはできるかぎり用 いないことが好ましい。
本発明で耐熱性ゴムとして使用されるポリエーテル系ゴムは、 ェビクロルヒド リンおよび炭素数 2〜 1 0を有するアルキルォキシランからなる群から選ばれた 少なくとも 1種類以上のモノマーの重合体または共重合体、 および、 これらのモ ノマーと共重合可能な不飽和結合含有エポキシ化合物が最大 1 0モル% (該モノ マーと該不飽和結合含有エポキシ化合物との共重合組成は 1 0 0モル%である) 共重合された共重合体である。
炭素数 2〜 1 0を有するアルキルォキシランの具体例としては、 ォキシラン、 メチルォキシラン、 ェチルォキシラン、 プロピルォキシラン、 ブチルォキシラン 、 へキシルォキシラン、 ォクチルォキシランなどが挙げられる。 なかでも、 ォキ シラン (エチレンオキサイド) 、 メチルォキシラン (プロピレンオキサイド) が 好ましく、 とくにメチルォキシランが好ましい。
これらのモノマーと共重合可能な不飽和結合含有エポキシ化合物としては、 ァ リルグリシジルエーテル、 ビニルダリシジルエーテル、 グリシジルメタクリレー ト、 グリシジルァクリレート、 グリシジルイ夕コネートなどが挙げられる。 なか でも、 ァリルグリシジルエーテルが好ましい。
ポリエーテルゴムの具体例としては、 ポリェピクロルヒドリンゴム、 ェピクロ ルヒドリンーエチレンォキサイド共重合ゴム、 ェピクロルヒドリン一エチレンォ キサイドーァリルダリシジルエーテル共重合ゴム、 ェピクロルヒドリンーェチレ ンォキサイドープロピレンォキサイド共重合ゴム、 ェピクロルヒドリンーェチレ ンォキサイ ドープロピレンォキサイドーァリルグリシジルエーテル共重合ゴム、 プロピレンォキサイドーァリルダリシジルエーテル共重合ゴムなどが挙げられる 本発明において耐熱性ゴムとして使用されるフッ素ゴムは、 以下の含フッ素モ ノマーの組み合わせから導かれる共重合体ゴムが挙げられる。
含フッ素モノマーとしては、 ビニリデンフルオライド、 へキサフルォロブ口べ ン、 ペンタフルォロブ口ペン、 トリフルォロエチレン、 トリフルォロクロロェチ レン、 テトラフルォロエチレン、 ビニルフルオライド、 パーフルォロ (メチルビ ニルエーテル) 、 パーフルォロ (プロピルビニリデン) などを用い、 さらにこれ らと共重合可能なモノマーとして、 アクリル酸エステルなどのビニル化合物、 ブ ロピレンなどのォレフィン化合物あるいはジェン化合物、 塩素、 臭素、 ヨウ素を 含有する含ハロゲンピエル化合物などを共重合したゴムを挙げることができる。
このようなフッ素ゴムの具体例としては、 フッ化ビニリデンートリフルォロク ロロエチレン共重合体、 フッ化ビニリデン一六フッ化プロピレン共重合体、 フッ 化ビニリデン—六フッ化プロピレン一四フッ化エチレン三元共重合体、 四フッ化 エチレン一プロピレン共重合体、 四フッ化工チレン一フッ化ビニリデンープロピ レン三元共重合体などが挙げられる。
このフッ素ゴムの具体例としては、 有機過酸化物と架橘助剤の組み合わせて架 橋し、 ポリオール系架橘剤またはアミン系架橘剤で架橋しないタイプ、 例えば J
S Rアフラス 1 5 0 P (日本合成ゴム製) 、 有機過酸化物では架橘し難く、 ポリ オールまたはァミンで架橋するタイプ、 例えばバイ トン A、 同 B、 同 E 6 0 C ( デュポン社製) 、 テクノフロン (モンテエジソン社製) などが挙げられる。
さらに、 耐熱性ゴムとして、 二トリル基含有高飽和共重合体ゴムにエチレン性 不飽和カルボン酸金属塩を配合してなる高強度エラストマ一組成物 (例えば、 特 開平 1一 3 0 6 4 4 3号公報) を用いることにより、 さらに高強度な耐熱性ゴム 混合物を得ることができる。
使用されるエチレン性不飽和カルボン酸金属塩としては、 1または 2以上の力 ルポキシル基を有する炭素数 5以下のエチレン性不飽和カルボン酸と金属とがィ オン結合した構造を持つものであればよい。
エチレン性不飽和カルボン酸の例としては、 アクリル酸、 メタクリル酸などの モノカルボン酸; マレイン酸、 フマル酸、 ィタコン酸などのジカルボン酸;マレ ィン酸モノメチル、 ィタコン酸モノェチルなどの不飽和カルボン酸の炭素数 1〜 8のアルキル基を有するモノエステル化合物などが挙げられる。
金属としては、 上記エチレン性不飽和カルボン酸と塩を形成するものであれば 特に制限されないが、 通常、 亜鉛、 マグネシウム、 カルシウム、 バリウム、 チタ ン、 クロム、 鉄、 コバルト、 ニッケル、 アルミニウム、 銀、 鉛などを使用でき、 これらの中でも強度特性の点から、 亜鉛、 マグネシウム、 カルシウム、 アルミ二 ゥムが適しており、 とくに亜鉛が好ましい。
上記のエチレン性不飽和カルボン酸と金属とのモル比は、 1 Z 0 . 5〜1 Z 3 の範囲内が好ましい。'
これらのエチレン性不飽和カルボン酸金厲塩は、 他の成分と配合、 混練してェ ラストマ一組成物を製造する時に、 金属塩の形でエラス卜マーに配合してもよく 、 また前記のエチレン性不飽和カルボン酸と前記金属の酸化物、 水酸化物、 また は炭酸塩とを添加して混練等の操作中にこれらを反応させて生成させてもよい。 エチレン性不飽和カルボン酸金厲塩の使用量は特に制限されないが、 通常、 ェ ラストマー 1 0 0重量部あたり 3〜 1 2 0重量部、 好ましくは 5〜 1 0 0重量部 、 とくに好ましくは 1 0〜6 0重量部の範囲で使用される。 使用量が過度に少ぃ とき、 または、 過度に多いときはエラストマ一製品の強度特性が劣るので好まし くない。
耐熱性ゴム混合物には、 必要に応じて、 前述したように、 ゴム分野において使 用される通常の他の配合剤、 例えば、 補強剤 (力一ポンプラック、 シリカ、 タル クなど) 、 充填剤 (炭酸カルシウム、 クレーなど) 、 加工助剤、 プロセス油、 酸 化防止剤、 オゾン劣化防止剤、 加硫助剤、 着色助剤などを配合することができる 耐熱性ゴム混合物の製造方法は特に限定されないが、 通常は、 押出機やロール 、 バンバリ一ミキサーなどの混合機により, 二トリル基含有高飽和共重合体ゴム 、 耐熱性ゴムおよび加硫剤その他の配合剤とを混練 ·混合することによって該ゴ ム混合物を製造する。
'(ゴムと繊維との複合体)
本発明により高剪断処理されることによって得られる二トリル基含有高飽和共 重合体ゴムは、 良好な加工性を示し、 ナイロンなどの各種繊維との接着性が改良
されることから、 該ゴムと繊維との複合体からは、 加硫接着によって接着強度お よび機械的強度に便れた製品が得られる。 この複合体は、 ペルト、 ホースなどに 有用である。 使用される繊維には木綿のような天然繊維、 レーヨンのような再生 繊維、 ナイロン、 ポリエステル、 ビニロン、 芳香族ポリアミド繊維のような合成 繊維、 スチル繊維、 ガラス繊維、 力一ボン繊維などが含まれる。 これらの繊維は 単独でも、 または、 二種以上組合せて用いてもよい。 これらの繊維はステーブル 、 フィラメントまたはコード状、 ローブ状、 帆布、 すだれ状などの織布の形態で 抗張体として二トリル基含有高飽和共重合体ゴムに埋設して用いられるが、 繊維 の種類および形態は目的とするベルトその他の種類 (用途) に応じて適宜決定す ることができる。
繊維は共重合体ゴムと複合化するに先立って、 それぞれの繊維に通常実施され ている方法で接着前処理を行なうが、 特別な処理は必要としない。 例えば、 レー ヨン、 ナイロンの場合は通常レゾルシン一ホルマリンの初期縮合物の水溶液 (以 下、 R Fと略記する) とゴムラテックスとの混合物 (以下、 R F Lと略記する) によって接着処理が施される。
一方、 ポリエステル、 芳香族ポリアミドなどの繊維では分子構造上ゴムとの接 着性が劣るため、 前記 R F Lによる接着処理では充分な接着力が得られず、 その ため、 R F L処理に先立ってイソシァネート類、 エチレンチォ尿素類、 エポキシ 類などの化合物またはこれらの化合物を適当に組合せた処理液で繳維を処理した 後、 熱処理し、 次に R F L処理が行なわれる, ガラス繊維は R F L処理に先立つ てエポキシシラン、 アミノシラン (例、 アミノブ口ピルトリエトキシシランなど のシランカツプリング剤) による処理が一般的に有効である。
R F L処理で使用されるゴムラテックスは特に限定されることなく、 例えば、 ァクリロニトリル一ブタジエン共重合体ラテックス、 アクリロニトリル一ブ夕ジ ェン—メタアクリル酸共重合体ラテックス、 ァクリロニトリル一ブタジエン—ァ ク ル酸共重合体ラテックス、 ァクリロニトリル一ブタジエン一ビニルピリジン 酸共重合体ラテックスおよびこれらの共重合体のブタジエン部分を水素化したも のなどの二トリル系共重合体ラテックス;ェビクロロヒドリン重合体、 ェピクロ
ロヒドリンと一種以上の他のエポキシドまたはォキセタンとの共重合体、 クロ口 プレンゴム、 クロロスルホン化ポリエチレン、 塩素化ポリエチレン、 架橘用モノ マーとして塩素含有モノマーを共重合した塩素含有アクリルゴム、 臭素化ブチル ゴム、 ポリ塩化ビニリデン;塩素化または臭素化ジェン系ゴム (ァクリロ二トリ ルーブタジエン共重合体ゴム、 スチレン一ブタジエン共重合体ゴム、 ポリブタジ ェンゴムなど) 、 塩素化または臭素化工チレン一プロピレン一ジェンモノマー三 元共重合体ゴムなどめハロゲン化重合体などのハロゲン含有重合体ラテックスが 例示される。 R F L処理に使用されるラテックスとして、 前記二トリル基含有高 飽和共重合体ゴムの水性ェマルジョンを用いた場合にはゴム配合物と繊維との接 着力をさらに強固なものにすることができるので好ましい。 これらのゴムラテツ クスは単独であるいは混合して使用することができる。
該ゴムラテックスは乳化重合で製造されるものはその重合体ラテックスとして そのまま使用でき、 固形の重合体として入手できるものは通常の転相法によりラ テックス化して使用できるが、 本発明においてはラテックスの製造方法は特に制 限されない。
繊維を処理するための R F L液は前記のゴムラテックスと R Fとの混合液であ り、 該混合液の構成割合は特に限定されないが、 通常該ラテックス対 R Fはそれ ぞれの固形分重量割合で 1 0 : 1〜2 : 1の範囲にあることが望ましい。 また、 R F液におけるレゾルシン対ホルマリンのモル比も特に限定されないが、 通常 1 : 3〜3 : 1の割合であることが望ましい。 さらに望ましくは 1 : 1〜 1 . 5 : 1の範囲である。 また、 R F液はゴム配合物と繊維の加硫接着用に常用されてい る該混合液が使用でき、 特に制限されない。
かかる R F L処理液による繊維の処理方法は本発明においては特に限定されな いが、 浸演法に従って前記繊維を浸浪し、 しかる後、 熱処理を行なうのが一般的 である。 熱処理の条件も本発明においては特に限定されるものではなく、 繊維の 種'類に従って多少の変動はあるが、 浸演により付着した R F Lを反応定着するに 十分な湿度と時間であり、 通常 1 4 0〜2 1 0で位で数分間行なわれる。 なお、 通常、 繊維の種類によっては前記熱処理液への浸演に先立って繊維を予めイソシ
ァネート溶液、 エポキシ溶液またはそれらの混合液に浸演、 乾燥処理しておくこ とも可能である。 この場合、 乾燥湿度は、 後統の熱処理温度以下が望ましい。 上述のような R F L処理を行なった繊維を二トリル基含有髙飽和共重合体ゴム 配合物と加硫接着させるが、 該繊維は二トリル基含有高飽和共重合体ゴム配合物 に混合され、 または該ゴム配合物と積層されるなどした後、 該ゴム配合物の通常 の加硫条件に従って加硫が行なわれる。 加硫の条件はとくに限定されないが、 通 常は 0, 5〜: L 0 MlP aの加圧下、 130〜 200 で 1〜 120分間である。 二トリル基含有高飽和共重合体ゴム配合物は該ゴムとゴム工業で常用されている 各種配合剤とを通常の混合液を用いて混合して配合ゴム組成物とされる, 配合剤 の種類および使用量はゴム一繊維複合体の使用目的 (用途) に従って決められ、 本発明においては特に限定されない。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。 なお、 実施例および 比較例中の部および%は特に断りのないかぎり重量基準である。
実施例および比較例において、 使用した老化防止剤は以下のとおりである。
(1) ポリ (2, 2, 4一トリメチルー 1, 2—ジヒドロキノリン) (RD、 TMDQ: アミン *ケトン系 "ノクラック 224" )
(2) アルキル化ジフエニルァミン (OD A;芳香族二級アミン系 "ナウガー ト♦ 445 " )
(3) 2, 2 ' ーメチレンビス (4ーメチルー 6— t一プチルフエノール) ( 2246、 MB B P ; ビスフエノール系" ノクラック NS 6" )
(4) 2ーメチルカブトべンゾイミダゾール (MB、 MB I ;メルカブトベン ゾイミダゾール系" ノクラック MB" )
ゴムの轷価方法は以下のとおりである。
(1) 高速加硫性評価拭驗
所定の配合処方によって蒯製した未加硫ゴム組成物 10グラムを用いて、 日本 ゴム協会規格 SR I S 3102に従い、 キュラストメーターによって、 170 におけるスコーチ時間 (T5および T95) (単位:分) 、 最大トルク (Vme ) および最小トルク (Vm,n) (単位: kg f · cm) を測定した。 T5の値は小さ
いほど加硫速度が速い。 また、 Vmewの値は大きいほど架橘効率が高い。
(2) 加硫物性評価試験
日本工業規格 J I S 6 3 0 1に従い、 所定の配合処方によって調製した未 加硫ゴム組成物を 1 7 0^X 2 0分の条件で加硫して得られた厚さ 2mmのシー トを、 3号形ダンベルを用いて打ち抜いて試験片を作成し、 引張強さ (単位: k g fZcm2 ) 、 1 0 0 %、 200 %または 3 00 %伸長時引張り応力 (単位: k g f / c m2 ) および伸び (単位: %) を測定した。 圧縮永久歪 (歪み率%) は荷重除去後 1 5 0でで 7 0時間保持した後、 測定した。 また、 硬さは J I ス プリング式 A形硬さ試験機を用いて測定した。 さらに、 反発弾性は J I S K6 3 0 1に従って測定した (単位:%) 。 なお、 耐油性試験については、 J I S K 6 3 0 1に従い、 潤滑油 N o. 3 (動粘度 3 1. 9〜34. 1、 ァニリン点 6 9. 5土 1 、 引火点 1 6 2. 7で) 中にゴム試験片を浸演し、 体積変化率 (単 位: %) を測定した。
(3) 結合二卜リル量
日本工業規格 J I S K 6 3 83に従い、 ゲルダール法によって共重合体中の 窒素含量を測定し、 計算により結合二トリル量を求めた (単位: %) 。
(4) ム一二一粘度 [MLi-4]
日本工業規格 J I S K 6 3 84に従い、 共重合体約 40グラムを用いて 1 0 0でに測定した。
(5) 分子量、 分子量分布
ゲルパーミエーシヨン (溶媒:テトラヒドロフラン) により、 樓準ポリスチレ ンに換算した数平均分子置 (Μη) および重量平均分子量 (Mw) を測定した ( 単位:万) 。 また、 Mwと Mnとの比を計算により求めた。
(6) 加工性 (ガーべダイ押出轼驗)
ATSM D— 22 30— 7 7に従い、 ガーべダイを用いて、 所定の配合組成 を有する未加硫ゴム組成物を押出し、 ダイスエル (%) および押出量 (gZ分) を求めるとともに、 押出物の形状ないし状態を、 膨油度 ·多孔度ならびにエッジ 、 表面およびコーナー部について評価し、 それぞれ 4等級で表示した。 各評価項
目とも 4が最良、 1が最恶である。
(7) 加工性 (バンバリ一、 ロール混練試験)
(ィ) バンバリ一混練時の亀力消費量
堺重工株式会社製、 1. 7リットルバンバリ一を用い、 回転数 1 00 r pm、 ローターの回転数比 1. 1 2でゴムとカーボンブラックの混練を行った。 その際
、 まずゴムを投入し 1分間、 ゴムの素練りを行い、 その後カーボンブラックを一 括で投入し 3分間混練を行なった。 この時、 いったんバンバリ一を停止し、 投入 口のまわりに付着したカーボンをはけで搔き落とした。 その後、 再び 1分間混練 を行い、 取り出した。 この時、 電力消 »量は、 このバンバリ一での一速の混練ェ 程でかかった電力量を、 キロワットで表した。
(口) ロール加工性
バンバリ一から取り出したゴムのカーボンマスターバッチに、 その他の配合剤 を投入する際、 とくに混練性に優れるものを A、 通常の混練で問題なく混練でき るものを B、 パギングが発生し混練に手間取つたものを C、 パギングの発生がひ どく、 混練が著しく困難であったものを Dで表現した。
ひヽ) ロールバギング限界の間隙
ロールにて配合剤の混練が終わった後、 ロールの間隙を 2mmから 0. 5mm づっ開けて行き、 ゴムのパギングが始まったロール間隙であらわした。 すなわち 、 ロール間隙の広い方がロール混練性に優れる。
(8) フィラーゲル (重量%)
フィラーゲルは、 ゴムとカーボンブラックなどの配合剤とを混練後、 80メッ シュ金網を用いてメチルェチルケトン中に 48時間浸渍後に測定した値である。
卖施例 1〜4、 tfcfe 1. 2
水素化アクリロニトリル一ブタジエン共重合体ゴム (水素化 NBR、 水素化率 90 %, ヨウ素価 28、 結合アクリロニトリル含有量 36 %、 ムーニー粘度 ML 4 78) 1 00重量部と老化防止剤 3重量部とを二軸押出機に供給し下記条件下 に高剪断力付与処理を行った (実施例 1~4) 。
ブラスチック工学研究所製 BT— 40、 スクリュ一径 38mm、
スクリュー長 1600 cm、 L/D 42、 7バレル構成、 スクリュー回転数 400 r pm、 処理速度 7 k 時間 設定温度:バレル 1 (投入ゾーン) 100*0
設定温度:バレル 2 (溶 ¾ゾーン) 250で
バレル 3〜6 (混練、 剪断ゾーン) 250〜290で バレル 7 (混練、 脱気ゾーン) 200〜250*C、 72 OmmHg 剪断速度: 3, 2 t) 0 S-1
バレル 1〜 7中滞留時間: 120〜: L 80秒
剪断処理後のゴムを常温で大気中に保存し、 押出直後および 1、 5、 8、 15 、 22、 29および 6 1日経過後にムーニー粘度を測定した。
さらに、 比較例として、 老化防止剤を配合せずに水素化 NBRの剪断力付与処 理を行った場合 (比較例 1) 、 および、 同様に老化防止剤を配合せずに水素化 N BRの剪断力付与処理を行い、 その後に老化防止剤を配合した場合 (比較例 2) のゴムのムーニー粘度の変化について測定した。
また、 押出直後および 29日経過後に分子量分布 (MwZMn) を求めた。 結 果を表 1に示す。
さらに、 高剪断力付与処理後 29日経過した各ゴムについて、 下記配合処方に 従ってゴム組成物を調製し、 ガーべダイ押出試験を行った。 結果を表 1に示す。 ffi^ 成 ゴム 100重量部
亜鉛華 5重量部 ステアリン酸 0. 5重量部
SRFカーボン #60 40重量部 老化防止剤 1. 5重量部 パーオキサイド 6重躉部
ムガ
一処子処処s処一表 Sns;ス合工^コ851
理理理理鼉べ工面ニ一計日日日日日日日日ッ
後後後後後後後前直後 Φ!直肌前ルナジ
b Άν &κ^ u
直 比 較 例 実 施 例
3
老化防止剤 TMDQ TMDQ 0DA MB BP MB I
処理後添加
78 78 78 78 78 78
40 40 25 28 3 1 26
46 45 26 30 32 26
56 48 27 3 1 32 27
57 50 26 3 1 34 29
59 52 26 31 35 29
62 56 27 32 36 30
68 58 27 35 38 30
70 60 27 35 38 30
2. 8 2. 8 2. 8 2 . 8 2. 8 2. 8
5. 1 5. 1 3. 5 3. 5 3. 9 3. 4
7. 3 6. 5 3. 6 3. 7 4. 0 3. 6 気泡 4 4 4 4
4 4 4 4
4 4 4 4
4 4 4 4
1 6 16 1 6 1 6
表 1にみられるとおり、 老化防止剤を加えないで高剪断力処理をした場合には 、 高剪断力処理によってムーニー粘度はかなり低下するものの、 保存中にそのム 一二一粘度はかなり上昇する (比較例 1 ) 。 さらに、 その後老化防止剤を配合し た場合は保存中のムーニー粘度の上昇がやや緩和されるが、 保存安定性の改良効 果は小さい (比較例 2 ) 。 本発明で用いる老化防止剤の存在下に高剪断力処理を 行うとム一二一粘度は、 老化防止剤を用いない場合と比較してより大きく低下し
、 'そして保存中にそのムーニー粘度は少し上昇するに過ぎない (実施例 1〜4 ) 。 特に老化防止剤としてアミン ·ケトン系およびメルカブトペンゾイミダゾール 系の老化防止剤を用いた場合には保存中における粘度上昇は微かである (実施例
1、 4) 。
また、 ガーべダイ押出試験の結果から、 本発明に従って、 老化防止剤の存在下 に高剪断力付与処理を行った場合には、 押出特性が大幅に改良されることがわか る。
実施例 5、 6、 7、 8、 比較例 3
二トリル基含有髙飽和共重合体ゴム (水素化 NBR、 水素化率 90%、 ヨウ素 価 28、 結合ァクリ b二トリル含有量 36%、 ムーニー粘度 78 (実施例 5、 6 、 7および比較例 3) または 140 (実施例 8) ) を、 ペレツト造粒装置 (森山 製作所社製、 MS式フィーダ一ルーダー、 尺ー35型) を用いて、 該ゴムをべ レット状に造粒した。 該ゴムのペレット 100重量部と老化防止剤 (アミンーケ 卜ン系、 ノクラック 224、 大内新興社製) 3重量部と老化防止剤 (ペンゾイミ ダゾール系、 ノクラック MB :大内新興社製) 1重量部とを定量フィーダ一を用 い、 二軸押出機に投入し、 下記条件下に高温で高剪断力処理を行った。 結果を表 2に示す。
二軸押出機:ブラスチック工学研究所社製 BT— 40、 スクリュー径 38mm 、 スクリュー長さ 1600 cm、 L/D 42、 7バレル構成、 処理速度 10 k gZ時間
なお、 二軸押出機の温度条件は以下のとおりである。
設定温度:バレル 1 (投入ゾーン) 30で
バレル 2 (溶 ¾ゾーン) 1 5
バレル 3 25 O
バレル 4 (混練ゾーン) 28 O :
バレル 5 260*C
バレル 6 (冷却ゾーン) 20 C
バレル 7 2 o o
ダイヘッド 20 Ot:
表 2
表 2の結果から、 高剪断力付与処理を 250で〜 300でにおいて行うことに より、 ムーニー粘度低下後 30日間放置している間のム一ニー粘度の上昇が 5ポ ィント以下であって、 実質的にゲルフリーのゴムを製造できることが分かる'
½施例 9、 0. 比 例 4、 5
ムーニー粘度 142の水素化 NBR (ゼットポール 2020H、 結合ァクリロ 二トリル含有 *36%、 ヨウ素価 28、 日本ゼオン株式会社製) を、 本発明の方
法により二軸押出機を使用して、 下記の条件下にそのムーニー粘度を低下させた ものについて、 加工性および硫黄系加硫剤を配合したときの加硫物性について評 価した。 結果を表 3に示す。
ペレツト造粒装置:実施例 5で使用した装置と同じ
老化防止剤:種類、 使用量とも実施例 5と同じ
比較例 4では、 比較例 1で睏製した水素化 NBR、 比較例 5では、 ム一二一粘 度 56の水素化NBR (ゼットポール 2020 L、 結合アクリロニトリル含有量 36%, ヨウ素価 28、 日本ゼオン株式会社製) を使用した。
合硫スカゴノノノノ Z
塑黄テムクククク n
剤セセアポ oララ 表 3
ンララ #ッッリ <
一一ブク Tクン 1
酸M 0ラ T4 比較例 比較例 実施例 実施例 T Tッ B4 4 5 9 10 Mク Z5
100 100 100 100 5 5 5 5 1 1 1 1
50 50 50 50 5 5 δ 5
1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 0.5 0.5 0.5 0.5 1.5 1.5 1.5 1.5 0.5 0.5 0.5 0.5 ム一二一粘度 (100 、 M w )
低ム一二一化処理前 78 * 142 142 30日放置後のムーニー粘度 68 56 69 57 バンバリ一混練時の 8.3 7.6 7.5 6.8 電力消費量 (kW)
ロールバギング性 D C B A ガーべダイ押出し ¾嬢
g/min(n= 4の平均) 31.7 36.8 35.8 40.3 cm/min (n= 4の平均) 63.6 64.8 65.4 68.5 スエル (%) 80.0 92.1 99.7 102.8 評点:エツジ 1.5 2.5 4.0 4.0 コーナー 2.0 2.5 4.0 4.0 肌 1.5 2.5 3.5 4.0 形状 4.0 4.0 4.0 4.0 (合計点) 9.0 11.5 15.5 16.0 フィラーゲル 0.4 0.2 6.7 7.5 弓
引張り強さ(kgf/cn2) 205 229 252 253 伸び (%) 420 540 510 530
100X引張り応力(kgf/cm2) 25 27 30 27 200X引張り応力(kgf/cm2) 60 63 74 67 300X引張り応力(kgf/cm2) 100 102 122 112 圧縮永久歪み試驗(15Q :X7Q時簡)
歪み率 (%) 77.0 76.7 71.3 73.7
ま 1 2. 1 2. 比 例 6、 7
ムーニー粘度 1 1 3の水素化 NB R (ゼットポール 20 2 0 H、 結合ァクリ口 二トリル含有量 3 6 %、 ヨウ素価 1 1、 日本ゼオン株式会社製) を、 本発明の方 法により二軸押出機を使用して、 下記条件下にそのムーニー粘度を低下させたも のについて、 加工性および有機過酸化物系加硫剤を配合したときの加硫物性につ いて評価した。 結果を表 4に示す。
ペレツト造粒装置':実施例 5で使用したものと同じ
老化防止剤:種類、 量とも実施例 5と同じ
なお、 比較例 6では、 比較例 1で調製した水素化 NBR、 比較例 7では、 ムー ニー粘度 6 5の水素化 NBR (ゼットポール 2 02 0 L、 結合アクリロニトリル 量 36 %、 ヨウ素価 1 1、 日本ゼオン株式会社製) を使用した。 結果を表 4に示 す。
表 4 比較例 比較例 実施例 実施例 実施例
6 7 11 12 13 配合
コム 100 100 100 100 100 カーボンブラック SRF 50 50 50 50 50 ぺ□キ モ、ノ "P— 40 1 tl ς
0 i> ム一一一粘度
(100 、 MLi+d )
低ム一二一化処理前 78 * 113 113 113
30日放置後のム一二一粘度 68 65 71 57 26 加工性評価
バンバリ一混練時の 8.2 7.4 6.7 6.2 5.3 電力消費量 (kW)
ロー^)レバギング陴界の 3.5 4.0 4.5 5.5 ノヾギン 間膝(mm) グなし ロール加工性 D D Β B Δ ガーべダイ押出し cn
g/min(n= 4の平均) 45.3 50.8 58.2 56.8 58.3 cm/min (π-4の平均) 112.8 118.4 128.5 126.4 スエル (%) 50.2 49.5 55.8 59.2 50.8 評^:エッジ 1.5 2.5 3.0 3.0 4.0 コーナ一 ¾■ η U 4.0 表面肌 2.0 2.0 4.0 4.0 4.0 形状 4.0 4.0 4.0 4.0 4.0
(合計点〉 9. B 10.5 14.0 15.0 16.0 フィラーゲル 〈寧 0.5 0.3 18.4 16.8 19.2 弓 I5Sり
引張り強さ(kgf/cm2) 205 215 242 238 214 伸び (%) 400 490 440 410 "0
100X引張り応力(kgf/cn2) 31 33 42 42 38
200X引張り応力(kgf/CB2) 85 91 119 116 98
300¾引張り応力(kgf/CB2) 1 0 151 189 190 167 圧縮永久 み ¾t»
(150^X70時間)
歪み率 (%) 33.5 32.3 26.3 28.4 29.0
表 3および表 4から、 本発明の高剪断力処理によって得られる二トリル基含有 高飽和共重合体ゴムを使用することにより、 加工性に特に優れ、 バンバリ一の電 力消費量も低く、 混練工程での電力消費の削減、 混練時間の短縮につながるゴム 組成物が得られることが判る。 ガーべダイ押出し試験の結果も特に優れ、 チュー ブゃホースなどに有用な組成物として提供できる。 また、 同程度のムーニー粘度 を有するゴムおよびムーニー低下処理後 30日放置した間のムーニー粘度の上昇 が 10ポイント以上め水素化 NBRと比較すると、 二軸押出機で低ム一二ー化処 理した本発明のゴムは加工性に優れることが判る。
二軸押出機で低ム一二一化したものは、 フィラーゲルが多く、 カーボンの分散 性が向上したことを示している。 それに伴い、 加硫物物性の強度が向上する。 ま た、 耐摩耗性の改善、 耐油性の改善も期待できる。
通常ムーニー粘度が低くなると、 強度の低下など物性的には低下の傾向がある が、 低ム一二一化品は、 加工性の大幅な改善に併せ、 物性の改善をも達成したゴ ム組成物であることが見出された。
実施例 14、 1 5、 16、 17、 18、 比較例 8、 9、 1 1、 12
実施例 1 1、 12、 13で調製した高剪断力処理ゴム 100部に対してカーボ ンブラックを 150部配合したもの (実施例 14、 15、 16) および実施例 1 2、 13で調製した高剪断力処理したゴム 100部にカーボンブラックを 200 部配合したもの (実施例 17、 18〉 について、 加工性および有機過酸化物系加 硫剤を配合したときの加硫物性について評価した。 結果を表 5および 6に示す。 なお、 比較例 8および 10では、 比較例 1で調製した水素化 NBR、 比較例 9 および 11では、 ムーニー粘度 65の水素化 NBR (ゼットポール 2010 L、 結合アクリロニトリル含有量 36 %、 ヨウ素価 11、 日本ゼオン株式会社製) を それぞれ使用した。
表 5
比較例 比較例 実施例 実施例 実施例
8 9 14 15 16 配合
ゴム 100 100 100 100 100 カーボンブラック S RF 150 150 150 150 150 へ口ヤン七ノ F-40 5 5 5 5 5 ムーニー粘度
(100 )、 ML 1+d )
低ム一二一化処理前 78 * 113 113 113
30日放置後のムーニー粘度 68 65 71 57 26 加工性評価
バンバリ一混練時の 8.3 7.8 7.2 6.6 5.9 電力消费量 (kW)
ロールバギング限界の 1.5 2.0 3.5 3.5 4.0 間隙(mm)
ロール加工性 D D B Β Β 引張り試
引張り強さ(kgf/CB2) 225 214 256 238 225 伸び (%) 100 130 120 120 120
100X引張り応力(kgi/cm2) 180 186 234 217 200 硬さ ( J I S A) 91 92 92 92 91
¾ 6
表 5および 6より、 本発明の高剪断力処理によって得られたゴムは、 カーボン ブラックの高充垠配合においても良好な加工性を示し、 加硫物性も良好である。
実施例 19、 20、 21、 比お例 12, 13
実施例 5で調製した水素化 NBR (LZP— 2) 、 実施例 6で諷製した水素化 NBR (LZP—3) を市販の水素化 NBR (ゼットポール 2020、 結合ァク リロニトリル含有量 36 %、 ヨウ素価 28、 ムーニー粘度 78 ; ZP 2020L 、 結合アクリロニトリル含有量 36 %、 ヨウ素価 28、 ム一二一粘度 78、 日本 ゼオン株式会社製) と混合したゴム混合物について、 加工性および硫黄系加硫剤 を配合したときの加硫物性について評価した。 比較のために、 比較例 3で 製し た水素化 NBR (LZP— 1) と市販の水素化 NBR (ゼットポール 2020、
ゼットポール 2 0 2 0 L ) とを混合したものについても同様に評価した β 結果を 表 7に示す。
表 7の結果より、 本発明の高剪断力処理によって得られたゴムは、 市販の水素 化 NBRと混合することにより、 その加工性を改良できることが分かる。
実施例 22、 23、 24、 25、 26、 27、 比蛟例 14、 15、 16 実施例 12で調製した水素化 NBR (LZP— 4、 ムーニー粘度 57) および 実施例 13で調製した水素化 NBR (LZP— 5、 ム一二一粘度 26〉 を市販の エチレン系飽和型共重合体ゴム (EPDMケルタン 4778 F、 ヨウ素価 18、 ムーニー粘度 64、 出光石油化学株式会社製) と混合したゴム混合物について、 加工性および有機過酸化物系加硫剤を配合したときの加硫物性について評価した ただし、 LZP— 5については、 さらに水素化 NBR (ゼットポール 2010 、 結合アクリロニトリル含有量 36 %、 ヨウ素価 1 1、 日本ゼオン株式会社製〉 も混合した。 また、
比較として、 比較例 3で調製した水素化 NBR (LZP— 1、 ム一二一粘度 5 4) を使用した場合も同様に評価した。 結果を表 8および表 9に示す。
¾ 8 実施例 実施例 実施例 比較例 比較例 比較例
22 23 24 14 15 16
L Z P - 4 30 50 70
Z p 2010 50 100
EPD ( 出光ケルタン 70 50 30 100 , 50
4778F)
ステアリン酸 1 1 1 1 1 1
SRF カーボンブラック 40 40 40 40 40 40 バルカップ 40 KE 3 3 3 3 3 3 ロール加工性 B A A C C C 引張強さ(kg/cm2) 234 248 263 241 232 277 伸び (%) 290 380 390 220 310 430
-1 0 0 %引張応力 48 45 52 58 54 36
200 %引張応力 153 148 168 205 154 113 さ Shore A 75 73 74 76 73 68
表 9
表 8および表 9の結果より、 本発明の高剪断力処理によって得られたゴムは、 市販のエチレン系飽和型共重合体ゴムと混合することにより、 その加工性を改良 できることが分かる。
実施例 28、 29、 30、 比較例 1 7、 1 8、 1 9
実施例 5で調製した水素化 NBR (LZ P— 2、 ム一二一粘度 41) を市販の ポリアクリル酸エステル共重合体ゴム (AR 7 1 ムーニー粘度 50、 日本ゼォ ン株式会社製) と混合したゴム混合物について、 加工性および有機過酸化物系加 硫剤を配合したときの加硫物性について評価した。 加硫は 1 70でで 20分間行 つた。 比較として、 比較例 3で調製した水素化 NBR (L Z P— 1、 ムーニー粘 度 54) を使用した場合も同様に評価した。 結果を表 10に示す。
表 10
表 10の結果より、 本発明の高剪断力処理によって得られたゴムは、 市販のポ リアクリル酸エステル共重合ゴムと混合することにより、 その加工性を改良でき ることが分かる。
実施例 31. 32、 比 例 20 21 22
実施例 9で調製した水素化 NBR (LZP— 6) または実施例 10で調製した 水素化 NBR (LZP-7) を市販のフッ素ゴム (テクノフロン 710、 ム一二 一粘度 50、 日本ゼオン株式会社製) と混合したゴム混合物について、 加工性お よび加硫物性を評価した。 比較として、 比較例 3で調製した水素化 NBR (L Z P— 1、 ムーニー粘度 54) または市販の水素化 NB R (ZP 2010、 ァクリ ロニトリル 36%、 ヨウ素価 1 1、 ムー 粘度 85、 日本ゼオン株式会社製) を使用した場合も同様に評価した。 結果を表 1 1に示す。
なお、 フッ素ゴムの配合 (配合 A) および二トリル基含有高飽和共重合ゴム ( HNBR) の配合 (配合 B) は以下のとおりである。
配合 A
テクノフロン P 710 100部 サーマックス MT 30部 亜鉛華 # 1 3部
T A I C 3部 パーへキサ 25 B - 40 3部 配合 B
HNB R 100部
SRFカーボンブラック 50部 ノクラック MBZ 1. 5部 ナウガード 445 1. 5部 バルカップ 40 KE 6部
比 較 例 実 施 例
ポリマー it u L i I L o 1 32
フッ素ゴム
組成物 P710 1
1 n un u n f u u 70
麵 R組成物 ZP2010 u
LZP-1 ϋ u
LZP-6 ϋ U
LZP-7 U ロール加工性 c r c Ό
13 キュラストメーター
MH (Vmax ) (kg ♦ cm) 50 u
、
ML ( Vmin, ) (kg · cm) 1 Q
T5 (分) 1■ u 1 7 a 0 1. 0
T95 (分) 0 1 0 引張試験
引張り強さ (kgf/cm2) Q Q Π
1 1 U 1 o
伸び (%) 1 n 60 U
1 0 0 %引張り応力 47 84 78 49 56
(kgf/cn2)
200%引張り応力 150 166 156
V&g 1 / C
硬さ ( J I S A) 66 73 72 68 67
ガーべダイ押出し試驗
g/min(n = 4の平均) 67.3 57.4 56.3 6.0.3 62.8 cm/nin(n= 4の平均) 106.8 115.3 118.4 123.7 133.1 スエル (%) 46.4 48.3 51.2 53.5 53.2 評点:エツジ 3 3 3 3 3
コーナー 2 2 3 3 4 肌 2 2 3 4 4 形状 1 3 3 4 4
(合計点) 9 10 12 14 15
実施例 33 34 35比較例 23 , 24 25 26
実施例 1 0で調製した水素化 NBR (L Z P— 8) を市販のポリエーテルゴム (ゼクロン 2000、 ム一ニー粘度 9 6、 日本ゼオン株式会社製) および水素化
NBRにジメタクリル酸亜鉛を配合してなる高強度エラストマ一組成物 (Z S C 2295、 ムーニー粘度 85、 日本ゼオン株式会社製) と混合したゴム混合物に ついて、 加工性および加硫物性を評価した。 比較として、 比較例 3で調製した水 素化 NBR (LZ P— 1、 ムーニー粘度 54) を使用した場合も同搽に評価した. 結果を表 12に示す。
また、 ポリエーテルゴム (ゼクロン) の配合 (配合 C) の配合および二トリル 基含有高飽和共重合ゴム (HNBR) の配合 (配合 D) は以下のとおりである。 L Z P— 8と Z S C 2295との混合物については、 LZP— 8、 35部、 HN BR65部、 バルカップ 40 KE (有機過酸化物系加硫剤) を配合した。
配合 C
ゼクロン 2000 100部
カーブレックス 1 1 20 40部
酸化マグネシウム # 150 10部
グレツグ G— 8208 1部
ナウガード 445 1. 5部
ノクラック 224 1. 5部
ジスネット F 0. 9部
配合!)
HNBR 100部
カープレックス 1 120 40部
酸化マグネシウム # 1 50 10部
グレツグ G— 8208 1部
ナウガード 445 1. 5部
ノクラック 224 1. 5部
バルカップ 40 KE 7部
表 1 2
比 較例 実施例 比較例 実施例 実施例 比較例
23 24 33 25 34 35 26 コ'ム
セ 'クロン 2000 100 70 70 30 30 - 一
L Z P - 1 - 30 一 70 - 一 一
L Z P - 8 - - 30 - 70 35 35
Z S C 2295 - - - - ― 65 65 口-ル加工性 c c A C A A A キュラス -タ-試験条件
MHiVmax) (kg · cm) ― - - - 42.2 39.2
ML (Vniin) (kg · cm) - 一 - - - 1.6 1.6
T 10 (分〉 ― 一 - - - 1.1 1.1
T 90 (分) ― ― - - - 12.1 12.3 引張轼験
引張り強さ(kgf/C|D2) 00 100 183 118 137 489 460 伸び 290 480 420 310 330 490 500
100%引張り応力(kgf/cnS) 47 32 42 39 43 70 67
200 %引張り応力(kgf/cm2) 68 53 58 68 72
300 %引張り応力(kgf/cm2) 74 86 94 99 245 210 硬さ( J I S A) 72 68 69 63 64 83 83 力' -Λ'タ'ィ押出し 餘 'レル温度 60*Cタ 'i 80で、 回転数 50rp m)
g/min(n-4の平均) 32.5 33.5 45.0 35.3 52.5
cm/mi π(η= 4の平均) 52.8 54.0 63.0 55.0 '67.0
スエル(%) 89.0 86.5 87.5 82.0 89.5
評点:ェ,シ' 3 3 4 3 4
コ-ナ- 3 3 4 3 4
肌 3 3 4 3 4
形状 2 4 4 3 4
(合計点) 11 13 16 12 16
表 1 1および表 12の結果より、 本発明の髙剪断力処理によって得られたゴム は、 市販のポリエーテルゴム、 フッ素ゴムおよび水素化 NBRにジメタクリル酸 亜鉛を配合してなる高強度エラストマ一組成物とそれぞれ混合することにより、 それらの加工性を改良できることが分かる。
卖麵 36、 比 ¾例 27
実施例 5で調製した水素化 NBR (LZP— 2、 ムーニー粘度 41) または比 較例 3で調製した水素化 NBR (LZP— 1、 ムーニー粘度 54) と各種繊維と の複合体についてゴムと繊維との接着性を評価した。 結果を表 14に示す β 本発 明によるゴム L Ζ Ρ— 2は、 L Ζ Ρ— 2が 100重量部について実施例 19の配 合剤を配合し、 ロール上で混練の後、 約 2. 5mm厚のゴム配合物シートを調製 した。 各種繊維は、 水素化 NBRのラテックス (ヨウ素価 1 5、 平均粒径 0. 1 0 m、 固形分 40重量%、 ρΗΙ Ο. 5) を用いた R F L液からなる接着組成 物で処理した後、 ゴム配合物シートと加硫接着したゴムと繊維との複合体を調製 した。 RFL液からなる接着剤組成物の調製は表 13の処方に従い配合した。
表 13
(RF液)
レゾルシン 1 1. 0部
ホルマリン (37%) 16. 2部
カセイソ一ダ (10%) 3. 0部
水 235. 8部
合計 266. 0部
(RFL液)
ラテックス 250. 0部
RF液 266. 0部
アンモニア水 (14%) 22. 6部
水 47. 9部
合計 586. 5部 接着剤組成物を用いて試験用シングルコードディッブマシーンで各繊維を浸演 処理して処理コードを蒯製した。 なお、 使用した繊維の種類および処理方法は以
下の通りである。
ナイロンコード (6—ナイロン、 構造 1260DZ2) およびレーヨンコード (3 - Su p e r, 構造 1650 DZ2) は、 それぞれ R F L混合物で接着前処 理を行ない抗張体用コー 'を作成した。
ボリエステルコード (ポリエチレンテレフタレート、 構造 1500 DZ3) は、 前記 RFL液 600部と 2, 6—ビス (2, 4ージヒドロキシフエ二ルメチ ルー 4一クロ口フェンール組成物 400部とを配合した混合液に浸演し、 245 でで 1分間熱処理した後 RFL液に浸濱し、 230でで 1分間熱処理をして抗張 体用コードを作成した。
ァラミド繊維 (デュポン社製 ケプラー、 構造 1500 DZ2127TZm) は、 下記の前処理液に浸濱し 220でで 2分間加熱処理をした後、 RFL液に浸 濱し、 230でで 1分間熱処理して抗張体用コードを得た。
前処理液組成
グリセリンのジグリシジルエーテル 2. 22重量部
10%NaOH水溶液 0. 28重量部
5% "AEROSOL" OT 0. 56重量部
(75 %固形分) *
水 96 94重量部
合計 00 00重量部
* 日本ァエロジル社製品
ガラス繊維コード (ECG 150 3/ 10 20 S構造) は α—アミノブ口 ピルトリエトキシシランの 5 %の水分散液に浸演後 150でで 3分間加熱処理し た後、 RFL液に浸演し、 さらに 20 O :で 1分間熱処理して抗張体用コードを 得た。
このようにして得られた処理コードを、 被着体ゴム配合物に埋め込み長さ 8m mで埋め込み、 ブレス圧 5MP a. 150 で 30分間加硫して繊維とゴムとの 複合体を得た。
得られた複合体について ASTM D 2138 - 72などに準拠してコード引
抜き試験を行なって初期接着力を測定した。 同様にして得られた複合体を 1 2 0 で 1 6 8時間空気オーブン中で耐熱処理したあとのコード引抜き試験を行なつ て耐熱接着力を測定した。 その結果を表 1 4に示す。
表 1 4
表 1 4から、 本発明の二トリル基含有高飽和共重合体ゴムと繊維との複合体は 接着強度が改善されていることがわかる。 産業上の利用可能性
本発明の方法に従って、 老化防止剤の存在下に高剪断力付与処理を行うことに
よって、 ムーニー粘度が低下し、 加工性のよい二トリル基含有高飽和共重合体ゴ ムが得られる。 このように高剪断力付与処理された低ム一二一 ·二トリル基含有 高飽和共重合体ゴムは、 その粘度の経時変化が小さく、 保存安定性に優れている 上記の加工性の改良された二トリル基含有高飽和共重合体ゴムは、 各種の繊維 と複合体を形成することができる。 ゴムを補強用繊維と組合せて、 例えば、 Vベ ルトゃ歯付ペル卜のような伝導ベルトとして用いると、 ゴムが繊維間隙に十分に 侵入し、 充満するので、 強度特性に優れた繊維補強ゴム構造体が得られる。 この 複合体は高温の空気中または油中で繰返し屈曲変形が加わる環境下で使用される ベルトに最適である。 このようなベルトとしては、 例えば、 タイミングベルトな どの動力伝達ベルト、 コンペァベルトなどがある。
さらに、 上記の二トリル基含有高飽和共重合体ゴムを各種の耐熱性ゴムと混合 することにより、 加工性が改良された耐熱性ゴム混合物を得ることができる。