明 細 書 生体試料を測定する方法 産業上の利用分野
本発明は酵素反応を用いて被検液中の ADPを測定する方法において、 被検 液を少なく ともグルコース、 AD P依存性へキソキナーゼ (AD P— HK) 、 酸 化型 NAD (P) 〔酸化型ニコチンァミ ドアデニンジヌクレオチド (リ ン酸) 〕 類、 グルコース— 6 -リン酸脱水素酵素 (G 6 PDH) およびマグネシウムィォ ン、 コバルトイオンおよびマンガンイオンからなる群より選ばれた 1種または 2 種以上のイオン放出性塩類の存在下、 1 5〜4 5での温度条件にて反応させ、 被 検液中の ADPを反応によって生成される AMPとともに、 還元型 NAD CP) 〔還元型ニコチンァミ ドアデニンジヌクレオチド (リン酸) 〕 類の生成量に基づ いて測定する方法に関し、 また酵素反応を用いて被検液中の ADPを生成する酵 素またはその基質の一方を測定する方法において、 AD Pを生成する酵素または その基質の一方を含有する被検液を少なく とも ADPを生成する酵素とその基質 に基づく反応に関与する成分の反応試薬、 ATP、 グルコース、 ADP— HK、 酸化型 NAD (P) 類、 G 6 PDHおよびマグネシウムイオン、 コバルトイオン またはマンガンイオンのいずれか 1種または 2種以上のイオン放出性塩類の存在 下、 1 5〜4 5 °Cの温度条件にて反応させ、 被検液中の ADPを生成する酵素ま たはその基質を反応によって生成される AMPとともに、 還元型 NAD (P) 類 の生成量に基づいて则定する方法に関し、 臨床検査などの分野で用いられ、 血清 、 血漿、 尿、 髄液などの被検液中の ADPを還元型 NAD (P) 類の生成 .増加 量として簡便かつ正確に測定する目的である。 従来の技術
従来、 生体試料中に存在する ADPや生体試料中の ADPを生成する酵素ま たはその基質を測定する方法としては酵素反応による基質の反応生成物に作用す
る他の脱水素酵素または酸化酵素と組み合わせて则定する方法 (例えば、 グリセ ロールとグリセロールキナーゼの場合、 グリセロールに ATPの存在下、 グリセ ロールキナーゼを作用させて AD Pおよびグリセロールリ ン酸を生成せしめ、 こ のグリセロールリ ン酸をグリセロールリ ン酸脱水素酵素またはグリセロールリ ン 酸ォキシダーゼを用いて測定する方法) や酵素反応によって生成する A DPを種 々の方法で測定する方法が知られている。
しかし、 他の脱水素酵素や酸化酵素と組み合わせて、 測定する方法は A DP を生成する酵素によって、 それぞれ、 組み合わせの酵素を変えなければならず、 汎用性に欠け、 また、 測定しょうとする基質や酵素によっては組み合わせの酵素 が存在しない場合もある。
また、 酵素反応によつて生成する A D Pを则定する方法としては液体クロマ トグラフィ一を用いて则定する方法が知られているが液体クロマトグラフィ一法 は操作性が煩雑であるという欠点を有している。
さらに、 操作性に優れる ADP測定酵素法としてピルビン酸キナーゼ 〔PK (EC 2. 7. 1. 40) 〕 と乳酸脱水素酵素 〔LDH (EC 1. 2. 3. 3) 〕 を用いた還元型 NAD (NADH + H+ ) の減少法 (反応式 1 ) 、 ピルビ ン酸キナーゼとピルビン酸ォキシダーゼを用いたォキシダーゼ法 (反応式 2) や ピルビン酸キナーゼとピルビン酸脱炭酸酵素とアルデヒ ド 水素酵素を用いた還 元型 NAD (P) (NAD (P) H + H+ 〕 の増加法 (反応式 3) が知られてい る (特開平 7— 8297号公報) 。
これらの反応式を以下に示す。 下記式中の PE Pはホスホエノ一ルビルビン 酸、 P iはリン酸、 P DCはピルビン酸脱炭酸酵素、 A 1 DHはアルデヒ ド脱水 素酵素、 TP Pはチアミ ンピロリン酸を意味する。
(反応式 1 )
PK
PEP + ADP ►ピルビン酸 + ATP
Mg2 +
LDH
ピルビン酸 + NADH + H+ ►乳酸 + NAD +
(反応式 2)
PK P E P + AD P ピルビン酸 + ATP
Mg2 +
ピルビン酸ォキシダーゼ
ピルビン酸 +02 +P i ^ァセチルリ ン酸 +CO
(反応式 3)
PK P E P + AD P ピルビン酸 + ATP
Mg2 +
PDC
ピルビン酸 'ァセ トアルデヒ ド + CO
TP P, Mg2 +
A 1 DH
ァセ トアルデヒ ド +H2 O + NAD (P) + ►酢酸 + NAD (P) H + H + しかしながら、 反応式 1に示す還元型 NAD (NADH + H+ ) の減少法に おいては、 前もって所定量の還元型 NADを反応液内に存在させ、 反応の終了後 、 反応液内に残存する還元型 NADの量を測定する減少法であるために、 ( 1 ) 測定対象の成分が少ない場合には測定値が不正確である。
( 2 ) 測定できる成分の上限値が定量前に反応液内に存在させる還元型 NADの 量により制限される。
(3) 還元型 NADの量の測定に使用する分光光度計の機種に応じて、 定量前に 反応液内に存在させる還元型 NADの量を変える必要がある。
(4) 分析用試薬中に含有される還元型 NADが不安定である。
等の問題点がある。
また、 反応式 2に示すピルビン酸キナーゼとピルビン酸ォキシダーゼを用い て生ずる過酸化水素の発色指示薬系を用いて測定するピルビン酸の定量法が広く 利用されているが、 (5) この方法は生体試料中の干渉物質 (還元物質) (尿酸 、 ァスコルビン酸等) や着色物質 (ピリルビン、 ヘモグロビン等) の影響を受け るので測定値の正確さにおいて必ずしも十分満足できる方法とはいえない。
また、 反応式 3に示すピルビン酸キナーゼとピルビン酸!] 炭酸酵素とアルデ ヒ ド脱水素酵素を用いた還元型 NAD (P) の増加法は、 ピルビン酸キナーゼの 逆反応を利用するもので、 ( 6) この逆反応における至適 pHが pH 7. 5であ り、 またピルビン酸脱炭酸酵素の至適 pHが pH 6. 0〜6. 4であり、 さらに アルデヒ ド脱水素酵素の至適 pHが pH 9. 0であり、 使用する三種類の酵素の 至適 pHが異なるために反応式 3における反応の至適 pHを決定することが困難 であり、 ( 7) またピルビン酸脱炭酸酵素のピルビン酸に対する Km値が 3. 6 〜3 OmMとかなり大きな値であることから、 基質である高価なホスホェノール ピルビン酸を多く使用してピルビン酸を多く生成せしめる必要性があるとともに 、 (8) 反応全体を短時間に終了させるためには非常に多くの酵素量を必要とす る繁雑な手法にすぎなかった。
また、 本発明に使用される ADP依存性へキソキナーゼとしては、 超高度好 熱菌ピロコッカス - フリオサス · D SM 3 6 3 8 (Py r o c o c c u s f υ r i o s u s DSM 3 6 3 8 ) 菌株の菌体内に存在することが報告されている (J. B i o l . Ch em. , 2 6 9, 1 7 5 3 7 - 1 75 4 1 ( 1 9 9 4 ) 、 オランダ国特許公開番号第 9 4 0 0 8 3 6号公報) 力 \ その理化学的性質の記載 はほとんどなく、 酵素も精製、 単離されたものではなく、 また該菌株の生育温度 が 9 0°C〜 1 0 5 °Cであるため、 その由来する酵素の至適温度が 9 0°C以上であ り、 活性測定に用いている G 6 PDHは酵母由来でその熱安定性を考慮して、 活 性測定を 5 0でで行っているもので、 ADP— HKの至適温度と異なる温度条件 にて活性測定を行ったものにすぎず、 ADP— HKの至適温度に照らして-一般の 生体成分の臨床診断の温度条件とは全く異なる測定条件であった。 また、 5 0°C の反応温度で測定を行うことに関して、 臨床診断の分野では反応温度として 5 0 °Cで行うと ( 6) 組み合わせの酵素の失活によって正確に測定できない。 ( 7) 検体となる生体成分の熱変性がおこり、 にごりが生じる。 などの問題点があり正 確な測定が不可能であつた。
発明が解決しょうとする課題
まず、 本発明者らはピロコッカス ' フリォサス · D SM 3 6 3 8菌株を培養 し、 ADP— HKを精製し、 該酵素の反応の至適温度を調べた結果、 至適温度は 8 0〜 1 0 0°Cであった。 さらに、 3 7 °Cにおける相対活性は 1 0 0°Cの 1 0 % 程度であり、 一般的にこのような性質の酵素を用いて 3 7てで酵素反応を行わせ ると正確な定量反応を行うことは不可能であると思われた。 しかしながら、 全く 意外にも本発明者らは 3 7 °Cで該酵素反応を用いた定量実験を実施して、 該酵素 反応 3 7 °Cを含む生体成分の一般的定量における通常の反応温度条件である 1 5 〜4 5°Cの温度条件にて生体成分などの被検液中の ADPを還元型 NAD (P) 類の生成■増加量として簡便かつ高精度に測定することがが可能であることを発 見した。
さらに、 本発明者らは、 下記酵素反応 (反応式 4、 5) を用いて生体試料中 に存在する ADP、 または生体試料中の A DPを生成する酵素またはその基質を 測定する方法において、 例えば生体試料が ADPを生成する酵素の活性则定を目 的とする被検液の場合にはその酵素の基質と AT Pの存在下に ADPを生成する 酵素とその基質に基づく反応に関与する成分の反応試薬を用いて、 または生体試 料が基質の量の測定を目的とする被検液の場合にはその基質に作用して ADPを 生成する酵素と AT Pの存在下に A DPを生成する酵素とその基質に基づく反応 に関与する成分の反応試薬を用いて、 グルコース、 ADP— HKおよび酸化型 N AD (P) 類、 G 6 PDHおよびマグネシウムイオン、 コバルトイオンまたはマ ンガンイオンに基づく反応により、 ADPを AMPを生成せしめるとともに酸化 型 NAD (P) 類を還元型 NAD (P) 類に還元する反応を行い、 還元型 NAD (P) 類の生成量に基づいた生体中の ADPを生成する酵素またはその基質の定 量方法が極めて有用であり、 かかる反応が生体試料中の ADPを生成する酵素ま たはその基質に普遍的に利用できる酵素反応であることを見い出して、 本発明を UP した。
即ち、 本発明は生体試料中の ADPをグルコース、 ADP— HKおよび酸化 型 NAD (P) 類、 G 6 PDHおよびマグネシウムイオン、 コバルトイオンまた
はマンガンイオンを用いて ADPを還元型 NAD (P) 類の生成 ·増加量として 则定できる方法を提供することを目的とする。
更に本発明は、 被検液としての生体試料中の ADPを生成する酵素またはそ の基質を、 ADPを生成する酵素とその基質に基づく反応に関与する反応試薬を 用いるとともに、 ATP、 グルコース、 ADP— HKおよび酸化型 NAD (P) 類、 G 6 PDHおよびマグネシウムイオン、 コバルトイオンまたはマンガンィォ ンの存在下に反応せしめて簡便かつ高精度に測定することのできる方法を提供す ることを目的とする。 課題を解決するための手段
本発明は上記知見に基づいて完成されたもので、 酵素反応を用いて被検液中 の AD Pを測定する方法において、 被検液を少なく ともグルコース、 ADP— H K、 酸化型 NAD (P) 類、 G 6 PDHおよびマグネシウムイオン、 コバルトイ オンおよびマンガンイオンからなる群より選ばれた 1種または 2種以上のイオン 放出性塩類の存在下、 1 5〜45 °Cの温度条件にて反応させ、 被検液中の ADP を反応によって生成される AMPとともに、 還元型 NAD (P) 類の生成量に基 づいて測定する方法に関し、 また本発明は、 酵素反応を用いて被検液中の ADP を生成する酵素またはその基質の一方を測定する方法において、 ADPを生成す る酵素またはその基質の一方を含有する被検液を少なく とも ADPを生成する酵 素とその基質に基づく反応に関与する成分の反応試薬、 ATP、 グルコース、 A DP— HK、 酸化型 NAD (P) 類、 G 6 PDHおよびマグネシウムイオン、 コ バルトイオンまたはマンガンイオンのいずれか 1種または 2種以上のイオン放出 性塩類の存在下、 1 5〜45での温度条件にて反応させ、 被検液中の ADPを生 成する酵素またはその基質を反応によって生成される AMPとともに、 還元型 N AD (P) 類の生成量に基づいて測定する方法である。
本発明で用いられる、 グルコース、 AD P— HKおよび酸化型 NAD (P) 類、 G 6 PDHおよびマグネシウムイオン、 コバルトイオンおよびマンガンィォ ンからなる群より選ばれた 1種または 2種以上のイオン放出性塩類の存在下、 酸
化型 NAD (P) 類から還元型 NAD (P) 類を生成する酵素反応は下記反応式 4及び 5で示される。
(反応式 4)
ADP-HK
グルコース + AD P ^グルコース一 6—リン酸 (G 6 P) + AMP
Mg2 +
(反応式 5)
G 6 PDH
G 6 P +NAD (P) + »グルコノラタ トン一 6—リン酸
+ NAD (P) H + H + 以下、 本発明をより詳細に説明する。
本発明における A DP— HKとしては、 上記反応式 4で示される少なく とも グルコースを基質とし、 ADPを消費してグルコース— 6—リン酸および AMP を生成する AD P— HKであれば何ら限定されるものではなく、 例えば AD P— HKの生産菌としては超高度好熱菌ピロコッカス · フリオサス · DSM 3638 菌株がドィツチェ ·ザンムルグ ' フォン 'マイクロオルガニスメン · ゥント -チ エルクツルレン · GmbH (DSM) に基準培養物として寄託され、 DSM力夕 ログ ( 1 993 ) に記載されており、 何人も入手可能であり、 本菌株から得られ た高度好熱性 ADP— HKが好ましい。
また、 上記反応式 5で示される酵素反応に用いられる G 6 PDHは市販され ており (ベーリ ンガーマンハイム社 : L e u c on o s t o c me s e n t o r o i d e s由来、 シグマ社:パン酵母、 Ba c i l l u s s t e a r o t h e rmoph i l u s、 L e u c o n o s t o c me s e n t o r o i d e s 由来) 、 容易に入手可能である。
上記 ADP - HKが触媒する酵素反応 (反応式 4) に使用するイオン放出性 塩類であるマグネシウムイオンの代わりにコバルトイオンまたはマンガンイオン を放出し得るいずれか 1種または 2種以上のイオン放出性塩類を用いればよく、 その塩類としては塩化物、 硫酸化物などが包含され、 好適には塩化マグネシウム
、 塩化コバルト、 塩化マンガンが挙げられるが、 なんらこれらに限定されるもの ではない。
酵素反応式 5に示されるように、 上記 G 6 PDHが触媒する酵素反応に使用 される補酵素としての酸化型 NAD (P) 類にはこの他に酸化型チォー NAD ( P) 、 酸化型 3—ァセチル NAD (P) 、 酸化型デァミ ノ NAD (P) などが包 含されるが、 なんらこれらに限定されるものではない。
本発明において、 反応式 4および 5で示される酵素反応の ADP - HIく、 G 6 PDH、 グルコース、 酸化型 NAD (P) 類およびマグネシウムイオン、 コバ ルトイオンまたはマンガンィオンの使用量としては酵素反応が円滑に進行する量 であればよく、 測定対象となる被検液中の物質の種類、 被検液中の含量、 共役さ せる酵素反応の種類、 反応時間および温度などにより適宜調整されるが、 ADP 一 HKおよび G 6 PDHの濃度は例ぇば0. 1〜 1 0 0 UZm 1程度、 好ましく は 1〜5 0 UZm 1程度である。 グルコース、 酸化型 NAD (P) 類の濃度は酵 素反応を行うのに十分な濃度あればよく、 グルコースは例えば 0. 5〜 1 0 0m Μ程度、 好ましくは 1〜5 OmM程度、 酸化型 NAD (P) 類は例えば 0. 5〜 5 OmM程度、 好ましくは、 1〜 1 OmM程度とされ、 マグネシウムイオン、 コ バノレトイオンまたはマンガンイオンの濃度としては例えば 0. 1〜5 OmM程度 、 好ましくは 0. 5〜 1 0mM程度である。
本発明の方法は、 酵素反応系に悪影響を及ぼさない適当な緩衝液 (例えば、 トリス—塩酸緩衝液、 リ ン酸緩衝液、 モノまたはジエタノールァミ ン緩衝液、 グ ッ ド緩衝液等) を用いて行われる。 また、 測定手法は特に限定されず、 エンドポ イント法、 レートアツセィ法などの手法を適宜用いることができる。 測定対象と なる被検液としては A D Pが存在または形成された A D Pを含有する生体試料が 挙げられ、 例えば、 血清、 血漿、 尿、 髄液などが例示される。 このような被検液 としては通常 5〜2 0 0 ^ 1を用いて上記反応系によって反応を行うもので、 反 応温度としては例えば 1 5〜4 5で、 好ましくは 2 0°C〜4 0°Cの反応温度条件 で行えばよく、 また、 反応時間はエンドポイント法では、 1〜 6 0分間、 好まし くは 1〜 1 0分間、 レートアツセィ法では反応が直線的に行われている時間内、
好ましくは、 2〜 3分間を計って測定する。
被検液中の A DP量に相当する本発明の反応は、 生成される AMPとともに 還元型 NAD (P) 類の生成を伴い、 この還元型 NAD (P) 類の生成量は種々 の方法により測定することができるが、 通常、 簡便かつ高精度で測定することの できる吸光度測定法により行われる。 測定波長は還元型 NAD (P) 類の種類に よって適宜選択され、 還元型 NAD (P) 、 還元型 3 -ァセチル— NAD (P) 、 還元型デァミノ— NAD (P) などの場合には 340 nm付近、 還元型チォー NAD (P) の場合は 405 nm付近の波長が選択される。 また、 還元型 NAD (P) 類の生成量の測定法として、 ィンドニトロテトラゾニゥ厶 ( I NT) や二 トロブル一テトラゾニゥ厶 (NTB) 等のテトラゾニゥ厶塩を用いて電子受容体 としてフエナジンメ トサルフヱ一ト (PMS) ゃジァホラーゼ (E C 1. 6. 4. 3) の作用によりホルマザン色素を形成せしめ、 このホルマザン色素の呈色 を測定する方法を用いてもよい。 また、 還元型 NAD (P) 類の蛍光を測定して もよい。
本発明における生体試料である被検液としては、 生体試料中に存在する AD Pまたは生体試料中の ADPを生成する酵素の基質またはその酵素活性の一方の 測定が挙げられる。 特に生体試料中の ADPを生成する酵素の基質またはその酵 素活性の一方の測定において、 ATPの存在下に、 ADPを生成する酵素または その基質を被検液とする場合、 各種生体試料中のキナーゼ、 シンセ夕一ゼ、 ヒ ド 口ラーゼまたはカルボキシラーゼとその基質となる物質がキナーゼ、 シンセ夕ー ゼ、 ヒ ドロラ一ゼまたはカルボキシラーゼの作用によって AD Pに導く ことがで きる。 従って、 これらの酵素反応系と酵素反応 4および 5で示される酵素反応系 を共役させることにより生体試料中の A DPに誘導される酵素活性またはその基 質の量を、 還元型 NAD (P) 類の生成量として測定することができる。 これら の例として基質と使用する酵素の関係として第 1表に示し、 その反応に関与する 基質や酵素活性いずれか一方の測定をなし、 その反応に関与する他方の成分 (但 し、 関与する他方の成分として、 ATPは包含、 意味しないものとする) を反応 に関与する成分の反応試薬として使用すればよい。
第 1表
(第 1表に続く) (E C 2. 7. 1. 3 2) へキソース へキソキナーゼ
(EC 2. 7. 1. 1 ) フルク トース フルク トキナーゼ
(E C 2. 7. 1. 4 ) 刀ラク ト一ス ガラク トキナ一ゼ
(EC 2. 7. 1. 6) グルコサミ ン グルコサミ ンキナーゼ
(E C 2. 7. 1. 8) アデノ ンン アデノ シンキナーゼ
(EC 2. 7. 1. 2 0) チミ ジン チミ ジンキナーゼ
(E C 2. 7. 1. 2 1 )
NAD NADキナーゼ
(E C 2. 7. 1. 2 3) リボフラビン リボフラビンキナーゼ
(EC 2. 7. 1. 2 6) ピリ ドキサール ピリ ドキサールキナーゼ
(第 1表に続く)
(第 1表に続く) ァンモニァ ( E C 6 3 1 2 )
L一グルタ ミ ン酸 グルタ ミ ン酸キナーゼ
(EC 2. 7. 2. 1 1 )
L—ァスパラギン酸 ァスパラギンシンセ夕一ゼ
ァンモニァ ( E C 6 3 1 4
Lーァスパラギン酸 ァスパラギン酸キナーゼ
( E C 2 7 2 4 )
ATP ミォキナーゼ
(EC 9. 7 4 3
ATP ATP a s e
( E C 3. 6. 1. 4 ) クェン酸 クェン酸キナーゼ
(EC 4. 1. 3. 8)
L—ァスパラギン酸 ァスパラギン酸ァミ ノ トランスフエ う一ゼ (GOT)
(EC 2. 6. 1. 1 )
グル夕 ミ ンシンセ夕一ゼ
し b . 0. 1. L )
Lーァラニン ァラニンア ミ ノ トランスフェラ一ゼ
(第 1表に続く) ひーケトグルタル酸 (G PT) (EC 2. 6. 1. 2) グル夕ミ ンシンセターゼ
(EC 6. 3. 1. 2) 以下にこれらの反応式を示す。
生体試料として尿素またはウレァァミ ドヒ ドロラーゼの一方を含有してこの 一方を測定する方法において、 その反応に関与する成分としての反応試薬を使用 した場合の反応式を下記に示し、 酵素反応によつて生成する A D Pを測定すれば よい。 なお、 反応に関与する成分の反応試薬 (但し、 関与する他方の成分として 、 ATPは包含、 意味しないものとする :以下同様である) としては、 下記反応 式中の左側および矢印下段に記載の成分を意味する (以下、 同様である) もので 、 生体試料として尿素を測定する場合の反応に関与する成分の反応試薬としては ゥレアアミ ドヒ ドロラーゼ、 水分子、 マグネシウムイオン (塩化マグネシウム) 、 炭酸水素カリウムが挙げられ、 また生体試料としてウレァアミ ドヒ ドロラーゼ 活性を測定する場合の反応に関与する成分の反応試薬としては尿素、 水分子、 マ グネシゥムイオン (塩化マグネシウム) 、 炭酸水素カリウムが挙げられ、 但し水 分子は反応媒体の分子にて代替される。
(反応式 6) 尿素、 ゥレアアミ ドヒ ドロラ一ゼ
ゥレアアミ ドヒ ドロラ一ゼ
八丁?+尿素+^12 〇 -ADP + P i + C〇2 + 2 NH4 +
Mg2+, KHC03 生体試料としてクレアチニンまたはクレアチニンアミ ドヒドロラーゼの一方 を含有してこの一方を測定する方法において、 その反応に関与する成分を反応試 薬として使用した場合の反応式を下記に示す。 なお、 このような逐次酵素反応の 場合、 反応式中の左側の成分と右側の成分とが同一の場合には逐次反応での生成 成分の逐次反応物であることから反応に関与する成分であるが反応試薬として別
途に添加するものではないことは明白である (以下、 同様である) 。 また、 下記反応式における①、 ②について、 生体試料としてクレアチニンま たはクレアチニンァミ ドヒ ドロラーゼの一方を含有してこの一方を测定する方法 において、 酵素反応にて生成されるクレアチンを①の反応にて生成される ADP として測定してもよく、 または酵素反応にて生成されるクレアチンを②以下の反 応にて生成される ADPとして測定してもよいことを意味する。
生体試料としてクレアチニンを则定する場合の反応に関与する成分の反応試 薬としては①の反応系ではクレアチニンァミ ドヒドロラ一ゼ、 水分子、 クレアチ ンキナーゼ (CK) 、 マグネシウムイオンが挙げられ、 ②の反応系ではクレアチ ニンアミ ドヒ ドロラーゼ、 水分子、 クレアチンアミ ドヒ ドロラーゼ、 尿素、 ウレ イ ドアミ ドヒ ドロラーゼ、 マグネシウムイオンが举げられ、 また生体試料として クレアチニンァミ ドヒ ドロラーゼ活性を測定する場合の反応に関与する成分の反 応試薬としては①の反応系ではクレアチニン、 水分子、 クレアチンキナーゼ、 マ グネシゥムイオンが挙げられ、 ②の反応系ではクレアチニン、 水分子、 クレアチ ンアミ ドヒ ドロラーゼ、 尿素、 ウレイ ドアミ ドヒ ドロラーゼ、 マグネシウムィォ ンが挙げられる。
(反応式 7) クレアチニン、 クレアチュンアミ ドヒ ドロラーゼ
クレアチニンアミ ドヒ ドロラーゼ
ク レアチニン十 H2 〇 クレアチン
CK
①クレアチン + ATP ^クレアチンリン酸十 ADP
Mg2 + クレアチンアミ ドヒ ドロラ一ゼ
②クレアチン + H2 0 ^ザルコシン +尿素
ゥレアアミ ドヒ ドロラ一ゼ
尿素 +ATP+H2 0 »AD P + P i +C02 + 2 NH4 +
Mg2+, K H C 03
生体試料としてクレアチニンまたはクレアチニンディ ミナーゼの一方を含有 してこの一方を測定する方法において、 その反応に関与する成分を反応試薬とし て使用した場合の反応式を下記に示し、 酵素反応によつて生成する A D Pを測定 すればよい。 この場合、 生体試料としてクレアチニンを測定する場合の反応に関 与する成分の反応試薬としてはクレアチニンディ ミナーゼ、 水分子、 N—メチル ヒダン トインナ一ゼが挙げられ、 生体試料としてクレアチニンディ ミナ一ゼ活性 測定する場合の反応に関与する成分の反応試薬としてはクレアチニン、 水分子、
N—メチルヒダントインナーゼが挙げられる。
(反応式 8 ) クレアチニン、 クレアチニンディ ミナーゼ
クレアチニンディミナーゼ
クレアチニン + H 2 0 —メチルヒダントイン + N H 3
N—メチルヒダン トイナ一ゼ
N—メチルヒダン トイン + A T P »力ルバモイルザルコシン + A D P 生体試料としてクレアチンまたはクレアチンキナーゼの一方を含有してこの 一方を測定する方法において、 その反応に関与する成分を反応試薬として使用し た場合の反応式を下記に示し、 酵素反応によって生成する A D Pを则定すればよ い。 この場合、 生体試料としてクレアチンを測定する場合の反応に関与する成分 の反応試薬としてはクレアチンキナーゼ、 マグネシウムイオンが挙げられ、 また 生体試料としてクレアチンキナーゼ活性を測定する場合の反応に関与する成分の 反応試薬としてはクレアチン、 マグネシウムイオンが挙げられる。
(反応式 9 ) クレアチン、 クレアチンキナーゼ
C K
クレアチン + A T P ►クレアチンリ ン酸 + A D P
M g 2 + なお、 反応式 9のクレアチンは、 上記反応式 7に基づいて遊離されたクレア チンであってもよい。
生体試料としてグリセロールまたはグリセ口一ルキナ一ゼ (G K ) の一方を
含有してこの一方を測定する方法において、 その反応に関与する成分を反応試薬 として使用した場合の反応式を下記に示し、 酵素反応によつて生成する A D Pを 測定すればよい。 この場合、 生体試料としてグリセロールを測定する場合の反応 に関与する成分の反応試薬としてはグリセロールキナーゼ、 マグネシウムイオン が挙げられる。
(反応式 1 0 ) グリセロール、 グリセ口キナーゼ
G K
グリセロール十 A T P 、 リセロール一 3—リ ン酸 + A D P
M g 2 + なお、 グリセ口一ルは、 トリグリセリ ドゃモノまたはジグリセリ ドにリパー ゼゃ眸リパーゼ (但し、 活性化剤として C 0—リバ一ゼを適宜添加する) を作用 せしめて遊離されたグリセロールでもよく、 また、 ホスファチジルグリセ□ール にホスホリパーゼ Dを作用せしめて遊離されたグリセロールでもよレ、。
特に、 生体内成分の生化学検査項目としてのトリグリセリ ド定量の目的、 ト リグリセリ ドゃジグリセリ ドを合成基質とした脾リパ一ゼ活性測定の目的に好適 である。
例えば、 生体試料としてトリグリセリ ド定量の目的として測定する場合の反 応に関与する成分の反応試薬としてはリパーゼ、 水分子、 グリセロールキナーゼ
、 マグネシウムイオンが挙げられる。 また、 眸リパーゼ活性測定の目的として測 定する場合の反応に関与する成分の反応試薬としては、 トリグリセリ ドゃジグリ セリ ドの合成基質、 水分子、 グリセロールキナーゼ、 マグネシウムイオン、 適宜 C 0—リパーゼ、 合成基質の可溶化剤としての界面活性剤が挙げられる。
生体試料としてコリンまたはコリンキナーゼの一方を含有してこの一方を測 定する方法において、 その反応に関与する成分を反応試薬として使用した場合の 反応式を下記に示し、 酵素反応によつて生成する A D Pを測定すればよし、。 (反応式 1 1 ) コリン、 コリンキナーゼ
コ リ ンキナーゼ
コ リ ン + A T P ►コ リ ンリ ン酸 + A D P
g 2 + なお、 コ リ ンはホスファチジルコリ ン (リ ン脂質成分) にホスリパーゼ Dを 作用せしめて遊離されたコリ ンゃコリンエステル、 例えばベンブイルコリ ンまた はオルト トルオイルコリンなどの合成基質にコリンエステラーゼを作用させて遊 離されたコリ ンであってもよい。
特に、 生化学検査項目としてのリ ン脂質成分定量の目的、 合成基質を用いた コリ ンエステラーゼ活性測定の目的に好適である。
このリ ン脂質成分定量の目的として測定する場合の反応に関与する成分の反 応試薬としてはホスリパーゼ0、 水分子、 マグネシウムイオンが挙げられ、 また コリ ンエステラーゼ活性測定の目的として測定する場合の反応に関与する成分の 反応試薬としては例えばベンブイルコリンまたはオルト トルオイルコリンなどの 合成基質、 水分子、 マグネシウムイオンが挙げられる。
以下、 同様に、 生体試料として基質または A D Pを生成する酵素の一方を含 有してこの一方を測定する方法において、 その反応に関与する成分を反応試薬と して使用した場合の反応式を下記に示し、 酵素反応によつて生成する A D Pを则 定すればよい。
また、 本発明の測定法の完成に基づき、 本発明における反応に関与する成分 の反応試薬は、 上記および下記の種々反応式から明白なものであり、 測定すべき 被検液によって適宜選択、 調製が可能であることも明らかであり、 さらにまたこ れらの反応試薬は記載のものに何ら限定されるものではない。
(反応式 1 2 ) へキソース、 へキソキナーゼ
へキソキナーゼ
へキソース + A T P ►へキソース一 6 — リ ン酸 + A D P
g 2 +
(反応式 1 3 ) フルク トース、 フルク トキナーゼ
フルク トキナーゼ
フルク ト一ス + ATP »フルク ト一ス一 1—リ ン酸十 ADP
Mg2 +
(反応式 1 4 ) ガラク トース、 ガラク トキナ一ゼ
ガラク トキナーゼ
ガラク ト一ス + ATP ^ガラク ト一スー 1— リ ン酸 + AD P
Mg2 +
(反応式 1 5) グルコサミ ン、 グルコサミ ンキナーゼ
ダルコサミ ンキナーゼ
ダルコサミ ン + ATP »ダルコサミ ン一 6— リ ン酸 + ADP
Mg2 +
(反応式 1 6) アデノシン、 アデノ シンキナーゼ
アデノ シンキナーゼ
アデノ シン + ATP ^ADP+AMP
g2 +
(反応式 1 7) チミ ジン、 チミ ジンキナーゼ
チミ ジンキナーゼ
チミ ジン + ATP ►TMP + ADP
Mg2 +
(反応式 1 8) NAD、 NADキナーゼ
NADキナーゼ
NAD + ATP 'NADP + ADP
Mg2 +
(反応式 1 9) リボフラビン、 リボフラビンキナーゼ
リボフラビンキナーゼ
リボフラビン + A T P -FMN + A D P
Mg2 +
(反応式 20) ピリ ドキサール、 ピリ ドキサールキナーゼ
ピリ ドキサールキナーゼ
ピリ ドキサール + AT P ►ピリ ドキサ一ルリ ン酸十 ADP
Mg2 +
(反応式 2 1 ) メバロン酸、 メバロン酸キナーゼ
メバロン酸キナーゼ
メバロン酸 + ATP ►ホスホメバロン酸 + AD P
(反応式 22) プロテイン、 プロテインキナーゼ
プロティンキナーゼ
プロテイン + ΑΤΡ ►ホスホブロティン + AD Ρ
Mg2 +
(反応式 2 3) ホモセリ ン、 ホモセリ ンキナーゼ
ホモセリ ンキナーゼ
ホモセリ ン + AT P ►ホモセリ ンリ ン酸 + AD P
Mg2 +
(反応式 24) ピルビン酸、 ピルビン酸キナーゼ
ピルビン酸キナーゼ
ピルビン酸 + AT P ►PEP + ADP
Mg2 +
(反応式 25) ピルビン酸、 ピルビン酸カルボキシラーゼ
ピルビン酸カルボキシラーゼ
ピルビン酸 +HC03 ― +ATP *オギザ口酢酸 +P i +ADP
Mg2 +
(反応式 2 6) 酢酸、 酢酸キナーゼ
酢酸キナーゼ
酢酸 +ATP »ァセチルリ ン酸 + ADP
Mg2 +
(反応式 27) アンモニア、 カルバミ ンキナーゼ
力ルバミ ンキナーゼ
NH3 +C02 +ATP 力ルバモイルリン酸 + ADP
Mg2 +
(反応式 28) L—アルギニン、 アルギニンキナーゼ
アルギニンキナーゼ
L一アルギニン + ATP »L—アルギニンリ ン酸十 AD P
Mg2 +
(反応式 29) L—グルタミ ン酸、 アンモニア、 グルタミ ンシンセターゼ
グル夕ミ ンシンセ夕一ゼ
L -グル夕ミ ン酸 + NH3 + ATP »L一グル夕ミ ン + AD P + P i
Mg2 + なお、 上記反応式におけるアンモニアとしては、 前記反応式 6にて例示され る尿素とウレァァミ ドヒドロラーゼとの反応によって生成されたアンモニアであ つてもよく、 また反応式 7にて例示される②の反応系におけるクレアチニンとク レアチニンアミ ドヒ ドロラ一ゼとの反応によって生成されたアンモニアであって もよく、 反応式 8のクレアチニンとクレアチニンディ ミナーゼのための前段の反 応によって生成されたアンモニアであってもよいもので、 このァンモニァとして は何ら限定されるものではない。
(反応式 30) L—グルタミ ン酸、 グルタミン酸キナーゼ
グル夕ミ ン酸キナーゼ
L一グル夕ミ ン酸 + ATP 一グル夕ミン酸ホスフェ一ト + AD P
Mg2 +
(反応式 3 1 ) Lーァスパラギン酸、 アンモニア、 ァスバラギンシンセターゼ ァスパラギンシンセ夕ーゼ
L—ァスパラギン酸 + NH3 +ATP ーァスパラギン + AD P + P i
Mg2 +
(反応式 32) L—ァスパラギン酸、 L—ァスパラギン酸キナーゼ
Lーァスパラギン酸キナーゼ
Lーァスパラギン酸 + AT P —ァスパラギン酸リ ン酸 + AD P
Mg +
(反応式 33) ATP、 ミオキナーゼ
ミオキナーゼ
ATP + AMP ^2 ADP
Mg2 +
(反応式 34 ) ATP、 ATP a s e
AT P a s e
ATP + H2 〇 »ADP + P i
Mg2 +
(反応式 35) クェン酸、 クェン酸キナーゼ
クェン酸キナーゼ
クェン酸 +HS— C 0 A + ATP »オギザ口酢酸 +ァセナル— C 0 A +
M g 2 +
ADP+P i
(反応式 36) L—ァスパラギン酸、 ひ—ケトグルタル酸、 ァスパラギン酸アミ ノ トランスフェラーゼ (GOT)
GOT
L—ァスパラギン酸+ひーケトグルタル酸 ~~►オギザ口酢酸 +L—グル夕ミン酸 グル夕ミ ンシンセ夕一ゼ
L一グル夕ミ ン酸 + NH4 + +ATP —グル夕ミ ン + ADP + P i g2 + 上記反応において、 特に GOT活性測定として好適である。
(反応式 37) L—ァラニン、 ひ一ケトグルタル酸、 ァラニンアミノ トランスフ エラ一ゼ (GPT)
G PT
Lーァラニン +ひ一ケトグルタル酸 ~~►ピルビン酸+ L—グル夕ミ ン酸
グル夕 ミ ンシンセ夕一ゼ
L—グル夕 ミ ン酸 + NH4 + +ATP ►L—グル夕 ミ ン + ADP + P i
Mg2 + 上記反応において、 特に GPT活性測定として好適である。
これらの反応において、 添加する ATPの量は例えば 0. l〜50mM程度 、 好ましくは 0. 5〜1 OmM程度である。 また、 基質を定量する場合に、 添加 する酵素量は例えば 1〜 1 00 U/m 1程度である。 さらに、 酵素活性を測定す る場合の添加する基質は例えば 1〜 1 O OmM程度である。 これらの基質や酵素 以外の反応に関与する成分の反応試薬においては、 基質と反応して消費される成 分は上記基質の使用量と同量ないしそれの 2倍量程度でよく、 マグネシウムィォ ンの濃度としては好適には塩化マグネシウムとして例えば 0. 1〜5 OmM程度 、 好適には 0. 5〜1 OmM程度であるが、 特に反応において阻害を受けない限 りこれらより過剰量を使用することを除外するものではない。
またこれらの反応は、 前記反応式 4および 5とともに同一反応系としてもよ く、 また別反応系としてもよいが、 好ましくは同一反応系となすことである。
特に、 好適な例を述べると、 尿素の場合の既存測定法は、
(反応式 38)
ゥレアアミ ドヒ ドロラーゼ (E C 3. 5. 1. 5 )
ゥレア + H2 0 02 + 2NH3
グル夕ミ ン酸 II兑水素酵素
NH3 +ひーケ トグルタル酸 + N AD (P) H + H +
L一グル夕ミ ン + NAD (P) + 上記反応式 38に示す通り、 還元型 NAD (P) の減少法であり、 そのため,
( 8 ) 測定対象の成分が少ない場合には測定値が不正確である。
(9) 測定できる成分の上限値が定量前に反応液内に存在させる還元型 NAD ( P) の量により制限される (測定レンジが狭い) 。
( 1 0) 還元型 NAD (P) の量の測定に使用する分光光度計の機種に応じて、 定量前に反応液内に存在させる還元型 NAD (P) の量を変える必要がある。
( 1 1 ) 分析用試薬中に含有される還元型 NAD (P) が不安定である。
( 1 2) ドライ用試薬への対応が不可能である。 等の欠点を有する。
さらに、 この測定法は原理的にアンモニアを測定する方法であるために、
( 1 3) 検体や試薬中のアンモニアを消去する必要がある。
それに対して、 本発明の測定法は、
(反応式 39)
ゥレアアミ ドヒ ドロラーゼ (E C 3. 5. 1. 45)
ATP+尿素 +H2 〇 -ADP + P i +C02 +2NH4 +
Mg2+, KHCOa
(反応式 4 0 )
ADP-HK
グルコース + AD P ►グルコース一 6—リン酸 (G 6 P) + AMP
Mg2 +
(反応式 4 1 )
G 6 PDH
G 6 P+NAD (P) + »グルコノラク トン一 6—リン酸 +
NAD (P) H + H + 上記反応式 39、 40、 4 1に示す通り、 還元型 NAD (P) の増加法であ り、 減少法により生じる欠点は全く無く、 さらに、 アンモニアの消去も必要とし なレ、優れた測定法であつた。
クレアチンキナーゼの場合の既存測定法は、
(反応式 42)
クレアチンキナーゼ
クレアチン + ADP ►クレアチンリ ン酸 + ATP
Mg2 +
へキソキナーゼ
グルコース + AT P »グルコース— 6—リ ン酸 (G 6 P) +ADP
Mg2 +
G 6 PDH
G 6 P+NAD (P) + ►ダルコノラク トン一 6—リン酸 +
NAD (P) H + H +
上記反応式 4 2に示した。 この反応系では基質となるクレアチンリ ン酸が非 常に高価で測定試薬の値段が高くなる欠点があつた。
それに対して、 本発明の測定法は、
(反応式 4 3)
クレアチンキナーゼ
クレアチン + ATP »クレアチンリ ン酸 + AD P
Mg2 +
(反応式 4 4)
ADP-HK
グルコース + AD P ^グルコース一 6—リ ン酸 (G 6 P) + AMP
Mg2 +
(反応式 4 5)
G 6 PDH
G 6 P +NAD (P) + »グルコノラク トン一 6—リ ン酸 +
NAD (P) H + H + 上記反応式 4 3、 4 4、 4 5に示す通り、 基質としてクレアチンを用いるた め測定試薬を安価に提供することができた。
クレアチニンの場合の既存測定法は、
(反応式 4 6)
クレアチニンアミ ドヒドロラーゼ
クレアチニン + H2 〇 ►クレアチン
クレアチンアミ ドヒ ドロラーゼ
クレアチン + H2 〇 ^ザルコシン十尿素
ザルコシンォキシダ一ゼ
ザルコシン + 02 +H2 〇 》グリシン + H2 〇2 +ホルムアルデヒ ド
上記反応式 4 6に示す通り、 ォキシダーゼ法であり、 検体中の還元物質 (ァ スコルビン酸等) の影響を受けるために測定値が不正確となり、 さらにザルコシ ンォキシダーゼがプロリンに作用し、 検体中のプロリ ンの影響を受ける等の欠点
を有する。
それに対して、 本発明の測定法は、
(反応式 47)
クレアチニンアミ ドヒ ドロラーゼ
ク レアチニン + H2 0 »ク レアチン
ク レアチンキナーゼ
ク レアチン + AT P 、りレアチンリ ン酸 + ADP
(反応式 48)
ADP-HK
グルコース + ADP »グルコース— 6— リ ン酸 (G 6 P) 十 AMP
Mg2 +
(反応式 4 9)
G 6 PDH
G 6 P + NAD (P) + ►グルコノラク トン一 6— リ ン酸 +
NAD (P) H + H
(反応式 50)
ク レアチニンディ ミナーゼ
ク レアチニン + H2 0 »N—メチルヒダン トイン + NH3
N—メチルヒダン トイナーゼ
N—メチルヒダン トイン + ATP + H2 0一"►力ルバモイルザルコシン + AD P
(反応式 5 1 )
ADP-HK
グルコース + AD P ^"ルコース一 6— リ ン酸 (G 6 P) + AMP
g2 +
(反応式 52)
G 6 PDH
G 6 P + NAD (P) + ►グルコノラク トン一 6— リ ン酸 +
NAD (P) H + H
上記反応式 4 7、 4 8、 4 9および 5 0、 5 1、 52に示す通り、 還元型 N AD (P) の増加法であり、 検体中の還元物質 (ァスコルビン酸等) やプロリ ン の影響を全く受けない。
卜リグリセリ ドの場合の既存測定法は、
(反応式 5 3)
リパーゼ
トリグリセリ ド + 3 H2 0 ——》グリセロール + 3脂肪酸
グリセロールキナーゼ
グリセロール + AT P ^"リセロールリン酸 + ADP
Mg2 +
グリセロールリン酸ォキシダーゼ
グリセロールリン酸 +〇2 +H2 〇 ~~►ジヒ ドロキシアセトンリン酸 + H2 〇2 上記反応式 5 3に示す通り、 ォキシダーゼ法であり、 検体中の還元物質 (ァ スコルビン酸等) の影響を受けるので測定値が不正確となる。
それに対して、 本発明の測定法は、
(反応式 54)
リパーゼ
トリグリセリ ド + 3 H 2 0 ——、 リセロール + 3脂防酸
グリセロールキナーゼ
グリセロール + AT P »グリセロールリ ン酸 + AD P
Mg2 +
(反応式 5 5)
AD P -HK
グルコース + AD P »グルコース— 6—リン酸 (G 6 P) +AMP
Mg2 +
(反応式 5 6)
G 6 PDH
G 6 P +NAD (P) + ►グルコノラク トン一 6—リ ン酸 +
NAD (P) H + H +
上記反応式 54. 55. 56に示す通り、 還元方 NAD (P) の増加法であ り、 検体中の還元物質の影響を全く受けない。
なお、 上記反応式 54の卜リグリセリ ドの代わりにジグリセリ ドゃモノグリ セリ ド (これらの場合 2分子または 1分子の水分子を消費して 2分子または 1分 子の脂肪酸を遊離する反応式となる) の場合も同様である。
ホスファチジルコリ ンの場合の既存測定法は、
(反応式 57)
ホスホリパーゼ D
ホスファチジルコリ ン + H 2 0 ^ホシファチジン酸+コリ ン
コリ ンォキシダーゼ
コ リ ン +2〇2 +H2 〇 ►ベタイン + 2 H2 〇2 上記反応式 57に示す通り、 ォキシダーゼ法であり検体中の還元物質 (ァス コルビン酸等) の影響を受けるので測定値が不正確となる。
それに対して、 本発明の測定法は、
(反応式 58)
ホスホリパーゼ D
ホスファチジルコ リ ン + H 2 〇 ^ホシファチジン酸十コ リ ン
コリ ンォキシダーゼ
コ リ ン + ATP »コ リ ンリ ン酸 + AD P
Mg2 +
(反応式 59)
ADP-HK
グルコース + A D P ^グルコース一 6— リ ン酸 (G 6 P) + AMP
Mg2 +
(反応式 60)
G 6 PDH
G 6 P + NAD (P) + ^グルコノラク トン一 6— リ ン酸 +
NAD (P) H + H +
上記反応式 58、 59、 60に示す通り、 還元型 NAD (P) の増加法であ り検体中の還元物質の影響を受けない。
ァスパラギン酸ァミノ トランスフヱラ一ゼ (GOT) の場合の既存測定法は、 (反応式 6 1 )
GOT
L—ァスパラギン酸 +ひ —ケトグルタル酸 ~~ ^オギザ口酢酸 +L—グル夕ミ ン酸 リ ンゴ酸脱水素酵素
オギザ口酢酸 + NAD (P) H + H+ ^L—リンゴ酸 + NAD + 上記反応式 6 1に示す通り、 還元型 NADの減少法であり、 そのため、
( 1 4) 測定対象の成分が少ない場合には測定値が不正確である。
( 1 5) 測定できる成分の上限値が定量前に反応液内に存在させる還元型 NAD の量により制限される (測定レンジが狭い) 。
( 1 6) 還元型 NADの量の測定に使用する分光光度計の機種に応じて、 定量前 に反応液内に存在させる還元型 NADの量を変える必要がある。
( 1 7) 分折用試薬中に含有される還元型 NADが不安定である。
( 1 8) ドライ用試薬への対応が不可能である。 等の欠点を有する。
さらに、 この測定法は検体中の乳酸脱水素酵素の影響を受け、 正確に測定す ることができない方法であった。
それに対して、 本発明での測定方法は、
(反応式 62)
GOT
Lーァスパラギン酸 +ひーケトグルタル酸 ^ »オギザ口酢酸 +L -グル夕ミ ン酸 グルタ ミ ンシンセ夕ーゼ
L -グル夕ミ ン酸 + NH4 + +ATP -グル夕ミ ン + AD P + P i
Mg2 +
(反応式 63)
ADP-HK
グルコース + AD P ^グルコース— 6— リ ン酸 (G 6 P) + AMP
Mg2 +
(反応式 64 )
G 6 PDH
G 6 P +NAD (P) + *グルコノ ラク トン一 6— リ ン酸+
NAD (P) H + H + 上記反応式 62、 63、 64に示す通り、 還元型 NAD (P) の増加法であ り、 減少法により生じる欠点は全く無く、 さらに検体中の乳酸脱水素酵素の消去 も必要としなし、優れた測定法であつた。
ァラニンアミ ノ トランスフヱラーゼ (GPT) の場合の既存则定法は、 (反応式 65)
GPT
L—ァラニン +ひ 一ケ トグル夕ル酸 ~~►ピルビン酸 + L—グルタ ミ ン酸
乳酸脱水素酵素
ピルビン酸 + NAD (P) H + H+ ——》乳酸 + NAD + 上記反応式 65に示す通り、 還元型 NADの減少法であり、
(1 9) 測定対象の成分が少ない場合には測定値が不正確である。
(20) 则定できる成分の上限値が定量前に反応液内に存在させる還元型 NAD の量により制限される。 (測定レンジが狭い)
(2 1 ) 還元型 NADの量の測定に使用する分光光度計の機種に応じて、 定量前 に反応液内に存在させる還元型 NADの量を変える必要がある。
(22) 分析用試薬中に含有される還元型 NADが不安定である。
(23) ドライ用試薬への対応が不可能である。 等の欠点を有する。
さらに、 この測定法は検体中の乳酸脱水素酵素の影響を受け、 正確に測定す ることができない方法であった。
それに対して、 本発明での測定法は、
(反応式 66)
G PT
L—ァラニン +ひ 一ケ トグルタル酸 ~~►ピルビン酸 +L—グル夕 ミ ン酸
グル夕ミ ンシンセ夕一ゼ
L一グル夕ミ ン酸 + NH4 + 十 ATP ^L—グル夕ミ ン + ADP + P i
Mg2 +
(反応式 6 7)
ADP-HK
グルコース + AD P ►グルコース— 6—リ ン酸 (G 6 P) + AMP
Mg2 +
(反応式 6 8)
G 6 PDH
G 6 P+NAD (P) + »グルコノラク トン一 6—リン酸 +
NAD (P) H + H + 上記反応式 6 6、 6 7、 6 8に示す通り、 還元型 NAD (P) の増加法であ り、 減少法により生じる欠点は全く無く、 さらに検体中の乳酸脱水素酵素の消去 も必要としない優れた測定法であった。
以下、 本発明の生体試料中の ADPを生成する酵素またはその基質の測定方 法を例をもって具体的に説明するが、 本発明の方法はこれらに限定されるもので ない。
図面の簡単な説明
第 1図は本発明によって 3 7 °Cでマグネシウムイオンを用いたときの A DP 測定の検量線を示すものである。
第 2図は本発明によって 3 7 °Cでコバルトイオンを用いたときの AD P測定 の検量線を示すものである。
第 3図は本発明によって 3 7 °Cでマンガンイオンを用いたときの AD P測定 の検量線を示すものである。
第 4図は本発明によって 2 0 °Cでマグネシウムイオンを用いたときの A D P 測定の検量線を示すものである。
第 5図は本発明によって 4 0 °Cでマグネシウムイオンを用いたときの A D P 測定の検量線を示すものである。
第 6図は本発明によって 3 7 °Cでマグネシウムイオンを用いたときの尿素则 定の検量線を示すものである。
第 7図は本発明によって 3 7てでマグネシウムイオンを用いたときのクレア チニン測定の検量線を示すものである。
第 8図は本発明によって 3 7 °Cでマグネシウムイオンを用いたときのクレア チニン測定の検量線を示すものである。
第 9図は本発明につて 3 7 °Cでマグネシウムイオンを用いたときのクレアチ ン測定の検量線を示すものである。
第 1 0図は本発明によって 3 7 °Cでマグネシウムイオンを用いたときのグリ セロール測定の検量線を示すものである。
第 1 1図は本発明によって 3 7 °Cでマグネシウムイオンを用いたときのコリ ン測定の検量線を示すものである。
第 1 2図は本発明によって 3 7 °Cでマグネシウムイオンを用いたときのグル 夕 ミン酸測定の検量線を示すものである。
第 1 3図は本発明によって 3 7 °Cでコバルトイオンを用いたときの尿素測定 の検量線を示すものである。
第 1 4図は本発明によって 3 7 °Cでマンガンイオンを用いたときのクレアチ ニン測定の検量線を示すものである。
第 1 5図は本発明によって 2 0 °Cでマグネシウムイオンを用いたときのクレ ァチン測定の検量線を示すものである。
第 1 6図は本発明によって 4 0 °Cでマグネシウムイオンを用いたときのグリ セロール測定の検量線を示すものである。
第 1 7図は本発明の代わりに 5 0 °Cにて反応したときの A D P測定の定量曲 線を示すものである。
発明の実施の形態
以下、 実施例、 参考例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、 本発明は これらの実施例、 参考例によって限定されるものではない。 参考例
ADP-HKの酵素活性測定法
測定試薬
5 OmM トリスー塩酸緩衝液 (pH 7. 5)
2 0 mM グルコース
2 mM ADP
5 U/m 1 G 6 PDH
0. 0 2 5 % NBT (ニトロテトラブニゥムブル一)
1 mM NADP
1 % トリ トン X— 1 0 0
5 U/m 1 ジァホラ一ゼ (NADPH)
測定試薬 1 m 1を 3 7°Cで 1分間予備加温した後、 0. 0 2 m 1の酵素液を 添加して 1 0分間反応させる。 反応後、 0. 1 N塩酸を 2m 1添加して反応を停 止させ、 5分以内に層長 1. 0 cmのセルを用いて、 波長 5 5 0 nmにおける吸 光度を測定する (A s) 。 また盲検として酵素液のかわりに蒸留水 0. 0 2m l を用いて同一の操作を行って吸光度を測定する (Ab) 、 この酵素使用の吸光度 (A s) と盲検の吸光度 (Ab) の吸光度差 (A s - Ab) より酵素活性を求め る。 酵素活性 1単位は 3 7eCで 1分間に 1 モルの還元型 NAD Pを生成させる 酵素量とし、 計算式は下記の通りである。
酵素活性 (UZm 1 ) = (A s -Ab) χ θ . 7 9 5 x酵素の希釈倍率
〔ADP— HKの取得〕
P y r o c o c c u s f u r i o s u s DSM3 6 3 8の培養
培地組成
0 1 % 酵母エキス
0 5 % ト リプトン
0 1 2 % マルトース
2. 3 9 % Na C 1
0 , 4 % N a 2 S〇4
0 0 7 % KC 1
0 , 0 2% NaHC03
0 0 1 % KB r
0. 0 3 % H3 B04
1 0 8 % MgC 1 2
0. 1 5 % C a C 1 2
0 0 0 2 5 % S r C 1 2
0 0 2 5 % NH4 C 1
0 0 1 4 % K2 HP04
0 1 % CH3 COONa
0 0 0 1 5 % N (COOH) 3
0 0 0 0 5 % n S O 4
0 0 0 1 4 % F e S O 4
0 0 0 0 2 % N i C 1 2
0 0 0 0 1 % C o SO*
0 0 0 0 1 % Zn S04
0 0 0 0 0 1 % C u S 04
0 0 0 0 0 0 1 % N a 2 Mo 04
0 1 % システィン塩酸塩
上記培地成分を含む液体培地 (p H 7) 5 0 0m lを 5 0 0m l容三角フラ スコ 1 0本に分注し、 1 2 0て、 2 0分間、 加熱滅菌した後、 これに P y r o c o c c u s f υ r i o s u s DSM 3 6 3 8株の菌体懸濁液 1 0m lを移植
し、 攪拌させながら、 9 5°Cで 2 0時間培養し、 種培養液とした。 上記培地成分 を含む液体培地 2 0 0 1 / 3 0 0 1 タンクを滅菌した後、 種培養液を移植し、 攪 拌させながら、 9 5でで 1 5時間培養し、 5mUZm 1 の培養液 2 0 0 1 を得た。
〔ADP— HKの精製〕
得られた培養液 2 0 0 1を遠心分離して、 得られた菌体を 0. 9 %のN a C
1 を含む 2 Ο ΙΏΜのトリス一塩酸緩衝液 (ρΗ 7. 5) で 1回洗浄した。 洗浄菌 体を 2 0 mMのトリス—塩酸緩衝液 (Ρ Η 7. 5) に懸濁して 2 1に調整し、 ク ボタ社製の超音波破砕機 ( I NS ONATOR 2 0 1 Μ) を用いて 1 8 0 W、 3 0分間処理して、 菌体破砕液を得た。
この破砕液を 8 0 0 0 r pm、 3 0分間遠心分離し、 1. 8 1 (酵素活性 9 8 0 U) の上清を得た。 この上清を透析チューブを用いて 1 OmMのトリス一塩 酸緩衝液 (PH 7. 5) 8 1 に対して 5 で一夜透析した後、 1 0mMのトリス 一塩酸緩衝液 (pH 7. 5) で緩衝化した DE AE— S e p h a r 0 s e F F
(フアルマシア社製) 2 0 0m l ( 2. 6 x 3 8 cm) のカラムに通し、 0〜 1 モルの N a C 1のリニアグラジェントで溶出を行った。 その結果、 0. 0 8〜0 • 1モルの Na C 1濃度で活性画分 ( 9 5 0 U) が溶出された。 この得られた活 性画分に 4 Mとなるように N a C 1 を溶解し、 4Mの N a C 1で緩衝化された P h e n y l - S e p h a r o s e F F (フアルマシァ社製) 2 0 0 m l ( 2.
6 X 3 8 c m) のカラムに通し、 4〜0MのNa C 1のリニアグラジェントによ り溶出を行った。
その結果、 0. 0 2から 0. 0 7モルの Na C 1濃度で活性画分 ( 9 0 0 U) が得られた。 この得られた活性画分を 1 OmMトリス—塩酸 (pH 7. 5) 8 1 に 5 °C、 一夜透析した後、 1 OmMトリス—塩酸緩衝液 (pH 7. 5 ) で緩衝化 したヒ ドロキシァパタイ ト (ペンタツクス社製) 1 0 0m l (2. 6 x 1 9 cm ) のカラムに通し、 0〜0. 5 Mのリン酸緩衝液 (p H 7. 5) のリニアグラジ ェントにより溶出を行った。 その結果、 0. 0 2〜0. 0 3Mのリン酸緩衝液濃 度で活性画分 ( 8 5 0 U) が溶出された。 この酵素液を凍結乾燥して 5 m gの酵
素粉末 ( 1 7 0 U/mg) を得た。
ADP-HKの理化学的性質は以下の通りであつた。
CADP-HKの理化学的性質〕
( 1 ) 酵素作用
基黉としてグルコースを用いた酵素作用を以下に示す。
グルコース + AD P »グルコース— 6—リ ン酸 + AMP
Mg2 +
( 2 ) 分子量
ト一ソ一社製 TS K— G 30 0 0 SWXL ( 0. 7 5 X 3 0 cm) を用いたゲ ル濾過法により測定した ADP - HKの分子量は 1 0 0 0 0 0 ± 5 0 00であつ た。
( 3) 至適 pHは pH 6. 0〜7. 0 (リ ン酸緩衝液) であった。
( ) 至適温度は 8 0〜 1 0 0でであることから高度好熱性 A DP— HKと認 められた。 実施例 1
< 3 7。Cでマグネシゥムイオンを用いたときの A D Pの定量〉
測定試薬
5 0 mM トリスー塩酸緩衝液 (PH 7. 5) 20 mM グルコース
5 U/m 1 G 6 PDH
1 mM NADP
5 U/m 1 ADP-HK
測定方法
ADPを 2. 6mM、 5. 2mM 7. 8mM、 1 0. 4mM、 1 3mMの 水溶液に調整し、 ADPサンプルを作成した。 測定試薬 l m 1に ADPサンプル 2 0 1加え、 3 7° (:、 5分間加温後の 34 0 nmの吸光度を、 試薬ブランクを
対照にして測定した。 測定結果は第 1図 (横軸:最終濃度として表示) に示すよ うに ADPが定量的に測定できた。 実施例 2
< 3 7 °Cでコバルトイオンを用いたときの A DPの定量〉
測定試薬
5 0 mM 卜リスー塩酸緩衝液 (pH 7. 5) 2 0 mM グルコース
5 U/m 1 G 6 PDH
1 mM NADP
1 0 U/m 1 ADP-HK
測定方法
ADPを 2. 3mM、 4. 6 mM, 6. 9 m , 9. 2mM、 1 1. 5 mM の水溶液に調整し、 ADPサンプルを作成した。 測定試薬 1 m 1に ADPサンプ ル 2 0〃 1加え、 3 7て、 5分間加温後の 34 0 nmの吸光度を、 試薬ブランク を対照にして測定した。 測定結果は第 2図に示すように A D Pが定量的に測定で きた。 実施例 3
< 3 7。Cでマンガンイオンを用いたときの ADPの定量〉
測定試薬
5 0 mM トリス—塩酸緩衝液 (pH 7 5) 20 mM グルコース
5 U/m 1 G 6 PDH
1 mM NADP
1 0 U/m 1 ADP-HK
測定方法
ADPを 2. 5mM、 5. OmM、 7. 5mM、 1 0. 0 mM, 1 2. 5 m Mの水溶液に調整し、 ADPサンプルを作成した。 測定試薬 1 m 1に ADPサン プル 2 0〃 1加え、 3 7°C、 5分間加温後の 34 0 nmの吸光度を、 試薬ブラン クを対照にして測定した。 測定結果は第 3図に示すように AD Ρが定量的に測定 できた。 実施例 4
< 2 0 °Cでマグネシゥムイオンを用いたときの AD Pの定量 >
測定試薬
5 0 m ト リス一塩酸緩衝液 (pH 7. 5) 2 OmM グルコース
5 U/m 1 G 6 PDH
1 mM NADP
2 0 U/m 1 ADP-HK
測定方法
ADPを 2. 8mM、 5. 6 mM, 8. 4mM、 1 1. 2 mM, 1 4 mMの 水溶液に調整し、 ADPサンプルを作成した。 測定試薬 l m 1に ADPサンプル 2 0 // 〗加え、 2 0て、 5分間加温後の 34 0 nmの吸光度を、 試薬ブランクを 対照にして測定した。 測定結果は第 4図に示すように A D Pが定量的に測定でき た。 実施例 5
< 4 0てでマグネシウムイオンを用いたときの ADPの定量 >
測定試薬
5 OmM トリス一塩酸緩衝液 (pH 7 5)
2 0 mM グルコース
5 U/m 1 G 6 P DH
1 mM NAD P
5 U/m 1 AD P -HK
測定方法
AD Pを 2 7mM、 5. 4 mM. 8. 1 mM, 1 0. 8 mM, 1 3. 5 m Mの水溶液に調整し、 ADPサンブルを作成した。 測定試薬 1 m 1に AD Pサン プル 2 0 1加え、 4 0°C、 5分間加温後の 34 0 nmの吸光度を、 試薬ブラン クを対照にして測定した。 測定結果は第 5図に示すように A D Pが定量的に測定 できた。 実施例 6
< 3 7 °Cでマグネシウムイオンを用いたときの尿素の定量 >
測定試薬
5 0 mM トリス—塩酸緩衝液 (P H 5) 3 0 U/m 1 ゥレアアミ ドリア一ゼ
2 mM ATP
1 0 mM KC 1
8 mM KHC〇3
2 0 mM グルコース
5 U/m 1 G 6 PDH
1 mM NADP
2 mM MgC 12
5 U/m 1 ADP— HK
測定方法
尿素を 2. 6 mM, 5. 2mM、 7. 8 mM, 1 0. 4 mM, 1 3mMの水 溶液に調整し、 尿素サンプルを作成した。 測定試薬 1 m 1に尿素サンプル 2 0 1加え、 3 7て、 5分間加温後の 3 4 0 nmの吸光度を、 試薬ブランクを対照に
して測定した。 測定結果は第 6図に示すように尿素が定量的に測定できた, 実施例 7
< 3 7 °Cでマグネシウムイオンを用いたときのクレアチニンの定量 ( 1 ) 〉 測定試薬
5 0 mM トリスー塩酸緩衝液 (pH 7. 5) 1 0 0 U/m 1 クレアチニンアミ ドヒ ドロラーゼ
5 U/m 1 クレアチンキナーゼ
2mM ATP
2 0 mM グルコース
5 U/m 1 G 6 PDH
1 mM NADP
5 U/m 1 ADP-HK
測定方法
クレアチニンを 2. 6mM、 5. 2mM、 7. 8mM, 1 0. 4 m . 1 3 m IV [の水溶液に調整し、 クレアチニンサンプルを作成した。 測定試薬 1 m 1にク レアチニンサンプル 2 0 1を加え、 3 7°C、 5分間加温後の 3 4 0 nmの吸光 度を、 試薬ブランクを対照にして測定した。 測定結果は第 7図に示すようにクレ ァチニンが定量的に測定できた。 実施例 8
< 37 °Cでマグネシウムイオンを用いたときのクレアチニンの定量 ( 2 ) > 測定試薬
5 OmM トリスー塩酸緩衝液 (pH 7. 5)
1 0 U/m 1 クレアチュンディ ミナーゼ
1 0 U/m 1 N—メチルヒダントイナーゼ
2mM ATP
2 0 m グルコース
5 U/m 1 G 6 PDH
1 mM NADP
5 U/m 1 ADP-HK
測定方法
クレアチニンを 2. 7 m , 5. 3 mM. 7. 9 mM, 1 0. 5 mM, 1 3 mMの水溶液に調整し、 クレアチニンサンプルを作成した。 測定試薬 i m lにク レアチニンサンプル 2 0〃 1を加え、 3 7°C、 5分間加温後の 3 4 0 nmの吸光 度を、 試薬ブランクを対照にして測定した。 測定結果は第 8図に示すようにクレ ァチニンが定量的に測定できた。 実施例 9
く 3 7 °Cでマグネシウムイオンを用いたときのクレアチンの測定〉 測定試薬
5 0 mM トリス一塩酸緩衝液 (pH 7. 5)
5 U/m 1 クレアチンキナーゼ
2mM ATP
2 0 mM グルコース
5 U/m 1 G 6 PDH
1 mM NADP
5 U/m 1 ADP-HK
測定方法
クレアチンを 2. 6 mM, 5. 2mM、 7. 8 mM, 1 0. 4 mM, 1 3m Mの水溶液に調整し、 クレアチンサンプルを作成した。 測定試薬 l m lにクレア チンサンプル 20〃 1を加え、 3 7° (:、 5分間加温後の 3 4 0 nmの吸光度を、 試薬ブランクを対照にして測定した。 则定結果は第 9図に示すようにクレアチン
が定量的に測定できた ( 実施例 1 0
く 3 7 °Cでマグネシウムイオンを用いたときのグリセ口一ルの測定 > 測定試薬
5 0 mM トリス一塩酸緩衝液 (pH 7. 5)
5 U/m 1 グリセロールキナーゼ
2 mM ATP
2 0 mM グルコース
5 U/m 1 G 6 PDH
1 mM Na DP
5 U/m 1 ADP-HK
測定方法
グリセロールを 2. 6 mM, 5. 2 mM, 7. 8 mM, 1 0. 4mM、 1 3 mMの水溶液に調整し、 グリセロールサンプルを作成した。 測定試薬 l m lにグ リセロールサンプル 20〃 1を加え、 3 7で、 5分間加温後の 3 4 0 nmの吸光 度を、 試薬ブランクを対照にして则定した。 測定結果は第 1 0図に示すようにグ リセロールを定量的に測定できた。 また、 トリグセリ ドにリパーゼを作用させ遊 離するグリセロールやホスファチジルグリセロールにホスホリパーゼ Dを作用さ せ遊離するグリセロールも測定することができた。 実施例 1 1
< 3 7ででマグネシゥムイオンを用いたときのコリ ンの測定 >
測定試薬
5 OmM トリス一塩酸緩衝液 (P H 7 5)
5 U/m 1 コリンキナーゼ
2mM ATP
2 0 mM グルコース
5 U/m 1 G 6 PDH
1 mM Na DP
5 U/m 1 AD P -HK
測定方法
塩化コリンを 2. 6 mM, 5. 2mM、 7. 8 mM, 1 0. 4mM、 1 3m Mの水溶液に調整し、 塩化コリンサンプルを作成した。 測定試薬 l m lに塩化コ リ ンサンプル 2 0〃 1を加え、 3 7て、 5分間加温後の 34 0 nmの吸光度を、 試薬ブランクを対照にして測定した。 測定結果は第 1 1図に示すようにコリ ンを 定量的に測定できた。 また、 リ ン脂質にホスホリパーゼ Dを作用させ、 遊離する コリ ンも測定することができた。 実施例 1 2
< 3 7てでマグネシゥムイオンを用いたときの L—グルタミ ン酸の測定 > 測定試薬
5 0 mM トリス—塩酸緩衝液 (PH 7. 5) 1 0 U/m 1 グル夕 ミ ンシンセ夕一ゼ
1 0 mM NH4 C 1
2mM ATP
20 mM グルコース
5 U/m 1 G 6 PDH
1 mM NADP
5 U/m 1 ADP-HK
測定法方
L一グルタ ミ ン酸を 2. 6 mM. 5. 2mM、 7. 8 mM, 1 0. 4 mM、 1 3 mMの水溶液に調製し、 L一グルタ ミ ン酸サンプルを作成した。 測定試薬 1
m 1に L一グルタ ミ ン酸サンプル 2 0 1を加え、 3 7°C、 5分間加温後の 3 4 O nmの吸光度を、 試薬ブランクを対照にして測定した。 測定結果は第 1 2図に 示すように L一グルタミ ン酸が定量的に測定できた。 また、 ァスパラギン酸トラ ンスフェラ一ゼ (GOT) ゃァラニントランスフヱラーゼ (GPT) の作用によ つて遊離する L一グル夕ミ ン酸も測定することができた。 実施例 1 3
< 3 7 °Cでコバルトイオンを用いたときの尿素の定量 >
測定試薬
5 0 mM トリス一塩酸緩衝液 (pH 5) 3 0 U/m 1 ゥレアアミ ドリアーゼ
2mM ATP
1 0 mM KC 1
8 mM KHCOs
2 0 mM グルコース
5 U/m 1 G 6 PDH
1 mM NADP
1 0 U/m 1 ADP-HK
測定方法
尿素を 2. 3 mM. 4. 6 mM. 6. 9 mM, 9. 2mM、 1 1. 5mMの 水溶液に調整し、 尿素サンプルを作成した。 測定試薬 1 m 1に尿素サンプル 20 1加え、 3 7 °C、 5分間加温後の 34 0 n mの吸光度を、 試薬ブランクを対照 にして则定した。 測定結果は第 1 3図に示すように尿素が定量的に測定できた。 実施例 1 4
< 3 7 °Cでマンガンイオンを用いたときのクレアチニンの定量〉
測定試薬
5 0 mM トリス一塩酸緩衝液 (P H 7. 5) 1 0 0 U/m 1 クレアチニンアミ ドヒ ドロラーゼ
5 U/m 1 クレアチンキナーゼ
2mM ATP
2 0 mM グルコース
5 U/m 1 G 6 PDH
1 mM NADP
2 mM Mn C】 2
1 0 U/m 1 A D P - H K
測定方法
クレアチニンを 2. 5mM、 5. 0 mM. 7. 5 mM, 1 0. 0 mM, 1 2 . 5mMの水溶液に調整し、 クレアチュンサンプルを作成した。 測定試薬 1 m 1 にクレアチニンサンプル 20 1を加え、 3 7°C、 5分間加温後の 3 4 0 nmの 吸光度を、 試薬ブランクを対照にして測定した。 測定結果は第 1 4図に示すよう にクレアチニンが定量的に測定できた。
実施例 1 5
< 2 0°Cでマグネシウムイオンを用いたときのクレアチンの则定〉 測定試薬
5 0 mM トリス—塩酸緩衝液 (pH 7. 5)
5 U/m 1 クレアチンキナーゼ
2m ATP
2 0 mM グルコース
5 U/m 1 G 6 PDH
1 mM NADP
2 0 U/m 1 ADP-HK
測定方法
クレアチンを 2. 8mM、 5. 6mM、 8. 4 mM, 1 1. 2mM、 1 4m Mの水溶液に調整し、 クレアチンサンプルを作成した。 測定試薬 l m lにクレア チンサンプル 2 0 1を加え、 20°C、 5分間加温後の 3 4 0 nmの吸光度を、 試薬ブランクを対照にして測定した。 測定結果は第 1 5図に示すようにクレアチ ンが定量的に測定できた。 実施例 1 6
< 4 0°Cでマグネシウムイオンを用いたときのグリセロールの測定 > 測定試薬
5 OmM トリス—塩酸緩衝液 (p H 7. 5 )
5 U/m 1 グリセロールキナーゼ
2 mM ATP
2 0 mM グルコース
5 U/m 1 G 6 PDH
1 mM NADP
5 U/m 1 ADP-HK
測定方法
グリセロールを 2 7 mM. 5. 4mM、 8. 1 mM. 1 0. 8 mM, 1 3 . 5mMの水溶液に調整し、 グリセロールサンプルを作成した。 则定試薬 1 m 1 にグリセロールサンプル 2 0 1を加え、 4 0°C、 5分間加温後の 34 0 nmの 吸光度を、 試薬ブランクを対照にして測定した。 測定結果は第 1 6図に示すよう にグリセロールを定量的に測定できた。 また、 トリグセリ ドにリバ一ゼを作用さ せ遊離するグリセロールやホスファチジルグリセロールにホスホリパーゼ Dを作 用させ遊離するグリセロールも測定することができた。
参考例 2
< 5 0°Cのときの ADOの定量性〉
測定試薬
5 0 mM トリス一塩酸緩衝液 (pH 7. 5) 2 0 mM グルコース
0. 5 U/m 1 G 6 PDH
1 mM NAD P
5 U/m 1 ADP-HK
測定方法
ADPを 0 5mM、 1 0 mM. 1 5mMの水溶液に調整し、 ADPサンプ ルを作成した。 则定試薬 1 m 1を 5 0°Cで 5分間予備加温した後、 A DPサンプ ル 2 0 1を加え、 5 0°C、 5分間加温後の 34 0 nmの吸光度を、 試薬ブラン クを対照にして測定した。 測定結果は第 1 7図に示すように 5 0°Cでは定量的な 測定はできなかった。 発明の効果
本発明の測定方法では、 還元型 NAD (P) 類の生成量に基づいて生体物質 を測定するので测定限界が高く、 また分子吸光係数が明確になっている還元型 N AD (P) 類を測定するので、 測定値の信頼性が高い。 更に、 本発明の測定方法 は、 検体中の還元物質などの影響を受けないという利点を有する。 従って、 本発 明によれば、 生体試料中に存在する ADPまたは生体試料中の ADPを生成する 酵素とその基質を簡便にして高精度で測定することができる。