明 細 書 長繊維強化プ ロ ピ レ ン結晶性樹脂組成物か ら な る長繊維強化柱状体 及びそ れか ら作成 さ れた プロ ペ ラ 型フ ァ ン 技 術 分 野
本発明は、 機械的お よ び物理的特性の中、 ク リ ー プ特性及び破壊 強度に優れる と 共に、 寸法安定性に優れる 成形品を提供 し得 る 強化 樹脂組成物に関す る。 ま た、 本発明は、 流体を攪拌又は輸送す る為 に用い られる と、 高い回転数域ま で破壊 し難 く、 回転に よ る ク リ 一 プ現象を示 し難い寄与に よ っ て寸法安定性 に富むプ ロ ペ ラ 型 フ ァ ン に関す る。 背 景 技 術
繊維状強化材 と し て成形品中に お いて長 さ 1 m m未満の短繊維を含 有す る 強化樹脂組成物及びそ れか ら成形 さ れた各種の繊維強化成形 品は既に周知であ る。 そ の種の強化成形品 は非強化成形品 と 比較す れば相当 に優れた物性特に、 耐熱変形性、 曲げ強度、 引張強度、 ク リ ー ブ特性、 耐衝撃性及び寸法安定性等を示す。 短繊維強化材を用 いた範囲において も そ の特性を向上 さ せ る 為に各種の改良が既に行 なわ て来た。 例えば下掲の (先行技術 1 )及び(先行技術 2 )を挙げ る こ と がで き る :
( 1 )特公昭 5 9 — 2 2 9 4 号公報 (先行技術 1 ) :
ガ ラ ス繊維強化ポ リ ォ レ フ ィ ン組成物 と し て全量 ま た は一部が、
1 0 重量%以内の極性 ビ ニ ル単量体で グ ラ フ ト 変性 さ れた結晶性ポ リ オ レ フ イ ン 4 0 な い し 8 5 重量部、 ガ ラ ス繊維 5 な い し 5 0'重量 部およ び線状無定形ゴ ム状弾性体 5 な い し 3 5 重量部 (計 1 0 0 重 量部) を均一に混合 し て な る も の。
こ の先行技術 1 は本発明の構成成分及びそ れ ら の重量比につ いて は類似 し て い る も の の、 本発明の 目的 と は全 く 異な る 「成形後の そ り に よ る変形抑制」 をそ の 目的 と し て掲げ、 射出成形に よ っ て作成 し た角板を試験片 と し て評価 し た に過 ぎず、 勿論の こ と 回転試験 も 行な い様が無 く、 従 っ て回転破壊強度に も 回転 ク リ ー ブ変形量に も 言及 し て いな い。
( 2 )特公平 5 - 3 5 7 3 8 号公報 (先行技術 2 ) :
耐摩耗性の改良 さ れた強化ポ リ プ ロ ピ レ ン組成物 と し て不飽和極 性 ビ ニ ル モ ノ マ ー で グ ラ フ ト 変性 し た結晶性ホ モ ポ リ プ ロ ピ レ ン又 はそれ と 未変性の結晶性ホ モ ポ リ プ ロ ピ レ ン と の混合物特定量に表 面処理 し た特定平均直径の強化繊維特定量並びに不飽和力 ル ポ ン 酸 で グ ラ フ ト 変性 し た エ チ レ ン 一 プ ロ ピ レ ン ゴ ム又は それ と 未変性の エ チ レ ン一 プ ロ ピ レ ン ゴ ム と の混合物特定量か ら な る も の。
こ の先行技術 2 は結局、 成形品の耐摩耗性を改良す る こ と を 目的 と してお り、 そ の結果 と して射出成形に よ つ て円板を試験片 と し て 作成 し、 そ の テ ー バ ー摩耗量を測定 し てい る に過 ぎな い。 即 ち、 本 発明の 目的であ る 羽根付 き 回転体の作成 も行なわれず、 ま し てそ の 回転に よ る破壊限界追究 も、 回転に よ る ク リ ー ブ変形量測定 も全 く 試み ら れて いな い。
( 3 )特開平 4 一 2 9 8 5 5 3 号公報 (先行技術 3 ) :
ガ ラ ス 繊維強化ポ リ オ レ フ ィ ン樹脂組成物であ っ て、 (a ) メ ル ト イ ン デ ッ ク ス が 5 g/ 1 0分以上の ポ リ プ ロ ピ レ ン系樹脂 4 5 〜 8 5 重量% - ( b )密度が 0 · 8 9 〜 0 . 9 3 g/ c m メ ノレ ト イ ン デ ッ ク ス 力 ϊ 5 g / 1 0分 以上で、 下記式で表 さ れ る M I 比が 0 . 5 〜 5 であ る低密度ポ リ ェ チ レ ン 5 〜 2 5 重量%、 ( c )繊維径が及び成形品中 に お け る 平均繊維長 1 〜 6 m raの ガ ラ ス繊維特定量か ら な る基材に変性ポ リ ォ レ フ ィ ン特 定量を添加 し た も のが開示 さ れて い る。
し か し、 上記の先行技術 3 は エ チ レ ン一 プ ロ ピ レ ン共重合エ ラ ス ト マ一 の配合を有害な も の と位置づけて い る 様に見え る。 即 ち、 そ の比較例 2 にお いて 「 E P R 」 を 「 1 0 重量%」 含有す る 組成を記 載 し て い る。 ま た、 当該処方に よ っ て プ ロ ペ ラ 型フ ァ ン の様な高速 回転機器を成形する こ と に も、 そ の成形品が高水準の回転破壊強度 及びそ の高い回転数にお いて も僅かな ク リ ー プ変形 し か生 じ な い こ と に も 全 く 言及 し て いな い。
以上説明 し た よ う に、 上記文献では、 成形品の回転に よ っ て発生 す る荷重およ び こ の荷重に起因す る成形品の ク リ ー プ変形等に関 し て ま っ た く 言及 さ れていなか っ た。 と こ ろ が、 こ の よ う な従来の短 繊維を用いた繊維強化ォ レ フ ィ ン樹脂組成物を用 い て回転部材、 例 え ばプ ロ ペ ラ 型 フ ァ ン を製造 し た と こ ろ、 フ ァ ン の回転、 特 に高回 転域に お いて ク リ ー ブ変形が生 じ、 甚だ し く は回転破壊が起 こ る結 果、 所定の機能を はた さ な く な る と い う 問題があ つ た。 発明の開示
本発明者は上記の課題を解決す る 手段と し て、 長繊維をそ の当初
の長 さ で樹脂マ ト リ ッ ク ス 中 に含有す る長繊維強化柱状体を作成す る為に新た に開発 さ れた手段を用 いて作成 さ れた長繊維強化柱状体 を射出成形等の適切な成形法に よ っ て、 回転方向加重に よ る ク リ ー プ又は破壊が発生 し な い回転部材を成形で き る成形材料 と な る長繊 維強化柱状体お よ び回転部材の中で も特に厳 し い要求が課 さ れる プ 口 ペ ラ 型 フ ァ ン を開発 し た。 即ち、 本発明 は下記の 「柱状体の基本 的構成」 、 「柱状体の改良構成 1 」 〜 「柱状体の 改良構成」 及 び 「成形品の基本的構成」 に規定 さ れた種々 の構成か ら な る。
[柱状体の基本的構成 ]
有機 シ ラ ン 系化合物又は不飽和 カ ル ボ ン酸 も し く はそ の酸無水物 に よ り 改質さ れた改質プ ロ ピ レ ン結晶性樹脂 ( A ) と、 平均繊維長 3 〜 3 O mmで平均直径 3 〜 2 1 / mの長繊維強化材 1 0 〜 6 0 重量% (組成物基準) と、 エ ラ ス ト マ一 ( C ) 3 ~ 2 0 重量% (組成物基 準) と を含み、 該長繊維強化材 ( B )が平均繊維長 と 実質的 に等 し い 長 さ であ り、 かつ長繊維強化柱状体 ( D )の長軸方向 に整列 し た長繊 維強化柱状体 ( D )。
[柱状体の改良構成 1 ]
長繊維強化材 ( B )が平均繊維長 5 〜 2 5 の も のであ る 「柱状体 の基本的構成」 に記載の長繊維強化柱状体 (D )。
[柱状体の改良構成 2 ]
長繊維強化材 ( B )が無機長繊維であ る 「柱状体の基本的構成」 及 び 「柱状体の改良構成 1 」 に記載の長繊維強化柱状体 (D )。
[柱状体の改良構成 3 ]
長繊維強化材 ( B )がガ ラ ス長繊維であ る 「柱状体の基本的構成」
並びに 「柱状体の改良構成 1 」 及び 「柱状体の改良 ¾ 2 」 に記載 の長繊維強化柱状体(D )。
[柱状体の改良構成 4 ]
長繊維強化材 ( B )が有機繊維であ る 「柱状体の基本的構成」 及び 「柱状体の改良構成 1 」 ~ 「柱状体の改良構成 3 」 に記載の長繊維 強化柱状体( D )。
[柱状体の改良構成 5 ]
改質剤であ る 有機 シ ラ ン 系化合物がァ ミ ノ シ ラ ン、 エ ポ キ シ シ ラ ン、 ビ ニ ル シ ラ ン及びメ タ ク リ ロ キ シ シ ラ ンか ら選ばれる 1 種以上 であ る 「柱状体の基本的構成」 及び 「柱状体の改良構成 1 」 〜 「柱 状体の改良構成 4 」 に記載の長繊維強化柱状体(D )。
[柱状体の改良構成 6 ]
改質剤であ る 不飽和カ ル ボ ン酸又はそ の酸無水物がマ レ イ ン酸又 は無水マ レ イ ン酸であ る 「柱状体の基本的構成」 及び 「柱状体の改 良構成 1 」 〜 「柱状体の改良構成 5 」 に記載の長繊維強化柱状体 (D )
[柱状体の改良構成 7 ]
改質プロ ピ レ ン結晶性樹脂( A )の基材であ る プ ロ ピ レ ン結晶性樹 脂がプ ロ ピ レ ン — エ チ レ ン結晶性共重合体であ る 「柱状体の基本的 構成」 及び 「柱状体の改良構成 1 」 〜 「柱状体の改良構成 6 」 に記 載の長繊維強化柱状体(D )。
[柱状体の改良構成 8 ]
エ ラ ス ト マ 一 ( C )がエ チ レ ン一 プ ロ ピ レ ン共重合エ ラ ス ト マ一及 びエ チ レ ン — プ ロ ピ レ ン 一非共役 ジ ェ ン共重合エ ラ ス ト マ一 か ら選 ばれる 1 種以上の ォ レ フ ィ ン系 ラ ス ト マ 一であ る 「柱状体の基本
的構成」 及び 「柱状体の改良構成 1 」 〜 「柱状体の改良構成 7 」 に 記載の長繊維強化柱状体 ( D )。
[柱状体の改良構成 9 ]
エ ラ ス ト マ 一 ( C ) に お け る非共役 ジ ェ ン が 5 -ェ チ リ デ ン - 2 -ノ ル ボ ル ネ ン、 1 , 4 -へ キ サ ジ ェ ン及び ジ シ ク 口 ペ ン 夕 ジ ェ ンか ら選ばれ る 1 種以上であ る 「柱状体の基本的構成」 及び 「柱状体の改良構成 1 」 - 「柱状体の改良構成 8 」 に記載の長繊維強化柱状体 (D )0
[成形品 の基本的構成]
長繊維強化柱状体 ( D ) を射出成形 し て製造 さ れ、 該長繊維強化 柱状体 ( D ) が、
有機 シ ラ ン 系化合物又 は不飽和カ ル ボ ン酸 も し く は そ の酸無水物 に よ り 改質 さ れた改質プ ロ ピ レ ン結晶性重合体お よ びプ ロ ピ レ ン 一 エ チ レ ン結晶性共重合体を含む改質プ ロ ピ レ ン結晶性樹脂 ( A ) と、 前記成分 ( A ) 中に分散 し、 平均繊維長 3 ~ 3 0 mm、 平均直径 3 〜 2 1 の ガ ラ ス 長繊維強化材( B ) l 0 〜 6 0 重量% (組成物基準) と、
前記成分 ( A ) 中に分散 し、 エ チ レ ン 一 プ ロ ピ レ ン共重合エ ラ ス ト マ 一及びエ チ レ ン 一 プ ロ ピ レ ン 一 非共役 ジ ォ レ フ イ ン共重合エ ラ ス ト マ 一か ら選ばれる 1 種以上の ォ レ フ ィ ン 系 エ ラ ス ト マ 一 を含有 す る エ ラ ス ト マ 一 ( C ) 3 〜 2 0 重量部 (組成物基準) と を含有 し、 前記長繊維強化材( B )が実質的 に長繊維強化柱状体 ( D )の長軸方 向に整列 し てお り、 かつ長繊維強化柱状体 (D )の長 さ と実質的に同 —の長 さ を有す る プ ロ ペ ラ 型フ ァ ン。
図面の簡単な説明
図 1 A は、 本発明に係 る プ ロ ペ ラ 型フ ァ ン の好ま し い一実施例を 示す模式的平面図であ る。
図 1 B は、 本発明の上記実施例 の模式的側面図であ る。 発明を実施す る た め の最良の形態
本発明に係 る 長繊維強化柱状体 ( D ) は、 特定の改質プ ロ ピ レ ン 結晶性樹脂 ( A ) 、 長繊維強化材 ( B ) 及びエ ラ ス ト マ一 ( C ) か ら成る。 こ こ で先ず各成分 ( A ) ~ ( C ) につ いて説明す る。
[改質プ ロ ピ レ ン結晶性樹脂 ( A ) ]
本発明の強化柱状体に含ま れる 改質プ ロ ピ レ ン結晶性樹脂 ( A )と は、 結晶性ポ リ プ ロ ピ レ ン基材を改質剤であ る有機 シ ラ ン系化合物 又は不飽和カ ル ボ ン酸 も し く はそ の酸無水物で グ ラ フ ト 改質 し た結 晶性ポ リ プ ロ ピ レ ン又は こ れ と非改質の結晶性ポ リ プ ロ ピ レ ン と の 組成物 (混合物) で あ る。 こ の よ う な 改質 プ ロ ピ レ ン結晶性樹脂 ( A ) は、 改質結晶性ポ リ プ ロ ピ レ ン Z非改質の結晶性ポ リ プ 口 ピ レ ン = 0 . 5 / 9 9 . 5 ~ 1 0 0 / 0 (重量 重量) 、 好ま し く は 5 / 9 5〜 8 0 / 2 0 (重量/重量) で構成 さ れる。
こ こ で、 結晶性ポ リ プ ロ ピ レ ン基材は プ ロ ピ レ ン結晶性単独重合 体及びプ ロ ピ レ ン と 他の α -ォ レ フ ィ ン 1 種以上 と の結晶性共重合体 の何れで も良 く、 ま た プ ロ ピ レ ン結晶性単独重合体及びプ ロ ピ レ ン と他の α -ォ レ フ ィ ン 1 種以上 と の結晶性共重合体か ら な る組成物で あ っ て も良い
本発明にお け る 改質プ ロ ピ レ ン結晶性重合体( A )を形成す る有機
シ ラ ン系化合物 と し て は、 具体的 に は ア ミ ノ シ ラ ン、 エ ポ キ シ シ ラ ン、 ビ ュ ル シ ラ ン及びメ タ ク リ ロ キ シ シ ラ ン か ら選ばれる 1 種以上 を挙げ る こ と がで き る。
本発明にお け る改質プ ロ ピ レ ン結晶性重合体( A )を形成す る不飽 和カ ル ボ ン酸と し ては、 具体的 に は、 ア ク リ ル酸、 メ タ ク リ ノレ酸、 マ レ イ ン 酸、 ィ タ コ ン 酸、 テ ト ラ ヒ ド ロ フ タ ル酸及びノ ル ボ ル ネ ン ジ カ ル ボ ン酸等の 1 種以上、 それ ら の酸無水物 と し て は無水マ レ イ ン 酸、 無水ィ タ コ ン酸、 無水テ ト ラ ヒ ド ロ フ タ ル酸及び無水 ノ ル ボ ル ネ ン ジ カ ル ボ ン酸等の 1 種以上を挙げる こ と がで き る。 こ れ ら の 中で も、 実用的性能にお いて最 も優れて い る も の は無水マ レ イ ン酸 であ り、 さ ら に は こ れ ら の酸の誘導体を用 いて も よ い。
上記の長繊維強化組成物にお け る 改質プ ロ ピ レ ン結晶性樹脂 ( A ) 中に グ ラ フ ト 成分 と し て含有 さ れ る 改質剤の量は、 基材樹脂の重量 に対 し て通常、 0 . 0 1 ~ 1 重量%、 好 ま し く は 0 . 0 5 〜 0 . 5 重量 % に選べば通常の 目的 に は十分であ る。 ま た、 上記成分 ( A )が改質 樹脂 と 非改質樹脂 と の組合せ (併用) 系であ る場合 に は、 改質樹脂 側に グ ラ フ ト 成分 と し て含有 さ れ る改質剤の量を組合せ系に お いて 上記の範囲内に収め る様 に設定す る こ と を要す る。
〔長繊維強化材( B )〕
本発明の長繊維強化柱状体( D )を構成す る長繊維強化材 ( B )は、 通常、 そ の平均繊維長が 3 〜 3 0 m m . 好ま し く は 5 ~ 2 5 m mであ り、 そ の単一繊維の平均直径が 3 〜 2 1 n m 好ま し く は 9 ~ 2 1 // mで あ っ て、 それ ら が 5 0 0 〜 4 0 0 0 本程度の集束体 と し て提供 さ れ て い る。 こ の集束体 は通常、 ロ ー ビ ン グ又 は エ ン ド と 称 さ れて い る。
更に、 こ れ ら の ロ ー ビ ン グ等を 2 本以上合糸 し た形態で用い る こ と も で き る。
本発明にあ っ て は、 長繊維強化材 ( B ) は、 柱状体 ( B ) の長軸 と略平行に整列す る と と も に、 そ の平均長 さ が柱状体の長 さ と略同 —であ る必要があ る。 こ の よ う な長繊維強化材 ( B ) は、 無端の形 態で提供 さ れる繊維材料 (繊維束) を用いた後述の方法に よ っ て柱 状態を形成す る こ と に よ つ て得 ら れ る。
上記の前提条件に適合す る無端繊維 と し て は例え ば、 ガ ラ ス繊維、 炭素繊維、 合成樹脂繊維及び金属繊維の様な人工繊維を挙げ る こ と がで き る。 そ の中で も ガ ラ ス繊維はそ の物性及び価格の両面か ら見 て、 最 も普及 し てい る繊維強化材であ る。 そ の短所は比較的 に重質 (比強度において は不利) で折損 し易 く、 ア ル カ リ に弱い と い う 様 な点で あ る。 こ れ ら を初めか ら問題にせず、 特に比強度にお いて最 高に位置す る も の は炭素繊維であ る。 価格よ り も比強度を重視す る 用途に は比肩す る も の が殆 ど見当た ら な い。 そ の長所は航空機用、 高速車両用又は高速回転機材用に は遺憾無 く 発揮 さ れる。
こ れ ら の繊維補強材の中で も通常の用途 に おいて最 も有用な ガ ラ ス繊維を選んで本発明を説明す る。 本発明の長繊維強化柱状体( D ) を構成す る 代表的な長繊維強化材 ( B )と し て選ばれた ガ ラ ス繊維の 材質は通常、 硬質ガ ラ ス (通称 「 E ガ ラ ス 」 で知 ら れる カ リ ガ ラ ス ) で あ る。
〔 エ ラ ス ト マ 一 ( C )〕
本発明の長繊維強化柱状体(D )を構成す る エ ラ ス ト マ一 ( C )は低 結晶性又は無定形の軟質物質であ る点で通常は 「 ゴ ム状物」 と称 さ
れる場合 も多い。 本発明の長繊維強化柱状体 ( D )に お け る エ ラ ス ト マ ー ( C )はそ の基材であ る結晶性プ ロ ピ レ ン重合体 に相溶す る か又 は該重合体中 に不連続相 と し て存在 し なが ら も形成 さ れた界面間に 剥離を生 じ な い程度に は親和性を備えて い る こ と を要す る。
そ の要請を充足す る に は所謂 ジ ェ ン系 ゴ ム よ り も ォ レ フ ィ ン系ェ ラ ス ト マ 一 ( ゴ ム ) が適す る。 留意すべ き は こ れ ら の エ ラ ス ト マ 一 は添加前に は半架橋 (部分架橋) 又は未架橋の状態に留ま っ て い る こ と であ る。 完全架橋 (完全加硫) の状態 に到 っ て い る ヱ ラ ス ト マ — は往々 に し て ォ レ フ ィ ン重合体 に対 し て十分な親和性を示 さ な い。 即ち、 層間剥離等を生 じ易い。
ォ レ フ ィ ン系 エ ラ ス ト マ一 と は通常、 エ チ レ ン と 他の 1 種以上の α -ォ レ フ ィ ン特に、 プ ロ ピ レ ン及び 1-ブテ ン の中の 1 種以上 と の共 重合に よ っ て形成さ れる 低結晶性又は非晶性弾性物質であ っ て、 更 に第三成分 と し て少量の非共役 ジ ヱ ン を共重合に加えた三元以上の 共重合体であ る。
例えば、 エ チ レ ン 一 プ ロ ピ レ ン共重合エ ラ ス ト マ一 ( Ε Ρ Μ;) 、 エ チ レ ン 一 プ ロ ピ レ ン一非共役 ジ ェ ン共重合エ ラ ス ト マ 一 ( E P D Μ ) , エ チ レ ン一 1-ブテ ン共重合エ ラ ス ト マ ·一 ( Ε Β Μ;) 、 ェ チ レ ン ー 1-ブ テ ン一非共役 ジ ェ ン共重合エ ラ ス ト マ一 ( E B D M ) の外 に エ チ レ ン 一 プ ロ ピ レ ン 一 1-ブテ ン 一非共役 ジ ェ ン共重合エ ラ ス ト マ 一 ( E P B D Μ ) も挙げる こ と がで き る。 こ れ ら において非共役 ジ ェ ン と し て用 い ら れる も の は通常、 5 -ェ チ リ デ ン ノ - 2 -ル ボ ノレ ネ ン ( Ε Ν Β ) 又は 1 , 4 -へ キ サ ジ ェ ン で あ る が、 ジ シ ク ロ ペ ン 夕 ジ ェ ン ( D C P D ) が用い られた も の も あ る。
〔長繊維強化祖成物 ( D )〕
本発明の長繊維強化柱状体 (D )を形成す る 為の長繊維強化組成物 は、 上記改質プ ロ ピ レ ン結晶性樹脂 ( A )中 に上記長繊維強化材 ( B ) 及び上記ヱ ラ ス ト マ一 ( C )が分散 さ れた組成物であ っ て、 そ の長繊 維強化材 ( B )が 1 0 〜 6 0 重量%、 好ま し く は 1 5 〜 6 0 重量%、 更に好 ま し く は 2 0 〜 5 0 重量% (組成物基準) 含有 さ れ、 そ の ェ ラ ス ト マ一 ( C )が 3 〜 2 0 重量%、 好ま し く は 5 ~ 1 5 重量% (組 成物基準) 含有 さ れて い る も の で あ る。
本発明の長繊維強化柱状体 ( D )を好適に成形す る た め に は、 製造 さ れ る 柱状体の長軸 と略平行に整列 し、 かつ該柱状体 と略同一の長 さ を有す る 強化繊維( C )を樹脂成分中 に均一に分散 さ せ得な ければ な ら な い。 そ の状態を実現 し得 る 有力な成形法 と し て は、 開繊状態 の長繊維集束体に、 均一に樹脂成分を含浸 さ せ る こ と がで き る下記 連続開繊含浸方法 (略称 「引抜 き 成形法」 ) を挙げ る こ と がで き る 先ず、 上記の改質プ ロ ピ レ ン結晶性樹脂 ( A ) と エ ラ ス ト マ 一 ( c ) と か ら な る溶融物を所定量だけ押出機か ら押出 し な が ら開繊含浸槽 (別名 「引抜 き 成形装置」 ) へ装入す る。 こ の開繊含浸槽へ は通常 は長繊維 ロ ー ビ ン グ の原反か ら長繊維 ロ ー ビ ン グ が別途導入 さ れる。 こ の開繊含浸槽で は、 溶融樹脂及び長繊維集束体の走行方向 と略垂 直な長軸を有す る 開繊 ピ ンが、 こ の走行方向に沿 っ て複数本配列 さ れ、 し か も該 ピ ン は、 そ の軸方向か ら見れば千鳥型配置 と な る よ う 互い に離間 し て設置 さ れてお り、 何れ も溶融樹脂に浸漬 さ れた状態 に保た れ る。
他方、 別途導入 さ れた長繊維 口 一 ビ ン グは第 1 の開繊 ピ ン の周面 に当接 し なが ら転向 して第 2 の開繊 ピ ン の周面に当接 し なが ら転向 す る と い う 走行を繰 り 返 し蛇行 し て走行 し、 次第に開織 さ れ、 各繊 維間に溶融樹脂が含浸 さ れて均一に開繊 さ れた無端の長繊維で強化 さ れた無端の樹脂ス ト ラ ン ド (強化樹脂 ス ト ラ ン ド ) が製出 さ れ る。 こ の無端の強化樹脂 ス ト ラ ン ド を冷却後に所定の長 さ に切断すれ ば、 柱状体の長軸方向 と 略平行に整列 さ れた長繊維強化材 ( B )が、 該柱状体の長 さ と略同一の長 さ と な つ た長繊維強化柱状体 (D )が得 ら れる。
く プ ロ ペ ラ 型フ ァ ン (F ) >
本発明に係 る プ ロ ペ ラ 型 フ ァ ン は、 上述 し た長繊維強化柱状体( D ) を材料 と し、 こ れを射出成形 し て製造 さ れた。
例え ば、 図 1 A, 1 B に示 さ れ る プ ロ ペ ラ 型フ ァ ン ( F )は、 長繊 維強化柱状体 (D )を ス ク リ ユ ー がそ の全長 ( L ) と そ の直径 ( D ) と の比 ( L Z D ) にお いて L Z D = 2 0 で あ り、 圧縮比が 1 . 8 の低 圧縮型射出成形機へ装入 し、 次いで得 ら れた溶融樹脂を、 適宜選択 さ れた温度、 例えば 2 5 0 °C付近 に おいて金型内へ射出 し て製造す る こ と がで き る。 な お、 一般的 に は L / D = 8 〜 2 5、 圧縮比 = 1 . 5 - 2 . 5 の条件で射出成形を行 う こ と が好ま し い。
図 1 A に示 さ れた 4 枚羽根プ ロ ペ ラ 型 フ ァ ン ( F ) は、 図 に お け る左回 り 用であ る。 そ の芯軸部 1 の円周上か ら そ れぞれの羽根 ( ブ レ一 ド) 1 1、 1 2、 1 3 及び 1 4 が放射方向へ伸びて い る。 そ れ ぞれの羽根は空豆型で、 芯軸部 1 か ら立上がる 位置に おいて最小横 幅に形成 さ れて い る (不図示) 。 羽根 1 1 ~ 1 4 の そ れぞれの横断
面形状 は略紡錘型であ っ て、 周縁部等に お いて薄い エ ツ ジ状であ つ て最小厚 さ部分 1 1 bが羽根の回転方向 に お け る 先端に位置す る と 共 に、 羽根 1 1 の半径がそ の周縁に対す る接線 と 直交す る 部位であ つ て該半径を挟む区域に最大厚 さ部分 1 I dが位置す る。
こ の よ う な形状の プ ロ ペ ラ 型フ ァ ン ( F ) は、 本発明 に係 る長繊 維強化材( B )を材料 と す る こ と に よ り、 回転に よ つ て発生す る加重 に よ る ク リ ー プあ る い は回転破壊が有効に 防止 さ れ る。
こ こ で さ ら に具体的に は、 本態様の プ ロ ペ ラ 型 フ ァ ン ( F ) の ク リ ー ブあ る い は回転破壊 は、 1 1 b及び 1 1 dを検定部位 と し て測定 で き る。 な お、 上記の説明は他の羽根 1 2、 1 3 及び 1 4 に も適台 す る こ と勿論であ る。
図 1 B は、 本発明の プ ロ ペ ラ 型 フ ァ ン ( F ) を側方即 ち 回転軸に 直交す る方向特に、 図 1 A に お け る矢印 V で示 さ れた方向か ら の側 面見取 り 図であ る。 プ ロ ペ ラ 型フ ァ ン ( F ) の回転 ク リ ー プを測定 す る に は、 図 1 B において長 さ h と長 さ b と の値を回転試験の前後 で測定す る。 こ こ で、 h は部位 4 3 d (羽根 1 1 の 1 1 d に相当) か ら芯軸 1 の下端面 ( 「上下左右」 等は図面 にお け る 位置関係を示す 為の便宜的表現であ る ) に当接す る水平面 ま での距離であ り、 b は 部位 1 3 b (羽根 1 1 の 1 1 b に相当) か ら該水平面ま で の距離で あ る。 次にそれぞれを回転試験の前後で比較す る。
回転 ク リ ー ブ変形は 1 3 bにおいて最 も顕著に観測 さ れ る箬で あ る か ら、 b の前後差を測定すれば済み、 h の前後差を測定す る 必要は 無 さ そ う に思われる。 本来的 に は h は不変の箬であ る 力 変化 し た 場合に は h の前後差で b を補正す る為に測定を行な う。
実施例
以下に、 本発明を実施例に基づいて有用 な場合に は比較例を参照 し な が ら具体的 に説明す る。 し か し、 本発明はそ れ ら に よ っ て限定 さ れる も のでは な い。
以下、 試験方法、 変形量及び強度は下記の方式で測定 し た。
(1)回転破壊強度 :
図 1 の 4 枚羽根の プ ロ ペ ラ 型 フ マ ン (直径 4 5 0 mm:羽根の厚 さ 最 小値 0 . 5 mm及び羽根の厚 さ 最大値 4 . 0 mra ) を回転 さ せて、 破壊が 生 じ た際の回転数を 「回転破壊強度」 と す る。
( 2 )回転ク リ ー プ変形量 :
図 1 A, B の プ ロ ペ ラ 型フ ァ ン を 6 5 °C の恒温槽中で回転数 1 0 0 O rpinに お いて 1 0 0 O h回転 さ せた後の羽根高 さ の変形量を 「回 転ク リ ー プ変形量」 と し た。
( 3 )非改質結晶性ポ リ プ ロ ピ レ ン :
プ ロ ピ レ ン — ェ チ レ ン共重合型の も の は ェ チ レ ン成分の総括含有 量 ( ト ー タ ル エ チ レ ン量) 9 . 0 重量%、 結晶融点 ( T m) 1 6 0 °C 及び M F R ( 230 °C ; 2.16kgf ) 2 . 6 gハ Omin、
( 4 ) エ チ レ ン一 プ ロ ピ レ ン無定形共重合体 ( ゴ ム状弾性体) : ェ チ レ ン成分含有量 7 4 重量%、 M I (190°C ; 2. 161<gf) 3 . 2 g/10 min及びム ー ニ ー粘度 [ M L 1 + 4 (100°C )] 2 4。
(5) M F R :
J I S K 6 7 5 8 に準拠。
( 6 )結晶融点 ( T m ) :
差動走査型熱量計 (略称 「 D S (: 」 ) を用 いて 2 0 °C Z in i nで昇温
し なが ら観測 さ れる 吸熱曲線にお け る ピー ク の位置す る温度 と す 。 ピー ク が 2 個以上観測 さ れる 場合 に は、 そ の中で最大面積を 占め る ピ ー ク の位置す る温度 と す る。
実施例 1〜 6
樹脂混合物 1 と し て、 非改質ポ リ プ ロ ピ レ ン粉体 9 9 . 2 重量%、 改質剤であ る不飽和酸類 と し て無水マ レ イ ン酸 0 . 5 重量%、 有機過 酸ィ匕物 と し て 1 , 3 - ビ ス ( t -プ チ ノレ パ ー ォ キ シ イ ソ プ ロ ピ ノレ ) ベ ン ゼ ン 0 . 1 重量%及び滑剤 と し て ス テ ア リ ン 酸 カ ル シ ウ ム 0 . 1 重量% か ら な る混合物を調製 し、 こ れを ヘ ン シ ェ ル ミ キ サ ー (商品名) 中 で攪拌混合 し た。 得 ら れた樹脂混合物を押出機へそ の供給口か ら装 入 し て溶融混練 ( 2 0 0 °C ) 後に押出 し て製出 さ れる ス ト ラ ン ドを 切断 し て造粒 し た。 得 ら れた改質ポ リ プ ロ ピ レ ン は M F R ( 230 °C ; 2. 16kgf ) 1 3 O g/10min及びグ ラ フ ト さ れた改質剤の含有量 0 . 3 重量 %であ つ た。
樹脂混合物 2 と して、 上記の樹脂混合物 1 と ヱ チ レ ン一 プ ロ ピ レ ン 共重合エ ラ ス ト マ 一 (略称 「 E P M」 ) と を へ ン シ ヱ ル ミ 牛 サ ー (商品名) 中で攪拌混合 し て樹脂 · エ ラ ス ト マ一混合物を得た。 得 ら れた混合物を ベ ン ト 吸引機構付 き押出機へ供給口 か ら装入 し て吸 引 し な が ら溶融混練 し た。 こ の溶融物を同押出機の バ レ ル下流端に 装着 さ れた開繊含浸ダ イ ス (前述の 「引抜 き成形装置」 ) 内へ連続 的に供給 し た。
他方、 原反 と し て供給 さ れた ガ ラ ス繊維 口 一 ビ ン グを該開繊含浸 ダィ ス 内へ供給 し なが ら、 該 ロ ー ビ ン グを該ダイ ス 内の複数本の開 繊 ピ ン の周面に摺動 さ せ る と 共に転向 さ せて千鳥型に走行 さ せ る こ
と に よ っ て開繊 し、 そ れ に伴 っ て各繊維間 に溶融樹脂混合物 2 を十 分に含浸 さ せた。 こ の開繊含浸複合体を ス ト ラ ン ド形態で押出 し、 冷却槽内で水冷 して常温 ま で温度低下 さ せた時点で ス ト ラ ン ド カ ッ タ ー に よ っ て切断 (平均長 さ 1 O mra) し て強化柱状体 (強化ペ レ ツ ト ) を製作 し た。 こ こ で用い ら れた ガ ラ ス 繊維 ロ ー ビ ン グは そ の単 繊維径 1 7 / πι、 集束本数 4 0 0 0 本、 Τ Ε Χ 番手 2 3 1 0 の ポ リ プ ロ ピ レ ン用であ っ た。 そ の組成及び性状を表 1 に示す。
上記の強化柱状体を射出成形機 [ ス ク リ ユ ー : L / D = 2 0 及び圧 縮比 1 . 8 ] の原料供給口か ら装入 し て溶融 ( 2 5 0 °C ) 後に樹脂を 金型内へ射出 し て図 1 に示 さ れた形状の 4 枚羽根 ス ク リ ュ ー (直径 4 5 0 mm:羽根の厚 さ最小値 0 . 5 ram及び羽根の厚 さ 最大値 4 . 0 mm ) を成形 し た。 得 ら れた プ ロ ペ ラ型 フ ァ ン の性状を表 1 に併せて示す。 比較例 1 及び 2
樹脂混合物 1 と し て、 非改質ポ リ プ ロ ピ レ ン粉体 9 9 . 2 重量%、 改質剤であ る不飽和酸類 と し て無水マ レ イ ン 酸 0 . 5 重量%、 有機過 酸ィ匕物 と し て 1 , 3 - ビ ス ( t -ブチ ノレ パ 一 ォ キ シ イ ソ プ ロ ピ ル ) ベ ン ゼ ン 0 . 1 重量%及び滑剤 と し て ス テ ア リ ン 酸 カ ル シ ウ ム 0 . 1 重量% か ら な る混合物を調製 し、 こ れを ヘ ン シ ヱ ル ミ キサ ー (商品名) 中 で攪拌混合 し た。 得 ら れた樹脂混合物を押出機へそ の供給口か ら装 入 し て溶融混練 ( 2 0 0 ) 後に押出 し て製出 さ れ る ス ト ラ ン ド を 切断 し て造粒 し た。 得 ら れた改質ポ リ プロ ピ レ ン は M F R ( 230て : 2. 16kgf ) 1 3 0 g/10min及び グ ラ フ ト さ れた改質剤の含有量 0 . 3 重量 % で あ つ た。
実施例にお け る樹脂 ' ヱ ラ ス ト マ一混合物に代え て該改質ポ リ プ
ロ ピ レ ン単味を用 い た外 に は実施例 と 同様 に操作 し て強化柱状体 (強化ペ レ ツ ト ) を製作 し た。 そ の組成、 性状及びそ れか ら製作 さ れた プ ロ ペ ラ 型 フ ァ ン の性状を表 1 に示す。
比較例 3
樹脂混合物 1 と し て、 非改質ポ リ プ ロ ピ レ ン粉体 9 9 . 2 重量%、 改質剤であ る不飽和酸類 と し て無水マ レ イ ン酸 0 . 5 重量%、 有機 過酸化物 と し て 1 , 3 -ビ ス ( t -プチ ノレ パ 一 ォ キ シ イ ソ プ ロ ピ ル) ベ ン ゼ ン 0 . 1 重量%及び滑剤 と し て ス テ ァ リ ン酸 カ ル シ ウ ム 0 . 1 重量 %か ら な る混合物を調製 し、 こ れをヘ ン シ ュ ル ミ キ サ ー (商品名) 中で攪拌混合 し た。 得 ら れた樹脂混合物を押出機の供給口か ら装入 し て溶融混練 ( 2 0 0 °C ) 後に押出 し て製出 さ れる ス ト ラ ン ドを切 断 し て造粒 し た。 得 ら れた改質ポ リ プ ロ ピ レ ン は M F R ( 230。C : 2. 1 6kgf ) 1 3 0 g/10min及び グ ラ フ ト さ れた改質剤の含有量 0 . 3 重量% であ つ た。
上記の樹脂混合物 2 と して、 上記の樹脂混合物 1 と チ レ ン ー プ ロ ピ レ ン共重合エ ラ ス ト マ 一 と を ヘ ン シ ヱ ル ミ キサ ー (商品名) 中 で攪拌混合 し て樹脂 ' エ ラ ス ト マ一混合物を得た。 得 ら れた混合物 をベ ン ト 吸引機構付 き押出機の第 1 供給供給口か ら所定量装入す る と共に、 第 2 供給口か ら ガ ラ ス短繊維 (平均繊維怪 1 3 / m及び平均 繊維長 3 . 0 mmの チ ヨ ッ プ ト ス ト ラ ン ド ) を所定量装入 し て吸引 し な が ら溶融混練す る こ と に よ っ て強化複合体を ス ト ラ ン ド形態で押出 し た:
製 ': さ れたス ト ラ ン ド を切断 (平均長 3 mm ) し て造粒 し た。 得 ら れた改質ポ リ プ ロ ピ レ ン は実施例の も の と そ の M F R ( 230 °C ; 2. 16 k
g f ) 1 3 0 g/ l O m i n及びグ ラ フ 卜 さ れた改質剤の含有量 0 . 3 重量% に おいて同一であ つ た。
そ の組成、 性状及びそ れか ら製作 さ れた プ ロ ペ ラ 型 フ ァ ン の性状 を表 1 に示す。
比較例 4 〜 7
実施例 1 ~ 6 に お け る 条件の中の 1 以上を請求項の範囲外に設定 し た実験例であ っ て、 そ れ ら の結果を表 1 に併せて示す。
< 比較例の所見〉
• 比較例 1 及び 2
E P M不含の結晶性プ ロ ピ レ ン ー ェ チ レ ン共重合体及び E P M不 含の結晶性プ ロ ピ レ ン単独重合体を基材 と し た例であ っ て、 こ れを 長繊維強化材で強化 し た長繊維強化ポ リ プ ロ ピ レ ン製の プ ロ ペ ラ 型 フ ァ ン は回転破壊強度及び回転ク リ ー ブ特性 (変形量) に お い て依 然 と し て低い。 そ の原因 は靭性に欠け る 点 に求め ら れる。
• 比較例 3
繊維強化材を短繊維強化材へ変更 し た例であ っ て、 樹脂組成及び 繊維強化材の配合量等に おいて は実施例の範囲内であ る に拘 らず、 こ の処方の複合体か ら成形さ れた プ ロ ペ ラ 型 フ ァ ン は回転破壊強度 及び回転ク リ ー プ特性 (変形量) に お い て依然 と し て低い。 そ の原 因は剛性及び靭性の両者に欠け る 点に求め ら れる。
• 比較例 4
E P M含有量 2 重量% において は、 こ の処方の複合体か ら成形 さ れた プ ロ ペ ラ 型 フ ァ ン は回転破壊強度に低下を生ず る。 そ の原因は 靭性低下に求め ら れる。
• 比較例 5
E P M含有量 2 5 重量% において は、 こ の処方の複合体か ら成形 さ れた プ ロ ペ ラ 型 フ ァ ン は回転ク リ ー プ特性 (変形量) に お いて低 下を生ずる。 そ の原因は剛性低下に求め ら れる。
• 比較例 6
長繊維強化材の配合量を 7 0 重量% と し た場合に は、 こ の処方の 複合体か ら成形 さ れた プ ロ ペ ラ 型 フ ァ ン は 回転破壊強度に低下を生 ず る。 そ の原因 は成形中 にお け る ガ ラ ス繊維相互間の妨害作用 に よ る 折損増大に求め ら れる。
• 比較例 7
長繊維強化材の配合量を 5 重量% と し た場合に は、 こ の処方の複 合体か ら成形 さ れた プ ロ ペ ラ 型フ ァ ン は回転 ク リ ー ブ特性に低下を 生ずる。 そ の原因は剛性不足に求め ら れる。
表
\ 実 験 配 方 回 転 性 能 特 性
\内 容 プ ロ ビ レ ン 結 晶 性 樹 脂 E P M ガ ラ ス 繊 維 破 壊 強 度 : ク リ - - ブ 実 験 \ 重 合 形 式 i 配 合 量 1 合 鼍 配 合 量 平 均 長 変 形 量 番 号 \ ( wt¾ ) ( wt¾ ) ( w t¾ ) : (mm) ( r pm ) ( mm) 八
実 施 1 共 重 合 7 0 1 0 2 0 ό . fa 3 3 u U o .
o 単 独 重 合 7 1 0 p π · 7 2 9 リ 0 比 1 共 重 合 8 0 2 0 4 . 1 2 2 0 0 6 . 0
Q
牧 単 独 重 合 o o π 2 0 p 2 4 n
例 3 共 重 合 7 0 1 0 2 0 0 . 4 1 2 0 0 1 8 . 0
^ 施 3 共 重合 7 5 5 2 0 3 . 9 2 7 0 0 2 . 0 例 4 共 重 合 6 0 2 0 2 0 3 . 2 3 6 0 0 5 . 0 比 較 4 共 重 合 7 8 2 2 0 4 . 0 2 2 0 0 2 . 0 例 5 共 重 合 ' 6 5 2 5 2 0 2 . 8 3 2 0 0 1 2 . 0 実施 5 共 重 合 : 3 0 1 0 6 0 2 . 4 3 9 0 0 0 . 5 例 6 共 重 合 8 0 1 0 1 0 4 . 2 2 7 0 0 5 . 0 比 較 6 共 重 合 : 2 0 1 0 7 0 1 . 8 2 7 0 0 : 0 . 5 例 7 共 重 合 : 8 5 1 0 5 ; 4 . 6 2 4 0 0 • 1 4 . 0
発明の効果
本発明に係 る 長繊維強化柱状体 ( D )は、 有機 シ ラ ン 系化合物又は 不飽和カ ル ボ ン酸 も し く はそ の酸無水物に よ つ て改質 さ れた改質プ ロ ピ レ ン結晶性樹脂 ( A ) と、 平均繊維長 3 〜 3 0 ιηηιで平均直径 3 〜 2 1 /z mの長繊維強化材 1 0 〜 6 0 重量% (組成物基準) と、 ェ ス ト マ 一 ( C ) 3 〜 2 0 重量% (組成物基準) と を含み、 該長繊維 強化材 ( B )が平均繊維長 と 実質的 に等 し い長 さ であ り、 かつ長繊維 強化柱状体 (D )の長軸方向に整列 し て い る こ と か ら、 こ れを射出成 形す る こ と に よ っ て、 高回転数に お いて も破壊せず、 回転 ク リ ー プ 変形量 も 少な い プ ロ ペ ラ 型 フ ァ ン を提供で き る。