JPH1036631A - 炭素繊維含有顆粒状フェノール系樹脂成形材料および成形品 - Google Patents

炭素繊維含有顆粒状フェノール系樹脂成形材料および成形品

Info

Publication number
JPH1036631A
JPH1036631A JP9675697A JP9675697A JPH1036631A JP H1036631 A JPH1036631 A JP H1036631A JP 9675697 A JP9675697 A JP 9675697A JP 9675697 A JP9675697 A JP 9675697A JP H1036631 A JPH1036631 A JP H1036631A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phenolic resin
carbon fiber
molding material
weight
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9675697A
Other languages
English (en)
Inventor
Masakazu Tsukamoto
雅一 塚本
Shuhei Yamao
修平 山尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FUDOO KK
Fudow Co Ltd
Original Assignee
FUDOO KK
Fudow Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by FUDOO KK, Fudow Co Ltd filed Critical FUDOO KK
Priority to JP9675697A priority Critical patent/JPH1036631A/ja
Publication of JPH1036631A publication Critical patent/JPH1036631A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、射出成形やトランスファー成形によ
り高剛性、特に高い曲げ弾性率を有し、かつ寸法精度の
優れた炭素繊維強化フェノール系樹脂成形品を得ること
ができる射出成形やトランスファー成形用炭素繊維含有
顆粒状フェノール系樹脂成形材料を提供することにあ
る。 【解決手段】炭素繊維50〜80重量%、所定量の離型
剤、硬化剤、着色剤等の添加剤、およびフェノール系樹
脂20〜40重量%を混合した混合物を混練機で低温に
おいて予備混練したのち、等速2本ロールにより比較的
高温で短時間混練し、混練物を粉砕してなる成形材料中
の炭素繊維の繊維長が0.5〜1.0mmである顆粒状
フェノール系樹脂成形材料とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い剛性を有しか
つ寸法精度に優れ、しかも低比重である炭素繊維強化フ
ェノール系樹脂成形品を得ることができる炭素繊維含有
顆粒状フェノール系樹脂成形材料に関する。さらに詳細
には、本発明は、炭素繊維を50〜80重量部含有し、
成形材料中における炭素繊維の平均繊維長が0.5〜
1.0mmであり、剛性、特に曲げ弾性率が高く、かつ
成形収縮率が極めて小さく、材料の流れ方向とこれに対
する垂直方向との成形収縮率差が殆どなく、しかも低比
重である炭素繊維強化フェノール系樹脂成形品を得るこ
とができる炭素繊維含有顆粒状フェノール系樹脂成形材
料に関する。
【0002】本発明の成形材料は、すぐれた流動性を有
し成形加工性が良好であり、射出成形、トランスファー
成形等に好適であり、得られる成形品は摺動特性にすぐ
れ、高剛性を有し寸法精度に優れ、しかも低比重であ
り、たとえば、CD−ROM、DVDの光ピックアップ
レンズホルダー、光通信用コネクター、あるいは各種の
インペラー類など精密光学デバイス部品、あるいは構造
部品等に好適に使用することができる。
【0003】
【従来の技術】近年、成形品や成形部品などの材料の軽
量化、コストダウン等の観点から金属材料からプラスチ
ック材料への代替えが図られており種々のプラスチック
スが従来金属が使用されていた成形品や成形部品などの
分野で検討され、利用されてきている。最近、フェノー
ル樹脂の持つ優れた特性を生かして金属代替え材料とし
て使用しようとフェノール樹脂が見直されてきている。
ところでフェノール樹脂成形材料には、一般にセルロー
ス系繊維、プラスチックス系繊維、アスベスト、ガラス
繊維、炭素繊維、ウイスカーなどの有機系繊維あるいは
無機系繊維等、またはタルク、クレー、マイカ、木粉、
パルプ等が補強材もしくは充填材として使用される。
【0004】フェノール樹脂成形品を金属材料の代替え
として使用する場合には、その材料が機械的強度、耐熱
性、さらには摺動特性などの性能に優れていることが要
求される。このような要求を満足させるために補強材と
してガラス繊維や炭素繊維が使用される。補強材として
ガラス繊維を使用した場合には、相当多量に配合しても
期待されるほどの高い剛性は得られず、また多量に使用
した場合には成形性が悪くなり、しかも軽量化は達成さ
れない。一方炭素繊維は解繊または切断され易くガラス
繊維と同じように使用した場合はガラス繊維に比べ一般
に補強効果が低い。
【0005】そこで、炭素繊維を補強材として使用する
場合は、種々の方法が知られており、いわゆる構造材料
として炭素繊維を使用した炭素繊維強化フェノール樹脂
は、カーボンペーパーや炭素繊維織布や炭素繊維マッ
ト、不織布などの基材にフェノール樹脂を含浸し、予備
乾燥後硬化してプリプレグとして使用されるのが一般的
な方法である。しかしながらこのようなプリプレグを形
成して使用する方法は、射出成形やトランスファー成形
等の成形方法には適用できない。
【0006】一方、フェノール樹脂に充填材(フィラ
ー)として炭素繊維を混合したフェノール樹脂成形材料
が特開昭58−29850に開示されている。この特許
では該成形材料をロープ状に押出してプリプレグとし、
所定の形状として圧縮成形してブレーキ、クラッチなど
の摩擦材とすることが示されているが、射出成形あるい
はトランスファー成形し曲げ弾性率が3,000kgf
/mm2 以上を有する高剛性で収縮率が極めて小さく寸
法精度が良好である成形品は何ら開示されていない。
【0007】炭素繊維の織布や炭素繊維マット、不織布
などの基材を使用しないで、いわゆるチョップドストラ
ンドを使用する場合に、炭素繊維に種々の表面処理を施
して使用する方法が提案さている。たとえば、特開平1
−172428では空気酸化処理およびチタネート系カ
ップリング剤処理されたPAN系炭素繊維を使用するこ
とが開示されている。また特殊な炭素繊維を使用する方
法も提案されている。たとえば、特開平2−64132
では、炭素繊維としてオニオン構造を有しかつ結晶層厚
が25〜200Åである炭素繊維を使用し、マトリック
ス樹脂としてフェノール樹脂とアクリロニトリル・ブタ
ジエン重合体を使用することが開示されている。特開平
2−255864では気相成長法の炭素繊維であって、
繊維径が0.05〜5μmのものを使用すること、特開
平2−298554では、面間隔d(Å)が3.47〜
3.43、アスペクト比が50〜500、直径5μm以
下の気相法炭素繊維および/または該炭素繊維を加熱処
理して得られる面間隔d(Å)が3.43〜3.35の
グラファイトウイスカーを使用することが開示されてい
る。特開平6−136142では炭素繊維を440℃の
空気中で加熱してカルボキシ基を導入し、ジエチレント
リアミンのトルエン溶液中に浸漬後加熱したものをフェ
ノール樹脂と混練する方法が開示されている。
【0008】また、特開平3−59060では、短繊維
および/または長繊維より構成される紐状体をフェノー
ル樹脂液に含浸し加熱乾燥後これを切断して使用する方
法が開示されている。しかしながら、このような手段に
よるものでも射出成形、トランスファー成形等に適用す
るには不十分であるし、たとえば曲げ弾性率が3、00
0kgf/mm2 以上あるような高剛性を有し、しかも
成形収縮率の小さく寸法精度に優れた成形品を得ること
ができない。さらに、炭素繊維のみでは補強効果が十分
でなくガラス繊維と併用する方法が数多くの提案がなさ
れている。しかしこれらの場合は成形性、軽量化などの
種々な点で問題があり、寸法精度の面でも十分でない。
【0009】以上のように、従来の炭素繊維を補強材と
して使用した成形材料においては、高剛性、高弾性率な
どの機械的強度の点においては一応達成することができ
るが射出成形あるいはトランファー成形には不適であ
り、圧縮成形で得られた成形品では繊維の配向性が強
く、高度な寸法精度を要求される精密成形品としては供
しえない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、補強材とし
て、炭素繊維自体を特別な表面処理などを行うことなく
市販のチョップドストランド炭素繊維を使用して、成形
加工性、流動性にすぐれ、低比重で高剛性を有し寸法精
度、摺動特性にすぐれた成形品を賦与するフェノール系
樹脂成形材料および該材料を成形加工、特に射出成形、
トランスファー成形により得られる成形品を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、フェ
ノール系樹脂20〜40重量部、補強材として炭素繊維
50〜80重量部を主成分として含有するフェノール系
樹脂成形材料からなり、成形材料中における炭素繊維の
平均繊維長が0.5〜1.0mmである炭素繊維含有顆
粒状フェノール系樹脂成形材料に係り、該成形材料を所
定の条件で成形加工することにより、低比重で、高弾
性、高剛性を有し寸法精度、摺動特性にすぐれた成形品
を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の成形材料は、フェノール
系樹脂20〜40重量部、補強材として炭素繊維50〜
80重量部を主成分として含有し,さらに必要に応じて
種々の添加剤を配合、混合、混練したのち、粉砕してな
るフェノール系樹脂成形材料であって、該成形材料中に
おける炭素繊維は平均繊維長が0.5〜1.0mmで存
在するものである。
【0013】このような本発明の成形材料は、所定量の
炭素繊維と所定量の充填剤、離型剤、硬化剤、着色剤等
の添加剤とを混合したのち、ついで所定量のフェノール
系樹脂を添加し、混合するか、または所定量のフェノー
ル系樹脂と所定量の充填剤、離型剤、硬化剤、着色剤等
の添加剤とを混合したのち所定量の炭素繊維を添加、混
合するか、または所定量の炭素繊維と所定量の充填剤、
離型剤、硬化剤、着色剤等の添加剤および所定量のフェ
ノール系樹脂とを混合し、該混合物を混練機において4
0〜60℃で予備混練したのち、等速回転の2本ロール
により70〜100℃で混練し、混練物を粉砕し必要に
応じて整粒することにより得られる。
【0014】上記において、特に射出成形あるいはトラ
ンスファー成形に好適な成形材料は、所定量の炭素繊維
と所定量の充填剤、離型剤、硬化剤、着色剤等の添加剤
とを混合したのち所定量のフェノール系樹脂を添加、混
合し、該混合物を加熱等速2本ロールで混練したのち、
混練物を粉砕する方法が好適である。
【0015】本発明の上記成形材料は、トランスファー
成形あるいは射出成形成により、低比重で、曲げ弾性率
3,000kgf/mm2 以上、比曲げ弾性率2,000kgf/
mm2以上であり、成形収縮率が 0.15 %以下で、材料の
流れ方向と流れ方向に対し垂直方向との成形収縮率差が
0〜0.05%で、等方性で寸法精度が高く、高剛性で
ある炭素繊維強化フェノール系樹脂成形品を得ることが
できる。たとえば、本発明の成形材料からトランスファ
ー成形により成形した円筒形の成形品、たとえば円筒形
軸受けは真円度0.1%以下の寸法精度の高い成形品を
得ることができる。
【0016】本発明において上記した高剛性で高弾性を
有し、寸法精度のすぐれた成形品を得るには、本発明の
成形材料中における炭素繊維はその平均繊維長が0.5
〜1.0mmの範囲内にあることが重要である。繊維長
が上記の範囲を越え長い場合には、仮に高剛性、高弾性
を示した場合でも寸法精度が悪くなり、繊維長が上記範
囲より短い場合は高剛性、高弾性の成形品が得られな
い。
【0017】本発明に使用される炭素繊維は引張り弾性
率2×104 以上であり、繊維径6〜12μm、繊維長
1.0〜6.0mm、アスペクト比80〜1000、密度
1.7〜2.2 g/cm3 のチョップドストランド炭素繊維が使
用される。
【0018】本発明に使用される炭素繊維は、ピッチ系
炭素繊維、ポリアクリロニトリル系炭素繊維、芳香族系
炭素繊維などいずれでもよく、特別な表面処理など施す
必要はなく、通常の処理がなされた市販のもので繊維
径、繊維長、アスペクト比、密度、引張り弾性率が上記
の範囲に入るものであればそのまま使用される。本発明
に使用さる市販の炭素繊維としては、たとえば、ベスフ
ァイトHTA−C6−S、ベスファイトHTA−C3−
S(東邦レーヨン(株)製)、グラノックスXN50
(日本グラファイトファイバー(株)製)等が挙げられ
る。
【0019】本発明において炭素繊維の配合量は、通常
全配合物中50〜80重量部の範囲であり、好ましくは
55〜75重量部である。炭素繊維の配合量が上記範囲
よりも少ない場合は剛性、弾性率などの機械的強度が得
られない。一方範囲を越え多量の場合は、成形加工性、
流動性などが悪くなり、また表面状態も悪くなり好まし
くない。
【0020】本発明におけるフェノール系樹脂は、フェ
ノール性水酸基を有する芳香族化合物であり、具体的に
はフェノール、クレゾール、キシレノール、アルキルフ
ェノール、レゾルシノールなどのフェノール性化合物
と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラホルム
アルデヒド、フルフラール、環状ホルマールなどのアル
デヒド類とを酸性触媒あるいはアルカリ性触媒の存在下
に縮合反応して得られる合成樹脂、もしくはこれらの樹
脂の変性樹脂、さらには他の熱硬化性樹脂、たとえばエ
ポキシ樹脂、アミノ樹脂などとの共縮合反応させた樹
脂、また一部熱可塑性樹脂あるいは他の樹脂とのポリマ
ーアロイなどをあげることができる。しかし通常はいわ
ゆるフェノール系樹脂が一般に使用される。
【0021】本発明において、フェノール系樹脂は、レ
ゾール型、ノボラック型の固形状、液状いずれのものも
使用できるが、炭素繊維と配合する際には通常液状で使
用するのが好適である。固体の状態で炭素繊維と混練し
た場合は炭素繊維の折損が大きく、また樹脂と炭素繊維
との密着性も悪く好ましくない。
【0022】本発明の成形材料においてフェノール系樹
脂は全配合物中20〜40重量部の範囲で使用される。
フェノール系樹脂の割合が上記の範囲より少ない場合は
混練操作が満足に行うことができず、また樹脂の分散が
不十分であり、また流れの良好な成形材料を得ることが
できない。樹脂の割合が多い場合は十分な機械的強度、
寸法精度を得ることが困難となる。したがって、フェノ
ール系樹脂の使用割合は上記の範囲で使用されるが、さ
らにはフェノール系樹脂は全配合物中25〜35重量部
の範囲で使用されるのが好ましい。
【0023】本発明の成形材料は、上記のごとく所定量
の炭素繊維と、所定量の添加剤、ならびに所定量のフェ
ノール系樹脂を混合したのち、該混合物を先ず比較的低
温でニーダーや、たとえば、ヘンシェルミキサー、スパ
ーミキサーなどの高速回転攪拌混合機で予備混練し、つ
いで比較的高温で等速2本ロールで混練し、該混練物を
粉砕し、必要に応じて整粒することにより成形材料とさ
れる。
【0024】上記の予備混練は40〜60℃の温度範囲
において、一般的には10〜30分であり、好ましくは
15〜25分行われる。また70〜100℃の高温での
混練は一般的には2〜5分であり、3〜4分が好適であ
る。上記の等速ロールによる混練を長時間行うと炭素繊
維の切断、破損が起こり適切な繊維長を有する材料を得
ることができず好ましくない。またロールによる混練を
回転数が異なる2本ロールを使用した場合、またはロー
ルに代えて押出混練機による混練は、炭素繊維の切断や
破壊が起こり繊維長がバラツキ易く所期の繊維長を有す
る材料が得られ難く、成形性が悪く成形安定性に欠け、
そのうえ十分に高い機械的強度、特に曲げ弾性率が得ら
れず寸法精度も悪い成形品となり好ましくない。
【0025】本発明の成形材料には、さらに所望に応じ
てクレー、タルク、マイカなどの無機系充填剤を少量
(全配合物中約5重量%程度)配合することができ、そ
の他本発明に係る成形材料の特性を損なわない範囲でフ
ェノール系樹脂成形材料に配合される種々の添加剤を使
用することは差し支えない。
【0026】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し本発明を具体的
に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものでな
い。
【0027】実施例1 数平均分子量1200のノボラック型フェノール樹脂を
メタノール30%に希釈した液状樹脂(樹脂濃度70重
量%)を使用し、炭素繊維として、東邦レーヨン(株)
製ベスファイトHT−C6−S(商品名)チョップドス
トランド(繊維長6mm、引張り弾性率24×103 kg
f/mm2 、繊維径7μm,密度1.77g/cm3)を使用
した。
【0028】まず、炭素繊維60重量部と焼成タルク5
重量部、顔料および離型剤を合計量5重量部とを混合
し、これにヘキサミン4.5重量部を含有する上記フェ
ノール樹脂30重量部(固形分)を添加し、ニーダーで
50℃、20分間混合し、ついで該混合物を等速2本ロ
ールで90℃、4分混練したのち、混練物を粉砕して顆
粒状フェノール樹脂成形材料を得た。得られた成形材料
および該成形材料をトランスファー成形した成形品の物
性を表1に示す。
【0029】実施例2 実施例1において、フェノール樹脂を25重量部(ヘキ
サミン3.7重量部を含有)使用し、焼成タルクを使用
しなっかた以外は実施例1と同様にして成形材料を得
た。得られた成形材料および該成形材料をトランスファ
ー成形した成形品の物性を表1に示す。
【0030】実施例3 数平均分子量500の固形レゾール型フェノール樹脂を
メタノール30%に希釈した液状樹脂30重量部を使用
し、炭素繊維として、東邦レーヨン(株)製ベスファイ
トHT−C3−S(商品名)チョップドストランド(繊
維長3mm、引張り弾性率24×103 kgf/mm2 、繊維
径7μm,密度1.77g/cm3)60重量部を使用
た。炭素繊維と焼成タルク5重量部、顔料および離型剤
の合計5重量部とを混合し、これに上記フェノール樹脂
を添加し、ニーダーで50℃、15分間混合し、ついで
該混合物を等速2本ロールで90℃、3分混練したの
ち、混練物を粉砕して顆粒状フェノール樹脂成形材料を
得た。得られた成形材料および該成形材料をトランスフ
ァー成形した成形品の物性を表1に示す。
【0031】実施例4 50%キシレン変性フェノール樹脂をメタノール30%
に希釈した液状樹脂を使用し、炭素繊維として、日本グ
ラファイトファイバー(株)製グラノックスXN50
(商品名)チョップドストランド(繊維長3mm、引張
り弾性率50×103 kgf/mm2 、繊維径10μm,密度
2.10g/cm3)を使用した。炭素繊維70重量部と
顔料及び離型剤を合計5重量部を混合し、これに上記キ
シレン変性フェノール樹脂25重量部(ヘキサミン3.
7重量部を含有)を添加し、ニーダーで50℃、25分
混合し、ついで該混合物を等速2本ロールで100℃、
3分混練したのち、混練物を粉砕して顆粒状フェノール
樹脂成形材料を得た。得られた成形材料および該成形材
料をトランスファー成形した成形品の物性を表1に示
す。
【0032】比較例1 実施例1において、補強剤として炭素繊維40重量部、
ガラス繊維20重量部を使用した以外は実施例1と同様
に行った。なおガラス繊維は日本電気硝子(株)製EC
SO6B154(商品名)チョップドストランドを使用
した。得られた成形材料および該成形材料をトランスフ
ァー成形した成形品の物性を表2に示す。
【0033】比較例2 実施例2において、ロール混練を回転数の異なる2本ロ
ール(フリクション比1.1)を使用した以外は実施例
2と同様に行って成形材料を得た。得られた成形材料お
よび該成形材料をトランスファー成形した成形品の物性
を表2に示す。
【0034】比較例3 実施例3において、ロール混練の代わりに2軸押出機
(栗本鉄工(株)製同方向回転KRC−4型)を使用
し、フィード部50℃、押出部温度を100℃に設定し
て混練押出した以外は実施例3と同様に行った。得られ
た成形材料および該成形材料をトランスファー成形した
成形品の物性を表2に示す。
【0035】比較例4 実施例1において、ロール混練を行わずニーダー混合、
混練のみを行った以外は実施例1と同様に行った。得ら
れた成形材料および該成形材料をトランスファー成形し
た成形品の物性を表2に示す。
【0036】比較例5 実施例1において、ロール混練温度を65℃で実施した
以外は実施例1と同様に行った。得られた成形材料およ
び該成形材料をトランスファー成形した成形品の物性を
表2に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】表1および表2の物性は下記により測定し
た。
【0040】(1) 流れ(cm):スパイラルロー法、渦
巻き状に長さ(100cm)を刻印した金型を使用し、
所定の温度、圧力、時間および材料投入量でトファンス
ファー成形し押出された渦巻き状物成形品の最大長さ。
【0041】(2) 平均繊維長(mm):成形材料中の樹
脂分を溶剤で抽出除去し残存した炭素繊維を電子顕微鏡
で観察測定。
【0042】(3) 成形性:JIS K6915に準じて
トランスファー成形した成形品の金型への充填性、外観
を目視により観察し判定した。
【0043】(4) 比重(g/cm3 )JIS法による。
【0044】(5) 曲げ弾性率、比曲げ弾性率(kgf/
mm2):トランスファー成形により試験片を作成し, J
IS K6915に準じて測定。
【0045】(6) 成形収縮率(%):成形品のゲート方
向(押出方向)およびゲート方向に対し垂直方向の収縮
率の平均値(JIS K6915)
【0046】(7) 等方性(%):成形品のゲート方向
(押出方向)およびゲート方向に対し垂直方向の成形収
縮の差。
【0047】上記表にみられるように、本発明による成
形材料は高剛性で寸法精度が良好な成形品が得られる。
これに対して、比較例にみられるように本発明で規定す
る条件を満足しない場合には、目標とする高剛性が得ら
れなかったり(比較例1、3、5)、成形不良、外観不
良を起こしたり(比較例2、4)、さらには寸法精度が
悪い(比較例4、5)ことなどが認められる。
【0048】
【発明の効果】本発明の成形材料は、低比重で、高剛性
で寸法精度に優れ、摺動特性を有する成形品を得ること
ができ、特に光学機器部品、精密機器部品などの成形材
料として好適なものである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェノール系樹脂20〜40重量部、補強
    材として炭素繊維50〜80重量部を主成分として含有
    する顆粒状フェノール系樹脂成形材料からなり、成形材
    料中における炭素繊維の平均繊維長が0.5〜1.0m
    mである炭素繊維含有顆粒状フェノール系樹脂成形材
    料。
  2. 【請求項2】炭素繊維50〜80重量部、所定量の充填
    剤、離型剤、硬化剤、着色剤等の添加剤ならびにフェノ
    ール系樹脂20〜40重量部を添加し混合し、該混合物
    を混合機で低温において予備混合したのち、等速2本ロ
    ールにより高温で混練し、混練物を粉砕してなる炭素繊
    維の平均繊維長が0.5〜1.0mmである請求項1の
    炭素繊維含有顆粒状フェノール系樹脂成形材料。
  3. 【請求項3】温度40〜60℃で予備混合し、ついで等
    速2本ロールで温度70〜100℃において混練する請
    求項2の炭素繊維含有顆粒状フェノール系樹脂成形材
    料。
  4. 【請求項4】炭素繊維50〜80重量部と所定量の充填
    剤、離型剤、硬化剤、着色剤等の添加剤とを混合したの
    ち、ついで該混合物にフェノール系樹脂20〜40重量
    部を添加、混合したのち混練することからなる請求項2
    の炭素繊維含有顆粒状フェノール系樹脂成形材料。
  5. 【請求項5】フェノール系樹脂20〜40重量部と所定
    量の充填剤、離型剤、硬化剤、着色剤等の添加剤とを混
    合したのち、ついで該混合物に炭素繊維50〜80重量
    部を添加、混合したのち混練することからなる請求項2
    の炭素繊維含有顆粒状フェノール系樹脂成形材料。
  6. 【請求項6】使用される炭素繊維が引張り弾性率2×1
    4 以上であり、繊維径6〜12μm、繊維長1.0〜
    6.0mm、アスペクト比80〜1000、密度1.7 〜
    2.2 g/cm3 のチョップドストランドである請求項1〜5
    の炭素繊維含有顆粒状フェノール系樹脂成形材料。
  7. 【請求項7】フェノール系樹脂20〜40重量部、補強
    材として炭素繊維50〜80重量部を主成分として含有
    する顆粒状フェノール系樹脂成形材料からなり、成形材
    料中における炭素繊維の平均繊維長が0.5〜1.0m
    mである炭素繊維含有顆粒状フェノール系樹脂成形材料
    を成形して得られ、低比重で、曲げ弾性率3,000kg
    f/mm2 以上、比曲げ弾性率2,000kgf/mm2 以上であ
    り、成形収縮率が 0.15 %以下で、材料の流れ方向と流
    れ方向に対し垂直方向との成形収縮率差が0〜0.05
    %である高剛性で寸法精度に優れた炭素繊維強化フェノ
    ール系樹脂成形品。
JP9675697A 1996-04-18 1997-03-31 炭素繊維含有顆粒状フェノール系樹脂成形材料および成形品 Pending JPH1036631A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9675697A JPH1036631A (ja) 1996-04-18 1997-03-31 炭素繊維含有顆粒状フェノール系樹脂成形材料および成形品

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12095596 1996-04-18
JP8-120955 1996-04-18
JP9675697A JPH1036631A (ja) 1996-04-18 1997-03-31 炭素繊維含有顆粒状フェノール系樹脂成形材料および成形品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1036631A true JPH1036631A (ja) 1998-02-10

Family

ID=26437937

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9675697A Pending JPH1036631A (ja) 1996-04-18 1997-03-31 炭素繊維含有顆粒状フェノール系樹脂成形材料および成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1036631A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009264692A (ja) * 2008-04-28 2009-11-12 Kyocera Chemical Corp 複合防弾板
JP2010037351A (ja) * 2008-07-31 2010-02-18 Starlite Co Ltd 耐熱性摺動用部材
JP2015127141A (ja) * 2013-11-28 2015-07-09 三菱樹脂株式会社 炭素繊維複合積層体
EP2995640A1 (de) * 2014-09-12 2016-03-16 Hexion GmbH Faserverstärktes härtbares kunststoffgranulat

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009264692A (ja) * 2008-04-28 2009-11-12 Kyocera Chemical Corp 複合防弾板
JP2010037351A (ja) * 2008-07-31 2010-02-18 Starlite Co Ltd 耐熱性摺動用部材
JP2015127141A (ja) * 2013-11-28 2015-07-09 三菱樹脂株式会社 炭素繊維複合積層体
JP2015127140A (ja) * 2013-11-28 2015-07-09 三菱樹脂株式会社 炭素繊維複合積層体
EP2995640A1 (de) * 2014-09-12 2016-03-16 Hexion GmbH Faserverstärktes härtbares kunststoffgranulat

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3915045B2 (ja) マシニングセンタにおける構造部品成形材料、及びマシニングセンタにおける構造部品成形体
JP2012197376A (ja) フェノール樹脂成形材料
JPH1036631A (ja) 炭素繊維含有顆粒状フェノール系樹脂成形材料および成形品
JP5504786B2 (ja) フェノール樹脂成形材料
JP3969506B2 (ja) ガラス繊維含有フェノール系樹脂成形材料の製造方法、及びガラス繊維含有フェノール系樹脂成形品
JP3034886B2 (ja) 衝撃強度に優れるフェノール樹脂組成物
JP2011202075A (ja) フェノール樹脂成形材料
JP3906657B2 (ja) フェノール樹脂成形材料及びプーリー
JP2757454B2 (ja) 炭素短繊維集合体及びそれを配合してなる繊維強化熱可塑性樹脂組成物
JP4952192B2 (ja) 熱硬化性樹脂成形材料
JP2000044771A (ja) 熱時寸法安定性に優れるフェノール樹脂成形材料
JPS58109552A (ja) フエノ−ル樹脂成形材料
JPH0860550A (ja) メソフェーズピッチ系炭素繊維チョップドストランド
JP2003268196A (ja) コンミテーター用フェノール樹脂成形材料
JP2003105676A (ja) 炭素繊維、炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物、成形用材料および成形品
JP5703660B2 (ja) フェノール樹脂組成物の製造方法
JPH1149930A (ja) 耐熱衝撃性フェノール樹脂成形材料組成物
JP2000219796A (ja) 耐衝撃性フェノール樹脂成形材料組成物
JPS61287951A (ja) フエノ−ル樹脂組成物
JP2005265033A (ja) フェノール樹脂製カム
JP2001234027A (ja) フェノール樹脂成形材料
JP2000219797A (ja) 耐熱衝撃性フェノール樹脂成形材料組成物
JP5644471B2 (ja) フェノール樹脂成形材料の製造方法
JPH06184449A (ja) 炭素繊維強化高分子材料組成物及びその製造方法
JP2000219796A5 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20050704

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20060308

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060418

A02 Decision of refusal

Effective date: 20060510

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02