JP2000044771A - 熱時寸法安定性に優れるフェノール樹脂成形材料 - Google Patents

熱時寸法安定性に優れるフェノール樹脂成形材料

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JP2000044771A
JP2000044771A JP10215028A JP21502898A JP2000044771A JP 2000044771 A JP2000044771 A JP 2000044771A JP 10215028 A JP10215028 A JP 10215028A JP 21502898 A JP21502898 A JP 21502898A JP 2000044771 A JP2000044771 A JP 2000044771A
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phenol resin
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phenolic resin
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Satoyuki Saito
智行 斉藤
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フェノール樹脂成形材料の特長である耐熱性
を損なうことなく、熱時寸法安定性に優れたフェノール
樹脂成形材料を提供する。 【解決手段】 フェノール樹脂100重量部に対し、カ
ルボン酸で変性した酢酸ビニル樹脂を10〜30重量部
の割合で配合することを特徴とするフェノール樹脂成形
材料であり、好ましくは、成形材料全体に対し、フェノ
ール樹脂が30〜50重量%、ガラス繊維又はガラス繊
維とクレー等の無機充填材が40〜60重量%配合され
ているフェノール樹脂成形材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フェノール樹脂成
形材料の特長である耐熱性を損なうことなく、熱時寸法
安定性に優れたフェノール樹脂成形材料を提供するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、フェノール樹脂成形材料は耐
熱性、寸法安定性、成形性等に優れ、自動車、電気・電
子等の基幹産業分野において長期にわたり使用されてき
た実績がある。特に最近では、金属部品をガラス繊維で
強化した高強度のフェノール樹脂成形品に置換すること
で、大幅なコストダウン及び軽量化が可能となることか
ら、積極的な代替の検討が行われている。しかし、この
ようなガラス繊維で強化されたフェノール樹脂成形材料
をもってしても、高度に熱時寸法安定性が必要とされる
部品にとって満足できない場合も生じている。フェノー
ル樹脂は熱で硬化反応が進むことから、少ないながらも
収縮側に寸法変化を起こすため、場合によってはこの寸
法変化が問題になるのである。
【0003】このような問題を解決する手段としては、
成形品を前もって熱処理する方法が従来より行われてい
るが、処理時間が長くなるとそれだけ費用がかかってし
まう。或いは処理温度が高いと強度低下を招く恐れがあ
るという問題があった。そこで成形品を前もって熱処理
しなくても、或いは処理をした場合でも低温でかつ短時
間で、所望の熱時寸法安定性が得られるフェノール樹脂
成形材料が開発されれば、今後更に金属代替を進めるた
めの有効な手段になると考えられる。
【0004】一方、フェノール樹脂成形材料に酢酸ビニ
ル樹脂を配合することは従来より知られているが、成形
時の硬化収縮を小さくするため(特開平3−17446
5号公報)、あるいは射出成形機のシリンダー内での熱
安定性を改良するため(特開昭62−209159号公
報等)に使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、ガラス繊
維強化フェノール樹脂成形材料の熱時寸法安定性を更に
向上するたに種々検討した結果、フェノール樹脂に対し
ある比率でカルボン酸で変性した酢酸ビニル樹脂を用い
ることにより、成形品を前もって熱処理しなくても熱時
寸法安定性に優れた成形品を得ることができることを確
認し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、フェノール樹
脂100重量部に対し、カルボン酸で変性した酢酸ビニ
ル樹脂を10〜30重量部の割合で配合することを特徴
とするフェノール樹脂成形材料であり、好ましくは、こ
のカルボン酸変性酢酸ビニル樹脂を含有し、かつフェノ
ール樹脂を30〜50重量%、充填材としてガラス繊
維、クレー等の無機充填材が40〜60重量%配合する
ことを特徴とするフェノール樹脂成形材料に関するもの
である。
【0007】本発明で用いられるフェノール樹脂は、ノ
ボラック型フェノール樹脂或いはレゾール型フェノール
樹脂を単独、又はこれらを併用しても良く特に限定され
るものではないが、ここでノボラック型フェノール樹脂
の方が、熱時寸法安定性の改善により効果が発現され
る。仮にノボラック型フェノール樹脂を単独で使用する
場合は、数平均分子量が800〜1000で、フェノー
ル核のOH基に対するオルソ結合対パラ結合の割合(O
/P比)が1以下のものを用い、硬化剤として用いるヘ
キサメチレンテトラミンは、樹脂の全体量100重量部
に対し15〜20重量部配合することが、成形材料化段
階での作業性、成形性(特に射出成形)が良好であり、
得られた成形品の特性が良好であるという理由から好ま
しい。
【0008】本発明では、従来のフェノール樹脂成形材
料の熱時寸法安定性を更に向上させるために、硬化反応
による収縮側の寸法変化を熱膨張係数の大きいエラスト
マーを用いることにより抑えることが可能か否かを、N
BR(アクリロニトリルブタジエンゴム)や未変性の酢
酸ビニル樹脂、或いはカルボン酸変性酢酸ビニル樹脂等
のエラストマーを用いて検討した。その結果、カルボン
酸変性酢酸ビニル樹脂が最も効果的であるという知見を
得たのである。
【0009】カルボン酸変性酢酸ビニル樹脂は、カルボ
キシル基がフェノール樹脂と反応し、酢酸ビニルの特長
がより反映するという理由で、未変性の酢酸ビニル樹脂
やNBRなどと比較して熱時寸法安定性が優れていると
考えられる。本発明で使用するカルボン酸変性酢酸ビニ
ル樹脂は、成形材料化する際の取扱いの容易さから、重
合度が500〜2000程度が望ましく、例えば、商品
名ASR CH−09(電気化学工業株式会社製、重合
度900〜1100)がその例である。耐熱性を損なわ
ずに熱時寸法安定性を向上するためには、フェノール樹
脂の全体量100重量部に対してカルボン酸変性酢酸ビ
ニル樹脂を10〜30重量部の割合で配合することが好
ましい。10重量部未満ではの点で効果が不十分であ
り、30重量部を越えると耐熱性(熱時強度)の低下に
つながるからである。
【0010】また本発明において、補強用充填材として
ガラス繊維を用いると、前記カルボン酸変性酢酸ビニル
樹脂による熱時寸法安定性の向上をより効果的に発現さ
せることができる。かかるガラス繊維は、繊維径が10
〜15μm、繊維長が1〜3mmのチョップドストラン
ドタイプのものを使用することが成形材料化段階での作
業性、得られた成形物の強度が比較的良好であるので好
ましい。また更に寸法安定性を向上させる場合にはクレ
ーのような粉末状無機充填材を併用して用いることがで
きる。これらの無機充填材の配合量については、成形材
料全体に対し40〜60重量%が望ましい。40重量%
未満では満足し得る強度が得られにくく、寸法変化が大
きくなるので好ましくなく、60重量%を越えると成形
材料化段階での作業性が困難となり、強度低下につなが
ることがある。
【0011】本発明のフェノール樹脂成形材料を得る場
合、上記原料を均一に混合後、ロール、コニーダ、二軸
押出し機等の混練機単独又はロールと他の混合機との組
合せで加熱混練し、粉砕して得られる。本発明のフェノ
ール樹脂成形材料は、フェノール樹脂成形材料の特長で
ある耐熱性を損なうことなく、熱時寸法安定性に優れて
おり、極度に熱時寸法安定性を必要とされる自動車分
野、電気・電子分野等における金属代替を大幅に促進す
るために有効な手段である。
【0012】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。実施
例及び比較例の配合と特性を表1及び図1に示す。特性
評価用試験片はトランスファー成形(180℃、3分)
により作製し、評価方法はJIS K 6911に基づい
て行った。
【0013】
【表1】 *1)ジメチレンエーテル型レゾール樹脂。 *2)メチロール型レゾール樹脂。 *3)電気化学工業株式会社製 ASR CH−09
【0014】さらに、図1において、各実施例及び比較
例において得られた成形品について、150℃中での寸
法変化を測定した結果を示す。測定はJIS K 691
1における成形収縮率測定用試験を用い、試験片は、ト
ランスファー成形(180℃、3分)にて作製したもの
を熱処理をしないでそのまま使用した。
【0015】
【発明の効果】以上の実施例及び比較例から明らかなよ
うに、本発明のフェノール樹脂成形材料は、成形品を前
もって熱処理をしなくても、熱時寸法安定性の点で非常
に優れており、自動車分野、電気・電子分野における金
属代替を大幅に促進するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 各実施例及び比較例において得られた成形品
について、150℃中での寸法変化を示すグラフであ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール樹脂100重量部に対し、カ
    ルボン酸で変性した酢酸ビニル樹脂を10〜30重量部
    の割合で配合することを特徴とするフェノール樹脂成形
    材料。
  2. 【請求項2】 成形材料全体に対し、フェノール樹脂が
    30〜50重量%、ガラス繊維又はガラス繊維とクレー
    等の無機充填材が40〜60重量%配合されている請求
    項1記載のフェノール樹脂成形材料。
JP10215028A 1998-07-30 1998-07-30 熱時寸法安定性に優れるフェノール樹脂成形材料 Pending JP2000044771A (ja)

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