JPH10279777A - 炭素繊維含有フレーク状フェノール系樹脂成形材料およびその製造方法 - Google Patents

炭素繊維含有フレーク状フェノール系樹脂成形材料およびその製造方法

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JPH10279777A
JPH10279777A JP9675797A JP9675797A JPH10279777A JP H10279777 A JPH10279777 A JP H10279777A JP 9675797 A JP9675797 A JP 9675797A JP 9675797 A JP9675797 A JP 9675797A JP H10279777 A JPH10279777 A JP H10279777A
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雅一 塚本
Shuhei Yamao
修平 山尾
Toshiaki Sakakiyama
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、高強度で高剛性、特に高い曲げ弾性
率を有し、かつ寸法安定性の優れた炭素繊維強化フェノ
ール系樹脂成形品を得ることができる炭素繊維含有フレ
ーク状フェノール系樹脂成形材料を提供することにあ
る。 【解決手段】炭素繊維50〜80重量部、所定量の充填
剤、離型剤、硬化剤、着色剤等の添加剤、およびフェノ
ール系樹脂20〜40重量部をニーダー等の低速回転攪
拌混合機により混合し、乾燥したのち、得られた混合物
をさらに高速回転攪拌混合機により粒状化し、乾燥して
なり成形材料中の炭素繊維の繊維長が3.0〜8.0m
mである顆粒状フェノール系樹脂成形材料とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高強度で高い剛性
を有し寸法安定性があり、しかも低比重である炭素繊維
強化フェノール系樹脂成形品を得ることができる炭素繊
維含有フレーク状フェノール系樹脂成形材料に関する。
【0002】さらに詳細には、本発明は、炭素繊維を5
0〜80重量部含有し、成形材料中における炭素繊維の
平均繊維長が3.0〜8.0mmであり、高強度で、剛
性、特に曲げ弾性率が高く、しかも低比重である炭素繊
維強化フェノール系樹脂成形品を得ることができる炭素
繊維含有フレーク状フェノール系樹脂成形材料に関す
る。
【0003】本発明の成形材料は、すぐれた流動性を有
し成形加工性が良好であり、圧縮成形により得られる成
形品は高強度で特に衝撃強度が高く、高剛性を有し、摺
動特性にすぐれ、しかも低比重であり、金属代替用成形
材料として有用で、たとえば、マシニングセンターにお
ける工具交換アーム、工具交換ホルダーあるいは各種の
構造部品等に好適に使用することができる。
【0004】
【従来の技術】近年、成形品や成形部品などの材料の軽
量化、コストダウン等の観点から金属材料からプラスチ
ック材料への代替えが図られており種々のプラスチック
スが従来金属が使用されていた成形品や成形部品などの
分野で検討され、利用されてきている。最近、フェノー
ル樹脂の持つ優れた特性を生かして金属代替え材料とし
て使用しようとフェノール樹脂が見直されてきている。
ところでフェノール樹脂成形材料には、一般にセルロー
ス系繊維、プラスチックス系繊維、アスベスト、ガラス
繊維、炭素繊維、ウイスカーなどの有機系繊維あるいは
無機系繊維等、またはタルク、クレー、マイカ、木粉、
パルプ等が補強材もしくは充填材として使用される。
【0005】フェノール樹脂を金属材料の代替えとして
使用する場合には、その材料が機械的強度、耐熱性、さ
らには寸法安定性、摺動特性などの性能に優れているこ
とが要求される。このような要求性能を満足させるため
に補強材としてガラス繊維や炭素繊維のチョップドスト
ランドが使用される。補強材としてガラス繊維を使用し
た場合には、相当多量に配合しても期待されるほどの高
い剛性は得られず、また多量に使用した場合には成形性
が悪くなり、しかも軽量化は達成されない。一方炭素繊
維はガラス繊維より解繊され易く樹脂との濡れ性が悪く
ハンドリングに難点があり十分な補強効果を発揮するこ
とができない。
【0006】そこで、炭素繊維を補強材として使用する
場合について、種々の方法が知られており、いわゆる構
造材料として炭素繊維を使用した炭素繊維強化フェノー
ル樹脂成形用材料は、カーボンペーパーや炭素繊維織布
や炭素繊維マット、不織布などの基材にフェノール樹脂
を含浸し、乾燥後予備硬化してプリプレグとして使用さ
れるのが一般的な方法であり、特に構造用部材としては
プリプレグによる方法が大半である。
【0007】また、炭素繊維の織布や炭素繊維マット、
不織布などの基材を使用しないで、いわゆるチョップド
ストランドを使用する場合には、炭素繊維に特別の表面
処理を施して使用する方法が提案さている。たとえば、
特開平1−172428では空気酸化処理およびチタネ
ート系カップリング剤処理されたPAN系炭素繊維を使
用することが開示されている。あるいは特殊な炭素繊維
を使用する方法も提案されている。たとえば、特開平2
−64132では、炭素繊維としてオニオン構造を有し
かつ結晶層厚が25〜200Åである炭素繊維を使用
し、マトリックス樹脂としてフェノール樹脂とアクリロ
ニトリル・ブタジエン共重合体を使用することが開示さ
れている。特開平2−255864では気相成長法の炭
素繊維であって、繊維径が0.05〜5μmのものを使
用すること、特開平2−298554では、面間隔d
(Å)が3.47〜3.43、アスペクト比が50〜5
00、直径5μm以下の気相法炭素繊維および/または
該炭素繊維を加熱処理して得られる面間隔d(Å)が
3.43〜3.35のグラファイトウイスカーを使用す
ることが開示されている。特開平6−136142では
炭素繊維を440℃の空気中で加熱してカルボキシ基を
導入し、ジエチレントリアミンのトルエン溶液中に浸漬
後加熱したものをフェノール樹脂と混練する方法が開示
されている。また、特開平3−59060では、短繊維
および/または長繊維より構成される紐状体をフェノー
ル樹脂液に含浸し加熱乾燥後これを切断して使用する方
法が開示されている。
【0008】上記のように、これまで炭素繊維を補強材
として使用する場合は、いわゆる織布やマット、不織布
等の基材に樹脂を含浸し乾燥予備硬化したプリプレグと
して使用する方法が一般的で、特に構造用部材としては
プリプレグ方式が殆んどである。しかしながらこのよう
なプリプレグを形成して使用する方法は、成形金型を使
用して複雑な形状を有する成形品を得ることには不適で
ある。
【0009】また上記のように炭素繊維を格別な処理し
たり、特殊な炭素繊維を使用する場合でも、圧縮成形な
どの成形方法により、たとえば曲げ弾性率が4,000
gkf/mm2 以上であるような高剛性を示す成形品は
知られていないが、仮に高剛性の成形品が得られるとし
てもコストが高くなり一般的でない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、補強材とし
て、炭素繊維自体を特別な表面処理などを行うことなく
市販のチョップドストランド炭素繊維を使用して、成形
加工性、流動性にすぐれ、高弾性で高剛性を有し、摺動
特性にすぐれた成形品を賦与するフレーク状フェノール
系樹脂成形材料および該材料を成形加工して得られる成
形品を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、フ
ェノール系樹脂20〜40重量部、補強材として炭素繊
維50〜80重量部を主成分として含有するフレーク状
フェノール系樹脂成形材料からなり、成形材料中におけ
る炭素繊維の平均繊維長が3.0〜8.0mmである炭
素繊維含有フレーク状フェノール系樹脂成形材料に係
り、該成形材料を所定の条件で成形加工することにより
高強度で高剛性を有し、摺動特性にすぐれた成形品を得
ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の成形材料は、フェノール
系樹脂20〜40重量部、補強材として特定の引張り弾
性率を有する炭素繊維50〜80重量部を主成分として
含有し,さらに必要に応じて種々の添加剤を配合、混合
したのち、造粒化してなるフレーク状フェノール系樹脂
成形材料であって、該成形材料中における炭素繊維は平
均繊維長が3.0〜8.0mmで存在するものである。
【0013】上記の成形材料は成形加工性が良好であ
り、たとえば該成形材料を圧縮成形して得られる成形品
は、低比重で、衝撃強度(アイゾット、ノッチ付)30
kgf-cm/cm2以上で、曲げ弾性率4,000kgf/mm2
上、比曲げ弾性率2,600kgf/mm2 以上であり、成形
収縮率が殆どなく、高強度、高剛性で寸法安定性に優れ
た炭素繊維強化フェノール系樹脂成形品である。
【0014】本発明の成形材料は、フェノール系樹脂2
0〜40重量部と所定量の充填剤および顔料、離型剤、
必要に応じて硬化剤とを攪拌翼を有する低速回転攪拌混
合機、たとえば通常のオープンニーダーで40℃以下の
温度を維持して混合した後、炭素繊維50〜80重量部
を添加、混合後乾燥し、さらに該混合物を高速回転攪拌
混合機、たとえばヘンシェルミキサー、スパーミキサー
で、メタノールのような低沸点溶剤を添加しながら40
℃以下の温度を維持して造粒化したのち乾燥することに
より得られる。
【0015】低速回転攪拌混合機による混合時間は一般
には30分前後であり混合物が粘土状(ペースト状)か
ら鱗片状あるいはフレーク状に変わるまでの時間で、通
常20〜40分である。混合時間が長時間となると炭素
繊維の切断が多くなり目標とする所定の物性が得られな
く好ましくない。
【0016】得られた混合物は熱風循環乾燥機のごとき
乾燥機において100℃前後の温度、通常85〜110
℃で目標の流れ値(スパイラルフロー)となるまで乾燥
(一次乾燥)される。この乾燥に要する時間は通常60
分前後である。乾燥温度が低い場合には乾燥に要する時
間が長くなり作業操作上好ましくなく、一方乾燥温度が
余りに高い場合は材料の流れ値の調整などの作業操作が
困難となりまた乾燥のバラツキも生じ易く好ましくな
い。
【0017】ついで鱗片状あるいはフレーク状の混合物
を高速回転攪拌混合機、たとえばヘンシェルミキサー、
スパーミキサーにより、メタノール、アセトンのごとき
低沸点有機溶剤を添加しながら、40℃以下の温度を維
持して攪拌し造粒化する。造粒化に要する時間時間は1
0分以内、通常4〜6分である。造粒化後熱風循環乾燥
機のごとき乾燥機において100℃前後の温度、通常8
5〜110℃で乾燥(二次乾燥)される。この乾燥は主
として残留する溶剤を揮発させるもので、要する時間は
通常40分前後で完了し、目標の流れ値(スパイラルフ
ロー)が得られる。
【0018】上記の低沸点有機溶剤の使用量は混合機に
仕込む混合物の重量に対して3.0重量%以下、通常
1.0〜2.0重量%が使用される。溶剤の使用量が多
い場合には造粒化物の形状が大きくなり易く、また少な
い場合は造粒化物のシマリが悪く良好な形状の成形材料
が得られ難く好ましくない。
【0019】本発明の成形材料においてフェノール系樹
脂は全配合物中20〜40重量部の範囲で使用される。
フェノール系樹脂の配合割合が上記範囲より少ない場合
は混練操作が満足に行うことができず、樹脂の分散が不
十分であり、また流れの良好な成形材料を得ることがで
きない。また樹脂の割合が多い場合は十分な機械的強度
を得ることが困難となる。したがって、フェノール系樹
脂の使用割合は上記の範囲で使用されるが、さらにはフ
ェノール系樹脂は全配合物中25〜35重量部の範囲で
使用されるのが好ましい。
【0020】本発明において、フェノール系樹脂は樹脂
濃度65〜75%の液状樹脂として使用される。固形樹
脂を使用する場合は予め溶剤、たとえばメタノール、ア
セトン等で所定の樹脂濃度に調整して使用される。
【0021】本発明において低速回転攪拌混合機への仕
込み順序は前記したように、先ずフェノール系樹脂と所
定の添加剤とを混合したのち、炭素繊維を添加、混合す
ることが重要である。炭素繊維を最初から仕込んだ場合
は炭素繊維が切断され易く目標とする所定の性能(物
性)が得られ難く好ましくない。
【0022】本発明において上記した高い衝撃強度有
し、高剛性で高弾性を有する成形品を得るには、炭素繊
維の破損をできるだけ抑制し、成形材料中におけるその
平均繊維長が3.0〜8.0mmの範囲内にあることが
重要である。繊維長が上記の範囲を越え、より短い場合
には高剛性、高弾性の成形品が得られ難く、より長い場
合には成形性が悪く、安定した成形品が得られず、高強
度、高剛性を示した場合でも成形品の表面状態が悪いな
どの欠点がある。
【0023】本発明に使用される炭素繊維は、引張り弾
性率が少なくとも2×104 以上であることが必要であ
り、繊維径6〜12μm、繊維長3.0〜9.0mm、ア
スペクト比250〜1500、密度1.7 〜2.2 g/cm3
あるチョップドストランド炭素繊維である。
【0024】本発明に使用される炭素繊維は、ピッチ系
炭素繊維、ポリアクリロニトリル系炭素繊維、芳香族系
炭素繊維などいずれでもよく、特別に表面処理など施す
必要はなく、通常の処理がなされた市販のもので繊維
径、繊維長、アスペクト比、密度、引張り弾性率が上記
の範囲に入るものであればそのまま使用される。本発明
に使用さる市販の炭素繊維としては、たとえば、ベスフ
ァイトHTA−C6−S、ベスファイトHTA−C3−
S(東邦レーヨン(株)製)、ベスファイトHTA−C
12−S(東邦レーヨン(株)製)、グラノックスXN
−50C−06C(日本グラファイトファイバー(株)
製)等が挙げられる。
【0025】本発明において炭素繊維の配合量は、通常
全配合物中50〜80重量%の範囲であり、好ましくは
55〜75重量%である。炭素繊維の配合量が上記範囲
よりも少ない場合は強度、剛性、弾性率などの機械的特
性に優れた成形品が得られない。一方範囲を越え多量の
場合は、成形加工性、流動性などが悪くなり、また成形
品の表面状態も悪くなり好ましくない。
【0026】本発明におけるフェノール系樹脂は、フェ
ノール性水酸基を有する芳香族化合物であり、具体的に
はフェノール、クレゾール、キシレノール、アルキルフ
ェノール、レゾルシノールなどのフェノール性化合物
と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラホルム
アルデヒド、フルフラール、環状ホルマールなどのアル
デヒド類とを酸性触媒あるいはアルカリ性触媒の存在下
に縮合反応して得られる合成樹脂、もしくはこれらの樹
脂の変性樹脂、さらには他の熱硬化性樹脂、たとえばエ
ポキシ樹脂、アミノ樹脂などとの共縮合反応させた樹
脂、また一部熱可塑性樹脂あるいは他の樹脂とのポリマ
ーアロイなどをあげることができる。しかし通常はいわ
ゆるフェノール系樹脂が一般に使用される。
【0027】本発明において、フェノール系樹脂は、レ
ゾール型、ノボラック型の固形状、液状いずれも使用で
きるが、炭素繊維と配合する際には通常液状で使用する
のが好適である。固体の状態で炭素繊維と混練した場合
は炭素繊維の折損が大きく、また樹脂と炭素繊維との密
着性も悪く好ましくない。
【0028】本発明に係る成形材料には、さらに所望に
応じてクレー、タルク、マイカなどの無機系充填剤を少
量(全配合物中約5〜10重量%程度)配合することが
でき、その他本発明に係る成形材料の特性を損なわない
範囲でフェノール系樹脂成形材料に配合される種々の添
加剤を使用することができる。
【0029】以下に本発明の実施例を示す。
【0030】実施例1 数平均分子量1200のノボラック型フェノール樹脂を
メタノール30%に溶解した液状樹脂(樹脂濃度70重
量%)を使用し、炭素繊維として東邦レーヨン(株)製
ベスファイトHTA−C6−S(商品名)チョップドス
トランド(繊維長6mm、引張弾性率24×103 kgf/
mm2 、繊維径7μm、密度1.77g/cm3 ) した。
【0031】先ず、上記フェノール樹脂30重量部(固
形分、ヘキサミン4.5重量部を含む)、充填剤(マイ
カ)5重量部、顔料および離型剤を合計5重量部を、ニ
ーダーに仕込み、予め混合したのち炭素繊維60重量部
を添加し30℃で約30分混合した後、該混合物を95
℃の熱風乾燥機で60分乾燥し、ついで該混合物を高速
回転攪拌混合機(ヘンシェルミキサー)で、メタノール
2重量部を添加しながら40℃以下の温度に維持して造
粒化し、該造粒化物を95℃の熱風乾燥機で40分乾燥
しフレーク状の成形材料を得た。成形材料および成形品
の物性を表1に示す。
【0032】実施例2 炭素繊維として、東邦レーヨン(株)製ベスファイトH
TA−C6−S(商品名)チョップドストランド(繊維
長6mm、引張弾性率24×103 kgf/mm2 、繊維径7
μm、密度1.77g/cm3 ) および東邦レーヨン製
ベスファイトHTA-C3-S (繊維長3mm,引張弾性率24
×103 kgf/mm2 、繊維径7μm、密度1.77g/c
3 ) を使用した以外は、実施例1と同様にしてフレー
ク状の成形材料を得た。成形材料および成形品の物性を
表1に示す。
【0033】実施例3 数平均分子量500の固形レゾール型フェノール樹脂を
メタノール30%に希釈した液状樹脂を25重量部(固
形分として)使用し、炭素繊維として東邦レーヨン
(株)製ベスファイトHTA−C6−S(商品名)チョ
ップドストランド(繊維長6mm、引張弾性率24×1
3 kgf/mm2 、繊維径7μm、密度1.77g/c
3 ) を使用し実施例1と同様にして混合物とし、該混
合物を実施例1と同様に乾燥したのち、ヘンシェルミキ
サーによりメタノール2重量部を添加しながら造粒化
し、90℃で乾燥してフレーク状の成形材料とした。成
形材料および成形品の物性を表1に示す。
【0034】実施例4 フェノール系樹脂として50%キシレン変性フェノール
樹脂をメタノール30%に希釈した液状樹脂を使用し、
炭素繊維として、日本グラファイトファイバー(株)製
グラノックスXN50−C−06C(商品名)チョップ
ドストランド(繊維長6mm、引張弾性率50×103
kgf/mm2 、繊維径10μm、密度2.10g/cm3 )
を使用した。
【0035】先ず、上記フェノール樹脂25重量部(固
形分、ヘキサミン3.7重量部を含む)、顔料および離
型剤を合計5重量部を、ニーダーに仕込み、予め混合し
たのち炭素繊維70重量部を添加し30℃で約30分混
合した後、該混合物を95℃の熱風乾燥機で60分乾燥
し、ついで該混合物を高速回転攪拌混合機(ヘンシェル
ミキサー)で、メタノール2重量部を添加しながら25
℃の温度に維持して造粒化し、該造粒化物を95℃の熱
風乾燥機で40分乾燥しフレーク状の成形材料を得た。
成形材料および成形品の物性を表1に示す。
【0036】比較例1 実施例1において樹脂を15重量部(ヘキサミン2.5
重量部を含む)使用し、炭素繊維を80重量部、顔料お
よび離型剤を合計5重量部を使用した以外は実施例1と
同様にして成形材料を得た。しかし、本材料は樹脂の含
浸が不十分で良好なフレーク状物が得られず、流れ値が
小さく成形性が悪く良好な成形品が成形できず物性の測
定は行わなかった。
【0037】比較例2 実施例1において、炭素繊維を40重量部とし、充填材
(マイカ)を25重量部とした以外は実施例1と同様に
してフレーク状成形材料を得た。本材料を使用した成形
材料および成形品の物性を表2に示す。表から分かるよ
うに機械的強度、特に衝撃強さが低く目標値の強度(3
0kgf-cm/cm2以上) が得られない。
【0038】比較例3 炭素繊維としてベスファイトHTA−C3−S 30重
量部、ベスファイトHTA−C1.5−Sチョップドス
トランド(繊維長1.5mm、引張弾性率24×103
kgf/mm2 、繊維径7μm、密度1.77g/cm3 ) 3
0重量部使用した以外は実施例1と同様にして成形材料
を得た。得られたフレークは長径が小さく全体として形
状が小さいものであった。本材料を使用した成形材料お
よび成形品の物性を表2に示す。表から分かるように成
形材料中の炭素繊維の繊維長が短く目標とする機械的強
度が得られず成形収縮も大きい。
【0039】比較例4 炭素繊維としてベスファイトHTA−C12−Sチョッ
プドストランド(繊維長12mm、引張弾性率24×1
3 kgf/mm2 、繊維径7μm、密度1.77g/c
3 ) 60重量部を使用した以外は実施例1と同様にし
てフレーク状成形材料を得た。得られたフレークは長径
が大きく全体として形状が大きく、成形材料中の繊維長
が長くて成形性が悪く良好な成形品が得られず物性の測
定は行わなかった。
【0040】比較例5 ニーダーによる混合時間を50分とした以外は実施例1
と同様にしてフレーク状成形材料を得た。得られた成形
材料および成形品の物性を表2に示す。表から分かるよ
うに炭素繊維の平均繊維長が短く目標とする機械的強度
が得られない。
【0041】比較例6 ヘンシェルミキサーによる造粒化において溶剤としてメ
タノールを4重量部を使用した以外は実施例1と同様に
してフレーク状成形材料を得た。得られたフレークは長
径および短径が大きく全体として形状が大きいく成形性
が悪く良好な成形品が得られず物性の測定は行わなかっ
た。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】表1および表2の物性は下記により測定し
た。
【0045】(1) 流れ(cm):スパイラルロー法、渦
巻き状に長さ(100cm)を刻印した金型を使用し、
所定の温度、圧力、時間および材料投入量でトファンス
ファー成形し押出された渦巻き状物成形品の最大長さ。
【0046】(2) 平均繊維長(mm):成形材料中の樹
脂分を溶剤で抽出除去し残存した炭素繊維を電子顕微鏡
で観察測定。
【0047】(3) 成形性:JIS K6915に準じて
圧縮成形した成形品の金型への充填性、外観を目視によ
り観察し判定した。
【0048】(4) 比重(g/cm3 )JIS法による。
【0049】(5) 衝撃強さ、曲げ強さ、曲げ弾性率、比
曲げ弾性率:圧縮成形により試験片を作成し, JIS
K6915に準じて測定。
【0050】(6) 成形収縮率(%):圧縮成形により試
験片を作成しJIS K6915に準じて測定。
【0051】(7) 平滑性:圧縮成形で成形した成形品の
表面を目視観察し判定した。
【0052】
【発明の効果】本発明の成形材料は成形加工性が良好で
あり、たとえば該成形材料を圧縮成形して得られる成形
品は、低比重で、衝撃強度,曲げ弾性率等の機械的強度
にすぐれ、成形収縮率が極めて小さい、高強度、高剛性
で寸法安定性に優れた炭素繊維強化フェノール系樹脂成
形品を得ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェノール系樹脂20〜40重量部、補強
    材として炭素繊維50〜80重量部を主成分として含有
    するフレーク状フェノール系樹脂成形材料からなり、成
    形材料中における炭素繊維の平均繊維長が3.0〜8.
    0mmである炭素繊維含有フレーク状フェノール系樹脂
    成形材料。
  2. 【請求項2】フェノール系樹脂20〜40重量部と所定
    量の充填剤および顔料、離型剤、必要に応じ硬化剤とを
    攪拌翼を有する低速回転攪拌混合機で混合した後、炭素
    繊維50〜80重量部を添加、混合し乾燥した後、つい
    で該混合物を高速回転攪拌混合機で低沸点溶剤を添加し
    ながら40℃以下の温度を維持して造粒化したのち85
    〜110℃の温度で乾燥することを特徴とする炭素繊維
    含有フレーク状フェノール系樹脂成形材料の製造方法。
  3. 【請求項3】使用される炭素繊維は引張り弾性率が2×
    104 以上であり、繊維径6〜12μm、繊維長3.0
    〜9.0mm、アスペクト比250〜1500、密度1.
    7 〜2.2 g/cm3 のチョップドストランドである請求項2
    の炭素繊維含有フレーク状フェノール系樹脂成形材料の
    製造方法。
  4. 【請求項4】フェノール系樹脂20〜40重量部、補強
    材として炭素繊維50〜80重量部を主成分として含有
    するフレーク状フェノール系樹脂成形材料からなり、成
    形材料中における炭素繊維の平均繊維長が3.0〜8.
    0mmである炭素繊維含有フレーク状フェノール系樹脂
    成形材料を成形して得られ、高強度、低比重で、曲げ弾
    性率4,000kgf/mm2 以上、比曲げ弾性率2,600
    kgf/mm2以上である高強度、高剛性で寸法安定性に優れ
    た炭素繊維強化フェノール系樹脂成形品。
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