JP2000303362A - サイジング剤、及び該サイジング剤で処理されたチョップド炭素繊維 - Google Patents

サイジング剤、及び該サイジング剤で処理されたチョップド炭素繊維

Info

Publication number
JP2000303362A
JP2000303362A JP36296399A JP36296399A JP2000303362A JP 2000303362 A JP2000303362 A JP 2000303362A JP 36296399 A JP36296399 A JP 36296399A JP 36296399 A JP36296399 A JP 36296399A JP 2000303362 A JP2000303362 A JP 2000303362A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
epoxy resin
sizing agent
chopped carbon
carbon fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP36296399A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4370652B2 (ja
Inventor
Atsuki Tsuchiya
敦岐 土谷
Toshiyuki Miyoshi
敏之 三好
Keizo Ono
恵三 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP36296399A priority Critical patent/JP4370652B2/ja
Publication of JP2000303362A publication Critical patent/JP2000303362A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4370652B2 publication Critical patent/JP4370652B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、特定の性状を示すチョップド炭素繊
維用サイジング剤、およびかかるサイジング剤が付与さ
れてなる、流動性に優れ、樹脂組成物を製造する際の工
程通過性が大幅に改善されたチョップド炭素繊維、さら
にかかるチョップド炭素繊維と樹脂により成形されてな
る、良好な物性を示す成形体を提供せんとするものであ
る。 【解決手段】特性が下式(1)及び(2)を満足するこ
とを特徴とする炭素繊維用サイジング剤。 0.78≦ FL ≦7.85 単位:MPa
・・・(1) 200≦ EL ≦1000 単位:%
・・・(2) FL:サイジング剤より作製した成形物の引張強度 EL:サイジング剤より作製した成形物の引張伸度

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サイジング剤、及
びサイジング剤で処理されたチョップド炭素繊維に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維強化複合材料は、その強度、剛
性、寸法安定性に優れることから、事務機器用途や自動
車用途など一般産業分野に広く展開され、その需要は年
々増加しつつある。
【0003】炭素繊維強化複合材料の原料となる樹脂組
成物は、様々な方法で製造されているが、3〜10mm
程度の長さに切断したチョップド炭素繊維を樹脂ペレッ
トや樹脂パウダーとともに押出機で溶融混練してペレッ
ト化し、これを射出成形によって製造する方法が代表的
である。
【0004】かかるペレット化工程をコンパウンド工程
と称するが、この工程に供されるチョップド炭素繊維
は、その供給性能を高めるため、通常、サイジング剤に
より集束させた状態で使用され、スクリューフィーダー
などによる自動計量の下、押出機に連続的に供給され
る。
【0005】この際、チョップド炭素繊維が、工程で搬
送されるときの流れ性の良し悪し、即ち流動性が重要な
工程管理項目とされている。かかる流動性の不足によ
り、極端な場合には、供給部のホッパーで繊維が閉塞し
て製造不能に陥ることもある。
【0006】粉体の場合は、流動性の指標とされるもの
として、嵩密度、安息角、圧縮度、スパチュラ角、均一
度、又は粘着度などがあるが、チョップド炭素繊維も、
粉体類似の挙動を示すものであり、チョップド炭素繊維
には、流動性の指標として、嵩密度や安息角が利用され
ている。
【0007】一方、チョップド炭素繊維の集束性の指標
として、攪拌前後での振動充填嵩密度比を利用するもの
がある。攪拌前後での振動充填嵩密度比は、特開平5−
261729号公報、特開平4−170435号公報な
どにおいて、チョップド炭素繊維の集束性や、ホッパー
部における繊維束の流動性の指標として用いられてい
る。
【0008】チョップド炭素繊維の流動性を改善するた
めに、チョップド炭素繊維のカットの方法やカットの条
件を工夫するものが、特開昭62−167011号公
報、特開平5−261729号公報などに記載されてお
り、ガラス繊維を含むチョップド繊維の物性を改善する
ものが特開昭58−213650号公報、特開昭64−
45857号公報、特公昭62−9541号公報、特開
平4−170435号公報などに記載されている。
【0009】これら公報には、嵩密度、攪拌前後での振
動充填嵩密度比が、チョップド炭素繊維の流動性の指標
となることが記載されている。
【0010】しかし、これら嵩密度や攪拌前後での振動
充填嵩密度比は、実用上、チョップド炭素繊維の流動性
の指標として利用するのに不適切な面が多々あった。
【0011】すなわち、嵩密度は、チョップド炭素繊維
が、単にサイジング剤により集束されている度合を示す
のみで、振動など外力による開繊され易さを反映してお
らず、チョップド炭素繊維の流動性を適切に表現してい
なかった。一方、攪拌前後での振動充填嵩密度比は、攪
拌前の振動充填嵩密度が低い場合、攪拌後の振動充填嵩
密度は低くなりにくく、その比が小さくなり、チョップ
ド炭素繊維が、流動性に優れることを示すようになり、
現実の状態を適切に表現していなかった。さらに、攪拌
前後での振動充填嵩密度はそれぞれ高い程良いことが知
られていたが、本発明者らは、これは必要条件に過ぎず
十分条件ではないこと、かかる振動充填嵩密度は、チョ
ップド炭素繊維の流動性と明らかな相関性がないことを
見いだした。
【0012】チョップド炭素繊維の流動性と、得られる
成形体の物性改善のため、サイジング剤を改良する試み
がなされている。種々の樹脂成分からなるサイジング剤
が従来より数多く提案されており、中でもエポキシ樹脂
を使用したサイジング剤は、その汎用性から、ポリウレ
タン樹脂と併用されたもの、その変性物を含むものな
ど、その例は多い。
【0013】液体状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂
を含むサイジング剤については、特開昭61−6661
6号公報や、特開平1−92234号公報などに開示さ
れており、エポキシ樹脂とポリウレタン樹脂を含むサイ
ジング剤については、特開昭62−110984号公
報、特開平1−162876号公報、特開平4−417
79号公報、特開平9−250087号公報、特開平1
0−1877号公報、特開平5−162132号公報、
特開平10−7840号公報、および特開平5−132
863号公報などに開示されている。なお、特開平5−
132863号公報に開示されているものは、これは扱
う炭素繊維が長繊維であり、かつその高次加工性の改善
を目的としたものである。
【0014】これら数多くの提案にもかかわらず、チョ
ップド炭素繊維の、ホッパーなどにおける流動性が充分
に改善されたものがなく、また、多様なマトリックス樹
脂と組合せてなる成形体の物性についても、満足される
ものがなかった。
【0015】特に最近のラージ・トウ炭素繊維(フィラ
メント数が50K以上の繊維束、従来の繊維束のフィラ
メント数は12〜24K)を使用する場合は、工程安定
性に係る製造コストが考慮され、チョップド炭素繊維の
集束性を高めると共に、流動性を改善することが強く要
望されている。
【0016】得られる成形体の物性改善のために、成形
体内部におけるチョップド炭素繊維の分散性を高めるこ
とが良いとされている。即ち、かかる分散性は成形体の
導電性や表面平滑性に影響を与えることが知られてお
り、単繊維が成形体内部でランダムに配向しており、そ
の分散性が高いことが好ましいとされている。
【0017】前記したようなサイジング剤を使用して
も、チョップド炭素繊維の集束性、流動性、得られる成
形体の物性は充分に改善されていない。従って、チョッ
プド炭素繊維の流動性を高め、樹脂組成物の生産安定性
を向上させた上で、得られる成形体においては、単繊維
がランダムに配向し、その物性が大きく向上するような
技術が強く求められている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特定の性状
を示すチョップド炭素繊維用サイジング剤、およびかか
るサイジング剤が付与されてなる、流動性に優れ、樹脂
組成物を製造する際の工程通過性が大幅に改善されたチ
ョップド炭素繊維、さらにかかるチョップド炭素繊維と
樹脂により成形されてなる、良好な物性を示す成形体を
提供せんとするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のサイジング剤は、次のいずれかの構成を有
する。即ち、主としてチョップド炭素繊維に使用される
サイジング剤であって、その特性が下式(1)及び
(2)を満足することを特徴とするサイジング剤、 0.78≦ FL ≦7.85 単位:MPa ・・・(1) 200≦ EL ≦2000 単位:% ・・・(2) FL:サイジング剤より作製した成形物の引張強度 EL:サイジング剤より作製した成形物の引張伸度 又は、液体状エポキシ樹脂、固体状エポキシ樹脂、及び
ポリウレタン樹脂を樹脂成分として含むサイジング剤で
あって、該樹脂成分が、下式(3)及び(4)を満足す
ることを特徴とするサイジング剤である。
【0020】 0.05≦ 液体状エホ゜キシ樹脂/固体状エホ゜キシ樹脂 ≦0.2 ・・・ (3) 0.05≦ ホ゜リウレタン樹脂/(液体状エホ゜キシ樹脂+固体状エホ゜キシ樹脂) ≦0.45 ・・・ (4) 単位:重量比(g/g) また、上記課題を解決するため、本発明によるチョップ
ド炭素繊維は、次の構成を有する。即ち、前記サイジン
グ剤が付与されてなるチョップド炭素繊維である。
【0021】さらに、上記課題を解決するため、本発明
による炭素繊維強化複合材料は、次の構成を有する。即
ち、前記チョップド炭素繊維を含む樹脂組成物が、加熱
にされ、成形されてなる炭素繊維強化複合材料である。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明者らは、かかる従来技術の
問題点に鑑み、サイジング剤の改善処方について鋭意研
究し、例えば、液体状エポキシ樹脂、固体状エポキシ樹
脂、及びポリウレタン樹脂を樹脂成分として含むサイジ
ング剤において、サイジング剤から作製して得られる成
形物の特性が特定範囲にあること、また、かかる樹脂成
分の混合比率を特定範囲とすること、さらにかかるサイ
ジング剤が付与されたチョップド炭素繊維の工程におけ
る流動性の指標として後述する開繊指数を採用して、開
繊指数を利用することによって前記した課題を一挙に解
決することを見い出した。
【0023】本発明のサイジング剤は、後述する方法で
作製して得られる成形物の特性が下式(1)及び(2)
を同時に満足することが必要であり、下式(1)及び
(6)を同時に満足することが好ましい。
【0024】 0.78≦ FL ≦7.85 単位:MPa ・・・(1) 200≦ EL ≦2000 単位:% ・・・(2) 200≦ EL ≦1000 単位:% ・・・(6) ここで、FL:サイジング剤より作製した成形物の引張
強度 EL:サイジング剤より作製した成形物の引張伸度 成形物の特性が上式(1)及び(2)を同時に満足しな
いと、サイジング剤が付与されたチョップド炭素繊維の
流動性が低下することがあり、さらにはコンパウンド工
程の生産性の低下を来し、製造コスト上、又は得られる
成形体の物性上、著しく不利益となるときがある。
【0025】本発明のサイジング剤は、エポキシ樹脂、
ウレタン変性エポキシ樹脂、エポキシ変性ウレタン樹
脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ビ
スマレイミド樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサ
ルホン樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアクリル
樹脂、及びポリウレタン樹脂からなる群から選ばれる少
なくとも1種の樹脂成分からなるものである。
【0026】本発明では、かかる樹脂成分の中でも、エ
ポキシ樹脂とポリウレタン樹脂を含むものが、汎用性の
観点からサイジング剤として好適に用いられる。エポキ
シ樹脂としては、アミン、フェノール、又は炭素炭素二
重結合から選ばれる官能基を有する化合物を前駆体とす
るエポキシ樹脂が挙げられる。
【0027】アミンを官能基として有する化合物を前駆
体とするエポキシ樹脂の具体例としては、テトラグリシ
ジルジアミンジフェニルメタン、トリグリシジル−p−
アミノフェノール、トリグリシジル−m−アミノフェー
ル、及びトリグリシジルアミノクレゾールからなる群か
ら選ばれる少なくとも1種のエポキシ樹脂が挙げられ
る。
【0028】フェノールを官能基として有する化合物を
前駆体とするエポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ
樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノ
ボラック型エボキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂、及びレゾルシノール型エポキシ樹脂からなる
群から選ばれる少なくとも1種のエポキシ樹脂が挙げら
れる。
【0029】炭素炭素二重結合を有する化合物を前駆体
とするエポキシ樹脂の具体例としては、グリシジルメタ
クリレートなどが挙げられる。
【0030】また、エポキシ樹脂は、室温25℃、1気
圧で液体状のエポキシ樹脂と、室温25℃、1気圧で固
体状のエポキシ樹脂を併用するのが好ましい。
【0031】液体状エポキシ樹脂としては、分子量が3
00〜500の、ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ルが好ましく用いられる。また、固体状エポキシ樹脂と
しては、分子量が2000〜4000の、ビスフェノー
ルAジグリシジルエーテルが好ましく用いられる。かか
る液体状エポキシ樹脂の市販品としては、”エピコー
ト”828、”エピコート”834(油化シェルエポキ
シ(株)製)、”アラルダイト”AER260(アサヒ
・チバ社製)などを使用することができる。また、かか
る固体状エポキシ樹脂の市販品としては、”エピコー
ト”1007、”エピコート”1009、(油化シェル
エポキシ(株)製、”アラルダイト”AER600
2、”アラルダイト”AER6004、”アラルダイ
ト”AER6049(アサヒ・チバ社製)などを使用す
ることができる。
【0032】本発明では、ポリウレタン樹脂は、その皮
膜伸度が1000%以上のものが好ましく用いられる。
この範囲以外であると、チョップド炭素繊維の集束性を
維持するのに多量のサイジング剤を要するようになり、
好ましくない。
【0033】かかるポリウレタン樹脂の市販品として
は、”スーパーフレックス”300、”スーパーフレッ
クス”370、”スーパーフレックス”E2000(以
上、第一工業製薬(株)製)、”ボンディック”221
0(大日本インキ(株)製)などを使用することができ
る。
【0034】本発明において、炭素繊維強化複合材料の
成形の際、マトリックス樹脂として使用する、後述する
ような熱可塑性樹脂は、加熱により前記ポリウレタン樹
脂と反応してわずかに劣化する傾向があるが、前記ポリ
ウレタン樹脂が、ノニオン性であると、かかる傾向を抑
止する効果があり好ましい。
【0035】したがって、前記ポリウレタン樹脂は、ノ
ニオン性であることに加え、下式(7)を満足すること
が好ましい。
【0036】 0.9≦ Mw1/Mw2 ≦ 1 ・・・(7) Mw1:複合材料成形時、加熱処理前のマトリックス樹脂
の分子量 Mw2:複合材料成形時、加熱処理後のマトリックス樹脂
の分子量 これにより、複合材料成形時の温度が、例えばマトリッ
クス樹脂としてポリカーボネートを使用する場合は、3
70℃以上の高温となっても、マトリックス樹脂の劣化
を効果的に抑止でき、得られる複合材料成形体の物性や
寸法安定性をより良好なものとすることができる。
【0037】なお、ポリウレタン樹脂の皮膜伸度の測定
法には、メーカー各社で若干の相違があるが、本発明で
は、ポリウレタン樹脂液を、平坦なプレート上に薄く延
ばした状態で、室温で24hr、80℃で6hr、次い
で120℃で20分間乾燥しすることにより形成される
長さ約100mm、幅約10mm、厚み約0.4mm、
のフィルムを、テンシロン引張試験機で200mm/分
の速度で引張試験して、その引張伸度を皮膜伸度とする
方法を採用する。
【0038】本発明では、サイジング剤が、液体状エポ
キシ樹脂、固体状エポキシ樹脂およびポリウレタン樹脂
を樹脂成分として含む場合、各樹脂成分の配合比は、下
式(3)及び(4)を同時に満足することが良く、下式
(5)及び(4)を同時に満足することが好ましい。
【0039】 0.05≦ 液体状エホ゜キシ樹脂/固体状エホ゜キシ樹脂 ≦0.33 ・・・ (3) 0.05≦ 液体状エホ゜キシ樹脂/固体状エホ゜キシ樹脂 ≦0.2 ・・・ (5) 0.05≦ ホ゜リウレタン樹脂/(液体状エホ゜キシ樹脂+固体状エホ゜キシ樹脂) ≦0.45 ・・・ (4) なお、上式(3)、(5)、及び(4)において、式の
単位は重量比(g/g)である。
【0040】各樹脂成分の配合比が、上式(3)及び
(4)を同時に満足しない場合は、このサイジング剤が
付与されたチョップド炭素繊維は集束性が悪化すること
があり、製造工程において、ホッパーなどでの流動性が
低下することがある。
【0041】本発明では、チョップド炭素繊維には、ア
クリロニトリル系、ピッチ系などの公知の炭素繊維が使
用できる。
【0042】また、チョップド炭素繊維の前駆体である
炭素繊維ストランドのフィラメント数は1,000〜1
50,000本が好ましい。フィラメント数が1,000
本未満であると、製造コストが上昇し、150,000
本を越えると製造コストが上昇するとともに、生産工程
における安定性が大きく損なわれることがある。
【0043】本発明では、炭素繊維としては、補修・補
強用途では引張強度3,000〜7,000MPa、引張
弾性率230〜600GPaの範囲のものが通常用いら
れる。なお、成形体が制電性付与、静電気防止、電波障
害防止などを目的とする用途の場合には、補強効果より
もその電気抵抗値が重視され、力学特性である引張強
度、引張弾性率がそれぞれ3,000MPa未満、23
0GPa未満のものも使用できる。なお、この際の炭素
繊維としては、その電気抵抗値が40Ω・cm以下のも
のを使用するのが好ましい。この電気抵抗値の下限値と
しては通常1×10-4Ω・cm程度となる。
【0044】また、繊維束の解舒性およびサイジング剤
を付与するまでの工程通過性を高めるなどのため、サイ
ジング剤が付与された炭素繊維ストランドを使用するこ
ともできる。
【0045】本発明のサイジング剤は、水分散液または
水溶液の態様で用いるのが好ましい。さらに、本発明の
サイジング剤は、エマルジョン液の態様で用いるのが、
工程通過性を高めるため好ましい。エマルジョン液の調
整にあたっては公知の方法が採用できる。具体的には、
各樹脂成分をエマルジョン液とした後に混合する方法、
各樹脂成分を混合した後にエマルジョン液とする方法、
有機溶媒に溶解して樹脂成分を乳化した後、実用上問題
にならない濃度まで有機溶媒を除去してエマルジョン液
とする方法などが利用できる。
【0046】本発明によるチョップド炭素繊維は、その
開繊指数を1.7以下の範囲とすることが好ましい。開
繊指数が1.7を越えると、チョップド炭素繊維の流動
性が悪くなることがある。なお、開繊指数は1.0あれ
ば、本発明の効果を奏するに当たって充分であることが
多い。
【0047】本発明では、開繊指数は次式で定義される
ものである。本発明者らは、この開繊指数が、チョップ
ド炭素繊維の流動性を適切に表現することを見い出すに
至り、本発明において、チョップド炭素繊維の流動性の
指標として採用した。
【0048】K= D1/D2 ここで、K :開繊指数 D1:攪拌前の振動充填嵩密度 D2:攪拌後の未振動充填嵩密度 攪拌前の振動充填嵩密度とは、チョップド炭素繊維に所
定の振動を与えた状態での嵩密度のことであり、攪拌後
の未振動充填嵩密度とは、チョップド炭素繊維に所定の
撹拌処理を施した後、所定の振動を与えない状態での嵩
密度のことである。具体的な測定法については後述す
る。
【0049】開繊指数は、チョップド炭素繊維の風送、
スクリュー搬送などによる移送性、攪拌性、及び開繊
性、即ち振動など外力を受けた後にチョップド炭素繊維
が開繊される度合や、流動性を低下させる原因となるフ
リーファイバーが生成する度合いを非常に良く表現する
ものである。
【0050】開繊指数は、使用するサイジング剤の種類
に最も大きく影響されるが、その他にもサイジング剤の
付与方法、繊維の切断に使用するカッターの種類や、切
断後、チョップド炭素繊維を乾燥処理する条件にも影響
を受ける。
【0051】本発明において、炭素繊維ストランドにサ
イジング剤を付与し、さらにチョップド炭素繊維とする
方法としては、例えば特公昭62−9541号公報にお
けるガラス繊維チョップドストランドで採用されている
方法や、例えば特開昭62−244606号公報や、特
開平5−261729号公報などの方法を適用すること
ができる。
【0052】具体的には、先ず、サイジング剤としての
エマルジョン液の付着率が、ストランド重量100重量
%に対して35重量%前後になるように、炭素繊維スト
ランドに付与し、次に、炭素繊維ストランドをロービン
グカッターによりカットしてチョップド炭素繊維とし、
その後、振動乾燥機で150〜280℃の条件で乾燥処
理する方法である。ここで、カットする際の炭素繊維ス
トランドは、切断容易化のため、ガイドや張力規制によ
って、その幅が5000〜20000デニール/mm幅に
なるよう調整するのが好ましい。 その他、振動、乾燥
処理の温度、風速、乾燥時間などの諸条件は、炭素繊維
の種類や使用する設備に応じて適宜調整することによ
り、サイジング剤の付着率を、繊維束の重量100重量
%に対して1.5〜3.5重量%とすることができるよ
うになり、好ましい。サイジング剤の付着率が1.5重
量%未満であると、流動性が低下することがある。サイ
ジング剤の付着率が3.5重量%を越えると、成形体内
部において、チョップド炭素繊維の分散性が低下し、成
形体の物性が悪化することがある。
【0053】また、本発明では、成形体のマトリックス
樹脂には主として熱可塑性樹脂を使用する。具体的に
は、ABS、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリフェニレンオキサイド、変性ポリフェニレンオ
キサイド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケ
トンなど、又はこれら樹脂よりなるポリマーアロイなど
が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、熱
硬化性樹脂が少量混在していても良い。
【0054】これら樹脂とチョップド炭素繊維との混合
比については、チョップド炭素繊維3〜70重量%に対
し、樹脂を97〜30重量%とするのが好ましく、97
〜50重量%とするのがより好ましく、97〜60重量
%とするのがさらに好ましい。
【0055】本発明によるチョップド炭素繊維より、成
形体、即ち炭素繊維強化複合材料を製造する方法として
は、加熱により成形する各種公知の方法が採用できる
が、代表的なものとしては射出成形法が採用される。
【0056】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。本実施例においては、サイジング剤などの評価
は下記の方法に依った。なお各実施例、比較例の結果は
表1、表2に纏めて示した。また、図1に各実施例、比
較例におけるサイジング剤の特性の相関図を示し、図中
にチョップド炭素繊維の流動性が良好となる範囲を示し
た。 (1)サイジング剤の特性の評価 A.エマルジョン液の調整 下記a)、b)の処方で作製したエマルジョン液を、樹
脂成分を基準として所定の配合比で混合し、撹拌して調
整する。ここで、重量%は、エマルジョン液全量に対す
る値である。 a)エポキシ樹脂のエマルジョン液の場合(固体状、液
体状共) 樹脂成分:30重量% 乳化剤 :ノニオン系の乳化剤を6重量% 水分 :64重量% ここで、撹拌後、エマルジョン粒子径は1μ以下、好ま
しくは0.5μ以下となるよう調整するのが良い。 b)ポリウレタン樹脂のエマルジョン液の場合 樹脂成分:30重量% 乳化剤 :自己乳化タイプのとき、添加なし強制乳化タ
イプのとき、ノニオン系の乳化剤を6重量% 水分 :64重量% ここで、撹拌後、エマルジョン粒子径は1μ以下、好ま
しくは0.5μ以下となるよう調整するのが良い。な
お、自己乳化タイプは0.1μ以下となるよう調整する
のが良い。 B.成形物の作成 測定するサイジング剤に対応するエマルジョン液を上記
A.の方法で調整し、固形分(樹脂成分+乳化剤)で約
20g(試験片6枚相当量)を型枠に流し込む。
【0057】次に熱風循環式乾燥機中150℃で、約3
時間、重量の減少がほぼ飽和するまで乾燥し、含有水分
をほぼ完全に除去し、厚み2〜3mmの板状の成形物を
作成する。得られた成形物から長さ約70mm、幅約1
0mm、厚み2〜3mmの試験片を切り出す。ここで、
試験片はできる限り厚みムラが少なく、気泡が含まれ
ないようにする。 C.引張試験 試験片の温度を25℃に保ち、テンシロン引張試験機
で、速度50mm/分、試長25mmの条件で、引張強
度と引張伸度を測定し、その単純平均値(n=5)を求
め、サイジング剤より作製した成形物の引張強度FL及
び引張伸度ELとする。 (2)開繊指数 チョップド炭素繊維M(g)(70g程度)を精秤し、
500mlメスシリンダーに入れる。次に、厚さ3〜4
mmのゴムシートを準備し、この上に高さ2.54cm
から落下させて、タッピング処理を約60回繰り返した
後、メスシリンダー内の繊維束の容量V1(ml)を読
みとる。
【0058】その後、メスシリンダー内の繊維を300
mlポリエチレン製のカップに移し、攪拌機で3分間攪
拌する。ここでは、攪拌機の回転数を400rpmと
し、攪拌翼には、図2に示す4枚翼マリーンを用いる。
【0059】撹拌後、水平面に対して約45゜に傾斜さ
せたメスシリンダーに繊維を入れ、そのまま垂直の位置
に戻し、メスシリンダー内の繊維束の容量V2(ml)
を読みとり、開繊指数Kを、次式により求める。
【0060】K=D1/D2 ここで、D1:攪拌前の振動充填嵩密度 D1=M/V
12:攪拌後の未振動充填嵩密度 D2=M/V2 (3)サイジング剤の付着率 チョップド炭素繊維約5gを、耐熱ガラス製の密閉が可
能な容器に入れ、120℃で3時間乾燥処理後、吸湿し
ないように注意しながら室温まで冷却し、精秤する(W
1(g))。次に、窒素雰囲気中450℃で15分間加熱
処理後、吸湿しないように注意しながら室温まで冷却
し、精秤する(W2(g))。サイジング剤の付着率を次
式により求める。
【0061】サイジング剤の付着率=(W1−W2)/W
2 (単位:重量%) (4)供給速度の変動率 チョップド炭素繊維約50kgを使用する。スクリュー
式フィーダーで供給量の設定を15kg/hrとし、1
0〜20分間の範囲の一定時間における供給量を測定し
(n=5)、その単純平均値と標準偏差を求める。次式
により、供給速度の変動率を求め、流動性の判断基準と
する。
【0062】なお、ここでは、スクリュー式フィーダー
として、Kトロン・スクリュー(25φ×30ピッチ)
を用いた。
【0063】供給速度の変動率(%)=(標準偏差/単
純平均値)×100 また、この変動率により、流動性を次のとおり判断し
た。 0%〜5% :良好(プロセス性に問題なし) 5%を越える:不良(プロセス性劣り、成形体の強化繊
維含有率Vfムラ発生) (5)成形体の物性評価 チョップド炭素繊維より、図3〜5に示す成形体を射出
成形して得る。これらを試験片(強化繊維含有率Vf=
15%)として、それぞれ次に示す方法により引張強
度、曲げ強度、アイゾット衝撃値を求める。
【0064】 測定雰囲気 :温度23℃ 湿度50% 引張試験 :ASTM D638−96 曲げ強度 :ASTM D790−96a アイゾット衝撃値:ASTM 256−93a なお、後述する実施例において使用したエマルジョン液
状のサイジング剤は下記のものである。
【0065】ユカレジンKE-116:吉村油化(株)製、エ
ピコート#834(エポキシ樹脂、分子量470)のエ
マルジョン液 ユカレジンKE307-2:吉村油化(株)製、エピコート#
1007(エポキシ樹脂、分子量2900)のエマルジ
ョン液 (6)複合材料成形時、加熱処理前後のマトリックス樹
脂分子量 マトリックス樹脂を有機溶媒に溶解させ、サイジング剤
をマトリックス樹脂100重量%に対して0.4重量%
加え、溶媒成分を乾燥除去後、窒素雰囲気下、複合材料
成形時の温度で10分間加熱処理を行い、加熱処理前後
のマトリックス樹脂の分子量をゲルパーミエーションク
ロマトグラフィで測定し、下式(8)により分子量保持
率を求める。
【0066】 分子量保持率=Mw1/Mw2 ・・・(8) Mw1:複合材料成形時、加熱処理前のマトリックス樹脂
の分子量 Mw2:複合材料成形時、加熱処理後のマトリックス樹脂
の分子量 (実施例1)液体状エポキシ樹脂のエマルジョン液であ
るユカレジンKE-116(吉村油化(株)製)、固体状エポ
キシ樹脂のエマルジョン液であるユカレジンKE307-2
(吉村油化(株)製)、及びポリウレタン樹脂のエマル
ジョン液であるSF300(第一工業製薬(株)製)を、そ
れぞれ9重量%、81重量%、及び10重量%となるよ
う混合し、3成分混合系からなるエマルジョン液状のサ
イジング剤(固形分6.3重量%)を調整した。
【0067】次に このサイジング剤を、フィラメント
数が70000本、総繊度が49500デニールのトウ
炭素繊維に、付着率が約35重量%になるように張力
2.5kgf/本、トウ幅5〜6mmで含浸させた後、
ロービングカッターで6mm長にカットし、次いで、振
動乾燥機で190℃で5分間乾燥し、サイジング剤の付
着率が2.1重量%のチョップド炭素繊維を得た。
【0068】このチョップド炭素繊維は、供給速度の変
動率が1.2%と、その流動性は良好であった。
【0069】また、このチョップド炭素繊維を用いたナ
イロン66樹脂使用の成形体の物性を評価した所、引張
強度1820kgf/cm2、曲げ強度2580kgf/cm2、アイ
ゾッド衝撃値5kgf・cm/cmとなりそれぞれ良好な物性を
示した。 (実施例2〜5)表1に示す組成のサイジング剤を調整
し、実施例1と同様にしてチョップド炭素繊維を得、供
給速度の変動率と成形体の物性を評価した所、良好な物
性を示した。 (実施例6)表2に示す組成のサイジング剤を調整し、
複合材料成形時に使用する樹脂としてポリカーボネート
樹脂を用いた以外は実施例1と同様にしてチョップド炭
素繊維を得、供給速度の変動率と成形体の物性を評価し
た所、良好な物性を示した。
【0070】ここで、複合材料成形時、加熱処理前後の
マトリックス樹脂分子量の評価は、次のようにして行っ
た。
【0071】マトリックス樹脂であるポリカーボネート
樹脂をテトラヒドロフランに溶解させ、表2に示すノニ
オン性のポリウレタン樹脂を用いたサイジング剤をマト
リックス樹脂100重量%に対して0.4重量%加え、
溶媒成分を乾燥除去後、窒素雰囲気下370℃で10分
間加熱処理した。
【0072】加熱処理前後のポリカーボネート樹脂につ
いて、テトラヒドロフランを溶出溶媒としてゲルパーミ
エーションクロマトグラフィーにより、ポリスチレン換
算での分子量評価を行ったところ、前述した式(8)で
示される分子量保持率は、0.94であった。
【0073】なお、本実施例では、ポリカーボネート樹
脂として、”パンライト”L-1250(登録商標、帝人化成
(株)製)を用いた。 (比較例1〜4)表1に示す組成のサイジング剤を調整
し、実施例1と同様にしてチョップド炭素繊維を得、供
給速度の変動率と成形体の物性を評価した所、供給速度
の変動率が10%を越えるようになり、また、成形体
は、いずれも強化繊維含有率にムラが認められ、物性に
バラツキが見られた。 (実施例7)表2に示す組成のサイジング剤を調整し、
複合材料成形時に使用する樹脂としてポリカーボネート
樹脂を用いた以外は実施例1と同様にしてチョップド炭
素繊維を得、供給速度の変動率と成形体の物性を評価し
た所、良好な物性を示した。
【0074】実施例6と同様にしてポリカーボネート樹
脂の分子量評価を行ったところ、前述した式(8)で示
される分子量保持率は0.79であり、実施例6の、ノ
ニオン性のポリウレタン樹脂を使用した場合と比べ、マ
トリックス樹脂の分子量低下が認められた。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、流動性に優れ、樹脂ペ
レットを製造する際の工程通過性が大幅に改善されたチ
ョップド炭素繊維、さらにかかるチョップド炭素繊維と
樹脂とにより成形されてなる、良好な物性を示す成形体
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】サイジング剤の特性の相関関係、及び成形体の
流動性が良好な範囲を示す図である。
【図2】開繊指数の測定に用いた攪拌翼の図である。
【図3】引張強度測定用の試験片の図である。
【図4】曲げ強度測定用の試験片の図である。
【図5】アイゾット衝撃値測定用の試験片の図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 15/00 D06M 15/72 //(C08L 63/00 75:04) D06M 101:40 Fターム(参考) 4F072 AB10 AB13 AB14 AB17 AC05 AC08 AC10 AC12 AE11 AH23 AL01 4J002 BG001 BH021 BJ001 CC031 CD051 CD061 CD191 CG001 CK001 CL001 CM041 CN031 DA036 FA046 GK02 4L033 AA09 AB01 AC12 AC15 CA49 CA50

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主としてチョップド炭素繊維に使用され
    るサイジング剤であって、その特性が下式(1)及び
    (2)を満足することを特徴とするサイジング剤。 0.78≦ FL ≦7.85 単位:MPa ・・・(1) 200≦ EL ≦2000 単位:% ・・・(2) FL:サイジング剤より作製した成形物の引張強度 EL:サイジング剤より作製した成形物の引張伸度
  2. 【請求項2】 液体状エポキシ樹脂、固体状エポキシ樹
    脂、及びポリウレタン樹脂を樹脂成分として含むことを
    特徴とする請求項1記載のサイジング剤。
  3. 【請求項3】 前記樹脂成分が、下式(3)及び(4)
    を満足することを特徴とする請求項2記載のサイジング
    剤。 0.05≦ 液体状エホ゜キシ樹脂/固体状エホ゜キシ樹脂 ≦0.33 ・・・ (3) 0.05≦ ホ゜リウレタン樹脂/(液体状エホ゜キシ樹脂+固体状エホ゜キシ樹脂) ≦0.45 ・・・ (4) 単位:重量比(g/g)
  4. 【請求項4】 前記ポリウレタン樹脂の皮膜伸度が10
    00%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載のサイジング剤。
  5. 【請求項5】 液体状エポキシ樹脂、固体状エポキシ樹
    脂、及びポリウレタン樹脂を樹脂成分として含むサイジ
    ング剤であって、該ポリウレタン樹脂の皮膜伸度が10
    00%以上であり、かつ該樹脂成分が、下式(5)及び
    (4)を満足することを特徴とするサイジング剤。 0.05≦ 液体状エホ゜キシ樹脂/固体状エホ゜キシ樹脂 ≦0.2 ・・・ (5) 0.05≦ ホ゜リウレタン樹脂/(液体状エホ゜キシ樹脂+固体状エホ゜キシ樹脂) ≦0.45 ・・・ (4) 単位:重量比(g/g)
  6. 【請求項6】 前記液体状エポキシ樹脂、及び固体状エ
    ポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビス
    フェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポ
    キシ樹脂、フェノールノボラック型エボキシ樹脂、クレ
    ゾールノボラックエ型ポキシ樹脂、及びレゾルシノール
    型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種
    であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載
    のサイジング剤。
  7. 【請求項7】 前記ポリウレタン樹脂がノニオン性であ
    ることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載のサ
    イジング剤。
  8. 【請求項8】 前記ポリウレタン樹脂が、下式(7)を
    満足することを特徴とする請求項7記載のサイジング
    剤。 0.9≦ Mw1/Mw2 ≦ 1 ・・・(7) Mw1:複合材料成形時、加熱処理前のマトリックス樹脂
    の分子量 Mw2:複合材料成形時、加熱処理後のマトリックス樹脂
    の分子量
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載のサイジ
    ング剤が付与されてなることを特徴とするチョップド炭
    素繊維。
  10. 【請求項10】 前記サイジング剤の付着率が1.5〜
    3.5重量%であり、かつ開繊指数が1.7以下の範囲
    にあることを特徴とする請求項9記載のチョップド炭素
    繊維。
  11. 【請求項11】 請求項9又は10記載のチョップド炭
    素繊維を含む樹脂組成物が、加熱され、成形されてなる
    ことを特徴とする炭素繊維強化複合材料。
JP36296399A 1999-02-18 1999-12-21 サイジング剤、及び該サイジング剤で処理されたチョップド炭素繊維 Expired - Fee Related JP4370652B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36296399A JP4370652B2 (ja) 1999-02-18 1999-12-21 サイジング剤、及び該サイジング剤で処理されたチョップド炭素繊維

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3982399 1999-02-18
JP11-39823 1999-02-18
JP36296399A JP4370652B2 (ja) 1999-02-18 1999-12-21 サイジング剤、及び該サイジング剤で処理されたチョップド炭素繊維

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000303362A true JP2000303362A (ja) 2000-10-31
JP4370652B2 JP4370652B2 (ja) 2009-11-25

Family

ID=26379227

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36296399A Expired - Fee Related JP4370652B2 (ja) 1999-02-18 1999-12-21 サイジング剤、及び該サイジング剤で処理されたチョップド炭素繊維

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4370652B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1241379A1 (en) * 2001-03-16 2002-09-18 The Goodyear Tire & Rubber Company Power transmission belt containing chopped carbon fiber
KR100507633B1 (ko) * 2002-09-27 2005-08-10 한국화학연구원 비스페놀-a/비스페놀-s 하이브리드 에폭시 수지 조성물
WO2014024768A1 (ja) * 2012-08-06 2014-02-13 ダイセルポリマー株式会社 熱可塑性樹脂組成物
CN103981715A (zh) * 2014-05-28 2014-08-13 航天材料及工艺研究所 用于碳纤维复丝拉伸性能测试的无溶剂型胶液及应用方法
CN104389177A (zh) * 2014-11-06 2015-03-04 江苏航科复合材料科技有限公司 一种碳纤维上浆剂及其上浆方法
JPWO2014081002A1 (ja) * 2012-11-26 2017-01-05 三菱レイヨン株式会社 チョップド炭素繊維束およびチョップド炭素繊維束の製造方法
CN113969504A (zh) * 2021-11-24 2022-01-25 中复神鹰碳纤维股份有限公司 具有高耐热性和耐磨性的碳纤维上浆剂及其制备方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1241379A1 (en) * 2001-03-16 2002-09-18 The Goodyear Tire & Rubber Company Power transmission belt containing chopped carbon fiber
KR100507633B1 (ko) * 2002-09-27 2005-08-10 한국화학연구원 비스페놀-a/비스페놀-s 하이브리드 에폭시 수지 조성물
WO2014024768A1 (ja) * 2012-08-06 2014-02-13 ダイセルポリマー株式会社 熱可塑性樹脂組成物
JP2014031482A (ja) * 2012-08-06 2014-02-20 Daicel Polymer Ltd 熱可塑性樹脂組成物
JPWO2014081002A1 (ja) * 2012-11-26 2017-01-05 三菱レイヨン株式会社 チョップド炭素繊維束およびチョップド炭素繊維束の製造方法
US9803066B2 (en) 2012-11-26 2017-10-31 Mitsubishi Chemical Corporation Chopped carbon fiber bundles and method for producing chopped carbon fiber bundles
CN103981715A (zh) * 2014-05-28 2014-08-13 航天材料及工艺研究所 用于碳纤维复丝拉伸性能测试的无溶剂型胶液及应用方法
CN104389177A (zh) * 2014-11-06 2015-03-04 江苏航科复合材料科技有限公司 一种碳纤维上浆剂及其上浆方法
CN113969504A (zh) * 2021-11-24 2022-01-25 中复神鹰碳纤维股份有限公司 具有高耐热性和耐磨性的碳纤维上浆剂及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4370652B2 (ja) 2009-11-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0183088B1 (en) Use of voids or fillers for fabricating shaped articles formed from polymers capable of exhibiting anisotropic melts
KR20070004726A (ko) 장유리 섬유로 강화된 조성물의 제조 방법 및 그로부터제조된 물품
TW296356B (ja)
JPS58127761A (ja) 有機繊維で強化された高比重複合材料
EP0459287B1 (en) Carbon fiber and carbon fiber-reinforced resin composition using it
JPH09217281A (ja) チョップドストランド用炭素繊維束およびその製造方法
JP3222512B2 (ja) 炭素繊維用サイジング剤
JP2000303362A (ja) サイジング剤、及び該サイジング剤で処理されたチョップド炭素繊維
JP4060831B2 (ja) チョップドストランド及び繊維強化ポリアセタール樹脂成形材料
CA1069636A (en) Thermoplastic nylon-phenoxy resin reinforced molding compositions
JPH0379663A (ja) ポリアミド樹脂組成物
JP2604778B2 (ja) マトリックス樹脂組成物
JP3024152B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物
JP2002138370A (ja) 炭素繊維チョップド糸及び繊維強化熱可塑性樹脂組成物
JPH1077350A (ja) 炭素繊維チョップドストランド
JP2538880B2 (ja) 射出成形用配合物
JP4749045B2 (ja) 変性ポリフェニレンエーテル樹脂成形材料用強化繊維の製造方法、及び繊維強化変性ポリフェニレンエーテル樹脂成形材料
DE69227704T2 (de) Verfahren zum Formen faserverstärkten thermoplastischen Polymeren Gegenstände
JP3145182B2 (ja) プリプレグ
JP2757454B2 (ja) 炭素短繊維集合体及びそれを配合してなる繊維強化熱可塑性樹脂組成物
US5430076A (en) Glass fiber strand for reinforcing a thermoplastic resin and process for preparing a fiber-reinforced resin product
JP2010100696A (ja) エポキシ樹脂組成物
JP2512028B2 (ja) 炭素短繊維集合体及びそれを強化材とする繊維強化熱可塑性樹脂組成物
JPH04153252A (ja) マトリックス樹脂組成物
EP3601654B1 (en) Manufacture of composite dispersion based resin-infused random fiber mat

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080410

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080422

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080619

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080619

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090811

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090824

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120911

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4370652

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120911

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120911

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130911

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees