明 細 書
発明 の名称
チ ョ ー ク コ ィ ノレ
技術分野
本発明は民生あ る い は産業用電子機器に使用 さ れ る高調波歪 対策及び力率改善用 な どに使用 さ れ る チ ョ ー ク コ ィ ルに関す る も の で あ る 。
背景技術
近年、 産業機器か ら家電機器に至 る小形化、 高性能化等の た め、 半導体応用機器の普及が進んで き て い る。 そ し て、 そ れ ら の機器に組み込ま れる 電源整流回路や位相制御回路な どは コ ン デ ン サが使用 さ れる た め、 こ の コ ン デ ン サ を充電す る大 き なパ ル ス状入力電流に よ っ て 、 送電線及び電力設備に高調波電流、 電圧歪を増加 さ せ、 悪影響を及ぼ し た り 、 機器の力率を大幅に 低下 さ せ る。 こ の高調波電流を抑制 し、 力率を改善す る 方法 と し て い ろ い ろ な方式が考え ら れて い る が、 そ の中で も交流 ラ イ ン に直列 ( ノ 一マ ル モ ー ド ) に チ ョ 一 ク コ ィ ル を挿入す る方式 が比較的簡単で安価な点か ら注目 さ れて い る 。
従来の高調波歪対策用 の チ ョ ー ク コ イ ル と し て は、 第 3 4 図 〜第 3 6 図の よ う な も のが知 ら れて い る 。 第 3 3 図〜第 3 5 図 は そ れぞれ従来の高調波歪対策用 の チ ョ ー ク コ ィ ル の分解斜視 図、 断面図、 等価回路を示 し て い る 。
同 図 に お い て 、 5 8 は フ ヱ ラ イ ト 材か ら な る U 型閉磁路磁 心、 5 9 は ゲ イ 素鋼板か ら な る E I 型閉磁路磁心、 6 0 は ボ ビ ン 、 6 1 , 6 2 は コ ィ ノレ 、 6 3 は樹脂ケ ー ス 、 6 4 は シ ー ル ド
ケ ー ス 、 6 5 は 注型樹脂、 6 6 は 分割鍔、 6 7 は 磁気 ギ ヤ ッ プ、 C は コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部、 N は ノ ー マ ル モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部を示 し て い る 。
上記高調波歪対策用 の チ ョ ー ク コ イ ルは 、 フ ヱ ラ イ ト 材か ら な る U 型閉磁路磁心 5 8 と ゲ イ 素鋼板か ら な る E I 型閉磁路磁 心 5 9 を組み合わせ、 こ の 2 つ の磁心 5 8 , 5 9 に ま た が る よ う に コ イ ル 6 1, 6 2 を 同 じ 巻数で 、 分割鍔 6 6 で分割 さ れた ボ ビ ン 6 0 に 巻線 し て 完成 さ せ て い る が、 こ の よ う な 構成 で は、 第 3 5 図 の等価回路 に示す よ う に異 な る 2 つ の閉磁路磁心 5 8, 5 9 は 別々 の磁路を形成 し 、 ゲ イ 素鋼板か ら な る E I 型 閉磁路磁心 5 9 に よ っ て は主 と し て ノ 一マ ル モ ー ド チ ョ ー ク コ ィ ル部 N が構成さ れ、 フ ラ イ ト 材か ら な る U型閉磁路磁心 5 8 に よ っ て は主 と し て コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部 C が構成 さ れ る 。 な お、 ゲ イ 素鋼板か ら な る 磁心 5 9 の E I 型の 中脚部 に 設 け ら れた磁気ギ ャ ッ プ 6 7 は、 ノ ー マ ル モ ー ド チ ョ ー ク コ ィ ル部 N の磁気飽和特性 を 向上 さ せ る た め の も の で あ る 。
高調波歪対策用 と し て の チ ョ ー ク コ イ ル は 一 般 に 、 数 m H オ ー ダ ー の非常 に大 き な ィ ン ダ ク タ ン ス 値 を ノ ー マ ル モ ー ド に 確保す る の と 同時 に、 実装 ス ペ ー ス や重量の低減が重要課題で あ る が、 第 3 3 図 に示す上記従来の高調波歪対策用 の チ ョ ー ク コ イ ル は 、 高調波歪対策 に必要 な ノ 一マ ル モ ー ド の ィ ン ダ ク タ ン ス 値を確保で き る の と 同時 に、 コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル の 機能 も 有 す る た め 、 高調波歪対策 と 同 時 に E M I 対策 が で き 、 こ れ ま で の電源回路 の フ ィ ル タ プ ロ ッ ク に設置 さ れて い た コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ルを 削除で き る た め実装 ス ペ ー ス も
稼 ぐ こ と がで き る と い う 利点を有 し て い た 。
し か し な が ら 、 従来 の高調波歪対策用 の チ ョ ー ク コ ィ ル は 、 磁気回路の構成上、 ゲ イ 素鋼板か ら な る 磁心 5 9 の E I 型の 中 脚部 の 幅 の 分 だ け コ イ ル 6 1 と コ イ ル 6 2 は 接近 で き な い の で、 コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部 C の コ ィ ノレ 6 1 と コ イ ル 6 2 の コ イ ル間 の結合係数 は低 く な り 、 フ ヱ ラ イ ト 材か ら な る 磁心 5 8 が磁気飽和 し や す く な り 、 こ の フ ユ ラ イ ト 材か ら な る 磁心 5 8 と し て 、 高飽和磁束密度 の 材料 を 選択 し な け れ ば な ら な い。 一般 に高飽和磁束密度の材料は 、 透磁率が低 い の で コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部 C が大形化す る と い う 欠点があ っ た。 ま た、 ノ ー マ ル モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部 N は ゲ イ 素鋼板か ら な る 5 9 の E I 型の 中脚部 に設 け ら れて い る 磁気ギ ャ ッ プ 6 7 か ら 非常 に大 き な リ 一ケ ー ジ フ ラ ッ ク ス が集中 し て発生 し 、 他の 部品 に悪影響 を及 ぼす原因 と な る 課題 を有す る も の で あ っ た 。 発明 の 開示
' 上記課題を解決す る た め に本発明 の チ ョ ー ク コ ィ ル は 、 閉磁 路 ま た は 開磁路を構成す る 第 1 の磁心 と 第 2 の磁心、 第 1 の コ ィ ノレ 、 第 2 の コ ィ ノレ、 第 3 の コ ィ ノレ か ら な る チ ョ ー ク コ イ ル に お い て 、 上記第 1 の コ イ ルを第 1 の磁心 に巻線 し 、 第 2 の コ ィ ルを第 2 の磁心 に巻線 し 、 さ ら に第 3 の コ イ ルを第 1 の磁心 と 第 2 の磁心 に ま た が る よ う に 巻線 し て構成 し た も の で あ る 。
上記 の よ う に第 3 の コ ィ ルを第 1 の磁心お よ び第 2 の磁心を ま た が る よ う に設 け た の で 、 コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ ィ ノレ部 C に あ っ て は、 コ イ ル間 の結合係数が高 く な り 、 こ の コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部 C の小形化が図 れ、 ま た 、 ノ ー マ ル モ ー ド
チ ョ ー ク コ イ ル部 N に あ っ て は 、 磁気 ギ ヤ ッ プか ら 発生す る リ ー ケ ー ジ フ ラ ッ ク ス を コ イ ル に よ っ て防止す る こ と が で き る た め、 小形で高性能の コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ ィ ル の機能を有 す る高調波歪対策用 の チ ョ ー ク コ イ ルを低 コ ス ト 、 かつ高品質 で提供す る こ と が で き る も の で あ る 。
図面の簡単な説明
第 1 図は本発明の チ ョ ー ク コ ィ ル の 一実施例の模式斜視図、 第 2 図は同磁気回路図、 第 3 図は同第 1 図の実施例の展開例の 模式斜視図、 第 4 図(a) , (b)は他の実施例の チ ョ ー ク コ イ ルの模 式斜視図およ び同磁気回路図、 第 5 図(a) , (b)は同他の実施例の チ ョ ー ク コ ィ ル の 模式斜視図およ び同磁気回路図、 第 6 図は同 他の実施例 の チ ョ ー ク コ イ ル の斜視図、 第 7 図 は 同模式斜視 図、 第 8 図は同断面図、 第 9 図は第 6 図の実施例の展開例の模 式斜視図、 第 1 0 図は第 1 図の実施例の展開例の模式斜視図、 第 1 1 図は第 4 図の実施例の展開例の模式斜視図、 第 1 2 図は 本発明の他の実施例の斜視図、 第 1 3 図は同模式平面図、 第 1 4 図は第 1 2 図の実施例 と 比較例 と の周波数特性比較図、 第 1 5 図は本発明の他の実施例の斜視図、 第 1 6 図は同模式平面図、 第 1 7 図は第 1 5 図の実施例 と 比較例 と の周波数特性比較図、 第 1 8 図は第 1 5 図の実施例の展開例の模式平面図、 第 1 9 図 は他の実施例の磁気回路図、 第 2 0 図は同斜視図、 第 2 1 図は 同模式斜視図、 第 2 2 図は U型積層鉄心の抜打 レ イ ァ ゥ ト 図、 第 2 3 図は同他の実施例のチ ョ ー ク コ ィ ル の磁気回路図、 第 2 4 図 は 同他 の実施例の チ ョ ー ク コ ィ ル の磁気回路図、 第 2 5 図 (a) , (b) , (c) は他 の実施例 の磁気回路図、 同要部 の脚部 の拡大
図、 第 2 5 図(b> の X - X '断面図、 第 2 6 図は同斜視図、 第 2 7 図は同模式斜視図、 第 2 8 図は第 2 5 図(a)の展開例の磁気回路 図、 第 2 9 図(a) , (b)は打ち 出 し突起を有す る積層鉄心の模式図 およ び唸 り 特性図、 第 3 0 図(a) , (b)は打ち 出 し突起を有す る積 層鉄心の模式図およ びィ ン ダ ク タ ン ス と 積層鉄心 と リ 一ケ ー ジ フ ラ ッ ク ス の関係を示す特性図、 第 3 1 図は第 2 5 図(a> の展開 例の磁気回路図、 第 3 2 図 は第 2 5 図(a)の展開例 の磁気回路 図、 第 3 3 図は従来の チ ョ ー ク コ イ ル の分解斜視図、 第 3 4 図 は 同断面図、 第 3 5 図は同等価回路図であ る。
発明 を実施す る た め の最良の形態
(実施例 1 )
以下、 本発明の一実施例を図面を用 いて説明す る 。 第 1 図〜 第 3 図 に おいて、 第 3 3 図、 第 3 4 図、 第 3 5 図に おけ る従来 例 と 同一の構成の部分に は同一番号を付 し て説明を省略 し て説 明す る と 、 ま ず、 第 1 図〜第 3 図は そ れぞれ本発明の一実施例 を示す高調波歪対策用 の チ ョ ー ク コ イ ル の模式斜視図、 磁気回 路図、 図 1 の実施例 の展開例 の模式斜視図で あ る 。 図 に お い て、 1 は U型 フ ェ ラ イ ト 材か ら な る 口 の字閉磁路磁心で あ る第 1 の磁心、 2 は U型ゲ イ 素鋼板か ら な る 口 の字閉磁路磁心で あ る第 2 の磁心、 3 a は第 1 の コ イ ル、 4 a は第 2 の コ イ ル、 5 a は第 3 の コ イ ル 、 7 は磁気ギ ャ ッ プ 、 A は ラ イ ン電流、 F i は 第 1 の コ イ ル 3 a に よ る磁束、 F 2は 第 2 の コ イ ル 4 a に よ る 磁束、 F 3は第 3 の コ イ ル 5 a に よ る磁束を示 し て い る 。
以下詳細に構成を説明す る と 、 ま ず、 第 1 の磁心 1 の一方の 磁脚 に第 1 の コ イ ル 3 a を、 第 2 の磁心 2 の一方の磁脚 に第 2
の コ イ ル 4 a を卷線す る 。 さ ら に、 第 3 の コ イ ル 5 a を上記第 1 の コ イ ル 3 a と 、 上記第 2 の コ イ ル 4 a を ま た が る よ う に上 記そ れぞれの磁脚間 に卷線す る 。 な お、 こ の卷線の方法は高周 波特性を 向上 さ せ る た め に分割巻を採用 し て も よ い。
こ こ で 、 第 1 の磁心 1 の 一方の磁脚 に卷線 し た第 1 の コ イ ル 3 a と 、 こ の上 に卷線 し た第 3 の コ イ ル 5 a は、 ラ イ ン電流 A に対 し て磁束 F 3が、 こ の一方の磁脚で相殺す る 方向 に巻 線を施 し て、 従来技術で示 し た第 3 5 図の等価回路 と 同様の主 と し て コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部 C を構成す る 。 ま た、 第 2 の磁心 2 の一方の磁脚 に巻線 し た第 2 の コ イ ル 4 a と こ の上 に 卷線 し た 第 3 の コ イ ル 5 a は 、 ラ イ ン 電流 A に 対 し て磁束 F 2 , F 3が、 こ の磁脚で相殺 し な い方向 に卷線を施 し て、 従来 技術 で示 し た 第 3 5 図 の 等価回路 と 同様 の主 と し て ノ 一マ ル モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部 N を構成す る 。 そ し て、 上記第 1 の コ ィ ル 3 a と 第 2 の コ イ ル 4 a を接铳 し て完成す る も の で あ る 。 な お、 第 2 の磁心 2 の一方の磁脚の突 き 合わせ面 に は、 ノ ー マ ル モ ー ド の磁気飽和特性を 向上 さ せ る た め磁気ギ ヤ ッ ブを設 け て も よ い。
以上の よ う に、 本実施例に よ れば、 本発明の等価回路は第 3 5 図の従来の等価回路 と 同一回路を構成で き る た め 、 従来 と 同様 の高調波歪対策用 の チ ョ ー ク コ ィ ル に必要な ノ 一マ ル モ ー ド の ィ ン ダ ク タ ン ス 値を確保で き る の と 同時に、 コ モ ン モ ー ド チ ヨ ー ク コ イ ル と し て の機能 も 付加で き る 。 こ の た め 、 高調波歪対 策 と 同時に E M I 対策がで き 、 こ れ ま で電源回路 の フ ィ ル タ ブ ロ ッ ク に設置 さ れて い た コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ルを 肖 U除で
る た め実装 ス ペ ー ス も 稼 ぐ ' こ と がで き る 。
さ ら に 、 本実施例の コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部 C に お い て は 、 第 1 の磁心 1 の一方の磁脚 に 巻線 し た第 1 の コ イ ル 3 a 第 3 の コ イ ル 5 a が上下巻線構造 に な り 、 ラ イ ン電流 A に対 し て磁束 F i, F 3が、 こ の一方の磁脚で相殺 さ れ る た め、 コ ィ ル間の結合を高 く で き る 。 こ の た め-、 磁心 1 の磁気飽和特性が 向上 し 、 磁心 1 の断面積を可変す る こ と で ィ ン ダ ク タ ン ス 値の 設定が、 巻線回数ゃ ノ 一 マ ル モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部 N の磁気 回路の設定 に影響 さ れ る こ と な く 自 由 に設定で き る 。 ま た、 磁 心 1 と し て、 従来の透磁率が低 く 高飽和磁束密度の材料 に かわ り 、 高透磁率の材料を選択で き る た め従来の約 2 〜 3 倍 の ィ ン ダ ク タ ン ス 値 を確保で き 、 大幅な小形化が可能で あ る 。 当然、
Φ口 合係数 の ア ッ プ は リ ー ケ - ジ フ ラ ッ ク ス の 低減 も 可能 と な る
こ の他、 コ モ ン お よ び ノ ー マ ル モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部 C ,
N の両部 に お い て、 1 つ の コ イ ル の巻線幅が 1 つ の磁脚分 と で さ る た め、 従来 に比べて長 く 巻 け、 分割巻線構造を採用 し た場 ム、 多分割巻線が可能 と な り 、 従来 に比べて浮遊容量の 小 さ な ィ ル を 提供 す る こ と が で き 、 高周 波特性 の 向 上 も 可能 と な る な お、 上記実施例 に お い て は第 1 の コ イ ル 3 a と 第 2 の コ ィ ル 4 a を接続 し て チ ョ ー グ コ イ ルを完成 さ せ た が、 第 2 の コ ィ ル 4 a と 第 3 の コ イ ル 5 a を接続 し て も 良 く 、 以下の実施例 に お い て も 同様で あ る 。
ま た 、 第 3 図 の他の実施例 の チ ョ ー ク コ イ ルは第 1 図 の実施
例 と 同様の構成を持つ も の で あ る の で説明 は省略す る 。
以下、 実施例 2 〜実施例 7 に つ い て説明 す る が実施例 1 と 同 一部分 は 同一番号を付 し て説明 を省略 し て説明 す る 。
(実施例 2 )
第 4 図(a)〜第 5 図(b)は本発明 の他 の実施例で あ る 第 2 の実施 例 を示す高調波歪対策用 の チ ョ ー ク -コ イ ル で あ り 、 第 1 図の実 施例 と 同一番号を付 し て説明 す る と 、 ま ず第 1 の磁心 1 の一方 の磁脚 に第 1 の コ イ ル 3 a を、 第 2 の磁心 2 の一方の磁脚 に第 2 の コ イ ル 4 a を巻線す る 。 さ ら に 、 第 3 の コ イ ル 5 b を上記 第 1 の磁心 1 の他方の磁脚 と 、 上記第 2 の磁心 2 の他方の磁脚 に ま た が る よ う に巻線す る 。 な お、 こ の巻線の方法は高周 波特 性を 向上 さ せ る た め に 分割巻を採用 し て も よ い。
こ こ で 、 第 1 の磁心 1 の一方の磁脚 に巻線 し た第 1 の コ イ ル 3 a と 、 他方の磁脚 に巻線 し た第 3 の コ イ ル 5 b は、 ラ イ ン電 流 A に対 し て磁束 F i, F 3が、 こ の閉磁路磁心内 で相殺す る 方 向 に巻線を施 し 、 ま た 、 第 2 の磁心 2 の一方の磁脚 に巻線 し た 第 2 の コ イ ル 4 a と 他方 の 磁脚 に 巻線 し た 第 3 の コ イ ル 5 b は 、 ラ イ ン電流 A に対 し て磁束 F 2, F 3カ 、 こ の 閉磁路磁心内 で相殺 し な い方向 に卷線を施 し て、 第 3 5 図の等価回路 と 同様 回路を形成す る と と も に、 コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部 じ お よ び ノ ー マ ル モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部 N を構成す る 。 そ し て、 上記第 1 の コ イ ル 3 a と 第 2 の コ イ ル 4 a を接続 し て完成す る も の で あ る 。 な お、 ノ ー マ ル モ ー ド の磁気飽和特性を 向上 さ せ る た め磁気ギ ヤ ッ プを設 け る の で あ れば、 第 2 の磁心 2 の一方 お よ び他方の磁脚 の突 き 合わ せ面 に磁気 ギ ヤ ッ プ 7 を均等 に設
け る 。
以上の よ う に、 本実施例に よ れば、 本発明 の等価回路は第 3 5 図の従来の等価回路 と 同一回路を構成で き る た め 、 従来 と 同様 の高調波歪対策用 の チ ョ ー ク コ ィ ル に必要な ノ 一マ ル モ ー ド の イ ン ダ ク タ ン ス 値を確保で き る の と 同時 に 、 コ モ ン モ ー ド チ ヨ ー ク コ イ ル と し て の機能 も 付加で き る 。 こ の た め 、 高調波歪対 策 と 同 時 に E M I 対策がで き 、 こ れ ま で電源回路の フ ィ ル タ ブ 。 ッ ク に設置 さ れて い た コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ルを 肖 IJ除で き る た め実装 ス ペ ー ス も 稼 ぐ こ と がで き る 。
さ ら に、 ノ ー マ ル モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部 N に お い て は 、 第 2 の磁心 2 の一方お よ び他方の磁脚が、 そ れぞれ巻線 さ れた第 2 の コ イ ル 4 a と 第 3 の コ イ ル 5 b に よ り 完全 な 内鉄型構造 に な り 封 じ込め ら れ、 ノ ー マ ル モ ー ド の磁気飽和を 向上 さ せ る た め に設 け ら れて い る 磁気ギ ヤ ッ ブ 7 も 封 じ込め ら れ、 さ ら に こ の磁気 ギ ャ ッ プ 7 が磁脚の突 き 合わせ面 に均等 に設 け ら れて い る た め磁心 2 内 で の磁束の均一が図 ら れ、 リ ー ケ ー ジ フ ラ ッ ク ス が大 き く 低減で き る 。
従 っ て 、 従来の高調波歪対策用 の チ ョ ー ク コ イ ル に リ ー ケ ー ジ フ ラ ッ ク ス 対策 と し て用 い た シ ー ル ド ケ ー ス 6 4 を 削除 し て も よ く 、 こ れ に と も な い絶縁 ケ ー ス 6 3 お よ び注型樹脂 6 5 も 削除で き 大幅 な低 コ ス ト 化 も 可能 と な る と と も に 、 削除 し て も 他の部品への悪影響や テ レ ビ セ ッ ト な ど の場合 に は、 画面揺れ な どを 防止で き る も の で あ る 。
こ の 他、 コ モ ン お よ び ノ ー マ ノレ モ ー ド チ ョ ー ク コ ィ ノレ部 C, N の両部 に お い て、 1 つ の コ イ ル の巻線幅が 1 つ の磁脚分 と で
き る た め 従来 に 比 べ て 長 く 巻 け 、 分割卷線構造 を 採用 し た 場 合、 多分割巻線が可能 と な り 、 従来 に比べて浮遊容量の小 さ な コ イ ル を提供す る こ と がで き 高周 波特性の 向上 も 可能 と な る 。
ま た 、 第 5 図の他の実施例 の チ ヨ ー ク コ イ ルは第 1 図 の実施 例 と 同様の構成を持つ も の で あ る の で説明 は省略す る 。
な お、 第 3 図、 第 5 図の チ ョ ー ク コ イ ル に お い て、 第 1 の磁 心 1 に ゲ イ 素鋼板、 第 2 の磁心 2 に フ ラ イ ト 材を用 い て 、 第 1 の コ イ ル 3 a と 第 3 の コ ィ ノレ 5 a ( 5 b ) に て ノ ー マ ノレ モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部 N 、 第 2 の コ イ ル 4 a と 第 3 の コ イ ル 5 a ( 5 b ) に て コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部 C を構成 し 、 第 1 の コ イ ル 3 a と 第 2 の コ ィ ノレ 4 a 、 も し く は第 1 の コ ィ ノレ 3 a と 第 3 の コ イ ル 5 a ( 5 b ) を接続 し て完成 さ せ て も 、 上述 と 同様の効果が得 ら れ る こ と は言 う ま で も な い。
(実施例 3 )
さ ら に 、 第 6 図〜第 9 図 は そ れぞれ本発明 の他の実施例で あ る 第 3 の実施例を示す高調波歪対策用 の チ ョ ー ク コ イ ル の斜視 図、 模式斜視図、 断面図お よ び展開例の模式斜視図で あ り 、 第 1 図 と 同一の部分 に は 同一番号を付 し て説明 す る と 、 3 , 4 , 5 は ボ ビ ン 、 6 は分割鍔を示 し て い る 。
ま ず、 第 1 の磁心 1 の一方の磁脚 に、 第 1 の コ イ ル 3 a を分 割鍔 6 で分割 さ れた ボ ビ ン 3 を介 し て巻線 し 、 第 2 の磁心 2 の —方の 磁脚 に は、 第 2 の コ イ ル 4 a を分割鍔 6 で分割 さ れた ボ ビ ン 4 を介 し て巻線す る 。 さ ら に 、 第 3 の コ イ ル 5 c を上記第 2 の磁心 2 の他方の磁脚 と 、 上記第 1 の磁心 1 の一方の 磁脚 に ま た が る よ う に分割鍔 6 で分割 さ れ た ボ ビ ン 5 を介 し て 巻線す
る o
こ こ で 、 第 1 の磁心 1 の一方の磁脚 に巻線 し た第 1 の コ イ ル 3 a と 、 こ の上 に巻線 し た第 3 の コ イ ル 5 c は、 ラ イ ン 電流 に 対 し て磁束が、 こ の 一方の磁脚 で相殺す る 方向 に 巻線を施 し 、 ま た 、 第 2 の磁心 2 の一方の磁脚 に巻線 し た第 2 の コ イ ル 4 a と 他方 の磁脚 に巻線 し た第 3 の コ イ ル 5 c は、 ラ イ ン電流 に対 し て磁束が、 こ の閉磁路磁心内で相殺 し な い方向 に卷線を施 し て 、 第 3 5 図 の等価回路 と 同様回路 を形成す る と と も に 、 コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部 C お よ び ノ ー マ ル モ ー ド チ ョ ー ク コ ィ ル部 N を構成す る 。 そ し て、 上記第 1 の コ イ ル 3 a と 第 2 の コ イ ル 4 a を接続 し て完成す る も の で あ る 。 な お、 第 2 の磁心 2 の一方お よ び他方の磁脚の突 き 合わせ面 に は、 ノ 一マ ルモ ー ド の磁気飽和特性を 向上 さ せ る た め の磁気ギ ヤ ッ プ 7 が均等 に 設 け ら れて い る 。
以上 の よ う に、 本実施例 に よ れば、 本発明 の等価回路 は第 3 5 図の 従来の等価回路 と 同一回路を構成で き る た め、 従来 と 同 様の高調波歪対策用 の チ ョ ー ク コ ィ ル に必要な ノ 一マ ル モ ー ド の ィ ン ダ ク タ ン ス 値 を 確保 で き る の と 同 時 に 、 コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル と し て の機能 も 付加 で き る 。 こ の た め 、 高調波 歪対策 と 同時 に E M I 対策がで き 、 こ れ ま で電源回路の フ ィ ル タ ブ 口 ッ ク に設置 さ れて い た コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ルを 肖 IJ 除で き る た め実装 ス ペ ー ス も 稼 ぐ こ と がで き る 。
さ ら に 、 上記第 1 、 第 2 の 実施例 の 特長 も 有 す る も の で あ り 、 即 ち 、 コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部 C に お い て は 、 第 1 の磁心 1 の一方の磁脚 に 巻線 し た第 1 の コ イ ル 3 a と 第 3 の コ
ィ ル 5 c が上下卷線構造に な り 、 ラ イ ン電流 に対 し て磁束が、 こ の磁脚で相殺 さ れ る た め、 コ イ ル間の結合を高 く で き る 。 こ の た め 、 磁心 1 の磁気飽和特性が向上 し 、 磁心 1 の断面積を可 変す る こ と で ィ ン ダ ク タ ン ス 値の設定が、 卷線回数ゃ ノ 一マ ル モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部 N の磁気回路の設定に影響 さ れ る こ と な く 自 由 に設定で き る 。 ま た、 磁心 1 と し て、 従来の透磁率が 低 く 高飽和磁束密度の材料 に かわ り 、 高透磁率の材料を選択で き る た め従来の約 2〜 3 倍の ィ ン ダ ク タ ン ス 値を確保で き 、 大 幅な小形化が可能で あ る 。
—方、 ノ ー マ ル モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部 N に お い て は 、 第 2 の磁心 2 の一方およ び他方の磁脚が、 そ れぞれ巻線 さ れた第 2 の コ イ ル 4 a と 第 3 の コ イ ル 5 c に よ り 完全 な 内鉄型構造に な り 封 じ込め ら れ、 ノ ー マ ル モ ー ド の磁気飽和を向上 さ せ る た め に設 け ら れて い る 磁気ギ ヤ ヅ ブ 7 も 封 じ込 め ら れ、 さ ら に こ の 磁気ギ ャ ッ プ 7 が磁脚 の突 き 合わせ面 に均等に設 け ら れて い る た め磁心 2 内 での磁束 の均一が図 ら れ、 リ 一ケ ー ジ フ ラ ッ ク ス が大 き く 低減で き る 。 そ し て、 そ の 効果 は 、 従来 の シ ー ル ド ケ ー ス 無 し の も の に 比 べ約 1 Z 5 、 シ ー ル ド ケ ー ス 有 り の も の に比べ約 1 Z 4 に低減で き る 。 こ の た め他の部品への悪影響や テ レ ビ セ ッ ト な どの場合 に は、 致命的 な欠陥で あ る 画面揺れ な ど を 大 き く 防止 で き る も の で あ る 。
そ し て 、 従来 リ ー ケ ー ジ フ ラ ッ ク ス 対策 と し て 用 い て い た シ ー ル ド ケ ー ス 6 4 も 削除 で き る た め 、 こ れ に と も な い 絶縁 ケ ー ス 6 3 お よ び注型樹脂 6 5 も 削除で き 大幅 な低 コ ス ト 化、 高周波特性の 向上が可能 と な る こ と や、 コ モ ン お よ び ノ ー マ ル
モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部 C, N の 両部 に お い て 、 1 つ の コ イ ル の巻線幅が 1 つ の磁脚分 と で き る た め従来に比べて長 く 卷け、 分割巻線構造を採用 し た場合、 多分割卷線が可能 と な り 、 従来 に比べて浮遊容量の小さ な コ ィ ルを提供す る こ と がで き 高周波 特性の 向上 も可能 と な る 。
第 9 図に も、 本発明の実施例を示す高調波歪対策用 の チ ョ ー ク コ イ ル の模式斜視図を示 し たが、 上述の本発明の第 3 の実施 例 と 同様の磁気回路構成であ り 、 同様の効果が得 ら れ る 。
ま た、 本発明 の実施例に おいて第 1 の磁心およ び第 2 の磁心 と し て高透磁率、 高磁気飽和力、 高周波化を狙い、 パ ー マ ァ ロ ィ 、 鉄 ダス ト 、 セ ン ダ ス ト 、 ア モ ル フ ァ ス等、 別々 の磁気特性 を持つ磁性材料を組み合わせ る か、 も し く は 3 種類以上の磁性 材料を組 み合わせ る か、 さ ら に は任意の形伏 を設定す る こ と で 、 ノ 一マ ル モ ー ド と コ モ ン モ ー ド の要求す る特性を選択す る こ と が可能で あ る。
特に、 本実施例において第 1 の磁心およ び第 2 の磁心 と し て 口 の字閉磁路磁心の構造につ い て の み示 し たが、 第 1 0 図、 第 1 1 図 に示す よ う に 日 の字およ び目 の字閉磁路磁心を用 いて、 こ の こ と に よ る効果を さ ら に拡大す る こ と が可能であ る 。
こ の第 1 0 図、 第 1 1 図の実施例を説明す る と 、 同図は そ れ ぞれ第 1 図、 第 4 図の実施例を応用 し た も の で あ り 、 フ ラ イ ト 材か ら な る 日 の字閉磁路磁心 1 a 、 ゲ イ 素網板か ら な る 曰 の 字閉磁路の第 2 の磁心 2 a ま た は、 目 の字閉磁路の第 2 の磁心 2 b に置き換え た も ので あ る 。 こ の よ う な構成で は、 第 1 の磁 心 l a は構造上、 口 の字閉磁路の も の に比べ磁束が分散 さ れ、
リ ー ケ ー ジ フ ラ ッ ク ス を低減で き る 。 一方、 第 2 の磁心 2 a の 場合 に は、 磁気ギ ャ ッ プを 中脚部 に構成で き る た め、 口 の字閉 磁路の も の に比べ磁気ギ ャ ッ プが設 け やす く 、 外脚部の溶接が 可能 に な る こ と で、 う な り 防止が強固に で き る 。 ま た、 ゲ イ 素 鋼板か ら な る 目 の字閉磁路の第 2 の磁心 2 b の場合 に は 、 両外 脚部を有す る た め、 こ の溶接が可能 に な る こ と で、 う な り 防止 が強固 に で き る の と 同 時 に 、 口 の 字閉磁路 の も の に 比 ベ リ 一 ケ ー ジ フ ラ ッ ク ス を大 き く 低減で き る 。
ま た、上記実施例に示 し た よ う に、 第 1 , 2, 3 の コ イ ルは鋦 線 に よ っ て形成す る ばか り で な く 、 銅箔等、 箔伏の材料で巻線 し て も 同等の効果が得 ら れ る こ と は言 う ま で も な い。
(実施例 4 )
以下本発明 の他実施例で あ る 第 4 の実施例 に つ い て、 第 1 2 図、 第 1 3 図 に よ り 説明 す る 。 同図 は チ ョ ー ク コ イ ル の 斜視 図、 模式平面図で あ り 、 第 6 図、 第 7 図 に示 し た実施例 1 を基 本 と し 、 よ り 具体化 し た も の で あ る 。
同図 に お い て フ ヱ ラ イ ト 材か ら な る 第 1 の磁心 1 の一方の磁 脚 に は第 1 の ボ ビ ン 8 が空隙を設 け ず密着 し て お り 、 こ れを介 し て第 1 の コ イ ル 3 a が巻線 さ れて い る 。 ゲ イ 素期板か ら な る 第 2 の磁心 2 の一方の磁脚 に は支持体 1 1 に よ り 空隙を設 け て 第 2 の ボ ビ ン 9 が設 け ら れて お り 、 こ れを介 し て第 2 の コ イ ル 4 a が卷線 さ れて い る 。 第 3 の ボ ビ ン 1 0 は第 1 の ボ ビ ン 8 の 外側 と 第 2 の磁心 2 の他方の磁脚を ま た ぐ よ う に し て支持体 1 1 に よ り 空隙を設 け て形成 さ れ、 こ れを介 し て第 3 の コ イ ル 5 c が卷線 さ れて い る 。
で、 第 1 の磁 、 1 の—方の磁脚に卷線 し た第 1 の コ イ ル
3 a と 、 こ の上に卷線 し た第 3 の コ イ ル 5 じ ほ、 ラ イ ン電流に 対 し て磁束が こ の一方の磁脚で相殺す る方向 に卷線を施 し て コ モ ン モ ー ド チ ヨ ー ク コ イ ンレ部 C を構成 し、 ま た、 第 2 の磁心 2 の一方の磁脚に卷線 し た第 2 の コ イ ル 4 a と 他方の磁脚 に巻線 し た第 3 の コ ィ ル 5 c は、 ラ イ ン電流に対 し て磁束が こ の閉磁 路磁心内で相殺 し な い方向に卷線を施 し て ノ ー マ ルモ ー ド チ ヨ ー ク コ ィ ル部 N を構成 し て い る。
即 ち、 上記実施例に おいて は、 第 1 の コ イ ル 3 a は第 1 の ボ ビ ン 8 を介 し て第 1 の磁心 1 に空隙を設けず密着 して巻かれる こ と に な る 。 こ の第 1 の コ イ ル 3 a と第 1 の磁心 1 を空隙を設けず密着 し た も の と 、 密着 してい な い も の (比較例) の浮遊容量 と 定格電 流を負荷 し た時の温度上昇の結果を表 1 に比較 し て示す。
表 1 か ら 明 ら か な よ う に、 本実施例 に よ る チ ヨ ー ク コ イ ル は、 浮遊容量低減の点で傻れた効果が得 ら れる 。 こ れは、 一般 的な チ ョ ー ク コ イ ル (図示 し な い) に おいては、 コ イ ル と 磁心 間に空隙を設けず密着 さ せ る と 、 コ イ ル一 磁心間の浮遊容量が 増加す る た め、 周波数特性が悪化す る の で、 比較例の ご と く 離 間させ る のが一般的であ る が、 こ の実施例の よ う な 2 磁心 3 巻
線構造の チ ョ ー ク コ ィ ルにおいては逆に コ ィ ル と 磁心を空隙を 設 け ず密着 さ せ る と 、 浮遊容量が低減で き る こ と が明 ら か に な っ た。 よ っ て、 特 に高周波特性が要求 さ れ る コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部 C の イ ン ピ ー ダ ン ス の周波数特性を改善す る こ と がで き 、 有効であ る。 そ の結果を第 1 4 図に示す。
ま た、 第 1 の ボ ビ ン 8 が フ ラ イ ト 材か ら な る第 1 の磁心 1 に空隙を設けず密着 し て い る た め第 1 の コ イ ル 3 a で発生 し た 熱がボ ビ ンか ら磁心へ効率よ く 伝達 さ れる た め温度上昇 も低減 さ れて い る。
以上の よ う に本実施例に よ れば、 コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ ィ ル部 C を形成す る フ ヱ ラ イ ト コ ア材か ら な る第 1 の磁心 1 の一 方の磁脚に巻線さ れた第 1 の コ イ ル 3 a を、 第 1 の ボ ビ ン 8 に 空隙を設けず密着させ る こ と に よ り 浮遊容量を低減 し周波数特 性を向上さ せ る こ と がで き 、 かつ温度上昇 も低減で き る も の で あ る。
(実施例 5 )
第 1 5 図、 第 1 6 図は本発明の第 5 の実施例を示すチ ョ ー ク コ イ ルの斜視図、 模式平面図を示 してい るが、 基本的には第 1 2 図、 第 1 3 図に示 し た実施例の改善例を図 っ た も のであ る 。 実 施例 4 の構成 と 異な る の は、 ゲ イ 素鍋板か ら な る 第 2 の磁心 2 の磁脚およ び第 1 の ボ ビ ン 8 の外側に接す る支持体 1 1 を無 く し て磁心に空隙を設けず密着す る よ う に し た点であ る。
即 ち、 本実施例に おいては、 第 1 の コ イ ル 3 a は第 1 の ボ ビ ン 8 a を介 し て第 1 の磁心 1 に空隙を設けず密着 し、 第 2 の コ ィ ル 4 a は第 2 の ポ ビ ン 9 a を介 し て第 2 の磁心 2 に空隙を設
けず密着 し 、 第 3 の コ イ ル 5 c は第 3 の ボ ビ ン 1 0 a を介 し て 第 2 の磁心 2 に空隙を設 け ず密着 し て い る こ と に な る 。
本実施例に よ る チ ョ ー ク コ イ ル と 比較例 と し た チ ョ ー ク コ ィ ル の浮遊容量 と 定格電流を負荷 し た時の温度上昇の結果を表 2 に比較 し て示す。
表 2
表 2 か ら 明 ら か な よ う に 、 本実施例 に よ る チ ョ ー ク コ イ ル は 、 浮遊容量 の 点で優 れ た効果 が得 ら れ る 。 よ っ て 、 コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部 C の ィ ン ピ ー ダ ン ス の周波数特性 も改 善 さ れて お り 、 そ の結果を第 1 7 図 に示す。
ま た温度上昇 も 、 第 1 の ボ ビ ン 8 a が第 1 の磁心 1 に 、 第 2 め ボ ビ ン 9 a と 第 3 の ボ ビ ン 1 0 a が第 2 の磁心 2 に空隙を設 け ず密着 し て い る た め ポ ビ ン か ら磁心への熱の伝達がな さ れ、 比較例に比べて温度上昇が低減さ れて い る。 さ ら に、 支持体 1 1 を取 り 除 い た 分だ け小形化で き 、 鋇線量が約 1 0 %程度削減 さ れ る た め コ ス ト を下げ る こ と がで き る 。
以上の よ う に本実施例 に よ れば、 第 4 の実施例 の コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部 C を形成す る フ ヱ ラ イ ト コ ァ 材か ら な る 第 1 の磁心 1 の み な ら ず、 ゲ イ 素鐧板か ら な る第 2 の磁心 2 の磁 脚 に巻線 さ れた第 2 の コ イ ル 4 a 、 第 3 の コ イ ル 5 c を 、 第 1 の磁心 1 ま た は第 2 の磁心 2 に空隙 を設 け ず密着 さ せ る こ と に
• よ り 、 浮遊容量を低減 し周波数特性を向上 さ せ る こ と がで き 、 温度上昇の低減、 小形化、 コ ス ト 削減 も で き る 。
な お、 第 1 8 図 に示す よ う に第 1 の ボ ビ ン 8 a の外側 に接す る 第 3 の ボ ビ ン 1 0 b に支持体 1 1 を設 け空気中 に熱を放散 さ せ る 効果を持たせ る こ と に よ り 、 温度上昇を さ ら に低減 さ せ る こ と も で き る 。
(実施例 6 )
第 1 9 図〜第 2 1 図 は、 本発明 の他の実施例を示す も の で あ り 、 基本的 に は第 6 図、 第 7 図 に示 し た実施例の性能の 向上を 図 る も の で あ る 。
同図 に おい て、 U型 フ ヱ ラ イ ト か ら な る 第 1 の磁心 1 の一方 の磁脚 に第 1 の コ イ ル 3 a を卷線 し 、 U型積雇鉄心か ら な る第 2 の磁心 2 c の一方の磁脚 に は第 2 の コ イ ル 4 a を卷線す る 。 さ ら に 、 第 3 の コ イ ル 5 c を第 2 の磁心 2 c の他方の磁脚 と 、 第 1 の磁心 1 の一方の磁脚 に ま た が る よ う に卷線す る 。
' こ こ で、 第 1 の磁心 1 の 一方の磁脚 に巻線 し た第 1 の コ イ ル 3 a と 、 こ の上 に巻線 し た第 3 の コ イ ル 5 c は ラ イ ン電流 A に 対 し て磁束 F 4が、 こ の一方の磁脚で相殺す る 方向 に卷回 し て、 コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部 C を構成す る。 ま た、 第 2 の磁心 2 c の一方の磁脚 に巻線 し た第 2 の コ イ ル 4 a と 他方の磁脚 に 卷線 し た第 3 の コ イ ル 5 c は、 ラ イ ン電流 A に対 し て磁束 F 5 がー方方向 に 発生す る よ う に巻回 し 、 高調波歪対策用 の ノ ー マ ル モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部 N を構成す る 。 そ し て、 上記第 1 の コ イ ル 3 a と 第 2 の コ イ ル 4 a を接続 し て 完成 す る も の で あ 。
第 2 2 図は、 第 1 9 図〜第 2 1 図に示 し た第 2 の磁心 2 c を 構成す る U型積層鉄心の打ち抜き レ イ ァ ゥ ト 図を示 し て お り 、 ま ず、 パ イ 口 ッ ト 穴 1 2 を形成 し、 次に加締め分離穴 1 3 を形 成す る 。 こ れは、 積層枚数が例えば 1 0 枚な ら ばそ の 1 枚に対 して行 う 。 さ ら に、 加締め分離穴 1 3 の形成を行わな い も の に 対 し て、 加締め用突起部 1 4 を形成 し、 最終的に斜線を付 し た U型鉄心 2 c 1 を打ち抜き落 と し込み、 積層す る の と 同時に重 な る上下の加締め用突起部 1 4 と こ の没部を嵌め合わせ、 所要 枚数、 例えば 1 0 枚ずつ 一体化す る。 一方、 他方の斜線を付 し て い な い方の分離さ れた U型鉄心 2 c 1 は、 メ カ ニ カ ル チ ヤ ッ ク 及び永久磁石 1 5 等で右方ス ト ッ パ ー 1 6 ま で移動せ し め ら れ、 所要枚数ずつ 一体化さ れ る。
なお、 上記の よ う に加締め分離穴 1 3 形成の行程を追加 し な く と も、 加締め用突起部 1 4 形成時、 積層所要枚数毎に ポ ン チ が深 く 下降 し て突起部 1 4 を形成せずに打ち抜いて加締め分離 穴 1 3 を形成 して も よ い。 さ ら に、 加締め分離穴 1 3 を形成せ ずに、 加締め 用突起部 1 4 の嵌合 を所要枚数毎 に行 っ て も よ い o
特に、 こ こ で示 し たパイ ロ ッ ト 穴 1 2 、 加締め用突起部 1 4 の数、 位置、 方向 につ い て は あ く ま で も例にす ぎず、 生産性や 特性面か ら最 も適切な条件を決定すればよ い。
以上の積層鉄心を U字状 と す る と と も に、 一方の脚部を短 く し て、 打ち抜 き 時 2 枚の鉄心を一対 と し て組み合わせ る こ と が 可能 と な り 、 打ち抜き ロ ス を な く す こ と が で き る も の で あ る 。
し か し なが ら 、 両脚部 1 7 , 1 8 の長さ のパ ラ ン ス が崩れる
た め 、 フ リ ン ジ ン グ リ ー ケ ー ジ フ ラ ッ タ ス が発生す る 磁気ギ ヤ ッ プの位置が巻線 し た コ イ ル の 中央部か ら 外れ る こ と と 、 両磁 脚か ら の リ ー ケ ー ジ フ ラ ッ ク ス が交差す る 部分で パ ラ ン ス 良 く 打ち 消 さ な い た め、 リ ー ケ ー ジ フ ラ ッ ク ス が大量 に発生す る こ と が懸念 さ れた が、 本実施例 に お い て は、 積層鉄心か ら な る 第 2 の磁心 2 c の両磁脚 を コ イ ルで卷回 し て リ ー ケ ー ジ フ ラ ッ ク ス を大 き く 低減で き る こ と がで き た。 こ の た め、 T V等 に使用 し て も 、 致命的 な欠陥で あ る 画面揺れは発生せ ず、 高価 な磁気 シ ー ル ド対策を施 さ な く て も よ い こ と が確認 さ れた。
従 っ て、 最重要構成部分で あ る 積層鉄心か ら な る 磁心 を安価 に得 ら れ る と と も に、 リ ー ケ ー ジ フ ラ ッ ク ス の低減 も 図 る こ と がで き た。
な お、 本実施例に お い て は 、 第 3 の コ イ ル 5 c を第 1 お よ び 第 2 の磁心 1 , 2 c に ま た が る よ う に卷回 し た も の に つ い て述 ベて き た が、 積層鉄心を用 い る チ ョ ー ク コ イ ル で あ れば、 他の も の に も 用 い る こ と がで き る 。 第 2 3 図、 第 2 4 図は、 こ の よ う な チ ョ ー ク コ イ ル の実施例で あ り 、 同図を用 い、 上記実施例 で は本説明 の積層鉄心の形状 も あ わせ て詳細 に説明 す る 。
第 2 3 図は U型積層鉄心か ら な る 磁心 2 d の脚部 1 7 と 脚部 1 8 の長 さ の差を ヨ ー ク 部 1 9 の幅 と し 、 窓部 2 0 の幅 を脚部 1 7 , 1 8 の幅 と し た 同 じ 2 つ の鉄心の上記両脚部 1 7 , 1 8 の各端面同士を磁気ギ ヤ ッ プ 7 を設置 し な が ら 突 き 合わ せて、 閉磁路が形成 さ れ る よ う に組み合わせ て単相 2 脚型積層鉄心か ら な る 磁心を形成 し た。 こ の磁心 2 d の両磁脚 に連続 し て コ ィ ル 3 を ラ イ ン電流 A に対 し て磁束 F 6が一方方 向 に 発生 す る よ
う に卷線 し、 チ ョ ー ク コ イ ルを完成す る も の で あ る 。 な お、 脚 部 1 7 , 1 8 か ら な る 磁脚 と 磁気ギ ャ ッ プ 7 に は コ イ ル 3 を卷 回 し 、 リ ー ケ ー ジ フ ラ ッ ク ス を低減 し て い る 。
第 2 4図の も の は、 第 1 図 と 同 じ積層鉄心か ら な る 磁心 2 d を用 いて、 こ の磁心 2 d の両磁脚に そ れぞれ コ イ ル 4を卷線 し、 こ の時 そ れぞれの コ イ ル 4 は ラ イ ン -電流 A に対 し て磁束 F 7 が 一方方向 に発生す る よ う に卷回 し て チ ョ ー ク コ ィ ルを完成す る も の で あ る 。
ま た、 以上の本実施例 に お い て、 第 2 3 図 に示 し た チ ョ ー ク コ イ ル に対 し て、 第 1 9図、 第 2 4図 に示す チ ョ ー ク コ イ ル の よ う に 、 A C入力 ラ イ ン の両側に チ ョ ー ク コ イ ルを挿入で き る コ イ ル巻線構造 に す る こ と に よ り 、 周波数が数 1 0 0 k H z 帯 域で の ノ イ ズ減衰 ( E M I 対策) の効果が現れ る 。 こ れ は、 第 2 3 図 に 示 す チ ョ ー ク コ イ ル で は 、 A C ラ イ ン の 片側 に し か チ ョ ー ク コ イ ルを挿入で き な い コ イ ル卷線構造の た め、 も う 片 側の ラ イ ン か ら ノ イ ズがパ ス す る た め で あ る 。
表 3 に は、 本実施例の第 2 3図に示すチ ョ ー ク コ イ ル と 第 2 4 図 に示す チ ョ ー ク コ イ ル の 1 5 0, 5 0 0 , 7 0 0 k H z で の ノ ィ ズ減衰量を示 し た。
表 3
の結果、 第 2 4図 に示す チ ョ ー ク コ イ ル の ノ イ ズ減衰量は
第 2 3 図に示す チ ョ ー ク コ イ ル に比べて 1 〜 4 d B 効果があ つ た。
(実施例 7 )
以下、 本発明の他の実施例を第 2 5 図(a>〜第 2 7 図に よ り 説 明す る 。 本実施例は、 第 7 図の実施例の性能向上を狙 っ た も の であ る 。
同図 に よ る と 、 2 e は U型積層鉄心か ら な る 第 2 の磁心、 F 8 , F 9は磁束、 0 , P は積層鉄心固着用 の打ち 出 し突起部を 示 し てお り 、 ま ず、 U型 フ ヱ ラ イ ト か ら な る第 1 の磁心 1 の一 方の磁脚に第 1 の コ イ ル 3 a を巻線 し、 そ して、 打ち 出 し突起 部 0, P によ り 固着さ れた U型積層鉄心か ら な る第 2 の磁心 2 e を用 い、 こ の磁心 2 e の一方の磁脚に は第 2 の コ イ ル 4 a を卷 線す る 。 さ ら に、 第 3 の コ イ ル 5 c を第 2 の磁心 2 e の他方の 磁脚 と 、 上記第 1 の磁心 1 の一方の磁脚に ま たがる よ う に卷線 す る。 こ こ で 、 第 1 の磁心 1 の一方の磁脚に卷線 し た第 1 の コ ィ ル 3 a と 、 こ の上に卷線 し た第 3 の コ イ ル 5 c は ラ イ ン電流 A に対 し て磁束 F 8が、 こ の一方の磁脚で相殺す る 方向 に巻回 して、 コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部 C を構成す る。 ま た、 第 2 の磁心 2 e の一方の磁脚に巻線 し た第 2 の コ イ ル 4 a と 他方 の磁脚 に巻線 し た第 3 の コ イ ル 5 c は、 ラ イ ン電流 A に対 して 磁束 F 9がー方方向 に発生す る よ う に巻回 し、 高調波歪対策用 の ノ ー マ ル モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部 N を構成す る 。 そ し て、 上 記第 1 の コ イ ル 3 a と 第 2 の コ イ ル 4 a を接続 し て完成す る も の であ る。
こ こ で 、 第 2 の磁心 2 e は、 両方の脚部 2 1 の長 さ の差を
ヨ ー ク 部 2 2 幅 と し て い る た め鉄心の打ち抜き 時、 2 枚の鉄心 を一対 と し て組み合わせ る こ と が可能 と な り 、 打ち抜き ロ ス を な く す こ と がで き る特長を有す る も の であ る。
こ の第 2 の鉄心 2 e は、 所定形状に打ち抜い た多数枚の鉄心 薄板の表裏に そ れぞれ形成さ れた、 例えば V字状の打ち 出 し突 起 0 , P に よ り 積層固着さ れてお り 、 そ し て こ の打ち 出 し突起 0, P は、 ヨ ー ク部 2 2 の両サイ ド : コ イ ルを卷線する脚部 2 1 と に そ れぞれ 1 個ずつ設け、 さ ら に上記 コ イ ルを卷線す る脚部 2 1 に設けた打ち 出 し突起 P は、 流れ る磁束 F 9の 方 向 に 対 し て、 外形の長手方向を垂直に設け、 ヨ ー ク 部 2 2 の両サ イ ド に 設けた打ち 出 し突起 0 は、 窓部 2 3 か ら みてハの字状方向に設 けてい る
なお、 上記実施例に おいて は、 E M I 対策用 の コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ルの機能を有す る 、 高調波歪対策用 の チ ョ ー ク コ ィ ルに つ いて説明 し たが、 上記打ち 出 し突起は、 こ れに限 ら ず 通常の チ ヨ ー ク コ イ ルにつ いて も適用で き る。
以下、 第 2 8 図によ り 説明す る。
第 2 8 図は、 打ち 出 し突起 Q , R に よ り 固着さ れた U型の積 層鉄心を用 い、 そ れぞれの両方の脚部 2 4 の突き 合わせ面に磁 気飽和特性を向上さ せ る た め の磁気ギ ヤ ッ ブ 7 を設け積層鉄心 か ら な る 閉磁路磁心 2 f を形成 し、 こ の磁心の両方の脚部に そ れぞれ コ ィ ル 5 を巻線 し、 チ ョ ー ク コ イ ルを完成 さ せ る も の で あ 。。
こ こ で積層鉄心か ら な る磁心 2 f は、 所定形状 に打ち抜い た 多数枚の鉄心薄板の表裏に そ れぞれ形成さ れた、 例え ば V字状
の打ち 出 し突起 M, N に よ り 積層固着さ れてお り 、 そ し て こ の 打ち 出 し突起 Q, R は、 ヨ ー ク 部 2 5 の両サイ ド と コ イ ルを卷 線す る脚部 2 4 と に そ れぞれ 1 個ずつ設け、 さ ら に上記 コ イ ル 5 を施 し た脚部 2 4 に設 け た打 ち 出 し 突起 N は 、 流れ る 磁束 F 1 C)の方向に対 し て外形の長手方向を垂直に設けて い る 。
な お、 第 2 5 図お よ び第 2 8 図で の打 ち 出 し突起 0 , P , Q, R は、 ヨ ー ク 部 2 2 , 2 5 の両サ イ ド と 脚部 2 1 , 2 4 と に そ れぞれ 1 個ずつ設置 し、 さ ら に上記 コ イ ルを卷線す る脚部 2 1 , 2 4 に設置 し た打ち出 し突起 P , R を、 流れる磁束 F 9, F 1 C)方向 に対 し て外形の長手方向を垂直に設置さ えすれば、 打 ち 出 し突起形伏は選ばな い。
ま た打ち 出 し突起 0, P, Q , R の嵌合固着面で も、 各積層 鉄板に形成 し た打ち出 し突起を、 打ち抜き型内で順次重ねて係 合 さ せ、 連铳 し た半か し め状態で取 り 出 し、 再び積層方向 に押 圧 して完全なか し め状態に して完成 して も いい し、 も し く は突 起を形成 し た各積層鉄板を、 打ち抜 く と 同時に金型内で完全な か し めを行い、 順次完成させて も よ い。
こ こ で 、 上記構成が有す る効果に つ いて は、 第 2 9 図(a>〜第 3 0 図(b)に よ り 以下に説明す る。
第 2 9 図(a)に は、 従来技術に よ る打ち 出 し突起およ び本実施 例の打ち 出 し突起を持つ積層鉄心の模式図を示 し た。 こ こ で 、 従来技術に よ る積層鉄心を固着す る 目的で設け ら れた打ち 出 し 突起は、 積層鉄心を流れる磁束に対 して磁気抵抗を増大 さ せ、 磁気特性の低下を招 き 、 チ ョ ー ク コ イ ル に必要な ィ ン ダ ク タ ン ス を確保す る た め に は大形化す る 、 損失が増大 し温度上昇が大
き く な る 、 ま た リ ー ケ ー ジ フ ラ ッ ク ス が大き く な る等の チ ョ ー ク コ イ ル の特性の低下を懸念 して、 こ れ ら の磁気特性の低下を な る べ く 小さ く す る た め に、 外形の長手方向を磁束に対 し て水 平に設 け ら れて い る 。 こ れ と は逆 に本実施例の打 ち 出 し突起 は、 外形の長手方向を磁束に対 し て垂直に設けて い る。
第 2 9 図(b)に は上記打ち 出 し突起に よ り 積雇さ れた U型積層 鉄心を磁気ギ ャ ッ プを設け な が ら閉磁路磁心を構成 し、 こ の磁 脚に コ イ ルを卷線 し た モ デルチ ョ ー ク コ イ ル サ ン ブルの磁心の 振動加速度 (唸 り ) を示す。
そ の結果、 同 じ打ち 出 し突起数で比較す る と 、 本実施例の積 層鉄心の振動加速度は、 従来技術の も の に比べ約 1 0 %低減で き る。 こ れは、 本実施例の打ち 出 し突起が、 有効に積靥鉄心の 唸 り を抑制で き る こ と を示 し て い る。 そ し て こ れは、 積靥鉄心 か ら成 る閉磁路磁心の卷線を施 し た磁脚部分 ( コ イ ルを卷線 し て い る ) 、 つ ま り 積層鉄心で最 も磁束密度が高 く 、 唸 り の発生 原因であ る励磁電流に よ り 吸引方向 に生 じ る振動、 及び磁気歪 振動が発生 し易い部分に設けた打ち 出 し突起が、 磁束の流れに 対 し て大 き な面積で固着で き る 安定 し た (振動抑制力 が大 き い) 構造であ る た め と 考え ら れ る。
従 っ て こ の こ と は、 高調波歪対策用 の チ ョ ー ク コ イ ル に用 い る積層鉄心の よ う に、 取 り 付け ら れた A C ラ イ ン を流れ る大き なパ ル ス入力電流に よ る磁束が誘起 さ れる こ と に起因す る積層 鉄心か ら な る磁心の唸 り 問題を抱え た も の に は非常に有効であ る
し か し なが ら、 こ の本実施例の打ち 出 し突起の設置構造が振
動抑制力 が大 き く で き る も の の 、 積靥鉄心を流れ る 磁束 に対す る 磁気抵抗 が従来技術 の 打 ち 出 し 突起 の 構造 よ り 大 き く 増加 し 、 磁気特性の低下を招 き 、 チ ョ ー ク コ イ ル の特性に必要な ィ ン ダ ク タ ン ス が低下す る 、 損失が増大 し 温度上昇 が大 き く な る 、 リ ー ケ ー ジ フ ラ ッ ク ス が大 き く な る 等 の 欠陥 が懸念 さ れ る 0
第 3 0 図(a), (b)に、 第 2 9 図 と 同 じ モ デ ルチ ョ ー ク コ イ ルサ ン プ ル の ィ ン ダ ク タ ン ス 値、 積層鉄心の温度上昇、 リ 一ケ ー ジ フ ラ ッ ク ス を示 し た。
そ の結果、 本実施例 の積層鉄心を磁心 と し て用 い た チ ョ ー ク コ イ ル の イ ン ダ ク タ ン ス値、 積層鉄心の温度上昇、 リ ー ケ ー ジ フ ラ ッ ク ス は従来 と 同程度で あ っ た。 こ れは、 積層鉄心か ら成 る 閉磁路磁心の磁路内 に磁気飽和特性向上の 目 的で設け ら れた 磁気ギ ヤ ヅ ブ を必要 と す る チ ョ ー ク コ イ ル の場合 に は、 積層鉄 心 の磁気特性は、 こ の磁気ギ ャ ッ プ部分で決定す る た め と 考え ら れ る 。 従 っ て、 懸念 さ れた本実施例の積層鉄心の磁気特性の 低下 に よ る チ ョ ー ク コ ィ ル の 特性低下 の な い こ と が明 ら か に
7よ っ た 。
さ ら に第 2 9 図に お い て、 本実施例の積層鉄心の振動加速度 (唸 り ) が、 打 ち 出 し突起数 4 個以上で は ほ ぼ一定で あ り 、 さ ら に本実施例 の積層鉄心の打 ち 出 し突起数が 4 個 の も の の振動 加速度は、 従来技術の打ち 出 し突起数が 5 個の も の に比べて小 さ な値を示す こ と が明 ら かに な っ た。
以上の こ と か ら 、 本実施例 に おい て、 チ ョ ー ク コ イ ル に用 い る 積層鉄心の積層固着の 目 的で設 け ら れた打 ち 出 し突起 は、 最
も適切な数で、 そ の特長であ る積層鉄心を強固に連結で き る利 点を生かせ る 。
そ し て、 こ の磁気振動抑制力が大き い打ち 出 し突起の配置構 造に よ り 、 積雇鉄心を流れる磁束に対す る磁気抵抗が、 従来技 術の打ち 出 し突起設置構造よ り 大き く 増加 し磁気特性が低下 し て、 必要な ィ ン ダ ク タ ン ス を確保す る た め に は大形化す る、 損 失が増大 し温度上昇が大き く な る、 リ ー ケ ー ジ フ ラ ッ ク ス が大 き く な る 等の チ ョ ー ク コ ィ ル特性の大 き な低下が懸念 さ れた が、 積層鉄心か ら成る 閉磁路磁心の磁路内 に磁気飽和特性向上 の 目的で設け ら れた磁気ギ ャ ッ プを必要 と す る チ ョ ー ク コ イ ル の場合に は、 積層鉄心の磁気特性は こ の磁気ギ ャ ッ プ部分で決 定す る た め、 こ の特性低下を押さ え ら れる。
ま た、 第 2 5 図(b), (c)に示す よ う に、 打ち 出 し突起の外形の 長手方向 に存在す る嵌合保持す る側面が、 磁気ギ ャ ッ プ 7 を構 成す る端面に対 し て必然的に水平方向に設置さ れてい る の で 、 ガイ ド を使用 し な いで打ち出 し突起 0, P, , Mを押圧す る 場合で も、 端面方向への ズ レ はな く 、 ギ ャ ッ プ の精度が確保で き る。 さ ら に、 ヨ ー ク 部 2 2 の両サ イ ド に設置 し た打ち 出 し突 起 0 を、 窓部 2 3 か ら見てハ の字状方向に設け る と 、 脚部 2 1 の幅方向への精度 も確保で き 、 脚部 2 1 の ボ ビ ン へ の挿入がで き な い等の不良 も解消で き る 。
従 っ て、 こ の本実施例の打ち 出 し突起の配置構造を持 っ た積 層鉄心を磁心 と し て用 いた チ ョ ー ク コ イ ルは、 低 コ ス 卜 で、 且 つ唸 り 低減が達成で き る。
な お、 本実施例以外 において、 積層鉄心を用 い る チ ョ ー ク コ
ィ ルであれば、 他の も の に も用 い る こ と がで き る 。 第 3 1 図、 第 3 2 図は、 こ の よ う な チ ョ ー ク コ イ ルの実施例であ り 、 同図 を用 い、 上記実施例では未説明の積層鉄心の形状 も あ わせて詳 細に説明す る 。
第 3 1 図は、 打ち抜 き突起 S , T に よ り 固着さ れた E I 型の 積層鉄心か ら な る磁心 2 f を用い、 E型の積層鉄心の中脚部 2 7 に磁気飽和特性を向上 さ せ る た めの磁気ギ ヤ ッ プ 7 を設け閉磁 路磁心を形成 し、 こ の磁心の中脚部 2 7 に コ イ ル 6 を巻線 し、 チ ョ ー ク コ イ ルを完成 さ せ る も のであ る。
次に第 3 2 図は、 打ち抜き突起 S , T に よ り 固着さ れた 目 の 字型の積層鉄心か ら な る磁心 2 g を用 い、 そ れぞれの両方の脚 部 2 8 の突き 合わせ面に磁気飽和特性を向上さ せ る た め の磁気 ギ ャ ッ プ 7 を設け閉磁路磁心を形成 し、 こ の磁心の両方の脚部 2 8 に そ れぞれ コ イ ル 2 9 を卷線 し、 チ ョ ー ク コ イ ルを完成 さ せ る も の で あ る 。
こ こ で、 側脚部 3 0 は、 リ ー ケ ー ジ フ ラ ッ ク ス をノ ス さ せ、 外部への リ 一 ケ ー ジ フ ラ ッ ク ス発生を低減す る 目的で設け ら れ た付加の磁路 と な る。
第 3 1 図、 第 3 2 図におけ る チ ョ ー ク コ イ ルの積層鉄心か ら な る磁心 2 f , 2 g は、 所定形状に打ち抜いた多数枚の鉄心薄 板の表裏に そ れぞれ形成さ れた、 例えば V字状の打ち 出 し突起 S , T に よ り 積層固着 さ れて お り 、 い ずれ も 打 ち 出 し 突起 T は、 卷線を施す閉磁路磁心の磁路部分に設け、 さ ら に こ の磁路 部分を流れ る磁束 F 1 2の方向 に対 し て、 外形の長手方向を垂直 に設けて い る 。
以上の よ う に本実施例 に よ れば、 チ ョ ー ク コ ィ ルに用 い る 積 層鉄心か ら な る磁心 2 e , 2 g の積層固着の 目 的で設 け ら れた 打ち 出 し突起 S , T は、 そ の特長で あ る 積靥鉄板を強固 に連結 で き る 利点を生かす こ と がで き る 。
産業上の利用可能性
以上の よ う に本発明 の チ ョ ー ク コ イ ルは 、 閉磁路 ま た は開磁 路を構成す る第 1 の磁心 と 第 2 の磁心、 第 1 の コ イ ル、 第 2 の コ イ ル、 第 3 の コ イ ルか ら な る チ ョ ー ク コ イ ルに おい て、 上記 第 1 の コ イ ルを第 1 の磁心に卷線 し 、 第 2 の コ イ ルを第 2 の磁 心に卷線 し 、 さ ら に第 3 の コ イ ルを第 1 の磁心 と 第 2 の磁心に ま た が る よ う に卷線 し た の で、
( 1 ) 従来の高調波歪対策用 の チ ョ ー ク コ イ ル の有す る 高調波 歪対策 に必要な ノ ー マ ル モ ー ド の ィ ン ダ ク タ ン ス 値を確保で き る の と 同時に、 コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル と し て の機能を付 加で き る 。
( 2 ) こ の た め、 高調波歪対策 と 同時に E M I 対策 と し て こ れ ま で に 電源回路 の フ ィ ル タ ブ ロ ッ ク に 設置 さ れ て い た コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ルを 削除で き る た め、 実装 ス ペ ー ス を稼 ぐ こ と がで き る と と も に、
( 3 ) さ ら に 、 コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部 に おい て は、 第 1 、 第 3 の コ イ ル の上下巻線構造 と し た も の に あ っ て は 、 コ ィ ル間の結合係数が高 く な り 、 コ モ ン モ ー ド の磁心の磁気飽和特 性を 向上す る こ と がで き る 。
( 4 ) こ の た め、 こ の磁心の断面を可変す る こ と で コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部の ィ ン ダ ク タ ン ス 値の設定が、 卷線回数や
ノ 一マ ル モ ー ド チ ョ ー ク コ ィ ル部の磁気回路設定 に影簪 さ れ る こ と な く 自 由 に で き る 。
( 5 ) ま た、 コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部の磁心 と し て、 従 来の高調波歪対策用 の チ ョ 一 ク コ ィ ル で使用 さ れ る 透磁率が低 く 高飽和磁束密度の材料の かわ り に、 高透磁率の材料を選択で き る た め、 従来の約 2 〜 3 倍の コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部 の ィ ン ダ ク タ ン ス値を確保す る こ と がで き 、 大幅 な小形化が可 能で あ る 。
( 6 ) 当 然、 コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ソレ部 の リ ー ケ ー ジ フ ラ ッ ク ス も 結合係数が高い分低減で き 、 他の部品への悪影響を 防止で き る 。
( 7 ) —方、 ノ ー マ ル モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部 に おい て は、 磁 心の一方お よ び他方の磁脚が、 そ れぞれ巻線 さ れた第 2 の コ ィ ル と 第 3 の コ イ ル に よ り 内鉄型卷線構造 と し た も の に あ っ て は、 ノ ー マ ル モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部の磁気飽和特性を 向上 さ せ る た め の磁気ギ ャ ッ プを封 じ込め ら れて い る こ と と 、 こ の磁 気ギ ャ ッ プが磁脚の突 き 合わせ面に、 均等 に設 け ら れて い る た め磁心内で の磁束の均一が図 ら れて い る こ と に よ り 、 リ ー ケ ー ジ フ ラ ッ ク ス は大 き く 低減で き る 。
( 8 ) な お、 コ モ ン モ ー ド チ ョ ー ク コ イ ル部に お い て、 第 1 、 第 3 の コ イ ルを上下卷線構造 と し 、 ノ ー マ ル モ ー ド チ ョ ー ク コ ィ ル部 に お い て、 第 2 の コ イ ル と 第 3 の コ イ ル に よ り 内鉄巻線 構造 と し て も の に あ っ て は、 シ ー ル ド ケ ー ス を用 い な い で も 、 従来の高調波歪対策用 の チ ョ ー ク コ ィ ル の シ ー ル ド ケ ー ス無 し に比べ約 1 Z 5 、 シ ー ル ド ケ ー ス有 り の も の に比べ約 1 Z 4 に
リ ー ケ ー ジ フ ラ ッ ク ス を低減で き る 。 こ の た め、 他の部品への 悪影響や テ レ ビ セ ッ ト な どの場合 に は致命的 な画面揺れ な どを 大 き く 防止で き る 。
( 9 ) こ の他、 従来の リ ー ケ ー ジ フ ラ ッ ク ス 対策 と し て用 い て い た シ ー ル ド ケ ー ス を 削除で き 、 こ れ に と も な い絶縁ケ ー ス お よ び注型樹脂 も 削除で き 大幅 な低 コ ス ト 化、 高周 波特性の 向上 が可能 と な る こ と や、 コ モ ン お よ び ノ ー マ ル モ ー ド チ ョ ー ク コ ィ ル部の両部 に おい て、 1 つ の コ ィ ルの巻線幅が 1 つ の磁脚分 と で き る た め従来 に比べて長 く 卷 け、 分割卷線構造を採用 し た 場合、 多分割卷線が可能 と な り 、 従来 に比べて浮遊容量の小 さ な コ ィ ル を提供す る こ と がで き る 高周波特性の 向上 も可能 と な る o
( 1 0 ) ま た、 磁心 と コ イ ル間を空隙を設 けず密着 し た も の に あ っ て は、 浮遊容量を低減 し 、 周波数特性を 向上す る こ と がで き る と と も に、 温度上昇 も低減で き 小形化が図れ、 使用鋦線量 も 削除 さ れ、 コ ス ト 低減 も 図れ る 優れた チ ョ ー ク コ イ ルを実現 で き る も ので あ る 。
( 1 1 ) ま た、 第 2 の磁心 と し て、 U型鉄心の両脚の長 さ の差 を少な く と も ヨ ー ク 部幅以上 と し、 窓部幅 を少な く と も 上記脚 部幅以上 と し た、 2 つ の積層鉄心を突 き 合わせ て閉磁路磁心を 形成 し た も の に あ っ て は、 U型の積層鉄心を構成す る た め の打 ち抜 き 時、 2 枚の鉄心を一対 と し て組み合わせ る こ と が可能 と な り 、 打 ち抜 き ロ ス を な く す こ と がで き る 。
( 1 2 ) そ し て こ の こ と に よ り 両脚部の長 さ の パ ラ ン ス が崩れ る た め 、 フ リ ン ジ ン グ リ ー ケ ー ジ フ ラ ッ ク ス が発生 す る 磁気
ギ ャ ッ プの位置が コ イ ルを巻線 し た 中央部か ら 外れ る こ と .と 、 両磁脚部分か ら の リ ー ケ ー ジ フ ラ ッ ク ス が交差す る 部分で パラ ン ス 良 く 打 ち 消 さ な い こ と が懸念 さ れた が、 こ の両脚部分の少 な く と も 突 き 合わ部分を コ イ ルで巻回す る こ と に よ っ て、 リ ー ケ ー ジ フ ラ ッ ク ス は大 き く 低減で き る こ と と な り 、 高価な シ ー ル ド対策を施 さ な く と も よ く 、 低 コ ス ト 、 高品質の も の を提供 で き る 。
な お、 こ の U型積層鉄心の構成は、 上記の よ う に 2 磁心 3 卷 線の構成の も の に限 ら れ る こ と な く 、 口 の字状の閉磁路が構成 さ れ る 積層鉄心に よ り 構成 さ れ る磁心が用 い ら れ る チ ョ ー ク コ ィ ルで あ れば、 他の チ ョ ー ク コ イ ルで も 適用 で き る 。
( 1 3 ) ま た 、 第 2 の磁心 と し て、 打ち 出 し突起 に よ り 鉄心を 積層固着 し 、 磁気ギ ャ ッ プを設 け な が ら組み合わせて構成 し た 閉磁路磁心を形成 し、 上記打 ち 出 し突起を、 ヨ ー ク 部の両サ イ ド と 、 コ イ ルを卷線 し た脚部 に設 け、 さ ら に こ の脚部 に設 け た 打ち 出 し突起 は、 磁路部分を流れ る 磁束方向 に対 し て、 外形の 長手方向 を垂直に設け た も の に あ っ て は、 積靥鉄心か ら 成 る 閉 磁路磁心の巻線を施す磁路部分、 つ ま り 最 も磁束密度が高 く 、 唸 り の発生原因で あ る 励磁電流に よ る 吸引方向 に生 じ る 振動、 及 び磁気歪振動が発生 し易 い部分 に対 し て、 打 ち 出 し突起を大 き な側面積で対向 し な が ら嵌合保持で き る 、 最 も 安定 し た配置 構造 に す る こ と がで き る 。
( 1 4 ) こ の た め、 積層鉄心の積層固着の 目 的で設置 さ れた打 ち 出 し 突起は、 少な い打ち 出 し突起数で効率的 に積層鉄板を強 固 に連結で き る 利点を生かす こ と がで き る 。 ま た、 打ち 出 し突
起の外形の長手方向に存在す る嵌合保持す る側面が、 磁気ギ ヤ ッ プを構成す る端面に対 し て必然的に水平方向 に設置 さ れて い る の で 、 ガイ ドを使用 し な いで打ち 出 し突起を押圧す る場合で も、 ギ ャ ッ プ部分の精度が確保で き る。
( 1 5 ) そ し て、 こ の磁気振動抑制力が大き い打ち出 し突起の 配置構造に よ り 、 積靥鉄心を流れる磁束に対す る磁気抵抗が、 従来技術の打ち 出 し突起設置構造よ り 大き く 増加 し磁気特性が 低下 し て、 必要なィ ン ダ ク タ ン ス を確保す る た め に は大形化す る、 損失が増大 し温度上昇が大き く な る、 リ ー ケ ー ジ フ ラ ッ ク ス が大 き く な る等の チ ョ ー ク コ イ ル特性の大き な低下が懸念さ れたが、 積層鉄心か ら成る閉磁路磁心の磁路内 に磁気飽和特性 向上の 目的で設け ら れた磁気ギ ヤ ッ プを必要 と す る場合に は、 積層鉄心の磁気特性は こ の磁気ギ ヤ ッ ブ部分で決定す る た め、 こ の特性低下を押 さ え ら れる。
( 1 6 ) さ ら に、 ヨ ー ク 部の両サ イ ド に設置 し た打ち 出 し突起 を、 窓部か ら見てハの字状方向 に設置 し た こ と を特徵 と す る積 層形鉄心を用 いた チ ヨ ー ク コ イ ルを構成 し た も の では、 脚部の 幅方向への精度 も確保で き る。
なお、 こ の打ち 出 し突起の構成は、 上記の よ う に 2 磁心 3 卷 線の構成の も の に限 ら れる こ と な く 、 積層鉄心に よ り 構成さ れ る磁心が用 い ら れる チ ョ ー ク コ イ ル であ れば、 他の チ ョ ー ク コ ィ ルで も適用 で き る 。
等の多大な効果が得 ら れ、 小形で高性能の チ ョ ー ク コ イ ルを低 コ ス ト 、 かつ高品質で提供す る こ と がで き 、 工業的価値の大な る も のであ る 。