JPH08316038A - 偏平形積層トランス - Google Patents

偏平形積層トランス

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JPH08316038A
JPH08316038A JP7124753A JP12475395A JPH08316038A JP H08316038 A JPH08316038 A JP H08316038A JP 7124753 A JP7124753 A JP 7124753A JP 12475395 A JP12475395 A JP 12475395A JP H08316038 A JPH08316038 A JP H08316038A
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浩二 中嶋
Hiroyuki Handa
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種電子機器に使用される偏平形積層トラン
スに関するものであり、トランス外部へのノイズ妨害の
ない、低損失、高結合、かつ、高さを低減しながら、基
板実装占有面積を少なくした偏平形積層トランスを提供
することを目的とする。 【構成】 磁心1の中足部の磁脚の断面形状を円とし、
外足部の磁脚の内周面を中足部と同心の円弧状に形成
し、外足部の磁脚1bの厚み幅を中足部の磁脚1aの径
より大とし、さらに背面の継鉄部の積み厚幅を中足部の
中心線を基準として左右異なる寸法とし、かつ、一対の
磁心を組み合わせた時、磁心の窓幅より、窓の高さを小
としたことを特徴とした偏平形の最適形状磁心に左右に
引き出し端子部4を有する積層コイル2を組み込んだ構
成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種電子機器に使用され
る偏平形積層トランスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、トランスは高周波化、小形化、薄
形化の技術ニーズに対応するため、プリントエッチング
技術を使用したプリントコイル積層トランス、銅板を打
ち抜いて形成する打ち抜きコイル積層構成のトランスあ
るいは電線を渦巻状に形成したスパイラルコイル積層構
成のトランス等が開発されてきた。
【0003】これらを総称してここでは偏平形積層トラ
ンスと呼ぶことにする。高周波トランスの代表的なもの
としては偏平形積層トランスの他に、数100kHz以
下の駆動周波数で使用する縦型のトランス、伏せ形のト
ランスがあり、大きくはこの3種類に大分類できる。
【0004】従来の代表的な高周波トランスを図13〜
図15に示す。さらに、従来の偏平形積層トランスの具
体的な事例を図9〜図12に示す。
【0005】以下、従来のトランスについて図9〜図1
5を用いて説明する。図13(a),(b)は従来の縦
形トランス、図14(a),(b)は従来の伏せ形トラ
ンス、図15(a),(b)は従来の偏平形積層トラン
ス、また、図10(a),(b)は図9(a)〜(c)
に示す形状の磁心を使用した偏平形積層トランスの具体
事例図、図12(a),(b)は図11に示す形状の磁
心を使用した偏平形積層トランスの具体事例図である。
図9〜図15において1は磁心、2は積層コイル、2
a,2bは一次または二次の単独コイル、3は漏れ磁
束、4は引き出し端子部である。
【0006】図13〜図15において構成を説明する。
まず、図13(a),(b)に示す縦形トランスと図1
4(a),(b)の伏せ形トランスにおいて、図では省
略しているが巻線を巻装するボビンにコイル2a,2b
を中足部の磁脚の長さ方向に沿って順次巻装していき、
最後に磁心1を組み込んで完成させる。また、図15
(a),(b)に示す偏平形積層トランスは平面状に形
成したコイル2a,2bを積層し、閉磁路を構成する磁
心1を組み込んで薄形トランス本体を完成させるもので
ある。図10(a),(b)、図12(a),(b)に
示す偏平形積層トランスも図15(a),(b)と同様
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の代表的な偏平形積層トランス図15の構成において
は、薄形化を求めるため巻線を収納する磁心の窓部の幅
(B)を窓部の高さ(A)より大とするのが一般的であ
り、磁脚の長さが非常に短く、磁束3,3a,3bが本
来磁心で構成する磁路を通過しにくい。この点が、他の
従来例を示す図13、図14と決定的に異なっている。
このため、巻線により発生した中足部の磁束を有効に外
足部の磁心の中を通すような磁心形状の工夫をしなけれ
ば、図15(a)に示す漏れ磁束3によるトランス外部
へのノイズ障害や、磁束が有効に使用されていないこと
による励磁電流の増加を招き、無負荷損失の上昇という
悪影響が出やすい。また、磁脚の長さが短いため、磁心
の背面部から背面部を通過する漏れ磁束3a,3bも発
生し、この漏れ磁束3a,3bは中足部の磁心に戻って
来ないので、漏れインダクタンスの上昇、つまり、巻線
間の結合度の低下を招き、結合損失の上昇、回路素子の
ノイズ成分増加という悪影響が出る。
【0008】さらに、もうひとつ大きな違いは、他の従
来例を示す図13、図14に比べた場合、図15の偏平
形積層トランスは薄形化はもちろん、さらなる高密度実
装が求められることである。つまり、漏れ磁束の低減と
ともに高さを低減しながら、基板占有面積を少なくする
ことと高密度実装化可能であることの両立を求められて
いることである。
【0009】この点に関して、図9〜図12により説明
する。一般に偏平形積層トランスは図10、図12のよ
うに磁心1の積厚方向の左右に引き出し端子部4を有す
る構成となっており、それぞれ図9、図11に示す形状
の磁心を使用している。図9と図11では磁心における
磁気解析による漏れ磁束3の分布を斜線で示している。
この結果より、漏れ磁束の低減に関しては図9に示す形
状の磁心を使用したほうがより有効といえる。
【0010】この理由について考察してみる。漏れ磁束
低減のためには、磁心の中足部においてコイルが発生し
た磁束を磁心の背面の継鉄部からさらに外足部へとスム
ーズに流すことが基本である。磁束には、直進性と放射
状に拡がる性質があり、偏平形積層トランスにおいて
は、前述のように偏平形特有の漏れ磁束が発生するた
め、この性質をよく理解して磁心形状を決定することが
特に重要であり、従来と同じ感覚で磁心形状を選定して
はならないものである。
【0011】このため、図9のように外足部の積厚方向
の厚みの幅を広げたり、中足部の断面形状を円形状にし
て外足部の断面形状の内周面を同心の円弧状に形成して
外足部の内周面と中足部の外周面を放射状に面対向させ
れば、磁気抵抗が放射方向に一定となるので有効である
といえる。すなわち図11のような中足断面形状が角
形、外足と中足の積厚方向の厚みの幅が同じであり、中
足部の内周面と外足部の外周面が放射状に面対向してい
ない場合、基本原則に反しているため漏れ磁束が増加し
ている。
【0012】一方、引き出し端子部4と磁心1の間の距
離は、磁心1の取り扱いによって異なるが、絶縁形のト
ランスには各国の安全規格が適用され、所定の沿面距離
を要求される。この一例を(表1)と(表2)に示して
いる。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】上記(表1)、(表2)より、磁心1の取
扱いを(表2)に示すように二次扱いとしてやれば磁心
と周辺二次部品に距離は不要となり、近接できるためト
ランス周辺部品の高密度実装化が可能となる。
【0016】しかしながら、図9に示す磁心において
は、磁脚背面の継鉄部の積厚方向の厚み幅が図11の磁
心より大となっているため、図10における磁心1と引
き出し端子部4の沿面距離L1,L2は非常に確保しにく
い形状となっており、(表1)の距離を確保する場合に
は、左右の引き出し端子部4までの距離Lを大きくする
必要があり、トランスの基板実装面積低減には適してい
ないものである。また、(表2)の距離を確保しようと
すれば、図10における磁心1と引き出し端子部4の距
離L1,L2のうち、どちらかは犠牲にして距離Lをさら
に大きく設定する必要があり、基板実装面積低減という
面で非常に大きな無駄が発生する。
【0017】本発明は上記課題を解決するもので、最適
な磁心形状を使用することによってトランス外部へのノ
イズ障害のない、低損失、高結合、かつ、安全規格適合
構造とした場合でも高さを低減しながら基板占有面積を
少なくすることのできる偏平形積層トランスを提供する
ことを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の偏平形積層トランスは、E型のフェライト磁
心の中足部の断面形状を円または長円とし、外足部の断
面形状の内周面の少なくとも一部を中足部と同心の円弧
状に形成し、外足部の磁脚の積厚方向の厚みの幅(D)
を中足部の磁脚の径(C)より大とし、さらに背面の継
鉄部の積厚方向の厚み幅を中足部の中心線を基準として
左右異なる寸法とし(E≠F)、かつ、一対の磁心を組
み合わせた時、積層コイルを収納する磁心の窓部の幅
(B)より窓部の高さ(A)を小としたことを特徴とし
た偏平形の磁心を上下方向から組み込むとともに、この
磁心の窓部に積層コイルを収納し、かつ、この磁心の積
厚方向の左右に引き出し端子部を有する構成としたもの
である。
【0019】
【作用】上記構成によって、磁心と左右の引き出し線間
の距離を最適に設定でき、かつ、磁束をスムースに流せ
ることのできる最適形状の偏平形の磁心を組み込んで左
右に引き出し端子部を有する偏平形積層トランスとした
ので、偏平形特有の漏れ磁束を大きく低減できるととも
に、高さを低減しながら基板実装占有面積も低減でき
る。また、トランス外部へのノイズ妨害を低減でき、磁
心を2次扱いとできるため電源実装時の高密度実装化が
可能となるものである。
【0020】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の第1の実施例を図1(a)
〜図3(c)により説明する。
【0021】なお、図9〜図15における従来と同一の
構成部分には同一番号を付して詳細な説明を省略して説
明する。図1〜図3において1aは中足部の磁脚、1b
は外足部の磁脚である。
【0022】図1〜図2によって構成を説明する。ま
ず、図2に示すようなE型のフェライト磁心の中足部の
磁脚1aの断面形状を円とし、外足部の磁脚1bの断面
形状の内周面を中足部と同心の円弧状に形成し、外足部
の磁脚1bの積厚方向の厚みの幅(D)を中足部の磁脚
1aの径(C)より大とし、さらに背面の継鉄部の積厚
方向の厚み幅を中足部の磁脚1aの中心線を基準として
左右異なる寸法とし(E≠F)、かつ、一対の磁心1を
組み合わせた時、積層コイル2を収納する磁心1の窓部
の幅(B)より、窓部の高さ(A)を小とした偏平形の
磁心1を使用して、図1に示すようにこの磁心1の積厚
方向の左右に引き出し端子部4を有する積層コイル2を
磁心1の窓部に収納し、上下方向からこの磁心1を組み
込んで偏平形積層トランスを完成させる。
【0023】次に、図1〜図2における構成による効果
の説明を行う。まず、第1の基本構成として、磁心1の
外足部の磁脚1bの積厚方向の厚みの幅(D)を中足部
の磁脚1aの径(C)より大とし、さらに背面の右側の
寸法Eと左側の寸法Fが異なった寸法とし(E≠F)、
一対の磁心1を組み合わせた時、積層コイル2を収納す
る磁心1の窓部の幅(B)より窓部の高さ(A)を小と
した偏平形の磁心1の窓部に左右に引き出し端子部4を
有する積層コイル2を収納しているため、中足部の磁脚
1aの周囲に同心円上にコイルを形成した後、左右対称
に引き出し端子部4を形成した場合、磁心1と引き出し
端子部4の間の距離L1,L2を異なる寸法に設定できる
こととなり、(表2)に示した磁心と引き出し線間の距
離が容易に無駄なく確保できる。
【0024】このことによって最適な寸法設定ができる
ことになり、基板実装時の占有面積を少なくできる。な
お、図1のL2を6.0mm、または8.0mm以上確
保し、右側の引き出し端子部を1次側の引き出し端子部
としてやれば、それぞれ、IEC65、950の規格に
適合可能となり、かつ、磁心1を2次扱いとできること
となる。その結果、磁心1の周辺に2次側部品を近接で
き、かつ、高密度実装化ができる可能性が生まれる。
【0025】また、第2の基本構成要素として、磁心1
の中足部の磁脚1aの断面形状を円とし、外足部の磁脚
1bの断面形状の内周面を中足部の磁脚1aと同心の円
弧状に形成し、外足部の磁脚1bの積厚方向の厚みの幅
(D)を中足部の磁脚1aの径(C)より大とし、一対
の磁心1を組み合わせた時、積層コイルを収納する磁心
1の窓部の幅(B)より窓部の高さ(A)を小とした偏
平形の磁心1を使用して偏平形積層トランスを構成して
いるため、積厚方向の厚み幅の広い外足部に向かって中
足部の内周面と外足部の内周面が放射状に対向している
ことによって磁束をスムースに流すことが可能となる磁
心1となり、偏平形積層トランス特有の漏れ磁束を大き
く低減できることになり、磁束の有効利用ができるため
無負荷損失低減、そしてトランス外部へのノイズ障害を
なくせる。
【0026】本発明の特徴は、上記第1の基本構成と第
2の基本構成を組み合わせたところにある。この点に関
して説明する。
【0027】まず、上記、第2の基本構成および効果と
問題点は、従来例を示す図9、図10と基本的には類似
である。
【0028】次に、本発明の基本構成要素の中から、構
成要素が重複していない第2の構成部分、つまり、(磁
心1の中足部の磁脚1aの断面形状を円とし、外足部の
磁脚1bの断面形状の内周面を中足部の磁脚1aと同心
の円弧状に形成し)という構成を除外して第1の基本構
成要素のみとした場合として図3に示す磁心形状で試作
を行い、本発明の実施例を示す図2と磁気解析による漏
れ磁束の比較を行ってみた。
【0029】図3の構成を説明する。図3は図2の本発
明に対して磁心1の中足部の磁脚1aの断面形状を円で
なく正方形とし、外足部の磁脚1bの断面形状の内周面
は中足部の磁脚1aと同心の円弧状でなく中足部の磁脚
1aと平行に形成したものであり、その他の構成は全く
同じとしている。このことから、本発明における第1の
基本構成要素のみとなっていることが理解できる。
【0030】また、本発明の実施例の図2と第1の基本
構成のみの図3における磁気解析結果をそれぞれの図中
において漏れ磁束3の分布として斜線で示している。こ
の結果より、本発明の第1の単独構成要素で作った図3
においては、非常に漏れ磁束3が多く、偏平形特有の漏
れ磁束が全く低減できていない。つまり、漏れ磁束によ
る弊害が発生し、特にトランス損失増加、トランス外部
へのノイズ障害が問題となるため、小形薄形化できない
ばかりでなく、ノイズ障害のため電源部品を近接するこ
とができないこととなり、このことは漏れ磁束を低減で
きる最適磁心形状としなければ、前述の第1の基本構成
の効果の項で述べた基板占有面積の低減はできても磁心
1を2次扱いすることによる磁心1の周辺に2次側部品
を近接でき、かつ、高密度実装化ができる可能性を利用
して効果を引き出すことができないことを示しているも
のである。
【0031】本発明の特徴は、以上のように、第1の基
本構成における基板占有面積を低減できる最適磁心形状
を使用した偏平形積層トランスと第2の基本構成の漏れ
磁束を低減できる最適磁心形状を使用した偏平形積層ト
ランスを組み合わせた図2のような最適の偏平形磁心1
とした偏平形積層トランスとしたので、単独構成により
得られる効果に加えてそれぞれの問題点を補うことがで
きるようになり、磁心1を2次扱いすることによる磁心
1の周辺に2次側部品を近接でき、かつ、高密度実装化
ができるものである。
【0032】したがって、本実施例によると、偏平形特
有の漏れ磁束を大きく低減できるとともに各国安全規格
に適合構造とした場合でも、高さを低減しながら基板実
装占有面積も低減できることになる。また、トランス外
部へのノイズ妨害を低減できるため磁心を2次扱いとし
た効果がさらに生かされ、電源に実装した時の高密度実
装化が達成できるのである。
【0033】なお、本実施例においては、(表2)を利
用して磁心1を2次扱いとしてその効果を述べてきた
が、磁心1を1次扱いとした場合でも、(表2)におけ
る1次と2次の関係を入れ替えれば1次側部品を近接で
きることとなり、同様の効果を得ることができる。
【0034】(実施例2)以下、本発明の第2の実施例
を図4〜図5により説明する。
【0035】同図において図1、図2の第1の実施例と
同一の構成部分には同一の番号を付して詳細な説明は省
略して説明する。同図において第1の実施例と異なる部
分は、中足部の磁脚1aから、外足部の磁脚1bに向か
う磁心1の背面の継鉄部の積厚方向の厚み幅が滑らかに
広がるように形成した広がり部として背面の広がり部5
を磁心1の背面の少なくとも片側に設けたことである。
【0036】本構成によると、滑らかに広がるように形
成した広がり部として背面の広がり部5を磁心1の背面
の少なくとも片側に設けてやったため、磁束の流れが実
施例1の磁心よりさらにスムーズとなり、偏平形特有の
漏れ磁束がさらに大きく低減できることになり、トラン
スの巻線間の漏れインダクタンスをも低減できるという
特有の効果が実施例1の効果に加えて得られる。
【0037】本実施例2による特有の効果を実際に確認
するため、図5に示すトランスを試作し、実施例1を示
す図1、実施例1の第1の基本構成を示す比較例である
図3、従来例の図12、実施例1の第2の基本構成部分
を示す従来例である図10のトランスとの特性比較を行
った結果を(表3)に示している。
【0038】
【表3】
【0039】(表3)によると、実施例1が無負荷損失
が従来例に比較して約0.5w、つまり、10%低減で
きており、実施例1の漏れ磁束低減、つまり、磁束の有
効利用による損失低減効果が確認できた。実施例1の説
明においては、磁気解析によって漏れ磁束分布の低減を
確認していたが、ここでは、さらに実装時においてもそ
の数字で損失低減が確認できたことになり、その効果を
裏付けるものであり、実施例1の第2の基本構成部分を
示す従来例である図10の特徴をそのまま有しているこ
とを証明している。また、基板占有面積の低減に関して
も実施例1は従来例を示す図12、図10より約10%
以上低減できている。このことは、実施例1の第1の基
本構成部分を示した比較例である図3の効果をそのまま
生かしていることの証明である。そして図10と図3の
基本構成部分を組み合わせた本発明の実施例1が(表
3)における(1)〜(4)の全ての効果を有していることに
よって、本当の意味での高密度実装化を実現できるとい
う特有の効果を引き出していることも明確にできたこと
になる。
【0040】さらに(表3)によると、トランスの漏れ
インダクタンスに関して、実施例1の場合、従来例より
ややアップしている。このことは、実施例1においては
漏れ磁束は低減できており、磁束の有効利用はできてい
るものの積層コイル2を鎖交する漏れ磁束はまだ改善の
余地があることを示しているものである。実施例2にお
いては、この漏れインダクタンスも低減できており、積
層コイル2を鎖交する漏れ磁束も低減できている。すな
わち、中足部の磁脚1aにも有効に磁束が集中している
ことの証明であり、偏平形特有の漏れ磁束がさらに低減
できたことを裏付けるものである。このことによって、
トランスの巻線間の結合をさらに改善できるため、磁気
変換エネルギーの損失を低減できることとなり、無負荷
損失ばかりでなく負荷を大きくした場合の損失も低減で
きるようになり、さらなる効率アップが達成できること
となる。
【0041】図6(a)〜(f)に本発明の実施例2の
他の応用例を示している。 (実施例3)以下、本発明の第3の実施例を図7により
説明する。
【0042】同図は、本発明の第3の実施例を示す磁心
の事例図であり、磁心1の背面の両側に広がり部5を設
けたものである。
【0043】本実施例では、両側に広がり部5を設けた
ことにより、図4の第2の実施例よりさらに磁束の流れ
がスムーズになるように改善できるため、無負荷損失、
漏れインダクタンスが極限まで低減できることとなり、
偏平形積層トランスに使用する磁心として究極の最適化
磁心形状を提供できるため、磁心形状の標準化ができる
という特有の効果が得られることとなる。
【0044】なお、図8(a)〜(c)は、本発明の実
施例3の他の応用例を示す磁心の事例図を示すものであ
る。
【0045】また、磁束をスムーズに流すという点で考
えると図7における磁束が曲がる部分、磁心形状のコー
ナー部6において曲がりやすくするための常識的な形状
工夫、例えばRを付ける等によっても、さらに漏れ磁束
が低減できるが、本発明の基本形状に沿った常識的な延
長線での改良であり、詳細な説明は省略する。
【0046】(実施例4)以上、本発明の実施例1〜3
の偏平形積層トランスを電源装置に実装すれば、電源と
してもさらなる高密度実装も可能となるなど、従来形の
トランスで得られない小形薄形化、低ノイズ化、高効率
化が達成できる革新的な差別化電源装置が容易に提供で
きることとなる。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明の偏平形積層トラン
スは、E型のフェライト磁心の中足部の磁脚の断面形状
を円または長円とし、外足部の磁脚の断面形状の内周面
の少なくとも一部を中足部と同心の円弧状に形成し、外
足部の磁脚の積厚方向の厚みの幅を中足部の磁脚の径よ
り大とし、さらに背面の継鉄部の積厚方向の厚み幅を中
足部の中心線を基準として左右異なる寸法とし、かつ、
一対の磁心を組み合わせた時、積層コイルを収納する磁
心の窓部の幅より窓部の高さを小としたことを特徴とし
た偏平形の磁心を上下方向から組み込むとともに、この
磁心の窓部に積層コイルを収納し、かつ、この磁心の積
厚方向の左右に引き出し端子部を有する構成としたので (1)偏平形特有の漏れ磁束を大きく低減できる。
【0048】(2)磁束の有効利用により、無負荷損失
が低減できる。 (3)トランス外部へのノイズ妨害を低減できる。
【0049】(4)トランスの周辺に1次または2次部
品を近接可能な各国安全規格に適合可能構造とした場合
でも高さを低減しながら、トランスの基板実装占有面積
を低減できる。
【0050】(5)上述の(1)〜(4)により電源の
高密度実装化が実現できる。 また、中足部の磁脚から、外足部の磁脚に向かう磁心の
背面の継鉄部の積厚方向の厚み幅が滑らかに広がるよう
に形成した広がり部を設けたものにあっては (6)トランスの漏れインダクタンスを低減できる。
【0051】(7)巻線間の結合が良くなり、負荷を大
きくした場合での損失も低減できるため、さらなる効率
アップが可能となる。
【0052】また、磁心の背面の両側に広がり部を設け
たものにあっては (8)偏平形積層トランスにおける磁心の最適形状を提
供できる。
【0053】(9)磁心形状の標準化ができる。 という特有の効果も生まれる。
【0054】さらに、偏平形積層トランスを電源装置に
使用することにより、 (10)電源としてさらなる高密度実装化ができるな
ど、従来のトランスで得られない小形薄形化、低ノイズ
化、高効率化が達成できる革新的な差別化電源装置が提
供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の偏平形積層トランスの一実施例
である第1の実施例の平面図 (b)同正面図
【図2】同要部である磁心の説明図
【図3】本発明の第1の実施例と比較するための磁心の
説明図
【図4】本発明の第2の実施例に使用した磁心の説明図
【図5】(a)同偏平形積層トランスの平面図 (b)同正面図
【図6】同他の応用を示す磁心の平面図
【図7】本発明の第3の実施例を示す磁心の説明図
【図8】同他の応用を示す磁心の説明図
【図9】従来の偏平形磁心の説明図
【図10】(a)図9の磁心を使用した偏平形積層トラ
ンスの平面図 (b)同正面図
【図11】従来の偏平形磁心の説明図
【図12】(a)図11の磁心を使用した偏平形積層ト
ランスの平面図 (b)同正面図
【図13】(a)従来の縦形トランスの断面図 (b)同平面図
【図14】(a)従来の伏せ形トランスの断面図 (b)同平面図
【図15】(a)従来の偏平形積層トランスの断面図 (b)同平面図
【符号の説明】
1 磁心 1a 中足部の磁脚 1b 外足部の磁脚 2 積層コイル 2a 1次コイル 2b 2次コイル 3 漏れ磁束 4 引き出し端子部 5 背面の広がり部 6 磁心コーナー部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 E型のフェライト磁心の中足部の断面形
    状を円または長円とし、外足部の断面形状の内周面の少
    なくとも一部を中足部と同心の円弧状に形成し、外足部
    の磁脚の積厚方向の厚みの幅を中足部の磁脚の径より大
    とし、さらに背面の継鉄部の積厚方向の厚み幅を中足部
    の中心線を基準として左右異なる寸法とし、かつ、一対
    の磁心を組み合わせた時、積層コイルを収納する磁心の
    窓部の幅より窓部の高さを小としたことを特徴とした偏
    平形の磁心を上下方向から組み込むとともに、この磁心
    の窓部に積層コイルを収納し、かつ、この磁心の積厚方
    向の左右に引き出し端子部を有する偏平形積層トラン
    ス。
  2. 【請求項2】 中足部の磁脚から外足部の磁脚に向かう
    磁心の背面の継鉄部の積厚方向の厚み幅が滑らかに広が
    るように形成した広がり部を磁心の背面の少なくとも片
    側に設けた請求項1記載の偏平形積層トランス。
  3. 【請求項3】 磁心の背面の両側に広がり部を設けた請
    求項2記載の偏平形積層トランス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007173598A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Tdk Corp コア及びインダクタンス素子
JP2020043176A (ja) * 2018-09-07 2020-03-19 日立金属株式会社 フェライト磁心およびそれを用いたコイル部品
JP2023022152A (ja) * 2018-09-07 2023-02-14 株式会社プロテリアル フェライト磁心

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