JP2002353045A - パワートランス及びこれを用いた電力変換装置 - Google Patents

パワートランス及びこれを用いた電力変換装置

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JP2002353045A
JP2002353045A JP2001159783A JP2001159783A JP2002353045A JP 2002353045 A JP2002353045 A JP 2002353045A JP 2001159783 A JP2001159783 A JP 2001159783A JP 2001159783 A JP2001159783 A JP 2001159783A JP 2002353045 A JP2002353045 A JP 2002353045A
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shaped
conductor
winding
plate
power transformer
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JP2001159783A
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Atsushi Fujii
淳 藤井
Susumu Nakajima
晋 中島
Katsuhiro Ogura
克廣 小倉
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Hitachi Ferrite Electronics Ltd
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Hitachi Ferrite Electronics Ltd
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  • Dc-Dc Converters (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、小型、高効率のパワートランス、
及びこれを用いた小型、高効率、低ノイズで信頼性の高
い電力変換装置を提供する。 【解決手段】 軟磁性合金薄帯を巻回してなる巻磁心と
板状導体巻線からなるパワートランスにおいて、軟磁性
合金薄帯からなる巻磁心はノーカット、閉磁路の枠形状
であり、1次巻線及び2次巻線は略コ字型の板状導体を
交互に積層しながらそれぞれを接続するものであり、前
記略コ字型板状導体は、巻磁心の内方を通過する板状導
体の導体幅に比べ、巻磁心外方における前記と同一であ
る板状導体の導体幅を小さくし、積層する略コ字型の板
状導体を結ぶ直線型板状導体の導体幅も同様に略コ字型
板状導体の巻磁心内方における導体幅より小さくして、
巻線に起因する所要体積を抑制したことを特徴とするパ
ワートランス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種インバータ、
DC−DCコンバータ、スイッチング電源に用いられる
大電流用のトランスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、大電流用のパワートランスには、
分割組み合わせするカット磁心がその磁心として広く使
用されている。前記カット磁心に組み込む巻線は、カッ
ト磁心とは別工程で作業が行えるため、作業効率の優れ
たものであった。しかし、金属磁性薄帯巻磁心からなる
カット磁心を用いた場合には、一対をなす磁心の接合部
が精度良く合わさるようにカット面を鏡面研磨する必要
があり、その面で隣接する薄帯間に絶縁破壊が生じるこ
とにより渦電流が発生し、磁心損失が増加することにな
る。さらに、磁心接合部より発生した漏れ磁束により巻
線の銅損が増加し、パワートランスの損失を増加させる
ことになる。それらの損失による発熱を低減するために
は、パワートランスを大型化させる必要があった。ま
た、可聴周波数で上記パワートランスを使用した場合、
磁心接合部での振動により騒音が発生する問題もあっ
た。
【0003】上記の分割組み合わせのカット磁心での問
題を解決する方法として、パワートランス用の磁心とし
てノーカット磁心を用いる方法がある。ノーカット磁心
は、それに用いる磁性材料が有する本来の軟磁気特性を
十分発揮することができるため、高飽和磁束密度,低損
失,高透磁率を特徴とする非晶質軟磁性合金等からなる
薄帯巻磁心を用いることで、パワートランスの小型化が
可能となる。
【0004】しかし、磁心が閉じられた構造であるた
め、カット磁心などの分割組み合わせの磁心に比べ巻線
構造が複雑になる問題があった。従来のノーカットの磁
心に対する巻線としては、 磁心に対する巻回作業が比較的容易な細線を多本数撚
り合わせたリッツ線により巻線を構成する。 特許第2578160号に記載されるように略コ字型
の銅板を絶縁物を介層しながら積層し巻線を構成する。 等の方法があるが、の方法の場合、幾ら細線を用いた
ものであっても、電流容量が増加するに従い細線数を増
加、或いは線径を太くする必要があり作業効率の低下を
招いていた。また磁心の巻枠に対する巻線占積率(巻枠
面積に対する巻線の占める割合)が低下するため、磁心
を更に大きくする必要が有りパワートランスの大型化を
招く問題があった。
【0005】一方、特許第2578160号に開示され
た略コ字型板状導体を用いた巻線は、磁心の巻枠に対す
る巻線の占積率が高く、パワートランスの小型化を可能
とするものである。
【0006】図7のフルブリッジ方式のDC−DCコン
バータに使用されるパワートランスにおいて、前記特許
第2578160号に示される手法に基づき製作される
パワートランスの巻線例としては、その断面図を図8お
よび図9に示す構造のものがある。ここで、図7におけ
るEは入力直流電源、S1、S2、S3、S4は主スイ
ッチ、D1、D2、D3、D4は帰還ダイオード、C1
は直流電流を阻止するためのコンデンサ、Tはパワート
ランス、Npは前記パワートランスTの入力端子1及び
2を有す1次巻線、Ns1、Ns2は前記パワートラン
スTの出力端子3、5及びセンタータップ4を有する全
波整流出力用の2次巻線、SR1、SR2はダイオード
のリバースリカバリ電流を抑制し、ダイオードの逆方向
スパイク電圧を吸収するための可飽和リアクトル、D
5、D6は出力整流ダイオード、Lは出力平滑チョーク
コイル、C2は出力平滑コンデンサ、Rは負荷である。
【0007】図8のパワートランスは、絶縁ケース52
中に挿入されたノーカット磁心51を用い、1次巻線は
積層された6つの略コ字型板状導体53とこれらを結ぶ
5つの直線型板状導体54により巻数6ターンとして構
成され、2次巻線は前記積層された1次巻線をなす略コ
字型板状導体間の5つの空間中の4つの空間に4つの略
コ字型板状導体55を挿入し、これらの2つずつをそれ
ぞれ1つの直線型板状導体56で結び2ターンとした2
組の巻線をT字型板状導体57でシリーズ接続すること
により構成したパワートランスである。
【0008】図9のパワートランスは、絶縁ケース62
中に挿入されたノーカット磁心61を用い、2次巻線は
4つの略コ字型板状導体65の2つずつをそれぞれ1つ
の直線型板状導体66で結び2ターンとした2組の巻線
をT字型板状導体67でシリーズ接続することにより構
成され、1次巻線は6つの略コ字型板状導体63の3つ
ずつをそれぞれ2つの直線型板状導体64で結び3ター
ンとした2組の巻線で2次巻線を挟み込み、これら2組
の巻線をシリーズ接続用板状導体68で接続することに
より6ターンを構成したパワートランスである。なお、
図8及び図9に示される入力端子1、2、出力端子3、
5及びセンタータップ4は、いずれも図7に示されるパ
ワートランスTの端子番号に一致するものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記パワート
ランスの巻線構造では、以下説明するようにパワートラ
ンスとしての小型化は不十分であった。図8のパワート
ランスの巻線構造では、トランスとしての高さを抑制し
ようとした場合、巻線構成部品として用いる略コ字型板
状導体53、55とそれらを結ぶ直線型板状導体54、
56の導体幅を広くすることにより対応できるが、図8
における略コ字型板状導体53と直線型板状導体56、
および略コ字型板状導体55と直線型板状導体54が隣
り合う部分では、他の箇所に比べて導体幅の増加による
寸法的影響が大きく、パワートランスの小型化が図れな
かった。
【0010】また、図9のパワートランスは、積層する
1次巻線及び2次巻線に無駄な隙間があるため、磁心の
巻枠に対する巻線占有率が低く、パワートランスが大型
化する問題があった。本発明は、上記で説明したそれぞ
れの問題点を対策することにより、より小型のパワート
ランスを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、軟磁性合金薄
帯を巻回してなる巻磁心と板状導体巻線からなるパワー
トランスにおいて、軟磁性合金薄帯からなる巻磁心はノ
ーカット、閉磁路の枠形状であり、1次巻線及び2次巻
線は略コ字型の板状導体を交互に積層しながらそれぞれ
を接続するものであり、前記略コ字型板状導体は、巻磁
心の内方を通過する板状導体の導体幅に比べ、巻磁心外
方における前記と同一である板状導体の導体幅を小さく
して巻線に起因する所要体積を抑制したパワートランス
である。
【0012】また本発明は、上記の積層する略コ字型の
板状導体を結ぶ直線型板状導体が、略コ字型板状導体の
巻磁心内方における導体幅より小さい導体幅とするパワ
ートランスである。
【0013】また本発明は、軟磁性合金薄帯を巻回して
なる巻磁心と板状導体巻線からなるパワートランスにお
いて、軟磁性合金薄帯からなる巻磁心はノーカット、閉
磁路の枠形状であり、1次巻線及び2次巻線は略コ字型
の板状導体をそれぞれ積層して、1次巻線或いは2次巻
線で他方を挟むサンドイッチ構造であり、積層する略コ
字型板状導体を結ぶ直線型板状導体は、略コ字型板状導
体との接続面の裏面が前記略コ字型板状導体接続面とほ
ぼ同じ切欠がなされ、略コ字型板状導体の前記直線型板
状導体との接続部は、導体を切欠した部分で直線型板状
導体と接続して、巻線に起因する所要体積を抑制したパ
ワートランスである。
【0014】上記に示すパワートランスを用いた電力変
換装置は、より小型化が図れ好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について図
面を参照して説明する。 (実施例1)図7のフルブリッジ方式のDC−DCコン
バータを用いて、本発明のパワートランスと従来技術に
より作成したパワートランスの性能について比較した。
表1に図7のDC−DCコンバータの仕様を示す。
【0016】
【表1】
【0017】本発明及び比較例に使用したパワートラン
スTの磁心材料、およびその磁気特性を表2に示す。表
2のナノ結晶材はFeを主成分とし、結晶粒径50nm
以下の微細な結晶粒がその組織の体積全体の50%以上
を占めるナノ結晶軟磁性合金薄帯である。薄帯の厚みは
18〜20μmのものを用いた。
【0018】
【表2】
【0019】磁心形状は、上記ナノ結晶材の合金薄帯2
5mm幅を用いた表3に示す寸法の四角枠形状であり、
これを単位磁心とした。本実施例に用いた磁心は、前記
単位磁心を筒状に2個つなげて、プラスチックケースに
収納したものを、図1に示すように日字形に配置した日
字形磁心である。ケース挿入後の磁心寸法は表4の通り
である。なお、本発明の磁心形状は日字形に限るもので
はなく、ノーカットの閉磁路磁心であればどの様な形状
でもよく、また本発明の説明では2個の単位磁心を連ね
て1個の磁心としているが、これを1個さらには3個以
上の単位磁心で構成しても良いのは勿論である。
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】本発明のパワートランスの斜視図を図1
に、その断面図を図2に示す。なお、比較例は従来技術
の図8の巻線構造とした。本発明及び比較例共に、1次
巻線は6ターン、2次巻線はセンタータップ方式よる2
ターンでそれぞれを構成した。
【0023】本発明のコ字型板状導体14は、図3に示
すように日字形磁心13の巻枠内を通る導体部14aに
比べて、日字形磁心13の外部に位置する導体部14b
の導体幅を小さくしている。また、積層する略コ字型板
状導体14を接続する直線型板状導体15の導体幅も日
字形磁心13の巻枠内を通る導板部14aより小さい導
体幅とした。
【0024】また2次巻線は、上記1次巻線構成時に合
わせて日字形磁心13に積層構成する。略コ字型板状導
体16は、1次側の略コ字型板状導体14間に積層配置
し、積層する略コ字型板状導体16を直線型板状導体1
7で接続して2次巻線を構成する。2次巻線も1次巻線
と同様に図3に説明する略コ字型板状導体と直線型板状
導体の形状とした。また、入力端子1、2、及び出力端
子3、5は、略コ字型板状導体を延伸して形成し、セン
タータップ4はT字型板状導体18で2組の2次巻線を
シリーズ接続することにより形成した。なお、図示はし
ていないが、本発明に係る略コ字型板状導体或いはそれ
らを接続する直線型板状導体は、接続部以外を予め絶縁
物で被覆し、導体物の可動によって発生する絶縁不良を
未然に防止することができるようにした。
【0025】本発明及び比較例の巻線の仕様は表5の通
りである。表5における()内の数値は、磁心の巻枠外
における略コ字型板状導体の導体幅である。なお、導体
の材質には銅を用いた。
【0026】
【表5】
【0027】上記の条件により作製したパワートランス
は表6の通りである。Vはパワートランスの体積(但
し、入力及び出力、センタータップの各端子引出部は含
めず)を表し、Hはパワートランスの高さ寸法である。
本発明は日字形磁心の巻枠外方における巻線を構成する
板状導体の導体幅を小さくすることによりパワートラン
スの体積を低減することができた。しかし、その影響に
より直流抵抗は高くなった。
【0028】
【表6】
【0029】本発明及び比較例の静的特性、及び図7の
電源実装による動的特性について評価を行った。測定周
波数或いはスイッチング周波数は、20kHzと50k
Hzの2点である。表7に20kHz、表8に50kH
zにおける測定結果を示す。なお、インダクタンス及び
漏れインダクタンスは、インピーダンスアナライザ41
94A(日本HP製)により測定し、結合係数はそれら
の値より算出した値である。
【0030】
【表7】
【0031】
【表8】
【0032】表7及び表8に示すように、本発明及び比
較例共に同じ磁心、同じ巻数であるため、1次巻線Np
の励磁インダクタンスは同じ値を示したが、漏れインダ
クタンスは明らかに本発明が低く、巻線の結合度は高く
なった。これは、巻線において磁心に対する巻線導体の
位置が影響したものであって、本発明は比較例に比べて
巻線が磁心に近くその影響で漏れインダクタンスが減少
したためである。
【0033】表7及び表8から分かるように、本発明は
比較例に比べて1次巻線両端間に発生するサージ電圧、
またパワートランスの温度上昇が共に低く、特に周波数
が50kHzの時にそれらの差が顕著に表れている。比
較例は、本発明に比べて体積も大きく、しかも巻線の直
流抵抗が小さいにもかかわらず、本発明よりサージ電圧
が大きく、温度上昇も高い。これは静的特性の結果に一
致するものであり、漏れインダクタンスにより銅損が増
加したことが原因である。前記サージ電圧の抑制には図
7に示される回路の主スイッチS1〜S4の主電極間に
接続するスナバ回路が有効であるが、サージ電圧の増加
は前記スナバ回路の損失増加を招き、電源の効率を低下
させることになる。さらに、前記サージ電圧が主スイッ
チS1〜S4の耐圧を越える場合には、これを抑制する
ために、より容量の大きなコンデンサが必要となり、そ
の形状が大きくなることにより、スナバ回路の大型化を
招くとともに、スナバ回路の損失も増加し、電源効率が
低下することになる。
【0034】また、漏れインダクタンスは、電源の輻射
ノイズの発生原因にもなるため、本発明のパワートラン
スは低ノイズという特徴も有する。
【0035】(実施例2)実施例2も実施例1と同様に
図7の回路構成で表1に示される仕様のフルブリッジ方
式のDC−DCコンバータを用いて、本発明のパワート
ランスと従来技術により作製した比較例のパワートラン
スについて比較した。
【0036】本発明及び比較例共に同一の磁心材料及び
磁心の形状とした。磁心材料は実施例1と同じナノ結晶
材を使用し、磁気特性は表2の通りである。
【0037】磁心形状は、表9に示す四角枠形状とし、
これを単位磁心として、2つ薄帯幅方向に並べて50m
m長さを1組の磁心とした。前記磁心は絶縁のためプラ
スチック製ケースに収納した。ケース挿入後の磁心寸法
は表10の通りである。なお、本実施例に用いた磁心
は、前記プラスチックケースに収納したものを、図1に
示すように日字形に配置した日字形磁心である。
【0038】
【表9】
【0039】
【表10】
【0040】本発明のパワートランスの斜視図を図4
に、その断面図を図5に示す。なお、比較例は従来技術
の図9の巻線構造とした。本発明及び比較例共に、1次
巻線は6ターン、2次巻線はセンタータップ方式よる2
ターンでそれぞれを構成した。
【0041】本発明は、略コ字型板状導体26と積層す
る略コ字型板状導体26を結ぶ直線型板状導体27によ
り2次巻線を構成し、一方、1次巻線は、前記2次巻線
を分割して挟むサンドイッチ構造とし、分割積層する略
コ字型板状導体24を直線型板状導体25によりそれぞ
れ接続し、分割積層した2つの1次巻線をシリーズ接続
用板状導体29により接続してなるパワートランスであ
る。なお、入力端子1、2、及び出力端子3、5は、略
コ字型板状導体を延伸して形成したものであるが、セン
タータップ4はT字型板状導体を用いて形成したもので
ある。
【0042】本発明のパワートランスは図6に示すよう
に、略コ字型板状導体24と直線型板状導体25が重な
り合って接続する部分の厚みを、予め半分程度に除去し
た状態とし、しかも接続方法は、略コ字型板状導体24
の除去部分と直線型板状導体25の除去部分の反対面と
が接続するようにしたものである。また、2次巻線も同
様に図6に示す構造の略コ字型板状導体と直線型板状導
体を用いて構成した。この構造により図5で示す断面図
の通り積層する導体間の隙間を最小限に抑えることがで
きた。なお、本発明のパワートランスに使用した略コ字
型板状導体24及び直線型板状導体25は、それらの接
続面を除去して構成したものであるが、それらの接続面
が除去された状態となるように複数枚の板状導体を組み
合わせて構成しても良いことは勿論である。
【0043】本発明及び比較例の巻線仕様は表11の通
りである。表11における()内の数値は、略コ字型板
状導体、或いは直線型板状導体の接続部の板厚である。
なお、本発明及び比較例に使用した板状導体は、磁心の
巻線可能な巻枠面積を最大限に活用することのできる厚
みとした。また、導体の材質には実施例1と同様銅を用
いた。
【0044】
【表11】
【0045】上記の条件により作製したパワートランス
の仕様を表12に示す。Vはパワートランスの体積(但
し、入力及び出力、センタータップの各端子引出部は含
めず)を表し、Hはパワートランスの高さ寸法である。
本発明はコ字型板状導体及び直線型板状導体の接続部に
切欠を設けて接続し巻線を構成したため、磁心の巻線可
能な巻枠面積を最大限に活用することができ、比較例よ
りも直流抵抗を著しく低減できた。
【0046】
【表12】
【0047】実施例2における本発明及び比較例の静的
特性、及び動的特性の測定結果を表13に示す。比較例
は、積層する巻線の間に隙間が多く、その隙間部分で漏
れインダクタンスが発生しやすく、そのために1次巻線
両端間に発生するサージ電圧が高くなってしまう。な
お、本実施例では、本発明及び比較例の結合係数に差が
見られなかったため、それらの値を表に記載していな
い。
【0048】
【表13】
【0049】本発明のパワートランスは、漏れインダク
タンスが低いことにより、それに起因するサージ電圧を
低くすることができるため、電源のノイズ対策と効率の
改善に有効である。また、同じ容積のトランスであって
も本発明のパワートランスは、巻線の導体断面積を従来
例より大きくできる構造のため、その直流抵抗を小さく
でき、パワートランスの温度上昇の低減が図れる。
【0050】本発明のパワートランスを使用した電力変
換装置は、従来例のパワートランスを使用したものと比
較して小型化が可能であり、しかも漏れインダクタンス
を抑制することができるため、ノイズ対策にも有効で、
効率の優れた電力変換装置の製作が可能となる。なお、
本実施例では巻線の材質に銅を用いたが、他にアルミニ
ウム等でも良く、銅に限定されることはない。また、磁
心材質はナノ結晶材以外に巻磁心であればどの様な材質
のものを用いても良いことは勿論である。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
軟磁性合金薄帯の優れた磁気特性を最大限に発揮させる
ことのできるノーカット、閉磁路の磁心を用いて、小
型、低損失、低輻射ノイズのパワートランスが得られ、
これを用いた小型、高効率、低ノイズで信頼性の高い電
力変換装置を製作できるため、その効果は極めて大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパワートランスの第1の実施形態の斜
視図。
【図2】本発明のパワートランスの第1の実施形態の断
面図。
【図3】本発明のパワートランスに係る巻線部材の斜視
図。
【図4】本発明のパワートランスの第2の実施形態の斜
視図。
【図5】本発明のパワートランスの第2の実施形態の断
面図。
【図6】本発明のパワートランスに係る積層巻線の接続
方法説明図。
【図7】動的特性評価に使用したフルブリッジ方式のD
C−DCコンバータ主回路図。
【図8】比較例のパワートランスの断面図。
【図9】他の比較例のパワートランスの断面図。
【符号の説明】
1,2 入力端子 3,5 出力端子 4 センタータップ 11 単位磁心 12 絶縁ケース 13 日字型磁心 14 略コ字型板状導体 14a 内方に位置する導体部 14b 外方に位置する導体部 15 直線型板状導体 16 略コ字型板状導体 17 直線型板状導体 18 T字型板状導体 24 略コ字型板状導体 25 直線型板状導体 26 略コ字型板状導体 27 直線型板状導体 28 T字型板状導体 29 シリーズ接続用板状導体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02M 3/28 H01F 31/00 A 27/24 B (72)発明者 小倉 克廣 鳥取県鳥取市南栄町26番地1日立フェライ ト電子株式会社内 Fターム(参考) 5E043 AA06 AB02 BA01 5E062 DD04 5H730 AA14 AA15 AS01 BB27 BB57 EE03 EE08 ZZ16

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟磁性合金薄帯を巻回してなる巻磁心と
    板状導体巻線からなるパワートランスにおいて、軟磁性
    合金薄帯からなる巻磁心はノーカット、閉磁路の枠形状
    であり、1次巻線及び2次巻線は略コ字型の板状導体を
    交互に積層しながらそれぞれを接続するものであり、前
    記略コ字型板状導体は、巻磁心の内方を通過する板状導
    体の導体幅に比べ、巻磁心外方における前記と同一であ
    る板状導体の導体幅を小さくして巻線に起因する所要体
    積を抑制したことを特徴とするパワートランス。
  2. 【請求項2】 積層する略コ字型の板状導体を結ぶ直線
    型板状導体は、略コ字型板状導体の巻磁心内方における
    導体幅より小さい導体幅とすることを特徴とする請求項
    1記載のパワートランス。
  3. 【請求項3】 軟磁性合金薄帯を巻回してなる巻磁心と
    板状導体巻線からなるパワートランスにおいて、軟磁性
    合金薄帯からなる巻磁心はノーカット、閉磁路の枠形状
    であり、1次巻線及び2次巻線は略コ字型の板状導体を
    それぞれ積層して、1次巻線或いは2次巻線で他方を挟
    むサンドイッチ構造であり、積層する略コ字型板状導体
    を結ぶ直線型板状導体は、略コ字型板状導体との接続面
    の裏面が前記略コ字型板状導体接続面とほぼ同じ切欠が
    なされ、略コ字型板状導体の前記直線型板状導体との接
    続部は、導体を切欠した部分で直線型板状導体と接続し
    て、巻線に起因する所要体積を抑制したことを特徴とす
    るパワートランス。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3に記載のパワート
    ランスを用いたことを特徴とする電力変換装置。
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