JPH0582034U - ノイズ防止チョークコイル - Google Patents

ノイズ防止チョークコイル

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JPH0582034U
JPH0582034U JP2206892U JP2206892U JPH0582034U JP H0582034 U JPH0582034 U JP H0582034U JP 2206892 U JP2206892 U JP 2206892U JP 2206892 U JP2206892 U JP 2206892U JP H0582034 U JPH0582034 U JP H0582034U
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 小型で良好なコモンモードノイズ、ノーマル
モードノイズおよび高調波抑制作用を持つ、ノイズ防止
チョークコイルを提供する。 【構成】 磁気ギャップ3を有した外側磁路形成用の外
側コア4と、少なくとも一部が、外側磁路を短絡するよ
うに外側コア4に組合され、少なくとも2つの短絡磁路
を有する短絡磁路形成用の中足コア5とからなる。外側
コア4に巻回された同一巻数の2つの巻線6、7および
中足コア5に巻回された同一巻数の2つの巻線8、9を
有し、外側コア4と中足コア5の各々の1巻線同士が相
互に接続される。各組の巻線および接続は各組の巻線に
より、中足コア5に発生する磁束の方向がノーマルモー
ド時には打ち消しあい、コモンモード時には相加わるよ
うに施され、外側磁路でノーマルモードインダクタを、
短絡磁路単独あるいは短絡磁路と外側磁路とでコモンモ
ードインダクタをそれぞれ形成する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は主として電子機器等の電源入力部に高調波抑制を兼ねたノイズフィル タ回路の一部として使用されるノイズ防止チョークコイルに関し、特に一個の素 子で大きなコモンモード、大きなノーマルモードインダクタンスが得られるチョ ーコイルに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の電源入力部に挿入されているコイルは、例えばスィッチング電源か ら発生するスィッチングノイズ等を防止する目的で使用されるコモンモードチョ ークコイルがもっとも多い。また、最近、電力系統の電圧歪みを起こすことで問 題化している高調波(高調波とは50または60Hzに対し、2次〜20次位まで の周波数を言い、一部の機器では障害が顕在化しているためIEC規格pub− 555−2等で国際的に規制されつつある。)を抑制するために、大インダクタ ンス(1mH〜10mH)のノーマルモードインダクタンスを有するリアクトルが使 われている。
【0003】 図10において、リアクトルが無い時の電源整流回路のn次の高調波電流の比 率を示す理論式は次の数式1のようになる。
【0004】
【数1】 但しa=(π−2γ)/2π γ=通流開始角 ここで、図10のリアクトル100を挿入することにより上式での通流開始角 を早め、高調波電流を抑制することが出来る。また、コモンモードチョークコイ ル200を挿入することでコモンモードインピーダンスを大きくすることになり 、コモンモードノイズ電流を抑制することが出来る。図10に示す高調波電流抑 制用のリアクトル100およびコモンモードチョークコイル200を構成する場 合、従来は図11に示すようにフェライトまたはアモルファス磁性体等でなるコ ア201に巻線202、および203を同相に巻装してコモンモードチョークコ イル200を構成し、さらにこのコモンモードチョークコイル200と直列にケ イ素鋼等でなるコア101に巻線102を巻装した高調波抑制用のリアクトル1 00を接続していた。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
上述のように、従来はコモンモードチョークコイル200および高調波電流抑 制用のリアクトル100をそれぞれ互いに独立した個別の部品として構成し、接 続することにより図10に示す電源回路を構成していた。従って3個の巻線、2 個のコアが必要であるとともに結線作業が必要であり、また部品数が複数になる ため実装面積が大きくなり、高価で且つ装置が大型になるという欠点を持ってい た。
【0006】 このような欠点を解消するために、図12に示すようなチョークコイルが提案 されており、以下これについて説明する。
【0007】 図12において、外側コア4は、例えば比較的飽和磁束密度の高い磁性材料で あるケイ素鋼、アモルファス磁性材、圧粉磁心等を打ち抜き、積層或いは粉体プ レス等の手段により構成したU字形のコアである。このU字形状の外側コア4を 磁気ギャップを介して2個組み合わせて外側磁路を形成するようにしている。2 つの外側コア4の間には磁気ギャップ3を介して短絡磁路形成用のI型の中足コ ア5をはさむようにしている。
【0008】 外側コア4には、それぞれ等しい巻数の巻線6、巻線7が各々の入力端61、 71または出力端62、72から見た巻方向が互いに同方向になるように巻装さ れている。また、中足コア5には等しい巻数の巻線8、9が巻方向が互いに同方 向になるよう巻装されている。巻線6は巻線9と、巻線7は巻線8とそれぞれ直 列に接続されており、61−62−91−92および71−72−81−82と 接続された2組の巻線を形成している。
【0009】 この2組の巻線はノーマルモード電流が流れた時には各々の磁束が中足コア5 部で打ち消しあい、コモンモード電流が流れた場合には各々の磁束が中足コア5 部で相加わるような方向で各々接続されている。
【0010】 図13は、図12に示されたコモンモード、ノーマルモード兼用チョークコイ ルの等価回路を示し、図(a)はノーマルモード時を示す。
【0011】 図12において、外側コア4の巻線を施した部分のレラクタンスをr1 、中足 コア5のレラクタンスをr2 、外側コア4の中足コア5との橋絡部と外側コア4 と中足コア5との間の磁気ギャップの合成レラクタンスをr3 とする。また、巻 線6、7による起磁力をN1 N (N1 :巻数、IN :ノーマルモード電流→商 用周波数と高調波)、巻線8、9による起磁力をN2 N (N2 :巻数)とする 。図中、Φ1 は巻線6部での起磁力により発生する磁束、Φ14、Φ15はそれぞれ 、Φ1 から巻線7部および中足コア5部に分流する磁束を示す。同様に、Φ2 は 巻線7部での起磁力により発生する磁束、Φ24、Φ25はそれぞれ、Φ2 から巻線 6部および中足コア5部に分流する磁束を示す。Φ3 、Φ4 はそれぞれ、巻線9 および巻線8での起磁力により発生する磁束を示す。矢印は磁束の方向を示す。
【0012】 中足コア5部に流入する磁束Φ3 、Φ15およびΦ4 、Φ25はそれぞれ、大きさ が等しく方向が逆であるので打ち消しあう。このため、ノーマルモードインダク タンスは、中足コア5部の磁気回路に関係しない。
【0013】 この関係からノーマルモードインダクタンスを計算すると(過程は省略)2組 の巻線のインダクタンスの和となるから、 LN =2N1 2 /(r1 +2r3 ) が得られる。
【0014】 図13(b)はコモンモード時の磁束の状態を示す。Φ5 は巻線6部での起磁 力により発生する磁束、Φ54、Φ55はそれぞれ、Φ5 から巻線7部および中足コ ア5部に分流する磁束を示す。同様に、Φ6 は巻線7部での起磁力により発生す る磁束、Φ64、Φ65はそれぞれ、Φ6 から巻線6部および中足コア5部に分流す る磁束を示す。Φ8 、Φ7 、Φ71、Φ81、Φ72、Φ82は各々中足コア5部の巻線 8および巻線9での起磁力により発生する磁束を示す。Φ84、Φ74は各々Φ8 、 Φ7 から巻線6、7部に分流する磁束を示す。
【0015】 詳細な計算過程は省略するが、コモンモードインダクタンスは、 LC =(4N2 2 +N1 2 +4N1 2 )/(r1 +2r2 +2r3 ) が得られる。
【0016】 上式でr3 は磁気ギャップを含むことから、実際には大きなレラクタンスとな り、大きなコモンモードインダクタンスが得られないという欠点がある。
【0017】 本考案は上述する欠点を除き、大きなコモンモードインダクタンスとノーマル モードインダクタンスを合わせ持ち、小型で実装スペースも小さく、安価で且つ 良好なコモンモードノイズ、ノーマルモードノイズおよび高調波抑制作用を持つ 、ノイズ防止チョークコイルを提供しようとするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本考案に係るノイズ防止チョークコイルの構成は、磁気ギャップを有した外側 磁路形成用の外側コアと、少なくとも一部が、前記外側磁路を短絡するように前 記外側コアに組合され、少なくとも2つの短絡磁路を有する短絡磁路形成用の中 足コアとからなり、前記外側コアに巻回された同一巻数の2つの巻線および前記 中足コアに巻回された同一巻数の2つの巻線を有し、前記外側コアと前記中足コ アの各々の1巻線同士が相互に接続されることにより、電源と負荷の各々のライ ンに接続される2組の巻線を構成した2ライン用のチョークコイルであり、各組 の巻線および接続は各組の巻線により、前記中足コアに発生する磁束の方向がノ ーマルモード時には打ち消しあい、コモンモード時には相加わるように施され、 前記外側磁路でノーマルモードインダクタを、前記短絡磁路単独あるいは前記短 絡磁路と前記外側磁路とでコモンモードインダクタをそれぞれ形成したことを特 徴とする。
【0019】
【実施例】
以下、具体的な実施例により本考案を説明する。
【0020】 高調波を抑制するには、前述のように、大きなノーマルモードインダクタンス (例えば1mH〜10mH)が必要で、しかも振幅の大きい基本波或いは高調波電流 で飽和しないことが必要である。コモンモードノイズを防止するためには、ノイ ズフィルタ構成時のコンデンサによるライン−アース間の漏洩電流の増加防止も 踏まえ、相応な大きさ(例えば1mH〜50mH)と高周波特性(例えば10kHz 〜 30MHz )を有したコモンモードインダクタンスが必要である。
【0021】 図1は、本考案の第1の実施例を示す斜視図である。図1において、外側コア 4は、例えば比較的飽和磁束密度の高い磁性材料であるケイ素鋼、アモルファス 磁性材、圧粉磁心等を打ち抜き、積層或いは粉体プレス等の手段により構成した U字形のコアである。このU字形状の外側コア4を磁気ギャップを介して2個組 み合わせて外側磁路を形成するようにしている。2つの外側コア4の間には、磁 気ギャップ3を介して短絡磁路を形成するために3つの短絡磁路を有する、いわ ば日の字形状の中足コア5をはさんでいる。2つの外側コア4には、それぞれ等 しい巻数の巻線6、巻線7が各々の入力端61、71または出力端62、72か ら見た巻方向が互いに同方向になるように巻装されている。また、中足コア5の 中央部には等しい巻数の巻線8、9を巻方向が互いに同方向になるよう巻装して いる。巻線6は巻線9と、巻線7は巻線8と直列に接続されており、61−62 −91−92および71−72−81−82と接続された2組の巻線を形成して いる。この2組の巻線はノーマルモード電流が流れた時には各々の磁束が中足コ ア5部で打ち消しあい、コモンモード電流が流れた場合には各々の磁束が中足コ ア5部で相加わるような方向で各々接続されている。
【0022】 このノイズ防止チョークコイルを電源ラインと負荷間の2本のラインに直列に 挿入した場合、基本波および高調波電流を含む通電電流IN (ノーマルモード電 流)により、巻線6、7には磁束Φ1 およびΦ2 が発生する。磁束Φ2 の一部Φ24 (Φ24=Φ2 −Φ25)は外側コア4部を経てΦ1 とともに巻線6部分で相加わ るように作用し、磁束Φ1 の一部Φ14(Φ14=Φ1 −Φ15)は外側コア部を経て Φ2 とともに巻線7部分で相加わるように作用する。また、その他(Φ15および Φ25)は中足コア5部で互いに打ち消し合う方向に作用する。この場合、相加わ る磁束となる磁束の量(Φ14およびΦ24)と打ち消し合う磁束となる磁束の量( Φ15およびΦ25)の大きさは、両端脚部の磁気ギャップ3の長さ、断面積、中足 コア5の断面積、短絡磁路、外側磁路の磁路長等の関係で決まる。実際には外側 コア4には磁気ギャップ3を設けてあるため、磁気抵抗(レラクタンス)が格段 に大きく、Φ24、Φ14は実質上0、即ちΦ1 はΦ15と実質上等しく、Φ2 はΦ25 と実質上等しいと考えて良い。また、中足コア5の巻線9および巻線8が発生す る磁束Φ3 およびΦ4 は互いに逆方向で且つ同一の大きさであり、中足コア5内 で打ち消される。
【0023】 即ち、基本波および高調波電流に対して効果を示すノーマルモードインダクタ ンスは、外側コア4部の巻線6部に鎖交する磁束Φ1 および巻線7部に鎖交する 磁束Φ2 によって各々の巻線に発生するインダクタンスの和となり、中足コア5 の巻線には関係しない。一方、コモンモードノイズ成分の電流Ic が流れた場合 には、巻線6に流れるコモンモードノイズ成分の電流による磁束Φ5 および巻線 7に流れるコモンモードノイズ成分の電流による磁束Φ6 の各々の磁束の一部は 、Φ55、Φ65として中足コア5部に相加わる磁束として、さらに中足コア巻線8 、9で発生する磁束、Φ7 、Φ8 も上記Φ55、Φ65と中足コア5部に相加わる磁 束となる。
【0024】 外側コア4の巻線7部では巻線6による磁束Φ5 の一部分Φ54(=Φ5 −Φ55 )はΦ6 と反対方向に、巻線6部では巻線7部による磁束Φ6 の一部Φ64(=Φ6 −Φ65)はΦ5 と反対方向に流れる。しかしながら、外側コア4部には磁気ギ ャップ3があるためノーマルモードノイズの場合と同様に磁気抵抗が大きく、Φ54 、Φ64は実質上0、即ち、Φ5 =Φ55、Φ6 =Φ65とみなして良い。巻線9お よび巻線8にコモンモードノイズ成分の電流により発生する磁束Φ7 、Φ8 はΦ65 、Φ55と同一方向に生ずる。また、その一部はΦ74、Φ84(Φ74=Φ7 /2、 Φ84=Φ8 /2)として外側コアの巻線6および7に流れる。従って、巻線6、 9と巻線7、8に生ずるコモンモードインダクタンスは巻線6と鎖交する磁束{ Φ5 +Φ74+Φ84}、巻線9と鎖交する磁束、{Φ55(実質上Φ5 と等しい)+ Φ7 +Φ8 +Φ65(実質上Φ6 と等しい)}の各々で構成されるインダクタンス の和となる。また、巻線7、8に生ずるコモンモードインダクタンスは、巻線7 と鎖交する磁束{Φ6 +Φ74+Φ84}、巻線9と鎖交する磁束、{Φ55(実質上 Φ5 と等しい)+Φ7 +Φ8 +Φ65(実質上Φ6 と等しい)}の各々で構成され るインダクタンスの和となる。ここで、巻線6、7および巻線8、9は各々巻数 が等しいので、Φ6 =Φ5 、Φ7 =Φ8 であり、各々の巻線の組のコモンモード インダクタンスは等しい。
【0025】 図2は、本考案によるコモンモード、ノーマルモード兼用チョークコイルの等 価回路を示し、図(a)はノーマルモード時を示す。
【0026】 この例でも、外側コア4の巻線を施した部分のレラクタンスをr1 、中足コア 5のレラクタンスをr2 、外側コア4の中足5との橋絡部と外側コア4と中足コ ア5との間の磁気ギャップ3の合成レラクタンスをr3 とする。また、巻線6、 巻線7による起磁力をN1 N 、巻線8、9による起磁力をN2 N とし、Φ1 は巻線6部での起磁力により発生する磁束、Φ14、Φ15はそれぞれ、Φ1 から巻 線7部および中足コア5部に分流する磁束を示すものとする。Φ2 は巻線7部で の起磁力により発生する磁束、Φ24、Φ25はそれぞれΦ2 から巻線6部および中 足コア5部に分流する磁束を示す。Φ3 、Φ4 はそれぞれ巻線9および巻線8で の起磁力により発生する磁束を示す。中足コア5部に流入する磁束Φ3 、Φ15お よびΦ4 、Φ25はそれぞれ、大きさが等しく方向が逆であるので打ち消しあう。 このため、ノーマルモードインダクタンスは、中足コア5部の磁気回路に関係し ない。
【0027】 この関係からノーマルモードインダクタンスを計算すると(過程は省略)2組 の巻線のインダクタンスの和となるから、従来例と同様、 LN =2N1 2 /(r1 +2r3 ) が得られる。
【0028】 図2(b)はコモンモード時の磁束の状態を示す。Φ5 は巻線6部での起磁力 により発生する磁束、Φ54、Φ55はそれぞれ、Φ5 から巻線7部および中足コア 5部に分流する磁束を示す。同様に、Φ6 は巻線7部での起磁力により発生する 磁束Φ64、Φ65はそれぞれΦ6 から巻線6部および中足コア5部に分流する磁束 を示す。Φ8 、Φ7 、Φ71、Φ81、Φ72、Φ82は各々中足コア5部の巻線8およ び巻線9での起磁力により発生する磁束を示す。Φ84、Φ74は各々Φ8 、Φ7 か ら巻線6、7部に分流する磁束を示す。
【0029】 詳細な計算過程は省略するが、コモンモードインダクタンスは、中足コア5部 のみの磁気回路でほぼ近似ができるので、下記の数式が得られる。
【0030】
【数2】 但し、r2 ′は中足コア5の中央部のレラクタンス、r2 ″は中足コア5の両 側部分のレラクタンスである。
【0031】 数式2でr3 は磁気ギャップを含むことから、実際には大きなレラクタンスと なる。このため、大きなコモンモードインダクタンスLc を得るにはr3 の影響 の少ない本考案のコモンモードノーマルモードインダクタンス兼用チョークコイ ルの構造が必要となる。
【0032】 また、必要なノーマルモード、コモンモードインダクタンスの組合せは、重畳 される基本波および高調波電流による磁気飽和を防止する磁気回路の要素(断面 積、磁気ギャップ長等)を考慮したうえ、巻線6、7部の巻線N1 、巻線7、8 部の巻線N2 を変えることにより得られる。前述のように、中足コア5部はコモ ンモードノイズでは磁束が相加わるように発生するが、コモンモードノイズは基 本波や高調波電流(例えば1A〜10A)に比べて微小な電流(数十mA〜数百mA )であり、またノーマルモードノイズに対しては発生する磁束が互いに打ち消し 合う方向であるため磁気飽和は起こりにくく、その断面積は外側コアの断面積に 比べ十分に小さくできる。
【0033】 図1の実施例の構造で具体的にチョークコイルを作ったときの特性を述べる。 外側コア4にはU型形状で18mm×30mm×15mm(板厚2.5μm)のアモル ファスコア(μi =6000)を2個1組とし、中足コア5には日の字形状35 .5mm×33mm×17mm(外枠寸法)のMn−Znフェライトコア(μi =12 000)を使用する。そして、φ0.6の銅線を外側コア4の巻線6、7として それぞれN1 =50回、中足コア5の巻線8、9としてそれぞれN2 =24回巻 線し、磁気ギャップ0.6mmで構成したチョークコイルは、ノーマルモードイン ダクタンスLN =1mH、コモンモードインダクタンスLc =10mHが得られた。
【0034】 このチョークコイルの直流電流重畳特性を図3に示す。本図から明らかなよう に、定格電流2Aまで一定のインダクタンスが得られている。
【0035】 さらに、この本考案のチョークコイルを図4のようなノイズフィルタ構成とし 、電子機器に実装したときの効果を調べたのが、図5〜図7である。
【0036】 図5はパーソナルコンピュータに本考案のノイズ防止チョークコイルを用いた ノイズフィルタ(図4)を実装したときの高調波抑制効果を示す。これにより、 本考案のチョークコイルを挿入すると、8.1%〜83.9%(3次〜13次) の高調波抑制効果が得られることがわかる。
【0037】 図6、図7は、本考案のノイズ防止チョークコイルを用いたノイズフィルタ( 図4)を同じくパーソナルコンピュータに実装したときのVCCI規格による雑 音端子間電圧特性である。図6は、ノイズフィルタ未挿入、図7はノイズフィル タ挿入時の特性をそれぞれ示す。図より本考案によるチョークコイルを使用した ノイズフィルタは、50〜70dB(0.15MHz 〜10MHz )のノイズ防止効果 のあることがわかる。以上のように、本考案によるノイズ防止チョークコイルは 高調波及びノイズ(EMI)抑制効果にすぐれている。
【0038】 図8、図9は、本考案によるノイズ防止チョークコイルの別の実施例である。 図8は、外側コア4にU型コアを使用した点は、図1の実施例と同じであるが、 中足コア5′に日の字形コアでなく、2つのU型コアを2個1組として突き合わ せることで2つの短絡磁路を有するものを使用した。中足コア5′に2つのU型 コアを使用したことで図1の例よりもさらに小型化を実現できた。
【0039】 図9は、図8における外側コアと中足コアを一体化した例である。図1や図8 の例では外側コア4と中足コア5あるいは5′が別々のコアであるから、おのお の異なる材質(例えば外側コア4にセンダストやアモルファス材、中足コア5、 5′にフェライト材)を選択するなど最適の材料を選ぶことが可能である。しか し、その反面、コア部材の部品点数が多く、製造上、コア組み立てが複雑となり 、工数がかかるなどの難点がある。
【0040】 これを解決するのが、図9の実施例である。この構造は、外側コアと中足コア を一体化した(例えばフェライト、やケイ素鋼など)E型コアで、しかもその中 足部を2分割した形状のコアを2個1組として突き合わせたものであり、両外側 の脚部にノーマルモードの巻線6、7を、中足部の両分割部にコモンモードの巻 線8、9を施した構造である。尚、中足コア部には磁気ギャップを設けず、両外 側の脚部の間に磁気ギャップ3′を設けてノーマルモード電流でのコアの飽和を 防いでいる。この構造は上述のようにコア組立てが容易であり、安価なノイズ防 止チョークコイルを提供できる。
【0041】
【考案の効果】
以上述べてきたように本考案によれば、1個の部品でありながらコモンモード ノイズ、ノーマルモードノイズおよび高調波をも効果的に抑制出来ると共に、特 に大きなコモンモードインダクタンスおよびノーマルモードインダクタンスを兼 ね備えた、小型で、実装スペースも小さく且つ安価なノイズ防止チョークコイル を提供出来、より効果的な高調波およびノイズ抑制機能を持った小型、低価格な 電子機器の実現に対して大きな貢献をするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案によるコモンモード、ノーマルモードイ
ンダクタンス兼用ノイズ防止チョークコイルの第1の実
施例を示す斜視図。
【図2】本考案によるノイズ防止チョークコイルの第1
の実施例の磁束の状態をノーマルモード(図a)、コモ
ンモード(図b)の場合について説明するための電気的
等価回路図。
【図3】本考案によるノイズ防止チョークコイルの第1
の実施例の直流電流重畳特性を示した図。
【図4】本考案によるノイズ防止チョークコイルを用い
たノイズフィルタの例の回路図。
【図5】図4のノイズフィルタをパーソナルコンピュー
タに実装したときの高調波抑制効果の例を示した図。
【図6】パーソナルコンピュータのノイズ(EMI)を
ノイズフィルタ無しの場合について示した特性図。
【図7】パーソナルコンピュータのノイズを図4のノイ
ズフィルタを挿入したときの場合について示した特性
図。
【図8】本考案によるコモンモード、ノーマルモードイ
ンダクタンス兼用ノイズ防止チョークコイルの第2の実
施例を示す斜視図。
【図9】本考案によるコモンモード、ノーマルモードイ
ンダクタンス兼用ノイズ防止チョークコイルの第3の実
施例を示す斜視図である。
【図10】従来のチョークコイルによる電子機器への電
源入力回路の例を示す図。
【図11】図10に示されたチョークコイルの具体的な
結線状態を示す図。
【図12】従来のコモンモード、ノーマルモードインダ
クタンス兼用ノイズ防止チョークコイルの例を示す斜視
図。
【図13】従来のコモンモード、ノーマルモードインダ
クタンス兼用ノイズ防止チョークコイルの磁束の状態を
ノーマルモード(図a)、コモンモード(図b)の場合
について説明するための電気的等価回路図。
【符号の説明】
3,3′ 磁気ギャップ 4 外側コア 5 中足コア 6,7,8,9 巻線 61,71,81,91 巻線入力端末 62,72,82,92 巻線出力端末 IN ノーマルモード電流 Ic コモンモード電流

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ギャップを有した外側磁路形成用の
    外側コアと、少なくとも一部が、前記外側磁路を短絡す
    るように前記外側コアに組合され、少なくとも2つの短
    絡磁路を有する短絡磁路形成用の中足コアとからなり、
    前記外側コアに巻回された同一巻数の2つの巻線および
    前記中足コアに巻回された同一巻数の2つの巻線を有
    し、前記外側コアと前記中足コアの各々の1巻線同士が
    相互に接続されることにより、電源と負荷の各々のライ
    ンに接続される2組の巻線を構成した2ライン用のチョ
    ークコイルであり、各組の巻線および接続は各組の巻線
    により、前記中足コアに発生する磁束の方向がノーマル
    モード時には打ち消しあい、コモンモード時には相加わ
    るように施され、前記外側磁路でノーマルモードインダ
    クタを、前記短絡磁路単独あるいは前記短絡磁路と前記
    外側磁路とでコモンモードインダクタをそれぞれ形成し
    たことを特徴とするコモンモード、ノーマルモードイン
    ダクタ兼用のノイズ防止チョークコイル。
  2. 【請求項2】 前記外側コアと前記中足コアは異なるコ
    ア材を使用したことを特徴とする請求項2記載のコモン
    モード、ノーマルモードインダクタ兼用ノイズ防止チョ
    ークコイル。
  3. 【請求項3】 前記外側コアと前記中足コアは一体化さ
    れたものであることを特徴とする請求項1記載のコモン
    モード、ノーマルモードインダクタ兼用ノイズ防止チョ
    ークコイル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1995029493A1 (fr) * 1994-04-26 1995-11-02 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Bobine d'arret
JP2011243917A (ja) * 2010-05-21 2011-12-01 Tdk Corp コイル部品及びインピーダンスの調整方法

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