JP2567381Y2 - ノイズ防止チョークコイル - Google Patents
ノイズ防止チョークコイルInfo
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- JP2567381Y2 JP2567381Y2 JP2206892U JP2206892U JP2567381Y2 JP 2567381 Y2 JP2567381 Y2 JP 2567381Y2 JP 2206892 U JP2206892 U JP 2206892U JP 2206892 U JP2206892 U JP 2206892U JP 2567381 Y2 JP2567381 Y2 JP 2567381Y2
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- windings
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- winding
- choke coil
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は主として電子機器等の電
源入力部に高調波抑制を兼ねたノイズフィルタ回路の一
部として使用されるノイズ防止チョークコイルに関し、
特に一個の素子で大きなコモンモード、大きなノーマル
モードインダクタンスが得られるチョーコイルに関す
る。
源入力部に高調波抑制を兼ねたノイズフィルタ回路の一
部として使用されるノイズ防止チョークコイルに関し、
特に一個の素子で大きなコモンモード、大きなノーマル
モードインダクタンスが得られるチョーコイルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子機器の電源入力部に挿入されている
コイルは、例えばスィッチング電源から発生するスィッ
チングノイズ等を防止する目的で使用されるコモンモー
ドチョークコイルがもっとも多い。また、最近、電力系
統の電圧歪みを起こすことで問題化している高調波(高
調波とは50または60Hzに対し、2次〜20次位まで
の周波数を言い、一部の機器では障害が顕在化している
ためIEC規格pub−555−2等で国際的に規制さ
れつつある。)を抑制するために、大インダクタンス
(1mH〜10mH)のノーマルモードインダクタンスを有
するリアクトルが使われている。
コイルは、例えばスィッチング電源から発生するスィッ
チングノイズ等を防止する目的で使用されるコモンモー
ドチョークコイルがもっとも多い。また、最近、電力系
統の電圧歪みを起こすことで問題化している高調波(高
調波とは50または60Hzに対し、2次〜20次位まで
の周波数を言い、一部の機器では障害が顕在化している
ためIEC規格pub−555−2等で国際的に規制さ
れつつある。)を抑制するために、大インダクタンス
(1mH〜10mH)のノーマルモードインダクタンスを有
するリアクトルが使われている。
【0003】図10において、リアクトルが無い時の電
源整流回路のn次の高調波電流の比率を示す理論式は次
の数式1のようになる。
源整流回路のn次の高調波電流の比率を示す理論式は次
の数式1のようになる。
【0004】
【数1】 但しa=(π−2γ)/2π γ=通流開始角 ここで、図10のリアクトル100を挿入することによ
り上式での通流開始角を早め、高調波電流を抑制するこ
とが出来る。また、コモンモードチョークコイル200
を挿入することでコモンモードインピーダンスを大きく
することになり、コモンモードノイズ電流を抑制するこ
とが出来る。図10に示す高調波電流抑制用のリアクト
ル100およびコモンモードチョークコイル200を構
成する場合、従来は図11に示すようにフェライトまた
はアモルファス磁性体等でなるコア201に巻線20
2、および203を同相に巻装してコモンモードチョー
クコイル200を構成し、さらにこのコモンモードチョ
ークコイル200と直列にケイ素鋼等でなるコア101
に巻線102を巻装した高調波抑制用のリアクトル10
0を接続していた。
り上式での通流開始角を早め、高調波電流を抑制するこ
とが出来る。また、コモンモードチョークコイル200
を挿入することでコモンモードインピーダンスを大きく
することになり、コモンモードノイズ電流を抑制するこ
とが出来る。図10に示す高調波電流抑制用のリアクト
ル100およびコモンモードチョークコイル200を構
成する場合、従来は図11に示すようにフェライトまた
はアモルファス磁性体等でなるコア201に巻線20
2、および203を同相に巻装してコモンモードチョー
クコイル200を構成し、さらにこのコモンモードチョ
ークコイル200と直列にケイ素鋼等でなるコア101
に巻線102を巻装した高調波抑制用のリアクトル10
0を接続していた。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】上述のように、従来は
コモンモードチョークコイル200および高調波電流抑
制用のリアクトル100をそれぞれ互いに独立した個別
の部品として構成し、接続することにより図10に示す
電源回路を構成していた。従って3個の巻線、2個のコ
アが必要であるとともに結線作業が必要であり、また部
品数が複数になるため実装面積が大きくなり、高価で且
つ装置が大型になるという欠点を持っていた。
コモンモードチョークコイル200および高調波電流抑
制用のリアクトル100をそれぞれ互いに独立した個別
の部品として構成し、接続することにより図10に示す
電源回路を構成していた。従って3個の巻線、2個のコ
アが必要であるとともに結線作業が必要であり、また部
品数が複数になるため実装面積が大きくなり、高価で且
つ装置が大型になるという欠点を持っていた。
【0006】このような欠点を解消するために、図12
に示すようなチョークコイルが提案されており、以下こ
れについて説明する。
に示すようなチョークコイルが提案されており、以下こ
れについて説明する。
【0007】図12において、外側コア4は、例えば比
較的飽和磁束密度の高い磁性材料であるケイ素鋼、アモ
ルファス磁性材、圧粉磁心等を打ち抜き、積層或いは粉
体プレス等の手段により構成したU字形のコアである。
このU字形状の外側コア4を磁気ギャップを介して2個
組み合わせて外側磁路を形成するようにしている。2つ
の外側コア4の間には磁気ギャップ3を介して短絡磁路
形成用のI型の中足コア5をはさむようにしている。
較的飽和磁束密度の高い磁性材料であるケイ素鋼、アモ
ルファス磁性材、圧粉磁心等を打ち抜き、積層或いは粉
体プレス等の手段により構成したU字形のコアである。
このU字形状の外側コア4を磁気ギャップを介して2個
組み合わせて外側磁路を形成するようにしている。2つ
の外側コア4の間には磁気ギャップ3を介して短絡磁路
形成用のI型の中足コア5をはさむようにしている。
【0008】外側コア4には、それぞれ等しい巻数の巻
線6、巻線7が各々の入力端61、71または出力端6
2、72から見た巻方向が互いに同方向になるように巻
装されている。また、中足コア5には等しい巻数の巻線
8、9が巻方向が互いに同方向になるよう巻装されてい
る。巻線6は巻線9と、巻線7は巻線8とそれぞれ直列
に接続されており、61−62−91−92および71
−72−81−82と接続された2組の巻線を形成して
いる。
線6、巻線7が各々の入力端61、71または出力端6
2、72から見た巻方向が互いに同方向になるように巻
装されている。また、中足コア5には等しい巻数の巻線
8、9が巻方向が互いに同方向になるよう巻装されてい
る。巻線6は巻線9と、巻線7は巻線8とそれぞれ直列
に接続されており、61−62−91−92および71
−72−81−82と接続された2組の巻線を形成して
いる。
【0009】この2組の巻線はノーマルモード電流が流
れた時には各々の磁束が中足コア5部で打ち消しあい、
コモンモード電流が流れた場合には各々の磁束が中足コ
ア5部で相加わるような方向で各々接続されている。
れた時には各々の磁束が中足コア5部で打ち消しあい、
コモンモード電流が流れた場合には各々の磁束が中足コ
ア5部で相加わるような方向で各々接続されている。
【0010】図13は、図12に示されたコモンモー
ド、ノーマルモード兼用チョークコイルの等価回路を示
し、図(a)はノーマルモード時を示す。
ド、ノーマルモード兼用チョークコイルの等価回路を示
し、図(a)はノーマルモード時を示す。
【0011】図12において、外側コア4の巻線を施し
た部分のレラクタンスをr1 、中足コア5のレラクタン
スをr2 、外側コア4の中足コア5との橋絡部と外側コ
ア4と中足コア5との間の磁気ギャップの合成レラクタ
ンスをr3 とする。また、巻線6、7による起磁力をN
1 IN (N1 :巻数、IN :ノーマルモード電流→商用
周波数と高調波)、巻線8、9による起磁力をN2 IN
(N2 :巻数)とする。図中、Φ1 は巻線6部での起磁
力により発生する磁束、Φ14、Φ15はそれぞれ、Φ1 か
ら巻線7部および中足コア5部に分流する磁束を示す。
同様に、Φ2 は巻線7部での起磁力により発生する磁
束、Φ24、Φ25はそれぞれ、Φ2 から巻線6部および中
足コア5部に分流する磁束を示す。Φ3 、Φ4 はそれぞ
れ、巻線9および巻線8での起磁力により発生する磁束
を示す。矢印は磁束の方向を示す。
た部分のレラクタンスをr1 、中足コア5のレラクタン
スをr2 、外側コア4の中足コア5との橋絡部と外側コ
ア4と中足コア5との間の磁気ギャップの合成レラクタ
ンスをr3 とする。また、巻線6、7による起磁力をN
1 IN (N1 :巻数、IN :ノーマルモード電流→商用
周波数と高調波)、巻線8、9による起磁力をN2 IN
(N2 :巻数)とする。図中、Φ1 は巻線6部での起磁
力により発生する磁束、Φ14、Φ15はそれぞれ、Φ1 か
ら巻線7部および中足コア5部に分流する磁束を示す。
同様に、Φ2 は巻線7部での起磁力により発生する磁
束、Φ24、Φ25はそれぞれ、Φ2 から巻線6部および中
足コア5部に分流する磁束を示す。Φ3 、Φ4 はそれぞ
れ、巻線9および巻線8での起磁力により発生する磁束
を示す。矢印は磁束の方向を示す。
【0012】中足コア5部に流入する磁束Φ3 、Φ15お
よびΦ4 、Φ25はそれぞれ、大きさが等しく方向が逆で
あるので打ち消しあう。このため、ノーマルモードイン
ダクタンスは、中足コア5部の磁気回路に関係しない。
よびΦ4 、Φ25はそれぞれ、大きさが等しく方向が逆で
あるので打ち消しあう。このため、ノーマルモードイン
ダクタンスは、中足コア5部の磁気回路に関係しない。
【0013】この関係からノーマルモードインダクタン
スを計算すると(過程は省略)2組の巻線のインダクタ
ンスの和となるから、 LN =2N1 2 /(r1 +2r3 ) が得られる。
スを計算すると(過程は省略)2組の巻線のインダクタ
ンスの和となるから、 LN =2N1 2 /(r1 +2r3 ) が得られる。
【0014】図13(b)はコモンモード時の磁束の状
態を示す。Φ5 は巻線6部での起磁力により発生する磁
束、Φ54、Φ55はそれぞれ、Φ5 から巻線7部および中
足コア5部に分流する磁束を示す。同様に、Φ6 は巻線
7部での起磁力により発生する磁束、Φ64、Φ65はそれ
ぞれ、Φ6 から巻線6部および中足コア5部に分流する
磁束を示す。Φ8 、Φ7 、Φ71、Φ81、Φ72、Φ82は各
々中足コア5部の巻線8および巻線9での起磁力により
発生する磁束を示す。Φ84、Φ74は各々Φ8 、Φ7 から
巻線6、7部に分流する磁束を示す。
態を示す。Φ5 は巻線6部での起磁力により発生する磁
束、Φ54、Φ55はそれぞれ、Φ5 から巻線7部および中
足コア5部に分流する磁束を示す。同様に、Φ6 は巻線
7部での起磁力により発生する磁束、Φ64、Φ65はそれ
ぞれ、Φ6 から巻線6部および中足コア5部に分流する
磁束を示す。Φ8 、Φ7 、Φ71、Φ81、Φ72、Φ82は各
々中足コア5部の巻線8および巻線9での起磁力により
発生する磁束を示す。Φ84、Φ74は各々Φ8 、Φ7 から
巻線6、7部に分流する磁束を示す。
【0015】詳細な計算過程は省略するが、コモンモー
ドインダクタンスは、 LC =(4N2 2 +N1 2 +4N1 N2 )/(r1 +2r2 +2r3 ) が得られる。
ドインダクタンスは、 LC =(4N2 2 +N1 2 +4N1 N2 )/(r1 +2r2 +2r3 ) が得られる。
【0016】上式でr3 は磁気ギャップを含むことか
ら、実際には大きなレラクタンスとなり、大きなコモン
モードインダクタンスが得られないという欠点がある。
ら、実際には大きなレラクタンスとなり、大きなコモン
モードインダクタンスが得られないという欠点がある。
【0017】本考案は上述する欠点を除き、大きなコモ
ンモードインダクタンスとノーマルモードインダクタン
スを合わせ持ち、小型で実装スペースも小さく、安価で
且つ良好なコモンモードノイズ、ノーマルモードノイズ
および高調波抑制作用を持つ、ノイズ防止チョークコイ
ルを提供しようとするものである。
ンモードインダクタンスとノーマルモードインダクタン
スを合わせ持ち、小型で実装スペースも小さく、安価で
且つ良好なコモンモードノイズ、ノーマルモードノイズ
および高調波抑制作用を持つ、ノイズ防止チョークコイ
ルを提供しようとするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本考案に係るノイズ防止
チョークコイルの構成は、磁気ギャップを有した外側磁
路形成用の外側コアと、少なくとも一部が、前記外側磁
路を短絡するように前記外側コアに組合され、少なくと
も2つの短絡磁路を有する短絡磁路形成用の中足コアと
からなり、前記外側コアに巻回された同一巻数の2つの
巻線および前記中足コアに巻回された同一巻数の2つの
巻線を有し、前記外側コアと前記中足コアの各々の1巻
線同士が相互に接続されることにより、電源と負荷の各
々のラインに接続される2組の巻線を構成した2ライン
用のチョークコイルであり、各組の巻線および接続は各
組の巻線により、前記中足コアに発生する磁束の方向が
ノーマルモード時には打ち消しあい、コモンモード時に
は相加わるように施され、前記外側磁路でノーマルモー
ドインダクタを、前記短絡磁路単独あるいは前記短絡磁
路と前記外側磁路とでコモンモードインダクタをそれぞ
れ形成したことを特徴とする。
チョークコイルの構成は、磁気ギャップを有した外側磁
路形成用の外側コアと、少なくとも一部が、前記外側磁
路を短絡するように前記外側コアに組合され、少なくと
も2つの短絡磁路を有する短絡磁路形成用の中足コアと
からなり、前記外側コアに巻回された同一巻数の2つの
巻線および前記中足コアに巻回された同一巻数の2つの
巻線を有し、前記外側コアと前記中足コアの各々の1巻
線同士が相互に接続されることにより、電源と負荷の各
々のラインに接続される2組の巻線を構成した2ライン
用のチョークコイルであり、各組の巻線および接続は各
組の巻線により、前記中足コアに発生する磁束の方向が
ノーマルモード時には打ち消しあい、コモンモード時に
は相加わるように施され、前記外側磁路でノーマルモー
ドインダクタを、前記短絡磁路単独あるいは前記短絡磁
路と前記外側磁路とでコモンモードインダクタをそれぞ
れ形成したことを特徴とする。
【0019】
【実施例】以下、具体的な実施例により本考案を説明す
る。
る。
【0020】高調波を抑制するには、前述のように、大
きなノーマルモードインダクタンス(例えば1mH〜10
mH)が必要で、しかも振幅の大きい基本波或いは高調波
電流で飽和しないことが必要である。コモンモードノイ
ズを防止するためには、ノイズフィルタ構成時のコンデ
ンサによるライン−アース間の漏洩電流の増加防止も踏
まえ、相応な大きさ(例えば1mH〜50mH)と高周波特
性(例えば10kHz 〜30MHz )を有したコモンモード
インダクタンスが必要である。
きなノーマルモードインダクタンス(例えば1mH〜10
mH)が必要で、しかも振幅の大きい基本波或いは高調波
電流で飽和しないことが必要である。コモンモードノイ
ズを防止するためには、ノイズフィルタ構成時のコンデ
ンサによるライン−アース間の漏洩電流の増加防止も踏
まえ、相応な大きさ(例えば1mH〜50mH)と高周波特
性(例えば10kHz 〜30MHz )を有したコモンモード
インダクタンスが必要である。
【0021】図1は、本考案の第1の実施例を示す斜視
図である。図1において、外側コア4は、例えば比較的
飽和磁束密度の高い磁性材料であるケイ素鋼、アモルフ
ァス磁性材、圧粉磁心等を打ち抜き、積層或いは粉体プ
レス等の手段により構成したU字形のコアである。この
U字形状の外側コア4を磁気ギャップを介して2個組み
合わせて外側磁路を形成するようにしている。2つの外
側コア4の間には、磁気ギャップ3を介して短絡磁路を
形成するために3つの短絡磁路を有する、いわば日の字
形状の中足コア5をはさんでいる。2つの外側コア4に
は、それぞれ等しい巻数の巻線6、巻線7が各々の入力
端61、71または出力端62、72から見た巻方向が
互いに同方向になるように巻装されている。また、中足
コア5の中央部には等しい巻数の巻線8、9を巻方向が
互いに同方向になるよう巻装している。巻線6は巻線9
と、巻線7は巻線8と直列に接続されており、61−6
2−91−92および71−72−81−82と接続さ
れた2組の巻線を形成している。この2組の巻線はノー
マルモード電流が流れた時には各々の磁束が中足コア5
部で打ち消しあい、コモンモード電流が流れた場合には
各々の磁束が中足コア5部で相加わるような方向で各々
接続されている。
図である。図1において、外側コア4は、例えば比較的
飽和磁束密度の高い磁性材料であるケイ素鋼、アモルフ
ァス磁性材、圧粉磁心等を打ち抜き、積層或いは粉体プ
レス等の手段により構成したU字形のコアである。この
U字形状の外側コア4を磁気ギャップを介して2個組み
合わせて外側磁路を形成するようにしている。2つの外
側コア4の間には、磁気ギャップ3を介して短絡磁路を
形成するために3つの短絡磁路を有する、いわば日の字
形状の中足コア5をはさんでいる。2つの外側コア4に
は、それぞれ等しい巻数の巻線6、巻線7が各々の入力
端61、71または出力端62、72から見た巻方向が
互いに同方向になるように巻装されている。また、中足
コア5の中央部には等しい巻数の巻線8、9を巻方向が
互いに同方向になるよう巻装している。巻線6は巻線9
と、巻線7は巻線8と直列に接続されており、61−6
2−91−92および71−72−81−82と接続さ
れた2組の巻線を形成している。この2組の巻線はノー
マルモード電流が流れた時には各々の磁束が中足コア5
部で打ち消しあい、コモンモード電流が流れた場合には
各々の磁束が中足コア5部で相加わるような方向で各々
接続されている。
【0022】このノイズ防止チョークコイルを電源ライ
ンと負荷間の2本のラインに直列に挿入した場合、基本
波および高調波電流を含む通電電流IN (ノーマルモー
ド電流)により、巻線6、7には磁束Φ1 およびΦ2 が
発生する。磁束Φ2 の一部Φ24(Φ24=Φ2 −Φ25)は
外側コア4部を経てΦ1 とともに巻線6部分で相加わる
ように作用し、磁束Φ1 の一部Φ14(Φ14=Φ1 −
Φ15)は外側コア部を経てΦ2 とともに巻線7部分で相
加わるように作用する。また、その他(Φ15および
Φ25)は中足コア5部で互いに打ち消し合う方向に作用
する。この場合、相加わる磁束となる磁束の量(Φ14お
よびΦ24)と打ち消し合う磁束となる磁束の量(Φ15お
よびΦ25)の大きさは、両端脚部の磁気ギャップ3の長
さ、断面積、中足コア5の断面積、短絡磁路、外側磁路
の磁路長等の関係で決まる。実際には外側コア4には磁
気ギャップ3を設けてあるため、磁気抵抗(レラクタン
ス)が格段に大きく、Φ24、Φ14は実質上0、即ちΦ1
はΦ15と実質上等しく、Φ2 はΦ25と実質上等しいと考
えて良い。また、中足コア5の巻線9および巻線8が発
生する磁束Φ3 およびΦ4 は互いに逆方向で且つ同一の
大きさであり、中足コア5内で打ち消される。
ンと負荷間の2本のラインに直列に挿入した場合、基本
波および高調波電流を含む通電電流IN (ノーマルモー
ド電流)により、巻線6、7には磁束Φ1 およびΦ2 が
発生する。磁束Φ2 の一部Φ24(Φ24=Φ2 −Φ25)は
外側コア4部を経てΦ1 とともに巻線6部分で相加わる
ように作用し、磁束Φ1 の一部Φ14(Φ14=Φ1 −
Φ15)は外側コア部を経てΦ2 とともに巻線7部分で相
加わるように作用する。また、その他(Φ15および
Φ25)は中足コア5部で互いに打ち消し合う方向に作用
する。この場合、相加わる磁束となる磁束の量(Φ14お
よびΦ24)と打ち消し合う磁束となる磁束の量(Φ15お
よびΦ25)の大きさは、両端脚部の磁気ギャップ3の長
さ、断面積、中足コア5の断面積、短絡磁路、外側磁路
の磁路長等の関係で決まる。実際には外側コア4には磁
気ギャップ3を設けてあるため、磁気抵抗(レラクタン
ス)が格段に大きく、Φ24、Φ14は実質上0、即ちΦ1
はΦ15と実質上等しく、Φ2 はΦ25と実質上等しいと考
えて良い。また、中足コア5の巻線9および巻線8が発
生する磁束Φ3 およびΦ4 は互いに逆方向で且つ同一の
大きさであり、中足コア5内で打ち消される。
【0023】即ち、基本波および高調波電流に対して効
果を示すノーマルモードインダクタンスは、外側コア4
部の巻線6部に鎖交する磁束Φ1 および巻線7部に鎖交
する磁束Φ2 によって各々の巻線に発生するインダクタ
ンスの和となり、中足コア5の巻線には関係しない。一
方、コモンモードノイズ成分の電流Ic が流れた場合に
は、巻線6に流れるコモンモードノイズ成分の電流によ
る磁束Φ5 および巻線7に流れるコモンモードノイズ成
分の電流による磁束Φ6 の各々の磁束の一部は、Φ55、
Φ65として中足コア5部に相加わる磁束として、さらに
中足コア巻線8、9で発生する磁束、Φ7 、Φ8 も上記
Φ55、Φ65と中足コア5部に相加わる磁束となる。
果を示すノーマルモードインダクタンスは、外側コア4
部の巻線6部に鎖交する磁束Φ1 および巻線7部に鎖交
する磁束Φ2 によって各々の巻線に発生するインダクタ
ンスの和となり、中足コア5の巻線には関係しない。一
方、コモンモードノイズ成分の電流Ic が流れた場合に
は、巻線6に流れるコモンモードノイズ成分の電流によ
る磁束Φ5 および巻線7に流れるコモンモードノイズ成
分の電流による磁束Φ6 の各々の磁束の一部は、Φ55、
Φ65として中足コア5部に相加わる磁束として、さらに
中足コア巻線8、9で発生する磁束、Φ7 、Φ8 も上記
Φ55、Φ65と中足コア5部に相加わる磁束となる。
【0024】外側コア4の巻線7部では巻線6による磁
束Φ5 の一部分Φ54(=Φ5 −Φ55)はΦ6 と反対方向
に、巻線6部では巻線7部による磁束Φ6 の一部Φ
64(=Φ6 −Φ65)はΦ5 と反対方向に流れる。しかし
ながら、外側コア4部には磁気ギャップ3があるためノ
ーマルモードノイズの場合と同様に磁気抵抗が大きく、
Φ54、Φ64は実質上0、即ち、Φ5 =Φ55、Φ6 =Φ65
とみなして良い。巻線9および巻線8にコモンモードノ
イズ成分の電流により発生する磁束Φ7 、Φ8 はΦ65、
Φ55と同一方向に生ずる。また、その一部はΦ74、Φ84
(Φ74=Φ7 /2、Φ84=Φ8 /2)として外側コアの
巻線6および7に流れる。従って、巻線6、9と巻線
7、8に生ずるコモンモードインダクタンスは巻線6と
鎖交する磁束{Φ5 +Φ74+Φ84}、巻線9と鎖交する
磁束、{Φ55(実質上Φ5 と等しい)+Φ7 +Φ8 +Φ
65(実質上Φ6 と等しい)}の各々で構成されるインダ
クタンスの和となる。また、巻線7、8に生ずるコモン
モードインダクタンスは、巻線7と鎖交する磁束{Φ6
+Φ74+Φ84}、巻線9と鎖交する磁束、{Φ55(実質
上Φ5 と等しい)+Φ7 +Φ8 +Φ65(実質上Φ6 と等
しい)}の各々で構成されるインダクタンスの和とな
る。ここで、巻線6、7および巻線8、9は各々巻数が
等しいので、Φ6 =Φ5 、Φ7 =Φ8 であり、各々の巻
線の組のコモンモードインダクタンスは等しい。
束Φ5 の一部分Φ54(=Φ5 −Φ55)はΦ6 と反対方向
に、巻線6部では巻線7部による磁束Φ6 の一部Φ
64(=Φ6 −Φ65)はΦ5 と反対方向に流れる。しかし
ながら、外側コア4部には磁気ギャップ3があるためノ
ーマルモードノイズの場合と同様に磁気抵抗が大きく、
Φ54、Φ64は実質上0、即ち、Φ5 =Φ55、Φ6 =Φ65
とみなして良い。巻線9および巻線8にコモンモードノ
イズ成分の電流により発生する磁束Φ7 、Φ8 はΦ65、
Φ55と同一方向に生ずる。また、その一部はΦ74、Φ84
(Φ74=Φ7 /2、Φ84=Φ8 /2)として外側コアの
巻線6および7に流れる。従って、巻線6、9と巻線
7、8に生ずるコモンモードインダクタンスは巻線6と
鎖交する磁束{Φ5 +Φ74+Φ84}、巻線9と鎖交する
磁束、{Φ55(実質上Φ5 と等しい)+Φ7 +Φ8 +Φ
65(実質上Φ6 と等しい)}の各々で構成されるインダ
クタンスの和となる。また、巻線7、8に生ずるコモン
モードインダクタンスは、巻線7と鎖交する磁束{Φ6
+Φ74+Φ84}、巻線9と鎖交する磁束、{Φ55(実質
上Φ5 と等しい)+Φ7 +Φ8 +Φ65(実質上Φ6 と等
しい)}の各々で構成されるインダクタンスの和とな
る。ここで、巻線6、7および巻線8、9は各々巻数が
等しいので、Φ6 =Φ5 、Φ7 =Φ8 であり、各々の巻
線の組のコモンモードインダクタンスは等しい。
【0025】図2は、本考案によるコモンモード、ノー
マルモード兼用チョークコイルの等価回路を示し、図
(a)はノーマルモード時を示す。
マルモード兼用チョークコイルの等価回路を示し、図
(a)はノーマルモード時を示す。
【0026】この例でも、外側コア4の巻線を施した部
分のレラクタンスをr1 、中足コア5のレラクタンスを
r2 、外側コア4の中足5との橋絡部と外側コア4と中
足コア5との間の磁気ギャップ3の合成レラクタンスを
r3 とする。また、巻線6、巻線7による起磁力をN1
IN 、巻線8、9による起磁力をN2 IN とし、Φ1は
巻線6部での起磁力により発生する磁束、Φ14、Φ15は
それぞれ、Φ1 から巻線7部および中足コア5部に分流
する磁束を示すものとする。Φ2 は巻線7部での起磁力
により発生する磁束、Φ24、Φ25はそれぞれΦ2 から巻
線6部および中足コア5部に分流する磁束を示す。
Φ3 、Φ4 はそれぞれ巻線9および巻線8での起磁力に
より発生する磁束を示す。中足コア5部に流入する磁束
Φ3 、Φ15およびΦ4 、Φ25はそれぞれ、大きさが等し
く方向が逆であるので打ち消しあう。このため、ノーマ
ルモードインダクタンスは、中足コア5部の磁気回路に
関係しない。
分のレラクタンスをr1 、中足コア5のレラクタンスを
r2 、外側コア4の中足5との橋絡部と外側コア4と中
足コア5との間の磁気ギャップ3の合成レラクタンスを
r3 とする。また、巻線6、巻線7による起磁力をN1
IN 、巻線8、9による起磁力をN2 IN とし、Φ1は
巻線6部での起磁力により発生する磁束、Φ14、Φ15は
それぞれ、Φ1 から巻線7部および中足コア5部に分流
する磁束を示すものとする。Φ2 は巻線7部での起磁力
により発生する磁束、Φ24、Φ25はそれぞれΦ2 から巻
線6部および中足コア5部に分流する磁束を示す。
Φ3 、Φ4 はそれぞれ巻線9および巻線8での起磁力に
より発生する磁束を示す。中足コア5部に流入する磁束
Φ3 、Φ15およびΦ4 、Φ25はそれぞれ、大きさが等し
く方向が逆であるので打ち消しあう。このため、ノーマ
ルモードインダクタンスは、中足コア5部の磁気回路に
関係しない。
【0027】この関係からノーマルモードインダクタン
スを計算すると(過程は省略)2組の巻線のインダクタ
ンスの和となるから、従来例と同様、 LN =2N1 2 /(r1 +2r3 ) が得られる。
スを計算すると(過程は省略)2組の巻線のインダクタ
ンスの和となるから、従来例と同様、 LN =2N1 2 /(r1 +2r3 ) が得られる。
【0028】図2(b)はコモンモード時の磁束の状態
を示す。Φ5 は巻線6部での起磁力により発生する磁
束、Φ54、Φ55はそれぞれ、Φ5 から巻線7部および中
足コア5部に分流する磁束を示す。同様に、Φ6 は巻線
7部での起磁力により発生する磁束Φ64、Φ65はそれぞ
れΦ6 から巻線6部および中足コア5部に分流する磁束
を示す。Φ8 、Φ7 、Φ71、Φ81、Φ72、Φ82は各々中
足コア5部の巻線8および巻線9での起磁力により発生
する磁束を示す。Φ84、Φ74は各々Φ8 、Φ7 から巻線
6、7部に分流する磁束を示す。
を示す。Φ5 は巻線6部での起磁力により発生する磁
束、Φ54、Φ55はそれぞれ、Φ5 から巻線7部および中
足コア5部に分流する磁束を示す。同様に、Φ6 は巻線
7部での起磁力により発生する磁束Φ64、Φ65はそれぞ
れΦ6 から巻線6部および中足コア5部に分流する磁束
を示す。Φ8 、Φ7 、Φ71、Φ81、Φ72、Φ82は各々中
足コア5部の巻線8および巻線9での起磁力により発生
する磁束を示す。Φ84、Φ74は各々Φ8 、Φ7 から巻線
6、7部に分流する磁束を示す。
【0029】詳細な計算過程は省略するが、コモンモー
ドインダクタンスは、中足コア5部のみの磁気回路でほ
ぼ近似ができるので、下記の数式が得られる。
ドインダクタンスは、中足コア5部のみの磁気回路でほ
ぼ近似ができるので、下記の数式が得られる。
【0030】
【数2】 但し、r2 ′は中足コア5の中央部のレラクタンス、r
2 ″は中足コア5の両側部分のレラクタンスである。
2 ″は中足コア5の両側部分のレラクタンスである。
【0031】数式2でr3 は磁気ギャップを含むことか
ら、実際には大きなレラクタンスとなる。このため、大
きなコモンモードインダクタンスLc を得るにはr3 の
影響の少ない本考案のコモンモードノーマルモードイン
ダクタンス兼用チョークコイルの構造が必要となる。
ら、実際には大きなレラクタンスとなる。このため、大
きなコモンモードインダクタンスLc を得るにはr3 の
影響の少ない本考案のコモンモードノーマルモードイン
ダクタンス兼用チョークコイルの構造が必要となる。
【0032】また、必要なノーマルモード、コモンモー
ドインダクタンスの組合せは、重畳される基本波および
高調波電流による磁気飽和を防止する磁気回路の要素
(断面積、磁気ギャップ長等)を考慮したうえ、巻線
6、7部の巻線N1 、巻線7、8部の巻線N2 を変える
ことにより得られる。前述のように、中足コア5部はコ
モンモードノイズでは磁束が相加わるように発生する
が、コモンモードノイズは基本波や高調波電流(例えば
1A〜10A)に比べて微小な電流(数十mA〜数百mA)
であり、またノーマルモードノイズに対しては発生する
磁束が互いに打ち消し合う方向であるため磁気飽和は起
こりにくく、その断面積は外側コアの断面積に比べ十分
に小さくできる。
ドインダクタンスの組合せは、重畳される基本波および
高調波電流による磁気飽和を防止する磁気回路の要素
(断面積、磁気ギャップ長等)を考慮したうえ、巻線
6、7部の巻線N1 、巻線7、8部の巻線N2 を変える
ことにより得られる。前述のように、中足コア5部はコ
モンモードノイズでは磁束が相加わるように発生する
が、コモンモードノイズは基本波や高調波電流(例えば
1A〜10A)に比べて微小な電流(数十mA〜数百mA)
であり、またノーマルモードノイズに対しては発生する
磁束が互いに打ち消し合う方向であるため磁気飽和は起
こりにくく、その断面積は外側コアの断面積に比べ十分
に小さくできる。
【0033】図1の実施例の構造で具体的にチョークコ
イルを作ったときの特性を述べる。外側コア4にはU型
形状で18mm×30mm×15mm(板厚2.5μm)のア
モルファスコア(μi =6000)を2個1組とし、中
足コア5には日の字形状35.5mm×33mm×17mm
(外枠寸法)のMn−Znフェライトコア(μi =12
000)を使用する。そして、φ0.6の銅線を外側コ
ア4の巻線6、7としてそれぞれN1 =50回、中足コ
ア5の巻線8、9としてそれぞれN2 =24回巻線し、
磁気ギャップ0.6mmで構成したチョークコイルは、ノ
ーマルモードインダクタンスLN =1mH、コモンモード
インダクタンスLc =10mHが得られた。
イルを作ったときの特性を述べる。外側コア4にはU型
形状で18mm×30mm×15mm(板厚2.5μm)のア
モルファスコア(μi =6000)を2個1組とし、中
足コア5には日の字形状35.5mm×33mm×17mm
(外枠寸法)のMn−Znフェライトコア(μi =12
000)を使用する。そして、φ0.6の銅線を外側コ
ア4の巻線6、7としてそれぞれN1 =50回、中足コ
ア5の巻線8、9としてそれぞれN2 =24回巻線し、
磁気ギャップ0.6mmで構成したチョークコイルは、ノ
ーマルモードインダクタンスLN =1mH、コモンモード
インダクタンスLc =10mHが得られた。
【0034】このチョークコイルの直流電流重畳特性を
図3に示す。本図から明らかなように、定格電流2Aま
で一定のインダクタンスが得られている。
図3に示す。本図から明らかなように、定格電流2Aま
で一定のインダクタンスが得られている。
【0035】さらに、この本考案のチョークコイルを図
4のようなノイズフィルタ構成とし、電子機器に実装し
たときの効果を調べたのが、図5〜図7である。
4のようなノイズフィルタ構成とし、電子機器に実装し
たときの効果を調べたのが、図5〜図7である。
【0036】図5はパーソナルコンピュータに本考案の
ノイズ防止チョークコイルを用いたノイズフィルタ(図
4)を実装したときの高調波抑制効果を示す。これによ
り、本考案のチョークコイルを挿入すると、8.1%〜
83.9%(3次〜13次)の高調波抑制効果が得られ
ることがわかる。
ノイズ防止チョークコイルを用いたノイズフィルタ(図
4)を実装したときの高調波抑制効果を示す。これによ
り、本考案のチョークコイルを挿入すると、8.1%〜
83.9%(3次〜13次)の高調波抑制効果が得られ
ることがわかる。
【0037】図6、図7は、本考案のノイズ防止チョー
クコイルを用いたノイズフィルタ(図4)を同じくパー
ソナルコンピュータに実装したときのVCCI規格によ
る雑音端子間電圧特性である。図6は、ノイズフィルタ
未挿入、図7はノイズフィルタ挿入時の特性をそれぞれ
示す。図より本考案によるチョークコイルを使用したノ
イズフィルタは、50〜70dB(0.15MHz 〜10MH
z )のノイズ防止効果のあることがわかる。以上のよう
に、本考案によるノイズ防止チョークコイルは高調波及
びノイズ(EMI)抑制効果にすぐれている。
クコイルを用いたノイズフィルタ(図4)を同じくパー
ソナルコンピュータに実装したときのVCCI規格によ
る雑音端子間電圧特性である。図6は、ノイズフィルタ
未挿入、図7はノイズフィルタ挿入時の特性をそれぞれ
示す。図より本考案によるチョークコイルを使用したノ
イズフィルタは、50〜70dB(0.15MHz 〜10MH
z )のノイズ防止効果のあることがわかる。以上のよう
に、本考案によるノイズ防止チョークコイルは高調波及
びノイズ(EMI)抑制効果にすぐれている。
【0038】図8、図9は、本考案によるノイズ防止チ
ョークコイルの別の実施例である。図8は、外側コア4
にU型コアを使用した点は、図1の実施例と同じである
が、中足コア5′に日の字形コアでなく、2つのU型コ
アを2個1組として突き合わせることで2つの短絡磁路
を有するものを使用した。中足コア5′に2つのU型コ
アを使用したことで図1の例よりもさらに小型化を実現
できた。
ョークコイルの別の実施例である。図8は、外側コア4
にU型コアを使用した点は、図1の実施例と同じである
が、中足コア5′に日の字形コアでなく、2つのU型コ
アを2個1組として突き合わせることで2つの短絡磁路
を有するものを使用した。中足コア5′に2つのU型コ
アを使用したことで図1の例よりもさらに小型化を実現
できた。
【0039】図9は、図8における外側コアと中足コア
を一体化した例である。図1や図8の例では外側コア4
と中足コア5あるいは5′が別々のコアであるから、お
のおの異なる材質(例えば外側コア4にセンダストやア
モルファス材、中足コア5、5′にフェライト材)を選
択するなど最適の材料を選ぶことが可能である。しか
し、その反面、コア部材の部品点数が多く、製造上、コ
ア組み立てが複雑となり、工数がかかるなどの難点があ
る。
を一体化した例である。図1や図8の例では外側コア4
と中足コア5あるいは5′が別々のコアであるから、お
のおの異なる材質(例えば外側コア4にセンダストやア
モルファス材、中足コア5、5′にフェライト材)を選
択するなど最適の材料を選ぶことが可能である。しか
し、その反面、コア部材の部品点数が多く、製造上、コ
ア組み立てが複雑となり、工数がかかるなどの難点があ
る。
【0040】これを解決するのが、図9の実施例であ
る。この構造は、外側コアと中足コアを一体化した(例
えばフェライト、やケイ素鋼など)E型コアで、しかも
その中足部を2分割した形状のコアを2個1組として突
き合わせたものであり、両外側の脚部にノーマルモード
の巻線6、7を、中足部の両分割部にコモンモードの巻
線8、9を施した構造である。尚、中足コア部には磁気
ギャップを設けず、両外側の脚部の間に磁気ギャップ
3′を設けてノーマルモード電流でのコアの飽和を防い
でいる。この構造は上述のようにコア組立てが容易であ
り、安価なノイズ防止チョークコイルを提供できる。
る。この構造は、外側コアと中足コアを一体化した(例
えばフェライト、やケイ素鋼など)E型コアで、しかも
その中足部を2分割した形状のコアを2個1組として突
き合わせたものであり、両外側の脚部にノーマルモード
の巻線6、7を、中足部の両分割部にコモンモードの巻
線8、9を施した構造である。尚、中足コア部には磁気
ギャップを設けず、両外側の脚部の間に磁気ギャップ
3′を設けてノーマルモード電流でのコアの飽和を防い
でいる。この構造は上述のようにコア組立てが容易であ
り、安価なノイズ防止チョークコイルを提供できる。
【0041】
【考案の効果】以上述べてきたように本考案によれば、
1個の部品でありながらコモンモードノイズ、ノーマル
モードノイズおよび高調波をも効果的に抑制出来ると共
に、特に大きなコモンモードインダクタンスおよびノー
マルモードインダクタンスを兼ね備えた、小型で、実装
スペースも小さく且つ安価なノイズ防止チョークコイル
を提供出来、より効果的な高調波およびノイズ抑制機能
を持った小型、低価格な電子機器の実現に対して大きな
貢献をするものである。
1個の部品でありながらコモンモードノイズ、ノーマル
モードノイズおよび高調波をも効果的に抑制出来ると共
に、特に大きなコモンモードインダクタンスおよびノー
マルモードインダクタンスを兼ね備えた、小型で、実装
スペースも小さく且つ安価なノイズ防止チョークコイル
を提供出来、より効果的な高調波およびノイズ抑制機能
を持った小型、低価格な電子機器の実現に対して大きな
貢献をするものである。
【図1】本考案によるコモンモード、ノーマルモードイ
ンダクタンス兼用ノイズ防止チョークコイルの第1の実
施例を示す斜視図。
ンダクタンス兼用ノイズ防止チョークコイルの第1の実
施例を示す斜視図。
【図2】本考案によるノイズ防止チョークコイルの第1
の実施例の磁束の状態をノーマルモード(図a)、コモ
ンモード(図b)の場合について説明するための電気的
等価回路図。
の実施例の磁束の状態をノーマルモード(図a)、コモ
ンモード(図b)の場合について説明するための電気的
等価回路図。
【図3】本考案によるノイズ防止チョークコイルの第1
の実施例の直流電流重畳特性を示した図。
の実施例の直流電流重畳特性を示した図。
【図4】本考案によるノイズ防止チョークコイルを用い
たノイズフィルタの例の回路図。
たノイズフィルタの例の回路図。
【図5】図4のノイズフィルタをパーソナルコンピュー
タに実装したときの高調波抑制効果の例を示した図。
タに実装したときの高調波抑制効果の例を示した図。
【図6】パーソナルコンピュータのノイズ(EMI)を
ノイズフィルタ無しの場合について示した特性図。
ノイズフィルタ無しの場合について示した特性図。
【図7】パーソナルコンピュータのノイズを図4のノイ
ズフィルタを挿入したときの場合について示した特性
図。
ズフィルタを挿入したときの場合について示した特性
図。
【図8】本考案によるコモンモード、ノーマルモードイ
ンダクタンス兼用ノイズ防止チョークコイルの第2の実
施例を示す斜視図。
ンダクタンス兼用ノイズ防止チョークコイルの第2の実
施例を示す斜視図。
【図9】本考案によるコモンモード、ノーマルモードイ
ンダクタンス兼用ノイズ防止チョークコイルの第3の実
施例を示す斜視図である。
ンダクタンス兼用ノイズ防止チョークコイルの第3の実
施例を示す斜視図である。
【図10】従来のチョークコイルによる電子機器への電
源入力回路の例を示す図。
源入力回路の例を示す図。
【図11】図10に示されたチョークコイルの具体的な
結線状態を示す図。
結線状態を示す図。
【図12】従来のコモンモード、ノーマルモードインダ
クタンス兼用ノイズ防止チョークコイルの例を示す斜視
図。
クタンス兼用ノイズ防止チョークコイルの例を示す斜視
図。
【図13】従来のコモンモード、ノーマルモードインダ
クタンス兼用ノイズ防止チョークコイルの磁束の状態を
ノーマルモード(図a)、コモンモード(図b)の場合
について説明するための電気的等価回路図。
クタンス兼用ノイズ防止チョークコイルの磁束の状態を
ノーマルモード(図a)、コモンモード(図b)の場合
について説明するための電気的等価回路図。
3,3′ 磁気ギャップ 4 外側コア 5 中足コア 6,7,8,9 巻線 61,71,81,91 巻線入力端末 62,72,82,92 巻線出力端末 IN ノーマルモード電流 Ic コモンモード電流
Claims (3)
- 【請求項1】 磁気ギャップを有した外側磁路形成用の
外側コアと、少なくとも一部が、前記外側磁路を短絡す
るように前記外側コアに組合され、少なくとも2つの短
絡磁路を有する短絡磁路形成用の中足コアとからなり、
前記外側コアに巻回された同一巻数の2つの巻線および
前記中足コアに巻回された同一巻数の2つの巻線を有
し、前記外側コアと前記中足コアの各々の1巻線同士が
相互に接続されることにより、電源と負荷の各々のライ
ンに接続される2組の巻線を構成した2ライン用のチョ
ークコイルであり、各組の巻線および接続は各組の巻線
により、前記中足コアに発生する磁束の方向がノーマル
モード時には打ち消しあい、コモンモード時には相加わ
るように施され、前記外側磁路でノーマルモードインダ
クタを、前記短絡磁路単独あるいは前記短絡磁路と前記
外側磁路とでコモンモードインダクタをそれぞれ形成し
たことを特徴とするコモンモード、ノーマルモードイン
ダクタ兼用のノイズ防止チョークコイル。 - 【請求項2】 前記外側コアと前記中足コアは異なるコ
ア材を使用したことを特徴とする請求項2記載のコモン
モード、ノーマルモードインダクタ兼用ノイズ防止チョ
ークコイル。 - 【請求項3】 前記外側コアと前記中足コアは一体化さ
れたものであることを特徴とする請求項1記載のコモン
モード、ノーマルモードインダクタ兼用ノイズ防止チョ
ークコイル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2206892U JP2567381Y2 (ja) | 1992-04-09 | 1992-04-09 | ノイズ防止チョークコイル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2206892U JP2567381Y2 (ja) | 1992-04-09 | 1992-04-09 | ノイズ防止チョークコイル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0582034U JPH0582034U (ja) | 1993-11-05 |
JP2567381Y2 true JP2567381Y2 (ja) | 1998-04-02 |
Family
ID=12072579
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2206892U Expired - Lifetime JP2567381Y2 (ja) | 1992-04-09 | 1992-04-09 | ノイズ防止チョークコイル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2567381Y2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07297055A (ja) * | 1994-04-26 | 1995-11-10 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | チョークコイル |
JP5387502B2 (ja) * | 2010-05-21 | 2014-01-15 | Tdk株式会社 | コイル部品及びインピーダンスの調整方法 |
-
1992
- 1992-04-09 JP JP2206892U patent/JP2567381Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0582034U (ja) | 1993-11-05 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
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