JPH06290975A - コイル部品並びにその製造方法 - Google Patents

コイル部品並びにその製造方法

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JPH06290975A
JPH06290975A JP5096634A JP9663493A JPH06290975A JP H06290975 A JPH06290975 A JP H06290975A JP 5096634 A JP5096634 A JP 5096634A JP 9663493 A JP9663493 A JP 9663493A JP H06290975 A JPH06290975 A JP H06290975A
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coil
box
core
terminal
shaped core
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Application number
JP5096634A
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Inventor
Kazuhiro Seto
一弘 瀬戸
Kentaro Okusa
健太郎 大草
Hideyuki Sato
秀行 佐藤
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Tokin Corp
Original Assignee
Tokin Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱衝撃特性、機械的特性、高周波特性に優
れ、かつ小形で安価な信頼性に優れたコモンモードチョ
ークコイルやトランス等の多巻線出力の面実装型又は基
板挿入型のコイル部品並びにその製造方法を提供する。 【構成】 高い比透磁率特性を有する正面、及び正面と
側面に切り欠き部2b,2cを設けた2個の箱型コア2
からなる磁芯と、電気絶縁被膜付粘着銅線を夫々別個に
巻回した2個の円筒状コイル3とからなり面実装端子4
を形成する端子板を間を上面下面に夫々のコイル3を接
着固定した筒状コイルの巻線端末を端子板に溶接し、コ
イルの中央孔に箱型コアの中央磁脚2aを挿入して、磁
芯の内部にコイルと磁芯の外周面を封止樹脂5により一
体に封止成型する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子装置の回路に組み込
み、電磁ノイズを抑制するためのノイズ部品用チョーク
コイル、及び回路間の絶縁又はインピーダンス変換に使
用するトランス等のコイル部品並びにその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】電子装置の1次側電源ラインに挿入され
るラインフィルタ用コモンモードチョークコイル、或は
トランスの2次側に使用される信号ラインフィルタ用コ
モンモードチョークコイル、又はトランスは、少なくと
も二つ以上の巻線と磁芯とを組み合わせたものであり、
磁芯には高い比透磁率特性を持つフェライトコア、又は
金属磁性材料の微粉末を加圧成型して作られた圧粉磁芯
の、閉磁気回路のトロイダルコア(以下、コアと称す)
や分割型コア(以下、分割コアと称す)に巻線を巻回し
て、コモンモードチョークコイルやトランスが作られて
いる。
【0003】此等のコモンモードチョークコイルやトラ
ンスにおいて、トロイダルコアを用いたコモンモードチ
ョークコイルでは、トロイダルコアに巻線を巻回する際
はコアと巻線間、及び巻線相互間の電気絶縁特性を確保
するため、コアを樹脂ケースに収め、樹脂ケース上に、
二つの巻線を分割して巻回してコモンモードチョークコ
イルを形成しており、分割コアを用いたコモンモードチ
ョークコイル、トランスでは、電気絶縁特性を有する樹
脂材からなるコイルボビンに巻線を巻回して、巻線を巻
回したコイルボビンに分割コアを閉磁気回路になるよう
に組み込んでコモンモードチョークコイルやトランスと
している。
【0004】又基板へ実装するための巻線端末は、太い
線径のものでは樹脂ケースと一体に作られた端子板の案
内孔を通した巻線端末の絶縁被膜を剥離して、そのまま
直接基板実装用の端子とするか、又はコイルボビンと一
体の端子板に直接植設したピン端子に巻線端末をから
げ、半田付けにより接続してピン端子を基板上の導体の
実装孔へ取りつけるか、コイルボビンの端子板に植設し
た板状端子の先端の基板面に接する面を平に成形して面
実装端子に成形した構造としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】最近、電子装置の小形
化の要求から、コイル部品につても小形で面実装が可能
で、かつ自動実装が容易な形状で、自動実装の際の組立
作業において特性が劣化することのない機械的な強度を
有すること、一方基板へ面実装する際にコモンモードチ
ョークコイル、トランスは半田溶融温度にさらされるこ
とと、電流容量が大きな回路に使用されるコモンモード
チョークコイル、トランスでは線電流により巻線に発熱
を生ずるなどのため、耐熱衝撃特性に優れた特性を有す
るコモンモードチョークコイル及びトランスとする必要
がある。
【0006】一方電磁ノイズを防止するノイズフィルタ
に組み込まれるコモンモードチョークコイル、ノーマル
モードチョークコイルでは、最近使用される周波数帯域
も数百MHzの帯域にわたる特性が要求されている。
【0007】本発明は熱衝撃特性、機械的特性、高周波
特性に優れ、かつ小形で安価な信頼性製に優れたコモン
モードチョークコイル、トランス等のコイル部品並びに
その製造方法を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はコイルを形成す
るのに、コイルボビンや樹脂ケース等を用いることな
く、コイル用電線に電気絶縁特性に優れた絶縁被膜を施
した粘着電線を用いてコイルを作り、コモンモードチョ
ークコイル、又はトランスは巻回する夫々のコイルは別
個に巻回して作り、夫々のコイルをリードフレーム状の
端子板に接着し、巻線端末は連続したフレームから内側
にのびていた端子板に電気溶接により接続するか、又は
複数回巻回する線をバイファイラ巻きにしてコイルを作
り、フレームの両方向からのびる端子板に接着固定し、
夫々の線の巻始めと巻終わりとを夫々の端子板に電気溶
接により接続し、端子板に接着したコイルの中央孔に、
コア形状が正面、又は正面及び側面にコイル組み込み部
分の箱型コア内に樹脂を充填する切り欠き部を設けた二
つの箱型コアか、又は箱型コアと板状コアで、フェライ
トは高い比透磁率特性を要するフェライトコア、又は高
い比透磁率特性を有する金属微粉末を加圧成形して作ら
れた圧粉磁芯を組み付け接着し、封止樹脂に箱型コアの
内部のコイルと箱型コアとの間の空間に空気の層が生じ
ない様封止樹脂により磁芯とコイルと端子板とを一体に
封止成型し、端子板を面実装型端子の形状あるいは基板
挿入型端子の形状に成形して本発明のコモンモードチョ
ークコイル並びにトランスのコイル部品とする。
【0009】又、本発明のコモンモードチョークコイル
並びにトランスは、リードフレームの形に作られた端子
板上に予め所定位置に接着剤を用いてコイルボビンを用
いずに線を巻回して作った空芯の筒状コイルを接着し固
定し、巻線端末の絶縁被膜を剥離した後、電気溶接によ
り端子板に巻線端末を接続し、表面に絶縁塗膜を施した
Mn−Znフェライトコア、又はNi−Znフェライト
コア、表面に絶縁塗膜を施した鉄系圧粉磁芯、又はFe
−Si−Al系のセンダスト粉末を用いた圧粉磁芯等の
中央に磁脚を有する二つの箱型コアか、又は板状コアと
中央に磁脚を有する箱型コアをリードフレームに固定し
た筒状コイルに組み込み、接着固定し、箱型コアの側面
に設けた切り欠き部から封止樹脂をコイルを収めた箱型
コアの内部に注入充填するとともに、二つの箱型コア、
又は箱型コアと板状コアの磁芯の全周面を封止樹脂で被
覆成形して本発明のコイル部品とする。
【0010】即ち本発明は、高い比透磁率特性を有す
る正面又は正面と側面に切り欠き部を設けた2個の箱型
コアからなる磁芯と、電気絶縁被膜付粘着銅線を夫々別
個に巻回した2個の筒状コイルとからなり、基板実装端
子を形成する少なくとも2対の端子板を間に、該端子板
の上面と下面に夫々接着固定した前記筒状コイルの巻線
端末を筒状コイルを間に対向する端子板に一つの巻線端
末を夫々溶接し、コイルの中央孔に前記箱型コアの中央
磁脚を箱型コアの開口側を対向して端子板を間に上下方
向から組み合せ、磁芯の内部とコイルと磁芯の外周面と
を封止樹脂により一体に成型しコモンモードチョークコ
イルを形成してなることを特徴とするコイル部品であ
る。
【0011】高い比透磁率特性を有する正面又は正面
と側面に切り欠き部を設けた2個の箱型コアからなる磁
芯と、電気絶縁被膜付粘着銅線を夫々別個に巻回した2
個の筒状コイルとからなり、基板実装端子を形成する少
なくとも2対の端子板を間に、該端子板の上面と下面に
夫々接着固定した前記筒状コイルの巻線端末を筒状コイ
ルを間に夫々の側の端子板間に巻線端末を溶接し、コイ
ルの中央孔に前記箱型コアの中央磁脚を箱型コアの開口
側を対向して端子板を間に上下方向から組み合せ、磁芯
の内部とコイルと磁芯の外周面とを封止樹脂により一体
に成型しトランスを形成してなることを特徴とするコイ
ル部品である。
【0012】高い比透磁率特性を有する正面又は正面
と側面に切り欠き部を設けた1個の箱型コアと板状コア
とからなる磁芯と、電気絶縁被膜付粘着銅線をバイファ
イラ巻に巻回した少なくとも2回巻きの筒状コイルとか
らなり、基板実装端子を形成する少なくとも2対の端子
板に載置し接着固定した前記円筒状コイルの夫々の巻線
端末を、筒状コイルを間に対向する一方の端子板に一つ
のコイルの巻線端末を夫々溶接し、コイルの中央孔に前
記箱型コアの中央磁脚を挿入して板状コアと組み合せ、
磁芯の内部とコイルと磁芯の外周面とを封止樹脂により
一体に成型し、コモンモードチョークコイルを形成して
なることを特徴とするコイル部品である。
【0013】高い比透磁率特性を有する正面又は正面
と側面に切り欠き部を設けた1個の箱型コアと板状コア
とからなる磁芯と、電気絶縁被膜付粘着銅線をバイファ
イラ巻に巻回した少なくとも2回巻きの筒状コイルとか
らなり、基板実装端子を形成する少なくとも2対の端子
板に載置し接着固定した前記円筒状コイルの夫々の巻線
端末を、筒状コイルを間に夫々の側の端子板に筒状コイ
ルの夫々のコイルの巻線端末を溶接し、コイルの中央孔
に前記箱型コアの中央磁脚を挿入して板状コアと組み合
せ、磁芯の内部とコイルと磁芯の外周面とを封止樹脂に
より一体に成型し、トランスを形成してなることを特徴
とするコイル部品である。
【0014】高い比透磁率特性を有する正面又は正面
及び側面に切り欠き部を設けた1個の箱型コアと板状コ
アとからなる磁芯と、電気絶縁被膜付粘着銅線を夫々別
個に巻回した少なくとも2個の筒状コイルとからなり、
面実装端子を形成する端子板上に前記複数個の筒状コイ
ルを電気絶縁層を介挿して積層接着固定し、夫々の巻線
端末を筒状コイルを間に対向する端子板に一つのコイル
の巻線端末を夫々溶接し、コイルの中央孔に前記箱型コ
アの中央磁脚を挿入し板状コアと組み合せ、磁芯の内部
とコイルと磁芯の外周面とを封止樹脂により一体に成型
し、コモンモードチョークコイルを形成してなることを
特徴とするコイル部品である。
【0015】高い比透磁率特性を有する正面又は正面
と側面に切り欠き部を設けた1個の箱型コアと板状コア
とからなる磁芯と、電気絶縁被膜付粘着銅線を夫々別個
に巻回した少なくとも2個の筒状コイルとからなり、面
実装端子を形成する端子板上に前記複数個の筒状コイル
を電気絶縁層を介挿して積層接着固定し、夫々の巻線端
末を筒状コイルを間に夫々の側の端子板にコイルの巻線
端末を溶接して、コイルの中央孔に前記箱型コアの中央
磁脚を挿入して板状コアと組合せ、トランスを形成して
なることを特徴とするコイル部品である。
【0016】高い比透磁率特性を有する箱型コア及び
板状コアの磁芯は、Mn−Znフェライトコア、Ni−
Znフェライトコア、又は高い比透磁率特性を有する表
面に絶縁被膜を形成した金属磁性材料の微粉末表面に無
機絶縁層を形成し圧粉成形して熱処理を施した磁芯から
なることを特徴とする請求項1ないし請求項6記載のコ
イル部品である。
【0017】表面に錫メッキ又は半田メッキを施した
両側に送り穴を設けたリード条の間を支持する補助フレ
ームの間にリード条から中央にのび、中央に空隙を設け
たリード条の部分から先端方向に少なくとも2本に分割
された端子板からなるリードフレームに、電気絶縁被膜
付粘着銅線の複数線をバイファイラ巻きした筒状コイ
ル、又は一つの巻線を夫々筒状に巻回した筒状コイルの
複数個を、並行するリード条から中央にのびる前記端子
板の先端に樹脂接着して固定し、前記端子板にコイルを
間に対向する端子板に夫々の巻線端末を溶接し、正面又
は正面と側面に切り欠き部を設けた高い比透磁率特性を
有する2個の箱型コア、又は箱型コアと板状コアとから
なる磁芯を、前記筒状コイルの中央孔に箱型コアの中央
磁脚を前記リードフレームの端子板を間に、端子板の上
下面方向から挿入組み合せ、二つの箱型コアの角落し
部、又は箱型コアの側面の角落し部と板状コアの側面で
樹脂接着して磁芯と端子板とを固定し、磁芯の内部とコ
イルと磁芯の外周面とを一体に封止樹脂により封止成型
した後、リードフレームの端子板を所定の長さと形状に
切断して封止樹脂面に沿い折り曲げて面実装端子又は基
板挿入型端子にし、コモンモードチョークコイルを形成
してなることを特徴とするコイル部品の製造方法であ
る。
【0018】表面に錫メッキ又は半田メッキを施した
両側に送り穴を設けたリード条の間を支持する補助フレ
ームの間にリード条から中央にのび、中央に空隙を設け
たリード条の部分から先端方向に少なくとも2本に分割
された端子板からなるリードフレームに、電気絶縁被膜
付粘着銅線の複数線をバイファイラ巻きした筒状コイ
ル、又は一つの巻線を夫々筒状に巻回した筒状コイルの
複数個を、並行するリード条から中央にのびる前記端子
板の先端に樹脂接着して固定し、前記端子板にコイルを
間に一方の側の端子板に巻線端末を夫々溶接し、正面又
は正面と側面に切り欠き部を設けた高い比透磁率特性を
有する2個の箱型コア、又は箱型コアと板状コアとから
なる磁芯を、前記筒状コイルの中央孔に箱型コアの中央
磁脚を前記リードフレームの端子板を間に、端子板の上
下面方向から挿入組み合せ、二つの箱型コアの角落し
部、又は箱型コアの側面の角落し部と板状コアの側面で
樹脂接着して磁芯と端子板とを固定し、磁芯の内部とコ
イルと磁芯の外周面とを一体に封止樹脂により封止成型
した後、リードフレームの端子板を所定の長さと形状に
切断して封止樹脂面に沿い折り曲げて面実装端子又は基
板挿入型端子を形成しトランスを形成してなることを特
徴とするコイル部品の製造方法である。
【0019】
【作用】絶縁被膜付粘着電線を用いたコイルはコイルボ
ビンを使用せずにコイル形状を筒状に巻線窓面積を充分
に利用して成形出来、巻線間の電気絶縁耐圧特性も得ら
れ、コイルボビンを使用しないので箱型コアのコイル窓
枠内の巻線の占積率を高める。コモンモードチョークコ
イルを形成する同一巻線数の2個のコイルは予めリード
フレーム状に作られた端子板を間にして、端子板の上下
にコイルの中心軸が同一線上になる様に配置するか、二
つの巻線をバイファイラ巻きに同一巻回数巻回して筒状
コイルの両側の直線上に並んだ一方端面の端子板に巻線
端末を溶接接続して、側面にコイル部分に封止樹脂を注
入する切り欠き部を設けた箱型コアの中央磁脚をリード
フレーム上の端子板上に固定した筒状コイルの中央孔に
通して、箱型コアの開口側を向い合わせて接合し、箱型
コアのつき合わせ面に空隙を生じない様、箱型コアと板
状コアの接合面の外周を樹脂接着し、二つの箱型コアを
組み合わせた磁芯とするか、又は箱型コアと板状コアと
を組み合わせて、箱型コアの側面の切り欠きを通して箱
型コアの内部と、コイルに組込んだ箱型コアの内部のコ
イルとコアとの空隙の間に封止樹脂を注入して充填し、
外形を封止樹脂により直方体状に成形してリードフレー
ムより所望の端子を作る部分を残して切り落とし、樹脂
成形体の面に沿い折り曲げて面実装型あるいは基板挿入
型のコイル部品とする。
【0020】封止樹脂は箱型コア、板状コアの間の絶縁
と外部との絶縁を保証し、又機械的な強度を増し、コイ
ルに通電した際に発熱する熱の放散と熱伝導を良好にす
る。尚、バイファイラ巻きによりトランスを形成する時
はバイファイラ巻きの巻線を複数本巻回し巻回数毎に端
子を形成する様にコイルを作る。
【0021】二つの同一巻線のコイルを端子板を中央に
して上下方向に取り付けるか、同一方向に積み重ねた構
造のコイルは漏洩インダクタンスが大きく、このような
構成の本発明のコモンチョークコイルはコモンチョーク
コイルの動作と共にインダクタンスの値の大きなノーマ
ルモードチョークコイルの機能を有し、一つのコイル
で、ノーマルモードの電磁ノイズとコモンモードの電磁
ノイズを除去するのに有効なチョークコイルとなる。一
方バイファイラ巻きのコイルでは1次巻線と他の巻線間
の電磁気的な結合は密に結合しているので、コイルに流
れる電流の値が大きくてもコアは飽和することはなく、
一方トランスも漏洩インダクタンスの値が小さいので高
周波域へのびるトランスを形成できる。
【0022】又、コイル部品を組み立てる際リードフレ
ーム上に形成した面実装端子や基板挿入型端子を形成す
る端子板上にコイルの固定、箱型コアと板状コアのコイ
ルへの組み込み、封止樹脂による磁芯とコイルの樹脂成
型を行なうので、リードフレーム上で連続的にコモンチ
ョークコイル及びトランスを形成できる。
【0023】
【実施例】本発明の実施例を図面を用い説明する。図2
は本発明による第一の実施例のコイル部品を示す断面
図で、図1に完成品の外観斜視図を示す。コイル部品
は入出力端に2端子を有するコモンモードチョークコイ
ル、又はトランスを形成するコイル部品である。磁芯
は、本発明の第一の実施例では、外形が直方体の箱型コ
ア2の2個を組み合わせたもので、磁芯内部の凹部中央
の中央磁脚2aを間にして左右方向に取り付けられた面
実装端子4に、夫々接続されるコイル3の中央孔に中央
磁脚2aを組み付けて面実装端子4を間にして組合わせ
ている。箱型コア2は高い比透磁率特性のMn−Znフ
ェライト、Ni−Znフェライト、又はセンダストの圧
粉磁芯等からなる。コイル3は小形化するためコイルボ
ビンを使用せず、絶縁被膜が0種の粘着銅線を用い巻回
して作られた筒状コイルで、0種の電線の表面絶縁層の
耐電圧特性は、互いに接触する電線間で2000Vの耐
圧が保証された電線であり、交流100V、又は直流1
00V程度の回路、又は100V以下の回路で使用する
場合は充分に必要な電気絶縁耐圧を保証できる。一方、
箱型コア2、コイル3、面実装端子4は封止樹脂5によ
り箱型コア内部とコイルと、コイルと箱型コアの外周を
完全に樹脂により封止成形される。
【0024】図2に示すコイル部品は、その組み立ての
途中工程を図5に分解斜視図に示す様に、リード条34
から直角にのびる板状の面実装端子を形成する端子板3
1a,31b,31c,31dを有するリードフレーム
30に、同じ巻数を巻回した二つのコイル3を、リード
フレーム30の双方から対向し内側に伸びる面実装端子
を形成する端子板31a、31b、31c、31d上に
150℃付近の温度で短時間で硬化するエポキシ樹脂で
端子板を間に上面と下面に夫々接着固定し、コイル3の
巻線端末3bは絶縁被膜を剥離した後、コモンモードチ
ョークコイルを形成する時に筒状コイル3を間に直線上
に同一側のコイルの両側にのびる端子を形成する端子板
31b,31dに巻線端末を溶接したコイルと、コイル
を間に直線上に両側にのびる端子板31c、31aに巻
線端末を溶接したコイルとを、端子板31b方向から端
子板31d方向と、端子板31c方向から端子板31a
方向に互いに逆方向に電流が流れる時に二つのコイルが
作る磁界が互いに打ち消し合う様に接続し、又、トラン
スを形成する時はコイルの一方の側の端子板31a、3
1bが1次コイル、他方の端子板31c、31dが2次
コイルを形成する様に夫々のコイルの巻線端末3bを電
気溶接により端子板に接続する。
【0025】ついで、図5に示す様に端子板31a、3
1b、31c、31dに固定したコイルに、両側面に封
止樹脂を内部に充填するための大きな窓を形成した正面
の切り欠き部2b,側面の切り欠き部2cを設けた箱型
コア2の中央磁脚2aをコイル3の中央孔3aに通し組
みつけ、箱型コア2の切り欠き部2cを設けている二つ
の箱型コアの接合部分でエポキシ樹脂により二つの箱型
コアを接着するか、さらに箱型コアの接合面の外周面に
エポキシ樹脂を塗布接合する。此の時箱型コアの接合面
の外側面を予め角落し部2eを設けることにより、二つ
の箱型コアの接合面のエポキシ樹脂の塗布量を一定にで
き、接合面をより強固に接合できる。トランス、コモン
モードチョークコイルを形成する時は、二つの箱型コア
のコアの接合面には樹脂が塗布されない様注意しなけれ
ばならない。
【0026】図4は本発明のトランス、チョークコイル
を形成する第二の実施例を示す図で、本実施例のコイル
部品10は、第一の実施例と同様に絶縁被膜が0種の粘
着電線を用いたもので、コイルを小形化するためコイル
ボビンを使用せずにコモンモードチョークコイルでは二
つの電線をバイファイラ巻にして作る。トランス用のコ
イルは1次巻線、2次巻線、3次巻線の巻回数に相当す
る巻線をバイファイラに巻きにしたコイル14にし、夫
々の巻線端末を引き出してリードフレーム上の面実装端
子4を形成する端子板に巻線端末を電気溶接により接続
する。
【0027】図6はコモンモードチョークコイル、トラ
ンスのコイルをバイファイラ巻きによりコイル14を形
成し用いた本発明の第二の実施例によるコモンモードチ
ョークコイル、トランスを形成する工程の分解斜視図を
示し、基本的に箱型コア12と板状コア13とを組み合
わせるもので、第一の実施例と同様に箱型コア12及び
板状コア13は高い比透磁率を持つMn−Znフェライ
ト、Ni−Znフェライト、並びにセンダスト合金の微
粉末の表面に絶縁層を形成し圧粉成形した圧粉磁芯を用
いる。バイファイラ巻きしたコイル14は、面実装端子
を形成する端子板31a、31b、31c、31d上に
置き、エポキシ樹脂で予め端子板31a,31b,31
c,31dに接着し、巻線端末14bは絶縁被膜を剥離
した後、端子板にコモンモードチョークコイルではバイ
ファイラ巻きした一つのコイルの巻線端末は端子板31
b、31dに他のコイルの巻線端末は夫々端子板31
c、31aに接続され、端子板31bから端子板31d
方向と、端子板31cから端子板31a方向に流れる往
復する電流が作る磁界が互いに打ち消す様に、前述した
ようにリードフレーム30から対向して内側方向に直線
上に並んだ端子板に接続し、一方トランスではコイル1
4を間にして端子板の一方の側、例えば端子板の31a
と31bにコイルの巻線端末を接続して1次コイルを形
成し、他方の端子板31c、31d側は他方のコイルの
巻線端末を接続してトランスの2次コイルとなるようコ
イル14の巻線端末14bを接続する。又、2次コイル
が複数の場合はリード条34からの端子板の数を複数対
ずつ増やせばよい。
【0028】バイファイラ巻きの端子板上に固定された
コイル14に板状コア13及び箱型コア12を箱型コア
12の中央磁脚12aをコイル14の中央孔14aに通
し、コア接合面の周囲の箱型コアの角落し部12d、板
状コアの角落し部13dで互いに温度が150℃程で硬
化するエポキシ樹脂で接着する。コア接合面には樹脂が
塗布されない様にすることは第一の実施例と同様であ
る。
【0029】又図7は第二の実施例における2次側端子
が2対の端子を有する場合の面実装端子の例を示し、図
7の(a)は面実装端子を形成する前の端子形状を示
し、図7の(b)は面実装端子に形成したコイル部品の
下方から見た外観斜視図である。封止樹脂によりコア内
部の凹部に封止樹脂を切り欠き部12bから注入して箱
型コアと板状コアに包まれたコイルを充填し成形した
後、端子板を端子部分を残し切断し、端子を面実装端子
に成形して、本発明の面実装型のコモンモードチョーク
コイル、トランス等のコイル部品を形成する。
【0030】図8は本発明によるコイル部品20の第三
の実施例を示し、コイル3は第一の実施例、第二の実施
例と同様に表面絶縁被膜が0種の粘着電線を用い形成す
るもので、磁芯の中央磁脚を通す中央孔を有する筒形の
コイルであり、本実施例では、コモンチョークコイルの
場合は、夫々のコイルは2個別々に成形され、トランス
の場合はコイル間の耐電圧特性が要求されるコイルでは
別途に巻回し、コイル間の耐電圧特性が0種の絶縁被膜
で保証し得る場合はバイファイラ巻にしてもよい。特
に、コイル間の高い耐電圧特性を保証する必要がある時
は積み重ねる二つのコイル3間に電気絶縁材による絶縁
層6を挿入し、コイル間の巻線端末は絶縁被覆して引き
出し面実装端子4に第一の実施例、第二の実施例と同一
の構成でコイルの巻線端末を面実装端子4を形成する端
子板に電気溶接により接続する。図8に示す第三の実施
例に於ける磁芯には、図6に示す第二の実施例と同一形
状の箱型コア12と板状コア13を用い組み合わせる。
【0031】第一の実施例、第二の実施例、第三の実施
例共、リードフレームの端子板の先端上にコイルを装着
固定し、コイルの巻線端末を面実装端子を形成する端子
板上に溶接したコイルに、第一の実施例では2個の箱型
コアを端子板を間に上下方向から組みつけ接着し、第二
の実施例、第三の実施例では箱型コアと板状コアを端子
板を間に板状コアを端子板の下にして端子板の上方より
箱型コアを組み合せ組みつけ接着し、第一の実施例では
箱型コアの切り欠き部2b,2c、第二、第三の実施例
では箱型コアの切り欠き部12bより、箱型コアの内部
に封止樹脂を注入し、コイルと磁芯との間の空隙に封止
樹脂を注入充填すると共に、磁芯の外周を封止樹脂によ
り被覆し本発明のコイル部品を成形する。封止樹脂はエ
ポキシ系樹脂であるが、コイルと端子板、2個の箱型コ
ア間、及び箱型コアと板状コア間の接着には硬化温度が
150℃のエポキシにより接着することにより後の工程
において封止樹脂により成型時、コイル、磁芯は移動す
ることはなく成型することができる。
【0032】第一の実施例、第二の実施例、及び第三の
実施例について、Mn−Znフェライトコアの箱型コ
ア、板状コアを用い、10KHzないし1MHzに於け
るインダクタンス、及び二つのコイル間の結合係数を測
定した。箱型コアの寸法は中央磁脚の径が2.5φm
m、外形は6.5mm角、高さは第一の実施例では4.
5mm、第二、第三の実施例では9mmで、箱型コア及
び板状コアの接合面は鏡面仕上げしてあり比透磁率の値
が2000の材料を用いた。巻線は0.21φmm線で
表面電気絶縁膜が0種の粘着電線を使用し、一つのコイ
ルが31回巻にし第一の実施例では面実装端子を間に夫
々のコイルが上下に、第二の実施例では二つの巻線をバ
イファイラ巻に、第三の実施例では上下2段重ねに配置
した。
【0033】第一の実施例ないし第三の実施例における
10KHzないし1MHzにわたる2次側コイルを開放
した時の1次側コイルのインダクタンスの値、及び1次
コイル、2次コイル間の結合係数kの値を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1に示す特性値から、第二の実施例のバ
イファイラ巻きをした二つの巻線間の結合係数kの値は
最も高く、本発明の実施例に於いては電流容量の大きい
コモンモードチョークコイル、及び周波数帯域の広いト
ランスを必要とする時には二つの巻線はバイファイラ巻
きとすることにより、箱型コア、板状コアの分割型コア
を用いた場合において有用な特性を示している。
【0036】二つのコイルを端子板を間に積み重ねる構
造の第一の実施例の構造、及び第三の実施例の構造で
は、結合係数kの値が夫々0.995、0.990であ
り、二つのコイル間の漏洩インダクタンスの値が大き
く、一つのコモンモードチョークコイルでノーマルモー
ドチョークコイルとしても有効な特性を発揮し得る特性
を有することを示しており、第三の実施例では二つのコ
イル間の耐電圧特性を必要とするトランスにおいて、周
波数帯域幅がそれ程必要でない用途に適用し得ることを
示している。特に第二の実施例のバイファイラ巻きをし
たコイルでは、インダクタンスの値と、特に1次コイル
と2次コイル間の結合係数kの値が高い値を示し、コモ
ンモードチョークコイルとした時、コイルに流れる線電
流の値が高くても磁芯が飽和することがなく、又トラン
スに形成した時は周波数帯域幅の広いトランスを構成し
得ることを示している。
【0037】図9は本発明によるセンダスト(成分が重
量比でSiが9%、Alが6%、残Fe)圧粉磁芯の実
効透磁率μeと周波数との関係の周波数特性を示し、セ
ンダスト圧粉磁芯の特性を曲線Aに、比較として低周波
でほぼ同じ比透磁率の値のNi−Znフェライトコアの
特性を曲線Bに示す。図9に示す様にセンダストの圧粉
磁芯は同じ比透磁率の値で比較する時、Ni−Znフェ
ライトに比べて高周波特性に優れる。
【0038】図9に示すセンダスト圧粉磁芯を用い中央
磁脚の径が2.0mm、縦8mm、横6mm、高さ3m
mの箱型コアと、厚さ1mm、縦8mm、横6mmの板
状コアを作り、線径が0.15mmの0種粘着電線を用
い、バイファイラ巻き夫々30回の第二の実施例のコイ
ルと、30回巻きのコイル2個を作り、第二の実施例、
第三の実施例のコイルによるインダクタンスと結合係数
kの値を測定した。この時、箱型コアとの接合面はNi
−Znフェライトの微粉末を混練したエポキシ樹脂によ
り接着した。
【0039】結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】二つの巻線をバイファイラ巻きしたコイル
を用いた第二の実施例においても結合係数の値は低い
が、MHz帯でのコモンモードチョークコイルとノーマ
ルモードチョークコイルの二つの機能を持つコイル部品
とすることができることを示す。
【0042】図10は本発明による第二の実施例のコイ
ル部品の製造方法を示す図で、厚さが0.1mmないし
0.5mmの燐青銅板を打ち抜き又はエッチングにより
図10の(a)に示す形に作り、錫メッキ、又は半田メ
ッキしたリードフレームを用意する。図10の(a)に
示すリードフレームは、送り穴32とフレーム間を支持
する補助フレーム33、及び面実装端子を形成する端子
板31a、31b、31c、31dにより一つの組み込
み単位を形成する。本実施例の図10のリードフレーム
の構成の時は、リードフレーム30の双方向から夫々1
対計2対の端子板31a,31bと端子板31c,31
dを有し、コモンモードチョークコイル、又は一つの1
次コイルと一つの2次コイルを有するトランスを形成す
ることができる。
【0043】図10の(b)は二つの絶縁被膜を有する
粘着電線によりバイファイラ巻きした筒状のコイル14
を形成し、リードフレーム30の両側のリード条34に
直交して中央方向にのびる端子板31a,31b,31
c,31dの中心に設置し、硬化温度が150℃程のエ
ポキシ樹脂によりコイルを対向する端子板の先端中心に
接着固定し、巻線端末14bの絶縁被膜を剥離して、コ
モンモードチョークコイルとする場合は、一つの巻線は
端子板31aと31cにスポット溶接により接続し、他
方の巻線の両端末は端子板31bと31dの間に絶縁被
膜を剥離して溶接され、夫々のコイルの巻線端末の接続
は、端子板の31aから31cに流れる電流と、端子板
31dから31bに流れる電流により二つのコイルが作
る磁界が打ち消される様に接続する。又、トランスを形
成する時は、一つのコイルの巻線端末をコイル14の夫
々一方側の端子板31aと31bに、他の巻線の巻線端
末を端子板31cと31dに接続する。
【0044】ついで図10の(c)に示す様に、下面に
板状コア13を接着するか、上方から図6に示す箱型コ
ア12の中央磁脚12aをコイル14の中央孔14aに
挿入する。図10の(c)では端子板の下面に板状コア
13を接着固定した例である。図10の(d)は上方か
ら箱型コア12をコイル14の中央孔14aに箱型コア
12の中央磁脚を組み込んだ図で、板状コア13と箱型
コア12は箱型コア12側面に設けた図6に示す箱型コ
ア12の角落し部12dと板状コア13の角落し部13
dにエポキシ樹脂を充填し固化し固定する。圧粉磁芯を
用いる時はコア接合面にNi−Znフェライト等の微粉
末を練り込んだエポキシ樹脂を塗布接合してもよい。端
子板に固定した磁芯は図6に示す箱型コア12の切り欠
き部12bから箱型コア12の内部に樹脂を充填してコ
イル14と箱型コア12と板状コア13との間の空間を
充填すると共に、箱型コアと板状コアの外周を樹脂によ
り封止成型する。
【0045】ついで封止成型したコイルは面実装端子を
形成する端子板31a,31b,31c,31dを残
し、リードフレーム30から切り離して図10の(f)
の形状にした後、封止成型体に沿い下方に折り曲げ図1
0の(g)に示す面実装端子4を成形して本発明のコイ
ル部品とする。尚、本発明の実施例では外形直方体の箱
型コアの2個と、箱型コアと板状コアの例で示したが箱
型コアの形状は直方体に限定するものでなく多角型で中
央に中央磁脚を有する内部に凹部を有するコア形状であ
ればよく、又箱型コアの中央磁脚は本実施例では円柱状
であるが、角柱状であってもよい。従って、コイルの形
状も必ずしも円筒状である必要はなく、角筒状であって
もよい。
【0046】
【発明の効果】本発明は、以上説明した様に構成されて
いるので、以下に記載される様な効果を奏する
【0047】コイルボビンを使用することなく表面絶縁
被膜が0種の粘着電線を用いバイフアイラ巻きしたコイ
ルを用いる時は、二つの巻線の結合係数kの値が高いの
で、コモンモードチョークコイルに形成した時は大きな
値の線電流が流れても磁芯は磁気飽和を生ずることはな
く、又トランスを形成する時は漏洩インダクタンスが小
さいので広い周波数帯域のトランスとすることができ
る。
【0048】面実装端子を間にして上下面にコイルを取
り付けた構造のコイル部品ではコイル間の結合係数の値
が小さく漏洩インダクタンスが大きくなるのでコモンモ
ードチョークコイルを構成した時、コモンモードノイズ
成分のみでなくノーマルモードノイズに対し有効なノイ
ズフィルタ用インダクタを構成できる。端子板の上に二
つのコイルを積載したコイルでは、二つのコイル間に電
気絶縁層を介挿できる構成とすることができるので、二
つのコイル間の絶縁耐圧が問題となる時のコモンモード
チョークコイル、又はトランスを構成するのに有効であ
る。
【0049】センダスト圧粉磁芯を用いたコモンモード
チョークコイルは高いMHz帯に於いても高いインダク
タンスの値を有し、一つのコイルで高周波域において、
コモンモードノイズとノーマルモードノイズに対応でき
るコイルとすることができる。
【0050】コイルはコイルボビンを使用していないの
で小形となり、従って本発明のコイル部品は同じ電流容
量とインダクタンスの時、従来に比べて小形になる。
【0051】外形が直方体に封止樹脂により一体成形さ
れており、封止樹脂が箱型コアの側面及び正面に設けて
ある切り欠き部からコイルが取り付けられている中央磁
脚周囲の箱型コアの内部に充填成形されているので、機
械的強度が大で自動実装が容易であり、又熱衝撃に強い
構造である。
【0052】リードフレーム上に、コイルを固定し端子
板に巻線端末を溶接して、コイルに箱型コア、板状コア
を固定し組み込む等、リードフレーム上で組み込み作業
を行い作られるよう構成されているので製造に自動機械
の適用が可能であり、安価に構成できる。
【0053】尚、本実施例に於いては、端子形状を面実
装対応形状としたが、本発明の効果は本実施例の面実装
対応形状のみでなく、図11で示す基板挿入型端子形状
でも問題なく得られる。更に、本実施例では0種絶縁被
膜を有する粘着銅線を用いたが、所望の絶縁耐圧が比較
的低ければ、1種もしくは2種などの絶縁被膜を有する
粘着銅線でも本構成にて、本発明の効果が得られること
はいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコイル部品で面実装端子の上面と下面
にコイルを取り付け、面実装端子を二つの箱型コアの間
から引き出したコイル部品で、図1の(a)は上方から
の外観斜視図、図1の(b)は下方からの外観斜視図。
【図2】図1に示すコイル部品の縦方向の側面断面図。
【図3】本発明のコイル部品を示し、端子の一方向にバ
イフアイラ巻きをした複数のコイルに箱型コアと板状コ
アとを組み合せ、面実装端子を箱型コアと板状コアの間
から引き出したコイル部品で、図3の(a)は上方から
の外観斜視図、図3の(b)は下方からの外観斜視図。
【図4】図3に示すコイル部品の縦方向の側面断面図。
【図5】図1及び図2に示すコイル部品の組立工程途中
の一部の工程の構成を示す分解斜視図。
【図6】図3及び図4に示すコイル部品の組立工程途中
の一部の工程の内部構造を示す分解斜視図。
【図7】2次側端子が4端子となる本発明のトランスを
示し、図7(a)はコア外周を封止樹脂により成型して
リードフレームから切断したままの平面図、図7の
(b)は面実装端子に形成した2次側が4端子のトラン
スの下方からの外観斜視図。
【図8】コイルを2重に積層し、層間に絶縁層を介挿し
た本発明による一実施例のコイル部品の縦断面図。
【図9】センダスト圧粉磁芯(A)とNi−Znフェラ
イト(B)の実効比透磁率と周波数との関係を示す特性
曲線図。
【図10】本発明のコイル部品の製造方法を示す説明図
で、図10の(a)はコイル部品を組み立てるリードフ
レームを示す平面図、図10の(b)はリードフレーム
の端子板中央にコイルを置き樹脂接着後、コイルの巻線
端末を端子板に溶接した平面図。図10の(c)は図1
0の(b)に板状コアを接着した平面図。図10の
(d)は図10の(c)に箱型コアを組み合せ接合した
平面図。図10の(e)は図10の(d)の磁芯に封止
樹脂を注入し外周面を封止樹脂により封止成型したコイ
ル部品の平面図。図10の(f)は図10の(e)の封
止成型したコイル部品を端子板から切断した平面図。図
10の(g)は端子板を面実装端子成型した本発明のコ
イル部品の完成平面図。
【図11】本発明のコイル部品の基板挿入型端子を有す
るコイル部品の外観斜視図。
【符号の説明】1020 コイル部品 2,12 箱型コア 2a,12a 中央磁脚 2b,2c,12b 切り欠き部 2d,12c 凹部 2e 角落し部 3,14 コイル 3a,14a 中央孔 3b,14b 巻線端末 4 面実装端子 4a 基板挿入型端子 5 封止樹脂 6 絶縁層 12d,13d 角落し部 13 板状コア 30 リードフレーム 31a,31b,31c,31d 端子板 32 送り穴 33 補助フレーム 34 リード条 A センダスト圧粉磁芯 B Ni−Znフェライト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 41/10 B 8019−5E 41/12 A

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高い比透磁率特性を有する正面又は正面
    と側面に切り欠き部を設けた2個の箱型コアからなる磁
    芯と、電気絶縁被膜付粘着銅線を夫々別個に巻回した2
    個の筒状コイルとからなり、基板実装端子を形成する少
    なくとも2対の端子板を間に、該端子板の上面と下面に
    夫々接着固定した前記筒状コイルの巻線端末を筒状コイ
    ルを間に対向する端子板に一つの巻線端末を夫々溶接
    し、コイルの中央孔に前記箱型コアの中央磁脚を箱型コ
    アの開口側を対向して端子板を間に上下方向から組み合
    せ、磁芯の内部とコイルと磁芯の外周面とを封止樹脂に
    より一体に成型しコモンモードチョークコイルを形成し
    てなることを特徴とするコイル部品。
  2. 【請求項2】 高い比透磁率特性を有する正面又は正面
    と側面に切り欠き部を設けた2個の箱型コアからなる磁
    芯と、電気絶縁被膜付粘着銅線を夫々別個に巻回した2
    個の筒状コイルとからなり、基板実装端子を形成する少
    なくとも2対の端子板を間に、該端子板の上面と下面に
    夫々接着固定した前記筒状コイルの巻線端末を筒状コイ
    ルを間に夫々の側の端子板間に巻線端末を溶接し、コイ
    ルの中央孔に前記箱型コアの中央磁脚を箱型コアの開口
    側を対向して端子板を間に上下方向から組み合せ、磁芯
    の内部とコイルと磁芯の外周面とを封止樹脂により一体
    に成型しトランスを形成してなることを特徴とするコイ
    ル部品。
  3. 【請求項3】 高い比透磁率特性を有する正面又は正面
    と側面に切り欠き部を設けた1個の箱型コアと板状コア
    とからなる磁芯と、電気絶縁被膜付粘着銅線をバイファ
    イラ巻に巻回した少なくとも2回巻きの筒状コイルとか
    らなり、基板実装端子を形成する少なくとも2対の端子
    板に載置し接着固定した前記円筒状コイルの夫々の巻線
    端末を、筒状コイルを間に対向する一方の端子板に一つ
    のコイルの巻線端末を夫々溶接し、コイルの中央孔に前
    記箱型コアの中央磁脚を挿入して板状コアと組み合せ、
    磁芯の内部とコイルと磁芯の外周面とを封止樹脂により
    一体に成型し、コモンモードチョークコイルを形成して
    なることを特徴とするコイル部品。
  4. 【請求項4】 高い比透磁率特性を有する正面又は正面
    と側面に切り欠き部を設けた1個の箱型コアと板状コア
    とからなる磁芯と、電気絶縁被膜付粘着銅線をバイファ
    イラ巻に巻回した少なくとも2回巻きの筒状コイルとか
    らなり、基板実装端子を形成する少なくとも2対の端子
    板に載置し接着固定した前記円筒状コイルの夫々の巻線
    端末を、筒状コイルを間に夫々の側の端子板に筒状コイ
    ルの夫々のコイルの巻線端末を溶接し、コイルの中央孔
    に前記箱型コアの中央磁脚を挿入して板状コアと組み合
    せ、磁芯の内部とコイルと磁芯の外周面とを封止樹脂に
    より一体に成型し、トランスを形成してなることを特徴
    とするコイル部品。
  5. 【請求項5】 高い比透磁率特性を有する正面又は正面
    及び側面に切り欠き部を設けた1個の箱型コアと板状コ
    アとからなる磁芯と、電気絶縁被膜付粘着銅線を夫々別
    個に巻回した少なくとも2個の筒状コイルとからなり、
    面実装端子を形成する端子板上に前記複数個の筒状コイ
    ルを電気絶縁層を介挿して積層接着固定し、夫々の巻線
    端末を筒状コイルを間に対向する端子板に一つのコイル
    の巻線端末を夫々溶接し、コイルの中央孔に前記箱型コ
    アの中央磁脚を挿入し板状コアと組み合せ、磁芯の内部
    とコイルと磁芯の外周面とを封止樹脂により一体に成型
    し、コモンモードチョークコイルを形成してなることを
    特徴とするコイル部品。
  6. 【請求項6】 高い比透磁率特性を有する正面又は正面
    と側面に切り欠き部を設けた1個の箱型コアと板状コア
    とからなる磁芯と、電気絶縁被膜付粘着銅線を夫々別個
    に巻回した少なくとも2個の筒状コイルとからなり、面
    実装端子を形成する端子板上に前記複数個の筒状コイル
    を電気絶縁層を介挿して積層接着固定し、夫々の巻線端
    末を筒状コイルを間に夫々の側の端子板にコイルの巻線
    端末を溶接して、コイルの中央孔に前記箱型コアの中央
    磁脚を挿入して板状コアと組合せ、トランスを形成して
    なることを特徴とするコイル部品。
  7. 【請求項7】 高い比透磁率特性を有する箱型コア及び
    板状コアの磁芯は、Mn−Znフェライトコア、Ni−
    Znフェライトコア、又は高い比透磁率特性を有する表
    面に絶縁被膜を形成した金属磁性材料の微粉末表面に無
    機絶縁層を形成し圧粉成形して熱処理を施した磁芯から
    なることを特徴とする請求項1ないし請求項6記載のコ
    イル部品。
  8. 【請求項8】 表面に錫メッキ又は半田メッキを施した
    両側に送り穴を設けたリード条の間を支持する補助フレ
    ームの間にリード条から中央にのび、中央に空隙を設け
    たリード条の部分から先端方向に少なくとも2本に分割
    された端子板からなるリードフレームに、電気絶縁被膜
    付粘着銅線の複数線をバイファイラ巻きした筒状コイ
    ル、又は一つの巻線を夫々筒状に巻回した筒状コイルの
    複数個を、並行するリード条から中央にのびる前記端子
    板の先端に樹脂接着して固定し、前記端子板にコイルを
    間に対向する端子板に夫々の巻線端末を溶接し、正面又
    は正面と側面に切り欠き部を設けた高い比透磁率特性を
    有する2個の箱型コア、又は箱型コアと板状コアとから
    なる磁芯を、前記筒状コイルの中央孔に箱型コアの中央
    磁脚を前記リードフレームの端子板を間に、端子板の上
    下面方向から挿入組み合せ、二つの箱型コアの角落し
    部、又は箱型コアの側面の角落し部と板状コアの側面で
    樹脂接着して磁芯と端子板とを固定し、磁芯の内部とコ
    イルと磁芯の外周面とを一体に封止樹脂により封止成型
    した後、リードフレームの端子板を所定の長さと形状に
    切断して封止樹脂面に沿い折り曲げて面実装端子又は基
    板挿入型端子にし、コモンモードチョークコイルを形成
    してなることを特徴とするコイル部品の製造方法。
  9. 【請求項9】 表面に錫メッキ又は半田メッキを施した
    両側に送り穴を設けたリード条の間を支持する補助フレ
    ームの間にリード条から中央にのび、中央に空隙を設け
    たリード条の部分から先端方向に少なくとも2本に分割
    された端子板からなるリードフレームに、電気絶縁被膜
    付粘着銅線の複数線をバイファイラ巻きした筒状コイ
    ル、又は一つの巻線を夫々筒状に巻回した筒状コイルの
    複数個を、並行するリード条から中央にのびる前記端子
    板の先端に樹脂接着して固定し、前記端子板にコイルを
    間に一方の側の端子板に巻線端末を夫々溶接し、正面又
    は正面と側面に切り欠き部を設けた高い比透磁率特性を
    有する2個の箱型コア、又は箱型コアと板状コアとから
    なる磁芯を、前記筒状コイルの中央孔に箱型コアの中央
    磁脚を前記リードフレームの端子板を間に、端子板の上
    下面方向から挿入組み合せ、二つの箱型コアの角落し
    部、又は箱型コアの側面の角落し部と板状コアの側面で
    樹脂接着して磁芯と端子板とを固定し、磁芯の内部とコ
    イルと磁芯の外周面とを一体に封止樹脂により封止成型
    した後、リードフレームの端子板を所定の長さと形状に
    切断して封止樹脂面に沿い折り曲げて面実装端子又は基
    板挿入型端子を形成しトランスを形成してなることを特
    徴とするコイル部品の製造方法。
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