JPH073120U - トランス部品 - Google Patents
トランス部品Info
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- JPH073120U JPH073120U JP3811593U JP3811593U JPH073120U JP H073120 U JPH073120 U JP H073120U JP 3811593 U JP3811593 U JP 3811593U JP 3811593 U JP3811593 U JP 3811593U JP H073120 U JPH073120 U JP H073120U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 従来に比べ大幅に薄型化かつ小型化されたト
ランス部品を作成する。 【構成】 自己融着線を単線または複数束ねて平面内で
渦巻状に巻き回して作成した中央に穴のある平面コイル
1と、絶縁シート4および5と、中足のあるコア2およ
びコア3を組み合わせて端子のあるケース部品6の中に
入れ、コイルからの引き出し線を端子9に接続し、ケー
ス部品内部を樹脂で封止して構成される。
ランス部品を作成する。 【構成】 自己融着線を単線または複数束ねて平面内で
渦巻状に巻き回して作成した中央に穴のある平面コイル
1と、絶縁シート4および5と、中足のあるコア2およ
びコア3を組み合わせて端子のあるケース部品6の中に
入れ、コイルからの引き出し線を端子9に接続し、ケー
ス部品内部を樹脂で封止して構成される。
Description
【0001】
この考案は電子回路全般で使用される電力伝達または信号伝達のためのトラン ス部品に関する。
【0002】
従来のトランス部品は図12のような構造であり、回路基板への接続のための 端子13を有するボビン11に巻き線12を施し、これにフェライトなどの軟磁 性体からなるコア14を組み込んでいた。
【0003】
上記のような従来構造のトランス部品の場合には、全体の高さを低くするため にはボビンの高さを低くしなければならないが、その結果として十分な幅の巻き 線枠が確保できなくなるとかボビンの強度が保てないなどの問題点が生じていた 。一方、世界各国では電子機器の安全性を確保するため、トランスの一次回路間 や一次―二次回路間などの電極間の距離である、いわゆる沿面距離や空間距離の 値を国ごとに規定している。例えば商用交流電圧が230Vである欧州では、こ の一次―二次間の沿面距離は4.0mm以上取るべきであるとされている。この ためこの規定値を遵守しながらトランスを小型化するのは困難であった。上記の 電極間が空気ではなく樹脂等の絶縁物で隙間なく埋められている場合には強化絶 縁が施されているとみなされ、IEC950によればこの電極間距離は0.4m m以上あればよい。従ってトランス部品を小型化するためには、まず第一にトラ ンスの端子以外の全体を樹脂で封止してしまうことが考えられる。しかし従来構 造のトランスを樹脂で封止しようとすれば、従来沿面距離の確保の為にボビンの 鍔部に密着させて巻いていたバリヤーテープを取り去り、鍔部と巻き線の間に隙 間を設けながら巻き線をボビンに施し、その後この隙間に樹脂を注入するという 工程になると予想される。しかし鍔部との間に隙間を確保しながらボビンの一定 の位置に巻き線を施すことは、その巻き始めの位置が固定されないために工法上 困難な点が多い。この巻き線工程上の問題点も障害の一つとなって、トランス小 型化の手段として有効であると考えられる樹脂封止トランスは、現在のところ広 く商品化されるまでには至っていない。
【0004】
本考案は以上の問題点を解決するためのものであり、樹脂封止トランスを容易 に実現できる構造を有し、なおかつトランス全体の高さを従来に比べて飛躍的に 低くすることを可能としたものである。本考案では、コイル全体の薄型化を実現 するために、コイルとしては線状導体を絶縁層で被覆しさらにその上に自己融着 層を塗布したいわゆる自己融着線を単線または複数束ねて、平面内で渦巻状に巻 き回して線材を相互に融着することにより作成した中央に穴のある平面コイルを 用いる。この平面コイルの例を図3、図4に示す。 本考案において用いられるコアは、図5に示すように2枚の平板の片方の合い 向かう面の中央部(いわゆる中足)および外周部に磁束の通る凸部を設けた軟磁 性体からなるものを使用する。外周部の凸部は図5に示すように複数に分割され て離れた位置にある。 また本考案においては絶縁を確保しながら全体を小型化するために、トランス 全体またはコイル部分のみを樹脂で封止している。先に述べた樹脂封止トランス の作成工程上の問題点は巻き線の巻き位置を一定に保つことが困難であり、コイ ル相互間の絶縁に不安がある点にあったが、本考案では各平面コイルがコイル間 の絶縁のための絶縁シートに接着またははめ込み等の手法によって固定保持され ているため、コイル―コイル間およびコイル―コア間の絶縁に要する距離を必要 とされる一定の値以上に保つことは容易である。
【0005】 本考案の請求項1のトランス部品の構成の一例を図1に示す。絶縁シート4は コイルとコアの間の絶縁を保障するため、中足とコア内壁に沿って曲げられてい る。この絶縁シートはフィルム状の樹脂を切り抜き折り曲げるか、あるいは所定 の形状の金型を用いて樹脂を成形することにより作成される。全体の組立はつぎ のようにして行われる。コア2の中足に絶縁シート4をはめ込み、平面コイル1 をその上にはめる。さらにもう一枚の絶縁シート4をはめ込んで、その上に二番 目の平面コイル1をはめ込む。以上の作業を所定のコイルの層数だけ繰り返し、 最後に平面状絶縁シート5を置いてその上に平板状コア3をのせる。 この例で は平面コイルをあらかじめその内部にコイルが収容できる形に成形した絶縁シー トにはめこんだが、図6の断面図に示すように、平面コイル1を平面状の絶縁シ ート5に接着剤15で接着しておいてこれを積み重ねてもよい。また図7の断面 図に示すように、コア2の中足が入る穴をあけておいた小径の絶縁シート16の 周りに自己融着線を巻き回して平面コイル1を作成し、絶縁シート5をその間に はさみながら積み重ねてもよい。図6、図7の断面図は樹脂封止前のものであり 、簡単のためにケース部品またはベース部品は省略してある。 以上の組み立てた部品全体をケース部品6の中に入れ、固定用金具7で押さえ て固定する。ケース部品6には固定用金具7の位置がずれないよう図1に示すよ うに凹部8を設けておくほうがよい。コイルからの引き出し線をケース部品の外 部に設けた端子9にからげ半田あげしたのち、ケース部品6の内部に樹脂を注型 し硬化させて組立が完了する。図2に組立て中の樹脂封止前のものの外観図を示 す。
【0006】 次に本考案の請求項2のトランス部品の構成の例を図8に示す。平面コイル1 、コア2、3、絶縁シート5は請求項1と同様であるが、端子9を有するベース 部品10でコアを保持している。請求項2での平面コイルの固定の仕方は請求項 1と同様に、絶縁シートへのはめこみ、接着、小径の絶縁シートの周りへ自己融 着線を巻き回すことによる平面コイルの作成などによる。図8では接着剤によっ て平面コイル1を平面状絶縁シート5にあらかじめ接着している。コア2とコア 3の間、およびコア2とベース部品10の間の固定は図8の場合は接着剤を使っ て行うが、図1と同様に固定用金具で押さえて固定してもよい。コイルからの引 き出し線を端子9にからげ半田あげしたのち、コイル部分のみを、または端子以 外のコア、コイル、ベース部分の全体を樹脂で封止して組立が完了する。図9に 組立完了後の断面図を示す。樹脂21が平面コイル1の周囲に隙間なく充填され るように、樹脂の流れる向きや絶縁シートの形状を考慮する必要がある。
【0007】
本考案は、自己融着線による渦巻状平面コイルと低背型のコアの採用によって トランス部品を大幅に薄型化し、さらにコイルの引き出し線を接続する端子を有 するケース部品に平面コイルを納めてこのケース内部を樹脂で充填することによ り、あるいはコイルからの引き出し線をベース部品の端子に接続して端子以外の 部分を樹脂で封止することにより、コイル―コア間およびコイル―コイル間の沿 面距離と空間距離を不要として全体の占有体積を著しく低減している。
【0008】
以下、本考案の実施例を図面に基づいて述べる。
【0009】 実施例1 発振周波数を500kHzに固定した他励式フライバックコンバータ方式の入 力電圧AC85〜276V、出力電圧5V、出力電流6AのAC/DCコンバー タ用のトランスについて、本考案の請求項1に記述した構造のものを試作した。 使用したコアの材質は日立フェライト(株)製のSB―1Mで、大きさが21. 5×18.5×7.0H(mm)のものである。使用した平面コイルは全て自己 融着線の1UEWを巻き回しており、制御用コイルとしては0.20φ単線で9 T巻いている。二次コイルとしては0.30φを12本束ねてコイルの厚みが0 .7mmとなるようにして3T渦巻状に巻き回し、一次コイルとしては0.20 φを2本束ねて23T巻き回したものを2枚作る。この一次コイルの間に二次側 コイルをはさんだいわゆるサンドイッチ構造としている。一次、二次コイルの巻 き幅はほぼ同じで約5.4mmであり、一次二次間の結合を改良してリーケージ フラックスを低減している。一次および二次コイルの断面図を各々図10および 図11に示す。図中の数字は巻き数の順序を示し、例えば3とあるのは3ターン 目であることを意味している。ここで図11に示すように、束をなす各細線は必 ずしもお互いに整列して巻かれていなくてもよい。各細線を整列巻きすることは 巻き幅を狭くするという点では有意義であるが、線間容量などの電気的な特性に おいては整列巻きがある程度乱れていても大きな差は生じない。これは細線が多 数本並列に巻かれているためで、従来のコモンモードチョークコイルのように単 線を整列巻きに多数回巻いている場合とは事情が異なる。 この実施例1のトランスの構成は平面コイルの枚数が違うことを除けば図1に 示す通りである。中足のあるコアをケース部品中に入れ、絶縁シートにコイルを はめこんで順々に積み重ねていき、一番上に平面状の絶縁シートをのせてさらに 平板コアを置き、金具で固定したのちケース部品中に樹脂を注入し硬化させて組 立が完了する。 組立完了後の本考案請求項1の構造のトランスの端子部分も含めた実装寸法は 29×23×9.0H(mm)であった。一方、このAC/DCコンバーター用 のトランスを従来構造のままで樹脂封止することなく作成した場合には、使用す るコアはEPC―27となり、端子がピンタイプのボビンを使用した場合にはそ の実装寸法は32×27×16H(mm)となった。したがって、本考案の実施 によってトランスの実装面積は従来の約8割に、実装体積は従来の約4割に低減 される。従来構造品として端子が横に出たいわゆるSMDタイプのボビンを採用 した場合には、ピンタイプのボビンよりも高さは低くなるものの実装面積は端子 の分だけ大きくなるので、実装体積としてはピンタイプ品とあまり変わらない。 上の仕様のトランスを本考案請求項2の構成で実現した場合には、コア寸法
お よび巻き線構造は請求項1とまったく同様であり、実装寸法はケース部品が不要 であるために高さなどををさらに小さくすることができて28×25×7.5H (mm)となった。この実装体積は従来構造品の38%に相当する。
お よび巻き線構造は請求項1とまったく同様であり、実装寸法はケース部品が不要 であるために高さなどををさらに小さくすることができて28×25×7.5H (mm)となった。この実装体積は従来構造品の38%に相当する。
【0010】 実施例2 周波数200kHzのフォワードコンバーター方式の入力電圧AC85〜27 6V、出力電圧5V、出力電流10AのAC/DCコンバーター用のトランスに ついて、本考案請求項1の構造のものを試作した。使用したコアの材質は日立フ ェライト(株)製のSB―3Mで、その寸法は27.5×24.5×10.7H (mm)である。使用した平面コイルは全て1UEWの自己融着線を巻き回して 作成したもので、二次コイルは0.30φを20本束ねて1.0mmの厚みで3 T巻き回し、一次コイルは0.25φを4本垂直方向に並列に並べて23T巻き 回している。巻き線の重ね方は実施例1の図10および図11と同様である。ま た一次のリセット用コイルとして0.25φの単線を23T巻いている。以上の 3個の平面コイルの巻き幅は約6.6mmと同一であり、リーケージフラックス が低減されている。また制御用巻き線として0.20φを2本水平方向に並列に 並べて3T巻き回している。 以上4枚の平面コイルと適切な枚数の絶縁シートを図1と同様に積み重ね、実 施例1と同様にして組み立てる。組立完了後の実装寸法は36×29×12.7 H(mm)であった。このAC/DCコンバーターのトランスを樹脂封止をしな い従来構造で作成した場合には、コアとしてはEER―28Lを用い、ボビンは ピンタイプのものを使用して、その実装寸法は34×29×26H(mm)であ った。 この仕様のトランスを本考案請求項2の構造で試作した場合には実装寸法は請 求項1の場合よりさらに小さくなり、35×29×11.2H(mm)であった 。 この実装体積は従来構造のものの44%である。
【0011】
本考案のトランス部品によれば、 (1)世界各国の入力電圧の違いを考慮しながらトランスの設計を単一の世界共 通仕様とした場合でも、トランス部品を従来に比べ大幅に薄型化かつ小型化する ことができ、その結果として電子機器を著しく小型化することができる。 (2)従来の樹脂封止トランスでは各コイルを一定の位置に保持することが難し くコイル間の絶縁の確保に不安があったが、本考案では各コイルを一定の位置に 保持でき、しかもその間が絶縁シートで分離された状態で樹脂封止されるので、 部品としての安全性、信頼性が高い。 (3)平面コイルの巻線工程は完全に自動化することが容易であり、従来しばし ば発生した巻き数違いの不良は完全に防止できる。 (4)トランス部品の上面が平らであるために、基板への実装時にバキュームピ ンセットによる自動装着が可能となり、基板実装工程が簡易化される。 など数多くの利点があり、その産業上の効果は著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案請求項1記載のトランス部品の構成例で
ある。
ある。
【図2】図1の構成例の組立中の外観斜視図(樹脂封止
前)である。
前)である。
【図3】本考案で用いる平面コイルの一例の斜視図であ
る。
る。
【図4】本考案で用いる平面コイルの他の例の斜視図で
ある。
ある。
【図5】本考案で用いるコアの一例の斜視図である。
【図6】本考案における平面コイルの絶縁シートへの固
定の一例の断面図(樹脂封止前)である。
定の一例の断面図(樹脂封止前)である。
【図7】本考案における平面コイルの絶縁シートへの固
定の他の例の断面図(樹脂封止前)である。
定の他の例の断面図(樹脂封止前)である。
【図8】本考案請求項2記載のトランス部品の構成例で
ある。
ある。
【図9】図6の構成例の組立後の断面図である。
【図10】本考案実施例1記載の一次コイルの断面図で
ある。
ある。
【図11】本考案実施例1記載の二次コイルの断面図で
ある。
ある。
【図12】従来のトランス部品の外観斜視図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 導線の絶縁層の上に加熱または溶剤塗布
により相互に融着する自己融着線層を塗布したいわゆる
自己融着線を、単線または複数束ねて平面内で渦巻状に
巻き回して線材を相互に融着することにより作成した中
央に穴のある平面コイルを複数個備え、これらコイルに
コイル−コイル間およびコイル−コア間の絶縁のための
絶縁シートと、軟磁性体からなるコアとを組み合わせた
ものをその外側に端子を有するケース部品の中に入れ、
コイルの引き出し線を端子に接続し、さらにケース部品
内部を樹脂で封止して構成されることを特徴とするトラ
ンス部品。 - 【請求項2】 自己融着線を用いて作成した前記の平面
コイル複数個と、コイル−コイル間およびコイル−コア
間の絶縁のための絶縁シートと、軟磁性体からなるコア
と、該コアの外形に沿って形成され前記平面コイルから
引き出された線を接続する端子を有するベース部品とに
よって構成され、さらにコイル部分のみを樹脂で封止す
るか、または端子部分を除くコアとコイルとベース部品
の全体を樹脂で封止して構成されることを特徴とするト
ランス部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3811593U JPH073120U (ja) | 1993-06-18 | 1993-06-18 | トランス部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3811593U JPH073120U (ja) | 1993-06-18 | 1993-06-18 | トランス部品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH073120U true JPH073120U (ja) | 1995-01-17 |
Family
ID=12516481
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3811593U Pending JPH073120U (ja) | 1993-06-18 | 1993-06-18 | トランス部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH073120U (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011253922A (ja) * | 2010-06-02 | 2011-12-15 | Okayama Giken Co Ltd | 整列多層巻きコイル及びそれを用いた電気磁気エネルギ−変換器 |
JP6234537B1 (ja) * | 2016-11-04 | 2017-11-22 | 三菱電機株式会社 | 電力変換装置 |
JP6234538B1 (ja) * | 2016-11-04 | 2017-11-22 | 三菱電機株式会社 | 電磁部品 |
WO2019097574A1 (ja) * | 2017-11-14 | 2019-05-23 | 三菱電機株式会社 | 電力変換装置 |
-
1993
- 1993-06-18 JP JP3811593U patent/JPH073120U/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011253922A (ja) * | 2010-06-02 | 2011-12-15 | Okayama Giken Co Ltd | 整列多層巻きコイル及びそれを用いた電気磁気エネルギ−変換器 |
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JP2018074096A (ja) * | 2016-11-04 | 2018-05-10 | 三菱電機株式会社 | 電磁部品 |
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US11165342B2 (en) | 2017-11-14 | 2021-11-02 | Mitsubishi Electric Corporation | Power conversion device |
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