JP2004303746A - 薄形トランス - Google Patents

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Koji Nakajima
浩二 中嶋
Naoki Hashimoto
直樹 橋本
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】沿面距離、空間距離等の絶縁距離を小さくして小型化を可能とした薄形トランスを提供することを目的にしている。
【解決手段】絶縁シート23を介して一次コイル21と二次コイル22とを交互に積層した空心コイル部24と、空心コイル部24の両側から磁心26を組み込むとともに、磁心26を突合せて閉磁路を形成した閉磁路磁心27と、空心コイル部24と磁心26とを接着した接着材25とを備え、一次コイル21と二次コイル22のいずれか一方は、コイル部28とこのコイル部28の両端部の引出し接続部29を薄板導体で平板状に形成するとともに、引出し接続部29を除いたコイル部28の表面に薄膜絶縁物31を設けた構成。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は各種電子機器等に用いる薄形トランスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報通信インフラ網が大きく進展する中で消費電力の増大が社会的問題となってきている。特に通信装置などに使用される電源においては電力密度を向上するために小型化、薄形化が必須問題になっている。
【0003】
そしてこれらの電源にはコイルと磁心で構成される多くの薄形トランスが搭載されており、より小型で高品質、高信頼性の安価な薄形トランスが強く求められている。
【0004】
以下、従来のトランスについて図面を参照しながら説明する。
【0005】
図14は従来の薄形トランスの断面図、図15は同要部である空心コイル部と磁心との組立図である。
【0006】
図14、図15において、1は一次コイル、2は二次コイル、3は絶縁シート、4は接着材、5は磁心、6は基板端子、7は引出し接続部、8は実装基板、Aは一次コイル1と二次コイル2間の絶縁距離、Bは一次コイル1と磁心間の絶縁距離、Cは二次コイル2と磁心間の絶縁距離、Dは一次コイル1および二次コイル2の接続部と他方の一次コイル1および二次コイル2との絶縁距離を示している。
【0007】
図15における一次コイル1、二次コイル2は、薄板上の導体からなり、打ち抜き、エッチングなどの方法により、予めそれぞれ2個形成している。
【0008】
図15に示すように、絶縁シート3、二次コイル2、絶縁シート3、一次コイル1、絶縁シート3、二次コイル2、絶縁シート3、一次コイル1、絶縁シート3を順次積層して空心コイル部9を形成する。
【0009】
尚、ここで、空心コイル部9を形成する際には、絶縁樹脂からなるボビンあるいはコイルベース等は使用せず、空心コイル部9の積層効率を高め小型化を図っているものである。
【0010】
次に、空心コイル部9の上下に磁心5と空心コイル部9との固着用に接着材4を適量塗布する。最後に、空心コイル部9の両側から、磁心5を組み込み、薄形トランスを完成する。
【0011】
尚、ここで使用する接着材4は固着さえできれば、粘着材であっても問題ない。図14に示すように、一次コイル1、二次コイル2の引出し接続部7は、薄形トランス完成後実装基板8上に設けられた基板端子6に半田付け、溶接等の方法で実装基板に接続される。
【0012】
尚、この出願に関連する先行技術文献としては、例えば、特許文献1が知られている。
【0013】
【特許文献1】
特開平5−6829号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成では、ボビンあるいはコイルベースを使わず、また、空心コイル部9を非被覆で形成しているので、空心コイル部9と磁心5との間の絶縁を確保するためには所定の絶縁距離を確保する必要があり、トランスの小型化に限界が生ずるという問題を有していた。
【0015】
図14に示すように一次コイル1と二次コイル2間の絶縁距離A、一次コイル1と磁心5間の絶縁距離B、二次コイル2と磁心5間の絶縁距離C、一次コイル1および二次コイル2の引出し接続部7と他方の一次コイル1および二次コイル2間の絶縁距離Dなどの寸法は所定の絶縁耐圧を確保すべく十分な絶縁距離を確保する必要がある。
【0016】
一般に、絶縁耐電圧AC1kVに必要な絶縁距離は、空間距離、沿面距離が約1mm必要とされ、上記構成の薄形トランスでは、組立て上のばらつきを考慮して、約1mmの空間距離、沿面距離に0.5mm程度を加えた絶縁距離を確保する必要があった。
【0017】
つまり、耐電圧AC500Vでは絶縁距離1mm以上(最小0.5mm+ばらつき分0.5mm)、耐電圧AC1kVでは絶縁距離1.5mm以上(最小1.0mm+ばらつき分0.5mm)、耐電圧AC1.5kVでは絶縁距離2.0mm以上(最小1.5mm+ばらつき分0.5mm)の絶縁距離が最低でも必要となり、図14における絶縁距離A〜絶縁距離Dとして1〜2mm以上は必ず確保する必要があった。
【0018】
このことは、トランスの小型化に大きな阻害要因となっていた。
【0019】
本発明は、上記問題点を解決するもので、沿面距離、空間距離等の絶縁距離を小さくして小型化を可能とした薄形トランスを提供することを目的にしている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明、以下の構成を有する。
【0021】
本発明の請求項1に記載の発明は、絶縁シートを介して一次コイルと二次コイルとを交互に積層した空心コイル部と、空心コイル部の両側から磁心を組み込むとともに、磁心を突合せて閉磁路を形成した閉磁路磁心とを備え、一次コイルと二次コイルのいずれか一方は、コイル部とこのコイル部の両端部の引出し接続部を薄板導体で平板状に形成するとともに、引出し接続部を除いたコイル部の表面に薄膜絶縁物を設けた構成である。
【0022】
上記構成により、一次コイルと二次コイルのいずれか一方は、コイル部とコイル部の両端部の引出し接続部を薄板導体で平板状に形成するとともに、引出し接続部を除いたコイル部の表面に薄膜絶縁物を設けているので、コイル部の表面全体を薄膜絶縁物で完全に被覆することができ、空心コイル部と磁心間、一次コイルと二次コイル間がこの薄膜絶縁物で遮断、絶縁されることとなる。
【0023】
これにより、空心コイル部と磁心間の沿面距離、空間距離、および、一次コイルと二次コイル間の沿面距離は薄膜絶縁物の厚み程度まで小さくすることができ、薄形トランスを小型化することができる。
【0024】
本発明の請求項2に記載の発明は、特に、薄膜絶縁物の材質をポリイミドとした構成である。
【0025】
上記構成により、薄膜絶縁物の材質をポリイミドとしたので、ポリイミドの融点が400℃以上と高く、空心コイル部の発熱に対しても安全度を高くすることができ、米国の安全規格であるUL安全規格における絶縁クラスF種155℃以上の連続使用にも耐え得る高耐熱絶縁を施すことができる。
【0026】
本発明の請求項3に記載の発明は、特に、薄膜絶縁物は厚みを40μm以上にするとともに、ピンホールを非形成にした構成である。
【0027】
上記構成により、薄膜絶縁物は厚みを40μm以上にするとともに、ピンホールを非形成にしているので、ピンホールのない薄膜絶縁物が形成されるため、高耐電圧化を図ることができる。
【0028】
本発明は請求項4に記載の発明は、特に、一次コイルと二次コイルとの間、あるいは、空心コイル部と磁心との間の絶縁シートを非積層にした構成である。
【0029】
上記構成により、一次コイルと二次コイルとの間、あるいは、空心コイル部と磁心との間の絶縁シーとを非積層にしたので、薄形トランスをより薄形することができ、絶縁シートの材料費を低減できるとともに、絶縁シートを積層する生産工数を低減でき、生産コストを低減できる。
【0030】
本発明の請求項5に記載の発明は、特に、一次コイルと二次コイルのいずれか一方は、導線を巻回した巻線コイルとした構成である。
【0031】
上記構成により、一次コイルと二次コイルのいずれか一方は、導線を巻回した巻線コイルとしたので、導線を巻回した巻線コイルは複数ターンの巻線が形成でき、多数巻きの設計を容易に行うことができる。
【0032】
本発明の請求項6に記載の発明は、特に、導線は絶縁被膜を被覆した絶縁被膜導線とした構成である。
【0033】
上記構成により、導線は絶縁被膜を被覆した絶縁被膜導線としたので、隣接する導線間の絶縁が確保できるとともに、巻線コイルと磁心との間の絶縁を強化することができる。
【0034】
本発明の請求項7に記載の発明は、特に、導線は絶縁被膜が3層構造の3層絶縁導線とした構成である。
【0035】
上記構成により、導線は絶縁被膜が3層構造の3層絶縁導線としたので、高電圧の入力に対応することができる。
【0036】
本発明の請求項8に記載の発明は、特に、導線は絶縁被膜層の外周に融着層を被覆した融着導線とした構成である。
【0037】
上記構成により、導線は絶縁被膜層の外周に融着層を被覆した融着導線としたので、巻線コイルを巻回した状態で形状が維持できるので、空心コイル部を形成する際の取り扱いを容易にすることができる。
【0038】
本発明の請求項9に記載の発明は、特に、一次コイルと二次コイルは、コイル部とこのコイル部の両端部の引出し接続部を薄板導体で平板状に形成するとともに、引出し接続部を除いたコイル部の表面に薄膜絶縁物を設けた構成である。
【0039】
上記構成により、一次コイルと二次コイルは、コイル部とコイル部の両端部の引出し接続部を薄板導体で平板状に形成するとともに、引出し接続部を除いたコイル部の表面に薄膜絶縁物を設けたので、一次コイルと二次コイルの表面に設けた薄膜絶縁で二重絶縁構造を形成することができ、一次コイルと二次コイル間の絶縁信頼性を高くすることができる。
【0040】
本発明の請求項10に記載の発明は、特に、空心コイル部の周りを絶縁樹脂でモールドした構成である。
【0041】
上記構成により、空心コイル部の周りを絶縁樹脂でモールドしたので、空心コイル部の隙間にも樹脂が流れ込んで、空心コイル部の均熱化が図れるため、空心コイル部の部分的な温度上昇を抑制でき、塵埃の侵入も防止できる構造となり、絶縁距離を緩和することができる。
【0042】
これらの相乗効果により、薄形トランスをより小型化することができる。
【0043】
本発明の請求項11に記載の発明は、特に、絶縁樹脂は熱可塑性樹脂とした構成である。
【0044】
上記構成により、絶縁樹脂は熱可塑性樹脂としたので、熱可塑性樹脂は再利用ができるため材料費が低減できる。
【0045】
本発明の請求項12に記載の発明は、特に、絶縁樹脂は芳香族ポリエステル樹脂とした構成である。
【0046】
上記構成により、絶縁樹脂を芳香族ポリエステル樹脂としたので、芳香族ポリエステル樹脂は高耐熱樹脂であるために、リフロー半田槽等に対応することができ、また、UL安全規格において絶縁クラスF種155℃以上の連続使用に対応することができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、発明の実施の形態1について、図面を参照しながら説明する。
【0048】
図1は本発明の実施の形態1における薄形トランスの断面図、図2(a)は同要部である一次コイルの斜視図、図2(b)は同要部である一次コイルの断面図、図3は同要部である空心コイル部と磁心の組立て状態を示す斜視図である。
【0049】
図1〜図3において、本発明の実施の形態1の薄形トランスは、絶縁シート23を介して一次コイル21と二次コイル22とを交互に積層した空心コイル部24と、空心コイル部24の両側から磁心26を組み込むとともに、磁心26を突合せて閉磁路を形成した閉磁路磁心27と、空心コイル部24と磁心26とを接着した接着材25とを備えている。
【0050】
そして、一次コイル21と二次コイル22は、コイル部28とこのコイル部28の両端部の引出し接続部29を薄板導体で平板状に形成しており、一次コイル21と二次コイル22のうち一次コイル21には、引出し接続部29を除いたコイル部28の表面に絶縁物30からなる薄膜絶縁物31を設けている。
【0051】
このとき、薄膜絶縁物31は、材質をポリイミドにしており、その厚みを40μm以上にするとともに、ピンホールを非形成にして形成している。
【0052】
この薄膜絶縁物31の厚み寸法は、UL安全規格の強化絶縁で要求された耐電圧AC3kV以上で、かつ、ピンホールがないことを満たすために、薄膜絶縁物31の厚みを実験により求め、この実験によれば、薄膜絶縁物31の厚みを40μmより大きな厚みにすることで、耐電圧AC3kV以上を満足するとともにピンホールを非形成にすることができ、薄膜絶縁物の厚みを40μmより大きな寸法にしたものである。
【0053】
そして、図1に示すように薄形トランス完成後一次コイル1、二次コイル2の引出し接続部29は、実装基板42上に設けられた基板端子43に半田付け、溶接等の方法で実装基板42に接続される。
【0054】
以上のように構成された薄形トランスについてその製造方法を説明する。
【0055】
図4は本発明の実施の形態1における薄形トランスの製造工程図である。
【0056】
図4において、本実施の形態の薄形トランスの製造方法では、コイル形成工程32と、空心コイル部形成工程33と、磁心組立工程34を設けている。
【0057】
そして、コイル形成工程32では、図2に示すように薄板導体でコイル部28とこのコイル部28の両端に引出し接続部29を平板状に形成した一次コイル21および二次コイル22を形成しており、空心コイル部形成工程33では、図3に示すように絶縁シート23を介して一次コイル21と二次コイル22とを交互に積層して空心コイル部24を形成しており、磁心組立工程34では、図3に示すように空心コイル部24の両側から磁心26を組み込むとともに磁心26を突き合わさせて閉磁路磁心27を形成している。
【0058】
そして、コイル形成工程32では、一次コイル21と二次コイル22を、コイル部28とこのコイル部28の両端部の引出し接続部29を薄板導体で平板状に形成することに加えて、図5の本発明の実施の形態1における薄形トランスのコイル形成工程の絶縁物蒸着状態を示す模式図に示すように、一次コイル21には、引出し接続部29を除いたコイル部28の表面に絶縁物30を蒸着させて薄膜絶縁物31を形成する工程としている。
【0059】
このとき、薄膜絶縁物31を形成する絶縁物30はポリイミドを用いており、ポリイミドを蒸着重合等の工法により、一次コイル21のコイル部28の表面にポリイミドの薄膜絶縁物31を形成している。
【0060】
上記本実施の形態における構成および方法により、一次コイル21は、コイル部28とこのコイル部28の両端部の引出し接続部29を薄板導体で平板状に形成するとともに、引出し接続部29を除いたコイル部28の表面に薄膜絶縁物31を設けているので、コイル部28の表面全体を薄膜絶縁物31で完全に被覆することができ、空心コイル部28と磁心26間、一次コイル21と二次コイル22間をこの薄膜絶縁物31で遮断、絶縁することができる。
【0061】
これにより、一次コイル21と二次コイル22との間、一次コイル21と磁心26との間の沿面距離、絶縁距離は薄膜絶縁物の厚み程度まで小さくすることができる。
【0062】
つまり、図1における薄膜絶縁物31を設けた一次コイル21と二次コイル22間の絶縁距離As、一次コイル21と磁心26との間の絶縁距離Bs、二次コイル22と磁心26間の絶縁距離Cs、一次コイル21と二次コイル22の引出し接続部29間の絶縁距離Dsは、従来1〜2mm以上必要であったが、本発明によれば、組立て上のばらつきを考慮しても、0.5mm程度に低減でき、薄形トランスを小型化することができる。
【0063】
また、薄膜絶縁物31の材質をポリイミドとしたので、ポリイミドは融点が400℃以上と高く、空心コイル部24の発熱に対しても安全度を高くすることができ、米国の安全規格であるUL安全規格における絶縁クラスF種155℃以上の連続使用にも耐え得る高耐熱絶縁を施すことができる。
【0064】
そして、蒸着重合工法等を用いて一次コイル21にポリイミドを蒸着すれば一次コイル21に薄膜絶縁物31を形成することができ、薄膜絶縁物31は厚みを40μm以上にすれば、一次コイル21のコーナー部にもピンホールを非形成にすることができ、ピンホールのない薄膜絶縁物31が形成されるため、高耐電圧化を図ることができる。
【0065】
尚、本実施の形態では、一次コイル21に薄膜絶縁物31を設けた構成を説明したが、二次コイル22に薄膜絶縁物31を設けてもよく、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0066】
(実施の形態2)
次に本発明の実施の形態2について、図面を参照しながら説明する。
【0067】
図6は本発明の実施の形態2における薄形トランスの断面図である。
【0068】
図6において、基本的な構成は本発明の実施の形態1を示した図1と同一である。大きく異なる点は、空心コイル部24と磁心26との間の絶縁シート23を非積層にした点である。
【0069】
上記本実施の形態によれば、空心コイル部24と磁心26との間の絶縁シート23を非積層にしたので、薄形トランスをより薄形化することができ、絶縁シート23の材料費を低減できるとともに、絶縁シート23を積層する生産工程を低減でき、生産コストを低減できる。
【0070】
尚、上記本実施の形態では、空心コイル部24と磁心26との間の絶縁シート23を非積層にした構成を説明したが、一次コイル21と二次コイル22との間の絶縁シート23を非積層にしてもよく、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0071】
(実施の形態3)
次に本発明の実施の形態3について図面を参照しながら説明する。
【0072】
図7は本発明の実施の形態3における薄形トランスの要部であるモールド成形後の空心コイル部と磁心との組立て状態を示した斜視図である。
【0073】
図7において、基本的な構成は本発明の実施の形態1を示した図1、実施の形態2を示した図6と同一である。大きく異なる点は、積層された空心コイル部24の周りに絶縁樹脂35でモールド36を形成しており、この絶縁樹脂35を熱可塑性樹脂の芳香族ポリエステル樹脂とした点である。
【0074】
以上のように構成された薄形トランスの製造法について説明する。
【0075】
図8は本実施の形態の薄形トランスの製造工程図である。
【0076】
図8において、基本的な構成は本発明の実施の形態1の薄形トランスの製造工程図を示した図4と同一である。大きく異なる点は、空心コイル部形成工程33と磁心組立工程34との間に、空心コイル部24の周りに絶縁樹脂35でモールド36を形成するモールド形成工程37を設けており、このモールド形成工程37では芳香族ポリエステル樹脂からなる熱可塑性樹脂を射出成形した点である。
【0077】
上記、本実施の形態における構成および方法により、空心コイル部24の周りに絶縁樹脂35でモールド36を形成したので、空心コイル部24の隙間にも絶縁樹脂35が流れ込んで、空心コイル部24の均熱化が図れるため、空心コイル部24の部分的な温度上昇を抑制でき、塵埃の侵入も防止できる構造となり、絶縁距離を緩和することができる。
【0078】
これらの相乗効果により、薄形トランスをより小型化することができる。
【0079】
また、絶縁樹脂35は熱可塑性樹脂としたので、熱可塑性樹脂はモールド36の成形時間が短く生産性を向上することができるとともに、再利用ができるため材料費が低減できる。
【0080】
そして、絶縁樹脂35を芳香族ポリエステル樹脂としたので、芳香族ポリエステル樹脂は高耐熱樹脂であるために、リフロー半田槽等に対応することができ、また、UL安全規格において絶縁クラスF種155℃以上の連続使用に対応することができる。
【0081】
また、空心コイル部24の外周のモールド36に引出し接続部29を沿わして折り曲げれば、引出し接続部29を面実装端子とすることができ、実装基板42に設けた基板端子43をなくすことができる。
【0082】
(実施の形態4)
次に本発明の実施の形態4について図面を参照しながら説明する。
【0083】
図9は本発明の実施の形態4における薄形トランスの要部である空心コイル部の積層状態を示す斜視図である。
【0084】
図9において、基本的な構成は本発明の実施の形態1を示した図1、実施の形態2を示した図6と同一である。大きく異なる点は、二次コイル22は、絶縁被膜を被覆した絶縁被膜付導線38を巻回した巻線コイル39とした点である。
【0085】
上記本実施の形態によれば、二次コイル22は、導線を巻回した巻線コイル39としたので、導線を巻回した巻線コイル39は複数ターンの巻線が形成でき、多数巻きの設計を容易に行うことができる。
【0086】
また、導線を絶縁被膜を被覆した絶縁被膜付導線38としたので、隣接する導線間の絶縁が確保できるとともに、巻線コイル39と磁心26との間の絶縁を強化することができる。
【0087】
尚、図10の本実施の形態の他の例を示す断面図に示すように、絶縁被膜付導線38を絶縁被膜が3層構造の3層絶縁導線40とすれば、高電圧の入力に対応することができ、絶縁被膜層の外周に融着層を被覆した融着導線41とすれば、巻線コイル39を巻回した状態で形状が維持できるので、空心コイル部24を形成する際の取り扱いを容易にすることができる。
【0088】
また、図11の本実施の形態のその他の例を示す断面図に示すように、積層された空心コイル部24を実施の形態4と同様に絶縁樹脂35でモールド36することにより、巻線コイル39の緩みよるばらけを防止することができる。
【0089】
(実施の形態5)
次に本発明の実施の形態5について図面を参照しながら説明する。
【0090】
図12は本発明の実施の形態5における薄形トランスの断面図である。
【0091】
図12において、基本的な構成は本発明の実施の形態1を示した図1、実施の形態2を示した図6と同一である。大きく異なる点は、一次コイル21と二次コイル22の両方は、コイル部28とこのコイル部28の両端部の引出し接続部29を薄板導体で平板状に形成するとともに、引出し接続部29を除いたコイル部28の表面に薄膜絶縁物31を設けた構成とした点である。
【0092】
本実施の形態によれば、一次コイル21と二次コイル22の両方を、コイル部28とこのコイル部28の両端部の引出し接続部29を薄板導体で平板状に形成するとともに、引出し接続部29を除いたコイル部28の表面に薄膜絶縁物31を設けたので、一次コイル21と二次コイル22の表面に設けた薄膜絶縁物31で二重絶縁構造を形成することができ、一次コイル21と二次コイル22間の絶縁信頼性を高くすることができる。
【0093】
尚、図13の本実施の形態の5における薄形トランスのその他の例を示す断面図に示すように、実施の形態4と同様に積層された空心コイル部24の周りに絶縁樹脂35でモールド36を形成することにより、一次コイル21と二次コイル22の薄膜絶縁物31の保護ができるため、一次コイル21と二次コイル22間の絶縁シート23をなくすことが容易と成るものである。
【0094】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、一次コイルと二次コイルのいずれか一方は、コイル部とこのコイル部の両端部の引出し接続部を薄板導体で平板状に形成するとともに、引出し接続部を除いたコイル部の表面に薄膜絶縁物を設けたことにより、空心コイル部と磁心間の沿面距離、空間距離、および、一次コイルと二次コイル間の沿面距離は薄膜絶縁物の厚み程度まで小さくすることができ、沿面距離、空間距離等の絶縁距離を小さくして小型化を可能とした薄形トランスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における薄形トランスの断面図
【図2】(a)同要部である一次コイルの斜視図
(b)同断面図
【図3】同要部である空心コイル部と磁芯の組立て状態を示す図
【図4】同製造工程図
【図5】同コイル形成工程の絶縁物の蒸着状態を示す模式図
【図6】本発明の実施の形態2における薄形トランスの断面図
【図7】本発明の実施の形態3における薄形トランスの要部であるモールド形成後の空心コイル部と磁芯の組立て状態を示す斜視図
【図8】同製造工程図
【図9】本発明の実施の形態4における薄形トランスの要部である空心コイル部の積層状態を示す斜視図
【図10】同他の例を示す断面図
【図11】同その他の例を示す断面図
【図12】本発明の実施の形態5における薄形トランスの断面図
【図13】同他の例を示す断面図
【図14】従来の薄形トランスの断面図
【図15】同要部である空心コイル部と磁心の組立て状態を示す斜視図
【符号の説明】
21 一次コイル
22 二次コイル
23 絶縁シート
24 空心コイル部
25 接着材
26 磁心
27 閉磁路磁心
28 コイル部
29 引出し接続部
30 絶縁物
31 薄膜絶縁物
32 コイル形成工程
33 空心コイル部形成工程
34 磁心組立工程
35 絶縁物
36 モールド
37 モールド形成工程
38 絶縁被膜付導線
39 巻線コイル
40 3層絶縁導線
41 融着導線
42 実装基板
43 基板端子
As 一次コイルと二次コイル間の絶縁距離
Bs 一次コイルと磁心間の絶縁距離
Cs 二次コイルと磁心間の絶縁距離
Ds 一次コイルおよび二次コイルの接続部と他方一次コイルおよび二次コイル間の絶縁距離

Claims (12)

  1. 絶縁シートを介して一次コイルと二次コイルとを交互に積層した空心コイル部と、前記空心コイル部の両側から磁心を組み込むとともに、前記磁心を突合せて閉磁路を形成した閉磁路磁心とを備え、前記一次コイルと前記二次コイルのいずれか一方は、前記コイル部と該コイル部の両端部の引出し接続部を薄板導体で平板状に形成するとともに、前記引出し接続部を除いた前記コイル部の表面に薄膜絶縁物を設けた薄形トランス。
  2. 薄膜絶縁物の材質をポリイミドとした請求項1に記載の薄形トランス。
  3. 薄膜絶縁物は厚みを40μm以上にするとともに、ピンホールを非形成にした請求項2に記載の薄形トランス。
  4. 一次コイルと二次コイルとの間、あるいは、空心コイル部と磁心との間の絶縁シートを非積層にした請求項1に記載の薄形トランス。
  5. 一次コイルと二次コイルのいずれか一方は、導線を巻回した巻線コイルとした請求項1に記載の薄形トランス。
  6. 導線は絶縁被膜を被覆した絶縁被膜導線とした請求項5に記載の薄形トランス。
  7. 導線は絶縁被膜が3層構造の3層絶縁導線とした請求項5に記載の薄形トランス。
  8. 導線は絶縁被膜層の外周に融着層を被覆した融着導線とした請求項5に記載の薄形トランス。
  9. 一次コイルと二次コイルは、コイル部と該コイル部の両端部の引出し接続部を薄板導体で平板状に形成するとともに、前記引出し接続部を除いた前記コイル部の表面に薄膜絶縁物を設けた請求項1に記載の薄形トランス。
  10. 空心コイル部の周りを絶縁樹脂でモールドした請求項1に記載の薄形トランス。
  11. 絶縁樹脂は熱可塑性樹脂とした請求項10に記載の薄形トランス。
  12. 絶縁樹脂は芳香族ポリエステル樹脂とした請求項11に記載の薄形トランス。
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