JP2018074095A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電力変換装置として薄型化が可能であり、トランス等の電磁誘導機器の放熱性が高く、電力変換装置として小型化、高効率化、低コスト化を実現させる。【解決手段】本発明の電力変換装置では、1次巻線3および2次巻線4はいずれも、渦巻き状に1層で巻かれた平板状の巻線であり、1次巻線3及び2次巻線4とコア5、6とを絶縁し、1次巻線3及び2次巻線4を露出させて保持する第1の保持部材7と、第2の保持部材8と、1次巻線3および2次巻線4の間に介在し1次巻線と2次巻線とを絶縁する絶縁部材9とを備え、1次巻線3、2次巻線4、およびコア5,6の少なくとも一つが放熱部材と放熱板により筐体に熱的及び構造的に接続されているものである。【選択図】図1

Description

本発明は、モータを駆動源の一つする電気自動車、ハイブリッド車に搭載される、トランス、リアクトル等により構成されるインバータやDC/DCコンバータ、車載充電器等
の電力変換装置に関するものである。
電気自動車やハイブリッド車に搭載される、DCDCコンバータや車載充電器を始めとする電力変換装置では、電圧の昇圧動作や降圧動作を行う受動部品として電磁誘導機器が搭載されている。この電磁誘導機器は、トランス、リアクトル、チョークコイル等であり、エネルギーの蓄積、放出、または直流電流の平滑化等で使用される。このような電磁誘導機器に関して、小型化、若しくは通電時に発生する熱を効率的に放熱できる構造にすることが、電力変換装置を小型化、高効率化する上で非常に重要である。
小型化を目的とした電磁誘導機器としては、例えば特許文献1に電源トランスが開示されている。特許文献1の電源トランスは、一次巻線と二次巻線とが積層構造にて構成され、二次巻線が絶縁部材を隔てて、コアを囲むボビンの軸方向に少なくとも2箇所に分けて巻回されている。
また放熱性と小型・薄型化を提供する電磁誘導機器としては、例えば特許文献2にプリ
ント配線基板を用いて構成されたシート型トランスにおいては、固定部品によって収納ケースに固定すると共にトランスの熱を効率的に収納ケースに放熱させる構成としている。
特開2010-183751号公報 特開2010-003926号公報
しかし、特許文献1の電源トランスにおいては、巻線を多層構造にて巻回していることから、トランスとしての高さを低減することが困難であり、内側巻線で熱が籠ってしまい、当該巻線より外側の巻線と巻線間の絶縁体の熱抵抗が加算されることで電源トランスとしての放熱性が悪化してしまうことから小型化を妨げる問題点があった。
また、特許文献2のリアクトルにおいては、金属製の固定部品によりコアと巻線を放熱する構成となっているが、特に巻線部を成すプリント配線おいては、固定部品との接触面積が十分に確保出来ず十分な放熱性が得られない、且つコア用、巻線用の放熱板を1つに
していることから、コア、巻線両方にて熱干渉の影響を受けてしまい、トランス及び電子機器としての小型化が妨げられるという問題点があった。
この発明は、上記のような問題点を解決することを課題とするものであって、薄型化が可能でありながら、且つ高い放熱性を確保することで、小型・低コスト化、及び製造の際、高い工作性、が実現できる電力変換装置を提供することを目的とする。
この発明に係る電力変換装置は、磁性のコアを介して電磁結合される1次巻線と2次巻線とを有する電磁誘導機器が、前記電磁誘導機器と電気的に接続される電力変換器が搭載
された筐体に搭載された電力変換装置であって、前記1次巻線および前記2次巻線はいずれも、渦巻き状に1層で巻かれた平板状の巻線であり、前記1次巻線及び2次巻線とコアを絶縁し、前記1次巻線と2次巻線を露出させて保持する第1の保持部材と第2の保持部材と、前記1次巻線および前記2次巻線の間に介在し前記1次巻線と前記2次巻線とを絶縁する絶縁部材を備え、前記1次巻線、前記2次巻線、および前記コアの少なくとも一つが放熱部材と放熱板により前記筐体に熱的に接続されているものである。
この発明によれば、渦巻状に巻回された巻線を積層されていることから、トランス等の電磁誘導機器を薄型化することが可能であり、電力変換装置として薄型化が実現できる。また、少なくとも前記電磁誘導機器の巻線部、またはコア部が放熱部材と放熱板を介して筐体に接続されていることから、コア部、巻線部共に放熱性が高く、電力変換装置として小型化、高効率化、低コスト化が実現可能である。
更に、電力誘導機器の1次巻線、2次巻線がボビンに対して巻回させながら積層されるわけでなく、既に巻回された巻線を積層する構成であることから、製造の際の作業性も高く、それに伴う製造費用も低減可能となる。
本発明の実施の形態1による電力変換装置を示す斜視図である。 図1の電力変換装置の分解図である。 図1、図2の電磁誘導機器の分解図である。 図1の電力変換装置の断面図である。 図1の電力変換装置の断面図である。 本発明の実施の形態1による電力変換装置を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1による電力変換装置の全体の分解斜視図である。 本発明の実施の形態2による電力変換装置を示す斜視図である。 図8の電力変換装置の分解図である。 図8、図9の電磁誘導機器の斜視図である。 図10の電磁誘導機器の分解図である。 本発明の実施の形態3による電力変換装置を示す斜視図である。 図12の電力変換装置の分解図である。 図12、図13の電磁誘導機器の分解図である。 図14の電磁誘導機器を構成するコイル体の分解図である。 本発明の実施の形態4による電磁誘導機器の側面図である。 本発明の実施の形態5による電磁誘導機器の側面図である。 本発明の実施の形態6による電磁誘導機器の側面図である。
以下、本発明の各実施の形態について説明する。各図において同一、または相当部材、部位については、同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
図1、図6は本発明の実施の形態1による電力変換装置を示す斜視図であり、図2は図1の電力変換装置における分解図であり、図3は図1、図6の電力変換装置に搭載される電磁誘導機器の分解図であり、図4は図1のa-a断面における電力変換装置の断面図であ
り、図5は図1のb-b断面における電力変換装置の断面図である。尚、図1、図6におい
て電力変換装置内に搭載される基板等その他部品に関しては省略されている。
図1に示す様に電磁誘導機器であるトランス2が筐体10に搭載され、筐体10と筐体10の反対側に存在する蓋(図示せず)がネジ締結等により結合、嵌合され密閉構造体と
なることで電力変換装置1は構成される。筐体10の底面においては、金属製のフィン、もしくはパイプ等、流路が設けられ、その中を水、空気等冷却用冷媒が通る冷却器(図示せず)が接続されている。
電磁誘導機器であるトランス2は、図3に示す様に閉磁路を構成するI型コア5、E型コア6と、コア6の中脚部6aを囲む様に配置された1次巻線3及び2次巻線4、1次巻
線と2次巻線間を絶縁する絶縁部材である絶縁シート9、1次巻線と2次巻線の保持及び巻線部とコア間の絶縁を行う第1の保持部材である上カバー7、及び第2の保持部材である下カバー8により構成されるコイル体16と、を備えている。
I型コア5、E型コア6は、フェライト等の磁性部品にから構成され、E型コア6の中脚部6a、側脚部6bとI型コア5が突き合わせられることにより閉磁路が構成される。
コイル体16を構成する1次巻線3、2次巻線4は、前記E型コア6の中脚部6aを囲
むための中央孔30,40を有し、例えば規定の電気抵抗率を有する絶縁性のエナメル被覆が施された銅の丸線が渦巻状に所定の巻数巻回されて構成され、部分的にコア6から露出する巻線露出部分3b、4bを有して積層されている。前記巻線は巻回後に中央孔30,40付近の丸線を外側に配線する際、巻線部本体と交差する領域が発生するが、その場合は接触部分に絶縁シート(図示せず)を介在させる。
また、1次巻線3、2次巻線4を構成する各丸線は束ねる為に、テープ15を四方に巻いている。
また、1次巻線3の1次巻線用端子3a、及び2次巻線4の2次巻線用端子4aは所定の距離を確保して配置される。
また、前記巻線3、4間に配置される絶縁シート9は絶縁性、及び柔軟性を有する樹脂製材料により構成され、巻線露出部分3b、4b領域での端部においては折り曲げ部9aを有している。
前記巻線の保持部材である上カバー7、下カバー8は絶縁性を有した樹脂材料を成型して構成されており、前記巻線3、4を包括する形状を有し、また前記コア5、6の形状にあわせて鍔部7a、8aが設けられている。
また、前記巻線露出部分3b、4bと重なる箇所においては、開口部7b、8bが設けられている。
また、上カバー7においては、前記巻線3、4の1次巻線用端子3a、2次巻線用端子
4aの保持をする為、突起部7cを有する。前記巻線3、4、上カバー7、下カバー8、及び絶縁シート9で構成されるコイル体16は、上カバー7と下カバー8で挟み込んだ際に接着材(図示なし)により接合される、もしくはカバーにスナップフィット等の嵌合構造を設けて嵌合、若しくはテープを巻回することで固定される。
また、図5で示す様に上カバー7、下カバー8に設けられた段差部7d、8c、及び絶縁シート9により前記巻線3、4間で図5内破線矢印で示す所定の絶縁距離を有する。
図2、図4に示す様に、電力変換装置1を構成する筐体10には筐体凸部10a、及び
コア固定用の筐体突起部10bを、トランス2は筐体10上に搭載される際、コイル体1
6の下に2次巻線4の巻線露出部分4bの投影面積よりも大きい2次巻線用放熱シート11aを介して筐体凸部10aに接触する。
また、コイル体16の上部では1次巻線3の巻線露出部分3b上に1次巻線用放熱シー
ト11bが搭載され、更にその上に前記1次巻線用放熱シート11bよりも幅寸法の小さく、両端に折り曲げ部12aが設けられており且つ穴部を有した巻線用放熱板12を載せ前記放熱シート11a、11bを圧縮させた状態で、放熱板両端の穴部に締結用ネジ14を用いてコイル体と共に筐体10に締結される。
前記放熱板は所定の熱伝導率を有したアルミニウム、銅等の金属板をプレス成型により両端部を折り曲げ、筐体凸部10aへの接触部、及び取付け用の穴を有する形状で構成さ
れている。放熱シート11a、11bは粘着性を有し、ある所定の厚みを持った熱伝導性フィラー含有、且つ絶縁性の低硬度シリコーン樹脂等の材料で構成されている。
また、前記コア5、6においては、コイル体16の中央の中央孔(つまり、下カバー(保持部材)8の中央孔80、2次巻線4の中央孔40、絶縁シート9の中央孔90、1次巻線3の中央孔30、および上カバー(保持部材)7の中央孔70)をEコア6の中脚部6aが通されながら相対するIコア5と突き合わされた状態で、コア長手方向に複数回粘着テープ(図示無し)にて巻回され仮固定される。
また、図1、2で示す様に、筐体凸部10a間の筐体10平坦部にEコア6が搭載され
、Iコア5上部に対してコア用放熱シート11cを載せ、その上よりコア用放熱板13を
端部に設けられた穴部を前記筐体突部10bに合せる形で搭載させ、締結用ネジ14によ
り締結することでコアが筐体10に対して本固定される。
コア用放熱板はステンレス系、鉄系の強度が高く、熱伝導性も有した片持ちバネとして構成されている。コア用放熱シート11cにおいては、前記巻線部で使用した同様の熱伝
導性を有した低硬度シリコーン樹脂等で構成されている。
本実施の形態は、前述のように、また図示のように、磁性のコアによって電磁結合される1次巻線と2次巻線とを有する電磁誘導機器が、前記電磁誘導機器と電気的に接続される電力変換器が搭載された筐体に搭載された電力変換装置であって、前記1次巻線および前記2次巻線はいずれも、渦巻き状に1層で巻かれた平板状の巻線であり、前記1次巻線及び2次巻線とコアを絶縁し、前記1次巻線と前記2次巻線を露出させて保持する第1の保持部材と第2の保持部材と、前記1次巻線および前記2次巻線の間に介在し前記1次巻線と前記2次巻線とを絶縁する絶縁部材を備え、前記1次巻線、前記2次巻線、および前記コアの少なくとも一つが放熱部材と放熱板により前記筐体に熱的に接続されているものである。また、前記放熱部材がシート部材、等であり、前記1次巻線および前記2次巻線は、丸線、平角線で構成されている。
また、本実施の形態は、前述のように、また図示のように、中央に中央孔を有し所定の巻数を渦巻状に巻回し積層されている1次巻線及び2次巻線と、前記巻線の中央の中央孔を貫通し前記巻線部を露出させながら閉磁路を構成する磁性のコアと、前記巻線間に介在する絶縁部材と、前記巻線部の保持部材とを備えた電磁誘導機器が筐体に搭載された電力変換装置であって、少なくとも前記巻線部、またはコアが放熱部材と放熱板を介して、前記筐体に熱的に接続されているものである。
このように構成された本実施の形態の電力変換装置1では、トランス2が駆動した際に1次巻線3で発生する熱は1次巻線用放熱シート11b、巻線用放熱板12、筐体凸部1
0aの順で伝導し、筐体10、冷却器に効率良く放熱される。2次巻線4で発生する熱は
2次巻線用放熱シート11a、筐体凸部10aの順で伝導し、筐体10、冷却器に効率良く放熱される。
また、コア5、6で発生した熱に関しても、Eコア6と相対する筐体平坦部を介して放熱されると同時に、上部のIコア5に関してはコア用放熱シート11c、コア用放熱板1
3、筐体突起部10bを介して筐体10、冷却器に効率的に放熱することができる。
また、巻線、コア共に、前記低硬度の粘着性のある放熱シート11a、11b、11cを
介して放熱板12、13、もしくは筐体10に圧縮されながら固定され、筐体10、冷却器に接続されている為、高い密着性を有することで、巻線部、コアと放熱板、筐体間での接触部における空気層などの接触熱抵抗となるものを排除でき、更に高い放熱性を有することが可能となる。
また、巻線用放熱板12とコア用放熱板13とを一体とせず、それぞれ個別に配置して
いる為、コア5,6、巻線3,4での放熱板を介しての熱干渉の影響を排除させることが出来、更に放熱性を高めることが出来る。
また、上記のようにトランス(電磁誘導機器)2を構成し、発熱体である前記巻線部3,4、及びコア5,6で発生された熱を効率よく筐体10、及び冷却器に効率良く放熱できることから、巻線部3,4、コア5,6が小型化可能となり、その結果トランス(電磁誘導機器)2を含む電力変換装置1として小型化・高効率化が可能となる。また、小型化・高効率化に伴う低コスト化が可能となる。
また、トランス(電磁誘導機器)2を構成する1次巻線3、2次巻線4が、丸線を渦巻状に巻回し、1次巻線3及び2次巻線4を積層させて構成されていることから、巻線部として薄型となり、ボビンに対して導線を複数層巻回させる従来方式に対して巻線部での薄型化が可能となる。その結果、トランス(電磁誘導機器)2を含む電力変換装置1においても薄型化が可能となり、例えば電気自動車内に搭載される場合における車内搭載時でのレイアウトの自由度を高めることが出来る。
また、1次巻線3および2次巻線4はいずれも丸線を渦巻状に1層で巻回させて形成されており、1次巻線3、2次巻線4共に1層の巻線を2部品積層させている構成である為、従来のボビンに対して導線を複数層巻回させて構成させるトランスに比べ、巻線3,4内部に熱が籠りにくくなり、巻線放熱性を高めることが可能となる。また、各1層で巻回されることから、積層方向への高さバラツキも抑制され、漏れインダクタンス、銅損等の電気特性、及び熱抵抗等の放熱特性が安定され、小型化・高効率化・低コスト化が実現できると同時に特性、品質管理も容易となる。
また、事前に巻回された巻線3、4を絶縁シート9、上下カバー7、8と共に積層させて構成させるコイル体16である為、従来のボビンに対して導線を複数層巻回させて構成させるコイル体に対して容易に製造することが可能となり、加工時間及び加工時費用を低減させることが出来る。
また、1次巻線3、2次巻線4間の絶縁部材を、1次巻線3、2次巻線4よりも大きな投影面積を有した平面状の絶縁シート9で構成することにより、巻線間での沿面距離を含めて高い絶縁性を有すると同時に、薄くできる為、1次巻線3と2次巻線4との距離を極端に縮めることができることから、トランス(電磁誘導機器)としての結合度を高めることが出来、漏れインダクタンスの低減、及び低損失・高効率化が実現できる。
また、絶縁シート9の巻線露出部側両端部で折り曲げ9a構造とすることで、1次巻線
3と2次巻線4との間での絶縁距離を確保することが出来、且つトランス2、電力変換装置1としての投影面積を低減させることが可能となる。
尚、本実施の形態での絶縁シートでは絶縁性、及び柔軟性を有した樹脂製シートで構成しているが、更に粘着層を有するシート、絶縁性を有する両面テープを使用することで、1次巻線3と2次巻線4との密着性が向上し、巻線3,4間での熱交換を活発にさせることで放熱性を向上させることも可能である。更に密着性が高まることから、コイル体16を構成する際の作業性も高まる。また、絶縁シートの厚みを調整することによりトランス2としての結合度、漏れインダクタンスを容易に調整可能である。
また、上カバー7、下カバー8において、1次巻線3、2次巻線4を包括する領域で構成され、且つ巻線露出部分3b、4bに該当する箇所に開口部7b、8bが設けられていることから、巻線3,4を構造的に保持させることができ、尚且つ各巻線3,4から発生した熱を放熱シート11a,11bを介して筐体10に安定して放熱が可能である。また、
コア5,6に合せた形状の鍔部7a、8aを有することから、コア5、6をコイル体16に
装着する際、作業性が良く、尚且つ巻線-コア間で鍔部の沿面で距離を確保することが出
来ることから、コア5,6−各巻線3,4間での絶縁性を確保でき、トランス(電磁誘導機器)2、電力変換装置1を安定して駆動させることが可能である。
また、上下カバー7、8にてコア領域内で1次巻線3、2次巻線4を収納する段差部7d、8cを設けることで、コイル体16組立時に各巻線3,4の上下カバー7,8への装着性、作業性を向上させることが出来、且つ耐振性も向上させることが可能である。また、各段差部7d,8cを有する各カバー7,8及び絶縁シート9を積層させる構成により、1次巻線3と2次巻線4間での図5内破線矢印で示す様に、カバー段差部7d,8c、及び絶縁シート9の沿面距離により距離が確保されることで、各巻線3,4間の絶縁を確実に実施出来、トランス、電力変換装置として安定して駆動させることが出来る。
また、上カバー7に関して1次巻線用端子3a、2次巻線用端子4aが挿入される突起部7cを有していることから、コイル体組立時に端子を保持しながら位置決めが出来ること
から、巻線端子の形状を安定させることが出来、作業性も高まる。
1次巻線3、2次巻線4での1次巻線用端子3a、2次巻線用端子4aに関して、互いに重ならない様所定の距離を保って配置させていることから、各巻線端子間での絶縁を確保出来、トランス、電力変換装置を安定して駆動させることが出来る。尚、本実施の形態では、各端子が巻線の同一露出側において配線されているが、互いに反対の巻線露出部において配線させてもよい。
2次巻線4に対して、2次巻線用放熱シート11aの投影面積を大きくする、また、1
次巻線用放熱シートに対して巻線用放熱板12の幅を小さくすることにより、巻線-筐体
間、巻線-放熱板間での絶縁距離が確保され、トランス、電力変換装置として安定して駆
動させることが出来る。
尚、コアに関して、本実施の形態では、筐体10に接触する側をEコアとし、反対側のコアをIコアにて構成しているが、筐体側をIコアとし、反対側のコアをEコアとさせてもよい。また、Eコア、Iコア構成でなく、2個共にEコア、EER、PQコア等、その他コイル体に対して巻線露出部分3b、4bを露出させながら閉磁路を構成できるコア形状であれば使用が可能である。
尚、1次巻線3、2次巻線4に関して、断面が円の丸線では無く、断面が矩形である平角線を使用してもよい。この場合、丸線に対して巻回した際の厚みを更に低減させることが出来、電磁誘導機器及び電力変換装置として更に薄型化が可能となる。また、巻回時に角部において丸線時以上に加工硬化の効果が得られることから、形状安定化に繋がり、更にトランスとしての電気特性、及び放熱性を安定化させることが可能となる。また、導線断面が矩形であることから、巻回させ積層させた際における1次巻線、2次巻線間の接触面積が増大し、巻線間の熱交換を更に活発にさせることが出来、より高い放熱性を確保させることが出来る。
また、本実施の形態では筐体凸部と接近する巻線を2次巻線とし、巻線用放熱板と接近する巻線を1次巻線に設定しているが、逆配置の構成であってもよい。
コア用放熱板13に関して、本実施の形態では図1、図2に示す様に片持ち形状でのバネを使用し、コアの固定と放熱を両立させることが出来、部品点数を削減させることでトランスとしてコスト低減となる。また、コア用放熱板に関しては図1に示す様な片持ちバネでなく、図6に示す様な両足を固定させる形状の折り曲げ部13bを設けた曲げ板13a、もしくはバネであってもよい。曲げ板の場合、材料として、アルミニウム系、銅系の金属の使用も可能となる。この場合、コアから発生した熱を13の片方から両端の脚により放熱させる、つまり放熱経路を1経路増やすことが出来、更に放熱性を高めることが出来、コアとしての更なる小型化も可能となる。
また、コアに合せた形状であることから、保持としても容易且つ強固となり、作業性及び耐振性も高めることが出来る。
尚、本実施の形態ではコアとコア用放熱板間にコア用放熱シートを配置しているが、コアで発生する熱量が小さく、コア間を伝導しコアと接触する筐体10を介して十分な放熱性を確保することが出来るのであれば、コア用放熱シートを省いてもよい。この場合、部品点数を削減でき、電力変換装置としてのコストを削減させることが出来る。
また、本実施の形態では、コアと筐体を仮固定用テープを介して直接接触させているが、コアと筐体の間に放熱シートを介在させてもよい。この場合、コアと筐体間の接触熱抵抗を低減させることが出来、コアの放熱性を更に高めることが出来る。更に、振動環境下におけるコアと筐体の擦れによるコアの欠け等を防止するクッション材としての効果もある。
尚、本実施の形態では放熱材として低硬度であり粘着層を有した放熱シートを使用しているが、高硬度の放熱シートを使用してもよい。また、絶縁が特段問題にならない、もしくはその材料により絶縁が可能な場合には、放熱材として放熱グリス、接着剤を使用してもよい。この場合、放熱シートの場合に比べ、放熱材と発熱体(コア、巻線)、放熱先部品(放熱板、筐体)との接触熱抵抗を低減することができ、更に放熱性を高めることが出来る。
尚、1次巻線3、2次巻線4を構成する丸線、平角線等の素線導体に対して、予め絶縁シート、絶縁テープを巻回して構成してもよい。この場合、絶縁シート9が不要となり、部品点数削減が可能となる。
図7は、電力変換装置の全体の分解斜視図である。図7に例示のように、筐体10内にはトランス2の他にフィルタ回路部17、コンデンサ部18、リアクトル部19が搭載され、トランス2及びリアクトル部19を取り囲む様に筐体の水路部10dが配置されてい
る。水路部10dの内部には水路パイプ10eから冷却用の流体が供給される。また、水路部10d上部には、本実施の形態では例えばトランス2の出力電力を外部機器に供給する
コンバータ等の電力変換装置を構成するための複数個のスイッチング素子23が、図に例示のように搭載される。前記搭載された部品上部には部品間の配線及び制御を実施する基板部20が搭載され、前記各部品の端子と半田付け等により接続される。その後、基板上部に筐体10と接合される蓋21が搭載され、ネジ締め等により筐体10と蓋21は嵌合される。この様に構成される電力変換装置1では、主要の発熱部品であるトランス2及びリアクトル部19を取り囲む様に水路部10dが配置されている為、トランス2及びリア
クトル部19より発生した熱を両側の水路部10dより効率よく放熱することができ、且
つスイッチング素子23も放熱可能であることから、電力変換装置として小型化、低コスト化が実現可能となる。
尚、本実施の形態では巻線用放熱板とコア用放熱板を分けて設置しているが、巻線とコアとの熱干渉が特段問題にならない場合は、放熱板を一体化して構成させても適用可能である。この場合、部品点数を少なくでき電力変換装置としてのコストを低減することが可能である。
尚、本実施の形態では絶縁部材として絶縁シートを使用しているが、樹脂材料を成型した樹脂板(絶縁プレート)であっても適用可能である。
実施の形態2.
図8は本発明の実施の形態2による電力変換装置を示す斜視図であり、図9は図8の電力変換装置における分解図であり、図10は電力変換装置に搭載される電磁誘導機器の斜視図であり、図11は図10の電磁誘導機器の分解図である。尚、図8において電力変換装置内に搭載された基板等その他部品に関しては省略されている。実施の形態2の電力変換装置1は巻線、及びコアと放熱板が放熱シートでなく、ポッティング材を介して筐体に熱的に接続される点で実施の形態1の電力変換装置1と異なる。電磁誘導機器であるトランス等その他構成は実施の形態1と同様である。
図8、図9に示す様に、電力変換装置1を構成する筐体10には突起部10cが設けら
れており、トランス2を格納後ポッティング材22により含浸できる小部屋構造となっている。また、突起部10c内の領域には実施の形態1同様に筐体凸部10a、10bが設け
られている。尚、本実施の形態では小部屋構造を筐体の突起部10cで構成しているが、
予め筐体に掘り込まれた、若しくは成型された穴(図示せず)を使用して構成しても適用可能である。
図10、図11に示す様にトランス2の巻線上部、コア上部には所定の熱伝導率を有したアルミニウム、銅等の金属板がプレス成型等によりコの字に成型された折り曲げ部12a、13bを有する巻線用放熱板12、コア用放熱板13が装着され、保持部材7、8により固定される(図示せず)。
巻線用放熱板12、コア用放熱板13が装着されたトランス2を筐体10の突起部10c内に格納後、ディスペンサ装置等によりポッティング材22を充填し、所定の硬化条件にて硬化させ含浸する。巻線、及びコアと筐体との隙間に関しては、保持部材と筐体の構造により決定される(図示せず)。若しくはコイル体に対してコアが固定されておらず、コアが筐体に接触する構成であってもよい。ポッティング材22は所定の熱伝導性、及び絶縁性を有したシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の材料で構成されている。尚、巻線及びコアと放熱板間の隙間にはポッティング材22が充填され構造的及び熱的に接続されるが、より本隙間での充填を確実にするために予め放熱用グリス、若しくはポッティング材22で充填させることも適用可能である。
このように構成された本実施の形態の電力変換装置1では、実施の形態1と同様の効果を奏する。また、実施の形態2ではトランス2が駆動した際に発生する熱を、1次巻線3はポッティング材22-巻線用放熱板12-ポッティング材22を介して筐体突起部10c
に、2次巻線4はポッティング材を介して筐体凸部10a、10bに、コアはポッティング材22-コア用放熱板12-ポッティング材22を介して筐体突起部10cに接続され、且
つコア及び巻線と放熱材が接触する面積が実施の形態1に対して大きいことから、実施の形態1よりも高い放熱性を有することができ、電力変換装置1として小型化が可能となる。
また、巻線用放熱板12及びコア用放熱板13の形状をコの字としていることから、筐体10と相対する面積を大きくすることが可能となり放熱性が高まる、且つ実装面積としては小さくできることから、電力変換装置として更に小型化が可能となる。
また、放熱板を巻線用、コア用と其々独立させて装着させていることから、巻線とコアとの熱干渉の影響を小さくすることが可能となり、放熱性を更に高めることができる。また、小型化による電力変換装置1としての低コスト化も可能である。
尚、本実施の形態では巻線用、コア用と分けているが、熱干渉による放熱性低下が問題にならない場合は巻線用とコア用放熱板を一体化しても適用可能である。この場合、部品点数を少なくすることが可能になる為、電力変換装置1として低コスト化が可能である。
また、巻線用放熱板12、コア用放熱板13において、金属板に穴を開けて構成しても
適用可能である。この場合、穴よりポッティング材が充填され易くすることが可能となる。
また、ポッティング材22の硬化によりトランス2自体を筐体10と固定させる為、実施の形態1の様に予め放熱板12、13を筐体10に固定させる必要がなく、その分の実装面積を小さくすることができ、電力変換装置1として更に小型化、低コスト化させることが可能となる。
また、巻線と巻線用放熱板12間に絶縁性を有したポッティング材22が充填されることから、実施の形態1の様に所定の絶縁距離を有する空間距離が必要なく、最低限の樹脂厚みで絶縁可能であることから、実装面積を小さくでき、電力変換装置1として更に小型化、低コスト化が可能となる。
実施の形態3
図12は本発明の実施の形態3による電力変換装置を示す斜視図であり、図13は図12の電力変換装置における分解図であり、図14は電力変換装置に搭載された電磁誘導機器の分解図であり、図15は図14の電磁誘導機器を構成するコイル体の分解図である。尚、図12において電力変換装置内に搭載された基板等その他部品に関しては省略されている。図12、図13に示す様に、実施の形態3の電力変換装置1は電磁誘導機器2の内部構成以外は実施の形態2同様に、電磁誘導機器2が筐体内に搭載されポッティング材を介して筐体と構造的、及び熱的に接続される。
図14に示す様に、本実施の形態における電力変換装置1内に搭載される電磁誘導機器2は、事前に構成されたコイル体16に対して、実施の形態1同様にIコア5、Eコア6で挟む形態とし、コア5上部よりコア用放熱プレート13を装着することで構成されている。尚、コア用放熱プレート13はコア5に装着させる際、2部品間の間には放熱部材 (グリス、シート、接着剤等、ポッティング材)が介在する形で装着される。(図示せず)
図15に示す様に、電磁誘導機器2を構成するコイル体16は、1次巻線3、2次巻線4、絶縁板25、巻線用放熱板12が積層配置され、周囲を成型樹脂24により成型して包れる形態で構成されている。1次巻線3、2次巻線は銅、アルミニウム等の金属平板をプレス金型等により打抜いた、断面が矩形であり、且つ平面において隣り合う金属間で所定の隙間を有した板金により構成されている。尚、巻線においては金属平板をプレス金型等で打抜く構成でなく、レーザー加工等で成型したものであっても適用可能である。また、端子部3a、4aは共に巻線の外周部と内周部に設け、板金外周部、及び中央孔30、40の一部を折り曲げることで構成される。絶縁板25は絶縁性を有した樹脂材料を成型した板であり、裏表両方には第1突起部25aが設けられており、絶縁板25に対して1次巻線3と2次巻線4を積層する際、各巻線は突起部25a間の隙間に収納され位置が決まる。更に、絶縁板の内周、外周部には第2突起部25bが設けられており、1次巻線3、2次巻線4を絶縁板25に配置された際、各巻線間の沿面距離が所定の数値になる様に突起高さが設定されている。巻線用放熱板12は1次巻線3上に積層される際、1次巻線3との間に所定の厚みの樹脂が介在する隙間を設けて配置される。前記各部品が積層された状態で所定の熱伝導性、及び絶縁性を有した成型樹脂24によりインサート成型することでコイル体16として一体化される。コイル体16の成型樹脂24に関して、図13の筐体凸部10a、10bと対面する2次巻線4がポッティング樹脂2と接触できる様、成型樹脂24から2次巻線の一部を露出させる形態で成型している。(図示せず)
このように構成された本実施の形態の電力変換装置1では、実施の形態1、2と同様の効果を奏する。また、巻線の断面が丸線の円形状ではなく矩形である為、1次巻線3と2
次巻線4が対面する表面積が大きくなり、高周波の矩形波等交流電流が流れる場合において表皮効果に伴う電流が流れる面積を大きくすることができ、電流密度を丸線よりも低減させることが可能となる。その結果、巻線で発生する熱損失を丸線で構成する巻線よりも大幅に低減させることができ、電力変換装置1として高効率化、小型化、低コスト化することが可能となる。また、巻線断面が矩形であることから、巻線間で対面する表面積(幅)を維持し、低損失化の状態で板厚を低減することができ、丸線で構成する実施の形態1、2に対して、電磁誘導機器2及び電力変換装置1の高さを低減することが可能となる。また、巻線の隣り合う金属間で所定の隙間を有していることから、1次巻線3、2次巻線4間で発生する磁界を低減させることができ、巻線で発生する熱損失を更に低減させることができる。その結果、更に電力変換装置として高効率化、小型化、低コスト化することが可能となる。
また、巻線を金型で打ち抜いて構成する板金で構成していることから、丸線、平角線を渦巻き状に巻回させて構成する巻線に比べ、寸法精度を大幅に向上させることができ、それに伴う放熱特性、電気特性のバラツキも抑制することが可能となる。また、原材料が金属平板であり、設備も巻線機等必要としないことからも、丸線、平角線構成での巻線に比べ電力変換装置1として低コスト化することが可能である。また、丸線、平角線で構成する場合、寸法精度を確保する為に、テープにて巻線を束ねる工程が必要であるが、板金の場合、金型で打ち抜かれた段階で寸法精度が確保されている為、束ねる工程を削除することができ、作業性及び工数削減に伴う低コスト化が可能となる。また、平角線を巻回する場合、板厚に対して板幅の比率を一定以上大きくすると極端に巻回が困難になるが、板金構成の場合、金型形状を変更することにより板厚に関係なく板幅を大きくすることが可能となり、調整も容易である。また、端子部3a、4aは巻線の内周部を外周部に引き回すことなく、内周部と外周部の其々に配置し、端子用の別金属部材を接合することなく板金の一部を使用し、折り曲げることで構成していることから、実施の形態1、2の様に同巻線の金属同士が重なることがなく、絶縁シート等を挟む等、絶縁対策を排除することができ、低コスト化、及び作業性向上が可能となる。
また、1次巻線3及び2次巻線4が絶縁板25を挟む形態で積層配置されることから、1次、2次巻線間の絶縁性を容易に確保することができ、電力変換装置1として安定して駆動させることができる。また、絶縁板の内周及び外周に所定の高さを有する突起部25bを設けていることから、1次巻線3及び2次巻線4間における沿面経由での絶縁破壊に関しても、絶縁板25を平面方向に大型化させることなく必要な距離を確保させることができ、電磁誘導機器2、電力変換装置1として小型化させることができる。また、巻線が配置される両面において第1突起部25aを設けていることから、1次巻線3、2次巻線4の位置決めが可能となり位置ズレを防止することができ、作業性及びコイル体16としての寸法精度を向上させることができる。
また、巻線用放熱板12を1次巻線3上に配置する際、1次巻線3との間に所定の厚みの樹脂が介在する隙間を設けることで、前記隙間に充填される成型樹脂24により1次巻線3と巻線用放熱板12間の絶縁性を確保させることができ、電力変換装置1としての駆動を安定させることと同時に、充填された成型樹脂24により1次巻線3で発生した熱損失は成型樹脂24を介して巻線用放熱板12に熱伝達され、巻線用放熱板12からポッティング材22、筐体10、冷却器に効率よく放熱させることが可能となる。また、図13の筐体凸部10a、10bと対面する2次巻線4が成型樹脂24から露出させる形態で成型していることから、2次巻線4とポッティング材22が接触し、2次巻線4で発生した熱損失はポッティング材22を介して筐体凸部10a、10b、冷却器に効率よく放熱することが可能となる。
また、本実施の形態における電磁誘導機器2では、コイル体16を構成する成型樹脂の
絶縁板25の熱伝導率、巻線用放熱プレートの厚み・幅、及び1次2次巻線を構成する板金の板幅、板厚を変更することで、容易に巻線の放熱性を増加させる等、放熱性の制御が可能となる。
また、成型樹脂24により1次巻線3、2次巻線4、絶縁板25、巻線用放熱板12をインサート成型で一体化させ、事前にコイル体16として構成していることから、電磁誘導機器2の組立としてはコアとコア用放熱プレートを装着させるだけでよく、組立時の工数削減、及び作業性を大幅に向上させることができ、それに伴う組立コストの低減が可能となる。
尚、図15に示すコイル体板金の幅は全領域において均一寸法で構成されているが、部分的に幅を変更させても構成可能である。例えば、コア内に収納される領域においては限定的に板幅を小さくすることでコア形状を小さくすることが可能となり、コアでの熱損失が低減することから、それに伴う電力変換装置1として高効率化、低コスト化が可能となる。また、端子部3a、4aの板金部のみ、板幅を予め小さくすることにより、端子部3a
、4aを基板20に半田付けにより接合する際、熱容量を小さくすることができ、安定し
て半田付けが可能となり作業性が向上する。
尚、本実施の形態では巻線構成を1次巻線、2次巻線を各一層で構成しているが、多層構成であっても適用可能である。例えば、1次巻線、2次巻線共に2層の並列配線で構成させる場合、内側の2層を同極性の巻線を配置し、その間に第1の巻線用放熱板を配置することで、放熱板が自己発熱することなく内側2層の巻線で発生した熱損失を成型樹脂経由で前記放熱板に熱伝達し、前記放熱板からポッティング材、筐体、冷却器と効率よく放熱することが可能である。また、最上部の巻線の上部に更に第2の巻線用放熱板を配置することにより、前記最上部の巻線での熱損失も第2の放熱板経由で効率よく放熱することが可能である。(図示せず)
尚、本実施の形態では筐体と電磁誘導機器間の放熱部材をポッティング材で構成しているが、放熱シート、放熱グリス、接着材等で構成しても適用可能である。
実施の形態4.
図16は本発明の実施の形態4による電力変換装置1内に搭載される電磁誘導機器2の側面図である。尚、図16において電磁誘導機器を構成する保持部材7、8、絶縁シート9、電力変換装置内に搭載される基板等その他部品、及び筐体10に関しては省略されている。
図16に示す様に、本発明における実施の形態1、2及び3での電力変換装置1内に搭載されるトランス2の巻線構造は図16の様に、コア5、6の重なる方向に対して垂直、且つ直線的に配置されている。
実施の形態5.
本実施の形態5では、図17に示す様に巻線がコアの重なり方向に対して平行になる様、同一方向に折り曲げられている。
実施の形態6.
また、図18に示す様に、左右両側の巻線が反対方向に折り曲げられる構成でも適用可能である。
図17,図18のトランス2の左右両端には筐体10が配置され(図示せず)、相対する巻線はポッティング材22を介して筐体10(図示せず)に放熱される。その他の構成に関
しては、実施の形態2、3と同様である。
図17,図18のように構成された本実施の形態5,6の電力変換装置1では、電磁誘導機器であるトランス2の実装面積が小さくなることにより、体積が低減され小型化が可能となる。
また、図17の様に左右両側の巻線を同一方向、且つ基板が配置される方向に折り曲げて構成させることにより、巻線からの引き出す端子を曲げる工程が必要なくなり、加工コスト低減、及び端子の寸法精度向上が可能となる。
また、図18の様に、左右両側の巻線を反対方向に折り曲げて構成することにより、2次巻線4だけでなく、1次巻線3においても筐体10に対して相対することが可能となる為(図示せず)、1次巻線3、2次巻線4共にポッティング材22を介して筐体10に効
率よく放熱することが可能となる。その為、巻線においては巻線用放熱プレートを設置せずとも放熱性を確保することができ、部品点数の削減、及び低コスト化が可能となる。
尚、本発明では電磁誘導機器としてトランスを構成しているが、リアクトル、チョークコイルであっても適用可能である。
尚、実施の形態1、2では巻線において丸線を使用しているが、平角線若しくは実施の形態3の様に銅、アルミ等の板金を渦巻き形状にプレス成型等で打ち抜く、若しくはレーザー加工等で成型したものを使用しても適用可能である。また、実施の形態3においては、板金を巻線として構成しているが、丸線若しくは平角線を使用して構成しても適用可能である。
尚、本発明では1本の丸線、平角線を渦巻き形状に巻回し、1次巻線、2次巻線其々1層で積層させる構成としているが、予め2本等複数の丸線、平角線を同時に巻回させて構成する、若しくは1次巻線と2次巻線のどちらか一方、または両方とも複数層で積層させる構成としても適用可能である。この場合、巻線断面積を大きくまたは並列化させることができ、巻線での損失を低減させることができる。その結果、電力変換装置1として高効率化、高放熱化、及び小型化が実現可能となる。複数層で構成する場合は層間に必要数量だけ巻線用放熱板を配置させることで、各層での巻線損失を筐体、冷却器に放熱することが可能である。
尚、本発明では筐体底面に近い方を2次巻線、離れた方を1次巻線としているが、逆の構成であっても適用可能である。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、部分的に省略することができる。
1 電力変換装置、 2 トランス(電磁誘導機器)、 3 1次巻線、
3a 1次巻線用端子、 3b 巻線露出部分、 30 中央孔、
4 2次巻線、 4a 2次巻線用端子、 4b 巻線露出部分、
30 中央孔、 5 Iコア、 6 Eコア、 6a 中脚部、
6b 側脚部、 7 上カバー(第1の保持部材)、 7a 鍔部、
7b 開口部、 7c 突起部、 7d 段差部、 70 中央孔、
8 下カバー(第2の保持部材)、 8a 鍔部、 8b 開口部、
8c 段差部、 80 中央孔、 9 絶縁シート(絶縁部材)、
9a 折り曲げ部、 90 中央孔、 10 筐体、 10a 筐体凸部、
10b 筐体凸部、 10c 筐体突起部、 10d 水路部、
10e 水路パイプ、 11a 2次巻線用放熱シート(放熱部材)、
11b 1次巻線用放熱シート(放熱部材)、
11c コア用放熱シート(放熱部材)、 12 巻線用放熱板、
12a 折り曲げ部、 13 コア用放熱板、 13a 曲げ板(放熱板)、
13b 折り曲げ部、 14 締結用ネジ、 15 巻線用テープ、
16 コイル体、 17 フィルタ回路部、 18 コンデンサ部、
19 リアクトル部、 20 基板部、 21 蓋、
22 ポッティング材(放熱部材)、 23 スイッチング素子、
24 成型樹脂、 25 絶縁板

Claims (19)

  1. 磁性のコアを介して電磁結合される1次巻線と2次巻線とを有する電磁誘導機器が、筐体に搭載された電力変換装置であって、
    前記1次巻線および前記2次巻線はいずれも、渦巻き状に1層で巻かれた平板状の巻線であり、前記1次巻線及び前記2次巻線と前記コアとを絶縁し前記1次巻線及び2次巻線を露出させて保持する第1の保持部材と第2の保持部材と、
    前記1次巻線および前記2次巻線の間に介在し前記1次巻線と前記2次巻線とを絶縁する絶縁部材とを備え、
    前記1次巻線、前記2次巻線、および前記コアの少なくとも一つが放熱部材と放熱板により前記筐体に熱的及び構造的に接続されている
    ことを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記放熱部材がシート部材であることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記放熱部材がポッティング樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  4. 前記放熱部材がグリスまたは接着材であることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  5. 前記放熱部材の一部が成型樹脂であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 前記1次巻線および前記2次巻線が丸線で構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  7. 前記1次巻線および前記2次巻線が平角線で構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  8. 前記1次巻線および前記2次巻線が板金で構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  9. 前記1次巻線及び前記2次巻線と、前記第1の保持部材、前記第2の保持部材、前記絶縁部材、及び前記放熱板の全て、若しくは一部が一体となる様、成型されていることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  10. 前記放熱部材が折り曲げられて構成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  11. 前記筐体の内部に設けられた凸部に前記電磁誘導機器が搭載されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  12. 前記絶縁部材がシート部材であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  13. 前記絶縁部材が樹脂プレートであることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  14. 前記第1の保持部材および前記第2の保持部材に開口部が設けられていることを特徴と
    する請求項1から13のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  15. 前記第1の保持部材および前記第2の保持部材が絶縁性樹脂で構成され、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材との間の前記1次巻線および前記2次巻線が収納される領域に段差が設けられていることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  16. 前記放熱板が、前記コアと前記1次巻線および前記2次巻線とに個別に設けられていることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  17. 前記コアの放熱板が、バネ材で構成されていることを特徴とする請求項16に記載の電力変換装置。
  18. 前記放熱部材が前記第1の保持部材及び前記第2の保持部材の少なくとも一方に嵌合して取り付けられていることを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  19. 前記1次巻線および前記2次巻線を構成する素線導体が、絶縁が施された導体であることを特徴とする請求項1から18のいずれか1項に記載の電力変換装置。
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