JP3282183B2 - チョークコイル - Google Patents

チョークコイル

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JP3282183B2
JP3282183B2 JP52336495A JP52336495A JP3282183B2 JP 3282183 B2 JP3282183 B2 JP 3282183B2 JP 52336495 A JP52336495 A JP 52336495A JP 52336495 A JP52336495 A JP 52336495A JP 3282183 B2 JP3282183 B2 JP 3282183B2
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coil
core
choke coil
legs
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一彰 大西
秀典 植松
恒次 今西
宗計 佐藤
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F3/00Cores, Yokes, or armatures
    • H01F3/10Composite arrangements of magnetic circuits
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F37/00Fixed inductances not covered by group H01F17/00

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Composite Materials (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は民生あるいは産業用電子機器に使用される高
調波歪対策及び力率改善用などに使用されるチョークコ
イルに関するものである。
背景技術 近年、産業機器から家電機器に至る小形化、高性能化
等のため、半導体応用機器の普及が進んできている。
そして、それらの機器に組み込まれる電源整流回路や
位相制御回路などはコンデンサが使用されるため、この
コンデンサを充電する大きなパルス状入力電流によっ
て、送電線及び電力設備に高調波電流、電圧歪を増加さ
せ、悪影響を及ぼしたり、機器の力率を大幅に低下させ
る。この高調波電流を抑制し、力率を改善する方法とし
ていろいろな方式が考えられているが、その中でも交流
ラインに直列(ノーマルモード)にチョークコイルを挿
入する方式が比較的簡単で安価な点から注目されてい
る。
従来の高調波歪対策用のチョークコイルとしては、第
32図〜第34図のようなものが知られている。第32図〜第
34図はそれぞれ従来の高調波歪対策用のチョークコイル
の分解斜視図、断面図、等価回路を示している。
同図において、58はフェライト材からなるU型閉磁路
磁心、59はケイ素鋼板からなるEI型閉磁路磁心、60はボ
ビン、61,62はコイル、63は樹脂ケース、64はシールド
ケース、65は注型樹脂、66は分割鍔、67は磁気ギャッ
プ、Cはコモンモードチョークコイル部、Nはノーマル
モードチョークコイル部を示している。
上記高調波歪対策用のチョークコイルは、フェライト
材からなるU型閉磁路磁心58とケイ素鋼板からなるEI型
閉磁路磁心59を組み合わせ、この2つの磁心58,59にま
たがるようにコイル61,62を同じ巻数で、分割鍔66で分
割されたボビン60に巻線して完成させているが、このよ
うな構成では、第34図の等価回路に示すように異なる2
つの閉磁路磁心58,59は別々の磁路を形成し、ケイ素鋼
板からなるEI型閉磁路磁心59によっては主としてノーマ
ルモードチョークコイル部Nが構成され、フェライト材
からなるU型閉磁路磁心58によっては主としてコモンモ
ードチョークコイル部Cが構成される。なお、ケイ素鋼
板からなる磁心59のEI型の中脚部に設けられた磁気ギャ
ップ67は、ノーマルモードチョークコイル部Nの磁気飽
和特性を向上させるためのものである。
高調波歪対策用としてのチョークコイルは一般に、数
mHオーダーの非常に大きなインダクタンス値をノーマル
モードに確保するのと同時に、実装スペースや重量の低
減が重要課題であるが、第32図に示す上記従来の高調波
歪対策用のチョークコイルは、高調波歪対策に必要なノ
ーマルモードのインダクタンス値を確保できるのと同時
に、コモンモードチョークコイルの機能も有するため、
高調波歪対策と同時にEMI対策ができ、これまでの電源
回路のフィルタブロックに設置されていたコモンモード
チョークコイルを削除できるため実装スペースも稼ぐこ
とができるという利点を有していた。
しかしながら、従来の高調波歪対策用のチョークコイ
ルは、磁気回路の構成上、ケイ素鋼板からなる磁心59の
EI型の中脚部の幅の分だけコイル61とコイル62は接近で
きないので、コモンモードチョークコイル部Cのコイル
61とコイル62のコイル間の結合係数は低くなり、フェラ
イト材からなる磁心58が磁気飽和しやすくなり、このフ
ェライト材からなる磁心58として、高飽和磁束密度の材
料を選択しなければならない。一般に高飽和磁束密度の
材料は、透磁率が低いのでコモンモードチョークコイル
部Cが大形化するという欠点があった。また、ノーマル
モードチョークコイル部Nはケイ素鋼板からなる59のEI
型の中脚部に設けられている磁気ギャップ67から非常に
大きなリーケージフラックスが集中して発生し、他の部
品に悪影響を及ぼす原因となる課題を有するものであっ
た。
発明の開示 上記課題を解決するために本発明のチョークコイル
は、閉磁路または開磁路を構成する第1の磁心と第2の
磁心、第1のコイル、第2のコイル、第3のコイルから
なるチョークコイルにおいて、上記第1のコイルを第1
の磁心に巻線し、第2のコイルを第2の磁心に巻線し、
さらに第3のコイルを少なくとも第1のコイルもしくは
第2のコイルを内側に巻き込みながら第1の磁心と第2
の磁心にまたがるように巻線して構成したものである。
上記のように第3のコイルを第1の磁心および第2の
磁心をまたがるように設けたので、コモンモードチョー
クコイル部Cにあっては、コイル間の結合係数が高くな
り、このコモンモードチョークコイル部Cの小形化が図
れ、また、ノーマルモードチョークコイル部Nにあって
は、磁気ギャップから発生するリーケージフラックスを
コイルによって防止することができるため、小形で高性
能のコモンモードチョークコイルの機能を有する高調波
歪対策用のチョークコイルを低コスト、かつ高品質で提
供することができるものである。
図面の簡単な説明 第1図は本発明のチョークコイルの一実施例の模式斜
視図、第2図は同磁気回路図、第3図は同第1図の実施
例の展開例の模式斜視図、第4図は他の実施例のチョー
クコイルの斜視図、第5図は同模式斜視図、第6図は同
断面図、第7図は第4図の実施例の展開例の模式斜視
図、第8図(a),(b)は他の実施例のチョークコイ
ルの模式斜視図および同磁気回路図、第9図は第1図の
実施例の展開例の模式斜視図、第10図は第8図の実施例
の展開例の模式斜視図、第11図は本発明の他の実施例の
斜視図、第12図は同模式平面図、第13図は第11図の実施
例と比較例との周波数特性比較図、第14図は本発明の他
の実施例の斜視図、第15図は同模式平面図、第16図は第
14図の実施例と比較例との周波数特性比較図、第17図は
第14図の実施例の展開例の模式平面図、第18図は他の実
施例の磁気回路図、第19図は同斜視図、第20図は同模式
斜視図、第21図はU型積層鉄心の打ち抜きレイアウト
図、第22図は同他の実施例のチョークコイルの磁気回路
図、第23図は同他の実施例のチョークコイルの磁気回路
図、第24図(a),(b),(c)は他の実施例の磁気
回路図、同要部の脚部の拡大図、第24図(b)のX−X'
断面図、第25図は同斜視図、第26図は同模式斜視図、第
27図は第24図(a)の展開例の磁気回路図、第28図
(a),(b)は打ち出し突起を有する積層鉄心の模式
図および唸り特性図、第29図(a),(b)は打ち出し
突起を有する積層鉄心の模式図およびインダクタンスと
積層鉄心とリーケージフラックスの関係を示す特性図、
第30図は第24図(a)の展開例の磁気回路図、第31図は
第24図(a)の展開例の磁気回路図、第32図は従来のチ
ョークコイルの分解斜視図、第33図は同断面図、第34図
は同等価回路図である。
発明を実施するための最良の形態 (実施例1) 以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明する。
第1図〜第3図において、第32図、第33図、第34図に
おける従来例と同一の構成の部分には同一番号を付して
説明を省略して説明すると、まず、第1図〜第3図はそ
れぞれ本発明の一実施例を示す高調波歪対策用のチョー
クコイルの模式斜視図、磁気回路図、第1図の実施例の
展開例の模式斜視図である。
図において、1はU型フェライト材からなるロの字閉
磁路磁心である第1の磁心、2はU型ケイ素鋼板からな
るロの字閉磁路磁心である第2の磁心、3aは第1のコイ
ル、4aは第2のコイル、5aは第3のコイル、7は磁気ギ
ャップ、Aはライン電流、F1は第1のコイル3aによる磁
束、F2は第2のコイル4aによる磁束、F3は第3のコイル
5aによる磁束を示している。
以下詳細に構成を説明すると、まず、第1の磁心1の
一方の磁脚に第1のコイル3aを、第2の磁心2の一方の
磁脚に第2のコイル4aを巻線する。
さらに、第3のコイル5aを上記第1のコイル3aと、上
記第2のコイル4aをまたがるように上記それぞれの磁脚
間に巻線する。なお、この巻線の方法は高周波特性を向
上させるために分割巻を採用してもよい。
ここで、第1の磁心1の一方の磁脚に巻線した第1の
コイル3aと、この上に巻線した第3のコイル5aは、ライ
ン電流Aに対して磁束F1,F3が、この一方の磁脚で相殺
する方向に巻線を施して、従来技術で示した第34図の等
価回路と同様の主としてコモンモードチョークコイル部
Cを構成する。また、第2の磁心2の一方の磁脚に巻線
した第2のコイル4aとこの上に巻線した第3のコイル5a
は、ライン電流Aに対して磁束F2,F3が、この磁脚で相
殺しない方向に巻線を施して、従来技術で示した第34図
の等価回路と同様の主としてノーマルモードチョークコ
イル部Nを構成する。
そして、上記第1のコイル3aと第2のコイル4aを接続
して完成するものである。
なお、第2の磁心2の一方の磁脚の突き合わせ面に
は、ノーマルモードの磁気飽和特性を向上させるため磁
気ギャップを設けてもよい。
以上のように、本実施例によれば、本発明の等価回路
は第34図の従来の等価回路と同一回路を構成できるた
め、従来と同様の高調波歪対策用のチョークコイルに必
要なノーマルモードのインダクタンス値を確保できるの
と同時に、コモンモードチョークコイルとしての機能も
付加できる。
このため、高調波歪対策と同時にEMI対策ができ、こ
れまで電源回路のフィルタブロックに設置されていたコ
モンモードチョークコイルを削除できるため実装スペー
スも稼ぐことができる。
さらに、本実施例のコモンモードチョークコイル部C
においては、第1の磁心1の一方の磁脚に巻線した第1
のコイル3aと第3のコイル5aが上下巻線構造になり、ラ
イン電流Aに対して磁束F1,F3が、この一方の磁脚で相
殺されるため、コイル間の結合を高くできる。このた
め、磁心1の磁気飽和特性が向上し、磁心1の断面積を
可変することでインダクタンス値の設定が、巻線回数や
ノーマルモードチョークコイル部Nの磁気回路の設定に
影響されることなく自由に設定できる。また、磁心1と
して、従来の透磁率が低く高飽和磁束密度の材料にかわ
り、高透磁率の材料を選択できるため従来の約2〜3倍
のインダクタンス値を確保でき、大幅な小形化が可能で
ある。当然、結合係数のアップはリーケージフラックス
の低減も可能となる。
この他、コモンおよびノーマルモードチョークコイル
部C,Nの両部において、1つのコイルの巻線幅が1つの
磁脚分とできるため、従来に比べて長く巻け、分割巻線
構造を採用した場合、多分割巻線が可能となり、従来に
比べて浮遊容量の小さなコイルを提供することができ、
高周波特性の向上も可能となる。
なお、上記実施例においては第1のコイル3aと第2の
コイル4aを接続してチョークコイルを完成させたが、第
2のコイル4aと第3のコイル5aを接続しても良く、以下
の実施例においても同様である。
また、第3図の他の実施例のチョークコイルは第1図
の実施例と同様の構成を持つものであるので説明は省略
する。
以下、実施例2〜実施例7について説明するが実施例
1と同一部分は同一番号を付して説明を省略して説明す
る。
なお、第3図のチョークコイルにおいて、第1の磁心
1にケイ素鋼板、第2の磁心2にフェライト材を用い
て、第1のコイル3aと第3のコイル5aにてノーマルモー
ドチョークコイル部N、第2のコイル4aと第3のコイル
5aにてコモンモードチョークコイル部Cを構成し、第1
のコイル3aと第2のコイル4a、もしくは第1のコイル3a
と第3のコイル5aを接続して完成させても、上述と同様
の効果が得られることは言うまでもない。
(実施例2) さらに、第4図〜第7図はそれぞれ本発明の他の実施
例である第2の実施例を示す高調波歪対策用のチョーク
コイルの斜視図、模式斜視図、断面図および展開例の模
式斜視図であり、第1図と同一の部分には同一番号を付
して説明すると、3,4,5はボビン、6は分割鍔を示して
いる。
まず、第1の磁心1の一方の磁脚に、第1のコイル3a
を分割鍔6で分割されたボビン3を介して巻線し、第2
の磁心2の一方の磁脚には、第2のコイル4aを分割鍔6
で分割されたボビン4を介して巻線する。さらに、第3
のコイル5cを上記第2の磁心2の他方の磁脚と、上記第
1の磁心1の一方の磁脚にまたがるように分割鍔6で分
割されたボビン5を介して巻線する。
ここで、第1の磁心1の一方の磁脚に巻線した第1の
コイル3aと、この上に巻線した第3のコイル5cは、ライ
ン電流に対して磁束が、この一方の磁脚で相殺する方向
に巻線を施し、また、第2の磁心2の一方の磁脚に巻線
した第2のコイル4aと他方の磁脚に巻線した第3のコイ
ル5cは、ライン電流に対して磁束が、この閉磁路磁心内
で相殺しない方向に巻線を施して、第34図の等価回路と
同様回路を形成するとともに、コモンモードチョークコ
イル部Cおよびノーマルモードチョークコイル部Nを構
成する。そして、上記第1のコイル3aと第2のコイル4a
を接続して完成するものである。なお、第2の磁心2の
一方および他方の磁脚の突き合わせ面には、ノーマルモ
ードの磁気飽和特性を向上させるための磁気ギャップ7
が均等に設けられている。
以上のように、本実施例によれば、本発明の等価回路
は第34図の従来の等価回路と同一回路を構成できるた
め、従来と同様の高調波歪対策用のチョークコイルに必
要なノーマルモードのインダクタンス値を確保できるの
と同時に、コモンモードチョークコイルとしての機能も
付加できる。このため、高調波歪対策と同時にEMI対策
ができ、これまで電源回路のフィルタブロックに設置さ
れていたコモンモードチョークコイルを削除できるため
実装スペースも稼ぐことができる。
さらに、コモンモードチョークコイル部Cにおいて
は、第1の磁心1の一方の磁脚に巻線した第1のコイル
3aと第3のコイル5cが上下巻線構造になり、ライン電流
に対して磁束が、この磁脚で相殺されるため、コイル間
の結合を高くできる。
このため、磁心1の磁気飽和特性が向上し、磁心1の
断面積を可変することでインダクタンス値の設定が、巻
線回数やノーマルモードチョークコイル部Nの磁気回路
の設定に影響されることなく自由に設定できる。
また、磁心1として、従来の透磁率が低く高飽和磁束
密度の材料にかわり、高透磁率の材料を選択できるため
従来の約2〜3倍のインダクタンス値を確保でき、大幅
な小形化が可能である。
一方、ノーマルモードチョークコイル部Nにおいて
は、第2の磁心2の一方および他方の磁脚が、それぞれ
巻線された第2のコイル4aと第3のコイル5cにより完全
な内鉄型構造になり封じ込められ、ノーマルモードの磁
気飽和を向上させるために設けられている磁気ギャップ
7も封じ込められ、さらにこの磁気ギャップ7が磁脚の
突き合わせ面に均等に設けられているため磁心2内での
磁束の均一が図られ、リーケージフラックスが大きく低
減できる。そして、その効果は、従来のシールドケース
無しのものに比べ約1/5、シールドケース有りのものに
比べ約1/4に低減できる。このため他の部品への悪影響
やテレビセットなどの場合には、致命的な欠陥である画
面揺れなどを大きく防止できるものである。
そして、従来リーケージフラックス対策として用いて
いたシールドケース64も削除できるため、これにともな
い絶縁ケース63および注型樹脂65も削除でき大幅な低コ
スト化、高周波特性の向上が可能となることや、コモン
およびノーマルモードチョークコイル部C,Nの両部にお
いて、1つのコイルの巻線幅が1つの磁脚分とできるた
め従来に比べて長く巻け、分割巻線構造を採用した場
合、多分割巻線が可能となり、従来に比べて浮遊容量の
小さなコイルを提供することができ高周波特性の向上も
可能となる。
第7図にも、本発明の実施例を示す高調波歪対策用の
チョークコイルの模式斜視図を示したが、上述の本発明
の第2の実施例と同様の磁気回路構成であり、同様の効
果が得られる。
(実施例3) 第8図(a)、(b)は本発明の他の実施例である第
3の実施例を示す高調波歪対策用のチョークコイルであ
り、第1図の実施例と同一番号を付して説明すると、ま
ず第1の磁心1の一方の磁脚に第1のコイル3aを、第2
の磁心2の一方の磁脚に第2のコイル4aを巻線する。そ
して、これら巻線した第1の磁心1の磁路の内側に第2
の磁心2を位置させるようにする。さらに、第3のコイ
ル5bを上記第1の磁心1の他方の磁脚と、上記第2の磁
心2の他方の磁脚にまたがるように巻線する。なお、こ
の巻線の方法は高周波特性を向上させるために分割巻を
採用してもよい。
ここで、第1の磁心1の一方の磁脚に巻線した第1の
コイル3aと、他方の磁脚に巻線した第3のコイル5bは、
ライン電流Aに対して磁束F1,F3が、この閉磁路磁心内
で相殺する方向に巻線を施し、また、第2の磁心2の一
方の磁脚に巻線した第2のコイル4aと他方の磁脚に巻線
した第3のコイル5bは、ライン電流Aに対して磁束F2,F
3が、この閉磁路磁心内で相殺しない方向に巻線を施し
て、第34図の等価回路と同様回路を形成するとともに、
コモンモードチョークコイル部Cおよびノーマルモード
チョークコイル部Nを構成する。そして、上記第1のコ
イル3aと第2のコイル4aを接続して完成するものであ
る。なお、ノーマルモードの磁気飽和特性を向上させる
ため磁気ギャップを設けるのであれば、第2の磁心2の
一方および他方の磁脚の突き合わせ面に磁気ギャップ7
を均等に設ける。
以上のように、本実施例によれば、本発明の等価回路
は第35図の従来の等価回路と同一回路を構成できるた
め、従来と同様の高調波歪対策用のチョークコイルに必
要なノーマルモードのインダクタンス値を確保できるの
と同時に、コモンモードチョークコイルとしての機能も
付加できる。
このため、高調波歪対策と同時にEMI対策ができ、こ
れまで電源回路のフィルタブロックに設置されていたコ
モンモードチョークコイルを削除できるため実装スペー
スも稼ぐことができる。
さらに、ノーマルモードチョークコイル部Nにおいて
は、第2の磁心2の一方および他方の磁脚が、それぞれ
巻線された第2のコイル4aと第3のコイル5bにより完全
な内鉄型構造になり封じ込められ、ノーマルモードの磁
気飽和を向上させるために設けられている磁気ギャップ
7も封じ込められ、さらにこの磁気ギャップ7が磁脚の
突き合わせ面に均等に設けられているため磁心2内での
磁束の均一が図られ、リーケージフラックスが大きく低
減できる。特に、第2の磁心2が、コモンモードチョー
クコイル部Cを構成する第1の磁心1の磁路の内側に位
置するため、リーケージフラックスに対してはシールド
効果がある。
従って、従来の高調波歪対策用のチョークコイルにリ
ーケージフラックス対策として用いたシールドケース64
を削除してもよく、これにともない絶縁ケース63および
注型樹脂65も削除でき大幅な低コスト化も可能となると
ともに、削除しても他の部品への悪影響やテレビセット
などの場合には、画面揺れなどを防止できるものであ
る。
この他、コモンおよびノーマルモードチョークコイル
部C,Nの両部において、1つのコイルの巻線幅が1つの
磁脚分とできるため従来に比べて長く巻け、分割巻線構
造を採用した場合、多分割巻線が可能となり、従来に比
べて浮遊容量の小さなコイルを提供することができる高
周波特性の向上も可能となる。
また、本発明の実施例において第1の磁心および第2
の磁心として高透磁率、高磁気飽和力、高周波化を狙
い、パーマロイ、鉄ダスト、センダスト、アモルファス
等、別々の磁気特性を持つ磁性材料を組み合わせるか、
もしくは3種類以上の磁性材料を組み合わせるか、さら
には任意の形状を設定することで、ノーマルモードとコ
モンモードの要求する特性を選択することが可能であ
る。
特に、本実施例において第1の磁心および第2の磁心
としてロの字閉磁路磁心の構造についてのみ示したが、
第9図、第10図に示すように日の字および目の字閉磁路
磁心を用いて、このことによる効果をさらに拡大するこ
とが可能である。
この第9図、第10図の実施例を説明すると、同図はそ
れぞれ第1図、第8図の実施例を応用したものであり、
フェライト材からなる日の字閉磁路磁心1a、ケイ素鋼板
からなる日の字閉磁路の第2の磁心2aまたは、目の字閉
磁路の第2の磁心2bに置き換えたものである。このよう
な構成では、第1の磁心1aは構造上、ロの字閉磁路のも
のに比べ磁束が分散され、リーケージフラックスを低減
できる。一方、日の字磁路の第2の磁心2aの場合には、
磁気ギャップを中脚部に構成できるため、ロの字閉磁路
のものに比べ磁気ギャップが設けやすく、外脚部の溶接
が可能になることで、うなり防止が強固にできる。ま
た、ケイ素鋼板からなる目の字閉磁路の第2の磁心2bの
場合には、両外脚部を有するため、この溶接が可能にな
ることで、うなり防止が強固にできると同時に、ロの字
磁路のものに比べリーケージフラックスを大きく低減で
きる。
また、上記実施例に示したように、第1、2、3のコ
イルは銅線によって形成するばかりでなく、銅箔等、箔
状の材料で巻線しても同等の効果が得られることは言う
までもない。
(実施例4) 以下本発明の他実施例である第4の実施例について、
第11図、第12図により説明する。同図はチョークコイル
の斜視図、模式平面図であり、第4図、第5図に示した
実施例1を基本とし、より具体化したものである。
同図においてフェライト材からなる第1の磁心1の一
方の磁脚には第1のボビン8が空隙を設けず密着してお
り、これを介して第1のコイル3aが巻線されている。ケ
イ素鋼板からなる第2の磁心2の一方の磁脚には支持体
11により空隙を設けて第2のボビン9が設けられてお
り、これを介して第2のコイル4aが巻線されている。第
3のボビン10は第1のボビン8の外側と第2の磁心2の
他方の磁脚をまたぐようにして支持体11により空隙を設
けて形成され、これを介して第3のコイル5cが巻線され
ている。
ここで、第1の磁心1の一方の磁脚に巻線した第1の
コイル3aと、この上に巻線した第3のコイル5cは、ライ
ン電流に対して磁束がこの一方の磁脚で相殺する方向に
巻線を施してコモンモードチョークコイル部Cを構成
し、また、第2の磁心2の一方の磁脚に巻線した第2の
コイル4aと他方の磁脚に巻線した第3のコイル5cは、ラ
イン電流に対して磁束がこの閉磁路磁心内で相殺しない
方向に巻線を施してノーマルモードチョークコイル部N
を構成している。
即ち、上記実施例においては、第1のコイル3aは第1
のボビン8を介して第1の磁心1に空隙を設けず密着し
て巻かれることになる。
この第1のコイル3aと第1の磁心1を空隙を設けず密
着したものと、密着していないもの(比較例)の浮遊容
量と定格電流を負荷した時の温度上昇の結果を表1に比
較して示す。
表1から明らかなように、本実施例によるチョークコ
イルは、浮遊容量低減の点で優れた効果が得られる。こ
れは、一般的なチョークコイル(図示しない)において
は、コイルと磁心間に空隙を設けず密着させると、コイ
ル−磁心間の浮遊容量が増加するため、周波数特性が悪
化するので、比較例のごとく離間させるのが一般的であ
るが、この実施例のような2磁心3巻線構造のチョーク
コイルにおいては逆にコイルと磁心を空隙を設けず密着
させると、浮遊容量が低減できることが明らかになっ
た。よって、特に高周波特性が要求されるコモンモード
チョークコイル部Cのインピーダンスの周波数特性を改
善することができ、有効である。その結果を第13図に示
す。
また、第1のボビン8がフェライト材からなる第1の
磁心1に空隙を設けず密着しているため第1のコイル3a
で発生した熱がボビンから磁心へ効率よく伝達されるた
め温度上昇も低減されている。
以上のように本実施例によれば、コモンモードチョー
クコイル部Cを形成するフェライトコア材からなる第1
の磁心1の一方の磁脚に巻線された第1のコイル3aを、
第1のボビン8に空隙を設けず密着させることにより浮
遊容量を低減し周波数特性を向上させることができ、か
つ温度上昇も低減できるものである。
(実施例5) 第14図、第15図は本発明の第5の実施例を示すチョー
クコイルの斜視図、模式平面図を示しているが、基本的
には第11図、第12図に示した実施例の改善例を図ったも
のである。実施例4の構成と異なるのは、ケイ素鋼板か
らなる第2の磁心2の磁脚および第1のボビン8の外側
に接する支持体11を無くして磁心に空隙を設けず密着す
るようにした点である。
即ち、本実施例においては、第1のコイル3aは第1の
ボビン8aを介して第1の磁心1に空隙を設けず密着し、
第2のコイル4aは第2のボビン9aを介して第2の磁心2
に空隙を設けず密着し、第3のコイル5cは第3のボビン
10aを介して第2の磁心2に空隙を設けず密着している
ことになる。
本実施例によるチョークコイルと比較例としたチョー
クコイルの浮遊容量と定格電流を負荷した時の温度上昇
の結果を表2に比較して示す。
表2から明らかなように、本実施例によるチョークコ
イルは、浮遊容量の点で優れた効果が得られる。よっ
て、コモンモードチョークコイル部Cのインピーダンス
の周波数特性も改善されており、その結果を第16図に示
す。
また温度上昇も、第1のボビン8aが第1の磁心1に、
第2のボビン9aと第3のボビン10aが第2の磁心2に空
隙を設けず密着しているためボビンから磁心への熱の伝
達がなされ、比較例に比べて温度上昇が低減されてい
る。さらに、支持体11を取り除いた分だけ小形化でき、
銅線量が約10%程度削減されるためコストを下げること
ができる。
以上のように本実施例によれば、第4の実施例のコモ
ンモードチョークコイル部Cを形成するフェライトコア
材からなる第1の磁心1のみならず、ケイ素鋼板からな
る第2の磁心2の磁脚に巻線された第2のコイル4a、第
3のコイル5cを、第1の磁心1または第2の磁心2に空
隙を設けず密着させることにより、浮遊容量を低減し周
波数特性を向上させることができ、温度上昇の低減、小
形化、コスト削減もできる。
なお、第17図に示すように第1のボビン8aの外側に接
する第3のボビン10bに支持体11を設け空気中に熱を放
散させる効果を持たせることにより、温度上昇をさらに
低減させることもできる。
(実施例6) 第18図〜第20図は、本発明の他の実施例を示すもので
あり、基本的には第4図、第5図に示した実施例の性能
の向上を図るものである。
同図において、U型フェライトからなる第1の磁心1
の一方の磁脚に第1のコイル3aを巻線し、U型積層鉄心
からなる第2の磁心2cの一方の磁脚には第2のコイル4a
を巻線する。さらに、第3のコイル5cを第2の磁心2cの
他方の磁脚と、第1の磁心1の一方の磁脚にまたがるよ
うに巻線する。
ここで、第1の磁心1の一方の磁脚に巻線した第1の
コイル3aと、この上に巻線した第3のコイル5cはライン
電流Aに対して磁束F4が、この一方の磁脚で相殺する方
向に巻回して、コモンモードチョークコイル部Cを構成
する。また、第2の磁心2cの一方の磁脚に巻線した第2
のコイル4aと他方の磁脚に巻線した第3のコイル5cは、
ライン電流Aに対して磁束F5が一方方向に発生するよう
に巻回し、高調波歪対策用のノーマルモードチョークコ
イル部Nを構成する。そして、上記第1のコイル3aと第
2のコイル4aを接続して完成するものである。
第21図は、第18図〜第20図に示した第2の磁心2cを構
成するU型積層鉄心の打ち抜きレイアウト図を示してい
る。
U型鉄心2c1の両脚部17、18の長さの差を少なくとも
ヨーク部19幅以上とし、窓部20幅を少なくとも上記脚部
17、18幅以上とした形状とし、2枚を1組として一方お
よび他方の互いの短い方の磁脚部18を互いの窓部20に組
み合わせるように、また鉄心帯板の圧延方向に対して全
ての磁脚部17、18が水平になるように打ち抜きレイアウ
トし、まず、パイロット穴12を形成し、次に加締め分離
穴13を形成する。これは、積層枚数が例えば10枚ならば
その1枚に対して行う。さらに、加締め分離穴13の形成
を行わないものに対して、加締め用突起部14を形成し、
最終的に斜線を付したU型鉄心2c1を打ち抜き落とし込
み、積層するのと同時に重なる上下の加締め用突起部14
とこの没部を嵌め合わせ、所要枚数、例えば10枚ずつ一
体化する。一方、他方の斜線を付していない方の分離さ
れたU型鉄心2c1は、メカニカルチャック及び永久磁石1
5等で右方ストッパー16まで移動せしめられ、所要枚数
ずつ一体化される。
なお、上記のように加締め分離穴13形成の工程を追加
しなくとも、加締め用突起部14形成時、積層所要枚数毎
にポンチが深く下降して突起部14を形成せずに打ち抜い
て加締め分離穴13を形成してもよい。さらに、加締め分
離穴13を形成せずに、加締め用突起部14の嵌合を所要枚
数毎に行ってもよい。
特に、ここで示したパイロット穴12、加示め用突起部
14の数、位置、方向についてはあくまでも例にすぎず、
生産性や特性面から最も適切な条件を決定すればよい。
以上の積層鉄心をU字状とするとともに、一方の脚部
を短くして、打ち抜き時2枚の鉄心を一対として組み合
わせることが可能となり、打ち抜きロスをなくすことが
できるものである。
さらに、鉄心帯板の圧延方向に対して全ての磁脚部1
7、18が水平になるように打ち抜きレイアウトしている
ため、打ち抜き後、自動機により積層できるため生産効
率に非常に優れている。また、チョーク特性面でも、磁
脚部17、18での磁束方向と圧延方向が同一のため、イン
ダクタンスが大きく稼げる利点も有する。
しかしながら、両脚部17、18の長さのバランスが崩れ
るため、フリンジングリーケージフラックスが発生する
磁気ギャップの位置が巻線したコイルの中央部から外れ
ることと、両磁脚からのリーケージフラックスが交差す
る部分でバランス良く打ち消さないため、リーケージフ
ラックスが大量に発生することが懸念されたが、本実施
例においては、積層鉄心からなる第2の磁心2cの両磁脚
をコイルで巻回してリーケージフラックスを大きく低減
できることができた。
このため、TV等に使用しても、致命的な欠陥である画
面揺れは発生せず、高価な磁気シールド対策を施さなく
てもよいことが確認された。従って、最重要構成部分で
ある積層鉄心からなる磁心を安価に得られるとともに、
リーケージフラックスの低減も図ることができた。
なお、本実施例においては、第3のコイル5cを第1お
よび第2の磁心1,2cにまたがるように巻回したものにつ
いて述べてきたが、積層鉄心を用いるチョークコイルで
あれば、他のものにも用いることができる。第22図、第
23図は、このようなチョークコイルの実施例であり、同
図を用い、上記実施例では本説明の積層鉄心の形状もあ
わせて詳細に説明する。
第22図はU型積層鉄心からなる磁心2dの脚部17と脚部
18の長さの差をヨーク部19の幅とし、窓部20の幅を脚部
17,18の幅とした同じ2つの鉄心の上記両脚部17,18の各
端面同士を磁気ギャップ7を設置しながら突き合わせ
て、閉磁路が形成されるように組み合わせて単相2脚型
積層鉄心からなる磁心を形成した。この磁心2dの両磁脚
に連続してコイル3をライン電流Aに対して磁束F6が一
方方向に発生するように巻線し、チョークコイルを完成
するものである。なお、脚部17,18からなる磁脚と磁気
ギャップ7にはコイル3を巻回し、リーケージフラック
スを低減している。
第23図のものは、第22図と同じ積層鉄心からなる磁心
2dを用いて、この磁心2dの両磁脚にそれぞれコイル4を
巻線し、この時それぞれのコイル4はライン電流Aに対
して磁束F7が一方方向に発生するように巻回してチョー
クコイルを完成するものである。
また、以上の本実施例において、第22図に示したチョ
ークコイルに対して、第18図、第23図に示すチョークコ
イルのように、AC入力ラインの両側にチョークコイルを
挿入できるコイル巻線構造にすることにより、周波数が
数100kHz帯域でのノイズ減衰(EMI対策)の効果が現れ
る。これは、第22図に示すチョークコイルでは、ACライ
ンの片側にしかチョークコイルを挿入できないコイル巻
線構造のため、もう片側のラインからノイズがパスする
ためである。
表3には、本実施例の第22図に示すチョークコイルと
第23図に示すチョークコイルの150,500,700kHzでのノイ
ズ減衰量を示した。
この結果、第23図に示すチョークコイルのノイズ減衰
量は第22図に示すチョークコイルに比べて1〜4dB効果
があった。
(実施例7) 以下、本発明の他の実施例を第24図(a)〜第26図に
より説明する。本実施例は、第5図の実施例の性能向上
を狙ったものである。
同図によると、2eはU型積層鉄心からなる第2の磁
心、F8,F9は磁束、O,Pは積層鉄心固着用の打ち出し突起
部を示しており、まず、U型フェライトからなる第1の
磁心1の一方の磁脚に第1のコイル3aを巻線し、そし
て、打ち出し突起部O,Pにより固着されたU型積層鉄心
からなる第2の磁心2eを用い、この磁心2eの一方の磁脚
には第2のコイル4aを巻線する。さらに、第3のコイル
5cを第2の磁心2eの他方の磁脚と、上記第1の磁心1の
一方の磁脚にまたがるように巻線する。ここで、第1の
磁心1の一方の磁脚に巻線した第1のコイル3aと、この
上に巻線した第3のコイル5cはライン電流Aに対して磁
束F8が、この一方の磁脚で相殺する方向に巻回して、コ
モンモードチョークコイル部Cを構成する。また、第2
の磁心2eの一方の磁脚に巻線した第2のコイル4aと他方
の磁脚に巻線した第3のコイル5cは、ライン電流Aに対
して磁束F9が一方方向に発生するように巻回し、高調波
歪対策用のノーマルモードチョークコイル部Nを構成す
る。そして、上記第1のコイル3aと第2のコイル4aを接
続して完成するものである。
ここで、第2の磁心2eは、両方の脚部21の長さの差を
ヨーク部22幅としているため鉄心の打ち抜き時、2枚の
鉄心を一対として組み合わせることが可能となり、打ち
抜きロスをなくすことができる特長を有するものであ
る。
この第2の鉄心2eは、所定形状に打ち抜いた多数枚の
鉄心薄板の表裏にそれぞれ形成された、例えばV字状の
打ち出し突起O,Pにより積層固着されており、そしてこ
の打ち出し突起O,Pは、ヨーク部22の両サイドとコイル
を巻線する脚部21とにそれぞれ1個ずつ設け、さらに上
記コイルを巻線する脚部21に設けた打ち出し突起Pは、
流れる磁束F9の方向に対して、外形の長手方向を垂直に
設け、ヨーク部22の両サイドに設けた打ち出し突起O
は、窓部23からみてハの字状方向に設けている。
なお、上記実施例においては、EMI対策用のコモンモ
ードチョークコイルの機能を有する、高調波歪対策用の
チョークコイルについて説明したが、上記打ち出し突起
は、これに限らず通常のチョークコイルについても適用
できる。
以下、第27図により説明する。
第27図は、打ち出し突起Q,Rにより固着されたU型の
積層鉄心を用い、それぞれの両方の脚部24の突き合わせ
面に磁気飽和特性を向上させるための磁気ギャップ7を
設け積層鉄心からなる閉磁路磁心2fを形成し、この磁心
の両方の脚部にそれぞれコイル5を巻線し、チョークコ
イルを完成させるものである。ここで積層鉄心からなる
磁心2fは、所定形状に打ち抜いた多数枚の鉄心薄板の表
裏にそれぞれ形成された、例えばV字状の打ち出し突起
M,Nにより積層固着されており、そしてこの打ち出し突
起Q,Rは、ヨーク部25の両サイドとコイルを巻線する脚
部24とにそれぞれ1個ずつ設け、さらに上記コイル5を
施した脚部24に設けた打ち出し突起Nは、流れる磁束F1
0の方向に対して外形の長手方向を垂直に設けている。
なお、第24図および第27図での打ち出し突起O,P,Q,R
は、ヨーク部22,25の両サイドと脚部21,24とにそれぞれ
1個ずつ設置し、さらに上記コイルを巻線する脚部21,2
4に設置した打ち出し突起P,Rを、流れる磁束F9,F10方向
に対して外形の長手方向を垂直に設置さえすれば、打ち
出し突起形状は選ばない。
また打ち出し突起O,P,Q,Rの嵌合固着面でも、各積層
鉄板に形成した打ち出し突起を、打ち抜き型内で順次重
ねて係合させ、連続した半かしめ状態で取り出し、再び
積層方向に押圧して完全なかしめ状態にして完成しても
いいし、もしくは突起を形成した各積層鉄板を、打ち抜
くと同時に金型内で完全なかしめを行い、順次完成させ
てもよい。
ここで、上記構成が有する効果については、第28図
(a)〜第29図(b)により以下に説明する。
第28図(a)には、従来技術による打ち出し突起およ
び本実施例の打ち出し突起を持つ積層鉄心の模式図を示
した。ここで、従来技術による積層鉄心を固着する目的
で設けられた打ち出し突起は、積層鉄心を流れる磁束に
対して磁気抵抗を増大させ、磁気特性の低下を招き、チ
ョークコイルに必要なインダクタンスを確保するために
は大形化する、損失が増大し温度上昇が大きくなる、ま
たリーケージフラックスが大きくなる等のチョークコイ
ルの特性の低下を懸念して、これらの磁気特性の低下を
なるべく小さくするために、外形の長手方向を磁束に対
して水平に設けられている。これとは逆に本実施例の打
ち出し突起は、外形の長手方向を磁束に対して垂直に設
けている。
第28図(b)には上記打ち出し突起により積層された
U型積層鉄心の磁気ギャップを設けながら閉磁路磁心を
構成し、この磁脚にコイルを巻線したモデルチョークコ
イルサンプルの磁心の振動加速度(唸り)を示す。
その結果、同じ打ち出し突起数で比較すると、本実施
例の積層鉄心を振動加速度は、従来技術のものに比べ約
10%低減できる。これは、本実施例の打ち出し突起が、
有効に積層鉄心の唸りを抑制できることを示している。
そしてこれは、積層鉄心から成る閉磁路磁心の巻線を施
した磁脚部分(コイルを巻線している)、つまり積層鉄
心で最も磁束密度が高く、唸りの発生原因である励磁電
流により吸引方向に生じる振動、及び磁気歪振動が発生
し易い部分に設けた打ち出し突起が、磁束の流れに対し
て大きな面積で固着できる安定した(振動抑制力が大き
い)構造であるためと考えられる。
従ってこのことは、高調波歪対策用のチョークコイル
に用いる積層鉄心のように、取り付けられたACラインを
流れる大きなパルス入力電流による磁束が誘起されるこ
とに起因する積層鉄心からなる磁心の唸り問題を抱えた
ものには非常に有効である。
しかしながら、この本実施例の打ち出し突起の設置構
造が振動抑制力が大きくできるものの、積層鉄心を流れ
る磁束に対する磁気抵抗が従来技術の打ち出し突起の構
造より大きく増加し、磁気特性の低下を招き、チョーク
コイルの特性に必要なインダクタンスが低下する、損失
が増大し温度上昇が大きくなる、リーケージフラックス
が大きくなる等の欠陥が懸念される。
第29図(a),(b)に、第28図と同じモデルチョー
クコイルサンプルのインダクタンス値、積層鉄心の温度
上昇、リーケージフラックスを示した。
その結果、本実施例の積層鉄心を磁心として用いたチ
ョークコイルのインダクタンス値、積層鉄心の温度上
昇、リーケージフラックスは従来と同程度であった。こ
れは、積層鉄心から成る閉磁路磁心の磁路内に磁気飽和
特性向上の目的で設けられた磁気ギャップを必要とする
チョークコイルの場合には、積層鉄心の磁気特性は、こ
の磁気ギャップ部分で決定するためと考えられる。従っ
て、懸念された本実施例の積層鉄心の磁気特性の低下に
よるチョークコイルの特性低下のないことが明らかにな
った。
さらに第28図において、本実施例の積層鉄心の振動加
速度(唸り)が、打ち出し突起数4個以上ではほぼ一定
であり、さらに本実施例の積層鉄心の打ち出し突起数が
4個のものの振動加速度は、従来技術の打ち出し突起数
が5個のものに比べて小さな値を示すことが明らかにな
った。
以上のことから、本実施例において、チョークコイル
に用いる積層鉄心の積層固着の目的で設けられた打ち出
し突起は、最も適切な数で、その特長である積層鉄心を
強固に連結できる利点を生かせる。
そして、この磁気振動抑制力が大きい打ち出し突起の
配置構造により、積層鉄心を流れる磁束に対する磁気抵
抗が、従来技術の打ち出し突起設置構造より大きく増加
し磁気特性が低下して、必要なインダクタンスを確保す
るためには大形化する、損失が増大し温度上昇が大きく
なる、リーケージフラックスが大きくなる等のチョーク
コイル特性の大きな低下が懸念されたが、積層鉄心から
成る閉磁路磁心の磁路内に磁気飽和特性向上の目的で設
けられた磁気ギャップを必要とするチョークコイルの場
合には、積層鉄心の磁気特性はこの磁気ギャップ部分で
決定するため、この特性低下を押さえられる。
つまり、従来は積層鉄心の固着として、特性面でタブ
ーとされていた打ち出し突起の構造を積極的に取り入
れ、適正化することにより、チョークの特性を低下させ
ずに、磁心の唸りを低減できる利点を付与できるもので
ある。
また、第24図(b),(c)に示すように、打ち出し
突起の外形の長手方向に存在する嵌合保持する側面が、
磁気ギャップ7を構成する端面に対して必然的に水平方
向に設置されているので、ガイドを使用しないで打ち出
し突起O,P,N,Mを押圧する場合でも、端面方向へのズレ
はなく、ギャップの精度が確保できる。
さらに、ヨーク部22の両サイドに設置した打ち出し突
起Oを、窓23から見てハの字状方向を設けると、脚部21
の幅方向への精度も確保でき、脚部21のボビンへの挿入
ができない等の不良も解消できる。
従って、この本実施例の打ち出し突起の配置構造を持
った積層鉄心を磁心として用いたチョークコイルは、低
コストで、且つ唸り低減が達成できる。
なお、本実施例以外において、積層鉄心を用いるチョ
ークコイルであれば、他のものにも用いることができ
る。第30図、第31図は、このようなチョークコイルの実
施例であり、同図を用い、上記実施例では未説明の積層
鉄心の形状もあわせて詳細に説明する。
第30図は、打ち抜き突起S,Tにより固着されたEI型の
積層鉄心からなる磁心2fを用い、E型の積層鉄心の中脚
部27に磁気飽和特性を向上させるための磁気ギャップ7
を設け閉磁路磁心を形成し、この磁心の中脚部27にコイ
ル6を巻線し、チョークコイルを完成させるものであ
る。
次に第31図は、打ち抜き突起S,Tにより固着された目
の字型の積層鉄心からなる磁心2gを用い、それぞれの両
方の脚部28の突い合わせ面に磁気飽和特性を向上させる
ための磁気ギャップ7を設け閉磁路磁心を形成し、この
磁心の両方の脚部28にそれぞれコイル29を巻線し、チョ
ークコイルを完成させるものである。
ここで、側脚部30は、リーケージフラックスをパスさ
せ、外部へのリーケージフラックス発生を低減する目的
で設けられた付加の磁路となる。
第30図、第31図におけるチョークコイルの積層鉄心か
らなる磁心2f,2gは、所定形状に打ち抜いた多数枚の鉄
心薄板の表裏にそれぞれ形成された、例えばV字状の打
ち出し突起S,Tにより積層固着されており、いずれも打
ち出し突起Tは、巻線を施す閉磁路磁心の磁路部分に設
け、さらにこの磁路部分を流れる磁束F12の方向に対し
て、外形の長手方向を垂直に設けている。
以上のように本実施例によれば、チョークコイルに用
いる積層鉄心からなる磁心2e,2gの積層固着の目的で設
けられた打ち出し突起S,Tは、その特長である積層鉄板
を強固に連結できる利点を生かすことができる。
産業上の利用可能性 以上のように本発明のチョークコイルは、閉磁路また
は開磁路を構成する第1の磁心と第2の磁心、第1のコ
イル、第2のコイル、第3のコイルからなるチョークコ
イルにおいて、上記第1のコイルを第1の磁心に巻線
し、第2のコイルを第2の磁心に巻線し、さらに第3の
コイルを少なくとも第1のコイルもしくは、第2のコイ
ルを内側に巻き込みながら第1の磁心と第2の磁心にま
たがるように巻線したので、 (1)従来の高調波歪対策用のチョークコイルの有する
高調波歪対策に必要なノーマルモードのインダクタンス
値を確保できるのと同時に、コモンモードチョークコイ
ルとしての機能を付加できる。
(2)このため、高調波歪対策と同時にEMI対策として
これまでに電源回路のフィルタブロックに設置されてい
たコモンモードチョークコイルを削除できるため、実装
スペースを稼ぐことができるとともに、 (3)さらに、コモンモードチョークコイル部において
は、第1、第3のコイルの上下巻線構造としたものにあ
っては、コイル間の結合係数が高くなり、コモンモード
の磁心の磁気飽和特性を向上することができる。
(4)このため、この磁心の断面を可変することでコモ
ンモードチョークコイル部のインダクタンス値の設定
が、巻線回数やノーマルモードチョークコイル部の磁気
回路設定に影響されることなく自由にできる。
(5)また、コモンモードチョークコイル部の磁心とし
て、従来の高調波歪対策用のチョークコイルで使用され
る透磁率が低く高飽和磁束密度の材料のかわりに、高透
磁率の材料を選択できるため、従来の約2〜3倍のコモ
ンモードチョークコイル部のインダクタンス値を確保す
ることができ、大幅は小形化が可能である。
(6)当然、コモンモードチョークコイル部のリーケー
ジフラックスも結合係数が高い分低減でき、他の部品へ
の悪影響を防止できる。
(7)一方、ノーマルモードチョークコイル部において
は、磁心の一方および他方の磁脚が、それぞれ巻線され
た第2のコイルと第3のコイルにより内鉄型巻線構造と
したものにあっては、ノーマルモードチョークコイル部
の磁気飽和特性を向上させるための磁気ギャップを封じ
込められていることと、この磁気ギャップが磁脚の突き
合わせ面に、均等に設けられているため磁心内での磁束
の均一が図られていることにより、リーケージフラック
スは大きく低減できる。
(8)なお、コモンモードチョークコイル部において、
第1、第3のコイルを上下巻線構造とし、ノーマルモー
ドチョークコイル部において、第2のコイルと第3のコ
イルにより内鉄巻線構造としたものにあっては、シール
ドケースを用いないでも、従来の高調波歪対策用のチョ
ークコイルのシールドケース無しに比べ約1/5、シール
ドケース有りのものに比べ約1/4にリーケージフラック
スを低減できる。このため、他の部品への悪影響やテレ
ビセットなどの場合には致命的な画面揺れなどを大きく
防止できる。
(9)この他、従来のリーケージフラックス対策として
用いていたシールドケースを削除でき、これにともない
絶縁ケースおよび注型樹脂も削除でき大幅な低コスト
化、高周波特性の向上が可能となることや、コモンおよ
びノーマルモードチョークコイル部の両部において、1
つのコイルの巻線幅が1つの磁脚分とできるため従来に
比べて長く巻け、分割巻線構造を採用した場合、多分割
巻線が可能となり、従来に比べて浮遊容量の小さなコイ
ルを提供することができる高周波特性の向上も可能とな
る。
(10)また、磁心とコイル間を空隙を設けず密着したも
のにあっては、浮遊容量を低減し、周波数特性を向上す
ることができるとともに、温度上昇も低減でき小形化が
図れ、使用銅線量も削除され、コスト低減も図れる優れ
たチョークコイルを実現できるものである。
(11)また、第2の磁心として、U型鉄心の両脚部の長
さの差を少なくともヨーク部幅以上とし、窓部幅を少な
くとも上記脚部幅以上とした形状とし、2枚を1組とし
て一方および他方の互いの短い方の磁脚部を互いの窓部
に組み合わせるように、鉄心帯板の圧延方向に対して全
ての磁脚部が水平になるように打ち抜きレイアウトし、
鉄心帯板から打ち抜き成形を行い、この2個のU型積層
鉄心を一対とした脚部の端面を突き合わせて閉磁路を形
成したものにあっては、U型積層鉄心の打ち抜きロスを
なくすことができる。さらに、鉄心帯板の圧延方向に対
して全ての磁脚部が水平になるように打ち抜きレイアウ
トしているため、打ち抜き後、自動機により積層できる
ため生産効率に非常に優れている。また、チョーク特性
面でも、磁脚部での磁束方向と圧延方向が同一のため、
インダクタンスが大きく稼げる利点も有する。
(12)そしてこのことにより両脚部の長さのバランスが
崩れるため、フリンジングリーケージフラックスが発生
する磁気ギャップの位置がコイルを巻線した中央部から
外れることと、両磁脚部分からのリーケージフラックス
が交差する部分でバランス良く打ち消さないことが懸念
されたが、この両脚部分の少なくとも突き合わせ部分を
コイルで巻回することによって、リーケージフラックス
は大きく低減できることとなり、高価なシールド対策を
施さなくともよく、低コスト、高品質のものを提供でき
る。
なお、このU型積層鉄心の構成は、上記のように2磁
心3巻線の構成のものに限られることなく、ロの字状の
閉磁路が構成される積層鉄心により構成される磁心が用
いられるチョークコイルであれば、他のチョークコイル
でも適用できる。
(13)また、第2の磁心として、打ち出し突起により鉄
心を積層固着し、磁気ギャップを設けながら組み合わせ
て構成した閉磁路磁心を形成し、上記打ち出し突起を、
ヨーク部の両サイドと、コイルを巻線した脚部に設け、
さらにこの脚部に設けた打ち出し突起は、磁路部分を流
れる磁束方向に対して、外形の長手方向を垂直に設けた
ものにあっては、積層鉄心から成る閉磁路磁心の巻線を
施す磁路部分、つまり最も磁束密度が高く、唸りの発生
原因である励磁電流による吸引方向に生じる振動、及び
磁気歪振動が発生し易い部分に対して、打ち出し突起を
大きな側面積で対向しながら嵌合保持できる、最も安定
した配置構造にすることができる。
(14)このため、積層鉄心の積層固着の目的で設置され
た打ち出し突起は、少ない打ち出し突起数で効率的に積
層鉄板を強固に連結できる利点を生かすことができる。
また、打ち出し突起の外形の長手方向に存在する嵌合保
持する側面が、磁気ギャップを構成する端面に対して必
然的に水平方向に設置されているので、ガイドを使用し
ないで打ち出し突起を押圧する場合でも、ギャップ部分
の精度が確保できる。
(15)そして、この磁気振動抑制力が大きい打ち出し突
起の配置構造により、積層鉄心を流れる磁束に対する磁
気抵抗が、従来技術の打ち出し突起設置構造より大きく
増加し磁気特性が低下して、必要なインダクタンスを確
保するためには大形化する、損失が増大し温度上昇が大
きくなり、リーケージフラックスが大きくなる等のチョ
ークコイル特性の大きな低下が懸念されたが、積層鉄心
から成る閉磁路磁心の磁路内に磁気飽和特性向上の目的
で設けられた磁気ギャップを必要とする場合には、積層
鉄心の磁気特性はこの磁気ギャップ部分で決定するた
め、この特性低下を押さえられる。
(16)さらに、ヨーク部の両サイドに設置した打ち出し
突起を、窓部から見てハの字状方向に設置したことを特
徴とする積層形鉄心を用いたチョークコイルを構成した
ものでは、脚部の幅方向への精度も確保できる。
なお、この打ち出し突起の構成は、上記のように2磁
心3巻線の構成のものに限られることなく、積層鉄心に
より構成される磁心が用いられるチョークコイルであれ
ば、他のチョークコイルでも適用できる。
等の多大な効果が得られ、小形で高性能のチョークコイ
ルを低コスト、かつ高品質で提供することができ、工業
的価値の大なるものである。
フロントページの続き (56)参考文献 実開 平5−77921(JP,U) 特表 平2−503251(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 27/24 - 27/245 H01F 37/00

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】閉磁路または開磁路を構成する第1の磁心
    と第2の磁心、第1のコイル、第2のコイル、第3のコ
    イルからなるチョークコイルにおいて、上記第1のコイ
    ルを第1の磁心に巻線し、第2のコイルを第2の磁心に
    巻線し、さらに第3のコイルを、少なくとも第1のコイ
    ルもしくは第2のコイルを内側に巻き込みながら、第1
    の磁心と第2の磁心にまたがるように巻線したことを特
    徴とするチョークコイル。
  2. 【請求項2】請求の範囲第1項において、第1および第
    2の磁心にロの字閉磁路磁心を用い、第1のコイルを第
    1の磁心の一方の磁脚に巻線し、第2のコイルを第2の
    磁心の一方の磁脚に巻線し、さらに第3のコイルを第1
    のコイルを巻線した第1の磁心の一方の磁脚と第2のコ
    イルを巻線した第2の磁心の一方の磁脚にまたがるよう
    に巻線し、第1のコイルと第3のコイルは、ライン電流
    に対して磁束が、第1の磁心の一方の磁脚で相殺する方
    向に巻線を施してコモンモードチョークコイル部を構成
    し、また第2のコイルと第3のコイルは、ライン電流に
    対して磁束が、第2の磁心の磁路内で相殺しない方向に
    巻線を施してノーマルモードチョークコイル部を構成し
    たことを特徴とするチョークコイル。
  3. 【請求項3】請求の範囲第1項において、第1および第
    2の磁心にロの字閉磁路磁心を用い、第1のコイルを第
    1の磁心の一方の磁脚に巻線し、第2のコイルを第2の
    磁心の一方の磁脚に巻線し、さらに第3のコイルを第2
    の磁心の他方の磁脚と第1のコイルを巻線した第1の磁
    心の一方の磁脚にまたがるように巻線し、第1のコイル
    と第3のコイルは、ライン電流に対して磁束が、第1の
    磁心の一方の磁脚で相殺する方向に巻線を施してコモン
    モードチョークコイル部を構成し、また第2のコイルと
    第3のコイルは、ライン電流に対して磁束が、第2の磁
    心の磁路内で相殺しない方向に巻線を施してノーマルモ
    ードチョークコイル部を構成したことを特徴とするチョ
    ークコイル。
  4. 【請求項4】ロの字開磁路を構成する第1の磁心、第2
    の磁心、第1のコイル、第2のコイル、第3のコイルか
    らなるチョークコイルにおいて、上記第1のコイルを第
    1の磁心の一方の磁脚に巻線し、第2のコイルを第2の
    磁心の一方の磁脚に巻線し、これら巻線した第1の磁心
    の磁路の内側に第2の磁心を位置させ、さらに第3のコ
    イルを第1の磁心の他方の磁脚と第2の磁心の他方の磁
    脚にまたがるように巻線し、第1のコイルと第3のコイ
    ルは、ライン電流に対して磁束が、第1の磁心の磁路内
    で相殺する方向に巻線を施してコモンモードチョークコ
    イル部を構成し、また第2のコイルと第3のコイルは、
    ライン電流に対して磁束が、第2の磁心の磁路内で相殺
    しない方向に巻線を施してノーマルモードチョークコイ
    ル部を構成したことを特徴とするチョークコイル。
  5. 【請求項5】請求の範囲第3項において、第1のロの字
    閉磁路磁心にフェライト材、第2のロの字閉磁路磁心に
    U型のケイ素鋼板を用い、さらに第2の閉磁路磁心の一
    方及び他方の脚部の突き合わせ面に、磁気ギャップを均
    等に設けたことを特徴とするチョークコイル。
  6. 【請求項6】請求の範囲第3項または第5項において、
    第1の磁心と第1のコイルを空隙を設けず密着させて巻
    線したことを特徴とするチョークコイル。
  7. 【請求項7】請求の範囲第3項または第5項において、
    第2の磁心に、第2のコイルと第3のコイルを空隙を設
    けず密着させて巻線したチョークコイル。
  8. 【請求項8】請求の範囲第3項または第4項において、
    第2のロの字閉磁路磁心にU型積層鉄心を用い、上記U
    型積層鉄心は、両脚部の長さの差を少なくともヨーク幅
    以上とし、窓部幅を少なくとも上記脚部幅以上とした形
    状とし、2枚を1組として一方および他方の互いの短い
    方の磁脚部を互いの窓部に組み合わせるように、また鉄
    心帯板の圧延方向に対して全ての磁脚部が水平になるよ
    うにレイアウトし、鉄心帯板から打ち抜き成形を行い、
    この2個のU型積層鉄心を一対とした脚部の端面を突き
    合わせて閉磁路を形成するとともに、少なくとも上記突
    き合わせ部分に第2、第3のコイルが巻線されているこ
    とを特徴とするチョークコイル。
  9. 【請求項9】ロの字閉磁路磁心にU型積層鉄心を用い、
    上記U型積層鉄心は、両脚部の長さの差を少なくともヨ
    ーク幅以上とし、窓部幅を少なくとも上記脚部幅以上と
    した形状とし、2枚を1組として一方および他方の互い
    の短い方の磁脚部を互いの窓部に組み合わせるように、
    また鉄心帯板の圧延方向に対して全ての磁脚部が水平に
    なるようにレイアウトし、鉄心帯板から打ち抜き成形を
    行い、この2個のU型積層鉄心を一対とした脚部の端面
    を突き合わせて閉磁路を形成するとともに、少なくとも
    上記突き合わせ部分にコイルが巻線されていることを特
    徴とするチョークコイル。
  10. 【請求項10】請求の範囲第2項または第3項または第
    4項において、第2のロの字閉磁路磁心にU型の積層鉄
    心を用い、この積層鉄心を形成するU型の鉄心薄板の表
    裏にそれぞれ打ち出し突起を形成し、この打ち出し突起
    により嵌合保持して積層固着し、組み合わせて磁気ギャ
    ップを形成した閉磁路磁心を構成するとともに、上記打
    ち出し突起を、コイルを巻線する閉磁路磁心の磁起部分
    に設け、さらにこの磁路部分を流れる磁束方向に対して
    外形の長手方向を垂直に設けたことを特徴とするチョー
    クコイル。
  11. 【請求項11】請求の範囲第10項において、U型の積層
    鉄心は脚部とヨーク部から構成されるとともに、打ち出
    し突起をヨーク部の両サイドとコイルを巻線する各脚部
    とにそれぞれ1個ずつ設け、さらに上記コイルを巻線す
    る脚部に設けた打ち出し突起は、流れる磁束方向に対し
    て外形の長手方向を垂直に設けたチョークコイル。
  12. 【請求項12】請求の範囲第11項において、ヨーク部の
    両サイドに設けた打ち出し突起を積層鉄心の窓部から見
    てハの字状方向に設けたことを特徴とするチョークコイ
    ル。
  13. 【請求項13】所定形状に打ち抜いた多数枚の鉄心薄板
    の表裏にそれぞれ打ち出し突起を形成し、この打ち出し
    突起により嵌合保持し積層固着される積層鉄心を、磁気
    ギャップを設けながら組み合わせて閉磁路磁心を構成
    し、上記打ち出し突起を、コイルを巻線する閉磁路磁心
    の磁路部分に設け、さらにこの磁路部分を流れる磁束方
    向に対して外形の長手方向を垂直に設置したことを特徴
    とするチョークコイル。
  14. 【請求項14】請求の範囲第13項において、所定形状に
    打ち抜いた多数枚の鉄心薄板の表裏にそれぞれ打ち出し
    突起を形成し、この打ち出し突起により嵌合保持して積
    層固着し、脚部とヨーク部から成る積層鉄心を形成し
    て、上記両脚部の端面に磁気ギャップを設けながら組み
    合わせて構成した閉磁路磁心を構成するとともに、上記
    打ち出し突起をヨーク部の両サイドとコイルを巻線する
    各脚部とにそれぞれ1個ずつ設け、さらに上記コイルを
    巻線する脚部に設けた打ち出し突起は、流れる磁束方向
    に対して外形の長手方向を垂直に設けたことを特徴とす
    るチョークコイル。
  15. 【請求項15】請求の範囲第14項において、ヨーク部の
    両サイドに設けた打ち出し突起を積層鉄心の窓部から見
    てハの字状方向に設けたことを特徴とするチョークコイ
    ル。
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