明 細 書 抗菌性重合体、 コンタクトレンズおよびコンタクトレンズケア製品 技術分野
本発明は、 ホスホニゥム塩系ビニル単量体を、 それ自体または他の単量体と重 合して得られる、 優れた抗菌作用を有する抗菌性重合体に関するものである。 ま た本発明は、 細菌、 カビ等による汚染がほとんど起こらない抗菌性を有する、 即 ち、 完全かつ取り扱いの容易なコンタクトレンズおよびコンタクトレンズケア製 品に関するものである。 背景技術
我々の生活環境において、 また工業、 農業、 食品等の各種の産業分野において、 殺菌、 除菌することの要求が強くなつており、 現在、 無機系または有機系の多様 な抗菌剤が使用されている。
従来から使用されてきた抗菌剤の大部分は、 少なからず高い毒性をもった合成 抗菌剤であつたが、 最近では、 抗菌剤の毒性の低下を目的とした研究が進展し、 ポリマー型の固定化抗菌剤が開発されている。
このポリマー型の固定化抗菌剤は、 様々な物質の表面に殺菌機能を付与するこ とが可能であり、 繊維の表面に固定化された防菌防臭繊維を始めとして多くの分 野において利用されている。 ポリマー型の固定化抗菌剤は、 ポリビニル、 ポリア クリレート、 ポリメタクリレート、 ポリエステルおよびポリアミ ド等のポリマー にペンダント型に抗菌剤を固定したものが報告されている。 例えば、 ポリビニル 鎖には、 アルキルピリジニゥム塩およびアルキルジメチルベンジルアンモニゥム 塩が固定され、 ポリアクリレート鎖およびポリメタクリレート鎖には、 ビグアナ ィド類が固定され、 またポリエステル鎖およびポリアミ ド鎖には、 アルキルピリ ジニゥム塩が固定されている。
これらの中で実用化あるいは研究中の固定化抗菌剤のほとんどが四級アンモニ ゥム塩系である。 しかしながら、 四級アンモニゥム塩系固定化抗菌剤は、 広い抗 菌スぺクトルを有するが、 短時間の接触では微生物に作用する抗菌効果が未だ十
分ではない。
ホスホニゥム塩系固定化抗菌剤としては、 例えば、 最近ポリビニルベンジルホ スホニゥム塩が提案されている。 (WO 9 2 1 4 8 6 5 )
また、 ある種のホスホニゥム塩化合物は、 種々の含窒素化合物と同様に、 細菌 類、 真菌類、 藻類に対して広い活性スペクトルをもっている (特開昭 5 7— 2 0 4 2 8 6号、 特開昭 6 3— 6 0 9 0 3号、 特開平 1— 9 3 5 9 6、 特開平 2— 2 4 0 0 9 0号、 特開昭 6 2— 1 1 4 9 0 3号) ことから、 生物学的活性化学物質 として知られている。 しかし、 ホスホニゥム塩化合物系の抗菌剤も、 同様に十分 な抗菌力を有してはいない。
—方、 特開平 4一 2 6 6 9 1 2号公報には、 広い抗菌スぺクトルを有し、 かつ 短時間の接触で十分な抗菌効果を有する抗菌剤が提案されている。 しかし、 この 抗菌剤の重合性単量体は、 重合速度が遅いという欠点があり、 それ自身で用いる 場合はよいが、 重合速度の大きく異なる単量体とは共重合しにくい。 また、 親水 性が十分ではなく、 アルキル鎖が非常に長いと親水性単量体と相溶性が悪く、 ま た共重合体の活性が低い等の欠点があった。
一方、 現在一般的に使用されているコンタクトレンズはハードコンタクトレン ズとソフトコンタクトレンズに大別されるが、 何れも角膜とコンタクトレンズの 間に微生物の生育し易い環境、 すなわち、 水分、 温度、 栄養を備えている為、 細 菌、 カビ等に汚染されやすい。
ハードコンタクトレンズは機械的に角膜に傷を付け易く、 微生物による感染の 危険があり、 特に、 近年装用者が増加している連続装用ハードコンタクトレンズ に於いてその危険性が高い。 また、 保存中に細菌、 ガビ等が繁殖し、 そのため角 膜感染症等の障害を受けることがあった。
含水性ソフトコンタクトレンズは、 装用感はよいが、材料自体が親水性であり 多量の水分を含むため、 レンズの表面または内部で細菌、 カビ等が繁殖し、 それ らによる重篤な感染症を起こし易く、 また、 取り扱いには注意を必要とすると同 時に制菌、 殺菌操作が煩雑であった。
そのため、 抗菌性を付与したコンタクトレンズの研究開発が始められている。 例えば、 キトサン誘導体を基材として用いたコンタクトレンズ (特開昭 6 3— 2 1 7 3 1 9号公報) およびキトサン誘導体を含有する樹脂被膜を形成したコンタ
クトレンズが (特開平 3— 1 0 2 3 1 3号公報) 提案されている。
しかしながら、 上記のように提案された抗菌性を有するコンタクトレンズは、 光学性能並びに抗菌力の持続性 (寿命) が不十分である。
また、 コンタクトレンズケア製品についても、 使用時に容器中に混入した細菌、 カビが繁殖して二次感染を起こすことがある。 その為に保存剤、 洗浄剤等の中に 抗菌剤を加えることにより、 これら微生物の繁殖を抑えることが提案されている。
しかし、 多量の抗菌剤や、 効力の強い抗菌剤を使用することはコンタクトレン ズ並びに人体 (特に角膜) にとつて好ましくなく、 抗菌剤を添加せずに微生物の 繁殖を抑制する方法が模索されてきた。 抗菌性物質を被覆した樹脂の開発は試み られているが、 この場合には抗菌物質の溶出が多く、 コンタクトレンズケア製品 には適さない。
コンタクトレンズに抗菌性を付与させる場合は、 直接角膜や結膜に接し、 さら に、 レンズからの溶出物は涙液と共に消化管に移行するので安全性には特に注意 を払う必要がある。 従ってコンタクトレンズおよびそれに関連する容器に結合さ せる抗菌性物質は、 活性が高いこと、 熱に対し安定であること、 結合が強固で溶 出が殆ど無いことが必須条件となる。 このような見地からホスホニゥム塩系重合 体は好適な化合物である。
しかしながら、 抗菌剤であるホスホニゥム塩系重合体をコンタクトレンズに応 用する場合には、 そのレンズは、 ①光学性能、 すなわち透明性、 均一性、 レンズ としての熱安定性、 ②レンズの加工性、 ③レンズの強度、 ④装用者に対し安全で あること、 等の様々な条件を満たし、 コンタクトレンズ本来の性質を保持したま まで抗菌活性を示さねばならないという課題を抱えていた。
本発明は上記のような課題を解決し、 新規なホスホニゥム塩を有する重合体を 提供し、 さらに、 この重合体を有効成分とし且つ広い抗菌スペクトルを有し、 短 時間の接触で十分な抗菌効果を有する抗菌剤を提供することを目的とするもので あ
また本発明は、 上記のような課題を解決し、 細菌、 カビ等による汚染がほとん ど起こらない、 しかも、 抗菌性物質の溶出の殆ど無いコンタクトレンズおよびコ ンタクトレンズケア製品を提供することを目的とするものである。
発明の開示
本発明者らは鋭意検討の結果、 上記のような従来の課題を解決することができ すなわち本発明は、
CH2=C— C一 0— A— P +— R2 X (1)
R; 下記一般式 (2)
Y R1
I I
CH2=C— A— P +— R2 X" · · · (2)
I
R3 および下記一般式 (3)
Y 0 R1
I II I
CH2=C— 0— C一 A— P +— R2 X- · · · (3)
I
R3
(式中、 Aは直鎖または分岐のアルキレン基を表し、 Yは水素原子、 低級アルキ ル基またはァリール基を表し、 R R2および R3は水素原子、 炭素原子数 1〜 18の直鎖状または分岐状のアルキル基、 ァリール基、 ァラルキル基、 ヒドロキ シル基またはアルコキシ基で置換されたアルキル基、 ァリール基またはァラルキ ル基を表し、 X·はァニオンを表す) からなる群から選ばれた少なくとも 1種の ホスホニゥム塩系ビニル単量体を、 それ自体または他の共重合可能な単量体とと もに重合して得られた、 抗菌性重合体を提供するものである。
また本発明は、 下記一般式 (4)
Y 0
I II
CH2=C-C-0-A-X (4) 下記一般式 (5)
Y
CH2=C— A— X (5) および下記一般式 (6)
Y 0
II
CH2=C-OC-CH2-X (6)
(式中、 Aおよび Yは前記と同義であり、 Xはァニオンとなり得る 1価の原子ま たは化合物を表す) からなる群から選ばれた少なくとも 1種のビニル単量体を、 それ自体または他の共重合可能な単量体とともに重合して得られる重合体の官能 基を、 下記一般式 (7)
PR R3 (7)
(式中、 R R2および R3は前記と同義である)
で表されるトリオルガノホスフィンでホスホニゥムイオンに転換して得られた、 抗菌性重合体を提供するものである。
また本発明は、 前記の各種抗菌性重合体を有効成分とする抗菌剤を提供するも のである。
さらに本発明は、 重合性単量体とホスホニゥム塩系ビニル単量体との共重合体 よりなる抗菌性樹脂を主材とすることを特徴とする、 コンタクトレンズを提供す るものである。
さらにまた本発明は、 コンタクトレンズ樹脂にホスホニゥム塩系ビニル単量体
をグラフト重合させることにより、 抗菌性を賦与させたことを特徴とする、 コン タク トレンズを提供するものである。
また本発明は、 重合性単量体とホスホニゥム塩系ビニル単量体との共重合体よ りなる抗菌性樹脂を主材とすることを特徴とする、 コンタク トレンズケア製品を 提供するものである。
さらに本発明は、 コンタク トレンズケア製品が、 コンタク トレンズ保存容器、 コンタク トレンズ用保存剤容器、 洗浄剤容器、 洗浄保存剤容器、 溶解水容器、 コ ンタク トレンズ流失防止マツ ト、 コンタク トレンズケースまたはコンパク トケー スである、 前記のコンタク トレンズケア製品を提供するものである。
さらにまた本発明は、 ホスホニゥム塩系ビニル単量体が、 下記一般式 (8 ) 、
レ H 2 ( 8 )
上記一般式 (1 ) 、 上記一般式 (2 ) および上記一般式 (3 ) からなる群から選 ばれた少なくとも 1種の単量体である、 前記のコンタク トレンズを提供するもの である。
また本発明は、 ホスホニゥム塩系単量体が、 前記一般式 (1 ) 、 (2 ) 、 ( 3 ) または (8 ) に記載された単量体の少なくとも 1種である、 前記のコンタク トレ ンズケア製品を提供するものである。
以下、 本発明をさらに詳細に説明する。
上記一般式 (1 ) 、 (2 ) および (3 ) のホスホニゥム塩系ビニル単量体にお いて、 式中の Aは、 例えばメチレン基、 エチレン基、 トリメチレン基、 テトラメ チレン基、 ペンタメチレン基、 プロピレン基、 ェチルエチレン基等の直鎖または 分岐のアルキレン基が挙げられる。
Yは、 水素原子;メチル基、 ェチル基、 プロピル基等の低級アルキル基;また はフヱニル基等のァリール基であり、 好ましくは水素原子、 低級アルキル基であ χ -はァニオンであり、 例えば、 フッ素、 塩素、 臭素またはヨウ素のハロゲン
イオン;ギ酸、 酔酸、 蓚酸、 安息香酸、 フタル酸等の脂肪族カルボン酸イオンま たは芳香族カルボン酸イオン;硫酸イオン; メチルまたはジメチルリン酸エステ ルイオン、 ェチルまたはジェチルリン酸エステルイオン等のリン酸イオン、 フッ 化アンチモンイオン; フッ化リンイオン; フッ化ヒ素イオン; フッ化ホウ素ィォ ン;過塩素酸イオン; メタンスルホン酸イオン等のアルキルスルホン酸イオン; p—トルエンスルホン酸イオン等の置換または未置換のベンゼンスルホン酸ィォ ン等が挙げられ、 中でもハロゲンイオンが好ましい。
R R 2および R 3は、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基、 ブチル基、 ペンチ ル基、 へキシル基、 ヘプチル基、 ォクチル基、 ドデシル基、 ォクタデシル基等の アルキル基; フヱニル基、 トリル基、 キシリル基等のァリール基;ベンジル基、 フエ二チル基等のァラルキル基;前記アルキル基、 ァリール基、 ァラルキル基を ヒドロキシル基またはアルコキシ基で置換した基等が挙げられ、 中でも好ましく は、 プチル、 ォクチル等のアルキル基、 フヱニル、 トリル等のァリール基、 さら には好ましくは、 ォクチル、 フエニル基であるのがよい。 また、 R R 2および R 3は、 同一の基であっても、 そうでなくてもよい。
次に一般式 (1 ) で表されるホスホニゥム塩系ビニル単量体を具体的に示すと、 例えば、
メタクリル酸メチルトリ n—ブチルホスホニゥムクロライド、
メタクリル酸メチルトリ n—ォクチルホスホニゥムクロライ ド、
メタクリル酸メチルジメチル n—才クタデシルホスホニゥムクロライ ド、 メタクリル酸メチルトリ n—ブチルホスホニゥムブロマイ ド、
メタクリル酸メチルトリ n—才クチルホスホニゥムブロマイ ド、
2 - (メタクリル酸) —ェチルトリ n—ブチルホスホニゥムクロライ ド、
2 - (メタクリル酸) ーェチルトリ n—ォクチルホスホニゥムクロライ ド、
3 - (メタクリル酸) 一プロピルトリ n —ォクチルホスホニゥムクロライ ド、
4 - (メタクリル酸) 一ブチルトリ n—ォクチルホスホニゥムクロライド、
2 - (メタクリル酸) 一ェチルトリ n—ォクチルホスホニゥムブロマイ ド、
3 - (メタクリル酸) 一プロピルトリ n一才クチルホスホニゥムブロマイ ド、
4一 (メタクリル酸) 一ブチルトリ n—ォクチルホスホニゥムブロマイド、 ァクリル酸メチルトリ n—ブチルホスホニゥムクロライド、
ァクリル酸メチルトリ 11—ォクチルホスホニゥムクロライ ド、 ァクリル酸メチルジメチル n—ォクタデシルホスホニゥムクロライ ド、 ァクリル酸メチルトリ n—才クチルホスホニゥムブロマイ ド、
ァクリル酸メチルジメチル n—才クタデシルホスホニゥムブロマイ ド、 ァクリル酸メチルトリ n—ブチルホスホニゥムテトラフルォロボレ一ト、
2 - (アクリル酸) 一ェチルトリ n—才クチルホスホニゥムブロマイ ド、
3— (アクリル酸) 一プロピルトリ n—才クチルホスホニゥムブロマイ ド、 などが挙げられる。
また、 一般式 '(2 ) で表されるホスホニゥム塩系ビニル単量体を具体的に示す と、 例えば、
トリ n—プチルァリルホスホニゥムクロライ ド、
トリ n—プロピルァリルホスホニゥムクロライ ド、
トリ n—才クチルァリルホスホニゥムクロライ ド、
トリ n—デシルァリルホスホニゥムクロライ ド、
ジメチル n—ォクタデシルァリルホスホニゥムクロライ ド、
トリ n—ォクチルァリルホスホニゥムブロマイ ド、
ジメチル n—ォクタデシルァリルホスホニゥムブロマイ ド、
トリ n—ォクチルァリルホスホニゥムテトラフルォロボレ一ト
等が挙げられる。
さらに、 一般式 (3 ) で表されるホスホニゥム塩系ビニル単量体を具体的に示 すと、 例えば、
ピノキシカルボニルメチルトリ n—ブチルホスホニゥムクロライド、
ピノキシカルボニルメチルトリ n—プロピルホスホニゥムクロライ ド、 ビノキシカルボニルメチルトリ n—才クチルホスホニゥムクロライ ド、 ピノキシカルポニルメチルトリ n—デシルホスホニゥムクロライ ド、
ピノキシカルボニルメチルジメチル n—才クタデシルホスホニゥムクロライ ド、 ビノキシカルボニルメチルトリ n—ォクチルホスホニゥムブロマイド、 ピノキシカルボニルメチルジメチル n—ォクタデシルホスホニゥムブロマイ ド、 ピノキシカルボニルメチルトリ n—ブチルホスホニゥムテトラフルォロボレ一ト 等が挙げられる。
次にかかる一般式 (1) に示すホスホニゥム塩系ビニル単量体をホモ重合して 得られる、 ホスホニゥム塩を有する重合体としては、 下記一般式 (9)
Y そ H2C— n
R
0=C— O— A— P +— R2 X (9)
R3
(式中、 1〜!^3、 Y、 Αおよび X—は前記と同義を示し、 nは 2以上の整数を 表す) で示される重合体が挙げられる。
また、 かかる一般式 (2) に示すホスホニゥム塩系ビニル単量体をホモ重合し て得られる、 ホスホニゥム塩を有する重合体としては、 下記一般式 (10)
Y
"Oi2C—
(式中!^1〜!^3、 Aおよび X—は前記と同義を示し、 riは 2以上の整数を示す) で示される重合体が挙げられる。
さらに、 かかる一般式 (3) に示すホスホニゥム塩系ビニル単量体をホモ重合 して得られる、 ホスホニゥム塩を有する重合体としては、 下記一般式 (11)
Y
O- C一 A— P +— R 2 X ( 1 1 )
R ;
(式中!^〜尺3、 Aおよび X -は前記と同義を示し、 nは 2以上の整数を示す) で示される重合体が挙げられる。
かかる各一般式に示される、 ホスホニゥム塩を有する重合体は、 例えば、 R 1 〜RSがメチル、 ェチル、 プロピル、 ブチルのような低級アルキル基であるよう な場合は、 水溶性であり、 また、 アルコール等の有機溶剤にも溶解する。 逆に、 R 1 !^ 3が、 ペンチル、 へ午シル、 ォクチルのような高級アルキル基になるほど 水に対する溶解度が減少する。 尺1〜!^ 3内の一つだけがォクタデシル (C 1 8) の ような高級アルキル基、 他の二つがメチルのような低級アルキル基である場合も 親水性が高く、 かつ細胞膜攻撃性が高まるため抗菌効果は高い。 また、 X—をフッ 化アンチモンイオン、 フッ化リンイオン、 フッ化ヒ素イオン、 フッ化ホウ素ィォ ン、 過塩素酸イオンとした場合は、 ホスホニゥム塩の!^〜尺3をいずれの基にし ても、 水に不溶となる。 つまり、 本発明に係るホスホニゥム塩を有する重合体は、 一般式 (4 ) 中の R i〜R 3および X—を変えることにより水溶性、 水分散性、 不 溶性ポリマーなど使用目的に応じて設計できる。 抗菌効果は、 ホスホニゥム塩に おいて、 アルキル基の場合、 その長さの影響を受け、 例えばメチル、 ェチル、 ブ チル、 ォクチルと抗菌効果が高くなる。 また、 一つがォクタデシルのような高級 アルキル、 他の二つがメチルのような低級アルキル基の場合、 さらに抗菌効果が 高くなる。
一方、 前記ホスホニゥム塩系ビニル単量体に共重合させる重合性単量体とは、 一般的に用いられるラジカル重合可能な化合物であり、 ビニル基、 ァリル基、 ァ クリル基、 またはメタクリル基等を分子中に 1個以上含む化合物が挙げられる。 具体的には、 (メタ) ァクリレート、 アルキル (メ夕) ァクリレート、 ハロゲン 化アルキル (メタ) ァクリレート、 シロキサニルアルキル (メタ) ァクリレート、 フルォロ (メタ) ァクリレート、 ヒドロキシアルキル (メタ) ァクリレート、 ポ
リエチレングリコール (メタ) ァクリレート、 多価アルコールの (メタ) アタリ ル酸エステル、 ビニル (メタ) ァクリレート等の (メタ) アクリル酸エステル類、 アクリルアミ ドおよびその誘導体、 スチレンおよびその誘導体、 N—ビニルラク タム、 (多価) カルボン酸ビュル等のビニル化合物、 ブチレン類、 (多価) カル ボン酸ァリル、 ァリルカーボネート等のァリル化合物等が挙げられる。 さらに具 体的には、 例えば、 エチレン、 プロピレン、 ブチレン、 イソブチレン、 ジイソブ チレン、 塩化ビニル、 塩化ビニリデン、 臭化ビニリデン、 ビニルアルコール、 ビ ニル酢酸、 ビニルスルホン酸塩、 ビニルトルエン、 桂皮酸、 ビニルチオフェン、 ビニルピリジン又はビュルイミダゾール、 スチレン、 メチルスチレン、 ジメチル スチレン、 クロロスチレン、 ジクロロスチレン、 ブロモスチレン、 p—クロロメ チルスチレン、 ジビニルベンゼン、 アクリル酸、 メチルァクリレート、 ェチルァ クリレート、 n—ブチルァクリレート、 フヱニルァクリレート、 フエノキシェチ ルァクリレート、 アクリル酸テトラヒドロフルフリル、 2—ヒドロキシェチルァ クリレート、 2—ヒドロキシプロピルァクリレート、 2—ァクリロイルォキシェ チルコハク酸、 2—ァクリロイルォキシェチルフタル酸、 メタクリル酸、 メチル メタクリレート、 ェチルメタクリレート、 n—ブチルメタクリレート、 2—ェチ ルへキシルメタクリレート、 イソボルニルメタクリレート、 ベンジルメタクリレ ート、 フヱニルメタクリレート、 ジシクロペンタニルメタクリレート、 ジンクロ ペンテニルメタクリレート、 2—メタクリロイルォキシェチルコハク酸、 2—ヒ ドロキシェチルメタクリレート、 2—ヒドロキシプロピルメタクリレート、 2— ヒドロキシブチルメタクリレート、 フマル酸、 マレイン酸、 ィタコン酸およびそ れらのエステル類、 アクリロニトリル、 メタクリロニトリル、 アクリルアミ ド、 N, N—ジメチルアクリルアミ ド、 N—ビニルー 2—ピロリ ドン、 無水マレイン 酸、 N—置換マレイミ ド等が挙げられる。
この場合、 ホスホニゥム塩系ビニル単量体の配合量は、 得られる共重合体に対 して、 例えば 0. 0 5〜2 0重量%である。
本発明の抗菌性重合体のもう一つの特徴は、 前記に示すごとく一般式 (4 )、
( 5 ) および (6 ) に示される少なくとも 1種のビニル単量体を、 それ自体また は他の共重合可能な単量体とともに重合して得られる重合体の官能基を、 一般式
( 7 ) に示されるトリオルガノホスフィンで転換して得られるものである。
かかる一般式 (7 ) に示されるトリオルガノホスフィ ンを具体的に示すと、 例 えば、 トリ n—ブチルホスフィン、 トリ n—プロピルホスフィン、 トリ n—ォク チルホスフィン、 トリ n—デシルホスフィン、 ジメチル n—ォクタデシルホスフィ ン等を挙げることができる。
本発明の抗菌性重合体の重合度は、 特に限定するものではないが、 通常 2以上 であればよく、 通常は 2〜5 0 0 0、 好ましくは 1 0〜 5 0 0 0、 さらに好まし くは 1 0〜2 0 0の範囲である。
本発明の抗菌性重合体は、 様々な細菌類、 真菌類、 藻類等に有効な幅広い抗菌 活性スぺク トルを示し、 とくにその効果が著しいのは真菌類である。 また、 耐性 黄色ブドウ球菌 (MR S A) に対しても優れた抗菌力を示す。
さらに本発明の抗菌性重合体は、 その用途に応じて、 所望の担体または他の有 機および Zまたは無機系の殺菌剤、 抗菌剤と併用して使用することができる。 担 体としては、 特に制限されるものではなく、 例えば水、 あるいはアルコール、 ァ セトン等の各種有機溶媒等の液状担体、 タルク、 カオリン、 シリカ、 アルミナ、 マグネシア、 二酸化チタン等の微細な無機質担体等が挙げられる。 なお、 必要に 応じて界面活性剤、 乳化剤等の助剤と併用することもできる。 本発明のホスホニ ゥムを有する重合体の用途としては、 例えば外用抗菌剤、 繊維、 布等の衛生加工 用抗菌剤、 塗料および建築材料、 プール、 工業用水等の抗菌剤、 抗菌性家庭用樹 脂製品、 抗菌性プラスチック製品、 とくにコンタクトレンズおよびコンタク トレ ンズのケアにかかるプラスチック製品、 抗菌性まな板、 吸水性樹脂等として用い ることができる。 さらに、 本発明の抗菌性重合体を球状またはペレツ ト状に成形 し、 カラム等に充填することにより、 空気または水の除菌を目的としたフィルタ 一としても使用できる。
一方、 本発明の ンタク トレンズおよびコンタク トレンズケア製品に用いられ る抗菌性樹脂は、 鼋合性単量体と抗菌性能を賦与し得る上記のようなホスホニゥ ム塩系ビニル単量体とを共重合させたものであり、 ここに一つの特徴がある。 なお、 本発明において 「コンタク トレンズケア製品」 とは、 コンタク トレンズ の洗浄、 保存、 消毒、 すすぎ等コンタク トレンズ取り扱いにかかわる全ての樹脂 製品をさす。 例として、 コンタク トレンズ保存容器、 コンタクトレンズ用保存剤 容器、 洗浄剤容器、 洗浄保存剤容器、 溶解水容器、 コンタク トレンズ流失防止マツ
ト、 コンタク トレンズケース、 コンパク トケース等が挙げられる。
本発明のコンタク トレンズおよびコンタク トレンズケア製品に用いられる抗菌 性樹脂は、 抗菌性成分として、 上記のような重合性単量体および一般式 (1) 、 (2) または (3) で示されるホスホニゥム塩系ビニル単量体を用いて製造する ことができるが、 次の一般式 (8)
し H し (8)
(式中、 尺1〜!^3、 Aおよび X-は前記と同義である)
もホスホニゥム塩系ビニル単量体として好適に用いることができる。
かかる (8)式で示されるホスホニゥム塩系ビニル単量体としては、 例えば トリ n—ブチルー (3および 4) 一ビニルベンジルホスホニゥムクロライド、 トリ n—プロピル一 (3および 4) 一ビニルベンジルホスホニゥムクロライ ド、 トリ n—ォクチルー (3および 4) 一ビニルベンジルホスホニゥムクロライド、 トリ n—デシルー (3および 4) 一ビニルベンジルホスホニゥムクロライ ド、 ジメチルトリ n—才クタデシル (3および 4) 一ビニルベンジルホスホニゥムク 口ライ ド、
トリ n—ォクチルー (3および 4) —ビニルベンジルホスホニゥムブロマイ ド、 ジメチルトリ n—ォクタデシル (3および 4) 一ビニルベンジルホスホニゥムブ 口マイ ド、
トリ n—才クチルー (3および 4) 一ビニルベンジルホスホニゥムテトラフルォ ロボレート、
等が挙げられる。
また、 本発明のコンタク トレンズおよびコンタク トレンズケア製品に用いられ る抗菌性樹脂には、 上記のような各原料のほかに、 架橋密度を高めるために、 ェ チレングリコールジァクリレート、 ジエチレングリコールジァクリレート、 トリ エチレングリコールジアタリレート、 1, 6—へキサンジオールジァクリレート, エチレングリコールジメタクリレート、 ジエチレングリコールジメタクリレート、
トリエチレングリコールジメタクリ レート、 プロピレングリコールジメタクリ レ —ト、 トリメチロールプロパントリメタクリ レート、 ペンタエリスリ トールトリ ァクリレート、 1 , 4一ブタンジオールジメタクリレート、 1, 6—へキサンジ オールジメタクリレート、 グレセリンジメタクリレート、 ジビニルベンゼンジァ リルフタレート、 ジエチレングリコールビスァリルカーボネート等の多官能モノ マーを用いることもできる。
本発明のコンタク トレンズおよびコンタク トレンズケア製品に用いられる抗菌 性樹脂おいて、 ホスホニゥム塩系ビニル単量体の配合量は、 用いられる各単量体 の物性や使用目的により一様でなく、 透明性を維持し、 かつ、 抗菌性能を発現す る範囲で適宜決定する必要がある。 しかし、 多くの場合、 ホスホニゥム塩系ビニ ル単量体として、 得られる共重合体に対し、 0. 0 1〜2 0重量%、 より好まし くは 0. 1〜5重量%、 含有されることが好ましい。 0. 0 1重量%未満であると、 抗菌効果が小さく、 2 0重量%を超えた場合は、 重合性単量体との相溶性が低下 するため、 重合して得られるコンタク トレンズに白濁やくもりが発生し、 透明性、 含水率、 強度、 加工性等レンズとしての機能が損なわれるので好ましくない。 なお、 これらのホスホニゥム塩系ビニル単量体や重合性単量体は単独で用 t、ら れるほか、 2種以上を組み合わせて使用することもできる。
(本発明の抗菌性重合体の製造方法)
本発明の抗菌性重合体は、 いかなる方法で製造してもよいが、 例えば、 通常の 重合開始剤の存在下、 加熱あるいは紫外線などの活性エネルギー線の照射によつ て行うことができる。
すなわち、 一般式 (1 ) 、 (2 ) または (3 ) のホスホニゥム塩系ビニル単量 体、 あるいはホスホニゥム塩系ビニル単量体と共重合可能な他の単量体とを溶媒 に溶解した後、 これに重合開始剤を添加する。 溶媒としては、 例えば水、 ェタノ ール、 ジメチルホルムアミ ド、 ベンゼンまたはこれらの混合物を用いることがで きる。 重合開始剤としては、 例えば、 ラジカル重合開始剤が望ましく、 例えば、 ベンゾィルパーォキサイ ド、 t一ブチルパーォキシ一 2—ェチルへキサノエート、 t一ブチルパーォキシジイソブチレート、 t一ブチルパーォキシイソプロピル力 ーボネート、 ラウロイルパーオキサイ ド、 ァゾビス (2, 4ージメチルバレロニ トリル) 、 2 , 2 ' —ァゾビス一 (2—アミジノプロパン) 塩酸塩、 2 , 2' —ァ
ゾビスイソブチロニトリル、 過酸化べンゾィル、 t一ブチルハイド口パーォキサ イド、 ジイソプロピルパーォキシジカーボネート、 t一ブチルパーォキシピバレ ート、 t一ブチルパーォキシネオデカノエート等を挙げることができる。 また、 活性エネルギー線の照射の場合には、 ベンゾィンエーテル等の光重合開始剤ゃ必 要に応じて增感剤を用いる。 これらの開始剤の使用量は、 0. 0 0 1〜5重量% が望ましい。 反応温度および反応時間は、 重合開始剤の種類により異なるが、 例 えば反応温度は、 4 0〜1 0 0 °Cが好ましく、 反応時間は 0. 5時間以上、 好ま しくは 1〜2 4時間であればよい。 また、 反応は、 不活性雰囲気下で行うのが好 ましい。 反応終了後、 反応混合物を大量のアセトンまたはテトラヒドロフランま たは n—へキサン中に注入し、 析出する沈澱を採取すれば、 本発明の抗菌性重合 体が得られる。
また他の製造方法としては、 一般式 (4 ) 、 (5 ) または (6 ) で示されるビ 二ル単量体、 またはこれらと共重合可能な他の単量体とを上記のような方法で重 合させた後、 ポリマー鎖中の官能基を一般式 (7 ) で示されるトリオルガノホス フィンでホスホニゥムイオンに転換させる方法がある。
具体的な転換方法は、 例えば一般式 (4 ) 、 ( 5 ) または (6 ) のビニル単量 体、 またはこれらと共重合可能な他の単量体とを溶媒に溶解した後、 これに重合 開始剤を添加して重合を行い、 大量のアセトンまたはテトラヒドロフラン、 n— へキサン中に注入し、 析出する沈殿を採取して重合体を得る。
得られた重合体を再度 n—へキサン、 トルエン等に分散させ、 重合体が膨潤し た状態で、 一般式 (7 ) のトリオルガノホスフィンを不活性雰囲気下で温度 3 0 〜1 5 0 °C、 好ましくは7 0〜1 2 0 °〇、 反応時間は 5〜4 8時間、 好ましくは 1 0〜2 0時間で反応することにより、 本発明の抗菌性重合体が得られる。
(本発明のコンタクトレンズおよびコンタクトレンズケア製品の製造方法) 本発明のコンタクトレンズは、 上記のような一般式 (1 ) 、 (2 ) 、 (3 ) ま たは (8 ) に示される各ホスホニゥム塩系単量体の 1種以上、 これと共重合可能 な単量体類、 および必要に応じて架橋密度を高めるための多官能モノマーをガラ ス管ぁるいはポリプロピレン製ゃポリテトラフルォロェチレン製の管あるいはシ ート状の空隙中に注入し、 加熱を行い熱重合をさせるか、 あるいは、 紫外線を照 射し、 光重合をさせることにより製造することが適している。 また、 この後、 重
合収縮、 重合熱によりポリマー中に歪が生じた場合、 これを解消するために、 加 熱ァニールすることが望ましい。 また、 このような重合系には、 必要に応じて熱 安定化剤、 酸化防止剤、 染色剤、 着色剤、 紫外線吸収剤等を少量添加することも できる。
また、 本発明のコンタク トレンズケア製品の製造方法は、 上記の抗菌性樹脂を 用いればとくに制限されない。 例えば得られた抗菌性樹脂を粉末化し、 これを射 出成形することにより製造することができる。
なお、 本発明のコンタク トレンズおよぴコンタク トレンズケア製品は、 別の態 様として、 上記のものによる抗菌性樹脂のほかに、 コンタク トレンズ素材の表面 層にホスホニゥム塩系ビニル単量体をグラフト重合により結合させて、 抗菌性を 賦与させることができる。 すなわちコンタク トレンズの表面を紫外線照射、 コロ ナ放電または低温プラズマ放電等を施し、 発生するラジカルにモノマーをグラフ ト重合するものである。 方法としては、 ①コンタク トレンズを 1 0 -3〜1 O torr の減圧下のグロ一放電でレンズをブラズマ処理後、 モノマーを蒸気または液体と して装置内へ導入し、 直接ラジカルと反応させる方法、 ②低温プラズマ処理後、 被処理基材を装置から取り出しモノマーと反応させる方法、 ③溶液中、 抗菌性モ ノマーおよび増感剤存在下で紫外線照射し、 ポリマー表面にモノマーをグラフト 重合させる方法等がある。
本発明の抗菌性重合体を抗菌剤として使用した場合は、 従来の四級アンモニゥ ム塩系の抗菌剤と比べて、 強力な抗菌作用を有し、 その作用機構の詳細について は、 明らかではないが、 以下の作用があると考えられる。 ①ホスホニゥム塩は、 カチオン性であるため、 ポリマー化により負電荷を帯びた細胞膜近傍のホスホニ ゥム塩濃度を高めることが可能となる。 ②薬理学的検討によると、 ホスホニゥム 塩は細胞膜攻撃型の抗菌剤であるために、 菌体内に取り込ませる必要がない。 従つ て、 ホスホニゥム塩の高分子化による細胞膜透過性の低下は不利な要因とはなら ず、 前記①の効果により正の高分子効果が発揮される。
また、 本発明のコンタク トレンズおよびコンタク トレンズケア製品は、 微生物 の汚染の発生が防止されているため、 安全性が向上され、 煩雑な殺菌操作も省略 することができる。;
発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明を実施例により更に詳しく説明するが、 本発明はこれらに限定さ れるものではない。
(実施例 1 )
(1) ポリ [2— (メタクリル酸) 一ェチルトリ n—才クチルホスホニゥムクロ ライ ド] の合成
2— (メタクリル酸) 一ェチルトリ n—才クチルホスホニゥムクロライド 2. 00g (0.0039モル) (この化合物は一般式 (1) に対応する) を水 20ml に溶解し、 2, 2'—ァゾビス一 (2—アミジノプロパン) 塩酸塩 25mlを加え て脱気封管した。 これを 60°Cで 6時間放置して重合させた後、 大過剰のテトラ ヒドロフランに注ぎ込み、 析出する沈殿を濾過し採取することにより、 ポリ [2 一 (メタクリル酸) 一ェチルトリ n—才クチルホスホニゥムクロライド 0.92g が得られた。 重合度は 91であった。
以下、 同様の操作を行って 2— (メタクリル酸) 一ェチルトリ n—才クチルホ スホニゥムクロライドの代わりに表 1に示すような各種のァクリル基を有するホ スホニゥム塩系単量体を用いて種々のホスホニゥムを有する重合体を得た。
(2) 抗菌性の測定 ·溶液希釈法
(実施例 1) の (1) により得られた各種重合体を、 グラム陰性菌の代表とし て、 大腸菌 (Escherichia coli) I F03806、 およびグラム陽性菌の代表 として黄色ブドウ球菌 (Staphylococcus aureus) I FO 12732に対して、 表 1および 2に示した濃度および作用時間で作用させた。 得られた抗菌活性の結 果を表 1および 2に示す。 なお、 殺菌活性の評価は溶液希釈法で行った。 溶液希 釈法とは、 所定濃度の溶液希釈液に、 所定量の菌を接種し、 その後の菌数を測定 する。 接触時間に対し、 菌数の減少が著しいほど殺菌活性が強いことを示す。
大腸菌 I F 0 3 8 0 6に対する抗菌活性
表 2 黄色ブドウ球菌 I F 012732に対する抗菌活性
(接触培養後の残存菌数 Zm 1 )
(実施例 2) (トリ n—プチルァリルホスホニゥム塩ホモポリマーの合成)
(1) トリ n—プチルァリルホスホニゥム塩ポリマーの合成:
トリ n—プチルァリルホスホニゥムクロライド 2.00 g (0.0706モル) (この化合物は一般式 (2) に対応する) を水 2 Om lに溶解し、 2, 2' ーァ ゾビス一 (2—アミジノプロパン) 塩酸塩 46m gを加えて脱気封管した。 これ を 60°Cで 6時間放置して重合させた後、 大過剰のテトラヒドロフランに注ぎ込 み、 析出する沈澱を濾過し、 採取することにより、 ポリ トリ n—プチルァリルホ スホニゥムクロライド 0.97 gが得られた。 重合度は 82であった。
以下、 同様の操作を行ってトリ n—プチルァリルホスホニゥムクロライドの代 わりに表 3に示すような各種のトリアルキルァリルホスホニゥム塩を用いて種々 のポリ トリアルキルァリルホスホニゥム塩を得た。
(2) 抗菌性の測定 ·溶液希釈法
(実施例 1) の (2) に準じて、 抗菌性を測定した。 得られた抗菌活性の結果 を表 3〜5に示す。
表 3 大腸菌 I F03806に対する抗菌活性
(接触培養後の残存菌数 m 1 ) 化合物 薬剤濃度 接 触 時 間 (時間)
(I) 0 0.5 1.0 2.0 対 照 0 ppm 6.0 104 6.3X104 5.7X104 4.0X104
1 ppm 6.0X104 6.0X104 4.5X104 3.4X104
10 ppm 6.0X104 4.8X104 2.3X104 3.4X103
X=C1 100 ppm 6.0X104 1.6X104 3.2X103 1.6X102
1 ppm 6.0X104 8.8X103 7.4X102 0 8U17 10 ppm 6.0X104 30 0 0
X=C1 100 ppm 6.0X104 0 0 0 表 4 黄色ブドウ球菌 I FO 12732に対する抗菌活性
(接触培養後の残存菌数 m 1 )
表 5 大腸菌 I F 03806に対する抗菌活性
(接触培養後の残存菌数 Zm 1 )
(実施例 3)
ビノキシカルボニルメチルトリ n—ブチルホスホニゥムクロライド 2.00 g (0.0038モル) (この化合物は一般式 (3) に対応する) を水 2 Omlに 溶解し、 2, 2' —ァゾビス一 (2—アミジノプロパン) 塩酸塩 25mgを加え て脱気封管した。 これを 60°Cで 6時間放置して重合させた後、 大過剰のテトラ ヒドロフランに注ぎ込み、 析出する沈澱を濾過し、 採取することにより、 ポリビ ノキシカルボニルメチルトリ n—ブチルホスホニゥムクロライ ド 0.97 gが得 られた。 重合度は 82であった。
以下、 同様の操作を行ってピノキシカルボニルメチルトリ n—ブチルホスホニ ゥムクロライ ドの代わりに表 6および 7に示すような各種のビノキシカルボニル メチルトリアルキルホスホニゥム塩を用いて種々のポリピノキシカルボニルメチ
ルアルキルホスホニゥム塩を得た。
(抗菌性の測定)
(実施例 1) の (2) に準じて、 抗菌性を測定した。 得られた抗菌活性の結果 を表 6および 7に示す。 表 6 大腸菌 I F 03806に対する抗菌活性
(接触培養後の残存菌数 Zm 1 ) 化合物 薬剤濃度 接 触 時 間 (時間)
(Π) 0 0.5 1.0 2.0 対 照 0 ppm 6.6X104 6.3X104 5.7X104 4.0X104
EX=R2=R3 1 ppm 6.6X104 4.8X104 4.8X104 4.3X103
10 ppm 6.6X104 4.4X104 4.0X104 1.2X103
X=C1 100 ppm 6.6X104 3.9X102 20 0
1 ppm 6.6X104 3.9 x 10s 6.5X103 1.0X102 8Ui 7 10 ppm 6.6X104 l.lxlO2 0 0
X=C1 100 ppm 6.6X104 0 0 0 黄色ブドウ球菌 I F 0 12732に対する抗菌活性
(接触培養後の残存菌数ノ m 1 ) 化合物 薬剤濃度 接 触 時 間 (時間)
(Π) 0 0.5 1.0 2.0 対 照 0 ppm 3.1X106 4.2X106 3.1X105 2.6X105
1 ppm 3.1X106 2.7X104 5.0X103 4.2X102
10 ppm 3.1X106 6.3X103 1.2X103 0
X=C1 100 ppm 3. lxlO6 6.0X103 0 0
1 ppm 3. lxlO6 2.0X103 7.9X102 7 7 10 ppm 3.1X106 0 0 0
X-Cl 100 ppm 3.1X106 0 0 0
(実施例 4 )
(1) トリ n—才クチルァリルホスホニゥムクロライド (この化合物は一般式 (2) に対応する) とメチルメタクリレートの共重合:メチルメタクリレートに 対し、 ァゾビス (2, 4—ジメチルバレロニトリル) 0.2重量%、 およびトリ n—才クチルァリルホスホニゥムクロライドを、 それぞれ 1、 10、 50重量% となるよう加え、 よく混合し、 この混合物をガラス製試験管に入れ、 内部を脱気 後、 60°Cで 3時間加熱し重合を行った。 生成物を乳鉢で粉枠し、 抗菌活性を測 定した。
( 2 ) 抗菌性の測定 ·溶液希釈法
実施例 1と同様の操作で、 黄色ブドウ球菌 (I F012372)菌液 lmlに 対して表 8に示した濃度および作用時間で作用させた。 結果を表 8に示す。 表 8 黄色ブドウ球菌 I F 012732に対する抗菌活性
(接触培養後の残存菌数 Zm 1 )
(実施例 5 )
塩化ァリル 5.08g (0.0651モル) とクロ口酢酸ビニル 8.00 g (0. 0650モル) を水 40m 1に溶解し、 2, 2'—ァゾビス一 (2—アミジノプロ パン) 塩酸塩 85m gを加えて脱気封管した。 これを 60°Cで 6時間放置して、 重合させた後、 トリ n—才クチルホスフィン 50.51 g (0.1300モル) (こ の化合物は一般式 (2) に対応する) を添加し重合体の官能基を転換させた。 (抗 菌性の測定)
実施例 1と同様な操作で大腸菌 (I F03806) に対して表 9に示した濃度
および作用時間で作用させた。 得られた抗菌活性の結果を表 9に示す。 表 9 大腸菌 I F03806に対する抗菌活性
(接触培養後の残存菌数/ m 1 )
(実施例 6 )
(1) コンタク トレンズの作製
2, 2, 3, 3, 4, 4, 4一ヘプタフルォロブチルメタクリレート 54重量 部、 (8)式に対応するトリ η—才クチルー (3および 4) 一ビニルベンジルホ スホニゥムクロライド 1重量部、 メチルジ (トリメチルシロキシ) シリルプロピ ルメタクリレート 44重量部、 エチレングリコールジメタクリレート 0.7重量 部、 イソプロピルパーカーボネート 0.3重量部を室温でよく混合した。 この混 合液をガラス製試験管に注入し、 脱気後、 窒素封入した。 この試験管をプログラ ムコントローラーで温度制御する温水槽に浸漬し、 28°Cで 6時間、 30°Cで 4 時間、 32°Cで 3時間、 40°Cで 2時間、 50°Cで 2時間、 60°Cで 1.5時間、 80°Cで 2時間、更に大気炉中 100°Cで 2時間加熱し、 重合を行った。 得られ た共重合体の丸棒を切断し、 切削、 研磨後コンタクトレンズを得た。
(2)抗菌性の測定,菌数測定法
以下の操作は全て無菌的に行った。
ィ、 菌の培養: 以下の菌を、 それぞれ、 斜面培地で 37°C、 16〜24時間 少なくとも 3代継代し、 ブイヨン 8〜10mlに移植、 37°C、 16〜24時間 培養して菌液とする。 この菌は 15°Cに保存し、 3日以内に使用した。
口、 検定菌: 大腸菌 (Escherichia coli IFO 3806) および黄色ブドウ球菌
(Staphylococcus aureus ATCC 6538P) を用いた。
ハ、 抗菌性の評価: それぞれの菌を普通ブイョン培地を用い、 1 m 1当りの 菌数が 5. Ox 105〜3.0 10β個となるように調製した。 上記 (1) で調製 し、 低温殺菌したコンタクトレンズを上記菌液 lmlに浸潰し、 37°Cで菌液に コンタク トレンズを接触させた。 接触 0、 0.5、 1、 2時間後の培養液を滅菌 緩衝生理食塩水で希釈後、 菌数測定用培地 (栄研化学社製、 標準寒天培地) を使 用した混釈平板培養法 (37°C、 2日間) により測定した。
(実施例 7 )
(1) コンタク トレンズの作製
メチルメタクリレート 94.8重量部、 トリエチレングリコールジメタクリレ ート 4重量部、 (2)式に対応するトリ n—才クチルァリルホスホニゥムクロラ イド 1重量部、 ァゾビス (2, 4—ジメチルバレロニトリル) 0.2重量部をよ く混合し、 この混合物をガラス製試験管に入れ、 内部を窒素置換、 脱気を繰り返 し、 真空下溶封した。 この封管を、 温水中 30°Cで 10時間、 40°Cで 5時間、 50°Cで 5時間、 60°Cで 3時間、 70°Cで 3時間加熱し、 更に大気炉中 100 °Cで 2時間加熱して重合を行い、 丸棒を得た。 得られた棒を切削加工し、 コンタ クトレンズを作製した。
(2)抗菌性の測定 ·菌数測定法
実施例 6と同様に行った。
(実施例 8)
(1) コンタクトレンズの作製: 2—ヒドロキシェチルメタクリレート 95. 7重量部、 エチレングリコールジメタクリレート 2重量部、 イソプロピルパー力 ーボネート 0.3重量部、 (3)式に対応するトリ n—ォクチルビノキシカルボ ニルホスホニゥムクロライドおよび表 13および 14に示される化合物 1重量部 をよく混合し、 この混合物をガラス製試験管に入れ、 内部を窒素置換、 脱気を繰 り返し、 真空下溶封した。 この封管を、 温水中 30°Cで 10時間、 40°Cで 5時 間、 50°Cで 5時間、 60°Cで 3時間、 70°Cで 3時間加熱し、 更に大気炉中 1 00°Cで 2時間加熱して重合を行い、 丸棒を得た。 得られた棒を切削加工し、 コ ンタクトレンズを得た。 このレンズを純水中で膨潤させ、 洗浄した後、 生理食塩 水に浸漬して、 所定量の吸水をさせると同時に、 溶出物の溶出を完結させた。
(2)抗菌性の測定 ·菌数測定法
実施例 6と同様に行った。
(実施例 9 )
(1) コンタク トレンズの作製: 2, 3—ジヒドロキシプロピルメタクリレー ト 72.7重量部、 メチルメタクリレート 25重量部、 エチレングリコールジメ タクリレート 1重量部、 (1)式に対応するトリ n—才クチルメタクリル酸ホス ホニゥムクロライ ドおよび表 16および 17に示される化合物 1重量部、 イソプ 口ピルパーカーボネート 0.3重量部をよく混合し、 この混合物をガラス製試験 管に入れ、 内部を窒素置換、 脱気を繰り返し、 真空下溶封した。 この封管を、 温 水中 30°Cで 10時間、 40°Cで 5時間、 50°Cで 5時間、 60°Cで 3時間、 7 0°Cで 3時間加熱し、 更に大気炉中 100°Cで 2時間加熱して重合を行い、 丸棒 を得た。 得られた棒を切削加工し、 コンタク トレンズを得た。 このレンズを純水 中で膨潤させ、 洗浄した後、 生理食塩水に浸漬して、 所定量の吸水をさせると同 時に、 溶出物の溶出を完結させた。
( 2 ) 抗菌性の測定 ·菌数測定法
実施例 6と同様に行った。
(実施例 10 )
(1) コンタク トレンズの作製: 2, 3—ジヒドロキシプロピルメタクリレー ト 71.95重量部、 メチルメタクリレート 26重量部、 エチレングリコールジ メタクリレート 1重量部、 トリ n—ォクチルビニルベンジルホスホニゥムクロラ イ ド 1重量部、 2, 4, 6—トリメチルベンゾィルジフヱニルホスフィンォキサ イ ド 0.05重量部をよく混合し、 この混合物の脱気、 窒素置換を行った。 この 混合物をコンタクトレンズの形状に成形したガラス製型に滴下し、 これに 80W Z cm高圧水銀ランプを用いて距離 10 cmで 100秒間紫外線を照射した。 得 られたコンタク トレンズを純水中で膨潤させ、 洗浄した後、 生理食塩水に浸潰し て、 所定量の吸水をさせると同時に、 溶出物の溶出を完結させた。
(2)抗菌性の測定 ·菌数測定法
実施例 6と同様に行った。
(実施例 11 )
(1) コンタク トレンズの作製: N, N—ジメチルアクリルアミ ド 50重量部、
トリス (トリメチルシ口キシ) シリルプロピルメタクリレート 30.7重量部、 2, 2, 2, 一トリフルォロェチルメタクリレート 17重量部、 エチレングリコ ールジメタクリレート 1重量部、 (2)式に対応するジメチル n—へキサデシル ァリルホスホニゥムクロライドおよび表 20および 21に示される化合物 1重量 部、 イソプロピルパーカーボネート 0.3重量部をよく混合し、 この混合物をガ ラス製試験管に入れ、 内部を窒素置換、 脱気を繰り返し、 真空下溶封した。 この 封管を、 温水中 30°Cで 10時間、 40°Cで 5時間、 50°Cで 5時間、 60°Cで 3時間、 70°Cで 3時間加熱し、 更に大気炉中 100°Cで 2時間加熱して重合を 行い、 丸棒を得た。 得られた棒を切削加工し、 コンタクトレンズを得た。 このレ ンズを純水中で膨潤させ、 洗浄した後、 生理食塩水に浸潰して、 所定量の吸水を させると同時に、 溶出物の溶出を完結させた。
( 2 ) 抗菌性の測定 ·蘭数測定法
実施例 6と同様に行った。
(実施例 12 )
(1) コンタクトレンズの作製: 2, 3—ジヒドロキシプロピルメタクリレー ト 73.7重量部、 メチルメタクリレート 25重量部、 エチレンダリコールジメ タクリレート 1重量部、 イソプロピルパーカーボネート 0.3重量部をよく混合 し、 この混合物をガラス製封管に入れ、 内部を窒素置換、 脱気を繰り返し、 真空 下溶封した。 この封管を、 温水中 30°Cで 10時間、 40°Cで 5時間、 50°Cで 5時間、 60°Cで 3時間、 70°Cで 3時間加熱し、 更に大気炉中 100°Cで 2時 間加熱して重合を行い、 丸棒を得た。 得られた棒を切削加工し、 コンタクトレン ズを得た。
(2) プラズマ処理: 次に、 このコンタクトレンズを、 プラズマ重合装置内 で、 真空度 0. ltorrの空気雰囲気中、 放電周波数 13.56 MHz.放電電力 2 00Wで 30秒間低温プラズマ処理した。
(3) グラフト重合: プラズマ処理したコンタクトレンズをトリ n—才クチ ルベンジルホスホニゥムクロライドのベンゼン溶液に浸漬し、 60°C1時間加温 し、 レンズ表面に (2)式に対応するトリ n—ォクチルァリルホスホニゥムクロ ライドをグラフト重合させた。 また、 同様の手順において、 (1) 、 (3) およ び (8)式に対応する化合物 (それぞれ表 23、 24および 25に示される) も
グラフ卜重合させた。
(4)膨潤及び溶出: このレンズを純水中で膨潤させ、 洗浄した後、 生理食 塩水に浸漬して、 所定量の吸水をさせると同時に、 溶出物の溶出を完結させた。
(5)抗菌性の測定 ·菌数測定法
実施例 6と同様に行った。
(実施例 13 )
(1) コンタクトレンズの作製: N, N—ジメチルァクリルァミ ド 50重量部、 トリス (トリメチルシロキシ) シリルプロピルメタクリレート 31.7重量部、 2, 2, 2,—トリフルォロェチルメタクリレート 17重量部、 エチレンダリコー ルジメタクリレート 1重量部、 イソプロピルパーカーボネート 0.3重量部をよ く混合し、 この混合物をガラス製試験管に入れ、 内部を窒素置換、 脱気を繰り返 し、 真空下溶封した。 この封管を、 温水中 30°Cで 10時間、 40°Cで 5時間、 50°Cで 5時間、 60°Cで 3時間、 70°Cで 3時間加熱し、 更に大気炉中 100 でで 2時間加熱して重合を行い、 丸棒を得た。 得られた棒を切削加工し、 コンタ クトレンズを得た。 ;
(2) 紫外線による抗菌剤の表面グラフト : 得られたコンタクトレンズを 0. 2Π1Ο 1 ベンゾフエノン、 0.5mo lZl トリ n—才クチルー 4ービニ ルペンジルホスホニゥムクロライド ( (2) 式に対応する) を含むベンゼン溶液 に浸漬し、 水銀ランプにて紫外線を 5分間照射し、 コンタクトレンズ表面に抗菌 剤をグラフト重合させた。 また、 同様の手順において、 (1)、 (3) および (8 ) 式に対応する化合物 (それぞれ表 27、 28および 29に示される) もグラフ ト重合させた。
(3)膨潤及び溶出: このレンズを純水中で膨潤させ、 洗浄した後、 生理食 塩水に浸漬して、 所定量の吸水をさせると同時に、 溶出物の溶出を完結させた。
( 4 ) 抗菌性の測定 ·菌数測定法
実施例 6と同様に行った。
(実施例 14)
(1)抗菌性樹脂粉末の合成: メチルメタクリレート 89.8重量部、 (2) 式に対応するトリ n—才クチルァリルホスホニゥムクロライドおよび表 31、 3 2および 33に示される化合物 (それぞれ (1)、 (3) および (8)式に対応
する) 10重量部、 ァゾビス (2, 4—ジメチルバレロニトリル) 0.2重量部 をよく混合し、 この混合物をガラス製試験管に入れ、 内部を窒素置換、 脱気、 封 管した。 この封管を、 温水中 70°Cで 6時間加熱して重合を行い、 丸棒を得た。 得られた棒を粉砕し、 抗菌性樹脂粉末を作製した。
(2)抗菌性コンタクトレンズ保存容器の作製: ポリエチレン 90重量部及 び (1) で作製した抗菌性樹脂粉末 10重量部をよく混合し、 射出成形し、 コン タクトレンズ保存容器を作製した。
(3)抗菌性の測定:菌数測定法:実施例 6と同様の方法で行った。 なお、 黄 色ブドウ球菌は、 I F012732を用いた。
(実施例 15)
(1) コンタクトレンズの作製: Ν,Ν—ジメチルアクリルアミ ド 50重量部、 トリス (トリメチルシロキシ) シリルプロピルメタクリレート 31.7重量部、 2, 2, 2, -トリフルォロェチルメタクリレート 17重量部、 エチレングリコー ルジメタクリレート 1重量部、 イソプロピルパーカーボネート 0.3重量部をよ く混合し、 この混合物をガラス製試験管に入れ、 内部を窒素置換、 脱気を繰り返 し、 真空下溶封した。 この封管を、 温水中 30 °Cで 10時間、 40°Cで 5時間、 50°Cで 5時間、 60°Cで 3時間、 70°Cで 3時間加熱し、 更に大気炉中 100 でで 2時間加熱して重合を行い、 丸棒を得た。 得られた棒を切削加工し、 コンタ クトレンズを得た。 ;
(2)得られたコンタクトレンズに、 トリオクチルホスフィン 50.5 lg (0. 1300モル) を添加し、 重合体の官能基を転換させ、 結果として (2)式に対 応する化合物がコンタクトレンズに付与されるようにした (表 34)。 また、 同 様の手順において、 種々のトリアルキルホスフィンを用い、 結果として (1)、
(3) および (8)式に対応する化合物 (それぞれ表 35、 36および 37に示 される) がコンタクトレンズに付与されるようにした。
(3)膨潤及び溶出: このレンズを純水中で膨潤させ、 洗浄した後、 生理食 塩水に浸潰して、 所定量の吸水をさせると同時に、 溶出物の溶出を完結させた。
( 4 ) 抗菌性の測定 ·菌数測定法
実施例 6と同様に行った。
以下の表に実施例 6〜 15の抗菌活性の結果を示す。
表 10 コンタク トレンズの抗菌活性
(接触培養後の残存蘭数 Zm 1 ) 実施例 接 触 時 間 (時間)
番 号 0 0.5 1.0 2.0 実施例 6 7.1X105 3.6X104 l.lxlO4 l.lxlO3 対 照 6 IF03806 7.1X105 6.3X105 5.6X105 3.5X105 実施例 6 黄色ブト'ゥ球菌 2.5X106 1.6 103 4.0X102 1.2X102 対 照 6 職 2732 2.5X106 1.3X106 1.3x10s 1.1X105
表 11 コンタク トレンズの抗菌活性
(接触培養後の残存菌数/ m 1 ) 実施例 菌の種類 接 触 時 間 (時間)
番 号 0 0.5 1.0 2.0 実施例 7 大腸菌 2.1X105 6.2X103 7.9X102 1.7X102 対 照 7 IF03806 2.1X105 2.4X105 2.5X105 1.3xl057 実施例 7 黄色プ隱 1.3X106 4.0X103 3.2X102 40 対 照 7 IF012732 1.3X106 ι.οχΐο6 7.5 x10s 6.3X105
表 12 コンタク トレンズの抗菌活性
(接触培養後の残存菌数 Zm 1 ) 実施例 接 触 時 間 (時間)
番 号 0 0.5 1.0 2.0 実施例 8 大腸菌 1.7X105 5. IX 10s 1.4X103 6.3X102 対 照 8 IF03806 1.7X105 1.4X105 1.5X105 1. lxlO5 実施例 8 黄色プ围 5.1X106 4.0X103 3.2X102 40 対 照 8 画 2732 5.1X106 4.4X106 3.3X106 3.5X105
表 13 コンタク トレンズの抗菌活性
(3) 式に対応する化合物
X=C1, Y=CH
2)
(接触培養後の残存菌数 m 1 ) 実施例 接 触 時 間 (時間)
番 号 0 0.5 1.0 2.0 実施例 8 大腸菌 1.8X105 1.2X103 4.0X105 1.7xl05 対 照 8 IF0 3806 1.8X105 1.4X105 7.0X104 5.7X104 実施例 8 黄色プ围 1.6X106 1.1X106 3.6X105 8.0X104 対 照 8 画 2732 1.6X106 2.0X106 2.1X106 6.4X105 表 14 コンタク トレンズの抗菌活性
(3) 式に対応する化合物 (B1=R2=CH3, B3=C16H33, X=C1, Y=CH2)
(接触培養後の残存菌数ノ m 1 ) 実施例 菌の種類 接 触 時 間 (時間)
番 号 0 0.5 1.0 2.0 実施例 8 大腸菌 1.8X105 1.2X103 4.0X105 1.7X105 対 照 8 IF0 3806 1.8X105 1.4X105 7.0X104 5.7X104 実施例 8 黄色プ画 1.6X106 l.lxlO6 3.6X105 8.0X104 対 照 8 画 2732 1.6X106 2.0X106 2.1X106 6.4X105 表 15 コンタク トレンズの抗菌活性
(接触培養後の残存菌数 Zm 1 ) 実施例 菌の種類 接 触 時 間 (時間)
番 号 0 0.5 1.0 2.0 実施例 9 大腸菌 7.1X105 9.8X104 2.4X104 9.3X103 対 照 9 IF0 3806 7.1X105 7.7X105 8.1X105 5.9X105 実施例 9 黄色ブト'ゥ球菌 2.2 106 2.6 X 10s 1.5X102 0 対 照 9 画 2732 2.2X106 2.1X106 1.9 106 2.0x10s
表 16 コンタク トレンズの抗菌活性
(1)式に対応する化合物 (E^B^RSK^Hg, X=C1, Y=CH2)
. (接触培養後の残存菌数 m 1 ) 実施例 菌の種類 接 触 時 間 (時間)
番 号 0 0.5 1.0 2.0 実施例 9 大腸菌 7.1X105 8.2X105 4.7X105 2.5X105 対 照 9 IF03806 7.1X105 7.7X105 8.1X105 5.9X105 実施例 9 黄色ブト'ゥ球菌 2.2X106 3.0 105 1.1X105 6.2X104 対 照 9 IF012732 2.2X106 2.1X106 1.9X106 2.0X106 表 17 コンタク トレンズの抗菌活性
(1)式に対応する化合物 (E^R^CHs, B3=C16H33, X=C1, Y=CH2)
(接触培養後の残存菌数 Zm 1 ) 実施例 菌の種類 接 触 時 間 (時間)
番 号 0 0.5 1.0 2.0 実施例 9 大腸菌 7.1X105 5.6X104 1.4X102 0 対 照 9 IF03806 7.1X105 7.7X105 8.1X105 5.9X105 実施例 9 黄色ブト'ゥ球菌 2.2X106 2.0X102 0 0 対 照 9 IF012732 2.2X106 2.1X106 1.9X106 2.0X106 表 18 コンタクトレンズの抗菌活性
(接触培養後の残存菌数 m 1 ) 実施例 菌の種類 接 触 時 間 (時間)
番 号 0 0.5 1.0 2.0 実施例 10 大腸菌 7.1X105 1.4X105 3.6X104 2.8X103 対 照 10 IF03806 7.1X105 7.7X105 8.1X105 5.9X105 実施例 10 黄色プ隱 2.2X106 5.0X104 2.3X103 4 対 照 10 画 2732 2.2X106 2.1X106 1.9X106 2.0X108
表 19 コンタク トレンズの抗菌活性
(接触培養後の残存菌数 Zm 1 ) 実施例 菌の種類 接 触 時 間 (時間)
番 号 0 0.5 1.0 2.0 実施例 11 大腸菌 7.6X105 5.1X103 53 0 対 照 11 IF03806 7.6X105 3.6X105 2.2X105 1.1X105 実施例 11 黄色ブト'ゥ球菌 4.8X106 . 0 0 0 対 照 11 IF012732 4.8X106 1.0X106 7.9 105 6.5X105 表 20 コンタク トレンズの抗菌活性
(2)式に対応する化合物 (R1=R2=R3=C4H9, X-C1, Y=CH2)
(接触培養後の残存菌数 m 1 ) 実施例 蘭の種類 接 触 時 間 (時間)
番 号 0 0.5 1.0 2.0 実施例 11 大腸菌 6.8X104 6.0X104 3.8X104 1.9X104 対 照 11 IF03806 6.8X104 6.2X104 6.9X104 6.9X104 実施例 11 黄色プ嶋 1.5X104 9.8x10s 4.5X103 1.1X103 対 照 11 IF012732 1.5X104 1.6X104 1.7X104 6.9X103 表 21 コンタク トレンズの抗菌活性
(2) 式に対応する化合物 ( 2=CH3, Rs=Ci eH33. X=C1, Y=CH2)
(接触培養後の残存菌数 Zm 1 ) 実施例 菌の種類 接 触 時 間 (時間)
番 号 0 0.5 1.0 2.0 実施例 11 大 J¾菌 6.8X104 5.2X102 1.3x10 1.9X104 対 照 11 IF03806 6.8X104 6.2X104 6.9X104 6.9X104 実施例 11 黄色ブト'ゥ球菌 1.5X104 0 0 0 対 照 11 IF012732 1.5X104 1.6X104 1.7X104 6.9 X 10s
表 22 コンタク トレンズの抗菌活性
表 23 コンタク トレンズの抗菌活性
(1) 式に対応する化合物 (R^R^R^CeH^, X=C1, Y=CH2)
(接触培養後の残存菌数 m 1 ) 実施例 接 触 時 間 (時間)
番 号 0 0.5 1.0 2.0 実施例 12 大腸菌 6.8X104 4.6X103 0 0 対 照 12 IF03806 6.8X104 6.2X104 6.9X104 6.9X104 実施例 12 黄色ブト 'ゥ球菌 1.5X104 1.6X102 0 0 対 照 12 蘭 2732 1.5X104 1.6X104 1.7X104 6.9X103 表 24 コンタク トレンズの抗菌活性
(接触培養後の残存菌数 Zm 1 ) 実施例 接 触 時 間 (時間)
番 号 0 0.5 1.0 2.0 実施例 12 大腸菌 6.8X104 4.7X103 69 0 対 照 12 IF03806 6.8X104 6.2X104 6.9X104 6.9X104 実施例 12 黄色プ隱 1.5X104 1.6X102 0 0 対 照 12 画 2732 1.5X104 1.6X104 1.7X104 6.9X103 表 25 コンタク トレンズの抗菌活性
(接触培養後の残存菌数 Zm 1 ) 実施例 菌の種類 接 触 時 間 (時間)
番 号 0 0.5 1.0 2.0 実施例 12 大腸菌 6.8X104 5.3X103 3.0X102 98 対 照 12 IF03806 6.8X104 6.2X104 6.9X104 6.9X104 実施例 12 黄色ブト 'ゥ球菌 1.5X104 1.2X103 37 0 対 照 12 IF012732 1.5X104 1.6X104 1.7X104 6.9X103
表 26 コンタク トレンズの抗菌活性
(接触培養後の残存菌数 m 1 ) 実施例 接 触 時 間 (時間)
番 号 0 0.5 1.0 2.0 実施例 13 大腸菌 2.1X106 0 0 0 対 照 13 IF03806 2.1X106 2.0X105 1.8x10s 1.9X105 実施例 13 黄色プ圆 5.4X105 0 0 0 対 照 13 IF012732 5.4X105 3.0X105 1.7X105 2.2X105 表 27 コンタク トレンズの抗菌活性
(接触培養後の残存菌数/ m 1 ) 実施例 菌の種類 接 触 時 間 (時間)
番 号 0 0.5 1.0 2.0 実施例 13 大腸菌 6.5X105 0 0 0 対 照 13 IF03806 6.5X105 8.1X105 7.9X105 3.5X105 実施例 13 黄色ブト'ゥ球菌 1.2X108 0 0 0 対 照 13 IF012732 1.2X106 9.4X105 6.6X105 1.1 106 表 28 コンタク トレンズの抗菌活性
(接触培養後の残存菌数 m 1 ) 実施例 菌の種類 接 触 時 間 (時間)
番 号 0 0.5 1.0 2.0 実施例 13 大腸菌 6.5X105 58 0 0 対 照 13 IF03806 6.5X105 8.1X105 7.9X105 3.5X105 実施例 13 黄色プ嶋 1.2X106 2.5X102 0 0 対 照 13 画 2732 1.2X106 9.4X105 6.6X105 1.1X106
表 29 コンタク トレンズの抗菌活性
(接触培養後の残存菌数 1 )
表 30 コンタクトレンズ保存容器の抗菌活性 (8)式に対応する化合物
X=C1)
(接触培養後の残存菌数 Zm 1 ) 実施例 接 触 時 間 (時間)
番 号 0 0.5 1.0 2.0 実施例 14 大腸菌 4.4X10
6 5.2X10
5 ι.οχΐο
4 3.1X10
3 対 照 14 IF03806 4.4X10
6 4.2X10
6 4.5X10
5 1.1X10
5 実施例 14 黄色ブト'ゥ球菌 9.5X10
6 4.3X10
5 5 . 0 対 照 14 IF012732 9.5X10
6 9.0X10
6 3.4X10
5 2.1X10
4 表 31 コンタク トレンズ保存容器の抗菌活性 (1)式に対応する化合物
X=C1, Y=CH
2)
(接触培養後の残存菌数ノ m 1 ) 実施例 菌の種類 接 触 時 間 (時間)
番 号 0 0.5 1.0 2.0 実施例 14 大腸菌 9.5X103 2.4X103 1.0X103 17 対 照 14 IF03806 9.5X103 6.3X103 7.9X103 1.2X102 実施例 14 黄色ブ围 3.1X104 2.0X104 6.6X102 0 対 照 14 IF012732 3.1X104 9.8X103 3.0X103 6.2X102
表 32 コンタク トレンズ保存容器の抗菌活性
(3) 式に対応する化合物 ( =82=1?3=(81117, X=C1, Y=CH2)
(接触培養後の残存菌数 Zm 1 ) 実施例 菌の種類 接 触 時 間 (時間)
番 号 0 0.5 1.0 2.0 実施例 14 大腸菌 9.5X10
3 4.3X10
3 5.0X10
3 25 対 照 14 IF03806 9.5X10
3 6.3X10
3 7.9X10
3 1.2X10
2 実施例 14 黄色プト'ゥ球菌 3.1X10
4 2.1X10
4 3.2X10
2 0 対 照 14 画 2732 3.1X10
4 9.8X10
3 3.0X10
3 1.3X10
3 表 33 コンタク トレンズ保存容器の抗菌活性 (8) 式に対応する化合物
X=C1)
(接触培養後の残存菌数 Zm 1 ) 実施例 菌の種類 接 触 時 間 (時間)
番 号 0 0.5 1.0 2.0 実施例 14 大 fe菌 9.5X103 6.3X103 1.5X103 79 対 照 14 IF03806 9.5X103 6.3X103 7.9X103 1.2X102 実施例 14 黄色ブト'ゥ球菌 3.1X104 1.8X104 7.2X102 0 対 照 14 腿 2732 3.1X104 9.8X103 3.0X103 1.3X103 表 34 コンタク トレンズの抗菌活性
(接触培養後の残存蘭数/ m 1 ) 実施例 菌の種類 接 触 時 間 (時間)
番 号 0 0.5 1.0 2.0 実施例 15 大腸菌 2.1X108 0 0 0 対 照 15 IF03806 2.1X106 2.0X105 1.8X105 1.9X105 実施例 15 黄色ケ隱 5.4X105 0 0 0 対 照 15 IF012732 5.4X105 3.0X105 1.7X105 2.2X105
表 35 コンタク トレンズの抗菌活性
(接触培養後の残存菌数 m 1 ) 実施例 接 触 時 間 (時間)
番 号 0 0.5 1.0 2.0 実施例 15 大腸菌 4.1X104 0 0 0 対 照 15 IF0 3806 4.1X104 1.5x10s 4.2X104 3.0X104 実施例 15 黄色プ關 2.7X105 0 0 0 対 照 15 画 2732 2.7X105 1.9X105 l.lxlO5 1.8X105 表 36 コンタク トレンズの抗菌活性
(3) 式に対応する化合物
X=C1, Y=CH
2)
(接触培養後の残存菌数 Zm 1 ) 実施例 接 触 時 間 (時間)
番 号 0 0.5 1.0 2.0 実施例 15 大腸菌 4.1X104 25 0 0 対 照 15 IF0 3806 4.1X104 1.5X105 4.2X104 3.0 104 実施例 15 黄色ブト'ゥ球菌 2.7X105 2.0X102 0 0 対 照 15 IF012732 2.7X105 1.9X105 1. IxlO5 1.8x10s 表 37 コンタク トレンズの抗菌活性
(接触培養後の残存菌数ノ m 1 ) 実施例 菌の種類 接 触 時 間 (時間)
番 号 0 0.5 1, 0 2.0 実施例 15 大腸 4. IxlO4 4.0X102 0 0 対 照 15 IF0 3806 4.1X104 1.5X104 4.2X104 3.0X104 実施例 15 黄色ブト'ゥ球菌 2.7X105 5.0X103 7.9X102 0 対 照 15 IF012732 2.7X105 1.9X105 1.1X105 1.8X105
結果は各接触時間後の残存菌数を示す。 実施例 6〜1 1に於ける対照とは抗菌 性物質を含まず、 その他の組成は同一のコンタクトレンズ素材をさす。 また、 実 施例 1 2〜1 3および 1 5に於ける対照とは抗菌性物質を表面処理していないコ ンタクトレンズ素材をさす。 実施例 1 4に於ける対照とは抗菌性物質を含まず、 その他の組成は同一のコンタクトレンズ保存容器をさす。 接触時間に対し、 菌数 の減少が著しいほど殺菌活性が強いことを示す。
実施例に示したコンタクトレンズおよびコンタクトレンズ保存容器をそれぞれ 煮沸して溶出の有無を確認した。 いずれのコンタクトレンズからもコンタクトレ ンズ保存容器からも抗菌性物質の溶出は確認されなかった。 産業上の利用の可能性
本発明によって、 広い抗菌スぺクトルを有し、 かつ短時間の接触で十分な抗菌 効果を有する抗菌性重合体が得られる。 本発明の重合体は、 抗微生物活性が高く、 抗菌性重合体として有用である。 本発明の抗菌性重合体は、 例えば外用抗菌剤、 織維、 衛生加工用品、 塗料および建築材料、 プール、 工業用水、 抗菌性家庭用品、 コンタクトレンズおよびコンタクトレンズのケアに係るプラスチック製品等に利 用できる。 また、 同時に帯電防止性、 難燃性、 防汚性も付与することができる。 本発明の抗菌性重合体は、 球状またはペレツト状に成形し、 カラム等に充填する ことにより、 空気または水の除菌を目的としたフィルターとしても使用できる。 また、 本発明のコンタクトレンズおよびコンタクトレンズケア製品は、 長期に わたり細菌、 カビ等の微生物による汚染が殆ど発生しないため、 繁雑な殺菌操作 を必要としない。 しかも本発明のコンタクトレンズは、 使用する上で必要な光学 性能、 加工性、 強度、 安全性を十分に備えているものである。