明細書 発明の名称
光ディスク装置 技術分野
本発明は光ディスク装置に関し、 特に例えばコンピュータの記憶装置、 音 楽情報記憶装置、 画像情報記憶装置などの情報記憶装置に適用して好適なも のである。 背景技術
情報が増大する現在、 この種のコンピュータの記憶装置、 コンパク トディ スク、 ビデオディスク等の音楽及び画像情報の記憶装置としての光ディスク において、 より一層の高密度化が進んでいる。
この高密度化の 1つの方法として、 光学的記録ないし再生を行う光ピック アップの対物レンズの開口数 N Aを、 従来のコンパク トディスク、 ビデオデ イスク等における開口数 N Aより大きくする方法が考えられる。
しかしながら、 このように対物レンズの開口数 N Aを大きくすると、 光デ イスク上に結像したスポットのコマ収差が光ディスクに傾き (スキュー) が 生じたとき大きくなり、 その結果、 例えば再生波形歪みが大きくなつたり、 符号間に結合が生じたり、 記憶トラック間にクロストークが生じたりする問 題がある。
因に光ディスク再生装置において、 半径方向だけではなく、 記録トラック 方向にも、 情報記録面の光スポット形状が楕円形状に変化した場合には、 光 スポットの長軸方向が記録トラックの延長方向と一致すると、 再生信号に符 号間干渉が発生することにより、 高密度記録により順次続く ピットが近接し て来ると、 記録情報を正しく再生し得なくなる。
これに対して当該長軸方向が光ディスクの半径方向と一致する状態になる と、 記録トラック間でクロストーク力発生することにより、 高密度記録によ り トラックピッチカ《狭くなつて来ると記録情報を正しく再生し得なくなる。 また、 光ディスク再生装置において、 コマ収差による光スポットの点像分 布 (ポイント 'スプレッド ·ファンクション) 、 線強度分布 (ライン 'スプ レッド♦ファンクション) が非対称になるために、 通常用いられている例え ば固定 3タップ型イコライザによって再生波形歪みを十分に捕正することが できなくなる。
すなわち、 光ディスクは、 例えばコンパクトディスクとして用いられてい るように、 1. 2 [mm] 程度の厚さを有する透明基板を有し、 この透明基板 の表面透明部材を介して情報記録面に光ビームを集束させるように照射し、 例えばその反射光によつて情報信号を再生する。
従って、 この場合、 光ディスクの情報記録面が対物レンズの光軸に対して 領くと、 次式に示すようにコマ収差が開口数 N Aの約 3乗及びスキュー量の 約 1乗に比例するように発生する。
すなわちコマ収差をザイデルの収差係数式で表すと、
Td (Nd2 一 l) Nd2 sin ^ d cos Θ d
W31d = NAO ( 1 )
(Nd2一 sin2 0 d) 5/2 となる。 ここで 0 dは十分小さいので、 ( 1 ) 式は
Td Nd2- 1
觀 = NAd3 Θ d ( 2 )
2 のように変形できる。
ただし、 W 3 1 dは 3次のコマ収差、 T dは光ディスクの透明基板の厚さ、 N dは光ディスクの透明基板の屈折率、 N A 0は対物レンズの開口数 N Aで ある。
ここで、 開口数 NAが NA-0.6 のようにコンパク トディスクの 1.33倍も あるような場合は、 コンパク トディスク (開口数 NA = 0.45) と同じディス クスキュー量では 2.37倍もコマ収差が発生することになる。 言い換えれば、 コンパク トディスクにおいて NA = 0.45のときディスクスキュー量が 0.6。 まで許容できたとすると、 NA = 0.6 にした場合、 ディスクスキュー量の許 容値は、 0.25° のように一段と小さくなる。
ところで、 光ディスクにおいては、 その半径方向 (ラジアル方向) 及び円 周方向 (タンジェンシャル方向) の反り及びうねりや、 光ディスクの装着面 の本来の配置基準面からの傾きなどが原因となって、 ディスクスキューを完 全に排除ないし小さくすることが実際上困難である。
このようにしてコマ収差等に基づいて波面が歪むと、 光ディスク上に結像 する光スポットの光強度分布が非対称になる。
すなわち第 1図 (A) 及び (B) 〜第 4図 (A) 及び (B) に、 光デイス クをそれぞれ 0 ° 、 0.1 β 、 0.2 ° 、 0.3 ° だけ傾けたときの光ディスク上 の光スポットの点像分布が及び線強度分布を示すように、 光ディスクを傾け るに従って波面の歪みに基づいて光スポッ卜の光強度はサイ ドローブが非対 称に持ち上がるために、 非対称性が著しくなる。
ここで第 1図 (Α) 〜第 4図 (Α) において、 上方への突出面は光デイス ク平面上の光スポットの照射面内の各位置における光強度をリニア表示した ものであり、 また第 1図 (Β) 〜第 4図 (Β) における曲線は光スポットの 中心を通る仮想線上の各位置、 一 1.5、 —1.0、 _0.5、 0、 0.5、 1.0、 1.5 (横軸 [〃m] ) における光強度、 0、 一10、 一 20、 一30、 一40、 -50 (縦軸 [d B] ) を対数表示したものである。
このようにして、 タンジェンシャル方向のディスクスキューは、 光スポッ トの光強度分布特性のうちサイ ドローブの持ち上がりに基づいて発生し、 そ の結果符号間干渉を著しく増加させていることが分かる。
第 5図 (A) 及び第 6図 (A) に、 ディジタル信号の例として、 タンジェ
ンシャル方向 (円周方向) のディスクスキューが、 0。 及び 0, 3。 のときの 再生信号の波形 (すなわち E F M再生波形) を示す。 両者を比較して明らか なように、 0 。 の場合に比し、 スキューが大きい 0. 3° の場合の方が明らか に、 E F M再生波形の波形歪みが大きくなり、 いわゆるアイパターンが閉じ る方向にあり、 正確に信号を抜き取ることが困難となる。
ここで、 第 5図 (A) 及び第 6図 (A) は光ディスク装置の固定 3タップ 型イコライザの入力信号を示し、 また第 5図 (B ) 及び第 6図 (B ) は当該 固定 3タップ型イコライザの出力信号を示す。
これに対してアナログ信号を用いた場合には、 タンジェンシャル方向 (円 周方向) のディスクスキューが増加すると、 CZNが減少し、 かつ群遅延が 発生し、 特にビデオディスクの場合は色むらが画面上に現れるという問題が ある。
また、 ラジアル方向 (半径方向) のディスクスキューは、 光スポットの強 度分布の非対称性 (サイドローブの持ち上がり) により、 瞵のトラックを再 生するためにクロストークが大きくなるという問題がある。
すなわち第 7図に示すように、 ラジアル方向 (半径方向) のディスクスキ ユーに対するクロストーク量は、 ディスクスキューが 0。 の場合に比して、 ± 0. 3 。 の場合、 そのクロストークは、 15[ d B ] も大きくなつている。 つまり、 ディジタル信号及びアナログ信号いずれの場合も、 ラジアル方向 (半径方向) のディスクスキューが増加すれば、 クロストークが増大し、 か つ C ZNが減少する。 特にビデオディスク等では隣のトラックの水平同期信 号が画面上に現れる (隣のトラックの水平同期信号が画面上を右から左へ又 は左から右へゆつくり流れたりする) という問題が生じる。
このような問題を解決する方法として、 従来光ピックァップ全体の傾きを ラジアル方向 (半径方向) に制御することによりスキューを補正する方法が 提案されている力、 この従来の構成の場合、 第 1にその傾き制御のための可 動部が比較的大型かつ重量が重くなるため、 応答速度を十分髙めることがで
きなくなるおそれがある。
因に、 光ディスクが回転する際に生ずる 0. Γ 〜 0.2β 程度のスキューは、 その周波数が数十〜百数十 [Hz]程度に高くなるので、 上述のように比較
* 的大重量の光ピックァップを全体として制御してスキューを補正することが
5 困難になる。
また、 この従来の構成の場合第 2に、 光ディスクに対して光ピックアップ 全体をラジアル方向 (半径方向) に関して傾けて、 その光軸が、'光ディスク 面に対して垂直に保つようにラジアルスキュー方向だけのスキューサ一ボを 第 8図に示すィコライザを用いて、 再生波形歪みを電気的に補正しながら実
10 行するようになされている。
第 8図のイコライザ固定 3タップ型の遅延回路によるトランスバーサルフ ィルタ型のイコライザによって構成され、 第 8図の 3タップ型イコライザ E Qは、 遅延回路 D L 1及び D L 2、 固定ゲイン增幅回路 AM 1、 AM 2及び AM 3、 並びに加算回路 AD 1を有する。 遅延回路 DL 1及び DL 2は、 入
15 力信号に対しそれぞれ単位遅延量てを順次与えるようになされ、 かく して順 次単位遅延量 だけ異なるタイミングの 3つの遅延信号 h (t-r, ) 、 h (t) 及び h ) がそれぞれ増幅回路 AMI、 AM 2及び AM 3 において重み付け係数 a、 1及び aを乗算された後、 加算回路 A D 1におい て加算され、 その加算出力 H ( ah it— n i +h i +ah i
20 t + n ) がイコライザ EQの出力として送出される。
以上の従来の構成において、 先ず周波数軸で考えると、 光ピックアップが 有する周波数 (空間周波数で定義された) 特性を表す変調伝達関数 MTF ( Modulation Transfer Function) 力く、 スキュー角 0 ° において、 第 9図 (A)
* に示すような特性を呈するとき、 この変調伝達関数 MTFは、 第 9図 (C)
25 に示すように右上がりの周波数特性を有する 3タップ型イコライザ EQによ つて補正されれば、 第 9図 (B) に示すように、 カットオフ周波数の 1Z2 付近でゲインが持ち上げられることにより周波数特性が改善される。
ここで、 3タップ型イコライザ EQの伝達関数が H (t) =-ah (t一 r i ) +h (t) -ah ( t -f- r i ) のとき、 これを空間周波数 f で表現す ると G (w) = 1 -2 acos(r ι ω) (ω= 2 η f ) になる。
この 3タップ型イコライザ E Qの周波数特性の改善機能は第 1 0図に示す' ように、 光スポットの強度分布曲線の重ね合わせとして説明できる。 すなわ ち捕正前の光スポットの線強度分布を、 リニア表示による線強度分布曲線 h (t) で表すと、 第 1 0図 (A 1) に示すように時点 tを中心として对称な 分布曲線になり、 これを対数表示すれば第 1 0図 (B 1 ) に示すような分布 曲線になる。 同じようにして補正後の光スポットの線強度分布 H (t) はそ れぞれ第 1 0図 (A2) 及び (B 2) のような分布曲線として表すことがで さる o
ところが 3タップ型イコライザ EQの出力端には H (t) =-a h (t - n ) +h (t) -ah (t + n ) によって表される線強度分布をもつ光 スポットが得られるはずであり、 このことは第 1 0図 (C) に示すように 3 つの線強度分布曲線 h (t) 、 -a h (t -n ) 及び一 a h (t + n ) を重ね合わせた分布曲線 H (t) (第 1 0図 (B 1 ) ) として求めることが できる。
ここで、 重ね合わせることにより得られる線強度分布曲線 H ( t) は、 線 強度分布曲線 h (t) からサイドローブが対称な 2つの線強度分布曲線一 a h (t-n ) 及び一 a h (t + n ) を差引くようになされているので、 この差し引いた分、 線強度分布曲線 h (t) より急峻な立上り及び立下りを もつような分布曲線になり、 この結果急峻になつた分周波数特性が改善され たと評価することができる。
ところ力、 ディスクスキューが生じた場合には、 第 1 0図 (A 1 ) 及び ( B l) 、 (A 2) 及び (B 2) 並びに (C) に対応させて第 1 1図 (A 1 ) 及び (B 1) 、 (A2) 及び(B 2) 並びに (C) に示すように、 補正前の 線強度分布曲線一 ah (t-r 1 ) . h (t) 及び一 a h ( t + τ x ) はい
ずれも、 サイ ドローブが持ち上ったような非対称な分布曲線をもっているた め、 これらの分布曲線を重ね合わせることにより得られる補正後の線強度分 布曲線 H ( t ) は実質上補正前の線強度分布曲線 h ( t ) に類似した分布曲 線 なる 0
この結果ディスクスキューが生じたときには、 3タップ型イコライザ E Q によって当該スキューの補正勃果を得ることはできないと評価できる。
このように、 従来の光ディスク装置には、 次のような問題点がある。
第 1に、 光ピックアップをメカニカルに傾ける構造が複雑で、 そのため製 造コストを抑えることが困難である。
第 2に、 光ピックアップをメカニカルに傾ける構造の重量が大きいため、 高速な応答が望めない。
第 3に、 タンジェンシャル方向 (円周方向) にスキューサーボができない。 第 4に、 3タップ型イコライザによってはディスクスキューによる再生波 形歪みを十分に補正できない。 癸明の開示
本発明は、 以上の点を考慮してなされたもので、 本発明の目的は上述の問 題点を有効に解決することにより、 情報を一段と高密度に記録し得るように した光ディスク装置を提供しょうとするものである。
かかる課題を解決するため本発明の第 1の特徴においては、 表面の透明部 材 4を介して入射して情報記録面 4に焦光する光ビーム L A 1を用いて、 情 報記録面 4に所望の情報を記録し、 又は情報記録面 4に記録した情報を再生 する光ディスク 2と、 光ビーム L A 1を射出する光源 6と、 光源 6から射出 された光ビーム L A 1を情報記録面 4に焦光する対物レンズ 8と、 光源 6及 び対物レンズ 8間、 又は対物レンズ 8及び光ディスク 2間の集束光束中に介 揷された板状の透明部材 2 0とを有し、 光ディスク 2の傾きに応じて透明部 材 2 0の傾きを変化させることにより、 情報記録面 4に形成される光ビーム
L A Iのスポット形状を補正する。
光源 6及び対物レンズ 8間、 又は対物レンズ 8及び光ディスク 2間の集束 光束中に介揷された板状の透明部材 1 1を、 光ディスク 2の傾きに応じて傾 ければ、 当該透明部材 1 1のコマ収差で光ディスク 2のコマ収差を打ち消す' ことができる。
本 明の第 2の特徵は、 図 1 9にその基本的構成を示すように、 光源 4 6 からの光ビームを、 対物レンズ 5 1を介して光ディスク 4 2の情報記録面 4 に、 この光ディスク 4 2の透明基板等の表面透明部材 4 3を通して集束照 射させることにより例えばこの情報記録面 4 に所望の情報を記録するか、 又はこの情報記録面 4 に記録された情報を再生する光ディスク装置 4 1に おいて、 光ビームの光路内に、 光ビームスポット補正手段 5 3を設ける。
この補正手段 5 3は、 第 2 1図に示すように、 光ビームの光路上に配置さ れた透明平行平板 5 4と、 この透明平行平板 5 4側、 又はこれに対向する固 定部側のいずれか一方と他方とに互いに磁気的に関連するコイル 5 9とマグ ネット 6 0とを少なくとも 1組設ける。
そして、 光ディスク 4 2の、 その配置基準面からの傾きに応じてコイル 5 9への通電を制御して透明平行平板 5 4の傾きを制御し、 光ディスク 4 2の 情報記録面 4 4での光ビームスポット形状の捕正をする。
本発明の第 3の特徵ほ、 上述したと同様に、 光源 4 6からの光ビームを、 封物レンズ 5 1を介して光ディスク 4 2の情報記録面 4 4に、 この光デイス ク 4 2の透明基板等の表面透明部材 4 3を通して集束照射する光ディスク装 置 4 1において、 光ビームの光路内に、 光ビームスポットの捕正手段 5 3を 設ける。
この捕正手段 5 3は、 図 2 2にその一例の要部の斜視図を示すように、 光 ディスク 4 2の配置基準面に沿う互いに直交する第 1及び第 2の軸 (X軸及 び Z軸) を中心としてタンジェンシャル方向及びラジアル方向に回動できる ように保持された透明平行平板 5 4と、 この透明平行平板 5 4側又はこれに
対向する固定部側のいずれか一方と他方とに互いに磁気的に関連するコイル 5 9とマグネット 6 0とを少なくとも 2組有する。
そして光ディスク 4 2の配置基準面からの傾きに応じてコイル 5 9への通 電を制御して透明平行平板 5 4の傾きを制御し、 光ディスク 4 2の情報記録 面 4 4での光ビームスポット形状の補正を行う。
本発明の第 4の特徵は、 光源 4 6からの光ビームを、 対物レンズ 5 1を介 して光ディスク 4 2の情報記録面 4 4に、 この光ディスク 4 4の透明基板等 の表面透明部材 4 3を通して集束照射する光ディスク装置 4 1において、 光 ビームの光路内に、 光ビームスポット形状の補正手段 5 3を設ける。
この補正手段 5 3は、 光ディスク 4 2の配置基準面に沿う少なくとも所定 の第 1の軸を中心に回動自在に保持された透明平行平板 5 4と、 この透明平 行平板 5 4側又はこれに対向する固定部のいずれが一方と他方とに互いに磁 気的に関連するコイル 5 9とマグネット 6 0とを少なくとも 1組有する。 そして、 光ディスク 4 2のその配置基準面からの上記第 1の軸を中心とす る回転方向、 例えばラジアル方向の傾きに応じてコイル 5 9への通電を制御 して透明平行平板 5 4の傾きを制御することによって光ディスク 4 2の情報 記録面 4 4での上記第 1の軸と直交する第 2の方向の光ビームスポット形状 の補正をする。
一方、 光ディスク 4 2からの反射光を少なくとも 2分割方式により電気信 号に変換して光ディスク 4 2の上記第 1の軸と直交しかつ上記配置基準面に 沿う第 2の軸を中心とする回転方向、 すなわち例えば夕ンジェンシャル方向 の傾き量を検出し、 上記電気信号について、 光ディスク 4 2の傾き量に応じ て規制されるフィルタ係数に基づいてフィルタリングし、 その結果を出力し、 この出力から光ディスク 4 2に記録された情報を再生する再生手段とを有す o
本発明の第 5の特徵は、 上述のフィルタリングを行うフィルタリング手段 力 段トランスバーサルフィルタにより構成され、 このトランスバーサル
フィルタの遅延回路の遅延量て 2 力、 λ λ
1. 22 ≤ r 2 ≤ 2. 23 …… ( 3 )
2ΝΑ 2ΝΑ に規制された構成とする。 ただし、 スは光源の波長、 Ν Αは対物レンズの開 口数である。
本発明の第 6の特徵は、 第 2 2図にその一例の斜視図を示すように、 捕正 手段 5 3に、 この透明平行平板 5 4の傾き角を検出するためのフォトリフレ クタ 6 4が設けられた構成とする。
本発明においては、 光ビームの光路内に、 光ディスク 4 2の傾きに応じて その傾きが変化する透明平行平板 5 4を有する光ビームスポット捕正手段 5 3を設けることによって、 コマ収差を打ち消して光ディスク上での結像スポ ッ卜の歪みを捕正するものであり、 これによつてラジアル方向及びタンジェ ンシアル方向の傾きに関して、 透明平行平板 5 4の傾きを制御することによ り補正するか、 例えばラジアル方向については透明平行平板 5 4の傾き、 す なわち機械的、 光学的手法によって補正し、 タンジェンシャル方向について は、 電気的信号処理によって再生波形歪みの補正を行うものである。
このように、 本発明においては、 光ディスク 4 2のラジアル方向又はタン ジェンシャル方向の少なくとも一方の傾きに関して透明平行平板 5 4の傾き 制御によって行うもので、 光ピックアップ全体を傾ける構成に比し、 その傾 き制御の可動部の小型計量化がはかられることから、 動作速度を速めること ができると共に、 構成の簡略化をはかることができる。
そし,て、 この透明平行平板 5 4の傾き制御を、 コイル 5 9とマグネット 6 0による電磁機構によってなし得るので、 さらにその動作速度を速めること ができる。
さらに、 例えばラジアル方向については、 光ビームスポット補正手段 5 3 によって機械的、 光学的手法によって行い、 タンジェンシャル方向について
は、 電気的信号処理によって再生波形歪みの補正を行うようにするときは、 さらに機械的、 光学的構造部の小型計量化がはかられる。
本発明によれば、 光ビームの集束光路内に板状の透明部材を揷入し、 当該 透明部材を傾けて光ディスクの傾きによるコマ収差を打ち消すようにしたこ とにより、 簡易な構成で、 光ディスクの傾き変化が激しい場合でも確実に情 報記録面におけるコマ収差を防止し得、 その分記録密度を向上して確実に記 録情報を記録再生することができるディスク傾き補正装置を容易に得ること ができる。
また本発明の光ディスク装置によれば、 光学系な補償板又は電気的な補償 回路を設けたことにより、 対物レンズ開口数 N Aが大きくてもディスクスキ ユーによって発生するコマ収差を補正し、 又は再生波形の歪みを確実に電気 的に補正できる。 よって、 極めて安価で信頼性の高い高密度光ディスクシス テムを提供することができる。
さらにディスクスキューの許容値を大きくすることができるので、 高密度 ディスクであるにもかかわらず製造価格の安い光ディスクを用いることがで きる。 図面の簡単な説明
第 1図はスキュー角 0 ' の点像分布強度及び線強度分布を示す斜視図及び 特性曲線図である。
第 2図はスキュー角 0. Γ の点像分布強度及び線強度分布を示す斜視図及 び特性曲線図である。
第 3図はスキュー角 0. 2β の点像分布強度及び線強度分布を示す斜視図及 び特性曲線図である。
第 4図はスキュー角 0. 3° の点像分布強度及び線強度分布を示す斜視図及 び特性曲線図である。
第 5図はタンジェンシャルスキュー 0。 におけるアイパターンを示す信号
波形図である。
第 6図はタンジェンシャルスキュー 0. 3β におけるアイパターンを示す信 号波形図である。
第 7図はクロストークのラジアルスキュー依存性を示す特性曲線図である。 第 8図は 3タップ型イコライザを示すブロック図である。
第 9図 (Α) 〜 (C ) は 3タップ型イコライザの特性の説明に供する特性 曲線図である。
第 1 0図 (A .1 ) 〜 (C ) は 3タップ型イコライザの説明に供する特性曲 線図である。
第 1 1図 (A 1 ) 〜 (C ) は 3タップ型イコライザの説明に供する特性曲 線図である。
第 1 2図は本発明による光ディスク装置の第 1の実施例を示す系統図であ る
第 1 3図は第 1 2図のコマ収差補正原理の説明に供する略線図である。 第 1 4図は第 1 2図の遮光板 1 3を示す正面図である。
第 1 5図は第 1 2図の受光素子 1 4を示す正面図である。
第 1 6図は本発明による光ディスク装置の第 2の実施例を示す系統図であ 第 1 7図はピンホールを用いた遮光板 1 3の他の実施例を示す正面図であ る。
第 1 8図はスリットを用いた遮光板 1 3の他の実施例を示す正面図である。 第 1 9図は本発明による光ディスク装置の第 3の実施例を示す系統図であ 4) ο
第 2 0図は第 1 9図の外観構成を示す斜視図である。
第 2 1図は光ビームスポット捕正手段の要部を示す斜視図である。
第 2 2図は第 2 1図の構成を含む光ビームスポット捕正手段の要部を示す 斜視図である。
第 2 3図は第 2 2図の構成を含む光ビームスポット補正手段の要部を示す 斜視図である。
第 2 4図は光ビームスポット補正手段の板ばねを示す斜視図である。 第 2 5図は光ビームスポット補正手段の板ばねの他の実施例を示す斜視図 である。
第 2 6図は光ビームスポット補正手段内の板ばねの配置状態を示す斜視図 乙、、ある。
第 2 7図は透明平行平板による補正動作の説明に供する略線図である。 第 2 8図は第 3の実施例におけるサーポブロックを示す系統図である。 第 2 9図は透明平行 板の傾き角検出センサの構成の説明に供する略線図 あ^ © £>
第 3 0図は透明平行平板の傾き角検出センサの特性を示す特性曲線図であ る。
第 3 1図はスキューセンサの構成を示す系統図である。
第 3 2図は第 3 1図のスキューセンサの側面を示す側面図である。
第 3 3図はスキューエラ一信号のディスクスキュー量依存性を示す特性曲 線図である。
第 3 4図は本発明による光ディスク装置の第 4の実施例を示すブロック図 である。
第 3 5図 (A) 〜 (C ) は光強度分布を示す特性曲線図である。
第 3 6図 (A) 〜 (D ) は第 3 4図の可変 5タップ型イコライザの説明に 供する特性曲線図である。
第 3 7図 (A ) 〜 (C ) はイコライザの等価線強度分布を示す特性曲線図 である 0
第 3 8図は固定 3タップ型イコライザの補正により得られるアイパターン を示す信号波形図である。
第 3 9図は可変 5タップ型ィコライザの補正により得られるアイパターン
を示す信号波形図である。
第 4 0図は 3タップ型イコライザにおけるジッタヒストグラムのディスク スキューへの依存性を示す特性曲線図である。
第 4 1図は 5タップ型イコライザにおけるジッタヒストグラムのディスク スキューへの依存性を示す特性曲線図である。
第 4 2図はタンジェンシャルスキューに対するジッタ分散値を示す特性曲 線図である。
第 4 3図はタンジェンシャルスキュー 0. 3 ° でのアイパターンを示す信号 波彤図である。
第 4 4図は本発明による光ディスク装置の第 5の例のプロック図である。 第 4 5図は本発明による光ディスク装置の他の例のブロック図である。 第 4 6図は本 明による光ディスク装置の他の実施例を示すプロック図で のる。
第 4 7図は本 明による光ディスク装置の他の実施例を示すプロック図で あ 。 発明を実施するための最良の形態
以下図面について、 本発明の一実施例を詳述する。 ( 1 ) 第 1の実施例
第 1 2図において、 1は全体としてディスク再生装置を示し、 光ディスク 2から記録情報を再生する。
すなわち光ディスク 2においては、 透明基板 3上に情報記録面 4を形成し、 当該情報記録面 を保護膜 5で保護する。
この状態で光ディスク 2においては、 透明基板 3側から入射した光ビーム L A 1を情報記録面 4に焦光し、 その結果得られる反射光ビーム L A 2に基 づいて、 当該情報記録面 4の記録情報を再生し得るようになされている。
これに対応してディスク再生装置 1においては、 レーザー光源 6から光ビ ーム L A 1を射出し、 当該光ビーム L A 1をコリメータレンズ 7で平行光線 に変換した後、 対物レンズ 8を介して光ディスク 2に射出する。
さらにディスク再生装置 1においては、 光ディスク 2から反射される反射 光ビーム LA 2を光 Nビーム LA 1とは逆に対物レンズ 8、 コリメータレンズ
d
7を順次介してビームスプリッタ 9に導き、 ここで当該反射光ビーム L A 2 を光ビーム LA 1から分離して受光素子 1 0に導く。
これにより当該ディスク再生装置 1においては、 受光素子 1 0の出力信号 S 1からクロック信号を抽出した後、 当該クロック信号を基準にして信号処 理することにより、 情報記録面 4に記録した記録情報を再生し得るようにな されている。 さらにディスク再生装置 1においては、 受光素子 1 0の出力信 号 S 1を基準にして対物レンズ 8を上下左右に移動させ、 これにより トラッ キングエラー、 フォーカシングエラーを生じさせないようにサーボ制御する ようになされている。
さらにディスク再生装置 1においては、 コリメータレンズ 7及びビームス プリッタ 9間に透明部材で形成された平行平板 1 1を介挿し、 当該平行平板 1 1を傾けてコマ収差を補正する。
すなわちコマ収差の大きさは、 コマ収差係数 W31d で評価し得、 光デイス ク 2が傾いた場合に発生するコマ収差係数 W31d は、 次の (4) 式
Td (Nd2-l)Nd2 sin^d cos^d
W31d = 陽:
2 (Nd2-sin20d)5/2
Td Nd2-1
國 30d (4)
で表すことができる。
ここで、 Nd は透明基板 4の屈折率 Td は透明基板 4の厚さ、 0ά は光デ イスグ 2の傾き及び Ν A Oは対物レンズ 1 4の開口数 N Aを表す。
( 1 ) 式によれば、 傾きが微小角度の場合、 コマ収差の大きさは、 傾きに 追従して直線的に変化することが分かる。
これに対して平行平板 1 1 ^·集束光路内に介揷したことにより、 同様にコ マ収差が 生し、 この場合コマ収差係数 W31c は、 次の (5 ) 式
Tc Nc2-1
W31c NAc3 Θ c ( 5 )
で表すことができる。
ここで Nc は平行平板 1 1の屈折率、 T c は平行平板 1 1の厚さ、 0 c は 平行平板 1 1の候き及び N Ac はコリメータレンズ 7の開口数 N Aを表す。
従って、 次の (6 ) 式
W31c = - W31d …… ( 6 ) の関係式が成り立つように、 平行平板 1 1を傾けて平行平板 1 1のコマ収差 の量を制御すれば、 光ディスク 2で生じるコマ収差を打ち消すことができ、 情報記録面 4上のスポット形状を常に円形形状に保持することができる。 この場合第 1 3図に示すように、 平行平板 1 1を傾けた場合、 あたかも光 ビーム L A 1の射出点が点 P 1力、ら点 P 2に移動したかのように光路が変化 し、 光ディスク 2側においては、 光ビーム L A 1の焦光位置が点 P 3から点 P 4に移動する。
すなわち光ディスク 2が傾いた場合でも、 平行平板 1 1を傾けることによ り、 コマ収差を打ち消すことができる。
この場合射出点の移動距離 L d は、 次の (7 ) 式
Tc Θ c (7)
Nc で表し得ることにより、 対物レンズ 8から射出される光ビーム LA 1は、 次 の (8) 式
Ld Tc Nc-1
Θ Ιά = 0c (8)
Fc Fc Nc で表される角度 01dだけ傾く。 ここで Fc はコリメータレンズ 7の焦点距離 を表す。
従って光ディスク 2が角度 0d だけ傾いた場合、 当該光ディスク 2の入射 光ビーム L A 1においては、 角度' (θά - ΘΙά) だけ傾いて入射し、 この場 合当該光ディスク 2のコマ収差係数 W31d は、 次の (9) 式
Td Nd2 - 1
W31d ^ 画3 (^c-^ld) (9)
2 で表す値に変化する。
従って (5) 、 (6) (8) 及び (9) 式の関係から、 次の ( 1 0)式
Tc Nc-1 Tc (Nc2-1) Nd3NAc:
θά = Θ c ( 1 0 )
Fc Nc Td (Nd2- 1) c3NA0! を導き得、 光ディスク 2の傾き 0d に対して、 当該ディスク再生装置 1の光 学系で決まる一定倍率で平行平板 1 1を傾ければ、 情報記録面 4上のコマ収 差を防止できることになる。
かく して光ディスク 2の傾きを検出し、 当該検出結果に基づいて光デイス ク 2の傾きと逆方向に平行平板を傾けるだけで、 情報記録面 4のコマ収差を 防止することができる。
このときディスク再生装置 1においては、 単に平行平板 1 1を傾けるだけ で'コマ収差を防止し得ることにより、 簡易に、 かつ光ディスクの変化が激し
l、場合でもコマ収差を確実に防止することができる。
従って、 光ディスクの記録密度を髙めた場合でも、 簡易な構成で、 確実に 記録情報を再生することができる。
この補正原理に基づいてディスク再生装置 1においては、 ビームスプリツ 夕 9及び受光素子 1 0 P曰 こビームスプリッタ 1 2を介挿し、 これにより反射 光ビーム L A 2を分岐する。
さらにディスク再生装置 1においては、 分岐した反射光ビーム L A 2を遮 光扳 1 3を介して受光素子 1 4に導く。
ここで第 1 4図に示すように、 遮光板 1 3は透明部材でなる平行平板上に 円形形状の遮光領域 A Rが形成され、 情報記録面 4と共役な位置に保持され るようになされている。
これによりディスク再生装置 1においては、 情報記録面 4でコマ収差が凳 生すると、 当該遮光板 1 3上にも同じようなコマ収差が発生するようになさ れ、 当該コマ収差の発生量に応じて透過光量が変化するようになざれている。 これに対して第 1 5図に示すように、 受光素子 1 4においては、 受光面を 田の字状に 4分割し、 遮光板 1 3の遮光領域 A Rが中央に位置するように、 かつ受光面の対角線方向がそれぞれ光ディスク 2のラジアル方向 (半径方向) 及びタンジェンシャル方向 (記録トラック方向) に配置されるようになされ ている。
減算回路 1 5及び 1 6は、 それぞれ対角線方向の受光領域 A R A、 A R C 及び A R B、 A R Dから出力される出力信号 S 1 A、 S 1 C及び S 1 B、 S I Dを減算し、 減算結果を増幅回路 1 7及び 1 8を介してコイル 1 9及び 2 0に出力する。
ここでコイル 1 9及び 2 0は所定の駆動電流が供給されたとき、 それぞれ 半径及び記録トラック方向に平行平板 1 1を傾け得るようになされている。 これにより当該ディスク再生装置 1においては、 遮光板 1 3においてコマ
収差が発生しないように平行平板 1 1を傾けるように制御することにより、 情報記録面 4におけるコマ収差を有効に回避し得るようになされている。
£1上の構成において、 レーザー光源から射出された光ビーム L A 1は、 平 行平板 1 1において所定のコマ収差が与えられた後、 コリメータレンズ 7で 平行光線に変換されて対物レンズ 8を通つて情報記録面 4に焦光される。 その結果光ディスク 2から反射された反射光ビーム L A 2は、 光ビーム L A 1とは逆に対物レンズ 8、 コリメ一夕レンズ 7を順次介してビームスプリ ッタ 9に導かれ、 ここで光ビーム L A 1から分離された後、 受光素子 1 0に 導かれる。
これにより当該受光素子 1 0の出力信号 S 1に基づいて、 情報記録面 4に 記録された情報を再生することができる。
さらに反射光ビーム L A 2は、 ビームスプリッタ 1 2を介して遮光板 1 3 に導かれ、 ここでコマ収差に応じて透過光量が変化するように中央領域が遮 光された後、 受光素子 1 4に導かれる。
受光素子 1 4の出力信号 S 1 A〜S 1 Dは、 減算回路 1 5及び 1 6におい て減算され、 ここで光ディスク 2におけるコマ収差が検出される。
これにより当該ディスク再生装置 1においては、 当該検出結果に基づいて 平行平板 1 1の傾きが補正され、 当該平行平板 1 1のコマ収差によって光デ イスク. 2の傾きにより生じたコマ収差が打ち消され、 かく して情報記録面 4 上におけるコマ収差の発生を有効に回避することができる。
以上の構成によれば、 コリメータレンズ及びレーザー光源間に介挿した平 行平板を傾け、 当該平行平板のコマ収差で光ディスクのコマ収差を打ち消す ことにより、 簡易な構成で、 確実にコマ収差を補正し得、 かく して光デイス クへの記録密度を髙めた場合でも符号間の干渉等を生じさせることなく確実 に記録情報を再生することができる。
( 2 ) 第 2の実 j
第 1 2図との封応部分に同一符号を付して示す第 1 6図において、 2 5は 全体としてディスク再生装置を示し、 この実施例の場合直接光ディスク 2の 傾きを検出する。
すなわちディスク再生装置 2 5においては、 対物レンズ 8に対向するよう に発光ダイォード 2 6を設け、 当該発光ダイォード 2 6の射出光を光デイス ク 2において反射させて、 受光素子 1 4に導く。
これによりディスク再生装置 2 5においては、 受光素子 1 4において、 各 受光領域 A R A〜 A R Dの入射光量が光ディスク 2の傾きに応じて変化する ようになされ、 各受光領域 A R A〜A R Dの出力信号を減算回路 1 5、 1 6 で減算することにより、 当該光ディスク 2の半径及び記録トラック方向につ いて、 接き検出結果を出力するようになされている。
これに対して平行平板 1 1の端部には、 ミラー面 1 1 A力形成され、 当該 ミラー面 1 1 Aに效向するように設けられた発光素子 2 7の出力光を当該ミ ラー面 1 1 Aにおいて反射させて受光素子 2 8に導く。
ここで受光素子 2 8は、 受光素子' 1 4と同じ構成を有し、 これにより各受 光領域の出力信号を減算回路 2 9及び 3 0において減算し、 当該平行平板 1 1の傾きを検出し得るようになされている。
減算回路 3 1及び 3 2は、 それぞれ増幅回路 3 3、 3 4及び 3 5、 3 6を 介して滅算回路 1 5、 3 0及び 1 6、 2 9の出力信号を減算し、 これにより 光ディスク 2及び平行平板 1 1の傾きについて、 ラジアル方向 (半径方向) 及びタンジェンシャル方向 (記録トラック方向) ごとにその誤差を検出し、 当該検出結果に基づいてコイル 2 0及び 1 9を駆動する。
第 1 6図の構成によれば、 直接ミラ一及び光ディスクの傾きを検出し、 当 該検出結果に基づいて平行平板を傾けるようにしたことにより、 情報記録面 上のコマ収差を防止することができ、 このようにして直接検出結果を得るよ うにした分、 簡易な構成でコマ収差の発生を未然に防止することができる。
( 3 ) 他の実施例
なお上述の第 1及び第 2の実施例においては、 平行平板をラジアル方向 ( 半径方向) 及びタンジェンシャル方向 (記録トラック方向) に傾けるように した場合について述べたが、 本発明はこれに限らず、 ラジアル方向 (半径方 向) 又はタンジェンシャル方向 (記録トラック方向) の 1方向についてだけ 傾けるようにしてもよい。
この場合ディスク再生装置においては、 第 1 7図及び第 1 8図に示すよう に、 ピンホールを補正方向に 2つ形成したもの、 又はスリットを補正方向に 2つ形成した遮光板を用い、 各ピンホール又はスリッ トに対応した受光領域 で反射光 L A 2を受光するようにしてもよい。
さらに上述の第 1及び第 2の実施例においては、 平行平板をコリメ一タレ ンズ及びレーザー光源間に介挿した場合について述べたが、 本発明はこれに 限らず、 要は光ビーム L A 1の集束光束中に介揷すれば、 介揷位置は種々の 位置に選定し得、 例えば対物レンズ及び光ディスク間に介挿するようにして もよい。
さらに上述の第 1の実施例においては、 コリメ一夕レンズの後で反射光ビ ーム L A 2を光ビーム L A 1から分離し、 コマ収差を検出する場合について 述べたが、 本発明はこれに限らず、 種々の位置で光ビーム L A 1から分離し てコマ収差を検出することができる。
さらに上述の第 1及び第 2の実施例においては、 一枚の平行平板を半径及 び記録トラック方向に傾ける場合について述べたが、 本発明はこれに限らず、 2枚の平行平板をそれぞれ半径及び記録トラック方向に傾けるようにしても よい。
さらに上述の第 1及び第 2の実施例においては、 反射光ビーム L A 2を受 光素子に導き、 その光量変化で記録情報を再生する場合について述べたが、 本発明はこれに限らず、 光ディスクの像を撮像素子で撮像して記録情報を再
生する場合にも広く適用することができる。
特に情報記録面の拡大画像を撮像素子で撮像して記録情報を再生する再生 方式においては、 光ディスクが少しでも傾くと再生力困難になる特徴がある ことにより、 本発明を適用して、 確実に記録情報を再生することができる。
さらに上述の第 1及び第 2の実施例においては、 本発明を再生専用のディ スク再生装置に適用した場合について述べたが、 本発明はこれに限らず、 情 報記録面に所定のタイミングで光ビームを照射して、 所望の情報を記録、 再 生する光ディスク装置に広く適用することができる。 ( 4 ) 第 3の実施例
第 1 9図は第 3の実施例の基本構成を示し、 第 2 0図にその一実施例の外 観構造図を示す。
4 1は第 3の実施例による光ディスク装置で、 光ディスク 4 2からその記 録情報を読みだす光ピックァップを全体として構成している。
光ディスク 4 2は、 透明基板すなわち表面透明部材 4 3上に情報記録面 4
4を有し、 この上に保護膜 4 5を有する。
例えば半導体レーザでなる光源 4 6からの光ビーム L A 1 1カ^ レンズ系
4 7、 グレーティング 4 8、 ピームスプリッタ 4 9、 コリメータレンズ 5 0、 対物レンズ 5 1を介して光ディスク 4 2の情報記録面 4 4に集束照射される。 光ディスク 4 2の情報記録面 4 において記録情報に応じて反射された反 射光 (例えば回折光) L A 1 2力、 ビームスプリッタ 4 9によって分離され て情報信号再生用の光検出部 5 2に導入される。
この構成に加えて、 例えばコリメータレンズ 5 0とビームスプリッタ 4 9 との間に、 光ビームスポット補正手段 5 3が設けられている。
この光ビームスポット捕正手段 5 3は、 高屈折率の例えばフリントガラス の透明平行平板 5 4が光ディスク装置 4 1の、 光ディスグ 4 2に向かう光ビ ームの基準光軸 (Y軸方向の軸) 上に配置される。
この平行平板 5 3は、 互いに直交する第 1及び第 2の軸 X及び Z、 すなわ ち光ディスクのラジアル方向 (半径方向) 及びタンジェンシャル方向 (記録 トラック方向) に回動自在に、 従って揺動自在に構成され、 光ディスク 4 2 のラジアル方向及び夕ンジェンシャル方向の傾きに応じて、 回動制御される ようになされる。
この透明平行平板 5 4は、 第 2 1図〜第 2 3図に示すように、 例えば対の リング状の例えば強磁性体の鉄のベース 5 5及び 5 6間に外周部が挟み込ま れて支持された円板状の板ばね 5 7によって揺動自在に支持される。
この板ばね 5 7は、 例えば第 2 4図にその一例の斜視図を示すように、 円 板状の弾性金属板の ち抜き体によって構成され、 外周リング部 5 7 Aと、 中間リング部 5 7 Bと、 中央リング部 5 7 Cとにより構成され、 例えば外周 リング部 5 7 Aと中間リング部 5 7 Bとが Z軸上で連結部 5 7 Z 1及び 5 7 Z 2によって連結されて一体化され、 さらに、 中間リング部 5 7 Bと中央リ ング部 5 7 Cとが X軸上で連結部 5 7 X 1及び 5 7 X 2によって連結されて —体化されて X軸及び Z軸に関して外周リング部 5 7 Aに対して中間リング 部 5 7 Bが回動するように、 すなわちその中央リング部 5 7 Cが外周リング 部 5 7 Cに対して揺動できるようになされる。
又は、 第 2 5図に示すように、 板ばね 5 7は、 同じように、 円板上の弾性 金属板の打ち抜き体によって構成され、 4本の三日月状の透孔 5 7 H 1、 5 7 H 2、 及び 5 7 H 3が等角間隔をもって互いに対応する一端から他端に向 かって漸次中心側に巻き込むようなパターンに形成され、 その中央リング部 5 7 Cが外周リング部 5 7 Aに対して揺動できるようになされる。
そして、 第 2 6図に示すように、 このような構成を有する板ばね 5 7の中 央リング部 5 7 C内の軸心上に、 内部に同軸心的に透明平行平板 5 4が収容 固定された鏡胴もしくはポビン 5 8が挿入固定される。
ポビン 5 8には、 その外周に一対のコイル 5 9 A及び 5 9 Bでなるコイル 5 9が卷装される。
一方、 ベース 5 5及び 5 6に、 各コイル 5 9 A及び 5 9 Bの外周に近接対 向して、 X軸及び Y軸上で、 すなわちラジアル方向及びタンジェンシャル方 向に関して互いに対向する位置に、 それぞれ対のマグネット 6 0 A 1及び 6 0 A 2、 6 0 B 1及び 6 0 B 2が配置される。 この構成によるときは、 強磁 性のベース 5 5及び 5 6がマグネットのヨークとして働く。
これら各コイル 5 9 A及び 5 9 Bを挟んで対向する対のマグネット 6 0 A 1及び 6 0 A 2、 6 0 B 1及び 6 0 B 2は互いに磁極が対向するように上述 の基準光軸と直交する方向の着磁ないしは磁極の選定がなされる。
この構成によれば、 コイル 5 9 A及び 5 9 Bへの通電方向を選定すること によって、 マグネット 6 0 A 1及び 6 0 A 2、 6 0 B 1及び 6 0 B 2による 磁界中に透明平行平板 5 4を X軸及び Z軸を中心として、 すなわちラジアル 方向及びタンジェンシャル方向の傾きを変更することができる。
また、 この光ビームスポットの捕正手段 5 3に、 この捕正手段 5 3の傾き すなわち透明平行平板 5 4の傾き角 0 cを検出するセンサ 6 1としてフォト リフレクタ 6 2を設ける。 このフォトリフレクタ 6 2は、 発行素子例えば半 導体発光ダイオード L E Dと P I Nダイオード等のフォトディテクタ (いず れも図示せず) とを有する。
このフォトリフレクタ 6 2は、 固定部の例えばベース 5 5及び 5 6に、 例 えば可動部のポビン 5 8を挟んで各 X軸及び Z軸上で対向する 2対設けられ、 一方これらにそれぞれ対向して例えばボビン 5 8に反射鏡 6 3が設けられる。 一方、 第 1 9図に示すように、 光ディスク 4 2に関連してディスクスキュ 一センサ 6 4を設ける。
この構成による光ビームスポットの補正手段 5 3を有する光ピックアップ 装置 4 l こよれば、 光ディスク 4 2のラジアル方向及びタンジェンシャル方 向の傾きによる光ビームスポットの補正に従って再生信号の歪みの改善を行 うことができる。
すなわち、 前述したように、 光ディスク 4 2が傾いた場合に発生するコマ
収差係数 W 3 1 dは次の ( 1 1 ) 式
Td (Nd2 一 1 )Nd2 sin^d cos^d
W31d = 画:
2 (Nd2- sin2 )5,2
Td Nd2 - 1
画 30d ( 1 1 )
2 Nd: によって与えられ、 すなわち傾きが微小角度の場合、 コマ収差の大きさは、 傾きに追従して直線的に変化することが分かる。
これに対して透明平行平板 5 4を集束光路中に介揷すると、 同様にコマ収 差が発生し、 この場合コマ収差係数 W 3 1 cは、 次の ( 1 2) 式
Tc Nc5 1
W31c = NAc3 Θ d ( 1 2)
2 Nc! で表すことができる。
ここで Nc は平行平板 5 4の屈折率、 T cは平行平板 5 4の厚さ、 0 cは 平行平板 5 4の傾き、 及び N A cはコリメ一タレンズ 5 0の開口数 N Aを表 す。
従って、 次の ( 1 3) 式
W31c = 一 議 ( 1 3) の関係が成り立つように、 平行平板 5 4を傾けて平行平板 5 4のコマ収差の 量を制御すれば、 光ディスク 4 2で生じるコマ収差を打ち消すことができ、 情報記録面 4 4上のスポット形状を常に円形形状に保持することができる。
この場合第 2 7図に示すように、 透明平行平板 5 4を傾けた場合、 光ディ スク 4 2に向かう光ビームの射出点が点 P 1から点 P 2に移動したと同様に 光路が変化し、 光ディスク 4 2側においては、 この光ビームの焦点位置が点
P 3から点 P 4に移動する。
すなわち、 光ディスク 42が傾いた場合でも、 透明平行平板 5 4を傾ける ことにより、 コマ収差を打ち消し得ることが分かる。
この場合、 射出点の移動距離 Ldは、 次の (1 4) 式
1一 sin2 θ c
Ld = Tc sin Θ c i -y~(
Nc
2 - sin
2 Θ c
で表し得ることにより、 対物レンズ 5 1から射出される光ビーム LA 1は, 次の( 1 5 ) 式
Ld Tc Nc一 1
Be (1 5) Fc Fc Nc で表される角度 0 1 dだけ俊く。 ここで F cはコリメータレンズ 2 2の焦点 距離を表す。 - 従って、 光ディスク 42が角度 0 dだけ傾いた場合、 光ディスク 4 2の入 射光ビームは、 角度 (θ ά—θ 1 d) だけ傾いて入射し、 この場合光デイス ク 42のコマ収差係数 W 3 1 dは、 次の ( 1 6 ) 式
Td Nd2- 1
W31d = NAO3 ( θο -ΘΙά ) ……(1 6)
2 Nd3 で表す値に変化する。 '
従って、 (1 2) 、 (1 3) 、 (1 5) 及び (1 6) 式の関係から、 次の (1 7) 式
Tc (Nc2-1) Nd3NAcJ 、
θά = 0c (1 7)
Td (Nd2-1) Nc3NAo5
を導くことができ、 光ディスク 4 2の傾き 0 dに対して、 光ディスク装置 4 1の光学系で決まる一定倍率で平行平板 5 4を傾けて、 情報記録面 4 4上の コマ収差を完全に防止し得ることが分かる。
すなわち光ディスク 4 2の傾きを検出し、 この検出結果に基づいて光ディ スク 4 2の傾きと逆方向に平行平板 5 4を傾けるだけで、 情報記録面 4 4の コマ収差を防止することができる。
このような動作を行わしめるためのサ一ボ回路を第 2 8図のブロック図を 参照して説明する。 第 2 8図において、 第 1 9図の対応する部分には同一符 号を付して重複説明を省略する。 この場合光ディスクのスキューセンサ 6 4 によって光ディスク 4 2の傾き (スキュー) 量 0 dを検出し、 これを演算回 路 6 5に入力して次の ( 1 8 ) 式 td nd2-l nc4 NAd!
( 1 8 ) tc ncz-l nd2 NAc で表される係数 Kの掛算 K · 0 dを得る。
そして、 この出力 K · 0 dと、 透明平行平板 5 4の傾き角検出センサ 6 1 から検出された傾き角 Θ cとを減算器 6 6によって減算し、 位相補償器 6 7 によって位相補償して増幅器 6 8において増幅して、 光ビームスポットの補 正手段 5 3のコイル 5 9 A、 5 9 Bに通電し、 かく して透明平行平板 5 4の 傾きを制御する。
すなわち、 この場合、 Κ · 0 d = 0 c、 すなわち ( 1 4 ) 式が満足したと き、 つまり、 (1 3 ) 式が成り立つ状態になって光ディスク 4 2上の光ビー ムスボットのコマ収差が平行平板 5 4によるコマ収差と相殺して、 見掛上 「 0」 になると、 減算器 6 6の出力が 0となることにより、 コイル 5 9 A及び 5 9 Bへの通電が断たれ、 透明平行平板 5 4は、 この傾き位置に設定される。 ここで、 0 d、 Θ cは、 ラジアル方向 (半径方向) 、 及びタンジェンシャ ル方向 (記録トラック方向) についてそれぞれ検出され、 コイル 5 9 A及び
5 9 Bへの通電がなされて、 雨方向に関する傾き制御がなされる。
すなわち、 コイル 5 9 A及び又は 5 9 Bへの通電がなされると、 各コイル に、 各対のマグネット 6 0 A 1及び 6 0 A 2の磁場によって Z軸のまわりに、
6 0 B 1及び 6 0 B 2の磁場によって X軸のまわりに互いに逆の力力 <作招し て、 その通電方向によって決まる 0 じ、 — Θ cに回動して、 透明平行平板 5
4のラジァル方向及びタンジェンシャル方向の傾きが制御される。
第 2 9図はフォトリフレクタ 6 2による透明 行平板 5 4の傾き角 S じ の 検出態様を示すもので.、 この図においては、 X軸上または Z軸上に配置され た 1射のフォトリフレクタ 7 1及び 7 2を例示している。
第 2 9図 (B ) は、 透明平行平板 5 4が基準軸上に位置している状態を示 し、 第 2 9図 (A) 及び (C ) は、 これより紙面を直交する Z軸または X軸 に関して互いに逆向きに角度 0 cだけ回動した傾き状態を示している。 第 2 9図 (A) 及び (C ) において左右には、 それぞれフォトリフレクタ 7 1及 び 7 2の正面図を示し、 各正面図において、 7 3及び 7 4はそれぞれの発光 素子 L E D及びフォトディテクタを示し、 7 5は L E Dからの発光光が透明 平行平板 5 4と共に傾く反射面 7 6及び 7 7から戻って来た反射光スポット を示している。
この構成において、 第 2 9図 (B ) の基準状態にあるとき、 反射スポット 7 5が左右均等にディテグ夕 7 4に入るように設定されているとすると、 両 方のリフレクタ " Γ 1及び 7 2からの検出出力 S 1及び S 2は S 1 = S 2とな る。 この状態において、 第 2 9図 (A) 又は (B ) に示すように、 透明平行 平板 5 4がいずれかに傾くと、 フォトディテクタ 7 1及び 7 2に入射する反 射光スポット 7 5の入射面積がいずれか一方において大きくなり、 かつ他方 において小さくなることにより、 S 1 > S 2及び S 1く S 2になる。 この検 出出力 S 1及び S 2は減算器 7 6において減算され、 当該減算出力 S 3が傾 き角検出センサ 6 1の検査出力として送出される。 ここで検出出力 S 3は、 第 3 0図において実線で示すように、 各破線で示す出力 S 1及び S 3が 0と
なり、 従って透明平行平板 5 4が基準軸にあるとき、 傾き角 c = 0である ことを表すように検出出力 S 3 = 0となる。 これに対して透明平行平板 5 4 の傾き角 0 cが変化すると検出出力 S 3が土 1の範囲で変化する。
かく して透明平行平板 5 4の傾き角 S cを表す検出出力 S 3を傾き検出セ ンサ 6 1から得ることができる。
また、 光ディスク 4 2のスキューセンサ 6 4として、 例えば第 3 1図及び 第 3 2図に示す構成のものを通用できる。 この場合スキューセンサ 6 4は、 例えば P I Nダイォードでなりかつラジアル方向及びタンジェンシャル方向 に関してそれぞれ 2分割されたフォトディテクタ 8 1と、 例えば発光ダイォ ード (L E D ) でなる発光素子 8 2とが共通の基板 8 3上に設けられて例え ばレンズ効果を有する樹脂モールド体 8 4内に配設され、 発光素子 8 2から の発光光を光ディスク 4 2に照射し、 その反射光をフォトディテクタ 8 1に よって受光するようになされる。
この場合、 光ディスク 4 2が基準位置にあるときは、 その反射光スポット 8 4が丁度、 2分割フォトディテクタ 8 1の中央にあり、 いずれかに傾いた とき図示するように、 一方の分割部に変位するようになされる。 このように して両分割部からの受光量に応じた各出力を減算器すなわち差動渲算回路 8 5によって演算し、 タンジェンシャル方向又はラジアル方向の傾き角 0 dを 表す検出信号すなわちスキューエラー信号 S 4を取り出す。
第 3 1図及び第 3 2図のスキューセンサ 6 によれば、 第 3 3図に示すよ うに、 光ディスク 4 2のラジアル又は夕ンジェンシャルスキュー量 0 dを表 すスキューエラー信号 S 4を得ることができる。
なお、 第 3 1図に示した実施例の場合、 2分割フォトディテクタ 8 1を用 いて、 タンジェンシャルスキュー角又はラジァルスキュー角を別個に検出す るように、 タンジェンシャル方向及びラジアル方向についてそれぞれスキュ 一センサ 6 4を設けるようにしたが、 フォトディテクタ 8 1としてはこれに 限らず、 ラジアル及びタンジェンシャル方向にそれぞれ分割された 4分割フ
オトディテクタを用い、 各方向の対の分割部からの出力同士を対の差動演算 回路でそれぞれ渲算することによって、 1つのセンサで、 タンジェンシャル 方向及びラジアル方向の雨方のスキュー角を検出するようにしてもよい。 ( 5 ) 第 4の実施例
上述の第 3の実施例においては、 光ディスク 4 2の両方の傾き、 すなわち ラジアル方向及びタンジェンシャル方向の両方のスキューについて、 光ビー ムスポット捕正手段 5 3の透明平行平板 5 4の傾きを用いて、 機械的、 光学 的手法によってスポット形状の補正をしたが、 例えば、 ラジアルスキューに ついては、 上述した透明平行平板 5 4の傾きによって、 コマ収差の補正を行 い、 タンジェンシャルスキューについては、 これによつて生ずる再生波形歪 みを電気的信号処理によつて補正することもできる。
このように構成すれば、 光ビームスポット補正手段 5 3において、 少なく とも一方のコイル、 一対のマグネット、 一対のフォトリフレクタを省略でき、 また、 透明平行平板 5 4は単一軸に関して回動できる構成とすれば良いので、 機械的構成を簡易化、 小型核量化し得る。
このような機能を実現するため、 一方向に関する傾き (スキュー) 例えば タンジェンシャルスキューについて、 第 3 1図〜第 3 3図との対応部分に同 一符号を付して第 3 4図に示すようなフィルタリング手段 9 0を用いる。 こ の場合、 他方向に関する傾き (スキュー) 例えばラジアルスキューについて は、 上述の第 3の実施例と同様の構成をとり得るので、 その説明を省略する。
この実施例の場合においても、 第 3 1図〜第 3 3図について説明したよう に、 光ディスク 4 2からの反射光を少なくとも 2分割方式により電気信号に 変換し、 光ディスク 4 2の傾き (スキュー) の量を検出する。 そして電気信 号について、 フィルタリング手段 9 0によって光ディスク 4 2の傾き量に応 じて規定されるフィルタ係数に基づいてフィルタリング (波形整形) し、 そ のフィルタリング結果出力から、 光ディスク 4 2に記憶されたデータを再生
する。
このフィルタリング手段 9 0は多段トランスバーサルフィルタによって構 成されている。
このトランスバーサルフィル夕はフィルタ係数としてディスクスキュー量 に对して一定な重み付け係数を有するトランスバーサルフィルタ 9 1を形成 する第 1の演算回路部とフィルタ係数がディスクスキュー量に対応して可変 なトランスバーサルフィルタ 9 2及び 9 3を形成する第 2の演算回路を含む。
トランスバーサルフィルタの遅延回路の遅延量て 2 は、 次の ( 1 9 ) 式 λ
1. 22 τ a 2. 23 ( 1 9 )
2ΝΑ 2ΝΑ に規定される。
また、 トランスバーサルフィルタの遅延回路の遅延量て 2 は次の (2 0 ) 式
1. 22 2. 23 ( 2 0 )
2ΝΑ · V 2ΝΑ · V に規定される。 ただし、 スは光源の波長、 Ν Αは対物レンズの開口数、 ジは 光ディスクの線速度である。
フィルタ係数が可変な演算回路のフィルタ係数は、 光ディスクの傾きの量 に比例する。
トランスバーサルフィルタは、 それぞれフィルタ係数の異なる複数のフィ ルタ係数が一定な演算回路を含み、 このそれぞれフィルタ係数の異なる複数 のフィルダ係数が一定な演算回路を光ディスク 4 2の傾き量に応じて選択す る手段を有する。
第 3 4図の光ディスク装置 4 1において、 光ピックアップの M T Fのカツ トオフ周波数 f cは、 波長; Iと対物レンズ開口数 N Aによって一義的に次の
( 2 1 ) 式 2NA
fc = ( 2 1 ) λ によって表される。
ここで、 例えば、 ス= 0. 532 [ ^ m] 、 N A - 0. 6 の場合、 f c = 2255. 6 L本/ mm] となる。
トランスバーサルフィルタ 9 1は、 単位遅延量::: の遅延回路 1 1 0及び 1 1 1と重み付け係数が順次 a、 1及び aに選定された固定ゲイン増幅回路 1 1 2、 1 1 3及び 1 1 4と、 増幅回路 1 1 2、 1 1 3及び 1 1 4の出力を 加算する加算回路 1 1 5とによって構成され、 かくして第 8図について上述 した 3タップ型イコライザと同様の構成を有する。
またトランスバーサルフィルタ 9 2はトランスバーサルフィルタ 9 1の前 段に設けられ、 単位遅延量て。 の遅延回路 1 1 6をトランスバーサルフィル タ 9 1の前段に接続すると共に、 遅延回路 1 1 6の入力端に得られる信号を ゲイン可変増幅回路 1 1 7において可変の重み付け係数 bを乗算した後、 切 換回路 1 1 8を通じて加算回路 1 1 5に加算入力として供給する。
またトランスバーサルフィルタ 9 3はトランスバーサルフィルタ 9 1の後 段に設けられ、 単位遅延量 。 の遅延回路 1 1 9をトランスパーサルフィル タ 9 1の後段に接続すると共に、 遅延回路 1 1 9の入力端に得られる信号を ゲイン可変増幅回路 1 2 0において可変の重み付け係数 cを乗算した後、 切 換回路 1 1 8を通じて加算回路 1 1 5に加算入力として供給する。
切換回路 1 1 8に対する切換信号 S 1 1はコンパレータ 1 2 1において形 成される。 コンパレータはスキューセンサ 6 4の検出出力 S 1 2を基準値 ( 電圧値) と比較して検出出力 S 1 2が正 (又は負) の電圧値になったとき論 理 Γ 1 J (又は 0」 ) の切換信号 S 1 1を送出する。 かく して切換回路 1 1 8はスキューセンサ 6 4の検出出力 S 1 2の値が正 (又は負) のとき、 ゲ
イン可変増幅回路 1 20 (又は 1 1 7) の出力を加算回路 1 1 5に供給する ことにより、 フィルタリング手段 9 0のフィルタリング特性を変更できるよ うに制御する。
ゲイン可変増幅回路 1 20に対するゲイン制御信号 S 1 3はスキューセン サ 64の検出出力 S 1 2を増幅回路 1 22において増幅することにより得ら れると共に、 ゲイン可変増幅回路 1 1 7に対するゲイン制御信号 S 1 4はゲ イン制御信号 S 1 3を反転増幅回路 1 23において反転することにより得ら レ 0
以上の構成において、 フィルタリング手段 9 0の遅延量は次のようにして 決められる。
第 34図に示すフィルタリング手段 90の遅延量て 2 は原信号 (t = 0) に対する遅延量を表し、 て 2 = r! 十 て 。 のように決められる。
この遅延量 r 2 は再生信号の種類 (最短繰り返しピット長) に依存せず、 光ピックアツプの光学的定数にのみ依存する。
今、 対物レンズの開口数を NA、 光源の波長を;(とすると、 遅延量て 2 の 中心値は次の ( 22 ) 式 ス
τ 2 = 1.64 (22)
2ΝΑ によって表される。
ここ^:遅延量て 2 は厳密な値に設定しなくとも良く、 実際上波形整形につ いて十分な効果を得ることができるように、 次の (23) 式、 λ ス
1.22 て 2 2.23 (23)
2ΝΑ 2ΝΑ の関係を満足させるように選定される。
例えば、 波長; 1= 0.532 [μπι] 、 ΝΑ = 0.6 の場合、 遅延量て 2 の中心
値はて 2 =0.73 [ m] であり、 0.54 [ m] ≤て 2 ≤0.99 [ m] の遅延 量に選定する。
ここで、 (2 3) 式の遅延量て 2 は長さの単位で表されるが、 実際の電気 回路において遅延量て 2 を時間の単位で与えられるため、 線速度がジである とき、 遅延量 2:2 は次の (2 4) 式、 ス λ
1.22 ≤て 2 ≤ 2.23 ······ (2 4)
2ΝΑ - V 2ΝΑ· υ のように変換でき、 遅延量て 2 の中心は、 次の (2 3; 式、 λ
r3 = 1.64 (2 5)
2ΝΑ· ν として与えられる。
そこで、 例えば v = 6 [m/s e c] 、 ス= 0.532 ίμτα] 、 ΝΑ = 0.6 の場合、 遅延量 r2 の中心値は zr2 = 122 [n s e c] となる。 ただし、 実 際上は (2 4) 式から、 90 [n s e c] ≤て 2 ≤ 165 [n s e c] の範囲の 値であれば、 上記中心値からずれてもよい。
次に、 重み付け係数は次のようにして決められる。
第 3 4図において、 遅延量て 2 を得る重み付け係数として、 サンプルデー タ h (t + r2 ) に对して重み付け係数 bが与えられ、 かつサンプルデータ h ( t-r 2 ) に对して重み付け係—数 cが与えられる。
ただし、 サンプルデータ h (t + 2r2 ) 、 h (t -r2 ) は両方一度に使 われることなく、 スキューセンサ 6 4の検出出力 S 1 2の極性によって選択 回路 1 1 8において選択される。
また、 サンプルデータ h ( t + r 2 ) 及び h (t -r2 ) の重み付け係数 b及び cの大きさは、 スキューセンサ 6 4の検出出力 S 1 2によってその絶 对値に比例した値に調節されると共に、 サンプルデータ h (t + r2 ) 及び
h (t一 て 2 ) の重み付け係数 b及び cは原信号 h (t) に対して負の重み 付けとなるように設定される。
ところで、 光ディスク 42上において、 第 1 9図について上述したように 光源 46から対物レンズ 5 1によって集束照射される光スポットが均一光量 分布で、 集差のない円形開口により得られる回折像の強度分布は第 3 5図 ( A) に示すように 1次のベッセル関数として次の (26) 式
I = (26)
V によって表すことができる。
これは、 いわゆるエアリー (Airy) 環又はエアリーディスクと呼ばれるも ので、 エア リ ーディスクは、 =0、
······で明点となり、
、 ······で暗点 (I
= 0 ) となる。
ここで、 ピックアップの対物レンズ開口数を NA、 光源の波長を; I、 光デ イスク 42上での長さを Xとしたときの光ディスク 42上での光強度分布を (26) 式で表すと、 と Xの関係は、 次の (27) 式、
ΝΑ
= 2 π (27) λ で表される。 従って、 次の (28) 式で表される点が明点となり、 また、 (29)式で表される点が暗点となる。 λ
X = 0, 1.64 2.69 3.51 (28)
2ΝΑ 2ΝΑ 2ΝΑ
λ λ λ
X = 1.22 2.23 3.23 (29)
2ΝΑ 2ΝΑ 2ΝΑ
かくしてフィルタリング手 9 0 (第 3 4図) の遅延量は (2 3 ) 式によ つて表される範囲の値に決められる。
かくしてフィルタリング手段 9 0から得られるフィルタリング出力は、 第 3 5図 (B ) に示すように、 2次元的な点強度分布 (ポイント 'スプレッド ·ファンクション) I P S Fとして表すことができ、 さらに当該点強度分布 を 1つの軸線上に投影して重み付けすることにより第 3 5図 (C ) に示すよ うな線強度分布 I L S F (ライン ·スプレッド ' ファンクション') として表 すことができる。
光ディスク 4 2のように 1つの軸 (光ディスク 4 2ではトラック) 上をス ポットが移動して信号を読み取る系では、 このような線強度分布を用いると、 比較的容易に現象を把握することができる。
この第 3 5図 (B ) に示すライン♦スプレッド 'ファンクションには第 3
5図 (A) で示された明点及び暗点がそのまま分布の特徴として現れる。 こ の場合暗点においても 1 = 0とはならないが極小値をとる。
しかしながら、 冒頭に述べたように、 光ディスク 4 2にスキューが生じ、 これにより光ディスク 4 2が対物レンズの光軸に対して傾きが生じると、 ( 1 ) 式及び (2 ) 式のコマ収差が 生し、 第 2図、 第 3図及び第 4図に示す ように非対称なサイドローブが ¾生し、 第 5図及び箄 6図で説明したように 3タッブ型ィコライザでほ波形歪を取り除くことができなくなる。
第 3 4図の実施例によれば、 上述の 3タップ型イコライザではとり切れな い τ 2 の近傍の非对称部分を取り除くように 5タツプ型ィコライザとして構 成されている。
すなわち、 5タップ型イコライザによる捕正をする前のリニア表示による 強度分布には第 3 6図 (Α) に示すように非対称なサイドローブが生ずるの に対して、 第 3 6図 (Β ) に h ( t - r 2 ) の係数が 0の場合として示すよ うに、 5タップ型イコライザによってサイドローブの重ね合わせ補正をすれ ば、 当該 5タツプ型ィコライザによる補正後のリニァ表示及び対数表示の強
度分布は第 36図 (C) 及び (D) に示すように、 特性が幅狭となるような 効果が得られ、 これにより 3タップ型イコライザに比し、 非対称性のサイ ド 口一ブの排除が効果的になされることが分かる。
ここで非対称の中心値はて 2 であって、 遅延量 Γ 2 は前述したように (2 2)式によって表される。
その理由は、 光ディスク 42においてピックアップの対物レンズの瞳面上 の強度分布は完全な均一分布でなく、 次の (30) 式によって表し得るよう にガウシアン分布を呈するためである。
2x: 2y5
I = e p (30) 光ディスク 4 2のトラック方向を χ方向、 対物レンズ瞳の半径を rとする と、 強度分布の均一性を示す指数 Γ ,ω χはほぼ 0.2〜0.8 程度の値になり、 ほぼ均一な強度分布を有する円形開口による回折と同様に扱うことができる 次に重み付け係数の効果について考える。 第 37図 (A) 、 (Β) 及び ( C) には、 それぞれ 「光学系のみ」 の場合、 「固定 3タップ型イコライザ」 の場合及び 「可変 5タップ型イコライザ」 の場合について、 ディスクスキュ 一が 0 ° 、 0.1 ° 、 0.2 °、 0.3 ° の場合の各ライン ' スプレッド · ファン クシヨンを対数表示したものを示す。
第 37図 (Α) の 「光学系のみ」 の場合と、 第 37図 (Β) の 「固定 3夕 ップ型イコライザ」 の場合を比較すると、 ディスクスキューにより持ち上が るサイドローブの値と中央のピーク値との比率及びディスクスキュ一量は、 ほぼ比例関係にあることが分かる。
従って、 例えばディスクスキュー 0.3° でサイ ドロ一ブが一番小さくなる 係数を決めた後、 当該係数をディスクスキュー量に比例した値にすればサイ ドローブの非対称性の影響を軽減できることが分かる。 例えば、 ディスクス キューが 0 ° のとき、 係数は 0となる。
第 3 7図 (C) の 「可変 5タップ型イコライザ」 の場合は、 このようにし て重み付け係数をディスクスキュー量に比例させることができ、 かく して、 サイドロープの量がディスクスキューに関係なく小さくなるような結果を得 ることができる。
ここで、 重み付けは +Γ 2 と一て 2 のどちらか片方だけでよい。 その選択 は、 ディスクスキューの方向によって決まり、 それはサイドローブのできる 側に選定すればよい。
次に、 実際の数値を挙げて説明する。
光ディスク装置の光ピックアップの定数は £1下の通りである。
λ = 0.532 Om]
NA= 0.6
I /ωγ=- 0.7
また、 3タップ型イコライザの定数は以下の通りである。
η = 0.2 Om]
A = - 0-2
ここで、 r2 =0.73 [ ϋη] 、 線速度 6 [m/s e c] の場合、 上記遅延 量を時間で表すと、
て 1 =33 [u s e e]
r2 = 122 [n s e c] となる。
ここで、 ディスクスキュー量で変化させる重み付け係数は b==c==— 2 I Θ \ : θ (Θ [° ] ) となる。
例えば、 I 0 I = 0.1。 の場合、 b = c=— 0.02となる。
また、 I 0 j = ひ.2。 の場合、 b = c=— 0.04となる。
また、 1 ^ 1 = 0.3° の場合、 b= c=— 0.06となる。
上述の定数を選定したとき、 ディスクスキュー量が一 0.3 。 〜十 0.3° の ときの従来例の 3タップ型ィコライザのみを使用した場合と、 5タップ型の
可変トランスバーサルフィルタを使用した場合のアイパターンを、 それぞれ 第 3 8図及び第 3 9図に示し、 またジッタヒストグラムをそれぞれ第 4 0図 及び第 4 1図に示す。
第 4 2図は横軸にタンジェンシャルスキュー量をとり、 かつ縦軸にウイン ドウ Tで規格化されたジッタの分散値 (標準偏差) をとつたグラフで、 曲線 K 1はイコライザなしの場合、 曲線 2は 3タップ型イコライザを使用した 場合、 曲線 K 3は 5タップ型イコライザを使用した場合のグラフを示す。 第 4 2図によれば、 本発明の場合ディスクスキューに対してジッタが減少 して信号の検出が行われやすくなつたことが分る。
以上に述べた動作で得られた本発明における可変イコライザの出力信号は 光ディスク装置 4 1のデータ再生回路 (図示せず) に入力され、 その結果デ イスク 4 2に記憶形成されたデータが再生される。
光ディスク装置 4 1によれば、 第 4 3図 (C ) に、 タンジェンシャルスキ ユーが 0. 3° の場合の再生波形 (アイパターン) を示すように、 第 4 3図 ( A ) に示す 「イコライザがない」 場合のアイパターン及び第 4 3図 (B ) に 示す従来の 「3タップ型イコライザ」 を用いた場合のアイパターンと比較し て、 波形歪みが少なく、 その結果信号の抜き取りが容易であることが分る。 。 第 3 4図のフィルタリング装置 9 0による電気的補正によれば以下のよう な効果を得ることができる。
第 1に対物レンズ開口数 N Aが大きくてもディスクスキューによって発生 するコマ収差による再生波形の歪みを電気的に補正でき、 従って一段と安価 な高密度光ディスクシステムを得ることができる。
第 2に対物レンズ開口数 N Aが大きくてもディスクスキューによって発生 するコマ収差による再生波形の歪みを電気的に補正することができ、 従って 信頼性の高い高密度光ディスクシステムを得ることができる。
第 3に以上に述べたようにディスクスキューの許容量を大きくすることが できるので、 髙密度ディスクであるにもかかわらず製造価格の安い光デイス
クを用いた、 髙密度光ディスク装置を得ることができる。 (6) 他の実施例
第 44図は第 34図の他の実施例を示し、 第 3 4図との対応部分に同一符 号を付して示すように、 第 8図に示す 3タップ型イコライザ EQの構成部分 をもたないように構成し、 これを例えばコンパクトディスク装置に適用する。 すなわち第 44図のフィルタリング手段 9 0は、 第 34図において、 単位 遅延量て! の遅延回路 1 1 0及び 1 1 1をそれぞれ単位遅延量 r。 の遅延回 路 1 1 6及び 1 1 9に組み合せることにより、 単位遅延量て 2 (=r! +r 0 ) の遅延回路 1 25及び 1 2 6に置き換えたと同様の構成を有し、 第 45 図は第 34図のさらに他の実施例を示すもので、 この場合フィルタリング手 段 9 0は、 第 34図との対応部分に同一符号を付して示すように、 第 34図 において、 単位遅延量 の遅延回路 1 1 0及び 1 1 1をそれぞれ単位遅延 量がて ai 及びて a2 (r! =r i +r a2 ) の 2つの遅延回路 1 1 0 1、 1 1 02及び 1 1 1 1、 1 1 1 2を組み合わせるような構成に置き換えるこ とにより、 3タップ型イコライザに代えて、 5つのタップからそれぞれタツ プ出力 h (t + r a2 ) 、 h ( t + r a i ) . h (t) 、 h (t -r a, ) ^ h ( t一 r a 2 ) を得、 これを重み付け係数 a 2、 a l、 1、 a l、 a 2の 増幅回路 1 1 22、 1 1 2 1、 1 1 3 1、 1 1 4 1、 1 1 2を介して加算 回路 1 1 5に供給するようにする。
このよう すれば、 3タツプ型ィコライザ部分の構成のタップ数を増加す ることにより、 検出信号の精度を向上させることができる。
3タップ型ィコライザ部分のタップ数を増加するにつき、 タツブ数を 5以 上にしても上述の場合と同様の効果を得ることができる。
第 46図は第 44図の他の実施例を示すもので、 この場合フィルタリング 手段 9 0は、 第 44図との対応部分に同一符号を付して示すように、 第 44 図において、 ゲイン可変増幅回路 1 1 7及び 1 2 0をそれぞれ固定ゲイン b
1、 b 2、 b 3及び c 1、 c 2、 c 3を有するゲイン固定増幅回路 1 1 7 1、 1 1 7 2、 1 1 7 3及び 1 2 0 1、 1 2 0 2、 1 2 0 3に置き換えると共に、 これらのゲイン固定増幅回路 1 1 7 1、 1 1 7 2、 1 1 7 3及び 1 2 0 1、
1 2 0 2、 1 2 0 3の出力を切換回路 1 1 7 4及び 1 2 0 4によってゲイン コントロール信号 S 1 4及び S 1 3を用いて選択することにより、 結局切換 回路 1 1 7 4及び 1 2 0 4からゲイン切換信号に対応して重み付けされたタ ップ出力を得るようになされている。
第 4 6図のように構成しても、 第 4 4図のゲイン可変増幅回路 1 1 7及び
1 2 0と同様の機能を実現できることにより、 第 4 4図の場合と同様の効果 を得ることができる。'
第 4 5図は第 3 4図のさらに他の実施例を示すもので、 この場合フィルタ リング手段 9 0は、 第 3 4図の対応部分に同一符号を付して示すように、 第
3 4図において、 ゲイン可変増幅回路 1 1 7及び 1 2 0をそれぞれ固定ゲイ ン b l、 b 2、 b 3及び c l、 c 2、 c 3を有するゲイン固定増幅回路 1 1 7 1、 1 1 7 2、 1 1 7 3及び 1 2 0 1、 1 2 0 2、 1 2 0 3に置き換える と共に、 これらのゲイン固定増幅回路 1 1 7 1、 1 1 7 2、 1 1 7 3及び 1
2 0 1、 1 2 0 2、 1 2 0 3の出力を切換回路 1 1 7 4及び 1 2 0 4によつ てゲインコントロール信号 S 1 4及び S 1 3を用いて選択することにより、 結局切換回路 1 1 7 4及び 1 2 0 4からゲイン切換え信号に対応して重み付 けされたタップ出力を得るようになされている。
第 4 7図のように構成しても、 第 3 4図のゲイン可変増幅回路 1 1 7及び 1 2 0と同様の機能を実現できることにより、 第 3 4図の場合と同様の効果 を得ることができる。
かく して 「イコライザがない」 より簡単な回路構成により、 前述したディ スク装置とほぼ同様な効果を得ることができるようになされている。
なお、 第 4 6図及び第 4 7図の実施例においては、 切換回路 1 1 7 4及び 1 2 0 4として入力が与えられていない入力端子を含めて 4段階に変えてい
る実施例について述べた力 この段階は 0を含めて 2以上であれば何段階で もよい。
また本発明は上述の構成の光ディスク装置 4 1に適用する場合に限らず、 その他の種々の構成のものに適用し得る。
特に、 本 明の光ディスク装置に使用される可変イコライザを構成する各 遅延回路及び各増幅回路はディジタル信号処理方式又は、 アナログ信号処理 方式のいずれにも適用できる。 産業上の利用可能性
本発明は例えばコンピュータの記憶装置、 音楽情報記憶装置、 画像情報記 憶装置などの情報記憶装置に適用し得る。 符号の説明
DL 1、 DL 2……遅延回路、 AM1〜AM3……増幅回路、 AD 1…… 加算回路、 1、 2 5···…ディスク再生装置、 2 "…-光ディスク、 7……コリ メータレンズ、 8、 1 ……対物レンズ、 9、 1 2……ビームスプリッタ、 1 0、 1 4、 2 8……受光素子、 1 1……透明平行平板、 1 3……遮光板、 1 5、 1 6、 2 9、 3 0、 3 1、 3 2……減算回路、 1 7、 1 8、 3 3、 3 4、 3 5、 3 6 '"…増幅回路、 1 9、 2 0 ··"··コイル、 26……発光ダイォ ード、 4 1…" ·光ディスク装置、 42……光ディスク、 46……光源、 4 7 ··'···レンズ菜、 8……クレーティング、 49……ピームスプリッタ、 5 0 ······コリメータレンズ、 5 1···…対物レンズ、 53……光ビームスポッ小補 正手段、 54……透明平行平板、 5 7……板ばね、 5 9……コイル、 6 0··· …マグネット、 6 1—…傾き検出センサ、 6 2……フォトリフレクタ、 6 3 ··"··反射鏡、 64……ディスクスキューセンサ、 65……渲算回路、 7 1、 7 2 "'…フォトリフレクタ、 73…… 光素子、 74……フォトディテクタ、 75 ······反射光スポット、 8 1'··…フォトディテクタ、 8 2……発光素子、
8 3……基板、 8 4……榭脂モールド体、 8 5……差動演算回路、 9 0…… フィルタリング手段、 1 1 0、 1 1 0 1、 1 1 0 2、 1 1 1、 1 1 1 1、 1 1 1 2、 1 1 6、 1 1 9……遅延回路、 1 1 2、 1 1 3、 1 1 4、 1 1 7、 1 1 7 1、 1 1 7 2、 1 1 7 3、 1 2 0、 1 2 0 1、 1 2 0 2、 1 2 0 3 - …増幅回路、 1 1 5……加算回路、 1 1 7 4、 1 2 0 4、 1 1 8……切換回 路。