JPWO2020170811A1 - 車体側部構造及び仕切部材 - Google Patents
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Abstract
Description
この仕切部材は、平板状部とフランジ部を有している。そして、平板状部は、センタピラーの閉断面の形状に合せて矩形に形成されている。また、フランジ部は、平板状部の四辺のうちの一辺から上方に折れ曲がるように立ち上がっている。
このような仕切部材は、フランジ部がセンタピラーの内壁面に溶接されることで、平板状部がセンタピラーの中空部を上下に仕切るように配置される。
そのため従来の仕切部材(例えば、特許文献1参照)は、センタピラーの中空部への取り付けが煩雑を極めている。
本実施形態の車体側部構造における仕切部材は、車幅方向の側方部(例えば、車幅方向の外側)に上下方向に変位可能な折畳部を有していることを主な特徴とする。
このような本実施形態に係る車体側部構造は、車体の左右両側に適用される。
ただし、以下では、車体の左側側部に配置されるものについてのみ説明し、これと車幅方向の中心線を挟んで対称構造となる車体の右側側部に配置されるものについてはその説明を省略する。
なお、図1中、センタピラーアウタ7は、センタピラー2の中空部8内を示す作図の便宜上、仮想線(二点鎖線)で示している。
図1に示すように、車体側部構造Cは、サイドシル1と、センタピラー2と、仕切部材3と、を備えている。
図1に示すように、サイドシル1は、車体の側部で前後方向に延びるように配置されている。
このようなサイドシル1は、車幅方向の内側に配置されるサイドシルインナ4と、車幅方向の外側に配置されるサイドシルアウタ5と、を備えている。
サイドシルインナ4は、車体前後方向に交差する断面視で車幅方向の外側に開くハット形状を呈している。また、サイドシルアウタ5は、車体前後方向に交差する断面視で車幅方向の内側に開くハット形状を呈している。
このような上面5aには、後記するように、仕切部材3の取付孔となる丸穴30aと長穴30b(図6参照)とが形成されている。
これらの補強部材は、サイドシルインナ4のハット形状山高部における上方角部及び下方角部で、車体前後方向に延びるように配置されている。また、補強部材は、サイドシルアウタ5のハット形状山高部における上方角部及び下方角部で、車体前後方向に延びるように配置されている。
センタピラー2(図1参照)は、車体側部で上下方向に延びる柱状物である。
図1に示すように、センタピラー2の下部は、サイドシル1に接合されている。また、図示を省略するが、センタピラー2の上部は、ルーフサイドレールに接合されている。
なお、本実施形態でのセンタピラー2は、下部側から上部に向かうほど車体後方に徐々に変位するように僅かに傾斜している。
このようなセンタピラー2は、車幅方向の内側に配置されるセンタピラーインナ6と、車幅方向の外側に配置されるサイドシルアウタ5と、を備えている。
センタピラーインナ6は、前記のように、サイドシルインナ4とサイドシルアウタ5とのフランジ同士に挟持された下部側から上方に向けて延びる略板体で形成されている。
なお、本実施形態でのセンタピラー2は、前記のように後方に向けてわずかに傾斜していることから、車体前後方向の前側に形成されるカーブのほうが、後側に形成されるカーブよりも緩やかな円弧を描くように形成されている。
車幅方向の内側でセンタピラー2の中空部8の内外を連通させるこの開口部14は、後に詳しく説明するように、センタピラー2の中空部8への仕切部材3の配置口となる。また、本実施形態での開口部14は、後に、シートベルトリトラクタ(図示を省略)の車幅方向の外側半体をセンタピラー2の中空部8に配置するための配置口をも兼ねている。
これらの充填孔15a,15bは、仕切部材3とサイドシルアウタ5の上面5aとの間に形成される後記の充填室17に連通する。
ちなみに、第1及び第2傾斜板12a,12bは、後に詳しく説明するように、仕切部材3を構成する。
次に、センタピラーアウタ7(図1参照)について説明する。
図2は、図1のII−II断面図である。図3は、図1のIII−III断面図である。なお、図2及び図3中、図1と同様の構成要素については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
センタピラーアウタ7のハット形状鍔部に相当する両フランジは、センタピラーインナ6の車体前後方向の両縁部にスポット溶接などで接合されている。
これによりセンタピラーアウタ7は、図1に示すように、センタピラーインナ6の形状に合せて、サイドシル1側で幅広に形成されるとともに、上方に向かうほど車体前後方向の幅を徐々に狭めるように延びている。
なお、図2に示す中空部8は、後記する仕切部材3の上方に形成されている様子を示しており、符号14は、センタピラーインナ6の開口部である。
このような本実施形態での中空部8の形状は、上下方向に交差する図2に示す断面形状で、下底よりも短い上底が車幅方向の外側に位置する略等脚台形形状を呈している。
なお、図2中、センタピラーアウタ7の内壁面に配置されるスティフナの記載は、作図の便宜上、省略している。
このようなセンタピラーアウタ7の両側面における下部は、サイドシルアウタ5の上面5aにスポット溶接などで接合されている。
また、この外側面21の下端部21aは、サイドシルアウタ5の車幅方向の外側面22とオーバーラップするように延びている。
そして、センタピラーアウタ7の下端部21aのオーバーラップ部は、サイドシルアウタ5の外側面22にスポット溶接などで接合されている。
なお、図3中、符号4はサイドシルインナであり、符号14はセンタピラーインナ6の開口部である。符号16は、前記したセパレータ取付用のクリップ(係止部材)であり、符号3は次に説明する仕切部材である。また、図3中、センタピラーアウタ7の内壁面に配置されるスティフナの記載は、作図の便宜上、省略している。
次に、仕切部材3(図1参照)について説明する。
図4は、仕切部材3の全体斜視図である。図5Aは図1における仕切部材3を車体の外側から見た正面図、図5Bは図1における仕切部材3の上面図、図5Cは図1における仕切部材3の下面図、図5Dは図1における仕切部材3を車体の前側から見た側面図、図5Eは図1における仕切部材3を車体の後側から見た側面図である。
本実施形態での仕切部材3は、合成樹脂成形品を想定している。
ベース板9は、図5Aから図5Cに示すように、車体前後方向に並ぶ第1半体9aと、第2半体9bとがヒンジ部H1を介して接合されて形成されている。
ヒンジ部H1は、ベース板9の一般部よりも薄肉に形成されている。そして、このヒンジ部H1は、第1半体9aと第2半体9b同士を、ベース板9における車幅方向(内外方向)の略中央で部分的に接合している。
本実施形態での第1半体9aは、車体前後方向の前側に配置されている。そして、第1半体9aの平面形状は、図5B及び図5Cに示すように、車体前後方向の前端に斜辺9a1を有する略直角台形形状を呈している。
なお、本実施形態での第1半体9aの斜辺9a1は、第2半体9bの斜辺9b1よりも長くなっている。
次に傾斜板12(図4参照)について説明する。
傾斜板12は、図5Aに示すように、第1半体9aの車体前後方向の前側に配置される第1傾斜板12aと、第2半体9bの車体前後方向の後側に配置される第2傾斜板12bとで構成されている。
そして、第1傾斜板12aは、図5A及び図5Bに示すように、上方に凸となるように僅かに湾曲している。
そして、第2傾斜板12bは、図5A及び図5Bに示すように、上方に凸となるように僅かに湾曲している。
ちなみに、第2傾斜板12bの高さは、後記するリブ13の車体前後方向の位置との関係で、第1傾斜板12aよりも上方に高くなるように設定されている。
次に、折畳部11(図4参照)について説明する。
折畳部11は、図5B及び図5Cに示すように、第1半体9a側に配置される第1折畳部11aと、第2半体9b側に配置される第2折畳部11bとで構成されている。
第1折畳部11aと第2折畳部11bのそれぞれは、第1半体9aと第2半体9bのそれぞれの車幅方向の外側端縁に沿って長く延びるように形成される細長板体で形成されている。
これらヒンジ部H2,H2は、図5D及び図5Eに示すように、第1折畳部11aと第2折畳部11bとの一般部よりも薄肉に形成されている。そして、これらヒンジ部H2,H2は、図5Bに示すように、第1折畳部11aと第2折畳部11bのそれぞれにおける車体前後方向の略中央部に部分的に配置されている。
ちなみに、このような凹部23に対応するように設けられた前記のクリップ16(図2参照)は、図3に示すように、凹部23の上方に位置することとなる。
次に、固定部18(図4参照)について説明する。
固定部18は、図5Aに示すように、第1半体9a側に配置される第1固定部18aと、第2半体9b側に配置される第2固定部18bと、で構成されている。
第1固定部18aと第2固定部18bのそれぞれは、第1半体9aと第2半体9bのそれぞれから下方に突出するように形成されている。
そして、第1固定部18aは、図5Bに示すように、第1半体9aの車体前後方向の略中央に配置されている。また、第2固定部18bは、図5Bに示すように、第2半体9bの斜辺9b1寄りに配置されている。
そして、これらの基部28は、図5Aから図5Cに示すように、第1半体9aと第2半体9bとを構成するそれぞれの板体が下方に部分的に窪むことで形成されている。つまり、これらの基部28は、上方に開き、下方に閉じた有底の筒体で形成されている。ちなみに、図3中、隠れ線(点線)で示す基部28の軸線Axは、サイドシルアウタ5の上面5aと直交するように延びている。
係合部29aは、後記する丸穴30a(図6参照)にスナップフィットする構成となっている。係合部29bは、後記する長穴30b(図6参照)に嵌入するようになっている。本実施形態での係合部29aは、丸穴30aに嵌り込んだ際に、裏側の穴部周縁に引っ掛かるかえしを有する突起を想定しているがこれに限定されるものではない。
図6は、図1において、センタピラーアウタ7と仕切部材3とを取り除いた様子を示す部分拡大斜視図である。
図6に示すように、サイドシルアウタ5の上面5aには、この上面5aに仕切部材3(図1参照)を配置した際に、仕切部材3の係合部29a,29b(図5A参照)に対応するように、丸穴30aと長穴30bとが形成されている。これらの丸穴30aと長穴30bとは、サイドシルアウタ5を形成する板材を貫通している。
図6に示すように、長穴30bは、車体前後方向に長く形成されている。この長穴30bは、サイドシルアウタ5の上面5aに対して仕切部材3を位置決めする際の副基準となる。
つまり、後記するように、丸穴30a(図6参照)に対して係合部29a(図5A参照)を係合させてから長穴30b(図6参照)に係合部29b(図5A参照)を係合させる際に、長穴30bは、係合部29bの前後方向の多少のずれを吸収して係合部29bと係合する。
次に、リブ13(図4参照)について説明する。
リブ13は、図5A及び図5Cに示すように、ベース板9の下面に形成されている。具体的には、ヒンジ部H1寄りで第2半体9bの下面から下方に延びるように形成されている。つまり、リブ13は、図3に示すように、仕切部材3がサイドシルアウタ5の上面5aに配置された際に、この上面5aに向けて延びて当接するように形成されている。
そして、ヒンジ部H2周りに回動自在にベース板9に取り付けられた折畳部11は、その車幅方向の外側縁部が、傾斜するセンタピラーアウタ7の内壁面に当接することで上方への変位が規制される。
そして、センタピラー2の中空部8は、仕切部材3とサイドシルアウタ5の上面5aとの間に、発泡性樹脂の充填室17を形成する。この充填室17は、前記の充填孔15a,15bを介してセンタピラー2の外部と連通する。
以下では、主にセンタピラー2の中空部8に対する仕切部材3の取付方法を示しながら本実施形態に係る車体側部構造Cの製造方法について説明する。
図7Aは、仕切部材3の折畳部11を折り畳む、車体側部構造Cの製造方法における第1工程の説明図である。
図7Bは、仕切部材3のベース板9を中折れさせる、車体側部構造Cの製造方法における第2工程の説明図である。
図7Cは、仕切部材3をセンタピラー2の中空部8に挿入する、車体側部構造Cの製造方法における第3工程の説明図である。
図7Dは、仕切部材3をセンタピラー2の中空部8で展開してサイドシルアウタ5の上面5aに取り付ける、車体側部構造Cの製造方法における第4工程の説明図である。
なお、図7A中、符号18bは第2固定部であり、符号12bは、第2傾斜板であり、符号13は、リブである。
なお、図7B中、符号12aは第1傾斜板であり、符号12bは第2傾斜板である。符号18aは第1固定部であり、符号18bは第2固定部である。
図7C中、符号5aはサイドシルアウタ5の上面である。また、符号30bは第2固定部18bの係合部29bが係合する長穴である。
この際、折り畳まれた後側の折畳部11b(図5B参照)は、センタピラー2の内壁面に徐々に近づくように展開する。
このような展開によって第1半体9aと第2半体9bとが車体前後方向に並んだ後、まず第1固定部18aの係合部29aが、主基準としての丸穴30aに挿入されて係合する。
これに対して長穴30bは、車体前後方向に長く形成されている。
これにより長穴30bは、係合部29bの前後方向の多少のずれを吸収して係合部29bと係合する。
これにより仕切部材3とサイドシルアウタ5の上面5aとの間には、前記のように発泡性樹脂の充填室17(図1参照)が形成される。
充填室17に対する発泡性樹脂の充填は、図1に示す充填孔15a,15bを介して行われる。
本実施形態での発泡性樹脂の充填工程は、車体前後方向の後側に形成された充填孔15bを介して行われる第1充填工程と、その後に車体前後方向の前側に形成された充填孔15aを介して行われる第2充填工程との2工程に分けて行われる。
ちなみに図8は、上方から見た充填室17を模式的に表したものである。
第1充填室17aの前方で車幅方向の内側から外側に向けて流れ込んだ発泡性樹脂Rは、第1折畳部11a(図5B参照)の先端を、図3に示すセンタピラーアウタ7の内壁面に当接するまで押し上げるとともに、第1折畳部11aの下方に沿って傾斜面Ip側に向けて流れ込んでいく。そして、発泡性樹脂Rは、傾斜面Ipに沿って流れながら基部28aの周囲を満たしていくとともに、第1充填室17aの角部にまでも行き渡る。
次に、本実施形態の車体側部構造Cの奏する作用効果について説明する。
車体側部構造Cの仕切部材3は、車幅方向の側方部が上下方向に変位可能な折畳部11を有している。
このような車体側部構造Cによれば、折畳部11による車幅方向の仕切部材3の短縮化に加えて、中折れ構造20によって車体前後方向の仕切部材3の短縮化を図ることができる。
このような車体側部構造Cによれば、クリップ16は凹部23の上方にあるので、この凹部23によって折畳部11の変位がクリップ16によって妨げられることが免れる。
この車体側部構造Cは、仕切部材3がサイドシルアウタ5の上面5aに配置された際に、リブ13がサイドシルアウタ5の上面5aに当接する。このような車体側部構造Cによれば、サイドシルアウタ5の上面5aに当接したリブ13によって、上面5a上で仕切部材3が中折れすることを、より確実に防止することができる。
前記実施形態では、折畳部11をベース板9の車幅方向の外側に有するものについて説明したが、折畳部11は、ベース板9の車幅方向の内側に有する構成とすることもできる。
また、このような車体側部構造Cにおいては、少なくとも1つの充填孔15を有すればよい。したがって、このような車体側部構造Cにおいては、充填孔15の数、及びその位置に制限はない。
図9に示すように、このリブ13は、充填室17の上面視で、車幅方向の内側から外側に向かうほど徐々に車体前後方向の前側に変位するように傾斜している。
これにより第2充填工程においては、発泡性樹脂Rが第1充填室17a内に満遍なく行き渡る。
2 センタピラー
3 仕切部材
4 サイドシルインナ
5 サイドシルアウタ
5a サイドシルアウタの上面
6 センタピラーインナ
7 センタピラーアウタ
8 センタピラーの中空部
9 ベース板
9a 第1半体
9b 第2半体
11 折畳部
11a 第1折畳部
11b 第2折畳部
12 傾斜板
12a 第1傾斜板
12b 第2傾斜板
13 リブ
14 センタピラーインナの開口部
15 発泡性樹脂の充填孔
15a 第1充填孔
15b 第2充填孔
16 クリップ(他部材の係止部材)
17 発泡性樹脂の充填室
17a 第1充填室
17b 第2充填室
18 固定部
18a 第1固定部
18b 第2固定部
20 中折れ構造
23 折畳部の凹部
28 固定部の基部
28a 第1固定部の基部
28b 第2固定部の基部
29a 第1固定部の係合部
29b 第2固定部の係合部
30a 丸穴
30b 長穴
Ax 基部の軸線
C 車体側部構造
H1 中折れ構造のヒンジ部
H2 折畳部のヒンジ部
Ip 傾斜面
R 発泡性樹脂
Claims (6)
- 車体前後方向に延びるサイドシルと、
前記サイドシルから上方向に延設されたセンタピラーアウタと、
前記センタピラーアウタの車幅方向の内側に設置されたセンタピラーインナと、
前記センタピラーアウタと前記センタピラーインナとで形成される中空部内に設置される仕切部材と、
を備え、
前記仕切部材は、車幅方向の側方部が上下方向に変位可能な折畳部を有することを特徴とする車体側部構造。 - 前記折畳部は、前記センタピラーアウタ側の前記側方部に設けられ、前記折畳部には、車幅方向に凹む凹部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車体側部構造。
- 前記仕切部材は、車体前後方向に復元可能に中折れする中折れ構造を有していることを特徴とする請求項1に記載の車体側部構造。
- 前記センタピラーアウタは、前記凹部の上方に他部材の係止部材を有していることを特徴とする請求項2に記載の車体側部構造。
- 前記仕切部材は、前記サイドシルの上面に固定される少なくとも2つの固定部を車体前後方向に並ぶように有するとともに、前記サイドシルの上面に向けて延びるように立設されるリブを前記固定部同士の間に有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車体側部構造。
- センタピラーの中空部を上下に仕切る仕切部材であって、
車幅方向の側方部が上下方向に変位可能な折畳部を有することを特徴とする仕切部材。
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