JP6856680B2 - 車体側部構造及び仕切部材 - Google Patents

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Description

本発明は、車体側部構造及び仕切部材に関する。
従来、車体の防音性を向上させるために、センタピラーの閉断面に発泡材を充填した車体側部構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この車体側部構造は、センタピラーの中空部に発泡基材をサポート部材で支持した仕切部材を配置し、電着塗装後の乾燥工程における熱を利用して発泡基材を発泡させる。これによりセンタピラーの閉断面に発泡した充填材が配置される。
特開2003−237624号公報
ところが、従来の車体側部構造(例えば、特許文献1参照)は、センタピラーの中空部の所定位置にサポート部材で支持した定型の発泡基材を、電着塗装乾燥時の一様な熱で発泡させる。そのため従来の車体側部構造は、センタピラーの閉断面形状に合せて発泡基材の発泡状態をコントロールできない問題があった。したがって、昨今のセンタピラーの閉断面形状が複雑化した車体側部構造に適用しようとすると、センタピラーの中空部内に発泡した充填材が所期の狙った分布で十分に行き渡らない場合があった。
本発明の課題は、従来と異なって、センタピラーの中空部での充填材の発泡状態をコントロールすることができる車体側部構造及び仕切部材を提供することにある。
前記課題を解決した本発明の車体側部構造は、車体前後方向に延びるサイドシルと、前記サイドシルから上方向に延設されたセンタピラーアウタと、前記センタピラーアウタの車幅方向の内側に設置されたセンタピラーインナと、前記センタピラーアウタと前記センタピラーインナとで形成される中空部内に小室を仕切って形成する仕切部材と、を備え、前記センタピラーインナは、前記小室に臨む穴部を有し、前記仕切部材は、前記穴部と対向するように、前記小室を仕切る前記仕切部材の板面から前記小室側に突出する壁部を有していることを特徴とする。
また、前記課題を解決した本発明の仕切部材は、センタピラーの中空部内で小室を仕切って形成する仕切部材であって、前記小室に臨むように前記センタピラーに形成された穴部に対向するように、前記小室を仕切る前記仕切部材の板面から前記小室側に突出する壁部を有することを特徴とする。
本発明の車体側部構造及び仕切部材によれば、従来と異なって、センタピラーの中空部での充填材の発泡状態をコントロールすることができる。
本発明の実施形態に係る車体側部構造の部分拡大斜視図である。 図1のII−II断面図である。 図1のIII−III断面図である。 本発明の実施形態に係る仕切部材の全体斜視図である。 (a)は図1における仕切部材を車体の外側から見た正面図、(b)は図1における仕切部材の上面図、(c)は図1における仕切部材の下面図、(d)は図1における仕切部材を車体の前側から見た側面図、(e)は図1における仕切部材を車体の後側から見た側面図である。 図1において、センタピラーアウタと仕切部材とを取り除いた様子を示す部分拡大斜視図である。 (a)から(d)は、本実施形態に係る車体側部構造の製造方法の工程説明図である。 (a)は、本実施形態に係る車体側部構造の小室(充填室)に充填される充填材の発泡位置を示す斜視図である。(b)は、比較例としての車体側部構造の小室(充填室)に充填される充填材の発泡位置を示す斜視図である。 第1変形例に係る仕切部材を有する車体側部構造の断面図である。 第2変形例に係る仕切部材を有する車体側部構造の部分拡大斜視図である。 第2変形例に係る仕切部材によって仕切られた小室(充填室)の様子を示す模式図である。 第3変形例に係る仕切部材によって仕切られた小室(充填室)の様子を示す模式図である。
次に、本発明を実施するための形態(本実施形態)に係る車体側部構造について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、参照する図面の上下前後の矢示方向は、車体の上下前後方向に一致している。また、図面の内外の矢示方向は、車幅方向の車体の内側及び外側に一致している。
本実施形態に係る車体側部構造は、サイドシルに接合されたセンタピラーの中空部を仕切って小室(充填室)を形成している。また、車体側部構造は、小室(充填室)に臨む穴部(充填孔)をセンタピラーに有し、センタピラーの中空部の仕切部材が穴部(充填孔)に対向する壁部を有していることを主な特徴とする。
以下に、この車体側部構造について、センタピラーの中空部を仕切部材で仕切って発泡性樹脂の充填室を形成するものを例にとって説明する。ちなみに、このセンタピラーにおける発泡性樹脂の充填構造は、自動車の走行時に生じるロードノイズや車体構成部材の風切り音が乗員に伝達することを防止するように機能する。
このような本実施形態に係る車体側部構造は、車体の左右両側に適用される。
ただし、以下では、車体の左側側部に配置されるものについてのみ説明し、これと車幅方向の中心線を挟んで対称構造となる車体の右側側部に配置されるものについてはその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る車体側部構造Cの部分拡大斜視図である。
なお、図1中、センタピラーアウタ7は、センタピラー2の中空部8内を示す作図の便宜上、仮想線(二点鎖線)で示している。
図1に示すように、車体側部構造Cは、サイドシル1と、センタピラー2と、仕切部材3と、を備えている。
<サイドシル>
図1に示すように、サイドシル1は、車体の側部で前後方向に延びるように配置されている。
このようなサイドシル1は、車幅方向の内側に配置されるサイドシルインナ4と、車幅方向の外側に配置されるサイドシルアウタ5と、を備えている。
サイドシルインナ4は、車体前後方向に交差する断面視で車幅方向の外側に開くハット形状を呈している。また、サイドシルアウタ5は、車体前後方向に交差する断面視で車幅方向の内側に開くハット形状を呈している。
サイドシルインナ4とサイドシルアウタ5とは、互いのハット形状鍔部に相当するフランジ同士がスポット溶接などで接合されている。これにより互いのハット形状山高部に相当する膨出部同士が一体になって、サイドシル1は閉断面を形成している。
また、後記するセンタピラー2を構成するセンタピラーインナ6は、サイドシルインナ4とサイドシルアウタ5とのフランジ同士の間に配置されて、これらと三枚重ねで接合されている。
そして、サイドシルアウタ5の上面5aは、センタピラーインナ6側から車幅方向の外側に向かうほど徐々に下方に変位するように僅かに傾斜している。
このような上面5aには、後記するように、仕切部材3の取付孔となる丸穴30aと長穴30b(図6参照)とが形成されている。
このようなサイドシル1の内側には、図示を省略したが、断面視で略L字形状を呈する複数の補強部材が配置されている。
これらの補強部材は、サイドシルインナ4のハット形状山高部における上方角部及び下方角部で、車体前後方向に延びるように配置されている。また、補強部材は、サイドシルアウタ5のハット形状山高部における上方角部及び下方角部で、車体前後方向に延びるように配置されている。
<センタピラー>
センタピラー2(図1参照)は、車体側部で上下方向に延びる柱状物である。
図1に示すように、センタピラー2の下部は、サイドシル1に接合されている。また、図示を省略するが、センタピラー2の上部は、ルーフサイドレールに接合されている。
なお、本実施形態でのセンタピラー2は、下部側から上部に向かうほど車体後方に徐々に変位するように僅かに傾斜している。
このようなセンタピラー2は、車幅方向の内側に配置されるセンタピラーインナ6と、車幅方向の外側に配置されるサイドシルアウタ5と、を備えている。
(センタピラーインナ)
センタピラーインナ6は、前記のように、サイドシルインナ4とサイドシルアウタ5とのフランジ同士に挟持された下部側から上方に向けて延びる略板体で形成されている。
センタピラーインナ6は、車幅方向の内側からの側面視で、センタピラー2の略外形を形成している。つまり、センタピラーインナ6の下部は、サイドシル1側で幅広に形成されるとともに、上方に向かうほど車体前後方向の幅を徐々に狭めるように延びている。具体的には、センタピラーインナ6の下部における車体前後方向の両縁部は、下方に凹となるようになだらかなカーブを描いている。
なお、本実施形態でのセンタピラー2は、前記のように後方に向けてわずかに傾斜していることから、車体前後方向の前側に形成されるカーブのほうが、後側に形成されるカーブよりも緩やかな円弧を描くように形成されている。
また、センタピラーインナ6の下部には、車体前後方向の略中央に、略矩形の開口部14を有している。
車幅方向の内側でセンタピラー2の中空部8の内外を連通させるこの開口部14は、後に詳しく説明するように、センタピラー2の中空部8への仕切部材3の配置口となる。また、本実施形態での開口部14は、後に、シートベルトリトラクタ(図示を省略)の車幅方向の外側半体をセンタピラー2の中空部8に配置するための配置口をも兼ねている。
また、センタピラーインナ6の下部には、後記する発泡性樹脂の充填孔15が形成されている。なお、この充填孔15は、特許請求の範囲にいう「穴部」に相当する。この充填孔15は、仕切部材3とサイドシルアウタ5の上面5aとの間に形成される後記の充填室17に連通する。
なお、この充填室17は、特許請求の範囲にいう「小室」に相当する。
この充填孔15は、開口部14の車体前後方向の後角下の近傍に配置される。
具体的には、充填孔15は、後記する仕切部材3の第2傾斜板12bの下方に形成される。
また、この充填孔15は、後記する仕切部材3の壁部10と向き合うこととなる。
(センタピラーアウタ)
次に、センタピラーアウタ7(図1参照)について説明する。
図2は、図1のII−II断面図である。図3は、図1のIII−III断面図である。なお、図2及び図3中、図1と同様の構成要素については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図2に示すように、センタピラーアウタ7は、上下方向に交差する断面視で車幅方向の内側に開くハット形状を呈している。
センタピラーアウタ7のハット形状鍔部に相当する両フランジは、センタピラーインナ6の車体前後方向の両縁部にスポット溶接などで接合されている。
これによりセンタピラーアウタ7は、図1に示すように、センタピラーインナ6の形状に合せて、サイドシル1側で幅広に形成されるとともに、上方に向かうほど車体前後方向の幅を徐々に狭めるように延びている。
また、センタピラーアウタ7は、図2に示すように、ハット形状山高部に相当する膨出部が、センタピラーインナ6との間に前記した中空部8を形成している。
なお、図2に示す中空部8は、後記する仕切部材3の上方に形成されている様子を示しており、符号14は、センタピラーインナ6の開口部である。
このような本実施形態での中空部8の形状は、上下方向に交差する図2に示す断面形状で、下底よりも短い上底が車幅方向の外側に位置する略等脚台形形状を呈している。
図2中、符号16は、セパレータ(図示省略)をセンタピラーアウタ7の内壁面に取り付けるクリップである。ちなみに、このクリップ16は、特許請求の範囲にいう「他部材の係止部材」に相当する。このクリップ16は、後記するように、仕切部材3の凹部23に対して上下方向に対応する位置に配置されている。
なお、図2中、センタピラーアウタ7の内壁面に配置されるスティフナの記載は、作図の便宜上、省略している。
図1に示すように、センタピラーアウタ7の車体前後方向の両側面は、上方から下方に向けて末広がりに延びている。そして、センタピラーアウタ7の両側面における下部は、サイドシルアウタ5の上面5aに沿うように延びている。
このようなセンタピラーアウタ7の両側面における下部は、サイドシルアウタ5の上面5aにスポット溶接などで接合されている。
図3に示すように、センタピラーアウタ7の車幅方向の外側面21は、上方から下方に向かうほど車幅方向の外側に変位するように傾斜している。
また、この外側面21の下端部21aは、サイドシルアウタ5の車幅方向の外側面22とオーバーラップするように延びている。
そして、センタピラーアウタ7の下端部21aのオーバーラップ部は、サイドシルアウタ5の外側面22にスポット溶接などで接合されている。
なお、図3中、符号4はサイドシルインナであり、符号14はセンタピラーインナ6の開口部である。符号16は、前記したセパレータ取付用のクリップ(係止部材)であり、符号3は次に説明する仕切部材である。また、図3中、センタピラーアウタ7の内壁面に配置されるスティフナの記載は、作図の便宜上、省略している。
<仕切部材>
次に、仕切部材3(図1参照)について説明する。
図4は、仕切部材3の全体斜視図である。図5(a)は図1における仕切部材3を車体の外側から見た正面図、図5(b)は図1における仕切部材3の上面図、図5(c)は図1における仕切部材3の下面図、図5(d)は図1における仕切部材3を車体の前側から見た側面図、図5(e)は図1における仕切部材3を車体の後側から見た側面図である。
図4に示すように、仕切部材3は、ベース板9と、傾斜板12と、折畳部11と、固定部18と、壁部10と、を主に備えて構成されている。
本実施形態での仕切部材3は、合成樹脂成形品を想定している。
(ベース板)
ベース板9は、図5(a)から図5(c)に示すように、車体前後方向に並ぶ第1半体9aと、第2半体9bとがヒンジ部H1を介して接合されて形成されている。
ヒンジ部H1は、ベース板9の一般部よりも薄肉に形成されている。そして、このヒンジ部H1は、第1半体9aと第2半体9b同士を、ベース板9における車幅方向(内外方向)の略中央で部分的に接合している。
ベース板9は、このヒンジ部H1によって第1半体9aと第2半体9b同士が向き合うように中折れする中折れ構造20(図7(b)参照)を有する構成となる。
本実施形態での第1半体9aは、車体前後方向の前側に配置されている。そして、第1半体9aの平面形状は、図5(b)及び図5(c)に示すように、車体前後方向の前端に斜辺9a1を有する略直角台形形状を呈している。
また、本実施形態での第2半体9bは、車体前後方向の後側に配置されている。そして、第2半体9bの平面形状は、車体前後方向の後端に斜辺9b1を有する略直角台形形状を呈している。
つまり、第1半体9aと第2半体9bとが接合されたベース板9の平面形状は、図5(a)及び図5(c)に示すように、車幅方向の内側に短辺の上底と、車幅方向の外側にこの上底と平行に延びる長辺の下底と、を有する略台形形状となっている。
なお、本実施形態での第1半体9aの斜辺9a1は、第2半体9bの斜辺9b1よりも長くなっている。
(傾斜板)
次に傾斜板12(図4参照)について説明する。
傾斜板12は、図5(a)に示すように、第1半体9aの車体前後方向の前側に配置される第1傾斜板12aと、第2半体9bの車体前後方向の後側に配置される第2傾斜板12bとで構成されている。
第1傾斜板12aは、図5(b)に示す上面視で、略三角形状を呈している。そして、第1傾斜板12aは、略三角形状の底辺が第1半体9aの斜辺9a1に接続されている。また、第1傾斜板12aは、図5(b)に示す上面視で、略三角形状の第1辺26aが略車体前後方向に沿って延びるとともに、略三角形状の第2辺26bが略車幅方向(内外方向)に沿って延びている。
このような第1傾斜板12aは、図5(a)に示す正面視で、車体前後方向の前側に向かうほど上方に徐々に変位するように傾斜している。
そして、第1傾斜板12aは、図5(a)及び(b)に示すように、上方に凸となるように僅かに湾曲している。
これにより第1傾斜板12aの第1辺26aは、図1に示すように、センタピラーインナ6の内壁面に沿うように配置される。第1傾斜板12aの第2辺26bは、図1に示すように、センタピラーアウタ7の車体前後方向における前側の側部の内壁面に沿うように配置される。
第2傾斜板12bは、図5(b)に示す上面視で、略三角形状を呈している。そして、第2傾斜板12bは、略三角形状の底辺が第2半体9bの斜辺9b1に接続されている。また、第2傾斜板12bは、図5(b)に示す上面視で、略三角形状の第1辺27aが略車体前後方向に沿って延びるとともに、略三角形状の第2辺27bが略車幅方向(内外方向)に沿って延びている。
このような第2傾斜板12bは、図5(a)に示す正面視で、車体前後方向の後側に向かうほど上方に徐々に変位するように傾斜している。
そして、第2傾斜板12bは、図5(a)及び(b)に示すように、上方に凸となるように僅かに湾曲している。
これにより第2傾斜板12bの第1辺27aは、センタピラーインナ6(図1参照)の内壁面に沿うように配置される。第2傾斜板12bの第2辺27bは、センタピラーアウタ7(図1参照)の車体前後方向における後側の側部の内壁面に沿うように配置される。
ちなみに、第2傾斜板12bの高さは、第1傾斜板12aよりも上方に高くなるように設定されている。
(折畳部)
次に、折畳部11(図4参照)について説明する。
折畳部11は、図5(b)及び(c)に示すように、第1半体9a側に配置される第1折畳部11aと、第2半体9b側に配置される第2折畳部11bとで構成されている。
第1折畳部11aと第2折畳部11bのそれぞれは、第1半体9aと第2半体9bのそれぞれの車幅方向の外側端縁に沿って長く延びるように形成される細長板体で形成されている。
第1折畳部11aと第2折畳部11bのそれぞれは、第1半体9aと第2半体9bのそれぞれに独立のヒンジ部H2,H2を介して取り付けられている。
これらヒンジ部H2,H2は、図5(d)及び(e)に示すように、第1折畳部11aと第2折畳部11bとの一般部よりも薄肉に形成されている。そして、これらヒンジ部H2,H2は、図5(b)に示すように、第1折畳部11aと第2折畳部11bのそれぞれにおける車体前後方向の略中央部に部分的に配置されている。
これにより第1折畳部11aと第2折畳部11bのそれぞれは、第1半体9aと第2半体9bのそれぞれの車幅方向の外側端縁で、ヒンジ部H2周りに回動可能になっている。つまり、第1折畳部11aと第2折畳部11bのそれぞれは、第1半体9aと第2半体9bのそれぞれに対して、車幅方向の外側が上下方向に変位可能となって折り畳むことができるようになっている。
また、第1折畳部11aと第2折畳部11bのそれぞれは、図5(b)及び(c)に示すように、車幅方向の内側に凹む凹部23を有している。
ちなみに、このような凹部23に対応するように設けられた前記のクリップ16(図2参照)は、図3に示すように、凹部23の上方に位置することとなる。
(固定部)
次に、固定部18について説明する。
固定部18は、図5(a)に示すように、第1半体9a側に配置される第1固定部18aと、第2半体9b側に配置される第2固定部18bと、で構成されている。
第1固定部18aと第2固定部18bのそれぞれは、第1半体9aと第2半体9bのそれぞれから下方に突出するように形成されている。
そして、第1固定部18aは、図5(b)に示すように、第1半体9aの車体前後方向の略中央に配置されている。また、第2固定部18bは、図5(b)に示すように、第2半体9bの斜辺9b1寄りに配置されている。
第1固定部18aと第2固定部18bのそれぞれは、図5(a)に示すように、基部28a,28bと、係合部29a,29bと、を有している。なお、以下の説明において基部28aと基部28bとを区別しない場合には、単に基部28と称する。
基部28は、第1半体9aと第2半体9bの下面のそれぞれから離れるほど縮径する略円錐台の外形を有している。
そして、これらの基部28は、図5(a)から(c)に示すように、第1半体9aと第2半体9bとを構成するそれぞれの板体が下方に部分的に窪むことで形成されている。つまり、これらの基部28は、上方に開き、下方に閉じた有底の筒体で形成されている。ちなみに、図3中、隠れ線(点線)で示す基部28の軸線Axは、サイドシルアウタ5の上面5aと直交するように延びている。
このような基部28(図5(a)参照)は、後記するように係合部29a,29b(図5(a)参照)がサイドシルアウタ5の上面5a(図1参照)に係合した際に、図3に示すように、この上面5aとベース板9とを所定の間隔で離隔させるスペーサとして機能する。
係合部29a,29bは、図5(a)及び(c)に示すように、基部28a,28bのそれぞれの下端面に配置されている。
係合部29a,29bは、後記する丸穴30a(図6参照)と長穴30b(図6参照)のそれぞれにスナップフィットする構成となっている。本実施形態での係合部29a,29bは、丸穴30a及び長穴30bのそれぞれに嵌り込んだ際に、裏側の穴部周縁に引っ掛かるかえしを有する突起を想定しているがこれに限定されるものではない。
次に、係合部29a,29b(図5(a)参照)が係合する丸穴30a(図6参照)と長穴30b(図6参照)について説明する。
図6は、図1において、センタピラーアウタ7と仕切部材3とを取り除いた様子を示す部分拡大斜視図である。
図6に示すように、サイドシルアウタ5の上面5aには、この上面5aに仕切部材3(図1参照)を配置した際に、仕切部材3の係合部29a,29b(図5(a)参照)に対応するように、丸穴30aと長穴30bとが形成されている。これらの丸穴30aと長穴30bとは、サイドシルアウタ5を形成する板材を貫通している。
係合部29a(図5(a)参照)が係合する丸穴30a(図6参照)は、図1に示すように、サイドシルアウタ5の上面5aに対して仕切部材3を位置決めする際の主基準となる。
図6に示すように、長穴30bは、車体前後方向に長く形成されている。この長穴30bは、サイドシルアウタ5の上面5aに対して仕切部材3を位置決めする際の副基準となる。
つまり、後記するように、丸穴30a(図6参照)に対して係合部29a(図5(a)参照)を係合させてから長穴30b(図6参照)に係合部29b(図5(a)参照)を係合させる際に、長穴30bは、係合部29bの前後方向の多少のずれを吸収して係合部29bと係合する。
(壁部)
次に、壁部10(図4参照)について説明する。
本実施形態での壁部10は、図1に示すように、センタピラー2の中空部8内で、充填孔15(穴部)と対向している。
この壁部10は、後記するように、センタピラー2の中空部8に充填孔15を介して後記する充填材(発泡性樹脂)を噴射注入する際に、この充填材を一旦受け止めるバッフル板(阻止板)として機能する。
このような壁部10は、図4に示すように、三角形状の板体で形成されている。そして、本実施形態での壁部10は、車体前後方向の後側に配置される前記の第2傾斜板12b(図5(a)参照)にのみ形成され、前側に配置される前記の第1傾斜板12a(図5(a)参照)には形成されていない。
ただし、壁部10は、後に詳しく説明するように、第1傾斜板12a及びに第2傾斜板12bの両方に形成することもできる。また、図示しないが、壁部10は、第1傾斜板12aにのみ形成することもできる。
このような壁部10は、図4に示すように、ベース板9の車幅方向(図4の内外方向)の略中央部に配置されているが、後記するように、仕切部材3の車幅方向の中央部に設けることもできる。
また、壁部10は、図5(e)に示すように、車幅方向(内外方向)に傾斜している。具体的には、壁部10は、固定部18b側から上方に延びるほど徐々に内側に変位するようにわずかに傾斜している。
そして、このように壁部10は、図5(a)及び図5(e)に示すように、内側への傾斜を維持しながら第2傾斜板12bの板面から車体前後方向に向けて延びている。
以上のような仕切部材3は、図3に示すように、サイドシルアウタ5の傾斜する上面5aに配置されると、この上面5aに対して直交する軸線Axを有する基部28によって、ベース板9の板面が略水平になる。
そして、ヒンジ部H2周りに回動自在にベース板9に取り付けられた折畳部11は、その車幅方向の外側縁部が、傾斜するセンタピラーアウタ7の内壁面に当接することで上方への変位が規制される。
このような仕切部材3がセンタピラー2の中空部8に配置された車体側部構造Cは、図1に示すように、センタピラー2の中空部8が仕切部材3によって上下方向に仕切られる。
そして、センタピラー2の中空部8は、仕切部材3とサイドシルアウタ5の上面5aとの間に、発泡性樹脂の充填室17を形成する。この充填室17は、前記の充填孔15a,15bを介してセンタピラー2の外部と連通する。
仕切部材3の壁部10は、充填孔15(穴部)と対向する。
<車体側部構造の製造方法>
以下では、主にセンタピラー2の中空部8に対する仕切部材3の取付方法を示しながら本実施形態に係る車体側部構造Cの製造方法について説明する。
図7(a)は、仕切部材3の折畳部11を折り畳む、車体側部構造Cの製造方法における第1工程の説明図である。
図7(b)は、仕切部材3のベース板9を中折れさせる、車体側部構造Cの製造方法における第2工程の説明図である。
図7(c)は、仕切部材3をセンタピラー2の中空部8に挿入する、車体側部構造Cの製造方法における第3工程の説明図である。
図7(d)は、仕切部材3をセンタピラー2の中空部8で展開してサイドシルアウタ5の上面5aに取り付ける、車体側部構造Cの製造方法における第4工程の説明図である。
この製造方法の第1工程では、図7(a)に示すように、仕切部材3の折畳部11を下方に変位させて折り畳む。
なお、図7(a)中、符号18bは第2固定部であり、符号12bは、第2傾斜板である。
次に、この製造方法の第2工程では、図7(b)に示すように、仕切部材3のベース板9を、ヒンジ部H1を中心に中折れさせる。これによりベース板9の第1半体9aと第2半体9bとが向き合う。
なお、図7(b)中、符号12aは第1傾斜板であり、符号12bは第2傾斜板である。符号18aは第1固定部であり、符号18bは第2固定部である。
次に、この製造方法の第3工程では、図7(c)に示すように、中折れした仕切部材3が、車内側(図7(c)の紙面奥側)からセンタピラーインナ6の開口部14を介してサイドシルアウタ5の上方に配置される。つまり、仕切部材3は、センタピラー2の中空部8に挿入される。
その後、第1固定部18aの係合部29aが丸穴30aに近付けられる。この際、折り畳まれた前側の折畳部11a(図5(b)参照)は、センタピラー2の内壁面に徐々に近づくように展開する。
図7(c)中、符号5aはサイドシルアウタ5の上面である。また、符号30bは第2固定部18bの係合部29bが係合する長穴である。
そして、折畳部11aは、凹部23(図2参照)で前側のクリップ16(図2参照)との干渉を避けながら、図3に示すように、クリップ16の下方でセンタピラー2の内壁面に当接する。
次に、この製造方法の第4工程では、図7(d)に示すように、ベース板9の第1半体9aがサイドシルアウタ5の上面5aに沿うように配置される。これとともに、第2半体9bは、第1半体9aに対して展開される。
この際、折り畳まれた後側の折畳部11b(図5(b)参照)は、センタピラー2の内壁面に徐々に近づくように展開する。
そして、折畳部11bは、凹部23(図2参照)で後側のクリップ16(図2参照)との干渉を避けながら、図3に示すように、クリップ16の下方でセンタピラー2の内壁面に当接する。
このような展開によって第1半体9aと第2半体9bとが車体前後方向に並んだ後、まず第1固定部18aの係合部29aが、主基準としての丸穴30aに挿入されて係合する。
次いで、第2固定部18bの係合部29bを長穴30bに挿入する際に、第1半体9aと第2半体9bとの展開具合によって、係合部29bの位置は、車体前後方向に多少ずれることがある。
これに対して長穴30bは、車体前後方向に長く形成されている。
これにより長穴30bは、係合部29bの前後方向の多少のずれを吸収して係合部29bと係合する。
そして、係合部29a,29bのそれぞれが、丸穴30aと長穴30bのそれぞれに係合した際に、第1固定部18aの基部28aと、第2固定部18bの基部28bとは、ベース板9(第1半体9a及び第2半体9b)の板面が水平になるようにサイドシルアウタ5の上面5aとの間に距離を開ける。
これにより仕切部材3とサイドシルアウタ5の上面5aとの間には、前記のように発泡性樹脂の充填室17(図1参照)が形成される。
次に、充填室17(図1参照)への発泡性樹脂の充填工程について説明する。
図8(a)は、本実施形態に係る車体側部構造Cの充填室17(小室)に充填される充填材の発泡原Fpの位置を示す斜視図である。図8(b)は、比較例としての車体側部構造Coの充填室17(小室)に充填される充填材の発泡原Fpの位置を示す斜視図である。
なお、本実施形態に係る車体側部構造Cは、仕切部材3に壁部10を有しているのに対して、比較例としての車体側部構造Coは、仕切部材3aに壁部10を有していない点で相違している。
この充填工程では、未硬化の発泡性樹脂(液体)を充填孔15から充填室17に注入して、この発泡性樹脂を発泡させた後、硬化させることによって充填室17を硬化した発泡性樹脂で満たす。この未硬化の発泡性樹脂は、特許請求の範囲にいう「充填材」に相当する。
本実施形態での硬化した発泡性樹脂は、硬質ウレタンフォームを想定しているがこれに限定されるものではなく、他の硬化発泡樹脂でも構わない。
本実施形態での硬質ウレタンフォームは、ウレタンフォーム原液が発泡後、硬化して形成される。
ウレタンフォーム原液としては、例えば、ポリエーテルポリオールに、シクロペンタン、水などの発泡剤、さらには触媒、整泡剤などの助剤をプレミックスした液と、イソシアネート液とを混合した液体が挙げられる。
図8(b)に示すように、壁部10を有していない車体側部構造Coにおいて、充填孔15から充填室17に未硬化の発泡性樹脂Rを射出注入すると、車幅方向の外側寄りでサイドシルアウタ5の上面5aに液状の発泡性樹脂Rが溜る。特に、外側に向けて下り勾配となる上面5aではこの傾向が顕著となる。
その後、発泡性樹脂Rは、架橋反応が開始することによって発泡し、そのフォームが充填室17を徐々に満たしていく。そして、架橋反応が進行していくに従って発泡性樹脂Rは硬化していく。
この際、発泡性樹脂Rの基本的な発泡原Fpは、未硬化の発泡性樹脂Rが初期段階で溜った車幅方向の外側寄りとなる。
これに対して本実施形態に係る車体側部構造Cにおいては、図8(a)に示すように、充填孔15から充填室17に未硬化の発泡性樹脂Rを射出注入すると、未硬化の発泡性樹脂Rは、バッフル板として機能する壁部10に当たる。その後、発泡性樹脂Rは、この壁部10によって下方に流れの向きを変える。
そして、未硬化の発泡性樹脂Rは、サイドシルアウタ5の上面5aに到達すると直ぐに発泡を開始する。つまり、本実施形態に係る車体側部構造Cにおいては、比較例と異なって、壁部10の下方に位置するサイドシルアウタ5の上面5aに発泡原Fpが形成される。このことは未硬化の発泡性樹脂Rが壁部10に衝突することで架橋反応が促進されたことによるものと考えられる。
<作用効果>
次に、本実施形態の車体側部構造Cの奏する作用効果について説明する。
本実施形態の車体側部構造Cは、仕切部材3が充填孔15(穴部)と対向する壁部10を有している。
このような車体側部構造Cによれば、壁部10の位置に応じて発泡性樹脂Rの発泡原Fpの位置をコントロールすることができる。
また、この車体側部構造Cによれば、壁部10に対して発泡性樹脂Rが当たる上下方向の位置を変えることによって、発泡性樹脂Rの発泡するタイミングをコントロールすることもできる。
このような本実施形態に係る車体側部構造Cによれば、壁部10によって発泡性樹脂Rの発泡原Fpの位置や発泡のタイミングをコントロールすることができるので、充填室17における発泡性樹脂Rの充填率を向上させることができる。
また、車体側部構造Cは、壁部10の壁面が車幅方向(内外方向)に傾斜している。
このような車体側部構造Cによれば、未硬化の発泡性樹脂Rが壁部10に当たった際に、壁部10で散乱することを抑制することができる。
以上、本実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、種々の形態で実施することができる。
図9は、第1変形例に係る仕切部材3を有する車体側部構造Cの断面図である。なお、図9において、前記実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
前記実施形態では、仕切部材3の壁部10は、ベース板9の車幅方向の中央部に形成されている(図5(e)参照)。
これに対して第1変形例に係る仕切部材3は、図9に示すように、壁部10が仕切部材3の車幅方向(内外方向)の中央部に形成されている。
このような仕切部材3を有する車体側部構造Cによれば、発泡性樹脂Rの発泡原Fp(図8(a)参照)の位置を、車幅方向の中央部に設定することができる。これにより車体側部構造Cは、充填室17(図1参照)における発泡性樹脂Rの充填効率を向上させることができる。
図10は、第2変形例に係る仕切部材3を有する車体側部構造Cの部分拡大斜視図である。図11は、第2変形例に係る仕切部材3によって仕切られた充填室17の様子を示す模式図である。図11は、上方から見た充填室17を模式的に表したものである。なお、図10及び図11において、前記実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図10に示すように、第2変形例に係る仕切部材3は、第1及び第2傾斜板12a,12bのそれぞれに壁部10a及び壁部10bを有している。また、センタピラーインナ6は、壁部10aと壁部10bのそれぞれに対応する位置に、充填孔15a(穴部)及び充填孔15b(穴部)を有している。
そして、この車体側部構造Cは、仕切部材3の下面側に、車幅方向(内外方向)に延びる下垂壁13が形成されている。具体的には、下垂壁13は、ベース板9の第2半体9bの前側寄りに配置されている。
このような下垂壁13は、第2半体9bの車幅方向の略全体に渡って形成されている。ちなみに、本実施形態での下垂壁13は、車体前後方向に対して垂直に交差する方向に延びるものを想定している。
充填室17に対する発泡性樹脂の充填は、図10に示す充填孔15a,15bを介して行われる。
本実施形態での発泡性樹脂の充填工程は、車体前後方向の後側に形成された充填孔15bを介して行われる第1充填工程と、その後に車体前後方向の前側に形成された充填孔15aを介して行われる第2充填工程との2工程に分けて行われる。
このような車体側部構造Cによれば、充填工程を2工程に分けることで、1回当たりの発泡性樹脂の注入量を低減することができ、発泡性樹脂の充填効率を向上させることができる。
ちなみに、この充填工程を1工程で行う場合には、1回当たりの発泡性樹脂の注入量が多くなることで、仕切部材3の隙間などから充填室17の外部へ発泡性樹脂が漏れ出る量が増大することがある。
図11に示すように、充填室17は、下垂壁13を境に、車体前後方向の前側に形成される第1充填室17aと、車体前後方向の後側に形成される第2充填室17bとに2分されている。
なお、本実施形態での下垂壁13は、車体前後方向の中央部から後方に向けてシフトしている。そのため第2充填室17bの容積は、第1充填室17aの容積よりも小さくなるところ、本実施形態においては、図5(a)に示すように、第2傾斜板12bの高さを第1傾斜板12aの高さよりも高く設定することによって、第1充填室17aと第2充填室17bとの容積差を解消している。つまり、本実施形態での第1充填室17aと第2充填室17bのそれぞれの容積は、略等しくなるように設定されている。
このような車体側部構造Cによれば、仕切部材3の下方に形成される充填室17の均等化によって、発泡性樹脂の充填効率を向上させることができる。
図11に示すように、第1充填工程では、第2充填孔15b(図1参照)から第2充填室17b内に発泡性樹脂Rが充填される。これにより第2充填室17bの車幅方向の略中央部に発泡性樹脂Rの発泡原Fpが形成される。
そして、この発泡原Fpを中心に発泡した発泡性樹脂Rが周囲に広がっていく。
第2充填室17bの後方で車幅方向の内側から外側に向けて流れ込んだ発泡性樹脂Rは、第2折畳部11b(図5(b)参照)の先端を、図3に示すセンタピラーアウタ7の内壁面に当接するまで押し上げるとともに、第2折畳部11bの下方に沿って第1充填室17aの一部に流れ込んでいく。この際、発泡性樹脂Rは、基部28bの周囲を満たしていくとともに、第2充填室17bの角部にまでも行き渡る。
そして、第1充填室17aに流れ込む発泡性樹脂Rは、第2折畳部11bの下方に沿って流れる際に、下垂壁13から離れる車幅方向の外側の方が内側よりも流速が速くなる。そのため第1充填室17aの一部に流れ込んだ発泡性樹脂Rは、図11に示す平面視で、傾斜面Ipを形成する。
図11に示すように、第2充填工程では、第1充填孔15a(図1参照)から第1充填室17a内に発泡性樹脂Rが充填される。これにより第1充填室17aの車幅方向の略中央部に発泡性樹脂Rの発泡原Fpが形成される。
そして、この発泡原Fpを中心に発泡した発泡性樹脂Rが周囲に広がっていく。
第1充填室17aの前方で車幅方向の内側から外側に向けて流れ込んだ発泡性樹脂Rは、第1折畳部11a(図5(b)参照)の先端を、図3に示すセンタピラーアウタ7の内壁面に当接するまで押し上げるとともに、第1折畳部11aの下方に沿って傾斜面Ip側に向けて流れ込んでいく。そして、発泡性樹脂Rは、傾斜面Ipに沿って流れながら基部28aの周囲を満たしていくとともに、第1充填室17aの角部にまでも行き渡る。
その後、充填室17に満たされた発泡性樹脂Rのフォームの硬化が行われることで、第2変形例に係る仕切部材3を有する車体側部構造Cの発泡性樹脂Rの充填工程が終了する。
前記実施形態での下垂壁13(図5(a)及び(c)参照)は、車体前後方向に対して垂直に交差する方向に延びるものを想定している。しかしながら、下垂壁13は、次に説明するように傾斜させることもできる。
図12は、第3変形例に係る仕切部材3によって仕切られた充填室17の様子を示す模式図である。
図12に示すように、この下垂壁13は、充填室17の上面視で、車幅方向の内側から外側に向かうほど徐々に車体前後方向の前側に変位するように傾斜している。
このような第3変形例に係る仕切部材3を有する車体側部構造Cによれば、車体前後方向の後側に形成された充填孔15b(図1参照)を介して第2充填室17bに発泡性樹脂Rが充填される第1充填工程において、より確実に傾斜面Ipが形成される。これにより第2充填工程においては、発泡性樹脂Rが第1充填室17a内に満遍なく行き渡る。
なお、初回に発泡性樹脂Rが充填される充填孔15bは、特許請求の範囲にいう「第1穴部」に相当する。また、この初回の後に発泡性樹脂Rが充填される充填孔15aは、特許請求の範囲にいう「第2穴部」に相当する。これらの充填孔15a,15b同士は、下垂壁13を跨いで車体前後方向にそれぞれ配置されている。
ちなみに、図示は省略したが、下垂壁13が図12に示す下垂壁13とは反対側に傾くと、第1充填工程で第1充填室17a内に傾斜面Ipが形成されない。したがって、第2充填工程において発泡性樹脂Rが第1充填室17a内に満遍なく行き渡らない。
ただし、下垂壁13が図12に示す下垂壁13とは反対側に傾く構成であっても、初回に充填孔15aから発泡性樹脂Rを第1充填室17aに充填することで、第2充填室17b内に傾斜面Ipを形成することができる。そして、この後に、充填孔15bから発泡性樹脂Rを第2充填室17bに充填することで、発泡性樹脂Rが第2充填室17b内に満遍なく行き渡る。
つまり、この例では、充填孔15aが特許請求の範囲にいう「第1穴部」となり、充填孔15bが特許請求の範囲にいう「第2穴部」となる。
1 サイドシル
2 センタピラー
3 仕切部材
4 サイドシルインナ
5 サイドシルアウタ
5a サイドシルアウタの上面
6 センタピラーインナ
7 センタピラーアウタ
8 センタピラーの中空部
9 ベース板
9a 第1半体
9b 第2半体
10 壁部
11 折畳部
11a 第1折畳部
11b 第2折畳部
12 傾斜板
12a 第1傾斜板
12b 第2傾斜板
13 下垂壁
14 センタピラーインナの開口部
15 発泡性樹脂の充填孔
15a 第1充填孔
15b 第2充填孔
16 クリップ(他部材の係止部材)
17 発泡性樹脂の充填室
17a 第1充填室
17b 第2充填室
18 固定部
18a 第1固定部
18b 第2固定部
20 中折れ構造
23 折畳部の凹部
28 固定部の基部
28a 第1固定部の基部
28b 第2固定部の基部
29a 第1固定部の係合部
29b 第2固定部の係合部
30a 丸穴
30b 長穴
Ax 基部の軸線
C 車体側部構造
H1 中折れ構造のヒンジ部
H2 折畳部のヒンジ部
Ip 傾斜面
R 発泡性樹脂

Claims (8)

  1. 車体前後方向に延びるサイドシルと、
    前記サイドシルから上方向に延設されたセンタピラーアウタと、
    前記センタピラーアウタの車幅方向の内側に設置されたセンタピラーインナと、
    前記センタピラーアウタと前記センタピラーインナとで形成される中空部内に小室を仕切って形成する仕切部材と、
    を備え、
    前記センタピラーインナは、前記小室に臨む穴部を有し、
    前記仕切部材は、前記穴部と対向するように、前記小室を仕切る前記仕切部材の板面から前記小室側に突出する壁部を有していることを特徴とする車体側部構造。
  2. 前記壁部は、前記仕切部材の車幅方向の中央部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車体側部構造。
  3. 前記壁部は、車幅方向に傾斜していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車体側部構造。
  4. 前記小室が形成される前記仕切部材の下面側に、車幅方向に延びる下垂壁が形成され、
    前記穴部は、前記下垂壁を跨ぐ車体前後方向に分けて少なくとも一対形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車体側部構造。
  5. 前記下垂壁は、この下垂壁で前記小室が車体前後方向に仕切られて形成される第1小室と第2小室との体積が同等となる位置に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の車体側部構造。
  6. 前記穴部は、前記小室に対して初回に充填材を注入する第1穴部と、前記小室に対して初回の後に充填材を注入する第2穴部とを、前記下垂壁を跨いで車体前後方向に有し、
    前記下垂壁は、前記第1穴部及び前記第2穴部が形成される一端側から車幅方向に遠ざかる他端側に向かうほど、徐々に前記第1穴部側から前記第2穴部側に向かう車体前後方向に変位するように傾斜していることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の車体側部構造。
  7. 車体前後方向に延びるサイドシルと、
    前記サイドシルから上方向に延設されたセンタピラーアウタと、
    前記センタピラーアウタの車幅方向の内側に設置されたセンタピラーインナと、
    前記センタピラーアウタと前記センタピラーインナとで形成される中空部内に小室を仕切って形成する仕切部材と、
    を備え、
    前記センタピラーインナは、前記小室に臨む穴部を有し、
    前記仕切部材は、前記穴部と対向する壁部を有し、
    前記小室が形成される前記仕切部材の下面側に、車幅方向に延びる下垂壁が形成され、
    前記穴部は、前記下垂壁を跨ぐ車体前後方向に分けて少なくとも一対形成されていることを特徴とする車体側部構造。
  8. センタピラーの中空部内で小室を仕切って形成する仕切部材であって、
    前記小室に臨むように前記センタピラーに形成された穴部に対向するように、前記小室を仕切る前記仕切部材の板面から前記小室側に突出する壁部を有することを特徴とする仕切部材。
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