JP7249183B2 - 車体のピラー構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車体のピラー構造に関し、特に、一定厚みの発泡材の充填領域を確保し、発泡材が確実に充填されることで、ピラー構造としての剛性や強度を確保すると共に、車両の軽量化を実現する車体のピラー構造に関する。
従来の発泡材を用いた車体の構造として、図4に示す構造が知られている。図4(A)は、従来における発泡材の充填前の車両構成部材を説明する断面図である。図4(B)は、従来における発泡材の充填後の車両構成部材を説明する断面図である。
図4(A)に示す如く、車両構成部材100は、アウタパネル101と、補強部材の一例としてのリンフォース102と、インナパネル103と、を有している。そして、アウタパネル101は、開口側が車内方向側に向いた断面ハット形状の板金製の部材である。リンフォース102は、アウタパネル101の車内方向側に配置され、開口側が車内方向側に向いた断面ハット形状の板金製の部材である。インナパネル103は、リンフォース102の車内方向側に配置された板金製の平板状の部材である。
また、アウタパネル101とリンフォース102との間には、断面が、大凡U字形状の閉空間104が形成され、リンフォース102とインナパネル103との間には、大凡台形形状の閉空間105が形成されている。そして、リンフォース102には、注入口106及び排出口107が形成され、インナパネル103には、挿入口108が形成されている。
図4(B)に示す如く、二液を混合して反応を開始させた発泡材109を吐出する吐出器110をインナパネル103の挿入口108から閉空間105内へと挿入する。その後、吐出器106の先端をアウタパネル101の注入口106へと配置し、閉空間104内へと発泡材109を充填する。そして、閉空間104が、発泡材109にて充填されると共に、車両構成部材100のフランジ部111も発泡材109により強固に接合される(例えば、特許文献1参照。)。
特許第6365152号公報
図4(B)に示すように、閉空間104が、発泡材109にて充填されることで、車両構成部材100の剛性や強度が向上される。そして、図示したように、車両構成部材100として、閉空間104の隙間幅をしっかりと確保できる場合には、発泡材109も閉空間104内の隅々まで充填される。
しかしながら、車両には、センターピラー等、車両設計上、閉空間104の隙間幅の確保が制限される車両構成部材100もある。特に、センターピラーでは、ドアの取り付け用ヒンジ穴等が形成される。そして、ドアの取り付け用ヒンジ穴の周辺領域では、車両設計上、上記閉空間104が無くなるため、センターピラーでは、閉空間104を一律の隙間幅にて確保し難いという課題がある。
例えば、発泡材109は、液状にて閉空間104内に注入され、閉空間104内にて発泡しながら、閉空間104内を充填する。そのため、上記ドアの取り付け用ヒンジ穴の周辺等、閉空間104の一部に狭小領域が存在すると、その狭小領域にて発泡材109の流れが悪くなり、あるいは、その狭小領域が発泡材109にて塞がれてしまう。その結果、発泡材109が、閉空間104の所望の範囲を充填できず、未充填領域が発生し、車両構成部材100として所望の剛性や強度が得られない恐れがある。
また、センターピラーを車両の車体へ固定する前工程では、お互いに固定されたアウタパネル101、リンフォース102及びインナパネル103を作業フロア上に横臥する。そして、横臥したアウタパネル101等の上方から、吐出器110をインナパネル103の挿入口108から閉空間105内へと挿入し、液状の発泡材を注入する。この作業では、横臥したアウタパネル101に沿って液状の発泡材109が、挿入口108の配設領域から四方八方へと片寄りなく流れ易く、発泡材109が閉空間104に均一に充填され易い。しかしながら、センターピラーを車両の車体へ固定した状態にて、液状の発泡材109をセンターピラー内へと注入する場合には、注入時の液状の発泡材は、センターピラーの下方へと落下しながら流れるため、その注入経路をコントロールし難く、発泡材109を閉空間104に均一に充填することが難しいという課題がある。更には、上述したように、閉空間104の一部に上記狭小領域が存在する場合には、上記注入経路をコントロールすることが難しくなる。
また、発泡材109は、液状にて閉空間104内に注入された後、閉空間104内にて発泡を開始する。そのため、閉空間104の隙間幅にばらつきがある場合には、発泡材109の発泡倍率にもばらつきが発生し、所望の発泡倍率を達成できない領域では、車両構成部材100として所望の剛性や強度が得られない恐れがある。
その一方、車両構成部材100では、一定の許容範囲内の寸法上のばらつきが発生する。例えば、センターピラーの上記ドアの取り付け用ヒンジ穴近傍では、設計上では閉空間104の隙間幅はゼロになるが、上記許容範囲内の隙間が発生する場合もある。この場合には、上記閉空間104の僅かな隙間に発泡材109が薄く充填されることで、ドアの開閉動作に支障が発生する恐れがある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、一定厚みの発泡材の充填領域を確保し、発泡材が確実に充填されることで、ピラー構造としての剛性や強度を確保すると共に、車両の軽量化を実現する車体のピラー構造を提供することにある。
本発明の車体のピラー構造では、アウタパネルとインナパネルとの間にリンフォースを挟み込んで組み付けられると共に、前記アウタパネルと前記リンフォースとの間の隙間に発泡材を充填して形成される車体のピラー構造において、前記リンフォースに形成された前記発泡材の注入口と、前記注入口よりも下方側に位置し、前記隙間を塞いで配設される堰き止め部材と、前記注入口よりも上方側に位置し、前記隙間を前記アウタパネルの外側の空間と連通させる排気口と、を有し、前記隙間の前記発泡材の充填領域は、前記堰き止め部材から前記排気口の下方までに渡り配設され、前記充填領域では、前記アウタパネルと前記リンフォースとの対向面の垂直方向における前記隙間の隙間幅は、一定厚み以上確保され、少なくとも前記注入口近傍の発泡材注入領域の前記隙間の前記隙間幅が、前記発泡材注入領域の外周領域の前記隙間の前記隙間幅よりも広いことを特徴とする。
また、本発明の車体のピラー構造では、前記充填領域に位置する前記アウタパネルまたは前記リンフォースの少なくともどちらか一方には、前記アウタパネルの延在方向に延在するビード部が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の車体のピラー構造では、前記堰き止め部材は、前記アウタパネルに形成されるドア取り付け用ヒンジ穴よりも上方側に配設されていることを特徴とする。
また、本発明の車体のピラー構造では、前記リンフォースは、前記アウタパネル側であり、前記アウタパネルとの間に前記隙間を形成する第1のリンフォースと、前記インナパネル側であり、前記第1のリンフォースに沿って配設される第2のリンフォースと、を有し、前記第1のリンフォースは、前記アウタパネルの下端近傍から上端近傍までに渡り配設され、前記第2のリンフォースは、前記アウタパネルの下端近傍から少なくとも前記堰き止め部材の上方側であり、前記充填領域の一部と重畳して配設されていることを特徴とする。
また、本発明の車体のピラー構造では、前記注入口には、前記インナパネルの配設領域まで延在する充填補助具が取り付けられ、前記注入口側に位置する前記充填補助具の一端側の開口部の開口幅は、前記開口部近傍の前記隙間の前記隙間幅よりも広いことを特徴とする。
本発明の車体のピラー構造では、アウタパネルとリンフォースとの間の隙間に充填される発泡材と、リンフォースに形成された発泡材の注入口と、注入口よりも下方側に位置し、上記隙間を塞いで配設される堰き止め部材と、注入口よりも上方側に位置し、上記隙間をアウタパネルの外側の空間と連通させる排気口と、を有している。そして、上記隙間の発泡材の充填領域は、堰き止め部材から排気口の下方までに渡り配設され、充填領域では、アウタパネルとリンフォースとの対向面の垂直方向における上記隙間の隙間幅は、一定厚み以上確保されている。この構造により、注入口から上記隙間に注入された液状の発泡材は、未充填領域を発生することなく、所望の発泡倍率にて上記隙間内を充填し、車体のピラー構造は、所望の剛性や強度を実現している。
また、本発明の車体のピラー構造では、充填領域では、少なくとも注入口近傍の発泡材注入領域の隙間の隙間幅が、発泡材注入領域の外周領域の隙間の隙間幅よりも広いことを特徴とする。この構造により、注入口近傍の発泡材注入領域の隙間幅が広く形成されることで、充填領域への液状の発泡材の注入効率を向上させ、充填領域に対して出来る限り安定的且つ均一に発泡材を充填することができる。
また、本発明の車体のピラー構造では、充填領域に位置するアウタパネルまたはリンフォースの少なくともどちらか一方には、アウタパネルの延在方向に延在するビード部が形成されている。この構造により、注入口から上記隙間に注入された液状の発泡材は、ビード部によりその流れが調整されることで、発泡材を充填領域に対して安定的に均一に行き渡らせることができる。
また、本発明の車体のピラー構造では、堰き止め部材は、アウタパネルに形成されるドア取り付け用ヒンジ穴よりも上方側に配設されている。この構造により、ヒンジ穴の配設領域及びその周辺領域への発泡材の回り込みが防止される。そして、上記領域にて発泡材が干渉し、車体のピラー構造へのドアの取り付け作業及び取り付けられたドアの開閉動作に悪影響を及ぼすことが防止される。また、回り込んだ発泡材により、その他の部品の取付用穴が塞がれることが防止される。
また、本発明の車体のピラー構造では、リンフォースは、アウタパネル側であり、アウタパネルとの間に上記隙間を形成する第1のリンフォースと、インナパネル側であり、第1のリンフォースに沿って配設される第2のリンフォースと、を有している。そして、第1のリンフォースは、アウタパネルの下端近傍から上端近傍までに渡り配設され、第2のリンフォースは、アウタパネルの下端近傍から少なくとも堰き止め部材の上方側であり、充填領域の一部と重畳して配設されている。この構造により、車体のピラー構造の軽量化が実現されると共に、ヒンジ穴の配設領域の下方等、上記隙間の狭小領域は、第2のリンフォースにてその剛性や強度が実現される。
また、本発明の車体のピラー構造では、注入口には、インナパネルの配設領域まで延在する充填補助具が取り付けられ、注入口側に位置する充填補助具の一端側の開口部の開口幅は、開口部近傍の上記隙間の隙間幅よりも広くなる。この構造により、液状の発泡材は、注入口から上記隙間内へと勢い良く注入され、発泡材の注入効率が向上される。
また、本発明の車体のピラー構造では、充填補助具は、注入口を形成するアウタパネルに溶接により固定され、充填補助具の一端側は、リンフォースよりも上記隙間側へと突出していない。この構造により、液状の発泡材を上記隙間内へと充填する際に、充填補助具の一端側が、充填材の流れの抵抗になることが防止され、発泡材の注入効率が向上される。
本発明の一実施形態である(A)車体のピラー構造が採用された車両を説明する斜視図、(B)車体のピラー構造を説明する側面図である。 本発明の一実施形態である車体のピラー構造を説明する(A)断面図、(B)断面図である。 本発明の一実施形態である車体のピラー構造を説明する(A)断面図、(B)断面図である。 従来の発泡材の充填前の車両構成部材を説明する(A)断面図、(B)断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る車体のピラー構造10(以下、「ピラー構造10」と呼ぶ。)を図面に基づき詳細に説明する。尚、本実施形態の説明の際には、同一の部材には原則として同一の符番を用い、繰り返しの説明は省略する。
図1(A)は、本実施形態のピラー構造10が採用された車両11を説明する斜視図である。図1(B)は、本実施形態のピラー構造10を説明する側面図であり、ピラー構造10を車外側から見た状態を示している。図2(A)は、本実施形態のピラー構造10を説明する断面図であり、図1(B)に示すピラー構造10のA-A線方向の断面を示している。図2(B)は、本実施形態のピラー構造10を説明する断面図であり、図1(B)に示すピラー構造10のB-B線方向の断面を示している。図3(A)は、本実施形態のピラー構造10を説明する断面図であり、図1(B)に示すピラー構造10のC-C線方向の断面を示している。図3(B)は、本実施形態のピラー構造10を説明する断面図であり、図1(B)に示すピラー構造10のD-D線方向の断面を示している。
図1(A)に示す如く、車両11の車体フレームは、所定形状にプレス加工された複数の鋼板を固定等することで組み付けられている。車両11の車幅方向の左右両端部には、その上端側にルーフサイドレール13が配設され、その下端側にサイドシル14が配設されている。そして、本実施形態のピラー構造10の一例として、センターピラー15があり、センターピラー15の上端は、ルーフサイドレール13に固定され、センターピラー15の下端は、サイドシル14に固定されている。
尚、以下の説明では、ピラー構造10としては、センターピラー15を用いて説明するが、ピラー構造10としては、フロントピラー16やリアピラー17に対しても、以下に説明するピラー構造10と同様な構造を採用することもできる。
図1(B)では、センターピラー15を車外側から見た状態を示している。センターピラー15では、車両11(図1(A)参照)の上下方向(車高方向)の中央部よりも若干下方に、車両11のリアドア(図示せず)を取り付けるためのドア取り付け用ヒンジ穴18(以下、「ヒンジ穴18」と呼ぶ。)が形成されている。
丸印20にて示す領域であり、ヒンジ穴18の周辺領域では、上記リアドアのボルト締結等に耐え得る剛性や強度を確保するため、アウタパネル31(図2(A)参照)とリンフォース32(図2(A)参照)とが当接して配設されている。詳細は後述するが、アウタパネル31とリンフォース32との間の隙間33(図2(A)参照)に発泡材34(図2(A)参照)を注入する工程時において、ヒンジ穴18の周辺領域では、アウタパネル31とリンフォース32との間の隙間33が、ほぼ無い状態であるか、あるいは、狭小領域となっている。
この構造により、センターピラー15の丸印20にて示す領域では、リンフォース32の注入口39(図2(B)参照)から注入された発泡材34が浸入し難く、丸印20にて示す領域よりも下方領域には、発泡材34の未充填領域や発泡倍率不足の領域が発生し易くなる。その結果、本実施形態のセンターピラー15では、丸印20にて示す領域よりも下方領域には、発泡材34を充填することなく、更に、もう1枚のリンフォース47(図3(B)参照)を配設し、センターピラー15の剛性や強度を実現している。尚、リンフォース32は、特許請求の範囲に記載した第1のリンフォースに対応し、リンフォース47は、特許請求の範囲に記載した第2のリンフォースに対応している。
一方、図示したように、センターピラー15では、ヒンジ穴18よりも上方の領域に、車両部品の取り付け用穴等は設けられていない。そして、センターピラー15の矢印21にて示す領域は、上記隙間33内に設けられた発泡材34の充填領域である。上記充填領域は、堰き止め部材22の上面から丸印23にて示す排気口の下方側まで設定されている。
例えば、センターピラー15内の上記隙間33には、ヒンジ穴18近傍の上方に、点線にて示すように、堰き止め部材22が配設されている。堰き止め部材22は、貼り付け型の発泡材であり、アウタパネル31の内側に貼り付けられ、発泡材34の注入工程前の熱を利用して発泡し、センターピラー15内の上記隙間33を上下方向に区画する。尚、堰き止め部材22として、上記貼り付け型の発泡材に限定されるものではなく、発泡材を堰き止める部材であれば良い。
この構造により、センターピラー15では、発泡材34の注入工程において、堰き止め部材22の下方に発泡材34が回り込むことが防止される。その結果、発泡材34が、丸印20にて示すヒンジ穴18の周辺領域まで入り込むことが防止される。そして、上記丸印20に示す領域にて、発泡材34が干渉し、センターピラー15へのドアの取り付け作業及び取り付けられたドアの開閉動作に悪影響を及ぼすことが防止される。また、回り込んだ発泡材により、センターピラー15に形成されたその他部品の取付用穴が塞がれることが防止される。
また、丸印23にて示す領域は、センターピラー15の上端側が、ルーフサイドレール13に固定されている領域を示している。図示していないが、センターピラー15の上記隙間33は、ルーフサイドレール13内の空間部と連通し、その連通領域の開口部が、上記隙間33の排気口として用いられる。この構造により、発泡材34の注入工程では、センターピラー15が車両11の車体に固定された状態にて液状の発泡材34を注入するが、上記隙間33内の空気は、排気口からルーフサイドレール13内の空間部へと逃げることで、発泡材34の未充填領域の発生が防止される。
図2(A)は、注入口39(図2(B)参照)より上方の領域であり、アウタパネル31とリンフォース32との間の隙間33における発泡材34の充填領域の断面を示している。図示したように、センターピラー15は、主に、鋼板から形成されるアウタパネル31と、アウタパネル31の車内側に配設され、鋼板から形成されるリンフォース32と、アウタパネル31とリンフォース32との間の隙間33に充填される発泡材34と、リンフォース32の車内側に配設され、鋼板から形成されるインナパネル35と、を有している。
アウタパネル31は、車両11の上下方向に延在し、その断面形状が、大凡ハット形状である。アウタパネル31は、上記ハット形状の凸部が車両11の外側を向くように配設されている。そして、アウタパネル31は、その上端がルーフサイドレール13(図1(A)参照)と固定され、その下端側がサイドシル14(図1(A)参照)と固定されている。
リンフォース32は、センターピラー15としての所望の剛性や強度を実現するための補強部材である。リンフォース32の断面形状は、大凡ハット形状であり、アウタパネル31に沿って、上記ハット形状の凸部が車両11の外側を向くように配設されている。そして、リンフォース32は、アウタパネル31と同様に車両11の上下方向に延在し、サイドシル14からルーフサイドレール13の間に渡り配設されている。
インナパネル35は、車両11の上下方向に延在し、その断面形状が、大凡ハット形状である。インナパネル35は、上記ハット形状の凸部が車両11の内側に向くように配設されている。そして、インナパネル35は、アウタパネル31と同様に車両11の上下方向に延在し、サイドシル14からルーフサイドレール13の間に渡り配設されている。
図示したように、リンフォース32は、その両端側のフランジ部36にてアウタパネル31及びインナパネル35と固定されている。リンフォース32は、アウタパネル31との間に隙間33を有して配設されている。そして、上記隙間33では、リンフォース32とアウタパネル31との対向面間の隙間幅W1,W2は、一定厚み以上確保されている。ここで、上記対向面間の離間幅W1,W2とは、上記対向面と垂直方向の離間距離であり、以下同様である。
具体的には、矢印37は、車両11の前後方向におけるセンターピラー15の中央領域を示し、上記隙間33の隙間幅W1は、最低でも5mmを確保している。また、矢印38は、上記中央領域の両サイド領域を示し、上記隙間33の隙間幅W2は、最低でも5mmを確保している。この構造により、上記隙間33全体では、隙間幅W1,W2として5mm以上確保され、隙間33へと注入された液状の発泡材34はスムーズに発泡し、発泡材34の発泡倍率として、所望の3倍程度を確保することができる。
図2(B)は、上記隙間33における発泡材34の充填領域であると共に、リンフォース32に設けられた注入口39を介して液状の発泡材34が注入される領域の断面を示している。
インナパネル35には、リンフォース32の注入口39との対向領域に、充填補助具41の取付口40が形成されている。そして、円筒形状の充填補助具41が、インナパネル35の取付口40側から挿入され、インナパネル35とリンフォース32との間の空間に配設されている。この構造により、作業者は、二液を混合して反応を開始させた発泡材34を吐出する吐出器(図示せず)の先端を充填補助具41内へと挿入することで、充填補助具41を介して上記隙間33内へと液状の発泡材34を注入することができる。
充填補助具41が、樹脂材料から成形される場合には、図示したように、例えば、注入口39側では、充填補助具41の先端側の外周に設けられた係止部41A,41Bが、リンフォース32に係止され、充填補助具41はリンフォース32に固定される。一方、取付口40側では、別体のキャップ部材41Cを充填補助具41の後端側に挿入することで、充填補助具41はインナパネル35に固定される。
上述したように、充填補助具41が、リンフォース32及びインナパネル35に固定された状態にて、液状の発泡材34が、隙間33内へと注入されることで、充填補助具41は、硬化した発泡材34と共にセンターピラー15に組み付けられた状態となる。
尚、充填補助具41は、板金を、例えば、円筒形状に成形する場合でも良い。この場合には、少なくとも充填補助具41の先端側を溶接により、リンフォース32に固定することができる。その結果、充填補助具41の先端側が、上記隙間33内へと挿入されることがなく、注入口39の配設領域43Bの上記隙間33の隙間幅も、注入口39近傍の発泡材注入領域43Aの隙間33の隙間幅W3と同様に広くなる。そして、充填補助具41の先端側が、液状の発泡材41の流れに対して抵抗となることがなく、液状の発泡材34の注入効率が向上される。一方、充填補助具41の後端側は、インナパネル35に溶接により固定される場合でも、上記キャップ部材41Cを用いて固定される場合でも良い。
図示したように、上記隙間33においても、リンフォース32とアウタパネル31との対向面間の隙間幅W3,W4は、一定厚み以上確保されている。更には、充填補助具41の開口部42の開口幅W5が、注入口39近傍の上記隙間33の隙間幅W3よりも広く形成されている。
具体的には、矢印43は、車両11の前後方向におけるセンターピラー15の中央領域を示し、上記隙間33の隙間幅W3は、最低でも5mm~7mmを確保し、下記矢印44にて示す両サイド領域の隙間幅W4よりも広くしている。特に、注入口39を囲むように、注入口39の配設領域43B近傍に、隙間幅W3の広い発泡材注入領域43Aを設けることで、液状の発泡材34の注入効率が向上する。そして、注入口39から注入された液状の発泡材34は、対向面であるアウタパネル31に衝突した後、広い隙間33である発泡材注入領域43Aを介して四方八方に飛散することで、液状の発泡材34を隙間33内へと出来る限り安定的、且つ均一に注入することができる。また、矢印44は、上記中央領域の両サイド領域を示し、上記隙間33の隙間幅W4は、最低でも5mmを確保している。この構造により、上記隙間33全体では、隙間幅W3、W4として5mm以上確保され、隙間33へと注入された液状の発泡材34はスムーズに発泡し、発泡材34の発泡倍率として、所望の3倍程度を確保することができる。
更には、上記隙間33内に注入された液状の発泡材34は、例えば、注入を開始した後3秒後から発泡を開始する。そして、充填補助具41の開口部42は円形状であり、その直径である開口幅W5として15mm程度確保することで、液状の発泡材34は、勢い良く上記隙間33内へと注入される。図3(A)及び(B)を用いて後述するが、注入口39より下方の上記隙間33においても、隙間幅W6,W7,W8,W9が、一定厚み以上確保されることで、液状の発泡材34がスムーズに注入されると共に発泡し、未充填領域の発生が防止される。尚、注入口39の上下方向の周辺に位置するアウタパネル31やリンフォース32に対して、例えば、八の字形状のビード部(図示せず)を形成することで、液状の発泡材34や発泡を開始した発泡材34を好適に誘導し、未充填領域の発生が防止される。
図3(A)は、注入口39(図2(B)参照)よりも下方側の領域であり、上記隙間33における発泡材34の充填領域の断面を示している。
具体的には、矢印45は、車両11の前後方向におけるセンターピラー15の中央領域を示し、上記隙間33の隙間幅W6は、最低でも5mmを確保している。また、矢印46は、上記中央領域の両サイド領域を示し、上記隙間33の隙間幅W7は、最低でも5mmを確保している。この構造により、上記隙間33全体では、隙間幅W6,W7として5mm以上確保され、隙間33へと注入された液状の発泡材34はスムーズに発泡し、発泡材34の発泡倍率として、所望の3倍程度を確保することができる。
図3(B)は、注入口39(図2(B)参照)よりも下方側の領域であり、上記隙間33における発泡材34の充填領域であると共に、更に、補強用のリンフォース47が配設されている領域の断面を示している。
丸印48にて示す領域では、上記隙間33の隙間幅W8が広くなっているが、上記隙間33の大部分の隙間幅W9は、最低でも5mmを確保している。この構造により、上記隙間33全体では、隙間幅W8,W9として5mm以上確保され、隙間33へと注入された液状の発泡材34はスムーズに発泡し、発泡材34の発泡倍率として、所望の3倍程度を確保することができる。
図1(B)を用いて上述したように、本実施形態のセンターピラー15では、ヒンジ穴18の周辺領域では、上記隙間33の隙間幅が、実質、無くなるため、発泡材34が回り込み難くなる。そして、発泡材34の未充填領域の発生や発泡倍率の低下等によるセンターピラー15の剛性や強度の低下を防止するため、ヒンジ穴18近傍の上方側に堰き止め部材22が配設されている。その結果、上記隙間33の堰き止め部材22よりも下方側の領域には、発泡材34が充填されることなく、更に、もう1枚のリンフォース47が配設され、センターピラー15の所望の剛性や強度を実現している。
また、図3(B)に示すように、リンフォース47は、サイドシル14(図1(A)参照)から堰き止め部材22の上方側まで配設され、発泡材34の充填領域の一部と重畳している。そして、リンフォース47は、大凡コの字形状の鋼板からなり、その凸部が車両11の外側を向くように配設されている。そして、リンフォース47は、リンフォース32の上記ハット形状の凸部の領域に沿って配設され、その両端側の領域にてリンフォース32の内側に固定されている。
ここで、堰き止め部材22の上面では、堰き止め部材22と発泡材34との境界領域が形成され、その境界領域は、車両11に側面衝突が発生した際に、センターピラー15として折れ易い領域となる。しかしながら、本実施形態のセンターピラー15では、リンフォース47が、上記境界領域よりも上方側まで配設され、発泡材34の充填領域の一部と重畳することで、上記境界領域も補強され、センターピラー15の所望の剛性や強度を実現している。
以上より、本実施形態のセンターピラー15では、ヒンジ穴18近傍の堰き止め部材22の上方側において、リンフォース47を省略し、発泡材34を用いてセンターピラー15の剛性や強度を実現している。この構造により、センターピラー15の延在方向(車両11の上下方向)において、リンフォース47を約半分程度省略することができ、車両11の軽量化が実現される。
また、センターピラー15における発泡材34の充填領域では、上記隙間33の隙間幅W1~W9として最低でも5mmを確保することで、液状の発泡材34が発泡し易くなり、所望の発泡倍率を確保すると共に、未充填領域の発生を防止している。このとき、アウタパネル31やリンフォース32に形成されるビード部の形状をセンターピラー15の延在方向(車両11の上下方向)に向けて形成することで、発泡材34の流れを調整し、更に、発泡材34の充填効率を向上させることもできる。
尚、本実施形態では、ヒンジ穴18近傍の上方側に堰き止め部材22を配設し、堰き止め部材22よりも下方の上記隙間33に発泡材34が回り込まない構造とする場合について説明したが、この構造に限定するものではない。例えば、アウタパネル31やリンフォース32に形成されるビード部の形状を利用して、ヒンジ穴18の上方側の上記隙間33内に発泡材34の回り込み難い領域を形成し、堰き止め部材22を省略する場合でも良い。一方、アウタパネル31やリンフォース32に形成されるビード部の形状を利用して、ヒンジ穴18を迂回しながら、ヒンジ穴18の下方まで発泡材34を回り込ませることで、更なる車両11の軽量化を実現する場合でも良い。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲にて種々の変更が可能である。
10 車体のピラー構造
11 車両
13 ルーフサイドレール
14 サイドシル
15 センターピラー
18 ドア取り付け用ヒンジ穴
22 堰き止め部材
31 アウタパネル
32 リンフォース
33 隙間
34 発泡材
35 インナパネル
36 フランジ部
39 注入口
40 取付口
41 充填補助具
41A,41B 係止部
41C キャップ部材
42 開口部
47 リンフォース

Claims (5)

  1. アウタパネルとインナパネルとの間にリンフォースを挟み込んで組み付けられると共に、前記アウタパネルと前記リンフォースとの間の隙間に発泡材を充填して形成される車体のピラー構造において、
    前記リンフォースに形成された前記発泡材の注入口と、
    前記注入口よりも下方側に位置し、前記隙間を塞いで配設される堰き止め部材と、
    前記注入口よりも上方側に位置し、前記隙間を前記アウタパネルの外側の空間と連通させる排気口と、を有し、
    前記隙間の前記発泡材の充填領域は、前記堰き止め部材から前記排気口の下方までに渡り配設され、
    前記充填領域では、前記アウタパネルと前記リンフォースとの対向面の垂直方向における前記隙間の隙間幅は、一定厚み以上確保され、少なくとも前記注入口近傍の発泡材注入領域の前記隙間の前記隙間幅が、前記発泡材注入領域の外周領域の前記隙間の前記隙間幅よりも広いことを特徴とする車体のピラー構造。
  2. 前記充填領域に位置する前記アウタパネルまたは前記リンフォースの少なくともどちらか一方には、前記アウタパネルの延在方向に延在するビード部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車体のピラー構造。
  3. 前記堰き止め部材は、前記アウタパネルに形成されるドア取り付け用ヒンジ穴よりも上方側に配設されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車体のピラー構造。
  4. 前記リンフォースは、
    前記アウタパネル側であり、前記アウタパネルとの間に前記隙間を形成する第1のリンフォースと、
    前記インナパネル側であり、前記第1のリンフォースに沿って配設される第2のリンフォースと、を有し、
    前記第1のリンフォースは、前記アウタパネルの下端近傍から上端近傍までに渡り配設され、
    前記第2のリンフォースは、前記アウタパネルの下端近傍から少なくとも前記堰き止め部材の上方側であり、前記充填領域の一部と重畳して配設されていることを特徴とする請求項3に記載の車体のピラー構造。
  5. 前記注入口には、前記インナパネルの配設領域まで延在する充填補助具が取り付けられ、
    前記注入口側に位置する前記充填補助具の一端側の開口部の開口幅は、前記開口部近傍の前記隙間の前記隙間幅よりも広いことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車体のピラー構造。
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