JPWO2019181915A1 - 懸濁重合用分散安定剤 - Google Patents
懸濁重合用分散安定剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2019181915A1 JPWO2019181915A1 JP2020507824A JP2020507824A JPWO2019181915A1 JP WO2019181915 A1 JPWO2019181915 A1 JP WO2019181915A1 JP 2020507824 A JP2020507824 A JP 2020507824A JP 2020507824 A JP2020507824 A JP 2020507824A JP WO2019181915 A1 JPWO2019181915 A1 JP WO2019181915A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mass
- suspension polymerization
- less
- dispersion stabilizer
- mol
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F2/00—Processes of polymerisation
- C08F2/12—Polymerisation in non-solvents
- C08F2/16—Aqueous medium
- C08F2/20—Aqueous medium with the aid of macromolecular dispersing agents
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F216/00—Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an alcohol, ether, aldehydo, ketonic, acetal or ketal radical
- C08F216/02—Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an alcohol, ether, aldehydo, ketonic, acetal or ketal radical by an alcohol radical
- C08F216/04—Acyclic compounds
- C08F216/06—Polyvinyl alcohol ; Vinyl alcohol
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F8/00—Chemical modification by after-treatment
- C08F8/12—Hydrolysis
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
- Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
Abstract
Description
[1]エチレン性不飽和ジカルボン酸の誘導体(A)に由来する構造単位の含有量(X)が0.05モル%以上2.0モル%以下であり、けん化度が65.0モル%以上90.0モル%以下であり、ヘッドスペースガスクロマトグラフィーで測定した場合のメタノール含有量が0.01質量%以上3.0質量%未満であり、かつ、90℃、濃度5質量%の水溶液に不溶な成分の量が0.1ppm以上2000ppm未満である変性ビニルアルコール系重合体を含有する、ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤。
[2]前記エチレン性不飽和ジカルボン酸の誘導体(A)が、エチレン性不飽和ジカルボン酸のモノエステル、ジエステル又は無水物である、前記[1]の懸濁重合用分散安定剤。
[3]前記エチレン性不飽和ジカルボン酸の誘導体(A)が、マレイン酸モノアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル、無水マレイン酸、フマル酸モノアルキルエステル又はフマル酸ジアルキルエステルを含む、前記[1]又は[2]の懸濁重合用分散安定剤。
[4]前記エチレン性不飽和ジカルボン酸の誘導体(A)に由来する構造単位の少なくとも一部が、下記式(I)
で表される構造単位であり、前記エチレン性不飽和ジカルボン酸の誘導体(A)に由来する構造単位の含有量(X)と式(I)で表される構造単位の含有量(Y)の値が下記式(Q)を満たす、前記[1]〜[3]のいずれかの懸濁重合用分散安定剤。
0.05≦Y/X<0.98 (Q)
[5]前記変性ビニルアルコール系重合体のけん化度が、68.0モル%以上80.0モル%以下である、前記[1]〜[4]のいずれかの懸濁重合用分散安定剤。
[6]前記90℃、濃度5質量%の水溶液に不溶な成分の量が、0.1ppm以上500ppm未満である、前記[1]〜[5]のいずれかの懸濁重合用分散安定剤。
[7]前記変性ビニルアルコール系重合体は、目開き1.00mmの篩を通過する量が全体の95質量%以上である、前記[1]〜[6]のいずれかの懸濁重合用分散安定剤。
[8]前記変性ビニルアルコール系重合体は、目開き500μmの篩を通過する量が全体の30質量%以上である、前記[1]〜[7]のいずれかの懸濁重合用分散安定剤。
[9]前記[1]〜[8]のいずれかの懸濁重合用分散安定剤の存在下で、ビニル化合物を懸濁重合する工程を含む、ビニル系重合体の製造方法。
本発明の懸濁重合用分散安定剤は、エチレン性不飽和ジカルボン酸の誘導体(A)に由来する構造単位の含有量(X)が0.05モル%以上2.0モル%以下であり、けん化度が65.0モル%以上90.0モル%以下であり、ヘッドスペースガスクロマトグラフィーで測定した場合のメタノール含有量が0.01質量%以上3.0質量%未満であり、かつ、90℃、濃度5質量%の水溶液に不溶な成分の量が0.1ppm以上2000ppm未満である変性ビニルアルコール系重合体(以下、「変性PVA」と略記することがある。)を含有する。
変性PVAのエチレン性不飽和ジカルボン酸の誘導体(A)に由来する構造単位の含有量(X)は0.05モル%以上2.0モル%以下であることが重要であり、0.1モル%以上1.5モル%以下が好ましく、0.5モル%以上1.3モル%以下がより好ましい。エチレン性不飽和ジカルボン酸の誘導体(A)に由来する構造単位の含有量(X)が0.05モル%未満の場合には、カルボン酸の導入量が少なく、ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤として用いた場合に、得られるビニル系重合体は粗大粒子の割合が多くなる。また、含有量(X)が2.0モル%を超える場合は、変性PVAの水溶性が高すぎるためビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤として使用した際に界面活性能が低下し、得られるビニル系重合体をシート状にした際にフィッシュアイが増加する。エチレン性不飽和ジカルボン酸の誘導体(A)に由来する構造単位の含有量(X)は、けん化前のビニルエステル系共重合体の1H−NMR解析により算出できる。
<検量線の作成>
イソプロパノールを内部標準液として、メタノール含有量が既知の水溶液を3種類準備し、ヘッドスペースサンプラー(Turbo Matrix HS40、Parkin Elmer社製)を装着したガスクロマトグラフ(GC−2010、株式会社島津製作所製)を用いて測定を行い、検量線を作成する。
<変性PVA中のメタノール含有量の測定>
蒸留水を1000mLメスフラスコの標線に合わせて採取し、内部標準液のイソプロパノールをメスピペットにて0.1mL添加し、よく撹拌する。この液を「溶解液」とする。次に変性PVA500mgをヘッドスペースガスクロマトグラフィー測定用のバイアル瓶中に秤量し、撹拌子を投入した後、前記溶解液をホールピペットで10mL測りとり、バイアル瓶中に投入する。キャップをバイアル瓶に取り付け、ロックがかかるまで締め付けた後、バイアル瓶をホットスターラー上に乗せて、変性PVAを加熱溶解する。変性PVAが完全に溶解したことを目視で確認後、ヘッドスペースガスクロマトグラフィー測定を行い、前記のようにして作成した検量線から変性PVA中のメタノール含有量を決定する。
で表される構造単位であり、前記エチレン性不飽和ジカルボン酸の誘導体(A)に由来する構造単位の含有量(X)(以下、変性量(X)ともいう。)と式(I)で表される構造単位の含有量(Y)(以下、変性量(Y)ともいう。)が下記式(Q)を満たすことが、水溶液に不溶な成分の量を抑制できる面で好ましい。
0.05≦Y/X<0.98 (Q)
Y/Xが上記式(Q)で示される範囲を満たすことにより、前記水溶液に不溶な成分の量が低減された変性PVAを工業的に容易に製造することが可能となる。前記Y/Xの下限は、0.06以上であることがより好ましい。一方、Y/Xの上限は、0.80以下であることがより好ましく、0.60以下であることがさらに好ましく、0.40以下が特に好ましい。なお、式(I)で表される構造単位の含有量(Y)とは、変性PVAの主鎖を構成する単量体単位の総モル数に対する式(I)の構造単位のモル数の比である。
以下、本発明の懸濁重合用分散安定剤に用いる変性PVAの製造方法について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
製造上の観点から飽和炭化水素系の溶媒を必要としない(1)又は(2)の方法が好ましく、メタノール含有量を低減させる観点からは(2)がより好ましい。(1)の製造方法では、ビニルエステル系共重合体の溶液におけるビニルエステル系共重合体の濃度は、21質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましい。さらに、(2)の製造方法は、後に続く洗浄工程及び乾燥工程を従来よりも弱めて行う場合においても、メタノール含有量が低減され、かつ、水溶液に不溶な成分も微量にでき、工業的に有利である点から好ましい。前記(2)において、メタノールを含む溶媒中に溶解しているビニルエステル系共重合体及びその部分けん化物の濃度は、8.0質量%未満が好ましく、5.0質量%未満がより好ましく、4.0質量%未満がさらに好ましい。
本発明の懸濁重合用分散安定剤は、本発明の趣旨を損なわない範囲で、各種添加剤を含有してもよい。上記添加剤としては、例えば、アルデヒド類、ハロゲン化炭化水素類、メルカプタン類等の重合調節剤;フェノール化合物、イオウ化合物、N−オキサイド化合物等の重合禁止剤;pH調整剤;架橋剤;防腐剤;防黴剤;ブロッキング防止剤;消泡剤;相溶化剤等が挙げられる。懸濁重合用分散安定剤における各種添加剤の含有量は、懸濁重合用分散安定剤全体に対して10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
本発明の好適な実施形態としては、本発明の懸濁重合用分散安定剤の存在下で、ビニル化合物を懸濁重合する工程を含む、ビニル系重合体の製造方法が挙げられる。かかる製造方法では、粒子状のビニル系重合体が得られる。
変性PVAの粘度平均重合度はJIS K 6726:1994に準じて測定した。具体的には、変性PVAのけん化度が99.5モル%未満の場合には、けん化度99.5モル%以上になるまでけん化し、得られた変性PVAについて、水中、30℃で測定した極限粘度[η](リットル/g)を用いて下記式により粘度平均重合度(P)を求めた。
P=([η]×104/8.29)(1/0.62)
変性PVAのけん化度は、JIS K 6726:1994に記載の方法により求めた。
1H−NMRスペクトル解析によって、変性種のスペクトルから算出した。
[式(I)で表される構造単位の含有量(Y)]
ジメチルスルホキシド溶媒で測定した1H−NMRスペクトル解析において6.8〜7.2ppmに検出されるスペクトルから算出した。
実施例及び比較例の変性PVA中のメタノール含有量はヘッドスペースガスクロマトグラフィーを用いて、以下の方法で決定した。
<検量線の作成>
イソプロパノールを内部標準液として、メタノール含有量が既知の水溶液を3種類準備し、ヘッドスペースサンプラー(Turbo Matrix HS40、Parkin Elmer社製)を装着したガスクロマトグラフ(GC−2010、株式会社島津製作所製)を用いて測定を行い、検量線を作成する。
<変性PVA中のメタノール含有量の測定>
蒸留水を1000mLメスフラスコの標線に合わせて採取し、内部標準液のイソプロパノールをメスピペットにて0.1mL添加し、よく撹拌する。この液を「溶解液」とする。次に、試料として実施例及び比較例の変性PVA500mgをヘッドスペースガスクロマトグラフィー測定用のバイアル瓶中に秤量し、撹拌子を投入した後、前記溶解液をホールピペットで10mL測りとり、バイアル瓶中に投入する。キャップをバイアル瓶に取り付け、ロックがかかるまで締め付けた後、バイアル瓶をホットスターラー上に乗せて、試料の変性PVAを加熱溶解する。変性PVAが完全に溶解したことを目視で確認後、ヘッドスペースガスクロマトグラフィー測定を行い、前記のようにして作成した検量線から変性PVA中のメタノール含有量を決定した。
20℃に設定した水浴中に、撹拌機及び還流冷却管を装着した500mLのフラスコを準備し、蒸留水を285g投入して、300rpmで撹拌を開始する。実施例及び比較例の変性PVA15gを秤量し、フラスコ中に該変性PVAを徐々に投入する。変性PVAを全量(15g)投入したのち、直ちに30分程度かけて水浴の温度を90℃まで上昇させる。温度が90℃に到達後、さらに60分間300rpmで撹拌しながら溶解を継続した後、未溶解で残留する粒子(未溶解粒子)を目開き63μmの金属製フィルターで濾過する。フィルターを90℃の温水でよく洗浄し、付着した溶液を取り除いた後、フィルターを120℃の加熱乾燥機で1時間乾燥する。こうして採取した未溶解粒子の質量から、水溶液に不溶な成分の量が決定された。
JIS Z 8815:1994に記載の乾式篩法により、実施例及び比較例で得られた変性PVAの粒度分布を測定した。実施例及び比較例で得られた変性PVAを目開き1.00mmの篩(フィルター)にかけて、篩をパスした変性PVAの質量を測定し、篩にかける前の変性PVAの質量から、篩をパスした変性PVA粒子の割合(質量%)を算出した。同様に、実施例及び比較例で得られた変性PVAを目開き500μmの篩(フィルター)にかけて、篩をパスした変性PVAの質量を測定し、篩にかける前の変性PVAの質量から、篩をパスした変性PVA粒子の割合(質量%)を算出した。なお、前記目開きは、JIS Z 8801−1:2006の公称目開きWに準拠する。
塩化ビニル重合体粒子について、(1)平均粒子径、(2)粗大粒子量及び(3)フィッシュアイを以下の方法に従って測定した。
JIS標準篩を使用して、JIS Z 8815:1994に記載の乾式篩法により粒度分布を測定した。その結果をロジン・ラムラー(Rosin−Rammler)分布式にプロットして平均粒子径を算出した。
目開き355μmの篩(JIS標準篩のメッシュ換算では、42メッシュ)を通過しなかった塩化ビニル重合体粒子の含有量(質量%)を下記評価基準で評価した。前記含有量は、篩上累積(%)を意味する。また、前記篩の目開きは、JIS Z 8801−1−2006の公称目開きWに準拠する。
A:0.5質量%未満
B:0.5質量%以上1.0質量%未満
C:1.0質量%以上2.5質量%未満
D:2.5質量%以上
塩化ビニル重合体粒子100部、ジオクチルフタレート50部、三塩基性硫酸鉛5部及びステアリン酸鉛1部を150℃で7分間ロール混練して、厚み0.1mm、1400mm×1400mmのシートを5枚作製し、フィッシュアイの数を目視で測定した。1000cm2当たりのフィッシュアイ個数に換算し、以下の基準で評価した。フィッシュアイの数が少ないほどシート上の欠陥が少ないことを示す。
A:0〜5個
B:6〜10個
C:11〜49個
D:50個以上
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、変性種滴下口及び開始剤の添加口を備えた3Lの反応器に、酢酸ビニル500g、メタノール500g、変性種としてマレイン酸モノメチル(MMM)の20%メタノール溶液4.3mlを仕込み、窒素バブリングをしながら30分間系内を窒素置換した。また、追加する変性種の溶液としてMMMの濃度20%溶液を調製し、窒素ガスのバブリングにより窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.8gを添加し重合を開始した。追加する変性種の溶液を滴下して重合溶液中のモノマー組成(酢酸ビニルとマレイン酸モノメチルの比率)が一定となるようにしながら、60℃で3時間重合した後冷却して重合を停止した。重合を停止するまで加えたMMMのメタノール溶液の総量は25.3mlであった。また重合停止時の固形分濃度は24.3%であり、酢酸ビニルの重合率は50%であった。続いて30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応の酢酸ビニルの除去を行い、マレイン酸モノメチル変性ビニルエステル系共重合体(MMM変性PVAc)のメタノール溶液(濃度40%)を得た。さらに、これにメタノールを加えて調製したMMM変性PVAcのメタノール溶液314.7g(溶液中のMMM変性PVAc100.0g)に、18.6gのアルカリ溶液(水酸化ナトリウムの10%メタノール溶液)を添加してけん化を行った(けん化溶液のMMM変性PVAc濃度30%、MMM変性PVAc中の酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比0.04)。アルカリ溶液を添加後40℃で1時間放置してけん化を進行させた後、得られたゲルを粉砕し、メタノール/酢酸メチル比が20/80(体積比)である洗浄液に含浸した後、遠心脱液機を用いて脱液し、重合体を得た。得られた重合体を乾燥機中95℃で4時間乾燥した後、目開き1.00mmのフィルターを通過するまで粉砕を行い、本発明の変性PVA(PVA−1)を得た。PVA−1の粘度平均重合度は800、けん化度は72.0モル%、1H−NMRスペクトル解析における変性量(X)は1.0モル%、変性量(Y)は0.25モル%であり、その比(Y/X)は0.25であった。また得られた変性PVA全体のうち、目開き1.00mmのフィルターを通過した割合は99.0質量%であり、目開き500μmのフィルターを通過した割合は56.0質量%であった。さらに、上述したヘッドスペースガスクロマトグラフィーを用いて算出した変性PVA中のメタノール含有量は1.8質量%であり、上述した方法で測定した、水溶液に不溶な成分の量(水不溶分量)は60ppmであった。得られたPVA−1の分析結果を表2に示す。
表1に記載した条件に変更したこと以外は、製造例1のPVA−1の製造方法と同様の方法により、PVA−2〜PVA−22を得た。得られた変性PVAの分析結果を表2に示す。
製造例1で得られたPVA−1、けん化度88モル%であり、かつ粘度平均重合度2400である未変性のポリビニルアルコール、けん化度40モル%であり、かつ粘度平均重合度500である未変性のポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業株式会社製メトローズ(登録商標)65SH−50)をそれぞれ脱イオン水に溶解させて、分散安定剤水溶液とした。次に塩化ビニルに対してPVA−1を675ppm、けん化度88モル%であり、かつ粘度平均重合度2400である未変性のポリビニルアルコールを250ppm、けん化度40モル%であり、かつ粘度平均重合度500である未変性のポリビニルアルコールを130ppm、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを85ppmに相当するように混合した分散安定剤水溶液1150gを、容量5Lのオートクレーブに仕込んだ。次いでオートクレーブにジイソプロピルパーオキシジカーボネートの70%トルエン溶液1.5gを仕込んだ。オートクレーブ内の圧力が0.0067MPaになるまで脱気して酸素を除いた。その後、塩化ビニル1000gを仕込み、オートクレーブ内の内容物を57℃に昇温して、撹拌下に懸濁重合を開始した。重合開始時におけるオートクレーブ内の圧力は0.83MPaであった。懸濁重合を開始してから4時間が経過し、オートクレーブ内の圧力が0.65MPaとなった時点で重合を停止し、未反応の塩化ビニルを除去し、塩化ビニル重合体のスラリーを得た。その後、該スラリーを取り出し、65℃にて一晩乾燥を行い、塩化ビニル重合体粒子を得た。得られた塩化ビニル重合体粒子を下記方法にて分析したところ、平均粒子径150μm、目開き355μmの篩を通過しなかった量は0.1質量%、フィッシュアイの数は1個であった。
PVA−1に代えてPVA−2〜PVA−22をそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にして塩化ビニルの懸濁重合を行った。結果を表2に示す。
Claims (9)
- エチレン性不飽和ジカルボン酸の誘導体(A)に由来する構造単位の含有量(X)が0.05モル%以上2.0モル%以下であり、けん化度が65.0モル%以上90.0モル%以下であり、ヘッドスペースガスクロマトグラフィーで測定した場合のメタノール含有量が0.01質量%以上3.0質量%未満であり、かつ、90℃、濃度5質量%の水溶液に不溶な成分の量が0.1ppm以上2000ppm未満である変性ビニルアルコール系重合体を含有する、ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤。
- 前記エチレン性不飽和ジカルボン酸の誘導体(A)が、エチレン性不飽和ジカルボン酸のモノエステル、ジエステル又は無水物である、請求項1に記載の懸濁重合用分散安定剤。
- 前記エチレン性不飽和ジカルボン酸の誘導体(A)が、マレイン酸モノアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル、無水マレイン酸、フマル酸モノアルキルエステル又はフマル酸ジアルキルエステルを含む、請求項1又は2に記載の懸濁重合用分散安定剤。
- 前記変性ビニルアルコール系重合体のけん化度が、68.0モル%以上80.0モル%以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の懸濁重合用分散安定剤。
- 前記90℃、濃度5質量%の水溶液に不溶な成分の量が、0.1ppm以上500ppm未満である、請求項1〜5のいずれかに記載の懸濁重合用分散安定剤。
- 前記変性ビニルアルコール系重合体は、目開き1.00mmの篩を通過する量が全体の95質量%以上である、請求項1〜6のいずれかに記載の懸濁重合用分散安定剤。
- 前記変性ビニルアルコール系重合体は、目開き500μmの篩を通過する量が全体の30質量%以上である、請求項1〜7のいずれかに記載の懸濁重合用分散安定剤。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の懸濁重合用分散安定剤の存在下で、ビニル化合物を懸濁重合する工程を含む、ビニル系重合体の製造方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018051932 | 2018-03-20 | ||
JP2018051932 | 2018-03-20 | ||
PCT/JP2019/011381 WO2019181915A1 (ja) | 2018-03-20 | 2019-03-19 | 懸濁重合用分散安定剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2019181915A1 true JPWO2019181915A1 (ja) | 2021-03-18 |
JP7286619B2 JP7286619B2 (ja) | 2023-06-05 |
Family
ID=67987744
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020507824A Active JP7286619B2 (ja) | 2018-03-20 | 2019-03-19 | 懸濁重合用分散安定剤 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7286619B2 (ja) |
CN (1) | CN111868103B (ja) |
TW (1) | TWI715947B (ja) |
WO (1) | WO2019181915A1 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022259658A1 (ja) * | 2021-06-07 | 2022-12-15 | デンカ株式会社 | 変性ポリビニルアルコール系重合体を含有する樹脂組成物、当該樹脂組成物の製造方法、懸濁重合用分散安定剤、及びビニル系樹脂の製造方法 |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61108602A (ja) * | 1984-11-02 | 1986-05-27 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤 |
JPH09302005A (ja) * | 1996-05-13 | 1997-11-25 | Toagosei Co Ltd | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
JP2001040036A (ja) * | 1999-08-04 | 2001-02-13 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | ビニルエステル系樹脂の製造方法 |
JP2005089606A (ja) * | 2003-09-17 | 2005-04-07 | Kuraray Co Ltd | ポリビニルアルコール系重合体およびその製造方法 |
KR20080040326A (ko) * | 2006-11-03 | 2008-05-08 | 주식회사 엘지화학 | 고비누화도 및 고순도의 폴리비닐알코올의 제조 방법 및그에 의해 제조된 폴리비닐알코올 |
WO2015037683A1 (ja) * | 2013-09-13 | 2015-03-19 | 株式会社クラレ | ビニルアルコール系重合体、増粘剤、乳化重合用安定剤、懸濁重合用安定剤、コーティング剤、塗工物、繊維用糊剤、糊付け糸及び織物の製造方法 |
WO2015119144A1 (ja) * | 2014-02-05 | 2015-08-13 | 株式会社クラレ | ビニル化合物の懸濁重合用分散剤 |
WO2018061272A1 (ja) * | 2016-09-28 | 2018-04-05 | 株式会社クラレ | メタノール含有量が低減された変性ビニルアルコール系重合体粉末及びその製造方法、並びに水溶性フィルム及び包装体 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1152032B1 (en) * | 1999-12-03 | 2015-01-07 | Kuraray Co., Ltd. | Aqueous emulsion and method for suspension polymerization of vinyl compound |
CN101421309B (zh) * | 2006-04-12 | 2012-12-05 | 可乐丽股份有限公司 | 分散稳定剂 |
WO2010113568A1 (ja) * | 2009-04-01 | 2010-10-07 | 株式会社クラレ | 懸濁重合用分散安定剤 |
US10508160B2 (en) * | 2014-09-26 | 2019-12-17 | Kuraray Co., Ltd. | Modified polyvinyl alcohol and water-soluble film |
-
2019
- 2019-03-19 WO PCT/JP2019/011381 patent/WO2019181915A1/ja active Application Filing
- 2019-03-19 JP JP2020507824A patent/JP7286619B2/ja active Active
- 2019-03-19 CN CN201980020507.4A patent/CN111868103B/zh active Active
- 2019-03-19 TW TW108109382A patent/TWI715947B/zh active
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61108602A (ja) * | 1984-11-02 | 1986-05-27 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤 |
JPH09302005A (ja) * | 1996-05-13 | 1997-11-25 | Toagosei Co Ltd | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
JP2001040036A (ja) * | 1999-08-04 | 2001-02-13 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | ビニルエステル系樹脂の製造方法 |
JP2005089606A (ja) * | 2003-09-17 | 2005-04-07 | Kuraray Co Ltd | ポリビニルアルコール系重合体およびその製造方法 |
KR20080040326A (ko) * | 2006-11-03 | 2008-05-08 | 주식회사 엘지화학 | 고비누화도 및 고순도의 폴리비닐알코올의 제조 방법 및그에 의해 제조된 폴리비닐알코올 |
WO2015037683A1 (ja) * | 2013-09-13 | 2015-03-19 | 株式会社クラレ | ビニルアルコール系重合体、増粘剤、乳化重合用安定剤、懸濁重合用安定剤、コーティング剤、塗工物、繊維用糊剤、糊付け糸及び織物の製造方法 |
WO2015119144A1 (ja) * | 2014-02-05 | 2015-08-13 | 株式会社クラレ | ビニル化合物の懸濁重合用分散剤 |
WO2018061272A1 (ja) * | 2016-09-28 | 2018-04-05 | 株式会社クラレ | メタノール含有量が低減された変性ビニルアルコール系重合体粉末及びその製造方法、並びに水溶性フィルム及び包装体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7286619B2 (ja) | 2023-06-05 |
CN111868103A (zh) | 2020-10-30 |
TWI715947B (zh) | 2021-01-11 |
CN111868103B (zh) | 2022-11-01 |
WO2019181915A1 (ja) | 2019-09-26 |
TW201940227A (zh) | 2019-10-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6635709B2 (en) | Dispersion stabilizer for suspension polymerization of vinyl compound | |
JPWO2014171502A1 (ja) | ビニルアルコール系共重合体及びその製造方法 | |
TWI772351B (zh) | 乙烯系聚合物之製造方法 | |
TWI815920B (zh) | 改質乙烯醇系聚合物及其製造方法、以及懸浮聚合用分散穩定劑及乙烯系聚合物之製造方法 | |
JP7375808B2 (ja) | ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂の製造方法、分散剤及び懸濁重合用分散剤 | |
JPWO2019031461A1 (ja) | 懸濁重合用分散安定剤及びそれを用いたビニル系重合体の製造方法 | |
JPWO2010113569A1 (ja) | 懸濁重合用分散安定剤 | |
WO2019198754A1 (ja) | ポリビニルアルコール組成物及びその用途、並びにビニル系樹脂の製造方法 | |
TW201429998A (zh) | 懸浮聚合用分散安定劑及乙烯系樹脂之製造方法 | |
JP6913263B1 (ja) | 懸濁重合用分散剤、懸濁重合用分散剤の製造方法、及びビニル系重合体粒子の製造方法 | |
WO2022071345A1 (ja) | ビニルアルコール系重合体、ビニルアルコール系重合体の製造方法、懸濁重合用分散剤、懸濁重合用分散助剤、及びビニル系重合体の製造方法 | |
JPWO2019181915A1 (ja) | 懸濁重合用分散安定剤 | |
JP6955435B2 (ja) | 水性エマルジョン組成物用分散安定剤 | |
WO2019198764A1 (ja) | ポリビニルアルコール組成物及びその用途、並びにビニル系樹脂の製造方法 | |
JP2001233905A (ja) | ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤 | |
JPWO2010113568A1 (ja) | 懸濁重合用分散安定剤 | |
JP7269236B2 (ja) | ビニル系重合体の製造方法 | |
JP6931361B2 (ja) | 懸濁重合用分散剤水性溶液 | |
JP4303872B2 (ja) | ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤 | |
JP4781694B2 (ja) | 水性エマルジョン | |
WO2017208974A1 (ja) | ビニルアルコール系重合体の製造方法 | |
JP2020200460A (ja) | ポリビニルアルコール、その製造方法及びその用途 | |
WO2024075829A1 (ja) | 組成物、懸濁重合用分散剤、及びビニル系重合体の製造方法 | |
JP2003176306A (ja) | ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤 | |
JP2004115821A (ja) | ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210929 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20221011 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20221207 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230209 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230516 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230524 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7286619 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |