JP6931361B2 - 懸濁重合用分散剤水性溶液 - Google Patents
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Description
該分散剤水性溶液の粘度比が下記式
1.1≦(η40wt%/η35wt%)<1.6
(式中、η40wt%は前記ビニルアルコール系重合体(A)の40質量%濃度の分散剤水性溶液の粘度を表し、η35wt%は前記ビニルアルコール系重合体(A)の35質量%濃度の分散剤水性溶液の粘度を表す。)
を満たし、かつ、前記分散剤水性溶液の粘度が1000mPa・s以上4000mPa・s以下であるものとすることによって、上記の目的を達成できることを見い出し、この知見に基づいてさらに研究を進め、本発明を完成するに至った。
[1]ビニルアルコール系重合体(A)を含むビニル化合物の懸濁重合用分散剤水性溶液であって、
前記ビニルアルコール系重合体(A)のけん化度が45モル%以上60モル%未満であり、前記ビニルアルコール系重合体(A)の残存ビニルエステル基のブロックキャラクターが0.60以下であり、
前記分散剤水性溶液の粘度比が下記式
1.1≦(η40wt%/η35wt%)<1.6
(式中、η40wt%は前記ビニルアルコール系重合体(A)の40質量%濃度の分散剤水性溶液の粘度を表し、η35wt%は前記ビニルアルコール系重合体(A)の35質量%濃度の分散剤水性溶液の粘度を表す。)
を満たし、かつ、前記分散剤水性溶液の粘度が1000mPa・s以上4000mPa・s以下である、懸濁重合用分散剤水性溶液。
[2]前記ビニルアルコール系重合体(A)の粘度平均重合度が100以上600未満である、前記[1]の懸濁重合用分散剤水性溶液。
[3]前記ビニルアルコール系重合体(A)が未変性ビニルアルコール系重合体である、前記[1]又は[2]の懸濁重合用分散剤水性溶液。
[4]さらに、前記分散剤水性溶液が、下記一般式(I)
で表される化合物(C)を含有する、前記[1]〜[3]のいずれかの懸濁重合用分散剤水性溶液。
[5]前記化合物(C)の含有量が、前記分散剤水性溶液に対して5質量%以上20質量%以下である、前記[4]の懸濁重合用分散剤水性溶液。
[6]前記一般式(I)で表される化合物(C)が、R1及びR2がそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、R3は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基であり、R4が水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、R5が水素原子であり、nが1であるアルコールである、前記[4]又は[5]の懸濁重合用分散剤水性溶液。
[7]前記一般式(I)で表される化合物(C)が、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール及び2−ブタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記[6]の懸濁重合用分散剤水性溶液。
[8]前記一般式(I)で表される化合物(C)が、R1及びR2がそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、R2が水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、R3が水素原子又は炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基であり、R4が水素原子又はヒドロキシ基であり、R5が水素原子であり、nは1〜6の整数である(ただし、R3が水素原子であり、かつR4が水素原子であるものを除く)グリコール化合物である、前記[4]又は[5]の懸濁重合用分散剤水性溶液。
[9]前記一般式(I)で表される化合物(C)が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、及び3−メチル−1,5−ペンタンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記[8]の懸濁重合用分散剤水性溶液。
[10]前記一般式(I)で表される化合物(C)が、R1及びR2がそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、R2が水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、R3が水素原子又は炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基であり、R4が水素原子、ヒドロキシ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基であり、R5が炭素数1〜6のアルキル基であり、nは1〜6の整数である(ただし、R3が水素原子であり、かつR4が水素原子であるものを除く)グリコールエーテル化合物である、前記[4]又は[5]の懸濁重合用分散剤水性溶液。
[11]前記一般式(I)で表される化合物(C)が3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールである、前記[10]の懸濁重合用分散剤水性溶液。
[12]懸濁重合用分散剤の存在下で、ビニル化合物の懸濁重合を行う工程を含む、ビニル系樹脂の製造方法であって、前記懸濁重合用分散剤が、前記[1]〜[11]のいずれかの懸濁重合用分散剤水性溶液を含有するビニル系樹脂の製造方法。
[13]さらに、前記懸濁重合用分散剤がビニルアルコール系重合体(B)を含有し、前記ビニルアルコール系重合体(B)のけん化度が65モル%以上95モル%以下であり、粘度平均重合度が600以上5000以下である、前記[12]のビニル系樹脂の製造方法。
本発明の懸濁重合用分散剤水性溶液は、ビニルアルコール系重合体(A)を含み、
前記ビニルアルコール系重合体(A)(以下、「PVA(A)」と略記することがある。)は、けん化度が45モル%以上60モル%未満であり、残存ビニルエステル基のブロックキャラクターが0.60以下であり、
前記分散剤水性溶液の粘度比が下記式
1.1≦(η40wt%/η35wt%)<1.6
(式中、η40wt%は前記ビニルアルコール系重合体(A)の40質量%濃度の分散剤水性溶液の粘度を表し、η35wt%は前記ビニルアルコール系重合体(A)の35質量%濃度の分散剤水性溶液の粘度を表す。)
を満たし、かつ、前記分散剤水性溶液の粘度が1000mPa・s以上4000mPa・s以下であることを特徴とする。
本発明に用いられるPVA(A)のけん化度は、45モル%以上60モル%未満であり、好ましくは46モル%以上58モル%以下であり、より好ましくは47モル%以上55モル%以下である。PVA(A)のけん化度が45モル%未満であると、得られるビニル系樹脂粒子の脱モノマー性が低下したり、可塑剤吸収性が低下したり、フィッシュアイが増加する。また、PVA(A)を含有する懸濁重合用分散剤水性溶液を調製する際に析出や沈殿物が生じやすく、高濃度の分散剤水性溶液を調製することが困難となる。一方、PVA(A)のけん化度が60モル%以上であると、得られるビニル系樹脂粒子の脱モノマー性が低下したり、可塑剤吸収性が低下したり、フィッシュアイが増加する。また、PVA(A)を含有する高濃度の分散剤水性溶液を調製した際に粘度が増大し、ハンドリング性が低下する。PVA(A)のけん化度は、JIS K 6726(1994年)に準じて測定し得られる値である。
[η]acetone, 30℃ = 7.94 × 10−4 ・ P0.62
1.1≦(η40wt%/η35wt%)<1.6
(式中、η40wt%及びη35wt%は、上記と同様の意味を有する。)
を満たし、かつ、前記分散剤水性溶液の粘度が1000mPa・s以上4000mPa・s以下である。
前記粘度比の好適範囲は、1.2<(η40wt%/η35wt%)<1.4である。ここで、分散剤水性溶液の粘度は20℃の状態でB型粘度計を用いて測定したものである。B型粘度計は、例えば、B型粘度計BLII(東機産業株式会社製)、デジタルB型粘度計 BASE(商品名、株式会社アタゴ製)、デジタルB型粘度計 PRO(商品名、株式会社アタゴ製)等の市販品を使用できる。前記分散剤水性溶液の粘度は、1500mPa・s以上3800mPa・s以下が好ましく、1800mPa・s以上3500mPa・s以下がより好ましく、2000mPa・s以上3200mPa・s以下がさらに好ましい。
本発明の懸濁重合用分散剤水性溶液は、下記一般式(I)
で表される化合物(C)を含有する形態が好適である。懸濁重合用分散剤水性溶液における上記一般式(I)で表される化合物(C)の含有量は、5質量%以上20質量%以下が好ましく、10質量%以上15質量%以下がより好ましい。
本発明の懸濁重合用分散剤水性溶液は、ビニル化合物の懸濁重合の際に本発明の趣旨を損なわない範囲で、その他の各種添加剤を含有してもよい。上記添加剤としては、例えば、アルデヒド類、ハロゲン化炭化水素類、メルカプタン類等の重合調節剤;フェノール化合物、イオウ化合物、N−オキサイド化合物等の重合禁止剤;pH調整剤;架橋剤;防腐剤;防黴剤;ブロッキング防止剤;消泡剤;相溶化剤等が挙げられる。これらの添加剤の量は、特に限定されないが、懸濁重合用分散剤水性溶液において、10質量%未満が好ましく、5.0質量%未満がより好ましく、3.0質量%未満がさらに好ましく、1.0質量%未満が特に好ましい。
本発明の他の実施形態としては、懸濁重合用分散剤の存在下で、ビニル化合物の懸濁重合を行う工程を含む、ビニル系樹脂の製造方法であって、前記懸濁重合用分散剤が、上記の懸濁重合用分散剤水性溶液を含有する製造方法が挙げられる。前記ビニル化合物としては、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸、メタクリル酸、これらのエステル及び塩;マレイン酸、フマル酸、これらのエステル及び無水物;スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、ビニルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、本発明の懸濁重合用分散剤は、特に好適には塩化ビニルを単独で、又は塩化ビニル及び塩化ビニルと共重合することが可能な単量体と共に懸濁重合する際に用いられる。
前記懸濁重合用分散剤は、それを構成する上記PVA(A)に加えて、粘度平均重合度が600以上5000以下であり、かつけん化度が65モル%以上95モル%以下であるビニルアルコール系重合体(B)(以下、「PVA(B)」と略記することがある。)を含んでいてもよい。
PVAのけん化度はJIS K 6726(1994年)に記載の方法により求めた。
PVAの残存ビニルエステル基のブロックキャラクターはPVAの重水、重メタノール混合溶媒中、測定温度70℃、積算回数18000回での13C−NMR測定を行い、残存エステル基とヒドロキシ基に挟まれたメチレン炭素のピークの積分値、残存エステル基同士に挟まれたメチレン炭素のピークの積分値、及びヒドロキシ基同士に挟まれたメチレン炭素のピークの積分値からブロックキャラクターを求めた。測定法、計算法についてはポバール(高分子刊行会、1984年発行、第246〜249頁)及びMacromolecules,10,532(1977年)に記載されている。
PVAの粘度平均重合度は、PVAを実質的に完全にけん化した後、アセチル化してビニルエステル系重合体とし、該ビニルエステル系重合体のアセトン溶液の極限粘度[η]測定から、以下に示す中島の式(中島章夫:高分子化学6(1949))を用いて算出した。
[η]acetone, 30℃ = 7.94 × 10−4 ・ P0.62
PVAの35質量%濃度の水溶液を調製し、該水溶液の粘度をB型粘度計BLII(東機産業株式会社製)によって測定した。なお、粘度の測定は20℃、回転数60rpmで行った。
PVAの40質量%濃度の分散剤水性溶液を調製し、該分散剤水性溶液の粘度を上記と同様にB型粘度計BLII(東機産業株式会社製)によって測定し、40質量%濃度の分散剤水性溶液の粘度と35質量%濃度の分散剤水性溶液の粘度比(η40wt%/η35wt%)を算出した。
PVAの変性量は、PVAを構成する全繰り返し単位に対する変性基のモル百分率(モル%)として、1H−NMR測定により求めた。
表1に記載のPVA(A1)の濃度が35質量%、化合物(C)として3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールの濃度が5質量%となるように、PVA(A1)、蒸留水及び化合物(C)を混合し、室温下マグネチックスターラーで2時間撹拌して懸濁重合用分散剤水性溶液を得た。表2に示す通り、得られた分散剤水性溶液の粘度は2200mPa・sであり、粘度比(η40wt%/η35wt%)は1.4であった。
表2に示す所定の濃度となるようにPVA(A2)、PVA(A3)及びPVA(I)〜PVA(XI)のそれぞれと蒸留水を混合し、室温下マグネチックスターラーで2時間撹拌して懸濁重合用分散剤水性溶液を得た。また、必要に応じて、蒸留水と共に、上記一般式(I)で表される化合物(C)として、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール又は1−ブタノールを下記表2の量で加え、上記と同様の方法で懸濁重合用分散剤水性溶液を得た。得られた懸濁重合用分散剤水性溶液の粘度及び粘度比(η40wt%/η35wt%)を表2に示す。
容量5Lのオートクレーブに、粘度平均重合度1800及びけん化度85モル%のPVA(B)を塩化ビニル単量体に対して1200ppmとなるように100部の脱イオン水溶液として仕込み、上記調製例1で得られた懸濁重合用分散剤水性溶液を、該分散剤水性溶液中のPVA(A1)が塩化ビニル単量体に対して200ppmとなるように仕込み、仕込む脱イオン水の合計が1640部となるように脱イオン水を追加して仕込んだ。次いで、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネートの70%トルエン溶液1.07部をオートクレーブに仕込んだ。オートクレーブ内の圧力が0.2MPaとなるように窒素を導入後、次いで導入した窒素をパージする、という作業を計5回行い、オートクレーブ内を十分に窒素置換して酸素を除いた後、塩化ビニル940部を仕込み、オートクレーブ内の内容物を65℃に昇温して撹拌下で塩化ビニル単量体の重合を開始した。重合開始時におけるオートクレーブ内の圧力は1.05MPaであった。重合を開始してから約3時間経過後、オートクレーブ内の圧力が0.70MPaとなった時点で重合を停止し、未反応の塩化ビニル単量体を除去した後、重合反応物を取り出し、65℃にて16時間乾燥を行い、塩化ビニル樹脂粒子を得た。
実施例1で得られた塩化ビニル樹脂粒子について、(1)平均粒子径、(2)可塑剤吸収性、(3)脱モノマー性、及び(4)フィッシュアイを以下の方法にしたがって評価した。評価結果を表3に示す。
タイラーメッシュ基準の篩を使用して、JIS Z 8815:1994に記載の乾式篩法により粒度分布を測定した。その結果をロジン・ラムラー(Rosin-Rammler)分布式にプロットして、実施例1で得られた塩化ビニル樹脂粒子の平均粒子径(dp50)を求めた。
脱脂綿を0.02g詰めた容量5mLのシリンジの質量を量り(A(g))、次いで塩化ビニル樹脂粒子0.5gを入れ質量を量り(B(g))、そこにジオクチルフタレート(DOP)1gを入れ15分静置後、3000rpmで40分遠心分離して質量を量った(C(g))。そして、下記の計算式より可塑剤吸収性(%)を求めた。可塑剤吸収性が高いほど加工が容易で、主にシートへの加工時にブツ等の外観に生じる欠陥を生じにくい。
可塑剤吸収性(%)=100×[{(C−A)/(B−A)}−1]
塩化ビニルの懸濁重合における重合反応物を取り出した後、75℃にて乾燥を1時間、及び3時間行い、それぞれの時点での残留モノマー量をヘッドスペースガスクロマトグラフィーにて測定し、(3時間の時点の残留モノマー量/1時間の時点の残留モノマー量)×100で残留モノマー割合を求めた。この値が小さいほど乾燥開始から1時間の時点から3時間の時点、すなわち2時間のうちに塩化ビニル樹脂粒子に残存するモノマーが乾燥によって抜けた割合が多いことを意味し、この値が残存するモノマーの抜けの良さ、すなわち脱モノマー性を表す指標となる。
得られた塩化ビニル樹脂粒子100部、DOP(ジオクチルフタレート)35部、三塩基性硫酸鉛5部及びステアリン酸亜鉛1部を150℃で7分間ロール練り機を用いて混合して0.1mm厚のシートを作製し、該シートの100mm×100mm当たりのフィッシュアイの数を測定した。
PVA(A1)に代えてPVA(A2)及びPVA(A3)をそれぞれ使用し、PVA(A)の使用量が表3に記載の量になるように上記調製例2〜4で得られた懸濁重合用分散剤水性溶液の仕込み量を変えたこと、並びにPVA(B)の種類及び使用量を表3に記載のものに変更したこと以外は実施例1と同様にして塩化ビニルの懸濁重合を行い、塩化ビニル樹脂粒子を得た。塩化ビニル樹脂粒子を実施例1と同様に評価した。結果を表3に示す。
PVA(B)の種類及び使用量を表3に記載のものに変更したこと以外は実施例1と同様にして塩化ビニルの懸濁重合を行い、塩化ビニル樹脂粒子を得た。塩化ビニル樹脂粒子を実施例1と同様に評価した。結果を表3に示す。
PVA(A1)に代えてPVA(I)〜PVA(XI)をそれぞれ使用し、PVA(I)〜PVA(XI)の使用量が表3に記載の量になるように上記調製例5〜15のいずれかで得られた懸濁重合用分散剤水性溶液の仕込み量を変えたこと、並びにPVA(B)の種類及び使用量を表3に記載のものに変更したこと以外は実施例1と同様にして、塩化ビニルの懸濁重合を行い、塩化ビニル樹脂粒子を得た。塩化ビニル樹脂粒子を実施例1と同様に評価した。結果を表3に示す。
Claims (12)
- ビニルアルコール系重合体(A)を含むビニル化合物の懸濁重合用分散剤水性溶液であって、
前記ビニルアルコール系重合体(A)のけん化度が45モル%以上60モル%未満であり、前記ビニルアルコール系重合体(A)の残存ビニルエステル基のブロックキャラクターが0.60以下であり、
前記ビニルアルコール系重合体(A)が未変性ビニルアルコール系重合体であり、
前記分散剤水性溶液の粘度比が下記式
1.1≦(η40wt%/η35wt%)<1.6
(式中、η40wt%は前記ビニルアルコール系重合体(A)の40質量%濃度の分散剤水性溶液の粘度を表し、η35wt%は前記ビニルアルコール系重合体(A)の35質量%濃度の分散剤水性溶液の粘度を表す。)
を満たし、かつ、前記分散剤水性溶液の粘度が1000mPa・s以上4000mPa・s以下である、懸濁重合用分散剤水性溶液。 - 前記ビニルアルコール系重合体(A)の粘度平均重合度が100以上600未満である、請求項1に記載の懸濁重合用分散剤水性溶液。
- 前記化合物(C)の含有量が、前記分散剤水性溶液に対して5質量%以上20質量%以下である、請求項3に記載の懸濁重合用分散剤水性溶液。
- 前記一般式(I)で表される化合物(C)が、R1及びR2がそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、R3は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基であり、R4が水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、R5が水素原子であり、nが1であるアルコールである、請求項3又は4に記載の懸濁重合用分散剤水性溶液。
- 前記一般式(I)で表される化合物(C)が、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール及び2−ブタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項5に記載の懸濁重合用分散剤水性溶液。
- 前記一般式(I)で表される化合物(C)が、R1及びR2がそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、R3が水素原子又は炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基であり、R4が水素原子又はヒドロキシ基であり、R5が水素原子であり、nは1〜6の整数である(ただし、R3が水素原子であり、かつR4が水素原子であるものを除く)グリコール化合物である、請求項3又は4に記載の懸濁重合用分散剤水性溶液。
- 前記一般式(I)で表される化合物(C)が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、及び3−メチル−1,5−ペンタンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項7に記載の懸濁重合用分散剤水性溶液。
- 前記一般式(I)で表される化合物(C)が、R1及びR2がそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、R3が水素原子又は炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基であり、R4が水素原子、ヒドロキシ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基であり、R5が炭素数1〜6のアルキル基であり、nは1〜6の整数である(ただし、R3が水素原子であり、かつR4が水素原子であるものを除く)グリコールエーテル化合物である、請求項3又は4に記載の懸濁重合用分散剤水性溶液。
- 前記一般式(I)で表される化合物(C)が3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールである、請求項9に記載の懸濁重合用分散剤水性溶液。
- 懸濁重合用分散剤の存在下で、ビニル化合物の懸濁重合を行う工程を含む、ビニル系樹脂の製造方法であって、前記懸濁重合用分散剤が、請求項1〜10のいずれかに記載の懸濁重合用分散剤水性溶液を含有するビニル系樹脂の製造方法。
- さらに、前記懸濁重合用分散剤がビニルアルコール系重合体(B)を含有し、前記ビニルアルコール系重合体(B)のけん化度が65モル%以上95モル%以下であり、粘度平均重合度が600以上5000以下である、請求項11に記載のビニル系樹脂の製造方法。
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