JPWO2010113568A1 - 懸濁重合用分散安定剤 - Google Patents

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Abstract

けん化度が60モル%以上、粘度平均重合度が200以上のビニルアルコール系重合体(A)、および、下記一般式(I)で示されるポリオキシアルキレン基を側鎖に含有するビニルアルコール系重合体であり、ビニルアルコール系重合体の粘度平均重合度が200〜1000であり、けん化度が60モル%未満であり、ポリオキシアルキレン基変性量が0.1〜10モル%であるポリオキシアルキレン変性ビニルアルコール系重合体(B)とを含有する懸濁重合用分散安定剤とする。このような懸濁重合用分散安定剤を使用して懸濁重合を行った場合には、粗大粒子の形成が少なく、粒子径が均一な重合体粒子が製造される。さらに、ブロック化やスケール付着が低減される。(式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。mとnはそれぞれのオキシアルキレンユニットの繰り返し単位数を表し、1≦m≦10、3≦n≦20である。)

Description

本発明は、懸濁重合用分散安定剤に関する。特にビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤に関する。
従来より、ビニル系化合物(特に塩化ビニル)の懸濁重合用分散安定剤として部分けん化ビニルアルコール系重合体を用いることが知られている。
ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤には、[1]少量の使用でも可塑剤の吸収性が高く加工が容易であること、[2]残存するビニル系化合物などのモノマー成分の除去が容易であること、[3]粗大粒子が少ないこと、[4]できるだけ粒子径が均一な粒子が得られ、スケール付着を防止できること、などが必要な性能として求められている。
これらの要求に対し、分散安定助剤を併用する方法が提案されている。たとえば、ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤に、低重合度、低けん化度、かつ、オキシアルキレン基を含有するビニルアルコール系樹脂を分散安定助剤として併用する方法が提案されている。(特許文献1〜7)。しかしながら、特許文献1〜特許文献7に記載された分散安定助剤には、前記した[1]〜[4]の要求に対して必ずしも満足すべき性能が得られているとは言いがたい。
特開平9−100301号公報 特開平10−147604号公報 特開平10−147605号公報 特開平10−259213号公報 特開平11−217413号公報 特開平2001−040019号公報 特開平2002−069105号公報
本発明は、塩化ビニルをはじめとするビニル系化合物を懸濁重合するに際して、前記した[1]〜[4]の要求性能を充足する、重合安定性に優れる懸濁重合用分散安定剤を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、けん化度が60モル%以上、粘度平均重合度が200以上のビニルアルコール系重合体(A)、および、下記一般式(I)で示されるポリオキシアルキレン基を側鎖に含有するビニルアルコール系重合体であり、ビニルアルコール系重合体の粘度平均重合度が200〜1000であり、けん化度が60モル%未満であり、ポリオキシアルキレン基変性量が0.1〜10モル%であるポリオキシアルキレン変性ビニルアルコール系重合体(B)とを含有する懸濁重合用分散安定剤が、上記した課題を解決するものであることを見出し、本発明を完成するに至った。
Figure 2010113568
式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。mとnはそれぞれのオキシアルキレンユニットの繰り返し単位数を表し、1≦m≦10、3≦n≦20である。ここで、繰り返し単位数mで表されるユニットをユニット1と呼び、繰り返し単位数nで表されるユニットをユニット2と呼ぶことにする。ユニット1とユニット2の配置は、ランダム状、ブロック状のどちらの形態になっても良い。
また、ビニルアルコール系重合体(A)とポリオキシアルキレン変性ビニルアルコール系重合体(B)との重量比(A)/(B)が99/1〜5/95であることも好ましい。
本発明の懸濁重合用分散安定剤を用いてビニル系化合物の懸濁重合を行った場合には、重合安定性が高いため粗大粒子の形成が少なく、粒子径が均一な粒子が得られる。さらに、重合が不安定なことに起因するブロック化やスケール付着が低減する。
本発明において用いられるビニルアルコール系重合体(A)(以下、ビニルアルコール系重合体をPVAと略記することがある)のけん化度は60モル%以上であり、好ましくは65〜95モル%であり、さらに好ましくは70〜90モル%である。けん化度が60モル%未満の場合には、PVAの水溶性が低下して取扱性が悪化する。なお、PVAのけん化度は、JIS−K6726に準じて測定し得られる値である。
また、PVA(A)の粘度平均重合度は200以上であり、好ましくは500以上であり、より好ましくは550〜8000であり、さらに好ましくは600〜3500である。PVA系重合体の粘度平均重合度が200未満の場合には、ビニル系化合物を懸濁重合する際の重合安定性が低下する。
PVA(A)の粘度平均重合度(P)は、JIS−K6726に準じて測定される。すなわち、該PVAを再けん化し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度[η]から次式により求められる。
P=([η]×10/8.29)(1/0.62)
なお、粘度平均重合度は、単に重合度と呼ぶことがある。
本発明の懸濁重合用分散安定剤において、PVA(A)は単独で使用してもよいし、特性の異なる2種類以上のものを併用してもよい。
本発明で用いられるポリオキシアルキレン変性ビニルアルコール系共重合体(B)(以下、ポリオキシアルキレン変性ビニルアルコール系共重合体をPOA変性PVAと略記することがある)は、上記一般式(I)で示されるポリオキシアルキレン基を側鎖に含有する。
POA変性PVA(B)はポリオキシアルキレン(POA)基変性量が0.1〜10モル%である必要がある。POA基変性量が10モル%を超えると、POA変性PVA(B)一分子あたりに含まれる疎水基の割合が高くなり、該PVAの水溶性が低下する場合がある。POA基変性量は5モル%以下であることが好ましく、2モル%以下であることが特に好ましい。一方、POA基変性量が0.1モル%未満の場合、POA変性PVA(B)の水溶性は優れているものの、該PVA中に含まれるPOA基の数が少なく、POA変性に基づく物性が発現しない場合がある。
POA基変性量とは、PVAの主鎖メチレン基に対するPOA基のモル分率で表される。POA変性PVA(A)のPOA基変性量は、例えば、該PVAの前駆体であるPOA変性ポリビニルエステル、具体的な一例としては、POA変性ポリ酢酸ビニル(以下、ポリ酢酸ビニルをPVAcと略記することがある)のプロトンNMRから求めることができる。具体的には、n−ヘキサン/アセトンでPOA変性PVAcの再沈精製を3回以上十分に行った後、50℃の減圧下で乾燥を2日間行い、分析用のPOA変性PVAcを作成する。該PVAcをCDClに溶解させ、500MHzのプロトンNMR(JEOL GX−500)を用いて室温で測定する。ビニルエステルの主鎖メチンに由来するピークα(4.7〜5.2ppm)とユニット2の末端メチル基に由来するピークβ(0.8〜1.0ppm)から下記式を用いてPOA基変性量を算出する。
POA基変性量(モル%)={(βのプロトン数/3n)/(αのプロトン数+(βのプロトン数/3n))}×100
nはユニット2の繰り返し単位数を表す。
POA変性PVA(B)の重合度は200〜1000である。重合度が1000を超えるとビニル系化合物の懸濁重合により得られるビニル系重合体粒子からモノマー成分を除去するのが困難になり、あるいは可塑剤吸収性が低下し、好ましくない。重合度が200未満の場合、重合体としてのPVAの物性が発現しなくなるため好ましくない。なお、POA変性PVA(B)の重合度は、上記で説明したPVA(A)の重合度の測定方法と同様の方法で測定される。
POA変性PVA(B)のけん化度は、水溶性、水分散性の観点から60モル%未満であり、好ましくは58モル%以下、より好ましくは55モル%以下、さらに好ましくは52モル%以下である。けん化度の下限については特に制限はないが、部分けん化PVA系重合体の製造上の観点から、けん化度は10モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましい。なお、POA変性PVA(B)のけん化度は、JIS−K6726に準じて測定し得られる値である。
一般式(I)で示されるPOA基のユニット1の繰り返し単位数mは1≦m≦10である必要がある。mがこのような範囲である場合には、重合安定性が高いため粗大粒子の形成が少なく、粒子径が均一な粒子が得られる。mは1.5以上であることが好ましい。mは5以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましい。また、ユニット2(ポリオキシブチレン)の繰り返し単位数nは3≦n≦20である必要がある。nが3未満の場合、POA基同士の相互作用が発現せず、POA変性PVA水溶液の粘度が低い場合がある。nは5以上であることが好ましく、8以上であることが特に好ましい。nが20を超える場合、POA基の疎水性が高くなり、POA変性PVA(B)の水溶性が低下する場合がある。nは18以下であることが好ましく、15以下であることがより好ましい。
本発明においてPOA変性PVA(B)を製造するには、一般式(I)で示されるPOA基を有する不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合をアルコール系溶媒中または無溶媒で行い、得られたPOA変性ビニルエステル系共重合体をけん化する方法が好ましい。POA基を有する不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合を行う際に採用される温度は0〜200℃が好ましく、30〜140℃がより好ましい。共重合を行う温度が0℃より低い場合は、十分な重合速度が得られないため好ましくない。また、重合を行う温度が200℃より高い場合、目的とするPOA基変性量を有するPOA変性PVA(B)を得ることが困難になるため好ましくない。共重合を行う際に採用される温度を0〜200℃に制御する方法としては、例えば、重合速度を制御することで、重合により生成する発熱と反応器の表面からの放熱とのバランスをとる方法や、適当な熱媒を用いた外部ジャケットにより制御する方法等があげられるが、安全性の面からは後者の方法が好ましい。
POA基を有する不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合を行うのに用いられる重合方式としては、回分重合、半回分重合、連続重合、半連続重合のいずれでもよい。重合方法としては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法など公知の任意の方法を用いることができる。その中でも、無溶媒またはアルコール系溶媒中で重合を行う塊状重合法や溶液重合法が好適に採用され、高重合度の共重合物の製造を目的とする場合は乳化重合法が採用される。アルコール系溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどを用いることができるが、これらに限定されるものではない。またこれらの溶媒は2種類またはそれ以上の種類を混合して用いることができる。
共重合に使用される開始剤としては、重合方法に応じて従来公知のアゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス系開始剤などが適宜選ばれる。アゾ系開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)などが挙げられ、過酸化物系開始剤としては、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネートなどのパーカーボネート化合物;t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシデカネートなどのパーエステル化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド;2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシアセテートなどが挙げられる。さらには、上記開始剤に過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素などを組み合わせて開始剤とすることもできる。また、レドックス系開始剤としては、上記の過酸化物と亜硫酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酒石酸、L−アスコルビン酸、ロンガリットなどの還元剤とを組み合わせたものが挙げられる。
また、POA基を有する不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合を高い温度で行った場合、ビニルエステル系単量体の分解に起因するPVAの着色等が見られることがあるため、その場合には着色防止の目的で重合系に酒石酸のような酸化防止剤を1〜100ppm(ビニルエステル系単量体に対して)程度添加することはなんら差し支えない。
ビニルエステル系単量体としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オレイン酸ビニル、安息香酸ビニルなどが挙げられるが、中でも酢酸ビニルが最も好ましい。
POA基を有する不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合に際して、本発明の主旨を損なわない範囲で他の単量体を共重合しても差し支えない。使用しうる単量体として、例えば、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブチレンなどのα−オレフィン;アクリル酸およびその塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸I−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸I−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシルなどのアクリル酸エステル類;メタクリル酸およびその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸I−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸I−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシルなどのメタクリル酸エステル類;アクリルアミド;N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩またはその4級塩、N−メチロールアクリルアミドおよびその誘導体などのアクリルアミド誘導体;メタクリルアミド;N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩またはその4級塩、N−メチロールメタクリルアミドおよびその誘導体などのメタクリルアミド誘導体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、I−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、I−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル類;塩化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン類;酢酸アリル、塩化アリルなどのアリル化合物;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸およびその塩またはそのエステル;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニルなどが挙げられる。
本発明において用いられるPVA(A)およびPOA変性PVA(B)は、末端にイオン性官能基を有していてもよい。これらのイオン性官能基には、カルボキシル基、スルホン酸基などが挙げられ、その中でもカルボキシル基が好ましい。これらのイオン性基にはその塩も含まれ、PVA(A)およびPOA変性PVA(B)は水分散性であることが好ましいという観点から、アルカリ金属塩が好ましい。PVA(A)およびPOA変性PVA(B)の末端部にイオン性官能基を導入する手法としては、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩などのチオール化合物の存在下で、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体を重合させ、得られる重合体をけん化する等の方法を用いることができる。
また、POA基を有する不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合に際し、得られる共重合体の重合度を調節することなどを目的として、本発明の主旨を損なわない範囲で連鎖移動剤の存在下で共重合を行っても差し支えない。連鎖移動剤としては、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、などのアルデヒド類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;2−ヒドロキシエタンチオールなどのメルカプタン類;トリクロロエチレン、パークロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素類が挙げられ、中でもアルデヒド類およびケトン類が好適に用いられる。連鎖移動剤の添加量は、添加する連鎖移動剤の連鎖移動定数および目的とするビニルエステル系重合体の重合度に応じて決定されるが、一般にビニルエステル系単量体に対して0.1〜10重量%が望ましい。
POA基を有する不飽和単量体とビニルエステル系単量体とを共重合して得られたPOA変性PVAcのけん化反応には、従来公知の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシドなどの塩基性触媒またはp−トルエンスルホン酸などの酸性触媒を用いた加アルコール分解反応ないし加水分解反応を適用することができる。この反応に使用しうる溶媒としては、メタノール、エタノールなどのアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類:ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素などが挙げられ、これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でもメタノールまたはメタノール/酢酸メチル混合溶液を溶媒とし、水酸化ナトリウムを触媒に用いてけん化反応を行うのが簡便であり好ましい。
一般式(I)で示されるPOA基を有する不飽和単量体としては、下記の一般式(II)で示される不飽和単量体が挙げられる。
Figure 2010113568
R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子または炭素数1〜8のアルキル基、R3は水素原子または−COOMである。ここでMは水素原子、アルカリ金属またはアンモニウム基を表す。R4は水素原子、メチル基または−CH−COOMであり、ここでMは前記定義のとおりである。Xは−O−、−CH−O−、−CO−、−CO−O−または−CO−NR5−である。ここでR5は水素原子または炭素数1〜4の飽和アルキル基を表す。mとnはそれぞれのオキシアルキレンユニットの繰り返し単位数を表し、1≦m≦10、3≦n≦20である。
一般式(II)で示される不飽和単量体のR2としては水素原子、メチル基またはブチル基が好ましく、水素原子またはメチル基がより好ましい。さらに、一般式(II)で示される不飽和単量体のR1が水素であり、R2が水素原子またはメチル基であり、R3が水素原子であることが特に好ましい。
例えば、一般式(II)のR1が水素原子、R2が水素原子、R3が水素原子の場合、一般式(II)で示される不飽和単量体として具体的には、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノアクリレート、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノメタクリレート、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノアクリル酸アミド、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノメタクリル酸アミド、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノメタアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノビニルエーテルなどが挙げられる。なかでも、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノアクリル酸アミド、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノメタクリル酸アミド、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノビニルエーテルが好適に用いられ、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノメタクリル酸アミド、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノビニルエーテルが特に好適に用いられる。
一般式(II)のR2が炭素数1〜8のアルキル基の場合、一般式(II)で示される不飽和単量体として具体的には、一般式(II)のR1が水素原子、R2が水素原子、R3が水素原子の場合の例として上記に例示した不飽和単量体の末端のOH基が炭素数1〜8のアルコキシ基に置換されたものが挙げられる。なかでも、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノメタクリル酸アミド、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノビニルエーテルの末端のOH基がメトキシ基に置換された不飽和単量体が好適に用いられ、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノメタクリル酸アミドの末端のOH基がメトキシ基に置換された不飽和単量体が特に好適に用いられる。
本発明の懸濁重合用分散安定剤におけるPVA(A)とPOA変性PVA(B)との重量比(A)/(B)は特に制限されないが、99/1〜5/95であることが好ましい。重量比(A)/(B)が99/1よりも大きい場合には、ビニル系化合物の懸濁重合によって得られるビニル系重合体の可塑剤吸収能が悪化したり、粒度分布が広くなるおそれがある。重量比(A)/(B)は97/3以下であることが好ましく、95/5以下であることがより好ましい。重量比(A)/(B)が5/95よりも小さい場合には、ビニル系化合物を懸濁重合する際に重合安定性が低下するおそれがある。重量比(A)/(B)は10/90以上であることが好ましく、15/85以上であることがより好ましい。
本発明の懸濁重合用分散安定剤は、特にビニル系化合物の懸濁重合に好適に用いられる。ビニル系化合物としては、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸、メタクリル酸、これらのエステルおよび塩;マレイン酸、フマル酸、これらのエステルおよび無水物;スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、ビニルエーテル等が挙げられる。これらのうち、本発明の懸濁重合用分散安定剤は、特に好適には塩化ビニルを単独で、または塩化ビニルおよび塩化ビニルと共重合することが可能な単量体と共に懸濁重合する際に用いられる。塩化ビニルと共重合することができる単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸エステル;エチレン、プロピレンなどのα−オレフィン;無水マレイン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸類;アクリロニトリル、スチレン、塩化ビニリデン、ビニルエーテル等が挙げられる。
ビニル系化合物の懸濁重合には、従来から塩化ビニル単量体等の重合に使用されている、油溶性または水溶性の重合開始剤を用いることができる。油溶性の重合開始剤としては、例えば、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネート化合物;t−ブチルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、α−クミルパーオキシネオデカネート等のパーエステル化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシアセテート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物;アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビス(4−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物等が挙げられる。水溶性の重合開始剤としては、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。これらの油溶性あるいは水溶性の重合開始剤は単独で、または2種類以上を組合せて用いることができる。
ビニル系化合物の懸濁重合に際し、必要に応じて、重合反応系にその他の各種添加剤を加えることができる。添加剤としては、例えば、アルデヒド類、ハロゲン化炭化水素類、メルカプタン類などの重合調節剤、フェノール化合物、イオウ化合物、N−オキサイド化合物などの重合禁止剤などが挙げられる。また、pH調整剤、架橋剤なども任意に加えることができる。
ビニル系化合物の懸濁重合に際し、重合温度には特に制限はなく、20℃程度の低い温度はもとより、90℃を超える高い温度に調整することもできる。また、重合反応系の除熱効率を高めるために、リフラックスコンデンサー付の重合器を用いることも好ましい実施態様の一つである。
本発明の懸濁重合用分散安定剤には、必要に応じて、懸濁重合および乳化重合に通常使用される防腐剤、防黴剤、ブロッキング防止剤、消泡剤等の添加剤を配合することができる。
本発明の懸濁重合用分散安定剤は単独で使用してもよいが、ビニル系化合物を水性媒体中で懸濁重合する際に通常使用されるメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの水溶性セルロースエーテル、;ゼラチンなどの水溶性ポリマー;ソルビタンモノラウレート、ソルビタントリオレート、グリセリントリステアレート、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロックコポリマーなどの油溶性乳化剤;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレングリセリンオレート、ラウリン酸ナトリウムなどの水溶性乳化剤等を併用しても良い。その添加量については特に制限は無いが、ビニル系化合物100重量部あたり0.01〜1.0重量部が好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。以下の実施例および比較例において、特に断りがない場合、部および%はそれぞれ重量部および重量%を示す。
実施例1
(POA変性PVA(B)の製造)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、コモノマー滴下口および開始剤の添加口を備えた3Lの反応器に、酢酸ビニル550g、メタノール450g、POA基含有モノマー(単量体A)3.3gを仕込み、窒素バブリングをしながら30分間系内を窒素置換した。また、ディレー溶液としてPOA基含有モノマー(単量体A)をメタノールに溶解して濃度20%としたコモノマー溶液を調製し、窒素ガスのバブリングにより窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.25gを添加し重合を開始した。ディレー溶液を滴下して重合溶液中のモノマー組成(酢酸ビニルと単量体Aの比率)が一定となるようにしながら、60℃で3時間重合した後冷却して重合を停止した。重合を停止するまで加えたコモノマー溶液の総量は40mlであった。また重合停止時の固形分濃度は24.4%であった。続いて30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応の酢酸ビニルモノマーの除去を行い、POA変性PVAcのメタノール溶液(濃度35%)を得た。さらに、これにメタノールを加えて調製したPOA変性PVAcのメタノール溶液453.4g(溶液中のPOA変性PVAc100.0g)に、2.0gのアルカリ溶液(水酸化ナトリウムの10%メタノール溶液)を添加してけん化を行った(けん化溶液のPOA変性PVAc濃度20%、POA変性PVAc中の酢酸ビニルユニットに対する水酸化ナトリウムのモル比0.003)。アルカリ溶液を添加後約45分でゲル状物が生成したので、これを粉砕器にて粉砕し、40℃で1時間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル500gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が終了したことを確認した後、濾別して白色固体を得、これにメタノール2000gを加えて室温で3時間放置洗浄した。上記の洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱液して得られた白色固体を乾燥機中65℃で2日間放置してPOA変性PVA(B)を得た。重合度は960、けん化度は50モル%、POA基変性量は0.4モル%であった。
(塩化ビニルの懸濁重合)
重合度850、けん化度72モル%のPVA系重合体(A)を塩化ビニル単量体に対して800ppm、上記で得られたPOA変性PVA(B)を塩化ビニル単量体に対して400ppm、それぞれ脱イオン水に溶解させ、分散安定剤を調整した。このようにして得られた分散安定剤を、スケール付着防止剤NOXOL WSW(CIRS社製)が固形分として0.3g/mになるように塗布されたグラスライニング製オートクレーブに仕込んだ。次いで、グラスライニング製オートクレーブにジイソプロピルパーオキシジカーボネートの70%トルエン溶液0.04部を仕込み、オートクレーブ内の圧力が0.0067MPaとなるまで脱気して酸素を除いた後、塩化ビニル30部を仕込み、オートクレーブ内の内容物を63℃に昇温して撹拌下に重合を開始した。重合開始時におけるオートクレーブ内の圧力は10.2MPaであった。重合を開始してから5時間経過後のオートクレーブ内の圧力が0.5MPaとなった時点で重合を停止し、未反応の塩化ビニルを除去した後、重合反応物を取り出し、65℃にて16時間乾燥を行い、塩化ビニル重合体粒子を得た。
(塩化ビニル重合体粒子の評価)
塩化ビニル重合体粒子について、平均粒径、粒度分布およびスケール付着量を以下の方法にしたがって測定した。評価結果を表1に示す。
(1)塩化ビニル重合体粒子の平均粒子径
タイラーメッシュ基準の金網を使用して、乾式篩分析により粒度分布を測定し、平均粒子径を求めた。
(2)塩化ビニル重合体粒子の粒度分布
JIS標準篩い42メッシュオンの含有量を重量%で表示した。
A : 0.5%未満
B : 0.5%以上1%未満
C : 1%以上
JIS標準篩い80メッシュオンの含有量を重量%で表示した。
A : 5%未満
B : 5%以上10%未満
C : 10%以上
数字が小さいほど粗大粒子が少なくて粒度分布がシャープであり、重合安定性に優れていることを示している。
(3)スケール付着量(フィッシュアイ)
塩化ビニル重合体粒子100部、ジオクチルフタレート(DOP)50部、三塩基性硫酸鉛5部およびステアリン酸鉛1部を7分間150℃でロール練りして、厚み0.1mm、1400mm×1400mmのシートを5枚作製し、フィッシュアイの数を測定した。1000cm当たりのフィッシュアイ個数に換算し、以下の基準で評価した。
A : 0〜3個であり、極めて少ない
B : 4〜10個であり、少ない
C : 11個以上であり、多い
実施例2〜16
酢酸ビニルおよびメタノールの仕込み量、重合時に使用するPOAコモノマーの種類や添加量等の重合条件、けん化時におけるPVAcの濃度、酢酸ビニルユニットに対する水酸化ナトリウムのモル比等のけん化条件を変更した以外は、実施例1と同様にして合成されたPOA変性PVA(B)を用い、実施例1と同様にして塩化ビニルの懸濁重合を行い、塩化ビニル重合体粒子を得た。用いたコモノマーの構造を表2に、得られたPOA変性PVA(B)と塩化ビニル重合体粒子の評価結果を表1に示す。
比較例1
POA変性PVA(B)を使用せず、PVA(A)の粉末をそのまま分散安定剤として用い、実施例1と同様にして塩化ビニルの懸濁重合を行った。この場合には、塩化ビニルがブロック化して重合を行うことができなかったために、塩化ビニル重合体粒子を得ることはできなかった。
比較例2
POA変性PVA(B)として、POA基変性量が0.005モル%であるものを合成して使用したこと以外は実施例1と同様にして塩化ビニルの懸濁重合を行い、塩化ビニル重合体粒子を得た。評価結果を表1に示す。粗大粒子があり均一な重合体粒子が得られず、またスケール付着量も多く安定な重合ができなかった。
比較例3
POA変性PVA(B)として、重合度が150であるものを合成して使用したこと以外は実施例1と同様にして塩化ビニルの懸濁重合を行い、塩化ビニル重合体粒子を得た。評価結果を表1に示す。粗大粒子があり均一な重合体粒子が得られず、またスケール付着量も多く安定な重合ができなかった。
比較例4
POA変性PVA(B)として、重合度が1500であるものを合成して使用したこと以外は実施例1と同様にして塩化ビニルの懸濁重合を行い、塩化ビニル重合体粒子を得た。評価結果を表1に示す。粗大粒子があり均一な重合体粒子が得られず、またスケール付着量も多く安定な重合ができなかった。
比較例5
PVA(A)を使用せず、POA変性PVA(B)のみを塩化ビニル単量体に対して400ppmに相当する量で用いた以外は実施例1と同様にして塩化ビニルの懸濁重合を行った。この場合には、塩化ビニルがブロック化して重合を行うことができなかったために、塩化ビニル重合体粒子を得ることはできなかった。
比較例6、7
POA変性PVA(B)として、POAコモノマーの種類を表2に示したものを使用した以外は実施例1と同様にして塩化ビニルの懸濁重合を行い、塩化ビニル重合体粒子を得た。評価結果を表1に示す。粗大粒子があり均一な重合体粒子が得られず、またスケール付着量も多く安定な重合ができなかった。
Figure 2010113568
Figure 2010113568
実施例において示されているように、本発明のビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤を用いた場合は、重合安定性が高いため粗大粒子の形成が少なく、粒子径が均一な粒子が得られる。さらに、重合が不安定なことに起因するブロック化やスケール付着が低減する。このように、本発明の懸濁重合用分散安定剤の工業的な評価はきわめて高い。

Claims (2)

  1. けん化度が60モル%以上、粘度平均重合度が200以上のビニルアルコール系重合体(A)、および、下記一般式(I)で示されるポリオキシアルキレン基を側鎖に含有するビニルアルコール系重合体であり、ビニルアルコール系重合体の粘度平均重合度が200〜1000であり、けん化度が60モル%未満であり、ポリオキシアルキレン基変性量基が0.1〜10モル%であるポリオキシアルキレン変性ビニルアルコール系重合体(B)とを含有する懸濁重合用分散安定剤。
    Figure 2010113568
    (式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。mとnはそれぞれのオキシアルキレンユニットの繰り返し単位数を表し、1≦m≦10、3≦n≦20である。)
  2. ビニルアルコール系重合体(A)とポリオキシアルキレン変性ビニルアルコール系重合体(B)との重量比(A)/(B)が99/1〜5/95である請求項1に記載の懸濁重合用分散安定剤。
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