対面シート式自動運転車両は、車両をコンパクトにしつつ、乗客も荷物も乗せられる車両の利便性を高めることが求められている。ここで、乗客も荷物も乗せられる車両の利便性が高いとは、例えば、以下の3つの具体例の少なくともいずれかのことである。第1の利便性の具体例は、対面シート式自動運転車両が複数の乗客を乗せられることである。第2の利便性の具体例は、対面シート式自動運転車両がより多くの量の荷物を搭載できることである。第3の利便性の具体例は、対面シート式自動運転車両が様々な形状の荷物を搭載できることである。
本発明は、車両をコンパクトにしつつ、乗客も荷物も乗せられる車両の利便性を高めることができる、対面シート式自動運転車両を提供することを目的とする。
(1)本発明の対面シート式自動運転車両は、乗客が着座するための前シートおよび乗客が姿勢を保つための前バックレストのうち、少なくとも前記前シートを含み、乗客が着座したときに乗客が車両後方向に向くように配置されている前シートアセンブリ、および、乗客が着座するための後シートおよび乗客が姿勢を保つための後バックレストのうち、少なくとも前記後シートを含み、乗客が着座したときに乗客が車両前方向に向き、且つ、前記前バックレストおよび前記後バックレストの少なくとも一部同士が向き合うように配置されている後シートアセンブリを含む対面シートと、前記対面シートに着座した乗客が足を置くためのフロアデッキと、荷物を置くための荷物デッキとを備え、且つ、運転席を備えていない対面シート式自動運転車両であって、前記荷物デッキは、その前端が前記フロアデッキの前端より車両前方向に配置される前荷物デッキ、および、その後端が前記フロアデッキの後端より車両後方向に配置される後荷物デッキを有し、前記前荷物デッキおよび前記後荷物デッキのそれぞれの車両前後方向の長さが、前記フロアデッキの車両前後方向の長さよりも短くなるように前記フロアデッキおよび前記荷物デッキが構成され、且つ、前記前荷物デッキの上面および前記後荷物デッキの上面のそれぞれの車両上下方向の高さが、前記フロアデッキの上面の車両上下方向の高さよりも高くなるように前記フロアデッキおよび前記荷物デッキが配置され、前記フロアデッキは、その上面に段差を有さず、前記対面シートは、(a)乗客が着座できる状態の前記前シートの後端が前記フロアデッキの前端よりも車両後方向に配置され、前記フロアデッキの上面の一部分であって乗客が着座できる状態の前記前シートの底面と対向する前シート対向面の車両上方向の第1前空間であって、前記第1前空間のうち、乗客が着座できる状態の前記前シートの底面と前記前シート対向面との間の空間に構造物を有さないような前記第1前空間が乗客が着座できる状態の前記前シートの底面により車両上下方向に分断され、車両上下方向に見たときに前記第1前空間を分断する前記前シートの底面の面積を変更可能に前記前シートが構成される前シート可変(changeable front seat)構造、(b)乗客が着座できる状態の前記後シートの前端が前記フロアデッキの後端よりも車両前方向に配置され、前記フロアデッキの上面の一部分であって乗客が着座できる状態の前記後シートの底面と対向する後シート対向面の車両上方向の第1後空間であって、前記第1後空間のうち、乗客が着座できる状態の前記後シートの底面と前記後シート対向面との間の空間に構造物を有さないような前記第1後空間が乗客が着座できる状態の前記後シートの底面により車両上下方向に分断され、車両上下方向に見たときに前記第1後空間を分断する前記後シートの底面の面積を変更可能に前記後シートが構成される後シート可変(changeable rear seat)構造、(c)乗客が姿勢を保つための状態の前記前バックレストの上端が前記前荷物デッキの上面よりも車両上方向に配置され、乗客が着座できる状態の前記前シートの車両上方向および前記前荷物デッキの車両上方向の第2前空間であって、前記第2前空間のうち、乗客が姿勢を保つための状態の前記前バックレストの前面より車両前方向であり且つ前記前荷物デッキより車両上方向の空間に構造物を有さないような前記第2前空間が乗客が姿勢を保つための状態の前記前バックレストの前面により車両前後方向に分断され、車両前後方向に見たときに前記第2前空間を分断する前記前バックレストの前面の面積を変更可能に前記前バックレストが構成される前バックレスト可変(changeable front back rest)構造、(d)乗客の姿勢を保つための状態の前記後バックレストの上端が前記後荷物デッキの上面よりも車両上方向に配置され、乗客が着座できる状態の前記後シートの車両上方向および前記後荷物デッキの車両上方向の第2後空間であって、前記第2後空間のうち、乗客が姿勢を保つための状態の前記後バックレストの後面より車両後方向であり且つ前記後荷物デッキより車両上方向の空間に構造物を有さないような前記第2後空間が乗客が姿勢を保つための状態の前記後バックレストの後面により車両前後方向に分断され、車両前後方向に見たときに前記第2後空間を分断する前記後バックレストの後面の面積を変更可能に前記後バックレストが構成される後バックレスト可変(changeable rear back rest)構造、(e)前記前荷物デッキを車両後方向に延長するような位置に、前記前シート、前記前バックレスト、前記後シート、前記後バックレストの少なくともいずれかが移動可能に構成される前荷物デッキ延長構造、(f)前記後荷物デッキを車両前方向に延長するような位置に、前記前シート、前記前バックレスト、前記後シート、前記後バックレストの少なくともいずれかが移動可能に構成される後荷物デッキ延長構造、(g)前記前シートを車両後方向に延長するような位置に、前記前バックレスト、前記後シート、前記後バックレストの少なくともいずれかが移動可能に構成される前シート延長構造、(h)前記後シートを車両前方向に延長するような位置に、前記前シート、前記前バックレスト、前記後バックレストの少なくともいずれかが移動可能に構成される後シート延長構造、の少なくともいずれか1つの構造を有するように構成されることを特徴とする。
本願発明者らは、前荷物デッキおよび後荷物デッキの車両前後方向の長さをフロアデッキの車両前後方向の長さよりも短くすることを考えた。また、前荷物デッキおよび後荷物デッキの車両上下方向の上面の高さを、フロアデッキの上下方向の上面の高さよりも高くすることを考えた。このように構成すると、複数の乗客を乗車させつつ、対面シート式自動運転車両のサイズをコンパクトにすることができる。
また、本願発明者らは、対面シートが(a)〜(h)の少なくともいずれかの構造を有するように構成した。つまり、本願発明者らは、前シートあるいは前バックレスト、または、後シートあるいは後バックレストを可変構造または延長構造にした。
例えば、対面シートが(a)前シート可変構造を有する場合、前シートを、乗客が着座できる位置から、前シートの上面が前バックレストの後面と対面できる位置に向かって動かすか、前シートを取り外すと、車両上下方向に見たときに第1前空間を分断する前シートの底面の面積が小さくなる。そして、第1前空間のうち、乗客が着座できる状態の前シートの底面とフロアデッキの前シート対向面との間の構造物を有さない空間の大部分または全てが、車両上方向に開放される。そして、開放されたその空間を利用して、車両上下方向の長さが長い荷物を、乗客が着座できる状態の前シートの底面と対向するフロアデッキの上面の一部分である前シート対向面に載せることができる。したがって、車両上下方向の長さが長い荷物をより多くフロアデッキに載せることができる。
また、例えば、対面シートが(b)後シート可変構造を有する場合、後シートを、乗客が着座できる位置から、後シートの上面が後バックレストの前面と対面できる位置に向かって動かすか、後シートを取り外すと、車両上下方向に見たときに第1後空間を分断する後シートの底面の面積が小さくなる。そして、第1後空間のうち、乗客が着座できる状態の後シートの底面フロアデッキの後シート対向面との間の構造物を有さない空間の大部分または全てが、車両上方向に開放される。そして、開放されたその空間を利用して、車両上下方向の長さが長い荷物を、乗客が着座できる状態の後シートの底面と対向するフロアデッキの上面の一部分である後シート対向面に載せることができる。したがって、車両上下方向の長さが長い荷物をより多くフロアデッキに載せることができる。
また、例えば、対面シートが(c)前バックレスト可変構造を有する場合、前バックレストを、乗客の姿勢を保つための位置から、前バックレストの後面が前シートの上面と対向できる位置に向かって動かすか、前バックレストを取り外すと、車両前後方向に見たときに第2前空間を分断する前バックレストの前面の面積が小さくなる。そして、第2前空間のうち、乗客の姿勢を保つための状態の前バックレストの前面より車両前方向であり且つ前荷物デッキより車両上方向の構造物を有さない空間の大部分または全てが、車両後方向に開放される。そして、開放されたその空間を利用して、車両前後方向の長さが長い荷物を前荷物デッキに載せることができる。
また、例えば、対面シートが(d)後バックレスト可変構造を有する場合、後バックレストを、乗客の姿勢を保つための位置から、後バックレストの前面が後シートの上面と対向できる位置に向かって動かすか、後バックレストを取り外すと、車両前後方向に見たときに第2後空間を分断する後バックレストの後面の面積が小さくなる。そして、第2後空間のうち、乗客の姿勢を保つための状態の後バックレストの後面より車両後方向であり且つ後荷物デッキより車両上方向の構造物を有さない空間の大部分または全てが、車両前方向に開放される。そして、開放されたその空間を利用して、車両前後方向の長さが長い荷物を後荷物デッキに載せることができる。
また、例えば、対面シートが(e)前荷物デッキ延長構造を有する場合、前シート、前バックレスト、後シート、後バックレストの少なくともいずれかを、前荷物デッキを車両後方向に延長するような位置に移動することにより、前荷物デッキの面積が大きくなる。そして、前荷物デッキ上により大きな荷物またはより多くの荷物を載せることができる。
また、例えば、対面シートが(f)後荷物デッキ延長構造を有する場合、前シート、前バックレスト、後シート、後バックレストの少なくともいずれかを、後荷物デッキを車両前方向に延長するような位置に移動することにより、後荷物デッキの面積が大きくなる。そして、後荷物デッキ上により大きな荷物またはより多くの荷物を載せることができる。
また、例えば、対面シートが(g)前シート延長構造を有する場合、前シートを車両後方向に延長するような位置に、前バックレスト、後シート、後バックレストの少なくともいずれかを移動することにより、前シートの面積が大きくなる。例えば、前バックレスト、後シート、後バックレストは、取り外して移動させてもよい。また、例えば、前バックレストを、乗客の姿勢を保つための位置から、前バックレストの後面が前シートの上面に対面できる位置に移動するように揺動させてもよい。前シートの面積が大きくなることにより、前シート上により大きな荷物またはより多くの荷物を載せることができる。
また、例えば、対面シートが(h)後シート延長構造を有する場合、後シートを車両前方向に延長するような位置に、前バックレスト、前シート、後バックレストの少なくともいずれかを移動することにより、後シートの面積が大きくなる。例えば、前シート、前バックレスト、後バックレストは、取り外して移動させてもよい。また、例えば、後バックレストを、乗客の姿勢を保つための位置から、後バックレストの前面が後シートの上面に対面できる位置に移動するように揺動させてもよい。後シートの面積が大きくなることにより、後シート上により大きな荷物またはより多くの荷物を載せることができる。
このように、対面シートを(a)〜(h)の少なくともいずれかの構造を有するように構成することで、対面シート式自動運転車両に、荷物を載せるための空間をより多く確保することができる。つまり、対面シート式自動運転車両に、様々な形状の荷物を載せることができ、また、より多くの量の荷物を載せることができるようになる。
以上から、本発明の対面シート式自動運転車両は、車両のサイズをコンパクトにしながら、乗客と荷物を両方載せられる車両の利便性を高めることができる。
(2)本発明の他の観点によれば、本発明の対面シート式自動運転車両は、上記(1)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記対面シートは、
乗客が着座できる状態の前記前シートの後端と乗客が着座できる状態の前記後シートの前端との間の車両前後方向の長さが、前記前荷物デッキおよび前記後荷物デッキの車両前後方向の長さを合計した長さより短い。
この構成によると、乗客が着座できる状態の前シートの後端と乗客が着座できる状態の後シートの前端との間の車両前後方向の長さが、前荷物デッキおよび後荷物デッキの車両前後方向の長さを合計した長さより短い。つまり、フロアデッキの車両前後方向の長さが短い。そのため、複数の乗客が乗車可能でありながら、車両のサイズをコンパクトにすることができる。
(3)本発明の他の観点によれば、本発明の対面シート式自動運転車両は、上記(1)または(2)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記対面シートは、
前記前シート可変構造および前記後シート可変構造のうち、前記前シート可変構造のみ、前記後シート可変構造のみ、または、前記前シート可変構造および前記後シート可変構造の両方を有するように構成される。
この構成によると、(a)前シート可変構造および(b)後シート可変構造を単独または組み合わせて、対面シートが構成される。これにより、上述したように、車両のサイズをコンパクトにしながら、乗客と荷物を両方載せられる車両の利便性を高めることができる。
(4)本発明の他の観点によれば、本発明の対面シート式自動運転車両は、上記(3)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記対面シートは、
前記前バックレスト可変構造および前記後バックレスト可変構造のうち、前記前バックレスト可変構造のみ、前記後バックレスト可変構造のみ、または、前記前バックレスト可変構造および前記後バックレスト可変構造の両方を更に有するように構成される。
この構成によると、(a)前シート可変構造および(b)後シート可変構造を単独または組合せつつ、(c)前バックレスト可変構造および(d)後バックレスト可変構造を単独または組み合わせて、対面シートが構成される。これにより、車両のサイズをコンパクトにしながら、乗客と荷物を両方載せられる車両の利便性をより高めることができる。
(5)本発明の他の観点によれば、本発明の対面シート式自動運転車両は、上記(3)または(4)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記対面シートは、
前記前荷物デッキ延長構造および前記後荷物デッキ延長構造のうち、前記前荷物デッキ延長構造のみ、前記後荷物デッキ延長構造のみ、または、前記前荷物デッキ延長構造および前記後荷物デッキ延長構造の両方を更に有するように構成される。
この構成によると、(a)前シート可変構造および(b)後シート可変構造を単独または組合せつつ、(e)前荷物デッキ延長構造および(f)後荷物デッキ延長構造を単独または組み合わせて、対面シートが構成される。これにより、車両のサイズをコンパクトにしながら、乗客と荷物を両方載せられる車両の利便性をより高めることができる。
(6)本発明の他の観点によれば、本発明の対面シート式自動運転車両は、上記(3)〜(5)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記対面シートは、
前記前シート延長構造および前記後シート延長構造のうち、前記前シート延長構造のみ、前記後シート延長構造のみ、または、前記前シート延長構造および前記後シート延長構造の両方を更に有するように構成される。
この構成によると、(a)前シート可変構造および(b)後シート可変構造を単独または組合せつつ、(g)前シート延長構造および(h)後シート延長構造を単独または組み合わせて、対面シートが構成される。これにより、車両のサイズをコンパクトにしながら、乗客と荷物を両方載せられる車両の利便性をより高めることができる。
(7)本発明の他の観点によれば、本発明の対面シート式自動運転車両は、上記(1)または(2)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記対面シートは、
前記前バックレスト可変構造および前記後バックレスト可変構造のうち、前記前バックレスト可変構造のみ、前記後バックレスト可変構造のみ、または、前記前バックレスト可変構造および前記後バックレスト可変構造の両方を有するように構成される。
この構成によると、(c)前バックレスト可変構造および(d)後バックレスト可変構造を単独または組み合わせて、対面シートが構成される。これにより、上述したように、車両のサイズをコンパクトにしながら、乗客と荷物を両方載せられる車両の利便性を高めることができる。
(8)本発明の他の観点によれば、本発明の対面シート式自動運転車両は、上記(7)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記対面シートは、
前記前荷物デッキ延長構造および前記後荷物デッキ延長構造のうち、前記前荷物デッキ延長構造のみ、前記後荷物デッキ延長構造のみ、または、前記前荷物デッキ延長構造および前記後荷物デッキ延長構造の両方を更に有するように構成される。
この構成によると、(c)前バックレスト可変構造および(d)後バックレスト可変構造を単独または組合せつつ、(e)前荷物デッキ延長構造および(f)後荷物デッキ延長構造を単独または組み合わせて、対面シートが構成される。これにより、車両のサイズをコンパクトにしながら、乗客と荷物を両方載せられる車両の利便性をより高めることができる。
(9)本発明の他の観点によれば、本発明の対面シート式自動運転車両は、上記(7)または(8)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記対面シートは、
前記前シート延長構造および前記後シート延長構造のうち、前記前シート延長構造のみ、前記後シート延長構造のみ、または、前記前シート延長構造および前記後シート延長構造の両方を更に有するように構成される。
この構成によると、(c)前バックレスト可変構造および(d)後バックレスト可変構造を単独または組合せつつ、(g)前シート延長構造および(h)後シート延長構造を単独または組み合わせて、対面シートが構成される。これにより、車両のサイズをコンパクトにしながら、乗客と荷物を両方載せられる車両の利便性をより高めることができる。
(10)本発明の他の観点によれば、本発明の対面シート式自動運転車両は、上記(1)または(2)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記対面シートは、
前記前荷物デッキ延長構造および前記後荷物デッキ延長構造のうち、前記前荷物デッキ延長構造のみ、前記後荷物デッキ延長構造のみ、または、前記前荷物デッキ延長構造および前記後荷物デッキ延長構造の両方を有するように構成される。
この構成によると、(e)前荷物デッキ延長構造および(f)後荷物デッキ延長構造を単独または組み合わせて、対面シートが構成される。これにより、上述したように、車両のサイズをコンパクトにしながら、乗客と荷物を両方載せられる車両の利便性を高めることができる。
(11)本発明の他の観点によれば、本発明の対面シート式自動運転車両は、上記(10)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記対面シートは、
前記前シート延長構造および前記後シート延長構造のうち、前記前シート延長構造のみ、前記後シート延長構造のみ、または、前記前シート延長構造および前記後シート延長構造の両方を更に有するように構成される。
この構成によると、(e)前荷物デッキ延長構造および(f)後荷物デッキ延長構造を単独または組合せつつ、(g)前シート延長構造および(h)後シート延長構造を単独または組み合わせて、対面シートが構成される。これにより、車両のサイズをコンパクトにしながら、乗客と荷物を両方載せられる車両の利便性をより高めることができる。
(12)本発明の他の観点によれば、本発明の対面シート式自動運転車両は、上記(1)または(2)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記対面シートは、
前記前シート延長構造および前記後シート延長構造のうち、前記前シート延長構造のみ、前記後シート延長構造のみ、または、前記前シート延長構造および前記後シート延長構造の両方を更に有するように構成される。
この構成によると、(g)前シート延長構造および(h)後シート延長構造を単独または組み合わせて、対面シートが構成される。これにより、上述したように、車両のサイズをコンパクトにしながら、乗客と荷物を両方載せられる車両の利便性を高めることができる。
(13)本発明の他の観点によれば、本発明の対面シート式自動運転車両は、上記(3)、(10)〜(12)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
(i)前記前荷物デッキは、その上面が乗客の姿勢を保つための状態の前記前バックレストの上端より車両上方向に配置され、且つ、前記後荷物デッキは、その上面が乗客の姿勢を保つための状態の前記前バックレストの上端と同じ高さかそれより車両下方向に配置されるか、
(ii)前記前荷物デッキは、その上面が乗客の姿勢を保つための状態の前記前バックレストの上端と同じ高さかそれより車両下方向に配置され、且つ、前記後荷物デッキは、その上面が乗客の姿勢を保つための状態の前記後バックレストの上端より車両上方向に配置されるか、
(iii)前記前荷物デッキは、その上面が乗客の姿勢を保つための状態の前記前バックレストの上端より車両上方向に配置され、且つ、前記後荷物デッキは、その上面が乗客の姿勢を保つための状態の前記後バックレストの上端より車両上方向に配置される。
この構成によると、前荷物デッキの上面が乗客の姿勢を保つための状態の前バックレストの上端より車両上方向に配置される場合がある。この場合、前荷物デッキの車両下方向の空間を大きくできる。そして、大きくなった前荷物デッキの車両下方向の空間に、自動運転機構を収容できる。そのため、前荷物デッキの上面が乗客の姿勢を保つための状態の前バックレストの上端と同じかそれより車両下方向に配置され、且つ、前荷物デッキの車両下方向の空間に同じ体積の自動運転機構が収容される場合と比べて、前荷物デッキの車両前後方向の長さを短くできる。
また、後荷物デッキの上面が乗客の姿勢を保つための状態の後バックレストの上端より車両上方向に配置される場合がある。この場合、後荷物デッキの車両下方向の空間を大きくできる。そして、大きくなった後荷物デッキの車両下方向の空間に、自動運転機構を収容できる。そのため、後荷物デッキの上面が後バックレストの上端と同じかそれより車両下方向に配置され、且つ、後荷物デッキの車両下方向の空間に同じ体積の自動運転機構が収容される場合と比較して、後荷物デッキの車両前後方向の長さを短くできる。
従って、車両のサイズをコンパクトにしながら、フロアデッキの車両前後方向の長さを大きくすることができる。
(14)本発明の他の観点によれば、本発明の対面シート式自動運転車両は、上記(4)(7)(8)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
(i)車両前後方向に見たときに前記第2前空間を分断する前記前バックレストの前面の面積が最も小さくなるように、前記前バックレストの後面が乗客が着座できる状態の前記前シートの上面と車両上下方向に対向するように配置された場合の、前記前バックレストの上端が前記前荷物デッキの上面と同じ高さかそれより車両下方向に配置され、且つ、車両前後方向に見たときに前記第2後空間を分断する前記前後バックレストの後面の面積が最も小さくなるように、前記後バックレストの前面が乗客が着座できる状態の前記後シートの上面と車両上下方向に対向するように配置された場合の、前記後バックレストの上端が前記後荷物デッキの上面より車両上方向に配置されるか、
(ii)車両前後方向に見たときに前記第2前空間を分断する前記前バックレストの前面の面積が最も小さくなるように、前記前バックレストの後面が乗客が着座できる状態の前記前シートの上面と車両上下方向に対向するように配置された場合の、前記前バックレストの上端が前記前荷物デッキの上面より車両上方向に配置され、且つ、車両前後方向に見たときに前記第2後空間を分断する前記後バックレストの後面の面積が最も小さくなるように、前記後バックレストの前面が乗客が着座できる状態の前記後シートの上面と車両上下方向に対向するように配置された場合の、前記後バックレストの上端が前記後荷物デッキの上面と同じ高さかそれより車両下方向に配置されるか、
(iii)車両前後方向に見たときに前記第2前空間を車両前後方向に分断する前記前バックレストの前面の面積が最も小さくなるように、前記前バックレストの後面が乗客が着座できる状態の前記前シートの上面と車両上下方向に対向するように配置された場合の、前記前バックレストの上端が前記前荷物デッキの上面と同じ高さかそれより車両下方向に配置され、且つ、車両前後方向に見たときに前記第2後空間を分断する前記後バックレストの後面の面積が最も小さくなるように、前記後バックレストの前面が乗客が着座できる状態の前記後シートの上面と車両上下方向に対向するように配置された場合の、前記後バックレストの上端が前記後荷物デッキの上面と同じ高さかそれより車両下方向に配置される。
この構成によると、車両前後方向に見たときに第2前空間を分断する前バックレストの前面の最小面積が0になる場合がある。この場合、第2前空間のうち、乗客の姿勢を保つための状態の前バックレストの前面より車両前方向であり且つ前荷物デッキより車両上方向の構造物を有さない空間が、より広く車両後方向に開放される。そして、より広く開放された空間を利用して、車両前後方向の長さが長い荷物を前デッキに載せることができる。
また、車両前後方向に見たときに第2後空間を分断する後バックレストの後面の最小面積が0になる場合がある。この場合、第2後空間のうち、乗客の姿勢を保つための状態の後バックレストの後面より車両後方向であり且つ後荷物デッキより車両上方向の構造物を有さない空間が、より広く車両前方向に開放される。そして、より広く開放された空間を利用して、車両前後方向の長さが長い荷物を後デッキに載せることができる。
(15)本発明の他の観点によれば、本発明の対面シート式自動運転車両は、上記(1)〜(14)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
(i)前記前荷物デッキは、その上面が乗客が着座できる状態の前記前シートの上端より車両上方向に配置され、且つ、前記後荷物デッキは、その上面が乗客が着座できる状態の前記後シートの上端と同じ高さかそれより車両下方向に配置されるか、
(ii)前記前荷物デッキは、その上面が乗客が着座できる状態の前記前シートの上端と同じ高さかそれより車両下方向に配置され、且つ、前記後荷物デッキは、その上面が乗客が着座できる状態の前記後シートの上端より車両上方向に配置されるか、
(iii)前記前荷物デッキは、その上面が乗客が着座できる状態の前記前シートの上端より車両上方向に配置され、且つ、前記後荷物デッキは、その上面が乗客が着座できる状態の前記後シートの上端より車両上方向に配置される。
この構成によると、前荷物デッキの上面が乗客が着座できる状態の前シートの上端より車両上方向に配置される場合がある。この場合、前荷物デッキの車両下方向の空間を大きくすることができる。そして、大きくなった前荷物デッキの車両下方向の空間に、自動運転機構を収容することができる。そのため、前荷物デッキの上面が乗客が着座できる状態の前シートの上端と同じかそれより車両下方向に配置され、且つ、前荷物デッキの車両下方向の空間に同じ体積の自動運転機構が収容される場合と比べて、前荷物デッキの車両前後方向の長さを短くできる。
また、後荷物デッキの上面が乗客が着座できる状態の後シートの上端より車両上方向に配置される場合がある。この場合、後荷物デッキの車両下方向の空間を大きくすることができる。そして、大きくなった後荷物デッキの車両下方向の空間に、自動運転機構を収容できる。そのため、後荷物デッキの上面が乗客が着座できる状態の後シートの上端と同じかそれより車両下方向に配置され、且つ、後荷物デッキの車両下方向の空間に同じ体積の自動運転機構が収容される場合と比べて、後荷物デッキの車両前後方向の長さを短くできる。
従って、車両のサイズをコンパクトにしながら、フロアデッキの車両前後方向の長さを大きくすることができる。
(16)本発明の他の観点によれば、本発明の対面シート式自動運転車両は、上記(1)〜(15)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
2つの前輪および前記2つの前輪より車両前後方向の後方向にある2つの後輪を含む4つの車輪、を更に有し、
(i)前記2つの前輪は、その上端が乗客が着座できる状態の前記前シートの下端より車両下方向に配置され、且つ、前記2つの後輪は、その上端が乗客が着座できる状態の前記後シートの下端と同じ高さかそれより車両上方向に配置されるか、
(ii)前記2つの前輪は、その上端が乗客が着座できる状態の前記前シートの下端と同じ高さかそれより車両上方向に配置され、且つ、前記2つの後輪は、その上端が乗客が着座できる状態の前記後シートの下端より車両下方向に配置されるか、
(iii)前記2つの前輪は、その上端が乗客が着座できる状態の前記前シートの下端より車両下方向に配置され、且つ、前記2つの後輪は、その上端が乗客が着座できる状態の前記後シートの下端より車両下方向に配置される。
この構成によると、2つの前輪の上端が乗客が着座できる状態の前シートの下端より車両下方向に配置される場合がある。この場合、2つの前輪が車両に対して比較的低い位置に配置される。そのため、たとえ2つの前輪が前荷物デッキの車両上方向に配置されたとしても、前荷物デッキの車両下方向の空間を大きくできる。そして、大きくなった前荷物デッキの車両下方向の空間に、自動運転機構を収容できる。そのため、2つの前輪の上端が前シートの下端と同じかそれより車両上方向に配置され、且つ、前荷物デッキの車両下方向の空間に同じ体積の自動運転機構が収容される場合と比べて、前荷物デッキの車両前後方向の長さを短くできる。
2つの後輪の上端が乗客が着座できる状態の後シートの下端より車両上方向に配置される場合がある。この場合、2つの後輪が車両に対して相対的に低い位置に配置される。そのため、たとえ2つの後輪が後荷物デッキの車両上方向に配置されたとしても、後荷物デッキの車両下方向の空間を大きくできる。そして、大きくなった後荷物デッキの車両下方向の空間に、自動運転機構を収容できる。そのため、2つの後輪の上端が後シートの下端と同じかそれより車両上方向に配置され、且つ、後荷物デッキの車両下方向の空間に同じ体積の自動運転機構が収容される場合と比べて、後荷物デッキの車両前後方向の長さを短くできる。
従って、車両のサイズをコンパクトにしながら、フロアデッキの車両前後方向の長さを大きくすることができる。
(17)本発明の他の観点によれば、本発明の対面シート式自動運転車両は、上記(1)〜(16)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記前荷物デッキの車両前後方向の長さおよび前記後荷物デッキの車両前後方向の長さの合計の長さが、前記フロアデッキの車両前後方向の長さより短い。
このように構成すると、車両全体の車両前後方向の長さが一定である場合において、前荷物デッキの車両前後方向の長さおよび後荷物デッキの車両前後方向の長さの合計の長さがフロアデッキの車両前後方向の長さより短い場合と比べて、フロアデッキの上面より車両上方向の空間が広くなる。そして、複数の乗客を乗車させつつ、車両のサイズをコンパクトにすることができる。
(18)本発明の他の観点によれば、本発明の対面シート式自動運転車両は、上記(1)〜(17)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記前荷物デッキの上面の車両上下方向の高さおよび前記後荷物デッキの上面の車両上下方向の高さが同じである。
この構成によると、前荷物デッキおよび後荷物デッキの車両上下方向の高さに差がない。そのため、例えば、対面シートが、(c)前バックレスト可変構造および(d)後バックレスト可変構造の少なくともいずれかの構造、または、(e)前荷物デッキ延長構造および(f)後荷物デッキ延長構造の少なくともいずれかの構造を有する際に、前荷物デッキおよび後荷物デッキにまたがって車両前後方向に長い荷物をのせることができる。
(19)本発明の他の観点によれば、本発明の対面シート式自動運転車両は、上記(1)〜(18)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
2つの前輪および前記2つの前輪より車両前後方向の後方向にある2つの後輪を含む4つの車輪、および、
前記4つの車輪の少なくとも一つに駆動力を付与する駆動源と、
前記4つの車輪の少なくとも一つを操舵する操舵機構と、
前記駆動源と前記操舵機構を自動的に制御する自動運転制御装置とを含む自動運転機構を更に有し、
(i)前記自動運転機構の少なくとも一部が、前記前荷物デッキの下端の車両下方向に配置されて、且つ、前記自動運転機構が、前記後荷物デッキの下端より車両下方向に配置されないか、
(ii)前記自動運転機構の少なくとも一部が、前記後荷物デッキの下端の車両下方向に配置されて、且つ、前記自動運転機構が、前記前荷物デッキの下端より車両下方向に配置されないか、
(iii)前記自動運転機構の少なくとも一部が、前記前荷物デッキの下端の車両下方向と、前記後荷物デッキの下端より車両下方向に配置される。
この構成によると、対面シート式自動運転車両は、4つの車輪および自動運転機構をさらに含む。自動運転機構は、駆動源と、操舵機構と、自動運転制御装置とを更に有する。駆動源は、4つの車輪の少なくとも一つに駆動力を付与する。操舵機構は、4つの車輪の少なくとも一つを操舵する。自動運転制御装置は、駆動源と操舵機構を自動的に制御する。
自動運転機構の少なくとも一部は、前荷物デッキまたは/および後荷物デッキの下端の車両下方向の空間に配置される。そのため、自動運転機構の全部がフロアデッキの車両下方向に配置される場合に比べて、車両の高さを維持しつつ、フロアデッキの車両上方向の空間を広く確保することができる。
(20)本発明の他の観点によれば、本発明の対面シート式自動運転車両は、上記(19)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
(i)前記自動運転機構の少なくとも一部が、乗客が着座できる状態の前記前シートの前端より車両前方向に配置されて、且つ、前記自動運転機構が、乗客が着座できる状態の前記後シートの後端より車両後方向に配置されないか、
(iii)前記自動運転機構の少なくとも一部が、乗客が着座できる状態の前記後シートの後端より車両後方向に配置されて、且つ、前記自動運転機構が、乗客が着座できる状態の前記前シートの前端より車両前方向に配置されないか、
(iii)前記自動運転機構の少なくとも一部が、乗客が着座できる状態の前記前シートの前端より車両前方向と、乗客が着座できる状態の前記後シートの後端より車両後方向に配置される。
この構成によると、自動運転機構の少なくとも一部が、前シートの前端より車両前方向の空間に配置される場合がある。この場合、自動運転機構の少なくとも一部が、前シートの前端より車両後方向で後シートの後端より車両前方向の空間に配置される場合に比べて、フロアデッキの車両前後方向の空間を広く確保することができる。
また、自動運転機構の少なくとも一部が、後シートより後端の車両後方向の空間に配置される場合がある。この場合、自動運転機構の少なくとも一部が、後シートより後端の車両前方向で前シートの前端より車両後方向の空間に配置される場合に比べて、フロアデッキの車両前後方向の空間を広く確保することができる。
(21)本発明の他の観点によれば、本発明の対面シート式自動運転車両は、上記(1)〜(20)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記対面シートは、
着座可能な乗客の最大数が6人であるように構成される。ここでいう着座可能な乗客の最大数に含まれる乗客は、平均的な身長の大人である。
この構成によると、対面シート式自動運転車両の内部の容積を小さくすることができる。さらに、対面シートは、着座可能な乗客の最大数が4人であるように構成されてもよい。これにより、車両をコンパクトにすることができる。
(22)本発明の他の観点によれば、本発明の対面シート式自動運転車両は、上記(1)〜(21)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記フロアデッキの車両上方向に設けられた屋根部を更に有し、
前記屋根部は、その下面と前記フロアデッキの上面との間の車両上下方向の高さが前記フロアデッキに大人の乗客が直立状態で立つことができない高さになるように配置される。
この構成によると、対面シート式自動運転車両の車両上下方向の長さを小さくすることができる。これにより、車両をコンパクトにすることができる。
<対面シート式自動運転車両の定義>
本発明および本明細書において、対面シート式自動運転車両とは、対面シートを有する自動運転車両である。自動運転車両とは、自動運転機構を含み、人間が運転操作を行わなくとも自動で走行できる車両である。自動運転機構とは、操舵機構、駆動源、制動機構および自動運転制御装置を含む。操舵機構とは、対面シート式自動運転車両が有する車輪を操舵して、対面シート式自動運転車両の走行方向を制御する機構である。駆動源とは、対面シート式自動運転車両の動力を生み出して、対面シート式自動運転車両を走行させる機構である。制動機構とは、対面シート式自動運転車両の走行を制動する機構である。駆動源は、モータやエンジン等である。操舵機構、駆動源および制動機構は、自動運転制御装置により自動的に制御される。なお、対面シート式自動運転車両は、人間が運転操作を行わなくとも自動で走行できる自動運転で制御される状態から、人間が運転操作を行うことにより走行される状態に切り換えるように構成されてもよい。なお、対面シート式自動運転車両は、個人所有の車両でもよいし、公共で利用される車両でもよい。また、対面シート式自動運転車両は、公道または私道を走行してもよいし、道路ではない走行路を走行してもよい。
<乗客も荷物も乗せられる車両の利便性の定義>
本発明および本明細書において、乗客も荷物も乗せられる車両の利便性とは、例えば、以下の少なくともいずれかのことである。例えば、対面シート式自動運転車両が複数の乗客を乗せられることである。また、例えば、対面シート式自動運転車両がより多くの量の荷物を搭載できることである。また、例えば、対面シート式自動運転車両が様々な形状の荷物を搭載できることである。
<前荷物デッキの上面の車両上下方向の高さの定義>
本発明および本明細書において、前荷物デッキの上面の車両上下方向の高さとは、対面シート式自動運転車両が接地される接地面から前荷物デッキの上面との間の車両上下方向の最大高さである。なお、前荷物デッキの上面の車両上下方向の高さ、フロアデッキの上面の車両上下方向の高さという表現にも、同様の定義が適用される。
<フロアデッキの定義>
本発明および本明細書において、キャビン空間内にあり、対面シートに着座した乗客が足を置くことができる面と、この面と同一平面上にあり、キャビン空間を乗り降りする乗客が踏むことができる面を含む。フロアデッキの上面は、キャビン空間内にあり、対面シートに着座した乗客が足を置くことができる面と同一平面上にあり、対面シートに着座した乗客が足を置くことができず、且つ、キャビン空間を乗り降りする乗客が踏むことができない面をさらに含んでいてもよい。キャビン空間内にあり、対面シートに着座した乗客が足を置くことができず、且つ、キャビン空間を乗り降りする乗客が踏むことができない面とは、例えば、前シートの前部の車両下方向にある面である。シートフロアデッキの前端および後端は、フロアデッキの上面の前端および後端である。フロアデッキは、1つの独立した部材であってもよく、1つの独立した部材の一部であってもよく、複数の部材の組合せであってもよく、複数の部材の組合せの一部であってもよい。フロアデッキの上面が段差を有しないとは、フロアデッキの上面が、フロアデッキの上面の大部分が存在する平面よりも車両上方向に突出した部分を有さないことをいう。フロアデッキの段差を有しない上面は、乗客の乗り降りや乗客の対面シートへの着座にほとんど影響しない程度の小さい幅の溝を有していてもよい。フロアデッキの段差を有しない上面は、乗客の乗り降りや乗客の対面シートへの着座にほとんど影響しない程度の低い突起を有していてもよい。
<前荷物デッキ延長構造の定義>
本発明および本明細書において、前荷物デッキ延長構造とは、前シート、前バックレスト、後シート、後バックレストの少なくともいずれかだけでなく、それ以外の部材が、前荷物デッキを車両後方向に延長するような位置に移動可能に構成されることを含む。なお、後荷物デッキ延長構造、前シート延長構造、後シート延長構造も同様である。
<前荷物デッキを延長するような位置の定義>
本発明および本明細書において、前荷物デッキを車両後方向に延長するような位置とは、前荷物デッキとの間に隙間を有する位置および前荷物デッキとの間に隙間を有さない位置を含む。なお、後荷物デッキを車両前方向に延長するような位置、前シートを車両後方向に延長するような位置、後シートを車両前方向に延長するような位置という表現にも、同様の定義が適用される。
<その他の用語の定義>
本発明および本明細書において、AがBより前方向にあるとは、特に限定しない限り、以下の状態を指す。Aが、Bの最前端を通り前後方向に直交する平面の前方向にある。AとBは、前後方向に並んでいてもよく、並んでいなくてもよい。Bが前後方向に直交する平面または直線の場合、Bの最前端を通る平面とは、Bを通る平面のことである。Bが前後方向の長さが無限の直線または平面である場合、Bの最前端は特定されない。前後方向の長さが無限の直線または平面とは、前後方向に平行な直線または平面に限らない。
なお、Bについて同じ条件の元、AがBより後方向にあるという表現にも、同様の定義が適用される。また、Bについて同様の条件の元、AがBより上方向または下方向にある、AがBより右方向または左方向にあるという表現にも、同様の定義が適用される。
本発明および本明細書において、Bが前後方向の長さが無限の平面の場合、AがBより前方向にあるとは、以下の状態を指す。Bによって仕切られる2つの空間のうち、前方向の空間内に、Aが存在する。
なお、Bについて同じ条件の元、AがBより後方向にあるという表現にも、同様の定義が適用される。また、Bについて同様の条件の元、AがBより上方向または下方向にある、AがBより右方向または左方向にあるという表現にも、同様の定義が適用される。
本発明および本明細書において、前後方向と異なるX方向に見て、Bが前後方向の長さが無限の直線の場合に、X方向に見て、AがBより前方向にあるとは、以下の状態を指す。X方向に見て、Bによって仕切られる2つの領域のうち、前方の領域に、Aが存在する。BはX方向に見て直線であれば、3次元において平面であってもよい。
なお、Bおよび見る方向について同じ条件の元、AがBより後方向にあるという表現にも、同様の定義が適用される。また、Bおよび見る方向について同様の条件の元、任意の方向に見て、AがBより上方向または下方向にある、AがBより右方向または左方向にあるという表現にも、同様の定義が適用される。
本発明および本明細書において、AがBの前方向にあるとは、特に限定しない限り、以下の状態を指す。Aの後面の少なくとも一部が、Bの前面の少なくとも一部と前後方向に向かい合う。さらに、Bの最前端がAの最前端より後方で、かつ、Bの最後端がAの最後端より前方向にある。Aの後面とは、Aを後ろから見た時に見える面のことである。Aの後面は、連続した1つの面であってもよく、連続しない複数の面で構成されてもよい。Bの前面の定義も同様である。
なお、AがBの後方向にある、AがBの上方向または下方向にある、AがBの右方向または左方向にあるという表現にも、同様の定義が適用される。
本発明および本明細書において、前後方向と異なる方向であるX方向に見て、AがBの前方向にあるとは、特に限定しない限り、以下の状態を指す。X方向に見て、Aの後端の少なくとも一部が、Bの前端の少なくとも一部と前後方向に向かい合う。さらに、Bの最前端がAの最前端より後方で、かつ、Bの最後端がAの最後端より前方向にある。X方向とは異なるY方向にAとBを見たとき、Aの後端の少なくとも一部が、Bの前端の少なくとも一部と前後方向に向かい合っていなくてよい。
なお、任意の方向に見て、AがBの後方向にある、AがBの上方向または下方向にある、AがBの右方向または左方向にあるという表現にも、同様の定義が適用される。
本発明において、含む(including)、有する(comprising)、備える(having)およびこれらの派生語は、列挙されたアイテムおよびその等価物に加えて追加的アイテムをも包含することが意図されて用いられている。
本発明において、取り付けられた(mounted)、接続された(connected)、結合された(coupled)、支持された(supported)という用語は、広義に用いられている。具体的には、直接的な取付、接続、結合、支持だけでなく、間接的な取付、接続、結合および支持も含む。さらに、接続された(connected)および結合された(coupled)は、物理的又は機械的な接続/結合に限られない。それらは、直接的なまたは間接的な電気的接続/結合も含む。
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
一般的に使用される辞書に定義された用語のような用語は、関連する技術および本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、理想化されたまたは過度に形式的な意味で解釈されることはない。
本明細書において、「好ましい」という用語は非排他的なものである。「好ましい」は、「好ましいがこれに限定されるものではない」ということを意味する。本明細書において、「好ましい」と記載された構成は、少なくとも、上記(1)の構成により得られる上記効果を奏する。また、本明細書において、「してもよい」という用語は非排他的なものである。「してもよい」は、「してもよいがこれに限定されるものではない」という意味である。本明細書において、「してもよい」と記載された構成は、少なくとも、上記(1)の構成により得られる上記効果を奏する。
特許請求の範囲において、ある構成要素の数を明確に特定しておらず、英語に翻訳された場合に単数で表示される場合、本発明は、この構成要素を、複数有していてもよい。また本発明は、この構成要素を1つだけ有していてもよい。
本発明では、上述した好ましい構成を互いに組み合わせることを制限しない。本発明の実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に記載されたまたは図面に図示された構成要素の構成および配置の詳細に制限されないことが理解されるべきである。本発明は、後述する実施形態以外の実施形態でも可能である。本発明は、後述する実施形態に様々な変更を加えた実施形態でも可能である。また、本発明は、後述する変形例を適宜組み合わせて実施することができる。
本発明の対面シート式自動運転車両によると、車両をコンパクトにしつつ、乗客も荷物も乗せられる車両の利便性を高めることができる。
以下、本発明の実施形態について図1〜図5を参照しつつ説明する。本発明の本実施形態の説明において、車両前後方向、車両左右方向、車両上下方向とは、それぞれ、車両前後方向、車両左右方向、車両上下方向のことである。また、本願の各図中の矢印F、矢印B、矢印U、矢印D、矢印L、矢印Rは、それぞれ、前方向、後方向、上方向、下方向、左方向、右方向を表している。
図1に示すように、対面シート式自動運転車両1は、対面シート10と、フロアデッキ30と、荷物デッキ40とを有する。対面シート式自動運転車両1は、運転席を備えていない。対面シート式自動運転車両1は接地面Gに接地される。
対面シート10は、前シートアセンブリ11および後シートアセンブリ21を含む。前シートアセンブリ11は、前シート12および前バックレスト13のうち、少なくとも前シート12を含む。前シート12は、乗客Ofが着座するためのものである。前バックレスト13は、乗客Ofが姿勢を保つためのものである。前シートアセンブリ11は、乗客Ofが着座したときに乗客Ofが車両後方向に向くように配置されている。後シートアセンブリ21は、後シート22および後バックレスト23のうち、少なくとも後シート22を含む。後シート22は、乗客Orが着座するためのものである。後バックレスト23は、乗客Orが姿勢を保つためのものである。後シートアセンブリ21は、乗客Orが着座したときに乗客Orが車両前方向に向くように配置されている。後シートアセンブリ21は、前バックレスト13および後バックレスト23の少なくとも一部同士が向き合うように配置されている。つまり、前バックレスト13の少なくとも一部と後バックレスト23の少なくとも一部は、車両前後方向に並んでいる。
フロアデッキ30は、対面シート10に着座した乗客Of、Orが足を置くためのものである。フロアデッキ30は、その上面に段差を有さない。
荷物デッキ40は、荷物を置くためのものである。より詳細には、荷物デッキ40は、その上面に荷物を置くためのものである。荷物デッキ40は、前荷物デッキ41および後荷物デッキ45を有する。前荷物デッキ41は、その前端41fがフロアデッキ30の前端30fより車両前方向に配置される。後荷物デッキ45は、その後端45rがフロアデッキ30の後端30rより車両後方向に配置される。前荷物デッキ41は、車両前後方向の長さLfが、フロアデッキ30の車両前後方向の長さよりも短くなるように構成される。後荷物デッキ45は、車両前後方向の長さLrが、フロアデッキ30の車両前後方向の長さよりも短くなるように構成される。また、接地面Gからの前荷物デッキ41の上面41uの車両上下方向の高さHfが、接地面Gからのフロアデッキ30の上面30uの車両上下方向の高さHcよりも高くなるように、フロアデッキ30および前荷物デッキ41が配置される。接地面Gからの後荷物デッキ45の上面45uの車両上下方向の高さHrが、接地面Gからのフロアデッキ30の上面30uの車両上下方向の高さHcよりも高くなるように、フロアデッキ30および後荷物デッキ45が配置される。
対面シート10は、前シート12、後シート22、前バックレスト13または後バックレスト23が、以下の可変構造または延長構造を有するように構成されている。対面シート10は、(a)前シート可変構造、(b)後シート可変構造、(c)前バックレスト可変構造、(d)後バックレスト可変構造、(e)前荷物デッキ延長構造、(f)後荷物デッキ延長構造、(g)前シート延長構造、(h)後シート延長構造の少なくともいずれか1つの構造を有する。これらの構造について、図2〜図5に基づいて、説明する。
図2に示すように、(a)前シート可変構造では、乗客が着座できる状態の前シート12の後端12rがフロアデッキ30の前端30fよりも車両後方向に配置される。前シート可変構造では、乗客が着座できる状態の前シート12の底面により、第1前空間A1fが車両上下方向に分断される。なお、第1前空間A1fを上下方向に分断するとは、第1前空間A1fを上部と下部に分断することをいう。第1前空間A1fは、フロアデッキ30の上面の一部分である前シート対向面30faの車両上方向の空間である。前シート対向面30faは、フロアデッキ30の上面のうち、乗客Ofが着座できる状態の前シート12の底面と対向する面である。対面シート式自動運転車両1は、第1前空間A1fの一部分である空間A1fsに構造物を有さないように構成される。空間A1fsは、第1前空間A1fのうち、乗客が着座できる状態の前シート12の底面と前シート対向面30faとの間の空間である。つまり、第1前空間A1fは、その一部である空間A1fsに構造物を有さないように構成されている。
前シート可変構造では、車両上下方向に見たときに第1前空間A1fを分断する前シート12の底面の面積を変更可能に構成される。例えば、前シート12の上面が前バックレスト13の後面に対向できる位置に向かって動かされた途中の状態を、図2の二点鎖線で示す。図2の実線で示すように、前シート12が乗客が着座できる状態である場合、車両上下方向に見たときに第1前空間A1fを分断する前シート12の底面の面積は、図2に示す前シート対向面30faの面積と同じである。また、図2の二点鎖線で示す前シート12が動かされた状態である場合、車両上下方向に見たときに第1前空間A1fを分断する前シート12の底面の面積は、図2に示す面30fbの面積と同じである。面30fbは、前シート対向面30faの一部である。図2に示すように、前シート12が乗客が着座できる状態である場合と、前シート12が動かされた状態である場合とでは、車両上下方向に見たときに第1前空間A1fを分断する前シート12の底面の面積が異なる。
図3に示すように、(b)後シート可変構造では、乗客が着座できる状態の後シート22の前端22fがフロアデッキ30の後端30rよりも車両前方向に配置される。後シート可変構造では、乗客が着座できる状態の後シート22の底面により、第1後空間A1rが車両上下方向に分断される。第1後空間A1rは、フロアデッキ30の上面の一部分である後シート対向面30raの車両上方向の空間である。後シート対向面30raは、フロアデッキ30の上面のうち、乗客Orが着座できる状態の後シート22の底面と対向する面である。対面シート式自動運転車両1は、第1後空間A1rの一部分である空間A1rsに構造物を有さないように構成される。空間A1rsは、第1後空間A1rのうち、乗客が着座できる状態の後シート22の底面と後シート対向面30raとの間の空間である。つまり、第1後空間A1rは、その一部である空間A1rsに構造物を有さないように構成されている。
後シート可変構造では、車両上下方向に見たときに第1後空間A1rを分断する後シート22の底面の面積を変更可能に構成される。例えば、後シート22の上面が後バックレスト23の前面に対向できる位置に向かって動かされた途中の状態を、図3の二点鎖線で示す。図3の実線で示すように、後シート22が乗客が着座できる状態である場合、車両上下方向に見たときに第1後空間A1rを分断する後シート22の底面の面積は、図3に示す後シート対向面30raの面積と同じである。また、図3の二点鎖線で示す後シート22が動かされた状態である場合、車両上下方向に見たときに第1後空間A1rを分断する後シート22の底面の面積は、図3に示す面30rbの面積と同じである。面30rbは、後シート対向面30raの一部である。図3に示すように、後シート22が乗客が着座できる状態である場合と、後シート22が動かされた状態である場合とでは、車両上下方向に見たときに第1後空間A1rを分断する後シート22の底面の面積が異なる。
図4に示すように、(c)前バックレスト可変構造では、乗客の姿勢を保つための状態の前バックレスト13の上端13uが前荷物デッキ41の上面41uよりも車両上方向に配置される。前バックレスト可変構造では、乗客が姿勢を保つための状態の前バックレスト13の前面により、第2前空間A2fが車両前後方向に分断される。第2前空間A2fは、乗客が着座できる状態の前シート12より車両上方向および前荷物デッキ41より車両上方向の空間である。言い換えると、第2前空間A2fは、乗客が着座できる状態の前シート12より車両上方向の空間と、前荷物デッキ41より車両上方向の空間とを合わせた空間である。対面シート式自動運転車両1は、第2前空間A2fの一部分である空間A2fsに構造物を有さないように構成される。空間A2fsは、第2前空間A2fのうち、乗客の姿勢を保つための状態の前バックレスト13の前面より車両前方向であり且つ前荷物デッキ41より車両上方向の空間である。つまり、第2前空間A2fは、その一部である空間A2fsに構造物を有さないように構成されている。
前バックレスト可変構造では、車両前後方向に見たときに第2前空間A2fを分断する前バックレスト13の前面の面積が変更可能に構成される。例えば、前バックレスト13の後面が前シート12の上面に対向できる位置に向かって動かされた途中の状態を、図4の二点鎖線で示す。図4の実線で示すように、前バックレスト13が乗客の姿勢を保つための状態である場合、車両前後方向に見たときに第2前空間A2fを分断する前バックレスト13の前面の面積は、図4に示す面13faの面積と同じである。また、図4の二点鎖線で示す前バックレスト13が動かされた状態である場合、車両前後方向に見たときに第2前空間A2fを分断する前バックレスト13の前面の面積は、図4に示す面13fbの面積と同じである。面13fbは、面13faの一部である。図4に示すように、前バックレスト13が乗客の姿勢を保つための状態である場合と、前バックレスト13が動かされた状態である場合とでは、車両前後方向に見たときに第2前空間A2fを分断する前バックレスト13の前面の面積が異なる。
図5に示すように、(d)後バックレスト可変構造では、乗客が姿勢を保つための状態の後バックレスト23の上端23uが後荷物デッキ45の上面45uよりも車両上方向に配置される。後バックレスト可変構造では、乗客が姿勢を保つための状態の後バックレスト23の後面により、第2後空間A2rが車両前後方向に分断される。第2後空間A2rは、乗客が着座できる状態の後シート22より車両上方向および後荷物デッキ45より車両上方向の空間である。言い換えると、第2後空間A2rは、乗客が着座できる状態の後シート22より車両上方向の空間と、後荷物デッキ45より車両上方向の空間とを合わせた空間である。対面シート式自動運転車両1は、第2後空間A2rの一部分である空間A2rsに構造物を有さないように構成される。空間A2rsは、第2後空間A2rのうち、乗客の姿勢を保つための状態の後バックレスト23の後面より車両後方向であり且つ後荷物デッキ45より車両上方向の空間である。つまり、第2後空間A2rは、その一部分である空間A2rsに構造物を有さないように構成されている。
後バックレスト可変構造では、車両前後方向に見たときに第2後空間A2rを分断する後バックレスト23の後面の面積が変更可能に構成される。例えば、後バックレスト23の前面が後シート22の上面に対向できる位置に向かって動かされた途中の状態を、図5の二点鎖線で示す。図5の実線で示すように、後バックレスト23が乗客の姿勢を保つための状態である場合、車両前後方向に見たときに第2後空間A2rを分断する後バックレスト23の後面の面積は、図5に示す面23raの面積と同じである。また、図5の二点鎖線で示す後バックレスト23が動かされた状態である場合、車両前後方向に見たときに第2後空間A2rを分断する後バックレスト23の後面の面積は、図5に示す面23rbの面積と同じである。面23rbは、面23raの一部である。図5に示すように、後バックレスト23が乗客の姿勢を保つための状態である場合と、後バックレスト23が動かされた状態である場合とでは、車両前後方向に見たときに第2後空間A2rを分断する後バックレスト23の後面の面積が異なる。
図6に示すように、(e)前荷物デッキ延長構造では、前荷物デッキ41を車両後方向に延長するような位置に、前シート12、前バックレスト13、後シート22、後バックレスト23の少なくともいずれかが移動可能に構成される。例えば、前荷物デッキ延長構造では、前シート12、前バックレスト13、後シート22、後バックレスト23の少なくともいずれかが、図6の破線で示す位置に移動可能に構成される。
図7に示すように、(f)後荷物デッキ延長構造では、後荷物デッキ45を車両前方向に延長するような位置に、前シート12、前バックレスト13、後シート22、後バックレスト23の少なくともいずれかが移動可能に構成される。例えば、後荷物デッキ延長構造では、前シート12、前バックレスト13、後シート22、後バックレスト23の少なくともいずれかが、図7の破線で示す位置に移動可能に構成される。
図8に示すように、(g)前シート延長構造では、前シート12を車両後方向に延長するような位置に、前バックレスト13、後シート22、後バックレスト23の少なくともいずれかが移動可能に構成される。例えば、前シート延長構造では、前バックレスト13、後シート22、後バックレスト23の少なくともいずれかが、図8の破線で示す位置に移動可能に構成される。
図9に示すように、(h)後シート延長構造では、後シート22を車両前方向に延長するような位置に、前シート12、前バックレスト13、後バックレスト23の少なくともいずれかが移動可能に構成される。例えば、後シート延長構造では、前シート12、前バックレスト13、後バックレスト23の少なくともいずれかが、図9の破線で示す位置に移動可能に構成される。
本実施形態の対面シート式自動運転車両1はこのような構成を有することで、以下の効果を有する。
本願発明者らは、前荷物デッキ41および後荷物デッキ45の車両前後方向の長さLf、Lrをフロアデッキ30の車両前後方向の長さLcよりも短くすることを考えた。また、前荷物デッキ41および後荷物デッキ45の車両上下方向の上面41u、45uの高さHf2、Hrを、フロアデッキ30の車両上下方向の上面30uの高さよりも高くすることを考えた。このように構成すると、複数の乗客Of、Orを乗車させつつ、対面シート式自動運転車両1のサイズをコンパクトにすることができる。
また、本願発明者らは、対面シート10が(a)〜(h)の少なくともいずれかの構造を有するように構成した。つまり、本願発明者らは、前シート12あるいは前バックレスト13、または、後シート22あるいは後バックレスト23を可変構造または延長構造にした。
例えば、対面シート10が(a)前シート可変構造10aを有する場合、前シート12を、乗客Ofが着座できる位置から、前シート12の上面が前バックレスト13の後面と対面できる位置に向かって動かすか、前シート12を取り外すと、車両上下方向に見たときに第1前空間A1fを分断する前シート12の底面の面積が小さくなる。そして、第1前空間A1fのうち、乗客Ofが着座できる状態の前シート12の底面とフロアデッキ30の前シート対向面30faの間の構造物を有さない空間A1fsの大部分または全てが、車両上方向に開放される。そして、開放されたその空間A1fsを利用して、車両上下方向の長さが長い荷物を、乗客Ofが着座できる状態の前シート12の底面と対向するフロアデッキ30の上面の一部分である前シート対向面30faに載せることができる。したがって、車両上下方向の長さが長い荷物をより多くフロアデッキ30に載せることができる。
また、例えば、対面シート10が(b)後シート可変構造10bを有する場合、後シート22を、乗客Orが着座できる位置から、後シート22の上面が後バックレスト23の前面と対面できる位置に向かって動かすか、後シート22を取り外すと、車両上下方向に見たときに第1後空間A1rを分断する後シート22の底面の面積が小さくなる。そして、第1後空間A1rのうち、乗客Orが着座できる状態の後シート22の底面とフロアデッキ30の後シート対向面30raの間の構造物を有さない空間A1rsの大部分または全てが、車両上方向に開放される。そして、開放されたその空間A1rsを利用して、車両上下方向の長さが、乗客Orが着座できる状態の後シート22の底面と対向するフロアデッキ30の上面の一部分である後シート対向面30raに長い荷物を載せることができる。したがって、車両上下方向の長さが長い荷物をより多くフロアデッキ30に載せることができる。
また、例えば、対面シート10が(c)前バックレスト可変構造10cを有する場合、前バックレスト13を、乗客Ofの姿勢を保つための位置から、前バックレスト13の後面が前シート12の上面と対向できる位置に向かって動かすか、前バックレスト13を取り外すと、車両前後方向に見たときに第2前空間A2fを分断する前バックレスト13の前面の面積が小さくなる。そして、第2前空間A2fのうち、乗客Ofの姿勢を保つための状態の前バックレスト13の前面より車両前方向であり且つ前荷物デッキ41より車両上方向に構造物を有さない空間A2fsの大部分または全てが、車両後方向に開放される。そして、開放されたその空間A2fsを利用して、車両前後方向の長さが長い荷物を前荷物デッキ41に載せることができる。
また、例えば、対面シート10が(d)後バックレスト可変構造10dを有する場合、後バックレスト23を、乗客Orの姿勢を保つための位置から、後バックレスト23の前面が後シート22の上面と対できる位置に向かって動かすか、後バックレスト23を取り外すと、車両前後方向に見たときに第2後空間A2rを分断する後バックレスト23の後面の面積が小さくなる。そして、乗客Orの姿勢を保つための状態の後バックレスト23の後面より車両後方向であり且つ後荷物デッキ45より車両上方向に構造物を有さない空間A2rsの大部分または全てが、車両前方向に開放される。そして、開放されたその空間A2rsを利用して、車両前後方向の長さが長い荷物を後荷物デッキ45に載せることができる。
また、例えば、対面シート10が(e)前荷物デッキ延長構造10eを有する場合、前シート12、前バックレスト13、後シート22、後バックレスト23の少なくともいずれかを、前荷物デッキ41を車両後方向に延長するような位置に移動することにより、前荷物デッキ41の面積が大きくなる。そして、前荷物デッキ41上により大きな荷物またはより多くの荷物を載せることができる。
また、例えば、対面シート10が(f)後荷物デッキ延長構造10fを有する場合、前シート12、前バックレスト13、後シート22、後バックレスト23を、後荷物デッキ45の少なくともいずれかを車両前方向に延長するような位置に移動することにより、後荷物デッキ45の面積が大きくなる。そして、後荷物デッキ45上により大きな荷物またはより多くの荷物を載せることができる。
また、例えば、対面シート10が(g)前シート延長構造10gを有する場合、前シート12を車両後方向に延長するような位置に、前バックレスト13、後シート22、後バックレスト23の少なくともいずれかを移動することにより、前シート12の面積が大きくなる。例えば、前バックレスト13、後シート22、後バックレスト23は、取り外して移動させてもよい。また、例えば、前バックレストを、乗客の姿勢を保つための位置から、前バックレスト13の後面が前シート12の上面に対面できる位置に移動するように揺動させてもよい。前シート12の面積が大きくなることにより、前シート12上により大きな荷物またはより多くの荷物を載せることができる。
また、例えば、対面シート10が(h)後シート延長構造10hを有する場合、後シート22を車両前方向に延長するような位置に、前バックレスト13、前シート12、後バックレスト23の少なくともいずれかを移動することにより、後シート22の面積が大きくなる。例えば、前シート12、前バックレスト13、後バックレスト23は、取り外して移動させもよい。また、例えば、後バックレスト23を、乗客の姿勢を保つための位置から、後バックレスト23の前面を後シート22の上面に対面できる位置に移動するように、揺動させてもよい。後シート22の面積が大きくなることにより、後シート22上により大きな荷物またはより多くの荷物を載せることができる。
このように、対面シート10を(a)〜(h)の少なくともいずれかの構造を有するように構成することで、対面シート式自動運転車両1に、荷物を載せるための空間をより多く確保することができる。つまり、対面シート式自動運転車両1に、様々な形状の荷物を載せることができ、また、より多くの量の荷物を載せることができるようになる。
以上から、本発明の対面シート式自動運転車両1は、車両のサイズをコンパクトにしながら、乗客と荷物を両方載せられる車両の利便性を高めることができる。
(実施形態の具体例1)
次に、上述した本発明の実施形態の具体例1の対面シート式自動運転車両101について図10〜図13を用いて説明する。なお、以下の説明では、上述した本発明の実施形態と同じ部位についての説明は省略する。基本的に、本発明の実施形態の具体例1の対面シート式自動運転車両101は、上述した本発明の実施形態の対面シート式自動運転車両1の特徴を全て有している。図10では、乗客Of、Orが着座できる状態である着座状態の前シート121fおよび後シート121rを示している。また、図10は、乗客Of、Orが姿勢を保つための状態である姿勢保持状態の前バックレスト122fおよび後バックレスト122rを示している。前バックレスト122fの姿勢保持状態では、乗客は、前バックレスト122fにもたれかかることができる。後バックレスト122rの姿勢保持状態では、乗客は、後バックレスト122rにもたれかかることができる。
以下の説明において、特に限定が無い限り、前後方向とは、車両前後方向のことである。車両前後方向の前方向とは、対面シート式自動運転車両101および後述する対面シート式自動運転車両201の進行方向のことである。以下の説明において、車両左右方向とは、車両の左右方向のことである。車両の左右方向とは、対面シート式自動運転車両101、201の進行方向を前方向とした場合の左右方向のことである。車両の左右方向は、対面シート式自動運転車両101、201の車幅方向でもある。以下の説明において、特に限定が無い限り、車両上下方向とは、車両の上下方向のことである。車両の上下方向とは、対面シート式自動運転車両101、201を水平な路面に直立させた状態における上下方向である。各図に示す矢印F、矢印B、矢印U、矢印D、矢印L、矢印Rは、それぞれ、前方向、後方向、上方向、下方向、左方向、右方向を表している。
図10に示すように、対面シート式自動運転車両101は、4つの車輪103と、自動運転機構104と、対面シート110と、床カバー(フロアデッキ)178と、2つのトレー部(荷物デッキ)179aと、車体フレーム130と、車体カバー170と、を備える。
4つの車輪103は、2つの前輪103fと2つの後輪103bを有する。2つの後輪103bは、2つの前輪103fより車両後方向にある。2つの前輪103fは、左前輪103flと右前輪103frからなる。2つの後輪103bは、左後輪103blと右後輪103brからなる。左前輪103flおよび左後輪103blは、車両の左部にあり、右前輪103frおよび右後輪103brは、車両の右部にある。2つの前輪103fは、その上端が着座状態の前シート121fの下端より車両下方向に配置される。2つの後輪103bは、その上端が着座状態の後シート121rの下端より車両下方向に配置される。対面シート式自動運転車両101は、4つの車輪103が回転することによって走行する。進行方向は、車両前後方向の前方向である。進行方向は、通常使用時に車輪103の回転により対面シート式自動運転車両101が進む方向であり、一時的に対面シート式自動運転車両101が進む方向は含まない。対面シート式自動運転車両101は、進行方向を車輪103の逆回転により逆向きの方向に変更して走行することができる。つまり、対面シート式自動運転車両101は、スイッチバック可能車両(Bi-directional vehicle)である。
自動運転機構104は、駆動源105と、操舵機構106と、制動機構107と、自動運転制御装置108とを含む。自動運転制御装置108は、駆動源105と、操舵機構106と、制動機構107とに接続される。
駆動源105は、4つの車輪103の少なくとも一つに駆動力を付与する。対面シート式自動運転車両101は、4つの車輪103が回転することによって走行する。駆動源105は、駆動モータとバッテリとを含む。対面シート式自動運転車両101は、例えば電動車であり、駆動モータは電気モータである。駆動モータは、バッテリに接続される。バッテリは、対面シート式自動運転車両101を駆動する電力を駆動モータに供給する。駆動モータは、2つの後輪103bを駆動する。駆動モータは、2つの後輪103bを車両前方向および車両後方向に回転させることができる。駆動源105は、車体フレーム130に支持される。駆動源105は、自動運転制御装置108から出力された指令に基づいて制御される。
操舵機構106は、4つの車輪103の少なくとも一つを操舵する。操舵機構106の操舵により、対面シート式自動運転車両101の進行方向が車両左右方向に変更される。操舵機構106は、4つの車輪103を操舵する。操舵機構106は、4つの車輪103を車両前後方向に対してそれぞれ所定の舵角で操舵するように構成される。4つの車輪103は、操舵機構106により車両左右方向に揺動される。対面シート式自動運転車両101の進行方向は、車両左右方向に揺動された4つの車輪103の向きによって決まる。操舵機構106は、車体フレーム130に支持される。操舵機構106は、自動運転制御装置108から出力された指令に基づいて制御される。
制動機構107は、4つのディスクブレーキ装置で構成される。4つのディスクブレーキ装置は、4つの車輪103にそれぞれ設けられる。4つのディスクブレーキ装置は、4つの車輪103をそれぞれ制動する。ディスクブレーキ装置は、車輪103とともに回転する金属製の円盤と、円盤の車両左方向および車両右方向に配置された2つのパッドとを有する。ディスクブレーキ装置は、円盤を2つのパッドで両側から挟み込むことによって、車輪103を制動する。制動機構107は、車体フレーム130に支持される。制動機構107は、自動運転制御装置108から出力された指令に基づいて制御される。
自動運転制御装置108は、車体フレーム130に支持される。自動運転制御装置108は、制御パネル109と通信可能に構成される。制御パネル109は、キャビン空間112内に配置される。キャビン空間112は、乗客を収容する車両内部の空間である。制御パネル109は、電子計算機である。なお、制御パネル109は、車両内部のインナーカバー179に対して、着脱可能であってもよい。自動運転制御装置108は、駆動信号、制動信号、操舵信号を、制御パネル109から受信する。駆動信号は、対面シート式自動運転車両101を駆動源105により駆動させるための信号である。制動信号は、対面シート式自動運転車両101を制動機構107により制動させるための信号である。操舵信号は、対面シート式自動運転車両101を操舵機構106より操舵させるための信号である。駆動信号は、制御パネル109で入力された加速指示に基づいて生成された信号であってもよい。制動信号は、制御パネル109で入力された減速指示に基づいて生成された信号であってもよい。駆動信号および制動信号は、制御パネル109で入力された目標速度に基づいて生成された信号であってもよい。操舵信号は、制御パネル109で入力された回転角指示に基づいて生成された信号であってもよい。自動運転制御装置108は、駆動源105と、操舵機構106と、制動機構107とに、駆動信号、制動信号、操舵信号に基づく指令を出力する。
自動運転機構104の少なくとも一部が、後述する着座状態の前シート121fの前端より車両前方向と、後述する着座状態の後シート121rの後端より車両後方向に配置される。駆動源105の少なくとも一部は、着座状態の後シート121rの後端より車両前方向に配置される。操舵機構106の少なくとも一部は、着座状態の前シート121fの前端より車両前方向に配置される。制動機構107の一部は、着座状態の前シート121fの前端より車両前方向に配置され、制動機構107の他の一部は、着座状態の後シート121rの後端より車両前方向に配置される。自動運転制御装置108は、着座状態の前シート121fの前端より車両前方向に配置される。
図10および図11に示すように、車体フレーム130は、天井フレーム131と、床フレーム136と、前H型フレーム141と、後H型フレーム146とを有する。車体フレーム130は、例えば、金属で形成される。車体フレーム130は、その前部を車両前後方向の後方向に見た形状とその後部を車両前後方向の前方向に見た形状がほぼ同じである。
天井フレーム131は、車両左右方向に並んで配置される天井右フレーム133および天井左フレーム134と、車両前後方向に並んで配置される2本の天井横フレーム132と、を有する。2本の天井横フレーム132は、天井前横フレーム132fおよび天井後横フレーム132rを有する。天井前横フレーム132fは、天井後横フレーム132rより車両前後方向の前方向に配置される。天井前横フレーム132fは、天井右フレーム133および天井左フレーム134のそれぞれの前端部をつなぐ。天井後横フレーム132rは、天井右フレーム133および天井左フレーム134のそれぞれの後端部をつなぐ。天井フレーム131の前端部および後端部は、下方向に傾斜して形成される。天井フレーム131の前端部は、前H形フレーム141に接続される。天井フレーム131の後端部は、後H形フレーム146に接続される。
前H形フレーム141は、車両左右方向に並んで配置される2本の前柱142と、2本の前柱142に車両左右方向の端部が接続される前中間横フレーム143とを有する。2本の前柱142は、左前柱142lおよび右前柱142rを有する。左前柱142lは、右前柱142rより車両左右方向の左方向に配置される。後H形フレーム146は、図示しないが、前H形フレーム141と同様に、車両左右方向に並んで配置される2本の後柱と、2本の後柱に車両左右方向の端部が接続される後中間横フレームとを有する。
床フレーム136は、車両左右方向の辺の長さが車両前後方向の辺の長さより短い長方形に形成される。床フレーム136は、天井フレーム131の下方向に配置される。床フレーム136には、前H形フレーム141の2本の前柱142の下端部が接続される。床フレーム136には、後H形フレーム146の2本の後柱の下端部が接続される。
図10〜図12に示すように、車体カバー170は、フロントカバー171fと、リヤカバー171bと、2つの前輪サイドカバー175fと、2つの後輪サイドカバー175bと、屋根カバー176と、サイドカバー177と、床カバー178と、インナーカバー179とを有する。屋根カバー176は、本発明の屋根部である。床カバー178は、本発明のフロアデッキである。車体カバー170は、例えば、合成樹脂で形成される。車体カバー170は、車体フレーム130に支持される。車体カバー170は、車体フレーム130を覆う。車体カバー170は、車体フレーム130の上部を、車両内部および車両外部から覆う。また、車体カバー170は、車体フレーム130の下部を、車両内部から覆うとともに、車両外部から覆う。フロントカバー171fは、車両前後方向の前および後から前H型フレーム141を覆う。リヤカバー171bは、車両前後方向の前および後から後H型フレーム146を覆う。前輪サイドカバー175fは、2つの前輪103fの外面を車両左右方向の左および右から覆う。後輪サイドカバー175bは、2つの後輪103bの外面を車両左右方向の左および右から覆う。屋根カバー176は、天井フレーム131を車両上下方向の上および下から覆う。床カバー178は、床フレーム136の上面を車両上下方向の上から覆う。サイドカバー177は、右サイドカバー177rと、左サイドカバー177lとを有する。
車体カバー170は、その車両左右方向の左部または右部の少なくともいずれか一方に乗降口182を有する。図10では、車体カバー170は、その車両左右方向の左部に乗降口182を有する。
図12に示すように、フロントカバー171fは、屋根カバー176およびサイドカバー177より車両前方向に配置される。フロントカバー171fは、その上部にフロントカバー窓171foを有する。フロントカバー窓171foは、対面シート110の前バックレスト122fおよび後バックレスト122rより車両上方向に配置される。フロントカバー窓171foは、常にキャビン空間112と外部空間とを連通させる開口した窓であってもよい。また、フロントカバー窓171foは、開いたときにのみキャビン空間112と外部空間とを連通させる開閉可能な窓であってもよい。また、フロントカバー窓171foは、開閉不能な嵌め殺し窓(fixed window)であってもよい。フロントカバー窓171foが開閉可能な窓または嵌め殺し窓の場合、フロントカバー窓171foには、透明なガラスや合成樹脂、ビニールシート等がはめ込まれる。
フロントカバー171fは、その一部が、2つの前輪103fより車両上方向に配置される。フロントカバー171fは、その一部が、2つの前輪103fより車両前方向に配置される。フロントカバー171fは、2つの前輪103fの前部および上部の一部を覆う。フロントカバー171fは、2つの前輪サイドカバー175fに接続される。
リヤカバー171bは、屋根カバー176およびサイドカバー177より車両後方向に配置される。リヤカバー171bは、その上部にリヤカバー窓171boを有する。リヤカバー窓171boは、対面シート110の前バックレスト122fおよび後バックレスト122rより車両上方向に配置される。リヤカバー窓171boは、常にキャビン空間112と外部空間とを連通させる開口した窓であってもよい。また、リヤカバー窓171boは、開いたときにのみキャビン空間112と外部空間とを連通させる開閉可能な窓であってもよい。また、リヤカバー窓171boは、開閉不能な嵌め殺し窓(fixed window)であってもよい。リヤカバー窓171boが開閉可能な窓または嵌め殺し窓の場合、リヤカバー窓171boには、透明なガラスや合成樹脂、ビニールシート等がはめ込まれる。
リヤカバー171bは、その一部が、2つの後輪103bより車両上方向に配置される。リヤカバー171bは、その一部が、2つの後輪103bより車両後方向に配置される。リヤカバー171bは、2つの後輪103bの後部および上部の一部を覆う。リヤカバー171bは、2つの後輪サイドカバー175bに接続される。
図10および図11に示すように、2つの前輪サイドカバー175fは、右前輪サイドカバー175frおよび左前輪サイドカバー175flを有する。右前輪サイドカバー175frは、右前輪103frの車両右方向に配置される。左前輪サイドカバー175flは左前輪103flの車両左方向に配置される。2つの前輪サイドカバー175fは、2つの前輪103fの一部を覆う。
2つの後輪サイドカバー175bは、右後輪サイドカバー176brおよび左後輪サイドカバー176blを有する。右後輪サイドカバー175brは、右後輪103brの車両右方向に配置される。左後輪サイドカバー175blは左後輪103blの車両左方向に配置される。2つの後輪サイドカバー175bは、2つの後輪103bの一部を覆う。
図10および図12に示すように、屋根カバー176は、フロントカバー171fに接続され、フロントカバー171fより車両後方向に配置される。屋根カバー176は、リヤカバー171bに接続され、リヤカバー171bより車両前方向に配置される。屋根カバー176は、サイドカバー177に接続され、サイドカバー177より車両上方向に配置される。屋根カバー176は、略平面状に形成される。
サイドカバー177は、フロントカバー171fに接続され、フロントカバー171fより車両後方向に配置される。サイドカバー177は、リヤカバー171bに接続され、リヤカバー171bより車両前方向に配置される。サイドカバー177は、屋根カバー176に接続され、屋根カバー176より車両下方向に配置される。サイドカバー177は、右サイドカバー177rと、左サイドカバー177lとを有する。
図10および図12に示すように、右サイドカバー177rは、右窓177roを有する。右窓177roは、右サイドカバー177rの上部に配置される。右窓177roは、対面シート110の前シート121fおよび後シート121rより車両上方向に配置される。右窓177roは、常にキャビン空間112と外部空間とを連通させる開口した窓である。対面シート式自動運転車両101は、右サイドカバー177rの右窓177roの下枠の車両前後方向中央部に非常ボタン180を有する。非常ボタン180は、キャビン空間112と車外空間とのほぼ境界に配置されている。非常ボタン180は、車両下方向に押し込まれることで操作される。非常ボタン180は、対面シート式自動運転車両101の車内にいる乗客が操作することができる。もしくは、非常ボタン180は、対面シート式自動運転車両101の車外にいる歩行者等が右窓177roから手を入れて操作することができる。非常ボタン180が操作されると、対面シート式自動運転車両101は走行を停止する。
左サイドカバー177lは、左窓177loと、ドア181と、を有する。なお、具体例1の対面シート式自動運転車両101は、道路内の車両左右方向の左を通行することを想定している。左窓177loは、左サイドカバー177lの上部に配置される。左窓177loは、対面シート110の前シート121fおよび後シート121rより車両上方向に配置される。左窓177loは、常にキャビン空間112と外部空間とを連通させる開口した窓である。
ドア181は、左サイドカバー177lの車両左右方向の中央に配置される。ドア181は、前ドア181fおよび後ドア181bを有する。前ドア181fは、対面シート式自動運転車両101の前部に配置される。後ドア181bは、対面シート式自動運転車両101の後部に配置される。前ドア181fおよび後ドア181bは、スライドドアである。図12で示すように、前ドア181fおよび後ドア181bは、車両前後方向にスライドして、乗降口182を開閉可能に構成される。乗降口182は、図12の二点鎖線で示される領域である。前ドア181fおよび後ドア181bは、閉状態の際に(図10参照)、前ドア181fの後端と後ドア181bの前端が接触するように構成される。前ドア181fおよび後ドア181bは、開状態の際に(図12参照)、乗降口182からキャビン空間112に乗客が乗り降り可能であり、かつ、荷物を出し入れ可能に構成される。前ドア181fは、閉状態から開状態になる際に、車両前方向にスライドされる。前ドア181fは、開状態から閉状態になる際に、車両後方向にスライドされる。後ドア181bは、閉状態から開状態になる際に、車両後方向にスライドされる。後ドア181bは、開状態から閉状態になる際に、車両前方向にスライドされる。
対面シート式自動運転車両101は、4つの開ボタン183a、183b、183c、183dおよび1つの閉ボタン183eを有する。開ボタン183a、183bは、車両の外面に設けられる。開ボタン183aは、前ドア181fの外面に配置される。開ボタン183c、183dは、キャビン空間112に面した面に設けられる。開ボタン183cは、前ドア181fの内面に配置される。開ボタン183bは、後ドア181bの車両外部の外面に配置される。開ボタン183dは、後ドア181bの車両内部の内面に配置される。閉ボタン183eは、右窓170roの車両下方向にあるインナーカバー179に配置される。開ボタン183a、183b、183c、183dは、ボタンが押されることにより、前ドア181fおよび後ドア181bを開状態になる。閉ボタン183eは、ボタンが押されることにより、前ドア181fおよび後ドア181bを閉状態になる。
図10および図12に示すように、床カバー178は、屋根カバー176より車両下方向に配置される。床カバー178は、車両内部の床部を構成する。床カバー178には、乗客の足や車いすや荷物が載置される。屋根カバー176は、その下面と床カバー178の上面との間の車両上下方向の高さHi1が床カバー178に大人の乗客が直立状態で立つことができない高さになるように配置される。床カバー178は、対面シート110に着座した乗客が足を置くためのものである。床カバー178は、その上面に段差を有さない。
インナーカバー179は、屋根カバー176より車両下方向に配置される。インナーカバー179は、車両内部の壁部を構成する。インナーカバー179は、床カバー178より車両上方向に配置され、床カバー178に接続される。インナーカバー179における右窓170roの上方向には、制御パネル109が配置される。
インナーカバー179は、2つのトレー部179aを有する。2つのトレー部179aは、前トレー部179afおよび後トレー部179arを有する。前トレー部179afは、床カバー178および前シート121fより車両上方向に配置される。前トレー部179afは、前バックレスト122fより車両前方向であってフロントカバー窓171foより車両後方向に配置される。後トレー部179arは、床カバー178および後シート121rより車両上方向に配置される。後トレー部179arは、後バックレスト122rより車両後方向であってリヤカバー窓171boより車両前方向に配置される。前トレー部179afは、その上面より車両上方向の車両内部に収納スペースを構成する前荷物デッキである。後トレー部179arは、その上面より車両上方向の車両内部に収納スペースを構成する後荷物デッキである。これらの収納スペースは、車両内部の空間である。2つのトレー部179aは、乗客の荷物等が載置可能に構成される。
前トレー部179af、後トレー部179arおよび床カバー178は、接地面Gからの前トレー部179afの上面の車両上下方向の高さHf1および後トレー部179arの上面の車両上下方向の高さHr1が、接地面Gからの床カバー178の上面の車両上下方向の高さHc1よりも高くなるように配置される。前トレー部179afおよび後トレー部179arは、前トレー部179afの上面の車両上下方向の高さHf1および後トレー部179arの上面の車両上下方向の高さHf1が同じであるように配置される。前トレー部179afの車両前後方向の長さLf1は、床カバー178の車両前後方向の長さLc1より短い。後トレー部179arの車両前後方向の長さLr1は、床カバー178の車両前後方向の長さLc1より短い。前トレー部179afの車両前後方向の長さLf1と後トレー部179arの車両前後方向の長さLr1を合計した長さは、床カバー178の車両前後方向の長さLc1より短い。床カバー178より車両上方向であって、前トレー部179afの下端より車両下方向には、自動運転機構104の自動運転制御装置108が配置される。床カバー178より車両上方向であって、後トレー部179arの下端より車両下方向には、自動運転機構104の駆動源105が配置される。
対面シート110は、前シートアセンブリ120fおよび後シートアセンブリ120bを含む。前シートアセンブリ120fは、前シート121fおよび前バックレスト122fを含む。前シート121fは、乗客が着座するためのものである。前バックレスト122fは、前シート121fに着座した乗客が姿勢を保つためのものである。前シート121fに着座した乗客は、背中を前バックレスト122fにもたれかける。前シートアセンブリ120fは、乗客が着座したときに乗客が車両後方向に向くように配置されている。後シートアセンブリ120bは、後シート121rおよび後バックレスト122rを含む。後シート121rは、乗客が着座するためのものである。後バックレスト122rは、乗客が姿勢を保つためのものである。後シートアセンブリ120bは、乗客が着座したときに乗客が車両前方向に向くように配置されている。後シートアセンブリ120bは、前バックレスト122fおよび後バックレスト122rの少なくとも一部同士が向き合うように配置されている。
対面シート110は、着座可能な乗客の最大数が4人になるように構成される。つまり、前シートアセンブリ120fに着座可能な乗客の最大数が2人になるように構成される。また、後シートアセンブリ120bに着座可能な乗客の最大数が2人に構成される。
図10に示すように、対面シート110は、着座状態の前シート121fの後端と着座状態の後シート121rの前端との間の車両前後方向の長さLcs1が、2つのトレー部179aの車両前後方向の長さLf1、Lr1を合計した長さLf1+Lr1より短い。
前シート121fは、前バックレスト122fに対して、着座状態と収納状態(非着座状態)との間で揺動可能に構成される。前シート121fの着座状態は、図19で示す状態であり、乗客が着座可能な状態である。前シート121fは、着座状態において、車両前後方向に沿って配置される。前シート121fの収納状態は、図12で示す状態である。前シート121fは、収納状態において、車両上下方向に沿って配置される。前シート121fの収納状態は、乗客が着座できないように収納された状態である。収納状態の前シート121fは、姿勢保持状態の前バックレスト122fと向かい合うように配置される。前シート121fは、前バックレスト122fの下端より下方向に設けられた回転軸121bを中心に、車両前後方向および車両上下方向に揺動自在である。前シート121fの揺動中心である回転軸121bは、車体フレーム130に固定される。前シート121fは、手動により揺動される。図13の矢印に示すように、前シート121fは、着座状態から収納状態まで車両前方向且つ車両上方向に揺動される。例えば、前シート121fの揺動中心である回転軸121bが弾性部材を有し、手動により前シート121fを着座状態から所定の角度まで持ち上げると、弾性部材の弾性力により、前シート121fが収納状態になるように構成されてもよい。前シート121fは、着座状態および収納状態において、揺動不能にロックされるように構成されてもよい。
後シート121rは、後バックレスト122rに対して、着座状態と収納状態(非着座状態)との間で揺動可能に構成される。後シート121rの着座状態は、図19で示す状態であり、乗客が着座可能な状態である。後シート121rは、着座状態において、車両前後方向に沿って配置される。後シート121rの収納状態は、図12で示す状態である。後シート121rは、収納状態において、車両上下方向に沿って配置される。後シート121rの収納状態は、乗客が着座できないように収納された状態である。収納状態の後シート121rは、姿勢保持状態の後バックレスト122rと向かい合うように配置される。後シート121rは、後バックレスト122rの下端より下方向に設けられた回転軸121bを中心に、車両前後方向および車両上下方向に揺動自在である。後シート121rの揺動中心である回転軸121bは、車体フレーム130に固定される。後シート121rは、手動により揺動される。後シート121rは、着座状態から収納状態まで車両後方向且つ車両上方向に揺動される。例えば、後シート121rの揺動中心である回転軸121bが弾性部材を有し、手動により後シート121rを着座状態から所定の角度まで持ち上げると、弾性部材の弾性力により、後シート121rが収納状態になるように構成されてもよい。
対面シート110は、前シート121fおよび後シート121rが、可変構造を有する。つまり、対面シート110は、(a)前シート可変構造、(b)後シート可変構造を有する。
図10に示すように、(a)前シート可変構造では、着座状態の前シート121fの後端が床カバー178の前端よりも車両後方向に配置される。前シート可変構造では、着座状態の前シート121fの底面により、第1前空間A1f1が車両上下方向に分断される。第1前空間A1f1は、床カバー178の上面の一部分である前シート対向面178fの車両上方向の空間である。床カバー178の前シート対向面178fは、床カバー178の上面のうち、着座状態の前シート121fの底面と対向する面である。第1前空間A1f1は、床カバー178の上面から屋根カバー176の下面までの空間である。第1前空間A1f1のうち、着座状態の前シート121fの底面と床カバー178の上面との間の空間A1fs1には、構造物が存在しない。上述の通り、前シート121fは、回転軸121bを中心に、車両前後方向および車両上下方向に揺動自在に取り付けられる。そのため、車両上下方向に見たときに第1前空間A1f1を分断する前シート121fの底面の面積が変更可能である。前シート121fの着座状態においては、図10に示す通り、車両上下方向に見たときに第1前空間A1f1を分断する前シート121fの底面の面積は最大になる。一方、前シート121fの収納状態においては、図12に示す通り、車両上下方向に見たときに第1前空間A1f1を分断する前シート121fの底面の面積は0になる。
図10に示すように、(b)後シート可変構造では、着座状態の後シート121rの前端が床カバー178の後端よりも車両前方向に配置される。後シート可変構造では、着座状態の後シート121rの底面により、第1後空間A1r1が車両上下方向に分断される。第1後空間A1r1は、床カバー178の上面の一部分である後シート対向面178bの上の空間である。床カバー178の後シート対向面178bは、床カバー178の上面のうち、着座状態の後シート121rと対向する面である。第1後空間A1r1は、床カバー178の上面から屋根カバー176の下面までの空間である。第1後空間A1r1のうち、着座状態の後シート121rの底面と床カバー178の上面との間の空間A1rs1には、構造物が存在しない。上述の通り、後シート121rは、回転軸121bを中心に、車両前後方向および車両上下方向に揺動自在に取り付けられる。そのため、車両上下方向に見たときに第1後空間A1r1を分断する後シート121rの底面の面積が変更可能である。後シート121rの着座状態においては、図10に示す通り、車両上下方向に見たときに第1後空間A1r1を分断する後シート121rの底面の面積は最大になる。一方、後シート121rの収納状態においては、図12に示す通り、車両上下方向に見たときに第1後空間A1r1を分断する後シート121rの底面の面積は0になる。
本発明の実施形態の具体例1の対面シート式自動運転車両101は、上述した本発明の実施形態の対面シート式自動運転車両1の効果に加えて、以下の効果を奏する。
乗客が着座できる状態の前シート121fの後端と乗客が着座できる状態の後シート121rの前端との間の車両前後方向の長さLcs1が、前トレー部179afの車両前後方向の長さLf1および後トレー部179arの車両前後方向の長さLr1を合計した長さLf1+Lr1より短い。つまり、床カバー178の車両前後方向の長さが短い。そのため、複数の乗客が乗車可能でありながら、車両101のサイズをコンパクトにすることができる。
(a)前シート可変構造および(b)後シート可変構造を組み合わせて、対面シート110が構成される。これにより、上述したように、車両101のサイズをコンパクトにしながら、乗客と荷物を両方載せられる車両101の利便性を高めることができる。
前トレー部179afの上面が乗客が着座できる状態の前シート121fの上端より車両上方向に配置される。そのため、前トレー部179afの車両下方向の空間を大きくすることができる。そして、大きくなった前トレー部179afの車両下方向の空間に、自動運転機構104を収容することができる。そのため、前トレー部179afの上面が乗客が着座できる状態の前シート121fの上端と同じかそれより車両下方向に配置され、且つ、前トレー部179afの車両下方向の空間に同じ体積の自動運転機構104が収容される場合と比べて、前トレー部179afの車両前後方向の長さを短くできる。
また、後トレー部179arの上面が乗客が着座できる状態の後シート121rの上端より車両上方向に配置される。そのため、後トレー部179arの車両下方向の空間を大きくすることができる。そして、大きくなった後トレー部179arの車両下方向の空間に、自動運転機構104を収容できる。そのため、後トレー部179arの上面が乗客が着座できる状態の後シート121rの上端と同じかそれより車両下方向に配置され、且つ、後トレー部179arの車両下方向の空間に同じ体積の自動運転機構104が収容される場合と比べて、後トレー部179arの車両前後方向の長さを短くできる。
従って、車両101のサイズをコンパクトにしながら、床カバー178の車両前後方向の長さを大きくすることができる。
2つの前輪103fの上端が乗客が着座できる状態の前シート121fの下端より車両下方向に配置される。つまり、2つの前輪103fが車両に対して比較的低い位置に配置される。そのため、たとえ2つの前輪103fが前トレー部179afの車両上方向に配置されとしても、前トレー部179afの車両下方向の空間を大きくできる。そして、大きくなった前トレー部179afの車両下方向の空間に、自動運転機構104を収容できる。そのため、2つの前輪103fの上端が前シート121fの下端と同じかそれより車両上方向に配置され、且つ、前トレー部179afの車両下方向の空間に同じ体積の自動運転機構104が収容される場合と比べて、前トレー部179afの車両前後方向の長さを短くできる。
2つの後輪103bの上端が乗客が着座できる状態の後シート121rの下端より車両上方向に配置される場合がある。この場合、2つの後輪103bが車両に対して相対的に低い位置に配置される。そのため、たとえ2つの後輪103bが後トレー部179arの車両上方向に配置されたとしても、後トレー部179arの車両下方向の空間を大きくできる。そして、大きくなった後トレー部179arの車両下方向の空間に、自動運転機構104を収容できる。そのため、2つの後輪103bの上端が後シート121rの下端と同じかそれより車両上方向に配置され、且つ、後トレー部179arの車両下方向の空間に同じ体積の自動運転機構104が収容される場合と比べて、後トレー部179arの車両前後方向の長さを短くできる。
従って、車両101のサイズをコンパクトにしながら、床カバー178の車両前後方向の長さを大きくすることができる。
前トレー部179afの車両前後方向の長さLf1および後トレー部179arの車両前後方向の長さLr1の合計の長さLf1+Lr1が、床カバー178の車両前後方向の長さLc1より短い。そのため、車両全体の車両前後方向の長さが一定である場合において、前トレー部179afの車両前後方向の長さLf1および後トレー部179arの車両前後方向の長さLr1の合計の長さLf1+Lr1が床カバー178の車両前後方向の長さLc1より短い場合と比べて、床カバー178の上面より車両上方向の空間が広くなる。そして、複数の乗客を乗車させつつ、車両101のサイズをコンパクトにすることができる。
対面シート式自動運転車両101は、4つの車輪103および自動運転機構104をさらに含む。自動運転機構104は、駆動源105と、操舵機構106と、自動運転制御装置108とを更に有する。駆動源105は、4つの車輪103の少なくとも一つに駆動力を付与する。操舵機構106は、4つの車輪103の少なくとも一つを操舵する。自動運転制御装置108は、駆動源105と操舵機構106を自動的に制御する。自動運転機構104の少なくとも一部は、前トレー部179afおよび後トレー部179arの下端の車両下方向の空間に配置される。そのため、自動運転機構104の全部が床カバー178の車両下方向に配置される場合に比べて、車両の高さを維持しつつ、床カバー178の車両上方向の空間を広く確保することができる。
自動運転機構104の少なくとも一部が、後述する乗客が着座できる状態の前シート121fの前端より車両前方向と、乗客が着座できる状態の後シート121rの後端より車両後方向に配置される。これにより、自動運転機構104の少なくとも一部が、前シート121fの前端より車両後方向で後シート121rの後端より車両前方向の空間に配置される場合に比べて、床カバー178の車両前後方向の空間を広く確保することができる。
また、自動運転機構104の少なくとも一部が、後シート121rより後端の車両前方向で前シート121fの前端より車両後方向の空間に配置される場合に比べて、床カバー178の車両前後方向の空間を広く確保することができる。
対面シート110は、着座可能な乗客の最大数が4人であるように構成されてもよい。これにより、対面シート式自動運転車両101の内部の容積を小さくすることができる。そして、車両をコンパクトにすることができる。
床カバー178の車両上方向に設けられた屋根カバー176を更に有する。屋根カバー176は、その下面と床カバー178の上面との間の車両上下方向の高さHi1が床カバー178に大人の乗客が直立状態で立つことができない高さになるように配置される。そのため、対面シート式自動運転車両101の車両上下方向の長さを小さくすることができる。これにより、車両をコンパクトにすることができる。
(実施形態の具体例2)
次に、上述した本発明の実施形態の具体例2の対面シート式自動運転車両201について図14〜図22を用いて説明する。なお、以下の説明では、上述した本発明の実施形態と同じ部位についての説明は省略する。基本的に、本発明の実施形態の具体例2の対面シート式自動運転車両201は、上述した本発明の実施形態の対面シート式自動運転車両1の特徴を全て有している。図15では、乗客Of、Orが着座できる状態である着座状態の前シート212および後シート222を示している。また、図15は、乗客Of、Orが姿勢を保つための状態である姿勢保持状態の前バックレスト213および後バックレスト223を示している。
図14および図15に示すように、対面シート式自動運転車両201は、4つの車輪203と、自動運転機構208と、屋根部258と、対面シート210と、フロアデッキ230と、前荷物デッキ241と、後荷物デッキ242と、車体フレーム250と、車体カバー260とを有する。
4つの車輪203は、2つの前輪203fおよび2つの後輪203bを有する。2つの後輪203bは、2つの前輪202fより車両後方向にある。2つの前輪203fは、左前輪203flと右前輪203frとからなる。2つの後輪203bは、左後輪203blと右後輪203brとからなる。左前輪203flおよび左後輪203blは、車両の左部にあり、右前輪203frおよび右後輪203brは、車両の右部にある。2つの前輪203fl、203frは、その上端が着座状態の前シート212の下端より車両下方向に配置される。2つの後輪203bは、その上端が着座状態の後シート222の下端より車両下方向に配置される。対面シート式自動運転車両201は、4つの車輪203が回転することによって走行する。進行方向は、車両前後方向の前方向である。進行方向は、通常使用時に車輪203の回転により対面シート式自動運転車両201が進む方向であり、一時的に対面シート式自動運転車両201が進む方向は含まない。対面シート式自動運転車両201は、進行方向を車輪203の逆回転により車両前後方向の後方向に変更して走行することができない。
自動運転機構208は、駆動源204と、制動機構205と、操舵機構206と、自動運転制御装置207とを含む。自動運転制御装置207は、駆動源204と、操舵機構206と、制動機構205とに接続される。
駆動源204は、4つの車輪203の少なくとも一つに駆動力を付与する。駆動源204は、駆動モータとバッテリとを含む。対面シート式自動運転車両201は、電動車であり、駆動モータは電気モータである。駆動モータは、バッテリに接続される。バッテリは、対面シート式自動運転車両201を駆動する電力を駆動モータに供給する。駆動モータは、2つの後輪203bを駆動する。駆動モータは、2つの後輪203bを車両前方向および車両後方向に回転させることができる。駆動源204は、車体フレーム250に支持される。駆動源204は、自動運転制御装置207から出力された指令に基づいて制御される。
制動機構205は、4つのディスクブレーキ装置で構成される。4つのディスクブレーキ装置は、4つの車輪203にそれぞれ設けられる。4つのディスクブレーキ装置は、4つの車輪203をそれぞれ制動する。ディスクブレーキ装置は、車輪203とともに回転する金属製の円盤と、円盤の車両左方向および車両右方向に配置された2つのパッドとを有する。ディスクブレーキ装置は、円盤を2つのパッドで両側から挟み込むことによって、車輪203を制動する。制動機構205は、車体フレーム250に支持される。制動機構205は、自動運転制御装置207から出力された指令に基づいて制御される。
操舵機構206は、4つの車輪203の少なくとも一つを操舵する。操舵機構206の操舵により、対面シート式自動運転車両201の進行方向が車両左右方向に変更される。操舵機構206は、2つの前輪203fl、203frを操舵する。操舵機構206は、左前輪203flおよび右前輪203frを車両前後方向に対してそれぞれ所定の舵角で操舵するように構成される。左前輪203flおよび右前輪203frは、操舵機構206により車両左右方向に揺動される。対面シート式自動運転車両201の進行方向は、車両左右方向に揺動された左前輪203flおよび右前輪203frの向きによって決まる。操舵機構206は、車体フレーム250に支持される。操舵機構206は、自動運転制御装置207から出力された指令に基づいて制御される。
自動運転制御装置207は、車体フレーム250に支持される。自動運転制御装置207は、図示しない制御パネルと通信可能に構成される。制御パネルは、車両の内部に配置される。制御パネルは、電子計算機である。なお、制御パネルは、車両の内部に着脱可能に構成されてもよい。自動運転制御装置207は、駆動信号、制動信号、操舵信号を、制御パネルから受信する。駆動信号は、対面シート式自動運転車両201を駆動源204により駆動させるための信号である。制動信号は、対面シート式自動運転車両201を制動機構205により制動させるための信号である。操舵信号は、対面シート式自動運転車両201を操舵機構206より操舵させるための信号である。駆動信号は、制御パネルで入力された加速指示に基づいて生成された信号であってもよい。制動信号は、制御パネルで入力された減速指示に基づいて生成された信号であってもよい。駆動信号および制動信号は、制御パネルで入力された目標速度に基づいて生成された信号であってもよい。操舵信号は、制御パネルで入力された回転角指示に基づいて生成された信号であってもよい。自動運転制御装置207は、駆動源204と、制動機構205と、操舵機構206とに、駆動信号、制動信号、操舵信号に基づく指令を出力する。
自動運転機構208の少なくとも一部が、後述する着座状態の前シート212の前端より車両前方向と、後述する着座状態の後シート222の後端より車両後方向に配置される。操舵機構206の少なくとも一部は、前シート212の前端より車両前方向に配置される。制動機構205の一部は、着座状態の前シート212の前端より車両前方向に配置され、制動機構205の他の一部は、着座状態の後シート222の後端より車両後方向に配置される。自動運転制御装置207は、後シート222の後端より車両後方向に配置される。なお、図15に示す駆動源204は、バッテリを示しており、バッテリは、前シート212の前端より車両後方向で、後シート222の後端より車両前方向に配置されている。駆動源204の少なくとも一部は、後シート222の後端より車両後方向に配置されてもよい。
図15および図17に示すように、車体フレーム250は、2つの前輪203fl、203frの前端と2つの後輪203bの後端との間に少なくとも一部が配置される。車体フレーム250は、天井フレーム251と、床フレーム252と、柱フレーム253とを有する。車体フレーム250は、例えば、金属で形成される。なお、図15において、車体フレーム250は模式的に示している。
天井フレーム251は、2本の天井横フレーム251f、251bと、天井右フレーム251rと、天井左フレーム251lとを有する。2本の天井横フレーム251f、251bは、天井前フレーム251fと天井後フレーム251bとを有する。天井前フレーム251fおよび天井後フレーム251bは、車両前後方向に並んで配置される。天井前フレーム251fは、天井後フレーム251bより前方向に配置される。天井前フレーム251fおよび天井後フレーム251bは、それぞれ車両左右方向に沿って配置される。天井前フレーム251fおよび天井後フレーム251bは、平行に配置される。天井右フレーム251rは、2本の天井横フレーム251f、251bの車両左右方向の右部をつなぐ。天井左フレーム251lは、2本の天井横フレーム251f、251bの車両左右方向の左部をつなぐ。天井右フレーム251rおよび天井左フレーム251lは、平行に配置される。2本の天井横フレーム251f、251b、天井右フレーム251rおよび天井左フレーム251lは、一体で形成されてもよい。天井右フレーム251rは、後述する3本の右柱フレーム253rf、253rc、253rbに接続される。天井左フレーム251lは、後述する3本の左柱フレーム253lf、253lc、253lbに接続される。天井フレーム251は、屋根部258の下方向に配置されて、屋根部258を支持する。つまり、屋根部258は、フロアデッキ230の車両上下方向の上方向に設けられる。屋根部258は、車両上下方向に見て、車両左右方向の辺の長さが車両前後方向の辺の長さより短い長方形に近い形状であって、その前端部およびその後端部が湾曲した形状に形成される。屋根部258は、車両上下方向に見て、その車両左右方向の辺の長さが天井フレーム251よりも大きく、その車両前後方向の辺の長さ天井フレーム251よりも大きい。屋根部258は、その下面とフロアデッキ230の上面との間の車両上下方向の高さHi2がフロアデッキ230に大人の乗客Of、Orが直立状態で立つことができない高さになるように配置される。
柱フレーム253は、3本の右柱フレーム253rf、253rc、253rbおよび3本の左柱フレーム253lf、253lc、253lbを有する。3本の右柱フレーム253rf、253rc、253rbは、車両右端部に配置される。3本の左柱フレーム253lf、253lc、253lbは、車両左端部に配置される。3本の右柱フレーム253rf、253rc、253rbは、車両左右方向に並んで配置される。3本の右柱フレーム253rf、253rc、253rbは、車両上下方向に沿って配置される。右柱フレーム253rfは、右柱フレーム253rcより前方向に配置される。右柱フレーム253rcは、右柱フレーム253rbより前方向に配置される。3本の左柱フレーム253lf、253lc、253lbは、車両左右方向に並んで配置される。3本の左柱フレーム253lf、253lc、253lbは、車両上下方向に沿って配置される。左柱フレーム253lfは、左柱フレーム253lcより前方向に配置される。左柱フレーム253lcは、左柱フレーム253lbより前方向に配置される。3本の右柱フレーム253rf、253rc、253rbおよび3本の左柱フレーム253lf、253lc、253lbは、平行に配置される。3本の右柱フレーム253rf、253rc、253rbの上端部は、天井右フレーム251rに接続される。3本の左柱フレーム253lf、253lc、253lbの上端は、天井左フレーム251lに接続される。3本の右柱フレーム253rf、253rc、253rbおよび3本の左柱フレーム253lf、253lc、253lbの下端部は、床フレーム252に接続される。
床フレーム252は、車両左右方向の辺の長さが車両前後方向の辺の長さより短い長方形状に形成される。床フレーム252は、天井フレーム251の下方向に配置される。床フレーム252には、3本の右柱フレーム253rf、253rc、253rbおよび3本の左柱フレーム253lf、253lc、253lbの下端部が接続される。床フレーム252は、フロアデッキ230の下方向に配置されて、フロアデッキ230を支持する。
図14、図16、図17に示すように、車体カバー260は、フロントカバー261fと、リヤカバー261bと、サイドカバー262と、インナーカバー263と、フロアデッキ230と、前荷物デッキ241および後荷物デッキ245とを有する。車体カバー260は、例えば、合成樹脂で形成される。車体カバー260は、その一部が木材で形成されてもよい。車体カバー260は、車体フレーム250に支持される。車体カバー260は、車体フレーム250の一部を覆う。
フロントカバー261fは、床フレーム252の前端部を前から覆う。リヤカバー261bは、床フレーム252の後端部を後から覆う。フロアデッキ230は、床フレーム252の上部を車両内部から覆う。インナーカバー263は、3本の右柱フレーム253rf、253rc、253rbおよび3本の左柱フレーム253lf、253lc、253lbを車両内部から覆う。
サイドカバー262は、右サイドカバー262rおよび3本の右柱フレーム253rf、253rc、253rbを右から覆う。左サイドカバー262lは、左サイドカバー262lおよび3本の左柱フレーム253lf、253lc、253lbを左から覆う。左サイドカバー262lは、乗降口265を有する。乗降口265は、車両左部に設けられて、車両内部に乗客を乗降可能に構成される。
前荷物デッキ241は、床フレーム252の前端部を上から覆う。ここで、床フレーム252より車両上方向であって、前荷物デッキ241の下端より車両下方向には、自動運転機構208の操舵機構206が配置される。後荷物デッキ245は、床フレーム252の後端部を上から覆う。ここで、床フレーム252より車両上方向であって、後荷物デッキ245の下端より車両下方向には、自動運転機構208の自動運転制御装置207が配置される。
前荷物デッキ241は、その上面241uが前シート212の上端より車両上方向に配置される。前荷物デッキ241は、その上面241uが前バックレスト213の上端より車両下方向に配置される。後荷物デッキ245は、その上面245uが後シート222の上端より車両上方向に配置される。後荷物デッキ245は、その上面245uが後バックレスト223の上端より車両下方向に配置される。
図15に示すように、前荷物デッキ241および後荷物デッキ245は、前荷物デッキ241の上面241uの車両上下方向の高さHf2および後荷物デッキ245の上面245uの車両上下方向の高さHr2が同じであるように配置される。前荷物デッキ241の車両前後方向の長さLf2および後荷物デッキ245の車両前後方向の長さLr2の合計の長さは、フロアデッキ230の車両前後方向の長さLc2より短い。
なお、前荷物デッキ241の上面241uの前縁と左縁と右縁、右サイドカバー262rの上縁および後荷物デッキ245の上面245uの後縁と左縁と右縁に、パイプ状の柵266が連続して配置される。柵266は、前荷物デッキ241および後荷物デッキ245上の荷物の車両左右方向および車両前後方向の移動を抑制することができる。
対面シート210は、前シートアセンブリ211および後シートアセンブリ221を含む。前シートアセンブリ211は、前シート212および前バックレスト213を含む。前シート212は、乗客が着座するためのものである。前バックレスト213は、前シート212に着座した乗客が姿勢を保つためのものである。前シート212に着座した乗客は、背中を前バックレスト213にもたれかける。前シートアセンブリ211は、乗客が着座したときに乗客が車両後方向に向くように配置されている。後シートアセンブリ221は、後シート222および後バックレスト223を含む。後シート222は、乗客が着座するためのものである。後バックレスト223は、乗客が姿勢を保つためのものである。後シートアセンブリ221は、乗客が着座したときに乗客が車両前方向に向くように配置されている。後シートアセンブリ221は、前バックレスト213および後バックレスト223の少なくとも一部同士が向き合うように配置されている。
対面シート210は、着座可能な乗客の最大数が4人になるように構成される。つまり、前シートアセンブリ211に着座可能な乗客の最大数が2人になるように構成される。また、後シートアセンブリ221に着座可能な乗客の最大数が2人に構成される。
対面シート210は、着座状態の前シート212の後端と着座状態の後シート222の前端との間の車両前後方向の長さLcs2が、前荷物デッキ241の車両前後方向の長さLf2および後荷物デッキ245の車両前後方向の長さLr2を合計した長さより短い。
前シート212は、前バックレスト213に対して、着座状態と収納状態(非着座状態)との間で揺動可能に構成される。前シート212は、図15に示す着座状態において、前シート212の後端から車両前後方向の前方向に向かって、車両上下方向の上方向、下方向、上方向の順に傾斜するように構成される。これにより、乗客Ofが前シート212に深く腰掛けることができる。前シート212の収納状態は、図18に示す状態である。前シート212は、収納状態において、車両上下方向に沿って配置される。前シート212の収納状態は、乗客が着座できないように収納された状態である。収納状態の前シート212は、姿勢保持状態の前バックレスト213と向かい合うように配置される。前シート212は、前バックレスト213の下端より下方向に設けられた揺動軸212aを中心に、車両前後方向および車両上下方向に揺動自在である。揺動軸212aは、車体フレーム250に固定される。前シート212は、手動により揺動される。前シート212は、着座状態から収納状態まで車両前方向且つ車両上方向に揺動される。例えば、揺動軸212aが弾性部材を有し、手動により前シート212を着座状態から所定の角度まで持ち上げると、弾性部材の弾性力により前シート212が収納状態になるように構成されてもよい。前シート212は、着座状態および収納状態において、揺動不能にロックされるように構成されてもよい。
後シート222は、後バックレスト223に対して、着座状態と収納状態(非着座状態)との間で揺動可能に構成される。後シート222は、図15に示す着座状態において、後シート222の後端から車両前後方向の後方向に向かって、車両上下方向の上方向、下方向、上方向の順に傾斜するように構成される。これにより、乗客Orが後シート222に深く腰掛けることができる。後シート222の収納状態は、図18に示す状態である。後シート222は、収納状態において、車両上下方向に沿って配置される。後シート222の収納状態は、乗客が着座できないように収納された状態である。収納状態の後シート222は、姿勢保持状態の後バックレスト223と向かい合うように配置される。後シート222は、後バックレスト223の下端より下方向に設けられた揺動軸222aを中心に、車両前後方向および車両上下方向に揺動自在である。揺動軸222aは、車体フレーム250に固定される。後シート222は、手動により揺動される。後シート222は、着座状態から収納状態まで車両後方向且つ車両上方向に揺動される。例えば、揺動軸222aが弾性部材を有し、手動により後シート222を着座状態から所定の角度まで持ち上げると、弾性部材の弾性力により後シート222が収納状態になるように構成されてもよい。後シート222は、着座状態および収納状態において、揺動不能にロックされるように構成されてもよい。
前バックレスト213は、前シート212に対して、姿勢保持状態と収納状態(非姿勢保持状態)との間で揺動可能に構成される。前バックレスト213は、乗客Ofが姿勢を保つための状態である姿勢保持状態において、車両上下方向に沿って配置される。前バックレスト213は、車両上下方向の上方向に向かって、車両前後方向の前方向に傾斜するように構成される。これにより、前バックレスト213が、背中をそらせた状態の乗客Ofの背中を支え、前シート212に着座した乗客Ofの姿勢を保つことができる。前バックレスト213の収納状態は、図20に示す状態である。前バックレスト213は、収納状態において、着座状態の前シート212と向かい合うように配置される。前バックレスト213は、前シート212の上端より上方向に設けられた揺動軸213aを中心に、車両前後方向および車両上下方向に揺動自在である。揺動軸213aは、車体フレーム250に固定される。前バックレスト213は、手動により揺動される。前バックレスト213は、姿勢保持状態から収納状態まで車両後方向且つ車両下方向に揺動される。例えば、揺動軸213aが弾性部材を有し、手動により前バックレスト213を収納状態から所定の角度まで持ち上げると、弾性部材の弾性力により前バックレスト213が姿勢保持状態になるように構成されてもよい。前バックレスト213は、姿勢保持状態および収納状態において、揺動不能にロックされるように構成されてもよい。
前バックレスト213の上端には、車両前後方向および車両上下方向に揺動自在に前延長部材214が取り付けられる。前延長部材214は、姿勢保持状態の前バックレスト213の車両前方向に配置される。前延長部材214は、前バックレスト213の車両上方向の位置まで揺動させた状態で位置をロックできるように構成されてもよい。このとき、前延長部材214は、前バックレスト213を車両上方向に延長するような位置に配置される。このような位置に配置された前延長部材214は、前シート212に着座した乗客Ofの頭を支えることができる。
後バックレスト223は、後シート222に対して、姿勢保持状態と収納状態(非姿勢保持状態)との間で揺動可能に構成される。後バックレスト223は、乗客Orが姿勢を保つための状態である姿勢保持状態において、車両上下方向に沿って配置される。後バックレスト223は、車両上下方向の上方向に向かって、車両前後方向の後方向に傾斜するように構成される。これにより、後バックレスト223が背中をそらせた状態の乗客Orの背中を支え、後シート222に着座した乗客Orの姿勢を保つことができる。後バックレスト223の収納状態は、図20に示す状態である。後バックレスト223は、収納状態において、着座状態の後シート222と向かい合うように配置される。後バックレスト223は、後シート222の上端より上方向に設けられた揺動軸223aを中心に、車両前後方向および車両上下方向に揺動自在である。揺動軸223aは、車体フレーム250に固定される。後バックレスト223は、手動により揺動される。後バックレスト223は、姿勢保持状態から収納状態まで車両前方向且つ車両下方向に揺動される。例えば、揺動軸223aが弾性部材を有し、手動により後バックレスト223を収納状態から所定の角度まで持ち上げると、弾性部材の弾性力により後バックレスト223が姿勢保持状態になるように構成されてもよい。後バックレスト223は、姿勢保持状態および収納状態において、揺動不能にロックされるように構成されてもよい。
後バックレスト223の上端には、車両前後方向および車両上下方向に揺動自在に後延長部材224が取り付けられる。後延長部材224は、姿勢保持状態の後バックレスト223の車両後方向に配置される。後延長部材224は、後バックレスト223の車両上方向の位置まで揺動させた状態で位置をロックできるように構成されてもよい。それにより、後延長部材224は、後バックレスト223を車両上下方向に延長するような位置に配置される。このような位置に配置された後延長部材224は、後シート222に着座した乗客Ofの頭を支えることができる。
対面シート210は、(a)前シート可変構造、(b)後シート可変構造、(c)前バックレスト可変構造、(d)後バックレスト可変構造、(e)前荷物デッキ延長構造、(f)後荷物デッキ延長構造を有する。
図15、図18および図19に基づいて、対面シート210の(a)前シート可変構造および(b)後シート可変構造について説明する。
(a)前シート可変構造では、着座状態の前シート212の後端がフロアデッキ230の前端よりも車両後方向に配置される。前シート可変構造では、着座状態の前シート212の底面により、第1前空間A1f2が車両上下方向に分断される。第1前空間A1f2は、フロアデッキ230の上面の一部分である前シート対向面230fの車両上方向の空間である。フロアデッキ230の前シート対向面230fは、フロアデッキ230の上面のうち、着座状態の前シート212の底面と対向する面である。第1前空間A1f2は、フロアデッキ230の上面から、屋根部258の下面までの空間である。第1前空間A1f2のうち、着座状態の前シート212の底面とフロアデッキ230の上面との間の空間A1fs2には、構造物が存在しない。上述の通り、前シート212は、揺動軸212aを中心に、車両前後方向および車両上下方向に揺動自在である。そのため、車両上下方向に見たときに第1前空間A1f2を分断する前シート212の底面の面積が変更可能である(図15および図18参照)。前シート212の着座状態では、車両上下方向に見たときに第1前空間A1f2を分断する前シート212の底面の面積は最大になる。一方、前シート212の収納状態では、車両上下方向に見たときに第1前空間A1f2を分断する前シート212の底面の面積は最も小さくなる。
(b)後シート可変構造では、着座状態の後シート222の前端がフロアデッキ230の後端よりも車両前方向に配置される。後シート可変構造では、着座状態の後シート222の底面により、第1後空間A1r2が車両上下方向に分断される。第1後空間A1r2は、フロアデッキ230の上面の一部分である後シート対向面230bの車両上方向の空間である。フロアデッキ230の後シート対向面230bは、フロアデッキ230の上面のうち、着座状態の後シート222の底面と対向する面である。第1後空間A1r2は、フロアデッキ230の上面から、屋根部258の下面までの空間である。第1後空間A1r2のうち、着座状態の後シート222の底面とフロアデッキ230の上面との間の空間A1rs2には、構造物が存在しない。上述の通り、後シート222は、揺動軸222aを中心に、車両前後方向および車両上下方向に揺動自在である。そのため、後シート222は、車両上下方向に見たときに第1後空間A1r2を分断する底面の面積が変更可能である(図15および図18参照)。後シート222の着座状態では、車両上下方向に見たときに第1後空間A1r2を分断する後シート222の底面の面積は最大になる。一方、後シート222の収納状態では、車両上下方向に見たときに第1前空間A1r2を分断する後シート222の底面の面積は最も小さくなる。
図15、図16、図18、図20および図21に基づいて、対面シート210の(c)前バックレスト可変構造および(d)後バックレスト可変構造について説明する。
(c)前バックレスト可変構造では、姿勢保持状態の前バックレスト213の上端が前荷物デッキ241の上面241uよりも車両上方向に配置される。姿勢保持状態の前バックレスト213の前面により、第2前空間A2f2が車両前後方向に分断される。第2前空間A2f2は、着座状態の前シート212より車両上方向および前荷物デッキ241より車両上方向の空間である。第2前空間A2f2は、前シート212の上面および前荷物デッキ241の上面241uから、屋根部258の下面までの空間である。第2前空間A2f2のうち、姿勢保持状態の前バックレスト213の前面より車両前方向であり且つ前荷物デッキ241より車両上方向の空間には、構造物が存在しない。上述の通り、前バックレスト213は、揺動軸213aを中心に、車両前後方向および車両上下方向に揺動自在である。そのため、車両前後方向に見たときに第2前空間A2f2を分断する前バックレスト213の前面の面積が変更可能である(図15、図16、図18、図20および図21参照)。前バックレスト213の姿勢保持状態では、車両上下方向に見たときに第2前空間A2f2を分断する前バックレスト213の前面の面積は最大になる。前バックレスト213の収納状態では、車両前後方向に見たときに第2前空間A2f2を車両前後方向に分断する前バックレスト213の前面の面積が最も小さくなる。
(d)後バックレスト可変構造では、姿勢保持状態の後バックレスト223の上端が後荷物デッキ245の上面245uよりも車両上方向に配置される。姿勢保持状態の後バックレスト223の後面により、第2後空間A2r2が車両前後方向に分断される。第2後空間A2r2は、着座状態の後シート222より車両上方向および後荷物デッキ245より車両上方向の空間である。第2後空間A2r2は、後シート222の上面および後荷物デッキ245の上面245uから、屋根部258の下面までの空間である。第2後空間A2r2のうち、姿勢保持状態の後バックレスト223の後面より車両後方向であり且つ後荷物デッキ245より車両上方向の空間には、構造物が存在しない。上述の通り、後バックレスト223は、揺動軸223aを中心に、車両前後方向および車両上下方向に揺動自在である。そのため、車両前後方向に見たときに第2後空間A2r2を分断する後バックレスト223の後面の面積が変更可能に構成される(図15、図18、図20および図21参照)。後バックレスト223の姿勢保持状態では、車両上下方向に見たときに第2後空間A2r2を分断する後バックレスト223の後面の面積は最大になる。後バックレスト223の収納状態では、車両前後方向に見たときに第2後空間A2r2を車両前後方向に分断する後バックレスト223の後面の面積が最も小さくなる。
図20および図22に基づいて、対面シート210の(e)前荷物デッキ延長構造および(f)後荷物デッキ延長構造について説明する。
(e)前荷物デッキ延長構造では、前荷物デッキ241を車両後方向に延長するような位置に、前バックレスト213が移動可能である。収納状態の前バックレスト213の上端が前荷物デッキ241の上面241uと同じ高さに配置される。そのため、収納状態の前バックレスト213は、前荷物デッキ241を車両後方向に延長するような位置に配置される。
前バックレスト213の収納状態において、前延長部材214を前バックレスト213に対して揺動させることができる。前延長部材214は、その上面が前荷物デッキ241の上面241uと同じ高さになるまで揺動させることができる。前延長部材214は、前荷物デッキ241の上面241uと同じ高さでロックされるように構成される。前バックレスト213および前延長部材214は、前荷物デッキ241を車両後方向に延長するような位置に配置できる。よって、本具体例の前荷物デッキ延長構造では、前バックレスト213および前延長部材214が、前荷物デッキ241を車両後方向に延長するような位置に移動可能である。
(f)後荷物デッキ延長構造では、後荷物デッキ245を車両前方向に延長するような位置に、後バックレスト223が移動可能である。本具体例では、収納状態の後バックレスト223の上端が後荷物デッキ245の上面245uと同じ高さに配置される。そのため、収納状態の後バックレスト223は、後荷物デッキ245を車両前方向に延長するような位置に配置される。
後バックレスト223の収納状態において、後延長部材224を後バックレスト223に対して揺動させることができる。後延長部材224は、その上面が後荷物デッキ245の上面245uと同じ高さになるまで揺動させることができる。後延長部材224は、後荷物デッキ245の上面245uと同じ高さでロックされるように構成される。後バックレスト223および後延長部材224は、後荷物デッキ245を車両前方向に延長するような位置に配置できる。よって、本具体例の後荷物デッキ延長構造では、後バックレスト223および後延長部材224は、後荷物デッキ245を車両前方向に延長するような位置に移動可能である。
本具体例では、前荷物デッキ241および後荷物デッキ245の車両上下方向の高さが同じである。そのため、前荷物デッキ241車両後方向に延長するような位置に配置された前バックレスト213および前延長部材214の上面の高さと、後荷物デッキ245を車両前方向に延長するような位置に配置された後バックレスト223および後延長部材224の上面の高さは同じである。このとき、前荷物デッキ241、前バックレスト213、前延長部材214、後延長部材224、後バックレスト223、および後荷物デッキ245は、この順番に車両後方向に並んで配置される。
本発明の実施形態の具体例2の対面シート式自動運転車両201は、上述した本発明の実施形態の対面シート式自動運転車両1の効果に加えて、以下の効果を奏する。
乗客Ofが着座できる状態の前シート212の後端と乗客Orが着座できる状態の後シート222の前端との間の車両前後方向の長さLcs2が、前荷物デッキ241および後荷物デッキ245の車両前後方向の長さを合計した長さLf2+Lr2より短い。つまり、フロアデッキ230の車両前後方向の長さが短い。そのため、複数の乗客を乗車させつつ、車両のサイズをコンパクトにすることができる。
(a)前シート可変構造、(b)後シート可変構造、(c)前バックレスト可変構造、(d)後バックレスト可変構造、(e)前荷物デッキ延長構造、(f)後荷物デッキ延長構造の構造を組み合わせて、対面シート210が構成される。これにより、上述したように、車両のサイズをコンパクトにしながら、乗客と荷物を両方載せられる車両の利便性を高めることができる。
前荷物デッキ241は、その上端が前シート212の上端より車両上方向に配置され、且つ、後荷物デッキ245は、その上端が後シート222の上端より車両上方向に配置される。この構成によると、前荷物デッキ241の上面241uが前シート212の上端より車両上方向に配置されると、前荷物デッキ241の車両下方向の空間を大きくできる。そして、大きくなった前荷物デッキ241の車両下方向に、自動運転機構208を収容できる。そのため、前荷物デッキ241の上面241uが乗客が着座できる状態の前シート212の上端と同じかそれより車両下方向に配置され、且つ、前荷物デッキ241の車両下方向の空間に同じ体積の自動運転機構208が収容される場合と比べて、前荷物デッキ241の車両前後方向の長さを短くできる。また、後荷物デッキ245の上面245uが後シート222の上端より車両上方向に配置されると、後荷物デッキ245より車両下方向の空間を大きくできる。そして、大きくなった後荷物デッキ245の車両下方向の空間に、自動運転機構208を収容できる。そのため、後荷物デッキ245の上面245uが乗客が着座できる状態の後シート222の上端と同じかそれより車両下方向に配置され、且つ、後荷物デッキ245の車両下方向の空間に同じ体積の自動運転機構208が収容される場合と比較して、後荷物デッキ245の車両前後方向の長さを短くできる。
従って、車両のサイズをコンパクトにしながら、フロアデッキ230の車両前後方向の長さを大きくすることができる。
2つの前輪203fl、203frは、その上端が乗客が着座できる状態の前シート212の下端より車両下方向に配置され、且つ、2つの後輪203bは、その上端が乗客が着座できる状態の後シート222の下端より車両下方向に配置される。2つの前輪203fl、203frの上端が前シート212の下端より車両下方向に配置されると、2つの前輪203fl、203frが車両に対して比較的低い位置に配置される。そして、2つの前輪203fl、203frが前荷物デッキ241の車両上方向に配置されたとしても、前荷物デッキ241の車両下方向の空間を大きくできる。そして、大きくなった前荷物デッキ241より車両下方向の空間のより車両前方向に、自動運転機構208を収容できる。そのため、2つの前輪203fl、203frの上端が前シート212の下端と同じかそれより車両上方向に配置され、且つ、前荷物デッキ241の車両下方向の空間に同じ体積の自動運転機構が収容される場合と比べて、前荷物デッキ241の車両前後方向の長さを短くできる。また、2つの後輪203bの上端が乗客が着座できる状態の後シート222の下端より車両上方向に配置されると、後輪203bが車両に対して比較的低い位置に配置される。そして、2つの後輪203bが後荷物デッキ245の車両上方向に配置されたとしても、後荷物デッキ245の車両下方向の空間を大きくできる。そして、大きくなった後荷物デッキ245より車両下方向の空間のより車両後方向に、自動運転機構208を収容できる。そのため、2つの後輪203bの上端が後シート222の下端と同じかそれより車両上方向に配置され、且つ、後荷物デッキ245の車両下方向の空間に同じ体積の自動運転機構が収容される場合と比べて、後荷物デッキ245の車両前後方向の長さを短くできる。
従って、車両のサイズをコンパクトにしながら、フロアデッキ230の車両前後方向の長さを大きくすることができる。
前荷物デッキ241の車両前後方向の長さLf2および後荷物デッキ245の車両前後方向の長さLr2の合計の長さが、フロアデッキの車両前後方向の長さLc2より短い。この構成によると、車両全体の車両前後方向の長さが一定である場合において、前荷物デッキ241の車両前後方向の長さLf2および後荷物デッキ245の車両前後方向の長さLr2の合計の長さがフロアデッキ230の車両前後方向の長さLc2より短い場合と比べて、フロアデッキ230の上面より車両上方向の空間が広くなる。そして、複数の乗客を乗車させつつ、車両のサイズをコンパクトにすることができる。
前荷物デッキ241の上面241uの車両上下方向の高さおよび後荷物デッキ245の上面245uの車両上下方向の高さが同じである。この構成によると、前荷物デッキ241および後荷物デッキ245の車両上下方向の高さに差がない。そのため、対面シート210が、(c)前バックレスト可変構造、(d)後バックレスト可変構造、(e)前荷物デッキ延長構造、(f)後荷物デッキ延長構造の構造を有する際に、前荷物デッキ241および後荷物デッキ245にまたがって車両前後方向に長い荷物をのせることができる。
対面シート式自動運転車両201は、4つの車輪203および自動運転機構208をさらに含む。自動運転機構208は、駆動源204と、操舵機構206と、自動運転制御装置207とを更に有する。駆動源204は、4つの車輪203の少なくとも一つに駆動力を付与する。操舵機構206は、4つの車輪203の少なくとも一つを操舵する。自動運転制御装置207は、駆動源204と操舵機構206を自動的に制御する。自動運転機構208の少なくとも一部は、前荷物デッキ241の下端より車両下方向に自動運転機構208が配置され、且つ、後荷物デッキ245の下端より車両下方向に自動運転機構208が配置される。つまり、自動運転機構208の少なくとも一部は、前荷物デッキ241および後荷物デッキ245の下端より車両下方向の空間に収容配置される。そのため、自動運転機構208の全部がフロアデッキ230の車両下方向に配置される場合に比べて、車両の高さを維持しつつ、フロアデッキ230の上面より車両上方向の空間を広く確保することができる。
自動運転機構208の少なくとも一部が、後シート222の後端より車両後方向の空間に配置される。この場合、自動運転機構208の少なくとも一部が、後シート222より後端の車両前方向で前シート212の前端より車両後方向の空間に配置される場合に比べて、フロアデッキ230の車両前後方向の空間を広く確保することができる。
対面シート210は、着座可能な乗客の最大数が4人である。この構成によると、対面シート式自動運転車両201の車両内部の容積を小さくすることができる。これにより、車両をコンパクトにすることができる。
屋根部258は、その下面とフロアデッキ230の上面との間の車両上下方向の高さHi2がフロアデッキ230に大人の乗客が直立状態で立つことができない高さになるように配置される。この構成によると、対面シート式自動運転車両201の車両上下方向の長さを小さくすることができる。これにより、車両をコンパクトにすることができる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。以下、本発明の実施形態の変更例について説明する。
本発明の具体例1、2において、対面シート式自動運転車両101、201の対面シート110、201は、着座可能な乗客の最大数が4人であるように構成されたシートである。しかしながら、本発明の対面シート式自動運転車両の対面シートは、着座可能な乗客の最大数が2人以上6人以下であるように構成されたシートであればよい。
本発明の具体例2において、対面シート式自動運転車両201の進行方向は、車両前後方向の前方向である。なお、対面シート式自動運転車両201の進行方向は、対面シート式自動運転車両201が通常使用時に進む方向であり、一時的に進む方向は含まない。しかしながら、本発明の対面シート自動運転車両は、進行方向を車両前後方向の後方向に変更して走行することができるスイッチバック可能車両(Bi-directional vehicle)であってもよい。
本発明の具体例1、2において、対面シート式自動運転車両101、201の乗降口65、278は、車両左部に設けられる。しかしながら、本発明の対面シート式自動運転車両の乗降口は、車両右部に設けられてもよい。
本発明の具体例1、2において、駆動源105、204は、2つの後輪103br、103bl、203br、203blを駆動する。しかしながら、本発明の駆動源は、2つの前輪を駆動してもよい。本発明の駆動源は、4つの車輪の全てを駆動してもよい。本発明の駆動源は、複数の車輪の少なくとも一つの車輪を駆動してもよい。本発明の具体例において、駆動源は、電気モータおよびバッテリを含む駆動モータである。しかし、本発明の駆動源は、ガソリン等を用いるエンジンであってもよい。
本発明の具体例1、2において、制動機構107、205は、ディスクブレーキ装置で構成される。しかし、本発明の制動機構は、駆動モータによる回生ブレーキとディスクブレーキ装置を併用するものであってもよい。また、本発明の制動機構は、ドラムブレーキ装置等で構成されてもよい。
本発明の具体例1、2において、操舵機構106、206は、2つの前輪103f、203fを操舵して、対面シート式自動運転車両101、201の進行方向を制御する。しかしながら、本発明の操舵機構は、2つの後輪を操舵して、対面シート式自動運転車両の進行方向を制御してもよい。本発明の操舵機構は、4つの車輪の全てを操舵して、対面シート式自動運転車両の進行方向を制御してもよい。本発明の操舵機構は、複数の車輪の少なくとも一つの車輪を操舵して、対面シート式自動運転車両の進行方向を制御してもよい。
本発明の具体例1、2において、操舵機構106、206は自動運転制御装置108、207により制御される。しかしながら、本発明の操舵機構は、ステアリングホイールを備え、乗客がステアリングホイールを操作することによって制御可能に構成されるものであってもよい。ステアリングホイールは、円状部材で形成されて乗客により回転操作されるものもよいし、レバーで形成されて乗客により方向入力操作されるものでもよい。また、本発明の対面シート式自動運転車両は、自動運転モードと手動運転モードに切換え可能であってもよい。自動運転モードでは、操舵機構は自動運転制御装置により制御される。手動運転モードでは、操舵機構は乗客がステアリングホイールを操作することによって制御される。さらに、操舵機構は、着脱可能なステアリングホイールを有してもよい。そして、手動運転モードで走行される場合にステアリングホイールを取り付け、自動運転モードで走行される場合にステアリングホイールを取り外すものであってもよい。
本発明の具体例1、2において、駆動源105、204および制動機構107、205は自動運転制御装置108、207により制御される。しかしながら、本発明の対面シート式自動運転車両は、アクセルペダル、ブレーキペダル、クラッチペダルを備えてよい。駆動源は、乗客がアクセルペダルまたはクラッチペダルを操作することによって、制御可能に構成されるものであってよい。なお、クラッチペダルは備えなくてもよい。制動機構は、乗客がブレーキペダルを操作することによって、制御可能に構成されるものであってよい。また、本発明の対面シート式自動運転車両は、自動運転モードと手動運転モードに切換え可能であってもよい。自動運転モードでは、自動運転制御装置によって、対面シート式自動運転車両の走行が制御される。手動運転モードでは、乗客がアクセルペダルおよびブレーキペダルを操作することによって、対面シート式自動運転車両の走行が制御される。
本発明の具体例2において、前バックレスト213には、前延長部材214が取り付けられる。また、後バックレスト223には、後延長部材224が取り付けられる。しかしながら、本発明の対面シート式自動運転車両の前バックレストは、前延長部材が取り付けられなくてもよい。本発明の対面シート式自動運転車両の後バックレストは、後延長部材が取り付けられなくてもよい。
本発明の具体例2において、前バックレスト213の収納状態において、前バックレスト213の上端が前荷物デッキ241の上面と同じ高さに配置される。また、後バックレスト223の収納状態において、後バックレスト223の上端が後荷物デッキ245の上面と同じ高さに配置される。しかしながら、本発明の対面シート式自動運転車両において、前バックレストが乗員の姿勢を保つための状態ではないときに、前バックレストの上端が前荷物デッキの上面より車両下方向に配置されてもよい。また、後バックレストが乗員の姿勢を保つための状態ではないときに、後バックレストの上端が後荷物デッキの上面より車両下方向に配置されてもよい。
本発明の具体例1において、前トレー部179afは、その上面が前シート121fの上端より車両上方向に配置される。後トレー部179arは、その上面が後シート121rの上端より車両上方向に配置される。本発明の具体例2において、前荷物デッキ241は、その上面241uが前シート212の上端より車両上方向に配置される。後荷物デッキ245は、その上面245uが後シート222の上端より車両上方向に配置される。しかしながら、本発明の対面シート式自動運転車両の前荷物デッキは、その上面が前シートの上端と同じかそれより車両下方向に配置されてもよい。また、本発明の対面シート式自動運転車両の後荷物デッキは、その上面が後シートの上端と同じかそれより車両下方向に配置されてもよい。
本発明の具体例1において、前トレー部179afは、その上面が前バックレスト122fの上端より車両下方向に配置される。また、後トレー部179arは、その上面が後バックレスト122rの上端より車両下方向に配置される。本発明の具体例2において、前荷物デッキ241は、その上面が前バックレスト213の上端より車両下方向に配置される。また、後荷物デッキ245は、その上面が後バックレスト223の上端より車両下方向に配置される。しかしながら、本発明の対面シート式自動運転車両において、前荷物デッキは、その上面が前バックレストの上端より車両上方向に配置されてもよい。また、後荷物デッキは、その上面が後バックレストの上端より車両上方向に配置されてもよい。例えば、図23の変形例の対面シート式自動運転車両301に示すように、前荷物デッキ341uは、その上面が前バックレスト13の上端より車両上方向に配置されてもよい。また、後荷物デッキ345は、その上面345uが後バックレスト23の上端より車両上方向に配置されてもよい。この構成によると、前荷物デッキの上面が前バックレストの上端より車両上方向に配置されると、前荷物デッキより車両下方向の空間を大きくできる。そして、大きくなった前荷物デッキより車両下方向の空間のより車両前方向に、自動運転機構を収容できる。つまり、前荷物デッキの上面が前バックレストの上端と同じかそれより車両下方向に配置される場合と比べて、前荷物デッキの車両前後方向の長さを短くできる。後荷物デッキの上面が後バックレストの上端より車両上方向に配置されると、後荷物デッキより車両下方向の空間を大きくできる。そして、大きくなった後荷物デッキより車両下方向の空間のより車両後方向に、自動運転機構を収容できる。つまり、後荷物デッキの上面が後バックレストの上端と同じかそれより車両下方向に配置される場合と比較して、後荷物デッキの車両前後方向の長さを短くできる。従って、車両のサイズをコンパクトにしながら、フロアデッキの車両前後方向の長さを大きくすることができる。
本発明の具体例2において、床フレーム252より車両上方向であって、後荷物デッキ245の下端より車両下方向には、自動運転機構208の自動運転制御装置207が配置される。本発明の対面シート式自動運転車両の前シートアセンブリは、さらに、前荷物デッキの下端より車両下方向に、自動運転機構が配置されてもよい。
本発明の具体例1、2において、前シートアセンブリ120f、211は、前バックレスト122f、213を含む。また、後シートアセンブリ120b、221は、後バックレスト122r、223を含む。しかしながら、本発明の対面シート式自動運転車両の前シートアセンブリは、前バックレストを含まなくてもよい。また、本発明の対面シート式自動運転車両の後シートアセンブリは、後バックレストを含まなくてもよい。
本発明の具体例1、2において、前シート121f、212および後シート121r、222は揺動可能に構成される。しかしながら、本発明の対面シート式自動運転車両において、前シートおよび後シートは取り外し可能に構成されてもよい。また、本発明の具体例2において、前バックレスト213、後バックレスト223は揺動可能に構成される。しかしながら、本発明の対面シート式自動運転車両において、前バックレストおよび後バックレストは取り外し可能に構成されてもよい。また、本発明の対面シート式自動運転車両の前シートおよび後シートは、固定されてもよい。
本発明の具体例2において、前バックレスト213および後バックレスト223は揺動する。しかしながら、本発明の対面シート式自動運転車両の前バックレストおよび後バックレストは、固定されてもよい。
本発明の具体例1において、対面シート110は、乗客が着座できる状態の前シート121fの後端と乗客が着座できる状態の後シート121rの前端との間の車両前後方向の長さが、2つのトレー部179aの車両前後方向の長さを合計した長さより短い。また、本発明の具体例2において、対面シート210は、乗客Ofが着座できる状態の前シート212の後端と乗客Orが着座できる状態の後シート222の前端との間の車両前後方向の長さLcs2が、前荷物デッキ241の車両前後方向の長さLf2および後荷物デッキ245の車両前後方向の長さLr2を合計した長さより短い。しかしながら、本発明の対面シート式自動運転車両の対面シートは、乗客が着座できる状態の前シートの後端と乗客が着座できる状態の後シートの前端との間の車両前後方向の長さが、前荷物デッキの車両前後方向の長さおよび後荷物デッキの車両前後方向の長さを合計した長さと同じかそれより長くてよい。
本発明の具体例2において、前荷物デッキ241、右サイドカバー262rおよび後荷物デッキ245の上面の外縁にパイプ状の柵266が配置される。しかしながら、本発明の対面シート式自動運転車両において、柵は配置されなくてよい。
本発明の具体例1、2において、前シート121f、212の前端は、フロアデッキ178、230の前端より車両前方向にある。本発明の具体例1、2において、後シート121r、222の後端は、フロアデッキ178、230の後端より車両後方向にある。しかし、本発明の前シートの前端は、車両前後方向において、フロアデッキの前端と同じかそれより車両後方向にあってもよい。また、本発明の後シートの後端は、車両前後方向において、フロアデッキの後端と同じかそれより車両後方向にあってもよい。
本発明の具体例1において、2つのトレー部179aは、それらの上面の車両上下方向の高さが同じであるように配置される。また、本発明の具体例2において、前荷物デッキ241および後荷物デッキ245は、前荷物デッキ241の上面の車両上下方向の高さHf2および後荷物デッキ245の上面の車両上下方向の高さHr2が同じであるように配置される。しかしながら、本発明の対面シート式自動運転車両において、前荷物デッキおよび後荷物デッキは、前荷物デッキの上面の車両上下方向の高さおよび後荷物デッキの上面の車両上下方向の高さが同じであるように配置されなくてよい。例えば、図24の変形例の対面シート式自動運転車両401に示すように、前荷物デッキ441および後荷物デッキ45は、前荷物デッキ441の上面441uの車両上下方向の高さが、後荷物デッキ45の上面45uの車両上下方向の高さより低くなるように配置されてもよい。また、例えば、図25の変形例の対面シート式自動運転車両501に示すように、前荷物デッキ41および後荷物デッキ545は、後荷物デッキ545の上面545uの車両上下方向の高さが、前荷物デッキ41の上面41uの車両上下方向の高さより低くなるように配置されてもよい。
本発明の具体例1において、対面シート110は、(a)前シート可変構造および(b)後シート可変構造を有する。しかしながら、本発明の具体例1の対面シート式自動運転車両において、対面シートは、さらに、(c)前バックレスト可変構造および(d)後バックレスト可変構造を有してもよい。ここで、対面シート110が、さらに、(c)前バックレスト可変構造および(d)後バックレスト可変構造を有する場合の対面シート式自動運転車両101を図10に基づいて説明する。
図10に示すように、対面シート式自動運転車両101は、2つの格納スペース123を有してよい。2つの格納スペース123は、前格納スペース123fおよび後格納スペース123rを含む。前格納スペース123fは、前荷物デッキ123fdにより構成される。前荷物デッキ123fdは、車両前後方向において、一部が、前シート121fの前バックレスト122fの前端より前方向に配置される。前荷物デッキ123fdは、前トレー部179afより車両上下方向の下方向に配置される。また、後格納スペース123rは、後荷物デッキ123rdにより構成される。後荷物デッキ123rdは、車両前後方向において、一部が、後シート121rの後バックレスト122rの後端より後方向に配置される。後荷物デッキ123rdは、後トレー部179arより車両上下方向の下方向に配置される。
前バックレスト122fおよび後バックレスト122rは、2つの格納スペース123を開閉可能に構成されていてもよい。例えば、前バックレスト122fおよび後バックレスト122rは、前シート121fおよび後シート121rに対して、姿勢保持状態と収納状態(非姿勢保持状態)との間で揺動可能に構成される。前バックレスト122fおよび後バックレスト122rの収納状態では、前バックレスト122fおよび後バックレスト122rが揺動されて、前バックレスト122fおよび後バックレスト122rが、それぞれ、前シート121fおよび後シート121rと向かい合うように配置される。そして、前バックレスト122fおよび後バックレスト122rの収納状態では、格納スペース123f、123rが開口される。前バックレスト122fおよび後バックレスト122rが収納状態から揺動されて姿勢保持状態となると、格納スペース123f、123rが閉じられる。また、例えば、前バックレスト122fおよび後バックレスト122rは、姿勢保持状態から、取り外された状態(非姿勢保持状態)へ着脱可能に形成される。そして、前バックレスト122fおよび後バックレスト122rの取り外し状態では、前バックレスト122fおよび後バックレスト122rが取り外されて、格納スペース123f、123rが開口する。前バックレスト122fおよび後バックレスト122rの姿勢保持状態では、前バックレスト122fおよび後バックレスト122rが取り付けられており、格納スペース123f、123rが閉じている。
つまり、前バックレスト122fおよび後バックレスト122rは、車両前後方向に見た面積が変更可能に構成される。また、前バックレスト122fおよび後バックレスト122rは、例えば、姿勢保持状態と、収納状態との間で車両前後方向に見た面積が変更可能に形成される。ここで、前バックレスト122fおよび後バックレスト122rの姿勢保持状態では、車両前後方向に見た前バックレスト122fおよび後バックレスト122rの面積が最大になる。前バックレスト122fおよび後バックレスト122rの収納状態または取り外し状態では、前バックレスト122fおよび後バックレスト122rの姿勢保持状態と比較して、車両前後方向に見た前バックレスト122fおよび後バックレスト122rの面積が小さくなる。つまり、前バックレスト122fおよび後バックレスト122rは前格納スペース123fおよび後格納スペース123rが閉じている閉状態と、前格納スペース123fおよび後格納スペース123rが開いている開状態との間で変更可能に形成される。前バックレスト122fおよび後バックレスト122rの収納状態または取り外し状態では、前格納スペース123fおよび後格納スペース123rが開放され、前荷物デッキ123fdおよび後荷物デッキ123rdに荷物を置くことができるようになる。
本発明の具体例1、2において、前シート121f、212は、乗員が着座できる状態から車両前方向且つ車両上方向に揺動される。本発明の具体例1、2において、後シート121r、222は、乗員が着座できる状態から車両後方向且つ車両上方向に揺動される。
しかし、本発明の対面シートが前シート可変構造を有する場合、前シートは、乗員が着座できる状態から車両前方向且つ車両下方向に揺動されてもよい。本発明の対面シートが後シート可変構造を有する場合、後シートは、乗員が着座できる状態から車両後方向且つ車両下方向に揺動されてもよい。
本発明の具体例1、2において、前バックレスト122f、213は、乗員の姿勢を保つための状態から車両後方向且つ車両下方向に揺動される。本発明の具体例1、2において、後バックレスト121r、223は、乗員の姿勢を保つための状態から車両前方向且つ車両下方向に揺動される。しかし、本発明の対面シートが前バックレスト可変構造を有する場合、前バックレストは、乗員の姿勢を保つための状態から車両前方向且つ車両下方向に揺動されてもよい。また、前バックレストの上端部が揺動可能に支持されている場合、前バックレストは、乗員の姿勢を保つための状態から車両後方向且つ車両上方向に揺動されてもよく、乗員の姿勢を保つための状態から車両前方向且つ車両上方向に揺動されてもよい。また、本発明の対面シートが後バックレスト可変構造を有する場合、後バックレストは、乗員の姿勢を保つための状態から車両後方向且つ車両下方向に揺動されてもよい。また、後バックレストの上端部が揺動可能に支持されている場合、後バックレストは、乗員の姿勢を保つための状態から車両前方向且つ車両上方向に揺動されてもよく、乗員の姿勢を保つための状態から車両後方向且つ車両上方向に揺動されてもよい。
本発明の具体例1、2において、前シート121f、212のほぼ全体が、乗員が着座できる状態から移動可能である。本発明の具体例1、2において、後シート121r、222のほぼ全体が、乗員が着座できる状態から移動可能である。しかし、本発明の対面シートが前シート可変構造を有する場合、前シートは、その一部分のみが、乗員の姿勢を保つための状態から移動可能であってもよい。例えば、前シートの前部が固定されており、前シートの後部のみが車両前後方向および車両上下方向に揺動可能であってもよい。本発明の対面シートが後シート可変構造を有する場合、後シートは、その一部分のみが、乗員の姿勢を保つための状態から移動可能であってもよい。例えば、後シートの後部が固定されており、後シートの前部のみが車両前後方向および車両上下方向に揺動可能であってもよい。
本発明の具体例1、2において、前バックレスト122f、213のほぼ全体が、乗員の姿勢を保つための状態から移動可能である。本発明の具体例1、2において、後バックレスト121r、223のほぼ全体が、乗員の姿勢を保つための状態から移動可能である。しかし、本発明の対面シートが前バックレスト可変構造を有する場合、前バックレストは、その一部分のみが、乗員の姿勢を保つための状態から移動可能であってもよい。例えば、前バックレストの下部が固定されており、前バックレストの上部のみが車両前後方向および車両上下方向に揺動可能であってもよい。本発明の対面シートが後バックレスト可変構造を有する場合、後バックレストは、その一部分のみが、乗員の姿勢を保つための状態から移動可能であってもよい。例えば、後バックレストの下部が固定されており、後バックレストの上部のみが車両前後方向および車両上下方向に揺動可能であってもよい。
本発明の具体例2において、対面シート210は、(a)前シート可変構造、(b)後シート可変構造、(c)前バックレスト可変構造、(d)後バックレスト可変構造、(e)前荷物デッキ延長構造、(f)後荷物デッキ延長構造を有する。しかしながら、本発明の対面シート式自動運転車両において、対面シートは、(a)前シート可変構造または(b)後シート可変構造、(c)前バックレスト可変構造または(d)後バックレスト可変構造、(e)前荷物デッキ延長構造または(f)後荷物デッキ延長構造を有してもよい。
ここで、本発明の対面シート式自動運転車両において、対面シートは、(a)〜(h)の構造を1つまたは2つ有してもよい。対面シートが(a)〜(h)の構造を1つまたは2つでも有していれば、車両のサイズをコンパクトにしながら、乗客と荷物を両方載せられる車両の利便性を高めることができる。例えば、本発明の対面シート式自動運転車両において、対面シートは、(a)前シート可変構造のみ、(b)後シート可変構造のみ、または、(a)前シート可変構造および(b)後シート可変構造のみを有してもよい。また、本発明の対面シート式自動運転車両において、対面シートは、(c)前バックレスト可変構造のみ、(d)後バックレスト可変構造のみ、または、(c)前バックレスト可変構造および(d)後バックレスト可変構造のみを有してもよい。また、本発明の対面シート式自動運転車両において、対面シートは、(e)前荷物デッキ延長構造のみ、(f)後荷物デッキ延長構造のみ、または、(e)前荷物デッキ延長構造および(f)後荷物デッキ延長構造のみを有してもよい。また、本発明の対面シート式自動運転車両において、対面シートは、(g)前シート延長構造のみ、(h)後シート延長構造のみ、または、(g)前シート延長構造および(h)後シート延長構造のみを有してもよい。
ここで、本発明の対面シート式自動運転車両において、対面シートは、(a)〜(h)の構造の2〜4つを組み合わせて有してもよい。対面シートが(a)〜(h)の2〜4つの構造を有していれば、車両のサイズをコンパクトにしながら、乗客と荷物を両方載せられる車両の利便性をより高めることができる。例えば、本発明の対面シート式自動運転車両において、対面シートは、(a)前シート可変構造、(b)後シート可変構造、または、(a)前シート可変構造および(b)後シート可変構造と、(c)前バックレスト可変構造、(d)後バックレスト可変構造、または、(c)前バックレスト可変構造および(d)後バックレスト可変構造とを有してもよい。また、本発明の対面シート式自動運転車両において、対面シートは、(a)前シート可変構造、(b)後シート可変構造、または、(a)前シート可変構造および(b)後シート可変構造と、(e)前荷物デッキ延長構造、(f)後荷物デッキ延長構造、または、(e)前荷物デッキ延長構造および(f)後荷物デッキ延長構造とを有してもよい。また、本発明の対面シート式自動運転車両において、対面シートは、(a)前シート可変構造、(b)後シート可変構造、または、(a)前シート可変構造および(b)後シート可変構造と、(g)前シート延長構造、(h)後シート延長構造、または、(g)前シート延長構造および(h)後シート延長構造とを有してもよい。また、本発明の対面シート式自動運転車両において、対面シートは、(c)前バックレスト可変構造、(d)後バックレスト可変構造、または、(c)前バックレスト可変構造および(d)後バックレスト可変構造と、(e)前荷物デッキ延長構造、(f)後荷物デッキ延長構造、または、(e)前荷物デッキ延長構造および(f)後荷物デッキ延長構造とを有してもよい。また、本発明の対面シート式自動運転車両において、対面シートは、(c)前バックレスト可変構造、(d)後バックレスト可変構造、または、(c)前バックレスト可変構造および(d)後バックレスト可変構造と、(g)前シート延長構造、(h)後シート延長構造、または、(g)前シート延長構造および(h)後シート延長構造とを有してもよい。また、本発明の対面シート式自動運転車両において、対面シートは、(e)前荷物デッキ延長構造、(f)後荷物デッキ延長構造、または、(e)前荷物デッキ延長構造および(f)後荷物デッキ延長構造と、(g)前シート延長構造、(h)後シート延長構造、または、(g)前シート延長構造および(h)後シート延長構造とを有してもよい。
ここで、本発明の対面シート式自動運転車両において、対面シートは、(a)〜(h)の構造の3つまたは6つを組み合わせて有してもよい。対面シートが(a)〜(h)の3〜6つの構造を有していれば、車両のサイズをコンパクトにしながら、乗客と荷物を両方載せられる車両の利便性をより高めることができる。本発明の対面シート式自動運転車両において、対面シートは、(a)前シート可変構造、(b)後シート可変構造、または、(a)前シート可変構造および(b)後シート可変構造と、(c)前バックレスト可変構造、(d)後バックレスト可変構造、または、(c)前バックレスト可変構造および(d)後バックレスト可変構造と、(g)前シート延長構造、(h)後シート延長構造、または、(g)前シート延長構造および(h)後シート延長構造とを有してもよい。また、本発明の対面シート式自動運転車両において、対面シートは、(a)前シート可変構造、(b)後シート可変構造、または、(a)前シート可変構造および(b)後シート可変構造と、(e)前荷物デッキ延長構造、(f)後荷物デッキ延長構造、または、(e)前荷物デッキ延長構造および(f)後荷物デッキ延長構造と、(g)前シート延長構造、(h)後シート延長構造、または、(g)前シート延長構造および(h)後シート延長構造とを有してもよい。また、本発明の対面シート式自動運転車両において、対面シートは、(c)前バックレスト可変構造、(d)後バックレスト可変構造、または、(c)前バックレスト可変構造および(d)後バックレスト可変構造と、(e)前荷物デッキ延長構造、(f)後荷物デッキ延長構造、または、(e)前荷物デッキ延長構造および(f)後荷物デッキ延長構造と、(g)前シート延長構造、(h)後シート延長構造、または、(g)前シート延長構造および(h)後シート延長構造とを有してもよい。
ここで、本発明の対面シート式自動運転車両において、対面シートは、(a)〜(h)の構造の4〜8つ組み合わせて有してもよい。対面シートが(a)〜(h)の4〜8つの構造を有していれば、車両のサイズをコンパクトにしながら、乗客と荷物を両方載せられる車両の利便性をより高めることができる。本発明の対面シート式自動運転車両において、対面シートは、(a)前シート可変構造、(b)後シート可変構造、または、(a)前シート可変構造および(b)後シート可変構造と、(c)前バックレスト可変構造、(d)後バックレスト可変構造、または、(c)前バックレスト可変構造および(d)後バックレスト可変構造と、(e)前荷物デッキ延長構造、(f)後荷物デッキ延長構造、または、(e)前荷物デッキ延長構造および(f)後荷物デッキ延長構造と、(g)前シート延長構造、(h)後シート延長構造、または、(g)前シート延長構造および(h)後シート延長構造とを有してもよい。