JPWO2019059169A1 - 透明感光性樹脂組成物、フォトスペーサー、液晶表示装置、フォトスペーサーの製造方法、液晶表示装置の製造方法および透明感光性樹脂組成物のレンズスキャン露光への使用 - Google Patents

透明感光性樹脂組成物、フォトスペーサー、液晶表示装置、フォトスペーサーの製造方法、液晶表示装置の製造方法および透明感光性樹脂組成物のレンズスキャン露光への使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、フォトスペーサーの高さのばらつきを抑制した、塑性変形しにくい、すなわち高弾性復元率のフォトスペーサーを両立して形成することができる、透明感光性樹脂組成物と、これを用いたフォトスペーサー、液晶表示装置、フォトスペーサーの製造方法、液晶表示装置の製造方法および透明感光性樹脂組成物のレンズスキャン露光への使用を提供することを目的とする。本発明は、少なくともアルカリ可溶性樹脂、光重合開始剤および重合性モノマーを含有する透明感光性樹脂組成物であって、前記アルカリ可溶性樹脂が
A)下記一般式(1)で表される構造単位と、
B)下記一般式(2)で表される構造単位と、
C)下記一般式(3)で表される構造単位を有し、
前記アルカリ可溶性樹脂のエチレン性不飽和基当量が400g/mol以下である透明感光性樹脂組成物。
【化1】
Figure 2019059169

(上記一般式(1)中、Rは水素原子またはメチル基を示す。)
【化2】
Figure 2019059169

(上記一般式(2)中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を示す。Xは−CHCH(OH)CHO(C=O)−、−CHCHNH(C=O)O(CHO(C=O)−または−(CHO(C=O)NHCHCHO(C=O)−を示す。ただし、mおよびnはそれぞれ独立に1〜4の整数を示す。)
【化3】
Figure 2019059169

(上記一般式(3)中、Yは置換基を有していてもよい炭素数6〜11のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜10のアラルキル基または置換基を有していてもよい炭素数3〜10のシクロアルキル基を示す。)

Description

本発明は、透明感光性樹脂組成物、フォトスペーサー、液晶表示装置、フォトスペーサーの製造方法、液晶表示装置の製造方法および透明感光性樹脂組成物のレンズスキャン露光への使用に関する。
液晶表示装置は、軽量、薄型、低消費電力等の特性を活かし、ノートパソコン、携帯情報端末、スマートフォン、デジタルカメラおよびデスクトップモニタ等の様々な用途で使用されている。
液晶表示装置は、カラーフィルター基板とTFT(Thin Film Transistor)基板との間に、所定の配向により画像表示を可能とする液晶層を備えており、これらの基板の間隔(セルギャップ)を均一に保つことは、画質を左右する重要な要素の一つである。
従来は、セルギャップを均一に保つために、所定の粒子径を有するガラスやアルミナ等のスペーサー粒子が使用されていた。これらスペーサー粒子は基板上にランダムに散布されるため、膜厚ばらつきによる表示ムラなどの課題があった。
かかる課題に対して、支持体フィルムと膜厚が1〜10μmである感光性樹脂層とからなる液晶ディスプレー用の樹脂スペーサーの形成に用いられる樹脂スペーサー形成用感光性フィルムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1に記載された樹脂スペーサーを用いても、カラーフィルターとTFTアレイ基板との組み立て(セル圧着)時に塑性変形するため、スペーサーの高さばらつきにより、なお表示ムラが生じやすい課題があった。
スペーサーの塑性変形を抑制する技術として、これまでに、基板上の非表示部領域に複数の柱状スペーサーを設けてなり、当該柱状スペーサーは室温において2.0GPaの圧縮荷重に対して弾性変形率が60%以上であることを特徴とする、液晶パネル用基板(例えば、特許文献2参照)や、アルカリ可溶性樹脂、光重合開始剤、及び重合性モノマーを主成分とするスペーサー用感光性樹脂組成物であって、これら感光性樹脂組成物全体のアクリル当量が200以下であることを特徴とするスペーサー用感光性樹脂組成物(例えば、特許文献3参照)などが提案されている。
一方で、面取り数を増やして歩留まりを向上させるために、マザーガラス基板の大型化が進んでおり、小さなマスクを使用して広い露光領域を有する基板を露光する技術として、基板搬送手段によって一定速度で一定方向に搬送されている状態の基板に対して、露光部で連続光源からの露光光を露光光学系の光路上に設けたマスクの開口部を通して照射し、前記基板上に前記開口部の像を転写するスキャン露光方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開平11−174464号公報 特開2003−241199号公報 特開2005−292269号公報 特開2006−292955号公報
特許文献2、3に記載の柱状スペーサーの弾性変形率を高くする手段としては、感光性樹脂組成物に官能基数の多いモノマーを多量に含有する方法が挙げられるが、モノマーを多量に含有する感光性樹脂組成物の塗布膜は、乾燥後であっても流動性が高く、生産工程において膜厚ムラが生じやすいことから、フォトスペーサーの高さにばらつきが生じやすい課題があった。
一方、特許文献4のスキャン露光方法において、特に複数のレンズを二列に並べるレンズスキャン方式の露光においては、通常部よりも露光量が低くなるレンズとレンズとの継目の部分において、2回の露光で通常部と同一露光量になるように設計されており、広範囲の焼付けが可能となっている。
しかしながら、特許文献2、3に記載されるようなモノマーを多量に含有する感光性樹脂組成物をレンズスキャン方式により露光すると、レンズとレンズとの継目の部分で形成されるフォトスペーサーの高さのばらつきが大きくなる課題があった。フォトスペーサーの高さのばらつきは液晶表示装置の表示ムラの原因となるため、フォトスペーサーを均一な高さに形成することが求められている。
また、従来の露光方式であるプロキシミティ方式の露光の場合、フォトスペーサー間の距離が15μm程度以下になると、回折光の影響により、フォトスペーサー同士が連結しやすい傾向にある。かかる連結を回避するために、一つの版をずらして多重露光するマルチパターニングが提案されている。しかしながら、マルチパターニングにおいても、最初の露光後のプリベイク膜の流動により、次の露光部分の膜厚が薄くなり、フォトスペーサーの高さのばらつきが大きくなる課題があった。
そこで本発明は、フォトスペーサーの高さのばらつきを抑制した、塑性変形しにくい、すなわち高弾性復元率のフォトスペーサーを両立して形成することができる、透明感光性樹脂組成物と、これを用いたフォトスペーサー、液晶表示装置、フォトスペーサーの製造方法、液晶表示装置の製造方法および透明感光性樹脂組成物のレンズスキャン露光への使用を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は主として以下の構成を有する。
少なくともアルカリ可溶性樹脂、光重合開始剤および重合性モノマーを含有する透明感光性樹脂組成物であって、前記アルカリ可溶性樹脂が
A)下記一般式(1)で表される構造単位と、
B)下記一般式(2)で表される構造単位と、
C)下記一般式(3)で表される構造単位を有し、
前記アルカリ可溶性樹脂のエチレン性不飽和基当量が400g/mol以下である透明感光性樹脂組成物。
Figure 2019059169
上記一般式(1)中、Rは水素原子またはメチル基を示す。
Figure 2019059169
上記一般式(2)中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を示す。Xは−CHCH(OH)CHO(C=O)−、−CHCHNH(C=O)O(CHO(C=O)−または−(CHO(C=O)NHCHCHO(C=O)−を示す。ただし、mおよびnはそれぞれ独立に1〜4の整数を示す。
Figure 2019059169
上記一般式(3)中、Yは置換基を有していてもよい炭素数6〜11のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜10のアラルキル基または置換基を有していてもよい炭素数3〜10のシクロアルキル基を示す。
本発明の透明感光性樹脂組成物によれば、フォトスペーサーの高さのばらつきが大きくなりやすいレンズスキャン方式やプロキシミティ方式で露光した場合においても、高さのばらつきを抑制した、高弾性復元率のフォトスペーサーを形成することができる。
フォトスペーサーの弾性特性を表すヒステリシス曲線の一例を示す概略図である。
本発明の透明感光性樹脂組成物(以下、「感光性樹脂組成物」と記載する場合がある)は、少なくともアルカリ可溶性樹脂、光重合開始剤および重合性モノマーを含有する。光重合開始剤および重合性モノマーを含有することにより、露光部を光硬化し、アルカリ現像液に対して不溶化させることができ、アルカリ可溶性樹脂を含有することにより、アルカリ現像液を用いて未露光部を除去することができることから、露光および現像により所望のパターンを形成することができる。
本発明における「透明」とは、感光性樹脂組成物を光硬化させて厚さ3μmの硬化膜としたときの、波長400〜700nmにおける光線透過率が80%以上であることを言う。本発明の感光性樹脂組成物は、波長400〜700nmにおける光線透過率を高くするために、顔料や染料などの着色剤を実質的に含まないことが好ましい。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂とは、後述する一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂を言う。カルボキシル基を有することにより、アルカリ現像液に対する溶解性を高めることができる。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂は、A)下記一般式(1)で表される構造単位と、B)下記一般式(2)で表される構造単位と、C)下記一般式(3)で表される構造単位を有する。下記一般式(1)で表される構造単位を有することにより、アルカリ現像液に対する樹脂の溶解性を向上させることができる。下記一般式(2)で表される構造単位を有することにより、アルカリ可溶性樹脂の側鎖にエチレン性不飽和基を導入して、露光および現像における感度とフォトスペーサーの弾性復元率を向上させることができる。下記一般式(3)で表される構造単位を有することにより、フォトスペーサーの高さのばらつきを抑制することができる。
Figure 2019059169
上記一般式(1)中、Rは水素原子またはメチル基を示す。Rはメチル基が好ましく、プリベイク膜の粘度を高め、高さのばらつきをより抑制することができる。
Figure 2019059169
上記一般式(2)中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を示す。Xは−CHCH(OH)CHO(C=O)−、−CHCHNH(C=O)O(CHO(C=O)−または−(CHO(C=O)NHCHCHO(C=O)−を示す。ただし、mおよびnはそれぞれ独立に1〜4の整数を示す。
Figure 2019059169
上記一般式(3)中、Yは置換基を有していてもよい炭素数6〜11のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜10のアラルキル基または置換基を有していてもよい炭素数3〜10のシクロアルキル基を示す。Yは置換基を有していてもよい炭素数3〜10のシクロアルキル基が好ましく、シクロヘキシル基がより好ましく、プリベイク膜の粘度をより高め、高さのばらつきをより抑制することができる。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂は、例えば、前記一般式(1)で表される構造単位を構成する共重合成分、前記一般式(2)で表される構造単位を構成する共重合成分および前記一般式(3)で表される構造単位を構成する共重合成分を共重合することにより得ることができる。さらに他の共重合成分を共重合してもよい。
前記一般式(1)で表される構造単位と前記一般式(3)で表される構造単位を有するアクリル重合体のカルボキシル基に対して、グリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物を付加反応させることにより、前記一般式(2)で表される構造単位を導入することができる。同様にして、前記一般式(1)で表される構造単位と前記一般式(3)で表される構造単位を有するアクリル重合体のグリシジル基、水酸基、イソシアネート基に対して、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物、イソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物、水酸基を有するエチレン性不飽和化合物をそれぞれ付加反応させることによっても、前記一般式(2)で表される構造単位を導入することができる。
前記一般式(1)で表される構造単位を構成する共重合成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。これらの中でも、メタクリル酸が好ましく、プリベイク膜の粘度をより高め、高さのばらつきをより抑制することができる。
前記一般式(2)で表される構造単位を構成する共重合成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸;グリシジル(メタ)アクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレートや2−ヒドロキシエチル(メタ)クリレートなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。これらの中でも、(メタ)アクリル酸にグリシジル(メタ)アクリレートを付加することが好ましい。
前記一般式(3)で表される構造単位を構成する共重合成分としては、例えば、N−ベンジルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。これらの中でもN−シクロヘキシルマレイミドが好ましく、プリベイク膜の粘度をより高め、高さのばらつきをより抑制することができる。
他の共重合成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸アルキルエステル;アミノエチルアクリレート等の不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル、フタル酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)等の多価カルボン酸モノエステル;スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル;(メタ)アクリロニトリル、α−クロル(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;1,3−ブタジエン、イソプレン等の脂肪族共役ジエン;ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートなどのトリシクロデカン骨格またはジシクロペンタジエン骨格を有するエチレン性不飽和化合物;クロトン酸、ビニル酢酸などのモノカルボン酸またはその酸無水物;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのジカルボン酸またはその酸無水物などが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂の構造単位の総和を100mol%としたとき、前記一般式(3)で表される構造単位量は、10〜23mol%が好ましい。前記一般式(3)で表される構造単位量が10mol%以上であると、乾燥粘度をより高めることができ、15mol%以上であるとプリベイク膜の粘度をより高めることができ好ましい。一方、前記一般式(3)で表される構造単位量が23mol%以下であると、エチレン性不飽和結合当量と酸価を、後述する好ましい範囲に容易に調整することができる。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂のエチレン性不飽和基当量は、400g/mol以下である。エチレン性不飽和基当量が400g/molを超えると、フォトスペーサーの架橋密度が低下し、弾性復元率が低下する。アルカリ可溶性樹脂のエチレン性不飽和基当量は、360g/mol以下が好ましく、300g/mol以下がより好ましい。
ここで、エチレン性不飽和基当量とは、エチレン性不飽和基1モルに対するグラム数のことをいい、その値が小さい方が、含まれるエチレン性不飽和基の量が多くなる。例えば、エチレン性不飽和基を有するB)前記一般式(2)で表される構造単位の含有比率が高いほど、エチレン性不飽和基当量は小さくなる。アルカリ可溶性樹脂のエチレン性不飽和基当量は、エチレン性不飽和基を有する化合物の共重合比により所望の範囲に調整することができる。なお、エチレン性不飽和基当量は、JIS K 0070:1992の試験方法第6.0項に記載の方法によりヨウ素価を測定することによって算出することができる。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(「Mw」)は、10,000〜100,000が好ましい。Mwを10,000以上とすることにより、プリベイク膜の粘度を高め、高さのばらつきをより抑制することができる。Mwは20,000以上がより好ましい。一方、Mwを100,000以下とすることにより、パターン表面の凹凸を抑制し、パターンの表面形状を向上させることができる。Mwは80,000以下がより好ましい。ここで、本発明におけるアルカリ可溶性樹脂のMwは、標準ポリスチレンによる換算値であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定することができる。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の酸価は、60〜100mgKOH/gが好ましい。酸価を60mgKOH/g以上とすることにより、高さばらつきをより低減することができる。酸価は65mgKOH/g以上がより好ましい。一方、酸価を100mgKOH/g以下とすることにより、パターン表面の凹凸を抑制し、パターンの表面形状を向上させることができる。酸価は95mgKOH/g以下がより好ましい。アルカリ可溶性樹脂の酸価は、カルボキシル基を有する化合物の共重合比により所望の範囲に調整することができる。ここで、本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の酸価は、JIS K 0070:1992の試験方法第3.1項の中和滴定法により求めることができる。なお、固形分濃度30質量%程度のアルカリ可溶性樹脂溶液を用いて測定する場合には、アルカリ可溶性樹脂溶液5gをアルミ製カップ(φ45mm)に入れ、130℃で1時間加熱して溶剤を除去することにより、酸価の測定に必要な量のアルカリ可溶性樹脂固形分を得ることができる。
アルカリ可溶性樹脂が(メタ)アクリル酸にグリシジル(メタ)アクリレートを付加して得られるものである場合、アルカリ可溶性樹脂とともに、未反応のグリシジル(メタ)アクリレートが残存する場合がある。グリシジル(メタ)アクリレートの残存量は、上記で求めた方法での固形分あたり0.001〜0.500質量%が好ましい。グリシジル(メタ)アクリレートの残存量を0.001質量%以上とすることにより、グリシジル(メタ)アクリレートの除去のための加熱時間が長くならずに済み、加熱によるアルカリ可溶性樹脂のゲル化を抑制することができる。一方、グリシジル(メタ)アクリレートの残存量を0.500質量%以下とすることにより、現像時の欠落を抑制することができる。0.2%以下がより好ましく、0.03%以下がさらにより好ましい。ここで、アルカリ可溶性樹脂のグリシジル(メタ)アクリレートの残存量は、アルカリ可溶性樹脂溶液からガスクロマトグラフィーを用いて測定したグリシジル(メタ)アクリレート量とアルカリ樹脂溶液の固形分濃度とから求めることができる。
本発明の感光性樹脂組成物におけるアルカリ可溶性樹脂の含有量は、後述する重合性モノマー100質量部に対して25〜82質量部が好ましい。アルカリ可溶性樹脂の含有量を25質量部以上とすることにより、高さばらつきをより抑制することができる。アルカリ可溶性樹脂の含有量は、34質量部以上がより好ましい。一方、アルカリ可溶性樹脂の含有量を82質量部以下とすることにより、弾性復元率をより向上させることができる。アルカリ可溶性樹脂の含有量は、66質量部以下がより好ましく、62質量部以下がより好ましく、55質量部以下がさらに好ましく、40質量部以下がさらに好ましい。
本発明における光重合開始剤とは、光(紫外線または電子線を含む)により分解および/または反応し、ラジカルを発生させる化合物を言う。本発明の感光性樹脂組成物は、光重合開始剤を含有することにより、感度を向上させることができる。光重合開始剤としては、例えば、オキシムエステル系化合物、アルキルフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、イミダゾール系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾオキサゾール系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チタノセン系化合物などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
オキシムエステル系化合物としては、例えば、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)、“オプトマー”(商標登録)N−1919、NCI−831、NCI−930(以上、いずれも(株)ADEKA製)、“IRGACURE”(商標登録)OXE01、OXE02、OXE03(以上、いずれもBASFジャパン(株)製)などが挙げられる。
アルキルフェノン系化合物としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、“IRGACURE”(商標登録)907(BASFジャパン(株)製)などが挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
チオキサントン系化合物としては、例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロピルチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどが挙げられる。
イミダゾール系化合物としては、例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体などが挙げられる。
ベンゾチアゾール系化合物としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾールなどが挙げられる。
ベンゾオキサゾール系化合物としては、例えば、2−メルカプトベンゾオキサゾールなどが挙げられる。
アシルフォスフィンオキサイド系化合物としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
チタノセン系化合物としては、例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムなどが挙げられる。
これらの中でも、感度をより向上させる観点から、オキシムエステル系化合物、アルキルフェノン系化合物が好ましい。オキシムエステル系化合物の中でも“アデカアークルズ”(商標登録)N−1919がより好ましく、アルキルフェノン系化合物の中でも“IRGACURE”(商標登録)907がより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物における光重合開始剤の含有量は、アルカリ可溶性樹脂および重合性モノマーの合計含有量100質量部に対して2〜30質量部が好ましく、5〜25質量部がさらに好ましい。
本発明における重合性モノマーとは、少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を有するモノマーを言う。重合性モノマーとしては、例えば、単官能または多官能のモノマーやオリゴマーなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。なお架橋密度が高まり弾性復元率が向上することから、多官能モノマーが好ましい。
多官能の重合性モノマーとしては、例えば、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[3−メチル−4−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[3−クロロ−4−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジメタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートと無水コハク酸との反応物などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
これらの中でも、プリベイク膜の粘度、露光感度および加工性を所望の範囲に調整しやすくする観点から、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの組み合わせや、これらと無水コハク酸との反応物が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、フィラー、増感助剤、紫外線吸収剤、密着改良剤、界面活性剤、重合禁止剤、前述のアルカリ可溶性以外の高分子化合物、有機酸、有機アミノ化合物、硬化剤などの添加剤や溶剤を含有してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物は、フィラーを含有することにより、プリベイク膜の乾燥後の粘度をより高めて、高さばらつきをより抑制することができる。フィラーとしては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、硫酸バリウム等の無機酸化物粒子;金属粒子;アクリル、スチレン、シリコーン、フッ素含有ポリマー等の樹脂粒子などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。これらの中でも、粒子径と分散性の観点から、シリカ粒子が好ましい。フィラーの比表面積換算の平均粒子径は、4〜120nmが好ましい。フィラーの平均粒子径が4nm以上であると、高さばらつきをより抑制ことができる。一方、粒子径が120nm以下であると、パターン表面の凹凸を抑制し、パターンの表面形状を向上させることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、増感助剤を含有することにより、感度を向上させることができる。増感助剤としては、例えば、芳香族または脂肪族の第3級アミン等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、紫外線吸収剤を含有することにより、透明性が高く、微細でテーパーの短いフォトスペーサーを容易に形成することができる。紫外線吸収剤としては、透明性および非着色性の観点から、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物などの有機化合物系紫外線吸収剤が好ましい。これらを2種以上含有してもよい。これらの中でも、ベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。
ベンゾトリアゾール系化合物としては、例えば、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−[5クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチルフェノール)、2,4ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール、2[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6テトラヒドロフタルイミド−メチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、オクタベンゾン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
トリアジン系化合物としては、例えば、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物における紫外線吸収剤の含有量は、固形分中0.3〜10質量%が好ましい。紫外線吸収剤の含有量を0.3質量%以上とすることにより、テーパー部をより短くすることができる。紫外線吸収剤の含有量は、2質量%以上がより好ましい。一方、紫外線吸収剤の含有量を10質量%以下とすることにより、感度を高く維持することができる。紫外線吸収剤の含有量は、8質量%以下がより好ましい。なお、固形分とは、感光性樹脂組成物に含まれる溶媒を除く成分をいう。
密着改良剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物における密着改良剤の含有量は、固形分中0.1〜20質量%が好ましい。密着改良剤の含有量を0.1質量%以上とすることにより、現像密着性を向上させることができる。密着改良剤の含有量は、0.5質量%以上がより好ましい。一方、密着改良剤の含有量を20質量%以下とすることにより、アルカリ可溶性樹脂や重合性モノマーの凝集を抑制することができる。密着改良剤の含有量は、10質量%以下がより好ましい。
界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン等の陰イオン界面活性剤;ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の陽イオン界面活性剤;ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン等の両性界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ソルビタンモノステアレート等の非イオン界面活性剤;パーフルオロブチルスルホン酸塩、パーフルオロアルキル基含有カルボン酸塩、パーフルオロアルキル基含有トリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル基含有リン酸エステル、若しくはパーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物等のフッ素系界面活性剤;ポリエーテル変性ポリメチルアルキルシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性メチルアルキルポリシロキサン、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサン、ポリエーテル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン等のシリコーン系界面活性剤などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。これらの中でも、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン“BYK”(登録商標)333(ビックケミー社製)が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物における界面活性剤の含有量は、固形分中0.001〜10質量%が好ましい。界面活性剤の含有量を0.001質量%以上とすることにより、感光性樹脂組成物の塗布性を向上させることができる。界面活性剤の含有量は、0.01質量%以上がより好ましい。一方、界面活性材の含有量を10質量%以下とすることにより、パターン表面の凹凸を抑制し、パターンの表面形状を向上させることができる。界面活性剤の含有量は、1質量%以下がより好ましい。
重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)ヒドロキノン、2,5−ビス(1,1−ジメチルブチル)などのヒドロキノンヒドロキノン系重合禁止剤;カテコール、tert−ブチルカテコールなどのカテコール系重合禁止剤などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物における重合禁止剤の含有量は、固形分中0.01〜0.5質量%が好ましい。重合禁止剤の含有量を0.01質量%以上とすることにより、感光性樹脂組成物の経時保存安定性を向上することができる。一方、重合禁止剤の含有量を0.5質量%以下とすることにより、極性溶媒浸漬時の感度低下による膜表面の浸食やシミの発生を抑制することができる。
前記アルカリ可溶性樹脂以外の高分子化合物としては、例えば、一般式(1)〜(3)で表される構造単位を有しないアクリル樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリイミド前駆体などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
溶剤としては、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、キシレン、エチルベンゼン、ソルベントナフサなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
エーテル系溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールターシャリーブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。これらの中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルが好ましい。
エステル系溶剤としては、例えば、ベンジルアセテート、エチルベンゾエート、γ−ブチロラクトン、メチルベンゾエート、マロン酸ジエチル、2−エチルヘキシルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、3−メトキシ−ブチルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート、シュウ酸ジエチル、アセト酢酸エチル、3−メトキシ−ブチルアセテート、アセト酢酸メチル、エチル−3−エトキシプロピオネート、2−エチルブチルアセテート、イソペンチルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、酢酸ペンチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールターシャリーブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソペンチルなどが挙げられる。これらの中でも、3−メトキシ−ブチルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネートなどが好ましい。
アルコール系溶剤としては、例えば、ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノールが挙げられる。
ケトン系溶剤としては、例えば、シクロペンタノン、シクロヘキサノンが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、硬化後膜厚3μmになるように塗布し、25℃、45Paの条件で200秒間減圧乾燥した後、105℃のオーブンで10分間加熱乾燥した後の23℃における粘度が1×10〜1×10Pa・sとなることが好ましい。かかる粘度を有することにより、後述するフォトスペーサーの製造方法に好適に用いることができる。ここで、乾燥した後の23℃における粘度とは、乾燥した後の感光性樹脂組成物90mm以上を採取し、レオメーター(MCR−302;アントンパール(株)製)とφ15mmのプレートを用いて、測定厚み:0.5mm、周波数:1Hz、歪み:0.5%の条件で、20℃から110℃まで0.083℃/secの昇温速度で昇温しながら測定したときの23℃における粘度を言う。
本発明の感光性樹脂組成物は、上底面の直径が6μm、下底面の直径が9μm、高さが3μmの円錐台状フォトスペーサーを形成し、50mNの荷重をかけたときの弾性復元率が70%以上となることが好ましい。弾性復元率が70%以上であると、セル圧着時のスペーサーの高さのばらつきがより抑制され、フォトスペーサーの塑性変形による表示ムラをより低減することができる。弾性復元率は73%以上がより好ましい。弾性復元率が100%に近いほど、フォトスペーサーの変形によるセルギャップへの影響と、それによる表示ムラをより抑制することができる。上記形状は、フォトスペーサーの代表的な形状であり、上記荷重は、フォトスペーサーが製造または使用時に受ける荷重の一例である。かかる方法により、フォトスペーサーを形成するために用いた感光性樹脂組成物の塑性変形のしにくさを相対的に評価することができる。
図1に、フォトスペーサーの弾性特性を表すヒステリシス曲線の一例の概略図を示す。フォトスペーサーに荷重をかけると、図1に示すような、フォトスペーサーに加えた荷重と、フォトスペーサーの変形量Dとのヒステリシス曲線が得られる。ヒステリシス曲線からフォトスペーサーの総変形量Ha[μm]、塑性変形量Hb[μm]および弾性変形量を求めることにより、フォトスペーサーの弾性復元率(((Ha−Hb)/Ha)×100)を算出することができる。ここで、ヒステリシス曲線は、硬度計フィッシャー(Fischerscope H100;Helmut Fischer GmbH & Co社製)とφ50μmの平型圧子を用いて、速度2.5mN/secで荷重50mNに到達するまで圧力を加えた後、速度2.5mN/secで開放することにより得られる。
フォトスペーサーを形成したときの弾性復元率を上記範囲にするためには、前述の本発明の感光性樹脂組成物を用いることが好ましく、特に、エチレン性不飽和基当量が前述の好ましい範囲にある感光性樹脂組成物がより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂、光重合開始剤および重合性モノマーと、必要に応じて界面活性剤、重合禁止剤、溶剤、紫外線吸収剤等その他の添加剤を任意の割合で混合することにより得ることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、高さばらつきを抑制することができることから、レンズスキャン方式の露光に好ましく用いることができ、レンズスキャン露光によるフォトスペーサーの形成に、より好ましく用いることができる。
フォトスペーサーの形状は、カラーフィルターの高精細化のため、円錐台形状が好ましく、上底の直径は15μm以下が好ましい。また、下低の直径に対する上底の直径の比(上底/下低)は、0.3〜2.0が好ましい。
次に、本発明のフォトスペーサーの製造方法について、基板上に形成する場合を例に説明する。前述の本発明の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、乾燥してプリベイク膜を得て、プリベイク膜をレンズスキャン露光および現像することによりフォトスペーサーを形成することが好ましい。さらに、現像後の塗布膜パターンを加熱処理して硬化させることが好ましい。
基板としては、ガラス、高分子フィルム等の透明基板が挙げられる。
感光性樹脂組成物の塗布方法としては、例えば、ディップ法、ロールコーター法、スピナー法、ダイコーティング法、ワイヤーバーコーティング法などが挙げられる。
乾燥方法としては、減圧乾燥、オーブンやホットプレートを用いた加熱乾燥(プリベイク)などが挙げられる。減圧乾燥の場合、加熱温度は、乾燥溶媒の減圧チャンバー内壁への再凝縮を抑制する観点から、100℃以下が好ましい。減圧乾燥圧力は、感光性樹脂組成物に含まれる溶剤の蒸気圧以下が好ましく、1〜1000Paが好ましい。減圧乾燥時間は、10〜600秒間が好ましい。プリベイクの場合、加熱温度は60〜200℃、加熱時間は1〜60分間が一般的である。
本発明においては、プリベイク膜の23℃における粘度が1×10〜1×10Pa・sであることが好ましい。23℃における粘度が1×10Pa・s以上であるプリベイク膜に露光することにより、プリベイク膜の流動性を適度に抑え、プリベイク膜の搬送工程や、露光工程、加熱乾燥(ポストベイク)工程におけるムラの発生をより抑制することができる。23℃における粘度が1×10Pa・s以上がより好ましい。一方、23℃における粘度が1×10Pa・s以下であるプリベイク膜に露光することにより、現像性を向上させることができる。ここで、プリベイク膜の23℃における粘度とは、プリベイク膜90mm以上を採取し、レオメーター(MCR−302;アントンパール(株)製)とφ15mmのプレートを用いて、測定厚み:0.5mm、周波数:1Hz、歪み:0.5%の条件で、20℃から110℃まで0.083℃/secの昇温速度で昇温しながら測定したときの23℃における粘度を言う。なお、カラーフィルター基板上へのフォトスペーサーの製造工程において、プリベイク膜の温度は乾燥工程で100℃程度まで加熱されるが、露光前の冷却により室温(約23℃)程度となることが一般的である。このため、本発明においては、一般的な露光時のプリベイク膜温度として、23℃における粘度に着目した。
得られたプリベイク膜に、マスクを介して露光することにより露光部分を硬化させ、アルカリ現像液により現像することにより未露光部分を除去し、パターン形成することが好ましい。
露光方式としては、例えば、プロキシミティ露光、レンズスキャン露光、ミラープロジェクション露光、ステッパー露光などが挙げられる。本発明においては、大型基板への高精細パターン加工に優れたレンズスキャン露光が好ましく用いられる。本発明の感光性樹脂組成物は高さのばらつきを抑制することができることから、高さのばらつきが生じやすいレンズスキャン露光に好適に用いることができる。レンズスキャン露光装置としては、例えば、FX−65S((株)ニコン製)が挙げられる。
現像工程としては、アルカリ現像液による現像が好ましい。アルカリ現像液としては、有機アルカリ現像液、無機アルカリ現像液などが挙げられる。無機アルカリ現像液としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの水溶液などが好ましい。有機アルカリ現像液としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、メタノールアミンなどのアミン系水溶液が好ましい。アルカリ現像液中におけるアルカリ性物質の含有量は、未露光部の現像溶解性の観点から、0.02質量%以上が好ましい。一方、露光部のパターン加工性をより向上させる観点から、2.0質量%以下が好ましい。現像液は、現像の均一性を高めるために、界面活性剤を含有することが好ましい。現像液の温度により現像速度が変化するため、現像液温度は18〜40℃の範囲で適宜選択することが好ましい。
現像方法としては、例えば、ディップ現像、シャワー現像、パドル現像などが挙げられる。現像液の温度、流量およびシャワー噴射圧力、現像後の水洗温度、流量およびシャワー噴射圧力条件を適宜選択することが好ましい。基板上の残渣を除去するためには、現像液または水洗水を高圧で噴射することが好ましく、噴出圧力は0.01MPa〜20MPaが好ましい。
現像後の塗布膜パターンの加熱処理装置としては、熱風オーブン、ホットプレートなどが挙げられる。加熱温度は180〜300℃が好ましく、加熱時間は5〜90分間が好ましい。
次に、本発明のフォトスペーサーを有するカラーフィルター基板と液晶表示装置について説明する。
カラーフィルター基板は、基板上に、前述の本発明のフォトスペーサーおよび画素を有する。必要に応じて、ブラックマトリックス、平坦化膜、透明電極、配向膜などを有してもよい。
カラーフィルター基板としては、フォトスペーサーを形成する基板として例示したものが挙げられる。
画素としては、例えば、赤色画素、緑色画素、青色画素などが挙げられる。画素は、着色剤、樹脂、重合性モノマー、光重合開始剤、その他の添加剤などを含有してもよく、それらの1種以上を含む組成物の硬化物から形成されていてもよい。着色剤としては、例えば、有機顔料、無機顔料、染料が挙げられる。樹脂、重合性モノマー、光重合開始剤、その他の添加剤としては、例えば、本発明の透明感光性樹脂組成物の成分として例示したものが挙げられる。
画素の形状としては、例えば、矩形、ストライプ、正方形、多角形、波型などが挙げられる。開口部面積を大きくして透過率を向上させる観点から、画素幅は、1μm以上が好ましい。一方、より緻密な画像を表示する観点から、画素幅は、100μm以下が好ましい。画素の膜厚は、1〜5μm程度が好ましい。
隣接画素間には、ブラックマトリックス(以下、「BM」)を有することが好ましい。BMは、画素間を遮光することにより、表示画像のコントラストを向上させる作用を有する。BMは、互いに隣接する画素の一部を重ねることにより形成された色重ねBMであってもよいが、画素の段差を抑制して表示画像をより向上させ、高い遮光性を得るため、樹脂および遮光材を含有することが好ましい。樹脂としては、ポリイミド系樹脂またはアクリル系樹脂が好ましい。遮光剤としては、例えば、チタンブラック、窒化チタン、炭化チタン、カーボンブラックなどが挙げられる。さらに、密着改良剤、高分子分散剤、重合開始剤、酸発生剤、塩基発生剤、界面活性剤等を含有してもよい。
BMの膜厚は、遮光性と抵抗値を向上させる観点から、0.5μm以上が好ましく、0.8μm以上がより好ましい。一方、BMの膜厚は、平坦性を向上させる観点から、2.5μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましい。
画素やBMを有するカラーフィルター基板が段差を有する場合、平坦化膜を有することが好ましい。平坦化膜は、画素やBM上の全面に形成されていてもよいし、平坦化したい部分に選択的に形成されていてもよい。平坦化膜が画素やBM上の全面に形成される場合、平坦化膜は熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなることが好ましく、平坦化膜が選択的に形成される場合、平坦化膜は感光性樹脂組成物の硬化物からなることが好ましい。
平坦化膜は、樹脂を含有することが好ましく、さらに、密着改良剤、高分子分散剤、重合開始剤、酸発生剤、塩基発生剤、界面活性剤等を含有してもよい。
平坦化膜の膜厚は、平坦性と画素からの不純物の溶出を抑制する観点から、0.5μm以上が好ましく、1.0μm以上がより好ましい。一方、平坦化膜の膜厚は、透明性を向上させる観点から、3.0μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましい。
本発明のカラーフィルター基板は、基板上に、本発明のフォトスペーサーおよび画素、必要に応じてブラックマトリックスや平坦化膜などを形成することにより得ることができる。画素やブラックマトリックス、平坦化膜の形成方法としては、例えば、フォトリソグラフィー法、印刷法、電着法などが挙げられる。
本発明の液晶表示装置は、前述のカラーフィルター基板と、カラーフィルターに対向して配置される駆動素子側基板と、カラーフィルター基板および該駆動素子側基板上にそれぞれ設けられた液晶配向膜と、これらの液晶配向膜間のセルギャップを均一に保つフォトスペーサーと、空間内に充填された液晶とを有することが好ましい。例えば、ブラックマトリックスを有するカラーフィルター基板を用いる場合、フォトスペーサーを、非表示領域すなわちブラックマトリックスの上方に有することが好ましい。なお、駆動素子側基板にフォトスペーサーを有してもよく、この場合も、駆動素子側基板上の非表示領域の上方にフォトスペーサーを有することが好ましい。液晶配向膜としては、ポリイミド等の樹脂膜が好ましい。
次に、前述のカラーフィルター基板を用いた液晶表示装置の製造方法について説明する。カラーフィルター基板および/または駆動素子側基板上に前述の製造方法によりフォトスペーサーを製造する工程を有することが好ましい。具体的には、前述のカラーフィルター基板と駆動素子側基板とを対向させて、フォトスペーサーを介して貼り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入してから注入口を封止し、最後にICドライバー等を実装することが好ましい。液晶表示装置が液晶配向膜を有する場合、ポリイミド液を塗布・熱処理した後、ラビング処理や紫外線処理により表面処理することが好ましい。微細な粉塵や静電気の発生を抑制し、液晶分子を均一に高精細に配向させる観点から、紫外線処理により表面処理することが好ましい。
以下に本発明をその実施例および比較例を挙げて詳細に説明するが、本発明の態様はこれらに限定されるものではない。
アルカリ可溶性樹脂の特性は、以下の方法により評価した。
(重量平均分子量)
製造例1〜13により得られたアルカリ可溶性樹脂1〜13について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて、標準ポリスチレンによる換算値を求めた。
(エチレン性不飽和基当量)
製造例1〜13により得られたアルカリ可溶性樹脂1〜13について、JIS K 0070:1992の試験方法第6.0項に記載の方法により、ヨウ素価を測定し、エチレン性不飽和基当量を算出した。
(酸価)
製造例1〜13により得られたアルカリ可溶性樹脂1〜13の溶液5gをアルミ製カップ(φ45mm)に入れ、130℃で1時間加熱して溶剤を除去した。得られたアルカリ可溶性樹脂について、JIS K 0070:1992の試験方法第3.1項の中和滴定法により、酸価を測定した。
(グリシジル(メタ)アクリレートの残存量)
製造例1〜13により得られたアルカリ可溶性樹脂1〜13の溶液について、ガスクロマトグラフィーとして(株)島津製作所製GCMS−GP2010を用い、カラムとしてDM−5MSを用い、Heをキャリアガスとして、カラム温度を80℃で4分間保持した後、16分間かけて320℃まで昇温し、320℃で5分間保持し、グリシジル(メタ)アクリレート量を測定した。
製造例1〜13により得られたアルカリ可溶性樹脂1〜13の溶液を130℃で1時間加熱し、加熱前後の質量から固形分濃度を算出し、グリシジル(メタ)アクリレート量と、アルカリ可溶性樹脂の溶液の固形分濃度から、グリシジル(メタ)アクリレートの残存量(残存GMA量(質量%))を算出した。
製造例1(アルカリ可溶性樹脂1)
72gのメタクリル酸(MA)、40gのN−シクロヘキシルマレイミド(CHMI)、30gのメタクリル酸メチル(MMA)、3gの2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、0.5gのラウリルメルカプタンおよび220gのプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)を重合容器中に仕込み、窒素雰囲気下で90℃にて2時間撹拌した後、液温を100℃に上げ、さらに5時間加熱撹拌して反応させた。次に、重合容器内を空気置換し、得られた反応溶液に97gのメタクリル酸グリシジル(GMA)、1.2gのジメチルベンジルアミンおよび0.2gのp−メトキシフェノールを添加して、110℃で6時間撹拌した後、PGMEを追加して固形分濃度29.5質量%のアルカリ可溶性樹脂1の溶液を得た。得られたアルカリ可溶性樹脂1のMwは40,000、エチレン性不飽和基当量は350g/mol、酸価は85mgKOH/g、残存GMA量は0.05質量%であった。なお、アルカリ可溶性樹脂1において、MAが一般式(1)で表される構造単位を構成し、GMAが一般式(2)で表される構造単位を構成し、CHMIが一般式(3)で表される構造単位を構成する。
製造例2(アルカリ可溶性樹脂2)
MAの配合量を69g、CHMIの配合量を25g、MMAの配合量を18g、GMAの配合量を98gにそれぞれ変更したこと以外は製造例1と同様にして、固形分濃度28.3質量%のアルカリ可溶性樹脂2の溶液を得た。得られたアルカリ可溶性樹脂2のMwは43,000、エチレン性不飽和基当量は300g/mol、酸価は63mgKOH/g、残存GMA量は0.05質量%であった。
製造例3(アルカリ可溶性樹脂3)
MAの配合量を32g、GMAの配合量を31gにそれぞれ変更したこと以外は製造例1と同様にして、固形分濃度28.5質量%のアルカリ可溶性樹脂3の溶液を得た。得られたアルカリ可溶性樹脂3のMwは39,000、エチレン性不飽和基当量は600g/mol、酸価は85mgKOH/g、残存GMA量は0.05質量%であった。
製造例4(アルカリ可溶性樹脂4)
ラウリルメルカプタンの配合量を2.2gに変更したこと以外は製造例1と同様にして、固形分濃度31.8質量%のアルカリ可溶性樹脂4の溶液を得た。得られたアルカリ可溶性樹脂4のMwは9,000、エチレン性不飽和基当量は350g/mol、酸価は85mgKOH/g、残存GMA率は0.05質量%であった。
製造例5(アルカリ可溶性樹脂5)
MAの配合量を66g、CHMIの配合量を50g、GMAの配合量を96gにそれぞれ変更したこと以外は製造例1と同様にして、固形分濃度31.0質量%のアルカリ可溶性樹脂5の溶液を得た。得られたアルカリ可溶性樹脂5のMwは38,000、エチレン性不飽和基当量は350g/mol、酸価は50mgKOH/g、残存GMA量は0.05質量%であった。
製造例6(アルカリ可溶性樹脂6)
MAの配合量を59g、CHMIの配合量を28g、MMAの配合量を19g、GMAの配合量を70gにそれぞれ変更したこと以外は製造例1と同様にして、固形分濃度30.4質量%のアルカリ可溶性樹脂6の溶液を得た。得られたアルカリ可溶性樹脂6のMwは35,000、エチレン性不飽和基当量は350g/mol、酸価は110mgKOH/g、残存GMA量は0.05質量%であった。
製造例7(アルカリ可溶性樹脂7)
13gのメタクリル酸(MA)、15gのN−シクロヘキシルマレイミド(CHMI)、72gのメタクリル酸メチル(MMA)、3gの2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、0.5gのラウリルメルカプタンおよび220gのプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)を重合容器中に仕込み、窒素雰囲気下で90℃にて2時間撹拌した後、液温を100℃に上げ、さらに5時間加熱撹拌して反応させた。0.2gのp−メトキシフェノールを添加して、室温まで冷却した後、PGMEを追加して固形分濃度29.1質量%のアルカリ可溶性樹脂7の溶液を得た。得られたアルカリ可溶性樹脂7のMwは37,000、酸価は85mgKOH/gであった。
製造例8(アルカリ可溶性樹脂8の製造)
MAの配合量を70g、MMAの配合量を12g、GMAの配合量を98gにそれぞれ変更し、CHMIの代わりにスチレン(St)を15g用いたこと以外は製造例1と同様にして、固形分濃度29.2質量%のアルカリ可溶性樹脂8の溶液を得た。得られたアルカリ可溶性樹脂8のMwは35,000、エチレン性不飽和基当量は285g/mol、酸価は67mgKOH/g、残存GMA量は0.05質量%であった。
製造例9(アルカリ可溶性樹脂9)
CHMIの代わりにN−ベンジルマレイミド(BzMI)を40g用いたこと以外は製造例1と同様にして、固形分濃度29.5質量%のアルカリ可溶性樹脂9の溶液を得た。得られたアルカリ可溶性樹脂9のMwは40,000、エチレン性不飽和基当量は350g/mol、酸価は64mgKOH/g、残存GMA量は0.05質量%であった。
製造例10(アルカリ可溶性樹脂10の製造)
MAの代わりにアクリル酸(AA)を60g用いたこと以外は製造例1と同様にして、固形分濃度29.5質量%のアルカリ可溶性樹脂10の溶液を得た。得られたアルカリ可溶性樹脂10のMwは40,000、エチレン性不飽和基当量は350g/mol、酸価は62mgKOH/g、残存GMA量は0.05質量%であった。
製造例11(アルカリ可溶性樹脂11)
110℃での撹拌時間を8時間に変更したこと以外は製造例1と同様にして、固形分濃度29.5質量%のアルカリ可溶性樹脂11の溶液を得た。得られたアルカリ可溶性樹脂1のMwは40,000、エチレン性不飽和基当量は350g/mol、酸価は64mgKOH/g、残存GMA率は0.02質量%であった。
製造例12(アルカリ可溶性樹脂12)
110℃での撹拌時間を5時間に変更したこと以外は製造例1と同様にしてアルカリ可溶性樹脂12の溶液を得た。得られたアルカリ可溶性樹脂12のMwは40,000、エチレン性不飽和基当量は350g/mol、酸価は64mgKOH/g、残存GMA率は0.30質量%であった。
製造例13(アルカリ可溶性樹脂13)
MAの配合量を50g、CHMIの配合量を30g、MMAの配合量を0g、GMAの配合量を65gにそれぞれ変更したこと以外は製造例1と同様にして、固形分濃度28.5質量%のアルカリ可溶性樹脂13の溶液を得た。得られたアルカリ可溶性樹脂13のMwは36,000、エチレン性不飽和基当量は278g/mol、酸価は93mgKOH/g、残存GMA量は0.05質量%であった。
製造例1〜13の組成と評価結果を表1〜2に示す。
Figure 2019059169
Figure 2019059169
(ブラックマトリックス付基板の作製)
無アルカリガラス基板(OA−10;日本電気硝子(株)製;50mm×70mm、厚さ0.7mm)の表面上に、ポリイミド樹脂およびカーボンブラックを含む組成物からなる1.0μm厚のブラックマトリクスを形成し、ブラックマトリックス付基板を作製した。
(平坦化膜付基板の作製)
前記方法により作製したブラックマトリックス付基板に対して、UV/オゾン装置(SSP16−110;セン特殊光源(株)製)を用いて、60秒間露光することにより洗浄処理した後、スピンコート法により平坦化膜材(NN901;JSR(株)製)を塗布および乾燥して、1.5μm厚の透明平坦化膜を形成した。これを90℃で10分間加熱乾燥(プリベイク)し、飽和露光量に達するまで紫外線を照射した。次に、0.1質量%の水酸化テトラメチルアンモニウム(以下、「TMAH」)と、0.3質量%の“エマルゲン”(登録商標)A−60(以下、「A−60」;花王(株)製)とをそれぞれ含む23℃の水溶液を用いてシャワー現像し、さらに水洗して未露光部の平坦化膜を洗い流した。その後、230℃で30分間加熱乾燥(ポストベイク)して、平坦化膜付基板を作製した。
実施例および比較例における評価は以下の方法により行った。
(感光性樹脂組成物の透明性)
無アルカリガラス基板(OA−10;日本電気硝子(株)製;50mm×70mm、厚さ0.7mm)の表面上に、ミカサ(株)製スピンコーター(1HD2型)を用いて、各実施例および比較例において作製した感光性樹脂組成物を塗布した。温度:25℃、圧力:45Paの条件で200秒間減圧乾燥した後、これを、105℃に設定したオーブン(PERFECTOVEN PV−210;タバイエスペック(株)製)内で10分間加熱乾燥(プリベイク)し、プリベイク膜を作製した。プリベイク膜を形成した平坦化膜付基板を室温まで冷却し、ガラス製UVフィルター(UV−35;旭テクノガラス(株)製)を取り付けた紫外線露光機(PEM−6M;ユニオン光学(株)製、コリメーションアングルθ:2°、i線(365nm)照度:30mW/cm)を用いて、ネガフォトマスクを使用せずに、i線:365nm、h線:405nmおよびg線:436nmの各波長を含む紫外線を照射光として、24mJ/cmの露光量(i線換算)で露光した。
次に、0.3質量%のTMAHと、0.3質量%のA−60とをそれぞれ含む23℃の水溶液を現像液として、自動現像装置(AD−2000;ミカサ(株)製)を用いてシャワー現像し、さらに水洗して風乾した。次に、230℃のオーブン内で30分間加熱乾燥(ポストベイク)して、3.00μm厚のフォトスペーサーベタ膜つき基板を作製した。
フォトスペーサーベタ膜つき基板の中央部について、顕微分光測定器(LCF−100MA:大塚電子(株)製)を用いて、C光源で、波長400〜700nmにおける光線透過率を測定し、以下の基準により感光性樹脂組成物の透明性を評価した。Aを合格とした。
A:波長400〜700nmにおける光線透過率が80%以上。
B:波長400〜700nmにおける光線透過率が80%未満。
(プリベイク膜の粘度)
実施例1〜13および比較例1〜3により得られたプリベイク膜の粘度特性を再現するサンプルとして、無アルカリガラス基板(OA−10;日本電気硝子(株)製;50mm×70mm、厚さ0.7mm)上に、各実施例および比較例の条件によりプリベイク膜を作製した。得られたプリベイク膜を、スパーテルを用いて90mm以上集め、レオメーター(MCR−302;アントンパール(株)製)とφ15mmのプレートを用いて、測定厚み:0.5mm、周波数:1Hz、歪み:0.5%の条件で、20℃から110℃まで0.083℃/secの昇温速度で昇温しながら、23℃における粘度を測定した。
(フォトスペーサーの表面形状)
実施例1〜13および比較例1〜3において形成した円錐台状パターンフォトスペーサーを、FE−SEM(S−4800;(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて倍率7,000倍に拡大して観察し、以下の基準によりフォトスペーサーの表面形状を評価した。Aを合格とした。
B:凹凸が認められる。
A:凹凸が認められない。
(フォトスペーサーの弾性復元率)
実施例1〜13および比較例1〜3において形成した円錐台状パターンフォトスペーサーに、硬度計フィッシャー(Fischerscope H100;Helmut Fischer GmbH & Co社製)とφ50μmの平型圧子を用いて、速度2.5mN/secで荷重50mNに到達するまで圧力を加え5秒間保持した後、速度2.5mN/secで開放し0mNに到達してから5秒間保持したときのヒステリシス曲線を作成した。得られたヒステリシス曲線から、総変形量Ha[μm]、塑性変形量Hb[μm]を求め、フォトスペーサーの弾性復元率((Ha−Hb/Ha)×100)を算出した。5箇所について測定した数平均値を算出し、下記基準により評価した。AAとAとBを合格とした。
C:弾性復元率が70%未満
B:弾性復元率が70%以上72%未満
A:弾性復元率が72%以上73%未満
AA:弾性復元率が73%以上。
(レンズスキャン露光でのフォトスペーサーの高さばらつき評価)
実施例1〜13および比較例1〜3において、レンズスキャン露光により形成した円錐台状パターンフォトスペーサーのうち、レンズとレンズとの継目部分に該当する基板面内20mm角の範囲において、基板面内で複数のレンズが二列に並ぶ方向と直行する方向に一定の間隔で20個のフォトスペーサーを選択して、段差測定器を用いて高さのばらつき(最大高さ−最小高さ)を測定し、以下の基準によりフォトスペーサーの高さばらつきを評価した。AとBを合格とした。
C:高さのばらつきが0.04μm以上
B:高さのばらつきが0.02μm以上0.04μm未満
A:高さのばらつきが0.02μm未満。
(レンズスキャン露光でのフォトスペーサーの欠け評価)
実施例1〜13および比較例1〜3において形成した円錐台状パターンフォトスペーサーのうち、10,000個を顕微鏡で拡大観察し、欠けの有無を判断した。欠けが認められた円錐台状パターンフォトスペーサー個数から、下記基準により評価した。AAとAとBを合格とした。
C:フォトスペーサーの欠けが11個以上
B:フォトスペーサーの欠けが6〜10個
A:フォトスペーサーの欠けが1〜5個
AA:フォトスペーサーの欠けが0個。
(プロキシミティ露光マルチパターニングでのフォトスペーサーの高さばらつき評価)
実施例1〜13および比較例1〜3において、プロキシミティ露光マルチパターニングにより形成した円錐台状パターンフォトスペーサーのうち、最初の露光で形成したフォトスペーサーの高さと、続いての露光で形成したフォトスペーサーの高さとの差について、段差測定器を用いて高さのばらつき(最大高さ−最小高さ)を測定し、以下の基準によりフォトスペーサーの高さばらつきを評価した。AとBを合格とした。
C:高さのばらつきが0.20μm以上
B:高さのばらつきが0.10μm以上0.20μm未満
A:高さのばらつきが0.10μm未満。
(実施例1)
(感光性樹脂組成物1の調製)
製造例1により得られた固形分濃度29.5質量%のアルカリ可溶性樹脂1の溶液:21.13質量部、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(“KAYARAD”(登録商標)DPHA;日本化薬;以下、「DPHA」)(エチレン性不飽和基当量100):11.58質量部、光重合開始剤“アデカアークルズ”(商標登録)N−1919;以下、「N1919」:0.36質量部、“IRGACURE”(商標登録)907(BASFジャパン(株)製);以下、「IC907」:0.89質量部、2,4−ジエチルチオキサントン(“KAYACURE”(登録商標)DETX−S;日本化薬(株)製;以下、「DETX」):0.89質量部、界面活性剤“BYK”(登録商標)−333(ビックケミージャパン(株)製):以下「BYK−333」)0.03質量部、重合禁止剤2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)ヒドロキノン(和光純薬工業(株)製;以下、「DOHQ」):0.02質量部およびプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME):65.10質量部を室温で撹拌し、感光性樹脂組成物1を得た。
前述の方法により得られた平坦化膜付基板に対して、UV/オゾン装置(SSP16−110;セン特殊光源(株)製)を用いて、60秒間露光することにより洗浄処理した後、スピンコーター(1HD2型;ミカサ(株)製)を用いて、感光性樹脂組成物1を塗布した。温度:25℃、圧力:45Paの条件で200秒間減圧乾燥した後、105℃に設定したオーブン(PERFECTOVEN PV−210;タバイエスペック(株)製)内で10分間加熱乾燥(プリベイク)した後、室温まで冷却し、プリベイク膜を形成した。
次に、プリベイク膜を形成した平坦化膜付基板を、レンズスキャン露光装置として、FX−65S((株)ニコン製)を用いて、直径7μmの円形フォトマスクを介して、i線:365nm、h線:405nmおよびg線:436nmの各波長を含む紫外線を照射光として、30mJ/cmの露光量(i線換算)で露光した。
次に、0.3質量%のTMAHと、0.3質量%のA−60とをそれぞれ含む23℃の水溶液を現像液として、自動現像装置(AD−2000;ミカサ(株)製)を用いてシャワー現像し、さらに水洗して風乾した。最後に、230℃のオーブン内で30分間加熱乾燥(ポストベイク)して、上底6μm、下底9μm、高さ3μmのフォトスペーサーを作製した。
また、前述のプリベイク膜を形成した平坦化膜付基板を、ガラス製UVフィルター(UV−35;旭テクノガラス(株)製)を取り付けた紫外線露光機(PEM−6M;ユニオン光学(株)製;コリメーションアングルθ=2°、i線(365nm)照度=30mW/cm2)を用いて、直径10μmの円形パターンがピッチ15μmで配置されたネガフォトマスクを介して、i線:365nm、h線:405nmおよびg線:436nmの各波長を含む紫外線を照射光として最初の露光を行った。続いて、ネガフォトマスクを半ピッチだけずらして続いての露光(プロキシミティ露光マルチパターニング)を行った。
次に、0.3質量%のTMAHと、0.3質量%のA−60とをそれぞれ含む23℃の水溶液を現像液として、自動現像装置(AD−2000;ミカサ(株)製)を用いてシャワー現像し、さらに水洗して風乾した。最後に、230℃のオーブン内で30分間加熱乾燥(ポストベイク)して、上底6μm、下底9μm、高さ3μmのフォトスペーサーを作製した。
(実施例2〜13、比較例1〜3)
感光性樹脂組成物の組成を表2に示すとおりに変更したこと以外は実施例1と同様に、感光性樹脂組成物、プリベイク膜およびフォトスペーサーを作製した。実施例1と同様に評価した結果を表3〜5に示す。
Figure 2019059169
Figure 2019059169
Figure 2019059169
なお、表3〜5における「M520」とは、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物と無水コハク酸との反応物(M520;東亞合成(株)製;エチレン性不飽和当量104g/mol)を表す。
本発明の透明感光性樹脂組成物は、レンズスキャン露光により液晶表示装置のフォトスペーサーを形成するための材料として好適に用いられる。

Claims (17)

  1. 少なくともアルカリ可溶性樹脂、光重合開始剤および重合性モノマーを含有する透明感光性樹脂組成物であって、前記アルカリ可溶性樹脂が
    A)下記一般式(1)で表される構造単位と、
    B)下記一般式(2)で表される構造単位と、
    C)下記一般式(3)で表される構造単位を有し、
    前記アルカリ可溶性樹脂のエチレン性不飽和基当量が400g/mol以下である透明感光性樹脂組成物。
    Figure 2019059169
    (上記一般式(1)中、Rは水素原子またはメチル基を示す。)
    Figure 2019059169
    (上記一般式(2)中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を示す。Xは−CHCH(OH)CHO(C=O)−、−CHCHNH(C=O)O(CHO(C=O)−または−(CHO(C=O)NHCHCHO(C=O)−を示す。ただし、mおよびnはそれぞれ独立に1〜4の整数を示す。)
    Figure 2019059169
    (上記一般式(3)中、Yは置換基を有していてもよい炭素数6〜11のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜10のアラルキル基または置換基を有していてもよい炭素数3〜10のシクロアルキル基を示す。)
  2. 前記一般式(3)中、Yが置換基を有していてもよい炭素数3〜10のシクロアルキル基である請求項1記載の透明感光性樹脂組成物。
  3. 前記一般式(3)中、Yがシクロヘキシル基である請求項1または2記載の透明感光性樹脂組成物。
  4. 前記一般式(1)中、Rがメチル基である請求項1〜3のいずれか一項記載の透明感光性樹脂組成物。
  5. 前記アルカリ可溶性樹脂の構造単位の総和を100mol%としたときの一般式(3)で表される構造単位量が10〜23mol%である請求項1〜4のいずれか一項に記載の透明感光性樹脂組成物。
  6. 前記アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量が10,000〜100,000である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の透明感光性樹脂組成物。
  7. 前記アルカリ可溶性樹脂の酸価が60〜100mgKOH/gである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の透明感光性樹脂組成物。
  8. 前記重合性モノマー100質量部に対して、前記アルカリ可溶性樹脂を34〜66質量部含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の透明感光性樹脂組成物。
  9. 硬化後膜厚3μmになるように塗布し、25℃、45Paの条件で200秒間減圧乾燥した後、105℃のオーブンで10分間加熱乾燥した後の23℃における粘度が1×10〜1×10Pa・sとなる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の透明感光性樹脂組成物。
  10. 上底面の直径が6μm、下底面の直径が9μm、高さが3μmの円錐台状フォトスペーサーを形成し、50mNの荷重をかけたときの弾性復元率が70%以上となる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の透明感光性樹脂組成物。
  11. レンズスキャン露光用である請求項1〜10のいずれか一項に記載の透明感光性樹脂組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の透明感光性樹脂組成物の硬化物を用いたフォトスペーサー。
  13. 請求項12記載のフォトスペーサーを用いた液晶表示装置。
  14. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の透明感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、乾燥してプリベイク膜を得て、プリベイク膜をレンズスキャン露光および現像することによりフォトスペーサーを形成する、フォトスペーサーの製造方法。
  15. 前記プリベイク膜の23℃における粘度が1×10〜1×10Pa・sである、請求項14に記載のフォトスペーサーの製造方法。
  16. カラーフィルター基板と、駆動素子側基板とを対向させて、両者の間に液晶化合物を封入する、液晶表示装置の製造方法であって、カラーフィルター基板および/または駆動素子側基板上に請求項14または15記載の製造方法によりフォトスペーサーを製造する工程を有する、液晶表示装置の製造方法。
  17. 少なくともアルカリ可溶性樹脂、光重合開始剤および重合性モノマーを含有する透明感光性樹脂組成物であって、前記アルカリ可溶性樹脂が
    A)下記一般式(1)で表される構造単位と、
    B)下記一般式(2)で表される構造単位と、
    C)下記一般式(3)で表される構造単位を有し、
    前記アルカリ可溶性樹脂のエチレン性不飽和基当量が400g/mol以下である透明感光性樹脂組成物のレンズスキャン露光への使用。
    Figure 2019059169
    (上記一般式(1)中、Rは水素原子またはメチル基を示す。)
    Figure 2019059169
    (上記一般式(2)中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を示す。Xは−CHCH(OH)CHO(C=O)−、−CHCHNH(C=O)O(CHO(C=O)−または−(CHO(C=O)NHCHCHO(C=O)−を示す。ただし、mおよびnはそれぞれ独立に1〜4の整数を示す。)
    Figure 2019059169
    (上記一般式(3)中、Yは置換基を有していてもよい炭素数6〜11のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜10のアラルキル基または置換基を有していてもよい炭素数3〜10のシクロアルキル基を示す。)
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