JPWO2018216610A1 - 乗物用シート - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、車両用シートを構成するシートクッションに設けられたパンフレームに係る発明であって、強度を高めるためビードをパンフレームに形成したことを特徴とする発明が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示されたパンフレームを備えるシートクッションには、着座者に向けて送風するため、パンフレーム上に送風機を配設する必要があった。このため、送風機を配設する領域を確保するためにシートクッションの高さを高くする必要があった。
また、このように送風機をパンフレームよりも着座者側に配設した場合には、送風機の動作に伴う振動が着座者に伝わりやすく、その振動により着座者に不快感を与えることがあった。
また、本発明の他の目的は、送風機の振動が着座者に伝わることを抑制することにある。
また、本発明の他の目的は、ブラケットにハーネスを容易に固定することにある。
上記構成においては、乗物用シートが備えるパンフレームに、ダクトが通された開口部が形成されている。このため、送風機に接続されたダクトをコンパクトに配置することができ、パンフレームタイプのシートクッションに送風機を備える乗物用シートを提供することが可能となる。
上記構成によれば、蛇腹形状を有するダクトの凹部がパンフレームの開口部と重なる位置にあることで、ダクトがパンフレームから外れることを抑制できる。
上記構成によれば、送風機が、ブラケットの本体部に取り付けられて、ブラケットを介してパンフレームに取り付けられていることで、送風機の振動が着座者に伝わることを抑制できる。
上記構成によれば、ダクトが通された開口部がブラケットに形成されていることで、ブラケットによってダクトの配置が制限されることを抑制できる。
上記構成によれば、ハーネスのクリップを固定するための固定部がブラケットに設けられていることで、容易、かつ安定的にハーネスをブラケットに固定することができる。
また、本発明によれば、ダクトがパンフレームから外れることを抑制できる。
また、本発明によれば、送風機の振動が着座者に伝わることを抑制できる。
また、本発明によれば、ブラケットによってダクトの配置が制限されることを抑制できる。
また、本発明によれば、容易、かつ安定的にハーネスをブラケットに固定することができる。
また、以下において、前後、左右、上下の各方向は、車両用シートSの着座者から見た各方向と一致することとする。
まず、本発明の乗物用シートである本実施形態に係る車両用シートSの全体構成について、図1を主に参照して概説する。図1は、本実施形態に係る車両用シートSの斜視図である。
シートクッションS2は、着座者の臀部を支持する座部を構成し、骨格部分を成すシートクッションフレーム2を有する。シートクッションS2の表皮材S2xには、左右4つずつの通気孔S2yが形成されている。シートクッションS2の内部に後述するブロア48が配設されており、このブロア48から生じる風は、通気孔S2yを通って、着座者の大腿部近傍に送り出される。
次に、車両用シートSの骨格を成すフレームFについて図2A及び図2Bを参照して説明する。図2Aは、フレームFの斜視図、図2Bは、フレームF中、シートクッションS2を構成する部分を示す斜視図である。
フレームFは、図2Aに示すように、シートバックフレーム1と、シートクッションフレーム2と、から主に構成されている。
また、シートクッションフレーム2は、図2Bに示すように、中央よりも後側に配設された後側連結部40と、中央よりも前側に配設された前側連結部41と、シート幅方向中央側に配設されたパンフレーム42と、から構成されている。
前側連結部41は、直線的に形成されており、シートクッションフレーム2の前端部で左右に延在している。
パンフレーム42は、板状に形成されており、略水平向きに後側連結部40と前側連結部41とに架け渡された状態で溶接によりそれぞれに接合されている。パンフレーム42には、後述するダクト49の吹き出し側の端部が通される開口部42aが形成されている。
次に、図1、図2A及び図2Bに加え、図3〜図7を参照してブロア48及びブロア48の周辺部材について説明する。図3は、図1のIII-III断面を示す、シートクッションS2内におけるブロア48、ブラケット50及びダクト49の配置を示す断面図、図4は、ブラケット50にブロア48及びダクト49を取り付けた状態を示す斜視図、図5は、ブラケット50にダクト49を取り付けた状態を示す斜視図である。また、図6は、ブラケット50を示す斜視図、図7は、ブロア48及びブラケット50にハーネス51を取り付けた状態を示す平面図である。
シートクッションS2の内部には、着座者の臀部に送る風を生じさせるための送風機としてのブロア48が設けられている。ブロア48は、本発明に係る送風機に相当し、パンフレーム42の下方に設けられている。
ブロア48は、図4に示すように、中央にあるブロア本体48aと、後方に突出する吸気部48aaと、中央下側に設けられた図示せぬ吹出部と、から主に構成されている。
また、ブロア48の下側にある図示せぬ吹出口には、後述するダクト49が接続されており、ブロア48から生じた風が、ダクト49、クッション材S2z及び通気孔S2yを介して着座者の大腿部に流れるように形成されている。
シートクッションS2内において、ブロア48を配設するためのブラケット50が、パンフレーム42に取り付けられている。
ブラケット50は、図6に示すように、パンフレーム42から下方に離れた位置に形成された平板状の本体部50aと、パンフレーム42に取り付けられる取付部としての取付脚50b,50cと、ハーネス51を固定するための固定脚50eと、を主に備える。
また、本体部50aの上面側には、上方に突出する3本の取付用突起50hが形成されている。取付用突起50hは、ブロア48に形成された図示せぬ取付用の孔に一部を通してブロア48を支持するため、及びタッピング53を受け入れてブロア48とブラケット50とを螺合するためのものである。取付用突起50hは、その周面にリブが形成されており、円筒状を成している。
固定脚50eは、図7に示すように、上下方向に貫通する固定孔50fを有する。この固定孔50fは、ブロア48に接続されたハーネス51を固定する固定部として機能するものである。具体的には、ハーネス51にはクリップ51aが取り付けられており、このクリップ51aが固定孔50fに挿し込まれることにより、ハーネス51が固定脚50eに固定支持されることとなる。このように、ハーネス51のクリップ51aを固定するための固定孔50fがブラケット50に設けられていることで、ハーネス51がブラケット50に容易、かつ安定的に固定されることとなる。
ダクト49は、ブロア48によって生成される風を、パンフレーム42の上方にガイドする機能を有し、略J字状に形成された筒状の部材である。
ダクト49は、風を導入する側の端部に設けられたフランジ49cと、風を吹出する側の端部に設けられた蛇腹部49aと、を備える。
蛇腹部49aのうち、外面側に凸部49aaが形成された内面側の部位、つまり、内面側において窪んだ部位には、連結部材52の末広がりに形成された環状の下端部が係合している。
また、ダクト49は、凹部49abがパンフレーム42の厚み方向においてパンフレーム42の開口部42aと重なる位置となるように配設されている。このようにダクト49が配設されていることで、開口部42aの縁がダクト49の凹部49ab側に入り込むこととなり、ダクト49がパンフレーム42から外れることを抑制できる。
上記の実施形態では、スライドレール3を介して車体フロアに固定されているシートクッションフレーム2を例に挙げて説明した。ただし、これに限定されるものではなく、スライドレール3とは異なる機構によって車体フロアに固定されているシートクッションフレームも考えられる。具体的に説明すると、図8及び図9に図示のシートクッションフレーム102であってもよい。図8は、変形例に係るシートクッションフレーム102の斜視図であり、図9は、変形例に係るシートクッションフレーム102を下方から見た図である。
以下、図8及び図9を参照しながら、第1変形例に係る車両用シートSのシートクッションフレーム102の構造について説明する。
第1変形例に係るシートクッションフレーム102は、図8及び図9に示すように、中央よりも後側に配設された後側連結部140と、中央よりも前側に配設された前側連結部141と、後側連結部140と前側連結部141との間に架け渡されたパンフレーム142と、を有する。後側連結部140に取り付けられているパンフレーム142の後端部は、図9に示すように、前側連結部141に取り付けられているパンフレーム142の前端部よりも下方に位置している。
このように、開口部142aの両側に第1補強部144を設けることで、開口部142aの周囲の剛性低下を抑制できる。
また、第1補強部144を設けることで、開口部142aを大きくすることが可能であるため、ブロア48からの風量を十分に確保できる。
また、上記の例では、シートクッションS2の通気孔S2yから送風する例について説明したが、シートクッションS2の通気孔S2yからブロア48に向けて吸気するようにしてもよい。
次に、図10を参照しながら、第2変形例に係る車両用シートSのシートクッションフレーム102の構造について説明する。
図10は、第2変形例に係るシートクッションフレーム102は、第1変形例に係るシートクッションフレーム102に対して、パンフレーム142に第2補強部145を更に設けた点で相違する。以下では、第1変形例からの相違点について説明する。
第2補強部145を金属製のワイヤー部材により形成する場合には、パンフレーム142が金属製であるときには、例えばパンフレーム142に金属製のワイヤー部材又はプレート部材を溶接することで、第1補強部144を形成してよい。また、パンフレーム142が樹脂製であるときには、例えばパンフレーム142に金属製のワイヤー部材又はプレート部材を埋設することで、第1補強部144を形成することとしてよい。
このように、連結部材52を通す開口部142aを、第1補強部144及び第2補強部145により取り囲むことにより、開口部142aの周囲の剛性低下をより一層抑制することができる。
また、第1補強部144及び第2補強部145を設けることで、開口部142aを大きくすることができるため、ブロア48からの風量を十分に確保できる。
次に、図11を参照しながら、第3変形例に係る車両用シートSのシートクッションフレーム102の構造について説明する。
第3変形例に係るシートクッションフレーム102では、第1変形例に係るシートクッションフレーム102に対して、パンフレーム142の構成において相違する。以下、相違点について説明する。
そして、開口部142aの左右の両側には、第3補強部146が形成される。第3補強部146は、第1直線部146a、湾曲部146b及び第2直線部146cからなる。
第3補強部146は、ビードとして形成されてもよいし、ワイヤー部材又はプレート部材により形成されてもよい。
湾曲部146bは、第1直線部146aの後端に接続し、開口部142aに沿って湾曲した補強部である。
第2直線部146cは、湾曲部146bの後端に接続し、開口部142aの後方に形成される直線状の補強部である。第2直線部146cは、前後に延出し、シート幅方向において開口部142aと少なくとも一部が重なる位置に形成される。
また、第3補強部146を設けることで、開口部142aを大きくすることができるため、ブロア48からの風量を十分に確保できる。
次に、図12を参照しながら、第4変形例に係る車両用シートSのシートバックフレーム1の構造について説明する。
図12に示されるように、第4変形例に係るシートバックフレーム1においては、シートバックフレーム1にパンフレーム242を架設して、パンフレーム242に形成された開口部242aからブロア48から延出するダクト49と、ダクト49に接続する連結部材52を、パンフレーム242の前方側に通すようにしている。
具体的には、シートバックフレーム1は、上部フレーム1Aと、上部フレーム1Aの左右の端部に取り付けられたサイドフレーム1Bとを備える。
そして、パンフレーム242は、上部フレーム1Aの左右に架け渡されるように、上部フレーム1Aに対して取り付けられる。例えば、パンフレーム242は、上部フレーム1Aに対して溶接により取り付けられてもよいし、ボルト等の機械接合により取り付けられてもよい。
そして、開口部242aの上下にはそれぞれ、左右方向に延出する第4補強部244が形成される。第4補強部244は、例えばビードとして形成されてもよいし、ワイヤー部材又はプレート部材により形成されてもよい。
こうして、ダクト49を通じて送られてくるブロア48からの風がパンフレーム242の開口部242aを通じて、シートバックS1の通気孔S1yから排気される。
また、上記の例では、シートバックS1の通気孔S1yから送風する例について説明したが、シートバックS1の通気孔S1yからブロア48に向けて吸気するようにしてもよい。
また、連結部材52を通す開口部242aの周辺に第4補強部244を形成したことにより、開口部242aの周辺の剛性低下を抑制することができる。
このように、第4補強部244を設けることで、開口部242aを大きくすることができるため、ブロア48からの風量を十分に確保できる。
S1 シートバック
S1x 表皮材
S1y 通気孔
S1z クッション材
S2 シートクッション
S2x 表皮材
S2y 通気孔
S2z クッション材
F シートフレーム
1 シートバックフレーム
1A 上部フレーム
1B サイドフレーム
2 シートクッションフレーム
3 スライドレール
40 後側連結部
41 前側連結部
42 パンフレーム
42a 開口部
48 ブロア(送風機)
48a ブロア本体
48aa 吸気部
48b 突出片
49 ダクト
49a 蛇腹部
49aa 凸部
49ab 凹部
49c フランジ
50 ブラケット
50a 本体部
50b,50c 取付脚(取付部)
50d 固定孔
50e 固定脚
50f 固定孔(固定部)
50g 開口部
50h 取付用突起
51 ハーネス
51a クリップ
52 連結部材
53 タッピング
102 シートクッションフレーム
140 後側連結部
141 前側連結部
142 パンフレーム
142a 開口部
143 フット部
144 第1補強部
145 第2補強部
146 第3補強部
146a 第1直線部
146b 湾曲部
146c 第2直線部
150 ブラケット
242 パンフレーム
242a 開口部
244 第4補強部
Claims (5)
- シートクッションと、
該シートクッションに設けられた送風機と、を備える乗物用シートであって、
前記シートクッションは、板状のパンフレームを備え、
前記送風機は、前記パンフレームの下方に設けられており、
前記送風機には、ダクトが接続されており、
前記パンフレームには、前記ダクトが通された開口部が形成されていることを特徴とする乗物用シート。 - 前記ダクトは、一方向に連続して形成された凹部と凸部とから成る蛇腹形状を有しており、
該蛇腹形状の前記凹部が、前記パンフレームの開口部と前記一方向において重なる位置にあることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。 - 前記シートクッション内に前記送風機を配設するためのブラケットを更に備え、
該ブラケットは、前記パンフレームに取り付けられた状態において、前記パンフレームから離れた位置に形成された本体部と、前記パンフレームに取り付けられる取付部と、を備え、
前記送風機は、前記ブラケットの前記本体部に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。 - 前記ブラケットには、前記ダクトが通された開口部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の乗物用シート。
- 前記送風機には、ハーネスが接続されており、
該ハーネスには、クリップが取り付けられており、
前記ブラケットには、前記クリップを固定するための固定部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の乗物用シート。
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