JPWO2018173189A1 - ソレノイドおよびその製造方法 - Google Patents

Abstract

【課題】 ヨークに鉄芯を取り付ける際に、鉄芯を大型のプレス機でカシメることなく、安価で小型かつ汎用のハンド工具を使用して簡単かつ強固に取り付けることができるソレノイドの提供を目的とする。【解決手段】 この発明のソレノイド１は、断面コ字状のヨーク２と、前記ヨーク２内に配置される電磁コイル４を有するボビン３と、前記ボビン３内に配置される固定鉄芯５と、前記ヨーク２上に揺動自在に装着されるフラッパ６で構成されるもので、前記固定鉄芯５と前記ヨーク２底面を、ネジ嵌合によって一体的に連結したものである。したがって、前記固定鉄芯５のヨーク２底面への装着を、従前のようにカシメ固定する広い作業場を必要とせず、汎用の安価で小型のハンド工具（ハンドドリルないし電動ドライバー）を使用して簡単に行うことができる。【選択図】 図１

Description

この発明は、コピー機、ファクシミリ、ハードディスクなどのＯＡ機器、その他各種の情報事務機器などに使用されるソレノイドに関するものである。
より詳しくは、ヨークに鉄芯（固定鉄芯）を取り付ける際に、鉄芯を大型のプレス機でカシメることなく、安価で小型かつ汎用のハンド工具を使用して簡単かつ強固に取り付けることができるフラッパ型のソレノイドと、その製造方法に関するものである。

例えば、複写機やプリンタなどの用紙の位置決めに際しては、フラッパ型ソレノイドが採用されている。
このフラッパ型ソレノイドは、ヨーク内に配置したボビンの中心部に設けた鉄芯（固定鉄芯）と、前記ボビンの外側に巻回された電磁コイルとで電磁石を構成し、前記電磁コイルに通電することで磁界を発生させ、前記鉄芯の上部に揺動自在に配置された可動板（フラッパ）を吸着して作動させるものである。

かかるフラッパ型ソレノイドの一例が、特許文献１に開示されている。

特開２０００−１２４０２８号公報（特許文献１）には、電磁コイルと、該電磁コイルの略中心に位置する磁性芯と、前記電磁コイルと前記磁性芯とから成る電磁石に磁界が発生したときに前記磁性芯に吸着される回動可能なフラッパと、前記電磁石の磁界が消去したときに前記フラッパを前記磁性芯より離間させる付勢部材とを有するフラッパ型電磁ソレノイドにおいて、
前記フラッパとこれを支える支持部との間に、相互の部品間のガタによる作動時の叩打音を吸収する吸音静音材を介在させたこと、を特徴とするフラッパ型電磁ソレノイドが提案されている。

このフラッパ型ソレノイドは、ガタツキや騒音及び振動の発生が抑制されて安定した作動が持続することができるものであるが、磁性芯である鉄芯は、フレームに、カシメ手段によって保持固定されている。

特開２０００−１２４０２８号公報（特許請求の範囲，段落００４３，図８）

前記特許文献１に開示されているフラッパ型電磁ソレノイドなど、従来のフラッパ型ソレノイドの製造に際しては、一般的に、ヨークに鉄芯（固定鉄芯）を取り付ける場合、ヨーク内に、コイルを巻回したボビンを挿入した後、ボビン内に鉄芯を通し、ヨーク底面に、カシメ手段によって固定するため、大型で高額なプレス設備を必須とし、広い作業スペースが求められる。
さらに、カシメ作業には熟練の作業員を必要とするなど、必然的にソレノイドの生産コストを引き下げることが難しい、という問題や、安定したカシメ作業を行うことが難しいためヨークの変形やカシメ不十分といった品質のソレノイドが発生する場合がある、という問題もあった。

この発明はかかる現状に鑑み、大型のハイスピン・プレスを使用することなく、小型で安価な汎用のハンド工具（ハンドドリルないし電動ドライバー）を使用し、鉄芯を強固に固定することができ、かつ構成部品の挿入と、ねじ締めのみで簡単に組み立てることのできるフラッパ型ソレノイドと、その製造方法を提供せんとするものである。

前記目的を達成するため、この発明にかかる請求項１に記載の発明は、
この発明の請求項１に記載の発明は、
断面コ字状のヨークと、前記ヨーク内に配置される電磁コイルを有するボビンと、前記ボビン内に配置される固定鉄芯と、前記ヨーク上に揺動自在に装着されるフラッパで構成され、
前記固定鉄芯と前記ヨーク底面を、ネジ嵌合によって一体的に連結したものであること
を特徴とするソレノイドである。

この発明の請求項２に記載の発明は、
請求項１に記載のソレノイドにおいて、
前記ネジ嵌合される雄ネジ又は雌ネジのうち、少なくとも一方のネジ溝は、
その表面に接着層を有すること
を特徴とするものである。

この発明の請求項３に記載の発明は、
請求項２に記載のソレノイドにおいて、
前記接着層は、
接着剤成分を封入したマイクロカプセルで構成されていること
を特徴とするものである。

この発明の請求項４に記載の発明は、
請求項２に記載のソレノイドにおいて、
前記接着層は、
エポキシ樹脂系接着剤及び／又はアクリル樹脂系接着剤で構成されていること
を特徴とするものである。

この発明の請求項５に記載の発明は、
請求項１に記載のソレノイドにおいて、
前記固定鉄芯は、
その底部に雄ネジ部を有し、
前記ヨーク底面は、
前記雄ネジ部と螺合するよう内周面に、雌ネジが形成された貫通孔からなる雌ネジ部を有すること
を特徴とするものである。

この発明の請求項６に記載の発明は、
請求項１に記載のソレノイドにおいて、
前記ヨーク底面は、
内側に向かって突出形成された雄ネジ部を有し、
前記固定鉄芯は、
その先端面に、前記雄ネジ部と螺合するよう内周面に雌ネジが形成された所要の深さのネジ孔からなる雌ネジ部を有すること
を特徴とするものである。

この発明の請求項７に記載の発明は、
請求項１に記載のソレノイドにおいて、
前記ヨーク底面に形成され、かつ内周面に雌ネジを有する貫通孔と、前記固定鉄芯の先端面に形成され、かつ内周面に雌ネジを有する所要の深さのネジ孔とが、相互に連通して雌ネジ部を形成し、
前記ヨーク底面と前記固定鉄芯は、前記雌ネジ部と螺合するよう外周面の先端から基端部に向かって形成された雄ネジを有する棒状の雄ネジ部材によって、一体的に連結されていること
を特徴とするものである。

この発明の請求項８に記載の発明は、
請求項５〜７のいずれかに記載のソレノイドにおいて、
前記雄ネジ部は、
３以上のネジ山を有すること
を特徴とするものである。

この発明の請求項９に記載の発明は、
請求項１〜８のいずれかに記載のソレノイドにおいて、
前記フラッパは、
前記ヨークの一方の起立部上に形成された軸杆に支承され、かつ前記ヨークと前記フラッパとの間にスプリング部材を装着することによって搖動自在に構成されていること
を特徴とするものである。

この発明の請求項１０に記載の発明は、
請求項５又は７に記載のソレノイドにおいて、
前記貫通孔は、
その外面側の開口周縁部に、所要の高さ突出形成された環状部が設けられたものであること
を特徴とするものである。

この発明の請求項１１に記載の発明は、
断面コ字状のヨークに、電磁コイルを有するボビンを内装させた後、固定鉄芯をボビン内に挿入し、前記ヨーク底面とネジ嵌合させること
を特徴とするソレノイドの製造方法である。

この発明のソレノイドは、断面コ字状のヨークと、前記ヨーク内に配置される電磁コイルを有するボビンと、前記ボビン内に配置される固定鉄芯と、前記ヨーク上に揺動自在に装着されるフラッパで構成されるもので、前記固定鉄芯と前記ヨーク底面を、ネジ嵌合によって一体的に連結したものである。
したがって、このソレノイドは、固定鉄芯のヨーク底面への装着に際しては、従前のようにカシメ固定する広い作業場を必要とせず、汎用の安価で小型のハンド工具（ハンドドリルないし電動ドライバー）を使用して行うことができるので、構成部品の挿入とねじ締めのみで、簡単に組み立てることができるものである。

さらに、前記ネジ嵌合に際して、前記固定鉄芯又はヨーク底面の雄ネジ又は雌ネジのうち、少なくとも一方に設けられたネジ溝の表面に、接着層を形成することによって、前記固定鉄芯を、前記ヨーク底面に、より強固に嵌合することが可能となる。

一方、この発明のソレノイドの製造方法は、断面コ字状のヨークに、電磁コイルを有するボビンを内装させた後、固定鉄芯を、ボビン内に挿入し、前記ヨーク底面とネジ嵌合させるので、従来のカシメ手段と同等以上の作用効果をソレノイドに付与することができ、ソレノイドの組立てを、汎用の安価で小型のハンド工具を使用して行うことができる。

その結果、作業者が大型プレス装置の設置された作業場への移動がないので、生産効率を一段と向上させることができる。
同時に、卓上程度の小さな作業スペースでの組立て作業が可能となるので、組立て効率を大幅に改善することができる。

この発明にかかるソレノイドの一例を示す斜視図である。 図1に示すソレノイドの分解斜視図である。 図1に示すソレノイドの縦断面図である。 図1に示すソレノイドを構成する鉄芯の一部切欠き断面図である。 この発明にかかるソレノイドの他の例を示す分解斜視図である。 図５に示すソレノイドの縦断面図である。 図５に示すソレノイドを構成する鉄芯の一部切欠き断面図である。 図５に示すソレノイドの変形態様を示す縦断面図である。 図８に示すソレノイドを構成するネジ部材を示す斜視図である。

以下、この発明にかかるソレノイドと、その製造方法について、添付の図面に基づいて具体的に説明する。
なお、この発明は開示された実施例にのみ限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内において種々改良することができるものである。

この発明にかかるフラッパ型ソレノイド（以下、「ソレノイド」という。）１は、図１及び２に示すように、断面コ字状のヨーク２と、前記ヨーク２の中心部に内装されるボビン３と、前記ボビン３に巻回された電磁コイル４と、前記ボビン４内に配置される固定鉄芯５と、前記ヨーク２上に揺動自在に装着されるフラッパ（可動板）６とから構成されるものである。
なお、図１において、符号７は、ヨーク２を、複写機などの所定の機器ないし装置に装着するための取付部材である。

図２に示すように、前記ヨーク２は、その底面を構成する基部２ａと、その両端に平行に設けられた一対の起立部２ｂ，２ｂからなる断面コ字状体からなるものである。
なお、図１において、前記起立部２ｂ，２ｂの端面は、いずれも、前記固定鉄芯５を取り付けた状態において、前記固定鉄芯５のフランジ部５ｂと面一になるように構成されている。

前記ボビン３は、図１〜３に示すように、円筒部３ａと、その両端に対向して配置される一対の円板部３ｂ，３ｃとからなるもので、その中央部には、軸方向に沿って、前記固定鉄芯５の外径とほぼ等しい内径を有する挿通孔３ｄが貫通形成されている。
さらに、前記円筒部３ａの外周部には、複数の導線からなる電磁コイル４が巻回されている。

前記固定鉄芯５は、鉄などで構成されるもので、前記ボビン３の内径とほぼ等しい外径を有する円柱状の芯部５ａを主体とするものである。

この発明のソレノイド１は、前記ヨーク２、具体的には、その基部２ａに前記固定鉄芯５をネジ嵌合によって取り付けること、を最大の特長とするものである。

第一の実施形態として、固定鉄芯５は、図２〜４に示すように、前記ボビン３の挿通孔３ｄの内径とほぼ等しい外径を有する円柱状の芯部５ａと、前記芯部５ａの頂部に一体的に設けられた円盤状のフランジ部５ｂと、前記芯部５ａの底部の中央部に突出形成された雄ネジ部５ｃで構成されている。
この雄ネジ部５ｃは、前記芯部５ａの底部に縮径部を突出形成し、この縮径部の外周面に、周方向に沿って複数のネジ溝５ｄを形成することによって、複数のネジ山５ｅを形成したものである。
なお、図３及び４に示すように、前記固定鉄心５のフランジ部５ｂの中央部には、前記固定鉄心５の取り付けを、ハンド工具を用いて簡単に行うことができるよう、所要の大きさの六角穴５ｆを形成しているが、その穴の形状についてはハンド工具の形態に応じて選択すればよく、六角穴以外の十字穴などであってもよい。

一方、ヨーク２の基部２ａの中央部には、図２に示すように、前記雄ネジ部５ｃと螺合する雌ネジ部２ｅが形成されている。
この雌ネジ部２ｅは、前記雄ネジ部５ｃを挿通保持する貫通孔からなるもので、その内周面には、前記雄ネジ部５ｃと逆ネジ構造の雌ネジが形成されたものである。
なお、前記貫通孔の外面側の開口周縁部には、所要の高さ環状部２ｆが突出形成されている。

かかる構成によれば、前記固定鉄芯５の雄ネジ部５ｃを、前記ヨーク２の基部２ａに形成されている雌ネジ部（貫通孔）２ｅと、ネジ嵌合することによって、前記ヨーク２に装着される。

さらに、第二の実施形態として、ソレノイド１１において、固定鉄芯１５は、図５〜７に示すように、芯部１５ａの底部の中央部に、雄ネジ部に代えて、内周面に雌ネジを有する所要の深さのネジ孔からなる雌ネジ部１５ｃを形成する点を除き、前記固定鉄芯５と同様の構成を有している。

一方、ヨーク１２の基部１２ａ内面の中央部には、図５及び６に示すように、前記雌ネジ部１５ｃと螺合する雄ネジ部１２ｆが内側に向かって突出形成されている。

かかる構成によれば、前記ヨーク１２の基部１２ａに形成されている雄ネジ部１２ｆを、前記固定鉄芯１５の雌ネジ部１５ｃとのネジ嵌合によって、前記ヨーク１２に装着させることができる。
このような構成によれば、固定鉄芯に雄ネジ部としての突出部を設ける必要がない。

第三の実施形態は、第二の実施形態の変形態様を示すもので、ヨークと固定鉄芯を、棒状の雄ネジ部材によって、一体的に連結せしめるものである。

具体的には、図８に示すソレノイド２１において、固定鉄芯２５は、前記固定鉄芯１５と、ヨーク２２は、前記ヨーク２と、それぞれ同様のものであるが、前記固定鉄芯２５の雌ネジ部２５ｃと前記ヨーク２２の、前記雌ネジ部２５ｃと同様の雌ネジを内周面に形成した貫通孔２２ｅは、相互に連通して雌ネジ部を形成するよう構成されている。

一方、ネジ部材９は、図９に示すように、前記固定鉄芯２５の雌ネジ部２５ｃ及び前記ヨーク２２の基部２２ａに形成されている貫通孔（雌ネジ部）２２ｅと螺合するよう外周面の先端から基端部に向かって形成された雄ネジを有するものである。
なお、前記ネジ部材９の端部にも、図９に示すように、その取り付けを、ハンド工具を用いて簡単に行うことができるよう、所要の大きさの六角穴９ｃを形成している。

したがって、前記貫通孔２２ｅに対して、その外側から前記ネジ部材９を、その先端が貫通するよう挿入し、これによって形成された突出部と、前記固定鉄芯２５の雌ネジ部２５ｃを螺合することによって、前記ヨーク２２に前記固定鉄芯２５を装着させることができる。

なお、上述した実施例においては、雄ネジ部のネジ山を３以上形成するとともに、雌ネジ部には、前記ネジ山に対応するようネジ溝を形成している。
したがって、前記雄ネジ部は、前記雌ネジ部と強固に螺合する。

この発明において、前記固定鉄芯又はヨーク底面に設けられる雄ネジ部又は雌ネジ部のうち、少なくとも一方のネジ溝の表面には、所要の厚さの接着層を形成することが好ましい。
図４において、固定鉄芯５の雄ネジ部５ｃのネジ溝５ｄ表面には、所要の厚さの接着層１０が形成されている。
このような構成によって、前記固定鉄芯を、前記ヨークに、きわめて強固に固定することが可能となる。
なお、前記接着層の厚さについては、雄ネジ部を、雌ネジ部にねじ込むことを困難にしない程度のものとすることが好ましい。

前記接着層を構成する接着剤については、接着性を有するものであれば、特に制限はない。
前記接着剤として、例えば、
シリコン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポリフェニルサルファイド系樹脂から選ばれる１種または２種以上の樹脂と、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、尿素系樹脂、ポリアミド系樹脂から選ばれる１種または２種以上の樹脂の混合物、あるいは共重合体
が例示される。
前記接着剤については、その取り扱いの容易性の観点から、好ましくは粘性がないか又はきわめて少ないドライな接着剤であって、所定の圧を付与すると接着する接着剤が選択される。
より好ましくは、アクリル樹脂系接着剤及び／又はエポキシ樹脂系接着剤を主成分として含む接着剤が選択される。

さらに、この実施例において、前記接着層１０は、アクリル樹脂系接着剤又はエポキシ樹脂系接着剤を主成分として含む接着剤をマイクロカプセルに封入した成分で構成されているが、この発明において、前記接着剤については、マイクロカプセルに封入した形態で使用することができる。
このような構成によれば、雄ネジ部を雌ネジ部にねじ込んだときに生じる圧力によって、前記マイクロカプセルが破壊されて、前記接着剤が放出され、その結果、接着効果が発揮されるので、その取り扱いがきわめて容易である。
なお、前記接着剤を必須成分として封入したマイクロカプセルの製造方法としては、公知の方法を用いることができる。

なお、前記接着層の形成方法については、前記雄ネジ部と雌ネジ部を、螺合した状態で接着・固定することを可能にする層を形成することができるものであれば、特段の制限はない。
例えば、ゴム系や合成樹脂系などの接着剤であって、乾燥状態では接着性を発揮しないものを、雄ネジ部又は雌ネジ部の一方に塗布、乾燥して層を形成し、他方に前記接着剤に対応する可塑剤を封入したマイクロカプセルで構成された層を形成した場合には、雄ネジ部を雌ネジ部にねじ込んだときに生じる圧力によって、前記マイクロカプセルが破壊されて前記可塑剤が放出され、前記接着剤と接触することにより接着効果が発揮される。
また、雄ネジ部又は雌ネジ部の一方に、粘着剤又は接着剤（例えば、エポキシ樹脂系接着剤）を封入したマイクロカプセルで構成された層を形成し、他方に、前記粘着剤又は接着剤に対応する硬化剤（例えば、イソシアネート）を封入したマイクロカプセルで構成された層を形成した場合は、雄ネジ部を雌ネジ部にねじ込んだときに生じる圧力によって、これらのマイクロカプセルが破壊されて、前記粘着剤又は接着剤と前記硬化剤が放出され、互いに接触することにより接着効果が発揮される。
これらの構成によっても、目的とする作用効果が得られるので、これらの構成を採用してもよい。

この発明において、前記フラッパ６は、前記ヨーク２上に揺動自在に装着されていればよく、その構成に特段の制限はないものである。
なお、図１において、符号６ｂは、ヨーク２を、他の機器ないし装置のカム（図示せず）と係合するためフラッパ６の先端部を上方に折り返して形成した係止片である。

この実施例において、前記ヨーク２は、図１に示すように、相対する一方の起立部２ｂの上面に、一対の軸杆２ｇ，２ｇを突出形成し、一方の軸杆２ｇの内側の側面の長手方向中央部を矩形状に切欠いて、側面視がＬ字状のフラッパ係止部２ｈを形成したものである。

一方、前記フラッパ６には、図２に示すように、その基端側近傍の長手方向において相対する縁部に、それぞれ前記一対の軸杆２ｇ，２ｇと係合するための凹状の係合部６ｃ，６ｃが形成されている。

さらに、前記ヨーク２の一方の起立部２ｂの外面中央部には、前記フラッパ６を常時ヨーク２から離反させる方向に付勢するスプリング部材Ｓの一端が係合する突起２ｃがやや下方に向けて突設されている。

一方、前記フラッパ６の基端部には、図１及び２に示すように、スプリング部材Ｓの他端が係合するための側面視Ｌ字状の突出部６ａが一体的に付設されている。

したがって、前記フラッパ６を、前記ヨーク２の一対の軸杆２ｇ，２ｇの間に挿入させながら差し込み、前記係合部６ｃ，６ｃを、それぞれ前記フラッパ係止部２ｈの基部と他方の起立部２ｂの基部に係着させた後、前記スプリング部材Ｓを、前記フラッパ６の突出部６ａと前記ヨーク２の突起２ｃとの間に装着することで、前記フラッパ６を、前記ヨーク２上に揺動自在に装着することができる。

なお、この実施例において、他方の起立部２ｂの上面部には、前記フラッパ６の基端部を支承する一対の軸杆２ｇ，２ｇが突出形成されているが、他方の起立部２ｂには、その上端から外側水平方向に消音部材載置部２ｄが延設されている。
この消音部材載置部２ｄに、消音部材８を載置することで、前記固定鉄芯５に吸引されて移動することにより発生しうる前記フラッパ６の衝突音を減衰することが可能となる。

かかる構成のソレノイドは、先ず、ボビンに電磁コイルを巻回した後、ボビンをヨーク内に内装する。
しかるのち、固定鉄芯をボビン内に挿入し、ヨークの底面に形成された貫通孔（雌ネジ部）又は突起部（雄ネジ部）を利用して、固定鉄芯をヨークとネジ嵌合させる。
さらに、フラッパを、ヨークの一対の軸杆の間に挿入させながら差し込んで支承させ、ソレノイドを組立てるものである。

この発明にかかるフラッパ型ソレノイドは、固定鉄芯を、ヨークの底面に、ネジ嵌合によって装着しているので、カシメ作業を行う必要がなく、小型で安価な汎用のハンド工具を使用して、固定鉄芯をヨークに強固に固定することができるため、広い分野でのソレノイドの利用が可能となる。

１，１１，２１ ソレノイド
２，１２，２２ ヨーク
２ａ，１２ａ，２２ａ 基部
２ｂ，１２ｂ，２２ｂ 起立部
２ｃ，１２ｃ，２２ｃ 突起
２ｄ，１２ｄ，２２ｄ 消音部材載置部
２ｅ，２２ｅ 貫通孔
２ｆ，２２ｆ 環状部
２ｇ，１２ｇ，２２ｇ 軸杆
２ｈ，１２ｈ，２２ｈ フラッパ係止部
３，１３，２３ ボビン
３ａ，１３ａ，２３ａ 円筒部
３ｂ，１３ｂ，２３ｂ 円板部（上側）
３ｃ，１３ｃ，２３ｃ 円板部（下側）
３ｄ，１３ｄ，２３ｄ 挿通孔
４，１４，２４ 電磁コイル
５，１５，２５ 固定鉄芯
５ａ，１５ａ，２５ａ 芯部
５ｂ，１５ｂ，２５ｂ フランジ部
５ｃ 雄ネジ部
５ｄ ネジ溝
５ｅ ネジ山
５ｆ，１５ｆ，２５ｆ 六角穴
６，１６，２６ フラッパ
６ａ，１６ａ，２６ａ 突出部
６ｂ，１６ｂ，２６ｂ 係止片
６ｃ，１６ｃ，２６ｃ 係合部
７，１７，２７ 取付部材
８，１８，２８ 消音部材
９ ネジ部材
９ａ ネジ溝
９ｂ ネジ山
９ｃ 六角穴
１０ 接着層
１２ｆ 雄ネジ部
１５ｃ，２５ｃ 雌ネジ部
Ｓ スプリング部材

Claims (11)

1. 断面コ字状のヨークと、前記ヨーク内に配置される電磁コイルを有するボビンと、前記ボビン内に配置される固定鉄芯と、前記ヨーク上に揺動自在に装着されるフラッパで構成され、
   前記固定鉄芯と前記ヨーク底面を、ネジ嵌合によって一体的に連結したものであること
   を特徴とするソレノイド。
2. 前記ネジ嵌合される雄ネジ又は雌ネジのうち、少なくとも一方のネジ溝は、
   その表面に接着層を有すること
   を特徴とする請求項１に記載のソレノイド。
3. 前記接着層は、
   接着剤成分を封入したマイクロカプセルで構成されていること
   を特徴とする請求項２に記載のソレノイド。
4. 前記接着層は、
   エポキシ樹脂系接着剤及び／又はアクリル樹脂系接着剤で構成されていること
   を特徴とする請求項２に記載のソレノイド。
5. 前記固定鉄芯は、
   その底部に雄ネジ部を有し、
   前記ヨーク底面は、
   前記雄ネジ部と螺合するよう内周面に、雌ネジが形成された貫通孔からなる雌ネジ部を有すること
   を特徴とする請求項１に記載のソレノイド。
6. 前記ヨーク底面は、
   内側に向かって突出形成された雄ネジ部を有し、
   前記固定鉄芯は、
   その先端面に、前記雄ネジ部と螺合するよう内周面に雌ネジが形成された所要の深さのネジ孔からなる雌ネジ部を有すること
   を特徴とする請求項１に記載のソレノイド。
7. 前記ヨーク底面に形成され、かつ内周面に雌ネジを有する貫通孔と、前記固定鉄芯の先端面に形成され、かつ内周面に雌ネジを有する所要の深さのネジ孔とが、相互に連通して雌ネジ部を形成し、
   前記ヨーク底面と前記固定鉄芯は、前記雌ネジ部と螺合するよう外周面の先端から基端部に向かって形成された雄ネジを有する棒状の雄ネジ部材によって、一体的に連結されていること
   を特徴とする請求項１に記載のソレノイド。
8. 前記雄ネジ部は、
   ３以上のネジ山を有すること
   を特徴とする請求項５〜７のいずれかに記載のソレノイド。
9. 前記フラッパは、
   前記ヨークの一方の起立部上に形成された軸杆に支承され、かつ前記ヨークと前記フラッパとの間にスプリング部材を装着することによって搖動自在に構成されていること
   を特徴とする請求項１〜８のいずれかに記載のソレノイド。
10. 前記貫通孔は、
    その外面側の開口周縁部に、所要の高さ突出形成された環状部が設けられたものであること
    を特徴とする請求項５又は７に記載のソレノイド。
11. 断面コ字状のヨークに、電磁コイルを有するボビンを内装させた後、固定鉄芯をボビン内に挿入し、前記ヨーク底面とネジ嵌合させること
    を特徴とするフラッパ型ソレノイドの製造方法。

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