JP2013164091A - 無励磁作動型電磁ブレーキ - Google Patents

無励磁作動型電磁ブレーキ Download PDF

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Abstract

【課題】ディスク径の大径化が可能で、かつ充分なコイルスペースを確保できる新規の構造を持つ無励磁作動型電磁ブレーキを提供する。
【解決手段】軸心部2aの周りに配置されたコイル3および付勢手段であるコイルばね10を有するインナーヨーク2Iと、コイルばね10によりインナーヨーク2Iの一端面2nから離れる方向に弾性付勢される位置に配置されるアーマチュア5と、このアーマチュア5の隣接位置に配置され被制動回転軸7の回転を受け回転自在なディスク6と、インナーヨーク2Iの外周位に配置され両端部にインナーヨーク2Iの他端面2pおよびディスク6の抜け止めとなる係止部2fi、2fdを備えたアウターヨーク2Oとからなり、アウターヨーク2Oとインナーヨーク2Iとの間のコイルスペースCsにコイル3を配置する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ブレーキトルクの向上を図った無励磁作動型電磁ブレーキに関するものである。
従来、産業用ロボットやNC工作機械などで使用される無励磁作動型電磁ブレーキはブレーキトルクを落とさずに小型化することが求められてきているが、種々の構造上の制約がある。従来の無励磁作動型電磁ブレーキの一例を図10ないし図12に示す。この無励磁作動型電磁ブレーキ901は、中心に円筒状の軸心部902aと外周に円筒状の周壁部902bと前記軸心部902aおよび周壁部902bを一体に連結するように底部902cとを有するヨーク902を具備し、これら軸心部902a、周壁部902bおよび底部902cにより、一方向に開口した環状の凹部902dが形成されている。前記軸心部902aには被制動回転軸907が挿通可能にかつ回転可能に構成されており、またヨーク902の環状の凹部902dにはコイル903が巻回されたコイルボビン913が装着されている。前記ヨーク902の底部902c側にはモータなどの外部部材に固定するための3箇所の取付用穴(図示しない)が設置されている。また、前記ヨーク902の開口側には、後述するコイルばね910を装着するためのコイルばね穴902bcが配置されている。さらに、前記ヨーク902の開口側には側板であるプレート904が円周方向に等間隔に配置された3個のカラー912を介することによって作動ギャップとなる所定の間隔を開けて3本のねじ911によって固定されている(図11では1箇所のみ示している)。
前記ヨーク902とプレート904の間には、アーマチュア905がコイルばね穴902bcに装着されたコイルばね910により付勢されて配置されており、その外周縁部の3箇所に形成された切り欠き部905a〜905aにカラー912が係合されることにより被制動回転軸907の軸方向に移動可能かつ回転を規制するように配置されている。
また、前記アーマチュア905とプレート904の間にはディスク906が、前記被制動回転軸907の回転を受けて回転するハブ908と一体に回転可能かつハブ908に対して軸方向に移動可能に配置されている。なお、ディスク906はカラー912に接触しないように配置されている。
前記プレート904はハブ908が、また前記ディスク906およびアーマチュア905は被制動回転軸907が挿通可能な内孔を有する部材である。
前記コイルボビン913に巻回されたコイル903は通常通電されておらず、コイル903の非通電時には、アーマチュア905はヨーク902に設けられたコイルばね910によりディスク906を付勢し、プレート904とで挟み込むことによりディスク906の回転を摩擦力で止めている。いわゆるブレーキが掛かっている状態である。コイル903への通電時は、コイル903に電流が流されることで磁場が発生し、アーマチュア905は電磁力によりヨーク902に引き付けられ、作動ギャップ内を移動してディスク906を解放する。解放されたディスク906は被制動回転軸907とともに回転を始めブレーキが解除される。
特開2000−120734公報
上記無励磁作動型電磁ブレーキ901では、ディスク906が被制動回転軸907と共に回転するためには、プレート904をヨーク902に固定するためのカラー912に接触してはならないので、ディスク906の径が制限されている。ディスク径が制限されると必要なブレーキトルクを得るためにコイルばね910をばね荷重の強いものに換えなければならない。強いばね荷重を持ったコイルばね910に換えると、通電時、アーマチュア905をディスク906から解放しようとする時には、この強いばね荷重に抗する電磁吸引力が必要となる。この電磁吸引力を増加させるためには、より多くのコイル903を巻回させなければならず、このためにはヨーク902にコイルスペースを確保しなければならない。
しかしながら、前記ヨーク902とプレート904との間でアーマチュア905とディスク906とを被制動回転軸907の軸方向に移動可能に配置するための作動ギャップを形成すべく、プレート904をヨーク902に固定するカラー912とねじ911とが必要となるばかりか、アーマチュア905を付勢するコイルばね910のコイルばね穴902bcが必要となっている。そのため、ヨーク902にはカラー912およびねじ固定用並びにコイルばね穴902bc用の周壁部902bが必要となり、この周壁部902bの厚み分ヨーク902の環状の凹部902dが狭まり、十分なコイルスペースを確保できず、その改善が要望されている。つまり、ヨーク902の外周部近傍のコイルばね穴902bc、取付用穴、ヨーク902およびプレート904間のカラー912およびねじ911を設置するスペースをなくし、無励磁作動型電磁ブレーキ901を大径化することなくディスク906を大径化し、コイルスペースを確保することが要望されている。
本発明は、外径サイズを大きくせずとも、ディスクの大径化を図り、充分なコイルスペースを確保した新規の構造を持つ無励磁作動型電磁ブレーキを提供することを目的としている。
本発明は以上のような要望を鑑み、次のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明の無励磁作動型電磁ブレーキは、軸心部の周りに配置されたコイルおよび付勢手段を有するインナーヨークと、前記付勢手段によりインナーヨークの一端面から離れる方向に弾性付勢される位置に配置されるアーマチュアと、当該アーマチュアの隣接位置に配置されて被制動回転軸の回転を受けて回転自在なディスクと、前記インナーヨークの外周位に配置され両端部にインナーヨークの他端面およびディスクの抜け止めとなる係止部を備えたアウターヨークとからなり、これらアウターヨークとインナーヨークとの間のコイルスペースに前記コイルを配置し、かつ当該アウターヨークの係止部と前記インナーヨークの一端面との間にアーマチュア、ディスクを配置して、ディスクがアーマチュアとともに付勢手段に付勢された際にアウターヨークの係止部との間に摩擦力を発生させ、コイルへの通電時にアーマチュアを当該インナーヨークの一端面側に吸着してディスクを解放させるように構成するとともに、このアウターヨークは前記軸心部の回りに分割されていて各々の分割片の周壁に開口部を有し、この開口部内に前記アーマチュアの対応箇所に設けた凸部を位置させて当該アーマチュアの回転を規制したことを特徴とする。
このようにすると、インナーヨークの一端面とアウターヨークの係止部との間に所要の作動ギャップを形成することができ、アーマチュアの凸部がアウターヨークの開口部に位置することで当該アーマチュアの回転規制も図れるので、従来無励磁作動型電磁ブレーキの側板とヨークを固定し、アーマチュアの回り止めを図るのにも必要不可欠だったカラーとねじを不要にすると同時に、付勢手段を軸心部に設けたので、インナーヨークとアウターヨークとにより形成されるコイルスペースを拡張することができる。しかも、このようにアウターヨーク内にアーマチュアやディスクを内包し、アーマチュアの凸部をアウターヨークの窓内に位置づけるように構成しても、アウターヨークを分割したことで、簡単に組み立てを行うことができる。
さらに、側板とヨークを固定するのに必要不可欠だったカラーとねじを取り除いたので、ディスクの大径化をすることが可能となる。ブレーキトルクは摩擦係数と押し付け荷重とディスクの平均摩擦半径の積であるので、本発明により無励磁作動型電磁ブレーキの径はそのままで、ブレークトルクの向上を図ることができる。
加えて、前記アウターヨークの両端部の係止部がインナーヨークおよびディスクの抜け止めとなり、コイルへの通電がない時にはこの係止部に向けてインナーヨークとディスクが付勢手段によって押し付けられるので、組み立てた状態でアウターヨークの分割片同士は当該アウターヨークが内包している付勢手段やアーマチュア、ディスクを介して間接的に分解しない方向に保持されるため、単に組み立てただけで一体的に取り扱うことができ、作業性も向上する。また、コイルへの通電時にはインナーヨークとアウターヨークの接合面に磁気回路が構成され吸引力が発生するため、インナーヨークとアウターヨークは固定される。その上、外部部材に無励磁作動型電磁ブレーキを取り付ける時は、インナーヨークと外部部材の無励磁作動型電磁ブレーキへの取り付け面で、アウターヨークを挟み込んで無励磁作動型電磁ブレーキを固定するため、コイルへの通電状態に関わらず、インナーヨークとアウターヨークは固定される。なお、インナーヨークをアウターヨークに圧入するタイプのものにおいて考慮すべき使用環境、すなわち高温になったときに発生するおそれのあるヨークの歪変化によるインナーヨークの抜け落ちも考慮する必要がなく、比較的高温環境下でも使用できる。
さらに、前記付勢手段を簡便にインナーヨークの軸心部に設けるためには、インナーヨークは筒状のものであって、他端面側に径方向に突出する段部を設け、この段部に前記付勢手段の一端を弾接していると好ましい。
加えて、外部部材に取り付けるための取付用穴がコイルスペースの確保の妨げとならないためには、前記インナーヨークの底部に外部部材を取り付けるための取付用穴が設けられていると有効である。
その上、外部部材の大きさや形状の都合上、前述の取付用穴では取り付けが難しい時は、前記アウターヨークに外部部材に取り付けるための取付用孔を有する鍔部を設けると効果的である。
以上、説明した本発明によれば、従来、プレートとヨーク間に配置が必要であったねじ、カラーを取り除き、アーマチュアの付勢手段をヨークの周壁部から軸心部に移動させたので、ディスク径の大径化が可能で、かつ充分なコイルスペースを確保でき、従来同サイズで達成不可能であったスペックが達成可能となる。
また、アウターヨークを分割可能とすることにより、組立が容易になるとともに、インナーヨークをアウターヨークに圧入するタイプのものにおいて考慮すべき比較的高温環境下でのヨークの歪変化を考慮せずとも使用することができるようになる。
本発明の一実施形態に係る無励磁作動型電磁ブレーキを示す背面図。 図1におけるA−A線に沿った断面図。 本発明の一実施形態に係る無励磁作動型電磁ブレーキ及びその内部構造を模式的に示す説明図。 本発明の第一実施形態に係る無励磁作動型電磁ブレーキを示す正面図。 図2のB−B線に沿った拡大断面図。 本発明の第一実施形態に係る無励磁作動型電磁ブレーキの変形例を示す正面図。 本発明の第一実施形態に係る無励磁作動型電磁ブレーキの変形例を示す背面図。 本発明の第二実施形態に係る無励磁作動型電磁ブレーキを示す背面図。 本発明の第二実施形態に係る無励磁作動型電磁ブレーキを示す縦断面図。 従来の無励磁作動型電磁ブレーキを示す正面図。 従来の無励磁作動型電磁ブレーキを示す縦断面図。 従来の無励磁作動型電磁ブレーキに係るアーマチュアを示す正面図。
<第一実施形態>
以下、本発明の第一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1ないし図5に示すように、本実施形態の無励磁作動型電磁ブレーキ1は、円筒状の軸心部2aとこれと一体の底部2cとからなる強磁性体製で筒状のインナーヨーク2Iを有し、その軸心部2aの外周面には絶縁フィルム(図示せず)を介してコイル3が巻回されている。軸心部2aには被制動回転軸7が挿入可能にかつ回転可能に構成される。
インナーヨーク2Iの軸心部2aの内壁部2kの一端側に径方向に突出する段部2qが形成されており、この段部2qには付勢手段の一例であるコイルばね10が被制動回転軸7に干渉しないようにその一端が弾接されている。このコイルばね10は、その他端をアーマチュア5に弾接しており、アーマチュア5をインナーヨーク2Iの一端面2nから離れる方向に付勢している。また、インナーヨーク2Iの底部2cには本無励磁作動型電磁ブレーキ1をモータなどの外部部材に取り付けるための4箇所の取付用穴2m〜2mが円周方向に90°間隔で設けられている。
インナーヨーク2Iの一端面2n側には磁性体からなる略円盤状のアーマチュア5がコイルばね10により弾性付勢されて配置されている。アーマチュア5は外周に2個の凸部5a、5aを有し、この凸部5a、5aが後記アウターヨーク2Oの開口部2e、2eに位置するように構成されている。また、アーマチュア5の隣接位置には非磁性体からなる円盤状のディスク6が配置されており、これらアーマチュア5およびディスク6は被制動回転軸7が挿通可能な内孔を有している。ディスク6は適宜の方法で被制動回転軸7に固定されている。
インナーヨーク2Iは、外周位に、インナーヨーク2Iの他端面2pおよびディスク6に当接してこれらの抜け止めとなる係止部2fi、2fdを両端部に備えた分割可能なアウターヨーク2Oが配置されており、このアウターヨーク2Oとインナーヨーク2Iとが組み合わせられて、円筒状の空隙であるコイルスペースCsにコイル3を収納するヨーク2が形成されている。アウターヨーク2Oは被制動回転軸7の回りに均等に2分割された筒状をなしており、インナーヨーク2Iの両側からインナーヨーク2Iを簡単に内包できる構成となっている。また、係止部2fi、2fdは、アウターヨーク2Oの軸心側に折り曲げられたような形状をなしており、インナーヨーク2Iの底部2c側の係止部2fiは取付用穴2m〜2mを塞がないように形成されている。
アウターヨーク2Oは組立時にアーマチュア5およびディスク6を内包するように構成されており、各々のアウターヨーク2Oの分割片の周壁においてアーマチュア5の凸部5a、5aに対応する位置に開口部2e、2eを有し、組立時にはこれらの開口部2e、2eにアーマチュア5の凸部5a、5aが位置するように構成されている。開口部2e、2eはアーマチュア5の厚みよりもわずかに大きい開口高さを有し、アーマチュア5を被制動回転軸7の軸方向に移動可能に、かつ回転を規制するように構成されている。また、アウターヨーク2Oの開口部2e、2eの位置は、係止部2fdで係止されたディスク6をアーマチュア5により付勢できる位置となっており、コイル3の非通電時には、コイルばね10によりアーマチュア5がディスク6に付勢され、アウターヨーク2Oの係止部2fdとともにディスク6を挟むことによって、ディスク6の回転を摩擦力で止める、いわゆるブレーキが掛かっている状態となるように構成されている。
次に、無励磁作動型電磁ブレーキ1の組み立て作業について、説明する。無励磁作動型電磁ブレーキ1を組み立てる際は、インナーヨーク2Iの軸心部2a内に付勢手段であるコイルばね10を挿入し、アーマチュア5、ディスク6の順に、コイルばね10を押さえつつ側面から分割された2個のアウターヨーク2O、2Oの係止部2fi、2fdをそれぞれインナーヨーク2Iの底部2c、ディスク6に係合させる。同時に、アウターヨーク2Oの開口部2e、2eにアーマチュア5の凸部5a、5aの一部を位置させ、2個のアウターヨーク2O、2Oをインナーヨーク2Iに組み付ける。アウターヨーク2O、2O同士の接合は、接合面に形成された溝(図示せず)を嵌め合わせることにより行う。コイル3への通電がない時には組み立てた状態でアウターヨーク2Oの分割片同士はアウターヨーク2Oが内包している付勢手段であるコイルばね10やアーマチュア5、ディスク6を介して間接的に分解しない方向に保持されるため、単に組み立てただけで一体的に取り扱うことができる。また、コイル3への通電時にはインナーヨーク2Iとアウターヨーク2Oの接合面に磁気回路が構成され吸引力が発生するため、インナーヨーク2Iとアウターヨーク2Oは固定される。その上、外部部材に無励磁作動型電磁ブレーキ1を取り付ける時は、インナーヨーク2Iと外部部材の無励磁作動型電磁ブレーキ1への取り付け面で、アウターヨーク2Oを挟み込んで無励磁作動型電磁ブレーキ1を固定するため、コイル3への通電状態に関わらず、インナーヨーク2Iとアウターヨーク2Oは固定される。より密着した接合が必要ならば、接着剤で接合しても良い。また、簡易にテープやゴムなどを巻くだけでもよい。
次に、上記無励磁作動型電磁ブレーキ1の動作について、説明する。この無励磁作動型電磁ブレーキ1では、コイル3に電流が流されることで磁場が発生し、アーマチュア5は電磁力によりインナーヨーク2Iの一端面2n側に吸着されて、被制動回転軸7の軸方向に移動し、ディスク6を解放する。そのため、ディスク6および被制動回転軸7へのブレーキが解除される。
また、コイル3が非通電の時は、コイルばね10によりアーマチュア5がディスク6側に付勢され、アウターヨーク2Oの係止部2fdとともにディスク6を挟むことによって、ディスク6の回転を摩擦力で止める。そのため、ブレーキが掛かっている状態となって、ディスク6および被制動回転軸7の回転を停止させることができる。
以上のように、本実施形態の無励磁作動型電磁ブレーキ1は、軸心部2aの周りに配置されたコイル3および付勢手段であるコイルばね10を有するインナーヨーク2Iと、コイルばね10によりインナーヨーク2Iの一端面2nから離れる方向に弾性付勢される位置に配置されるアーマチュア5と、このアーマチュア5の隣接位置に配置されて被制動回転軸7の回転を受けて回転自在なディスク6と、インナーヨーク2Iの外周位に配置され両端部にインナーヨーク2Iの他端面2pおよびディスク6の抜け止めとなる係止部2fd、2fiを備えたアウターヨーク2Oとからなり、これらアウターヨーク2Oとインナーヨーク2Iとの間のコイルスペースCsにコイル3を配置し、かつアウターヨーク2Oの係止部2fi、2fdとインナーヨーク2Iの一端面2nとの間にアーマチュア5、ディスク6を配置して、ディスク6がアーマチュア5とともに付勢手段であるコイルばね10に付勢された際にアウターヨーク2Oの係止部2fdとの間に摩擦力を発生させ、コイル3への通電時にアーマチュア5をインナーヨーク2Iの一端面2n側に吸着してディスク6を解放させるように構成するとともに、このアウターヨーク2Oは軸心部2aの回りに分割されていて各々の分割片の周壁に開口部2eを有し、この開口部2e内にアーマチュア5の対応箇所に設けた凸部5aを位置させてアーマチュア5の回転を規制したことを特徴とする。この構成によりインナーヨーク2Iの一端面2nとアウターヨーク2Oの係止部2fdとの間に所要の作動ギャップを形成することができ、アーマチュア5の凸部5aがアウターヨーク2Oの開口部2eに位置することでアーマチュア5の回転規制も図れるので、従来無励磁作動型電磁ブレーキ901の側板904とヨーク902を固定し、アーマチュア905の回り止めを図るのにも必要不可欠だったカラー912とねじ911を不要にすると同時に(図10ないし図12参照)、付勢手段であるコイルばね10を軸心部2aに設けたので、インナーヨーク2Iとアウターヨーク2Oとにより形成されるコイルスペースCsを拡張することができる。しかも、このようにアウターヨーク2O内にアーマチュア5やディスク6を内包し、アーマチュア5の凸部5aをアウターヨーク2Oの窓内に位置づけるように構成しても、アウターヨーク2Oを分割したことで、簡単に組み立てを行うことができる。
さらに、側板とヨークを固定するのに必要不可欠だったカラーとねじを取り除いたので、ディスク6の大径化をすることも可能となる。ブレーキトルクは摩擦係数と押し付け荷重とディスクの平均摩擦半径の積であるので、本発明により無励磁作動型電磁ブレーキの径はそのままで、ブレークトルクの向上を図ることができる。
加えて、アウターヨーク2Oの両端部の係止部2fd、2fiがインナーヨーク2Iおよびディスク6の抜け止めとなり、コイル3への通電がない時にはこの係止部2fd、2fiに向けてインナーヨーク2Iとディスク6が付勢手段であるコイルばね10によって押し付けられるので、組み立てた状態でアウターヨーク2Oの分割片同士はアウターヨーク2Oが内包している付勢手段であるコイルばね10やアーマチュア5、ディスク6を介して間接的に分解しない方向に保持されるため、単に組み立てただけで一体的に取り扱うことができ、作業性も向上する。また、コイル3への通電時にはインナーヨーク2Iとアウターヨーク2Oの接合面に磁気回路が構成され吸引力が発生するため、インナーヨーク2Iとアウターヨーク2Oは固定される。その上、外部部材に無励磁作動型電磁ブレーキ1を取り付ける時は、インナーヨーク2Iと外部部材の無励磁作動型電磁ブレーキ1への取り付け面で、アウターヨーク2Oを挟み込んで無励磁作動型電磁ブレーキ1を固定するため、コイル3への通電状態に関わらず、インナーヨーク2Iとアウターヨーク2Oは固定される。なお、インナーヨークをアウターヨークに圧入するタイプのものにおいて考慮すべき使用環境、すなわち高温になったときに発生するおそれのあるヨークの歪変化によるインナーヨークの抜け落ちも考慮する必要がなく、比較的高温環境下でも使用できる。
さらに、本実施形態の無励磁作動型電磁ブレーキ1に係るインナーヨーク2Iは筒状のものであって、他端面2p側に径方向に突出する段部2qを設け、この段部2qに付勢手段であるコイルばね10の一端が弾接しているので、全く新しい構造のヨーク2となり、インナーヨーク2Iの作製および組立作業が簡便になる。
さらにまた、インナーヨーク2Iの底部2cに外部部材を取り付けるための取付用穴2m〜2mが設けられているので、従来、ヨーク902の周壁部902bに設けられていたコイルばね910およびプレート取付用ねじ穴902bpを削除することができ、コイルスペースCsを確保することを妨げることなく、従来同サイズで達成不可能であったスペックが達成可能となる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、コイルとインナーヨークの間には絶縁フィルムを介在させたが、両者を絶縁できればこれに限らず、絶縁シートや絶縁ゴムなどでもよく、またコイルを予め巻いたコイルボビンなどをインナーヨークの軸心部の周りに配置する構造でもよい。
また、アウターヨークの係止部は、インナーヨーク側およびディスク側の抜け止め効果があれば、例えば、アウターヨークの外周から内方向に延伸する数個の板状、羽状の形状のものなど、種々の形状のものが採用可能である。
さらに、本実施形態ではアウターヨークの係止部は、アウターヨークの両端部を曲げて作製したが、これに限らず、係止部は別体で作製して、接着剤や取付具などでアウターヨークの両端部に取り付けても良い。
しかも、本実施形態ではアウターヨークは2分割されたものを使用したが、これに限らず、3分割以上のものでも良く、図6および図7に示すように被制動回転軸207の回りに4分割されたアウターヨーク202O〜202Oであってもよい。
その上、本実施形態ではアウターヨークは被制動回転軸に沿って均等分割されたものを用いたが、これに限らず、全ての構成要素を含んで組立てができる限り均等でない分割のものでも良いし、分割されたアウターヨーク同士の接合が離間するような使用環境でなければ被制動回転軸と交差する方向の分割のものであっても良い。
また、本実施形態ではアウターヨークの開口部は2箇所に限らず、3箇所以上でも良く、例えば、開口部を4箇所にした場合は、アーマチュアは凸部を4個持つ形状であってもよく、分割されたアウターヨーク同士が離間しなければ、開口部がアウターヨークの縁部に位置しても良い。
またさらに、アーマチュアの形状はアウターヨークの窓状の開口部に係合すれば、四角形でもよいし、その他、非点対称な形状でも良い。
その他、ディスクを被制動回転軸へ固定するための構成は、例えばディスクの内径部にハブを係合させ、ハブをねじなどで被制動回転軸に固定することにより、ハブを介してディスクと被制動回転軸とを固定する構成にしても良い。
<第二実施形態>
図8および図9は、本発明の第二実施形態を示すものであり、第一実施形態と共通する部分についてその詳細な説明は省略し、第一実施形態と異なるところを説明する。
第二の実施形態において、インナーヨーク102I側のアウターヨーク102Oの端部に円環状の鍔部102hを設け、分割されたアウターヨーク102O、102Oが組み合わせられたときに円周方向に90度間隔になるように、鍔部102h、102hに取付用孔102jが4箇所設置されている。また、図示しない外部部材への取り付けにはねじを用いたが、取付手段はこれに限定されない。
以上のように、本実施形態の無励磁作動型電磁ブレーキ101のアウターヨーク102Oには外部部材に取り付けるための取付用孔102jを有する鍔部102hが設けられているので、ねじ等の取付手段の頭部を本無励磁作動型電磁ブレーキ101側に、取付手段の先端を外部部材側に配置して取り付けることが可能となり、外部部材の大きさや形状に合わせて取付位置や取付方向の選択をすることができる。
以上、本発明の第二実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
例えば、第二実施形態では鍔部の形を円環状にしたが、外部部材に本無励磁作動型電磁ブレーキを取り付けることができれば、これに限らず、アウターヨークの端部より立ち上がる鍔部を、例えば板状、羽状のものに取付用孔が設置されているもの、アウターヨークの端部から軸方向に外周側面部に沿ってその円筒側部を接触させた円筒状のもので中に取付用孔が設けられているようなものや、その他の形状でもよい。
また、第二実施形態では鍔部をアウターヨークの端部に設置したが、これに限らず、外周側部のどの位置にでも設置は可能である。
さらに、第二実施形態では鍔部の円周方向に90度間隔で均等に取付用孔を設けたが、外部部材に本無励磁作動型電磁ブレーキを安定的に固定できれば、これに限らず、取付用孔の増減は変更可能であるし、各取付用孔の間隔も任意である。
しかも、第二実施形態ではアウターヨークの鍔部に取付用孔を設けたため、必要最低限の強度を確保することができる限りにおいて、インナーヨークの底部の厚みを適宜削減しても良い。
なお、本発明の幾つかの実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1・・・無励磁作動型電磁ブレーキ
2I・・・インナーヨーク
2O・・・アウターヨーク
2a・・・軸心部
2c・・・底部
2e・・・開口部
2fi・・・係止部(インナーヨーク側)
2fd・・・係止部(ディスク側)
2m・・・取付用穴
2n・・・一端面
2p・・・他端面
2q・・・段部
3・・・コイル
5・・・アーマチュア
5a・・・凸部
6・・・ディスク
7・・・被制動回転軸
10・・・付勢手段(コイルばね)
102h・・・鍔部
102j・・・取付用孔
Cs・・・コイルスペース

Claims (4)

  1. 軸心部の周りに配置されたコイルおよび付勢手段を有するインナーヨークと、前記付勢手段によりインナーヨークの一端面から離れる方向に弾性付勢される位置に配置されるアーマチュアと、当該アーマチュアの隣接位置に配置されて被制動回転軸の回転を受けて回転自在なディスクと、
    前記インナーヨークの外周位に配置され両端部にインナーヨークの他端面およびディスクの抜け止めとなる係止部を備えたアウターヨークとからなり、これらアウターヨークとインナーヨークとの間のコイルスペースに前記コイルを配置し、かつ当該アウターヨークの係止部と前記インナーヨークの一端面との間にアーマチュア、ディスクを配置して、ディスクがアーマチュアとともに付勢手段に付勢された際にアウターヨークの係止部との間に摩擦力を発生させ、コイルへの通電時にアーマチュアを当該インナーヨークの一端面側に吸着してディスクを解放させるように構成するとともに、このアウターヨークは前記軸心部の回りに分割されていて各々の分割片の周壁に開口部を有し、この開口部内に前記アーマチュアの対応箇所に設けた凸部を位置させて当該アーマチュアの回転を規制したことを特徴とする無励磁作動型電磁ブレーキ。
  2. 前記インナーヨークは筒状のものであって、他端面側に径方向に突出する段部を設け、この段部に前記付勢手段の一端を弾接していることを特徴とする請求項1記載の無励磁作動型電磁ブレーキ。
  3. 前記インナーヨークの底部に外部部材を取り付けるための取付用穴が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の無励磁作動型電磁ブレーキ。
  4. 前記アウターヨークは外部部材に取り付けるための取付用孔を有する鍔部を具備することを特徴とする請求項1または2に記載の無励磁作動型電磁ブレーキ。
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