JP2008271341A - スピーカー組立体およびこれを用いたスピーカー、ならびに、これらの製造方法 - Google Patents

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仁 平野
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武士 藤谷
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Abstract

【課題】 内側ダンパーを採用していても組立が容易で、組立工数が少なく、周波数特性および耐入力特性に優れ、大入力時に異音が発生する等の不良が生じないドーム振動板を備えた小口径のスピーカーを提供する。
【解決手段】 スピーカー組立体は、ダンパー台のダンパー固着部を仮固定位置と本固定位置との間で移動させる振動系位置出し機構を構成し、ボビンがその円筒内面から内径側へ突出し、その内径が磁気空隙の内径に略等しく設定される係合突起部を備え、係合突起部は係合突起部とボイスコイルの中心位置との離間距離がダンパー台のダンパー固着部が仮固定位置と本固定位置との間で移動する移動距離に略等しくなる位置に設定され、ダンパー台がダンパー固着部と、磁気回路に当接してダンパー固着部を仮固定位置もしくは本固定位置のいずれかに位置させる係止部と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、音響再生のためのスピーカー、特に小口径のスピーカー、もしくは、マイクロスピーカー、およびその製造方法に関する。
音響再生のためのスピーカーにおいて、特に、小口径のスピーカーもしくはマイクロスピーカーにおいては、耐入力特性の問題から、その口径に対してボイスコイル径が比較的大きく設定される。その結果、これらのスピーカーでは、ボイスコイルのボビンの円筒上端にドーム振動板を設け、ボビンをダンパーおよびエッジにより振動可能に支持する構造が多く採用される。しかしながら、小型化にあたってスピーカーの最低共振周波数f0を低く抑え、同時に周波数特性および耐入力特性等を確保することは、設計上の制約から非常に困難である。
従来には、一般にボイスコイルボビンの円筒外側に位置するダンパーを採用するスピーカーに加えて、ボイスコイルボビンの円筒内側に内側ダンパーを設けるスピーカーがある(特許文献1参照)。
また、従来の外側ダンパーを設けた従来のスピーカーの製造方法においては、治具を使用しないで組立を可能にするストッパを有するボイスコイルボビンを備えたスピーカーがある(特許文献2)。
特開2004−221691号公報 (第1図) 実開平3−44396号公報 (第1図〜第3図)
しかし、特許文献1の内側ダンパーを設けたスピーカーにおいては、あらかじめ外周側のエッジをボビンに固着する工程と、ボビンの内周側に挿入されるボイスコイルホルダを取り除く工程と、その後に内側ダンパーを磁気回路およびボビンに固着する工程と、ボビンの円筒上端にドーム振動板を固着する工程を要している。したがって、内側ダンパーを採用したスピーカーの信頼性を確保するためには、組立が困難で、組立工数も余計に要するという問題がある。また、特許文献2のスピーカーは外側ダンパーであり、内側ダンパーの場合に治具を使用しないで組立を可能にすることが求められている。さらに、従来の内側ダンパーを採用する場合には、予め外周側のエッジをボビンに固着しておかなければならないので、ドーム振動板とエッジ部が一体成形された振動板を採用することができない、という問題がある。
本発明は、上記の従来の技術が有する問題を解決するためになされたものであり、その目的は、ドーム振動板を備えた小口径のスピーカーおよびマイクロスピーカーについて、内側ダンパーを採用していても組立が容易で、組立工数が少なく、同時に、周波数特性および耐入力特性に優れ、大入力時に異音が発生する等の不良が生じないスピーカーを提供することにある。
本発明のスピーカー組立体は、ボイスコイルが巻回されるボビンと、ボビンが規定する空間の内部に配されてその外周側がボビンの円筒内面に固着されるダンパーと、ダンパーの内周側を固着するダンパー固着部を有するダンパー台と、ボイスコイルが配置される磁気空隙を有しダンパー台を固着する磁気回路と、を備えるスピーカー組立体であって、ダンパー台および磁気回路が、ダンパー台のダンパー固着部を、仮固定位置と本固定位置との間で移動させる振動系位置出し機構を構成し、ボビンが、その円筒内面から内径側へ突出し、その内径が磁気空隙の内径に略等しく設定される係合突起部を備え、係合突起部は、係合突起部とボイスコイルの中心位置との離間距離が、ダンパー台のダンパー固着部が仮固定位置と本固定位置との間で移動する移動距離に略等しくなる位置に設定され、ダンパー台が、磁気回路のトッププレートに形成された中央孔を貫通して突出するダンパー固着部と、磁気回路に当接してダンパー固着部を仮固定位置もしくは本固定位置のいずれかに位置させる係止部と、を備える。
また、本発明のスピーカー組立体は、ボイスコイルが巻回されるボビンと、ボビンが規定する空間の内部に配されてその外周側がボビンの円筒内面に固着されるダンパーと、ダンパーの内周側を固着するダンパー固着部を有するダンパー台と、ボイスコイルが配置される磁気空隙を有しダンパー台を固着する磁気回路と、を備えるスピーカー組立体であって、ダンパー台および磁気回路が、ダンパー台のダンパー固着部を、仮固定位置と本固定位置との間で移動させる振動系位置出し機構を構成し、ダンパーが、その外周端に形成されて下側へ爪を突出し、爪の内径が磁気空隙の内径に略等しく設定される係合突起部を備え、ダンパー台が、磁気回路のトッププレートに形成された中央孔を貫通して突出するダンパー固着部と、磁気回路に当接してダンパー固着部を仮固定位置もしくは本固定位置のいずれかに位置させる係止部と、を備える。
好ましくは、本発明のスピーカー組立体は、上記のスピーカー組立体の振動系位置出し機構において、ダンパー台のダンパー固着部が、仮固定位置に位置する場合に、ボビンの下端部が磁気空隙の底部に当接し、かつ、係合突起部が磁気空隙の内周端に係合し、本固定位置に位置する場合に、ボビンに巻回されるボイスコイルが磁気空隙に配置される。
また、好ましくは、本発明のスピーカーは、上記のスピーカー組立体の振動系位置出し機構において、ダンパー台のダンパー固着部が本固定位置に位置する場合に、ボビンと固着する振動板と、その内周側がボビンの円筒外面に固着されるエッジと、エッジの外周側および磁気回路に固着するフレームと、をさらに備える。
また、好ましくは、本発明のスピーカーは、上記のスピーカーであって、振動板が、エッジを一体成形した振動板であり、振動板とエッジとを結合する結合部が、ボビンと固着する。
また、好ましくは、本発明のスピーカー組立体の製造方法は、上記のスピーカー組立体の製造方法であって、磁気回路を組み立てて磁気空隙を形成する工程と、磁気回路にダンパー台のダンパー固着部を貫通させて突出させて振動系位置出し機構を構成し、かつ、ダンパー固着部を仮固定位置に位置させる工程と、ダンパーの内周側をダンパー固着部に固着する工程と、ボビンの下端部を磁気空隙の底部に当接するように配置し、かつ、係合突起部を磁気空隙の内周端に係合させる工程と、ダンパーの外周端をボビンの円筒内面に固着する工程と、ダンパー台のダンパー固着部を本固定位置に位置させて、ボビンに巻回されるボイスコイルを磁気空隙に配置させる工程と、ダンパー台の係止部を磁気回路に固着する工程と、を含む。
また、好ましくは、本発明のスピーカーの製造方法は、上記のスピーカー組立体の製造方法を含む上記のスピーカーの製造方法であって、磁気回路にフレームを固着する工程と、ボビンに振動板を固着する工程と、ボビンの円筒外面にエッジの内周側を固着する工程と、エッジの外周側をフレームに固着する工程と、をさらに含む。
以下、本発明の作用について説明する。
本発明のスピーカー組立体は、ボイスコイルが巻回されるボビンと、ボビンが規定する空間の内部に配されてその外周側がボビンの円筒内面に固着されるダンパーと、ダンパーの内周側を固着するダンパー固着部を有するダンパー台と、ボイスコイルが配置される磁気空隙を有しダンパー台を固着する磁気回路と、を備える。スピーカー組立体は、ボビンと固着する振動板と、その内周側がボビンの円筒外面に固着されるエッジと、エッジの外周側および磁気回路に固着するフレームと、をさらに備えることにより、音声を再生する本発明のスピーカーを構成する。したがって、本発明のスピーカーは、ボイスコイルボビンの円筒内側に内側ダンパーを設けるスピーカーであり、小口径のスピーカーもしくはマイクロスピーカーに適する。
スピーカー組立体は、ダンパー台および磁気回路が、ダンパー台のダンパー固着部を、仮固定位置と本固定位置との間で移動させる振動系位置出し機構を構成する。ダンパー固着部の仮固定位置とは、ダンパーの内周側を固着する工程におけるダンパー固着部の位置であり、ダンパー固着部の本固定位置とは、ボビンに巻回されるボイスコイルが磁気空隙に配置されるときのダンパー固着部の位置である。スピーカー組立体は、ボビンの円筒内面から内径側へ突出する係合突起部を、あるいは、ダンパーの外周端に形成される係合突起部を、有している。この係合突起部は、ボイスコイルの中心位置との離間距離が、ダンパー台のダンパー固着部が仮固定位置と本固定位置との間で移動する移動距離に略等しくなる位置に設定される。したがって、このスピーカー組立体の振動系位置出し機構では、ダンパー台のダンパー固着部が、仮固定位置に位置する場合に、ボビンの下端部が磁気空隙の底部に当接し、かつ、係合突起部が磁気空隙の内周端に係合し、本固定位置に位置する場合に、ボビンに巻回されるボイスコイルが磁気空隙に配置される。その結果、本発明のスピーカー組立体を含むスピーカーの製造方法では、内側ダンパーを採用していても、ボビンを所定の位置に配置する治具としてのボイスコイルホルダを不要にできる。
具体的には、このスピーカー組立体の製造方法は、以下の工程からなる。すなわち、磁気回路を組み立てて磁気空隙を形成する工程と、磁気回路にダンパー台のダンパー固着部を貫通させて突出させて振動系位置出し機構を構成し、かつ、ダンパー固着部を仮固定位置に位置させる工程と、ダンパーの内周側をダンパー固着部に固着する工程と、ボビンの下端部を磁気空隙の底部に当接するように配置し、かつ、ボビンもしくはボビンに固着する補助部材、または、ダンパーのいずれかが備える係合突起部を磁気空隙の内周端に係合させる工程と、ダンパーの外周端をボビンの円筒内面に固着する工程と、ダンパー台のダンパー固着部を本固定位置に位置させて、ボビンに巻回されるボイスコイルを磁気空隙に配置させる工程と、ダンパー台の係止部を磁気回路に固着する工程と、を含む。
したがって、ダンパー固着部を仮固定位置に位置させる工程において、ダンパーとボビンとの相対位置を位置出して振動系を構成し、その後に、ダンパー台のダンパー固着部を本固定位置に位置させると、ボビンに巻回されるボイスコイルを磁気空隙に配置することができ、その結果、治具としてのボイスコイルホルダ無しで、スピーカー組立体を製造することができる。スピーカーの製造方法としても、組立が容易で、組立工数を少なくすることができる。
また、本発明のスピーカー組立体を含むスピーカーでは、内側ダンパーのスピーカーであっても、予め外周側のエッジをボビンに固着しておく必要がないので、エッジを一体成形した周波数特性および耐入力特性に優れる振動板を採用することができる。この場合には、振動板とエッジとを結合する結合部が、ボビンと固着する。したがって、本発明のスピーカー組立体を含むスピーカーの製造方法は、組立工数が少なくなり、同時に、周波数特性および耐入力特性に優れ、大入力時に異音が発生する等の不良が生じないスピーカーを実現することができる。
本発明のスピーカー組立体およびそれを用いたスピーカーは、ドーム振動板を備えた小口径のスピーカーおよびマイクロスピーカーについて、内側ダンパーを採用していても組立が容易で、組立工数が少なくすることができる。また、周波数特性および耐入力特性に優れ、大入力時に異音が発生する等の不良が生じないスピーカーを提供することができる。
本発明のスピーカー組立体は、内側ダンパーを採用していても組立が容易で、組立工数を少なくできるスピーカーを提供するという目的を、ボイスコイルが巻回されるボビンと、ボビンが規定する空間の内部に配されてその外周側がボビンの円筒内面に固着されるダンパーと、ダンパーの内周側を固着するダンパー固着部を有するダンパー台と、ボイスコイルが配置される磁気空隙を有しダンパー台を固着する磁気回路と、を備え、ダンパー台および磁気回路が、ダンパー台のダンパー固着部を、仮固定位置と本固定位置との間で移動させる振動系位置出し機構を構成し、ボビンが、その円筒内面から内径側へ突出し、その内径が磁気空隙の内径に略等しく設定される係合突起部を備え、係合突起部は、係合突起部とボイスコイルの中心位置との離間距離が、ダンパー台のダンパー固着部が仮固定位置と本固定位置との間で移動する移動距離に略等しくなる位置に設定され、ダンパー台が、磁気回路のトッププレートに形成された中央孔を貫通して突出するダンパー固着部と、磁気回路に当接してダンパー固着部を仮固定位置もしくは本固定位置のいずれかに位置させる係止部と、を備えるようにすることにより、実現した。
以下、本発明の好ましい実施形態によるスピーカー組立体およびこれを用いたスピーカー、ならびに、これらの製造方法について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
図1は、本発明の好ましい実施形態によるスピーカー組立体1およびこれを用いたスピーカー10を説明する断面図である。図1(a)は、スピーカー組立体1の断面図であり、後述するダンパー台5および磁気回路9が構成する振動系位置出し機構が、ダンパー台5のダンパー固着部5aが仮固定位置に位置している場合を説明する図である。また、図1(b)は、スピーカー組立体1の断面図であり、ダンパー台5のダンパー固着部5aが本固定位置に位置している場合を説明する図である。さらに、図1(c)は、スピーカー組立体1を用いたスピーカー10の断面図である。なお、説明に不要な一部の内部構造等は、省略している。
本実施例のスピーカー組立体1は、ボイスコイル2が巻回されるボビン3と、ボビン3が規定する空間の内部に配されてその外周側4bがボビン3の円筒内面3aに固着されるダンパー4と、ダンパー4の内周側4aを固着するダンパー固着部5aを有するダンパー台5と、ボイスコイル2が配置される磁気空隙9aを有しダンパー台5を固着する磁気回路9と、を備える。磁気回路9は、ヨーク6と、マグネット7と、トッププレート8とから構成され、ヨーク6の内周端部6aとトッププレート8の外周端部8aとの間に、磁界の磁束密度が高まる磁気空隙9aを形成する。したがって、スピーカー組立体1は、ボビン3と固着するドーム振動板11と、その内周側がボビン3の円筒外面に固着されるエッジ12と、エッジ12の外周側および磁気回路9に固着するフレーム13と、をさらに備えることにより、音声を再生する本発明のスピーカー10を構成する。スピーカー10は、ドーム振動板11を備え、内側ダンパー4を採用する口径3cmの小口径のスピーカーであり、口径に対してボイスコイル2の直径が比較的大きく設定され、ドーム振動板11の直径とダンパー4の直径とがほぼ等しくなっている。
図2は、音声電流が供給されるボイスコイル2が巻回されるボビン3の構成を説明する部分拡大断面図である。なお、図1および2では、ボイスコイル2からの引出線と、引出線をハンダ付けして(図示しない)ターミナルまで導通させる錦糸線は、省略されている。ボビン3は、短冊形状の材料片を略円筒状に成形してあり、その上側半分には補強紙が巻回されており、下側端部にボイスコイル2が巻回されている。一方、ボビン3の上側端部には、樹脂で成形した位置出し部材3xが被せられており、ボビン3の円筒内面3aに係合突起部3bを形成している。つまり、ボビン3に形成される係合突起部3bは、その円筒内面3aから内径側へほぼ全周に渡って突出した部分であり、係合突起部3bの内径は、磁気空隙9aの内径(つまり、トッププレート8の外周端部8aの外径)に略等しく設定される。なお、後述するように、係合突起部3bは、係合突起部3bとボイスコイル2の中心位置2aとの離間距離Mが、ダンパー台5のダンパー固着部5aが仮固定位置と本固定位置との間で移動する移動距離Lに略等しくなる位置に設定される。また、位置出し部材3xは、ボビン3の円筒外面に、エッジ12の位置出しをする位置出し突起部3dを形成している。
ダンパー4は、柔軟性を有する繊維の織布を基材としてフェノール樹脂を含浸して成形するコルゲーションダンパーであり、ダンパー4の外周側4bは、円筒内面3aに固着し、内周側4aは、ダンパー台5のダンパー固着部5aに固着する。ダンパー4は、他の材料で形成するものであってもよく、後述する他の実施例のように、内周側リングと外周側リングを連結するアームを有し、金属または樹脂で形成する蝶ダンパーであってもよい。
ダンパー台5は、略円筒状に樹脂材料もしくは非磁性の金属材料で成形される部材であり、磁気回路9とともに振動系位置出し機構を構成する。ダンパー台5は、円筒状の上端平面部にダンパー固着部5aと、円筒外面にネジ部5bと、円筒状の下端に外周側に突出したフランジ形状の係止部5cと、円筒状の下端平面部にダンパー台5をねじ回すための(図示しない)係合溝5dと、を形成している。一方、磁気回路9は、ヨーク6の中央底部に貫通孔6bを備え、また、マグネット7は、中央に貫通孔を有するリング状の磁石材料で形成され、そして、トッププレート8は、中央孔を有し、その内周端部8bには、ダンパー台5のネジ部5bと螺合するネジ部が形成されている。
したがって、ダンパー台5をトッププレート8の内周端部8bに螺合させると、ダンパー台5のダンパー固着部5aは、磁気回路9のトッププレート8に形成された中央孔を貫通して突出し、その突出する高さは、ヨーク6の中央底部の貫通孔6bから露出するダンパー台5の係合溝5dに、ドライバー等の工具を差し込んでダンパー台5をねじ回すことで、調整することができる。つまり、この振動系位置出し機構では、ダンパー台5のダンパー固着部5aの位置を、仮固定位置もしくは本固定位置のいずれかに位置させることができる。例えば、ダンパー台5のダンパー固着部5aの位置が、仮固定位置の場合とは、図1(a)のようにダンパー台5の係止部5cがヨーク6に当接し、ダンパー固着部5aが最も突出しない位置であり、本固定位置の場合とは、図1(b)のようにダンパー台5の係止部5cがトッププレート8の内周端部8bに当接し、ダンパー固着部5aが最も突出する位置である。すなわち、ダンパー台5のダンパー固着部5aが仮固定位置と本固定位置との間で移動する移動距離Lは、図1(a)に示すようになり、ダンパー台5および磁気回路9の寸法関係から自由に設計できる。
図1(a)を参照して、このスピーカー組立体1を製造する工程を説明する。最初に、磁気回路9を組み立てて、治具等を用いて均等な磁気空隙9aを形成する。この際、磁気回路9にダンパー台5を組み込んでおき、ダンパー固着部5aをトッププレート8から突出させておく。そして、このダンパー台5を予め組み合わせた振動系位置出し機構を含む磁気回路9において、ダンパー台5のダンパー固着部5aの位置を最も低い仮固定位置に位置させる。次に、ボビン3を磁気回路9の磁気空隙9aに挿入すると、ボビン3の係合突起部3bが磁気空隙9aの内径(つまり、トッププレート8の外周端部8aの外径)に係合し、ボビン3が磁気空隙9aに対してセンタリングされる。なお、この場合に、ボビン3の下端部3cが磁気空隙9aの底部9cに当接するようにボビン3の長さを予め設計しておいても良い。次に、ダンパー4の内周側4aを、ダンパー台5のダンパー固着部5aに接着剤で固着し、一方、ダンパー4の外周側4bを、ボビン3の円筒内面3aに接着剤で固着する。なお、ボビン3の係合突起部3bをダンパー4の外周側4bの位置出しおよび接着に利用しても良い。ダンパー4の内周および外周を固着する接着剤が固化すると、ボイスコイル2およびボビン3と、ダンパー4と、ダンパー台5のダンパー固着部5aとの径方向の相対的な位置関係が適正に固定化される。
次に、図1(b)を参照して、このスピーカー組立体1のボイスコイル2を磁気空隙9aに配置する工程を説明する。図1(a)の状態のスピーカー組立体1では、ボイスコイル2およびボビン3が、ダンパー4によって内周側から支持され、かつ、磁気空隙9aに対してセンタリングされるとともに、係合突起部3bとボイスコイル2の中心位置2aとの離間距離Mが、ダンパー台5の移動距離Lに略等しくなる位置に設定されている。したがって、振動系位置出し機構において、ダンパー台5のダンパー固着部5aを仮固定位置から本固定位置へ移動させるように、ヨーク6の中央底部の貫通孔6bから露出するダンパー台5の係合溝5dに、ドライバー等の工具を差し込んでダンパー台5をねじ回すと、ボイスコイル2およびボビン3と、ダンパー4と、ダンパー台5は、ネジ機構によって回転しながら上昇する。その結果、ボビン3の係合突起部3bは磁気空隙9aから離隔し、ボイスコイル2およびボビン3が、ダンパー4によって内周側から振動可能に支持される。そして、ダンパー台5のダンパー固着部5aの位置を最も突出した本固定位置に位置させると、ボイスコイル2の中心位置2aが、磁気空隙9aに適切に配置される。したがって、ダンパー台5のダンパー固着部5aが本固定位置にある状態で、ダンパー台5の係止部5cを磁気回路9に接着剤で固着すれば、このスピーカー組立体1は、治具としてのボイスコイルホルダ無しで、ダンパー4とボビン3との相対位置を位置出して振動系を構成し、かつ、ボビン3に巻回されるボイスコイル2を磁気空隙9aにセンタリングして配置することができる。
次に、図1(c)を参照して、このスピーカー組立体1を用いたスピーカー10を製造する工程を説明する。まず、磁気回路9を構成するヨーク6の外周端に、エッジ12の外周側を支持するフレーム13を固着する。次に、ボビン3を構成する位置出し部材3xは、ボビン3の円筒外面にエッジ12の位置出しをする位置出し突起部3dを形成しているので、ロール形状のエッジ12を、その内周側12aがボビン3の位置出し突起部3dに当接するように配置し、その外周側12bがフレーム13に当接するように配置し、それぞれ接着剤で固着する。その結果、ボイスコイル2およびボビン3は、ダンパー4とエッジ12とで、内周側及び外周側から振動可能に支持される。そして、最後にドーム振動板11をボビン3の円筒内面に接着して固着し、スピーカー10を完成させる。ドーム振動板11は、ドーム部11aと、ドーム部11aの外周端に折り返すように形成される結合部11bとからなるので、ドーム振動板11をボビン3に振動可能に取り付けることができる。上記の通り、治具としてのボイスコイルホルダ無しで、スピーカー組立体1を製造することができているので、スピーカー10の製造方法としても、組立が容易で、組立工数を少なくすることができる。
図3Aおよび図3Bは、本発明の好ましい実施形態によるスピーカー組立体21およびこれを用いたスピーカー20を説明する断面図である。図3A(a)は、ボイスコイル23を磁気空隙に挿入する場合を説明するスピーカー組立体21の断面図であり、図3A(b)は、スピーカー組立体21の断面図であり、ダンパー台5および磁気回路9が構成する振動系位置出し機構が、ダンパー台5のダンパー固着部5aが仮固定位置に位置している場合を説明する図である。また、図3A(c)は、スピーカー組立体21の断面図であり、ダンパー台5のダンパー固着部5aが本固定位置に位置している場合を説明する図である。また、図3B(d)は、スピーカー組立体21に振動板22を固着する場合を説明するスピーカー20の断面図であり、図3B(e)は、スピーカー組立体21の断面図である。なお、説明に不要な一部の内部構造等は省略しており、実施例1と同一の部品を用いる場合には、同一の番号を付して説明を省略する。
本実施例のスピーカー組立体21は、ボイスコイル2が巻回されるボビン23と、ボビン23が規定する空間の内部に配されてその外周側24bがボビン23の円筒内面23aに固着されるダンパー24と、ダンパー24の内周側24aを固着するダンパー固着部5aを有するダンパー台5と、ボイスコイル2が配置される磁気空隙9aを有しダンパー台5を固着する磁気回路9と、を備え、さらに、磁気回路9を構成するヨーク6の外周端に、エッジの外周側を支持するフレーム13を備える。ダンパー台5および磁気回路9は、実施例1のスピーカー組立体1と同一であるので、これらが構成する振動系位置出し機構によって、ダンパー台5のダンパー固着部5aの位置を、仮固定位置もしくは本固定位置のいずれかに位置させることができる。したがって、本実施例のスピーカー組立体21は、ドーム振動板22aとエッジ22bとが一体に成形されてボビン23と固着する結合部22cを備える振動板22をさらに備えることにより、音声を再生する本発明のスピーカー20を構成することができる。
ボビン23は、短冊形状の材料片を略円筒状に成形してあり、その下側端部にボイスコイル2が巻回されている。なお、ボビン23は、従来の通常のボイスコイルに用いるボビンであれば良く、ボビン23の円筒内面23aには、係合突起部は形成されておらず、また、ボビン23の円筒外面には、エッジの位置出しをする位置出し突起部は形成されていない。
ダンパー24は、柔軟性を有する繊維の織布を基材としてフェノール樹脂を含浸して成形するコルゲーションダンパーであり、内周側24aは、ダンパー台5のダンパー固着部5aに固着する。また、ダンパー24の外周側には、下側へ爪を突出し、爪の内径が磁気空隙の内径に略等しく設定される係合突起部24bが形成されている。係合突起部24bは、折り曲げられた基材にフェノール樹脂を分厚く形成して硬化させたものであれば良く、また、他の樹脂等の部材をインサート成形(もしくは2色成形)して形成するものであっても良い。
振動板22は、ドーム振動板22aと、エッジ22bとを一体成形した振動板であり、ドーム振動板22aとエッジ22bとを結合する結合部22cが、ボビン23と固着する。具体的には、振動板22は、ポリエーテルイミドのフィルムを成形したものであり、他にも、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン等の高分子フィルムを所定形状に熱プレス成形したものであっても良い。また、ドーム振動板22aを硬度の高い樹脂もしくはアルミ、チタン等の金属箔で成形し、かつ、エッジ22bを硬度の低い合成ゴム等にして、2色成形により結合部22cを形成しつつ一体化した振動板であってもよい。結合部22cは、ボビン23の上端部が挿入されるリング状の溝が形成されていれば良く、溝でなくても、ボビン23の上端部が当接する段差として形成されていても良い。
図3A(a)を参照して、このスピーカー組立体21を製造する工程を説明する。最初に、磁気回路9を組み立てて、治具等を用いて均等な磁気空隙9aを形成する。この際、磁気回路9にダンパー台5を組み込んでおき、ダンパー固着部5aをトッププレート8から突出させておく。そして、このダンパー台5を予め組み合わせた振動系位置出し機構を含む磁気回路9において、ダンパー台5のダンパー固着部5aの位置を最も低い仮固定位置に位置させる。次に、ダンパー24の係合突起部24bを、磁気空隙9aの内径(トッププレート8の外周端部8aの外径)に係合させ、ダンパー24の内周側24aを、ダンパー台5のダンパー固着部5aに接着剤で固着する。そして、ボビン23を磁気回路9の磁気空隙9aに挿入する。
次に、図3A(b)を参照して、ボビン23をダンパー24と固着する工程を説明する。磁気回路9の磁気空隙9aにボビン23を挿入すると、ボビン23の下端部23cが磁気空隙9aの底部9cに当接する。一方、ダンパー24の係合突起部24bが磁気空隙9aの内径(トッププレート8の外周端部8aの外径)に係合しているので、ダンパー24の外周側である係合突起部24bを、ボビン23の円筒内面23aに接着剤で固着すると、ボビン23が磁気空隙9aに対してセンタリングされ、ダンパー24の内周および外周を固着する接着剤が固化すると、ボイスコイル2およびボビン23と、ダンパー24と、ダンパー台5のダンパー固着部5aとの径方向の相対的な位置関係が適正に固定化される。
次に、図3A(c)を参照して、このスピーカー組立体21のボイスコイル2を磁気空隙9aに配置する工程を説明する。図3A(b)の状態のスピーカー組立体21では、ボイスコイル2およびボビン23が、ダンパー24によって内周側から支持され、かつ、磁気空隙9aに対してセンタリングされるとともに、係合突起部24bとボイスコイル2の中心位置2aとの離間距離Mが、ダンパー台5の移動距離Lに略等しくなる位置に設定されている。したがって、振動系位置出し機構において、ダンパー台5のダンパー固着部5aを仮固定位置から本固定位置へ移動させるように、ヨーク6の中央底部の貫通孔6bから露出するダンパー台5の係合溝5dに、ドライバー等の工具を差し込んでダンパー台5をねじ回すと、ボイスコイル2およびボビン23と、ダンパー24と、ダンパー台5は、ネジ機構によって回転しながら上昇する。その結果、ダンパー24の係合突起部24bは磁気空隙9aから離隔し、ボイスコイル2およびボビン23が、ダンパー24によって内周側から振動可能に支持される。そして、ダンパー台5のダンパー固着部5aの位置を最も突出した本固定位置に位置させると、ボイスコイル2の中心位置2aが、磁気空隙9aに適切に配置される。したがって、ダンパー台5のダンパー固着部5aが本固定位置にある状態で、ダンパー台5の係止部5cを磁気回路9に接着剤で固着すれば、このスピーカー組立体21は、治具としてのボイスコイルホルダ無しで、ダンパー24とボビン23との相対位置を位置出して振動系を構成し、かつ、ボビン23に巻回されるボイスコイル2を磁気空隙9aにセンタリングして配置することができる。
次に、図3B(d)および図3B(e)を参照して、このスピーカー組立体21を用いたスピーカー20を製造する工程を説明する。振動板22の結合部22cは、ドーム振動板22aとエッジ22bを結合し、リング状の溝を形成しているので、ボビン23の上端部を係合して接着剤で接着して固着し、かつ、エッジ22bの外周端側をフレーム13と接着して固着すると、スピーカー20を完成することができる。上記の通り、治具としてのボイスコイルホルダ無しで、スピーカー組立体21を製造することができているので、スピーカー20の製造方法としても、組立が容易で、組立工数を少なくすることができる。
このように、ボビンを支持するために、予め外周側のエッジを固着しておく必要がないので、エッジ22bを一体成形した周波数特性および耐入力特性に優れる振動板22を採用することができる。本実施例の場合には、先の実施例のような位置出し部材3xを別に用意する必要が無くなるので、これを接着するための接着剤の重量を含めて、振動系がさらに軽量化される。したがって、本発明のスピーカー組立体を含むスピーカーの製造方法は、組立工数が少なくなり、同時に、周波数特性および耐入力特性に優れ、大入力時に異音が発生する等の不良が生じないスピーカーを実現することができる。
図4は、本発明の好ましい実施形態によるスピーカー組立体31およびこれを用いたスピーカー30を説明する断面図である。図4(a)は、スピーカー組立体31の断面図であり、ダンパー台5および磁気回路9が構成する振動系位置出し機構が、ダンパー台5のダンパー固着部5aが仮固定位置に位置している場合を説明する図である。また、図4(b)は、スピーカー組立体31を用いたスピーカー30の断面図であり、スピーカー組立体31においてダンパー台5のダンパー固着部5aが本固定位置に位置している場合も説明する図である。なお、説明に不要な一部の内部構造等は省略しており、先の実施例と同一の部品を用いる場合には、同一の番号を付して説明を省略する。
本実施例のスピーカー組立体31は、ボイスコイル2が巻回されるボビン23と、ボビン23が規定する空間の内部に配されてその外周側34bがボビン23の円筒内面23aに固着されるダンパー34と、ダンパー34の内周側34aを固着するダンパー固着部5aを有するダンパー台5と、ボイスコイル2が配置される磁気空隙9aを有しダンパー台5を固着する磁気回路9と、を備え、さらに、磁気回路9を構成するヨーク6の外周端に、エッジの外周側を支持するフレーム13を備える。
つまり、本実施例のスピーカー組立体31は、ダンパー34の構成が異なる他は、実施例2のスピーカー組立体21とほぼ同一であるので、振動系位置出し機構によって、ダンパー台5のダンパー固着部5aの位置を、仮固定位置もしくは本固定位置のいずれかに位置させることができる。したがって、本実施例のスピーカー組立体31は、ドーム振動板22aとエッジ22bとが一体に成形されてボビン23と固着する結合部22cを備える振動板22をさらに備えることにより、音声を再生する本発明のスピーカー30を構成することができる。
本実施例におけるダンパー34は、樹脂で形成する蝶ダンパーであり、内周側34aと外周側を連結するアームを有する。蝶ダンパーは、図示するような平板状の蝶ダンパーでも良く、また、インジェクション成形等で立体的に構成された蝶ダンパーであっても良い。ダンパー34の内周側34aはダンパー台5のダンパー固着部5aに固着し、また、ダンパー34の外周側には、下側へ爪を突出し、爪の内径が磁気空隙9aの内径に略等しく設定される係合突起部34bが形成されている。係合突起部34bは、ダンパー34の外周側の端部をほぼ直角に折り曲げて形成する短い円筒状の部分であれば良い。
図4(a)および図4(b)を参照して、このスピーカー組立体31ならびにスピーカー30を製造する工程を説明する。ただし、本実施例のスピーカー組立体31は、先述の通り、ダンパー34が異なる他は、先の実施例2のスピーカー組立体21と構成が同じであるので、製造する工程としてもほぼ同一である。したがって、ここでは、工程の説明を省略する。なお、図4(a)は図3A(b)に対応する図であり、図4(b)は図3B(e)に対応する図である。
スピーカー組立体31は、治具としてのボイスコイルホルダを使用せずに製造できているので、スピーカー30の製造方法としても、組立が容易で、組立工数を少なくすることができる。平板状の蝶ダンパー34と、エッジ22bを一体成形した周波数特性および耐入力特性に優れる振動板22とを採用することができ、周波数特性および耐入力特性に優れ、大入力時に異音が発生する等の不良が生じないスピーカーを実現することができる。
図5および図6は、本発明の好ましい実施形態によるスピーカー組立体41およびこれを用いたスピーカー40を説明する断面図である。図5(a)は、本実施例の磁気回路49を構成するヨーク46の斜視図であり、図5(b)および図5(c)は、本実施例のダンパー台45の断面図および斜視図である。また、図6(a)は、スピーカー組立体41の断面図であり、ダンパー台45および磁気回路49が構成する振動系位置出し機構が、ダンパー台45のダンパー固着部45aが仮固定位置に位置している場合を説明する図である。また、図6(b)は、スピーカー組立体41の断面図であり、ダンパー台45および磁気回路49が構成する振動系位置出し機構が、ダンパー台45のダンパー固着部45aが本固定位置に位置している場合を説明する図である。また、図6(c)は、スピーカー組立体41を用いたスピーカー40の断面図である。なお、説明に不要な一部の内部構造等は省略しており、先述の他の実施例と同一の部品を用いる場合には、同一の番号を付して説明を省略する。
本実施例のスピーカー組立体41は、ボイスコイル2が巻回されるボビン23と、ボビン23が規定する空間の内部に配されてその外周側24bがボビン23の円筒内面23aに固着されるダンパー24と、ダンパー24の内周側24aを固着するダンパー固着部45aを有するダンパー台45と、ボイスコイル2が配置される磁気空隙49aを有しダンパー台45を固着する磁気回路49と、を備える。磁気回路49は、ヨーク46と、マグネット7と、トッププレート48とから構成され、ヨーク46の内周端部46aとトッププレート48の外周端部48aとの間に、磁界の磁束密度が高まる磁気空隙49aを形成する。先の他の実施例のスピーカー組立体と異なるものの、ダンパー台45および磁気回路49が構成する振動系位置出し機構は、ダンパー台45のダンパー固着部45aの位置を、仮固定位置もしくは本固定位置のいずれかに位置させることができる。したがって、本実施例のスピーカー組立体41は、ドーム振動板22aとエッジ22bとが一体に成形されてボビン23と固着する結合部22cを備える振動板22をさらに備えることにより、音声を再生する本発明のスピーカー40を構成することができる。
ダンパー台45は、その上端平面部にダンパー固着部45aを有する円筒状基体の下端に、外周側に突出した十字状の係止部45cが形成されている部材であり、樹脂材料もしくは非磁性の金属材料で成形され、磁気回路49とともに振動系位置出し機構を構成する。ダンパー台45は、円筒外面にネジ部は設けられておらず、十字状の係止部45cの底面の中心には、センターシンク45dが形成されている。一方、磁気回路49を構成するヨーク46は、その中央底部にダンパー台45十字状の係止部45cの形状に対応した形状であって寸法が若干大きい貫通孔46bを備える。また、マグネット7は、中央に貫通孔を有するリング状の磁石材料で形成され、そして、トッププレート48は、ダンパー台45のダンパー固着部45aが貫通し得る中央孔48bを有している。なお、中央孔48bの内周端部には、ネジ部は形成されていない。
ダンパー台45のダンパー固着部45aをトッププレート48の内周端部48bに挿入して突出させようとすると、その突出する高さは、ダンパー台45の十字状の係止部45cが、ヨーク46の中央底部の貫通孔46bに挿入される場合と、貫通孔46bに挿入されない場合、の2通りで可変できる。つまり、この振動系位置出し機構では、ダンパー台45および磁気回路49の寸法を適宜設計することにより、ダンパー台45のダンパー固着部45aの位置を、仮固定位置もしくは本固定位置のいずれかに位置させることができる。例えば、ダンパー台45のダンパー固着部45aの位置が、仮固定位置の場合とは、図6(a)のようにダンパー台45の係止部45cが、厚みを有するヨーク46の底部の底面側に当接し、最もダンパー固着部45aが突出しない位置である。また、本固定位置の場合とは、図6(b)のようにダンパー台45の係止部45cが、ヨーク46の貫通孔46bに挿入されて、マグネット7に当接し、最もダンパー固着部45aが突出する位置である。
図6(a)を参照して、このスピーカー組立体41を製造する工程を説明する。最初に、磁気回路49を組み立てて、治具等を用いて均等な磁気空隙49aを形成する。この際、ダンパー台45のダンパー固着部45aをトッププレート48の内周端部48bに挿入して、ダンパー台45の十字状の係止部45cを、厚みを有するヨーク46の底部の底面側に当接させ、ダンパー台45のダンパー固着部45aの位置を最も低い仮固定位置に位置させる。つまり、ダンパー台45の十字状の係止部45cの上に置くように(ヨーク46の十字状の貫通孔46bに挿入されないように)組み立てた磁気回路49を乗せる。次に、ダンパー24の係合突起部24bを、磁気空隙49aの内径(トッププレート48の外周端部48aの外径)に係合させ、ダンパー24の内周側24aを、ダンパー台45のダンパー固着部45aに接着剤で固着する。そして、ボビン23を磁気回路49の磁気空隙49aに挿入すると、ボビン23の下端部23cが磁気空隙49aの底部49cに当接する。一方、ダンパー24の係合突起部24bが磁気空隙49aの内径(トッププレート48の外周端部48aの外径)に係合しているので、ダンパー24の外周側である係合突起部24bを、ボビン23の円筒内面23aに接着剤で固着すると、ボビン23が磁気空隙49aに対してセンタリングされ、ダンパー24の内周および外周を固着する接着剤が固化すると、ボイスコイル2およびボビン23と、ダンパー24と、ダンパー台45のダンパー固着部45aとの径方向の相対的な位置関係が適正に固定化される。
次に、図6(b)を参照して、このスピーカー組立体41のボイスコイル2を磁気空隙49aに配置する工程を説明する。図6(a)の状態のスピーカー組立体41では、ボイスコイル2およびボビン23が、ダンパー24によって内周側から支持され、かつ、磁気空隙49aに対してセンタリングされるとともに、係合突起部24bとボイスコイル2の中心位置との離間距離が、ダンパー台45の移動距離に略等しくなる位置に設定されている。したがって、振動系位置出し機構において、ダンパー台45のダンパー固着部45aを仮固定位置から本固定位置へ移動させるように、ダンパー台45の十字状の係止部45cを、ヨーク46の中央底部の十字状の貫通孔46bに挿入すると、ダンパー台45のダンパー固着部45aは、ダンパー台45の十字状の係止部45cがマグネット7に当接するまで上昇する。つまり、ダンパー台45を中心軸方向に回転させると、十字状の係止部45cが、ヨーク46の中央底部の十字状の貫通孔46bに挿入される。したがって、ダンパー台45のダンパー固着部45aの位置を最も突出した本固定位置に位置させると、ダンパー24の係合突起部24bは磁気空隙49aから離隔し、ボイスコイル2およびボビン23が、ダンパー24によって内周側から振動可能に支持され、ボイスコイル2の中心位置2aが、磁気空隙49aに適切に配置される。ダンパー台45のダンパー固着部45aが本固定位置にある状態で、ダンパー台45の係止部45cを磁気回路49に接着剤で固着すれば、このスピーカー組立体41は、治具としてのボイスコイルホルダ無しで、ダンパー24とボビン23との相対位置を位置出して振動系を構成し、かつ、ボビン23に巻回されるボイスコイル2を磁気空隙49aにセンタリングして配置することができる。
次に、図6(c)を参照して、このスピーカー組立体41を用いたスピーカー40を製造する工程を説明する。まず、磁気回路49を構成するヨーク46の外周端に、フレーム13を固着する。先述の通り、振動板22の結合部22cは、ドーム振動板22aとエッジ22bを結合し、リング状の溝を形成しているので、ボビン23の上端部を係合して接着剤で接着して固着し、かつ、エッジ22bの外周端側をフレーム13と接着して固着すると、スピーカー40を完成することができる。上記の通り、治具としてのボイスコイルホルダ無しで、スピーカー組立体41を製造することができているので、スピーカー40の製造方法としても、組立が容易で、組立工数を少なくすることができる。なお、ダンパー台45は、底面側の中央にセンターシンク45dを備えているので、スピーカー40の組立ライン上における組立台としても利用できる。
なお、上記の実施例のスピーカー組立体およびこれを用いたスピーカーでは、ダンパー台および磁気回路が構成する振動系位置出し機構の一例を示したが、ダンパー台および磁気回路の機構と、各部品の寸法を適宜設計することにより、ダンパー台のダンパー固着部の位置を、仮固定位置もしくは本固定位置のいずれかに位置させることができるものであればよく、上記の実施例の場合に限られない。例えば、実施例4のスピーカー組立体41において、ダンパー台45の十字状の係止部45cの厚み、形状の一部を変更することにより、係止部45cがマグネット7に当接するまで上昇する高さが変わる。したがって、ダンパー台45のダンパー固着部45aの高さが変更され、ボイスコイル2を磁気空隙の適切な位置に配置することができる。
また、上記の実施例のスピーカー組立体およびこれを用いたスピーカーでは、中央孔を有するマグネット7を用いる内磁型磁気回路の場合を例示したが、もちろん、外磁型の磁気回路であってもよく、また、反発型等の他の磁気回路を有するものであってもよい。
また、本実施例のスピーカー組立体およびその製造方法についても、上記の製造方法のそれぞれの工程を含むものであれば、その特性を改善するために他の工程をさらに含んでいてもよく、上記説明に限られるものではない。もちろん、本実施例のスピーカーおよびその製造方法についても、本実施例のスピーカー組立体およびその製造方法を含むものであれば良く、上記説明に限られるものではない。
本発明のスピーカー組立体およびこれを用いたスピーカー、ならびに、これらの製造方法は、スピーカーのみならず、マイクロホン、ヘッドホン等にも適用が可能である。
本発明の好ましい実施形態によるスピーカー組立体1およびこれを用いたスピーカー10を説明する断面図である。 本発明の好ましい実施形態によるボイスコイル2が巻回されるボビン3の構成を説明する部分拡大断面図である。 本発明の好ましい実施形態によるスピーカー組立体21およびこれを用いたスピーカー20を説明する断面図である。 本発明の好ましい実施形態によるスピーカー組立体21およびこれを用いたスピーカー20を説明する断面図である。 本発明の好ましい実施形態によるスピーカー組立体31およびこれを用いたスピーカー30を説明する断面図である。 本発明の好ましい実施形態によるスピーカー組立体41に用いるヨークおよびダンパー台を説明する断面図である。 本発明の好ましい実施形態によるスピーカー組立体41およびこれを用いたスピーカー40を説明する断面図である。
符号の説明
1、21、31、41 スピーカー組立体
10、20、30、40 スピーカー
2 ボイスコイル
3、23 ボビン
4、24、34 ダンパー
5、45 ダンパー台
6、46 ヨーク
7 マグネット
8、48 プレート
9、49 磁気回路
11 ドーム振動板
12 エッジ
13 フレーム
22 振動板

Claims (7)

  1. ボイスコイルが巻回されるボビンと、該ボビンが規定する空間の内部に配されてその外周側が該ボビンの円筒内面に固着されるダンパーと、該ダンパーの内周側を固着するダンパー固着部を有するダンパー台と、該ボイスコイルが配置される磁気空隙を有し該ダンパー台を固着する磁気回路と、を備えるスピーカー組立体であって、
    該ダンパー台および該磁気回路が、該ダンパー台の該ダンパー固着部を、仮固定位置と本固定位置との間で移動させる振動系位置出し機構を構成し、
    該ボビンが、その円筒内面から内径側へ突出し、その内径が磁気空隙の内径に略等しく設定される係合突起部を備え、
    該係合突起部は、該係合突起部と該ボイスコイルの中心位置との離間距離が、該ダンパー台のダンパー固着部が仮固定位置と本固定位置との間で移動する移動距離に略等しくなる位置に設定され、
    該ダンパー台が、該磁気回路のトッププレートに形成された中央孔を貫通して突出する該ダンパー固着部と、該磁気回路に当接して該ダンパー固着部を該仮固定位置もしくは該本固定位置のいずれかに位置させる係止部と、を備える、
    スピーカー組立体。
  2. ボイスコイルが巻回されるボビンと、該ボビンが規定する空間の内部に配されてその外周側が該ボビンの円筒内面に固着されるダンパーと、該ダンパーの内周側を固着するダンパー固着部を有するダンパー台と、該ボイスコイルが配置される磁気空隙を有し該ダンパー台を固着する磁気回路と、を備えるスピーカー組立体であって、
    該ダンパー台および該磁気回路が、該ダンパー台の該ダンパー固着部を、仮固定位置と本固定位置との間で移動させる振動系位置出し機構を構成し、
    該ダンパーが、その外周端に形成されて下側へ爪を突出し、該爪の内径が磁気空隙の内径に略等しく設定される係合突起部を備え、
    該ダンパー台が、該磁気回路のトッププレートに形成された中央孔を貫通して突出する該ダンパー固着部と、該磁気回路に当接して該ダンパー固着部を該仮固定位置もしくは該本固定位置のいずれかに位置させる係止部と、を備える、
    スピーカー組立体。
  3. 請求項1または2に記載のスピーカー組立体の前記振動系位置出し機構において、前記ダンパー台の前記ダンパー固着部が、
    前記仮固定位置に位置する場合に、前記ボビンの下端部が前記磁気空隙の底部に当接し、かつ、前記係合突起部が該磁気空隙の内周端に係合し、
    前記本固定位置に位置する場合に、該ボビンに巻回される前記ボイスコイルが該磁気空隙に配置される、スピーカー組立体。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のスピーカー組立体の前記振動系位置出し機構において、前記ダンパー台の前記ダンパー固着部が前記本固定位置に位置する場合に、
    前記ボビンと固着する振動板と、その内周側が該ボビンの円筒外面に固着されるエッジと、該エッジの外周側および前記磁気回路に固着するフレームと、をさらに備える、スピーカー。
  5. 請求項4に記載のスピーカーであって、前記振動板が、前記エッジを一体成形した振動板であり、該振動板と該エッジとを結合する結合部が、前記ボビンと固着する、スピーカー。
  6. 請求項1から3のいずれかに記載のスピーカー組立体の製造方法であって、
    前記磁気回路を組み立てて前記磁気空隙を形成する工程と、
    該磁気回路に前記ダンパー台の前記ダンパー固着部を貫通させて突出させて前記振動系位置出し機構を構成し、かつ、該ダンパー固着部を前記仮固定位置に位置させる工程と、
    前記ダンパーの内周側を該ダンパー固着部に固着する工程と、
    前記ボビンの前記下端部を該磁気空隙の底部に当接するように配置し、かつ、前記係合突起部を該磁気空隙の内周端に係合させる工程と、
    該ダンパーの外周端を該ボビンの円筒内面に固着する工程と、
    該ダンパー台の該ダンパー固着部を前記本固定位置に位置させて、該ボビンに巻回される前記ボイスコイルを該磁気空隙に配置させる工程と、
    該ダンパー台の前記係止部を該磁気回路に固着する工程と、
    を含む、スピーカー組立体の製造方法。
  7. 請求項6に記載のスピーカー組立体の製造方法を含む請求項4または5に記載のスピーカーの製造方法であって、
    前記磁気回路に前記フレームを固着する工程と、
    前記ボビンに振動板を固着する工程と、
    該ボビンの円筒外面に前記エッジの内周側を固着する工程と、
    該エッジの外周側を該フレームに固着する工程と、をさらに含む、スピーカーの製造方法。
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