JPWO2018155168A1 - 炭化ケイ素基板の研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】通常であれば研磨速度の上がらない研磨パッドを使っても、研磨速度を上げることができる、炭化ケイ素基板を研磨する研磨方法を提供することを課題とする。【解決手段】炭化ケイ素基板を研磨する研磨方法であって、研磨パッドを用いて、砥粒を含む研磨部材Aで研磨する一次研磨工程を含み、前記一次研磨工程が、前記砥粒と、前記炭化ケイ素基板との固相反応を伴って行う研磨である、研磨方法。【選択図】なし

Description

本発明は炭化ケイ素基板を研磨する研磨方法に関する。
パワー半導体の分野において、シリコン(Si)に比べ高温動作性に優れ、小型で省エネ効果も高い炭化ケイ素(SiC)パワーデバイスの活用が期待されている。また、基板の大口径化・量産化が進められ、それに伴い基板加工技術の重要性が増している。しかし、炭化ケイ素は、極めて高硬度かつ化学的・熱的にも安定なため加工が非常に難しい。
ところで、SiC基板の加工プロセスは、基本的にはSi基板と同様に、インゴットの切断、切断ウェハの厚みと形状を揃えるためのラッピングおよび/または研削(いわゆる「粗ラップ工程」)と、ダメージ層除去のための仕上げ研磨(いわゆる「仕上げ工程」)と、等から構成される。
しかし、SiCはSiに比べて遥かに硬く化学的・熱的にも安定なため、Si基板のラッピングに一般的に使用される緑色炭化ケイ素(GC)砥粒やFO砥粒(褐色アルミナとジルコンとの混合物)などの砥粒が使用できない。
このように、炭化ケイ素基板の研磨においては、この研磨し難い炭化ケイ素基板を如何にして効率よく研磨するかという点が重要な課題となる。
かかる課題を解決しようと、高硬度であるダイヤモンド砥粒を使用し、定盤を使って研磨する技術が知られている(特許文献1)。
特開2009−172737号公報
しかしながら、本発明者らは、従来の技術では生産性が上がらず、全体的な観点では、炭化ケイ素基板の研磨効率が上がらない場合があることを知見した。この原因について鋭意研究を進めている過程で、本発明者らは、研磨を行うための定盤に着目した。定盤を使う場合は、面だし(立ち上げ作業)やフェーシング等に思いの外、手間と時間が掛かり、これが炭化ケイ素基板の研磨効率が上がらない原因の一つと考えた。
一方、SiCは、Siに比べて遥かに硬く化学的・熱的にも安定であることは上記のとおりであり、これを言い換えれば、研磨パッドではなく、定盤のような固い部材を用いて研磨を行わないと、SiCの研磨速度は通常上がらない。このように、炭化ケイ素基板を研磨する研磨方法には、相反する課題が存在することを見出した。
よって、本発明は、通常であれば研磨速度の上がらない研磨パッドを使っても、研磨速度を上げることができる、炭化ケイ素基板を研磨する研磨方法を提供することを課題とする。
上記課題は、炭化ケイ素基板を研磨する研磨方法であって、研磨パッドを用いて、砥粒を含む研磨部材Aで研磨する一次研磨工程を含み、前記一次研磨工程が、前記砥粒と、前記炭化ケイ素基板との固相反応を伴って行う研磨である、研磨方法により解決される。
本発明によれば、通常であれば研磨速度の上がらない研磨パッドを使っても、研磨速度を上げることができる、炭化ケイ素基板を研磨する研磨方法を提供することができる。
SiC単品のXRDの測定結果である。 TiB単品のXRDの測定結果である。 TiB、SiCの混合品のXRDの測定結果である。 C単品のXRDの測定結果である。 C、SiCの混合品のXRDの測定結果である。 MgO単体のXRDの測定結果である。 MgO、SiCの混合品のXRDの測定結果である。
以下、本発明を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20℃以上25℃以下)/相対湿度40%RH以上50%RH以下の条件で測定する。
本発明は、炭化ケイ素基板を研磨する研磨方法であって、研磨パッドを用いて、砥粒を含む研磨部材Aで研磨する一次研磨工程を含み、前記一次研磨工程が、前記砥粒と、前記炭化ケイ素基板との固相反応を伴って行う研磨である、研磨方法である。かかる構成によって、通常であれば研磨速度の上がらない研磨パッドを使っても、研磨速度を上げることができる、炭化ケイ素基板を研磨する研磨方法を提供することができる。
以下、本発明の研磨方法の構成について、詳細に説明する。
<研磨対象物>
まず、本発明の研磨方法で研磨する研磨対象物について説明する。本発明の研磨方法で研磨する研磨対象物は、炭化ケイ素である。
一般的に、炭化ケイ素基板の加工方法は、インゴットの切断、切断ウェハの厚みと形状を揃えるためのラッピングおよび/または研削(いわゆる「粗ラップ工程」)と、ダメージ層除去のための仕上げ研磨(いわゆる「仕上げ工程」)等から構成される。つまり、インゴット切断後に、固定砥粒を用いて平面切削する、および/または、金属定盤を用いて、ダイヤモンドなどの高硬度の材料を砥粒として用い、所望の表面粗さや平坦度を有する炭化ケイ素基板に仕上げる(いわゆる「粗ラップ工程(ダイヤラップ工程含む)」)。最後に「ダイヤラップ工程」により生じた表面傷等を解消するため、CMP等で仕上げ研磨工程を行う(いわゆる「仕上げ研磨工程」)。
これに対し、本発明の研磨方法においては、ダイヤラップ工程(一次研磨工程)の代替として、炭化ケイ素基板を、研磨パッドを用いて研磨し、かつ、当該研磨を、砥粒と、炭化ケイ素基板との固相反応を伴って行う。
<一次研磨工程>
本発明の研磨方法は、研磨パッドを用いて、砥粒を含む研磨部材Aで研磨する一次研磨工程を含み、前記一次研磨工程が、前記砥粒と、前記炭化ケイ素基板との固相反応を伴って行う研磨である。
[研磨パッド]
本発明の一次研磨工程で使用される研磨パッドとしては、特に限定されないが、例えば硬質発泡タイプ、不織布タイプ、スウェードタイプのものなどが挙げられる。これらのうち、硬度の観点から硬質発泡タイプのものが好適で、特にはポリウレタンパッドが好ましい。
研磨パッドのショアーD硬度は、研磨能率を向上させる観点から、50以上が好ましく、より好ましくは55以上であり、さらに好ましくは60以上である。なお、硬度の上限は特に制限されないが、目安として定盤より低い硬度であることが好ましい。かかるショアーD硬度は、JIS Z2246:2000の方法を用いて測定することができ、本実施例でもそのように測定している。本発明の一次研磨工程で使用される研磨パッドとして、硬度の比較的高いものを選択することによって、機械的作用の発揮が促進され、研磨能率を向上させることができる。
また、本発明の研磨方法においては、従来から行われている金属定盤を使ったダイヤラップ工程を採用せずに、研磨パッドを使って一次研磨工程を行うことにも特徴を有する。かような(金属定盤の硬度より小さい硬度を有する)研磨パッドを使うと、通常、非常に高い硬度を持つ物質である炭化ケイ素基板の研磨能率は、著しく低くなり、生産効率が低下することが技術常識である。しかしながら、本発明では、このような研磨パッドを使用しても、高い研磨能率を確保できる点にも特徴がある。
[砥粒を含む研磨部材A]
炭化ケイ素基板の研磨能率を向上させるためには、砥粒として、機械的作用を期待して硬度の比較的高いものを選択することが好適と考えられる。
しかしながら、高硬度の砥粒を用いたとしても、期待するほど研磨能率が向上しないことを本発明者らは見出した。そこで本発明者らが鋭意検討を行った結果、一次研磨工程を、砥粒と、炭化ケイ素基板との固相反応を伴って行うことによって、研磨能率が驚くほど向上することを見出した。
かような砥粒は、研磨の際に、炭化ケイ素基板と固相反応を生じるものであれば制限ないが、本発明の好ましい実施形態によると、かような砥粒は、前記砥粒または炭化ケイ素を単独で25℃から1500℃まで加熱して得られる焼成品のX線回折を行ったときに回折角2θで20〜40°の範囲で観測される最大の回折ピーク強度が、前記炭化ケイ素と前記砥粒とを重量比1:1で混合し、25℃から1500℃まで加熱して得られる焼成品のX線回折を行ったときに、前記砥粒単独の焼成品と、前記炭化ケイ素単独の焼成品との、前記最大の回折ピーク強度の回折角2θにおける合成ピーク強度以下に減少する、砥粒である。よって、本発明の好ましい形態においては、前記砥粒または炭化ケイ素を単独で25℃から1500℃まで加熱して得られる焼成品のX線回折を行ったときに回折角2θで20〜40°の範囲で観測される最大の回折ピーク強度が、前記炭化ケイ素と前記砥粒とを重量比1:1で混合し、25℃から1500℃まで加熱して得られる焼成品のX線回折を行ったときに、前記砥粒単独の焼成品と、前記炭化ケイ素単独の焼成品との、前記最大の回折ピーク強度の回折角2θにおける合成ピーク強度以下に減少する、研磨方法も提供される。
ここで、かような特徴を有する砥粒について、実施例の図1、図2および図3を用いて具体的に説明する。図1は、研磨対象物の材料である炭化ケイ素単品のXRDの測定結果である。図2は、TiB単品のXRDの測定結果である。そして、図3は、TiB、炭化ケイ素の混合品のXRDの測定結果である。図1に示されるように、炭化ケイ素(SiC)単独を25℃(常温、以下同様)から1500℃まで加熱して得られた焼成品のXRDを測定すると、少なくとも1500℃にて回折角2θで22°付近に特異的なピークが現れている。また図2に示されるように、TiB単独を25℃(常温、以下同様)から1500℃まで加熱して得られた焼成品のXRDを測定すると、少なくとも1500℃にて回折角2θで28°付近に特異的なピークが現れている。一方、炭化ケイ素単独で見られていた22°付近の強いピークが、図3で示されるように、TiBと混合して焼成すると殆ど消失してしまっている。同様に、TiB単独で見られていた28°付近の強いピークが、図3で示されるように、炭化ケイ素と混合して焼成すると殆ど消失してしまっている。
ここで、TiBと、炭化ケイ素との間で何の反応も生じていなければ、TiBと炭化ケイ素との混合品の焼成品のピークは、炭化ケイ素単独の焼成品のピークと、TiB単独の焼成品のピークとが単純に合成されたようなものとなることが想定される。しかし、図3で示されるように、TiB単独の焼成品のピーク強度も、炭化ケイ素単独の焼成品のピーク強度も、互いが混合されて焼成されることにより、想定されていたピーク強度より減少していることが分かる。これを換言すれば、TiBと炭化ケイ素とは1500℃まで加熱することによって反応(固相反応)が生じているものと解釈することができる。「合成ピーク強度以下に減少する」との概念を下記も同様に考える。
また、本発明の別の好ましい実施形態によると、かような砥粒は、炭化ケイ素基板を研磨する研磨方法における、研磨パッドを用いて研磨する一次研磨工程に用いられる砥粒であって、前記砥粒または炭化ケイ素を単独で25℃から1000℃まで加熱して得られる焼成品のX線回折を行ったときに回折角2θで20〜40°の範囲で観測される最大の回折ピーク強度が、前記炭化ケイ素と前記砥粒とを重量比1:1で混合し、25℃から1000℃まで加熱して得られる焼成品のX線回折を行ったときに、前記砥粒単独の焼成品と、前記炭化ケイ素単独の焼成品との、前記最大の回折ピーク強度の回折角2θにおける合成ピーク強度以下に減少する、砥粒である。また、かかる砥粒を含む研磨部材も提供される。
また、本発明の好ましい形態においては、前記砥粒または炭化ケイ素を単独で25℃から1000℃まで加熱して得られる焼成品のX線回折を行ったときに回折角2θで20〜40°の範囲で観測される最大の回折ピーク強度が、前記炭化ケイ素と前記砥粒とを重量比1:1で混合し、25℃から1000℃まで加熱して得られる焼成品のX線回折を行ったときに、前記砥粒単独の焼成品と、前記炭化ケイ素単独の焼成品との、前記最大の回折ピーク強度の回折角2θにおける合成ピーク強度以下に減少する、研磨方法が提供される。
このように、単独の焼成品で観測されていた回折ピークが、混合物の焼成品にて減少したのは、固相反応が起こったものと判断できる。なお、X線回折を行う際には、炭化ケイ素と砥粒とはいずれも粉末の形態であり、取り扱いおよび測定精度上、これら平均二次粒子径は、それぞれ0.1〜10μmであることが好ましい。
かような特徴を有する砥粒を使って炭化ケイ素基板を研磨すると、研磨能率が向上する理由は以下のとおりと推測される。すなわち、一次研磨工程においては、砥粒を含む研磨部材Aを供給しながら、研磨パッドを貼付した定盤回転させて、炭化ケイ素基板を研磨する。この回転によって、砥粒と、炭化ケイ素基板との間に摩擦熱が発生する。この摩擦熱は1000℃以上(場合によっては1500℃以上)に達するものと考えられ、つまり上記の混合物の焼成品を得る場合と同様の現象が生ずるものと考えられる。そうであるため、かような特徴を有する砥粒は、研磨時に、炭化ケイ素基板と固相反応を起こし、その固相反応による作用で炭化ケイ素基板の研磨が促進されるものと考えられる。なお、焼成品の製造方法と、粉末X線回折ピークの測定条件は実施例に記載されている方法による。
以上より、本発明においては、炭化ケイ素基板を研磨する研磨方法における、研磨パッドを用いて研磨する一次研磨工程に用いられる砥粒であって、前記炭化ケイ素基板と固相反応を伴って研磨する作用を備える、砥粒も提供される。また、かかる砥粒を含む研磨部材も提供される。
また、炭化ケイ素基板を研磨する研磨方法における、研磨パッドを用いて研磨する一次研磨工程に用いられる砥粒であって、前記砥粒または炭化ケイ素を単独で25℃から1500℃まで加熱して得られる焼成品のX線回折を行ったときに回折角2θで20〜40°の範囲で観測される最大の回折ピーク強度が、前記炭化ケイ素と前記砥粒とを重量比1:1で混合し、25℃から1500℃まで加熱して得られる焼成品のX線回折を行ったときに、前記砥粒単独の焼成品と、前記炭化ケイ素単独の焼成品との、前記最大の回折ピーク強度の回折角2θにおける合成ピーク強度以下に減少する、砥粒も提供される。また、かかる砥粒を含む研磨部材も提供される。
上記の砥粒の具体例は、典型的にはBC、TiBまたはMgOが挙げられる。また、本発明の好ましい形態においては、砥粒が、BCまたはTiBである。かような形態であることによって、固相反応がより効率的に発現しうる。
本発明の好ましい形態においては、前記砥粒のビッカース硬度の下限は、好ましくは2,000Hv以上であり、より好ましくは2,100Hv以上であり、さらに好ましくは2,200Hv以上である。一方、該ビッカース硬度の上限は、好ましくは4,000Hv以下であり、より好ましくは3,500Hv以下であり、さらに好ましくは3,000Hv以下、さらに好ましくは2,500Hv以下であり、よりさらに好ましくは2,350Hv以下である。よって、本発明の好ましい形態においては、砥粒のビッカース硬度は2,000Hv以上4,000Hv以下である。この範囲であれば、研磨能率がより向上し、研磨加工面へのダメージを低減することができる。なお、ビッカース硬度の測定方法は、JISZ2244:2009による。
砥粒の平均二次粒子径の下限は、研磨能率の観点から、好ましくは5μm以上であり、より好ましくは15μm以上であり、さらに好ましくは30μm以上であり、よりさらに好ましくは33μm以上であり、よりさらに好ましくは35μm以上であり、よりさらに好ましくは36μm以上である。また、砥粒の平均二次粒子径の上限は、研磨加工面へのダメージ低減の観点から、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは45μm以下であり、さらに好ましくは40μm以下である。よって、本発明の好ましい形態においては、砥粒の平均二次粒子径が、5〜50μmである。このような範囲であれば、研磨加工面へのダメージを許容レベル以下に抑えた上で高研磨能率を達成できるという効果を有する。なお、砥粒の平均二次粒子径は、例えばレーザー回折散乱法に代表される動的光散乱法により測定することができる。本発明の実施例でもそのように算出される。
研磨部材Aの形態は、特に制限されないが、本発明の好ましい形態においては、前記研磨部材Aが、砥粒を含む研磨スラリーである。本発明の別の形態では、研磨部材Aは、粉末形態の前記砥粒であってもよい。研磨部材Aが、砥粒を含む研磨スラリーの形態である場合、研磨部材Aは、分散媒を含む。分散媒としては有機溶媒、水が考えられるが、その中でも水を含むことが好ましい。
研磨部材Aが、砥粒を含む研磨スラリーの形態である場合、研磨部材A中の砥粒の含有量の下限は、固相反応促進のために砥粒と炭化ケイ素との接点を確保するという観点から、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上であり、さらに好ましくは5質量%以上であり、よりさらに好ましくは10質量%以上であり、よりさらに好ましくは13質量%以上である。また、研磨部材A中の砥粒の含有量の上限は、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以下であり、よりさらに好ましくは18質量%以下である。このような範囲であれば、コストを抑えた上で高研磨能率を達成できるという効果を有する。
[研磨部材Aの製造方法]
本発明の研磨部材Aの製造方法は、特に制限されず、例えば、砥粒、および必要に応じて他の成分を、分散媒中で攪拌混合することにより得ることができる。各成分を混合する順序や、混合する際の温度、また、混合時間も特に制限されない。なお、他の成分については後述する。
<仕上げ研磨工程>
本発明の研磨方法では、一次研磨工程の後、仕上げ研磨工程を設けてもよい。好ましい実施形態では、仕上げ研磨工程は、研磨パッドを用いて、砥粒Bを含む研磨スラリーBで研磨する。研磨パッドとしては、公知のものを使用することができる。
研磨スラリーBに含まれる砥粒Bとしては、無機粒子、有機粒子、および有機無機複合粒子のいずれであってもよい。無機粒子の具体例としては、例えば、コロイダルシリカ等のシリカ、セリア、チタニア、アルミナ等の金属酸化物からなる粒子、窒化ケイ素粒子、炭化ケイ素粒子、窒化ホウ素粒子が挙げられる。有機粒子の具体例としては、例えば、ラテックス粒子、ポリスチレン粒子、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子が挙げられる。該砥粒は、単独でもまたはこれらの複合物でもまたは2種以上混合して用いてもよい。また、該砥粒は、市販品を用いてもよいし合成品を用いてもよい。
これら砥粒の中でも、シリカが好ましい。なお、研磨傷の発生を抑制する観点から、特に好ましいのはコロイダルシリカである。
砥粒Bの平均一次粒子径、平均二次粒子径、および粒度分布や、研磨スラリーB中の砥粒Bの含有量、研磨スラリーBのpH等については、公知の条件を適宜参照して適用することができる。また、研磨スラリーBで用いられる分散媒は、特に制限されず、有機溶媒、水等が用いられる。
本発明の研磨スラリーBの製造方法は、特に制限されず、例えば、砥粒Bおよび必要に応じて他の成分を、分散媒中で攪拌混合することにより得ることができる。各成分を混合する順序や、混合する際の温度、混合時間等は特に制限されない。
[他の成分]
本発明の研磨部材A、研磨スラリーBは、必要に応じて、錯化剤、エッチング剤、酸化剤等の研磨速度をさらに高めるための添加剤や、炭化ケイ素基板の表面に親水性や分散効果を付与する添加剤、防腐剤、防カビ剤、防錆剤、キレート剤、砥粒の分散性を向上させる分散剤、砥粒の凝集体の再分散を容易にする分散助剤、pH調整剤等の他の成分をさらに含んでもよい。
ただし、炭化ケイ素基板の表面に親水性や分散効果を付与する添加剤や分散剤、分散助剤などを添加した場合は、炭化ケイ素基板への固相反応による加工が抑制され、好適な研磨速度が得られない虞がある。そのためこれらの添加剤を添加する場合の添加量は、研磨部材Aに対して1質量%未満であることが好ましく、0.5質量%未満であることがより好ましく、0.1質量%未満であることがさらに好ましい。研磨スラリーBに対しても同様である。
本発明の研磨部材AのpHの下限は、好ましくは6.0以上であり、より好ましくは6.5以上であり、さらに好ましくは7.0以上であり、よりさらに好ましくは7.3以上であり、よりさらに好ましくは7.5以上である。また、研磨部材AのpHの上限は、好ましくは9.0以下であり、より好ましくは8.5以下であり、さらに好ましくは8.2以下である。
<研磨方法>
本発明の研磨方法は、炭化ケイ素基板を研磨する研磨方法であって、研磨パッドを用いて、砥粒を含む研磨部材Aで研磨する一次研磨工程を含み、前記一次研磨工程が、前記砥粒と、前記炭化ケイ素基板との固相反応を伴って行う研磨である。また、本発明の研磨方法は、前記一次研磨工程の後、研磨パッドを用いて、砥粒Bを含む研磨スラリーBで研磨する仕上げ研磨工程を設けてもよい。
炭化ケイ素基板に対する、一次研磨工程、あるいは、仕上げ研磨工程は、炭化ケイ素基板の研磨に用いられる、通常の装置や条件を用いて行うことができる。一般的な研磨装置としては、片面研磨装置や両面研磨装置がある。
片面研磨装置では、キャリアと呼ばれる保持具を用いて炭化ケイ素基板を保持し、一次研磨工程では研磨部材A、仕上げ研磨工程では研磨スラリーBを供給しながら炭化ケイ素基板の片面に研磨パッドを貼付した定盤を押しつけて定盤を回転させることにより基板の片面を研磨する。
両面研磨装置では、キャリアと呼ばれる保持具を用いて炭化ケイ素基板を保持し、上方より一次研磨工程では研磨部材A、仕上げ研磨工程では研磨スラリーBを供給しながら、炭化ケイ素基板の対向面に研磨パッドが貼付された定盤を押しつけ、それらを相対方向に回転させることにより基板の両面を研磨する。
本発明による研磨方法における研磨条件として、研磨荷重が挙げられる。一般に荷重が高くなればなるほど砥粒による摩擦力が大きくなり、機械的な加工力が向上するとともに摩擦熱による固相反応も促進されるため研磨速度が上昇する。
本発明による研磨方法における荷重は特に限定されないが、十分な研磨速度と、表面に傷などの欠陥が発生することを抑えるため、一次研磨工程では、基板の単位面積当たりにおいて好ましくは150g/cm以上であり、より好ましくは200g/cm以上であり、さらに好ましくは250g/cm以上であり、よりさらに好ましくは280g/cm以上である。また、基板の単位面積当たりの荷重の上限は、好ましくは750g/cm以下であり、より好ましくは400g/cm以下であり、さらに好ましくは350g/cm以下であり、よりさらに好ましくは330g/cm以下である。なお、一次研磨工程における荷重は、上記に限定されるものではなく、砥粒の種類によって固相反応を起こす温度が違うため、その温度になるように適宜荷重を調整すればよい。
また、仕上げ研磨工程での荷重は、基板の単位面積当たりにおいて好ましくは150g/cm以上であり、より好ましくは200g/cm以上であり、さらに好ましくは250g/cm以上である。また、基板の単位面積当たりの荷重の上限は、好ましくは750g/cm以下であり、より好ましくは400g/cm以下であり、さらに好ましくは350g/cm以下である。
本発明による研磨方法における研磨条件として、一次研磨工程では、片面研磨装置における定盤の回転速度の下限は、好ましくは90rpm以上であり、より好ましくは100rpm以上である。また、回転速度の上限は、好ましくは130rpm以下であり、より好ましくは120rpm以下である。一次研磨工程では、両面研磨装置における定盤の回転速度の下限は、好ましくは20rpm以上であり、より好ましくは30rpm以上である。回転速度の上限は、好ましくは60rpm以下であり、より好ましくは50rpm以下である。なお、一次研磨工程における回転速度は、上記に限定されるものではなく、砥粒の種類によって固相反応を起こす温度が違うため、その温度になるように適宜回転速度を調整すればよい。
仕上げ研磨工程では、片面研磨装置における定盤の回転速度の下限は、特に制限はないが、好ましくは90rpm以上であり、より好ましくは100rpm以上である。また、回転速度の上限は、特に制限はないが、好ましくは130rpm以下であり、より好ましくは120rpm以下である。仕上げ研磨工程では、両面研磨装置における定盤の回転速度の下限は、特に制限はないが、好ましくは20rpm以上であり、より好ましくは30rpm以上である。回転速度の上限は、特に制限はないが、好ましくは60rpm以下であり、より好ましくは50rpm以下である。
研磨部材A、研磨スラリーBの供給量は、研磨装置、研磨条件によっても異なるが、研磨部材A、研磨スラリーBが、基板と研磨パッドとの間にムラ無く全面に供給されるのに十分な量であればよい。
<研磨済炭化ケイ素基板の製造方法>
本発明においては、上記の研磨方法で研磨する工程を含む、または、研磨パッドを用いて、上記の砥粒を用いて、炭化ケイ素基板を研磨する一次研磨工程を含む、研磨済炭化ケイ素基板の製造方法が提供される。かかる構成によって、研磨済炭化ケイ素基板を効率よく製造することができる。つまり、当該製造方法によれば生産性が向上する。
本発明を、以下の実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
<実施例1>
(一次研磨工程)
純水中に、砥粒(材質:BC、平均二次粒子径:38μm、ビッカース硬度:2,250Hv)15質量%分散させることによって研磨部材Aを調製した。なお、実施例、比較例のpHは、実施例1:7.9、比較例1:7.9、比較例2:8.2、比較例3:8.0、比較例4:7.7であった。研磨部材A(液温:25℃)のpHは、pHメータ(株式会社堀場製作所製 型番:LAQUA F−71)により確認した。
当該研磨部材Aを使って、下記表に示す条件で、炭化ケイ素基板(19.63cm)を片面研磨した。
<比較例1>
実施例1の一次研磨工程において、表1に示されるように砥粒と定盤に変更し、定盤回転速度を40rpmにした以外は、実施例1と同様にして、研磨能率を調べた。
<比較例2>
実施例1の一次研磨工程において、表1に示されるような砥粒と定盤に変更し、定盤回転速度を40rpmにした以外は、実施例1と同様にして、研磨能率を調べた。
<比較例3>
実施例1の一次研磨工程において、表1に示されるような砥粒に変更した以外は、実施例1と同様にして、研磨能率を調べた。
<比較例4>
実施例1の一次研磨工程において、表1に示されるような砥粒と定盤に変更し、定盤回転速度を40rpmにした以外は、実施例1と同様にして、研磨能率を調べた。
<研磨能率>
実施例1および各比較例の研磨部材Aを用い、研磨を20分行い、研磨の前後の炭化ケイ素基板の重量を測定し、研磨前後の重量の差から計算して求めた研磨能率(研磨速度)を下記表1に示す。
<X線回折スペクトル(XRD)>
SiC単品(平均二次粒子径:4.4μm);
TiB単品(平均二次粒子径:3.4μm);
TiB(平均二次粒子径:3.4μm)とSiC(平均二次粒子径:4.4μm)との混合品(重量比で1:1);
C単品(平均二次粒子径:4.6μm);
C(平均二次粒子径4.6μm)とSiC(平均二次粒子径:4.4μm)との混合品(重量比で1:1);
MgO単品(平均二次粒子径:5.2μm);
MgO(平均二次粒子径5.2μm)とSiC(平均二次粒子径:4.4μm)との混合品(重量比で1:1);
を準備した。
なお、これらはすべて粉末形態である。
なお、平均二次粒子径の測定については、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置である、株式会社堀場製作所製の“LA−950−V2”を用いて行った。
その後、それぞれを25℃から1000℃(あるいは1500℃)まで昇温速度2.5℃/minで4時間焼成しサンプルを準備した。 その後、各サンプルのXRDを測定した。測定条件は以下のとおり。
(測定条件)
X−Ray:20kV/10mA
発散スリット:1°
発散縦制限スリット:10mm
散乱スリット:2°
受光スリット:0.05mm
Start:10°
Stop:70°
Step:0.01°。
測定の結果、TiBを単独で25℃から1500℃まで加熱して得られる焼成品のX線回折を行ったときに、回折角2θで20〜40°の範囲で観測される最大の回折ピーク強度が、炭化ケイ素とTiBとを重量比1:1で混合し25℃から1500℃まで加熱して得られる焼成品のX線回折を行ったときに、減少したことが分かる(図2、3)。
また、BCを単独で25℃から1000℃まで加熱して得られる焼成品のX線回折を行ったときに、回折角2θで20〜40°の範囲で観測される最大の回折ピーク強度が、炭化ケイ素とBCとを重量比1:1で混合し、25℃から1000℃まで加熱して得られる焼成品のX線回折を行ったときに減少したことが分かる(図4、5)。
また、MgO単独で25℃から1500℃まで加熱して得られる焼成品のX線解析を行ったときに、回折角2θで20〜40°の範囲で観測される最大の回折ピーク強度が、炭化ケイ素とMgOとを重量比1:1で混合し、25℃から1500℃まで加熱して得られる焼成品のX線解折を行ったときに、減少したことが分かる(図6、7)。つまり、TiB及びMgOは少なくとも1500℃の時点で、BCは少なくとも1000℃の時点で、炭化ケイ素と固相反応を生じていることが分かる(表1では固相反応性を「○」と示した)。一方、SiC同士では固相反応は起こさず、SiCとダイヤとも固相反応は起こさないので表1で「×」と示した。
なお、炭化ケイ素単独を1500℃まで加熱して得られる焼成品の回析角2θでの22°付近のトップピーク強度に対する、各混合品を25℃から1500℃まで加熱して得られる焼成品における回析角2θでの22°付近の強度の減少率は、TiBが96.8%、BCが91.4%、MgOが97.6%であった(図1、図3、図5、図7)。
<考察>
上記表1から明らかなように、本発明の研磨方法によれば、通常であれば研磨速度の上がらない研磨パッドを使っても、研磨速度を上げることができることが示されている。また、研磨パッドを使うことによって面だし(立ち上げ作業)やフェーシングが不要であるため、全体的な作業効率も上がり、炭化ケイ素基板の研磨効率の向上に寄与する。
これに対し、一次研磨工程において定盤(鋳鉄)を用いた比較例1、2、4によれば、研磨能率こそ高いが、面だし(立ち上げ作業)やフェーシングが必要であり、全体的な作業効率が上がらず、炭化ケイ素基板の研磨効率も上がらない。他方、比較例3は、一次研磨工程が、パッドを使う研磨であるので、面だし(立ち上げ作業)やフェーシングが不要であるが、研磨能率が著しく低く、全体的な観点では、炭化ケイ素基板の研磨効率が上がらない。
本発明の着目すべき点は、以下の点である。
(i)SiCのビッカース硬度は2,150Hvであり、BCのビッカース硬度は2,250Hvであるため、砥粒の硬度と、研磨対象物の硬度とは同等であり、しかも、金属定盤ではなく、ポリウレタンの研磨パッドを使用しているため、研磨能率は殆ど上がらないことが通常である。現に、研磨対象物と同じ硬度を有している砥粒で研磨しても研磨能率は殆ど上がっていない(比較例3)。それに対し、本発明の方法では、高い研磨能率を発揮する点(実施例1)。
(ii)一般的な炭化ケイ素の研磨プロセスは、粗ラップ工程と、ダイヤラップ工程(定盤、砥粒:ダイヤ)と、CMP工程(研磨パッド、砥粒:コロイダルシリカ)とを含むが、本発明によれば、特にコストが高いダイヤを用いたダイヤラップ(定盤、砥粒:ダイヤ)工程の代替手段以上のものとなることが期待できる点。
なお、本出願は、2017年2月21日に出願された日本国特許出願第特願2017−30216号に基づいており、その開示内容は、参照により全体として引用されている。

Claims (11)

  1. 炭化ケイ素基板を研磨する研磨方法であって、
    研磨パッドを用いて、砥粒を含む研磨部材Aで研磨する一次研磨工程を含み、
    前記一次研磨工程が、前記砥粒と、前記炭化ケイ素基板との固相反応を伴って行う研磨である、研磨方法。
  2. 前記砥粒または炭化ケイ素を単独で25℃から1500℃まで加熱して得られる焼成品のX線回折を行ったときに回折角2θで20〜40°の範囲で観測される最大の回折ピーク強度が、前記炭化ケイ素と前記砥粒とを重量比1:1で混合し、25℃から1500℃まで加熱して得られる焼成品のX線回折を行ったときに、前記砥粒単独の焼成品と、前記炭化ケイ素単独の焼成品との、前記最大の回折ピーク強度の回折角2θにおける合成ピーク強度以下に減少する、請求項1に記載の研磨方法。
  3. 前記砥粒または炭化ケイ素を単独で25℃から1000℃まで加熱して得られる焼成品のX線回折を行ったときに回折角2θで20〜40°の範囲で観測される最大の回折ピーク強度が、前記炭化ケイ素と前記砥粒とを重量比1:1で混合し、25℃から1000℃まで加熱して得られる焼成品のX線回折を行ったときに、前記砥粒単独の焼成品と、前記炭化ケイ素単独の焼成品との、前記最大の回折ピーク強度の回折角2θにおける合成ピーク強度以下に減少する、請求項1に記載の研磨方法。
  4. 前記研磨部材Aが、砥粒を含む研磨スラリーである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の研磨方法。
  5. 前記砥粒のビッカース硬度が、2,000〜4,000Hvである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の研磨方法。
  6. 前記砥粒が、BCまたはTiBである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の研磨方法。
  7. 前記砥粒の平均二次粒子径が、5〜50μmである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の研磨方法。
  8. 炭化ケイ素基板を研磨する研磨方法における、研磨パッドを用いて研磨する一次研磨工程に用いられる砥粒であって、
    前記炭化ケイ素基板と固相反応を伴って研磨する作用を備える、砥粒。
  9. 炭化ケイ素基板を研磨する研磨方法における、研磨パッドを用いて研磨する一次研磨工程に用いられる砥粒であって、
    前記砥粒または炭化ケイ素を単独で25℃から1500℃まで加熱して得られる焼成品のX線回折を行ったときに回折角2θで20〜40°の範囲で観測される最大の回折ピーク強度が、前記炭化ケイ素と前記砥粒とを重量比1:1で混合し、25℃から1500℃まで加熱して得られる焼成品のX線回折を行ったときに、前記砥粒単独の焼成品と、前記炭化ケイ素単独の焼成品との、前記最大の回折ピーク強度の回折角2θにおける合成ピーク強度以下に減少する、砥粒。
  10. 炭化ケイ素基板を研磨する研磨方法における、研磨パッドを用いて研磨する一次研磨工程に用いられる砥粒であって、
    前記砥粒または炭化ケイ素を単独で25℃から1000℃まで加熱して得られる焼成品のX線回折を行ったときに回折角2θで20〜40°の範囲で観測される最大の回折ピーク強度が、前記炭化ケイ素と前記砥粒とを重量比1:1で混合し、25℃から1000℃まで加熱して得られる焼成品のX線回折を行ったときに、前記砥粒単独の焼成品と、前記炭化ケイ素単独の焼成品との、前記最大の回折ピーク強度の回折角2θにおける合成ピーク強度以下に減少する、砥粒。
  11. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の研磨方法で研磨する工程を含む、または、研磨パッドを用いて、請求項8〜10のいずれか1項に記載の砥粒を用いて、炭化ケイ素基板を研磨する一次研磨工程を含む、研磨済炭化ケイ素基板の製造方法。
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