JP2017014363A - 研磨用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高硬度材料の研磨レートを向上させ得る研磨用組成物を提供する。
【解決手段】1500Hv以上のビッカース硬度を有する材料を研磨するための研磨用組成物であって、砥粒および研磨助剤を含み、前記砥粒として、周期表の第4族元素および第5族元素から選択される少なくとも1種の元素を含む砥粒を含有する、研磨用組成物。前記砥粒は、チタン又はバナジウムの少なくとも一方を含む研磨用組成物。前記研磨助剤として、周期表の第14族元素および第15族元素のうち第3周期〜第6周期に属する元素から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化性物質を含有する、研磨用組成物。前記酸性物が、鉛又はビスマスの少なくとも一方を含む研磨用組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、研磨用組成物に関する。詳しくは、炭化ケイ素単結晶等の高硬度材料の研磨に用いられる研磨用組成物に関する。
ダイヤモンド、サファイア(酸化アルミニウム)、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化タングステン、窒化ケイ素、窒化チタン等の高硬度材料の表面は、通常、研磨定盤にダイヤモンド砥粒を供給して行う研磨(ラッピング)によって加工される。しかし、ダイヤモンド砥粒を用いるラッピングでは、スクラッチの発生、残存等のため、欠陥や歪みが生じやすい。そこで、ダイヤモンド砥粒を用いたラッピングの後に、あるいは当該ラッピングに代えて、研磨パッドを用いて当該研磨パッドと研磨対象物との間に研磨スラリーを供給して行う研磨(ポリシング)が検討されている。この種の従来技術を開示する文献として、特許文献1〜4が挙げられる。
特開2011−121153号公報 特開2012−248569号公報 特開2014−24154号公報 特許第5592276号公報
上記従来技術文献では、ポリシングに使用されるスラリー(研磨用組成物)の含有成分(砥粒、酸化剤等)の工夫により、研磨レート(単位時間当たりに研磨対象物の表面を除去する量)や表面平滑性の改善が提案されている。しかし、このような技術によっても、研磨レートに関する実用的な要求レベルを満足させるには不十分であり、なお改善の余地がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、高硬度材料表面に対して、研磨レートを向上させ得る研磨用組成物を提供することである。
本発明によると、1500Hv以上のビッカース硬度を有する材料を研磨するための研磨用組成物が提供される。この研磨用組成物は、砥粒および研磨助剤を含み、前記砥粒として、周期表の第4族元素および第5族元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む砥粒を含有する。上記特定族元素を含む砥粒を用いることにより、高硬度材料表面に対して高い研磨レートが実現され得る。
ここに開示される研磨用組成物の好ましい一態様では、前記砥粒は、チタンおよびバナジウムの少なくとも一方を含む。かかる砥粒は、研磨レートの向上により有効に寄与し得る。
ここに開示される研磨用組成物の好ましい一態様では、前記研磨助剤として、周期表の第14族元素および第15族元素のうち第3周期〜第6周期に属する元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化性物質を含有する。上記酸化性物質と上記砥粒とを組み合わせて用いることにより、研磨レートをより効果的に向上させることができる。
また、本発明によると、1500Hv以上のビッカース硬度を有する材料を研磨するための研磨用組成物が提供される。この研磨用組成物は、砥粒および研磨助剤を含み、前記研磨助剤として、周期表の第14族元素および第15族元素のうち第3周期〜第6周期に属する元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化性物質を含有する。上記特定族元素を含む酸化性物質を用いることにより、高硬度材料表面に対して高い研磨レートが実現され得る。
ここに開示される研磨用組成物の好ましい一態様では、前記酸化性物質は、鉛およびビスマスの少なくとも一方を含む。かかる酸化性物質は、研磨レートの向上に有効に寄与し得る。
ここに開示される研磨用組成物の好ましい一態様では、前記砥粒として、周期表の第4族元素、第5族元素および第6族元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む砥粒を含有する。かかる砥粒は、研磨レートの向上により有効に寄与し得る。そのため、上述した酸化性物質を用いることと相俟って、研磨レートをより効果的に向上させることができる。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
<研磨対象物>
ここに開示される研磨用組成物は、1500Hv以上のビッカース硬度を有する材料(高硬度材料)を研磨するために用いられる。高硬度材料のビッカース硬度は、好ましくは1800Hv以上(例えば2000Hv以上、典型的には2200Hv以上)である。ビッカース硬度の上限は特に限定されないが、凡そ7000Hv以下(例えば5000Hv以下、典型的には3000Hv以下)であってもよい。なお、本明細書において、ビッカース硬度は、JIS R 1610:2003に基づいて測定することができる。上記JIS規格に対応する国際規格はISO 14705:2000である。
1500Hv以上のビッカース硬度を有する材料としては、ダイヤモンド、サファイア(酸化アルミニウム)、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化タングステン、窒化ケイ素、窒化チタン等が挙げられる。ここに開示される研磨方法は、機械的かつ化学的に安定な上記材料の単結晶表面に対して好ましく適用することができる。なかでも、研磨対象物表面は、炭化ケイ素から構成されていることが好ましい。炭化ケイ素は、電力損失が少なく耐熱性等に優れる半導体基板材料として期待されており。その表面性状を改善することの実用上の利点は特に大きい。ここに開示される研磨用組成物は、炭化ケイ素の単結晶表面に対して特に好ましく適用される。
<研磨用組成物>
本明細書により提供される研磨用組成物は、(1)周期表の第4族元素および第5族元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む砥粒を含有すること、および(2)周期表の第14族元素および第15族元素のうち第3周期〜第6周期に属する元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化性物質を研磨助剤として含有すること、の少なくとも一方を満たすことによって特徴づけられる。以下、上記(1)を少なくとも満たす研磨用組成物を「研磨用組成物C1」、上記(2)を少なくとも満たす研磨用組成物を「研磨用組成物C2」ということがある。特記しない場合、以下において「研磨用組成物」とは、研磨用組成物C1およびC2を包含する意味である。
(研磨用組成物C1)
研磨用組成物C1は、周期表の第4族元素および第5族元素から選択される少なくとも1種の元素を含む砥粒A1を含有することによって特徴づけられる。かかる砥粒A1は、ポリシングにおいて高硬度材料表面との間で固相反応が生じ得る。そのため、当該砥粒A1による機械的な研磨作用と、上記固相反応による化学的な研磨作用とが効果的に組み合わされ、研磨レートの向上に寄与し得る。砥粒A1は、典型的には、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)およびタンタル(Ta)のうちのいずれか1種または2種以上を含む。これらのうち、周期表の第4周期に属する元素(すなわちTiおよびV)のうちのいずれか、あるいはこれらの組み合わせが好ましい。
砥粒A1の好適例としては、上述した特定族元素を含む酸化物、窒化物、炭化物等から実質的に構成される砥粒が挙げられる。具体例として、酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化ハフニウム粒子、酸化バナジウム粒子、酸化ニオブ粒子、酸化タンタル粒子等の酸化物粒子;窒化チタン粒子、窒化ジルコニウム粒子、窒化ハフニウム粒子、窒化バナジウム粒子、窒化ニオブ粒子、窒化タンタル粒子等の窒化物粒子;炭化チタン粒子、炭化ジルコニウム粒子、炭化ハフニウム粒子、炭化バナジウム粒子、炭化ニオブ粒子、炭化タンタル粒子等の炭化物粒子;等が例示される。このような無機粒子は、1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化バナジウム粒子、酸化ニオブ粒子等の酸化物粒子は、高硬度材料表面を効率よく研磨し得る点で好ましい。酸化チタン粒子および酸化バナジウム粒子が特に好ましい。
なお、本明細書において、砥粒の組成について「実質的にXから構成される」とは、当該砥粒に占めるXの割合(Xの純度)が、重量基準で90%以上(好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上、さらに好ましくは98%以上、例えば99%以上)であることをいう。
ここに開示される研磨用組成物C1は、上記砥粒A1に加えて、上記砥粒A1以外の砥粒、すなわち第4族元素および第5族元素を含まない砥粒B1を含有してもよい。そのような砥粒B1の例としては、アルミナ粒子、シリカ粒子、酸化セリウム粒子、酸化マグネシウム粒子、酸化マンガン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化鉄粒子、酸化クロム粒子、酸化モリブデン粒子、酸化タングステン粒子等の酸化物粒子;窒化ケイ素粒子、窒化ホウ素粒子、窒化クロム粒子、窒化モリブデン粒子、窒化タングステン粒子等の窒化物粒子;炭化ケイ素粒子、炭化ホウ素粒子、炭化クロム粒子、炭化モリブデン粒子、炭化タングステン粒子等の炭化物粒子;ダイヤモンド粒子;炭酸カルシウムや炭酸バリウム等の炭酸塩;等のいずれかから実質的に構成される砥粒が挙げられる。このような砥粒B1は、1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
好ましい一態様では、研磨用組成物C1に含まれる砥粒の全重量のうち、砥粒A1の重量が50重量%よりも大きい。上記砥粒A1の重量は、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上、典型的には95重量%以上である。例えば、上記砥粒A1の重量が、当該研磨用組成物C1に含まれる砥粒の全重量に等しくてもよい。すなわち、ここに開示される研磨用組成物C1は、上記砥粒B1を実質的に含まない態様で好ましく実施され得る。
また、ここに開示される研磨用組成物は、砥粒としてダイヤモンド粒子を実質的に含まないことが好ましい。ダイヤモンド粒子はその高硬度ゆえ、平滑性向上の制限要因となり得る。また、ダイヤモンド粒子は概して高価であることから、コストパフォーマンスの点で有利な材料とはいえず、実用面からは、ダイヤモンド粒子等の高価格材料への依存度は低いことが望ましい。
研磨用組成物C1に含まれる砥粒の平均二次粒子径は、通常は20nm以上であり、研磨効率等の観点から、好ましくは100nm以上、より好ましくは200nm以上(例えば300nm以上)である。上記の平均二次粒子径を有する砥粒によると、より高い研磨レートが実現され得る。砥粒の平均二次粒子径の上限は、単位重量当たりの個数を充分に確保する観点から、凡そ5000nm以下とすることが適当である。研磨効率および研磨後の表面平滑性をより高度に両立する観点から、上記平均二次粒子径は、好ましくは3000nm以下、より好ましくは2000nm以下(例えば800nm以下)である。
砥粒の平均二次粒子径は、500nm未満の粒子については、例えば、日機装社製の型式「UPA−UT151」を用いた動的光散乱法により、体積平均粒子径(体積基準の算術平均径;Mv)として測定することができる。また、500nm以上の粒子についてはBECKMAN COULTER社製の型式「Multisizer 3」を用いた細孔電気抵抗法等により、体積平均粒子径として測定することができる。
ここに開示される研磨用組成物C1は、研磨助剤を含むことが好ましい。研磨助剤は、ポリシングによる効果を増進する成分である。研磨助剤は、特に限定的に解釈されるものではないが、ポリシングにおいて研磨対象物表面を変質(典型的には酸化変質)する作用を示し、研磨対象物表面の脆弱化をもたらすことで、砥粒による研磨に寄与していると考えられる。
好ましい一態様において、研磨用組成物C1の研磨助剤として、研磨助剤Aを用いることができる。研磨助剤Aとしては、過酸化水素等の過酸化物;硝酸、その塩である硝酸鉄、硝酸銀、硝酸アルミニウム、その錯体である硝酸セリウムアンモニウム等の硝酸化合物;ペルオキソ一硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸等の過硫酸、その塩である過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸化合物;塩素酸やその塩、過塩素酸、その塩である過塩素酸カリウム等の塩素化合物;臭素酸、その塩である臭素酸カリウム等の臭素化合物;ヨウ素酸、その塩であるヨウ素酸アンモニウム、過ヨウ素酸、その塩である過ヨウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸カリウム等のヨウ素化合物;鉄酸、その塩である鉄酸カリウム等の鉄酸類;過マンガン酸、その塩である過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム等の過マンガン酸類;クロム酸、その塩であるクロム酸カリウム、ニクロム酸カリウム等のクロム酸類;バナジン酸、その塩であるバナジン酸アンモニウム、バナジン酸ナトリウム、バナジン酸カリウム等のバナジン酸類;過ルテニウム酸またはその塩等のルテニウム酸類;モリブデン酸、その塩であるモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸二ナトリウム等のモリブデン酸類;過レニウムまたはその塩等のレニウム酸類;タングステン酸、その塩であるタングステン酸二ナトリウム等のタングステン酸類;が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。なかでも、研磨効率等の観点から、過マンガン酸またはその塩、クロム酸またはその塩、鉄酸またはその塩が好ましく、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カリウムが特に好ましい。
好ましい一態様では、研磨用組成物C1は、研磨助剤Aとして複合金属酸化物CMO1を含む。上記複合金属酸化物CMO1としては、硝酸金属塩、鉄酸類、過マンガン酸類、クロム酸類、バナジン酸類、ルテニウム酸類、モリブデン酸類、レニウム酸類、タングステン酸類が挙げられる。なかでも、鉄酸類、過マンガン酸類、クロム酸類がより好ましく、過マンガン酸類がさらに好ましい。
さらに好ましい一態様では、上記複合金属酸化物CMO1として、1価または2価の金属元素(ただし、遷移金属元素を除く。)と、周期表の第4周期遷移金属元素と、を有する複合金属酸化物が用いられる。上記1価または2価の金属元素の好適例としては、Na、K、Mg、Caが挙げられる。なかでも、Na、Kがより好ましい。周期表の第4周期遷移金属元素の好適例としては、Fe、Mn、Cr、V、Tiが挙げられる。なかでも、Fe、Mn、Crがより好ましく、Mnがさらに好ましい。
ここに開示される研磨用組成物C1は、研磨助剤Aに代えて、または研磨助剤Aに加えて、研磨助剤A以外の研磨助剤(以下「研磨助剤B」ともいう。)を含む組成であってもよい。研磨助剤Bとしては、周期表の第14族元素および第15族元素のうち第3周期〜第6周期に属する元素を含む酸化性物質を用いることができる。ここで酸化性物質とは、酸化力の高い物質(例えば、標準水素電極に対する標準酸化還元電位が500mV以上の物質)をいう。かかる研磨助剤Bは、ポリシングにおいて高硬度材料表面との間で酸化反応を起こし、当該表面の低硬度化、脆弱化を有効にもたらし得る。研磨助剤Bは、典型的には、鉛(Pb)、スズ(Sn)、ゲルマニウム(Ge)、ケイ素(Si)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、ヒ素(As)、リン(P)、のうちのいずれか1種または2種以上を含む。これらのうち、周期表の第5周期および第6周期に属する元素のうちのいずれか、あるいはこれらの組み合わせが好ましい。なかでも第6周期に属する元素(すなわちPbおよびBiの少なくとも一方)を含むことが好ましい。
研磨助剤Bの具体例としては、酸化鉛(例えば二酸化鉛)、酸化ビスマス(例えば四酸化二ビスマス)、酸化アンチモン(例えば五酸化二アンチモン)等の酸化物;ビスマス酸、その塩であるビスマス酸ナトリウム、ビスマス酸カリウム等のビスマス酸類;アンチモン酸、その塩であるアンチモン酸ナトリウム等のアンチモン酸類;鉛酸、その塩である鉛酸ナトリウム等の鉛酸類;ヒ酸、その塩であるヒ酸類;フッ化鉛、フッ化アンチモン等のフッ化物;塩化鉛、塩化アンチモン等の塩化物;硝酸鉛、硝酸ビスマス、硝酸スズ等の硝酸塩;リン酸鉛等のリン酸塩;ケイ酸鉛等のケイ酸塩;四酢酸鉛等の酢酸塩;硫酸鉛、硫酸ビスマス等の硫酸塩;が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。なかでも、酸化鉛(例えば二酸化鉛)、ビスマス酸またはその塩が好ましい。
好ましい一態様では、研磨用組成物C1は、研磨助剤Bとして複合金属酸化物CMO2を含む。上記複合金属酸化物CMO2としては、ビスマス酸類、アンチモン酸類、鉛酸類、スズ酸類が挙げられる。なかでも、ビスマス酸類、鉛酸類がより好ましく、ビスマス酸類がさらに好ましい。
さらに好ましい一態様では、上記複合金属酸化物CMO2として、1価または2価の金属元素(ただし、遷移金属元素を除く。)と、周期表の第6周期遷移金属元素と、を有する複合金属酸化物が用いられる。上記1価または2価の金属元素の好適例としては、Na、K、Mg、Caが挙げられる。なかでも、Na、Kがより好ましい。周期表の第6周期遷移金属元素の好適例としては、Bi、Pbが挙げられる。なかでも、Biが好ましい。
上記研磨助剤Bは、研磨用組成物C1中において溶解していてもよく、固体のまま分散していてもよい。すなわち、研磨助剤Bは水溶性であっても非水溶性であってもよい。好ましい一態様では、研磨用組成物C1中において研磨助剤Bの一部が溶解し、残りが固体のまま分散している。研磨助剤Bの一部を溶解させつつ残りを固体のまま分散させることによって、溶解成分による化学的研磨作用と、不溶解成分による機械的研磨作用とが組み合わされ、研磨レートが効果的に向上し得る。ここに開示される技術は、例えば、研磨助剤Bの溶解成分と不溶解成分との重量比が100:0〜0:100(例えば95:5〜5:95、典型的には20:80〜80:20)である態様で好ましく実施され得る。
好ましい一態様では、研磨用組成物C1に含まれる研磨助剤の全重量のうち、前記研磨助剤Aの重量が50重量%よりも大きい。この態様における上記研磨助剤Aの重量は、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上、典型的には95重量%以上である。例えば、上記研磨助剤Aの重量が、当該研磨用組成物C1に含まれる研磨助剤の全重量に等しくてもよい。すなわち、ここに開示される研磨用組成物C1は、前記研磨助剤Bを実質的に含まない態様で好ましく実施され得る。
他の好ましい一態様では、研磨用組成物C1に含まれる研磨助剤の全重量のうち、前記研磨助剤Bの重量が50重量%よりも大きい。この態様における上記研磨助剤Bの重量は、好ましくは70重量%以上、例えば80重量%以上、典型的には95重量%以上である。例えば、上記研磨助剤Bの重量が、当該研磨用組成物C1に含まれる研磨助剤の全重量に等しくてもよい。すなわち、ここに開示される研磨用組成物C1は、前記研磨助剤Aを実質的に含まない態様でも実施され得る。
特に限定されるものではないが、研磨用組成物C1における砥粒の含有量(複数の砥粒を含む場合には、それらの合計含有量)W1[重量%]と、研磨助剤の含有量(複数の研磨助剤を含む場合には、それらの合計含有量)W2[重量%]との比(W1/W2)は1.5以上であることが好ましい。上記W1/W2は、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、さらに好ましくは4以上、特に好ましくは5以上である。このような砥粒と研磨助剤の含有量の比(W1/W2)であると、研磨レート向上効果がより好適に発揮され得る。W1/W2の上限は、特に限定されないが、研磨用組成物C1の安定性等の観点から、好ましくは20以下、より好ましくは15以下、さらに好ましくは10以下、特に好ましくは8以下である。
(研磨用組成物C2)
研磨用組成物C2は、周期表の第14族元素および第15族元素のうち第3周期〜第6周期に属する元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化性物質、すなわち上述した研磨助剤Bを含むことによって特徴づけられる。好ましい研磨助剤Bの種類や含有量は、研磨用組成物C1と同様とすることができる。
研磨用組成物C2は、研磨助剤Bに加えて、上述した研磨助剤Aをさらに含んでいてもよい。研磨用組成物C2が研磨助剤Aと研磨助剤Bとを組み合わせて含む場合、研磨用組成物C2に含まれる研磨助剤の全重量のうち研磨助剤Bの重量は、50重量%よりも大きいことが好ましい。上記研磨助剤Bの重量は、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上、典型的には95重量%以上である。例えば、上記研磨助剤Bの重量が、当該研磨用組成物C2に含まれる研磨助剤の全重量に等しくてもよい。すなわち、ここに開示される研磨用組成物C2は、前記研磨助剤Aを実質的に含まない態様で好ましく実施され得る。
研磨用組成物C2は、典型的にはさらに砥粒を含む。研磨用組成物C2に用いられる砥粒は特に制限されない。例えば、砥粒は無機粒子、有機粒子および有機無機複合粒子のいずれかであり得る。通常は、砥粒として無機粒子が好ましく用いられる。
好ましい一態様において、研磨レート向上の観点から、研磨用組成物C2の砥粒として、周期表の第4族元素、第5族元素および第6族元素のうちの少なくとも1種の元素を含む砥粒A2を用いることができる。周期表の第4族元素または第5族元素を含む砥粒A2としては、上述した研磨用組成物C1に使用され得る砥粒A1を用いることができる。周期表の第6族元素を含む砥粒A2としては、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)およびタングステン(W)のうちのいずれか1種または2種以上を含む粒子を用いることができ、例えば酸化クロム粒子、酸化モリブデン粒子、酸化タングステン粒子等の酸化物粒子;窒化クロム粒子、窒化モリブデン粒子、窒化タングステン粒子等の窒化物粒子;炭化クロム粒子、炭化モリブデン粒子、炭化タングステン粒子等の炭化物粒子;等が例示される。周期表の第4族元素または第5族元素を含む砥粒A2を少なくとも1種含有する研磨用組成物C2がより好ましい。
研磨用組成物C2は、砥粒A2に代えて、または砥粒A2に加えて、砥粒A2以外の砥粒(以下「砥粒B2」ともいう。)を含む組成であってもよい。砥粒B2としては、研磨用組成物C1に使用し得る砥粒B1のうち、砥粒A2に該当しないものを用いることができる。好ましい一態様において、良好な表面を効率よく形成し得るという観点から、研磨用組成物C2の砥粒B2として、シリカ粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、酸化ジルコニウム粒子、二酸化マンガン粒子、酸化鉄粒子等の酸化物粒子を用いることができる。そのなかでも、アルミナ粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化鉄粒子がより好ましく、アルミナ粒子が特に好ましい。
好ましい一態様では、研磨用組成物C2に含まれる砥粒の全重量のうち、砥粒A2の重量が50重量%よりも大きい。上記砥粒A2の重量は、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上、典型的には95重量%以上である。例えば、上記砥粒A2の重量が、当該研磨用組成物C2に含まれる砥粒の全重量に等しくてもよい。すなわち、ここに開示される研磨用組成物C2は、上記砥粒B2を実質的に含まない態様で好ましく実施され得る。
研磨用組成物C2に含まれる砥粒の好ましい平均二次粒子径は、研磨用組成物C1と同様とすることができる。
研磨用組成物C2における砥粒の含有量(複数の砥粒を含む場合には、それらの合計含有量)と、研磨助剤の含有量(複数の研磨助剤を含む場合には、それらの合計含有量)との比は、研磨用組成物C1と同様とすることができる。
好ましい一態様において、研磨用組成物C2は、砥粒A2と研磨助剤Bとを含有する。砥粒A2と研磨助剤Bとを組み合わせて用いることにより、研磨レートをより効果的に向上させ得る。
ここに開示される研磨用組成物(上述した研磨用組成物C1またはC2に該当する研磨用組成物であり得るが、これらに限定されない。以下同じ。)は、本発明の効果を損なわない範囲で、キレート剤、増粘剤、分散剤、pH調整剤、界面活性剤、有機酸、有機酸塩、無機酸、無機酸塩、防錆剤、防腐剤、防カビ剤等の、研磨用組成物(典型的には高硬度材料研磨用組成物、例えば炭化ケイ素基板ポリシング用組成物)に用いられ得る公知の添加剤を、必要に応じてさらに含有してもよい。上記添加剤の含有量は、その添加目的に応じて適宜設定すればよく、本発明を特徴づけるものではないため、詳しい説明は省略する。
研磨用組成物に用いられる溶媒は、砥粒を分散させることができるものであればよく、特に制限されない。溶媒としては、イオン交換水(脱イオン水)、純水、超純水、蒸留水等を好ましく用いることができる。ここに開示される研磨用組成物は、必要に応じて、水と均一に混合し得る有機溶剤(低級アルコール、低級ケトン等)をさらに含有してもよい。通常は、研磨用組成物に含まれる溶媒の90体積%以上が水であることが好ましく、95体積%以上(典型的には99〜100体積%)が水であることがより好ましい。
<研磨液>
ここに開示される研磨用組成物は、典型的には該研磨用組成物を含む研磨液の形態で研磨対象物に供給されて、その研磨対象物の研磨に用いられる。上記研磨液は、例えば、ここに開示されるいずれかの研磨用組成物を希釈(典型的には、水により希釈)して調製されたものであり得る。あるいは、該研磨用組成物をそのまま研磨液として使用してもよい。すなわち、ここに開示される技術における研磨用組成物の概念には、研磨対象物に供給されて該研磨対象物の研磨に用いられる研磨液(ワーキングスラリー)と、希釈して研磨液として用いられる濃縮液(研磨液の原液)との双方が包含される。ここに開示される研磨用組成物を含む研磨液の他の例として、該組成物のpHを調整してなる研磨液が挙げられる。
ここに開示される研磨液における砥粒の含有量(複数の砥粒を含む場合には、それらの合計含有量)は特に制限されないが、研磨効率の観点から、典型的には0.1重量%以上であり、0.5重量%以上であることが好ましく、1重量%以上であることがより好ましく、3重量%以上であることがさらに好ましく、5重量%以上であることが特に好ましい。砥粒の含有量の増大によって、より高い研磨レートが実現され得る。また、研磨用組成物の分散安定性等の観点から、通常は、上記含有量は、30重量%以下が適当であり、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。
研磨液における研磨助剤(複数の研磨助剤を含む場合には、それらの合計含有量)の含有量は特に制限されないが、通常は0.1重量%以上とすることが適当である。研磨レート等の観点から、上記含有量は0.5重量%以上が好ましく、1重量%以上がより好ましい。一方、研磨助剤の含有量が多すぎると、研磨レート向上効果が鈍化傾向になることに加えて、研磨用組成物の安定性が低下する場合があり得る。当該組成物の安定性等の観点から、上記研磨助剤の含有量は、通常は10重量%以下とすることが適当であり、8重量%以下とすることが好ましく、5重量%以下とすることがより好ましい。
上記研磨液のpHは、1以上12以下であることが好ましい。当該研磨液が前述した研磨助剤Bを含む場合、上記研磨液のpHは、1以上8以下(例えば1.5以上6以下、典型的には2以上5以下)にすることが好ましい。また、研磨液が前述した研磨助剤Aを含む場合、上記研磨液のpHは、4以上12以下(例えば6以上10以下、典型的には8.5以上9.5以下)にすることが好ましい。このことによって、研磨対象物をより効率よく研磨することができる。
<濃縮液>
ここに開示される研磨用組成物は、研磨対象物に供給される前には濃縮された形態(すなわち、研磨液の濃縮液の形態)であってもよい。このように濃縮された形態の研磨用組成物は、製造、流通、保存等の際における利便性やコスト低減等の観点から有利である。濃縮倍率は、例えば、体積換算で2倍〜100倍程度とすることができ、典型的には2倍〜5倍程度とすることができる。
このように濃縮液の形態にある研磨用組成物は、所望のタイミングで希釈して研磨液を調製し、その研磨液を研磨対象物に供給する態様で使用することができる。上記希釈は、典型的には、上記濃縮液に前述の溶媒を加えて混合することにより行うことができる。また、上記溶媒が混合溶媒である場合、該溶媒の構成成分のうち一部の成分のみを加えて希釈してもよく、それらの構成成分を上記溶媒とは異なる量比で含む混合溶媒を加えて希釈してもよい。また、後述するように多剤型の研磨用組成物においては、それらのうち一部の剤を希釈した後に他の剤と混合して研磨液を調製してもよく、複数の剤を混合した後にその混合物を希釈して研磨液を調製してもよい。
上記濃縮液における砥粒の含有量は、例えば60重量%以下とすることができる。研磨用組成物の安定性(例えば、砥粒の分散安定性)や濾過性等の観点から、通常、上記含有量は、好ましくは45重量%以下であり、より好ましくは40重量%以下である。好ましい一態様において、砥粒の含有量を30重量%以下としてもよく、20重量%以下(例えば15重量%以下)としてもよい。また、製造、流通、保存等の際における利便性やコスト低減等の観点から、砥粒の含有量は、例えば0.2重量%以上とすることができ、好ましくは1重量%以上、より好ましくは3重量%以上(例えば4重量%以上)である。
ここに開示される研磨用組成物は、一剤型であってもよいし、二剤型を始めとする多剤型であってもよい。例えば、該研磨用組成物の構成成分(典型的には、溶媒以外の成分)のうち一部の成分を含むA液と、残りの成分を含むB液とが混合されて研磨対象物の研磨に用いられるように構成されていてもよい。
<研磨用組成物の調製>
ここに開示される研磨用組成物の製造方法は特に限定されない。例えば、翼式攪拌機、超音波分散機、ホモミキサー等の周知の混合装置を用いて、研磨用組成物に含まれる各成分を混合するとよい。これらの成分を混合する態様は特に限定されず、例えば全成分を一度に混合してもよく、適宜設定した順序で混合してもよい。
<研磨方法>
この明細書によると、1500Hv以上のビッカース硬度を有する研磨対象材料を研磨する研磨方法が提供される。上記研磨方法は、ここに開示される研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨する工程を含むことによって特徴づけられる。好ましい一態様に係る研磨方法は、予備ポリシングを行う工程(予備ポリシング工程)と、仕上げポリシングを行う工程(仕上げポリシング工程)と、を含んでいる。ここでいう予備ポリシング工程とは、少なくとも表面(研磨対象面)が1500Hv以上のビッカース硬度を有する材料から構成された研磨対象物に対して、予備ポリシングを行う工程である。典型的な一態様では、予備ポリシング工程は、仕上げポリシング工程の直前に配置されるポリシング工程である。予備ポリシング工程は、1段のポリシング工程であってもよく、2段以上の複数段のポリシング工程であってもよい。また、ここでいう仕上げポリシング工程は、予備ポリシングが行われた研磨対象物に対して仕上げポリシングを行う工程であって、砥粒を含むポリシング用スラリーを用いて行われるポリシング工程のうち最後に(すなわち、最も下流側に)配置される研磨工程のことをいう。このように予備ポリシング工程と仕上げポリシング工程とを含む研磨方法において、ここに開示される研磨用組成物は、予備ポリシング工程で用いられてもよく、仕上げポリシング工程で用いられてもよく、予備ポリシング工程および仕上げポリシング工程の両方で用いられてもよい。
好ましい一態様において、上記研磨用組成物を用いるポリシング工程は、予備ポリシング工程である。予備ポリシング工程では、仕上げポリシング工程に比べて要求される研磨レートが大きい。そのため、ここに開示される研磨用組成物は、高硬度材料表面の予備ポリシング工程に用いられる研磨用組成物(予備ポリシング用組成物)として好適である。予備ポリシング工程が2段以上の複数段のポリシング工程を含む場合、ここに開示される研磨用組成物は、前段(上流側)の予備ポリシングに好ましく適用することができる。なかでも、後述するラッピング工程を経た最初の予備ポリシング工程(典型的には1次研磨工程)において好ましく使用され得る。
予備ポリシングおよび仕上げポリシングは、片面研磨装置による研磨、両面研磨装置による研磨のいずれにも適用可能である。片面研磨装置では、セラミックプレートにワックスで研磨対象物を貼りつけたり、キャリアと呼ばれる保持具を用いて研磨対象物を保持し、ポリシング用組成物を供給しながら研磨対象物の片面に研磨パッドを押しつけて両者を相対的に移動(例えば回転移動)させることにより研磨対象物の片面を研磨する。両面研磨装置では、キャリアと呼ばれる保持具を用いて研磨対象物を保持し、上方よりポリシング用組成物を供給しながら、研磨対象物の対向面に研磨パッドを押しつけ、それらを相対方向に回転させることにより研磨対象物の両面を同時に研磨する。
ここに開示される各ポリシング工程で使用される研磨パッドは、特に限定されない。例えば、不織布タイプ、スウェードタイプ、硬質発泡ポリウレタンタイプ、砥粒を含むもの、砥粒を含まないもの等のいずれを用いてもよい。
ここに開示される方法により研磨された研磨物は、典型的にはポリシング後に洗浄される。この洗浄は、適当な洗浄液を用いて行うことができる。使用する洗浄液は特に限定されず、公知、慣用のものを適宜選択して用いることができる。
なお、ここに開示される研磨方法は、上記予備ポリシング工程および仕上げポリシング工程に加えて任意の他の工程を含み得る。そのような工程としては、予備ポリシング工程の前に行われるラッピング工程が挙げられる。上記ラッピング工程は、研磨定盤(例えば鋳鉄定盤)の表面を研磨対象物に押し当てることにより研磨対象物の研磨を行う工程である。したがって、ラッピング工程では研磨パッドは使用しない。ラッピング工程は、典型的には、研磨定盤と研磨対象物との間に砥粒(典型的にはダイヤモンド砥粒)を供給して行われる。また、ここに開示される研磨方法は、予備ポリシング工程の前や、予備ポリシング工程と仕上げポリシング工程との間に追加の工程(洗浄工程やポリシング工程)を含んでもよい。
<試験例1>
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明を実施例に示すものに限定することを意図したものではない。なお、以下の説明において「%」は、特に断りがない限り重量基準である。
<研磨用組成物の調製>
(サンプル1)
砥粒としての酸化バナジウム(V:平均二次粒子径500nm)と、研磨助剤としての過マンガン酸カリウム(KMnO)と脱イオン水とを混合して研磨用組成物を調製した。研磨用組成物中におけるVの含有量は6%、KMnOの含有量は1.2%とした。研磨用組成物のpHは、水酸化カリウム(KOH)を用いて9.0に調整した。
(サンプル2〜5)
砥粒の種類および濃度ならびに研磨助剤の種類および濃度を表1に示すとおりとした他はサンプル1と同様にして、サンプル2〜5の研磨用組成物をそれぞれ調製した。
<研磨レートの評価>
サンプル1〜5の研磨用組成物をそのまま研磨液として使用して、平均粒子径5μmのダイヤモンド砥粒を用いてラッピングを予め実施したSiCウェーハの表面に対し、下記の条件でポリシングを実施した。
[ポリシング条件]
研磨装置:日本エンギス社製の片面研磨装置、型式「EJ−380IN」
研磨パッド:ニッタ・ハース社製「SUBA800」
研磨圧力:300g/cm
定盤回転数:80回転/分
研磨時間:1時間
ヘッド回転数:40回転/分
研磨液の供給レート:20mL/分(掛け流し)
研磨液の温度:25℃
研磨対象物:SiCウェーハ(伝導型:n型、結晶型4H 4°off)2インチ
上記ポリシング(研磨)前後のSiCウェーハの重量に基づいて、以下の計算式(1)、(2)に従って研磨レートを算出した。
(1)研磨取り代[cm]=研磨前後のSiCウェーハの重量の差[g]/SiCの密度[g/cm](=3.21g/cm)/研磨対象面積[cm](=19.62cm
(2)研磨レート[nm/時間]=研磨取り代[cm]×10/研磨時間(=1時間)
得られた算出結果を以下の3段階で評価し、表1の該当欄に示した。
A:研磨レート1000nm/時間以上
B:研磨レート900nm/時間以上1000nm/時間未満
C:研磨レート900nm/時間未満
Figure 2017014363
表1に示されるように、第4族元素または第5族元素を含む砥粒を用いたサンプル1〜3の研磨用組成物によれば、サンプル4、5の研磨用組成物に比べて研磨レートが向上した。この結果から、第4族元素または第5族元素を含む砥粒を用いることにより、研磨レートを向上させ得ることが確認できた。
<試験例2>
(サンプル6)
砥粒としてのアルミナ(Al:平均二次粒子径500nm)と、研磨助剤としてのビスマス酸ナトリウム(NaBiO)と脱イオン水とを混合して研磨用組成物を調製した。研磨用組成物中におけるAlの含有量は6%、NaBiOの含有量は1.2%とした。研磨用組成物のpHは、硫酸(HSO)を用いて2.0に調整した。
(サンプル7〜10)
砥粒の種類および濃度ならびに研磨助剤の種類および濃度を表1に示すとおりとした他はサンプル6と同様にして、サンプル7〜10の研磨用組成物をそれぞれ調製した。
<研磨レートの評価>
サンプル6〜10の研磨用組成物をそのまま研磨液として使用して、前記試験例1と同じ条件でポリシングを実施し、研磨レートを算出した。結果を表2の該当欄に示す。表2には、対比のため、試験例1におけるサンプル4、5の評価結果を併せて示している。
Figure 2017014363
表2に示されるように、第14族元素または第15族元素を含む研磨助剤を用いたサンプル6〜10の研磨用組成物によれば、サンプル4、5の研磨用組成物に比べて研磨レートが向上した。この結果から、第14族元素または第15族元素を含む研磨助剤を用いることにより、研磨レートを向上させ得ることが確認できた。
また、第14族元素または第15族元素を含む研磨助剤を用い、かつ、第4族〜第6族元素のいずれかを含む砥粒を用いたサンプル8〜10の研磨用組成物によれば、サンプル6、7の研磨用組成物に比べて研磨レートがさらに向上した。この結果から、第14族元素または第15族元素を含む研磨助剤と、第4族〜第6族元素のいずれかを含む砥粒とを組み合わせて用いることにより、研磨レートを大幅に向上させ得ることが確認できた。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。

Claims (6)

  1. 1500Hv以上のビッカース硬度を有する材料を研磨するための研磨用組成物であって、
    砥粒および研磨助剤を含み、
    前記砥粒として、周期表の第4族元素および第5族元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む砥粒を含有する、研磨用組成物。
  2. 前記砥粒は、チタンおよびバナジウムの少なくとも一方を含む、請求項1に記載の研磨用組成物。
  3. 前記研磨助剤として、周期表の第14族元素および第15族元素のうち第3周期〜第6周期に属する元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化性物質を含有する、請求項1または2に記載の研磨用組成物。
  4. 1500Hv以上のビッカース硬度を有する材料を研磨するための研磨用組成物であって、
    砥粒および研磨助剤を含み、
    前記研磨助剤として、周期表の第14族元素および第15族元素のうち第3周期〜第6周期に属する元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化性物質を含有する、研磨用組成物。
  5. 前記酸化性物質は、鉛およびビスマスの少なくとも一方を含む、請求項4に記載の研磨用組成物。
  6. 前記砥粒として、周期表の第4族元素、第5族元素および第6族元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む砥粒を含有する、請求項4または5に記載の研磨用組成物。
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