JPWO2018123126A1 - 膜形成用液組成物及びその製造方法 - Google Patents

膜形成用液組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明の膜形成用液組成物は、シリカゾルゲルを主とする成分並びに溶媒を含み、シリカゾルゲルを100質量%とするときに、このシリカゾルゲルが下記の一般式(1)で示されるペルフルオロアミン構造のフッ素含有官能基成分(F)を0.5〜10質量%と炭素数2〜7のアルキル基成分(G)を0.5〜20質量%含み、溶媒が、水と炭素数1〜4のアルコールとの混合溶媒であるか、或いは水と炭素数1〜4のアルコールと前記アルコール以外の有機溶媒との混合溶媒である。【化1】【選択図】なし

Description

本発明は、複数の機能を付与し得る膜を形成するための液組成物及びその製造方法に関する。更に詳しくは、撥水性及び撥油性(以下、撥水撥油性という。)を有する防汚性膜及び金型に代表される型(以下、金型等という。)に離型性を付与し得る膜(以下、離型性付与膜という。)を形成するための液組成物及びその製造方法に関するものである。なお、本国際出願は、2016年12月28日に出願した日本国特許出願第256164号(特願2016−256164)に基づく優先権を主張するものであり、特願2016−256164の全内容を本国際出願に援用する。
従来、撥水撥油性を付与することができる化合物として、特定のペルフルオロアミン構造を有する含フッ素シラン化合物が開示されている(例えば特許文献1参照。)。この含フッ素シラン化合物は、炭素数8以上のペルフルオロアルキル基を含有せず、生体蓄積性や環境適応性の点で問題となるペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)又はペルフルオロオクタン酸(PFOA)を生成する懸念がない化学構造でありながら、優れた撥水撥油性を付与することが可能であり、多種多様な用途に適用可能性を有するフッ素系シランカップリング剤として有用である特徴がある。
特開2015−196644号公報(要約)
特許文献1に示される含フッ素シラン化合物を少量だけ添加して液組成物を調製すると、この液組成物により形成した膜に撥水撥油性を付与することができる。しかしこの含フッ素シラン化合物を一般的なアルコール溶媒とを混合して液組成物を調製した場合、この含フッ素シラン化合物の表面張力がアルコール溶媒の表面張力と大きく異なってしまう。このため、この液組成物を基材上にバーコーターで塗布した場合、塗膜に水玉模様やコーター筋が生じて、成膜性に劣る。更に含フッ素シラン化合物と溶媒だけを混合した液組成物で塗膜を形成した場合、塗膜の強度が低いうえ、塗膜の基材への密着性が十分でない。更に成膜した後の膜厚が、可視光線の波長程度(100nm〜800nm)である場合、液組成物を塗布した後の溶媒が揮発する乾燥過程でウェット膜厚が薄い部位から徐々に揮発していくときに、膜に虹色の干渉縞を発生する問題があった。
本発明の目的は、形成した膜に撥水撥油性の防汚機能及び離型性を付与するとともに、成膜性に優れ、基材への密着性が良好で、強度の高く、虹色の干渉縞を発生しない膜を形成可能な膜形成用液組成物を提供することにある。本発明の別の目的は、上記特長のある膜形成溶液組成物を製造する方法を提供することにある。
本発明の第1の観点は、シリカゾルゲルを主とする成分並びに溶媒を含み、前記シリカゾルゲルを100質量%とするときに、前記シリカゾルゲルが下記の一般式(1)で示されるペルフルオロアミン構造のフッ素含有官能基成分(F)を0.5〜10質量%と炭素数2〜7のアルキル基成分(G)を0.5〜20質量%含み、前記溶媒が、水と炭素数1〜4のアルコールとの混合溶媒であるか、或いは水と炭素数1〜4のアルコールと前記アルコール以外の有機溶媒との混合溶媒であることを特徴とする膜形成用液組成物である。
Figure 2018123126
上記式(1)中、m及びnは、それぞれ同一又は互いに異なる1〜6の整数である。また、Rf1は、炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であって、直鎖状又は分枝状であってもよい。また上記式(1)中、Xは、炭素数2〜10の炭化水素基であって、エーテル結合、CO−NH結合及びO−CO−NH結合から選択される1種以上の結合を含んでいてもよい。
本発明の第2の観点は、(a) ケイ素アルコキシド(A)としてのテトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランとエポキシ基含有シラン(B)と沸点が120℃未満の第1溶媒と水とを混合して混合液を調製する工程と、(b) 前記混合液と有機酸、無機酸又はチタン化合物からなる触媒とを混合して前記ケイ素アルコキシド(A)と前記エポキシ基含有シラン(B)とを加水分解することにより第1加水分解物(C)を調製する工程と、(c) 前記第1加水分解物(C)を含む液に、下記の一般式(2)で示されるフッ素含有シラン(D)と炭素数1〜4のアルコール又は炭素数1〜4のアルコールと前記アルコール以外の有機溶媒との混合溶媒とを混合して、前記フッ素含有シラン(D)を加水分解することにより第2加水分解物のシリカゾルゲル(E)を含む膜形成用液組成物を製造する工程とを含む方法であって、前記工程(a)において前記エポキシ基含有シラン(B)を前記ケイ素アルコキシド(A)と前記エポキシ基含有シラン(B)の合計質量に対して1〜40質量%含むように混合し、前記工程(c)において前記フッ素含有シラン(D)を前記シリカゾルゲル(E)に対して0.6〜12質量%の割合になるように混合することにある。
Figure 2018123126
上記式(2)中、m及びnは、それぞれ同一又は互いに異なる1〜6の整数である。また、Rf1は、炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であって、直鎖状又は分枝状であってもよい。また上記式(2)中、Xは、炭素数2〜10の炭化水素基であって、エーテル結合、CO−NH結合及びO−CO−NH結合から選択される1種以上の結合を含んでいてもよい。更に上記式(2)中、R1及びZはアルコキシ基である(ただし、aは0〜3の整数)。
本発明の第1の観点の膜形成用液組成物では、液組成物がシリカゾルゲルを主成分とするため、高い強度の塗膜が得られ、かつ塗膜の基材への密着性が良好となる。また液組成物が一般式(1)で示されるペルフルオロアミン構造のフッ素含有官能基成分(F)を0.5〜10質量%と炭素数2〜7のアルキル基成分(G)を0.5〜20質量%含むため、形成した膜に優れた撥水撥油性と離型性を付与することができる。また溶媒が、水と炭素数1〜4のアルコールとの混合溶媒であるか、或いは水と炭素数1〜4のアルコールと前記アルコール以外の有機溶媒との混合溶媒であるため、塗膜を成膜性良く形成することができる。更にシリカゾルゲル中に炭素数2〜7のアルキル基成分を含むため、この液組成物は乾燥過程にレベリング性が改善され、形成した膜は厚さが均一で虹色の干渉縞を発生しない。
本発明の第2の観点の膜形成用液組成物の製造方法では、ケイ素アルコキシドとエポキシ基含有シランの混合液と触媒とを混合することにより、ケイ素アルコキシドとエポキシ基含有シランの第1加水分解物を生成することができる。また第1加水分解物に、一般式(2)で示されるフッ素含有シランと炭素数1〜4のアルコール又は炭素数1〜4のアルコールと前記アルコール以外の有機溶媒との混合溶媒とを混合して、フッ素含有シランを加水分解することにより第2加水分解物を生成するため、第一に、フッ素のみの塊ができず、成膜性に優れた液組成物を製造することができ、第二に、撥水撥油性と離型性を付与する膜を形成する液組成物を製造することができ、第三に、基材への密着性が良好で、強度の高い膜を形成する液組成物を製造することができる。またエポキシ基含有シラン(B)を前記ケイ素アルコキシド(A)と前記エポキシ基含有シラン(B)の合計質量に対して1〜40質量%含むため、乾燥過程にレベリング性が改善され、膜厚が均一で虹色の干渉縞を発生しない膜を形成する液組成物を製造することができる。
次に本発明を実施するための形態を説明する。
〔膜形成用液組成物の製造方法〕
〔混合液の調製〕
先ず、ケイ素アルコキシド(A)としてのテトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランとエポキシ基含有シラン(B)と沸点が120℃未満の炭素数1〜4の範囲にあるアルコールと水とを混合して混合液を調製する。このケイ素アルコキシド(A)としては、具体的には、テトラメトキシシラン、そのオリゴマー又はテトラエトキシシラン、そのオリゴマーが挙げられる。例えば、硬度の高い膜を得る目的には、テトラメトキシシランを用いることが好ましく、一方、加水分解時に発生するメタノールを避ける場合は、テトラエトキシシランを用いることが好ましい。
上記エポキシ基含有シラン(B)としては、具体的には、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン又は多官能エポキシシランが挙げられる。エポキシ基含有シラン(B)はケイ素アルコキシド(A)とエポキシ基含有シラン(B)の合計質量に対して1〜40質量%、好ましくは2.5〜20質量%含まれる。エポキシ基含有シラン(B)が下限値の1質量%未満では、形成した膜に虹色の干渉縞が依然として発生し、上限値の40質量%を超えると、形成した膜の強度が低くなる。エポキシ基含有シラン(B)を上記1〜40質量%の範囲含むと、形成した膜は虹色の干渉縞を発生しないのは、エポキシ基も加水分解重合過程において開環し重合に寄与することて、乾燥過程にレベリング性が改善し膜厚さが均一化されることによる。
炭素数1〜4の範囲にあるアルコールは、この範囲にある1種又は2種以上のアルコールが挙げられる。このアルコールとしては、例えば、メタノール(沸点64.7℃)、エタノール(沸点約78.3℃)、プロパノール(n−プロパノール(沸点97−98℃)、イソプロパノール(沸点82.4℃))が挙げられる。特にメタノール又はエタノールが好ましい。これらのアルコールは、ケイ素アルコキドとの混合がしやすいためである。上記水としては、不純物の混入防止のため、イオン交換水や純水等を使用するのが望ましい。ケイ素アルコキシド(A)及びエポキシ基含有シラン(B)に炭素数1〜4の範囲にあるアルコールと水を添加して、好ましくは10〜30℃の温度で5〜20分間撹拌することにより混合液を調製する。
〔第1加水分解物の調製〕
上記調製された混合液と有機酸、無機酸又はチタン化合物からなる触媒とを混合する。このとき液温を好ましくは30〜80℃の温度に保持して好ましくは1〜24時間撹拌する。これにより、ケイ素アルコキシド(A)とエポキシ基含有シラン(B)の第1加水分解物(C)が調製される。第1加水分解物は、ケイ素アルコキシドを2〜50質量%、エポキシ基含有シランを0.1〜30質量%、炭素数1〜4の範囲にあるアルコールを20〜98質量%、水を0.1〜40質量%、有機酸、無機酸又はチタン化合物を触媒として0.01〜5質量%の割合で混合してケイ素アルコキシド及びエポキシ基含有シランの加水分解反応を進行させることで得られる。
炭素数1〜4の範囲にあるアルコールの割合を上記範囲に限定したのは、アルコールの割合が下限値未満では、ケイ素アルコキシドが、溶液中に溶解せず分離してしまうこと、加水分解反応中に反応液がゲル化しやすく、一方、上限値を超えると、加水分解に必要な水、触媒量が相対的に少なくなるために、加水分解の反応性が低下して、重合が進まず、膜の密着性が低下するためである。水の割合を上記範囲に限定したのは、下限値未満では加水分解速度が遅くなるために、重合が進まず、塗布膜の密着性並びに成膜性が不十分になり、一方、上限値を超えると加水分解反応中に反応液がゲル化し、水が多過ぎるためケイ素アルコキシド化合物がアルコール水溶液に溶解せず、分離する不具合を生じるからである。
第1加水分解物中のSiO2濃度(SiO2分)は1〜40質量%であるものが好ましい。加水分解物のSiO2濃度が下限値未満では、重合が不十分であり、膜の密着性の低下やクラックの発生が起こりやすく、上限値を超えると、相対的に水の割合が高くなりケイ素アルコキシドが溶解せず、反応液がゲル化する不具合を生じる。
有機酸、無機酸又はチタン化合物は加水分解反応を促進させるための触媒として機能する。有機酸としてはギ酸、シュウ酸が例示され、無機酸としては塩酸、硝酸、リン酸が例示され、チタン化合物としてはテトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、乳酸チタン等が例示される。触媒は上記のものに限定されない。上記触媒の割合を上記範囲に限定したのは、下限値未満では反応性に乏しく重合が不十分になるため、膜が形成されず、一方、上限値を超えても反応性に影響はないが、残留する酸による基材の腐食等の不具合を生じる。
〔第2加水分解物のシリカゾルゲルの調製〕
上記調製された第1加水分解物(C)を含む液に、フッ素含有シラン(D)と上述した炭素数1〜4のアルコール又は炭素数1〜4のアルコールと前記アルコール以外の有機溶媒との混合溶媒とを混合して、このフッ素含有シラン(D)を加水分解することにより第2加水分解物のシリカゾルゲル(E)を含む膜形成用液組成物を製造する。フッ素含有シラン(D)は第2加水分解物のシリカゾルゲル(E)100質量%に対して0.6〜12質量%含まれる。好ましい含有割合は1.0〜11質量%である。フッ素含有シラン(D)が下限値の0.6質量%未満では、形成した膜に撥水撥油性の防汚性及び離型性が生じにくく、上限値の12質量%を超えると、成膜性に劣り、防汚性及び離型性の機能を発現しにくい。
フッ素含有シランは、上記一般式(2)で示される。上記式(2)中の含窒素ペルフルオロアルキル基としては、より具体的には、下記式(3)〜(14)で示されるペルフルオロアミン構造を挙げることができる。
Figure 2018123126
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また、上記式(2)中のXとしては、下記式(15)〜(18)で示される構造を挙げることができる。なお、下記式(15)はエーテル結合、下記式(16)はエステル結合、下記式(17)はアミド結合、下記式(18)はウレタン結合を含む例を示している。
Figure 2018123126
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ここで、上記式(15)〜(18)中、R2及びR3は炭素数が0から10の炭化水素基、R4は水素原子または炭素数1から6の炭化水素基である。R3の炭化水素基の例とは、メチル基、エチル基等のアルキル基挙げられ、R4の炭化水素基の例とは、メチル基、エチル基等のアルキル基の他、フェニル基、ビニル基等も挙げられる。
また、上記式(2)中、R1は、加水分解基のメトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。
また、上記式(2)中、Zは、加水分解されてSi−O−Si結合を形成可能な加水分解性基であれば特に限定されるものではない。このような加水分解性基としては、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基などのアリールオキシ基、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基などのアラルキルオキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などのアシルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、メトキシ基、エトキシ基を適用することが好ましい。
ここで、上記式(2)で表されるペルフルオロアミン構造を有するフッ素含有シランの具体例としては、例えば、下記式(19)〜(29)で表される構造が挙げられる。なお、下記式(19)〜(29)中、Rはメチル基又はエチル基である。
Figure 2018123126
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上述したように、本実施の形態のフッ素含有シランは、分子内に含窒素ペルフルオロアルキル基とアルコキシシリル基とをそれぞれ1以上有する構造となっていて、窒素原子に炭素数が6以下の短鎖長のペルフルオロアルキル基が複数結合した含窒素ペルフルオロアルキル基を有しており、分子内のフッ素含有率が高いため、形成した膜に優れた撥水撥油性と離型性を付与することができる。
炭素数1〜4のアルコールとともに用いられるアルコール以外の有機溶媒としては、沸点が120℃以上160℃未満の第1溶媒と、沸点が160℃以上220℃以下の第2溶媒が挙げられる。第1溶媒は沸点が120℃未満の炭素数1〜4の範囲にあるアルコールと第2溶媒の中間の沸点を有することから、塗膜の乾燥時に前記アルコールと第2溶媒の沸点差に伴う塗膜の乾燥速度の大きな差を緩和する作用があり、第2溶媒は第1溶媒よりも高沸点であり、塗膜の乾燥速度が遅いことから塗膜の急激な乾燥を防止して急激な乾燥に伴う膜の不均一性を防止する作用があり、前記アルコールは沸点が最も低いことから塗膜の乾燥を速くする作用がある。このように沸点の異なる3種類の溶媒を用いることにより溶媒の乾燥速度を調整して、より的確にかつ効率的に塗膜を成膜性良く形成することができる。
第1溶媒を例示すれば、2−メトキシエタノール(沸点125℃)、2−エトキシエタノール(沸点136℃)、2−イソプロポキシエタノール(沸点142℃)、1−メトキシ−2−プロパノール(沸点120℃)及び1−エトキシ−2−プロパノール(沸点132℃)からなる群より選ばれた1種又は2種以上の溶媒が挙げられる。また第2溶媒を例示すれば、ジアセトンアルコール(沸点169℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(沸点194℃)、N−メチルピロリドン(沸点202℃)及び3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(沸点173℃)からなる群より選ばれた1種又は2種以上の溶媒が挙げられる。
〔膜形成用液組成物〕
本実施の形態の膜形成用液組成物は、上記製造方法で製造され、シリカゾルゲルを主とする成分並びに溶媒を含み、このシリカゾルゲルを100質量%とするときに、シリカゾルゲルが上記の一般式(1)で示されるペルフルオロアミン構造のフッ素含有官能基を0.5〜10質量%と炭素数2〜7のアルキル基を0.5〜20質量%含み、上記溶媒が、水と炭素数1〜4のアルコールとの混合溶媒であるか、或いは水と炭素数1〜4のアルコールと上記アルコール以外の有機溶媒との混合溶媒であることを特徴とする。
上記シリカゾルゲルは、上記の一般式(1)で示されるペルフルオロアミン構造のフッ素含有官能基成分(F)と炭素数2〜7のアルキル基成分(G)を含む。より具体的には、上述した式(9)〜(29)で示されるペルフルオロアミン構造を挙げることができる。
本実施の形態の膜形成用液組成物がシリカゾルゲルを主成分として含むため、塗膜の基材への密着性に優れ、高い強度の塗膜が得られる。またシリカゾルゲルが上記一般式(1)で示されるペルフルオロアミン構造であるため、撥水並びに撥油の効果がある。シリカゾルゲル中のフッ素含有官能基成分(F)の含有割合が0.5質量%未満では形成した膜に撥水撥油性の防汚機能及び離型性を付与できず、10質量%を超えると塗膜の弾き等が発生し成膜性に劣る。好ましいフッ素含有官能基成分(F)の含有割合は0.6〜5質量%である。またシリカゾルゲル中の炭素数2〜7のアルキル基成分(G)の含有割合が0.5質量%未満では、膜の干渉縞が発生する不具合があり、20質量%を超えると膜強度が不足する不具合がある。好ましい炭素数2〜7のアルキル基成分(G)の含有割合は1〜10質量%である。アルキル基成分(G)の炭素数が1ではエポキシ基が開環するため、理論上生じない。一方、炭素数が8以上では膜強度が不足する不具合がある。好ましいアルキル基の炭素数は3〜5である。
〔防汚性膜及び離型性付与膜の形成方法〕
本実施の形態の防汚性膜及び離型性付与膜は、例えば、基材であるステンレス鋼(SUS)、鉄、アルミニウム等の金属板上、窓ガラス、鏡等のガラス上、タイル上、ポリ塩化ビニル(PVC)等のプラスチック上、又はポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム上に、上記液組成物を、スクリーン印刷法、バーコート法、ダイコート法、ドクターブレード、スピン法等により塗布した後に、室温乾燥もしくは乾燥機等により室温〜130℃の温度で乾燥させることにより、形成される。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
〔7種類の第1加水分解物〕
本発明の実施例1〜7及び比較例1〜4に用いられる7種類のシラン化合物の第1加水分解物を調製した。表1に7種類のシラン化合物の第1加水分解物を調製するための原料の種類と含有割合(質量%)を示す。なお、表1中、isoPGは2−イソプロポキシエタノールであり、EtOHはエタノールであり、DAAはジアセトンアルコールであり、NMPはN−メチルピロリドンであり、IPAは2−プロパノールであり、NPAは1−プロパノールであり、混合溶媒はエタノール85質量%と2−プロパノール5質量%と1−プロパノール10質量%の混合物である。第1加水分解物I〜Vは、ケイ素アルコキシド(A)とエポキシ基含有シラン(B)の合計質量に対するエポキシ基含有シラン(B)の含有割合が1〜40質量%の範囲にあって、第2の観点のB/(A+B)の要件を満たす。その一方、第1加水分解物VI及びVIIは上記要件を満たさない。
<第1加水分解物Iの調製>
ケイ素アルコキシド(A)としてのテトラメトキシシラン(TMOS)の3〜5量体(三菱化学社製、商品名:MKCシリケートMS51)99.0gと、エポキシ基含有シラン(B)としての3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM−403)1.0gにエタノール(EtOH)(沸点78.3℃)196.1gを有機溶媒として添加し、更にイオン交換水36.0gを添加して、セパラブルフラスコ内で25℃の温度で5分間撹拌することにより混合液を調製した。またこの混合液に、触媒として濃度35質量%の塩酸1.1gを添加し、40℃で2時間撹拌した。これにより、上記シラン化合物の第1加水分解物Iを調製した。
<第1加水分解物II〜VIIの調製>
第1加水分解物II〜VIIは、加水分解物Iと同様の手順で、表1に示す条件で調製した。第1加水分解物IIは、触媒として濃度60質量%の硝酸を用い、加水分解の重合条件である撹拌は40℃で2時間行った。第1加水分解物IIIは、触媒としてテトライソプロポキシチタンを用い、加水分解の重合条件である撹拌は40℃で2時間行った。第1加水分解物IVは、エポキシ基含有シラン(B)として3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBE−403)、触媒として酢酸を用い、加水分解の重合条件である撹拌は25℃で24時間行った。
Figure 2018123126
第1加水分解物Vは、ケイ素アルコキシド(A)としてテトラエトキシシラン(TEOS)、エポキシ基含有シラン(B)として3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM−402)、触媒として濃度85質量%のリン酸を用い、加水分解の重合条件である撹拌は60℃で2時間行った。第1加水分解物VI及びVIIは、第1加水分解物IIと同じ化合物を用い、表1に示す配合比にて第1加水分解物をそれぞれ調製し、加水分解の重合条件である撹拌は40℃で2時間行った。
<実施例1>
表2に示すように、上記シラン化合物の第1加水分解物Iを生成した液10gに、式(22)で表わされるフッ素含有シラン(D)0.01gと、炭素数1〜4のアルコールとしての混合溶媒(エタノール85質量%と2−プロパノール5質量%と1−プロパノール10質量%の混合溶媒)74.6gと、アルコール以外の有機溶媒の第1溶媒としての2−イソプロポキシエタノール(isoPG)(沸点142℃)11.2gと、第2溶媒としてのジアセトンアルコール(DAA)(沸点169℃)1.6gを添加し、25℃で10分間撹拌した。これにより上記フッ素含有シラン(D)を加水分解し、第2加水分解物(シリカゾルゲル)(E)を含む液組成物を得た。この第2加水分解物(シリカゾルゲル)(E)を含む液組成物の各成分の割合を表3に示す。
<実施例2〜7及び比較例1〜4>
表2に示す、フッ素含有シラン(D)、炭素数1〜4のアルコール、アルコール以外の有機溶媒(第1溶媒、第2溶媒)を用い、実施例1と同様にして、実施例2〜7及び比較例1〜4の液組成物を得た。実施例1〜7及び比較例1〜4の第2加水分解物(シリカゾルゲル)(E)を含む液組成物の各成分の割合を表3に示す。
Figure 2018123126
Figure 2018123126
<比較試験及び評価>
実施例1〜7及び比較例1〜4で得られた11種類の液組成物を、バーコーター(安田精機製作所製、型番No.3)を用いて、厚さ2mm、たて150mm、よこ75mmのSUS基材上にそれぞれ乾燥後の厚さが0.5〜1μmとなるように塗布し、11種類の塗膜を形成した。ここで、先ずバーコーターによる塗布時の成膜性を評価した。続いてすべての塗膜を室温にて、3時間乾燥して11種類の防汚性と離型性が付与された膜を得た。これらの膜について、膜表面の撥水性、撥油性、n−ヘキサデカンの転落性、膜の耐水性、膜の強度、膜の基材への密着性及び膜付き基材からの離型性を評価した。これらの結果を表4に示す。なお、表4では、n−ヘキサデカンを単に「HD」と表記している。
(1) 成膜性
成膜性は、膜を目視にて評価した。膜全体に弾き、筋等の発生がなく、液組成物を均一に塗布できたものは「良好」とし、膜の一部に僅かに弾き、筋等が生じたものは「可」とし、膜全体に弾き、筋等が生じたものは「不良」とした。
(2) 虹色の干渉縞の有無
膜を目視して、膜全体にわたって虹色の干渉縞の発生の有無を調べ、干渉縞が無いものは「無し」、有るものは「有り」とした。
(3) 膜表面の撥水性(接触角)
協和界面科学製ドロップマスターDM-700を用いて、シリンジに22℃±1℃のイオン交換水を準備し、シリンジの針の先端から2μLの液滴を飛び出した状態にする。次いで評価するSUS基材上の防汚性膜をこの液滴に近づけて防汚性膜に液滴を付着させる。この付着した水の接触角を測定した。静止状態で水が膜表面に触れた1秒後の接触角をθ/2法により解析した値を水の接触角とし、膜表面の撥水性を評価した。
(4) 膜表面の撥油性(接触角)
協和界面科学製ドロップマスターDM-700を用いて、シリンジに22℃±1℃のn−ヘキサデカンを準備し、シリンジの針の先端から2μLの液滴を飛び出した状態にする。次いで評価するSUS基材上の防汚性膜をこの液滴に近づけて防汚性膜に液滴を付着させる。この付着したn−ヘキサデカンの接触角を測定した。静止状態でn−ヘキサデカンが膜表面に触れた1秒後の接触角をθ/2法により解析した値をn−ヘキサデカンの接触角とし、膜表面の撥油性を評価した。膜の表面状態が凸凹になって荒れていると通常よりも高い値を示すため、接触角が高過ぎる場合には、成膜性が不良であるとの判断基準となる。
(5) n−ヘキサデカンの転落性試験
協和界面科学製ドロップマスターDM-700を用いて、シリンジに25℃±1℃のn−ヘキサデカンを準備し、水平に置いたSUS基材上にシリンジからn−ヘキサデカンを9μLの液滴を滴下し、基材を2度/分の速度で傾斜させ、n−ヘキサデカンの液滴が移動開始するときの基材の傾けた角度を測定した。(4)の接触角が低くてもこの転落角度が小さい方が防汚性が高いことを意味する。
(6) 膜の耐水性
評価する防汚性膜をSUS基材とともに5〜15℃の水道水が500mL/分の速度で流れている水中に、水平状態で24時間置き、室温にて乾燥した後、水とn−ヘキサデカンの接触角を測定し、浸漬前の接触角と15度未満の差である場合を「良好」とし、15度以上異なる場合は、「不良」とし、膜の耐水性を評価した。
(7) 膜の強度
水を含ませたスポンジで、膜を20回擦り、膜を目視にて評価した。膜に全く剥離が生じていない場合を「良好」とし、膜の一部に僅かに剥離が生じている場合を「可」とし、膜の大部分に剥離が生じている場合を「不良」とした。
(8) 膜の基材への密着性及び膜付き基材からの離型性
75mm×150mm×厚さ2mmのSUS304基材上に塗膜を形成した。塗膜の上に、セロファンテープを貼り付けた後、テープを剥がしたときに、塗膜がテープ側に全く付かなかった場合を密着性が「良好」であるとし、塗膜の大部分がテープ側に貼り付き、SUS基材界面で塗膜が剥がれてしまった場合を密着性が「不良」であるとした。
膜の基材への密着性を確認するために用いたSUS304基材と同一の基材に膜を形成した。膜の上に、コニシ製エポキシ樹脂とガラスクロスを積層し、8時間乾燥させFRP層を形成した。形成したFRP層に特別な力を掛けずに、FRP層をSUS304基材から剥離できた場合を離型性が「良好」であるとした。一方、形成したFRP層をスクレパー等を用いてもSUS304基材から剥離できなかった場合を離型性が「不良」であるとした。
Figure 2018123126
表4から明らかなように、比較例1の液組成物では、「B/(A+B)」の割合が42.0質量%である第1加水分解物VIに由来し、エポキシ含有シランの割合が多過ぎたため、干渉縞の発生は無かったが、膜の強度が不良であった。即ち、表3に示すアルキル基成分(G)のシリカゾルゲル(E)に対する「G/E」の割合が21.6質量%であったため、膜強度が不足し、膜の耐水性、膜の強度、膜の基材への密着性、膜付き基材からの離型性はすべて不良であった。
また比較例2の液組成物では、「B/(A+B)」の割合が0.5質量%である第1加水分解物VIIに由来し、エポキシ含有シランの割合が少な過ぎたため、成膜性は良好であったが、干渉縞が発生していた。即ち、表3に示すアルキル基成分(G)のシリカゾルゲル成分(E)に対する「G/E」の割合が0.3質量%であったため、干渉縞が発生していた。ただし、表3に示すフッ素官能基成分(F)の割合「F/E」の割合が4.1質量%であり、膜の強度は発現しているため、膜の耐水性、膜の基材への密着性、膜付き基材からの離型性はすべて良好であった。
また比較例3の液組成物では、表3に示すフッ素官能基成分(F)のシリカゾルゲル成分(E)に対する割合「F/E」が11.6質量%と過剰であったことから、干渉縞の発生は無く、膜の耐水性、膜の強度は可であったが、ヘキサデカンの転落性が発現せず、成膜性、膜の基材への密着性、膜付き基材からの離型性はすべて不良であった。
また比較例4の液組成物では、表3に示すフッ素官能基成分(F)のシリカゾルゲル成分(E)に対する割合「F/E」が0.2質量%と少な過ぎたため、干渉縞の発生は無かったが、ヘキサデカンの転落性が発現せず、膜の耐水性、膜の強度、膜の基材への密着性、膜付き基材からの離型性はすべて不良であった。
これに対して、表4から明らかなように、実施例1〜7の液組成物では、干渉膜の発生は無く、成膜性、塗膜の撥水撥油性、ヘキサデカンの転落角、耐水性、膜の強度、膜の基材への密着性、膜付き基材からの離型性ははすべて良好であった。
本発明の膜形成用液組成物は、機械油を使用する工場、油が飛散する厨房、油蒸気が立ちこめるレンジフード、換気扇、冷蔵庫扉等において、油汚れを防止する分野に用いられる。またプレス成形法、FRP成形法等により樹脂成形体又はセラミック成形体を作る場合に、成形体を金型等から容易に離型させる分野に用いられる。
本発明の第1の観点は、シリカゾルゲルを主とする成分並びに溶媒を含み、前記シリカゾルゲルを100質量%とするときに、前記シリカゾルゲルが下記の一般式(1)で示されるペルフルオロアミン構造のフッ素含有官能基成分(F)を0.5〜10質量%と炭素数2〜7のアルキレン基成分(G)を0.5〜20質量%含み、前記溶媒が、水と炭素数1〜4のアルコールとの混合溶媒であるか、或いは水と炭素数1〜4のアルコールと前記アルコール以外の有機溶媒との混合溶媒であることを特徴とする膜形成用液組成物である。
本発明の第2の観点は、(a) ケイ素アルコキシド(A)としてのテトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランとエポキシ基含有シラン(B)と沸点が120℃未満の炭素数1〜4のアルコールと水とを混合して混合液を調製する工程と、(b) 前記混合液と有機酸、無機酸又はチタン化合物からなる触媒とを混合して前記ケイ素アルコキシド(A)と前記エポキシ基含有シラン(B)とを加水分解することにより第1加水分解物(C)を調製する工程と、(c) 前記第1加水分解物(C)を含む液に、下記の一般式(2)で示されるフッ素含有シラン(D)と炭素数1〜4のアルコール又は炭素数1〜4のアルコールと前記アルコール以外の有機溶媒との混合溶媒とを混合して、前記フッ素含有シラン(D)を加水分解することにより第2加水分解物のシリカゾルゲル(E)を含む膜形成用液組成物を製造する工程とを含む方法であって、前記工程(a)において前記エポキシ基含有シラン(B)を前記ケイ素アルコキシド(A)と前記エポキシ基含有シラン(B)の合計質量に対して1〜40質量%含むように混合し、前記工程(c)において前記フッ素含有シラン(D)を前記シリカゾルゲル(E)に対して0.6〜12質量%の割合になるように混合することにある。
本発明の第1の観点の膜形成用液組成物では、液組成物がシリカゾルゲルを主成分とするため、高い強度の塗膜が得られ、かつ塗膜の基材への密着性が良好となる。また液組成物が一般式(1)で示されるペルフルオロアミン構造のフッ素含有官能基成分(F)を0.5〜10質量%と炭素数2〜7のアルキレン基成分(G)を0.5〜20質量%含むため、形成した膜に優れた撥水撥油性と離型性を付与することができる。また溶媒が、水と炭素数1〜4のアルコールとの混合溶媒であるか、或いは水と炭素数1〜4のアルコールと前記アルコール以外の有機溶媒との混合溶媒であるため、塗膜を成膜性良く形成することができる。更にシリカゾルゲル中に炭素数2〜7のアルキレン基成分を含むため、この液組成物は乾燥過程にレベリング性が改善され、形成した膜は厚さが均一で虹色の干渉縞を発生しない。
ここで、上記式(15)〜(18)中、R2及びR3は炭素数が0から10の炭化水素基、R4は水素原子または炭素数1から6の炭化水素基である。R2及びR3の炭化水素基の例とは、メチレン基、エチレン基等のアルキレン基挙げられ、R4の炭化水素基の例とは、メチル基、エチル基等のアルキル基の他、フェニル基、ビニル基等も挙げられる。
〔膜形成用液組成物〕
本実施の形態の膜形成用液組成物は、上記製造方法で製造され、シリカゾルゲルを主とする成分並びに溶媒を含み、このシリカゾルゲルを100質量%とするときに、シリカゾルゲルが上記の一般式(1)で示されるペルフルオロアミン構造のフッ素含有官能基を0.5〜10質量%と炭素数2〜7のアルキレン基を0.5〜20質量%含み、上記溶媒が、水と炭素数1〜4のアルコールとの混合溶媒であるか、或いは水と炭素数1〜4のアルコールと上記アルコール以外の有機溶媒との混合溶媒であることを特徴とする。
上記シリカゾルゲルは、上記の一般式(1)で示されるペルフルオロアミン構造のフッ素含有官能基成分(F)と炭素数2〜7のアルキレン基成分(G)を含む。より具体的には、上述した式(9)〜(29)で示されるペルフルオロアミン構造を挙げることができる。
本実施の形態の膜形成用液組成物がシリカゾルゲルを主成分として含むため、塗膜の基材への密着性に優れ、高い強度の塗膜が得られる。またシリカゾルゲルが上記一般式(1)で示されるペルフルオロアミン構造であるため、撥水並びに撥油の効果がある。シリカゾルゲル中のフッ素含有官能基成分(F)の含有割合が0.5質量%未満では形成した膜に撥水撥油性の防汚機能及び離型性を付与できず、10質量%を超えると塗膜の弾き等が発生し成膜性に劣る。好ましいフッ素含有官能基成分(F)の含有割合は0.6〜5質量%である。またシリカゾルゲル中の炭素数2〜7のアルキレン基成分(G)の含有割合が0.5質量%未満では、膜の干渉縞を発生するの不具合があり、20質量%を超えると膜強度が不足する不具合がある。好ましい炭素数2〜7のアルキレン基成分(G)の含有割合は1〜10質量%である。成分(G)の炭素数が1ではエポキシ基が開環するため、理論上生じない。一方、炭素数が8以上では膜強度が不足する不具合がある。好ましいアルキレン基の炭素数は3〜5である。
Figure 2018123126
Figure 2018123126
表4から明らかなように、比較例1の液組成物では、「B/(A+B)」の割合がが42.3質量%である第1加水分解物VIに由来し、エポキシ含有シランの割合が多過ぎたため、干渉縞の発生は無かったが、膜の強度が不良であった。即ち、表3に示すアルキレン基成分(G)のシリカゾルゲル(E)に対する「G/E」の割合が21.6質量%であったため、膜強度が不足し、膜の耐水性、膜の強度、膜の基材への密着性、膜付き基材からの離型性・密着性はすべて不良であった。
また比較例2の液組成物では、「B/(A+B)」の割合が0.5質量%である第1加水分解物VIに由来し、エポキシ含有シランの割合が少な過ぎたため、成膜性は良好であったが、干渉縞が発生していた。即ち、表3に示すアルキレン基成分(G)のシリカゾルゲル成分(E)に対する「G/E」の割合が0.3質量%であったため、干渉縞が発生していた。ただし、表3に示すフッ素官能基成分(F)の割合「F/E」の割合が4.1質量%であり、膜の強度は発現しているため、膜の耐水性、膜の基材への密着性、膜付き基材からの離型性・密着性はすべて良好であった。

Claims (2)

  1. シリカゾルゲルを主とする成分並びに溶媒を含み、
    前記シリカゾルゲルを100質量%とするときに、前記シリカゾルゲルが下記の一般式(1)で示されるペルフルオロアミン構造のフッ素含有官能基成分(F)を0.5〜10質量%と炭素数2〜7のアルキル基成分(G)を0.5〜20質量%含み、
    前記溶媒が、水と炭素数1〜4のアルコールとの混合溶媒であるか、或いは水と炭素数1〜4のアルコールと前記アルコール以外の有機溶媒との混合溶媒であることを特徴とする膜形成用液組成物。
    Figure 2018123126
    上記式(1)中、m及びnは、それぞれ同一又は互いに異なる1〜6の整数である。また、Rf1は、炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であって、直鎖状又は分枝状であってもよい。また上記式(1)中、Xは、炭素数2〜10の炭化水素基であって、エーテル結合、CO−NH結合及びO−CO−NH結合から選択される1種以上の結合を含んでいてもよい。
  2. (a) ケイ素アルコキシド(A)としてのテトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランとエポキシ基含有シラン(B)と沸点が120℃未満の第1溶媒と水とを混合して混合液を調製する工程と、
    (b) 前記混合液と有機酸、無機酸又はチタン化合物からなる触媒とを混合して前記ケイ素アルコキシド(A)と前記エポキシ基含有シラン(B)とを加水分解することにより第1加水分解物(C)を含む液を調製する工程と、
    (c) 前記第1加水分解物(C)を含む液に、下記の一般式(2)で示されるフッ素含有シラン(D)と炭素数1〜4のアルコール又は炭素数1〜4のアルコールと前記アルコール以外の有機溶媒との混合溶媒とを混合して、前記フッ素含有シラン(D)を加水分解することにより第2加水分解物のシリカゾルゲル(E)を含む膜形成用液組成物を製造する工程と
    を含む方法であって、
    前記工程(a)において前記エポキシ基含有シラン(B)を前記ケイ素アルコキシド(A)と前記エポキシ基含有シラン(B)の合計質量に対して1〜40質量%含むように混合し、
    前記工程(c)において前記フッ素含有シラン(D)を前記シリカゾルゲル(E)に対して0.6〜12質量%の割合になるように混合する
    ことを特徴とする膜形成用液組成物の製造方法。
    Figure 2018123126
    上記式(2)中、m及びnは、それぞれ同一又は互いに異なる1〜6の整数である。また、Rf1は、炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であって、直鎖状又は分枝状であってもよい。また上記式(2)中、Xは、炭素数2〜10の炭化水素基であって、エーテル結合、CO−NH結合及びO−CO−NH結合から選択される1種以上の結合を含んでいてもよい。更に上記式(2)中、R1及びZはアルコキシ基である(ただし、aは0〜3の整数)。
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