JPWO2018066149A1 - ブロック共重合体及びその製造方法、並びに、その利用 - Google Patents
ブロック共重合体及びその製造方法、並びに、その利用 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2018066149A1 JPWO2018066149A1 JP2018543576A JP2018543576A JPWO2018066149A1 JP WO2018066149 A1 JPWO2018066149 A1 JP WO2018066149A1 JP 2018543576 A JP2018543576 A JP 2018543576A JP 2018543576 A JP2018543576 A JP 2018543576A JP WO2018066149 A1 JPWO2018066149 A1 JP WO2018066149A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mass
- block
- polymer block
- polymer
- block copolymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F297/00—Macromolecular compounds obtained by successively polymerising different monomer systems using a catalyst of the ionic or coordination type without deactivating the intermediate polymer
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Graft Or Block Polymers (AREA)
Abstract
Description
(関連出願の相互参照)
本出願は、2016年10月6日に出願された国際特許出願であるPCT/JP2016/079852に基づく優先権を主張するものであり、これらの全内容は、参照により本出願に組み込まれるものとする。また、本出願は、上記PCT出願ほか、2015年10月27日に出願された日本国特許出願である特願2015−210708及び2016年5月31日に出願された日本国特許出願である特願2016−108516に関連し、これらの全内容は、参照により本出願に組み込まれるものとする。
一方、特に自動車用途においては、エンジン出力の増大、静粛性を目的とした防音材の設置等に起因してエンジンルーム内が高温化する傾向にあり、エラストマーに対する耐熱性及び耐油性向上の要求が高まっている。
しかしながら、特許文献1及び2に記載の組成物であっても、高度な耐熱性及び耐油性が要求されるような用途に対しては十分満足できるものではなかった。さらに、流動性及び成形性の点でも懸念されるものであった。
また、特許文献4には、メタクリル系共重合体ブロック(A)とアクリル系共重合体ブロック(B)とをそれぞれ1つ以上含有するブロック共重合体であり、かつ、メタクリル系共重合体(A)が、メタクリレート単量体由来の繰返し単位と、2種類のN−置換マレイミド単量体由来の繰り返し単位とを含有するランダム共重合体ブロックであり、アクリル系共重合体ブロック(B)が、アクリル酸エステル単量体由来の繰り返し単位を含有する、アクリル系熱可塑性樹脂が開示されている。
このように、高度な耐熱性及び耐油性を示すとともに、成形性にも優れるエラストマー組成物については、未だ示されてはいない。さらに、Oリングやガスケット等の部材には、長期間に渡り力を加えて変形させた後に力を解放した際に変形が回復する性質が強く要求されており、いわゆる圧縮永久歪が小さい材料が求められている。
〔1〕スチレン類及びマレイミド化合物に由来する構造単位を含む重合体ブロック(A)、並びに、アクリル系重合体ブロック(B)を有するブロック共重合体であって、
前記重合体ブロック(A)は、該重合体ブロック(A)の全構造単位に対してマレイミド化合物に由来する構造単位を30質量%以上99質量%以下有し、且つ、ガラス転移温度(Tg)が150℃以上の重合体であり、
前記アクリル系重合体ブロック(B)は、溶解パラメータ(SP値)が9.9以上、且つ、Tgが20℃以下の重合体である、ブロック共重合体。
〔2〕前記重合体ブロック(A)の溶解パラメータ(SP値)が10.0以上である前記〔1〕に記載のブロック共重合体。
〔3〕前記重合体ブロック(A)が、該重合体ブロック(A)の全構造単位に対して前記スチレン類に由来する構造単位を1質量%以上70質量%以下有する前記〔1〕又は〔2〕に記載のブロック共重合体。
〔4〕前記マレイミド化合物が、一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種含む前記〔1〕〜〔3〕のいずれか一に記載のブロック共重合体。
〔5〕前記重合体ブロック(A)が、さらに、アミド基含有ビニル化合物に由来する構造単位を有する前記〔1〕〜〔4〕のいずれか一に記載のブロック共重合体。
〔6〕前記重合体ブロック(A)及びアクリル系重合体ブロック(B)の少なくともいずれかに架橋性官能基を有する前記〔1〕〜〔5〕のいずれか一に記載のブロック共重合体。
〔7〕前記架橋性官能基が架橋性単量体に由来するものであり、前記重合体ブロック(A)の全構造単位に対して前記架橋性単量体に由来する構造単位を0.01モル%以上60モル%以下有する前記〔6〕に記載のブロック共重合体。
〔8〕数平均分子量が、10000以上500000以下である前記〔1〕〜〔7〕のいずれか一に記載のブロック共重合体。
〔9〕スチレン類及びマレイミド化合物に由来する構造単位を含む重合体ブロック(A)、並びに、アクリル系重合体ブロック(B)を有するブロック共重合体を、リビングラジカル重合法により製造する方法であって、
前記重合体ブロック(A)は、該重合体ブロック(A)の全構造単位に対してマレイミド化合物に由来する構造単位を30質量%以上99質量%以下有し、且つ、Tgが150℃以上の重合体であり、
前記アクリル系重合体ブロック(B)は、溶解パラメータ(SP値)が9.9以上、且つ、Tgが20℃以下の重合体である、
方法。
〔10〕第一重合工程として、スチレン類1質量%以上70質量%以下、及びマレイミド化合物30質量%以上99質量%以下を含む単量体を重合して前記ブロック(A)を得る工程、
次いで、第二重合工程として、アクリル系単量体を重合して前記重合体ブロック(B)を得る工程、
さらに第三重合工程として、スチレン類1質量%以上70質量%以下、及びマレイミド化合物30質量%以上99質量%以下を含む単量体を重合して前記ブロック(A)を得る工程を含む、
前記〔9〕に記載のブロック共重合体の製造方法。
〔11〕第一重合工程として、アクリル系単量体を重合して前記ブロック(B)を得る工程、並びに、
第二重合工程として、前記スチレン類1質量%以上70質量%以下、及び前記マレイミド化合物30質量%以上99質量%以下を含む単量体を重合して前記重合体ブロック(A)を得る工程を含む、
前記〔9〕に記載のブロック共重合体の製造方法。
〔12〕前記〔1〕〜〔8〕のいずれか一に記載のブロック共重合体を含むエラストマー。
〔13〕前記〔1〕〜〔8〕のいずれか一に記載のブロック共重合体を含む自動車用エラストマー。
さらに、本明細書に開示される製造方法によれば、上記ブロック共重合体を、簡便に効率良く得ることができる。
上記の通り、重合体ブロック(A)はスチレン類及びマレイミド化合物に由来する構造単位を有する。
上記スチレン類には、スチレン及びその誘導体が含まれる。具体的な化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−イソブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−クロロメチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、ジビニルベンゼン等が例示され、これらの内の1種又は2種以上を用いることができる。スチレン類を含む単量体を重合することにより、重合体ブロック(A)にスチレン類に由来する構造単位を導入することができる。
上記の内でも、重合性の観点から、スチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレンが好ましい。また、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ビニルナフタレンは、重合体ブロック(A)のTgを高めることができ、耐熱性に優れるブロックポリマーを得ることができる点において好ましい。
スチレン類に由来する構造単位が1質量%以上であれば、成形性に優れるブロック共重合体が得られる。一方、70質量%以下であれば、後述するマレイミド化合物由来の構造単位の必要量を確保することが可能となるため、耐熱性及び耐油性に優れるブロック共重合体を得ることができる。
上記の内でも、得られるブロック共重合体の耐油性がより優れるものとなる点で、以下の一般式(1)で表される化合物が好ましい。
マレイミド化合物に由来する構造単位が30質量%未満の場合、得られるブロック共重合体の耐熱性及び耐油性が十分でないときがある。一方、99質量%を超えると、上記スチレン類に由来する構造単位が不足する結果、流動性及び成形性が不十分となる場合がある。
これらの内でも、より耐油性に優れるブロック共重合体を得ることができる点から、アミド基含有ビニル化合物が好ましい。
重合体ブロック(A)において、上記の他の単量体に由来する構造単位が占める割合は、重合体ブロック(A)の全構造単位に対して0質量%以上50質量%以下の範囲であることが好ましい。より好ましくは5質量%以上45質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以上40質量%以下である。
(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸tert−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロドデシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル等の(メタ)アクリル酸の脂肪族環式エステル化合物などが挙げられる。
尚、Tgの値は、後述する実施例において記載する通り、示差走査熱量測定(DSC)により得ることができる。また、重合体ブロックを構成する単量体単位から計算により求めることもできる。
重合体ブロック(A)のSP値の上限については特に制限されないが、通常は30以下である。また例えば、SP値は、20.0以下であってもよく、また例えば、18.0以下であってもよい。
ΔEvap :各原子団のモル蒸発熱(cal/mol)
V :各原子団のモル体積(cm3/mol)
アクリル系重合体ブロック(B)は、アクリル系単量体を含む単量体を重合することにより得ることができる。アクリル系単量体とは、アクリル酸及びアクリル酸エステル化合物等のアクリロイル基を有する不飽和化合物を指す。アクリル酸エステル化合物しては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル等のアクリル酸アルキルエステル化合物;
アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸メチルシクロヘキシル、アクリル酸tert−ブチルシクロヘキシル、アクリル酸シクロドデシル等のアクリル酸の脂肪族環式エステル化合物;
アクリル酸メトキシメチル、アクリル酸エトキシメチル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸n−プロポキシエチル、アクリル酸n−ブトキシエチル、アクリル酸メトキシプロピル、アクリル酸エトキシプロピル、アクリル酸n−プロポキシプロピル、アクリル酸n−ブトキシプロピル、アクリル酸メトキシブチル、アクリル酸エトキシブチル、アクリル酸n−プロポキシブチル、アクリル酸n−ブトキシブチル等のアクリル酸アルコキシアルキルエステル化合物などが挙げられる。この他にも、アミド基、アミノ基、カルボキシ基及びヒドロキシ基等の官能基を有するアクリル酸エステル化合物を用いてもよい。
これらの内でも、柔軟性に優れたブロック共重合体が得られる点で炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数2〜8のアルコキシアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル化合物が好ましい。また、耐熱性及び耐油性の観点を加味した場合、上記アクリル系単量体は、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数2〜3のアルコキシアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル化合物を含むものであることがより好ましい。
アクリル系重合体ブロック(B)において、アクリル系単量体に由来する構造単位が上記範囲にある場合は、機械的物性の点で良好なブロック共重合体が得られる傾向にある。
また、Tgが−20℃以下の場合には、低温環境下でも柔軟性が確保される点で好ましい。耐寒性を加味した場合、より好ましくは−30℃以下であり、さらに好ましくは−40℃以下である。
アクリル系重合体ブロック(B)のSP値の上限については特に制限されないが、通常は20以下である。
重合体ブロック(B)が架橋性官能基を有する場合、当該架橋性官能基の導入量は、重合体ブロック(B)の全構造単位に基づいて好ましくは0.01モル%以上であり、より好ましくは0.1モル%以上であり、さらに好ましくは0.5モル%以上である。架橋性官能基の導入量が0.01モル%以上であれば、耐油性の高いブロック共重合体を得易くなる。一方、柔軟性の観点から、架橋性官能基導入量の上限は好ましくは20モル%以下であり、より好ましくは10モル%以下であり、さらに好ましくは5モル%以下である。架橋性官能基の導入量は、重合体ブロック(B)の全構造単位に基づいて0.01モル%以上20モル%以下の範囲とすることができ、好ましくは0.1モル%以上10モル%以下の範囲であり、より好ましくは0.5モル%以上5モル%以下の範囲である。
本開示のブロック共重合体は、上記重合体ブロック(A)及び上記アクリル系重合体ブロック(B)を各々1つ以上有する。ブロック共重合体が、重合体ブロック(A)及び/又はアクリル系重合体ブロック(B)を2以上有する場合、各ブロックの構造は同一であっても異なっていてもよい。
ブロック共重合体の構造についても特に制限はなく、AB型ジブロックポリマー、又は、ABA型及びABC型トリブロックポリマー等、各種の線状又は分岐状のブロック共重合体を用いることができる。エラストマー材料として良好な性能が得られる点では、重合体ブロック(A)−アクリル系重合体ブロック(B)−重合体ブロック(A)からなる、ABAトリブロック共重合体等のA−(BA)n型構造を有するものが好ましい。
ブロック共重合体における重合体ブロック(A)の割合は、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上50質量%以下がより好ましい。
ブロック共重合体におけるアクリル系重合体ブロック(B)の割合は、40質量%以上90質量%以下が好ましく、50質量%以上80質量%以下がより好ましい。
また、ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)の値を上記数平均分子量(Mn)の値で除して得られる分子量分布(Mw/Mn)は、成形性の点で1.5以下であることが好ましい。より好ましくは1.4以下であり、さらに好ましくは1.3以下であり、一層好ましくは1.2以下である。分子量分布の下限値は1.0である。
本開示のブロック共重合体は、上記重合体ブロック(A)及び上記アクリル系重合体ブロック(B)を有するブロック共重合体を得る限りにおいて特段の制限を受けるものではなく、公知の製造方法を採用することができる。例えば、リビングラジカル重合及びリビングアニオン重合等の各種制御重合法を利用する方法や、官能基を有する重合体同士をカップリングする方法等を挙げることができる。これらの中でも、操作が簡便であり、広い範囲の単量体に対して適用することができる点でリビングラジカル重合法が好ましい。
リビングラジカル重合法の種類についても特段の制限はなく、可逆的付加−開裂連鎖移動重合法(RAFT法)、ニトロキシラジカル法(NMP法)、原子移動ラジカル重合法(ATRP法)、有機テルル化合物を用いる重合法(TERP法)、有機アンチモン化合物を用いる重合法(SBRP法)、有機ビスマス化合物を用いる重合法(BIRP法)及びヨウ素移動重合法等の各種重合方法を採用することができる。これらの内でも、重合の制御性と実施の簡便さの観点から、RAFT法、NMP法及びATRP法が好ましい。
RAFT剤は活性点を1箇所のみ有する一官能のものを用いてもよいし、二官能以上のものを用いてもよい。上記A−(BA)n型構造のブロック共重合体を効率的に得やすい点では、二官能型のRAFT剤を用いることが好ましい。
また、RAFT剤の使用量は、用いる単量体及びRAFT剤の種類等により適宜調整される。
上記アゾ化合物の具体例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)等が挙げられる。
上記ラジカル重合開始剤は1種類のみ使用しても又は2種以上を併用してもよい。
この場合、重合前駆体は分子内に2以上の活性点を有するため、より分子量分布の狭い重合体を得ることができる。上記A−(BA)n型構造のブロック共重合体を効率的に得やすい観点から、分子内に活性点を2つ有する二官能型の重合前駆体を用いることが好ましい。
また、ニトロキシド化合物の使用量は、用いる単量体及びニトロキシド化合物の種類等により適宜調整される。
また、以下に示す二段階の重合工程を含む方法により製造した場合は、より効率的に目的物が得られることから好ましい。すなわち、第一重合工程として、アクリル系単量体を重合してアクリル系重合体ブロック(B)を得た後、第二重合工程として、スチレン類1質量%以上70質量%以下、及びマレイミド化合物30質量%以上99質量%以下を含む単量体を重合して重合体ブロック(A)を得る。これにより、重合体ブロック(A)−アクリル系重合体ブロック(B)−重合体ブロック(A)からなる、ABAトリブロック共重合体を得ることができる。この場合、重合開始剤は、二官能性の重合開始剤又は重合前駆体を用いることが好ましい。この方法によれば、各ブロックを順次重合して製造する場合に比較して工程を簡略化することができる。また、上記の第一重合工程及び第二重合工程を繰り返すことにより、テトラブロック共重合体等のより高次のブロック共重合体を得ることができる。
連鎖移動剤は公知のものを使用することができ、具体的には、エタンチオール、1−プロパンチオール、2−プロパンチオール、1−ブタンチオール、2−ブタンチオール、1−ヘキサンチオール、2−ヘキサンチオール、2−メチルヘプタン−2−チオール、2−ブチルブタン−1−チオール、1,1−ジメチル−1−ペンタンチオール、1−オクタンチオール、2−オクタンチオール、1−デカンチオール、3−デカンチオール、1−ウンデカンチオール、1−ドデカンチオール、2−ドデカンチオール、1−トリデカンチオール、1−テトラデカンチオール、3−メチル−3−ウンデカンチオール、5−エチル−5−デカンチオール、tert−テトラデカンチオール、1−ヘキサデカンチオール、1−ヘプタデカンチオール及び1−オクタデカンチオール等の炭素数2〜20のアルキル基を有するアルキルチオール化合物の他、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトエタノール等が挙げられ、これらの内の1種又は2種以上を用いることができる。
本開示のブロック共重合体は、単独でもエラストマー材料として適用することが可能であるが、必要に応じて公知の添加剤等を配合した組成物の態様としてもよい。特に、本開示のブロック共重合体が重合体ブロック(A)及びアクリル系重合体ブロック(B)の少なくともいずれかに架橋性官能基を含む場合、当該官能基と反応可能な架橋剤及び架橋促進剤等を配合し、必要に応じて加熱処理等を施すことにより圧縮永久歪の値が小さいエラストマーを得ることができる点で好ましい。
多価アミンとしては、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカーバメート、N,N′−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミン等の脂肪族ジアミン化合物;4,4′−メチレンビスシクロヘキシルアミンカーバメート等の脂環式ジアミン化合物;4,4′−メチレンジアニリン、m−フェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、4,4′−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、2,2′−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、4,4′−ジアミノベンズアニリド、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,3,5−ベンゼントリアミン、1,3,5−ベンゼントリアミノメチル等の芳香族ジアミン化合物等が挙げられる。
また、多官能イソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジメチルジフェニレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
有機カルボン酸アンモニウム塩としては、安息香酸アンモニウム等が挙げられる。
ジチオカルバミン酸塩としては、ジメチルジチオカルバミン酸、ジエチルジチオカルバミン酸、ジベンジルジチオカルバミン酸等の亜鉛塩、鉄塩、テルル塩等が挙げられる。
多価カルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、マレイン酸、クエン酸、酒石酸、フタル酸等が挙げられる。第4級アンモニウム塩としては、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、n−ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリメチルアンンモニウムブロマイド等が挙げられる。また、ホスホニウム塩としては、トリフェニルベンジルホスホニウムクロライド、トリフェニルベンジルホスホニウムブロマイド、トリフェニルベンジルホスホニウムアイオダイド、トリエチルベンジルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド等が挙げられる。
本開示のブロック共重合体が、1級又は2級アミノ基有する架橋性単量体に由来する構造単位を含む場合、架橋剤としては、多官能イソシアネート及び多官能グリシジル化合物等が好ましく用いられる。
本開示のブロック共重合体が、重合性不飽和基を含む場合、1,2−エタンジチオール、1,4−ブタンチオール、1,10−デカンチオール、1,4−ベンゼンチオール等のジチオール化合物、又はエタン−1,1,1−トリチオール、1,3,5−ベンゼントリチオール等のトリチオール化合物等の多価チオールとのエン・チオール反応を利用することができる。
本開示のブロック共重合体の架橋性基が反応性ケイ素基である場合、湿気により架橋反応を生じるため、架橋剤等を添加する必要はない。
製造例、実施例及び比較例で得られた重合体の分析方法について以下に記載する。
得られた重合体について、以下に記載の条件にてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定を行い、ポリスチレン換算による数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を得た。また、得られた値から分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
○測定条件
カラム:東ソー製TSKgel SuperMultiporeHZ−M×4本
溶媒:テトラヒドロフラン
温度:40℃
検出器:RI
流速:600μL/min
得られた重合体の組成比は1H−NMR測定より同定・算出した。
得られた重合体のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計を用いて得られた熱流束曲線のベースラインと変曲点での接線の交点から決定した。熱流束曲線は試料約10mgを−50℃まで冷却し、5分間保持した後、10℃/minで300℃まで昇温し、引き続き−50℃まで冷却し、5分間保持した後、10℃/minで350℃まで昇温する条件で得た。
測定機器:エスアイアイ・ナノテクノロジー社製DSC6220
測定雰囲気:窒素雰囲気下
尚、実施例及び比較例において得られたブロック共重合体の示差走査熱量測定を行うことにより、重合体ブロック(A)及び重合体ブロック(B)に対応する変曲点が得られ、これらから各重合体ブロックのTgを求めることができる。
ブロック共重合体100部及び酸化防止剤であるIrganox1010(BASF社製)0.3部をテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、重合体濃度10%の溶液を調整した。これを型枠に流し込み、THFを乾燥留去することにより、厚さ約1mmのキャストフィルムを作成した。
上記で得られたフィルムを試料とし、JIS K 6251に準拠し、常態(25℃)における引張破断強度及び破断伸びを測定した。
試料には、初期引張物性と同じフィルムを用いた。
ダンベル型に打ち抜いた試料を150℃の防爆型乾燥機に投入し、1000時間経過後試料を取り出した。次いで、JIS K 6251に準拠し、常態(25℃)における引張破断強度及び破断伸びを測定した。初期の測定値に対する破断伸び、破断強度の保持率を算出することにより、耐熱老化性を評価した。
試料には、初期引張物性と同じフィルムを用いた。
ダンベル型に打ち抜いた試料をエンジンオイル(日産純正 エンジンオイル「モーターオイル エクストラセーブX 10W−30 SJ」)に浸漬後、150℃に加熱し、1000時間経過後試料を取り出した。次いで、取り出した試料を放冷し、軽く拭いた後の重量変化率から膨潤率を評価した。また、同じ試料について、JIS K 6251に準拠し、常態(25℃)における引張破断強度及び破断伸びを測定した。初期の測定値に対する破断伸び、破断強度の保持率を算出した。
以下の各項目について成形性の評価を行った。
(1)流動性
試料には、初期引張物性と同じフィルムを用いた。
ASTM D 1239に準拠し測定したメルトフローレート(MFR)が0.1g/10min以上の値が得られた時の加熱温度及び荷重の条件により評価した。低温、低荷重条件下で上記メルトフローレートが得られるものほど、良好な流動性を有すると判断した。
(2)樹脂の変質
上記のMFR測定前後における試料の分子量を測定してその変化率を算出し、以下の基準に基づいて評価した。
○:変化率10%未満
×:変化率10%以上
(3)外観
以下の条件で125mm×125mm×厚さ2mmの成形体を射出成形し、得られた成形体について、以下の基準に基づき目視による外観評価を行った。
○:表面にシワ、凹凸又はササクレ等の不具合が観察されない
×:表面にシワ、凹凸又はササクレ等の不具合が認められる
射出成形機:100MSIII−10E(商品名、三菱重工業株式会社製)
射出成形温度:240℃
射出圧力:30%
射出時間:3sec
金型温度:40℃
表11に示す配合により得られた各組成物について以下の手順に従い測定した。
上記初期引張物性における試料作成手順に準じて厚さ2mmのフィルム試料を作成し、直径29mmの円盤状に切断したものを7枚重ねて作製した円盤状成形体を200℃で熱プレスして厚さを12.5mm±0.5mmに調整したものを試験片として用い、JIS K 6262に規定される圧縮永久ひずみ試験によって測定した。
具体的には、標準温度(23.2±2℃)において、試験片の直径及び厚さがそれぞれ、29.0±0.5mm(直径)、12.5mm±0.5mm(厚さ)であることを確認し、厚さ9.3〜9.4mmのスペーサを備えた圧縮板に試験片を挟んだ。試験片を圧縮する割合が25体積%となる条件で、70℃で24時間保持した後、23℃で圧縮板を外して30分間放置した後の試験片中央部の厚さを測定した。
測定結果を下記の圧縮永久歪算出式にあてはめて、圧縮永久歪(%)の数値を算出した。
圧縮永久歪(%)=(t0−t2)/(t0−t1)×100
(式中、t0は試験片の元の厚さ(mm)、t1はスペーサの厚さ(mm)、t2は圧縮装置から取り外してから30分後の試験片の厚さ(mm)を示す)
圧縮解放後、試験片が完全に圧縮前の寸法形状に戻ったときの圧縮永久歪の値は0%であり、圧縮から開放しても圧縮されたままの形状で寸法形状が元に戻らない場合の圧縮永久歪の値は100%であるから、圧縮永久歪の値は0%から100%の間で小さいほど回復が優れていることを意味する。
上記圧縮永久歪と同様の手順で作成した厚さ2mmのフィルムを恒温恒湿室(温度23℃、相対湿度50%)に24時間以上静置し、状態を安定させた後、シートを3枚重ね、JIS K 7215「プラスチックのデュロメータ硬さ試験法」に準じてD硬さを測定した。
合成例1
(1,4−ビス(n−ドデシルスルファニルチオカルボニルスルファニルメチル)ベンゼンの合成)
ナス型フラスコに1−ドデカンチオール(42.2g)、20%KOH水溶液(63.8g)、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド(1.5g)を加えて氷浴で冷却し、二硫化炭素(15.9g)、テトラヒドロフラン(以下「THF」ともいう)(38ml)を加え20分攪拌した。α、α’−ジクロロ−p−キシレン(16.6g)のTHF溶液(170ml)を30分かけて滴下した。室温で1時間反応させた後、クロロホルムから抽出し、純水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ロータリーエバポレータで濃縮した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製した後、酢酸エチルから再結晶することにより、以下の式(4)で表される1,4−ビス(n−ドデシルスルファニルチオカルボニルスルファニルメチル)ベンゼン(以下「DLBTTC」ともいう)を収率80%で得た。1H−NMR測定より7.2ppm、4.6ppm、3.4ppmに目的物のピークを確認した。
製造例1
(重合体Aの製造)
攪拌機、温度計を装着した1Lフラスコに合成例1で得られたRAFT剤(DLBTTC)(4.28g)、2,2´−アゾビス2−メチルブチロニトリル(以下「ABN−E」ともいう)(0.25g)、アクリル酸エチル(651g)およびアニソール(287g)を仕込み、窒素バブリングで十分脱気し、60℃の恒温槽で重合を開始した。3時間30分後、室温まで冷却し反応を停止した。上記重合溶液を、ヘキサンから再沈殿精製、真空乾燥することで重合体Aを得た。得られた重合体Aの分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定(ポリスチレン換算)より、Mn69200、Mw75500、Mw/Mn1.09であった。
(重合体B、F、Gの製造)
DLBTTC、ABN−E及びアニソールの使用量を表1に記載の通りとするとともに、反応時間を適宜調整した以外は製造例1と同様の操作を行い、重合体B、F、Gを得た。各重合体の分子量を測定し、表1に示した。
(重合体Cの製造)
アクリル酸エチルに代えてアクリル酸メチルを用い、表1に記載の通り仕込み量を変更するとともに、反応時間を適宜調整した以外は製造例1と同様の操作を行い、重合体Cを得た。重合体Cの分子量を測定し、表1に示した。
(重合体Dの製造)
アクリル酸エチルに加え、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−メトキシエチルを用い、表1に記載の通り仕込み量を変更するとともに、反応時間を適宜調整した以外は製造例1と同様の操作を行い、重合体Dを得た。重合体Dの分子量を測定し、表1に示した。また、1H−NMR測定から重合体中のアクリル酸エチルとアクリル酸n−ブチルとアクリル酸2−メトキシエチルの組成比を決定したところ、アクリル酸エチル/アクリル酸n−ブチル/アクリル酸2−メトキシエチル=49/25/26wt%であった。
(重合体Eの製造)
アクリル酸エチルに加えて、アクリル酸n−ブチルを用い、表1に記載の通り仕込み量を変更するとともに、反応時間を適宜調整した以外は製造例1と同様の操作を行い、重合体Jを得た。重合体Jの分子量を測定し、表1に示した。また、1H−NMR測定から重合体中のアクリル酸エチルとアクリル酸n−ブチルの組成比を決定したところ、アクリル酸エチル/アクリル酸n−ブチル=25/75wt%であった。
(重合体Hの製造)
攪拌機、温度計を装着した1Lフラスコに2−メチル−2−[N−tert−ブチル−N−(1−ジエチルホスフォノ−2,2−ジメチルプロピル)−N−オキシル]プロピオン酸(2.48g)、ヘキサンジオールジアクリレート(0.72g)およびイソプロピルアルコール(20g)を仕込み、窒素バブリングで十分脱気し、100℃の恒温槽で反応を開始した。1時間後、室温まで冷却した後、溶媒を減圧留去した。残渣にN−tert−ブチル−1−ジエチルホスフォノ−2,2−ジメチルプロピル ニトロキシド(0.03g)、アクリル酸エチル(651g)およびアニソール(289g)を仕込み、窒素バブリングで十分脱気し、112℃の恒温槽で重合を開始した。8時間後、室温まで冷却し反応を停止した。上記重合溶液を、ヘキサンから再沈殿精製、真空乾燥することで重合体Hを得た。得られた重合体Hの分子量を測定し、表1に示した。
(重合体Iの製造)
攪拌機、温度計を装着した1Lフラスコに臭化銅(I)(4.28g)、ペンタメチルジエチレントリアミン(7.90g)、アクリル酸エチル(651g)およびアニソール(280g)を仕込み、窒素バブリングで十分脱気した。エチレンビス(2−ブロモイソブチラート)(1.27g)を添加した後、70℃の恒温槽で重合を開始した。6時間後、室温まで冷却し反応を停止した。上記重合溶液を、ヘキサンから再沈殿精製、真空乾燥することで重合体Iを得た。得られた重合体Iの分子量を測定し、表1に示した。
(重合体Jの製造)
アクリル酸エチルに代えて、アクリル酸n−ブチルを用い、表1に記載の通り仕込み量を変更するとともに、反応時間を適宜調整した以外は製造例1と同様の操作を行い、重合体Jを得た。重合体Jの分子量を測定し、表1に示した。
MA:アクリル酸メチル
EA:アクリル酸エチル
C−1:アクリル酸2−メトキシエチル
nBA:アクリル酸n−ブチル
SG1−MAA:2−メチル−2−[N−tert−ブチル−N−(1−ジエチルホスフォノ−2,2−ジメチルプロピル)−N−オキシル]プロピオン酸(Arkema社製ニトロキシド化合物)
SG1:N−tert−ブチル−1−ジエチルホスフォノ−2,2−ジメチルプロピル ニトロキシド(Arkema社製ニトロキシドラジカル)
ABN−E:2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)
実施例1
(ブロック共重合体1の製造)
攪拌機、温度計を装着した1Lフラスコに製造例1で得られた重合体A(87.0g)、ABN−E(0.10g)、N−フェニルマレイミド(14.6g)、スチレン(49.8g)およびアニソール(342g)を仕込み、窒素バブリングで十分脱気し、60℃の恒温槽で重合を開始した。3時間後、室温まで冷却し反応を停止した。上記重合溶液を、メタノールから再沈殿精製、真空乾燥することでブロック共重合体1を得た。得られたブロック共重合体1の分子量を測定した結果、Mn98500、Mw109000、Mw/Mnは1.11であった。
ブロック共重合体1は重合体ブロック(A)−アクリル系重合体ブロック(B)−重合体ブロック(A)の構造を有するトリブロック共重合体である。1H−NMR測定から重合体ブロック(A)中のN−フェニルマレイミドとスチレンの組成比を決定したところ、N−フェニルマレイミド/スチレン=32/68wt%であり、重合体ブロック(A)とアクリル系重合体ブロック(B)の組成比は(A)/(B)=30/70wt%であった。ブロック共重合体1についてエラストマーとしての評価を行い、結果を表8に示した。
フラスコに仕込む原料の種類及び仕込み量を表2〜表4に記載の通り変更するとともに、反応時間を適宜調整した以外は実施例1と同様の操作を行い、ブロック共重合体2〜24及び26〜29を得た。各ブロック共重合体の分子量、並びに、1H−NMR測定による重合体ブロック(A)の組成比、及びブロック共重合体における重合体ブロック(A)とアクリル系重合体ブロック(B)の組成比について表5〜表7に記載した。
攪拌機、温度計を装着した1Lフラスコに2−{[(2−カルボキシエチル)スルファニルチオカルボニル]スルファニル}プロパン酸(0.80g)、ABN−E(0.12g)、N−フェニルマレイミド(27.3g)、スチレン(16.4g)およびアニソール(89.4g)を仕込み、窒素バブリングで十分脱気し、70℃の恒温槽で重合を開始した。2時間後、室温まで冷却し反応を停止した後、アクリル酸エチル(220.8g)およびアニソール(34.4g)を仕込み、窒素バブリングで十分脱気し、70℃の恒温槽で重合を開始した。6時間後、室温まで冷却し反応を停止した後、N−フェニルマレイミド(27.3g)、スチレン(16.4g)およびアニソール(159.3g)を仕込み、窒素バブリングで十分脱気し、70℃の恒温槽で重合を開始した。8時間後、アニソール(195.9g)を仕込み、室温まで冷却することで反応を停止した。上記重合溶液を、メタノールから再沈殿精製、真空乾燥することでブロック共重合体25を得た。得られたブロック共重合体25の分子量を測定した結果、Mn86500、Mw124000、Mw/Mnは1.43であった。
上記2−{[(2−カルボキシエチル)スルファニルチオカルボニル]スルファニル}プロパン酸は一官能性のRAFT剤であり、得られた重合体は重合体ブロック(A)−アクリル系重合体ブロック(B)−重合体ブロック(A)の構造を有するトリブロック共重合体である。1H−NMR測定から重合体ブロック(A)中のN−フェニルマレイミドとスチレンの組成比を決定したところ、N−フェニルマレイミド/スチレン=62/38wt%であり、重合体ブロック(A)とアクリル系重合体ブロック(B)の組成比は(A)/(B)=31/69wt%であった。また、重合体ブロック(A)のSP値は13.0、Tgは210℃であり、アクリル系重合体ブロック(B)のSP値は10.2、Tgは−20℃であった。
PhMI:N−フェニルマレイミド
MI:(N−無置換)マレイミド
EtMI:N−エチルマレイミド
BuMI:N−n−ブチルマレイミド
St:スチレン
αMeSt:α−メチルスチレン
ACMO:アクリロイルモルホリン
IBXA:アクリル酸イソボルニル
MMA:メタクリル酸メチル
MAh:無水マレイン酸
AA:アクリル酸
GMA:メタクリル酸グリシジル
KBM−503:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、商品名)
一方、比較例1は耐熱性及び耐油性の点で十分ではなく、比較例2は重合体ブロック(A)中のマレイミド化合物に由来する構造単位が少ないことから耐油性の点で不十分であった。比較例3は、重合体ブロック(A)にスチレン類に由来する構造単位を有さないものである。流動性が十分ではなく、成形性に劣るものであった。
各原料を表11に示す通り配合し、エラストマー組成物を得た。ただし、実験例1〜4については、架橋反応をさせる目的で、170℃に加熱されたバッチ式ニーダー「プラストグラフEC50型」(ブラベンダー社製)に各原料成分を投入し、100rpm/分の回転数で混合物を10分間溶融混練した。溶融状態の混練物を全量取り出し、室温で冷却して、エラストマー組成物を得た。
エラストマー組成物の配合には、ユニマテックス社製ヘキサメチレンジアミンカーバメート「ケミノックスAC−6」(商品名)、大内新興化学社製ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛「ノクセラーPZ」(商品名)及びジメチルジチオカルバミン酸第二鉄「ノクセラーTTFE」(商品名)を用いた。
また、本開示のブロック共重合体によれば、極めて高い耐熱性及び耐油性を発揮するエラストマー材料を得ることができる。よって、上記の内でも例えば自動車用途では、特にエンジンルーム内の部品として、シール材やパッキン、チューブ、ホース、エンジンカバー、タンクキャップ等に好適に用いられる。電気材料としてはオーブン、トースター、IHヒーター、電熱器、温風ヒーター等の発熱家電等にも好適に用いられる。
本開示のブロック共重合体を含むエラストマー組成物は、所望の形状に成形・加工することにより、自動車部品、家電・OA機器部品、医療用機器部品、包装用資材、土木建築用資材、電線、雑貨等の広汎な分野の資材として好適に用いることができる。
Claims (13)
- スチレン類及びマレイミド化合物に由来する構造単位を含む重合体ブロック(A)、並びに、アクリル系重合体ブロック(B)を有するブロック共重合体であって、
前記重合体ブロック(A)は、該重合体ブロック(A)の全構造単位に対してマレイミド化合物に由来する構造単位を30質量%以上99質量%以下有し、且つ、ガラス転移温度(Tg)が150℃以上の重合体であり、
前記アクリル系重合体ブロック(B)は、溶解パラメータ(SP値)が9.9以上、且つ、Tgが20℃以下の重合体である、ブロック共重合体。 - 前記重合体ブロック(A)の溶解パラメータ(SP値)が10.0以上である請求項1に記載のブロック共重合体。
- 前記重合体ブロック(A)が、該重合体ブロック(A)の全構造単位に対してスチレン類に由来する構造単位を1質量%以上70質量%以下有する請求項1又は2に記載のブロック共重合体。
- 前記重合体ブロック(A)が、さらに、アミド基含有ビニル化合物に由来する構造単位を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のブロック共重合体。
- 前記重合体ブロック(A)及びアクリル系重合体ブロック(B)の少なくともいずれかに架橋性官能基を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のブロック共重合体。
- 前記架橋性官能基が架橋性単量体に由来するものであり、前記重合体ブロック(A)の全構造単位に対して前記架橋性単量体に由来する構造単位を0.01モル%以上60モル%以下有する請求項6に記載のブロック共重合体。
- 数平均分子量が、10000以上500000以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載のブロック共重合体。
- スチレン類及びマレイミド化合物に由来する構造単位を含む重合体ブロック(A)、並びに、アクリル系重合体ブロック(B)を有するブロック共重合体を、リビングラジカル重合法により製造する方法であって、
前記重合体ブロック(A)は、該重合体ブロック(A)の全構造単位に対してマレイミド化合物に由来する構造単位を30質量%以上99質量%以下有し、且つ、Tgが150℃以上の重合体であり、
前記アクリル系重合体ブロック(B)は、溶解パラメータ(SP値)が9.9以上、且つ、Tgが20℃以下の重合体である、
方法。 - 第一重合工程として、スチレン類1質量%以上70質量%以下、及びマレイミド化合物30質量%以上99質量%以下を含む単量体を重合して前記ブロック(A)を得る工程、
次いで、第二重合工程として、アクリル系単量体を重合して前記重合体ブロック(B)を得る工程、
さらに第三重合工程として、スチレン類1質量%以上70質量%以下、及びマレイミド化合物30質量%以上99質量%以下を含む単量体を重合して前記ブロック(A)を得る工程を含む、
請求項9に記載のブロック共重合体の製造方法。 - 第一重合工程として、アクリル系単量体を重合して前記ブロック(B)を得る工程、並びに、
第二重合工程として、スチレン類1質量%以上70質量%以下、及びマレイミド化合物30質量%以上99質量%以下を含む単量体を重合して前記重合体ブロック(A)を得る工程を含む、
請求項9に記載のブロック共重合体の製造方法。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載のブロック共重合体を含むエラストマー。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のブロック共重合体を含む自動車用エラストマー。
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015210708 | 2015-10-27 | ||
JP2016108516 | 2016-05-31 | ||
PCT/JP2016/079852 WO2017073287A1 (ja) | 2015-10-27 | 2016-10-06 | ブロック共重合体及びその製造方法、並びに、その利用 |
JPPCT/JP2016/079852 | 2016-10-06 | ||
PCT/JP2017/010029 WO2018066149A1 (ja) | 2015-10-27 | 2017-03-13 | ブロック共重合体及びその製造方法、並びに、その利用 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2018066149A1 true JPWO2018066149A1 (ja) | 2019-06-24 |
JP6785869B2 JP6785869B2 (ja) | 2020-11-18 |
Family
ID=58630275
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017547704A Active JP6630736B2 (ja) | 2015-10-27 | 2016-10-06 | ブロック共重合体及びその製造方法、並びに、その利用 |
JP2018543576A Active JP6785869B2 (ja) | 2015-10-27 | 2017-03-13 | ブロック共重合体及びその製造方法、並びに、その利用 |
Family Applications Before (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017547704A Active JP6630736B2 (ja) | 2015-10-27 | 2016-10-06 | ブロック共重合体及びその製造方法、並びに、その利用 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (2) | JP6630736B2 (ja) |
WO (2) | WO2017073287A1 (ja) |
Families Citing this family (20)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017073287A1 (ja) * | 2015-10-27 | 2017-05-04 | 東亞合成株式会社 | ブロック共重合体及びその製造方法、並びに、その利用 |
JP7028545B2 (ja) * | 2016-03-30 | 2022-03-02 | 株式会社日本触媒 | ブロック共重合体及び樹脂組成物 |
JP7003940B2 (ja) * | 2017-02-14 | 2022-01-21 | 東亞合成株式会社 | 粘着剤組成物及びその製造方法 |
JP2018184540A (ja) * | 2017-04-26 | 2018-11-22 | アロン化成株式会社 | 難燃性熱可塑性エラストマー組成物 |
JP6807801B2 (ja) * | 2017-04-26 | 2021-01-06 | アロン化成株式会社 | 熱可塑性エラストマー組成物 |
JP6837907B2 (ja) * | 2017-04-26 | 2021-03-03 | アロン化成株式会社 | 熱可塑性エラストマー組成物 |
JP6814690B2 (ja) * | 2017-04-26 | 2021-01-20 | アロン化成株式会社 | 熱可塑性エラストマー組成物 |
JP6814691B2 (ja) * | 2017-04-26 | 2021-01-20 | アロン化成株式会社 | 熱可塑性エラストマー組成物 |
WO2018199268A1 (ja) * | 2017-04-26 | 2018-11-01 | 東亞合成株式会社 | 2-シアノアクリレート系接着剤組成物 |
JP2018184541A (ja) * | 2017-04-26 | 2018-11-22 | アロン化成株式会社 | 熱可塑性エラストマー組成物 |
JP6807800B2 (ja) * | 2017-04-26 | 2021-01-06 | アロン化成株式会社 | 熱可塑性エラストマー組成物 |
US10982115B2 (en) * | 2017-04-26 | 2021-04-20 | Toagosei Co., Ltd. | Adhesive composition |
JP7024395B2 (ja) * | 2017-12-26 | 2022-02-24 | 東亞合成株式会社 | 重合体の製造方法 |
JP7107373B2 (ja) * | 2018-08-08 | 2022-07-27 | 東亞合成株式会社 | 粘着剤組成物とその用途 |
KR20210042101A (ko) * | 2018-08-10 | 2021-04-16 | 가부시키가이샤 오사카소다 | 아크릴 공중합체, 및 고무 재료 |
EP3702376B1 (en) * | 2018-09-24 | 2020-12-23 | Infineum International Limited | Method of making polymers |
JP7271962B2 (ja) * | 2019-01-22 | 2023-05-12 | 東亞合成株式会社 | 水溶性ポリマーの製造方法 |
JP7380185B2 (ja) * | 2019-12-24 | 2023-11-15 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | ブロック共重合体、樹脂組成物および粘着フィルム |
JP7467930B2 (ja) | 2020-01-21 | 2024-04-16 | 東亞合成株式会社 | ブロック共重合体及びその製造方法並びにブロック共重合体の利用 |
US20240132649A1 (en) * | 2021-03-23 | 2024-04-25 | Denka Company Limited | Acrylic block copolymer, (meth)acrylic block copolymer latex, (meth)acrylic block copolymer latex composition, and shaped object |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61113609A (ja) * | 1984-11-05 | 1986-05-31 | アトランテイツク・リツチフイ−ルド・カンパニ− | ラジアルブロック重合体 |
JPH02167325A (ja) * | 1988-09-28 | 1990-06-27 | Nippon Oil & Fats Co Ltd | マレイミド系ブロック共重合体およびその製造法 |
JPH05507737A (ja) * | 1989-07-10 | 1993-11-04 | エルフ アトケム ソシエテ アノニム | アクリル系三元共重合体と、その製造方法と、そのエラストマー製品製造への応用 |
JP2007131763A (ja) * | 2005-11-11 | 2007-05-31 | Showa Highpolymer Co Ltd | (スチレン−アリールマレイミド)ブロック共重合体、その製造方法、およびそれを含む熱硬化性樹脂組成物 |
WO2017073287A1 (ja) * | 2015-10-27 | 2017-05-04 | 東亞合成株式会社 | ブロック共重合体及びその製造方法、並びに、その利用 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4701493A (en) * | 1986-07-14 | 1987-10-20 | Atlantic Richfield Company | Acrylic modified N-arylmaleimide copolymer molding composition |
JP2553134B2 (ja) * | 1987-04-07 | 1996-11-13 | 三菱化学株式会社 | Aba型ブロック共重合体 |
US6767968B1 (en) * | 2000-10-03 | 2004-07-27 | Symyx Technologies, Inc. | ABA-type block copolymers having a random block of hydrophobic and hydrophilic monomers and methods of making same |
US20030236350A1 (en) * | 2002-06-21 | 2003-12-25 | General Electric Company | Impact-modified compositions |
WO2009139353A1 (ja) * | 2008-05-12 | 2009-11-19 | 株式会社日本触媒 | 光学用延伸フィルムとそれを用いた偏光板および画像表示装置 |
-
2016
- 2016-10-06 WO PCT/JP2016/079852 patent/WO2017073287A1/ja active Application Filing
- 2016-10-06 JP JP2017547704A patent/JP6630736B2/ja active Active
-
2017
- 2017-03-13 JP JP2018543576A patent/JP6785869B2/ja active Active
- 2017-03-13 WO PCT/JP2017/010029 patent/WO2018066149A1/ja active Application Filing
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61113609A (ja) * | 1984-11-05 | 1986-05-31 | アトランテイツク・リツチフイ−ルド・カンパニ− | ラジアルブロック重合体 |
JPH02167325A (ja) * | 1988-09-28 | 1990-06-27 | Nippon Oil & Fats Co Ltd | マレイミド系ブロック共重合体およびその製造法 |
JPH05507737A (ja) * | 1989-07-10 | 1993-11-04 | エルフ アトケム ソシエテ アノニム | アクリル系三元共重合体と、その製造方法と、そのエラストマー製品製造への応用 |
JP2007131763A (ja) * | 2005-11-11 | 2007-05-31 | Showa Highpolymer Co Ltd | (スチレン−アリールマレイミド)ブロック共重合体、その製造方法、およびそれを含む熱硬化性樹脂組成物 |
WO2017073287A1 (ja) * | 2015-10-27 | 2017-05-04 | 東亞合成株式会社 | ブロック共重合体及びその製造方法、並びに、その利用 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2018066149A1 (ja) | 2018-04-12 |
JPWO2017073287A1 (ja) | 2018-08-09 |
WO2017073287A1 (ja) | 2017-05-04 |
JP6785869B2 (ja) | 2020-11-18 |
JP6630736B2 (ja) | 2020-01-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6630736B2 (ja) | ブロック共重合体及びその製造方法、並びに、その利用 | |
JP6835088B2 (ja) | モールディング樹脂組成物及び成形品 | |
JP7081592B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物及びその製造方法 | |
JP7003940B2 (ja) | 粘着剤組成物及びその製造方法 | |
CN103958532A (zh) | 新型含氟化合物制品、其制备方法以及由其制得的组合物 | |
JP7239901B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物、並びに、ブロック共重合体及びその製造方法 | |
JP2019167446A (ja) | 重合体組成物 | |
JP2019056099A (ja) | 硬化性組成物、及びシーリング材組成物 | |
JP7081134B2 (ja) | ブロック共重合体の製造方法 | |
JP6837907B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物 | |
JP7024395B2 (ja) | 重合体の製造方法 | |
JP2004035721A (ja) | 熱伝導性熱可塑性エラストマー組成物および熱伝導性熱可塑性エラストマーシート | |
JP6863456B2 (ja) | 2−シアノアクリレート系接着剤組成物 | |
JP7392907B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物及び接着剤組成物 | |
JP6807800B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物 | |
JP7467930B2 (ja) | ブロック共重合体及びその製造方法並びにブロック共重合体の利用 | |
JP2023072761A (ja) | 硬化性樹脂組成物及びシーリング材組成物 | |
JP2019052274A (ja) | ブロック共重合体及びその製造方法、並びに、その利用 | |
JP6814691B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物 | |
JP2018184541A (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物 | |
JP6814690B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物 | |
JP2018184540A (ja) | 難燃性熱可塑性エラストマー組成物 | |
JP6807801B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物 | |
JP2024000050A (ja) | ビニル系重合体及びその製造方法並びに硬化性樹脂組成物 | |
JP2021084961A (ja) | ブロック共重合体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190225 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20191224 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20200127 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200422 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20200616 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200910 |
|
C60 | Trial request (containing other claim documents, opposition documents) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60 Effective date: 20200910 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20200910 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20201005 |
|
C21 | Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21 Effective date: 20201006 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20201020 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20201027 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6785869 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |